説明

車両情報提供装置

【課題】状況に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示すること。
【解決手段】走行可能距離算出部22は、燃料残量、地図情報記憶部12が記憶する地図データ、経路設定部21が設定した走行予定経路、VICS通信部13が取得した交通情報、道路種別判定部23が判定した道路種別を用いて、自車両の走行可能距離を算出する。燃料残量通知判定部25は、走行可能距離算出部22が算出した走行可能距離を閾値と比較し、走行可能距離が閾値以下(走行可能距離がある距離以下)となった場合に燃料残量に関する通知が必要であると判定する。判定閾値設定部24は、GPS11が取得した時刻情報、地図情報記憶部12が記憶する地図データ、VICS通信部13が取得した交通情報、走行履歴記憶部16が記憶した走行履歴データ、乗員情報取得部17が取得した乗員情報に基づいて判定閾値を設定することで、通知タイミングを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に関する情報提供を行なう車両情報提供装置に関し、特に燃料残量に関する通知を行なう車両情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両はガソリンなどの燃料を定期的に補充する必要がある。そのため、従来から燃料残量が一定値を下回った場合に運転者に燃料補充を促すべく、燃料ランプの点灯を行なっていた。
【0003】
さらに近年、この燃料の補給を支援するための各種技術が考案されている。例えば、特許文献1は、ガソリンスタンドなどの給油所に関する情報を携帯電話やビーコンによって取得する技術を公開している。
【0004】
また、特許文献2は、道路の種類によって燃費を判断する技術を公開している。さらに、特許文献3〜6は、燃料の残量から自車両が走行可能な距離(航続距離)を算出する技術を公開している。
【0005】
【特許文献1】特開2002−195843号公報
【特許文献2】特許第2774805号公報
【特許文献3】特開平7−19886号公報
【特許文献4】特開平10−260050号公報
【特許文献5】特開平10−89992号公報
【特許文献6】特開平5−203456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術のように給油所の場所を取得し、自車両の航続距離を判断することで、自車両が到達可能な範囲内に存在する給油場所を探すことが可能となる。
【0007】
しかしながら、上述した従来の技術では、航続距離を算出した後、どの程度の航続距離が残っている状態で運転者に通知を行なうかについては考慮されていなかった。
【0008】
さらに、上述した従来技術は、燃料切れが発生する可能性が非常に高い状況において給油を支援し、燃料切れを防止することを主眼としている。しかし、通常、運転者は早めに燃料補給を行なうものであり、燃料切れまでには余裕がある状態で、自らの予定など合わせて燃料補給のタイミングを決定することが一般的である。
【0009】
したがって、通常時の燃料補給を支援するためには、比較的余裕のある状態で通知を行なうことが求められる。さらに、例えば給油所が少ない地域を走行している場合には、給油所が多い場所を走行する場合に比して、より早めに燃料補給の必要性を示唆する、など、状況に適応して通知タイミングを変更することが望ましい。
【0010】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、課題を解決するためになされたものであり、状況に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示する車両情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る車両情報提供装置は、車両に関する情報提供を行なう車両情報提供装置であって、自車両の燃料残量を取得する燃料残量取得手段と、前記燃料残量に関する通知を行なう通知手段と、判定閾値に基づいて前記通知のタイミングを制御する通知タイミング制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
この請求項1の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、通知のタイミングを制御する。
【0013】
また、請求項2の発明に係る車両情報提供装置は、請求項1に記載の発明において、前記燃料残量に基づいて自車両の走行可能距離を算出する走行可能距離算出手段をさらに備え、前記通知手段は、前記走行可能距離と判定閾値との比較によって通知を実行するか否かを判定し、前記通知タイミング制御手段は前記判定閾値の変更によって前記通知のタイミングを制御することを特徴とする。
【0014】
この請求項2の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量から走行可能距離を算出し、走行可能距離と前記判定閾値との比較によって通知を実行するか否かを判定する場合に、判定閾値を変更することで通知のタイミングを制御する。
【0015】
また、請求項3の発明に係る車両情報提供装置は、請求項1または2に記載の発明において、自車両の走行道路の種別を判定する道路種別判定手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記走行道路の種別に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする。
【0016】
この請求項3の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、自車両が走行する道路の種別に基づいて通知のタイミングを制御する。
【0017】
また、請求項4の発明に係る車両情報提供装置は、請求項1,2または3に記載の発明において、自車両周辺の地図情報を記憶する地図情報記憶手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記地図情報に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする。
【0018】
この請求項4の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、自車両の地図情報に基づいて通知のタイミングを制御する。
【0019】
また、請求項5の発明に係る車両情報提供装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、時刻情報を取得する時刻情報取得手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記時刻情報に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする。
【0020】
この請求項5の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、時刻情報に基づいて通知のタイミングを制御する。
【0021】
また、請求項6の発明に係る車両情報提供装置は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、自車両が走行する道路の交通情報を取得する交通情報取得手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記交通情報に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする。
【0022】
この請求項6の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、自車両が走行する道路の交通情報に基づいて通知のタイミングを制御する。
【0023】
また、請求項7の発明に係る車両情報提供装置は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、自車両の走行履歴を取得する走行履歴取得手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記走行履歴に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする。
【0024】
この請求項7の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、自車両の走行履歴に基づいて通知のタイミングを制御する。
【0025】
また、請求項8の発明に係る車両情報提供装置は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の発明において、自車両の乗員に関する情報を取得する乗員情報取得手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記乗員情報に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする。
【0026】
この請求項8の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、自車両の乗員に関する情報に基づいて通知のタイミングを制御する。
【0027】
また、請求項9の発明に係る車両情報提供装置は、請求項2〜8のいずれか一つに記載の発明において、前記走行可能距離算出手段は、自車両が走行する道路の種別、自車両の走行予定経路、交通情報のうち少なくともいずれか一つを用いて前記走行可能距離を算出することを特徴とする。
【0028】
この請求項9の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量、道路種別、走行予定経路、交通情報から走行可能距離を算出し、走行可能距離と判定閾値との比較によって通知を実行するか否かを判定する場合に、判定閾値を変更することで通知のタイミングを制御する。
【0029】
また、請求項10の発明に係る車両情報提供装置は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、前記通知手段は、自車両の燃料補給所への到達が困難である場合に、運転操作に対する提案通知を実行することを特徴とする。
【0030】
この請求項10の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なうとともに、自車両の燃料補給所への到達が困難である場合に、運転操作に対する提案通知を実行する。
【0031】
また、請求項11の発明に係る車両情報提供装置は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の発明において、自車両の燃料補給所への到達が困難である場合に、自車両の動作制御を実行する動作制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0032】
この請求項11の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なうとともに、自車両の燃料補給所への到達が困難である場合に、自車両の動作制御を実行する。
【0033】
また、請求項12の発明に係る車両情報提供装置は、請求項1〜11のいずれか一つに記載の発明において、前記通知手段は、燃料残量に関する通知および/または燃料補給所の場所を通知することを特徴とする。
【0034】
この請求項12の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量に関する通知のタイミングを制御するとともに、燃料補給所の場所を併せて通知する。
【0035】
また、請求項13の発明に係る車両情報提供装置は、請求項12に記載の発明において、前記通知手段は、自車両の走行予定経路上の燃料補給所を選択的に通知することを特徴とする。
【0036】
この請求項13の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量に関する通知のタイミングを制御するとともに、自車両の走行予定経路上の燃料補給所の場所を併せて通知する。
【0037】
また、請求項14の発明に係る車両情報提供装置は、請求項12または13に記載の発明において、前記通知手段は、自車両の走行予定経路の反対車線側の燃料補給所を除外して通知することを特徴とする。
【0038】
この請求項14の発明によれば車両情報提供装置は、燃料補給所の場所を通知する際に、走行予定経路の反対車線側の燃料補給所を除外する。
【0039】
また、請求項15の発明に係る車両情報提供装置は、請求項13または14に記載の発明において、前記通知手段は、自車両の位置、速度、移動方向、地図情報の少なくともいずれかを用いて自車両の走行経路を予測し、該予測結果を前記走行予定経路として使用することを特徴とする。
【0040】
この請求項15の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の位置、速度、移動方向、地図情報などから自車両の走行経路を予測し、走行予定経路上の燃料補給所の場所を通知する。
【0041】
また、請求項16の発明に係る車両情報提供装置は、請求項12〜15のいずれか一つに記載の発明において、前記通知手段は、営業時間内に自車両が到達可能な燃料補給所を選択的に通知することを特徴とする。
【0042】
この請求項16の発明によれば車両情報提供装置は、営業時間内に自車両が到達可能な燃料補給所を選択的に通知する。
【0043】
また、請求項17の発明に係る車両情報提供装置は、請求項12〜16のいずれか一つに記載の発明において、前記通知手段は、目的地手前の燃料補給所を選択的に通知することを特徴とする。
【0044】
この請求項17の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量に関する通知タイミングを制御するとともに、目的地手前の燃料補給所を選択的に通知する。
【0045】
また、請求項18の発明に係る車両情報提供装置は、請求項12〜17のいずれか一つに記載の発明において、前記通知手段は、ユーザが指定した条件に適合する燃料補給所を選択的に通知することを特徴とする。
【0046】
この請求項18の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量に関する通知タイミングを制御するとともに、ユーザが指定した条件に適合する燃料補給所を選択的に通知する。
【0047】
また、請求項19の発明に係る車両情報提供装置は、請求項1〜18のいずれか一つに記載の発明において、前記通知手段は、通知すべき燃料補給所が複数存在する場合に、自車両の現在位置から近い順に通知することを特徴とする。
【0048】
この請求項19の発明によれば車両情報提供装置は、通知すべき燃料補給所が複数存在する場合に、自車両の現在位置から近い順に通知する。
【発明の効果】
【0049】
請求項1の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、通知のタイミングを制御するので、状況に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0050】
また、請求項2の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量から走行可能距離を算出し、走行可能距離と判定閾値との比較によって通知を実行するか否かを判定する場合に、判定閾値を変更することで通知のタイミングを制御するので、走行可能距離に基づいた燃料残量の通知を状況に適応したタイミングで実行する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0051】
また、請求項3の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、自車両が走行する道路の種別に基づいて通知のタイミングを制御するので、自車両の走行する道路の種別に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0052】
また、請求項4の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、自車両の地図情報に基づいて通知のタイミングを制御するので、自車両周辺の地図情報に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0053】
また、請求項5の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、時刻情報に基づいて通知のタイミングを制御するので、時刻に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0054】
また、請求項6の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、自車両が走行する道路の交通情報に基づいて通知のタイミングを制御するので、交通状態に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0055】
また、請求項7の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、自車両の走行履歴に基づいて通知のタイミングを制御するので、自車両の走行履歴に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0056】
また、請求項8の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なう場合に、自車両の乗員に関する情報に基づいて通知のタイミングを制御するので、乗員に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0057】
また、請求項9の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量、道路種別、走行予定経路、交通情報から走行可能距離を算出し、走行可能距離と判定閾値との比較によって通知を実行するか否かを判定する場合に、判定閾値を変更することで通知のタイミングを制御するので、正確な走行可能距離に基づいた燃料残量の通知を、状況に適応したタイミングで実行する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0058】
また、請求項10の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なうとともに、自車両の燃料補給所への到達が困難である場合に、運転操作に対する提案通知を実行するので、状況に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示するとともに、確実な燃料補給を支援する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0059】
また、請求項11の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の燃料残量を取得し、燃料残量に関する通知を行なうとともに、自車両の燃料補給所への到達が困難である場合に、自車両の動作制御を実行するので、状況に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示するとともに、燃料切れを確実に防止する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0060】
また、請求項12の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量に関する通知のタイミングを制御するとともに、燃料補給所の場所を併せて通知するので、状況に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示し、燃料補給を支援する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0061】
また、請求項13の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量に関する通知のタイミングを制御するとともに、自車両の走行予定経路上の燃料補給所の場所を併せて通知するので、遠回りやUターンをすることなく円滑な燃料補給を支援する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0062】
また、請求項14の発明によれば車両情報提供装置は、燃料補給所の場所を通知する際に、走行予定経路の反対車線側の燃料補給所を除外するので、Uターンなどをすることなく円滑な燃料補給を支援する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0063】
また、請求項15の発明によれば車両情報提供装置は、自車両の位置、速度、移動方向、地図情報などから自車両の走行経路を予測し、走行予定経路上の燃料補給所の場所を通知するので、目的地が指定されていない場合であっても円滑な燃料補給を支援する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0064】
また、請求項16の発明によれば車両情報提供装置は、営業時間内に自車両が到達可能な燃料補給所を選択的に通知するので、確実な燃料補給を支援する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0065】
また、請求項17の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量に関する通知タイミングを制御するとともに、目的地手前の燃料補給所を選択的に通知するので、目的地の設定状況に適応した燃料補給を支援する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0066】
また、請求項18の発明によれば車両情報提供装置は、燃料残量に関する通知タイミングを制御するとともに、ユーザが指定した条件に適合する燃料補給所を選択的に通知するので、任意の条件での燃料補給を支援する車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【0067】
また、請求項19の発明によれば車両情報提供装置は、通知すべき燃料補給所が複数存在する場合に、自車両の現在位置から近い順に通知するので、ユーザに余裕を持って燃料補給を行なわせる車両情報提供装置を得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る車両情報提供装置の好適な実施例であるナビゲーション装置について詳細に説明する。
【実施例】
【0069】
図1は、本発明の実施例であるナビゲーション装置の概要構成を示す概要構成図である。同図に示すように、ナビゲーション装置1はその内部にGPS(GlobalPositioningSystem)11、地図情報記憶部12、VICS(VehicleInformationandCommunicationSystem)通信部13、燃料残量取得部14、走行速度取得部15、走行履歴記憶部16、乗員情報取得部17、経路設定部21、走行可能距離算出部22、道路種別判定部23、判定閾値設定部24、燃料残量通知判定部25、通知制御部31および車両動作制御部32を有する。
【0070】
GPS11は、人工衛星との通信によって自車両の位置を特定する手段である。また、GPS11は自車両の位置を特定するために高精度の時刻情報を取得する。地図情報記憶部12は、道路の形状や周辺の施設を含む地図データを格納する記憶手段である。
【0071】
VICS通信部13は、道路に設置された路側通信装置と通信する通信手段であり、このVICS通信部13によって渋滞などの交通情報を取得することができる。また、燃料残量取得部14は燃料の残量を取得し、走行速度取得部15は車輪速度などから自車両の走行速度を取得する。
【0072】
走行履歴記憶部16は、自車両が過去に走行した経路を走行履歴データとして記憶する記憶部であり、この走行履歴データによって自車両が過去に走行した道路と走行頻度を判定することができる。
【0073】
乗員情報取得部17は、自車両の乗員に関する情報を取得する手段であり、例えば運転者が過去に走行した道路と走行頻度を取得することができる。具体的には、カードなどの記憶媒体に予め記憶させておき、走行開始時に読み取りを行なえば良い。
【0074】
経路設定部21は、GPS11が特定した現在位置や地図情報記憶部12が記憶する地図データ、VICS通信部13が取得した交通情報などを用いて自車両の走行予定経路を設定する。
【0075】
道路種別判定部23は、GPS11が特定した現在位置や地図情報記憶部12が記憶する地図データ、走行速度取得部15が取得した走行速度などを用いて、自車両が走行中である道路種別を判定する。この道路種別としては、高速道路か一般道かで区別してもよいし、バイパスであるか否か、また、制限速度などによってさらに詳細に区分しても良い。
【0076】
走行可能距離算出部22は、燃料残量、地図情報記憶部12が記憶する地図データ、経路設定部21が設定した走行予定経路、VICS通信部13が取得した交通情報、道路種別判定部23が判定した道路種別を用いて、自車両の走行可能距離(現在の燃料での航続距離)を算出する。
【0077】
燃料残量通知判定部25は、走行可能距離算出部22が算出した走行可能距離を閾値と比較し、走行可能距離が閾値以下(走行可能距離がある距離以下)となった場合に燃料残量に関する通知が必要であると判定する。
【0078】
判定閾値設定部24は、燃料残量通知判定部25が判定に使用する閾値の値を設定する処理部である。すなわち、判定閾値設定部24は、閾値を変更することによって燃料残量に関する通知を行なうタイミングを制御する通知タイミング制御手段として機能する。
【0079】
具体的には、判定閾値設定部24は、道路種別判定部23により判定された道路種別やGPS11が取得した時刻情報、地図情報記憶部12が記憶する地図データ、VICS通信部13が取得した交通情報、走行履歴記憶部16が記憶した走行履歴データ、乗員情報取得部17が取得した乗員情報に基づいて判定閾値を設定する。
【0080】
通知制御部31は、図示しないディスプレイやスピーカを用いて乗員、特に運転者に対する通知処理を実行する処理部であり、経路設定部21が設定した走行予定経路に基づいた経路案内や、燃料残量通知判定部25の判定結果に基づく燃料残量通知に使用される。
【0081】
燃料残量の通知を行なう場合、例えば渋滞した高速道路で早めに通知を行なう場合には、「走行可能距離が100kmになりました」などと通知し、渋滞が無く、市街地の一般道で遅めに通知を行なう場合には「走行可能距離が50kmになりました」のように通知すれば良い。また、燃料残量自体(ガソリン残量は10lです、など)や平均燃費(平均燃費は12km/lです、など)、周辺のガソリンスタンドの数等を通知するようにしてもよい。
【0082】
さらに、走行予定経路が設定されており、目的地が走行可能距離以内にある、すなわち燃料切れを発生することなく目的地まで走行可能な場合であっても、目的地に到着した時点で燃料残量が少ない場合には、帰路での燃料切れを考慮して、目的地到着前の段階で燃料補給を行なうように通知してもよい。
【0083】
また、車両動作制御部32は、燃料残量が少なくなり、給油所への到達が困難となった場合に、車両の動作を制御することで省燃費走行を実現し、給油所への到達を支援する処理部である。
【0084】
つづいて、判定閾値設定部24による判定閾値の設定について、図2を参照してさらに説明する。判定閾値設定部24は、道路種別や、時刻情報、地図データ、交通情報、走行履歴データ、乗員情報などにより、走行中の道路がどのような道路であるか判定し、判定した道路からその道路の特徴を推測し、推測した特徴(状況)により、その特徴(状況)に応じた仮通知タイミングを決定し、決定した仮通知タイミングに応じた判定閾値を設定する。この判定閾値は、通知のタイミングを制御するために使用される。例えば、自車両が高速道路を走行中である場合、給油所(ガソリンスタンド)の間隔が長いため、通知タイミングが早くなるように閾値を設定する(判定閾値を大きくする)。
【0085】
また、自車両が一般道を走行しており、かつ道路周辺が市街地である場合には、ガソリンスタンドの数が多いので、通知タイミングが遅くなるように閾値を設定する(判定閾値を小さくする)。
【0086】
しかし、自車両が一般道を走行しており、かつ道路周辺が郊外である場合には、ガソリンスタンドの数が少ないので、通知タイミングが早くなるように閾値を設定する(判定閾値を大きくする)。
【0087】
また、自車両が一般道を走行しており、かつ時刻が昼間である場合には、多くのガソリンスタンドが開店していると考えられるので、通知タイミングが遅くなるように閾値を設定する(判定閾値を小さくする)。
【0088】
一方、自車両が一般道を走行しており、かつ時刻が夜間である場合には、閉店しているガソリンスタンドがあるので、通知タイミングが早くなるように閾値を設定する(判定閾値を大きくする)。
【0089】
ここで、「昼間」と「夜間」については、周辺のガソリンスタンドの営業時間に基づいて区別することが望ましい。また、時刻情報のみならず、「平日」、「休日」、「祭日」などの日付情報も同様に閾値の設定に使用することができる。
【0090】
また、道路に渋滞が発生している場合は、車両の走行が困難となるので、通知タイミングが早くなるように閾値を設定する(判定閾値を大きくする)。
【0091】
さらに、使用頻度の高い道を走行中である場合には、運転者(もしくは他の乗員)がガソリンスタンドの場所を把握していると考えられるので、通知タイミングが遅くなるように閾値を設定する(判定閾値を小さくする)。
【0092】
しかし、使用頻度の低い道を走行中である場合には、運転者や乗員がガソリンスタンドの場所を把握しておらず、ガソリンスタンドへの到達に手間取ることが考えられるので、通知タイミングが早くなるように閾値を設定する(判定閾値を大きくする)。
【0093】
ここで、使用頻度とは、運転者や乗員がその道路を走行した頻度である。例えば、運転者が通勤などで頻繁に使用している道については、ガソリンスタンドの場所やその周辺の道路状態について把握しており、スムーズにガソリンスタンドに到達し、給油できる。
【0094】
しかし、使用頻度の低い道を走行中に給油が必要な場合、例えば旅行先など土地勘の無い場所で給油する場合には、ガソリンスタンドの場所やその周辺の道路状態を知らないために、道を間違える、ガソリンスタンドを見落とすなど、スムーズな給油を行なえない場合が発生する。
【0095】
そこで、道路の使用頻度に基づいて通知のタイミングを変更するのであるが、この使用頻度は、走行履歴記憶部16が記憶する走行履歴データや乗員情報取得部17が取得した乗員情報から判定することができる。
【0096】
すなわち、走行履歴データにおいて、自車両がその道路を頻繁に走行していることが示されているならば、自車両の運転者はその道路を頻繁に使用している可能性が高い。また、乗員情報によって運転者自身の走行履歴を取得すれば、運転者による道路の使用頻度をより正確に判定することができる。さらに、運転者以外の他の乗員がその道路を頻繁に使用しているならば、その乗員から助言を得ることができるので、乗員が誰もその道路を使用したことが無い場合よりも給油を円滑に行なうことができる。
【0097】
つぎに、ナビゲーション装置1の処理動作について、図3に示したフローチャートを参照して説明する。この処理フローは、車両の走行中(もしくはエンジン動作中)に繰り返し実行される処理である。
【0098】
同図に示すように、まず道路種別判定部23が位置情報、地図データ、走行速度情報に基づいて、道路種別を判定する(ステップS101)。つぎに、走行可能距離算出部22が燃料残量、道路種別、予定経路、交通情報に基づいて走行可能距離を算出する(ステップS102)。
【0099】
その後、判定閾値設定部24が道路種別、地図データ、交通情報、走行履歴データ、乗員情報に基づいて判定閾値を設定し(ステップS103)、燃料残量通知判定部25は、この判定閾値と走行可能距離とを比較して燃料残量通知の必要性を判定する(ステップS104)。
【0100】
その結果、走行可能距離が判定閾値以下である場合(ステップS105,Yes)、燃料残量通知判定部25は燃料残量の通知が必要であると判定し、通知制御部31を用いて通知処理を実行する(ステップS106)。
【0101】
さらに、燃料残量通知判定部25は、現状でガソリンスタンドまで到達可能か否か(走行可能距離内にガソリンスタンドが存在するか否か)を判定し(ステップS107)、ガソリンスタンドまでの到達が困難である場合(ステップS107,No)に省燃費走行支援を実行する(ステップS108)。
【0102】
そして、走行可能距離が判定閾値より大きい場合(ステップS105,No)、現状でガソリンスタンドに到達可能である場合(ステップS107,Yes)、もしくは省燃費走行支援を実行した(ステップS108)後に、処理を終了する。
【0103】
つづいて、図3のステップS108に示した省燃費走行支援についてさらに説明する。図4は、省燃費走行支援の具体例を説明する説明図である。同図では、省燃費走行支援を「提案処理」、「支援制御」、「介入」に分類している。
【0104】
「提案処理」は、燃料消費の低い(燃費のよい)運転操作をするように、通知制御部31によって運転者に提案する処理である。具体的には、「急加速や急減速の抑制」、「車両動作モードの変更」、「信号待ちでのエンジン停止」、「車載機器の動作制御」などがある。
【0105】
車両動作モードの変更は、例えばノーマル走行モードとパワー走行モードなどのように設けられたモードの選択や、ハイブリッドカーにおいて回生ブレーキを多用するモードへの切り替え、排気ガスの低減を目的としたモードへの切り替えなどによって実現することができる。また、車載機器の動作制御は、例えば空調機器などの動作モードを変更する処理である。
【0106】
具体的な通知内容としては、「省燃費の為に急加速や急減速を控えてください」、「パターンセレクトスイッチをパワー走行からノーマル走行にしてください」、「信号待ちではエンジンを切ってください」などの内容をディスプレイ表示および/または音声通知すればよい。
【0107】
「支援制御」は、「提案処理」において提案した内容を、車両動作制御部32によって自動的に実行する処理である。
【0108】
さらに、「介入」は、例えば運転者が急激なアクセル操作を行なった場合であっても急加速を行なわないように、スロットル開閉を制御して加速トルクに制限をかけるスロットル制御や、変速機のギア変更を早めに行なうことでエンジンの回転数上昇を抑える変速機制御などである。
【0109】
この提案処理、支援制御、介入は、たとえばガソリンスタンドへの到達の困難さの度合いによって使い分けてもよいし、予め定めた特定の処理を選択的に実行するように構成しても良い。
【0110】
つぎに、図3のステップS106に示した通知処理についてさらに説明する。通知処理においては、燃料残量の通知に加えてガソリンスタンドに関する情報を提供することが好ましい。
【0111】
また、通知時の燃料残量で到達可能なガソリンスタンドのうち、確実に燃料補給が可能で、利便性の高いガソリンスタンドを選別して通知することで、ユーザによる燃料補給を効率よく支援することができる。
【0112】
具体的には、図5に示すように通知制御部31はその内部に店舗選定部31aを有する。店舗選定部31aは、ガソリンスタンドの場所や営業時間、自車両の目的地や走行予定経路、ユーザの指定した条件などから、ユーザに通知すべき店舗(ガソリンスタンド)を選定する処理を行なう。
【0113】
ここで、走行予定経路は、経路案内(ナビゲーション)機能によって設定された目的地に到達するための経路を使用することができる。この目的地までの走行予定経路は、経路設定部21内の目的地到達経路設定部21aによって設定され、設定された走行予定経路に沿って走行するよう経路案内通知を行なう。
【0114】
また、目的地が指定されていない場合には、進行経路推定部21bが自車両の自車両の位置、速度、移動方向、地図情報に基づいて自車両の自車両の進行方向を予測して、走行予定経路として使用する。この進行経路推定部21bが推定した走行予定経路は、経路案内通知には使用せず、ガソリンスタンドの選定のみに使用する。
【0115】
つづいて、店舗選定部31aによる店舗の選定基準について図6を参照して説明する。店舗選定部31aは、走行可能距離内のガソリンスタンドのうち、目的地到達経路設定部21aが設定した走行予定経路上(もしくは進行経路推定部21bが推定した道なり方向である走行予定経路上)のガソリンスタンドを選択することで、燃料補給のためだけに経路を外れることなく、円滑に燃料補給ができるようにする。
【0116】
さらに、走行予定経路上であっても、反対車線側(特に中央分離帯がある場合)のガソリンスタンドを除外することで、燃料補給のためにUターンをするなどの煩雑な運転が発生しないようにする。
【0117】
また、ガソリンスタンドの営業時間に関する情報を取得可能である場合には、営業時間内に自車両が到達可能なガソリンスタンドを選択することで、確実に燃料補給を行なえるようにする。
【0118】
さらに、目的地が設定されている場合、目的地到達後に自車両がどの方向に向かうか不明であるため、目的地が走行可能距離内であっても目的地手前のガソリンスタンドでの燃料補給を推奨する。
【0119】
また、特定のブランドや、セルフ式ガソリンスタンドなど、ユーザの指定した条件に適合するガソリンスタンドを選択することもできる。
【0120】
そして、店舗選定部31aは、これらの条件によって絞り込んだガソリンスタンドを現在位置から近い順に(もしくは価格の安い店舗から順に)表示する。本実施例では、燃料補給の必要性が生じた段階で通知を実行している。この通知において、現在位置から近い順に通知することで、ユーザは余裕を持って任意のガソリンスタンドで給油できる。
【0121】
つづいて、図3のステップS106に示した通知処理の具体的な処理内容について説明する。図7は、通知処理の処理動作を説明するフローチャートである。同図に示すように、通知処理において店舗選定部31aはまず走行可能距離内のガソリンスタンドを検索する(ステップS201)。
【0122】
この検索の結果、走行可能距離内に複数のガソリンスタンドが存在するならば(ステップS202,Yes)、つぎに店舗選定部31aは目的地が設定されているか否かを判定する(ステップS203)。
【0123】
そして、目的地が設定されているならば(ステップS203,Yes)、「目的地より手前のガソリンスタンド」を条件に選択(なお、‘選択’は絞込みの意味も含む)を行なう(ステップS204)。一方、目的地が設定されていない場合(ステップS203,No)、進行経路推定部21bは推定経路を予測し、推定した経路(推定経路)を走行予定経路として採用する(ステップS205)。
【0124】
ステップS204における選択結果が複数である場合(ステップS206,Yes)、もしくはステップS205の終了後、店舗選定部31aは、「目的地到達経路設定部21aが設定した走行予定経路上(もしくは進行経路推定部21bが推定した道なり方向である走行予定経路上)のガソリンスタンド」を条件に選択を行なう(ステップS207)。
【0125】
さらに、ステップS207における選択結果が複数である場合(ステップS208,Yes)、店舗選定部31aは、反対車線のガソリンスタンドを除外する(ステップS209)。
【0126】
そして除外結果が複数であれば(ステップS210,Yes)、「到達予測時間が営業時間内」のガソリンスタンドを選択する(ステップS211)。さらに、選択結果が複数で(ステップS212,Yes)、ユーザからブランドや店舗形態などの指定条件がある場合(ステップS213,Yes)、店舗選定部31aはユーザが指定した条件を用いて店舗を選択する(ステップS214)。
【0127】
ステップ214の後、複数のガソリンスタンドが検索結果として残っている場合(ステップS215,Yes)、もしくはユーザの指定条件がない場合(ステップS213,No)、現在位置から近い順(もしくは価格の安い順)に通知して(ステップS216)、処理を終了する。
【0128】
また、走行可能距離内にガソリンスタンドが一つしかない場合(ステップS202,No)や選択によって該当するガソリンスタンドが一つになった場合(ステップS206,No、ステップS208,No、ステップS210,No、ステップS212,No、ステップS215,No)には、そのガソリンスタンドを通知して(ステップS217)、処理を終了する。通知としては、音声で行なっても良いし、ディスプレイ表示してもよいし、その両方を行なっても良い。表示を行なう場合には、選択結果をリスト表示しても良いし、走行予定経路上に表示してもよい。リスト表示した給油場所をユーザが選べるように、通知時に選定ボタンなどを併せて表示することもできる。また、給油場所の通知と併せて、燃料残量に関する通知を行なうこともできる。なお、このように通知したあと、ユーザが指定したガソリンスタンドを中継地点(もしくは目的地)として経路に登録すれば、ガソリンスタンドまでの経路案内を実行することもできる。
【0129】
上述してきたように、本実施例にかかるナビゲーション装置1は、燃料残量、地図データ、走行予定経路、交通情報、道路種別から自車両の走行可能距離を算出し、この走行可能距離と閾値との比較によって燃料残量についての通知を行なう場合に、時刻情報、地図データ、交通情報、走行履歴データ、乗員情報に基づいて判定閾値を変更するので、状況に適応したタイミングで燃料に関する情報を提示することができる。
【0130】
また、燃料残量が少なく、燃料の補給場所への到達が困難である場合には、省燃費走行を乗員に提案し、また、車両の動作を制御して自動的に省燃費走行を実行することで、燃料補給場所への到達を支援することができる。
【0131】
さらに、燃料補給に適したガソリンスタンドを自動的に選定することで、円滑かつ確実な燃料補給を提案することができる。
【0132】
なお、本実施例では、燃料の例としてガソリン、その燃料を補給するための店舗の例として給油所(ガソリンスタンド)を例にあげて説明したが、燃料として、他の液体燃料や気体燃料ガスでもよく、また電気であってもよく、そのような場合は、それらを補給する店舗として、液体燃料や気体燃料を供給する店舗、充電するための店舗、バッテリを販売する店舗などを通知することで、本実施例と同様、円滑な燃料補給を提案することができる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
以上のように、本発明にかかる車載情報提供装置は、車両の乗員に対する情報提供に有用であり、特に、燃料残量の通知に適している。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の実施例であるナビゲーション装置の概要構成を示す該要構成図である。
【図2】図1に示した判定閾値設定部による閾値の変更について説明する説明図である。
【図3】図1に示したナビゲーション装置の処理動作を説明するフローチャートである。
【図4】図3に示した省燃費走行支援の具体例を説明する説明図である。
【図5】図1に示した通知制御部および経路設定部の構成と動作について説明する説明図である。
【図6】図5に示した店舗選定部による店舗の選定基準について説明する説明図である。
【図7】通知処理の具体的な処理内容を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0135】
1 ナビゲーション装置
11 GPS
12 地図情報記憶部
13 VICS通信部
14 燃料残量取得部
15 走行速度取得部
16 走行履歴記憶部
17 乗員情報取得部
21 経路設定部
21a 目的地到達経路設定部
21b 進行経路推定部
22 走行可能距離算出部
23 道路種別判定部
24 判定閾値設定部
25 燃料残量判定部
31 通知制御部
31a 店舗選定部
32 車両動作制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に関する情報提供を行なう車両情報提供装置であって、
自車両の燃料残量を取得する燃料残量取得手段と、
前記燃料残量に関する通知を行なう通知手段と、
判定閾値に基づいて前記通知のタイミングを制御する通知タイミング制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両情報提供装置。
【請求項2】
前記燃料残量に基づいて自車両の走行可能距離を算出する走行可能距離算出手段をさらに備え、前記通知手段は、前記走行可能距離と前記判定閾値との比較によって通知を実行するか否かを判定し、前記通知タイミング制御手段は前記判定閾値の変更によって前記通知のタイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の車両情報提供装置。
【請求項3】
自車両の走行道路の種別を判定する道路種別判定手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記走行道路の種別に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車両情報提供装置。
【請求項4】
自車両周辺の地図情報を記憶する地図情報記憶手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記地図情報に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする請求項1,2または3に記載の車両情報提供装置。
【請求項5】
時刻情報を取得する時刻情報取得手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記時刻情報に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。
【請求項6】
自車両が走行する道路の交通情報を取得する交通情報取得手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記交通情報に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。
【請求項7】
自車両の走行履歴を取得する走行履歴取得手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記走行履歴に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。
【請求項8】
自車両の乗員に関する情報を取得する乗員情報取得手段をさらに備え、前記通知タイミング制御手段は、前記乗員情報に基づいて前記通知タイミングを制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。
【請求項9】
前記走行可能距離算出手段は、自車両が走行する道路の種別、自車両の走行予定経路、交通情報のうち少なくともいずれか一つを用いて前記走行可能距離を算出することを特徴とする請求項2〜8のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。
【請求項10】
前記通知手段は、自車両の燃料補給所への到達が困難である場合に、運転操作に対する提案通知を実行することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。
【請求項11】
自車両の燃料補給所への到達が困難である場合に、自車両の動作制御を実行する動作制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。
【請求項12】
前記通知手段は、燃料残量に関する通知および/または燃料補給所の場所を通知することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。
【請求項13】
前記通知手段は、自車両の走行予定経路上の燃料補給所を選択的に通知することを特徴とする請求項12に記載の車両情報提供装置。
【請求項14】
前記通知手段は、自車両の走行予定経路の反対車線側の燃料補給所を除外して通知することを特徴とする請求項12または13に記載の車両情報提供装置。
【請求項15】
前記通知手段は、自車両の位置、速度、移動方向、地図情報の少なくともいずれかを用いて自車両の走行経路を予測し、該予測結果を前記走行予定経路として使用することを特徴とする請求項13または14に記載の車両情報提供装置。
【請求項16】
前記通知手段は、営業時間内に自車両が到達可能な燃料補給所を選択的に通知することを特徴とする請求項12〜15のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。
【請求項17】
前記通知手段は、目的地手前の燃料補給所を選択的に通知することを特徴とする請求項12〜16のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。
【請求項18】
前記通知手段は、ユーザが指定した条件に適合する燃料補給所を選択的に通知することを特徴とする請求項12〜17のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。
【請求項19】
前記通知手段は、通知すべき燃料補給所が複数存在する場合に、自車両の現在位置から近い順に通知することを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載の車両情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−199273(P2006−199273A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326599(P2005−326599)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】