車両搭載装置、警告方法及びプログラム
【課題】 ドライバに死角がある場合、歩行者が発信装置を持っていない場合でも、警告することを可能とする技術を提供する。
【解決手段】 自車両の車線が渋滞していると判定し、かつ、自車両の隣接する車線が渋滞している場合、又は、自車両の前方の各対象物の前方所定距離内に他の対象物が位置していない場合、ドライバに死角があると判定し、警告するための情報を出力する。
【解決手段】 自車両の車線が渋滞していると判定し、かつ、自車両の隣接する車線が渋滞している場合、又は、自車両の前方の各対象物の前方所定距離内に他の対象物が位置していない場合、ドライバに死角があると判定し、警告するための情報を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、危険な状況を警告する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両運転中の危険な状況を警告する技術として、特許文献1、特許文献2に記載の技術がある。特許文献1に記載の技術は、場所と日時から、車両が現在事故を起こしやすい位置にいるか否か判定し、現在事故を起こしやすい位置にいると判定された場合に、警告等をするものである。特許文献2に記載の技術は、歩行者に発信装置をもたせ、その発信装置からの信号を受信等した場合に、警告等をするものである。
【0003】
【特許文献1】特開2001-357496号公報
【特許文献2】特開2005-227989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、単に場所と日時とにより危険であるか否か判定するため、例えば両側に何も無い等、見通しが良い場所等でも警告する場合がある。また、特許文献2に記載の技術は、歩行者が発信装置を持っていない場合は警告等をすることができない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ドライバに死角がある場合は警告を行なうことのできる技術を提供することを目的とする。また、本発明は、歩行者が発信装置を持っていない場合でも、警告することを可能とすることを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の目的を達成するためになされたもので、隣接する車線が渋滞である場合に、警告することを特徴とする。また、本発明は、隣接する車線の対象物より前方に、所定距離以上何もない場合に、警告することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、車線ごとの渋滞情報を送信する渋滞情報送信装置と通信ネットワークを介して接続され、自車両がどの車線に存在するかを判定する車両搭載装置であって、前記渋滞情報送信装置からの、車線ごとの渋滞情報を受信する受信手段と、前記受信した渋滞情報から、自車両の存在する車線が渋滞しているか否か判定する自車両渋滞判定手段と、前記受信した渋滞情報から、自車両と隣接する車線が渋滞しているか否か判定する隣接車線渋滞判定手段と、前記判定により、自車両の車線が渋滞していると判定し、かつ、自車両の隣接する車線が渋滞していると判定された場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、車両に搭載される車両搭載装置であって、前記車両の前方の、該車両の隣接車線の各対象物の位置及び該各対象物の大きさを測定するレーダと、前記レーダにより測定された対象物の位置及び大きさの各々から、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置しているか否か判定する判定手段と、前記判定により、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置していないと判定された場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の技術によれば、隣接車線に渋滞が発生している場合、及び、ドライバに死角があると考えられる場合のみ警告を行なうことができる。これにより、例えば歩行者や自転車、バイク等の飛び出し等の発生が考えられ、かつ、それらの歩行者や自転車、バイク等の存在をドライバが認識することが困難であると考えられる場合のみ、警告を行うことが可能となる。また、歩行者等が発信装置を持っていない場合でも、警告することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
まず、図1を参照し、システム構成例を説明する。
【0012】
本実施形態のシステムは、警告装置1、車両2、カメラ3、レーダ4、サーバ5、通信ネットワーク6、GPS(Global Positioning System)衛星7等を有する。警告装置1、カメラ3、レーダ4等は、有線又は無線により互いに接続されている。警告装置1は、通信ネットワーク6を介してサーバ5と接続されている。
【0013】
サーバ5は、例えば、渋滞情報を提供するサービスを提供する企業等のサーバ等である。サーバ5は、通信ネットワーク6を介する等して直接、又は、ビーコン送信機(図示略)を介する等して、警告装置1に車線ごとの渋滞情報を送信する。ここでは、サーバ5は、通信ネットワーク6を介して渋滞情報を送信するものとする。
【0014】
通信ネットワーク6は、例えば、インターネット、携帯電話網、公衆網等である。
【0015】
警告装置1、カメラ3、レーダ4等は、車両2に供えられている。カメラ3は、少なくとも車両2の前方を撮影し、撮影した画像データを警告装置1に入力する。レーダ4は、電波を発信し、その電波の反射波等から、車両2の前方の、車両等の各対象物までの距離、その対象物の前端・後端までの距離、その対象物の横端の位置、速度等を取得する。なお、カメラ3、レーダ4等は従来技術と同じである。
【0016】
警告装置1は、カメラ3、レーダ4、GPS衛星7、サーバ5等から入力された情報から、ドライバに死角があるか否か判定し、死角があると判定された場合、警告の出力、車両3の速度抑制等を行なう。
【0017】
なお、図1に示す各構成の数は任意であり、図1に示すものに限られるわけではない。
【0018】
警告装置1の構成例を、図2を参照して説明する。
【0019】
警告装置1は、演算部11、メモリ12、記憶装置13、入力装置14、出力装置15、通信装置16、GPS受信装置17等を有する。演算部11、メモリ12、記憶装置13、入力装置14、出力装置15、通信装置16、GPS受信装置17等はバス18により接続されている。
【0020】
記憶装置13は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等の記憶メディア及び当該記憶メディアの駆動装置、HDD(Hard Disk Drive)等である。記憶装置13は、地図情報131、施設ポイントテーブル132、ヒヤリハットポイントテーブル133、飛出ポイントテーブル134等を記憶する。
【0021】
入力装置14は、例えば、ボタン、ダイヤル、タッチパネル、リモコン及びリモコン受信部等である。出力装置15は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等である。通信装置16は、例えば携帯電話等である。警告装置1は、通信装置16を介して通信ネットワーク6と接続する。GPS受信装置17は、GPS衛星7からの電波を受信する。
【0022】
演算部11は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等である。演算部11は、図示しないプログラムを実行することにより、現在位置算出部111、死角判定部112、危険可能性判定部113、施設ポイント加算部114、ヒヤリハットポイント加算部115、飛出ポイント加算部116、判定部117等の機能を実現する。現在位置算出部111は、車両2の現在位置と、車両2の進行方位と、車両2の位置する車線とを算出する。ここで、現在位置算出部111が現在位置を算出する動作は従来技術と同じであり、例えば、GPS受信装置17により受信した信号、及び、地図情報131からマップマッチ等により現在位置を算出してもよい。また、現在位置算出部111が進行方位を算出する動作は従来技術と同じであり、例えば、前回算出された現在位置と、今回算出された現在位置とから、車両2の進行方位を算出する。現在位置算出部111が車両2の位置する車線を算出する動作例は従来技術と同じであり、例えば、車線ごとに設置されたビーコン送信機から送信される情報により自車線を判定してもよく、また、カメラ3により取得された画像データを画像処理等して、車線を区切る線を検出等することにより、自車線を検出してもよい。死角判定部112は、ドライバの死角の有無を判定する。この動作例は後述する。危険可能性判定部113は、歩行者等の飛び出しがあるか否かを、歩道に隣接する車線の渋滞状況、又は、駐停車両の有無等により判定する。施設ポイント加算部114は、地図情報131、施設ポイントテーブル132内の条件に従い、危険性を示すポイントを加算する。ヒヤリハットポイント加算部115は、ヒヤリハットポイントテーブル133内の条件に従い、危険性を示すポイントを加算する。飛出ポイント加算部116は、飛出ポイントテーブル134内の条件に従い、危険性を示すポイントを加算する。判定部117は、加算されたポイントが所定閾値以上であるか否かにより、警告を含む情報を出力する。
【0023】
次に、記憶装置13内の情報について説明する。
【0024】
まず、地図情報131について説明する。
【0025】
本実施形態では、地図上の位置は、緯度経度で示されるものとする。上述のように、地図情報131は、道路情報を含む。地図情報131において、道路は、近似した線分で示され、その線分の端点の緯度経度により道路の位置を示すものとする。地図情報131に含まれる道路情報の一例を図3に示す。図3において、地図情報131は、複数の道路情報テーブル301を有する。1つの道路情報テーブル301は、1つの線分で示される道路に関する情報を含む。地図情報131は、1つの線分で示される道路の数だけ、道路情報テーブル301を有しているものとする。
【0026】
各道路情報テーブル301は、項目311、内容312等を有する。項目311、内容312等は互いに対応付けられている。項目311は、道路情報の項目であり、内容312は、対応する項目311の値である。例えば、図3において、項目311「道路ID」は、道路の識別情報である。項目311「位置」は、線分で近似した道路の端点の緯度経度である。
【0027】
また、上述の道路情報テーブル301に一例を示す道路情報の他に、地図情報131は、施設と、その施設の有る位置等とを対応付けた施設情報等を有する。この施設とは、例えば、幼稚園、小学校、中学校、高校、イベント会場、病院、店舗、公園、駅、バス停、スクールゾーン、学習塾、運動公園等である。また、この施設に対応する位置は、ここでは、緯度経度であるものとする。
【0028】
次に、施設ポイントテーブル132について説明する。
【0029】
施設ポイントテーブル132の一例を図4に示す。図4において、施設ポイントテーブル132は、施設401、要注意時間帯402、ポイント403等を有する。施設401、要注意時間帯402、ポイント403等は互いに対応付けられている。施設401、要注意時間帯402は、車両2の現在位置から所定範囲内に対応する施設401が有り、かつ、現在時刻が対応する要注意時間帯402である場合に、ポイントを加算するものである。ポイント403は、対応する施設401、要注意時間帯402の条件を満たす場合に加算するポイントである。ここで、図4の例において、例えば施設401「イベント会場」に対応する要注意時間帯402「イベント開催時間前後2時間」や、施設401「バス停」に対応する要注意時間帯402「バス停運行時間」、施設401「駅」に対応する要注意時間帯402「電車運行時間」、施設401「スクールゾーン」に対応する要注意時間帯402「学校通勤時間」等、時期や曜日、日時等により人の往来する時間が定まっていないものは、サーバ5によりそれらの要注意時間帯が送信されるものとする。
【0030】
次に、ヒヤリハットポイントテーブル133の一例について、図5を参照して説明する。なお、ここでは、1つのヒヤリハットポイントテーブル133は、1つのヒヤリハットの発生条件に関する情報を含む。ここでいうヒヤリハットとは、例えばカーブが曲がりきれず対物事故が発生した、飛出し等により人身事故が発生しそうになった等、危険な状況のことである。従って、記憶装置13には、ヒヤリハットの数だけ、ヒヤリハットポイントテーブル133が格納されているものとする。また、ここでは、ヒヤリハットの発生位置に関する情報を格納するテーブルと、発生したヒヤリハットの件数に関する情報とを異なるテーブルに格納するものとする。以下、各テーブルを区別するために、例えば「ヒヤリハットポイントテーブル133a」というように符号を付与して説明する。
【0031】
図5(a)において、ヒヤリハットポイントテーブル133aは、ヒヤリハットの発生位置に関する情報を格納する。ヒヤリハットポイントテーブル133aは、ヒヤリハットID501、位置502等を有する。ヒヤリハットID501、位置502等は互いに対応付けられている。ヒヤリハットID501は、ヒヤリハットの識別情報である。位置502は、座標511、道路種別512、幅員513、車線数514、車線位置515、方向516等を有する。座標511は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起きた位置である。道路種別512は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起こった道路の道路種別である。幅員513は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起こった位置における道幅である。車線数514は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起こった位置における車線数である。車線位置515は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起こった位置における車線位置である。方向516は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起こったときの進行方位である。
【0032】
図5(b)において、ヒヤリハットポイントテーブル133bは、発生したヒヤリハットの件数に関する情報を格納する。ヒヤリハットポイントテーブル133bは、ヒヤリハット地区ID521、内容522、件数523等を有する。ヒヤリハット地区ID521、内容522、件数523等は互いに対応付けられている。ヒヤリハット地区ID521は、ヒヤリハットの識別情報であり、上述のヒヤリハット地区ID501と同じである。内容522は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが起こった状況を示す。件数523は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが、対応する内容522で起こった件数である。
【0033】
内容522は、時間帯531、明るさ532、天候533、輝度534、種別535等を有する。時間帯531は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが起こった時間である。明るさ532は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが起こった明るさである。天候533は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが起こった天候である。輝度534は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが起こった、所定の標準輝度とヒヤリハットが起こった時の輝度とのコントラスト比である。種別535は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットの種別を示す。
【0034】
なお、図5の例では、種別535に含まれているヒヤリハット種別は、対人のみ示しているが、これに限られるわけではなく、対車、対物等を含んでも良い。
【0035】
次に、飛出ポイントテーブル134の一例を、図6を参照して説明する。
【0036】
図6において、飛出ポイントテーブル134は、状況601、ポイント602等を有する。状況601、ポイント602等は互いに対応付けられている。状況601は、飛び出しの発生する可能性のある状況条件である。ポイント602は、対応する状況601を満たす場合に加算するポイントである。
【0037】
なお、地図情報131、施設ポイントテーブル132、ヒヤリハットポイントテーブル133、飛出ポイントテーブル134等の情報は予め格納されているものとするが、これに限られるわけではなく、入力装置14、通信装置16等を介して入力された情報に従い、新規登録、追加、変更、削除等してもよい。また、飛出ポイントテーブル134内の情報は、警告装置1がヒヤリハットを検出する機能がある場合、その機能により検出されたヒヤリハットに関する情報を格納等して、新規登録、追加、変更、削除等してもよい。
【0038】
次に、サーバ5の構成例を、図7を参照して説明する。
【0039】
図7において、サーバ5は、演算部71、メモリ72、記憶装置73、入力装置74、出力装置75、通信インタフェース76等を有する。演算部71、メモリ72、記憶装置73、入力装置74、出力装置75、通信インタフェース76等はバス77を介して互いに接続されている。
【0040】
演算部71は、例えばCPU等である。記憶装置73は、例えば、CDやDVD等の記憶メディア及び当該記憶メディアの駆動装置、HDD等である。記憶装置73は、渋滞情報テーブル731、時間帯情報テーブル732、ユーザ情報テーブル733等を記憶する。
【0041】
入力装置74は、例えば、キーボード、マウス、マイク等である。出力装置75は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、プリンタ等である。サーバ5は、通信インタフェース76を介して通信ネットワーク6と接続する。
【0042】
ここで、記憶装置73内の情報について説明する。
【0043】
まず、渋滞情報テーブル731の一例について説明する。
【0044】
渋滞情報テーブル731は、渋滞情報として、渋滞位置、識別情報、速度等を記憶する。渋滞位置、識別情報、速度等は互いに対応付けられている。渋滞位置は、例えば、渋滞の発生している位置の緯度経度等である。識別情報とは、対応する渋滞の発生している車線の識別情報である。速度とは、対応する渋滞位置で、対応する識別情報の車線を走行する車両の速度である。この渋滞情報テーブル731内の情報は、例えば、次世代VICS(Vehicle Information and Communication System)のセンタサーバ等から取得した車線ごとの渋滞情報である。この渋滞情報は、例えば、所定区間を走行する間の平均速度等である。車線ごとの渋滞情報は、例えば、例えば車線ごとに設けられた渋滞情報を取得する路側器により取得され、次世代VICSのセンタサーバを介する等してサーバ5が取得する。
【0045】
次に、時間帯情報テーブル732の一例について説明する。
【0046】
時間帯情報テーブル732は、施設と、その施設の位置と、時間帯等とを記憶する。施設、施設位置、時間帯等は互いに対応付けられている。施設とは、例えば、イベント会場、バス停、駅等である。この時間帯情報テーブル732内の施設は、例えば、季節や場所、月日によって人の往来が変化する場所等である。施設位置とは、例えば、対応する施設の位置である緯度経度等である。時間帯とは、対応する施設近傍で人の往来が激しくなる要注意時間帯等である。
【0047】
ユーザ情報テーブル733の一例について説明する。
【0048】
ユーザ情報テーブル733は、ユーザ名、接続情報等を有する。ユーザ名、接続情報等は互いに対応付けられている。ユーザ名は、サーバ5からの情報提供を契約したユーザの氏名等である。接続情報は、対応するユーザの警告装置1と接続するための情報である。
【0049】
なお、渋滞情報テーブル731、時間帯情報テーブル732、ユーザ情報テーブル733内の情報は予め格納されているものとするが、入力装置74、通信インタフェース76等を介して入力された情報に従い、新規追加、修正、削除等されてもよい。
【0050】
演算部71は、図示しないプログラムを実行することにより、渋滞情報送信部711、時間帯情報送信部712等を実現する。渋滞情報送信部711は、警告装置1からの要求を受信したときや、所定時間毎等に、渋滞情報テーブル731から読み出した渋滞位置、速度、及び識別情報等を送信する。サーバ5による情報の送信は、通信ネットワーク6を介する等して直接送信してもよく、又、ビーコン送信機(図示略)を介する等して送信してもよいが、ここでは、通信ネットワーク6を介して渋滞情報を送信するものとする。時間帯情報送信部712は、警告装置1からの要求を受信したときや、所定時間毎等に、時間帯情報テーブル732から読み出した施設、その施設の施設位置、時間帯等を送信する。
【0051】
これらのサーバ5の動作例は、従来技術と同じであるので、詳細は省略する。
【0052】
次に、警告装置1の動作例を説明する。
【0053】
警告装置1が起動等されると、警告装置1は、サーバ5と通信し、渋滞位置、速度、及び識別情報等を受信し、メモリ12等に格納する。以後、警告装置1は、車両2が所定距離走行する毎や、所定時間毎等に、サーバ5と通信し、渋滞位置、速度、及び識別情報等を受信し、メモリ12等に格納する。なお、ここで、警告装置1が、例えばナビゲーションシステムの機能を有するものであれば、例えば、経路探索等の処理に、受信した渋滞位置、速度、及び識別情報等を用いてもよい。この動作例は従来技術と同じであるのでここでは省略する。
【0054】
また、警告装置1が起動されると、警告装置1は、サーバ5と通信し、施設、その施設の施設位置、時間帯等の組み合わせを受信し、施設ポイントテーブル132等に格納する。具体的には、例えば、受信した施設、その施設の施設位置、時間帯等の組み合わせのうち、施設、時間帯等を、施設ポイントテーブル132の施設401、要注意時間帯402に格納する。なお、ここで、サーバ5の時間帯情報送信部712は、車両2の現在位置から所定範囲内の施設、その施設の施設位置、時間帯等を送信してもよい。この場合、警告装置1は、現在位置算出部111の算出した車両2の現在位置をサーバ5に送信するとよい。
【0055】
まず、ドライバから死角があるか否かを判定する動作例を説明する。この動作例は、例えば、警告装置1が、所定時間毎や、所定距離走行ごとに起動する動作例である。
【0056】
なお、ここでは、死角の有無は、現在位置、地図情報131、サーバ5から送信された渋滞情報等から判定する場合と、カメラ3及びレーダ4により取得された情報から判定する場合との2つがあるものとする。警告装置1は、これらの両方を行なってもよく、また、何れか一方を行なっても良い。
【0057】
まず、現在位置、地図情報131、サーバ5から送信された渋滞位置、速度、及び識別情報等から、死角の有無を判定する場合の例を説明する。
【0058】
なお、以下で説明する、現在位置、地図情報131、サーバ5から送信された渋滞位置、速度、及び識別情報等から死角の有無を判定する動作例は、次のような考え方によるものである。即ち、隣接車線に車両等が走行又は駐停車等している場合、その車両等により死角が発生すると考えられる。ここで、さらに、歩行者や自転車、バイク等は、車両等が停止又はある程度の速度以下である場合に、その車両等の前後を横切る可能性があるものであり、車両等の速度が十分早い場合は、その車両等の前後を横切る可能性が低いことが考えられる。以下で説明する動作例は、自車線が渋滞であり、かつ、隣接車線が渋滞又は駐停車であるか否かにより、歩行者や自転車、バイク等の飛出しが発生する可能性のある死角の有無を判定するものである。
【0059】
上記判定の具体的な動作例を、図8を参照して説明する。
【0060】
図8において、死角判定部112は、まず、現在位置、車線、進行方向等を取得する(S801)。そのために、死角判定部112は、現在位置算出部111の算出した現在位置、車線、進行方向等を取得する。ここで、現在位置算出部111は、所定時間毎や所定距離走行毎に現在位置、車線、進行方向等を算出し、メモリ12等に格納してもよく、また、死角判定部112等からの要求を受けた場合に現在位置、車線、進行方向等を算出し、メモリ12等に格納しても良い。この、現在位置算出部111が現在位置、車線、進行方向等を算出する動作例は、上述したように従来技術と同じである。
【0061】
次に、死角判定部112は、S801で取得した現在位置と、記憶装置13から読み出した地図情報131とから、車両2の現在位置が自動車専用道路であるか否か判定する(S802)。そのために、死角判定部112は、各道路情報テーブル301の項目311「位置」に対応する内容312に示される線分上に、S801で取得した現在位置の緯度経度が位置するか否か判定する。この判定は、例えば、各道路情報テーブル301の項目311「位置」に対応する内容312に示される線分上と、S801で取得した現在位置の緯度経度とが完全に一致する場合に、道路を示す線分上に現在位置が位置すると判定してもよく、また、各道路情報テーブル301の項目311「位置」に対応する内容312に示される線分から所定範囲内に、S801で取得した現在位置の緯度経度が位置する場合に、道路を示す線分上に現在位置が位置すると判定してもよい。死角判定部112は、この判定により、道路を示す線分上に現在位置が位置すると判定した道路情報テーブル301を選択し、選択した道路情報テーブル301の項目311「自動車専用道路」に対応する内容312が「×」であるか否か判定する。この判定の結果、項目311「自動車専用道路」に対応する内容312が「×」である場合、死角判定部112は、車両2の現在位置が自動車専用道路でないと判定する。
【0062】
S802の判定の結果、車両2の現在位置が自動車専用道路でない場合、死角判定部112は、車両2の現在走行している車線が渋滞でないか否か判定する(S803)。この判定には、車両2の速度を用いてもよく、また、サーバ5から送信された、車線毎の渋滞情報に含まれる車線毎の車両平均速度により判定してもよい。
【0063】
車両2の速度から判定する場合の例を説明する。この場合、死角判定部112は、車両2の速度を算出し、算出した速度が所定の閾値以下であるか否か判定する。この車両2の速度は、例えば、死角判定部112が、図示しない加速度センサにより取得された加速度データ等を取得し、さらに、そのときの現在位置をGPS受信装置17が受信した信号から取得し、今回算出した現在位置と前回算出した現在位置とから車両2の速度を算出して取得する。また、この判定で用いる閾値は、予め定められた値でもよく、また、入力装置14等から入力された情報に従い変更等されてもよい。
【0064】
車線毎の渋滞情報から判定する場合の例を説明する。この場合、死角判定部112は、例えば、メモリ12から読み出した車両2の位置する車線の車両平均速度が所定閾値以下であるか否か判定する。この判定で用いる閾値は、予め定められた値でもよく、また、入力装置14等から入力された情報に従い変更等されてもよい。
【0065】
S803の判定の結果、現在走行している車線が渋滞でない場合、死角判定部112は、隣接車線が渋滞、又は、隣接車線に駐停車があるか否か判定する(S804)。上述のように、本実施形態では、サーバ5は、車線ごとの渋滞位置を送信している。死角判定部112は、サーバ5から送信された渋滞位置、速度、及び識別情報の組み合わせのうち、隣接する車線の識別情報であり、かつ、現在位置から所定範囲内の渋滞位置である情報の組み合わせを抽出し、その情報から、隣接車線が渋滞、又は、隣接車線に駐停車があるか否か判定する。この、渋滞、駐停車判定は、例えば、上述のように、渋滞情報である平均速度が所定閾値以下であるか否かにより判定してもよい。
【0066】
S804の判定の結果、隣接車線が渋滞、又は、隣接車線に駐停車がある場合、死角判定部112は、飛出し等の可能性のある死角があるものと判定し、後述する危険度ポイント加算処理に移行する。
【0067】
S802の判定の結果、車両2の現在位置が自動車専用道路である場合、S803の判定の結果、現在走行している車線が渋滞である場合、又は、S804の判定の結果、隣接車線が渋滞、又は、隣接車線に駐停車がない場合、死角判定部112は、飛出し等の可能性のある死角が無いものと判定し、処理を終了する。
【0068】
次に、カメラ3及びレーダ4により取得された情報から、死角の有無を判定する動作例を説明する。
【0069】
まず、動作例を説明する前に、カメラ3及びレーダ4により取得される情報から判定する死角について、図9を参照して説明する。
【0070】
図9(a)は、平面投影図の一例である。図9(a)において、車両901は、車両2である。また、車両902は、隣接車線の車両である。図9(a)に一例を示す平面図の場合、車両901のレーダ3及びカメラ4には、斜線部911が映らない。従って、斜線部911が死角であると考えられる。
【0071】
ここで、装置1が、図9(a)のような場合に算出する死角領域について、図9(b)を参照して説明する。
【0072】
例えば、車両901の車線に隣接する車線上の、車両921による死角を一例として説明する。車両901の進行方向に対し、車両921の前方には車両922がある。ここで、車両921と車両922との車間距離が「l1」とする。車両921が前進しているときに、歩行者や自転車、バイク等がその前を横切る場合、車両921の速度を見計らった分前方を横切ることが考えられる。従って、車両921の速度に応じて、車両921の前端から距離内には歩行者や自転車、バイク等がいないものと考えられる。図9(b)の例では、この距離を「l2」とする。車両921と車両922との距離「l1」と、歩行者や自転車、バイク等が横切らないと考えられる領域の距離「l2」との差分である距離「l3」が、歩行者や自転車、バイク等が横切れるだけ十分な距離である場合、飛出し等の可能性のある死角があるものとする。
【0073】
上記判定の具体的な動作例を、図10を参照して説明する。
【0074】
図10において、死角判定部112は、車両2の現在位置を取得する(S1001)。この処理の具体例は上述と同じであるので省略する。次に、死角判定部112は、カメラ3、レータ4等の取得した情報を取得し、車両2の前方の、車両等の各対象物までの距離、その対象物の前端・後端までの距離、その対象物の横端の位置、速度等を取得する(S1002)。次に、死角判定部112は、カメラ3により取得された画像データから平面図を作成する(S1003)。具体的には、例えば、死角判定部112は、カメラ3が撮影することにより取得した画像データに含まれる車線等を、平面図に投影する。次に、死角判定部112は、S1002で取得した対象物の位置及び大きさ等のうち、車両2を基準とした位置から前方に「L」の距離内にある対象物を、S1003で配置した平面図に配置する(S1004)。ここで、この距離「L」は、例えば、「L=V*s」で算出される値である。この「V」は、車両2の速度である。「s」は、例えば、車両2のドライバがブレーキ操作を開始してから車両2が停止するまでの反応時間である。この「s」の値は、予め定められていてもよく、また、入力装置14、通信装置16、車両2の速度や天候等の走行状況等により設定等されてもよい。死角判定部112は、S1003で作成した平面図に、S1002により取得した車両2の前方の各対象物の、各対象物までの距離、その対象物の前端・後端までの距離、その対象物の横端の位置等を配置した画像データを作成する。
【0075】
死角判定部112は、S1004で配置した前方の各対象物を、車両2の進行方向に向かって距離「l」だけ延伸する(S1005)。そのために、例えば、死角判定部112は、S1004で取得した画像データにおいて、各対象物の前端に距離「l」分加算した値を、延伸した対象物の大きさとする。この距離「l」は、例えば「l=v*w」で算出される値である。この「v」は、各対象物の速度であり、「w」は、歩行者、自転車、バイク等の横断時間である。この「w」の値は、予め定められていてもよく、また、入力装置14、通信装置16、車両2の現在位置等により変更等されてもよい。なお、この距離「l」は、上述の図9の説明で用いた「l2」に該当する。
【0076】
死角判定部112は、S1005で延伸した各対象物と、その各対象物の前方にある他の対象物との距離が閾値以上であるか否か判定する(S1006)。そのために、例えば、死角判定部112は、S1005で取得した延伸した対象物の前端から、その対象物のすぐ前の対象物の後端までの距離が閾値以上であるか否か判定する。この閾値は、例えば30cm等、歩行者や自転車、バイク等が横切れるだけ十分な距離である。なお、この距離は、上述の図9の説明で用いた「l3」に該当する。
【0077】
S1006の判定の結果、距離が閾値以上である場合、死角判定部112は、飛出し等の可能性のある死角があるものと判定し、後述する危険度ポイント加算処理に移行する。即ち、S1006の判定の結果、距離が閾値以上である場合、上述の図9の例で説明した、「「l3」が、歩行者や自転車、バイク等が横切れるだけ十分な距離である場合」に該当するものとなる。
【0078】
S1006の判定の結果、距離が閾値以上でない場合、死角判定部112は、死角が無いものと判定し、処理を終了する。
【0079】
次に、図11を参照し、上述の図8又は図10の処理の後に起動する、危険度ポイント加算処理の一例を説明する。
【0080】
図11において、まず、危険可能性判定部113は、歩道に面している車線が渋滞しているか否か判定する(S1101)。そのために、例えば、危険可能性判定部113は、サーバ5から送信された渋滞位置、速度、及び識別情報の組み合わせのうち、渋滞位置が現在位置から所定範囲内であり、かつ、歩道に面した車線の識別情報である組み合わせを選択し、その組み合わせの速度情報が所定値以上であるか否か判定する。
【0081】
S1101の判定の結果、歩道に面している車線が渋滞している場合、危険可能性判定部113は処理を終了する。
【0082】
ここで、歩行者や自転車、バイク等は、横切ろうとするすぐ横の車線を走行する車両等の速度が速い場合、その車両の前を横切ることをしないと考えられる。この判定は、このような場合を判定するためのものであり、これにより、無用な警告をさらに防ぐことが可能となる。
【0083】
S1101の判定の結果、歩道に面している車線が渋滞していない場合、施設ポイント加算部114は、危険地区ポイント「P1」を算出する(S1102)。そのために、施設ポイント加算部114は、地図情報131を参照し、車両2の現在位置から所定範囲内にある施設を取得する。次に、施設ポイント加算部114は、現在時刻を取得し、施設ポイントテーブル132から、取得した施設、取得した現在時刻の条件が、施設401、要注意時間帯402に合致するものを選択し、その設備401、要注意時間帯402に対応するポイント403を読み出し、それらのポイントを変数「P1」に加算する。
【0084】
ヒヤリハットポイント加算部115は、ヒヤリハットポイント「P2」を算出する(S1103)。そのために、ヒヤリハットポイント加算部115は、各ヒヤリハットポイントテーブル133aを参照し、車両2の現在位置から所定範囲内に位置する位置511が含まれており、車両2の車線位置と一致する車線位置515が含まれており、かつ、車両2の進行方向と一致する方向516が含まれているヒヤリハットポイントテーブル133aを選択し、ヒヤリハットポイントテーブル133aから、そのヒヤリハット地区ID501を読み出す。次に、ヒヤリハットポイント加算部115は、読み出したヒヤリハット地区ID501と一致するヒヤリハット地区ID521を有するヒヤリハットポイントテーブル133bを選択する。次に、ヒヤリハットポイント加算部115は、選択したヒヤリハットポイントテーブル133bの時間帯531、明るさ532、天候533、輝度534等の各々のうち、現在の状況に当てはまるものを選択し、選択した時間帯531、明るさ532、天候533、輝度534等の各々に対応する件数523を読み出す。ヒヤリハットポイント加算部115は、これらの件数523に応じて、ヒヤリハットポイントを変数「P2」に加算する。このヒヤリハットポイントの加算は任意であり、例えば、選択した時間帯531、明るさ532、天候533、輝度534等の合計件数が所定値以上である場合に、一定値、又は、合計件数に応じて増加する値をヒヤリハットポイントとして加算してもよい。また、例えば、選択した時間帯531、明るさ532、天候533、輝度534等の各々の件数が閾値以上であるか否かにより、ヒヤリハットポイントとして加算してもよい。
【0085】
なお、ここで、明るさ、天候、輝度等を取得する技術は従来技術と同じであり、特に限定するものではない。例えば、明るさは、センサ(図示略)等により取得された値が所定値以上であるか否かにより、暗い、明るい、やや暗い、のうちいずれかであるか判定する。また、天候は、サーバ5から、渋滞情報等と共に送信されたものを用いても良い。「輝度」は、上述と同様に、センサ(図示略)等により取得された値と、所定の標準輝度とにより算出されたコントラスト比を用いても良い。
【0086】
飛出ポイント加算部116は、飛出ポイント「P3」を算出する(S1104)。そのために、飛出ポイント加算部116は、現在の状況が、飛出ポイントテーブル134の各状況601に当てはまるか否か判定し、状況601に当てはまる場合、その状況601に対応するポイント602を加算する。
【0087】
ここで、各状況601に当てはまるか否か判定するための技術は特に限定するものではなく、従来技術と同じでよい。具体的には、例えば、状況601「幅員が所定値以下」、「歩道が無い」、「歩道と車道との間に仕切りが無い」等を判定するために、死角判定部112は、S501又はS801で取得した現在位置の緯度経度及び進行方位が、各道路情報テーブル301の項目311「位置」に対応する内容312に示される線分上又はその線分から所定範囲内に位置するか否か判定し、該当する内容312が含まれている道路情報テーブル301を選択する。次に、飛出ポイント加算部116は、選択した道路情報テーブル301の項目311「幅員」、「上り歩道の有無」、「下り歩道の有無」、「上り歩道と車道との仕切りの有無」、「下り歩道と車道との仕切りの有無」、「中央分離帯の仕切り」等に対応する内容312から、状況601「幅員が所定値以下」、「歩道が無い」、「歩道と車道との間に仕切りが無い」等であるか否か判定する。
【0088】
また、飛出ポイント加算部116が、状況601「反対車線が渋滞、又は、駐停車があり、中央分離帯に仕切りが無い」を判定するために、死角判定部112は、上述と同じ動作により選択した道路情報テーブル301の項目311「中央分離帯の仕切り」等に対応する内容312から、「中央分離帯に仕切りが無い」等であるか否か判定する。さらに、飛出ポイント加算部116は、上述と同じ動作例により、反対車線の渋滞及び駐停車の有無を判定する。
【0089】
また、飛出ポイント加算部116は、状況601「逆光」であるか否か判定するために、例えば、カメラ3の所定領域に太陽が映っているか否かにより判定してもよい。この、太陽が映っているか否かの判定は、カメラ3により取得された画像データを画像処理して判定するとよい。
【0090】
飛出ポイント加算部116は、状況601「雨又は雪」、「大雨又は大雪」であるか否か判定するために、サーバ5から渋滞情報等と共に送信されたものを用いても良い。
【0091】
飛出ポイント加算部116は、状況601「所定値以下の明るさ、かつ、ライト未点灯」であるか否か判定するために、センサ(図示略)等により取得された値が所定値以下か否かと、車両2の機器等から取得したライト点灯/非点灯信号等により判定してもよい。また、サーバ5等から送信等された天候や日出、日没時間と現在時刻等と、車両2の機器等から取得したライト点灯/非点灯信号等により判定してもよい
判定部117は、上述のS1102で算出された「P1」、上述のS1103で算出された「P2」、上述のS1104で算出された「P3」の合計値が、所定閾値以上であるか否か判定する(S1105)。この閾値は、予め定められてもよく、また、入力装置14又は通信装置16から入力された情報に従い変更等されてもよい。
【0092】
S1105の判定の結果、「P1」、「P2」、「P3」の合計値が所定閾値以上でない場合、判定部117は警告情報を出力する(S1106)。ここで出力する警告は、画像でもよく、音声でもよい。ディスプレイ等の出力装置15に警告を出力した画面の一例を図12に示す。図12において、画面1201は、例えば、ナビゲーションシステムの画像上に警告を表示した例である。
【0093】
図11において、S1105の判定の結果、「P1」、「P2」、「P3」の合計値が所定閾値以上である場合、判定部117は警告情報及び速度抑制指示を出力する(S1107)。ここで出力される警告情報は、上述のS1106と同じである。速度抑制指示とは、車両2の速度を抑制指示するための情報であり、図示しない車両2の制御装置等へ、図示しない出力インタフェース等から出力される。
【0094】
このような、車の外界の渋滞や駐停車状況等から、死角の有無を判定することにより、人の飛び出す可能性の有る状況にて警告または速度抑制ができるようになり、事故を回避しやすくなる。また、警告回数を絞ることが可能となる。また、予め、危険発生地域であると登録されていない場合でも、例えば飛び出し等危険が発生する可能性のある状況であれば、警告することが可能となる。
【0095】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0096】
例えば、上述のS1104の処理において、車両2の前方にバスや路面電車等があり、車両2の現在位置から所定範囲内にバス停や路面電車駅等がある場合には、ポイントを加算してもよい。車両2の前方にバスや路面電車等があるか否か判定する技術は任意であるが、例えば、カメラ3により取得された画像データを画面処理することにより判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の、一実施形態のシステム構成例を示す図である。
【図2】同実施形態において、警告装置の構成例を示す図である。
【図3】同実施形態において、地図情報の一例を示す図である。
【図4】同実施形態において、施設ポイントテーブルの一例を示す図である。
【図5】同実施形態において、ヒヤリハットポイントテーブルの一例を示す図である。
【図6】同実施形態において、飛出ポイントテーブルの一例を示す図である。
【図7】同実施形態において、サーバの構成例を示す図である。
【図8】同実施形態において、動作例を説明する図である。
【図9】同実施形態において、動作例を説明する図である。
【図10】同実施形態において、動作例を説明する図である。
【図11】同実施形態において、動作例を説明する図である。
【図12】同実施形態において、画面例である。
【符号の説明】
【0098】
1: 警告装置、2:車両、3:カメラ、4:レーダ、5:サーバ、6:通信ネットワーク、7:GPS衛星、11:演算部、12:メモリ、13:記憶装置、14:入力装置、15:出力装置、16:通信装置、17:GPS受信装置、18:バス、111:現在位置算出部、112:死角判定部、113:危険可能性判定部、114:施設ポイント加算部、115:ヒヤリハットポイント加算部、116:飛出ポイント加算部、117:判定部、131:地図情報、301:道路情報テーブル、132:施設ポイントテーブル、133:ヒヤリハットポイントテーブル、134:飛出ポイントテーブル、51:演算部、52:メモリ、53:記憶装置、54:入力装置、55:出力装置、56:通信インタフェース、57:バス、511:渋滞情報送信部、512:時間帯情報送信部、531:渋滞情報テーブル、532:時間帯情報テーブル、533:ユーザ情報テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、危険な状況を警告する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両運転中の危険な状況を警告する技術として、特許文献1、特許文献2に記載の技術がある。特許文献1に記載の技術は、場所と日時から、車両が現在事故を起こしやすい位置にいるか否か判定し、現在事故を起こしやすい位置にいると判定された場合に、警告等をするものである。特許文献2に記載の技術は、歩行者に発信装置をもたせ、その発信装置からの信号を受信等した場合に、警告等をするものである。
【0003】
【特許文献1】特開2001-357496号公報
【特許文献2】特開2005-227989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、単に場所と日時とにより危険であるか否か判定するため、例えば両側に何も無い等、見通しが良い場所等でも警告する場合がある。また、特許文献2に記載の技術は、歩行者が発信装置を持っていない場合は警告等をすることができない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ドライバに死角がある場合は警告を行なうことのできる技術を提供することを目的とする。また、本発明は、歩行者が発信装置を持っていない場合でも、警告することを可能とすることを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の目的を達成するためになされたもので、隣接する車線が渋滞である場合に、警告することを特徴とする。また、本発明は、隣接する車線の対象物より前方に、所定距離以上何もない場合に、警告することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、車線ごとの渋滞情報を送信する渋滞情報送信装置と通信ネットワークを介して接続され、自車両がどの車線に存在するかを判定する車両搭載装置であって、前記渋滞情報送信装置からの、車線ごとの渋滞情報を受信する受信手段と、前記受信した渋滞情報から、自車両の存在する車線が渋滞しているか否か判定する自車両渋滞判定手段と、前記受信した渋滞情報から、自車両と隣接する車線が渋滞しているか否か判定する隣接車線渋滞判定手段と、前記判定により、自車両の車線が渋滞していると判定し、かつ、自車両の隣接する車線が渋滞していると判定された場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、車両に搭載される車両搭載装置であって、前記車両の前方の、該車両の隣接車線の各対象物の位置及び該各対象物の大きさを測定するレーダと、前記レーダにより測定された対象物の位置及び大きさの各々から、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置しているか否か判定する判定手段と、前記判定により、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置していないと判定された場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の技術によれば、隣接車線に渋滞が発生している場合、及び、ドライバに死角があると考えられる場合のみ警告を行なうことができる。これにより、例えば歩行者や自転車、バイク等の飛び出し等の発生が考えられ、かつ、それらの歩行者や自転車、バイク等の存在をドライバが認識することが困難であると考えられる場合のみ、警告を行うことが可能となる。また、歩行者等が発信装置を持っていない場合でも、警告することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
まず、図1を参照し、システム構成例を説明する。
【0012】
本実施形態のシステムは、警告装置1、車両2、カメラ3、レーダ4、サーバ5、通信ネットワーク6、GPS(Global Positioning System)衛星7等を有する。警告装置1、カメラ3、レーダ4等は、有線又は無線により互いに接続されている。警告装置1は、通信ネットワーク6を介してサーバ5と接続されている。
【0013】
サーバ5は、例えば、渋滞情報を提供するサービスを提供する企業等のサーバ等である。サーバ5は、通信ネットワーク6を介する等して直接、又は、ビーコン送信機(図示略)を介する等して、警告装置1に車線ごとの渋滞情報を送信する。ここでは、サーバ5は、通信ネットワーク6を介して渋滞情報を送信するものとする。
【0014】
通信ネットワーク6は、例えば、インターネット、携帯電話網、公衆網等である。
【0015】
警告装置1、カメラ3、レーダ4等は、車両2に供えられている。カメラ3は、少なくとも車両2の前方を撮影し、撮影した画像データを警告装置1に入力する。レーダ4は、電波を発信し、その電波の反射波等から、車両2の前方の、車両等の各対象物までの距離、その対象物の前端・後端までの距離、その対象物の横端の位置、速度等を取得する。なお、カメラ3、レーダ4等は従来技術と同じである。
【0016】
警告装置1は、カメラ3、レーダ4、GPS衛星7、サーバ5等から入力された情報から、ドライバに死角があるか否か判定し、死角があると判定された場合、警告の出力、車両3の速度抑制等を行なう。
【0017】
なお、図1に示す各構成の数は任意であり、図1に示すものに限られるわけではない。
【0018】
警告装置1の構成例を、図2を参照して説明する。
【0019】
警告装置1は、演算部11、メモリ12、記憶装置13、入力装置14、出力装置15、通信装置16、GPS受信装置17等を有する。演算部11、メモリ12、記憶装置13、入力装置14、出力装置15、通信装置16、GPS受信装置17等はバス18により接続されている。
【0020】
記憶装置13は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等の記憶メディア及び当該記憶メディアの駆動装置、HDD(Hard Disk Drive)等である。記憶装置13は、地図情報131、施設ポイントテーブル132、ヒヤリハットポイントテーブル133、飛出ポイントテーブル134等を記憶する。
【0021】
入力装置14は、例えば、ボタン、ダイヤル、タッチパネル、リモコン及びリモコン受信部等である。出力装置15は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等である。通信装置16は、例えば携帯電話等である。警告装置1は、通信装置16を介して通信ネットワーク6と接続する。GPS受信装置17は、GPS衛星7からの電波を受信する。
【0022】
演算部11は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等である。演算部11は、図示しないプログラムを実行することにより、現在位置算出部111、死角判定部112、危険可能性判定部113、施設ポイント加算部114、ヒヤリハットポイント加算部115、飛出ポイント加算部116、判定部117等の機能を実現する。現在位置算出部111は、車両2の現在位置と、車両2の進行方位と、車両2の位置する車線とを算出する。ここで、現在位置算出部111が現在位置を算出する動作は従来技術と同じであり、例えば、GPS受信装置17により受信した信号、及び、地図情報131からマップマッチ等により現在位置を算出してもよい。また、現在位置算出部111が進行方位を算出する動作は従来技術と同じであり、例えば、前回算出された現在位置と、今回算出された現在位置とから、車両2の進行方位を算出する。現在位置算出部111が車両2の位置する車線を算出する動作例は従来技術と同じであり、例えば、車線ごとに設置されたビーコン送信機から送信される情報により自車線を判定してもよく、また、カメラ3により取得された画像データを画像処理等して、車線を区切る線を検出等することにより、自車線を検出してもよい。死角判定部112は、ドライバの死角の有無を判定する。この動作例は後述する。危険可能性判定部113は、歩行者等の飛び出しがあるか否かを、歩道に隣接する車線の渋滞状況、又は、駐停車両の有無等により判定する。施設ポイント加算部114は、地図情報131、施設ポイントテーブル132内の条件に従い、危険性を示すポイントを加算する。ヒヤリハットポイント加算部115は、ヒヤリハットポイントテーブル133内の条件に従い、危険性を示すポイントを加算する。飛出ポイント加算部116は、飛出ポイントテーブル134内の条件に従い、危険性を示すポイントを加算する。判定部117は、加算されたポイントが所定閾値以上であるか否かにより、警告を含む情報を出力する。
【0023】
次に、記憶装置13内の情報について説明する。
【0024】
まず、地図情報131について説明する。
【0025】
本実施形態では、地図上の位置は、緯度経度で示されるものとする。上述のように、地図情報131は、道路情報を含む。地図情報131において、道路は、近似した線分で示され、その線分の端点の緯度経度により道路の位置を示すものとする。地図情報131に含まれる道路情報の一例を図3に示す。図3において、地図情報131は、複数の道路情報テーブル301を有する。1つの道路情報テーブル301は、1つの線分で示される道路に関する情報を含む。地図情報131は、1つの線分で示される道路の数だけ、道路情報テーブル301を有しているものとする。
【0026】
各道路情報テーブル301は、項目311、内容312等を有する。項目311、内容312等は互いに対応付けられている。項目311は、道路情報の項目であり、内容312は、対応する項目311の値である。例えば、図3において、項目311「道路ID」は、道路の識別情報である。項目311「位置」は、線分で近似した道路の端点の緯度経度である。
【0027】
また、上述の道路情報テーブル301に一例を示す道路情報の他に、地図情報131は、施設と、その施設の有る位置等とを対応付けた施設情報等を有する。この施設とは、例えば、幼稚園、小学校、中学校、高校、イベント会場、病院、店舗、公園、駅、バス停、スクールゾーン、学習塾、運動公園等である。また、この施設に対応する位置は、ここでは、緯度経度であるものとする。
【0028】
次に、施設ポイントテーブル132について説明する。
【0029】
施設ポイントテーブル132の一例を図4に示す。図4において、施設ポイントテーブル132は、施設401、要注意時間帯402、ポイント403等を有する。施設401、要注意時間帯402、ポイント403等は互いに対応付けられている。施設401、要注意時間帯402は、車両2の現在位置から所定範囲内に対応する施設401が有り、かつ、現在時刻が対応する要注意時間帯402である場合に、ポイントを加算するものである。ポイント403は、対応する施設401、要注意時間帯402の条件を満たす場合に加算するポイントである。ここで、図4の例において、例えば施設401「イベント会場」に対応する要注意時間帯402「イベント開催時間前後2時間」や、施設401「バス停」に対応する要注意時間帯402「バス停運行時間」、施設401「駅」に対応する要注意時間帯402「電車運行時間」、施設401「スクールゾーン」に対応する要注意時間帯402「学校通勤時間」等、時期や曜日、日時等により人の往来する時間が定まっていないものは、サーバ5によりそれらの要注意時間帯が送信されるものとする。
【0030】
次に、ヒヤリハットポイントテーブル133の一例について、図5を参照して説明する。なお、ここでは、1つのヒヤリハットポイントテーブル133は、1つのヒヤリハットの発生条件に関する情報を含む。ここでいうヒヤリハットとは、例えばカーブが曲がりきれず対物事故が発生した、飛出し等により人身事故が発生しそうになった等、危険な状況のことである。従って、記憶装置13には、ヒヤリハットの数だけ、ヒヤリハットポイントテーブル133が格納されているものとする。また、ここでは、ヒヤリハットの発生位置に関する情報を格納するテーブルと、発生したヒヤリハットの件数に関する情報とを異なるテーブルに格納するものとする。以下、各テーブルを区別するために、例えば「ヒヤリハットポイントテーブル133a」というように符号を付与して説明する。
【0031】
図5(a)において、ヒヤリハットポイントテーブル133aは、ヒヤリハットの発生位置に関する情報を格納する。ヒヤリハットポイントテーブル133aは、ヒヤリハットID501、位置502等を有する。ヒヤリハットID501、位置502等は互いに対応付けられている。ヒヤリハットID501は、ヒヤリハットの識別情報である。位置502は、座標511、道路種別512、幅員513、車線数514、車線位置515、方向516等を有する。座標511は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起きた位置である。道路種別512は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起こった道路の道路種別である。幅員513は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起こった位置における道幅である。車線数514は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起こった位置における車線数である。車線位置515は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起こった位置における車線位置である。方向516は、対応するヒヤリハットID501のヒヤリハットが起こったときの進行方位である。
【0032】
図5(b)において、ヒヤリハットポイントテーブル133bは、発生したヒヤリハットの件数に関する情報を格納する。ヒヤリハットポイントテーブル133bは、ヒヤリハット地区ID521、内容522、件数523等を有する。ヒヤリハット地区ID521、内容522、件数523等は互いに対応付けられている。ヒヤリハット地区ID521は、ヒヤリハットの識別情報であり、上述のヒヤリハット地区ID501と同じである。内容522は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが起こった状況を示す。件数523は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが、対応する内容522で起こった件数である。
【0033】
内容522は、時間帯531、明るさ532、天候533、輝度534、種別535等を有する。時間帯531は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが起こった時間である。明るさ532は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが起こった明るさである。天候533は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが起こった天候である。輝度534は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットが起こった、所定の標準輝度とヒヤリハットが起こった時の輝度とのコントラスト比である。種別535は、対応するヒヤリハットID521のヒヤリハットの種別を示す。
【0034】
なお、図5の例では、種別535に含まれているヒヤリハット種別は、対人のみ示しているが、これに限られるわけではなく、対車、対物等を含んでも良い。
【0035】
次に、飛出ポイントテーブル134の一例を、図6を参照して説明する。
【0036】
図6において、飛出ポイントテーブル134は、状況601、ポイント602等を有する。状況601、ポイント602等は互いに対応付けられている。状況601は、飛び出しの発生する可能性のある状況条件である。ポイント602は、対応する状況601を満たす場合に加算するポイントである。
【0037】
なお、地図情報131、施設ポイントテーブル132、ヒヤリハットポイントテーブル133、飛出ポイントテーブル134等の情報は予め格納されているものとするが、これに限られるわけではなく、入力装置14、通信装置16等を介して入力された情報に従い、新規登録、追加、変更、削除等してもよい。また、飛出ポイントテーブル134内の情報は、警告装置1がヒヤリハットを検出する機能がある場合、その機能により検出されたヒヤリハットに関する情報を格納等して、新規登録、追加、変更、削除等してもよい。
【0038】
次に、サーバ5の構成例を、図7を参照して説明する。
【0039】
図7において、サーバ5は、演算部71、メモリ72、記憶装置73、入力装置74、出力装置75、通信インタフェース76等を有する。演算部71、メモリ72、記憶装置73、入力装置74、出力装置75、通信インタフェース76等はバス77を介して互いに接続されている。
【0040】
演算部71は、例えばCPU等である。記憶装置73は、例えば、CDやDVD等の記憶メディア及び当該記憶メディアの駆動装置、HDD等である。記憶装置73は、渋滞情報テーブル731、時間帯情報テーブル732、ユーザ情報テーブル733等を記憶する。
【0041】
入力装置74は、例えば、キーボード、マウス、マイク等である。出力装置75は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、プリンタ等である。サーバ5は、通信インタフェース76を介して通信ネットワーク6と接続する。
【0042】
ここで、記憶装置73内の情報について説明する。
【0043】
まず、渋滞情報テーブル731の一例について説明する。
【0044】
渋滞情報テーブル731は、渋滞情報として、渋滞位置、識別情報、速度等を記憶する。渋滞位置、識別情報、速度等は互いに対応付けられている。渋滞位置は、例えば、渋滞の発生している位置の緯度経度等である。識別情報とは、対応する渋滞の発生している車線の識別情報である。速度とは、対応する渋滞位置で、対応する識別情報の車線を走行する車両の速度である。この渋滞情報テーブル731内の情報は、例えば、次世代VICS(Vehicle Information and Communication System)のセンタサーバ等から取得した車線ごとの渋滞情報である。この渋滞情報は、例えば、所定区間を走行する間の平均速度等である。車線ごとの渋滞情報は、例えば、例えば車線ごとに設けられた渋滞情報を取得する路側器により取得され、次世代VICSのセンタサーバを介する等してサーバ5が取得する。
【0045】
次に、時間帯情報テーブル732の一例について説明する。
【0046】
時間帯情報テーブル732は、施設と、その施設の位置と、時間帯等とを記憶する。施設、施設位置、時間帯等は互いに対応付けられている。施設とは、例えば、イベント会場、バス停、駅等である。この時間帯情報テーブル732内の施設は、例えば、季節や場所、月日によって人の往来が変化する場所等である。施設位置とは、例えば、対応する施設の位置である緯度経度等である。時間帯とは、対応する施設近傍で人の往来が激しくなる要注意時間帯等である。
【0047】
ユーザ情報テーブル733の一例について説明する。
【0048】
ユーザ情報テーブル733は、ユーザ名、接続情報等を有する。ユーザ名、接続情報等は互いに対応付けられている。ユーザ名は、サーバ5からの情報提供を契約したユーザの氏名等である。接続情報は、対応するユーザの警告装置1と接続するための情報である。
【0049】
なお、渋滞情報テーブル731、時間帯情報テーブル732、ユーザ情報テーブル733内の情報は予め格納されているものとするが、入力装置74、通信インタフェース76等を介して入力された情報に従い、新規追加、修正、削除等されてもよい。
【0050】
演算部71は、図示しないプログラムを実行することにより、渋滞情報送信部711、時間帯情報送信部712等を実現する。渋滞情報送信部711は、警告装置1からの要求を受信したときや、所定時間毎等に、渋滞情報テーブル731から読み出した渋滞位置、速度、及び識別情報等を送信する。サーバ5による情報の送信は、通信ネットワーク6を介する等して直接送信してもよく、又、ビーコン送信機(図示略)を介する等して送信してもよいが、ここでは、通信ネットワーク6を介して渋滞情報を送信するものとする。時間帯情報送信部712は、警告装置1からの要求を受信したときや、所定時間毎等に、時間帯情報テーブル732から読み出した施設、その施設の施設位置、時間帯等を送信する。
【0051】
これらのサーバ5の動作例は、従来技術と同じであるので、詳細は省略する。
【0052】
次に、警告装置1の動作例を説明する。
【0053】
警告装置1が起動等されると、警告装置1は、サーバ5と通信し、渋滞位置、速度、及び識別情報等を受信し、メモリ12等に格納する。以後、警告装置1は、車両2が所定距離走行する毎や、所定時間毎等に、サーバ5と通信し、渋滞位置、速度、及び識別情報等を受信し、メモリ12等に格納する。なお、ここで、警告装置1が、例えばナビゲーションシステムの機能を有するものであれば、例えば、経路探索等の処理に、受信した渋滞位置、速度、及び識別情報等を用いてもよい。この動作例は従来技術と同じであるのでここでは省略する。
【0054】
また、警告装置1が起動されると、警告装置1は、サーバ5と通信し、施設、その施設の施設位置、時間帯等の組み合わせを受信し、施設ポイントテーブル132等に格納する。具体的には、例えば、受信した施設、その施設の施設位置、時間帯等の組み合わせのうち、施設、時間帯等を、施設ポイントテーブル132の施設401、要注意時間帯402に格納する。なお、ここで、サーバ5の時間帯情報送信部712は、車両2の現在位置から所定範囲内の施設、その施設の施設位置、時間帯等を送信してもよい。この場合、警告装置1は、現在位置算出部111の算出した車両2の現在位置をサーバ5に送信するとよい。
【0055】
まず、ドライバから死角があるか否かを判定する動作例を説明する。この動作例は、例えば、警告装置1が、所定時間毎や、所定距離走行ごとに起動する動作例である。
【0056】
なお、ここでは、死角の有無は、現在位置、地図情報131、サーバ5から送信された渋滞情報等から判定する場合と、カメラ3及びレーダ4により取得された情報から判定する場合との2つがあるものとする。警告装置1は、これらの両方を行なってもよく、また、何れか一方を行なっても良い。
【0057】
まず、現在位置、地図情報131、サーバ5から送信された渋滞位置、速度、及び識別情報等から、死角の有無を判定する場合の例を説明する。
【0058】
なお、以下で説明する、現在位置、地図情報131、サーバ5から送信された渋滞位置、速度、及び識別情報等から死角の有無を判定する動作例は、次のような考え方によるものである。即ち、隣接車線に車両等が走行又は駐停車等している場合、その車両等により死角が発生すると考えられる。ここで、さらに、歩行者や自転車、バイク等は、車両等が停止又はある程度の速度以下である場合に、その車両等の前後を横切る可能性があるものであり、車両等の速度が十分早い場合は、その車両等の前後を横切る可能性が低いことが考えられる。以下で説明する動作例は、自車線が渋滞であり、かつ、隣接車線が渋滞又は駐停車であるか否かにより、歩行者や自転車、バイク等の飛出しが発生する可能性のある死角の有無を判定するものである。
【0059】
上記判定の具体的な動作例を、図8を参照して説明する。
【0060】
図8において、死角判定部112は、まず、現在位置、車線、進行方向等を取得する(S801)。そのために、死角判定部112は、現在位置算出部111の算出した現在位置、車線、進行方向等を取得する。ここで、現在位置算出部111は、所定時間毎や所定距離走行毎に現在位置、車線、進行方向等を算出し、メモリ12等に格納してもよく、また、死角判定部112等からの要求を受けた場合に現在位置、車線、進行方向等を算出し、メモリ12等に格納しても良い。この、現在位置算出部111が現在位置、車線、進行方向等を算出する動作例は、上述したように従来技術と同じである。
【0061】
次に、死角判定部112は、S801で取得した現在位置と、記憶装置13から読み出した地図情報131とから、車両2の現在位置が自動車専用道路であるか否か判定する(S802)。そのために、死角判定部112は、各道路情報テーブル301の項目311「位置」に対応する内容312に示される線分上に、S801で取得した現在位置の緯度経度が位置するか否か判定する。この判定は、例えば、各道路情報テーブル301の項目311「位置」に対応する内容312に示される線分上と、S801で取得した現在位置の緯度経度とが完全に一致する場合に、道路を示す線分上に現在位置が位置すると判定してもよく、また、各道路情報テーブル301の項目311「位置」に対応する内容312に示される線分から所定範囲内に、S801で取得した現在位置の緯度経度が位置する場合に、道路を示す線分上に現在位置が位置すると判定してもよい。死角判定部112は、この判定により、道路を示す線分上に現在位置が位置すると判定した道路情報テーブル301を選択し、選択した道路情報テーブル301の項目311「自動車専用道路」に対応する内容312が「×」であるか否か判定する。この判定の結果、項目311「自動車専用道路」に対応する内容312が「×」である場合、死角判定部112は、車両2の現在位置が自動車専用道路でないと判定する。
【0062】
S802の判定の結果、車両2の現在位置が自動車専用道路でない場合、死角判定部112は、車両2の現在走行している車線が渋滞でないか否か判定する(S803)。この判定には、車両2の速度を用いてもよく、また、サーバ5から送信された、車線毎の渋滞情報に含まれる車線毎の車両平均速度により判定してもよい。
【0063】
車両2の速度から判定する場合の例を説明する。この場合、死角判定部112は、車両2の速度を算出し、算出した速度が所定の閾値以下であるか否か判定する。この車両2の速度は、例えば、死角判定部112が、図示しない加速度センサにより取得された加速度データ等を取得し、さらに、そのときの現在位置をGPS受信装置17が受信した信号から取得し、今回算出した現在位置と前回算出した現在位置とから車両2の速度を算出して取得する。また、この判定で用いる閾値は、予め定められた値でもよく、また、入力装置14等から入力された情報に従い変更等されてもよい。
【0064】
車線毎の渋滞情報から判定する場合の例を説明する。この場合、死角判定部112は、例えば、メモリ12から読み出した車両2の位置する車線の車両平均速度が所定閾値以下であるか否か判定する。この判定で用いる閾値は、予め定められた値でもよく、また、入力装置14等から入力された情報に従い変更等されてもよい。
【0065】
S803の判定の結果、現在走行している車線が渋滞でない場合、死角判定部112は、隣接車線が渋滞、又は、隣接車線に駐停車があるか否か判定する(S804)。上述のように、本実施形態では、サーバ5は、車線ごとの渋滞位置を送信している。死角判定部112は、サーバ5から送信された渋滞位置、速度、及び識別情報の組み合わせのうち、隣接する車線の識別情報であり、かつ、現在位置から所定範囲内の渋滞位置である情報の組み合わせを抽出し、その情報から、隣接車線が渋滞、又は、隣接車線に駐停車があるか否か判定する。この、渋滞、駐停車判定は、例えば、上述のように、渋滞情報である平均速度が所定閾値以下であるか否かにより判定してもよい。
【0066】
S804の判定の結果、隣接車線が渋滞、又は、隣接車線に駐停車がある場合、死角判定部112は、飛出し等の可能性のある死角があるものと判定し、後述する危険度ポイント加算処理に移行する。
【0067】
S802の判定の結果、車両2の現在位置が自動車専用道路である場合、S803の判定の結果、現在走行している車線が渋滞である場合、又は、S804の判定の結果、隣接車線が渋滞、又は、隣接車線に駐停車がない場合、死角判定部112は、飛出し等の可能性のある死角が無いものと判定し、処理を終了する。
【0068】
次に、カメラ3及びレーダ4により取得された情報から、死角の有無を判定する動作例を説明する。
【0069】
まず、動作例を説明する前に、カメラ3及びレーダ4により取得される情報から判定する死角について、図9を参照して説明する。
【0070】
図9(a)は、平面投影図の一例である。図9(a)において、車両901は、車両2である。また、車両902は、隣接車線の車両である。図9(a)に一例を示す平面図の場合、車両901のレーダ3及びカメラ4には、斜線部911が映らない。従って、斜線部911が死角であると考えられる。
【0071】
ここで、装置1が、図9(a)のような場合に算出する死角領域について、図9(b)を参照して説明する。
【0072】
例えば、車両901の車線に隣接する車線上の、車両921による死角を一例として説明する。車両901の進行方向に対し、車両921の前方には車両922がある。ここで、車両921と車両922との車間距離が「l1」とする。車両921が前進しているときに、歩行者や自転車、バイク等がその前を横切る場合、車両921の速度を見計らった分前方を横切ることが考えられる。従って、車両921の速度に応じて、車両921の前端から距離内には歩行者や自転車、バイク等がいないものと考えられる。図9(b)の例では、この距離を「l2」とする。車両921と車両922との距離「l1」と、歩行者や自転車、バイク等が横切らないと考えられる領域の距離「l2」との差分である距離「l3」が、歩行者や自転車、バイク等が横切れるだけ十分な距離である場合、飛出し等の可能性のある死角があるものとする。
【0073】
上記判定の具体的な動作例を、図10を参照して説明する。
【0074】
図10において、死角判定部112は、車両2の現在位置を取得する(S1001)。この処理の具体例は上述と同じであるので省略する。次に、死角判定部112は、カメラ3、レータ4等の取得した情報を取得し、車両2の前方の、車両等の各対象物までの距離、その対象物の前端・後端までの距離、その対象物の横端の位置、速度等を取得する(S1002)。次に、死角判定部112は、カメラ3により取得された画像データから平面図を作成する(S1003)。具体的には、例えば、死角判定部112は、カメラ3が撮影することにより取得した画像データに含まれる車線等を、平面図に投影する。次に、死角判定部112は、S1002で取得した対象物の位置及び大きさ等のうち、車両2を基準とした位置から前方に「L」の距離内にある対象物を、S1003で配置した平面図に配置する(S1004)。ここで、この距離「L」は、例えば、「L=V*s」で算出される値である。この「V」は、車両2の速度である。「s」は、例えば、車両2のドライバがブレーキ操作を開始してから車両2が停止するまでの反応時間である。この「s」の値は、予め定められていてもよく、また、入力装置14、通信装置16、車両2の速度や天候等の走行状況等により設定等されてもよい。死角判定部112は、S1003で作成した平面図に、S1002により取得した車両2の前方の各対象物の、各対象物までの距離、その対象物の前端・後端までの距離、その対象物の横端の位置等を配置した画像データを作成する。
【0075】
死角判定部112は、S1004で配置した前方の各対象物を、車両2の進行方向に向かって距離「l」だけ延伸する(S1005)。そのために、例えば、死角判定部112は、S1004で取得した画像データにおいて、各対象物の前端に距離「l」分加算した値を、延伸した対象物の大きさとする。この距離「l」は、例えば「l=v*w」で算出される値である。この「v」は、各対象物の速度であり、「w」は、歩行者、自転車、バイク等の横断時間である。この「w」の値は、予め定められていてもよく、また、入力装置14、通信装置16、車両2の現在位置等により変更等されてもよい。なお、この距離「l」は、上述の図9の説明で用いた「l2」に該当する。
【0076】
死角判定部112は、S1005で延伸した各対象物と、その各対象物の前方にある他の対象物との距離が閾値以上であるか否か判定する(S1006)。そのために、例えば、死角判定部112は、S1005で取得した延伸した対象物の前端から、その対象物のすぐ前の対象物の後端までの距離が閾値以上であるか否か判定する。この閾値は、例えば30cm等、歩行者や自転車、バイク等が横切れるだけ十分な距離である。なお、この距離は、上述の図9の説明で用いた「l3」に該当する。
【0077】
S1006の判定の結果、距離が閾値以上である場合、死角判定部112は、飛出し等の可能性のある死角があるものと判定し、後述する危険度ポイント加算処理に移行する。即ち、S1006の判定の結果、距離が閾値以上である場合、上述の図9の例で説明した、「「l3」が、歩行者や自転車、バイク等が横切れるだけ十分な距離である場合」に該当するものとなる。
【0078】
S1006の判定の結果、距離が閾値以上でない場合、死角判定部112は、死角が無いものと判定し、処理を終了する。
【0079】
次に、図11を参照し、上述の図8又は図10の処理の後に起動する、危険度ポイント加算処理の一例を説明する。
【0080】
図11において、まず、危険可能性判定部113は、歩道に面している車線が渋滞しているか否か判定する(S1101)。そのために、例えば、危険可能性判定部113は、サーバ5から送信された渋滞位置、速度、及び識別情報の組み合わせのうち、渋滞位置が現在位置から所定範囲内であり、かつ、歩道に面した車線の識別情報である組み合わせを選択し、その組み合わせの速度情報が所定値以上であるか否か判定する。
【0081】
S1101の判定の結果、歩道に面している車線が渋滞している場合、危険可能性判定部113は処理を終了する。
【0082】
ここで、歩行者や自転車、バイク等は、横切ろうとするすぐ横の車線を走行する車両等の速度が速い場合、その車両の前を横切ることをしないと考えられる。この判定は、このような場合を判定するためのものであり、これにより、無用な警告をさらに防ぐことが可能となる。
【0083】
S1101の判定の結果、歩道に面している車線が渋滞していない場合、施設ポイント加算部114は、危険地区ポイント「P1」を算出する(S1102)。そのために、施設ポイント加算部114は、地図情報131を参照し、車両2の現在位置から所定範囲内にある施設を取得する。次に、施設ポイント加算部114は、現在時刻を取得し、施設ポイントテーブル132から、取得した施設、取得した現在時刻の条件が、施設401、要注意時間帯402に合致するものを選択し、その設備401、要注意時間帯402に対応するポイント403を読み出し、それらのポイントを変数「P1」に加算する。
【0084】
ヒヤリハットポイント加算部115は、ヒヤリハットポイント「P2」を算出する(S1103)。そのために、ヒヤリハットポイント加算部115は、各ヒヤリハットポイントテーブル133aを参照し、車両2の現在位置から所定範囲内に位置する位置511が含まれており、車両2の車線位置と一致する車線位置515が含まれており、かつ、車両2の進行方向と一致する方向516が含まれているヒヤリハットポイントテーブル133aを選択し、ヒヤリハットポイントテーブル133aから、そのヒヤリハット地区ID501を読み出す。次に、ヒヤリハットポイント加算部115は、読み出したヒヤリハット地区ID501と一致するヒヤリハット地区ID521を有するヒヤリハットポイントテーブル133bを選択する。次に、ヒヤリハットポイント加算部115は、選択したヒヤリハットポイントテーブル133bの時間帯531、明るさ532、天候533、輝度534等の各々のうち、現在の状況に当てはまるものを選択し、選択した時間帯531、明るさ532、天候533、輝度534等の各々に対応する件数523を読み出す。ヒヤリハットポイント加算部115は、これらの件数523に応じて、ヒヤリハットポイントを変数「P2」に加算する。このヒヤリハットポイントの加算は任意であり、例えば、選択した時間帯531、明るさ532、天候533、輝度534等の合計件数が所定値以上である場合に、一定値、又は、合計件数に応じて増加する値をヒヤリハットポイントとして加算してもよい。また、例えば、選択した時間帯531、明るさ532、天候533、輝度534等の各々の件数が閾値以上であるか否かにより、ヒヤリハットポイントとして加算してもよい。
【0085】
なお、ここで、明るさ、天候、輝度等を取得する技術は従来技術と同じであり、特に限定するものではない。例えば、明るさは、センサ(図示略)等により取得された値が所定値以上であるか否かにより、暗い、明るい、やや暗い、のうちいずれかであるか判定する。また、天候は、サーバ5から、渋滞情報等と共に送信されたものを用いても良い。「輝度」は、上述と同様に、センサ(図示略)等により取得された値と、所定の標準輝度とにより算出されたコントラスト比を用いても良い。
【0086】
飛出ポイント加算部116は、飛出ポイント「P3」を算出する(S1104)。そのために、飛出ポイント加算部116は、現在の状況が、飛出ポイントテーブル134の各状況601に当てはまるか否か判定し、状況601に当てはまる場合、その状況601に対応するポイント602を加算する。
【0087】
ここで、各状況601に当てはまるか否か判定するための技術は特に限定するものではなく、従来技術と同じでよい。具体的には、例えば、状況601「幅員が所定値以下」、「歩道が無い」、「歩道と車道との間に仕切りが無い」等を判定するために、死角判定部112は、S501又はS801で取得した現在位置の緯度経度及び進行方位が、各道路情報テーブル301の項目311「位置」に対応する内容312に示される線分上又はその線分から所定範囲内に位置するか否か判定し、該当する内容312が含まれている道路情報テーブル301を選択する。次に、飛出ポイント加算部116は、選択した道路情報テーブル301の項目311「幅員」、「上り歩道の有無」、「下り歩道の有無」、「上り歩道と車道との仕切りの有無」、「下り歩道と車道との仕切りの有無」、「中央分離帯の仕切り」等に対応する内容312から、状況601「幅員が所定値以下」、「歩道が無い」、「歩道と車道との間に仕切りが無い」等であるか否か判定する。
【0088】
また、飛出ポイント加算部116が、状況601「反対車線が渋滞、又は、駐停車があり、中央分離帯に仕切りが無い」を判定するために、死角判定部112は、上述と同じ動作により選択した道路情報テーブル301の項目311「中央分離帯の仕切り」等に対応する内容312から、「中央分離帯に仕切りが無い」等であるか否か判定する。さらに、飛出ポイント加算部116は、上述と同じ動作例により、反対車線の渋滞及び駐停車の有無を判定する。
【0089】
また、飛出ポイント加算部116は、状況601「逆光」であるか否か判定するために、例えば、カメラ3の所定領域に太陽が映っているか否かにより判定してもよい。この、太陽が映っているか否かの判定は、カメラ3により取得された画像データを画像処理して判定するとよい。
【0090】
飛出ポイント加算部116は、状況601「雨又は雪」、「大雨又は大雪」であるか否か判定するために、サーバ5から渋滞情報等と共に送信されたものを用いても良い。
【0091】
飛出ポイント加算部116は、状況601「所定値以下の明るさ、かつ、ライト未点灯」であるか否か判定するために、センサ(図示略)等により取得された値が所定値以下か否かと、車両2の機器等から取得したライト点灯/非点灯信号等により判定してもよい。また、サーバ5等から送信等された天候や日出、日没時間と現在時刻等と、車両2の機器等から取得したライト点灯/非点灯信号等により判定してもよい
判定部117は、上述のS1102で算出された「P1」、上述のS1103で算出された「P2」、上述のS1104で算出された「P3」の合計値が、所定閾値以上であるか否か判定する(S1105)。この閾値は、予め定められてもよく、また、入力装置14又は通信装置16から入力された情報に従い変更等されてもよい。
【0092】
S1105の判定の結果、「P1」、「P2」、「P3」の合計値が所定閾値以上でない場合、判定部117は警告情報を出力する(S1106)。ここで出力する警告は、画像でもよく、音声でもよい。ディスプレイ等の出力装置15に警告を出力した画面の一例を図12に示す。図12において、画面1201は、例えば、ナビゲーションシステムの画像上に警告を表示した例である。
【0093】
図11において、S1105の判定の結果、「P1」、「P2」、「P3」の合計値が所定閾値以上である場合、判定部117は警告情報及び速度抑制指示を出力する(S1107)。ここで出力される警告情報は、上述のS1106と同じである。速度抑制指示とは、車両2の速度を抑制指示するための情報であり、図示しない車両2の制御装置等へ、図示しない出力インタフェース等から出力される。
【0094】
このような、車の外界の渋滞や駐停車状況等から、死角の有無を判定することにより、人の飛び出す可能性の有る状況にて警告または速度抑制ができるようになり、事故を回避しやすくなる。また、警告回数を絞ることが可能となる。また、予め、危険発生地域であると登録されていない場合でも、例えば飛び出し等危険が発生する可能性のある状況であれば、警告することが可能となる。
【0095】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0096】
例えば、上述のS1104の処理において、車両2の前方にバスや路面電車等があり、車両2の現在位置から所定範囲内にバス停や路面電車駅等がある場合には、ポイントを加算してもよい。車両2の前方にバスや路面電車等があるか否か判定する技術は任意であるが、例えば、カメラ3により取得された画像データを画面処理することにより判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の、一実施形態のシステム構成例を示す図である。
【図2】同実施形態において、警告装置の構成例を示す図である。
【図3】同実施形態において、地図情報の一例を示す図である。
【図4】同実施形態において、施設ポイントテーブルの一例を示す図である。
【図5】同実施形態において、ヒヤリハットポイントテーブルの一例を示す図である。
【図6】同実施形態において、飛出ポイントテーブルの一例を示す図である。
【図7】同実施形態において、サーバの構成例を示す図である。
【図8】同実施形態において、動作例を説明する図である。
【図9】同実施形態において、動作例を説明する図である。
【図10】同実施形態において、動作例を説明する図である。
【図11】同実施形態において、動作例を説明する図である。
【図12】同実施形態において、画面例である。
【符号の説明】
【0098】
1: 警告装置、2:車両、3:カメラ、4:レーダ、5:サーバ、6:通信ネットワーク、7:GPS衛星、11:演算部、12:メモリ、13:記憶装置、14:入力装置、15:出力装置、16:通信装置、17:GPS受信装置、18:バス、111:現在位置算出部、112:死角判定部、113:危険可能性判定部、114:施設ポイント加算部、115:ヒヤリハットポイント加算部、116:飛出ポイント加算部、117:判定部、131:地図情報、301:道路情報テーブル、132:施設ポイントテーブル、133:ヒヤリハットポイントテーブル、134:飛出ポイントテーブル、51:演算部、52:メモリ、53:記憶装置、54:入力装置、55:出力装置、56:通信インタフェース、57:バス、511:渋滞情報送信部、512:時間帯情報送信部、531:渋滞情報テーブル、532:時間帯情報テーブル、533:ユーザ情報テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線ごとの渋滞情報を送信する渋滞情報送信装置と通信ネットワークを介して接続され、自車両がどの車線に存在するかを判定する車両搭載装置であって、
前記渋滞情報送信装置からの、車線ごとの渋滞情報を受信する受信手段と、
前記受信した渋滞情報から、自車両の存在する車線が渋滞しているか否か判定する自車両渋滞判定手段と、
前記受信した渋滞情報から、自車両と隣接する車線が渋滞しているか否か判定する隣接車線渋滞判定手段と、
前記判定により、自車両の車線が渋滞していると判定し、かつ、自車両の隣接する車線が渋滞していると判定された場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有すること
を特徴とする車両搭載装置。
【請求項2】
車両に搭載される車両搭載装置であって、
前記車両の前方の、該車両の隣接車線の各対象物の位置及び該各対象物の大きさを測定するレーダと、
前記レーダにより測定された対象物の位置及び大きさの各々から、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置しているか否か判定する判定手段と、
前記判定により、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置していないと判定された場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有すること
を特徴とする車両搭載装置。
【請求項3】
車線毎の車両の速度情報を送信する渋滞情報送信装置と通信ネットワークを介して接続され、自車両がどの車線に存在するかを判定する車両搭載装置であって、
前記渋滞情報送信装置からの、車線毎の車両の速度情報を受信する受信手段と、
前記受信した車線毎の速度情報から、自車両の存在する車線の車両速度が所定値以下であるか否か判定する自車両渋滞判定手段と、
前記受信した車線毎の速度情報から、自車両と隣接する車線の車両速度が所定値以下であるか否か判定する隣接車線渋滞判定手段と、
前記判定により、自車両の車線の車両速度が所定値以下であり、かつ、自車両の隣接する車線の車両速度が所定値以下である場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有すること
を特徴とする車両搭載装置。
【請求項4】
車両に搭載される車両搭載装置であって、
前記車両の前方の、該車両の隣接車線の各対象物の前端及び後端の位置、及び、該各対象物の速度を測定するレーダと、
前記車両の前方の対象物の各々に対し、前記測定された対象物の前端を、前記測定された該対象物の速度に応じて延伸し、該延伸した対象物の前端から所定距離内に、他の対象物の後端があるか否か判定する判定手段と、
前記判定により、延伸した対象物の前端から所定距離内に他の対象物の後端がないと判定された場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有すること
を特徴とする車両搭載装置。
【請求項5】
車線ごとの渋滞情報を送信する渋滞情報送信装置と通信ネットワークを介して接続され、自車両がどの車線に存在するかを判定する車両搭載装置による警告方法であって、
前記渋滞情報送信装置からの、車線ごとの渋滞情報を受信する受信ステップと、
前記受信した渋滞情報から、自車両の存在する車線が渋滞しているか否か判定する自車両渋滞判定ステップと、
前記受信した渋滞情報から、自車両と隣接する車線が渋滞しているか否か判定する隣接車線渋滞判定ステップと、
前記判定により、自車両の車線が渋滞していると判定し、かつ、自車両の隣接する車線が渋滞していると判定された場合、警告する情報を出力する出力ステップと、を有すること
を特徴とする警告方法。
【請求項6】
車両に搭載される車両搭載装置による警告方法であって、
前記車両の前方の、該車両の隣接車線の各対象物の位置及び該各対象物の大きさを測定するレーダ、を有する車両搭載装置が、
前記レーダにより測定された対象物の位置及び大きさの各々から、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置しているか否か判定する判定ステップと、
前記判定により、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置していないと判定された場合、警告する情報を出力手段に出力する警告出力ステップと、を有すること
を特徴とする警告方法。
【請求項7】
車線ごとの渋滞情報を送信する渋滞情報送信装置と通信ネットワークを介して接続され、自車両がどの車線に存在するかを判定する車両搭載装置に実行させるプログラムであって、
前記渋滞情報送信装置からの、車線ごとの渋滞情報を受信する受信ステップと、
前記受信した渋滞情報から、自車両の存在する車線が渋滞しているか否か判定する自車両渋滞判定ステップと、
前記受信した渋滞情報から、自車両と隣接する車線が渋滞しているか否か判定する隣接車線渋滞判定ステップと、
前記判定により、自車両の車線が渋滞していると判定し、かつ、自車両の隣接する車線が渋滞していると判定された場合、警告する情報を出力する出力ステップと、を実行させること
を特徴とするプログラム。
【請求項8】
車両に搭載される車両搭載装置に実行させるプログラムであって、
前記車両の前方の、該車両の隣接車線の各対象物の位置及び該各対象物の大きさを測定するレーダ、を有する車両搭載装置に、
前記レーダにより測定された対象物の位置及び大きさの各々から、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置しているか否か判定する判定ステップと、
前記判定により、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置していないと判定された場合、警告する情報を出力手段に出力する警告出力ステップと、を実行させること
を特徴とするプログラム。
【請求項1】
車線ごとの渋滞情報を送信する渋滞情報送信装置と通信ネットワークを介して接続され、自車両がどの車線に存在するかを判定する車両搭載装置であって、
前記渋滞情報送信装置からの、車線ごとの渋滞情報を受信する受信手段と、
前記受信した渋滞情報から、自車両の存在する車線が渋滞しているか否か判定する自車両渋滞判定手段と、
前記受信した渋滞情報から、自車両と隣接する車線が渋滞しているか否か判定する隣接車線渋滞判定手段と、
前記判定により、自車両の車線が渋滞していると判定し、かつ、自車両の隣接する車線が渋滞していると判定された場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有すること
を特徴とする車両搭載装置。
【請求項2】
車両に搭載される車両搭載装置であって、
前記車両の前方の、該車両の隣接車線の各対象物の位置及び該各対象物の大きさを測定するレーダと、
前記レーダにより測定された対象物の位置及び大きさの各々から、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置しているか否か判定する判定手段と、
前記判定により、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置していないと判定された場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有すること
を特徴とする車両搭載装置。
【請求項3】
車線毎の車両の速度情報を送信する渋滞情報送信装置と通信ネットワークを介して接続され、自車両がどの車線に存在するかを判定する車両搭載装置であって、
前記渋滞情報送信装置からの、車線毎の車両の速度情報を受信する受信手段と、
前記受信した車線毎の速度情報から、自車両の存在する車線の車両速度が所定値以下であるか否か判定する自車両渋滞判定手段と、
前記受信した車線毎の速度情報から、自車両と隣接する車線の車両速度が所定値以下であるか否か判定する隣接車線渋滞判定手段と、
前記判定により、自車両の車線の車両速度が所定値以下であり、かつ、自車両の隣接する車線の車両速度が所定値以下である場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有すること
を特徴とする車両搭載装置。
【請求項4】
車両に搭載される車両搭載装置であって、
前記車両の前方の、該車両の隣接車線の各対象物の前端及び後端の位置、及び、該各対象物の速度を測定するレーダと、
前記車両の前方の対象物の各々に対し、前記測定された対象物の前端を、前記測定された該対象物の速度に応じて延伸し、該延伸した対象物の前端から所定距離内に、他の対象物の後端があるか否か判定する判定手段と、
前記判定により、延伸した対象物の前端から所定距離内に他の対象物の後端がないと判定された場合、警告する情報を出力する出力手段と、を有すること
を特徴とする車両搭載装置。
【請求項5】
車線ごとの渋滞情報を送信する渋滞情報送信装置と通信ネットワークを介して接続され、自車両がどの車線に存在するかを判定する車両搭載装置による警告方法であって、
前記渋滞情報送信装置からの、車線ごとの渋滞情報を受信する受信ステップと、
前記受信した渋滞情報から、自車両の存在する車線が渋滞しているか否か判定する自車両渋滞判定ステップと、
前記受信した渋滞情報から、自車両と隣接する車線が渋滞しているか否か判定する隣接車線渋滞判定ステップと、
前記判定により、自車両の車線が渋滞していると判定し、かつ、自車両の隣接する車線が渋滞していると判定された場合、警告する情報を出力する出力ステップと、を有すること
を特徴とする警告方法。
【請求項6】
車両に搭載される車両搭載装置による警告方法であって、
前記車両の前方の、該車両の隣接車線の各対象物の位置及び該各対象物の大きさを測定するレーダ、を有する車両搭載装置が、
前記レーダにより測定された対象物の位置及び大きさの各々から、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置しているか否か判定する判定ステップと、
前記判定により、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置していないと判定された場合、警告する情報を出力手段に出力する警告出力ステップと、を有すること
を特徴とする警告方法。
【請求項7】
車線ごとの渋滞情報を送信する渋滞情報送信装置と通信ネットワークを介して接続され、自車両がどの車線に存在するかを判定する車両搭載装置に実行させるプログラムであって、
前記渋滞情報送信装置からの、車線ごとの渋滞情報を受信する受信ステップと、
前記受信した渋滞情報から、自車両の存在する車線が渋滞しているか否か判定する自車両渋滞判定ステップと、
前記受信した渋滞情報から、自車両と隣接する車線が渋滞しているか否か判定する隣接車線渋滞判定ステップと、
前記判定により、自車両の車線が渋滞していると判定し、かつ、自車両の隣接する車線が渋滞していると判定された場合、警告する情報を出力する出力ステップと、を実行させること
を特徴とするプログラム。
【請求項8】
車両に搭載される車両搭載装置に実行させるプログラムであって、
前記車両の前方の、該車両の隣接車線の各対象物の位置及び該各対象物の大きさを測定するレーダ、を有する車両搭載装置に、
前記レーダにより測定された対象物の位置及び大きさの各々から、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置しているか否か判定する判定ステップと、
前記判定により、対象物の前端から所定距離内に他の対象物が位置していないと判定された場合、警告する情報を出力手段に出力する警告出力ステップと、を実行させること
を特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−298341(P2007−298341A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−125373(P2006−125373)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
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