説明

車両用の電源装置

【課題】冷却効率の向上を図ることにより、信頼性の向上した電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置は、設置面を有する受熱ブロック26と、受熱ブロックに接続され、それぞれ第1方向に延びているとともに、第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて並んだ複数の放熱フィン34と、設置面上に配置された半導体素子22a〜22dと、第1方向に沿って受熱ブロックに設けられ、第1方向に沿って高温部位から低温部位へ熱を伝える複数のヒートパイプ30と、を備え、各ヒートパイプは、放熱フィン34の各々の中心軸Cからずれた位置に配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体素子およびこれを冷却する冷却装置を備えた電力変換装置、補助電源等の電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉄道車両には、電源装置として、直流から交流あるいは交流から直流への変換を行う電力変換装置が設置されている。電力変換装置は、IGBT素子、クランプダイオード素子等の複数の半導体素子と、これらの半導体そしを冷却するための冷却装置とを備えている。
【0003】
冷却装置は、設置面を有する受熱ブロックと、受熱ブロックの前記設置面と反対側に設けられた放熱フィンと、を有し、これらは、アルミニウム等の伝熱性の高い材料で形成されている。複数の半導体素子は受熱ブロックの設置面に並べて配置されている。半導体素子から発生する熱は、受熱ブロックを通して放熱フィンに伝わり、放熱フィンから外部に放熱される。
【0004】
また、複数の半導体素子の発熱温度にばらつきがある場合、冷却装置の受熱ブロック、放熱フィンにも場所によって温度のばらつきが生じる。このような温度のばらつき、特に、半導体素子の配列方向に沿った温度のばらつきを防止するため、受熱ブロック内に複数のヒートパイプを設けた冷却装置が提案されている。ヒートパイプは、受熱ブロック内の高温位置から低温位置へ熱を移動することにより受熱ブロック内の温度を均一化し、局所的に温度が高くなるヒートスポットの発生を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−104785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、冷却装置のヒートパイプは、冷却装置内における温度分布の均一化を図ることができる。しかしながら、一般に、ヒートパイプは、内部が真空のパイプに冷媒を封入した構成であり、ヒートパイプ自体は断熱材となる。そのため、ヒートパイプは、受熱ブロックから放熱フィンに向かう熱の移動を妨げる可能性があり、冷却装置による半導体素子の冷却効率が低下することが考えられる。特に、鉄道車両が停止中、あるいは、低速走行中にある場合、放熱フィンに当たる走行風量が小さく、冷却装置の冷却効率が一層低くなる。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、冷却効率の向上を図ることにより、信頼性の向上した電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る鉄道車両の電源装置は、設置面を有する受熱ブロックと、前記受熱ブロックに接続され、それぞれ第1方向に延びているとともに、前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて並んだ複数の放熱フィンと、前記設置面上に配置された半導体素子と、前記第1方向に沿って前記受熱ブロックに設けられ、前記第1方向に沿って高温部位から低温部位へ熱を伝える複数のヒートパイプと、を備え、各ヒートパイプは、前記放熱フィンの各々の中心軸からずれた位置に配設されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、電力変換装置を備える鉄道車両を概略的に示す側面図。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る電力変換装置を示す斜視図。
【図3】図3は、図2の線B−Bに沿った前記電力変換装置の断面図。
【図4】図4は、前記電力変換装置の受熱ブロックの温度分布を示す図。
【図5】図5は、第2の実施形態に係る電力変換装置を示す断面図。
【図6】図6は、第3の実施形態に係る電力変換装置を示す断面図。
【図7】図7は、第4の実施形態に係る電力変換装置を示す断面図。
【図8】図8は、第5の実施形態に係る電力変換装置を示す断面図。
【図9】図9は、第6の実施形態に係る電力変換装置を示す断面図。
【図10】図10は、第7の実施形態に係る電力変換装置を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照しながら、種々の実施形態について詳細に説明する。
始めに、実施形態に係る電源装置として、電力変換装置10を備えた鉄道車両12について説明する。図1は鉄道車両を概略的に示している。この鉄道車両12は、それぞれ車輪14が設けられた一対の台車フレーム16と、台車フレーム上に空気ばね15を介して支持された車体17と、を備えている。各台車フレーム16上で車輪14の近傍には主電動機18が載置されている。主電動機18は、図示しないギアボックスおよびカップリングを介して回転力を車輪14に伝達できるように接続されている。車輪14はレール13上に載置されている。
【0011】
車体17の天井側にはパンタグラフ19が設けられ、このパンダグラフは架線20と接触している。車体17の床下には、電力変換装置10および他の床下機器23が艤装されている。架線20からパンタグラフ19に供給された電力は、図示しない他の機器を通過し、電力変換装置10に供給される。電力は電力変換装置10により直流から交流に変換され、図示しない配線を通して、各主電動機18に供給される。主電動機18は供給された電力により駆動し、ギアボックスとカップリングを介して車輪14を回転させ、これにより、車体17は走行方向Aに沿ってレール13上を走行する。
【0012】
次に、第1の実施形態に係る電力変換装置10について説明する。
図2は、電力変換装置10を示す斜視図、図3は、図2の線B−Bに沿った電力変換装置の断面図である。
【0013】
図1および図2に示すように、電力変換装置10は、直流電力を交流電力に変換して電動機、空調装置等に供給するインバータ回路と、インバータ回路を構成する複数の電力半導体素子22a、22b、22c、22dを冷却する冷却装置24と、コンデンサ等の図示しない種々の電子部品、電力半導体素子にスイッチング信号を送受信する制御部、その他、検出器、電源部等とを備えている。複数の電力半導体素子22a、22b、22c、22dは、例えば、IGBT(insulated gate bipolar transistor)素子、クランプダイオード素子等により構成されている。この電力変換装置10は、車体17の床下に艤装された箱状の筐体内に配置されている。
【0014】
図2および図3に示すように、冷却装置24は、半導体素子22a、22b、22c、22dからの熱を受ける受熱ブロック26と、受熱ブロックの熱を放熱する放熱部28と、複数のヒートパイプ30と、を有している。受熱ブロック26は、アルミニウム等の伝熱性の高い材料で矩形板状に形成され、平坦な矩形状の設置面32aおよびこの設置面32aと反対側に位置する対向面32bを有している。
【0015】
受熱ブロック26の設置面32a上に、例えば、4つの電力半導体素子22a、22b、22c、22dが熱伝導グリース等を介して載置されている。各電力半導体素子は、ボルト等によって設置面32aに密着した状態で固定されている。4つの電力半導体素子22a、22b、22c、22dは、受熱ブロック26の長手方向Xに沿って並んで配置されている。
【0016】
放熱部28は、受熱ブロック26の対向面32bに接続された複数の放熱フィン34を有している。本実施形態において、放熱フィン34は、アルミニウム等の伝熱性の高い材料により、受熱ブロック26と一体に成形されている。放熱フィン34は、受熱ブロック26の長手方向Xに沿って、かつ、受熱ブロック26のほぼ全長に亘って延びている。また、複数の放熱フィン34は、受熱ブロック26の長手方向と直交する幅方向Yに沿って、間隔をおいて、所定のピッチPで配設されている。
【0017】
図3に示すように、放熱フィン34は、例えば、設置面32aおよび対向面32bに対して垂直に立設され、その高さhは、約120mmに形成されている。複数の放熱フィン34は同一の高さhに形成されている。各放熱フィン34は、対向面32b側から先端に向かって先細となる形状、あるいは、一定の幅を有する板状に形成される。複数の放熱フィン34の高さ方向の中心軸Cは、互いに平行に延びているとともに、それぞれ設置面32aに対して垂直に延びている。なお、複数の放熱フィン34の高さhは、全て同一に限らず、設置場所に応じて異なる高さとしてもよい。
【0018】
図2および図3に示すように、受熱ブロック26内に複数、例えば、6本のヒートパイプ30が埋め込まれている。各ヒートパイプ30は、例えば、ドリル等により受熱ブロック26に孔を形成し、この孔内に装着されている。各ヒートパイプ30は、軸方向両端が閉塞されているとともに内部が真空に排気された直管状のパイプと、このパイプ内に収容された冷媒、例えば、純水とを有している。ヒートパイプ30は、冷媒の沸騰(気化)、凝縮(液化)の変化により熱輸送を行う。
【0019】
6本のヒートパイプ30は、それぞれ受熱ブロック26の長手方向Xに沿って、かつ、受熱ブロックのほぼ全長に亘って延びている。ヒートパイプ30は、受熱ブロック26の幅方向Yに沿って所定の間隔を置いて配列されている。更に、各ヒートパイプ30は、放熱フィン34の高さ方向の中心軸Cからずれた位置に配置されている。すなわち、各ヒートパイプ30は、放熱フィン34の中心軸Cと重ならない位置に設けられている。
【0020】
本実施形態において、6本のヒートパイプ30の内、内側の4本のヒートパイプ30は、それぞれ隣合う2つの放熱フィン34間の谷と対向する位置、言い換えると、複数の放熱フィン34のピッチ間の中心と対向する位置、に配設されている。両端の2本のヒートパイプ30は、それぞれ受熱ブロック26の幅方向Yの両端に位置する放熱フィン34に対して外側にずれた位置に設けられている。
【0021】
このように構成された電力変換装置10は、受熱ブロック26の長手方向Xおよび放熱フィン34の延出方向が、鉄道車両12の走行方向Aと一致する向きで、筐体内に配設されている。そして、鉄道車両12が走行することにより生じる走行風が、電力変換装置10の放熱フィン34の周囲を通って流れ、冷却装置24の熱が放熱フィン34から放熱される。
【0022】
電力半導体素子22a、22b、22b、22cの発熱量が異なる場合、例えば、電力半導体素子22a、22cに比較して、電力半導体素子22b、22cの方が発熱量が多い場合、図4に実線で示すように、電力半導体素子から熱を受けた受熱ブロック26の温度分布は、長手方向Xの中央部分、すなわち、電力半導体素子22b、22c直下の領域の温度が高く、長手方向の両端側、つまり、電力半導体素子22a、22d直下の領域の温度が低くなる。このような温度のばらつきが生じた場合、ヒートパイプ30は、高温部位から低温部位へ熱を運び、受熱ブロック26の温度分布を均一にする働きをする。これにより、図4に破線で示すように、受熱ブロック26の長手方向Xの温度分布はほぼ均一となる。
【0023】
一方、各電力半導体素子22a、22b、22b、22cから受熱ブロック26に伝わった熱は、受熱ブロックから放熱フィン34に伝わり、これらの放熱フィンから外部に放熱される。この際、ヒートパイプ30の各々は、放熱フィン34の中心軸Cから外れた位置に設けられているため、受熱ブロック26から放熱フィンに伝わる熱の経路にヒートパイプ30が存在しない。従って、受熱ブロック26からの熱は、ヒートパイプ30に遮られることなく円滑に放熱フィン34に伝わり、放熱フィン34から外部に放熱される。
【0024】
以上のことから、冷却装置24によって電力半導体素子22a〜22dを効率良く冷却し、電力半導体素子22の温度上昇を抑制することができ、その結果、電力変換装置10の信頼性向上を図ることができる。更に、鉄道車両12の停止中、あるいは低速走行中、放熱フィン34に当たる走行風が低減するが、この場合においても、上記のように受熱ブロック26から放熱フィン34へ効率よく熱を伝えることができるため、放熱効率の低減を抑制することが可能となる。これにより、冷却効率の向上を図り、信頼性の向上した電源装置が得られる。
【0025】
次に、他の実施形態に係る電力変換装置について説明する。
図5は、第2の実施形態に係る電力変換装置を示している。本実施形態によれば、放熱フィン34を有する放熱部28は、受熱ブロック26と別体に形成された後、溶接、半田付け等によって受熱ブロック26の対向面32bに接続、固定されている。放熱部28は、対向面32bとほぼ同一の大きさを有する板状のベース36と、ベースの一方の表面から垂直に突出した複数の放熱フィン34と、を一体に有している。そして、ベース36は、受熱ブロック26に固定されている。ヒートパイプ30は、それぞれ受熱ブロック26に形成された孔内に装着されている。
【0026】
第2の実施形態において、電力変換装置の他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、受熱ブロックと放熱部とを別々に製造することが可能となり、製造効率の向上を図ることができる。また、放熱フィン34が損傷した場合、放熱部28のみを交換することが可能となる。
【0027】
図6は、第3の実施形態に係る電力変換装置を示している。本実施形態によれば、放熱フィン34を有する放熱部28は、受熱ブロック26と別体に形成された後、溶接、半田付け等によって受熱ブロック26の対向面32bに接続、固定されている。放熱部28は、対向面32bとほぼ同一の大きさを有する板状のベース36と、ベースの一方の表面から垂直に突出した複数の放熱フィン34と、を一体に有している。そして、ベース36の当接面36aは、受熱ブロック26の対向面32bに固定されている。
【0028】
ヒートパイプ30は、受熱ブロック26の対向面32bとベース36の当接面36aとの間に挟持された状態で配設されている。ここでは、対向面32bおよび当接面36aにそれぞれ断面半円形状の溝32c、36cが形成され、各ヒートパイプ30は、溝32c、36c内に収容された状態で、対向面32bと当接面36aとの間に配置されている。これにより、ヒートパイプ30は、受熱ブロック26および放熱部28に密着して設けられている。
【0029】
第3の実施形態において、電力変換装置の他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、ヒートパイプ30の設置が容易となり、冷却装置の製造性を向上することが可能となる。
【0030】
図7は、第4の実施形態に係る電力変換装置を示している。前述した実施形態では、複数のヒートパイプは、受熱ブロック内に埋め込まれている構成としたが、本実施形態によれば、複数のヒートパイプ30は、それぞれ隣合う放熱フィン34の間に配置され、すなわち、放熱フィン34間の谷の部分に配置され、受熱ブロック26の外面および放熱フィン34に気密に接している。隣合う放熱フィン34の間には、1本のヒートパイプ30がそれぞれ配置されている。
【0031】
複数のヒートパイプ30および放熱フィン34は、それぞれ受熱ブロック26の長手方向Xに沿って延びている。そして、各ヒートパイプ30は、放熱フィン34の中心軸Cからずれた位置に配置されている。
【0032】
第4の実施形態において、電力変換装置の他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、ヒートパイプ30の設置が容易となり、冷却装置の製造性を向上することが可能となる。
【0033】
図8は、第5の実施形態に係る電力変換装置を示している。本実施形態によれば、隣合う放熱フィン34の間には、複数、例えば、2本のヒートパイプ30がそれぞれ並んで配置されている。それぞれ2本のヒートパイプ30は、放熱フィン34間の谷の部分に配置され、受熱ブロック26の外面および放熱フィン34に気密に接している。第5の実施形態において、電力変換装置の他の構成は、前述した第4の実施形態と同一である。
【0034】
図9は、第6の実施形態に係る電力変換装置を示している。本実施形態によれば、隣合う放熱フィン34の間に、ヒートパイプ30がそれぞれ配置され、受熱ブロック26の外面および放熱フィン34に気密に接している。また、受熱ブロック26の幅方向Yの両端部には、それぞれ別のヒートパイプ30aが埋め込まれている。これらのヒートパイプ30aは、受熱ブロック26の長手方向Xに沿って延びているとともに、放熱フィン34の中心軸Cからずれた位置に配設されている。また、ヒートパイプ30aは、電力半導体素子22bの直下から外れた位置に設けられている。第6の実施形態において、電力変換装置の他の構成は、前述した第4の実施形態と同一である。
【0035】
図10は、第7の実施形態に係る電力変換装置を示している。本実施形態によれば、隣合う放熱フィン34の間に、ヒートパイプ30がそれぞれ配置され、受熱ブロック26の外面および放熱フィン34に気密に接している。また、受熱ブロック26の幅方向Yの両端部には、それぞれ別のヒートパイプ30aが設けられている。ここでは、受熱ブロック26の設置面32aに細長い溝40が形成され、各溝40内にヒートパイプ30aが配設されている。これらのヒートパイプ30aは、受熱ブロック26の長手方向Xに沿って延びているとともに、放熱フィン34の中心軸Cからずれた位置に配設されている。また、ヒートパイプ30aは、電力半導体素子22bの直下から外れた位置に設けられている。第6の実施形態において、電力変換装置の他の構成は、前述した第4の実施形態と同一である。
【0036】
上述した第5、第6、第7の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、ヒートパイプ30の設置が容易となり、冷却装置の製造性を向上することが可能となる。また、ヒートパイプの数を増やすことにより、放熱部の温度分布をより均一化することができ、冷却効率の向上およびヒートスポットの発生防止を図ることができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要
旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示され
ている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実
施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実
施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0038】
例えば、上述した各実施形態において、半導体素子としてIGBTを用いた構成としたが、他の種類のトランジスタやサイリスタなどを用いた構成としてもよい。この発明に係る電源装置は、電力変換装置に限らず、補助電源装置等の他の電源装置、機器にも適用可能である。前述した実施形態において、放熱フィン、ヒートパイプの数は、必要に応じて増減可能である。また、受熱ブロック、放熱部、ヒートパイプ等の形成材料、形状等は、上記実施形態に限定されることなく、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
10…電力変換装置、12…鉄道車両、17…車体、
22a、22b、22c、22d…電力半導体素子、24…冷却装置、
26…受熱ブロック、28…放熱部、30、30a…ヒートパイプ、32a…設置面、
32b…対向面、34…放熱フィン、36…ベース、32c、36c、40…溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面を有する受熱ブロックと、
前記受熱ブロックに接続され、それぞれ第1方向に延びているとともに、前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて並んだ複数の放熱フィンと、
前記設置面上に配置された半導体素子と、
前記第1方向に沿って前記受熱ブロックに設けられ、前記第1方向に沿って高温部位から低温部位へ熱を伝える複数のヒートパイプと、を備え、
各ヒートパイプは、前記放熱フィンの各々の中心軸からずれた位置に配設されている電源装置。
【請求項2】
前記複数のヒートパイプは、前記受熱ブロック内に配置されている請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
ベースと、このベースから突出する前記複数の放熱フィンとを有する放熱部を備え、前記放熱部のベースは、前記受熱ブロックに気密に固定されている請求項2に電源装置。
【請求項4】
前記受熱ブロックは、前記設置面と対向する対向面を有し、前記ベースは前記対向面に固定された当接面を有し、前記ヒートパイプは、前記対向面と当接面との間に挟まれている請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
前記ヒートパイプは、それぞれ隣合う放熱フィンの間で、前記受熱ブロックに接して配置されている請求項1に記載の電源装置。
【請求項6】
前記各ヒートパイプは、前記ヒートパイプの中心軸が前記複数の放熱フィンのピッチ間の中心に位置して配置されている請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
前記半導体素子の直下から外れた位置で前記受熱ブロック内に配設され、前記第1方向に沿って延びる他のヒートパイプを備えている請求項5に記載の電源装置。
【請求項8】
前記半導体素子から外れた位置で前記設置面に形成され前記第1方向に沿って延びる溝と、前記受熱ブロックに接して前記溝内に配設され前記第1方向に沿って延びる他のヒートパイプを備えている請求項5に記載の電源装置。
【請求項9】
前記第1方向に並んで前記設置面に設けられた複数の半導体素子を備えている請求項1ないし8のいずれか1項に記載の鉄道車両の電源装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−70525(P2012−70525A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212622(P2010−212622)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】