説明

車両用過給機の制御装置

【課題】車両の少なくとも駆動車輪のタイヤの空転を防止可能な車両用過給機の制御装置を提供する。
【解決手段】ターボチャージャ2のコンプレッサ2Bをアシストモータ2Dにより回転駆動してサーボアシストする際、車両の駆動車輪(後輪)のタイヤの空転要因に関連した情報(タイヤリブ厚、タイヤ空気圧、タイヤ静止摩擦係数、タイヤ動摩擦係数、タイヤ温度、路面温度、タイヤ荷重、車両走行モード)に基づいてECU10(アシストモータ制御手段)がアシストモータ2Dの駆動電力を補正する。そして、タイヤが空転し易い状況ではECU10(アシストモータ制御手段)がアシストモータ2Dのアシスト電力Wastをフルアシスト電力より小さい所定値に減少補正するため、タイヤの空転が未然に防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボチャージャやスーパーチャージャ等の車両用過給機の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用のエンジンに吸入空気を過給する過給機として、エンジン吸入系側のコンプレッサを可変に駆動可能なアシストモータを有するターボチャージャが従来一般に知られている(例えば特許文献1参照)。また、エンジン排気系側のタービンの回転を増減可能な可変ノズルを有するターボチャージャも従来一般に知られている(例えば特許文献2参照)。さらに、エンジンからの駆動力を可変に伝達可能なクラッチを介して駆動されるスーパーチャージャも従来一般に知られている(例えば特許文献3参照)。
【0003】
一方、ターボチャージャのアシストモータ(電動機)の制御を内燃機関の出力低下制御と協調させる車両制御装置が従来知られている(例えば特許文献4参照)。この車両制御装置は、内燃機関の出力低下制御の開始時に電動機を用いた過給制御が行われている場合には、その電動機による過給制御を続行するように構成されている。
【特許文献1】特開2004−162648号公報
【特許文献2】特開2005−180404号公報
【特許文献3】特開平6−257461号公報
【特許文献4】特開2003−343299号公報(要約書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述したターボチャージャのアシストモータは、通常、過給圧の立ち上がり特性を向上させるようにプレアシスト状態に維持される。このため、アシストモータがプレアシスト状態からアシスト状態に移行制御されると、コンプレッサの回転が急上昇してエンジンへの過給圧が所定圧まで急激に上昇する。その結果、エンジントルクが急激に増大し、これに伴い車両の駆動車輪のタイヤトルクも急激に増大する。
【0005】
従って、例えば車両の発進時には、駆動車輪のタイヤが空転して路面との摩擦により摩耗することがあり、タイヤ寿命が短くなる傾向にある。また、車両の加速時には、車体後部が沈み込んで車体前部の操舵車輪の荷重が減少し、車両の操縦安定性が若干低下する傾向にある。
【0006】
この点に関し、特許文献4に記載された車両制御装置では、駆動車輪のタイヤの空転を防止し、あるいは操舵車輪の荷重の減少を抑制することができない。
【0007】
そこで、本発明は、車両の少なくとも駆動車輪のタイヤの空転を防止可能な車両用過給機の制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る車両用過給機の制御装置は、車両のエンジンに吸入空気を過給する過給機の制御装置であって、車両に装備されるタイヤの空転要因に関連した情報に基づいて過給機の作動力を補正する過給機制御手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る車両用過給機の制御装置では、過給機によりエンジンに吸入空気を過給する際、車両に装備されるタイヤの空転要因に関連した情報に基づいて過給機制御手段が過給機の作動力を補正する。そして、タイヤが空転し易い状況で過給機制御手段が過給機の作動力を減少補正することにより、エンジンへの過給圧が低下してエンジントルクと共にタイヤトルクが減少し、タイヤの空転を未然に防止することが可能となる。
【0010】
本発明の車両用過給機の制御装置において、過給機は、エンジン吸入系側のコンプレッサを可変に駆動可能なアシストモータを有するターボチャージャとすることができる。この場合、過給機制御手段は、車両に装備されるタイヤの空転要因に関連した情報に基づいてアシストモータの駆動電力を補正するように構成される。
【0011】
このようなアシストモータを有するターボチャージャを対象とした本発明の車両用過給機の制御装置では、アシストモータによりコンプレッサを回転駆動する際、車両に装備されるタイヤの空転要因に関連した情報に基づいて過給機制御手段がアシストモータの駆動電力を補正する。そして、タイヤが空転し易い状況で過給機制御手段がアシストモータの駆動電力を減少補正することにより、ターボチャージャの過給圧が低下してエンジントルクと共にタイヤトルクが減少し、タイヤの空転を未然に防止することが可能となる。
【0012】
また、本発明の車両用過給機の制御装置において、過給機は、エンジン排気系側のタービンの回転を制御可能な可変ノズルを有するターボチャージャとすることができる。この場合、過給機制御手段は、車両に装備されるタイヤの空転要因に関連した情報に基づいて可変ノズルの開度を補正するように構成される。
【0013】
このような可変ノズルを有するターボチャージャを対象とした本発明の車両用過給機の制御装置では、可変ノズルによりタービンの回転を制御する際、車両に装備されるタイヤの空転要因に関連した情報に基づいて過給機制御手段が可変ノズルの開度を補正する。そして、タイヤが空転し易い状況で過給機制御手段が可変ノズルの開度を増大補正することにより、ターボチャージャの過給圧が低下してエンジントルクと共にタイヤトルクが減少し、タイヤの空転を未然に防止することが可能となる。
【0014】
さらに、本発明の車両用過給機の制御装置において、過給機は、エンジンの回転を可変に伝達可能なクラッチを介して駆動されるスーパーチャージャとすることができる。この場合、過給機制御手段は、車両に装備されるタイヤの空転要因に関連した情報に基づいてクラッチが伝達する回転を補正するように構成される。
【0015】
このようなクラッチを介して駆動されるスーパーチャージャを対象とした本発明の車両用過給機の制御装置では、クラッチを介してスーパーチャージャを駆動する際、車両に装備されるタイヤの空転要因に関連した情報に基づき、クラッチが伝達する回転を過給機制御手段が補正する。そして、タイヤが空転し易い状況ではクラッチが伝達する回転を過給機制御手段が減少補正することにより、スーパーチャージャの過給圧が低下してエンジントルクと共にタイヤトルクが減少し、タイヤの空転を未然に防止することが可能となる。
【0016】
ここで、本発明の車両用過給機の制御装置において、過給機制御手段は、車両の発進時に過給機の作動力を補正するように構成することができる。この場合、車両発進時にタイヤが空転し易い状況で過給機制御手段が過給機の作動力を減少補正することにより、車両発進時のタイヤの空転を未然に防止することが可能となる。
【0017】
また、タイヤの空転要因に関連した情報には、タイヤの摩擦係数に関する情報やタイヤに掛かる荷重に関する情報を含めることができる。この場合、タイヤの摩擦係数やタイヤに掛かる荷重が小さくてタイヤが空転し易い状況で過給機制御手段が過給機の作動力を減少補正することにより、タイヤの空転を未然に防止することが可能となる。
【0018】
さらに、タイヤの空転要因に関連した情報のうち、例えばタイヤのリブ(ブロック)厚、静摩擦係数、動摩擦係数などに関する情報は、タイヤに埋め込まれた無線式ICチップから受信するように構成することができる。また、タイヤの空気圧や温度に関する情報は、タイヤホイールに装着された無線式空気圧センサや無線式温度センサから受信するように構成することができる。
【0019】
本発明の車両用過給機の制御装置は、車両に装備されたウィングのウィング角をタイヤに掛かる荷重の大きさの情報に応じて調整するためのウィング角制御手段を備えると共に、過給機制御手段がウィング角の調整により変化したタイヤに掛かる荷重の大きさの情報に応じて過給機の作動力を補正するように構成することができる。
【0020】
このように構成された車両用過給機の制御装置では、車両に装備されたウィングのウィング角がウィング角制御手段により調整されてタイヤに掛かる荷重の大きさが変化した際にも、その変化したタイヤ荷重の大きさの情報に応じて過給機制御手段が過給機の作動力を補正する。このため、過給機の作動力を的確に制御してタイヤの空転を防止しつつタイヤのトルクを十分に確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る車両用過給機の制御装置では、過給機によりエンジンに吸入空気を過給する際、車両に装備されるタイヤの空転要因に関連した情報に基づいて過給機制御手段が過給機の作動力を補正する。そして、タイヤが空転し易い状況で過給機制御手段が過給機の作動力を減少補正することにより、エンジンへの過給圧が低下してエンジントルクと共にタイヤトルクが減少し、タイヤの空転を未然に防止することが可能となる。従って、本発明によれば、車両の少なくとも駆動車輪のタイヤの空転による路面との摩擦を防止することが可能となり、そのタイヤの摩耗を抑制してタイヤ寿命を延長することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明に係る車両用過給機の制御装置の最良の実施形態を説明する。ここで、参照する図面において、図1は本発明の一実施形態における車両用過給機としてのターボチャージャおよびその制御装置の概略構成を示す模式図、図2は図1に示したエンジンが搭載される車両の概略構成を示す側面図、図3は図2に示した車両の後輪の半断面図である。
【0023】
一実施形態に係る車両用過給機の制御装置は、例えば図1に示すような燃料噴射式のエンジン1に付設されるターボチャージャ2の制御装置であり、このエンジン1は、例えば図2に示すような車両Cに搭載されている。この車両Cには、高速走行時に下向き矢印に示すダウンフォースを発生させて前輪タイヤTfおよび後輪タイヤTrの接地荷重を増大させるフロントウィングWfとリアウィングWrとが装備されている。
【0024】
図1に示すように、ターボチャージャ2は、エンジン1の排気マニホールド1Aに接続された排気管3の途中に設置されるタービン2Aと、エンジン1の吸入マニホールド1Bに接続された吸入管4の途中に設置されるコンプレッサ2Bと、タービン2Aの回転をコンプレッサ2Bに伝達するシャフト2Cと、このシャフト2Cをロータとしてコンプレッサ2Bを可変に駆動可能なアシストモータ2Dとを備えている。
【0025】
ターボチャージャ2のタービン2Aより下流側の排気管3の途中には、触媒コンバータ5が設置され、ターボチャージャ2のコンプレッサ2Bより上流側の吸入管4の途中には、エアクリーナ6が設置されている。
【0026】
また、ターボチャージャ2のコンプレッサ2Bより下流側の吸入管4の途中には、コンプレッサ2Bにより圧縮されて昇温した吸入空気を冷却するインタークーラ7が設置され、その下流側には、図示しないアクチュエータにより操作される電子制御式のスロットルバルブ8が設置されている。
【0027】
ここで、一実施形態の車両用過給機の制御装置は、過給機制御手段およびウィング制御手段として機能するECU(Electric Control Unit)10を備えている。このECU10は、入出力インターフェースI/O、A/Dコンバータ、プログラムおよびデータを記憶したROM(ReadOnly Memory)、入力データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、プログラムを実行するCPU(CentralProcessing Unit)等を備えて構成されている。
【0028】
ECU10には、エンジン1の出力軸の回転数Neを検出するエンジン回転数センサ11、スロットルバルブ8の開度θを検出するスロットル開度センサ12、スロットルバルブ8の下流側の吸入管4内の過給圧Pbを検出する過給圧センサ13、スロットルバルブ8の下流側の吸入管4内の吸入空気量Qを検出するエアフロセンサ14などからそれぞれ検出信号が入力される。
【0029】
このようなECU10は、過給機制御手段として、所定のデューティ比のアシスト制御信号Saをアシストモータコントローラ(C/AM)15に出力すると共に、ウィング制御手段として、所定のデューティ比のウィング制御信号Swをウィングコントローラ(C/W)16に出力する。
【0030】
アシストモータコントローラ15は、これに接続された車載バッテリ17を電源としてターボチャージャ2のアシストモータ2Dを回転駆動する。そのための回路として、アシストモータコントローラ15はインバータ回路を備えている。なお、アシストモータコントローラ15は、エンジン1の運転に伴いアシストモータ2Dをプレアシスト状態に回転駆動する。
【0031】
そして、このアシストモータコントローラ15は、ECU10から所定のアシスト制御信号Saが入力されると、そのアシスト制御信号Saに応じた所定のアシスト電力Wastを車載バッテリ17からアシストモータ2Dに供給してアシストモータ2Dをアシスト状態に回転駆動する。
【0032】
一方、ウィングコントローラ16は、ECU10から所定のウィング制御信号Swが入力されると、そのウィング制御信号Swに応じた所定の制御電流Iα,Iβを車載バッテリ17からモータアクチュエータ18,19に供給する。
【0033】
モータアクチュエータ18は、ウィングコントローラ16から供給される制御電流Iαに応じて作動することにより、図2に示したフロントウィングWfのウィング角αを図示しない適宜のリンク機構を介して調整する。同様に、モータアクチュエータ19は、ウィングコントローラ16から供給される制御電流Iβに応じて作動することにより、リアウィングWrのウィング角βを図示しない適宜のリンク機構を介して調整する。
【0034】
ここで、図1に示したECU10には、車両C(図2参照)の運転状態の情報として、車両Cの速度Vを検出する車速センサ20の検出信号が入力されると共に、車両Cの駆動車輪の空転要因に関連した情報として、後輪タイヤTrのタイヤリブ(ブロック)厚、タイヤ空気圧、タイヤ静止摩擦係数、タイヤ動摩擦係数、タイヤ温度、路面温度、タイヤ荷重、車両走行モードに関する情報が入力される。
【0035】
後輪タイヤTrのタイヤリブ(ブロック)厚の情報は、図3に示すホイールWに装着された後輪タイヤTrのトレッド部のリブ(ブロック)R内に埋設された一群の無線式ICチップ21が送信し、その情報は図1に示す無線受信部22を介してECU10に入力される。
【0036】
一群の無線式ICチップ21は、リブ(ブロック)Rの厚さ方向に並べて配列されている。各無線式ICチップ21は、送信アンテナを内蔵したRF(Radio Frequency )タグの一種であり、リブ(ブロック)R内に埋設された状態では、例えばオン信号を送信し、リブ(ブロック)Rの磨耗によりその外周に露出して損傷すると、オン信号の送信を停止する。これに対応してECU10は、一群の無線式ICチップ21から入力される複数のオン信号の数に応じて各タイヤリブ(ブロック)厚を推定する。
【0037】
後輪タイヤTrのタイヤ静止摩擦係数およびタイヤ動摩擦係数の情報は、図3に示す後輪タイヤTrの例えば外側のビード部に埋設された他の無線式ICチップ23に予め記憶されており、この無線式ICチップ23から図1に示す無線受信部22に送信される。
【0038】
後輪タイヤTrのタイヤ空気圧の情報は、図3に示すホイールWのリム部の外周に固定された無線式空気圧センサ24が検出し、この無線式空気圧センサ24から図1に示す無線受信部22に送信される。この無線式空気圧センサ24は、タイヤの空気圧を検出する圧電素子および検出したタイヤ空気圧の信号を送信する送信アンテナを内蔵している。
【0039】
後輪タイヤTrのタイヤ温度の情報は、図3に示すホイールWのリム部の外周に固定された無線式温度センサ25が検出し、この無線式温度センサ25に内蔵された送信アンテナから図1に示す無線受信部22に送信される。この無線式温度センサ25は、対向する後輪タイヤTrのトレッド部の温度を非接触で検出する。
【0040】
後輪タイヤTrが接地する路面の温度情報は、図1に示す赤外式サーモメータ26が検出し、この赤外式サーモメータ26からECU10に入力される。この赤外式サーモメータ26は、対向する路面の温度を赤外線方式により非接触で検出するように構成されており、図2に示した車両Cの下部の適所に設置されている。
【0041】
後輪タイヤTrに掛かるタイヤ荷重(タイヤ接地荷重)に関する情報は、図1に示す荷重センサ27が検出し、この荷重センサ27からECU10に入力される。この荷重センサ27は、図2に示した車両Cの後輪タイヤTrのサスペンション装置(図示省略)の適所に設置されており、サスペンション装置の作動量に応じてタイヤ荷重を検出する。
【0042】
車両走行モードに関する情報は、図1に示す走行モード選択スイッチ28からECU10に入力される。この走行モード選択スイッチ28は、例えばポテンショメータによりエコノミー走行モードからスポーツ走行モードまでの適宜の走行モードを選択可能に構成されており、図2に示した車両Cの運転席に設置されている。
【0043】
ここで、図4は、前述した後輪タイヤTrの空転要因であるタイヤリブ(ブロック)厚、タイヤ空気圧、タイヤ静止摩擦係数、タイヤ動摩擦係数、タイヤ温度、路面温度、タイヤ荷重、車両走行モードのそれぞれに対応した指標値、すなわち、アシストモータ2Dの駆動電力をフルアシスト電力より小さい値に減少補正するための指標値を示している。これらの指標値は0〜1までの値をとり、2次元マップとして予めECU10に記憶されている。
【0044】
図4の(a)の2次元マップは、タイヤリブ(ブロック)厚に対応した指標値Aを示しており、この指標値Aは、タイヤリブ(ブロック)厚の減少に応じて減少する。これは、タイヤリブ(ブロック)厚が薄くなって後輪タイヤTrが空転し易くなった場合に後輪タイヤTrの駆動トルクを減少させてその空転を未然に防止するためである。
【0045】
図4の(b)の2次元マップは、タイヤ空気圧に対応した指標値Bを示しており、この指標値Bは、タイヤ空気圧が過大の場合および過小の場合に急激に減少する。これは、タイヤ空気圧が過大の場合および過小の場合には、後輪タイヤTrの駆動トルクを減少させて安全を図るためである。
【0046】
図4の(c)の2次元マップは、タイヤ静止摩擦係数に対応した指標値Cを示しており、この指標値Cは、タイヤ静止摩擦係数の減少に応じて若干減少する。これは、タイヤ静止摩擦係数が小さい場合には後輪タイヤTrが若干空転し易くなるので、後輪タイヤTrの駆動トルクを若干減少させてその空転を未然に防止するためである。
【0047】
図4の(d)の2次元マップは、タイヤ動摩擦係数に対応した指標値Dを示しており、この指標値Dは、タイヤ動摩擦係数の減少に応じて減少する。これは、タイヤ動摩擦係数が小さい場合には後輪タイヤTrが空転し易くなるので、後輪タイヤTrの駆動トルクを減少させてその空転を未然に防止するためである。
【0048】
図4の(e)の2次元マップは、タイヤ温度に対応した指標値Eを示しており、この指標値Eは、タイヤ温度の低下に応じて若干減少する。これは、タイヤ温度が低い場合にはタイヤの粘性が若干低下して後輪タイヤTrが空転し易くなるので、後輪タイヤTrの駆動トルクを若干減少させてその空転を未然に防止するためである。
【0049】
図4の(f)の2次元マップは、路面温度に対応した指標値Fを示しており、この指標値Fは、路面温度の低下に応じて減少する。これは、路面温度が低い場合にはタイヤの粘性が低下して後輪タイヤTrが空転し易くなるので、後輪タイヤTrの駆動トルクを減少させてその空転を未然に防止するためである。
【0050】
図4の(g)の2次元マップは、タイヤ荷重に対応した指標値Gを示しており、この指標値Gは、タイヤ荷重の減少に応じて減少する。これは、タイヤ荷重が小さい場合には後輪タイヤTrが空転し易くなるので、後輪タイヤTrの駆動トルクを減少させてその空転を未然に防止するためである。
【0051】
図4の(h)の2次元マップは、車両走行モードに対応した指標値Hを示しており、この指標値Hは、スポーツ走行モードでは大きく、エコノミー走行モードに移行する程小さくなる。これは、後輪タイヤTrが空転するとその分燃費が悪化するので、エコノミー走行では後輪タイヤTrの駆動トルクを減少させてその空転を未然に防止するためである。
【0052】
ここで、ECU10は、図5のフローチャートに示す処理手順に沿ってターボチャージャ2のアシストモータ2DをリアウィングWrおよびフロントウィングWfと共に協調制御する。
【0053】
まず、ステップS1では、ECU10が車両Cの運転状態に関連する情報を取得する。すなわち、エンジン回転数センサ11、スロットル開度センサ12、過給圧センサ13、エアフロセンサ14および車速センサ20からそれぞれエンジン回転数Ne、スロットル開度θ、過給圧Pb、吸入空気量Q、車速Vの検出信号をECU10が読み込む。
【0054】
続くステップS2では、ECU10が後輪タイヤTrの空転要因関連情報を取得する。すなわち、一群の無線式ICチップ21が送信するオン信号の数に応じて推定したタイヤリブ(ブロック)厚の情報、無線式ICチップ23が送信するタイヤ静止摩擦係数およびタイヤ動摩擦係数の情報、無線式空気圧センサ24が送信するタイヤ空気圧の情報、無線式温度センサ25が送信するタイヤ温度の情報、赤外式サーモメータ26から出力される路面温度の情報、荷重センサ27から出力されるタイヤ荷重の情報および走行モード選択スイッチ28から出力される車両走行モードの情報をECU10が取得する。
【0055】
次のステップS3では、ECU10がステップS2で取得した後輪タイヤTrの空転要因関連情報に基づき、図4の(a)〜(h)に示した2次元マップから各指標値A〜Hを検索する。
【0056】
続くステップS4では、車両CのフロントウィングWfのウィング角αおよびリアウィングWrのウィング角βをECU10が算出する。ここで、ECU10は、以下の式1のように、各指標値A〜Hを相互に乗じた値に車速Vおよび比例定数K1を乗じてフロントウィングWfのウィング角α算出する。また、ECU10は、以下の式2のように、各指標値A〜Hを相互に乗じた値に車速Vおよび比例定数K2を乗じてリアウィングWrのウィング角βを算出する。
式1……α=K1×V×A×B×C×D×E×F×G×H
式2……β=K2×V×A×B×C×D×E×F×G×H
【0057】
次のステップS5では、ECU10がフロントウィングWfおよびリアウィングWrのウィング角をそれぞれ算出したウィング角α,βに調整する。すなわち、ECU10は、算出したウィング角α,βに対応する所定のウィング制御信号Swをウィングコントローラ16に出力する。これにより、ウィングコントローラ16が所定の制御電流Iα,Iβをモータアクチュエータ18,19に供給し、モータアクチュエータ18,19が図示しないリンク機構を介してフロントウィングWfおよびリアウィングWrのウィング角をα,βに調整する。
【0058】
ここで、フロントウィングWfおよびリアウィングWrのウィング角α,βの調整に伴い車両Cに作用するダウンフォースが変化し、その結果、荷重センサ27からECU10に出力されるタイヤ荷重の情報も変化する。そこで、ステップS6では、変化したタイヤ荷重の情報に基づき、ECU10が図4の(g)に示した2次元マップから新たに指標値Gを検索してその指標値Gを更新する。
【0059】
続くステップS7では、ステップS1で読み込んだエンジン回転数Ne、スロットル開度θ、過給圧Pb、吸入空気量Qの検出信号に基づき、ターボチャージャ2の作動をアシストモータ2Dによりターボアシストする必要があるか否かをECU10が判定する。この判定結果がNOであれば一連の処理を一旦終了するが、判定結果がYESであれば次のステップS8に進む。なお、車両Cの発進時にはYESの判定がなされる。
【0060】
ステップS8では、ターボチャージャ2のアシストモータ2Dに供給するアシスト電力をECU10が算出する。ここで、ECU10は、以下の式3のように、ステップS3で検索されかつステップS6で更新された各指標値A〜Hを相互に乗じた値にフルアシスト電力Wmaxを乗じてアシスト電力Wastを算出する。
式3……Wast=Wmax×A×B×C×D×E×F×G×H
【0061】
次のステップS9では、算出されたアシスト電力Wastに対応する所定のアシスト制御信号SaをECU10がアシストモータコントローラ15に出力する。これにより、アシストモータコントローラ15がターボチャージャ2のアシストモータ2Dにアシスト電力Wastを供給してアシストモータ2Dを回転駆動する。その後、図5のフローチャートに示す一連の処理を繰り返す。
【0062】
以上のように構成されたターボチャージャ2においては、エンジン1の運転に伴いアシストモータ2Dがプレアシスト状態に回転駆動される。そして、エンジン1の排気マニホールド1Aから排気管3に排出された排気のエネルギによりタービン2Aが回転駆動されると、このタービン2Aと共にコンプレッサ2Bが回転駆動されることにより、エンジン1の吸入マニホールド1Bに接続された吸入管4内の吸入空気がエンジン1の運転状態に応じた目標過給圧に加圧されてエンジン1に過給される。
【0063】
ここで、車両Cの発進時を含め、エンジン1の運転状態に応じてターボチャージャ2の作動をアシストモータ2Dによりターボアシストする必要があるとECU10が判定した場合、ECU10が所定のアシスト制御信号Saをアシストモータコントローラ15に出力し、アシストモータコントローラ15がアシストモータ2Dにアシスト電力Wastを供給してアシストモータ2Dをアシスト状態に回転駆動する。
【0064】
このアシスト電力Wastは、前述した式3により算出されるものであり、図6に実線で示すフルアシスト電力Wmaxに対し、破線で示すように減少補正される。ここで、アシスト電力Wastは、駆動車輪である後輪のタイヤTrが空転し易い状況にある場合など、すなわち、図4の(a)〜(h)の2次元マップに示される後輪タイヤTrの各空転要因に対応した指標値A〜Hが小さい場合には、フルアシスト電力Wmaxに対してより小さく減少補正される。
【0065】
このため、アシストモータ2Dは、フルアシスト電力Wmaxが供給される場合に較べて回転速度の急激な上昇が抑制され、これに応じてコンプレッサ2Bの回転速度の急激な上昇も抑制され、エンジン1への過給圧Pbが急激に上昇するのも抑制される。その結果、エンジントルクが急激に増大して後輪タイヤTrのトルクが急激に増大することも抑制されるのであり、後輪タイヤTrの空転が未然に防止される。
【0066】
従って、一実施形態の車両用過給機の制御装置によれば、車両Cの発進時を含め、ターボチャージャ2の作動をアシストモータ2Dによりアシストする必要がある場合における後輪タイヤTrの空転を未然に防止することができ、後輪タイヤTrの摩耗を抑制してタイヤ寿命を延長することが可能となる。
【0067】
また、車両CのフロントウィングWfのウィング角αおよびリアウィングWrのウィング角βがECU10により調整されて後輪タイヤTrに掛かるタイヤ荷重の大きさが変化した際にも、その変化したタイヤ荷重の大きさに応じてアシスト電力Wastが補正される。このため、アシストモータ2Dの回転速度を的確に制御して後輪タイヤTrの空転を防止しつつ後輪タイヤTrのトルクを十分に確保することが可能となる。
【0068】
さらに、車両Cの加速時に後輪タイヤTrのトルクが急激に増大するのが抑制されるため、車両Cの後部が沈み込んで車両Cの前部の操舵車輪の荷重が不用意に減少することがなく、車両Cの操縦安定性を十分に確保することができる。
【0069】
本発明に係る車両用過給機の制御装置は、前述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、前述した式1、式2は、それぞれ以下の式4、式5に変更することができる。
式4……tanα=K1×V×C×D×G
式5……tanβ=K2×V×C×D×G
【0070】
同様に、前述した式1、式2は、それぞれ以下の式6、式7に変更することができる。
式6……tanα=K1×V×G×H
式7……tanβ=K2×V×G×H
【0071】
また、前述した式3のうち、指標値A〜Hは、例えば以下の式8、式9に示すような適宜の組み合わせとすることができる。
式8……Wast=Wmax×C×D×G
式9……Wast=Wmax×C×G×H
【0072】
ここで、一実施形態の車両用過給機の制御装置においては、駆動車輪である後輪タイヤTrに関する各指標値A〜Hに基づき、式1のフロントウィングWfのウィング角αおよび式2のリアウィングWrのウィング角βを算出し、また、式3のアシスト電力Wastを算出したが、車両Cが前輪駆動車の場合、これらのウィング角α、ウィング角β、アシスト電力Wastは、前輪タイヤTfに関する各指標値A〜Hに基づいて算出するのが好ましい。
【0073】
また、これらのウィング角α、ウィング角β、アシスト電力Wastは、車両Cの駆動方式がFF、FR,MRであって車両Cが非駆動車輪を有する場合、その非駆動車輪に関する各指標値A〜Hも加味して算出するのが好ましい。
【0074】
さらに、車両Cの駆動方式がAWD(4WD)であって各駆動車輪への駆動力配分機構を車両Cが備えている場合、ウィング角αを算出する式1(式4、式6)中のK1およびウィング角β式を算出する式2(式5、式7)中のK2は、各駆動車輪への駆動力配分に比例して設定するのが好ましい。
【0075】
また、この場合、アシスト電力Wastは、前左車輪の駆動力に対応するアシスト電力をW1、後左車輪の駆動力に対応するアシスト電力をW2、前右車輪の駆動力に対応するアシスト電力をW3、後右車輪の駆動力に対応するアシスト電力をW4として、Wast=W1+W2+W3+W4により求める。
【0076】
ここで、W1,W2,W3,W4は、前左車輪の駆動力をTt1、後左車輪の駆動力をTt2、前右車輪の駆動力をTt3、後右車輪の駆動力をTt4として、以下の式10〜式13により算出する。
式10…W1=Tt1/(Tt1+Tt2+Tt3+Tt4)Wmax×C×G
式11…W2=Tt2/(Tt1+Tt2+Tt3+Tt4)Wmax×C×G
式12…W3=Tt3/(Tt1+Tt2+Tt3+Tt4)Wmax×C×G
式13…W4=Tt4/(Tt1+Tt2+Tt3+Tt4)Wmax×C×G
【0077】
一方、図2に示したフロントウィングWfおよびリアウィングWrは、それぞれ左右に分割された形式のものであってもよい。この場合、分割された個々のウィングのウィング角は、そのウィングに一番近いタイヤに関する各指標値A〜Hに基づいて算出する。例えば左側のリアウィングWrは、左側の後輪タイヤTrに関する各指標値A〜Hに基づいて算出する。
【0078】
一実施形態の車両用過給機の制御装置においては、単一のアシストモータ2Dを有する単一のターボチャージャ2を制御対象としたが、このようなアシストモータ2Dを有するターボチャージャ2がエンジン1に2つ付設される場合、すなわち、エンジン1にツイン電動ターボチャージャが付設される場合、本発明の車両用過給機の制御装置における過給機制御手段は、前述した一実施形態と同様に、タイヤの空転要因に関連した情報に基づいて各アシストモータ2Dの駆動電力を補正し、タイヤが空転し易い状況では、各アシストモータ2Dの駆動電力を減少補正するように構成される。
【0079】
また、ターボチャージャ2がアシストモータ2Dを有しておらず、代わりにエンジン排気系側のタービン2Aの回転を制御可能な可変ノズルを有する場合、本発明の車両用過給機の制御装置における過給機制御手段は、タイヤの空転要因に関連した情報に基づいて可変ノズルの開度を補正し、タイヤが空転し易い状況では、可変ノズルの開度を増大補正するように構成される。
【0080】
なお、従来周知であるため図示は省略するが、タービン2Aの回転を制御可能な可変ノズルは、タービン2Aの入口側に内蔵された一群の可変ベーン間に形成されるノズルであり、その開度は、一群の可変ベーンがモータアクチュエータ等により適宜のリンク機構を介して一斉に回動操作されることで増減される。そして、可変ノズルの開度が増大すると、タービン2Aに作用する排気の流速(圧力)が低下してタービン2Aの回転が低下し、反対に可変ノズルの開度が減少すると、タービン2Aの回転が上昇する。
【0081】
そこで、本発明の車両用過給機の制御装置における過給機制御手段は、タイヤの空転要因に関連した情報に基づき、適宜のコントローラによりモータアクチュエータ等の駆動を制御することで可変ノズルの開度を補正し、タイヤが空転し易い状況では、可変ノズルの開度を増大補正する。これにより、タービン2Aの回転が低下し、ターボチャージャ2の過給圧が低下してエンジントルクと共にタイヤトルクが減少するため、タイヤの空転を未然に防止することが可能となる。
【0082】
さらに、ターボチャージャ2に代わる過給機として、エンジン1からの駆動力を可変に伝達可能なクラッチを介して駆動されるスーパーチャージャがエンジン1に付設されている場合、本発明の車両用過給機の制御装置における過給機制御手段は、タイヤの空転要因に関連した情報に基づいてクラッチが伝達する回転を補正し、タイヤが空転し易い状況では、クラッチが伝達する回転を減少補正するように構成される。
【0083】
なお、従来周知であるため図示は省略するが、エンジン1の回転を可変に伝達可能なクラッチとしては、例えば電磁粉式クラッチや、エンジン1の回転をスーパーチャージャへ伝達する2系統の伝達経路にそれぞれ設置された電磁クラッチがある。この電磁クラッチでは、エンジン1の回転が一方または他方の電磁クラッチを介してスーパーチャージャに可変に伝達される。
【0084】
このような構成によれば、タイヤが空転し易い状況では、電磁粉式クラッチや電磁クラッチで構成されるクラッチが伝達する回転が減少補正されるため、スーパーチャージャの回転が低下してその過給圧が低下し、エンジントルクと共にタイヤトルクが減少するのであり、タイヤの空転を未然に防止することが可能となる。
【0085】
なお、本発明の車両用過給機の制御装置は、電動モータにより回転駆動される電動式スーパーチャージャを制御対象とすることができる。この場合、過給機制御手段は、タイヤの空転要因に関連した情報に基づいて電動モータの駆動電力を補正し、タイヤが空転し易い状況では、電動モータの駆動電力を減少補正するように構成される。
【0086】
このような構成によれば、タイヤが空転し易い状況では電動モータの駆動電力が減少補正されるため、電動式スーパーチャージャの回転が低下してその過給圧が低下し、エンジントルクと共にタイヤトルクが減少するのであり、タイヤの空転を未然に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態における車両用過給機としてのターボチャージャおよびその制御装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】図1に示したエンジンが搭載される車両の概略構成を示す側面図である。
【図3】図2に示した車両の後輪の半断面図である。
【図4】図2に示した後輪タイヤの各空転要因に対応した各指標値の2次元マップである。
【図5】図1に示したECUが実行する協調制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートに示す処理によりフルアシスト電力を減少補正したアシスト電力とターボ回転数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0088】
1…エンジン、2…ターボチャージャ、2A…タービン、2B…コンプレッサ、2C…シャフト、2D…アシストモータ、10…ECU、15…アシストモータコントローラ、16…ウィングコントローラ、17…車載バッテリ、18,19…モータアクチュエータ、20…車速センサ、21…無線式ICチップ、22…無線受信部、23…無線式ICチップ、24…無線式空気圧センサ、25…無線式温度センサ、26…赤外式サーモメータ、27…荷重センサ、28…走行モード選択スイッチ、C…車両、Tr…後輪タイヤ、Wf…フロントウィング、Wr…リアウィング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のエンジンに吸入空気を過給する過給機の制御装置であって、
車両に装備されるタイヤの空転要因に関連した情報に基づいて前記過給機の作動力を補正する過給機制御手段を備えていることを特徴とする車両用過給機の制御装置。
【請求項2】
前記過給機は、エンジン吸入系側のコンプレッサを可変に駆動可能なアシストモータを有するターボチャージャであり、前記過給機制御手段は、タイヤの空転要因に関連した情報に基づいて前記アシストモータの駆動電力を補正することを特徴とする請求項1に記載の車両用過給機の制御装置。
【請求項3】
前記過給機は、エンジン排気系側のタービンの回転を制御可能な可変ノズルを有するターボチャージャであり、前記過給機制御手段は、タイヤの空転要因に関連した情報に基づいて前記可変ノズルの開度を補正することを特徴とする請求項1に記載の車両用過給機の制御装置。
【請求項4】
前記過給機は、エンジンの回転を可変に伝達可能なクラッチを介して駆動されるスーパーチャージャであり、前記過給機制御手段は、前記タイヤの空転要因に関連した情報に基づいて前記クラッチが伝達する回転を補正することを特徴とする請求項1に記載の車両用過給機の制御装置。
【請求項5】
前記過給機制御手段は、車両の発進時に前記過給機の作動力を補正するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の車両用過給機の制御装置。
【請求項6】
前記情報には、タイヤの摩擦係数に関する情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の車両用過給機の制御装置。
【請求項7】
前記情報は、タイヤに埋め込まれた無線式ICチップから受信するように構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の車両用過給機の制御装置。
【請求項8】
前記情報には、タイヤに掛かる荷重に関する情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の車両用過給機の制御装置。
【請求項9】
車両に装備されたウィングのウィング角を前記タイヤに掛かる荷重の大きさの情報に応じて調整するためのウィング角制御手段を備えると共に、前記過給機制御手段は、前記ウィング角の調整により変化したタイヤに掛かる荷重の大きさの情報に応じて前記過給機の作動力を補正するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の車両用過給機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−303343(P2007−303343A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131735(P2006−131735)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】