車両誘導装置
【課題】車両の走行状況に対応すると共に、ユーザが置かれた状況やユーザの要望に応じた俯瞰図を表示可能な地図表示装置を提供する。
【解決手段】
本発明の車両誘導装置は、道路及び施設等に関する位置情報を含む地図データを用いて俯瞰図を描画し、描画される俯瞰図は、俯角が互いに異なる複数の矩形部分が、地上を連続的に示すように上下に並べられて構成されている。
また、本発明の車両誘導装置は、地図データを記録する記録部と、地図データの一部を読み出して俯瞰図表示用に変換する制御部と、変換された地図データの一部を用いて俯瞰図の画像データを作成する描画部とを具えており、地上を俯瞰する視野が上下に並んだ複数の矩形部分に分割されると、制御部は、各矩形部分について、その矩形部分に対して設定された俯角で地上を俯瞰した俯瞰図が作成されるように、地図データを記録部から読み出して変換する。
【解決手段】
本発明の車両誘導装置は、道路及び施設等に関する位置情報を含む地図データを用いて俯瞰図を描画し、描画される俯瞰図は、俯角が互いに異なる複数の矩形部分が、地上を連続的に示すように上下に並べられて構成されている。
また、本発明の車両誘導装置は、地図データを記録する記録部と、地図データの一部を読み出して俯瞰図表示用に変換する制御部と、変換された地図データの一部を用いて俯瞰図の画像データを作成する描画部とを具えており、地上を俯瞰する視野が上下に並んだ複数の矩形部分に分割されると、制御部は、各矩形部分について、その矩形部分に対して設定された俯角で地上を俯瞰した俯瞰図が作成されるように、地図データを記録部から読み出して変換する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の誘導用に俯瞰図を表示するカーナビゲーション装置等の車両誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置では、俯瞰図(鳥瞰図)を表示することによって、車両の周囲に関する地理的状況を理解され易い態様でユーザに示すことが行われている。図4Aは、従来のカーナビゲーション装置における俯瞰図の作成方法を示す説明図である。俯瞰される地上はX−Y平面にある。俯瞰する視点Sは、GPS(Global Positioning System)信号を受信して求めた車両の現在位置Pや予め設定された俯角φ等から決定される。俯瞰図は、通常、車両を含むように描画されて、視点Sは、例えば、車両の現在位置Pを目的地に向かって見るように定められる。
【0003】
俯瞰される地理的範囲は、視点Sを頂点としており、視野を定める長方形abcdを断面とする四角錐がX−Y平面と交わる台形領域ABCDとなる。表示される俯瞰図は、長方形abcdへの台形領域ABCDの写像として理解される。視点Sと長方形abcdの中心を通る直線と、X−Y平面とが交わる角度が、俯角φとなる。このようにして作成される俯瞰図では、視点Sから離れた領域ほど小さい縮尺で描画されて、俯角φが小さくなるほど、描画される地理的領域は大きくなる。なお、周知のように、表示部に表示される俯瞰図は、車両の走行に合わせて適宜更新される。
【0004】
交差点が多い都市部の道路を低速で走行する場合には、車両近傍の状況を詳しく示す俯瞰図が表示されることが好ましく、高速道路を高速で走行する場合には、広い地理的範囲を示す俯瞰図が表示されることが好ましいことから、車両が走行している道路の種別に応じて俯瞰図の俯角φを変更するカーナビゲーション装置が提案されている(特許文献1参照)。このカーナビゲーション装置では、俯角φは、車両が走行する道路が一般道路である場合に大きくされており(例えば60°)、高速道路である場合に小さくされている(例えば20°)。
【特許文献1】特開2000−74678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両を運転するユーザが置かれた状況やユーザの要望は様々である。例えば、都市部の道路を低速で走行していても、比較的遠方にある目的地の位置を俯瞰図で把握したい場合は起こり得る。また、高速道路を高速で走行していても、非常に遠方の領域は表示されなくてもよいから、俯瞰図に表示される遠方領域の縮尺を大きくしたい場合は起こり得る。しかしながら、上記のカーナビゲーション装置では、このような場合において、ユーザの求めに応じると共に、車両の走行状況に適切に対応した俯瞰図を表示することは不可能であった。例えば、前者の場合に俯角φを小さくすると、車両位置P付近に関する詳細情報が表示されなくなって、車両の誘導に問題が生じてしまう。また、後者の場合に俯角φを大きくすると、俯瞰図は比較的車両に近い領域を示している一方で車両が高速に移動していることから、俯瞰図の更新が過剰に行われてしまう。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するものであって、車両の走行状況に対応すると共に、ユーザが置かれた状況やユーザの要望に応じた俯瞰図を表示可能な地図表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両誘導装置は、道路及び施設等に関する位置情報を含む地図データを用いて俯瞰図を描画し、前記俯瞰図を表示部に表示する車両誘導装置において、前記俯瞰図は、俯角が互いに異なる複数の矩形部分が、地上を連続的に示すように上下に並べられて構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の車両誘導装置では、前記複数の矩形部分の各々の俯角は、下から上に向かって大きく、又は、下から上に向かって小さくなっている。また、本発明の車両誘導装置では、最も下に位置する矩形部分は、その他の矩形部分よりも大きくされる。
【0009】
本発明の車両誘導装置は、車両の現在位置を求める位置決定部と、道路及び施設等に関する位置情報を含む地図データを記録する記録部と、前記地図データの一部を読み出して俯瞰図表示用に変換する制御部と、変換された前記地図データの一部を用いて俯瞰図の画像データを作成する描画部と、前記車両の現在位置と共に、前記画像データに基づいて前記俯瞰図を表示する表示部とを具えている車両誘導装置において、地上を俯瞰する視野が上下に並んだ複数の矩形部分に分割されると、前記制御部は、各矩形部分について、その矩形部分に対して設定された俯角で俯瞰された地上の領域に対応する前記地図データの一部を、前記記録部から読み出して変換することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車両誘導装置は、俯角が互いに異なる複数の俯瞰図を、地上を連続的に示すように上下に並べられて表示することで、車両の走行状況に対応すると共に、ユーザの要望に応じた俯瞰図を表示することを可能としている。例えば、都市部の道路を低速で走行している最中に、比較的遠方にある地点を俯瞰図で把握する場合、俯瞰図の表示領域を下側の矩形部分と、上側の矩形部分とに分けて、上側の矩形部分の俯角を下側の矩形部分の俯角よりも小さくすることで、下側の矩形部分にて車両位置付近に関する詳細情報を表示しつつ、比較的遠方にある地点を示す俯瞰図が上側の矩形部分で表示される。また、高速道路を走行中に、俯瞰図に表示される遠方領域の縮尺を大きくしたい場合、上側の矩形部分の俯角を下側の矩形部分の俯角よりも大きくすることで、表示部の画像の更新を頻繁に行うことなく、遠方領域に関する縮尺の小さな俯瞰図が上側の矩形部分に表示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を図を用いて説明する。図1は、本発明の実施例であるカーナビゲーション装置の概要を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)(1)は、カーナビゲーション装置の制御部を構成しており、カーナビゲーション装置に関する各種制御や処理を実行する。ROM(Read Only Memory)(3)には、これら制御や処理の手順を記述しており、CPU(1)によって実行されるプログラムが記憶されている。また、ROM(3)には、文字及び記号に関するフォントデータや地図の描画に使用される各種アイコンのデータ等も記憶されている。RAM(5)は、CPU(1)のワークエリアとして使用される。
【0012】
車両の位置決定部であるGPS受信部(7)は、図示を省略したアンテナを介して受信したGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置が搭載された車両の現在位置を決定する。センサ部(9)は、車両の速度を検出する車速センサや、車両の方位を検出するジャイロセンサ等で構成されている。交通情報受信部(11)は、VICS(Vehicle Information and Communication System)等の交通情報システムから道路交通情報を得るために用いられる受信機や復号器等で構成されている。
【0013】
記録部(13)は、DVD(Digital Versatile Disc)やハードディスク等の記録媒体と、該記録媒体から所望のデータを読み出すドライブ装置等とで構成されている。記録媒体には、地図を描画するために使用される地図データや後述する誘導動作を記述したプログラム等が記録されている。地図データは、道路データ、施設データ及び背景データ等を含んでおり、所定の地理的範囲で単位化されて記録部(13)に記録されている。
【0014】
道路データは、各道路区間に対応して定義されるリンクと、道路の交差点や境界点(上記の地理的範囲を規定する境界上にある点)等に対応したノードとに関する情報を含んでいる。各リンクに関する情報には、ID番号、道路の属性(例えば、一般道)及び名称(例えば、国道1号線)、道路幅、そのリンクの端点であるノードのID番号、そのリンクに接続する他のリンクのID番号等が含まれている。各ノードに関する情報には、ID番号、座標値、ノードの属性(例えば、交差点)及び名称等が含まれている。施設データは、施設の領域の座標、施設の種別及び名称、施設を3次元表示するためのポリゴンデータ等を含んでおり、背景データは、背景の種別、背景の形状を特定する要素点の座標及び標高等を含んでいる。
【0015】
表示部(15)は、液晶表示装置又はEL素子を用いた表示装置等であって、誘導用の地図や各種設定画面等を表示する。音声出力部(17)は、スピーカ、アンプ及びD/A変換器等で構成されている。CPU(1)は、誘導動作中に、車両の現在位置に基づいて誘導用の音声データを適宜生成し、生成された音声データは音声出力部(17)で再生される。操作部(19)は、表示部(15)の表示領域上に設けられたタッチパネル、各種ハードキー及びリモートコントローラ等で構成されている。
【0016】
描画部(21)には、2次元及び3次元描画用のグラフィックスエンジンを搭載したIC(Integrated Circuit)が使用されており、CPU(1)から指示が送られると、描画部(21)は、記録部(13)から読み出された地図データを用いて、各種地図の画像データを作成する。描画部(21)で作成された画像データはVRAM(23)に記憶されて、表示部(15)は、VRAM(23)に記憶された画像データに基づいて地図を表示する。本実施例のカーナビゲーション装置では、2次元の平面地図、2次元の俯瞰図、施設や背景等をポリゴン表示した3次元の俯瞰図などを描画可能である。
【0017】
図2は、本実施例のカーナビゲーション装置の誘導動作を示すフローチャートである。操作部(19)を介して誘導動作の開始が指示されると、表示部(15)に設定画面が表示されて、目的地の入力がユーザに促される(S1)。ステップS1では、目的地に加えて、1又は複数の経由地も入力可能である。目的地の入力が完了すると、CPU(1)は、出発地から目的地に至る誘導経路を決定する経路探索処理を実行する(S3)。ステップS3では、GPS受信部(7)で決定された車両の現在位置が出発地とされ、経路探索処理は、例えばダイクストラ法やその改良法を用いて実行される。ステップS1にて、経由地が入力された場合には、経由地を通って目的地に至るように誘導経路が決定される。決定された誘導経路は、例えばリンク列として表現されてRAM(5)に記憶される。
【0018】
ステップS3の後、表示部(15)に設定画面が表示されて、誘導経路に沿って表示される誘導用の地図の表示モードの選択と、各表示モードにおける設定とに関する入力がユーザに対して促される(S5)。本実施例のカーナビゲーション装置における地図の表示モードには、平面地図表示モード、第1俯瞰図表示モード及び第2俯瞰図表示モードがあって、ステップS5では、これらの中から表示モードが選択される。平面地図表示モードは、平面地図を表示するモードであり、第1俯瞰図表示モードは、従来と同様な形態で俯瞰図を表示するモードであり、第2俯瞰図表示モードは、後述するように本発明が特徴とする形態で俯瞰図を表示する表示モードである。さらに、ステップS5では、第1又は第2俯瞰図表示モードにおける施設や背景等のポリゴン表示の有無や、第1又は第2俯瞰図表示モードにて用いられる各種パラメータ(例えば、後述する高さH、距離Lや幅W1等)が、ユーザにより設定可能である。
【0019】
ステップS5にて、表示モードの選択及び設定が行われた後、GPS受信部(7)は、車両の現在位置を決定する(S7)。そして、CPU(1)は、その現在位置に基づいて地図の描画が必要であるか否かを判断する(S9)。例えば、地図を前回描画した際の位置から(ステップS7で求めた最新の)現在位置までに至る車両の走行距離が所定の値を超えた場合や、現在表示されている地図において、ステップS7で求めた車両の現在位置が所定の領域(例えば、地図の上半分)内に配置されてしまう場合に、地図の描画が必要であると判断される。ステップS9が始めて行われる場合にも、地図の描画が必要であると判断される。ステップS9にて、地図の描画が必要であると判断されると、後述する地図描画処理が実行される(S11)。ステップS11の後、ステップS7及びそれ以降の処理が再度実行される。
【0020】
ステップS9にて、地図の描画が不要であると判断されると、誘導動作を終了するか否か判断される(S13)。例えば、ステップS7にて得られた現在位置から、車両が現在目的地に到達したと判断される場合や、操作部(19)を介して終了が指示された場合に、誘導動作は終了される。ステップS13にて、誘導動作を終了しないと判断されると、地図と共に表示されている車両位置を示すアイコン(例えば、図4B参照)の位置を更新する処理が行われる(S15)。ステップS15の後、ステップS7及びそれ以降の処理が再度行われる。
【0021】
図3は、図2に示すステップS11の地図描画処理について詳細を示すフローチャートである。まず、平面地図表示モードが選択されているか否かが判断される(S31)。平面地図表示モードが選択されている場合、ステップS31の後、車両の現在位置を含む所定の範囲の地図データが、記録部(13)から読み出されてRAM(5)に記憶される(S33)。そして、描画部(21)は、ステップS33で読み出された地図データや(ROM(3)に記憶されている)施設等を示すアイコンのデータ等を用いて平面地図を描画して、その画像データを作成する(S35)。ステップS35にて作成された画像データは、車両位置を示すアイコンを示すデータと合成された後にVRAM(23)に記憶される(S37)。そして、表示部(15)は、VRAM(23)に記憶された画像データに基づいて地図を表示する処理を行う(S39)。
【0022】
ステップS31にて、平面地図表示モードが選択されていないと判断された場合、俯瞰図が描画されることから、俯瞰を行う視点Sと俯角φとが決定される(S41)。ROM(3)には、車両の走行状態に応じて視点Sを与える数値を記載したテーブルが記憶されており、ステップS41にて、CPU(1)は、車両の走行状態に基づいて、そのテーブルを参照して視点Sを決定する(視点SのX、Y及びZ座標の値が決定される)。
【0023】
図4Aは、第1俯瞰図表示モードにおける俯瞰図の作成方法を示す説明図である。地上、つまり地図データで記述される平面は、X−Y平面上にある。交点Oは、視点SからX−Y平面に下した垂線とX−Y平面との交点であって、視点Sは、例えば、交点Oから、車両の現在位置Pを見る向きが、交点Oから目的地(又は経由地)を見る向きと一致するように、又はセンサ部(9)で検出された車両の向きに沿うように決定される。ROM(3)に記憶されているテーブルには、例えば、車両が高速道路を走行している場合と一般道路を走行している場合の各々について、視点Sの高さHと、交点Oと車両の現在位置Pとの間の距離Lと、俯角φとが記載されている。車両が高速道路を走行している場合の高さHは、一般道路を走行している場合の高さHよりも小さく、高速道路を走行している場合の距離Lは、一般道路を走行している場合の距離Lよりも大きくされる。また、高速道路を走行している場合の俯角φは、一般道路を走行している場合の俯角φよりも小さくされる。なお、図4A(及び以後に参照する同様な図)では、簡単のために、交点Oを原点とし、車両の現在位置PがY軸上にある座標系を採用している。
【0024】
ステップS41にて、視点Sが決定されると、第1俯瞰図表示モードが選択されているか否かが判断される(S43)。第1俯瞰図表示モードが選択されている場合、俯瞰図の描画に必要な範囲の地図データが記録部(13)から読み出されて、RAM(5)に記憶される(S45)。図4Aを参照すると、描画されるX−Y平面上の領域は、視点Sを頂点とした四角錐がX−Y平面と交わる台形領域ABCDとなる。ステップS45では、この台形領域ABCDを含む範囲に関する地図データが記録部(13)から読み出される。
【0025】
ステップS45の後、読み出されてRAM(5)に記憶されている地図データやROM(3)に記憶されているアイコンのデータ等を用いて、俯瞰図が描画される(S47)。図5は、俯瞰する視野を示す説明図である。X−Y平面を俯瞰する長方形の視野を定める横方向の見開き角度πと、縦方向の見開き角度ηとは、この視野が、表示部(15)における俯瞰図の表示領域と相似形になるように予め定められている。視点Sとそれを頂点とした四角錐の断面である長方形abcdの中心とを通る直線と、X−Y平面とが成す角度が俯角φとなっている。描画部(21)にて描画される俯瞰図は、視野を与える長方形abcdに台形領域ABCD内の領域を投影した写像である(例えば、点Aは、視点Sと点aを通る直線とX−Y平面との交点である)。ステップS47では、CPU(1)は、読み出された地図データに含まれる座標値を(長方形abcd上の座標値に)変換して俯瞰図表示用のデータ(以下、「俯瞰図データ」と称する)を作成する処理を行う。そして、CPU(1)からの指示によって、描画部(21)は、作成された俯瞰図データを用いて俯瞰図を描画する。施設や背景のポリゴン表示が行われる場合には、施設のポリゴンデータや背景の標高情報が参照されて、3次元の俯瞰図が描画される。
【0026】
ステップS47の後、ステップS37が実行されて、描画部(21)は、ステップS45にて作成した俯瞰図の画像データに、空の領域を示す画像データや、車両位置を示すアイコンのデータ等を合成して表示用の画像データを作成し、VRAM(23)に記憶する。その後、ステップS39が実行されて、VRAM(23)に記憶された画像データに基づいて誘導用の地図が表示部に表示される。
【0027】
図4Bは、第1俯瞰図表示モードにてステップS39が実行されて、表示部(15)に表示される画像を示す説明図である。画像の上部は空領域(31)であって、その幅W1(例えば、縦方向の画素数で特定される)は予め定められている。俯瞰図(32)は、空領域(31)の下に表示されており、俯瞰図(32)内には、車両位置Pを示すアイコン(33)が表示されている。俯瞰図(32)には、図示は省略するが、アイコン(33)に加えて、道路形状、道路標識、道路情報、VICS情報、交差点情報、施設形状、施設形状、施設のアイコン、地名、経由地や目的地を示すアイコンなどが描画される(以後に示す図6B等においても同様)。なお、図4B(及びその他の同様な図)には、地図データで記述される平面上に等間隔で格子状に配置された線の写像である縦グリッド線(34)及び横グリッド線(35)が示されているが、これらは表示部(15)に表示されなくともよい。
【0028】
ステップS43にて、第1俯瞰図表示モードが選択されていないと判断された場合には、第2俯瞰図表示モードで俯瞰図を描画する処理が行われる。第2俯瞰図表示モードでは、表示される俯瞰図は、ステップS41で決定した俯角φで地上を俯瞰した領域と、この俯角φと夫々異なる角度で地上を俯瞰した1又は複数の領域とで構成される(以下、これらの領域を「分割領域」と称する)。各分割領域の形状は矩形にされて、上下に配列される。これら分割領域は、全体として地上を連続的に示しており、ある分割領域は、その下にある分割領域と地理的に繋がっており、これら分割領域の俯角は、下から上に向かって大きく又は小さくなっているのが好ましい。また、最も下にある分割領域の幅(大きさ)は、その他の分割領域と比較して最も大きくされるのが好ましく、俯瞰図全体の半分以上を占めるのがさらに好ましい。例えば、第2俯瞰図表示モードにて表示される画像は、図4Bに示す俯瞰図(32)において、幅W2を有する上側矩形部分(分割領域)が、俯角φと異なる俯角で地上を俯瞰した俯瞰図に変更されたものとなる。なお、幅W2は、俯角φで地上を俯瞰した下側矩形部分の幅W3よりも小さくされる。
【0029】
ステップS43にて、第1俯瞰図表示モードが選択されていないと判断された場合、CPU(1)は、分割領域を特定する数値(例えば、幅W2やW3など)と、俯角φの分割領域を除く各分割領域における俯角の変化(又は俯角)とを決定する(S49)。例えば、ROM(3)には、ステップS49で参照されるテーブルが記憶されており、該テーブルには、車両が高速道路を走行している場合と一般道路を走行している場合の各々について、分割領域を特定する数値と、俯角φの分割領域を除く各分割領域における俯角の変化とが記載されている。なお、これらの値は、例えばステップS5にて、ユーザによって自由に設定されてもよく、図2及び図3に示す誘導動作の最中に、操作部(19)を介して所定の操作が行われると、割り込み処理にて設定画面が表示されて、これらの値の設定や変更が(さらには、表示モードの設定や変更等も)行われてもよい。
【0030】
例として、図4Bに示した幅W2を有する矩形の上側分割領域と、その分割領域における俯角の変化θとが、ステップS49にて特定された場合を考える。図4B及び図5にて、上側分割領域及びそれに相当する視野は、長方形efcdで示されており、下側分割領域及びそれに相当する視野は、長方形abfeで示されている。点Eは、視点Sと点eとを結ぶ直線と、X−Y平面との交点であって、点Fは、視点Sと点fとを結ぶ直線と、X−Y平面との交点である。
【0031】
図6Aは、図4Bに示す上側分割領域について、俯角φよりも角度θだけ俯角を大きくした俯瞰図を作成する方法を示す説明図である。下側分割領域については、先の説明と同様に台形領域ABFEが長方形abfeに写像するように地図データが変換されて、俯瞰図データが作成される。上側分割領域の俯瞰図は、地図データで記述される平面を、直線EFを軸にして角度θだけ(図において)反時計方向に回転させた状態で、台形領域EFC'D'を、長方形efcdに写像したものとして理解される。台形領域EFC'D'は、視点Sを頂点とし、長方形efcdを断面とする四角錐が、回転された平面と交差する領域である。図7Aは、図4Bに示す上側分割領域について、俯角φよりも角度θだけ俯角を小さくした俯瞰図を作成する方法を示す説明図である。上側分割領域については、地図データで記述される平面を、直線EFを軸にして角度θだけ(図において)時計方向に回転させた状態で、台形領域EFC''D''を、長方形efcdに写像したものとして理解される。台形領域EFC''D''は、視点Sを頂点とし、長方形efcdを断面とする四角錐が、回転された平面と交差する領域である。
【0032】
図8A乃至Cは、図4A、図6A及び図7Aに夫々対応した説明図であって、X軸方向から見た図である。図8Bには、直線EFを軸として反時計方向に角度θだけ回転した座標系も示されており、図8Cには、直線EFを軸として時計方向に角度θだけ回転した座標系も示されている(視点Sは空間に固定されており、上述のように定義した交点Oは、X−Y平面上にて移動する)。図8Bを参照すると、上側分割領域の俯瞰図は、図5に示す視野で、視点Sから俯角φ+θでX−Y平面を俯瞰した場合に、長方形efcdに写る写像であると理解される。なお、図8Bにおける視点Sを定める高さH及び距離Lは、図8Aにおける値と異なっている。図8Bにおける高さH及び距離Lは、視点Sを頂点とする四角錐を、図8Aに示す状態から、直線EFを軸として俯角φ+θを与えるように回転することで決定される。また、図8Cを参照すると、上側分割領域の俯瞰図は、図5に示す視野で、視点Sから俯角φ−θでX−Y平面を俯瞰した場合に、長方形efcdに写る写像であると理解される。図8Cにおける視点Sの高さH及び距離Lは、視点Sを頂点とする四角錐を、図8Aに示す状態から、直線EFを軸として俯角φ−θを与えるように回転することで決定される。
【0033】
図3を再度参照すると、ステップS49で確認した情報に基づいて、最初の分割領域に対応する地理的領域(例えば、俯角φで俯瞰される領域)を含む地図データの一部が読み出された後(S51)、ステップS47と同様にして俯瞰図が描画されて、その画像データが作成される(S53)。例えば、図6A及び図7Aに示した例では、ステップS51にて、台形領域ABFEを含む地理的領域について地図データが読み出されて、ステップS53にて、下側分割領域に表示される(長方形abfeへの台形領域ABFEの写像である)俯角φの俯瞰図が描画される。
【0034】
ステップS53の後、全ての分割領域について俯瞰図の描画が終了したか否かが判断される(S55)。描画が行われていない分割領域がある場合、ステップS51及びS53が再度実行される。図6Aに示した例では、再度行われるステップS51にて、台形領域EFC'D'を含む地理的範囲について地図データが読み出されて、再度行われるステップS53にて、この地図データを用いて、上側分割領域に表示される(長方形efcdへの写像である)俯角φ+θの俯瞰図が描画される。図7Aに示した例では、再度行われるステップS51にて、台形領域EFC''D''を含む地理的範囲について地図データが読み出されて、再度行われるステップS53にて、読み出された地図データを用いて、上側分割領域に表示される(長方形efcdへの写像である)俯角φ−θの俯瞰図が描画される。
【0035】
全ての分割領域について俯瞰図の描画が完了すると、ステップS37が実行されて、描画部(21)は、ステップS53を繰り返すことで作成された複数の画像データと、空領域(31)を示す画像データと、車両位置を示すアイコン(33)のデータ等とを合成して表示用の画像データを作成し、VRAM(23)に記憶する。その後、ステップS39が実行されて、第2俯瞰図表示モードにおける誘導用の地図が表示部に表示される。
【0036】
図6Bは、図6Aに示した場合に表示部(15)に表示される画像を示す説明図である。下側分割領域は、図4Bと同じ俯角φで俯瞰図が表示されているが、上側分割領域には、下側分割領域よりも大きい俯角φ+θで俯瞰図が表示されている。上側分割領域に示される地理的領域は、図4Bと比較して狭くなっている一方で、縮尺は大きくなっている。線分efを境にして、縦グリッド線(34)は、上側分割領域にて間隔が広がるように屈曲しており、上側分割領域における横グリッド線(35)の間隔は、図4Bと比較して広くなる。
【0037】
図7Bは、図7Aに示した場合に表示部(15)に表示される画像を示す説明図である。下側分割領域は、図4Bと同じ俯角φで俯瞰図が表示されているが、上側分割領域には、下側分割領域よりも小さい俯角φ−θで俯瞰図が表示されている。上側分割領域に示される地理的領域は、図4Bと比較して広くなっており、上側分割領域の縮尺は、図4Bと比較して小さくなっている。線分efを境にして、縦グリッド線(34)は、上側分割領域にて間隔が狭くなるように屈曲しており、上側分割領域における横グリッド線(35)の間隔は、図4Bと比較して狭くなる。
【0038】
図6B及び図7Bに示した例は、俯瞰図の表示領域を2分割して、これら2つの分割領域の俯角を変化させているが、先にも述べたように、また、図3のフローチャートでも明らかなように、本発明において、分割領域の数は基本的に限定されない(現実的には、表示部(15)の画面の大きさや解像度等から制限されるであろう)。図9Aは、俯瞰図の表示領域が俯角が異なる3つの分割領域に分割される場合の作図方法を示す説明図である。図9Bは、この場合において表示部(15)に表示される画像を示す説明図である。図9Bでは、俯瞰図の表示領域が、幅W4を有する第1分割領域と、幅W3を有する第2分割領域と、幅W2を有する第3分割領域とに分割されている。第1分割領域には俯角φの俯瞰図が示され、第2分割領域には俯角φ+θ1の俯瞰図が示され、第3分割領域は俯角φ+θ2の俯瞰図が示される。なお、θ2はθ1よりも大きい。図10は、視野を示す説明図である。長方形abfeは第1分割領域に、長方形eff'e'は第2分割領域に、長方形e'f'cdは第3分割領域に対応している。
【0039】
第1分割領域の俯瞰図は、先に説明したように作成される。地図データで記述される平面において、第2分割領域に対応する台形領域EFF'E'を定める点E'及び点F'は、次のように決定される。点E'は、地図データで記述される平面を、直線EFを軸として反時計方向に角度θ1だけ回転させて、視点Sと点e'を結ぶ直線と、回転された平面との交点となる。点F'は、視点Sと点f'を結ぶ直線と、回転された平面との交点となる。第2分割領域の俯瞰図は、地図データで記述される平面を直線EFを軸として反時計方向に角度θ1だけ回転させた状態における、台形領域EFF'E'の長方形eff'e' への写像として理解される。
【0040】
第3分割領域に対応する台形領域E'F'C''D''を定める点C''及びD''は、次のように決定される。地図データで記述される平面を直線EFを軸として反時計方向に角度θ1だけ回転させた後、さらに直線E'F'を軸として反時計方向に角度θ2−θ1だけ回転させる。視点Sと点cを結ぶ直線と、回転された平面との交点が点C''となる。また、視点Sと点dを結ぶ直線と、回転された平面との交点が点D''となる。第3分割領域の俯瞰図は、地図データで記述される平面を、直線EFを軸として反時計方向に角度θ1だけ回転させ、さらに直線E'F'を軸として反時計方向に角度θ2−θ1だけ回転させた状態における台形領域E'F'C''D''の長方形e'f'cdへの写像として理解される。
【0041】
図11は、図9Aに対応した説明図であって、図9Aに示す状況をX軸方向から見た図である。図11には、直線EFを軸として角度θ1だけ反時計方向に回転された座標系と、直線E'F'を軸としてさらに角度θ2−θ1だけ反時計方向に回転された座標系とが示されている(視点Sは空間に固定されており、交点Oは、X−Y平面上にて移動する)。図11を見ると、第2分割領域の俯瞰図は、図5に示す視野で、視点Sから俯角φ+θ1でX−Y平面を俯瞰した場合に、長方形eff'e'に写る写像であると理解される。なお、この場合における視点Sは、視点Sを頂点とする四角錐を、図8Aに示す状態から、直線EFを軸として俯角φ+θ1を与えるように回転することで決定される。また、第3分割領域の俯瞰図は、図5に示す視野で、視点Sから俯角φ+θ2でX−Y平面を俯瞰した場合に、長方形e'f'cdに写る写像であると理解される。この場合における視点Sは、視点Sを頂点とする四角錐を、図8Aに示す状態から、直線E'F'回りで俯角φ+θ2を与えるように回転することで決定される。
【0042】
第2俯瞰図表示モードでは、図3のステップS41で定められた視点Sや車両の現在位置Pに基づいて、分割領域が定められてもよい。例えば、図4Aに示すように、交点Oから(進行方向に)所定の距離Rだけ離れており、直線OPと直交する直線を境にして、車両の現在位置Pから遠い領域について俯角を変更するように、第2俯瞰図表示モードが実行されてもよい。この場合、視点Sを頂点とする四角錐と、境界になる直線との交点として、上述の点E及びFは定められる。これにより、点e及びfが、さらには上述の上側分割領域及び下側分割領域が定められる。
【0043】
操作部(19)には、表示部(15)に表示された地図をスクロールさせるためのスクロールキー(図示せず)が設けられている。平面地図表示モード、第1及び第2俯瞰図表示モードにおいて地図が表示部(15)に表示されている際に、スクロールキーが操作されると、割り込み処理が実行されて地図が示す領域が移動する。例えば、第2俯瞰図表示モードにおいてスクロールキーが操作されると、スクロールキーの押下位置と押下時間とに応じて、視点SをZ軸に垂直な面内で移動させる処理が行われて、新たな視点Sについて、図4に示すステップS51乃至S55と、ステップS37及びS39と同様な処理が行われる。これによって、俯角が異なる複数の分割領域がスクロールされる。
【0044】
また、本実施例のカーナビゲーション装置では、表示部(15)に地図が表示されている際に、画面上にて特定の施設が操作部(19)を介して選択されると、割り込み処理が実行されて、その施設周辺の(詳細な)俯瞰図が表示される。この処理にて表示される俯瞰図も、上記の第2俯瞰図表示モードにおける俯瞰図のように、俯角が異なる複数の分割領域で構成することが可能である。例えば、ある施設周辺の俯瞰図の表示が指示されると、図3に示すステップS49と同様な処理が行われることで、施設付近に視点Sが定められる(さらには、分割領域や俯角等が決定される)。そして、ステップS51乃至S55、さらにはステップS37及びS39と同様な処理が行われて、第2俯瞰図表示モードと同じように施設周辺の俯瞰図が表示部(15)に表示される。
【0045】
さらに、本実施例のカーナビゲーション装置では、表示部(15)にある種の地図が表示されている際に所定の操作が行われると、割り込み処理が実行されて、表示部(15)に複数の種類の地図が表示される。例えば、表示部(15)に平面地図が表示されている際に、この操作が行われると、表示部(15)の左半分に平面地図が、右半分に俯瞰図(と空)が表示される。この俯瞰図も、ユーザの好みによって、上述した第2俯瞰図表示モードと同じように俯角が異なる複数の分割領域で構成されてよい。また、表示部(15)に第2俯瞰図表示モードで俯瞰図が表示されている際に、この操作が行われると、表示部(15)の左半分に俯角が異なる複数の分割領域で構成された俯瞰図が、右半分に平面地図が表示される。
【0046】
上述した本発明の説明と異なる数学的表現を用いて、本発明を説明できることに留意すべきである。例えば、図6A、図6B及び図8Bと共に説明した例では、上側分割領域の俯瞰図は、視点Sから長方形efcdを視野として、台形領域EFCDを俯瞰したものであって、この俯角は、視点Sと長方形efcdの中心とを通る直線と、台形領域EFCDとが成す角度として理解されてもよい。また、下側分割領域の俯瞰図は、視点Sから長方形abfeを視野として、台形領域ABFDを俯瞰したものであって、この俯角は、視点Sと長方形abfeの中心とを通る直線と、台形領域ABFDとが成す角度として理解されてもよい。
【0047】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。また、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例であるカーナビゲーション装置の概要を示すブロック図である。
【図2】本発明のカーナビゲーション装置の誘導動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明のカーナビゲーション装置の地図描画処理の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図4Aは、本発明のカーナビゲーション装置の第1俯瞰図表示モードにおける俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図4Bは、第1俯瞰図表示モードにて表示部に表示される画像を示す説明図である。
【図5】本発明のカーナビゲーション装置の第2俯瞰図表示モードにおいて、地図データで記述された平面を俯瞰する視野を示す説明図である。
【図6】図6Aは、本発明のカーナビゲーション装置の第2俯瞰図表示モードにおける俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図6Bは、第2俯瞰図表示モードにて表示部に表示される画像を示す説明図である。
【図7】図7Aは、本発明のカーナビゲーション装置の第2俯瞰図表示モードにおける俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図7Bは、第2俯瞰図表示モードにて表示部に表示される画像を示す説明図である。
【図8】図8A乃至Cは、本発明のカーナビゲーション装置における俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図4A,図6A及び図7Aに夫々対応している。
【図9】図9Aは、本発明のカーナビゲーション装置の第2俯瞰図表示モードにおける俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図9Bは、第2俯瞰図表示モードにて表示部に表示される画像を示す説明図である。
【図10】本発明のカーナビゲーション装置の第2俯瞰図表示モードにおいて、地図データで記述された平面を俯瞰する視野を示す説明図である。
【図11】本発明のカーナビゲーション装置における俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図9Aに対応している。
【符号の説明】
【0049】
(1) CPU
(3) ROM
(5) RAM
(7) GPS受信部
(13) 記録部
(15) 表示部
(21) 描画部
(31) 空領域
(32) 俯瞰図領域
(33) アイコン
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の誘導用に俯瞰図を表示するカーナビゲーション装置等の車両誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置では、俯瞰図(鳥瞰図)を表示することによって、車両の周囲に関する地理的状況を理解され易い態様でユーザに示すことが行われている。図4Aは、従来のカーナビゲーション装置における俯瞰図の作成方法を示す説明図である。俯瞰される地上はX−Y平面にある。俯瞰する視点Sは、GPS(Global Positioning System)信号を受信して求めた車両の現在位置Pや予め設定された俯角φ等から決定される。俯瞰図は、通常、車両を含むように描画されて、視点Sは、例えば、車両の現在位置Pを目的地に向かって見るように定められる。
【0003】
俯瞰される地理的範囲は、視点Sを頂点としており、視野を定める長方形abcdを断面とする四角錐がX−Y平面と交わる台形領域ABCDとなる。表示される俯瞰図は、長方形abcdへの台形領域ABCDの写像として理解される。視点Sと長方形abcdの中心を通る直線と、X−Y平面とが交わる角度が、俯角φとなる。このようにして作成される俯瞰図では、視点Sから離れた領域ほど小さい縮尺で描画されて、俯角φが小さくなるほど、描画される地理的領域は大きくなる。なお、周知のように、表示部に表示される俯瞰図は、車両の走行に合わせて適宜更新される。
【0004】
交差点が多い都市部の道路を低速で走行する場合には、車両近傍の状況を詳しく示す俯瞰図が表示されることが好ましく、高速道路を高速で走行する場合には、広い地理的範囲を示す俯瞰図が表示されることが好ましいことから、車両が走行している道路の種別に応じて俯瞰図の俯角φを変更するカーナビゲーション装置が提案されている(特許文献1参照)。このカーナビゲーション装置では、俯角φは、車両が走行する道路が一般道路である場合に大きくされており(例えば60°)、高速道路である場合に小さくされている(例えば20°)。
【特許文献1】特開2000−74678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両を運転するユーザが置かれた状況やユーザの要望は様々である。例えば、都市部の道路を低速で走行していても、比較的遠方にある目的地の位置を俯瞰図で把握したい場合は起こり得る。また、高速道路を高速で走行していても、非常に遠方の領域は表示されなくてもよいから、俯瞰図に表示される遠方領域の縮尺を大きくしたい場合は起こり得る。しかしながら、上記のカーナビゲーション装置では、このような場合において、ユーザの求めに応じると共に、車両の走行状況に適切に対応した俯瞰図を表示することは不可能であった。例えば、前者の場合に俯角φを小さくすると、車両位置P付近に関する詳細情報が表示されなくなって、車両の誘導に問題が生じてしまう。また、後者の場合に俯角φを大きくすると、俯瞰図は比較的車両に近い領域を示している一方で車両が高速に移動していることから、俯瞰図の更新が過剰に行われてしまう。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するものであって、車両の走行状況に対応すると共に、ユーザが置かれた状況やユーザの要望に応じた俯瞰図を表示可能な地図表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両誘導装置は、道路及び施設等に関する位置情報を含む地図データを用いて俯瞰図を描画し、前記俯瞰図を表示部に表示する車両誘導装置において、前記俯瞰図は、俯角が互いに異なる複数の矩形部分が、地上を連続的に示すように上下に並べられて構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の車両誘導装置では、前記複数の矩形部分の各々の俯角は、下から上に向かって大きく、又は、下から上に向かって小さくなっている。また、本発明の車両誘導装置では、最も下に位置する矩形部分は、その他の矩形部分よりも大きくされる。
【0009】
本発明の車両誘導装置は、車両の現在位置を求める位置決定部と、道路及び施設等に関する位置情報を含む地図データを記録する記録部と、前記地図データの一部を読み出して俯瞰図表示用に変換する制御部と、変換された前記地図データの一部を用いて俯瞰図の画像データを作成する描画部と、前記車両の現在位置と共に、前記画像データに基づいて前記俯瞰図を表示する表示部とを具えている車両誘導装置において、地上を俯瞰する視野が上下に並んだ複数の矩形部分に分割されると、前記制御部は、各矩形部分について、その矩形部分に対して設定された俯角で俯瞰された地上の領域に対応する前記地図データの一部を、前記記録部から読み出して変換することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車両誘導装置は、俯角が互いに異なる複数の俯瞰図を、地上を連続的に示すように上下に並べられて表示することで、車両の走行状況に対応すると共に、ユーザの要望に応じた俯瞰図を表示することを可能としている。例えば、都市部の道路を低速で走行している最中に、比較的遠方にある地点を俯瞰図で把握する場合、俯瞰図の表示領域を下側の矩形部分と、上側の矩形部分とに分けて、上側の矩形部分の俯角を下側の矩形部分の俯角よりも小さくすることで、下側の矩形部分にて車両位置付近に関する詳細情報を表示しつつ、比較的遠方にある地点を示す俯瞰図が上側の矩形部分で表示される。また、高速道路を走行中に、俯瞰図に表示される遠方領域の縮尺を大きくしたい場合、上側の矩形部分の俯角を下側の矩形部分の俯角よりも大きくすることで、表示部の画像の更新を頻繁に行うことなく、遠方領域に関する縮尺の小さな俯瞰図が上側の矩形部分に表示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を図を用いて説明する。図1は、本発明の実施例であるカーナビゲーション装置の概要を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)(1)は、カーナビゲーション装置の制御部を構成しており、カーナビゲーション装置に関する各種制御や処理を実行する。ROM(Read Only Memory)(3)には、これら制御や処理の手順を記述しており、CPU(1)によって実行されるプログラムが記憶されている。また、ROM(3)には、文字及び記号に関するフォントデータや地図の描画に使用される各種アイコンのデータ等も記憶されている。RAM(5)は、CPU(1)のワークエリアとして使用される。
【0012】
車両の位置決定部であるGPS受信部(7)は、図示を省略したアンテナを介して受信したGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置が搭載された車両の現在位置を決定する。センサ部(9)は、車両の速度を検出する車速センサや、車両の方位を検出するジャイロセンサ等で構成されている。交通情報受信部(11)は、VICS(Vehicle Information and Communication System)等の交通情報システムから道路交通情報を得るために用いられる受信機や復号器等で構成されている。
【0013】
記録部(13)は、DVD(Digital Versatile Disc)やハードディスク等の記録媒体と、該記録媒体から所望のデータを読み出すドライブ装置等とで構成されている。記録媒体には、地図を描画するために使用される地図データや後述する誘導動作を記述したプログラム等が記録されている。地図データは、道路データ、施設データ及び背景データ等を含んでおり、所定の地理的範囲で単位化されて記録部(13)に記録されている。
【0014】
道路データは、各道路区間に対応して定義されるリンクと、道路の交差点や境界点(上記の地理的範囲を規定する境界上にある点)等に対応したノードとに関する情報を含んでいる。各リンクに関する情報には、ID番号、道路の属性(例えば、一般道)及び名称(例えば、国道1号線)、道路幅、そのリンクの端点であるノードのID番号、そのリンクに接続する他のリンクのID番号等が含まれている。各ノードに関する情報には、ID番号、座標値、ノードの属性(例えば、交差点)及び名称等が含まれている。施設データは、施設の領域の座標、施設の種別及び名称、施設を3次元表示するためのポリゴンデータ等を含んでおり、背景データは、背景の種別、背景の形状を特定する要素点の座標及び標高等を含んでいる。
【0015】
表示部(15)は、液晶表示装置又はEL素子を用いた表示装置等であって、誘導用の地図や各種設定画面等を表示する。音声出力部(17)は、スピーカ、アンプ及びD/A変換器等で構成されている。CPU(1)は、誘導動作中に、車両の現在位置に基づいて誘導用の音声データを適宜生成し、生成された音声データは音声出力部(17)で再生される。操作部(19)は、表示部(15)の表示領域上に設けられたタッチパネル、各種ハードキー及びリモートコントローラ等で構成されている。
【0016】
描画部(21)には、2次元及び3次元描画用のグラフィックスエンジンを搭載したIC(Integrated Circuit)が使用されており、CPU(1)から指示が送られると、描画部(21)は、記録部(13)から読み出された地図データを用いて、各種地図の画像データを作成する。描画部(21)で作成された画像データはVRAM(23)に記憶されて、表示部(15)は、VRAM(23)に記憶された画像データに基づいて地図を表示する。本実施例のカーナビゲーション装置では、2次元の平面地図、2次元の俯瞰図、施設や背景等をポリゴン表示した3次元の俯瞰図などを描画可能である。
【0017】
図2は、本実施例のカーナビゲーション装置の誘導動作を示すフローチャートである。操作部(19)を介して誘導動作の開始が指示されると、表示部(15)に設定画面が表示されて、目的地の入力がユーザに促される(S1)。ステップS1では、目的地に加えて、1又は複数の経由地も入力可能である。目的地の入力が完了すると、CPU(1)は、出発地から目的地に至る誘導経路を決定する経路探索処理を実行する(S3)。ステップS3では、GPS受信部(7)で決定された車両の現在位置が出発地とされ、経路探索処理は、例えばダイクストラ法やその改良法を用いて実行される。ステップS1にて、経由地が入力された場合には、経由地を通って目的地に至るように誘導経路が決定される。決定された誘導経路は、例えばリンク列として表現されてRAM(5)に記憶される。
【0018】
ステップS3の後、表示部(15)に設定画面が表示されて、誘導経路に沿って表示される誘導用の地図の表示モードの選択と、各表示モードにおける設定とに関する入力がユーザに対して促される(S5)。本実施例のカーナビゲーション装置における地図の表示モードには、平面地図表示モード、第1俯瞰図表示モード及び第2俯瞰図表示モードがあって、ステップS5では、これらの中から表示モードが選択される。平面地図表示モードは、平面地図を表示するモードであり、第1俯瞰図表示モードは、従来と同様な形態で俯瞰図を表示するモードであり、第2俯瞰図表示モードは、後述するように本発明が特徴とする形態で俯瞰図を表示する表示モードである。さらに、ステップS5では、第1又は第2俯瞰図表示モードにおける施設や背景等のポリゴン表示の有無や、第1又は第2俯瞰図表示モードにて用いられる各種パラメータ(例えば、後述する高さH、距離Lや幅W1等)が、ユーザにより設定可能である。
【0019】
ステップS5にて、表示モードの選択及び設定が行われた後、GPS受信部(7)は、車両の現在位置を決定する(S7)。そして、CPU(1)は、その現在位置に基づいて地図の描画が必要であるか否かを判断する(S9)。例えば、地図を前回描画した際の位置から(ステップS7で求めた最新の)現在位置までに至る車両の走行距離が所定の値を超えた場合や、現在表示されている地図において、ステップS7で求めた車両の現在位置が所定の領域(例えば、地図の上半分)内に配置されてしまう場合に、地図の描画が必要であると判断される。ステップS9が始めて行われる場合にも、地図の描画が必要であると判断される。ステップS9にて、地図の描画が必要であると判断されると、後述する地図描画処理が実行される(S11)。ステップS11の後、ステップS7及びそれ以降の処理が再度実行される。
【0020】
ステップS9にて、地図の描画が不要であると判断されると、誘導動作を終了するか否か判断される(S13)。例えば、ステップS7にて得られた現在位置から、車両が現在目的地に到達したと判断される場合や、操作部(19)を介して終了が指示された場合に、誘導動作は終了される。ステップS13にて、誘導動作を終了しないと判断されると、地図と共に表示されている車両位置を示すアイコン(例えば、図4B参照)の位置を更新する処理が行われる(S15)。ステップS15の後、ステップS7及びそれ以降の処理が再度行われる。
【0021】
図3は、図2に示すステップS11の地図描画処理について詳細を示すフローチャートである。まず、平面地図表示モードが選択されているか否かが判断される(S31)。平面地図表示モードが選択されている場合、ステップS31の後、車両の現在位置を含む所定の範囲の地図データが、記録部(13)から読み出されてRAM(5)に記憶される(S33)。そして、描画部(21)は、ステップS33で読み出された地図データや(ROM(3)に記憶されている)施設等を示すアイコンのデータ等を用いて平面地図を描画して、その画像データを作成する(S35)。ステップS35にて作成された画像データは、車両位置を示すアイコンを示すデータと合成された後にVRAM(23)に記憶される(S37)。そして、表示部(15)は、VRAM(23)に記憶された画像データに基づいて地図を表示する処理を行う(S39)。
【0022】
ステップS31にて、平面地図表示モードが選択されていないと判断された場合、俯瞰図が描画されることから、俯瞰を行う視点Sと俯角φとが決定される(S41)。ROM(3)には、車両の走行状態に応じて視点Sを与える数値を記載したテーブルが記憶されており、ステップS41にて、CPU(1)は、車両の走行状態に基づいて、そのテーブルを参照して視点Sを決定する(視点SのX、Y及びZ座標の値が決定される)。
【0023】
図4Aは、第1俯瞰図表示モードにおける俯瞰図の作成方法を示す説明図である。地上、つまり地図データで記述される平面は、X−Y平面上にある。交点Oは、視点SからX−Y平面に下した垂線とX−Y平面との交点であって、視点Sは、例えば、交点Oから、車両の現在位置Pを見る向きが、交点Oから目的地(又は経由地)を見る向きと一致するように、又はセンサ部(9)で検出された車両の向きに沿うように決定される。ROM(3)に記憶されているテーブルには、例えば、車両が高速道路を走行している場合と一般道路を走行している場合の各々について、視点Sの高さHと、交点Oと車両の現在位置Pとの間の距離Lと、俯角φとが記載されている。車両が高速道路を走行している場合の高さHは、一般道路を走行している場合の高さHよりも小さく、高速道路を走行している場合の距離Lは、一般道路を走行している場合の距離Lよりも大きくされる。また、高速道路を走行している場合の俯角φは、一般道路を走行している場合の俯角φよりも小さくされる。なお、図4A(及び以後に参照する同様な図)では、簡単のために、交点Oを原点とし、車両の現在位置PがY軸上にある座標系を採用している。
【0024】
ステップS41にて、視点Sが決定されると、第1俯瞰図表示モードが選択されているか否かが判断される(S43)。第1俯瞰図表示モードが選択されている場合、俯瞰図の描画に必要な範囲の地図データが記録部(13)から読み出されて、RAM(5)に記憶される(S45)。図4Aを参照すると、描画されるX−Y平面上の領域は、視点Sを頂点とした四角錐がX−Y平面と交わる台形領域ABCDとなる。ステップS45では、この台形領域ABCDを含む範囲に関する地図データが記録部(13)から読み出される。
【0025】
ステップS45の後、読み出されてRAM(5)に記憶されている地図データやROM(3)に記憶されているアイコンのデータ等を用いて、俯瞰図が描画される(S47)。図5は、俯瞰する視野を示す説明図である。X−Y平面を俯瞰する長方形の視野を定める横方向の見開き角度πと、縦方向の見開き角度ηとは、この視野が、表示部(15)における俯瞰図の表示領域と相似形になるように予め定められている。視点Sとそれを頂点とした四角錐の断面である長方形abcdの中心とを通る直線と、X−Y平面とが成す角度が俯角φとなっている。描画部(21)にて描画される俯瞰図は、視野を与える長方形abcdに台形領域ABCD内の領域を投影した写像である(例えば、点Aは、視点Sと点aを通る直線とX−Y平面との交点である)。ステップS47では、CPU(1)は、読み出された地図データに含まれる座標値を(長方形abcd上の座標値に)変換して俯瞰図表示用のデータ(以下、「俯瞰図データ」と称する)を作成する処理を行う。そして、CPU(1)からの指示によって、描画部(21)は、作成された俯瞰図データを用いて俯瞰図を描画する。施設や背景のポリゴン表示が行われる場合には、施設のポリゴンデータや背景の標高情報が参照されて、3次元の俯瞰図が描画される。
【0026】
ステップS47の後、ステップS37が実行されて、描画部(21)は、ステップS45にて作成した俯瞰図の画像データに、空の領域を示す画像データや、車両位置を示すアイコンのデータ等を合成して表示用の画像データを作成し、VRAM(23)に記憶する。その後、ステップS39が実行されて、VRAM(23)に記憶された画像データに基づいて誘導用の地図が表示部に表示される。
【0027】
図4Bは、第1俯瞰図表示モードにてステップS39が実行されて、表示部(15)に表示される画像を示す説明図である。画像の上部は空領域(31)であって、その幅W1(例えば、縦方向の画素数で特定される)は予め定められている。俯瞰図(32)は、空領域(31)の下に表示されており、俯瞰図(32)内には、車両位置Pを示すアイコン(33)が表示されている。俯瞰図(32)には、図示は省略するが、アイコン(33)に加えて、道路形状、道路標識、道路情報、VICS情報、交差点情報、施設形状、施設形状、施設のアイコン、地名、経由地や目的地を示すアイコンなどが描画される(以後に示す図6B等においても同様)。なお、図4B(及びその他の同様な図)には、地図データで記述される平面上に等間隔で格子状に配置された線の写像である縦グリッド線(34)及び横グリッド線(35)が示されているが、これらは表示部(15)に表示されなくともよい。
【0028】
ステップS43にて、第1俯瞰図表示モードが選択されていないと判断された場合には、第2俯瞰図表示モードで俯瞰図を描画する処理が行われる。第2俯瞰図表示モードでは、表示される俯瞰図は、ステップS41で決定した俯角φで地上を俯瞰した領域と、この俯角φと夫々異なる角度で地上を俯瞰した1又は複数の領域とで構成される(以下、これらの領域を「分割領域」と称する)。各分割領域の形状は矩形にされて、上下に配列される。これら分割領域は、全体として地上を連続的に示しており、ある分割領域は、その下にある分割領域と地理的に繋がっており、これら分割領域の俯角は、下から上に向かって大きく又は小さくなっているのが好ましい。また、最も下にある分割領域の幅(大きさ)は、その他の分割領域と比較して最も大きくされるのが好ましく、俯瞰図全体の半分以上を占めるのがさらに好ましい。例えば、第2俯瞰図表示モードにて表示される画像は、図4Bに示す俯瞰図(32)において、幅W2を有する上側矩形部分(分割領域)が、俯角φと異なる俯角で地上を俯瞰した俯瞰図に変更されたものとなる。なお、幅W2は、俯角φで地上を俯瞰した下側矩形部分の幅W3よりも小さくされる。
【0029】
ステップS43にて、第1俯瞰図表示モードが選択されていないと判断された場合、CPU(1)は、分割領域を特定する数値(例えば、幅W2やW3など)と、俯角φの分割領域を除く各分割領域における俯角の変化(又は俯角)とを決定する(S49)。例えば、ROM(3)には、ステップS49で参照されるテーブルが記憶されており、該テーブルには、車両が高速道路を走行している場合と一般道路を走行している場合の各々について、分割領域を特定する数値と、俯角φの分割領域を除く各分割領域における俯角の変化とが記載されている。なお、これらの値は、例えばステップS5にて、ユーザによって自由に設定されてもよく、図2及び図3に示す誘導動作の最中に、操作部(19)を介して所定の操作が行われると、割り込み処理にて設定画面が表示されて、これらの値の設定や変更が(さらには、表示モードの設定や変更等も)行われてもよい。
【0030】
例として、図4Bに示した幅W2を有する矩形の上側分割領域と、その分割領域における俯角の変化θとが、ステップS49にて特定された場合を考える。図4B及び図5にて、上側分割領域及びそれに相当する視野は、長方形efcdで示されており、下側分割領域及びそれに相当する視野は、長方形abfeで示されている。点Eは、視点Sと点eとを結ぶ直線と、X−Y平面との交点であって、点Fは、視点Sと点fとを結ぶ直線と、X−Y平面との交点である。
【0031】
図6Aは、図4Bに示す上側分割領域について、俯角φよりも角度θだけ俯角を大きくした俯瞰図を作成する方法を示す説明図である。下側分割領域については、先の説明と同様に台形領域ABFEが長方形abfeに写像するように地図データが変換されて、俯瞰図データが作成される。上側分割領域の俯瞰図は、地図データで記述される平面を、直線EFを軸にして角度θだけ(図において)反時計方向に回転させた状態で、台形領域EFC'D'を、長方形efcdに写像したものとして理解される。台形領域EFC'D'は、視点Sを頂点とし、長方形efcdを断面とする四角錐が、回転された平面と交差する領域である。図7Aは、図4Bに示す上側分割領域について、俯角φよりも角度θだけ俯角を小さくした俯瞰図を作成する方法を示す説明図である。上側分割領域については、地図データで記述される平面を、直線EFを軸にして角度θだけ(図において)時計方向に回転させた状態で、台形領域EFC''D''を、長方形efcdに写像したものとして理解される。台形領域EFC''D''は、視点Sを頂点とし、長方形efcdを断面とする四角錐が、回転された平面と交差する領域である。
【0032】
図8A乃至Cは、図4A、図6A及び図7Aに夫々対応した説明図であって、X軸方向から見た図である。図8Bには、直線EFを軸として反時計方向に角度θだけ回転した座標系も示されており、図8Cには、直線EFを軸として時計方向に角度θだけ回転した座標系も示されている(視点Sは空間に固定されており、上述のように定義した交点Oは、X−Y平面上にて移動する)。図8Bを参照すると、上側分割領域の俯瞰図は、図5に示す視野で、視点Sから俯角φ+θでX−Y平面を俯瞰した場合に、長方形efcdに写る写像であると理解される。なお、図8Bにおける視点Sを定める高さH及び距離Lは、図8Aにおける値と異なっている。図8Bにおける高さH及び距離Lは、視点Sを頂点とする四角錐を、図8Aに示す状態から、直線EFを軸として俯角φ+θを与えるように回転することで決定される。また、図8Cを参照すると、上側分割領域の俯瞰図は、図5に示す視野で、視点Sから俯角φ−θでX−Y平面を俯瞰した場合に、長方形efcdに写る写像であると理解される。図8Cにおける視点Sの高さH及び距離Lは、視点Sを頂点とする四角錐を、図8Aに示す状態から、直線EFを軸として俯角φ−θを与えるように回転することで決定される。
【0033】
図3を再度参照すると、ステップS49で確認した情報に基づいて、最初の分割領域に対応する地理的領域(例えば、俯角φで俯瞰される領域)を含む地図データの一部が読み出された後(S51)、ステップS47と同様にして俯瞰図が描画されて、その画像データが作成される(S53)。例えば、図6A及び図7Aに示した例では、ステップS51にて、台形領域ABFEを含む地理的領域について地図データが読み出されて、ステップS53にて、下側分割領域に表示される(長方形abfeへの台形領域ABFEの写像である)俯角φの俯瞰図が描画される。
【0034】
ステップS53の後、全ての分割領域について俯瞰図の描画が終了したか否かが判断される(S55)。描画が行われていない分割領域がある場合、ステップS51及びS53が再度実行される。図6Aに示した例では、再度行われるステップS51にて、台形領域EFC'D'を含む地理的範囲について地図データが読み出されて、再度行われるステップS53にて、この地図データを用いて、上側分割領域に表示される(長方形efcdへの写像である)俯角φ+θの俯瞰図が描画される。図7Aに示した例では、再度行われるステップS51にて、台形領域EFC''D''を含む地理的範囲について地図データが読み出されて、再度行われるステップS53にて、読み出された地図データを用いて、上側分割領域に表示される(長方形efcdへの写像である)俯角φ−θの俯瞰図が描画される。
【0035】
全ての分割領域について俯瞰図の描画が完了すると、ステップS37が実行されて、描画部(21)は、ステップS53を繰り返すことで作成された複数の画像データと、空領域(31)を示す画像データと、車両位置を示すアイコン(33)のデータ等とを合成して表示用の画像データを作成し、VRAM(23)に記憶する。その後、ステップS39が実行されて、第2俯瞰図表示モードにおける誘導用の地図が表示部に表示される。
【0036】
図6Bは、図6Aに示した場合に表示部(15)に表示される画像を示す説明図である。下側分割領域は、図4Bと同じ俯角φで俯瞰図が表示されているが、上側分割領域には、下側分割領域よりも大きい俯角φ+θで俯瞰図が表示されている。上側分割領域に示される地理的領域は、図4Bと比較して狭くなっている一方で、縮尺は大きくなっている。線分efを境にして、縦グリッド線(34)は、上側分割領域にて間隔が広がるように屈曲しており、上側分割領域における横グリッド線(35)の間隔は、図4Bと比較して広くなる。
【0037】
図7Bは、図7Aに示した場合に表示部(15)に表示される画像を示す説明図である。下側分割領域は、図4Bと同じ俯角φで俯瞰図が表示されているが、上側分割領域には、下側分割領域よりも小さい俯角φ−θで俯瞰図が表示されている。上側分割領域に示される地理的領域は、図4Bと比較して広くなっており、上側分割領域の縮尺は、図4Bと比較して小さくなっている。線分efを境にして、縦グリッド線(34)は、上側分割領域にて間隔が狭くなるように屈曲しており、上側分割領域における横グリッド線(35)の間隔は、図4Bと比較して狭くなる。
【0038】
図6B及び図7Bに示した例は、俯瞰図の表示領域を2分割して、これら2つの分割領域の俯角を変化させているが、先にも述べたように、また、図3のフローチャートでも明らかなように、本発明において、分割領域の数は基本的に限定されない(現実的には、表示部(15)の画面の大きさや解像度等から制限されるであろう)。図9Aは、俯瞰図の表示領域が俯角が異なる3つの分割領域に分割される場合の作図方法を示す説明図である。図9Bは、この場合において表示部(15)に表示される画像を示す説明図である。図9Bでは、俯瞰図の表示領域が、幅W4を有する第1分割領域と、幅W3を有する第2分割領域と、幅W2を有する第3分割領域とに分割されている。第1分割領域には俯角φの俯瞰図が示され、第2分割領域には俯角φ+θ1の俯瞰図が示され、第3分割領域は俯角φ+θ2の俯瞰図が示される。なお、θ2はθ1よりも大きい。図10は、視野を示す説明図である。長方形abfeは第1分割領域に、長方形eff'e'は第2分割領域に、長方形e'f'cdは第3分割領域に対応している。
【0039】
第1分割領域の俯瞰図は、先に説明したように作成される。地図データで記述される平面において、第2分割領域に対応する台形領域EFF'E'を定める点E'及び点F'は、次のように決定される。点E'は、地図データで記述される平面を、直線EFを軸として反時計方向に角度θ1だけ回転させて、視点Sと点e'を結ぶ直線と、回転された平面との交点となる。点F'は、視点Sと点f'を結ぶ直線と、回転された平面との交点となる。第2分割領域の俯瞰図は、地図データで記述される平面を直線EFを軸として反時計方向に角度θ1だけ回転させた状態における、台形領域EFF'E'の長方形eff'e' への写像として理解される。
【0040】
第3分割領域に対応する台形領域E'F'C''D''を定める点C''及びD''は、次のように決定される。地図データで記述される平面を直線EFを軸として反時計方向に角度θ1だけ回転させた後、さらに直線E'F'を軸として反時計方向に角度θ2−θ1だけ回転させる。視点Sと点cを結ぶ直線と、回転された平面との交点が点C''となる。また、視点Sと点dを結ぶ直線と、回転された平面との交点が点D''となる。第3分割領域の俯瞰図は、地図データで記述される平面を、直線EFを軸として反時計方向に角度θ1だけ回転させ、さらに直線E'F'を軸として反時計方向に角度θ2−θ1だけ回転させた状態における台形領域E'F'C''D''の長方形e'f'cdへの写像として理解される。
【0041】
図11は、図9Aに対応した説明図であって、図9Aに示す状況をX軸方向から見た図である。図11には、直線EFを軸として角度θ1だけ反時計方向に回転された座標系と、直線E'F'を軸としてさらに角度θ2−θ1だけ反時計方向に回転された座標系とが示されている(視点Sは空間に固定されており、交点Oは、X−Y平面上にて移動する)。図11を見ると、第2分割領域の俯瞰図は、図5に示す視野で、視点Sから俯角φ+θ1でX−Y平面を俯瞰した場合に、長方形eff'e'に写る写像であると理解される。なお、この場合における視点Sは、視点Sを頂点とする四角錐を、図8Aに示す状態から、直線EFを軸として俯角φ+θ1を与えるように回転することで決定される。また、第3分割領域の俯瞰図は、図5に示す視野で、視点Sから俯角φ+θ2でX−Y平面を俯瞰した場合に、長方形e'f'cdに写る写像であると理解される。この場合における視点Sは、視点Sを頂点とする四角錐を、図8Aに示す状態から、直線E'F'回りで俯角φ+θ2を与えるように回転することで決定される。
【0042】
第2俯瞰図表示モードでは、図3のステップS41で定められた視点Sや車両の現在位置Pに基づいて、分割領域が定められてもよい。例えば、図4Aに示すように、交点Oから(進行方向に)所定の距離Rだけ離れており、直線OPと直交する直線を境にして、車両の現在位置Pから遠い領域について俯角を変更するように、第2俯瞰図表示モードが実行されてもよい。この場合、視点Sを頂点とする四角錐と、境界になる直線との交点として、上述の点E及びFは定められる。これにより、点e及びfが、さらには上述の上側分割領域及び下側分割領域が定められる。
【0043】
操作部(19)には、表示部(15)に表示された地図をスクロールさせるためのスクロールキー(図示せず)が設けられている。平面地図表示モード、第1及び第2俯瞰図表示モードにおいて地図が表示部(15)に表示されている際に、スクロールキーが操作されると、割り込み処理が実行されて地図が示す領域が移動する。例えば、第2俯瞰図表示モードにおいてスクロールキーが操作されると、スクロールキーの押下位置と押下時間とに応じて、視点SをZ軸に垂直な面内で移動させる処理が行われて、新たな視点Sについて、図4に示すステップS51乃至S55と、ステップS37及びS39と同様な処理が行われる。これによって、俯角が異なる複数の分割領域がスクロールされる。
【0044】
また、本実施例のカーナビゲーション装置では、表示部(15)に地図が表示されている際に、画面上にて特定の施設が操作部(19)を介して選択されると、割り込み処理が実行されて、その施設周辺の(詳細な)俯瞰図が表示される。この処理にて表示される俯瞰図も、上記の第2俯瞰図表示モードにおける俯瞰図のように、俯角が異なる複数の分割領域で構成することが可能である。例えば、ある施設周辺の俯瞰図の表示が指示されると、図3に示すステップS49と同様な処理が行われることで、施設付近に視点Sが定められる(さらには、分割領域や俯角等が決定される)。そして、ステップS51乃至S55、さらにはステップS37及びS39と同様な処理が行われて、第2俯瞰図表示モードと同じように施設周辺の俯瞰図が表示部(15)に表示される。
【0045】
さらに、本実施例のカーナビゲーション装置では、表示部(15)にある種の地図が表示されている際に所定の操作が行われると、割り込み処理が実行されて、表示部(15)に複数の種類の地図が表示される。例えば、表示部(15)に平面地図が表示されている際に、この操作が行われると、表示部(15)の左半分に平面地図が、右半分に俯瞰図(と空)が表示される。この俯瞰図も、ユーザの好みによって、上述した第2俯瞰図表示モードと同じように俯角が異なる複数の分割領域で構成されてよい。また、表示部(15)に第2俯瞰図表示モードで俯瞰図が表示されている際に、この操作が行われると、表示部(15)の左半分に俯角が異なる複数の分割領域で構成された俯瞰図が、右半分に平面地図が表示される。
【0046】
上述した本発明の説明と異なる数学的表現を用いて、本発明を説明できることに留意すべきである。例えば、図6A、図6B及び図8Bと共に説明した例では、上側分割領域の俯瞰図は、視点Sから長方形efcdを視野として、台形領域EFCDを俯瞰したものであって、この俯角は、視点Sと長方形efcdの中心とを通る直線と、台形領域EFCDとが成す角度として理解されてもよい。また、下側分割領域の俯瞰図は、視点Sから長方形abfeを視野として、台形領域ABFDを俯瞰したものであって、この俯角は、視点Sと長方形abfeの中心とを通る直線と、台形領域ABFDとが成す角度として理解されてもよい。
【0047】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。また、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例であるカーナビゲーション装置の概要を示すブロック図である。
【図2】本発明のカーナビゲーション装置の誘導動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明のカーナビゲーション装置の地図描画処理の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図4Aは、本発明のカーナビゲーション装置の第1俯瞰図表示モードにおける俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図4Bは、第1俯瞰図表示モードにて表示部に表示される画像を示す説明図である。
【図5】本発明のカーナビゲーション装置の第2俯瞰図表示モードにおいて、地図データで記述された平面を俯瞰する視野を示す説明図である。
【図6】図6Aは、本発明のカーナビゲーション装置の第2俯瞰図表示モードにおける俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図6Bは、第2俯瞰図表示モードにて表示部に表示される画像を示す説明図である。
【図7】図7Aは、本発明のカーナビゲーション装置の第2俯瞰図表示モードにおける俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図7Bは、第2俯瞰図表示モードにて表示部に表示される画像を示す説明図である。
【図8】図8A乃至Cは、本発明のカーナビゲーション装置における俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図4A,図6A及び図7Aに夫々対応している。
【図9】図9Aは、本発明のカーナビゲーション装置の第2俯瞰図表示モードにおける俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図9Bは、第2俯瞰図表示モードにて表示部に表示される画像を示す説明図である。
【図10】本発明のカーナビゲーション装置の第2俯瞰図表示モードにおいて、地図データで記述された平面を俯瞰する視野を示す説明図である。
【図11】本発明のカーナビゲーション装置における俯瞰図の作成方法を示す説明図であり、図9Aに対応している。
【符号の説明】
【0049】
(1) CPU
(3) ROM
(5) RAM
(7) GPS受信部
(13) 記録部
(15) 表示部
(21) 描画部
(31) 空領域
(32) 俯瞰図領域
(33) アイコン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路及び施設等に関する位置情報を含む地図データを用いて俯瞰図を描画し、前記俯瞰図を表示部に表示する車両誘導装置において、
前記俯瞰図は、俯角が互いに異なる複数の矩形部分が、地上を連続的に示すように上下に並べられて構成されていることを特徴とする車両誘導装置。
【請求項2】
前記複数の矩形部分の各々の俯角は、下から上に向かって大きくなっている、請求項1に記載の車両誘導装置。
【請求項3】
前記複数の矩形部分の各々の俯角は、下から上に向かって小さくなっている、請求項1に記載の車両誘導装置。
【請求項4】
最も下に位置する矩形部分は、その他の矩形部分よりも大きくなっている、請求項1乃至3の何れかに記載の車両誘導装置。
【請求項5】
車両の現在位置を求める位置決定部と、道路及び施設等に関する位置情報を含む地図データを記録する記録部と、前記地図データの一部を読み出して俯瞰図表示用に変換する制御部と、変換された前記地図データの一部を用いて俯瞰図の画像データを作成する描画部と、前記車両の現在位置と共に、前記画像データに基づいて前記俯瞰図を表示する表示部とを具えている車両誘導装置において、
地上を俯瞰する視野が上下に並んだ複数の矩形部分に分割されると、前記制御部は、各矩形部分について、その矩形部分に対して設定された俯角で俯瞰された地上の領域に対応する前記地図データの一部を、前記記録部から読み出して変換することを特徴とする車両誘導装置。
【請求項1】
道路及び施設等に関する位置情報を含む地図データを用いて俯瞰図を描画し、前記俯瞰図を表示部に表示する車両誘導装置において、
前記俯瞰図は、俯角が互いに異なる複数の矩形部分が、地上を連続的に示すように上下に並べられて構成されていることを特徴とする車両誘導装置。
【請求項2】
前記複数の矩形部分の各々の俯角は、下から上に向かって大きくなっている、請求項1に記載の車両誘導装置。
【請求項3】
前記複数の矩形部分の各々の俯角は、下から上に向かって小さくなっている、請求項1に記載の車両誘導装置。
【請求項4】
最も下に位置する矩形部分は、その他の矩形部分よりも大きくなっている、請求項1乃至3の何れかに記載の車両誘導装置。
【請求項5】
車両の現在位置を求める位置決定部と、道路及び施設等に関する位置情報を含む地図データを記録する記録部と、前記地図データの一部を読み出して俯瞰図表示用に変換する制御部と、変換された前記地図データの一部を用いて俯瞰図の画像データを作成する描画部と、前記車両の現在位置と共に、前記画像データに基づいて前記俯瞰図を表示する表示部とを具えている車両誘導装置において、
地上を俯瞰する視野が上下に並んだ複数の矩形部分に分割されると、前記制御部は、各矩形部分について、その矩形部分に対して設定された俯角で俯瞰された地上の領域に対応する前記地図データの一部を、前記記録部から読み出して変換することを特徴とする車両誘導装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−78774(P2007−78774A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263334(P2005−263334)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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