説明

車載情報端末

【課題】不要な登録情報が他の端末に移し替えられるのを防止し、登録情報を移し替えられた端末において記憶容量が無駄に消費されるのを避ける車載情報端末を提供する。
【解決手段】ユーザによって登録された登録地データをフラッシュメモリに記憶しておき、登録地データの抽出条件として目的地回数を設定する(ステップS10)。記憶された登録地データのうち、過去に目的地に設定された回数が抽出条件とした目的地回数以上である登録地データや(ステップS50)、抽出条件未満でユーザに選択された登録地データを(ステップS90)、エクスポートデータとしてメモリカードへ出力し、メモリカードに書き込む(ステップS110)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに登録された登録情報を他の端末に移し替えることができる車載情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが自宅など特定の地点を登録地として予め登録しておき、その登録地から選択した地点を目的地に設定することにより、使用頻度の高い目的地について素早く設定できるようにしたナビゲーション装置が広く知られている。このようなナビゲーション装置において、メモリカードのような不揮発性の記憶媒体を用いて、登録地のデータを他のナビゲーション装置に移し替えることができるものが知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−83527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるナビゲーション装置では、登録されている全ての登録地データが他のナビゲーション装置へと移し替えられる。したがって、実際には使用されていない不要な登録地データまでもが移し替えられてしまうため、その登録地データを移し替えられた他のナビゲーション装置において、記憶容量が無駄に消費されるという問題が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、ユーザによって登録された登録情報を用いて各種の処理を実行するとともに、接続された中継手段を介してその登録情報を外部へ出力する車載情報端末において、登録情報を記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶された登録情報の一部をその使用履歴に基づいて抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された登録情報を中継手段に出力する出力手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1の車載情報端末において、登録情報とは、ユーザによって登録された各登録地の位置情報と、各登録地が過去に目的地に設定された回数情報とを少なくとも含む登録地データであり、抽出手段は、記憶手段により記憶された登録地データのうち、過去に目的地に設定された回数が抽出条件として設定された回数以上である登録地についての登録地データを抽出するものである。
請求項3の発明は、請求項2の車載情報端末において、記憶手段により記憶された登録地データであって、抽出手段により抽出されなかった登録地データの中から、いずれかの登録地データをユーザの操作に応じて選択する選択手段をさらに備え、出力手段は、抽出手段により抽出された登録地データと、選択手段により選択された登録地データとを中継手段に出力するものである。
請求項4の発明は、請求項3の車載情報端末において、登録地データには、各登録地が最後に目的地に設定された日付情報がさらに含まれており、記憶手段により記憶された登録地データであって、抽出手段により抽出されなかった登録地データについて、日付情報を含む登録地データの一覧画面を表示モニタに表示し、その一覧画面の中からいずれかの登録地データを選択手段により選択するものである。
請求項5の発明は、外部の端末においてユーザによって登録された登録情報を、接続された中継手段を介して入力し、その登録情報を用いて各種の処理を実行する車載情報端末において、入力された登録情報の一部をその使用履歴に基づいて抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された登録情報を記憶する記憶手段とを備えるものである。
請求項6の発明は、請求項5の車載情報端末において、登録情報とは、ユーザによって登録された各登録地の位置情報と、各登録地が過去に目的地に設定された回数情報とを少なくとも含む登録地データであり、抽出手段は、入力された登録地データのうち、過去に目的地に設定された回数が抽出条件として設定された回数以上である登録地についての登録地データを抽出するものである。
請求項7の発明は、請求項6の車載情報端末において、入力された登録地データであって、抽出手段により抽出されなかった登録地データの中から、いずれかの登録地データをユーザの操作に応じて選択する選択手段をさらに備え、記憶手段は、抽出手段により抽出された登録地データと、選択手段により選択された登録地データとを記憶するものである。
請求項8の発明は、請求項7の車載情報端末において、登録地データには、各登録地が最後に目的地に設定された日付情報がさらに含まれており、入力された登録地データであって、抽出手段により抽出されなかった登録地データについて、日付情報を含む登録地データの一覧画面を表示モニタに表示し、一覧画面の中からいずれかの登録地データを選択手段により選択するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、登録地データなどのユーザに登録された登録情報を他の端末に移し替えることができる車載情報端末において、不要な登録情報が移し替えられるのを防止して、登録情報を移し替えられた端末において記憶容量が無駄に消費されるのを避けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−第1の実施の形態−
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。ナビゲーション装置1とナビゲーション装置2は、同じ構成を有しており、不揮発性の可般型記憶媒体であるメモリカード3を挿し換えて交換することにより、メモリカード3を介して登録地データを移し替えることができる。以下ではナビゲーション装置1の構成について説明し、ナビゲーション装置2は同じ構成であるため説明を省略する。
【0008】
ナビゲーション装置1は、メモリカードスロット10、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、フラッシュメモリ15、表示モニタ16、入力装置17およびディスクドライブ18を有している。メモリカードスロット10には、メモリカード3が装填される。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0009】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することにより、各種の処理や制御を行う。この制御回路11において、DVD−ROM19に記録された地図データに基づいて、設定された目的地までの推奨経路の探索処理など、様々な処理が行われる。
【0010】
現在地検出装置14は、自車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された自車両の現在地に基づいて、推奨経路を探索するときの経路探索開始点を決定することができる。
【0011】
フラッシュメモリ15は、ナビゲーション装置1の電源が切断されてもその記憶内容を保持できる不揮発性のメモリである。フラッシュメモリ15には、ユーザによって登録された登録地データが記憶される。ユーザは、特定の地点を地図上で指定し、その地点を登録地として予め登録しておくことができる。各登録地の名称は、地図データに基づいて自動的に対応する地名や施設名などが付与されるが、たとえば「自宅」などのように、ユーザが任意の名称を付与することもできる。
【0012】
フラッシュメモリ15により記憶された登録地データは、ユーザの操作によって目的地の設定時に呼び出し、いずれかの登録地を目的地として選択することができる。なお、後述するようにDVD−ROM19の代わりにハードディスクから地図データを読み出す場合には、フラッシュメモリ15を使用せず、そのハードディスクに登録地データを記録することとしてもよい。
【0013】
表示モニタ16は、DVD−ROM19に記録されている地図データ等に基づいて制御回路11により作成される画像データを用いて、地図画像などの様々な画像を表示する。入力装置17は、登録地の設定や推奨経路を探索するための目的地設定など、様々な操作入力をユーザが行うための各種の入力スイッチを有している。この入力装置17は、操作パネルやリモコンなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16に表示される画面指示に従って入力装置17を適宜操作することで、各種処理をナビゲーション装置1に実行させることができる。
【0014】
ディスクドライブ18は、装填されたDVD−ROM19より地図データを読み出す。地図データには、目的地までのルート探索に用いられる経路計算データや、交差点名称および道路名称など、推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられる経路誘導データ、道路を表す道路データなどが含まれている。また、各種施設や河川、鉄道など、道路以外の地図形状を表す背景データなども地図データに含まれている。
【0015】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより、地図データを読み出すこととしてもよい。
【0016】
ユーザが入力装置17を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までのルート探索を行う。ルート探索の結果求められた推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して地図上に表される。これにより、ユーザは推奨経路を表示モニタ16に表示された地図上において認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このように、地図上に表示された推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導することにより、目的地までのルート案内が行われる。
【0017】
図2は、フラッシュメモリ15に記憶されている登録地データの例である。ここでは、「自宅」、「Tドーム」、「Oドーム」、「Dランド」、「Sランド」および「M病院」の合計6ヶ所の登録地データが記録されている例を示している。図2に示すように、登録地データには各登録地の名称と、各登録地の地図上の位置を表す座標値と、各登録地の種別を表すグループ番号(Gr)と、各登録地が過去にそれぞれ目的地に設定された回数を表す目的地回数と、各登録地が最後に目的地に設定された日付を表す最終使用日とが記録されている。このうち目的地回数と最終使用日は、ユーザの使用履歴に応じて随時更新される。
【0018】
登録地から目的地を設定する際には、最初に登録地の一覧が表示され、その一覧からいずれかの登録地がユーザに選択されると、その登録地の位置が表示される。その後、選択された目的地を登録地に設定するか否かがユーザによって選択される。したがって、目的地回数については、実際に目的地に設定された場合のみカウントアップしてもよいし、あるいは目的地に設定されなくても、登録地の一覧から選択されてその位置が表示された場合にカウントアップするようにしてもよい。
【0019】
ナビゲーション装置1においてフラッシュメモリ15に記憶された図2の登録地データを、メモリカード3を介してナビゲーション装置2へ移し替える方法について説明する。メモリカード3がメモリカードスロット10に装填されると、ナビゲーション装置1とメモリカード3が接続される。この状態で、入力装置17を用いて所定のメニュー操作がユーザにより行われると、登録地データの移し替え処理が開始される。
【0020】
登録地データの移し替え処理が開始されると、初めに図3に示すような画面が表示モニタ16に表示される。この画面では、各登録地の使用履歴、すなわち過去に目的地に設定された回数により、登録地データの抽出条件が設定される。ユーザが入力装置17を用いてタブ31を選択すると、登録地データの抽出条件として設定可能な目的地回数の値が一覧表示される。その中からユーザに選択された目的地回数が、登録地データの抽出条件として設定される。図3では、目的地回数に「3」を選択して登録地データの抽出条件に設定した例を示している。
【0021】
上記のようにして登録地データの抽出条件が設定されると、フラッシュメモリ15に記録されている登録地データのうち、設定された抽出条件を満たす登録地データが表示モニタ16に一覧表示される。すなわち、過去に目的地に設定された回数が図3の画面によって抽出条件に設定された目的地回数以上である登録地について、登録地データが一覧表示される。
【0022】
抽出条件を満たす登録地データを一覧表示した画面例を図4に示す。図3の抽出条件設定画面において登録地データの抽出条件に「3」を選択したため、図2の登録地データのうち、目的地回数の値が3以上である登録地データが図4の画面に一覧表示されている。なお、この例ではユーザが各登録地データの内容を確認しやすくするため、各登録地の名称、目的地回数および最終使用日を表示しているが、他の項目を表示することとしてもよい。
【0023】
図4に示す抽出条件を満たす登録地データ一覧画面では、ここで表示された登録地データがエクスポートの対象データであることを示している。なお、ナビゲーション装置1からナビゲーション装置2へ登録地データを移し替えるために、フラッシュメモリ15の登録地データをメモリカード3に記録することを「エクスポート」という。また、エクスポートされた登録地データをメモリカード3から読み出してナビゲーション装置2に取り込むことを「インポート」という。エクスポートはナビゲーション装置1において行われ、インポートはナビゲーション装置2において行われる。
【0024】
図4の画面においてユーザの操作により確認ボタン32が押されると、この一覧表示された登録地データがエクスポートデータとして抽出される。その後、抽出条件を満たさない登録地データが表示モニタ16に一覧表示される。その画面例を図5に示す。ここでは、図4の画面に表示されなかった登録地データが一覧表示される。すなわち、過去に目的地に設定された回数が、抽出条件として設定された目的地回数の3回未満である登録地についての登録地データが一覧表示される。
【0025】
図5に示す抽出条件を満たさない登録地データ一覧画面には、登録地データの内容とともに、登録地の各々を選択するためのチェック欄が表示される。ユーザは入力装置17の操作によっていずれかの登録地のチェック欄にチェックマークを付けることにより、設定された抽出条件を満たさない登録地データであっても、その登録地データをエクスポートの対象に含めることができる。図5の例では、「Tドーム」と「Sランド」の登録地データが選択されている様子を示している。
【0026】
図5の画面においてユーザの操作により確認ボタン33が押されると、チェックされた登録地データがエクスポートデータに含められた後、次に図6に示すようなエクスポートデータの一覧画面が表示モニタ16に表示される。この画面では、図4の画面に表示された抽出条件を満たす登録地データと、図5の画面に表示された抽出条件を満たさない登録地データの中でユーザに選択された登録地データとが、エクスポート対象の登録地データとして一覧表示される。これらの登録地データが、メモリカードスロット10によってナビゲーション装置1から出力され、メモリカード3に記録される。
【0027】
以上説明したようにして登録地データがメモリカード3に記録された後、ユーザがそのメモリカード3をナビゲーション装置1からナビゲーション装置2へ挿し換えると、エクスポートされた登録地データがナビゲーション装置2においてインポートされる。インポートされた登録地データは、ナビゲーション装置2のフラッシュメモリ25によって記憶される。このようにして、ナビゲーション装置1からナビゲーション装置2への登録地データの移し替えが行われる。
【0028】
ナビゲーション装置1において登録地データをエクスポートするときのフローチャートを図7に示す。このフローチャートは、メモリカード3がメモリカードスロット10に装填されている状態で、ユーザのメニュー操作に応じて上記に説明したような登録地データの移し替え処理が開始されると、制御回路11によって実行されるものである。ステップS10では、図3の抽出条件設定画面を表示モニタ16に表示し、その画面において登録地データの抽出条件をユーザの操作に応じて設定する。
【0029】
ステップS20では、ナビゲーション装置1において登録されている登録地データをフラッシュメモリ15から読み出す。次のステップS30では、ステップS20で読み出した登録地データのうち、ステップS10で設定された抽出条件を満たす登録地データを表示モニタ16に一覧表示する。すなわち、過去に目的地に設定された回数が抽出条件に設定された目的地回数以上である登録地データを一覧表示する。これにより、図4のように抽出条件を満たす登録地データ一覧画面が表示される。
【0030】
ステップS40では、図4の確認ボタン32が押されたか否かを判定する。確認ボタン32が押された場合は次のステップS50へ進む。ステップS50では、ステップS30において一覧表示した登録地データをエクスポートデータに加える。これにより、設定された抽出条件を満たす登録地データが抽出される。
【0031】
ステップS60では、ステップS20で読み出した登録地データのうち、ステップS10で設定された抽出条件を満たさない登録地データを表示モニタ16に一覧表示する。すなわち、過去に目的地に設定された回数が抽出条件に設定された目的地回数未満であり、ステップS30において一覧表示されなかった登録地データを一覧表示する。これにより、図5のように抽出条件を満たさない登録地データ一覧画面が表示される。この画面において、チェック欄にチェックマークを付けることにより、ユーザの操作に応じて任意の登録地が選択される。
【0032】
ステップS70では、図5の確認ボタン33が押されたか否かを判定する。確認ボタン33が押された場合は次のステップS80へ進む。ステップS80では、ステップS60で一覧表示した登録地データにおいて、いずれかの登録地がチェックされたか否かを判定する。いずれかの登録地がチェックされた場合はステップS90へ進み、ステップS90において、その登録地データをエクスポートデータに加える。これにより、設定された抽出条件を満たさない登録地データの中から、ユーザの操作に応じて選択された登録地データがエクスポートデータに加えられる。ステップS90を実行したら、次のステップS100へ進む。一方、ステップS80においていずれの登録地もチェックされていないと判定された場合は、ステップS90を実行せずにステップS100へ進む。
【0033】
ステップS100では、エクスポートデータを表示モニタ16に一覧表示する。これにより、図6のエクスポートデータ一覧画面が表示される。このエクスポートデータには、ステップS50において加えられた登録地データと、ステップS90において加えられた登録地データとが含まれている。
【0034】
ステップS110では、ステップS100で一覧表示したエクスポートデータをメモリカード3に書き込む。ステップS110を実行したら図7のフローチャートを終了する。こうしてナビゲーション装置1の登録地データの一部がエクスポートデータとしてメモリカード3に書き込まれたら、ユーザがそのメモリカード3をナビゲーション装置2のメモリカードスロット20へと挿し換えることにより、当該登録地データがナビゲーション装置2にインポートされる。このようにして、登録地データの移し替えが行われる。
【0035】
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)ユーザによって登録された登録地データをフラッシュメモリ15に記憶しておき、その登録地データの一部を、その使用履歴に基づいて、ステップS10において設定された抽出条件を用いて、エクスポートデータとして抽出する(ステップS50)。こうして抽出された登録地データを、メモリカードスロット10からメモリカード3へ出力し、メモリカード3に記録する(ステップS110)。このようにしたので、不要な登録地データがナビゲーション装置1からナビゲーション装置2へ移し替えられるのを防止して、ナビゲーション装置2においてフラッシュメモリ25の記憶容量が無駄に消費されるのを避けることができる。
【0036】
(2)抽出条件として目的地回数を設定し(ステップS10)、フラッシュメモリ15により記憶された登録地データのうち、過去に目的地に設定された回数がその目的地回数以上である登録地についての登録地データを一覧表示して(ステップS30)、これらの登録地データをエクスポートデータに加えることにより(ステップS50)、抽出条件を満たす登録地データを抽出することとした。このようにしたので、ユーザの使用頻度に応じて適切な登録地データを移し替えることができる。
【0037】
(3)フラッシュメモリ15により記憶された登録地データであって、ステップS50で抽出されなかった登録地データを一覧表示し、その中でいずれかの登録地データをユーザの操作に応じて選択する(ステップS60)。こうして選択された登録地データをエクスポートデータに加え(ステップS90)、ステップS50で抽出された登録地データと共に、メモリカードスロット10からメモリカード3へ出力し、メモリカード3に記録することとした(ステップS110)。このようにしたので、ユーザの使用頻度が低い登録地データであっても、ユーザが希望した場合は、その登録地データを移し替えることができる。
【0038】
(4)ステップS60において、抽出条件を満たさずにステップS50で抽出されなかった登録地データを一覧表示するときに、各登録地が最後に目的地に設定された日付情報を含む登録地データの一覧画面を表示モニタ16に表示する。この一覧画面の中から、いずれかの登録地データをユーザの操作に応じて選択することとした。このようにしたので、ユーザは最近の使用状況を確認した上で、登録地データを移し替えるか否かを判断することができる。
【0039】
−第2の実施の形態−
本発明の第2の実施形態について説明する。上記で説明した第1の実施形態では、ナビゲーション装置1において図7のフローチャートを実行することにより、抽出条件を満たす登録地データやユーザに選択された登録地データのみをエクスポートし、それ以外の登録地データをメモリカード3に記録しないようにしていた。これに対して本実施の形態では、ナビゲーション装置1においてエクスポートする際には全ての登録地データをメモリカード3に記録し、ナビゲーション装置2においてインポートするときに、抽出条件を満たす登録地データやユーザに選択された登録地データのみを取り込むようにする。なお、本実施形態におけるナビゲーション装置1および2の構成は、図1に示す第1の実施の形態のものと同じであるため、説明を省略する。
【0040】
ナビゲーション装置2において登録地データをインポートするときのフローチャートを図8に示す。このフローチャートは、ナビゲーション装置1からエクスポートされた登録地データを記録されたメモリカード3がメモリカードスロット20に装填されているときに、制御回路21によって実行されるものである。なお、ナビゲーション装置1における登録地データのエクスポートは、メモリカード3がメモリカードスロット10に装填されている状態で、ユーザのメニュー操作に応じて登録地データの移し替え処理が開始されることにより行われる。このとき、ナビゲーション装置1に登録されている全ての登録地データがエクスポートされてメモリカード3に記録される。
【0041】
ステップS210では、図7のステップS10と同様に、図3のような抽出条件設定画面を表示モニタ16に表示することにより、登録地データの抽出条件を設定する。ステップS220では、メモリカード3からエクスポートデータを読み出す。これにより、ナビゲーション装置1においてユーザによって登録された登録情報が、接続されたメモリカード3を介してナビゲーション装置2に入力される。
【0042】
ステップS230では、図7のステップS30と同様に、ステップS220で読み出した登録地データのうち、ステップS210で設定された抽出条件を満たす登録地データを図4と同様の画面により表示モニタ16に一覧表示する。なお、図4の画面では当該登録地データがエクスポートされる旨が表示されているが、ここで表示される画面では、代わりにインポートされる旨が表示される。
【0043】
ステップS240では、確認ボタン32が押されたか否かを判定する。確認ボタン32が押された場合はステップS250へ進む。ステップS250では、ステップS230において一覧表示した登録地データをインポートデータに加える。これにより、設定された抽出条件を満たす登録地データが抽出される。
【0044】
ステップS260では、ステップS220で読み出した登録地データのうち、ステップS210で設定された抽出条件を満たさない登録地データを図5と同様の画面により表示モニタ16に一覧表示する。この画面においてチェック欄にチェックマークを付けることにより、ユーザの操作に応じて任意の登録地が選択される。なお、図5の画面ではエクスポートする登録地データを選択する旨が表示されているが、ここで表示される画面では、代わりにインポートする登録地データを選択する旨が表示される。
【0045】
ステップS270では、確認ボタン33が押されたか否かを判定する。確認ボタン33が押された場合は次のステップS280へ進む。ステップS280では、ステップS260で一覧表示した登録地データにおいて、いずれかの登録地がチェックされたか否かを判定する。いずれかの登録地がチェックされた場合はステップS290へ進み、ステップS290において、その登録地データをインポートデータに加える。これにより、設定された抽出条件を満たさない登録地データの中から、ユーザの操作に応じて選択された登録地データがインポートデータに加えられる。ステップS290を実行したら、次のステップS300へ進む。一方、ステップS280においていずれの登録地もチェックされていないと判定された場合は、ステップS290を実行せずにステップS300へ進む。
【0046】
ステップS300では、図6と同様の画面により、インポートデータを表示モニタ16に一覧表示する。このインポートデータには、ステップS250において加えられた登録地データと、ステップS290において加えられた登録地データとが含まれている。なお、図5の画面ではこれらの登録地データがエクスポートデータである旨が表示されているが、ここで表示される画面では、代わりにインポートデータである旨が表示される。
【0047】
ステップS310では、ステップS300で一覧表示したインポートデータをフラッシュメモリ25に書き込む。これにより、当該登録データがフラッシュメモリ25によって記憶される。ステップS310を実行したら図8のフローチャートを終了する。このようにして、登録地データの移し替えが行われる。
【0048】
以上説明した第2の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(5)メモリカードスロット20にメモリカード3が装填され、ナビゲーション装置2とメモリカード3が接続された状態で、ナビゲーション装置1においてユーザによって登録された登録地データを、メモリカード3を介して入力する。そして、その登録地データの一部を、その使用履歴に基づいて、ステップS210において設定された抽出条件を用いて、インポートデータとして抽出する(ステップS250)。こうして抽出された登録地データを、フラッシュメモリ25に書き込んで記憶する(ステップS310)。このようにしたので、第1の実施の形態と同様に、不要な登録地データがナビゲーション装置1からナビゲーション装置2へ移し替えられるのを防止して、ナビゲーション装置2においてフラッシュメモリ25の記憶容量が無駄に消費されるのを避けることができる。
【0049】
(6)抽出条件として目的地回数を設定し(ステップS210)、メモリカード3より入力された登録地データのうち、過去に目的地に設定された回数がその目的地回数以上である登録地についての登録地データを一覧表示して(ステップS230)、これらの登録地データをインポートデータに加えることにより(ステップS250)、抽出条件を満たす登録地データを抽出することとした。このようにしたので、第1の実施の形態と同様に、ユーザの使用頻度に応じて適切な登録地データを移し替えることができる。
【0050】
(7)メモリカード3より入力された登録地データであって、ステップS250で抽出されなかった登録地データを一覧表示し、その中でいずれかの登録地データをユーザの操作に応じて選択する(ステップS260)。こうして選択された登録地データをインポートデータに加え(ステップS290)、ステップS250で抽出された登録地データと共に、フラッシュメモリ25により記憶することとした。このようにしたので、第1の実施の形態と同様に、ユーザの使用頻度が低い登録地データであっても、ユーザが希望した場合は、その登録地データを移し替えることができる。
【0051】
(8)ステップS260において、抽出条件を満たさずにステップS250で抽出されなかった登録地データを一覧表示するときに、各登録地が最後に目的地に設定された日付情報を含む登録地データの一覧画面を表示モニタ16に表示する。この一覧画面の中から、いずれかの登録地データをユーザの操作に応じて選択することとした。このようにしたので、第1の実施の形態と同様に、ユーザは最近の使用状況を確認した上で、登録地データを移し替えるか否かを判断することができる。
【0052】
なお、上記の各実施の形態では、図7のフローチャートをナビゲーション装置1において実行する場合と、図8のフローチャートをナビゲーション装置2において実行する場合とを別々の実施形態として説明したが、これらを同一の実施形態においてそれぞれ実行してもよい。すなわち、登録地データをエクスポートする際には、図7のフローチャートにより、抽出条件を満たす登録地データやユーザに選択された登録地データのみをエクスポートし、それ以外の登録地データをメモリカード3に記録しないようにする。さらに、その登録地データをインポートする際には、図8のフローチャートにより、抽出条件を満たす登録地データやユーザに選択された登録地データのみをインポートするようにする。この場合、エクスポート時の抽出条件とインポート時の抽出条件を別々に設定することができる。
【0053】
また、上記の各実施の形態では、メモリカード3を介して登録地データを移し替える例を説明したが、その他のものを介して登録地データを移し替えるようにしてもよい。たとえば、ナビゲーション装置1とナビゲーション装置2をケーブルによって接続し、そのケーブルを介して登録地データを移し替えるようにしてもよい。あるいは、ナビゲーション装置1とナビゲーション装置2の間にパーソナルコンピュータを接続し、そのパーソナルコンピュータを介して登録地データを移し替えるようにしてもよい。それ以外にも、たとえば磁気ディスクを用いたり、あるいは電波や赤外線を用いた無線通信を介して接続したりするなど、様々な方法で登録地データを移し替えることができる。
【0054】
上記の各実施の形態では登録地データを例として説明したが、ユーザによってナビゲーション装置に登録された他の様々な登録情報についても、同様に本発明を適用することができる。たとえば、ユーザの個人情報や音楽データなどの様々な登録情報について、過去の使用回数や使用頻度などの使用履歴に基づいて、必要な登録情報のみを抽出して他のナビゲーション装置1に移し替えることができる。
【0055】
以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0056】
以上説明した各実施の形態では、記憶手段をフラッシュメモリ15または25、出力手段をメモリカードスロット10によってそれぞれ実現し、抽出手段と選択手段を制御回路11または21の処理によって実現している。しかし、これはあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の各実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】登録地データの例を示す図である。
【図3】登録地データの抽出条件設定画面の例である。
【図4】抽出条件を満たす登録地データ一覧画面の例である。
【図5】抽出条件を満たさない登録地データ一覧画面の例である。
【図6】エクスポートデータ一覧画面の例である。
【図7】登録地データをエクスポートする際に実行されるフローチャートである。
【図8】登録地データをインポートする際に実行されるフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1、2:ナビゲーション装置
3:メモリカード
10、11:メモリカードスロット
11、21:制御回路
12、22:ROM
13、23:RAM
14、24:現在地検出装置
15、25:フラッシュメモリ
16、26:表示モニタ
17、27:入力装置
18、28:ディスクドライブ
19、29:DVD−ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって登録された登録情報を用いて各種の処理を実行するとともに、接続された中継手段を介してその登録情報を外部へ出力する車載情報端末において、
前記登録情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された登録情報の一部をその使用履歴に基づいて抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された登録情報を前記中継手段に出力する出力手段とを備えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項2】
請求項1の車載情報端末において、
前記登録情報とは、ユーザによって登録された各登録地の位置情報と、各登録地が過去に目的地に設定された回数情報とを少なくとも含む登録地データであり、
前記抽出手段は、前記記憶手段により記憶された登録地データのうち、過去に目的地に設定された回数が抽出条件として設定された回数以上である登録地についての登録地データを抽出することを特徴とする車載情報端末。
【請求項3】
請求項2の車載情報端末において、
前記記憶手段により記憶された登録地データであって、前記抽出手段により抽出されなかった登録地データの中から、いずれかの登録地データをユーザの操作に応じて選択する選択手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記抽出手段により抽出された登録地データと、前記選択手段により選択された登録地データとを前記中継手段に出力することを特徴とする車載情報端末。
【請求項4】
請求項3の車載情報端末において、
前記登録地データには、各登録地が最後に目的地に設定された日付情報がさらに含まれており、
前記記憶手段により記憶された登録地データであって、前記抽出手段により抽出されなかった登録地データについて、前記日付情報を含む登録地データの一覧画面を表示モニタに表示し、
前記一覧画面の中からいずれかの登録地データを前記選択手段により選択することを特徴とする車載情報端末。
【請求項5】
外部の端末においてユーザによって登録された登録情報を、接続された中継手段を介して入力し、その登録情報を用いて各種の処理を実行する車載情報端末において、
前記入力された登録情報の一部をその使用履歴に基づいて抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された登録情報を記憶する記憶手段とを備えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項6】
請求項5の車載情報端末において、
前記登録情報とは、ユーザによって登録された各登録地の位置情報と、各登録地が過去に目的地に設定された回数情報とを少なくとも含む登録地データであり、
前記抽出手段は、前記入力された登録地データのうち、過去に目的地に設定された回数が抽出条件として設定された回数以上である登録地についての登録地データを抽出することを特徴とする車載情報端末。
【請求項7】
請求項6の車載情報端末において、
前記入力された登録地データであって、前記抽出手段により抽出されなかった登録地データの中から、いずれかの登録地データをユーザの操作に応じて選択する選択手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記抽出手段により抽出された登録地データと、前記選択手段により選択された登録地データとを記憶することを特徴とする車載情報端末。
【請求項8】
請求項7の車載情報端末において、
前記登録地データには、各登録地が最後に目的地に設定された日付情報がさらに含まれており、
前記入力された登録地データであって、前記抽出手段により抽出されなかった登録地データについて、前記日付情報を含む登録地データの一覧画面を表示モニタに表示し、
前記一覧画面の中からいずれかの登録地データを前記選択手段により選択することを特徴とする車載情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−17332(P2007−17332A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−200272(P2005−200272)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】