車載用電子装置、動画再生方法および動画再生プログラム
【課題】 動画再生に関する規制を選択し、当該規制に適合したメディアソースを出力する「車載用電子装置、動画再生方法、動画再生プログラム」を提供する。
【解決手段】 車載用電子装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、対象地域毎の動画再生に関する規制を記憶する記憶部80と、検出された自車位置に対応する対象地域を判別する対象地域判別部114と、判別された対象地域の動画再生に関する規制を記憶部から抽出する規制情報抽出部116と、複数のメディアソースの中からメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力する出力手段と、出力手段により選択されたメディアソースの出力態様を検出する出力態様検出部112と、検出された出力態様が選択された動画再生に関する規制に適合しているか否かを判定する適合判定部118と、判定結果に基づき出力手段の出力態様を決定する出力態様決定部出力118とを有する。
【解決手段】 車載用電子装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、対象地域毎の動画再生に関する規制を記憶する記憶部80と、検出された自車位置に対応する対象地域を判別する対象地域判別部114と、判別された対象地域の動画再生に関する規制を記憶部から抽出する規制情報抽出部116と、複数のメディアソースの中からメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力する出力手段と、出力手段により選択されたメディアソースの出力態様を検出する出力態様検出部112と、検出された出力態様が選択された動画再生に関する規制に適合しているか否かを判定する適合判定部118と、判定結果に基づき出力手段の出力態様を決定する出力態様決定部出力118とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用電子装置に関し、特に動画の再生が規制されているときの車載用電子装置の動画再生制御に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用電子装置は、マルチメディア化に伴い、CDやラジオ放送等から得られたオーディオデータを再生する機能、DVD、テレビ放送、外部メディア機器から得られたビデオデータを再生する機能、さらに目的地までの経路を案内するナビゲーション機能を備えている。また、車内空間のエンターテイメント性の向上により、5.1チャンネルサラウンドでオーディオが出力されたり、複数のディスプレイが前方座席や後方座席用に設置され、あるいは運転者と同乗者のそれぞれが異なる映像を見ることができるデュアルビューディスプレイも搭載されつつある。
【0003】
他方、安全性の観点から走行中にナビゲーション操作を制限したり、動作再生を禁止するなどの措置が車載用電子装置に講じられている。特許文献1は、走行エリアの動画視聴に関する交通規制情報を検出し、走行エリアの規制条件に応じてナビゲーション情報の出力態様を切替えるナビゲーション装置を開示している。例えば、車内での動画視聴が禁止されている地域ではナビゲーション情報を音声で提供し、動画視聴に関する規制がない地域では、ナビゲーション情報を動画と音声のそれぞれで提供する。
【0004】
【特許文献1】特許第3384263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車内における動画再生に関する規制は、都道府県や市区町村の条例などにより地域毎に設定されることがある。例えば、米国の州法を比較すると、ワシントンDCなど22州では、「ディスプレイを運転者の見える位置に設置してよいが、動画が運転者に見えてはならない」と規制し、カリフォルニア州など16州では「運転席より前に動画視聴可能な機器の設置を認めない」と規制し、オハイオ州など12州では特別な規制を設けていない。
【0006】
このような地域毎の規制情報をすべて把握しているユーザはほぼいないであろうし、これから走行しようとする地域の規制情報を事前に調べることは非常に煩雑である。従って、特に旅行や出張などで、その地域を初めて訪れた者や法令に不慣れな者は、知らないうちに規制に反してしまう。さらに、車載用電子装置は、複数のメディアソースを再生し提示する機能を備えているため、動画再生に関する規制に応じてどのような機能を切替えるかをユーザが瞬時に判断することは難しい。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決し、動画再生に関する規制を選択し、当該規制に適合したメディアソースを出力する車載用電子装置、動画再生方法、動画再生プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る車載用電子装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、地域毎の動画再生に関する規制情報を記憶する記憶手段と、前記自車位置検出手段により検出された自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、複数のメディアソースの中からメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力する出力手段と、前記出力手段により選択されたメディアソースの出力態様を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された出力態様が前記抽出手段により抽出された動画再生に関する規制情報に適合しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づき前記出力手段を制御する出力制御手段とを有する。
【0009】
好ましくは前記判定手段により不適合と判定されたとき、前記出力制御手段は、前記規制情報に適合するように前記出力手段によるメディアソースの選択を制御する。また、前記出力制御手段は、前記出力手段による動画再生を停止させたり、前記出力手段に静止画を表示させる、前記出力手段にオーディオデータを再生させることができる。
【0010】
車載用電子装置はさらに、自車位置周辺の道路地図を表示し目的地までの経路を案内するナビゲーション手段を含み、前記判定手段により前記規制情報に不適合と判定されたとき、前記出力制御手段は、前記出力手段にナビゲーション画像を表示させるようにしてよい。
【0011】
車載用電子装置はさらに、ユーザからの指示を入力する入力手段を含み、前記入力手段からメディアソースの変更を指示する入力があったとき、前記判定手段は、変更するメディアソースの出力態様が動画再生に関する規制情報に適合するか否かを判定し、前記出力制御手段は、変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記メディアソースの変更の指示を拒否するようにすることができる。この場合、好ましくは前記出力制御手段は、変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段にメディアソースの変更が前記規制情報に適合しない旨の警告を出力させる。
【0012】
さらに好ましくは前記出力制御手段は、メディアソースの出力態様と動画再生に関する規制情報との関係から、前記規制情報に適合するメディアソースの出力態様を定めたテーブルを含み、前記出力制御手段は、当該テーブルに従い前記出力手段にメディアソースを選択させる。
【0013】
車載用電子装置はさらに、前記ナビゲーション手段により設定された誘導経路に基づき動画再生に関する規制情報の変更を検出する規制変更検出手段を含み、自車の移動に伴い、前記規制変更検出手段により規制情報の変更が検出されたとき、前記判定手段は、出力態様が変更される規制情報に適合するか否かを判定し、前記出力制御手段は、前記変更される規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段に出力態様が前記変更される規制情報に適合しない可能性がある旨の警告を出力させることができる。
【0014】
また、前記出力手段は、運転席前方に配置され、運転者側画面と同乗者側画面を同時に表示可能なディスプレイを含んでおり、前記判定手段は、運転者側画面の出力態様と同乗者側の出力態様が動画再生に関する規制情報に適合するか否かを判定し、前記出力制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づき運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様から出力されるメディアソースの選択を制御することができる。この場合、前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段は、運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様が同一の画像を表示するようにメディアソースを選択することができる。好ましくは前記出力制御手段は、メディアソースの出力態様と動画再生に関する規制情報との関係から、前記規制情報に適合するメディアソースの出力態様を定めたテーブルを含み、当該テーブルは、運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様のそれぞれを含んでおり、前記出力制御手段は、前記テーブルに従い前記出力手段にメディアソースを選択させる。
【0015】
本発明に係る動画再生方法またはプログラムは、ディスプレイに動画を再生可能な車載用電子装置において、自車位置を検出するステップと、検出された自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制情報を取得するステップと、車載用電子装置において選択されているメディアソースの出力態様を検出するステップと、検出された出力態様が取得された動画再生に関する規制情報に適合しているか否かを判定するステップと、前記規制情報に適合していないと判定されたとき、前記規制情報に適合するメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力するステップとを有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制に出力態様が適合するか否かを判定し、適合しない場合には、出力態様を切り替えて規制に適合するようにしたので、規制を知らないユーザが規制に違反することを未然に防止することができる。このため、ユーザは、事前に規制に関する情報の検索等の煩雑な作業を行う必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の最良の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る車載用電子装置は、動画や静止画を再生する機能、オーディオデータを再生する機能、およびナビゲーション機能を備え、地域毎に設定された動画再生に関する規制に応じてこれらの機能を適宜選択して出力することを可能にする。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の実施例に係る車載用電子装置の構成を示すブロック図である。車載用電子装置1は、ナビゲーション機能部10、オーディオ・ビデオ(以下、AVと称す)再生部20、TV/ラジオ受信部30、入力部40、外部インターフェース(I/F)50、オーディオデータを出力するスピーカ60、ビデオデータを出力するディスプレイ70、大容量ハードディスク装置や半導体メモリ装置などを含む記憶部80、各部を制御する制御部90、これらを接続する内部バス100とを含んで構成される。
【0019】
ナビゲーション機能部10は、GPS受信衛星やジャイロセンサ等から自車位置を検出し、自車位置周辺の道路地図データを記憶部80から読み出し、これをディスプレイ70に表示する。さらにナビゲーション機能部10は、入力部40から入力された目的地や検索条件に基づき目的地までの誘導経路を探索し、これを道路地図上に表示し目的地までの案内を行う。
【0020】
AV再生部20は、CD、DVD、ブルーレイディスク、外部メディア機器などの記憶媒体に記憶されたオーディオデータおよび/またはビデオデータを再生し、これらの再生データをスピーカ60およびディスプレイ70から出力する。
【0021】
TV/ラジオ受信部30は、地上波デジタル等のテレビ放送やラジオ放送をアンテナを介して受信するチューナを含み、受信した放送信号は、ビデオデータ、オーディオデータおよび文字データとに分離され、これらはスピーカ60やディスプレイ70から出力される。
【0022】
入力部40は、例えばタッチパネル、入力キー、リモコンなどを含み、ユーザからの入力、例えばメディアソースの選択、音量調整、放送局の選択などの情報を車載用電子装置1に与える。外部I/F50は、ケーブルなどの有線や赤外線通信やブルートゥースなどの無線を介して外部メディア機器を車載用電子装置1に接続する。外部メディア機器を接続することで、そこに記憶されたオーディオデータやビデオデータを車載用電子装置1から出力することができる。
【0023】
記憶部80は、各種データを記憶する。例えば、ナビゲーションに必要な道路、施設などを含む道路地図データや、都道府県若しくは市区町村あるいは州などの地域で施行または設定された動画再生に関する規制情報、後述する動画再生に関する規制に適合するか否かを判定する適合判定テーブルなどを記憶する。なお、本明細書では、法令や条例などによって動画再生に関する規制を設定している都道府県、市区町村あるいは州などの地域の単位を「対象地域」という。さらに、本明細書でいう「規制」は、法令、条例、規則などを含むが、違反者に対して罰則を与えない訓示や訓告なども含む広い意味である。
【0024】
図2は、動画再生に関する規制情報の例を示している。記憶部80は、図示するように、対象地域毎(対象地域#1、#2、・・・#n)に設定された動画再生に関する規制を格納している。規制情報は、テキスト情報で格納するものであってもよいし、規制の特徴部分を抽出した情報であってもよく、どのような形態で格納するかは問わない。なお、規制情報は外部I/F50を介して規制情報を蓄積した外部サーバなどから取得したり、法改正などが行われたときは、外部I/F50から法改正情報を取得し、規制情報を更新することができる。
【0025】
例えば、対象地域#1には規制#1が施行されており、規制#1は、「運転者の見える位置にモニタを設置してもよいが、動画を運転者に見せてはならない(ナビゲーション動画は可)」と定めている。このため、走行中において、車のフロントガラス付近に設置したディスプレイに動画を表示させれば違反となるが、静止画像やナビゲーション画像であれば再生してもよい。また、運転席よりも後ろに設置されたディスプレイに動画を表示しても問題ない。
【0026】
対象地域#2では、規制#2が施行されており、規制#2は「運転席より前の位置に動画視聴可能な機器を設置してはならない(ナビゲーション機器は可)」と定めている。このため、TVやDVDの視聴のみを目的とするディスプレイをフロントガラス近傍に設置すると違反になる。対象地域#3では、規制#3が施行されているが、規制#3には動画再生に関する規制がない。従って、ディスプレイに自由にビデオデータを表示することができる。
【0027】
制御部90は、車載用電子装置1を制御するプログラムを記憶するメモリと、このプログラムを実行する中央処理装置等を含んでいる。プログラムは、ナビゲーション機能部10、AV再生部20、TV/ラジオ受信部30の制御に加えて、自車が走行している対象地域の動画再生に関する規制情報に基づき動画等の再生を制御するための再生制御プログラムを有している。
【0028】
図3は、制御部90の再生制御プログラムの機能ブロック図である。再生制御プログラム110は、車載用電子装置1の出力態様を検出する出力態様検出部112と、自車が走行している対象地域を判別する対象地域判別部114と、対象地域判別部114により判別された対象地域の動画再生に関する規制情報を記憶部80から抽出する規制情報抽出部116と、出力態様が対象地域の規制に適合するか否かを判定する適合判定部118と、出力態様が規制と不適合であるとき、規制に適合するような出力態様を決定する出力態様決定部120とを含む。
【0029】
出力態様検出部112は、車載用電子装置が実行または選択しているメディアソースを識別し、かつ当該メディアソースがどのように出力されているのかを検出する。ここでのメディアソースとは、車載用電子装置において出力可能なコンテンツ情報であって、CD、DVD、ブルーレイディスク、テレビ、ラジオ、ナビゲーション、外部メディア機器などである。出力態様とは、ディスプレイへの画像出力、静止画出力、スピーカへの音声出力等である。
【0030】
対象地域判別部114は、ナビゲーション機能部10からの自車位置情報を取得し、当該自車位置情報に基づき対象地域を判別する。例えば、自車位置情報で示された緯度、経度を包含する対象地域を判別する。
【0031】
規制情報抽出部116は、対象地域判別部114によって判別された対象地域に該当する規制情報を記憶部80から読み出し、当該規制情報を抽出する。適合判定部118は、読み出した規制情報と出力態様検出部112によって検出された出力態様とを比較し、出力態様が規制に適合するか否かを判定する。
【0032】
図4は、出力態様が規制に適合するか否かを判定する適合判定テーブルの例を示している。適合判定テーブル140は、各対象地域の規制情報とディスプレイへの出力態様との関係をまとめたものである。なお、ディスプレイは、運転席より前に設置されているものである。ディスプレイへの出力態様には、テレビ放送やDVD等から得られたビデオデータを再生するTV/DVD動画と、ナビゲーション機能部10によるナビゲーション画像がある。TV/DVD動画は、規制#1および#2では規制されるが(図2を参照)、規制3では許可される。ナビゲーション画像は、いずれの規制も受けない。このような適合判定テーブル140を予め用意しておくことで、適合判定部118は、出力態様が規制に適合するか否かを簡単に判定することができ、判定時間を短縮することができる。
【0033】
図5は、出力態様決定部120の機能ブロック図である。出力態様決定部120は、適合判定部118の判定結果に基づき、複数のメディアソースの中から1つのビデオデータを選択するビデオ選択部122と、複数のメディアソースの中から1つのオーディオデータを選択するオーディオ選択部124とを有している。ビデオ選択部122は、TV画像、DVD(ブルーレイ等を含む)画像、ナビゲーション画像、またはブランクから1つを選択する入力と、選択した入力をディスプレイ70へ提供する出力を有する。なお、ビデオ選択部122がブランクを選択すると、ディスプレイ70にはビデオデータが出力されず、ディスプレイ70は、オフ状態となる。あるいは、記憶部80に静止画像を予め用意しておき、ブランクが選択されたとき、この静止画像をディスプレイ70に供給するようにしてもよい。オーディオ選択部124は、TV音声、ラジオ音声、CD音声、DVD(ブルーレイ等を含む)音声、ナビゲーション音声、ブランクから1つを選択し、これをスピーカ60へ供給する。
【0034】
出力態様決定部120は、自車が停止しているときには、動画再生に関する規制を受けないので、ユーザからの指示に応じてメディアソースを選択する。例えば、ユーザがTVを選択すれば、ビデオ選択部122はTV画像を選択し、それがディスプレイ70に表示される。またオーディオ選択部124もTV音声を選択し、これがスピーカ60から出力される。
【0035】
他方、自車が走行を開始すると、ビデオ選択部122は、動画再生に関する規制に抵触しないようにメディアソースを選択する。ビデオ選択部122の選択に合わせてオーディオ選択部124がメディアソースを切り替えても良い。さらに、車両が走行中であっても、動画に関する規制がない対象地域から規制が存在する対象地域へ進入する場合にも、ビデオ選択部122は、必要に応じてメディアソースの切換制御を行う。
【0036】
例えば、TV動画を出力しており、動画再生が規制されている対象地域に進入するときは、ビデオ選択部122はTV画像からナビ画像に切り替え、オーディオ選択部124は、TV音声からナビ音声に切り替える。車両が再び規制のない対象地域へ進入すると、ビデオ選択部122はTV画像を選択してこれをディスプレイに表示してもよい。また、TV画像の視聴中であっても、交差点案内などのナビゲーション機能を優先的に表示する場合には、自動的にナビ画像に切替えてもよい。さらに、出力態様決定部120は、動画再生が規制されている対象地域において、ユーザから動画再生の指示があったとしても、当該入力を拒否するようにしてよい。
【0037】
次に、本実施例に係る車載用電子装置の動画再生動作について図6に示すフローチャートを参照して説明する。自車が走行を開始すると(ステップS101)、ナビゲーション機能部10は、出力態様検出部112に走行開始を示す信号を提供する。出力態様検出部112は、この信号に応答して、出力態様を検出する(ステップS102)。出力態様は、例えば図5に示したビデオ選択部122がどの入力を選択しているのかを検出すればよい。
【0038】
次に、対象地域判別部114は、ナビゲーション機能部10から自車位置情報を受け取り、自車位置が該当する対象地域を判別する(ステップS103)。次に、規制情報抽出部116は、判別された対象地域に該当する規制情報を記憶部80から抽出する(ステップS104)。
【0039】
次に、適合判定部118は、抽出された規制情報と、検出された出力態様とを比較し(ステップS105)、出力態様が規制に適合するか否かを判定する(ステップS106)。好ましくは、上記したように適合判定テーブル140を用いて判定する。
【0040】
出力態様決定部120は、適合判定部118により規制に適合していると判定された場合には、出力態様をそのまま維持する。他方、適合していないと判定された場合には、出力態様決定部120は、ビデオ選択部122に動画再生を停止させ、ナビゲーション画面またはブランクを選択するような切換えを行う(ステップS107)。そして、自車が走行中であれば、ステップS102へ戻る。但し、ステップS102からの実行は、一定時間が経過したとき、あるいは他の対象地域へ進入したときに行うようにしてもよい。
【0041】
図7は、ビデオデータ切換テーブルの一例を示す図である。上記したように出力態様決定部120は、規制に適合するか否かに応じてビデオデータの切換を行う。この場合に、図7に示すようなビデオデータ切換テーブルを記憶部80に予め用意しておき、このテーブルに従いビデオデータを選択するようにしてもよい。例えば、出力態様としてTV画像が選択されているとき、規制#1の対象地域に進入するならば、ビデオ選択部122は、ブランク(静止画を含む)か、ナビゲーション画像を選択する。規制#2の対象地域の場合にも同様である。規制#3の対象地域の場合には、規制がないので、出力態様はそのまま維持される。勿論、このようなテーブルを用いて切換を行う以外にも、予め、ビデオデータを選択する優先順位を決定しておき、それに従い、規制に適合するようなビデオデータを選択するようにしてもよい。
【0042】
図8(a)は、他のビデオデータ切換例を示している。同図に示すように、自車が対象地域#3を走行中であり、境界Bを越えて対象地域#1に進入するものとする。対象地域#3において、運転席前方のディスプレイに動画を再生した状態から対象地域#1に進入する場合には、ビデオ選択部122は、ディスプレイへの動画出力が停止されるようにブランクを選択するか、あるいは動画以外ナビゲーション画像を選択する。このとき、オーディオ選択部124は、テレビ画像を表示していたのであれば、TV音声を出力し、DVD画像を表示していたのでれば、DVD音声を出力するようにしてもよい。
【0043】
また、図8(b)に示すように、目的地までの誘導経路Yが設定されており、誘導経路Yが対象地域#3から対象地域#1へ向かうような場合、再生制御プログラム100は、誘導経路Yに基づき対象地域が変更になり、動画再生に関する規制が変更になることを事前に検出することができる。このような検出が行われた場合には、適合判定部118は、自車が対象地域#1へ進入する前に出力態様が規制に適合するか否かを判定することができる。
【0044】
誘導経路Yの進行方向において、対象地域#3から対象地域#1に変更が生じることが検出されると、対象地域判別部114は自車位置がある対象地域#1であると判別し、規制情報抽出部116は対象地域#1の動画再生に関する規制情報を記憶部80から抽出す。そして、適合判定部118は、出力態様検出部112によって検出された現在の出力態様が対象地域#1の規制に適合するか否かを判定する。もし、不適合と判定された場合には、再生制御プログラム110は、事前にその旨の案内をユーザに提示し、ユーザにビデオデータを切換える機会を与えるようにしてもよい。併せて、対象地域#1の規制内容を提示するようにしてもよい。
【0045】
さらに図8(b)とは反対に、規制のある対象地域#1から規制のない対象地域#3へ進入することが事前に判定することが可能な場合には、再生制御プログラム110は、事前にその旨の案内をユーザに提示し、ビデオデータを切換える機会を与えることができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例は、動画再生が規制されている対象地域において、ユーザがメディアソースへの変更を指示したときの処理に関する。図9は、第2の実施例に係る車載用電子装置の動作を示すフローチャートである。
【0047】
入力部40を介してユーザがメディアソースの変更を指示すると(ステップS201)、適合判定部118は、変更するメディアソースの出力態様と、対象地域の動画再生に関する規制情報とを比較し、変更するメディアソースの出力態様が規制に適合するか否かを判定する(ステップS202)。不適合であると判定された場合には、出力態様決定部120は、ユーザからのメディアソースの変更を拒否し(ステップS203)、現状の出力態様を継続するとともに、予め用意された「ビデオデータの再生は規制に違反します」等の警告をディスプレイやスピーカから出力する(ステップS204)。他方、変更するメディアソースの出力態様が適合すると判定された場合には、出力態様決定部120は、変更するメディアソースへ出力態様を切替える(ステップS205)。
【0048】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第3の実施例は、2つの画像を同時に表示することができるデュアルビュー液晶ディスプレイを用いたときの処理に関する。デュアルビューディスプレイは、ディスプレイ上に視差バリアと呼ばれるフィルタを設置し、バックライトからの光の向きを左右に分離することで、左右に異なる画像を同時に表示するものである。左右の画面に同じ画像を出力すれば、通常のシングルビュー液晶として利用することもできる。図10(a)に示すように、デュアルビューディスプレイ70Aをフロントガラス近傍に配置し、運転者Dと同乗者Qのそれぞれに異なる画像を視聴させることができる。
【0049】
対象地域#1の動画再生に関する規制は、図2に示すように、運転者のみが規制の対象であり、同乗者には規制が及ばない。他方、対象地域#2の動画再生に関する規制は、運転者および同乗者の双方が規制される。従って、第3の実施例では、規制内容に応じてデュアルビューディスプレイで表示される画像の切替制御を行う。
【0050】
図11は、第3の実施例に係る再生制御プログラムの出力態様決定部の機能ブロックを示している。出力態様決定部120Bは、第1のビデオ選択部122Aと、第2のビデオ選択部122Bとを有している。第1のビデオ選択部122Aの入力は、TV画像、DVD(ブルーレイ等を含む)画像、ナビゲーション画像、ブランク(静止画を含む)に接続され、出力は運転者側画面170に接続される。第2のビデオ選択部122Bの入力は、第1のビデオ選択部122Aと同様であるが、その接続は、同乗者側画面180に接続される。第1および第2のビデオ選択部122A、122Bは、それぞれ独立して動作することができ、デュアルビューディスプレイ70Aの運転者側画面170と同乗者側画面180に画像を提供する。
【0051】
出力態様検出部112は、デュアルビューディスプレイ70Aの出力態様を検出する。好ましくは、図11に示すビデオ選択部122A、122Bが選択している入力から出力態様を検出する。適合判定部118は、自車が走行している、あるいは走行する予定の対象地域の動画再生に関する規制情報と、検出された出力態様とを比較し、運転者側画面170と同乗者側画面180のそれぞれの出力態様が規制に適合するか否かを判定する。適合していると判定された場合には、出力態様はそのまま継続されるが、いずれかの画面または双方の画面が規制に適合していないと判定された場合には、出力態様決定部120Aは、規制に適合するようにビデオ選択部122A、122Bの切替制御を行う。
【0052】
適合判定部118は、検出された出力態様が規制に適合するか否かを判定するために、図12に示すような適合判定テーブル140Aを用いることができる。運転者用画面170の判定には、上記した図4に示す適合判定テーブル140が用いられ、同乗者側画面180の判定には、図12に示す適合判定テーブル140Aが用いられる。
【0053】
例えば、対象地域#1を走行するとき、運転者側画面170は、動画再生が規制されるため、ビデオ選択部122Aは、ナビ画面またはブランクを選択する。また、同乗者側画面180は、動画再生が規制されないので、ビデオ選択部122Bは、TV画像またはDVD画像を選択することができる。図10(b)は、運転者側画面170にナビゲーション画像が表示され、同乗者側画面180にテレビ画像が表示されている例を示している。
【0054】
対象地域#2を走行するとき、運転者側画面と同乗者側画面の双方が動画再生の規制を受ける。このため、第1および第2のビデオ選択部122A、122Bはナビ画像またはブランクを選択する。図10(c)は、運転者側画面170にブランク状態が表示され、同乗者側画面180にナビゲーション画像が表示されている例を示している。
【0055】
さらに出力態様決定部120Aは、規制のない対象地域#3から運転者に規制のある対象地域#1へ進入するような場合には、デュアルビューディスプレイをシングルビューに切替えるようにしてもよい。この場合、第1および第2のビデオ選択部122A、122Bは、規制に適合するような同じ入力を選択する。図10(c)は、運転者側画面170と同乗者側画面180の双方にナビゲーション画像が表示されている例を示している。
【0056】
図13は、第3の実施例に係るビデオデータ切替テーブルの例である。出力態様決定部120Aは、同図に示すようなビデオ切替テーブルを参照して、第1および第2のビデオ選択部122A、122Bの切替制御を実行するようにしても良い。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0058】
上記実施例において、車載用電子装置は、メディアソースとしてナビゲーション機能部、AV再生部(CD、DVD、ブルーレイディスクなど)、テレビ/ラジオ受信部、外部メディア機器を含む例を示したが、これは一例であり、必ずしもこれらの構成に限られるものではない。例えば、動画再生のメディアとしてテレビ受信機のみであってもよいし、あるいはAV再生機器のみであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施例に係る車両用電子装置の構成を示すブロック図である。
【図2】動画再生に関する規制のデータ構成例を示す図である。
【図3】再生制御プログラムの機能ブロック図である。
【図4】出力態様が規制に適合するか否かを判定する適合判定テーブルの例である。
【図5】出力態様決定部の機能ブロック図である。
【図6】本実施例の車載用電子装置の動作再生制御動作のフローチャートである。
【図7】出力決定部によるビデオ切換テーブルの例である。
【図8】ビデオデータ切換動作例を示す図である。
【図9】第2の実施例に係る車載用電子装置の動作フローチャートを示す図である。
【図10】図10(a)はデュアルビューディスプレイを説明する図であり、図10(b)ないし(d)は第3の実施例における運転者側画面と同乗者側画面の表示例である。
【図11】第3の実施例に係る再生制御プログラムの出力態様決定部の機能ブロック図である。
【図12】第3の実施例における同乗者側の適合判定テーブルの例である。
【図13】第3の実施例におけるビデオデータ切替テーブルの例である。
【符号の説明】
【0060】
1:車載用電子装置 10:ナビゲーション機能部
20:AV再生部 30:TV/ラジオ受信部
40:入力部 50:外部I/F
60:スピーカ 70:ディスプレイ
80:記憶部 90:制御部
100:内部バス
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用電子装置に関し、特に動画の再生が規制されているときの車載用電子装置の動画再生制御に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用電子装置は、マルチメディア化に伴い、CDやラジオ放送等から得られたオーディオデータを再生する機能、DVD、テレビ放送、外部メディア機器から得られたビデオデータを再生する機能、さらに目的地までの経路を案内するナビゲーション機能を備えている。また、車内空間のエンターテイメント性の向上により、5.1チャンネルサラウンドでオーディオが出力されたり、複数のディスプレイが前方座席や後方座席用に設置され、あるいは運転者と同乗者のそれぞれが異なる映像を見ることができるデュアルビューディスプレイも搭載されつつある。
【0003】
他方、安全性の観点から走行中にナビゲーション操作を制限したり、動作再生を禁止するなどの措置が車載用電子装置に講じられている。特許文献1は、走行エリアの動画視聴に関する交通規制情報を検出し、走行エリアの規制条件に応じてナビゲーション情報の出力態様を切替えるナビゲーション装置を開示している。例えば、車内での動画視聴が禁止されている地域ではナビゲーション情報を音声で提供し、動画視聴に関する規制がない地域では、ナビゲーション情報を動画と音声のそれぞれで提供する。
【0004】
【特許文献1】特許第3384263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車内における動画再生に関する規制は、都道府県や市区町村の条例などにより地域毎に設定されることがある。例えば、米国の州法を比較すると、ワシントンDCなど22州では、「ディスプレイを運転者の見える位置に設置してよいが、動画が運転者に見えてはならない」と規制し、カリフォルニア州など16州では「運転席より前に動画視聴可能な機器の設置を認めない」と規制し、オハイオ州など12州では特別な規制を設けていない。
【0006】
このような地域毎の規制情報をすべて把握しているユーザはほぼいないであろうし、これから走行しようとする地域の規制情報を事前に調べることは非常に煩雑である。従って、特に旅行や出張などで、その地域を初めて訪れた者や法令に不慣れな者は、知らないうちに規制に反してしまう。さらに、車載用電子装置は、複数のメディアソースを再生し提示する機能を備えているため、動画再生に関する規制に応じてどのような機能を切替えるかをユーザが瞬時に判断することは難しい。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決し、動画再生に関する規制を選択し、当該規制に適合したメディアソースを出力する車載用電子装置、動画再生方法、動画再生プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る車載用電子装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、地域毎の動画再生に関する規制情報を記憶する記憶手段と、前記自車位置検出手段により検出された自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、複数のメディアソースの中からメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力する出力手段と、前記出力手段により選択されたメディアソースの出力態様を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された出力態様が前記抽出手段により抽出された動画再生に関する規制情報に適合しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づき前記出力手段を制御する出力制御手段とを有する。
【0009】
好ましくは前記判定手段により不適合と判定されたとき、前記出力制御手段は、前記規制情報に適合するように前記出力手段によるメディアソースの選択を制御する。また、前記出力制御手段は、前記出力手段による動画再生を停止させたり、前記出力手段に静止画を表示させる、前記出力手段にオーディオデータを再生させることができる。
【0010】
車載用電子装置はさらに、自車位置周辺の道路地図を表示し目的地までの経路を案内するナビゲーション手段を含み、前記判定手段により前記規制情報に不適合と判定されたとき、前記出力制御手段は、前記出力手段にナビゲーション画像を表示させるようにしてよい。
【0011】
車載用電子装置はさらに、ユーザからの指示を入力する入力手段を含み、前記入力手段からメディアソースの変更を指示する入力があったとき、前記判定手段は、変更するメディアソースの出力態様が動画再生に関する規制情報に適合するか否かを判定し、前記出力制御手段は、変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記メディアソースの変更の指示を拒否するようにすることができる。この場合、好ましくは前記出力制御手段は、変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段にメディアソースの変更が前記規制情報に適合しない旨の警告を出力させる。
【0012】
さらに好ましくは前記出力制御手段は、メディアソースの出力態様と動画再生に関する規制情報との関係から、前記規制情報に適合するメディアソースの出力態様を定めたテーブルを含み、前記出力制御手段は、当該テーブルに従い前記出力手段にメディアソースを選択させる。
【0013】
車載用電子装置はさらに、前記ナビゲーション手段により設定された誘導経路に基づき動画再生に関する規制情報の変更を検出する規制変更検出手段を含み、自車の移動に伴い、前記規制変更検出手段により規制情報の変更が検出されたとき、前記判定手段は、出力態様が変更される規制情報に適合するか否かを判定し、前記出力制御手段は、前記変更される規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段に出力態様が前記変更される規制情報に適合しない可能性がある旨の警告を出力させることができる。
【0014】
また、前記出力手段は、運転席前方に配置され、運転者側画面と同乗者側画面を同時に表示可能なディスプレイを含んでおり、前記判定手段は、運転者側画面の出力態様と同乗者側の出力態様が動画再生に関する規制情報に適合するか否かを判定し、前記出力制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づき運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様から出力されるメディアソースの選択を制御することができる。この場合、前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段は、運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様が同一の画像を表示するようにメディアソースを選択することができる。好ましくは前記出力制御手段は、メディアソースの出力態様と動画再生に関する規制情報との関係から、前記規制情報に適合するメディアソースの出力態様を定めたテーブルを含み、当該テーブルは、運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様のそれぞれを含んでおり、前記出力制御手段は、前記テーブルに従い前記出力手段にメディアソースを選択させる。
【0015】
本発明に係る動画再生方法またはプログラムは、ディスプレイに動画を再生可能な車載用電子装置において、自車位置を検出するステップと、検出された自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制情報を取得するステップと、車載用電子装置において選択されているメディアソースの出力態様を検出するステップと、検出された出力態様が取得された動画再生に関する規制情報に適合しているか否かを判定するステップと、前記規制情報に適合していないと判定されたとき、前記規制情報に適合するメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力するステップとを有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制に出力態様が適合するか否かを判定し、適合しない場合には、出力態様を切り替えて規制に適合するようにしたので、規制を知らないユーザが規制に違反することを未然に防止することができる。このため、ユーザは、事前に規制に関する情報の検索等の煩雑な作業を行う必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の最良の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る車載用電子装置は、動画や静止画を再生する機能、オーディオデータを再生する機能、およびナビゲーション機能を備え、地域毎に設定された動画再生に関する規制に応じてこれらの機能を適宜選択して出力することを可能にする。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の実施例に係る車載用電子装置の構成を示すブロック図である。車載用電子装置1は、ナビゲーション機能部10、オーディオ・ビデオ(以下、AVと称す)再生部20、TV/ラジオ受信部30、入力部40、外部インターフェース(I/F)50、オーディオデータを出力するスピーカ60、ビデオデータを出力するディスプレイ70、大容量ハードディスク装置や半導体メモリ装置などを含む記憶部80、各部を制御する制御部90、これらを接続する内部バス100とを含んで構成される。
【0019】
ナビゲーション機能部10は、GPS受信衛星やジャイロセンサ等から自車位置を検出し、自車位置周辺の道路地図データを記憶部80から読み出し、これをディスプレイ70に表示する。さらにナビゲーション機能部10は、入力部40から入力された目的地や検索条件に基づき目的地までの誘導経路を探索し、これを道路地図上に表示し目的地までの案内を行う。
【0020】
AV再生部20は、CD、DVD、ブルーレイディスク、外部メディア機器などの記憶媒体に記憶されたオーディオデータおよび/またはビデオデータを再生し、これらの再生データをスピーカ60およびディスプレイ70から出力する。
【0021】
TV/ラジオ受信部30は、地上波デジタル等のテレビ放送やラジオ放送をアンテナを介して受信するチューナを含み、受信した放送信号は、ビデオデータ、オーディオデータおよび文字データとに分離され、これらはスピーカ60やディスプレイ70から出力される。
【0022】
入力部40は、例えばタッチパネル、入力キー、リモコンなどを含み、ユーザからの入力、例えばメディアソースの選択、音量調整、放送局の選択などの情報を車載用電子装置1に与える。外部I/F50は、ケーブルなどの有線や赤外線通信やブルートゥースなどの無線を介して外部メディア機器を車載用電子装置1に接続する。外部メディア機器を接続することで、そこに記憶されたオーディオデータやビデオデータを車載用電子装置1から出力することができる。
【0023】
記憶部80は、各種データを記憶する。例えば、ナビゲーションに必要な道路、施設などを含む道路地図データや、都道府県若しくは市区町村あるいは州などの地域で施行または設定された動画再生に関する規制情報、後述する動画再生に関する規制に適合するか否かを判定する適合判定テーブルなどを記憶する。なお、本明細書では、法令や条例などによって動画再生に関する規制を設定している都道府県、市区町村あるいは州などの地域の単位を「対象地域」という。さらに、本明細書でいう「規制」は、法令、条例、規則などを含むが、違反者に対して罰則を与えない訓示や訓告なども含む広い意味である。
【0024】
図2は、動画再生に関する規制情報の例を示している。記憶部80は、図示するように、対象地域毎(対象地域#1、#2、・・・#n)に設定された動画再生に関する規制を格納している。規制情報は、テキスト情報で格納するものであってもよいし、規制の特徴部分を抽出した情報であってもよく、どのような形態で格納するかは問わない。なお、規制情報は外部I/F50を介して規制情報を蓄積した外部サーバなどから取得したり、法改正などが行われたときは、外部I/F50から法改正情報を取得し、規制情報を更新することができる。
【0025】
例えば、対象地域#1には規制#1が施行されており、規制#1は、「運転者の見える位置にモニタを設置してもよいが、動画を運転者に見せてはならない(ナビゲーション動画は可)」と定めている。このため、走行中において、車のフロントガラス付近に設置したディスプレイに動画を表示させれば違反となるが、静止画像やナビゲーション画像であれば再生してもよい。また、運転席よりも後ろに設置されたディスプレイに動画を表示しても問題ない。
【0026】
対象地域#2では、規制#2が施行されており、規制#2は「運転席より前の位置に動画視聴可能な機器を設置してはならない(ナビゲーション機器は可)」と定めている。このため、TVやDVDの視聴のみを目的とするディスプレイをフロントガラス近傍に設置すると違反になる。対象地域#3では、規制#3が施行されているが、規制#3には動画再生に関する規制がない。従って、ディスプレイに自由にビデオデータを表示することができる。
【0027】
制御部90は、車載用電子装置1を制御するプログラムを記憶するメモリと、このプログラムを実行する中央処理装置等を含んでいる。プログラムは、ナビゲーション機能部10、AV再生部20、TV/ラジオ受信部30の制御に加えて、自車が走行している対象地域の動画再生に関する規制情報に基づき動画等の再生を制御するための再生制御プログラムを有している。
【0028】
図3は、制御部90の再生制御プログラムの機能ブロック図である。再生制御プログラム110は、車載用電子装置1の出力態様を検出する出力態様検出部112と、自車が走行している対象地域を判別する対象地域判別部114と、対象地域判別部114により判別された対象地域の動画再生に関する規制情報を記憶部80から抽出する規制情報抽出部116と、出力態様が対象地域の規制に適合するか否かを判定する適合判定部118と、出力態様が規制と不適合であるとき、規制に適合するような出力態様を決定する出力態様決定部120とを含む。
【0029】
出力態様検出部112は、車載用電子装置が実行または選択しているメディアソースを識別し、かつ当該メディアソースがどのように出力されているのかを検出する。ここでのメディアソースとは、車載用電子装置において出力可能なコンテンツ情報であって、CD、DVD、ブルーレイディスク、テレビ、ラジオ、ナビゲーション、外部メディア機器などである。出力態様とは、ディスプレイへの画像出力、静止画出力、スピーカへの音声出力等である。
【0030】
対象地域判別部114は、ナビゲーション機能部10からの自車位置情報を取得し、当該自車位置情報に基づき対象地域を判別する。例えば、自車位置情報で示された緯度、経度を包含する対象地域を判別する。
【0031】
規制情報抽出部116は、対象地域判別部114によって判別された対象地域に該当する規制情報を記憶部80から読み出し、当該規制情報を抽出する。適合判定部118は、読み出した規制情報と出力態様検出部112によって検出された出力態様とを比較し、出力態様が規制に適合するか否かを判定する。
【0032】
図4は、出力態様が規制に適合するか否かを判定する適合判定テーブルの例を示している。適合判定テーブル140は、各対象地域の規制情報とディスプレイへの出力態様との関係をまとめたものである。なお、ディスプレイは、運転席より前に設置されているものである。ディスプレイへの出力態様には、テレビ放送やDVD等から得られたビデオデータを再生するTV/DVD動画と、ナビゲーション機能部10によるナビゲーション画像がある。TV/DVD動画は、規制#1および#2では規制されるが(図2を参照)、規制3では許可される。ナビゲーション画像は、いずれの規制も受けない。このような適合判定テーブル140を予め用意しておくことで、適合判定部118は、出力態様が規制に適合するか否かを簡単に判定することができ、判定時間を短縮することができる。
【0033】
図5は、出力態様決定部120の機能ブロック図である。出力態様決定部120は、適合判定部118の判定結果に基づき、複数のメディアソースの中から1つのビデオデータを選択するビデオ選択部122と、複数のメディアソースの中から1つのオーディオデータを選択するオーディオ選択部124とを有している。ビデオ選択部122は、TV画像、DVD(ブルーレイ等を含む)画像、ナビゲーション画像、またはブランクから1つを選択する入力と、選択した入力をディスプレイ70へ提供する出力を有する。なお、ビデオ選択部122がブランクを選択すると、ディスプレイ70にはビデオデータが出力されず、ディスプレイ70は、オフ状態となる。あるいは、記憶部80に静止画像を予め用意しておき、ブランクが選択されたとき、この静止画像をディスプレイ70に供給するようにしてもよい。オーディオ選択部124は、TV音声、ラジオ音声、CD音声、DVD(ブルーレイ等を含む)音声、ナビゲーション音声、ブランクから1つを選択し、これをスピーカ60へ供給する。
【0034】
出力態様決定部120は、自車が停止しているときには、動画再生に関する規制を受けないので、ユーザからの指示に応じてメディアソースを選択する。例えば、ユーザがTVを選択すれば、ビデオ選択部122はTV画像を選択し、それがディスプレイ70に表示される。またオーディオ選択部124もTV音声を選択し、これがスピーカ60から出力される。
【0035】
他方、自車が走行を開始すると、ビデオ選択部122は、動画再生に関する規制に抵触しないようにメディアソースを選択する。ビデオ選択部122の選択に合わせてオーディオ選択部124がメディアソースを切り替えても良い。さらに、車両が走行中であっても、動画に関する規制がない対象地域から規制が存在する対象地域へ進入する場合にも、ビデオ選択部122は、必要に応じてメディアソースの切換制御を行う。
【0036】
例えば、TV動画を出力しており、動画再生が規制されている対象地域に進入するときは、ビデオ選択部122はTV画像からナビ画像に切り替え、オーディオ選択部124は、TV音声からナビ音声に切り替える。車両が再び規制のない対象地域へ進入すると、ビデオ選択部122はTV画像を選択してこれをディスプレイに表示してもよい。また、TV画像の視聴中であっても、交差点案内などのナビゲーション機能を優先的に表示する場合には、自動的にナビ画像に切替えてもよい。さらに、出力態様決定部120は、動画再生が規制されている対象地域において、ユーザから動画再生の指示があったとしても、当該入力を拒否するようにしてよい。
【0037】
次に、本実施例に係る車載用電子装置の動画再生動作について図6に示すフローチャートを参照して説明する。自車が走行を開始すると(ステップS101)、ナビゲーション機能部10は、出力態様検出部112に走行開始を示す信号を提供する。出力態様検出部112は、この信号に応答して、出力態様を検出する(ステップS102)。出力態様は、例えば図5に示したビデオ選択部122がどの入力を選択しているのかを検出すればよい。
【0038】
次に、対象地域判別部114は、ナビゲーション機能部10から自車位置情報を受け取り、自車位置が該当する対象地域を判別する(ステップS103)。次に、規制情報抽出部116は、判別された対象地域に該当する規制情報を記憶部80から抽出する(ステップS104)。
【0039】
次に、適合判定部118は、抽出された規制情報と、検出された出力態様とを比較し(ステップS105)、出力態様が規制に適合するか否かを判定する(ステップS106)。好ましくは、上記したように適合判定テーブル140を用いて判定する。
【0040】
出力態様決定部120は、適合判定部118により規制に適合していると判定された場合には、出力態様をそのまま維持する。他方、適合していないと判定された場合には、出力態様決定部120は、ビデオ選択部122に動画再生を停止させ、ナビゲーション画面またはブランクを選択するような切換えを行う(ステップS107)。そして、自車が走行中であれば、ステップS102へ戻る。但し、ステップS102からの実行は、一定時間が経過したとき、あるいは他の対象地域へ進入したときに行うようにしてもよい。
【0041】
図7は、ビデオデータ切換テーブルの一例を示す図である。上記したように出力態様決定部120は、規制に適合するか否かに応じてビデオデータの切換を行う。この場合に、図7に示すようなビデオデータ切換テーブルを記憶部80に予め用意しておき、このテーブルに従いビデオデータを選択するようにしてもよい。例えば、出力態様としてTV画像が選択されているとき、規制#1の対象地域に進入するならば、ビデオ選択部122は、ブランク(静止画を含む)か、ナビゲーション画像を選択する。規制#2の対象地域の場合にも同様である。規制#3の対象地域の場合には、規制がないので、出力態様はそのまま維持される。勿論、このようなテーブルを用いて切換を行う以外にも、予め、ビデオデータを選択する優先順位を決定しておき、それに従い、規制に適合するようなビデオデータを選択するようにしてもよい。
【0042】
図8(a)は、他のビデオデータ切換例を示している。同図に示すように、自車が対象地域#3を走行中であり、境界Bを越えて対象地域#1に進入するものとする。対象地域#3において、運転席前方のディスプレイに動画を再生した状態から対象地域#1に進入する場合には、ビデオ選択部122は、ディスプレイへの動画出力が停止されるようにブランクを選択するか、あるいは動画以外ナビゲーション画像を選択する。このとき、オーディオ選択部124は、テレビ画像を表示していたのであれば、TV音声を出力し、DVD画像を表示していたのでれば、DVD音声を出力するようにしてもよい。
【0043】
また、図8(b)に示すように、目的地までの誘導経路Yが設定されており、誘導経路Yが対象地域#3から対象地域#1へ向かうような場合、再生制御プログラム100は、誘導経路Yに基づき対象地域が変更になり、動画再生に関する規制が変更になることを事前に検出することができる。このような検出が行われた場合には、適合判定部118は、自車が対象地域#1へ進入する前に出力態様が規制に適合するか否かを判定することができる。
【0044】
誘導経路Yの進行方向において、対象地域#3から対象地域#1に変更が生じることが検出されると、対象地域判別部114は自車位置がある対象地域#1であると判別し、規制情報抽出部116は対象地域#1の動画再生に関する規制情報を記憶部80から抽出す。そして、適合判定部118は、出力態様検出部112によって検出された現在の出力態様が対象地域#1の規制に適合するか否かを判定する。もし、不適合と判定された場合には、再生制御プログラム110は、事前にその旨の案内をユーザに提示し、ユーザにビデオデータを切換える機会を与えるようにしてもよい。併せて、対象地域#1の規制内容を提示するようにしてもよい。
【0045】
さらに図8(b)とは反対に、規制のある対象地域#1から規制のない対象地域#3へ進入することが事前に判定することが可能な場合には、再生制御プログラム110は、事前にその旨の案内をユーザに提示し、ビデオデータを切換える機会を与えることができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例は、動画再生が規制されている対象地域において、ユーザがメディアソースへの変更を指示したときの処理に関する。図9は、第2の実施例に係る車載用電子装置の動作を示すフローチャートである。
【0047】
入力部40を介してユーザがメディアソースの変更を指示すると(ステップS201)、適合判定部118は、変更するメディアソースの出力態様と、対象地域の動画再生に関する規制情報とを比較し、変更するメディアソースの出力態様が規制に適合するか否かを判定する(ステップS202)。不適合であると判定された場合には、出力態様決定部120は、ユーザからのメディアソースの変更を拒否し(ステップS203)、現状の出力態様を継続するとともに、予め用意された「ビデオデータの再生は規制に違反します」等の警告をディスプレイやスピーカから出力する(ステップS204)。他方、変更するメディアソースの出力態様が適合すると判定された場合には、出力態様決定部120は、変更するメディアソースへ出力態様を切替える(ステップS205)。
【0048】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第3の実施例は、2つの画像を同時に表示することができるデュアルビュー液晶ディスプレイを用いたときの処理に関する。デュアルビューディスプレイは、ディスプレイ上に視差バリアと呼ばれるフィルタを設置し、バックライトからの光の向きを左右に分離することで、左右に異なる画像を同時に表示するものである。左右の画面に同じ画像を出力すれば、通常のシングルビュー液晶として利用することもできる。図10(a)に示すように、デュアルビューディスプレイ70Aをフロントガラス近傍に配置し、運転者Dと同乗者Qのそれぞれに異なる画像を視聴させることができる。
【0049】
対象地域#1の動画再生に関する規制は、図2に示すように、運転者のみが規制の対象であり、同乗者には規制が及ばない。他方、対象地域#2の動画再生に関する規制は、運転者および同乗者の双方が規制される。従って、第3の実施例では、規制内容に応じてデュアルビューディスプレイで表示される画像の切替制御を行う。
【0050】
図11は、第3の実施例に係る再生制御プログラムの出力態様決定部の機能ブロックを示している。出力態様決定部120Bは、第1のビデオ選択部122Aと、第2のビデオ選択部122Bとを有している。第1のビデオ選択部122Aの入力は、TV画像、DVD(ブルーレイ等を含む)画像、ナビゲーション画像、ブランク(静止画を含む)に接続され、出力は運転者側画面170に接続される。第2のビデオ選択部122Bの入力は、第1のビデオ選択部122Aと同様であるが、その接続は、同乗者側画面180に接続される。第1および第2のビデオ選択部122A、122Bは、それぞれ独立して動作することができ、デュアルビューディスプレイ70Aの運転者側画面170と同乗者側画面180に画像を提供する。
【0051】
出力態様検出部112は、デュアルビューディスプレイ70Aの出力態様を検出する。好ましくは、図11に示すビデオ選択部122A、122Bが選択している入力から出力態様を検出する。適合判定部118は、自車が走行している、あるいは走行する予定の対象地域の動画再生に関する規制情報と、検出された出力態様とを比較し、運転者側画面170と同乗者側画面180のそれぞれの出力態様が規制に適合するか否かを判定する。適合していると判定された場合には、出力態様はそのまま継続されるが、いずれかの画面または双方の画面が規制に適合していないと判定された場合には、出力態様決定部120Aは、規制に適合するようにビデオ選択部122A、122Bの切替制御を行う。
【0052】
適合判定部118は、検出された出力態様が規制に適合するか否かを判定するために、図12に示すような適合判定テーブル140Aを用いることができる。運転者用画面170の判定には、上記した図4に示す適合判定テーブル140が用いられ、同乗者側画面180の判定には、図12に示す適合判定テーブル140Aが用いられる。
【0053】
例えば、対象地域#1を走行するとき、運転者側画面170は、動画再生が規制されるため、ビデオ選択部122Aは、ナビ画面またはブランクを選択する。また、同乗者側画面180は、動画再生が規制されないので、ビデオ選択部122Bは、TV画像またはDVD画像を選択することができる。図10(b)は、運転者側画面170にナビゲーション画像が表示され、同乗者側画面180にテレビ画像が表示されている例を示している。
【0054】
対象地域#2を走行するとき、運転者側画面と同乗者側画面の双方が動画再生の規制を受ける。このため、第1および第2のビデオ選択部122A、122Bはナビ画像またはブランクを選択する。図10(c)は、運転者側画面170にブランク状態が表示され、同乗者側画面180にナビゲーション画像が表示されている例を示している。
【0055】
さらに出力態様決定部120Aは、規制のない対象地域#3から運転者に規制のある対象地域#1へ進入するような場合には、デュアルビューディスプレイをシングルビューに切替えるようにしてもよい。この場合、第1および第2のビデオ選択部122A、122Bは、規制に適合するような同じ入力を選択する。図10(c)は、運転者側画面170と同乗者側画面180の双方にナビゲーション画像が表示されている例を示している。
【0056】
図13は、第3の実施例に係るビデオデータ切替テーブルの例である。出力態様決定部120Aは、同図に示すようなビデオ切替テーブルを参照して、第1および第2のビデオ選択部122A、122Bの切替制御を実行するようにしても良い。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0058】
上記実施例において、車載用電子装置は、メディアソースとしてナビゲーション機能部、AV再生部(CD、DVD、ブルーレイディスクなど)、テレビ/ラジオ受信部、外部メディア機器を含む例を示したが、これは一例であり、必ずしもこれらの構成に限られるものではない。例えば、動画再生のメディアとしてテレビ受信機のみであってもよいし、あるいはAV再生機器のみであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施例に係る車両用電子装置の構成を示すブロック図である。
【図2】動画再生に関する規制のデータ構成例を示す図である。
【図3】再生制御プログラムの機能ブロック図である。
【図4】出力態様が規制に適合するか否かを判定する適合判定テーブルの例である。
【図5】出力態様決定部の機能ブロック図である。
【図6】本実施例の車載用電子装置の動作再生制御動作のフローチャートである。
【図7】出力決定部によるビデオ切換テーブルの例である。
【図8】ビデオデータ切換動作例を示す図である。
【図9】第2の実施例に係る車載用電子装置の動作フローチャートを示す図である。
【図10】図10(a)はデュアルビューディスプレイを説明する図であり、図10(b)ないし(d)は第3の実施例における運転者側画面と同乗者側画面の表示例である。
【図11】第3の実施例に係る再生制御プログラムの出力態様決定部の機能ブロック図である。
【図12】第3の実施例における同乗者側の適合判定テーブルの例である。
【図13】第3の実施例におけるビデオデータ切替テーブルの例である。
【符号の説明】
【0060】
1:車載用電子装置 10:ナビゲーション機能部
20:AV再生部 30:TV/ラジオ受信部
40:入力部 50:外部I/F
60:スピーカ 70:ディスプレイ
80:記憶部 90:制御部
100:内部バス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
地域毎の動画再生に関する規制情報を記憶する記憶手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
複数のメディアソースの中からメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力する出力手段と、
前記出力手段により選択されたメディアソースの出力態様を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された出力態様が前記抽出手段により抽出された動画再生に関する規制情報に適合しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づき前記出力手段を制御する出力制御手段と、
を有する車載用電子装置。
【請求項2】
前記判定手段により不適合と判定されたとき、前記出力制御手段は、前記規制情報に適合するように前記出力手段によるメディアソースの選択を制御する、請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項3】
前記出力制御手段は、前記出力手段による動画再生を停止させる、請求項1または2に記載の車載用電子装置。
【請求項4】
前記出力制御手段は、前記出力手段に静止画を表示させる、請求項1または2に記載の車載用電子装置。
【請求項5】
前記出力制御手段は、前記出力手段にオーディオデータを再生させる、請求項3または4に記載の車載用電子装置。
【請求項6】
車載用電子装置はさらに、自車位置周辺の道路地図を表示し目的地までの経路を案内するナビゲーション手段を含み、
前記判定手段により前記規制情報に不適合と判定されたとき、前記出力制御手段は、前記出力手段にナビゲーション画像を表示させる、請求項1または2に記載の車載用電子装置。
【請求項7】
車載用電子装置はさらに、ユーザからの指示を入力する入力手段を含み、
前記入力手段からメディアソースの変更を指示する入力があったとき、前記判定手段は、変更するメディアソースの出力態様が動画再生に関する規制情報に適合するか否かを判定し、
前記出力制御手段は、変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記メディアソースの変更の指示を拒否する、請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項8】
前記出力制御手段は、変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段にメディアソースの変更が前記規制情報に適合しない旨の警告を出力させる、請求項7に記載の車載用電子装置。
【請求項9】
前記出力制御手段は、メディアソースの出力態様と動画再生に関する規制情報との関係から、前記規制情報に適合するメディアソースの出力態様を定めたテーブルを含み、前記出力制御手段は、当該テーブルに従い前記出力手段にメディアソースを選択させる、請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項10】
車載用電子装置はさらに、前記ナビゲーション手段により設定された誘導経路に基づき動画再生に関する規制情報の変更を検出する規制変更検出手段を含み、
自車の移動に伴い、前記規制変更検出手段により規制情報の変更が検出されたとき、前記判定手段は、出力態様が変更される規制情報に適合するか否かを判定し、
前記出力制御手段は、前記変更される規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段に出力態様が前記変更される規制情報に適合しない可能性がある旨の警告を出力させる、請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項11】
前記出力手段は、運転席前方に配置され、運転者側画面と同乗者側画面を同時に表示可能なディスプレイを含んでおり、
前記判定手段は、運転者側画面の出力態様と同乗者側の出力態様が動画再生に関する規制情報に適合するか否かを判定し、
前記出力制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づき運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様から出力されるメディアソースの選択を制御する、請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項12】
前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段は、運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様が同一の画像を表示するようにメディアソースを選択する、請求項11に記載の車載用電子装置。
【請求項13】
前記出力制御手段は、メディアソースの出力態様と動画再生に関する規制情報との関係から、前記規制情報に適合するメディアソースの出力態様を定めたテーブルを含み、当該テーブルは、運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様のそれぞれを含んでおり、前記出力制御手段は、前記テーブルに従い前記出力手段にメディアソースを選択させる、
請求項11または12に記載の車載用電子装置。
【請求項14】
ディスプレイに動画を再生可能な車載用電子装置における動画再生方法であって、
自車位置を検出するステップと、
検出された自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制情報を取得するステップと、
車載用電子装置において選択されているメディアソースの出力態様を検出するステップと、
検出された出力態様が取得された動画再生に関する規制情報に適合しているか否かを判定するステップと、
前記規制情報に適合していないと判定されたとき、前記規制情報に適合するメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力するステップと、
を有する動画再生方法。
【請求項15】
前記出力するステップは、動画再生以外の情報を出力する、請求項14に記載の動画再生方法。
【請求項16】
動画再生方法はさらに、メディアソースの変更を入力するステップと、
変更するメディアソースの出力態様が動画再生に関する規制情報に適合するか否かを判定するステップと、
変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記メディアソースの変更の入力を拒否するステップとを含む、請求項14に記載の動画再生方法。
【請求項17】
動画再生方法はさらに、運転席前方に配置されたディスプレイが運転者側画面と同乗者側画面の出力態様を含むとき、運転者側画面の出力態様と同乗者側の出力態様が前記規制情報に適合するか否かを判定するステップと、
当該判定結果に基づき運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様から出力されるメディアソースの選択を制御するステップとを含む、請求項14に記載の動画再生方法。
【請求項18】
ディスプレイに動画を再生が可能な車載用電子装置が実行する動画再生プログラムであって、
自車位置を検出するステップと、
検出された自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制情報を取得するステップと、
車載用電子装置において選択されているメディアソースの出力態様を検出するステップと、
検出された出力態様が取得された動画再生に関する規制情報に適合しているか否かを判定するステップと、
前記規制情報に適合していないと判定されたとき、前記規制情報に適合するメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力するステップと、
を有する動画再生プログラム。
【請求項19】
前記出力するステップは、動画再生以外の情報を出力する、請求項18に記載の動画再生プログラム。
【請求項20】
動画再生プログラムはさらに、メディアソースの変更を入力するステップと、
変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合するか否かを判定するステップと、
変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記メディアソースの変更の入力を拒否するステップとを含む、請求項18に記載の動画再生プログラム。
【請求項21】
動画再生プログラムはさらに、運転席前方に配置されたディスプレイが運転者側画面と同乗者側画面の出力態様を含むとき、運転者側画面の出力態様と同乗者側の出力態様が前記規制情報に適合するか否かを判定するステップと、
当該判定結果に基づき運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様から出力されるメディアソースの選択を制御するステップとを含む、請求項18に記載の動画再生プログラム。
【請求項1】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
地域毎の動画再生に関する規制情報を記憶する記憶手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
複数のメディアソースの中からメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力する出力手段と、
前記出力手段により選択されたメディアソースの出力態様を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された出力態様が前記抽出手段により抽出された動画再生に関する規制情報に適合しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づき前記出力手段を制御する出力制御手段と、
を有する車載用電子装置。
【請求項2】
前記判定手段により不適合と判定されたとき、前記出力制御手段は、前記規制情報に適合するように前記出力手段によるメディアソースの選択を制御する、請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項3】
前記出力制御手段は、前記出力手段による動画再生を停止させる、請求項1または2に記載の車載用電子装置。
【請求項4】
前記出力制御手段は、前記出力手段に静止画を表示させる、請求項1または2に記載の車載用電子装置。
【請求項5】
前記出力制御手段は、前記出力手段にオーディオデータを再生させる、請求項3または4に記載の車載用電子装置。
【請求項6】
車載用電子装置はさらに、自車位置周辺の道路地図を表示し目的地までの経路を案内するナビゲーション手段を含み、
前記判定手段により前記規制情報に不適合と判定されたとき、前記出力制御手段は、前記出力手段にナビゲーション画像を表示させる、請求項1または2に記載の車載用電子装置。
【請求項7】
車載用電子装置はさらに、ユーザからの指示を入力する入力手段を含み、
前記入力手段からメディアソースの変更を指示する入力があったとき、前記判定手段は、変更するメディアソースの出力態様が動画再生に関する規制情報に適合するか否かを判定し、
前記出力制御手段は、変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記メディアソースの変更の指示を拒否する、請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項8】
前記出力制御手段は、変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段にメディアソースの変更が前記規制情報に適合しない旨の警告を出力させる、請求項7に記載の車載用電子装置。
【請求項9】
前記出力制御手段は、メディアソースの出力態様と動画再生に関する規制情報との関係から、前記規制情報に適合するメディアソースの出力態様を定めたテーブルを含み、前記出力制御手段は、当該テーブルに従い前記出力手段にメディアソースを選択させる、請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項10】
車載用電子装置はさらに、前記ナビゲーション手段により設定された誘導経路に基づき動画再生に関する規制情報の変更を検出する規制変更検出手段を含み、
自車の移動に伴い、前記規制変更検出手段により規制情報の変更が検出されたとき、前記判定手段は、出力態様が変更される規制情報に適合するか否かを判定し、
前記出力制御手段は、前記変更される規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段に出力態様が前記変更される規制情報に適合しない可能性がある旨の警告を出力させる、請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項11】
前記出力手段は、運転席前方に配置され、運転者側画面と同乗者側画面を同時に表示可能なディスプレイを含んでおり、
前記判定手段は、運転者側画面の出力態様と同乗者側の出力態様が動画再生に関する規制情報に適合するか否かを判定し、
前記出力制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づき運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様から出力されるメディアソースの選択を制御する、請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項12】
前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記出力手段は、運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様が同一の画像を表示するようにメディアソースを選択する、請求項11に記載の車載用電子装置。
【請求項13】
前記出力制御手段は、メディアソースの出力態様と動画再生に関する規制情報との関係から、前記規制情報に適合するメディアソースの出力態様を定めたテーブルを含み、当該テーブルは、運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様のそれぞれを含んでおり、前記出力制御手段は、前記テーブルに従い前記出力手段にメディアソースを選択させる、
請求項11または12に記載の車載用電子装置。
【請求項14】
ディスプレイに動画を再生可能な車載用電子装置における動画再生方法であって、
自車位置を検出するステップと、
検出された自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制情報を取得するステップと、
車載用電子装置において選択されているメディアソースの出力態様を検出するステップと、
検出された出力態様が取得された動画再生に関する規制情報に適合しているか否かを判定するステップと、
前記規制情報に適合していないと判定されたとき、前記規制情報に適合するメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力するステップと、
を有する動画再生方法。
【請求項15】
前記出力するステップは、動画再生以外の情報を出力する、請求項14に記載の動画再生方法。
【請求項16】
動画再生方法はさらに、メディアソースの変更を入力するステップと、
変更するメディアソースの出力態様が動画再生に関する規制情報に適合するか否かを判定するステップと、
変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記メディアソースの変更の入力を拒否するステップとを含む、請求項14に記載の動画再生方法。
【請求項17】
動画再生方法はさらに、運転席前方に配置されたディスプレイが運転者側画面と同乗者側画面の出力態様を含むとき、運転者側画面の出力態様と同乗者側の出力態様が前記規制情報に適合するか否かを判定するステップと、
当該判定結果に基づき運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様から出力されるメディアソースの選択を制御するステップとを含む、請求項14に記載の動画再生方法。
【請求項18】
ディスプレイに動画を再生が可能な車載用電子装置が実行する動画再生プログラムであって、
自車位置を検出するステップと、
検出された自車位置に対応する地域の動画再生に関する規制情報を取得するステップと、
車載用電子装置において選択されているメディアソースの出力態様を検出するステップと、
検出された出力態様が取得された動画再生に関する規制情報に適合しているか否かを判定するステップと、
前記規制情報に適合していないと判定されたとき、前記規制情報に適合するメディアソースを選択し、選択されたメディアソースを出力するステップと、
を有する動画再生プログラム。
【請求項19】
前記出力するステップは、動画再生以外の情報を出力する、請求項18に記載の動画再生プログラム。
【請求項20】
動画再生プログラムはさらに、メディアソースの変更を入力するステップと、
変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合するか否かを判定するステップと、
変更するメディアソースの出力態様が前記規制情報に適合しないと判定されたとき、前記メディアソースの変更の入力を拒否するステップとを含む、請求項18に記載の動画再生プログラム。
【請求項21】
動画再生プログラムはさらに、運転席前方に配置されたディスプレイが運転者側画面と同乗者側画面の出力態様を含むとき、運転者側画面の出力態様と同乗者側の出力態様が前記規制情報に適合するか否かを判定するステップと、
当該判定結果に基づき運転者側画面の出力態様と同乗者側画面の出力態様から出力されるメディアソースの選択を制御するステップとを含む、請求項18に記載の動画再生プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−107380(P2010−107380A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280189(P2008−280189)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
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