説明

通信装置、通信システムおよびワンタッチダイヤルシート

【課題】 ワンタッチダイヤルシートを交換するだけで、当該ワンタッチダイヤルシート毎に関連付けた指定相手先をワンタッチで選択できるようにする。
【解決手段】 操作部7は相手先に割り振られた複数のワンタッチキーを有し何れかのワンタッチキーの操作によって割り振られた相手先を指定する。通信部3は指定相手先との間でネットワーク17を介してデータを送受信する。検出部13はワンタッチダイヤルシート23が操作部7近傍に配置されたときRFID装置25から識別情報を検出する。記憶部5は識別情報毎に相手先を指定する指定情報をワンタッチキーに関連付けて予め記憶する。主制御部1は、検出部13で検出された識別情報に対応する指定情報の内から操作されたワンタッチキー7aに関連付けられた指定情報を記憶部5から読み出すとともに、読み出された指定情報に基づき通信部3を制御して当該指定相手先と通信を確立制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置、通信システムおよびワンタッチダイヤルシートに係り、例えばファクシミリ機や複合機(MFP:Multi Function Peripheral)に利用して好適な通信装置、通信システムおよびワンタッチダイヤルシートの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばファクシミリ機等では、ファクシミリ通信する際、相手方の回線番号を入力設定する必要があって操作が煩雑になり易いことから、頻繁にファクシミリ通信する特定の相手方については、回線番号を記憶させるとともに1回の操作で当該回線番号を読み出して設定できるよう、ワンタッチキー機構を備えている。
【0003】
例えば、特開平6−121078号公報(特許文献1)はこの種のものである。
【0004】
この特許文献1は、ワンタッチダイヤルシートフォーマットを自機のプロッタを用いて記録出力する出力手段を設けたファクシミリ装置であり、ワンタッチダイヤルの宛先を表示するワンタッチダイヤルシートの印字機能を有し、ワンタッチダイヤルシートの手書きの手間を解消したものである。
【0005】
さらに、特開平6−133089号公報(特許文献2)も提案されている。
【0006】
この特許文献2は、ファクシミリ通信による画像データを受信する画像データ受信手段と、該画像データ受信手段により受信された画像データに基づいてハードコピーをプリントアウトするプロッタと、送信のための電話番号を特定のワンタッチキー又は短縮コードに対応させて記憶する記憶手段とを有する通信装置であり、使用しているユーザ毎にワンタッチダイヤルの内容を切り替えて使用可能で、相手先の識別コードを自動的に記憶することができ、登録の煩わしさおよび入力ミスの両方を解消するものである。
【特許文献1】特開平6−121078号公報
【特許文献2】特開平6−133089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1では、ワンタッチダイヤルの中身が変更された場合、ワンタッチダイヤルシートの貼り替えの手間がかかるし、変更が生じてもリアルタイムに反映されないので、ワンタッチダイヤルシートが本当に正しい相手先を表示しているかユーザに不安感を抱かせる心配がある。
【0008】
また、特許文献2は、ユーザ毎にワンタッチダイヤルを切り替えることで利便性を向上しているが、どのワンタッチダイヤルがどの相手先かという対応関係を表示することが困難であり、使いづらい難点がある。
【0009】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、ワンタッチダイヤルシートがユーザを特定する機能を有し、ワンタッチダイヤルシートの交換によってユーザ切換えが簡単で利便性の高い通信装置、通信システムおよびワンタッチダイヤルシートの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのような課題を解決するために本発明に係る通信装置は、相手先に割り振られた複数のワンタッチキーを有し何れかのワンタッチキーの操作によって割り振られた相手先を指定する操作部と、指定された指定相手先との間でネットワークを介してデータを送受信する通信部と、RFID装置が付されたワンタッチダイヤルシートであって、その相手先を示す相手先情報が電子的に視覚表示されるとともに当該表示状態が保持される表示部をそれらワンタッチキーに対応して有するワンタッチダイヤルシートが操作部近傍に配置されたとき、そのRFID装置から固有の識別情報を検出する検出部と、その識別情報毎に相手先を指定する指定情報をワンタッチキーに関連付けて予め記憶する記憶部と、その検出部で検出された識別情報に対応する指定情報のうちから、操作されたワンタッチキーに関連付けられた指定情報をその記憶部から読み出すとともに、読み出された指定情報に基づきその通信部を制御して当該指定相手先と通信を確立制御する主制御部とを具備している。
【0011】
本発明の通信装置では、前記ワンタッチキーに対応した相手先情報を外部から入力する入力部と、入力された相手先情報をそのワンタッチダイヤルシートの表示部に書き込む書込部とを有する構成も可能である。
【0012】
本発明に係る通信システムは、指定された指定相手先との間でデータを送受信する通信装置と、これに付されて相手先を指定するワンタッチダイヤルシートとを有する通信システムである。
【0013】
そして、そのワンタッチダイヤルシートは、シート状本体と、固有の識別情報が読取り可能に格納されシート状本体に付されたRFID装置と、そのシート状本体に形成され相手先を指定するために割り振られた複数のワンタッチキーに対応し相手先を示す相手先情報が電子的に視覚表示されるとともに当該表示状態が保持される表示部とを具備し、上記通信装置は、相手先に割り振られた複数のワンタッチキーを有し何れかのワンタッチキーの操作によって割り振られた相手先を指定する操作部と、その指定相手先との間でネットワークを介してデータを送受信する通信部と、そのワンタッチダイヤルシートが操作部近傍に配置されたときそのRFID装置から固有の識別情報を検出する検出部と、その識別情報毎に相手先を指定する指定情報をそれらワンタッチキーに関連付けて予め記憶する記憶部と、その検出部で検出された識別情報に対応する指定情報のうちから、操作されたワンタッチキーに関連付けられた指定情報をその記憶部から読み出すとともに、読み出された指定情報に基づきその通信部を制御して当該指定相手先と通信を確立制御する主制御部とを具備している。
【0014】
本発明の通信システムでは、上記ワンタッチキーに対応した相手先情報を外部から入力する入力部と、入力された相手先情報をそのワンタッチダイヤルシートの表示部に書き込む書込部とを有する構成も可能である。
【0015】
本発明の通信システムでは、上記シート状本体が、個々の表示部がそれらワンタッチキー近傍に位置するよう載置可能に形成された構成も可能である。
【0016】
さらに、本発明に係るワンタッチダイヤルシートは、シート状本体と、固有の別情報が読取り可能に格納されシート状本体に付されたRFID装置と、通信装置において相手先を指定するために割り振られた複数のワンタッチキーに対応しシート状本体に形成された複数の表示部であって、その相手先情報が電子的に視覚表示されるとともに当該表示状態が保持される表示部とを具備している。
【0017】
本発明のワンタッチダイヤルシートでは、上記シート状本体が、個々の表示部がワンタッチキー近傍に位置するよう載置可能に形成された構成も可能である。
【発明の効果】
【0018】
このような本発明に係る通信装置では、相手先に割り振られた複数のワンタッチキーを有する操作部にて何れかのワンタッチキーの操作によって割り振られた相手先を指定し、RFID装置が付された相手先情報がかつ視覚的に表示保持された表示部を有するワンタッチダイヤルシートが上記操作部近傍に配置されたとき、検出部にてそのRFID装置から固有の識別情報を検出し、その識別情報毎に相手先を指定する指定情報をそのワンタッチキーに関連付けて記憶部に予め記憶し、その検出部で検出された識別情報に対応する指定情報のうちから、主制御部にて、操作されたワンタッチキーに関連付けられた指定情報をその記憶部から読み出すとともに、読み出された指定情報に基づき通信部を制御して当該指定相手先と通信を確立制御するから、交換されたワンタッチダイヤルシートによってユーザ毎の相手先を自動的に変更可能となり、利便性が向上する。
【0019】
本発明に係る通信システムは、上述した通信装置と、固有の識別情報が読取り可能に格納されたRFID装置および相手先情報が電子的に視覚的に表示保持される表示部とをシート状本体に向けたワンタッチダイヤルシートとを有するから、通信装置に用いるワンタッチダイヤルシートを交換するだけで、ワンタッチダイヤルシート毎の相手先の変更が可能となり、利便性が向上する。
【0020】
本発明において、上記ワンタッチキーに対応した相手先情報を外部から入力する入力部と、入力された相手先情報をそのワンタッチダイヤルシートの表示部に書き込む書込部とを有する構成では、相手先情報を変更したい場合、ワンタッチダイヤルシートの表示も変更可能となる。
【0021】
本発明において、個々の表示部がそのワンタッチキー近傍に位置するよう載置可能に上記シート状本体が形成された構成では、それらワンタッチキーに関連付けた相手先情報を確認することが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明に係る通信装置およびワンタッチダイヤルシートは本発明の通信システムを説明する過程で説明する。
【0023】
図1は本発明に係る通信システムの実施の形態を示す概略ブロック図である。
【0024】
図1において、本発明に係る通信装置は、主制御部1を中心にして通信部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9、書込部11、検出部13および画像読取部15を有して構成され、例えば複合機Aの一部を構成している。主制御部1は、通信部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9、書込部11、検出部13および画像読取部15を制御するものであるが、詳細は後述する。
【0025】
通信部3は、所定のプロトコルに従い、例えば公衆回線や社内LAN等のネットワーク17を介してファクシミリ機19やコンピュータ21等に対し、ファクシミリ送信する画像データを符号化して送信する機能や、それらファクシミリ機19やコンピュータ21から送信されたファクシミリ信号(画像データ)を受信、復号化し、主制御部1を介して記憶部5に出力する機能を有するインターフェース部である。
【0026】
記憶部5は、主制御部1の制御の下、通信部3で復号化された画像データ、画像読取部15で読み取られた画像データ、更に、ファクシミリ送信する相手先を指定する相手先回線番号を当該複合機Aの使用ユーザ毎に対応づけた後述するワンタッチ管理データを記憶する他、主制御部1の動作プログラムを格納する例えばハードディスク(HDD)等である。
【0027】
ワンタッチ管理データは、後述するワンタッチダイヤルシート23に付されたRFID装置25の識別情報毎に複数の相手先回線番号を対応付けたテーブル状のものであり、詳細は後述する。
【0028】
操作パネル部7は、図2に示すように、複合機Aの本体ケースの上部に配置されたタッチスイッチ操作部であり、「コピー」、「プリンタ」、「スキャナ」、「ファックス」等の選択キー、スタートキーやモード切換キー等の動作設置キー、更に、図3に示すように、種々の設定値を入力するための間隔を置いて縦横に配置されたテンキー7aを有する他、図示はしないが例えば液晶タイプの表示パネル等を有している。表示パネルもタッチスイッチ入力部を兼ねる場合がある。
【0029】
操作パネル部7は、それらの入力指示を受付ける操作部として機能し、入力指示された情報を主制御部1に出力し、入力指示された情報が表示パネルに反映されて表示される。
【0030】
操作パネル部7のテンキー7aは、ファクシミリ通信モードにおいて、相手先に割り振られた複数のワンタッチキーとしての機能を有し、主制御部1の制御の下、何れかのワンタッチキーの操作により、割り振られた相手先を指定する機能を有するとともに、動作設定モードにおいて、例えば番号等を入力し、ワンタッチ管理データの相手先回線番号に反映する機能を有している。
【0031】
図1の印刷部9は、主制御部1の制御の下、印刷用紙に画像データを印刷して排紙する白黒又はカラー印刷する印刷エンジンであり、公知のものであるから詳細な説明および図示は省略する。
【0032】
書込部11は、主制御部1の制御の下、ワンタッチダイヤルシート23に配置された複数の表示部27に対して駆動電源を印加し、文字データ等を電子的かつ視覚的に表示保持させるための書込機能を有している。
【0033】
ワンタッチダイヤルシート23は、図3に示すように、操作パネル部7の各テンキー7aが突出するよう部分的に打ち抜かれた例えば合成樹脂性のシート状本体23aと、このシート状本体23aにあって各テンキー7aに近接する部位にこれに対応して配置された電子ペーパからなる複数の表示部27と、そのシート状本体23aの端に配置されたRFID装置25とを有して形成されている。
【0034】
表示部27は、電子泳動方法や帯電粒子を用いた従来公知のものであり、書込部11からワンタッチダイヤルシート23の端部に導出された端子(図示省略)を介して駆動電源を印加し、視覚的な画像表示状態を形成した後に電源を遮断してもその表示状態、例えば「AA社」〜「HH社」といった相手先名称が保持され、駆動電源を印加して画像表示状態を変更して再利用可能な機能を有する電子ペーパである。なお、ワンタッチダイヤルシート23との電気的接続端子等の図示は省略した。
【0035】
ワンタッチダイヤルシート23に貼付ける等して付されたRFID装置25は、例えば図4に示すように、アンテナ部25a、送受信部25b、記憶部25cおよび制御部25dを有して構成されており、送受信部25b、記憶部25cおよび制御部25dは例えばICチップ25e内に形成されてシート状又はチップ状のタグ本体25fに搭載されている。
【0036】
アンテナ部25aは、タグ本体25fに形成された例えば公知のループ状送受信アンテナであって送受信部25bに接続されている。
【0037】
送受信部25bは、制御部25dの制御の下、外部からアンテナ部25aで受信した駆動電波を整流平滑してICチップ25e内の駆動電源を形成するとともに、受信電波を検波したり、送信情報を変調送信する他、種々の信号処理を行うものであり、記憶部5および制御部25dに接続されている。
【0038】
記憶部5は、制御部25dの制御の下、制御部25dからの情報を格納する読み書き可能なメモリであり、図5に示すように、例えばISO規約上から個々のRFID装置25の製造時にこれ固有に付与された識別情報(固有ID)の他、国コード、受取人情報等をテーブル状に格納するものである。識別情報は一般に書き換えできないように格納されている。
【0039】
制御部25dは、制御演算の主体をなすCPUやこの動作プログラムを格納したROMからなり、送受信部25bおよび記憶部5を制御し、外部から電波の受信解析処理、この処理に基づく記憶部5への情報の格納処理や識別情報の読出し、アンテナ部25aを介して識別情報を外部に送信制御する機能を有している。
【0040】
図1に戻って、検出部13は、例えば図2に示すように、複合機Aにおいて操作パネル部7近傍に外部に向けて配置されており、主制御部1の制御の下、ワンタッチダイヤルシート23が操作パネル部7に被せられてRFID装置25が近接すると、当該RFID装置25から識別情報を無線通信によって非接触で検出する公知のものであり、検出した識別情報を主制御部1に出力する機能を有している。
【0041】
図1の画像読取部15は、主制御部1の制御の下、例えば印刷された複数頁の原稿から画像を光学的に読み込み、フィルタ処理、変倍処理および階調処理等をして電子的画像データを印刷ジョブとして生成する公知のスキャナ等であり、生成した画像データが原稿の頁毎に記憶部5に順次記憶されるようになっている。
【0042】
なお、ファクシミリ機19およびコンピュータ21は、ファクシミリ通信機能や印刷用の画像データ送信機能を有し、従来公知のものであるから詳細な説明および図示を省略する。
【0043】
主制御部1は、CPU、このCPUの動作プログラムを格納したメモリ部、入出力インターフェース(いずれも図示せず。)を有し、通信部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9、書込部11、検出部13および画像読取部15を制御し、それらの機能の一部を担う他、以下の機能を有している。
【0044】
すなわち、主制御部1は、記憶部5に記憶するワンタッチ管理データを作成するとともに、検出部13で識別情報が検出されたとき、検出された識別情報に対応する指定情報のうちから、操作されたワンタッチキー7aに関連付けられた指定情報を記憶部5から読み出すとともに、読み出された指定情報に基づき通信部3を制御して当該指定相手先と通信を確立制御する機能を有している。
【0045】
ワンタッチ管理データは、例えば図6に示すように、RFID装置25に付与された識別情報「1234」〜「3456」において、テンキー7aの番号「1」〜「5」に対応した相手先回線番号「11」〜「55」、「0011」〜「0055」、「0011−11」〜「0055−55」を一覧にしたテーブル状になっており、動作設定モードにおいて、検出部13で検出された識別情報に対応させてテンキー7aから入力された相手先回線番号に基づき、主制御部1がテンキー7aの番号「1」〜「5」を付加して作成したものである。
【0046】
主制御部1は、識別情報「1234」〜「3456」の何れかにおいて、テンキー7aの番号「1」〜「5」の何れかが操作されると、操作されたテンキー7aの番号「1」〜「5」に対応した相手先回線番号「11」〜「0055−55」の何れかが記憶部5から読み出されて通信部3に送られる。すなわち、テンキー7aはワンタッチキーとして機能する。
【0047】
主制御部1は、検出部13で識別情報が検出されたとき、検出された識別情報に対応する指定情報のうちから、操作されたワンタッチキー7aに関連付けられた指定情報を記憶部5から読み出して通信部3を制御する。
【0048】
次に、このような本発明の通信装置の動作を簡単に説明する。
【0049】
一例として、図6に示すようなワンタッチ管理データが作成されている例を説明する。
【0050】
識別情報「1234」のRFID装置25が付されたワンタッチダイヤルシート23が、図2に示すように、複合機Aの操作パネル部7に被せられると、検出部13がRFID装置25から識別情報「1234」を検出する。
【0051】
この状態で、操作パネル部7のテンキー7a中の例えばワンタッチキー番号「1」を押下すると、主制御部1が記憶部5中のワンタッチ管理データを参照して識別情報「1234」に該当する識別情報の内から、操作されたワンタッチキー番号「1」に関連付けられた指定情報「11」を読み出して通信部3に出力する。
【0052】
通信部3では、読み出された指定情報「11」に基づき、例えばトーン信号の発呼やダイヤルアップして該当する指定相手先と通信を確立し、ファクシミリ通信する。
【0053】
そして、識別情報「3456」のRFID装置25が付された別のワンタッチダイヤルシート23が操作パネル部7に被せられると、検出部13がRFID装置25から識別情報「3456」が検出され、操作パネル部7の例えばワンタッチキー番号「2」が押下されると、主制御部1が記憶部5中のワンタッチ管理データを参照して識別情報「3456」に該当する識別情報の内から、番号「2」に対応する指定情報指定情報「0022−22」を読み出して通信部3に出力し、通信部3が指定情報「0022−22」に該当する指定相手先と通信を確立してファクシミリ通信する。
【0054】
このような本発明の通信システムでは、指定された指定相手先との間でデータを送受信する通信装置(複合機)Aと、これに付されて相手先を指定するワンタッチダイヤルシート23とを有する通信システムで構成されている。
【0055】
しかも、そのワンタッチダイヤルシート23は、シート状本体23aと、固有の識別情報が読取り可能に格納されそのシート状本体23aに付されたRFID装置25と、そのシート状本体23aに形成され、その相手先を指定するために割り振られた複数のワンタッチキー7aに対応し相手先を示す相手先情報が電子的に視覚表示されるとともに当該表示状態が保持される表示部27とを具備している。
【0056】
また、その通信装置Aは、その相手先に割り振られた複数のワンタッチキー7aを有し何れかのワンタッチキー7aの操作によって割り振られた相手先を指定する操作部7と、その指定相手先との間でネットワーク17を介してデータを送受信する通信部3と、そのワンタッチダイヤルシート23が操作部7の近傍に配置されたとき、そのRFID装置25から固有の識別情報を検出する検出部13と、その識別情報毎に相手先を指定する指定情報をワンタッチキー7aに関連付けて予め記憶する記憶部5と、その検出部13で検出された識別情報に対応する指定情報のうちから操作されたワンタッチキー7aに関連付けられた指定情報をその記憶部5から読み出すとともに、読み出された指定情報に基づき通信部3を制御して当該指定相手先と通信を確立制御する主制御部1とを具備している。
【0057】
そのため、ワンタッチダイヤルシート23に付したRFID装置25に格納された固有の識別情報毎に、相手先を指定する相手先回線番号等の指定情報をワンタッチキー7aに関連付けて予め記憶部5に記憶しておけば、ユーザが使用したいワンタッチダイヤルシート23を操作パネル部7、すなわちワンタッチキー7aに被せるように配置したり交換すれば、配置したワンタッチダイヤルシート23毎に、ワンタッチキー7aに関連付けられた相手先回線番号等が自動的に変更されるから、ユーザを特定するワンタッチダイヤルシート23によってユーザ毎の切り替えが簡単となり、操作性が向上する。
【0058】
しかも、ワンタッチダイヤルシート23は、電子ペーパを使用しているためワンタッチキー7aから取り外しても内容の表示が可能であるから、そのワンタッチダイヤルシート23に自己の使用する相手先が登録されているかが判断容易であるし、ワンタッチダイヤルシート23の内容表示を手で書き換えなくても、書込部11を介して自動的に正しい登録内容に表示変更することも可能である。
【0059】
ワンタッチダイヤルシート23の表示部27に表示させる内容は、通信相手先の名称、回線番号、略符号等任意であるし、ワンタッチ管理データに登録する相手先情報も回線番号に限らず、IPアドレスその他、ネットワーク17上で相手先を指定可能な指定情報であれば良い。
【0060】
そして、上述した本発明に係る通信システムは、通信装置Aおよびワンタッチダイヤルシート23で構成されているが、通信装置Aおよびワンタッチダイヤルシート23も各々本発明を構成しており、通信システムから得られる効果を有する。
【0061】
なお、本発明においては、ファクシミリ通信の他、電話、電子メール通信等種々の通信に応用可能であり、上述したワンタッチダイヤルシート23も、操作パネル部7すなわちワンタッチキー7aの形状に合わせて任意の形状で実施可能であり、シート状本体23aもプラスチックシートに限らず任意のシート媒体で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る通信システムの実施の形態を通信装置とともに示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の通信装置を搭載した複合機の概略を示す斜視図である。
【図3】本発明の通信装置における操作パネル部を説明する図である。
【図4】RFID装置を説明する概略ブロック図である。
【図5】RFID装置内の格納情報を説明する図である。
【図6】本発明におけるワンタッチ管理データの例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 主制御部
3 通信部
5 記憶部
7 操作パネル部(表示部、操作部)
7a テンキー(ワンタッチキー)
9 印刷部
11 書込部
13 検出部
15 画像読取部
17 ネットワーク
19 ファクシミリ機
21 コンピュータ
23 ワンタッチダイヤルシート
23a シート状本体
25 RFID装置
25a アンテナ部
25b 送受信部
25c 記憶部
25d 制御部
25e ICチップ
25f タグ本体
27 表示部(電子ペーパ)
A 複合機(通信装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手先に割り振られた複数のワンタッチキーを有し何れかの前記ワンタッチキーの操作によって割り振られた相手先を指定する操作部と、
指定された指定相手先との間でネットワークを介してデータを送受信する通信部と、
RFID装置が付されたワンタッチダイヤルシートであって、前記相手先を示す相手先情報が電子的に視覚表示されるとともに当該表示状態が保持される表示部を前記ワンタッチキーに対応して有するワンタッチダイヤルシートが前記操作部近傍に配置されたとき、前記RFID装置から固有の識別情報を検出する検出部と、
前記識別情報毎に前記相手先を指定する指定情報を前記ワンタッチキーに関連付けて予め記憶する記憶部と、
前記検出部で検出された識別情報に対応する前記指定情報のうちから、操作された前記ワンタッチキーに関連付けられた前記指定情報を前記記憶部から読み出すとともに、読み出された前記指定情報に基づき前記通信部を制御して当該指定相手先と通信を確立制御する主制御部と、
を具備することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記ワンタッチキーに対応した前記相手先情報を外部から入力する入力部と、入力された前記相手先情報を前記ワンタッチダイヤルシートの表示部に書き込む書込部とを有する請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
指定された指定相手先との間でデータを送受信する通信装置と、これに付されて前記相手先を指定するワンタッチダイヤルシートとを有する通信システムであり、
前記ワンタッチダイヤルシートは、
シート状本体と、
固有の識別情報が読取り可能に格納され前記シート状本体に付されたRFID装置と、
前記シート状本体に形成され、前記相手先を指定するために割り振られた複数のワンタッチキーに対応し前記相手先を示す相手先情報が電子的に視覚表示されるとともに当該表示状態が保持される表示部と、
を具備し、
前記通信装置は、
前記相手先に割り振られた複数のワンタッチキーを有し何れかの前記ワンタッチキーの操作によって割り振られた相手先を指定する操作部と、
前記指定相手先との間でネットワークを介してデータを送受信する通信部と、
前記ワンタッチダイヤルシートが前記操作部近傍に配置されたとき前記RFID装置から固有の識別情報を検出する検出部と、
前記識別情報毎に前記相手先を指定する指定情報を前記ワンタッチキーに関連付けて予め記憶する記憶部と、
前記検出部で検出された識別情報に対応する前記指定情報のうちから、操作された前記ワンタッチキーに関連付けられた指定情報を前記記憶部から読み出すとともに、読み出された前記指定情報に基づき前記通信部を制御して当該指定相手先と通信を確立制御する主制御部と、
を具備することを特徴とする通信システム。
【請求項4】
前記ワンタッチキーに対応した前記相手先情報を外部から入力する入力部と、入力された前記相手先情報を前記ワンタッチダイヤルシートの表示部に書き込む書込部とを有する請求項3記載の通信システム。
【請求項5】
前記シート状本体は、個々の前記表示部が前記ワンタッチキー近傍に位置するよう載置可能に形成された請求項3又は4記載の通信システム。
【請求項6】
シート状本体と、
固有の識別情報が読取り可能に格納され前記シート状本体に付されたRFID装置と、
通信装置において相手先を指定するために割り振られた複数のワンタッチキーに対応し前記シート状本体に形成された複数の表示部であって、前記相手先情報が電子的に視覚表示されるとともに当該表示状態が保持される表示部と、
を具備することを特徴とするワンタッチダイヤルシート。
【請求項7】
前記シート状本体は、個々の前記表示部が前記ワンタッチキー近傍に位置するよう載置可能に形成された請求項6記載のワンタッチダイヤルシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−263518(P2008−263518A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106023(P2007−106023)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】