説明

遊技台

【課題】蓄積した遊技情報を報知して遊技者の興趣を向上させつつも、遊技店側に不利益を与えににくくする遊技台を提供する。
【解決手段】第一遊技状態と、第一遊技状態よりも有利な第二遊技状態と、を含む複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、第二遊技状態を含む所定期間において付与された利益を累積した特定情報を記憶する記憶手段と、電圧供給に異常をきたした場合、または電圧供給の異常が正常化された場合のいずれかである特定条件が成立したことに基づいて、記憶手段に記憶されている特定情報を初期化する初期化手段と、特定情報を表示する表示する表示手段と、を備えた遊技台において、初期化手段は、特定条件が成立した場合であって、表示手段により特定情報が表示されている場合には特定情報を初期化せず、表示手段により特定情報が表示されていない場合には特定情報を初期化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)、パチンコに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技台の一つとして、例えば、スロットマシンが知られている。このスロットマシンは、メダルを投入してスタートレバーを操作することでリールを回転させるとともに、内部抽選によって役を内部決定し、ストップボタンを操作することでリールを停止させた時に、図柄表示窓上に内部決定に応じて予め定められた図柄の組合せが表示されると役が成立するように構成されている。そして、メダルの払出を伴う役が成立した場合には、成立した役に対応する規定数のメダルが払い出されるようになっている。
【0003】
このような遊技台は、遊技媒体であるメダルが付与されやすい遊技状態(例えば、リプレイタイム、ボーナスゲームなど)と、遊技媒体であるメダルが付与されにくい遊技状態と、を所定のタイミングで切り換えることにより遊技者を楽しませる遊技性を備えている。さらに、特許文献1には、より遊技者を楽しませるために、リプレイタイム中の表示画面に消化ゲーム数や獲得メダル数を表示して、所定期間に亘って累積された遊技情報を報知するスロットマシンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−6223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この所定期間に亘って累積された遊技情報は、遊技店側の設定変更操作やRAMクリア操作で初期化されるようになっている。したがって、この遊技情報を利用すると遊技店側の操作(設定変更操作やRAMクリア操作)の有無が遊技者に把握されてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、蓄積した遊技情報を報知して遊技者の興趣を向上させつつも、遊技店側に不利益を与えにくい遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る遊技台は、その一態様として、入賞条件の成立に基づいて、利益を付与する遊技台であって、少なくとも、第一遊技状態と、前記第一遊技状態よりも有利な第二遊技状態と、を含む複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記第二遊技状態を含む所定期間において付与された利益を累積した特定情報を記憶する記憶手段と、電圧供給に異常をきたした場合、または電圧供給の異常が正常化された場合のいずれかである特定条件が成立したことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報を初期化する初期化手段と、前記特定情報を表示する表示する表示手段と、を備え、前記初期化手段は、前記特定条件が成立した場合であって、前記表示手段により前記特定情報が表示されている場合には前記特定情報を初期化せず、前記表示手段により前記特定情報が表示されていない場合には前記特定情報を初期化することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る遊技台は、別の一態様として、入賞条件の成立に基づいて、利益を付与する遊技台であって、少なくとも、第一遊技状態と、前記第一遊技状態よりも有利な第二遊技状態と、を含む複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記第二遊技状態を含む所定期間において付与された利益を累積した特定情報を記憶する記憶手段と、電圧供給に異常をきたした場合、または電圧供給の異常が正常化された場合のいずれかである特定条件が成立したことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている特定情報を初期化する初期化手段と、前記特定情報を表示する表示する表示手段と、を備え、前記初期化手段は、前記特定条件が成立した場合であって、前記遊技状態設定手段により前記第二遊技状態が設定されている場合には前記特定情報を初期化せず、前記遊技状態設定手段により前記第二遊技状態が設定されていない場合には前記特定情報を初期化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遊技台によれば、蓄積した遊技情報を報知して遊技者の興趣を向上させつつも、遊技店側に不利益を与えににくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るスロットマシンの図柄表示窓の略示正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るスロットマシンの制御部の回路ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るスロットマシンの電源管理部と各制御部との間の電源供給の関係を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るスロットマシンの各リールに施される図柄の配列を表面的に展開して示した図である。
【図6】本発明の実施形態に係るスロットマシンの役の種類、役の名称、役に対応する図柄組合せ、役の払出し及び備考を示した図である。
【図7】本発明の実施形態に係るスロットマシンの主制御部の遊技状態の遷移を示した状態遷移図である。
【図8】本発明の実施形態に係るスロットマシンの設定Nにおける役の内部当選確率の一例をRTモード別に示した図である。
【図9】本発明の実施形態に係るスロットマシンにおいて重複役に内部当選した場合のリール停止態様を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るスロットマシンにおいて重複役に内部当選した場合のリール停止態様を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るスロットマシンにおいて重複役に内部当選した場合のリール停止態様を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係るスロットマシンにおいて重複役に内部当選した場合のリール停止態様を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係るスロットマシンの第1副制御部の遊技状態の遷移を示した状態遷移図である。
【図14】(a)は、本発明の実施形態に係るスロットマシンのAT状態における特定情報表示の画像例、(b)は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの非AT状態における画像例である。
【図15】本発明の実施形態に係るスロットマシンの特定情報の推移を示すグラフである。
【図16】(a)は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの特定情報に関するフラグの推移を示す表、(b)は、本発明の実施形態に係るスロットマシンにおいて、特定情報及びAT回数の初期化の有無を示す表である。
【図17】本発明の実施形態に係るスロットマシンの主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】図17のステップS101の主制御部初期設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施形態に係るスロットマシンの主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】図19のステップS1011の主制御部電断処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図21】(a)は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの第1副制御部メイン処理、(b)は、第1副制御部コマンド受信割込処理、の流れを示すフローチャートである。
【図22】(a)は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの第1副制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャート、(b)は、図22(a)のステップS2206の電断処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図23】図21(a)のステップS2001の第1副制御部初期設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図24】図21(a)のステップS2005の演出制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図25】図24のステップS2402の内部当選コマンド受付時処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図26】図25のステップS2502のAT報知処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図27】図25のステップS2503のAT抽選処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図28】本発明の実施形態に係るスロットマシンのAT抽選処理に用いられる抽選テーブルの一例を示す図である。
【図29】図24のステップS2404の遊技状態コマンド受付時処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図30】図29のステップS2808のATフラグなし時遊技状態コマンド受付時処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図31】図30のステップS2907のATフラグ設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図32】(a)は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの第1副制御部メイン処理、(b)は、第1副制御部コマンド受信割込処理、(c)は、第1副制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャート、(d)は、図32(a)のステップS4007の画像制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図33】本発明の別の実施形態に係る遊技台の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
【0013】
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0014】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0015】
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(インデックスセンサ;図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
【0016】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン(有効ラインともいう)は、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。
【0017】
図2は、図柄表示窓113の9つの表示領域1〜9と、本実施形態で採用されている入賞ライン114との関係を示した図である。本実施形態では、表示領域1、4、7によって構成される上段水平入賞ライン(水平入賞ラインL2)、表示領域2、5、8によって構成される中段水平入賞ライン(水平入賞ラインL1)、表示領域1、5、9によって構成される右下がり入賞ライン(対角入賞ラインL3)、表示領域3、5、7によって構成される右上がり入賞ライン(対角入賞ラインL4)の4本の入賞ラインが設定されている。
【0018】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0019】
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAX(マックス)ベットボタンともいう。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0020】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
【0021】
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0022】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型の押下スイッチであり、各リール110〜112に対応づけてそれぞれ設けられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0023】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
【0024】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
【0025】
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には 音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
【0026】
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0027】
<制御部の回路構成>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
【0028】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0029】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0030】
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路332を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路332から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0031】
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
【0032】
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0033】
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0034】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0035】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0036】
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
【0037】
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。また、主制御部300は、電源管理部600(図4参照)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0038】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
【0039】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
【0040】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0041】
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0042】
第1副制御部400には、また、駆動回路422が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。また、第1副制御部400は、電源管理部600(図4参照)から第1副制御部400に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路424を備えており、電圧監視回路424は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路402に出力する。
【0043】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157やシャッタ163などの制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の制御を行う制御部、シャッタ163の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0044】
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
【0045】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0046】
また、第2副制御部500には、シャッタ163を駆動する駆動回路530が設けられ、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0047】
また、第2副制御部500には、センサ回路532が設けられ、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538が接続されている。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538の状態を監視している。
【0048】
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0049】
<電源供給>
図4は、電源管理部600と各制御部(主制御部300、第1副制御部400)との間の電源供給の関係を示す図である。図4に示すように、電源管理部600は、外部電源700からの電圧を主制御部300及び第1副制御部400に対して供給している。詳しくは、電源管理部600は、外部電源700の電圧(例えば、100V)を特定の電圧(例えば、12V)に変換する電源生成部601と、具体的にはコンデンサ等からなり、電源生成部601で生成された電源を貯留する電源貯留部602と、を備えている。主制御部300及び第1副制御部400の変圧回路332及び426は、それぞれ、電源管理部600から供給された電圧(例えば、12V)を所定の電圧に変圧して、基本回路302及び402に電源を供給するようになっている。また、主制御部300及び第1副制御部400の電圧監視回路330及び424は、それぞれ、電源管理部600から供給された電圧が所定の電圧(例えば、9V)未満の場合には、基本回路302及び402に低電圧信号を送信し、所定の電圧(例えば、9V)以上の場合には、低電圧信号の送信を中止するようになっている。
【0050】
なお、図4においては、電源管理部600と第2副制御部500との電源供給の関係は省略しているが、電源管理部600と第2副制御部500との電源供給の関係も、主制御部300及び第1副制御部400に対する場合と同一である。
【0051】
<図柄配列>
次に、図5を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0052】
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では、10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置(図柄位置)を示す番号である。例えば、左リール110の番号0のコマには「ベル図柄」、中リール111の番号1のコマには「スイカ図柄」、右リール112の番号2のコマには「セブン1図柄」がそれぞれ配置されている。
【0053】
<役の種類>
次に、図6を用いて、スロットマシン100の役の種類について説明する。同図は、役(入賞役及び作動役)の種類、役の名称、役に対応する図柄組合せ、役の払出し及び備考を示した図である。なお、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技)の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれる。
【0054】
スロットマシン100の役は、特別役(ボーナス役)と、一般役に大別することができる。本実施形態の特別役(ボーナス役)には、特別役1(ビッグボーナス1:BB1)と、特別役2(ビッグボーナス2:BB2)と、特別役3(レギュラーボーナス:RB)と、がある。また、本実施形態の一般役には、再遊技役の再遊技役1(通常リプレイ)、再遊技役2(準備リプレイ)、再遊技役3(昇格リプレイ)、再遊技役4(降格リプレイ)、再遊技役5(制御リプレイ1)、再遊技役6(制御リプレイ2)及び再遊技役7(制御リプレイ3)と、小役の小役1(チェリー)、小役2(スイカ)、小役3(ベル)、小役4(制御小役1)、小役5(制御小役2)及び小役6(制御小役3)がある。なお、役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0055】
特別役1〜2(BB:ビッグボーナス)は、入賞により特別遊技であるBB遊技(図7に示す特別遊技状態のゲーム)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、特別役1が「セブン1図柄−セブン1図柄−セブン1図柄」、特別役2が「セブン2図柄−セブン2図柄−セブン2図柄」である。
【0056】
また、本実施形態では特別役1〜2(BB)についてフラグ持越しを行う。すなわち、特別役1〜2(BB)に内部当選すると、これを示すフラグ(以下、BBフラグという)が立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技において内部当選した特別役1〜2(BB)に入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され、次遊技以降で特別役1〜2(BB)に内部当選中(図7に示す特別役内部当選状態)となり、内部当選した特別役1〜2(BB)に対応する図柄組み合わせが、揃って入賞できる状態にある。
【0057】
特別役3(RB:レギュラーボーナス)は、入賞により特別遊技であるRB遊技(図7に示す特別遊技状態のゲーム)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「BAR図柄−BAR図柄−BAR図柄」である。また、本実施形態ではRBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。
【0058】
なお、特別役1〜2に入賞することにより開始されるボーナス遊技(BB遊技)は、360枚を超えるメダルの払出があると、当該遊技状態を終了し、特別役3(RB)に入賞することにより開始されるボーナス遊技(RB遊技)は、120枚を超えるメダルの払出があると、当該遊技状態を終了する。
【0059】
再遊技役1(通常リプレイ)、再遊技役2(準備リプレイ)、再遊技役3(昇格リプレイ1)、再遊技役4(降格リプレイ1)、再遊技役5(制御リプレイ1)、再遊技役6(制御リプレイ2)及び再遊技役7(制御リプレイ3)は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる役であり、メダルの払出は行われない。再遊技役1(通常リプレイ)に対応する図柄組合せは、「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」、再遊技役2(準備リプレイ)に対応する図柄組合せは、「リプレイ図柄−リプレイ図柄−ベル図柄」、再遊技役3(昇格リプレイ)に対応する図柄組合せは、「リプレイ図柄−リプレイ図柄−スイカ図柄」、再遊技役4(降格リプレイ)に対応する図柄組合せは、「ベル図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」、再遊技役5(制御リプレイ1)に対応する図柄組合せは、「セブン1図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」、再遊技役6(制御リプレイ2)に対応する図柄組合せは、「セブン2図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」及び再遊技役7(制御リプレイ3)に対応する図柄組合せは、「BAR図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」である。
【0060】
なお、再遊技役2(準備リプレイ)、再遊技役3(昇格リプレイ)、再遊技役4(降格リプレイ)は、遊技状態の移行を伴う図柄組合せとなっている。詳しくは後述する図7の遊技状態遷移図を用いて説明するが、本実施形態では、再遊技低確率状態(RT0モード)において再遊技役2(準備リプレイ)に対応する図柄組合せが表示されると、遊技状態は再遊技高確率準備状態(RT1モード)に移行し、再遊技高確率準備状態(RT1モード)において再遊技役3(昇格リプレイ)に対応する図柄組合せが表示されると、遊技状態は再遊技高確率状態(RT2モード)に移行し、再遊技高確率準備状態(RT1モード)または再遊技高確率状態(RT2モード)において、再遊技役4(降格リプレイ)に対応する図柄組合せが表示されると、遊技状態は再遊技低確率状態(RT0モード)に移行する。なお、遊技者にとっての有利度は、再遊技高確率状態(RT2モード)>再遊技高確率準備状態(RT1モード)>再遊技低確率状態(RT0モード)となっているので、再遊技役2を準備リプレイ、再遊技役3を昇格リプレイ、再遊技役4を降格リプレイとも称する。
【0061】
小役1〜6は、入賞により所定数のメダルが払い出される役である。小役1(チェリー)に対応する図柄組合せは、「チェリー図柄−チェリー図柄−ANY図柄」、小役2(スイカ)に対応する図柄組合せは、「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」、小役3(ベル)に対応する図柄組合せは、「ANY図柄−ベル図柄−ANY図柄」、小役4(制御小役1)に対応する図柄組合せは、「セブン1図柄−スイカ図柄−ベル図柄」、小役5(制御小役2)に対応する図柄組合せは、「セブン2図柄−スイカ図柄−ベル図柄」、小役6(制御小役3)に対応する図柄組合せは、「BAR図柄−スイカ図柄−ベル図柄」である。ここで、「ANY図柄」とは、いずれの図柄であってもよいことを示している。
【0062】
<主制御部の遊技状態の種類>
次に、図7を用いて、スロットマシン100の主制御部300における遊技状態の種類について説明する。なお、同図は、主制御部300の遊技状態の遷移を示した状態遷移図である。
【0063】
スロットマシン100の主制御部300の遊技状態(RTモードともいう)は、再遊技低確率状態(RT0モード)と、再遊技高確率準備状態(RT1モード)と、再遊技高確率状態(RT2モード)と、特別役内部当選状態(RT3モード)と、特別遊技状態(RT4モード)と、に大別することができる。なお、再遊技低確率状態(RT0)と、再遊技高確率準備状態(RT1)と、再遊技高確率状態(RT2)を総称して、通常遊技状態ともいう。
【0064】
<再遊技低確率状態(RT0)>
再遊技低確率状態(RT0)の内容は特に限定されないが、例えば、内部抽選の結果が概ねハズレとなり、遊技者が所定期間の遊技を行った場合に遊技中に獲得できるメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数に満たないような遊技状態をいう。
【0065】
再遊技低確率状態(RT0)は、初期状態のほか、特別遊技状態(RT4)が終了した場合、再遊技高確率準備状態(RT1)または再遊技高確率状態(RT2)において再遊技役4に入賞した場合に開始される。
【0066】
また、再遊技低確率状態(RT0)において、再遊技役2に入賞した場合には、再遊技高確率準備状態(RT1)に移行し、特別役1〜3(BB1、BB2、RB)のいずれかに内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT3)に移行する。
【0067】
<再遊技高確率準備状態(RT1)>
再遊技高確率準備状態(RT1)は、再遊技低確率状態(RT0)よりも、再遊技役(後述する図8のNO4〜7の条件装置)の内部当選確率が上昇した遊技状態である。従って、再遊技高確率準備状態(RT1)は、再遊技低確率状態(RT0)よりも、メダルを投入せずに遊技を継続できる確率が高くなっているため、再遊技低確率状態(RT0)に比べて遊技者に有利な遊技状態となっている。なお、本実施形態における有利度とは、具体的には、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合、いわゆる払出率(出玉率)のことをいう。
【0068】
再遊技高確率準備状態(RT1)は、再遊技低確率状態(RT0)において、再遊技役2に入賞した場合に開始される。
【0069】
また、再遊技高確率準備状態(RT1)において、再遊技役3が入賞した場合には、再遊技高確率状態(RT2)に移行し、再遊技役4が入賞した場合には、再遊技低確率状態(RT0)に移行する。また、再遊技高確率準備状態(RT1)において、特別役1〜3(BB1、BB2、RB)のいずれかに内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT3)に移行する。
【0070】
<再遊技高確率状態(RT2)>
再遊技高確率状態(RT2)は、再遊技高確率準備状態(RT1)よりも、再遊技役(後述する図8のNO4〜7の条件装置)の内部当選確率が上昇した遊技状態である。従って、再遊技高確率状態(RT2)は、再遊技低確率状態(RT0)及び再遊技高確率準備状態(RT1)よりも、メダルを投入せずに遊技を継続できる確率が高くなっているため、通常遊技状態において、遊技者に最も有利な遊技状態である。
【0071】
再遊技高確率状態(RT2)は、再遊技高確率準備状態(RT1)において、再遊技役3に入賞した場合に開始される。
【0072】
また、再遊技高確率状態(RT2)において、再遊技役4が入賞した場合には、再遊技低確率状態(RT0)に移行し、特別役1〜3(BB1、BB2、RB)のいずれかに内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT3)に移行する。
【0073】
<特別役内部当選状態(RT3)>
特別役内部当選状態(RT3)は、内部当選した特別役1〜3(BB1、BB2、RB)に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示させることが可能となっている遊技状態をいう。
【0074】
この特別役内部当選状態(RT3)は、再遊技低確率状態(RT0)、再遊技高確率準備状態(RT1)、または再遊技高確率状態(RT2)において、特別役1〜3(BB1、BB2、RB)のいずれかに内部当選した場合に開始される。
【0075】
また、内部当選した特別役1〜3(BB1、BB2、RB)に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に終了し、BB遊技状態(RT4)に移行する。
【0076】
<特別遊技状態(RT4)>
特別遊技状態(RT4)は、遊技者にとって一番利益の大きい遊技状態であり、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。すなわち、後述する図8に示す抽選値から明らかであるように、特別遊技状態(RT4)においては、小役3bに必ず内部当選し、かつ入賞(12枚のメダル払出)するので、再遊技低確率状態(RT0)、再遊技高確率準備状態(RT1)および特別役内部当選状態(RT3)よりも払い出しを受ける遊技媒体の数の期待値が高い。このため、特別遊技状態(RT4)は最も有利な遊技状態といえる。
【0077】
特別遊技状態(RT4)は、特別役内部当選状態(RT3)において内部当選した特別役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に開始される。
【0078】
また、特別遊技状態(RT4)は、遊技中に予め定められた規定枚数(BB1または2の場合には360枚、RBの場合には120枚))を超えるメダルが払い出された場合に終了し、再遊技低確率状態(RT0)に移行する。
【0079】
なお、本実施形態では、特別遊技状態は所定の払い出し枚数を払いだした場合に終了し、その間は遊技状態の移行をないとしたが、特別役の入賞により開始され、他の特別な遊技状態(いわゆるRB遊技状態など)を連続して繰り返し実行可能にしてもよい。また、ボーナス遊技状態は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0080】
<役の内部当選確率>
次に、図8を用いて、役の内部当選確率について説明する。なお、同図は、設定6における役の内部当選確率の一例をRTモード(遊技状態)別に示した図である。
【0081】
各々の役の内部当選確率は、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、後述する内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(本実施形態では65536)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。後述する入賞役内部抽選処理では、内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、いずれかの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部当選役を決定する。実際には、この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0082】
また、本実施形態では、一種類の役に内部当選することが可能な単独役の他に、複数種類の役に同時に内部当選することが可能な重複役を設けている。
【0083】
図8に示す条件装置のうち、NO1の「特別役1」、NO2の「特別役2」、NO3の「特別役3」、NO4の「再遊技役1」、NO8の「小役1」、NO9の「小役2」、及びNO11の「小役3b」は、単独役を示している。例えば、入賞役内部抽選処理において、NO1の「特別役1」が内部当選した場合(以下、NO1の条件装置が作動した場合ともいう)には、単独役である特別役1が内部当選したことを示し、また、NO11の「小役3b」が内部当選した場合には、単独役である小役3が内部当選したことを示す。
【0084】
一方、NO5の「再遊技役1、2」、NO6の「再遊技役3、4」、NO7の「再遊技役1、4」、NO10の「小役3a」は、重複役を示している。例えば、NO5の「再遊技役1、2」は、再遊技役1及び2に加えて、再遊技役5〜7の少なくとも一つが同時に当選する重複役であり、抽選値はさらに停止操作順序(6種類)ごとに6等分されている。より具体的には、例えば、再遊技役1、2及び5が同時当選する「再遊技役1、2、5」は、停止操作順序が「左→中→右」(第1停止リールは左リール110、第2停止リールは中リール111、第3停止リールは右リール112の場合をこのように表記する。以下、同様)が割り当てられ、抽選データの範囲は512(=3072/6)、再遊技役1、2及び6が同時当選する「再遊技役1、2、6」は、停止操作順序が「左→右→中」が割り当てられ、抽選データの範囲は512、…というようにNO5の抽選データは実際には細分化されている。そして、「再遊技役1、2、5」に内部当選した場合において、実際の停止操作順序が「左→中→右」のときは、実際の停止操作順序と抽選データに割り当てられた停止操作順序が一致している(以下、正解の停止操作順序という)ので、有効ライン上に再遊技役2に対応する図柄組合せが揃うようにリール制御し、「左→中→右」以外のときは、実際の停止操作順序と抽選データに割り当てられた停止操作順序が一致していない(以下、不正解の停止操作順序という)ので、有効ライン上に再遊技役1に対応する図柄組合せが揃うようにリール制御する。なお、本実施形態では、重複役の抽選データを停止操作順序ごとに細分化して設けていたが、重複役の抽選データを停止操作順序ごとに細分化せず、再度、抽選を行うことにより正解の停止操作順序を定めるようにしてもよい。
【0085】
このように本実施形態では、「再遊技役1、2」が内部当選し(NO5の条件装置が作動し)、正解の停止操作順序で停止操作を行った場合には、再遊技役2が入賞する一方、不正解の停止操作順序で停止操作を行った場合には、再遊技役1が入賞するようになっている。
【0086】
同様にして、「再遊技役3、4」(NO6の条件装置)は、再遊技役3及び4に加えて、再遊技役5〜7の少なくとも一つが同時に当選する重複役である。そして、「再遊技役3、4」が内部当選し(NO6の条件装置が作動し)、正解の停止操作順序で停止操作を行った場合には、再遊技役3が入賞する一方、不正解の停止操作順序で停止操作を行った場合には、再遊技役4が入賞するようになっている。
【0087】
また、「再遊技役1、4」(NO7の条件装置)は、再遊技役1及び4に加えて、再遊技役5〜7の少なくとも一つが同時に当選する重複役である。そして、「再遊技役1、4」が内部当選し(NO7の条件装置が作動し)、正解の停止操作順序で停止操作を行った場合には、再遊技役1が入賞する一方、不正解の停止操作順序で停止操作を行った場合には、再遊技役4が入賞するようになっている。
【0088】
また、「小役3a」(NO10の条件装置)は、小役3に加えて、小役4〜6の少なくとも一つが同時に当選する重複役である。そして、「小役3a」が内部当選し(NO10の条件装置が作動し)、正解の停止操作順序で停止操作を行った場合には、図柄表示窓113の表示領域5にベル図柄が停止表示される一方、不正解の停止操作順序で停止操作を行った場合には、図柄表示窓113の表示領域4にベル図柄が停止表示される。すなわち、「小役3a」が内部当選し、正解の停止操作順序で停止操作した場合には、3つの有効ライン上にベルに対応する図柄組合せが停止表示するので、12枚のメダルが払い出される一方、不正解の停止操作順序で停止操作をした場合には、1つの有効ライン上にベルに対応する図柄組合せが停止表示するので、4枚のメダルが払い出される。
【0089】
このように本実施形態の重複役は、正解の停止操作順序が設けられており、停止操作順序に応じて利益が異なるようになっているので、押し順役ともいう。
【0090】
なお、単独役である「小役3b」(NO11の条件装置)に内部当選した場合には、停止操作順序に係わらず、図柄表示窓113の表示領域5にベル図柄が停止表示されるので、3つの有効ライン上にベルに対応する図柄組合せが停止表示するので、12枚のメダルが払い出される。
【0091】
なお、重複役とは、重複役に対応する条件装置(フラグ)が作動するわけではなく、重複役に含まれる複数の役に対応する条件装置の各々が作動するものである。例えば、条件装置5のうち「再遊技役1、2、5」が内部当選した場合には、再遊技役1、再遊技役2及び再遊技役5の当選フラグのそれぞれがONになる。
【0092】
また、詳しくは後述するが、第1副制御部400がAT(アシストタイム)状態またはAT準備状態にある場合において、重複役(具体的には、「再遊技役1、2」、「再遊技役3、4」、「再遊技役1、4」及び「小役3a」のいずれか)に内部当選したときには、正解の停止操作順序が報知されるので、遊技者は報知される停止操作順序に従った停止操作を行えば、有利な遊技状態の移行、不利な遊技状態への移行回避、またはより多くのメダル獲得を実現することができる。
【0093】
なお、AT状態とは、遊技者にとって有利となる情報を報知する状態をいい、例えば、有利となる操作手順や操作タイミング、または内部当選した入賞役などを報知する状態をいう。本実施形態では、AT状態(AT準備状態も含む)においては、演出画像表示装置157を用いて、停止操作順序に関するナビ演出(以下、押し順ナビという)を行うので、遊技者はこの押し順ナビの指示に従うことにより、所定の小役に入賞したり、有利な遊技状態に移行したり、有利な遊技状態を維持できたりする。そのため、AT状態(AT準備状態も含む)は、遊技者に大きな利益を付与することが可能な状態である。
【0094】
RT0(再遊技低確率状態)では、「RT0」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する役を抽選する。RT0において内部当選する役(作動する条件装置)には、NO1〜5及びNO8〜10の条件装置がある。なお、いずれの役に当選しなかった場合はハズレとなり、役に対応する図柄組合せは表示されない。例えば、RT0において「特別役1」に内部当選する(NO1の条件装置が作動する)確率は、128/65536であり、「再遊技役1」に内部当選する(NO3の条件装置が作動する)確率は6144/65536である。
【0095】
同様にして、RT1(再遊技高確率準備状態)では、「RT1」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する役を抽選する。RT1において内部当選する役(作動する条件装置)には、NO1〜4、NO6及びNO8〜10の条件装置がある。
【0096】
同様にして、RT2(再遊技高確率状態)では、「RT2」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する役を抽選する。RT2において内部当選する役(作動する条件装置)には、NO1〜4及びNO7〜10の条件装置がある。
【0097】
RT3(特別役内部当選状態)では、「RT3」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する役を抽選する。RT3において内部当選する入賞役には、NO4及びNO8〜10の条件装置がある。
【0098】
RT4(BB遊技状態)では、「RT4」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。RT4において内部当選する入賞役は、NO11の条件装置がある。すなわち、RT4においては「小役3a」に内部当選する(NO11の条件装置が作動する)確率は65536/65536(=100%)である。
【0099】
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止データの中から、所定の条件(例えば、入賞役内部抽選処理の結果)に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止データに基づき行う。
【0100】
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(引き込み範囲;ここでは最大4コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン114上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン114上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
【0101】
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、BBの内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。
【0102】
例えば、小役2(スイカ)に内部当選した場合には、スイカ図柄は4コマを超えて配置されているので、ストップボタン137〜139を操作するタイミングが好適でないと、スイカ図柄は入賞ライン114に停止しない。
【0103】
尤も、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する、リプレイ図柄の配置間隔は最大4コマであるため、再遊技役1に内部当選すると、そのタイミングに関わらず100%入賞することになる。すなわち、単独役の再遊技役1に内部当選した場合には、停止操作順序及び停止操作タイミングによらず常に入賞する。
【0104】
一方、禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、BBの内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
【0105】
<リール停止態様>
次に、図9〜図12を用いて、重複役に内部当選した場合の図柄表示窓113上におけるリールの停止態様について具体的に説明する。図9は、通常遊技状態において「小役3a」に内部当選した場合(NO10の条件装置が作動した場合)の停止態様、図10は、RT0において「再遊技役1、2」に内部当選した場合(NO5の条件装置が作動した場合)の停止態様、図11は、RT1において「再遊技役3、4」に内部当選した場合(NO6の条件装置が作動した場合)の停止態様、図12は、RT2において「再遊技役1、4」に内部当選した場合(NO7の条件装置が作動した場合)の停止態様を示している。
【0106】
まず、図9を用いて、「小役3a」に内部当選した場合について説明する。なお、この場合、正解の停止操作順序は「左→中→右」であるとする。
【0107】
図9(a)に示すように、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを右リール112となるようにストップボタン137〜139の停止操作を行った場合には、正解の停止操作順序に一致しているので、中リール111のベル図柄が図柄表示窓113の表示領域5に停止し、水平入賞ラインL1、対角入賞ラインL3及びL4上のそれぞれに小役3(ベル)に対応する図柄組合せが揃う。この結果、12枚のメダルが払い出される。
【0108】
一方、図9(b)に示すように、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを左リール110となるようにストップボタン137〜139の停止操作を行った場合には、正解の停止操作順序に一致していないので、中リール111のベル図柄が図柄表示窓113の表示領域4に停止し、水平入賞ラインL2上に小役3(ベル)に対応する図柄組合せが揃う。この結果、4枚のメダルが払い出される。
【0109】
次に、図10を用いて、「再遊技役1、2」に内部当選した場合のリール停止制御について説明する。なお、この場合、正解の停止操作順序は「左→中→右」であるとする。
【0110】
図10(a)に示すように、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを右リール112となるようにストップボタン137〜139の停止操作を行った場合には、正解の停止操作順序に一致しているので、水平入賞ラインL1上に再遊技役2(準備リプレイ)に対応する図柄組合せが揃う。この結果、主制御部300の遊技状態は、現遊技状態の再遊技低確率状態(RT0)よりも有利な遊技状態である再遊技高確率準備状態(RT1)に移行する。
【0111】
一方、図10(b)に示すように、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112となるようにストップボタン137〜139の停止操作を行った場合には、正解の停止操作順序に一致していないので、水平入賞ラインL1上に再遊技役1(通常リプレイ)に対応する図柄組合せが揃う。
【0112】
次に、図11を用いて、「再遊技役3、4」に内部当選した場合のリール停止制御について説明する。なお、この場合、正解の停止操作順序は「左→中→右」であるとする。
【0113】
図11(a)に示すように、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを右リール112となるようにストップボタン137〜139の停止操作を行った場合には、正解の停止操作順序に一致しているので、水平入賞ラインL1上に再遊技役3(昇格リプレイ)に対応する図柄組合せが揃う。この結果、主制御部300の遊技状態は、現遊技状態の再遊技高確率準備状態(RT1)よりも有利な遊技状態である再遊技高確率状態(RT2)に移行する。
【0114】
一方、図11(b)に示すように、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112となるようにストップボタン137〜139の停止操作を行った場合には、正解の停止操作順序に一致していないので、対角入賞ラインL4上に再遊技役4(降格リプレイ)に対応する図柄組合せが揃う。この結果、主制御部300の遊技状態は、現遊技状態の再遊技高確率準備状態(RT1)よりも不利な遊技状態である再遊技低確率状態(RT0)に移行する。
【0115】
次に、図12を用いて、「再遊技役1、4」に内部当選した場合のリール停止制御について説明する。なお、この場合、正解の停止操作順序は「中→右→左」であるとする。
【0116】
図12(a)に示すように、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを左リール110となるようにストップボタン137〜139の停止操作を行った場合には、正解の停止操作順序に一致しているので、水平入賞ラインL1上に再遊技役1(通常リプレイ)に対応する図柄組合せが揃う。
【0117】
一方、図12(b)に示すように、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112となるようにストップボタン137〜139の停止操作を行った場合には、正解の停止操作順序に一致していないので、対角入賞ラインL4上に再遊技役4(降格リプレイ)に対応する図柄組合せが揃う。この結果、主制御部300の遊技状態は、現遊技状態の再遊技高確率状態(RT2)よりも不利な遊技状態である再遊技低確率状態(RT0)に移行する。
【0118】
<第1副制御部の遊技状態>
次に、図13を用いて、スロットマシン100の第1副制御部400における遊技状態(モード)の種類について説明する。なお、同図は、第1副制御部400の遊技状態の遷移を示した状態遷移図である。
【0119】
スロットマシン100の第1副制御部400の遊技状態は、通常状態と、AT準備状態と、AT状態と、に大別することができる。ここで、AT状態及びAT準備状態は、上述したように、重複役に内部当選した場合に正解の停止操作順序を報知する押し順ナビを実行する状態であり、通常状態は、重複役に内部当選した場合に正解の停止操作順序を報知する押し順ナビを実行しない状態である。なお、本実施形態では、AT状態以外の状態、つまり、通常状態及びAT準備状態を非AT状態とも称する。
【0120】
本実施形態では、通常状態において、所定の条件が成立し、AT回数が付与された場合(後述するAT抽選処理に当選して、所定の回数(1〜5回)のATを付与された場合)には、所定のゲーム数(前兆ゲーム数)を消化することにより、AT準備状態に移行する。AT準備状態においては、押し順ナビが実行されるので、遊技者は押し順ナビに従う停止操作を行うことにより、最終的には再遊技高確率状態(RT2)に移行することになる。そして、再遊技高確率状態(RT2)に移行すると、第1副制御部の遊技状態は、AT準備状態からAT状態に移行する。すなわち、AT状態は、原則、主制御部300の遊技状態が通常遊技状態において最も有利な遊技状態に移行してから開始されることとなる。なお、AT準備状態において、押し順ナビに従わない停止操作をした場合には、ペナルティとしてその時点からAT状態が開始される。
【0121】
ここで、本実施形態のAT状態は、1回(セット)所定数のATゲーム(本実施形態では50ゲーム)により構成されるので、1回のAT状態が終了、つまり50ゲームのATゲームが終了すると、第1副制御部400の遊技状態は、AT状態から通常状態に移行することとなる。
【0122】
なお、本実施形態においては、AT状態から通常状態に移行しても、AT回数>0であれば(以前に付与されたAT回数が未だ存在する、あるいは新たにAT回数が付与された場合など)、再度、AT準備状態、次いでAT状態と移行するので、非AT状態→AT状態→非AT状態→AT状態→…というように、AT状態と非AT状態を順次繰り返す遊技性を備えている。
【0123】
また、本実施形態のAT状態においては、上述した押し順ナビを実行するほか、演出画像表示装置157を介して、特定情報の表示を行うようなっている。特定情報とは、具体的には、累計AT回数及び累計メダル獲得数である。ここで、累計AT回数は、直近の累計AT回数の初期化時以降に実行されたATの累積セット回数、累計メダル獲得数は、直近の累計メダル獲得数の初期化時以降に実行された1回目のAT開始時からの累積メダル獲得数をいう。なお、メダル獲得数は、ATゲームごとに更新されていくが、累計AT回数はAT1セットにつき1回加算されていく。
【0124】
図14(a)は、第1副制御部400の遊技状態がAT状態の場合の演出画像表示装置157における画像例である。本実施形態では、AT状態においては、図14(a)に示すように、特定情報d10として、累計AT回数d11と累計メダル獲得数d12を表示する。この結果、遊技者は、AT状態においては、所定期間に亘って累積された遊技情報を把握することができるので、この特定情報表示により、興趣を向上させることができる。なお、図14(b)は、第1副制御部400の遊技状態が非AT状態の場合の演出画像表示装置157における画像例である。この場合には、図14(b)に示すように、特定情報は表示されない。
【0125】
次に、特定情報の初期化について説明する。
【0126】
本実施形態では、遊技者の興趣向上のため、AT状態においては、累積した遊技情報である特定情報を報知する一方、この遊技情報の報知により、遊技店側の操作(設定変更操作やRAMクリア操作)の有無が遊技者に把握されないように、予め定めた初期化条件が成立した場合には、上記特定情報を初期化するようにしている。
【0127】
ここで、予め定めた初期化条件とは、(1)第1副制御部400が非AT状態において、電断した場合、(2)第1副制御部400が非AT状態に移行してから所定のゲーム数(本実施形態では50ゲーム)を経過した場合である。
【0128】
そもそも、従来において、所定期間に亘って累積された遊技情報(本実施形態の特定情報に相当する情報)は、遊技店側の設定変更操作やRAMクリア操作で初期化されるようになっていた(すなわち、通常の電源立ち下げ及び立ち上げでは初期化されない)。そのため、この遊技情報を利用すると遊技店側の操作(設定変更操作)の有無が遊技者に把握されてしまうという問題があった。
【0129】
しかしながら、本実施形態では、(1)に示すように、非AT状態において電断した場合(遊技店が営業終了後に遊技台の電源をOFFし、翌営業日の営業開始前に電源をONにする動作は、(1)に該当する)に特定情報を初期化するので、遊技者は複数日に跨って累積した特定情報を見ることはできない。したがって、遊技店側の操作有無が遊技者に把握されることはないので、この特定情報を報知したとしても、遊技店側に不利益を与えることにはならない。
【0130】
また、(2)に示すように、非AT状態中に電断がなくても、非AT状態が長期に亘る場合には、特定情報の初期化を行うので、長期間において累積した特定情報を遊技者に報知することもない。
【0131】
図15は、特定情報の推移を示すグラフの一例である。期間A、C、E、H及びJは、AT状態の期間を示しており、期間B、D、F、G及びIは、非AT状態の期間を示している。図15は、累積メダル獲得数は、AT状態の期間において増加し、非AT状態において減少することを示すとともに、累計AT回数は、AT状態が開始されるごとにインクリメントされていることを示している。また、期間Bのゲーム数a、期間Dのゲーム数b、期間Iのゲーム数dは、それぞれx(具体的には50ゲーム)よりも短いので、非AT状態の期間B、D及びIにおいては、特定情報は初期化されないことを示している。しかしながら、期間Fのゲーム数cは、x(具体的には50ゲーム)より長いので、期間Fのゲーム数がxに達した時点において特定情報、つまり、累計AT回数及び累計メダル獲得数は初期化されることを示している。
【0132】
図16(a)は、図15のそれぞれの期間におけるフラグの設定状況を示している。
【0133】
ここで、ATフラグは、第1副制御部400がAT状態にあるか否かを示すフラグ情報であり、ATフラグが設定されている場合には、第1副制御部400はAT状態、ATフラグが設定されていない場合には、第1副制御部400は非AT状態であることを示している。したがって、期間A、C、E、H及びJは、AT状態、期間B、D、F、G及びIは、非AT状態である。
【0134】
特定情報更新フラグは、特定情報を更新(累積)するか否かを判定するフラグ情報であり、特定情報更新フラグが設定されている場合には、特定情報を更新し、特定情報更新フラグが設定されていない場合には、特定情報を更新しない。したがって、期間A〜Fにおいては、特定情報は更新され、期間Gにおいては、特定情報は初期化されるので、特定情報は更新されず、また、期間H〜Jにおいては、特定情報は更新される。すなわち、特定情報は、一旦、特定情報が初期化されると、その初期化時点以降の最初のAT状態から特定情報が累積加算されるようになっている。
【0135】
表示フラグは、特定情報を演出画像表示装置157上に表示するか否かを示すフラグ情報であり、表示フラグが設定されている場合には、特定情報は表示され、表示フラグが設定されていない場合には、特定情報は表示されない。本実施形態では、AT状態において特定情報は表示されるので、ATフラグが設定されている場合には、表示フラグも設定されるようになっている。なお、本実施形態では、AT状態において表示フラグが設定され、特定情報が表示されるようになっているが、非AT状態において特定情報が表示されるようにしてもよい。
【0136】
一方、図16(b)は、図15のそれぞれの期間において、電断が発生した場合の特定情報及びAT回数の初期化状況を示している。
【0137】
特定情報は、非AT状態で電断した場合に初期化されるので、期間B、D、F、G及びIにおいて、電断があった場合には、特定情報は初期化されるが、AT状態である期間A、C、E、H及びJにおいて、電断があっても、特定情報は初期化されない。AT状態では、遊技者が有利な状態を楽しんでいるため、仮に、電断が発生しても、電断後には、この有利な遊技状態を引き続き維持して、遊技者が累積した特定情報を視認できる必要があるためである。
【0138】
なお、AT抽選により付与されるAT回数(残りのAT回数)は、いずれの期間において電断があっても初期化されることはない。一旦付与された特典は、電断があっても維持される必要があるためである。
【0139】
<主制御部メイン処理>
次に、図17を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0140】
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU304が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU304が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
【0141】
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定処理(詳しくは後述)を行う。
【0142】
ステップS102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、第1副制御部400に対してメダルが投入されたことを示すメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、第1副制御部400に対してスタートレバー135が操作されたことを示すスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。
【0143】
ステップS103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
【0144】
ステップS104では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
【0145】
ステップS105では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合には、内部当選した役の条件装置(フラグ)を作動させる(その入賞役のフラグがONになる)。また、このステップS105では、入賞役内部抽選の結果を示す内部当選コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。例えば、スイカに内部当選した場合には、スイカに内部当選したことを示す内部当選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行い、入賞役内部抽選の結果がハズレ(入賞役の非当選)の場合には、ハズレを示す内部当選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
【0146】
ステップS106では、ステップS105の入賞役内部抽選の結果等に基づき、リール停止データを選択する。
【0147】
ステップS107では、全リール110〜112の回転を開始させる。また、このステップS107では、全リール110〜112が回転開始したことを示す回胴回転開始コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
【0148】
ステップS108では、リール停止制御処理を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112の何れかを、内部抽選結果に基づき選択されたリール停止データに基づいて停止させる。また、このステップS108では、停止操作を受け付けたときには、停止ボタン受付コマンドを第1副制御部400に対して送信する。なお、停止ボタン受付コマンドは、停止操作されたリール番号(左リール110、中リール111または右リール112のいずれかを示す)及び停止図柄位置(上段基準)に関する情報を含んでいる。全リール110〜112が停止するとステップS109へ進む。
【0149】
ステップS109では、入賞判定(表示判定)を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」が揃っていたならばスイカ入賞と判定する。また、このステップS109では、入賞判定の結果を示す表示判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
【0150】
ステップS110では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。また、ステップS110では、第1副制御部400に対してメダルの払出枚数を示すメダル払出コマンドを送信する準備を行う。
【0151】
ステップS111では、遊技状態制御処理(詳しくは後述する)を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合には次回からBB遊技を開始できるよう準備する。また、このステップS111では、遊技状態を示す遊技状態コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
【0152】
以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図19のステップS1006)において送信される。
【0153】
<主制御部初期設定処理>
次に、図18を用いて、主制御部300の初期設定処理について説明する。なお、図18は、図17のステップS101の主制御部初期設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0154】
ステップS201では、初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0155】
ステップS202では、電源投入を検出したか否か、すなわち、電圧監視回路330が出力する低電圧信号がオンかオフかを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合)には、ステップS202において電源投入の監視を継続し、低電圧信号がオフの場合(電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)以上である場合)には、ステップS203に進む。
【0156】
ステップS203では、設定キースイッチセンサによって設定キースイッチ(本体101の内部;図示せず)がON状態かOFF状態かを判定する。そして、設定キースイッチがON状態であると判定した場合にはステップS204に進み、OFF状態であると判定した場合にはステップS205に進む。
【0157】
ステップS204では、設定値変更処理を行う。この設定値変更処理では、現在設定されている設定値(遊技モード)を設定値表示器(本体101の内部;図示せず)に表示させ、設定変更ボタンセンサによって設定変更ボタン(本体101の内部;図示せず)の押下操作があったか否かを判定する。そして、設定変更ボタンの押下操作があった場合は、設定変更ボタンの押下操作を1回検出する毎に、現在設定されている設定値1〜6に対して1ずつ加算更新し、設定値が6を超えると1に戻ることを繰り返して実行する。また、スタートレバーセンサから入力する信号を検出し、スタートレバー135の操作があったか否かを判定し、スタートレバー135の操作があった場合には、現在、設定値表示器に表示されている設定値をRAM308の設定値記憶領域に記憶し、設定値を確定する。また、設定キースイッチがON状態からOFF状態に変更されたか否かを判定し、設定キースイッチがOFF状態に変更された場合は設定値変更処理を終了し、ステップS209に進む。また、ステップS204では、第1副制御部400に対して、設定変更開始時(具体的には、設定キースイッチ操作時)、設定変更開始を示す設定変更開始コマンド、設定変更終了時(具体的には、スタートレバー135操作時)、設定値及び設定変更終了を示す設定変更終了コマンドを送信する準備を行う。
【0158】
ステップS205では、RAM308の少なくとも一部に異常があるか否かを判定する。そして、RAM308に異常がある場合はステップS206に進み、異常が無い場合はステップS207に進む。なお、本実施形態では、後述する電断処理で設定されたチェックサム(図20のステップS1103参照)を用いてRAM308の異常を検出する。
【0159】
ステップS206では、RAMエラー処理を行う。このRAMエラー処理では、使用スタックエリアを除く全てのRAM308の記憶領域をクリアする準備などを行った後に、無限ループ状態に移行する。
【0160】
ステップS207では、強制RAMクリアがON状態か否かを判定する。具体的には、電源が投入され、かつリセットボタン(本体101の内部;図示せず)が長押し(例えば、5秒以上の押下)されたことに基づき、強制RAMクリアのON状態とする。そして、強制RAMクリアがON状態の場合はステップS209に移行し、OFF状態の場合はステップS208に進む。
【0161】
ステップS208では、復帰処理を行う。この復帰処理では、スロットマシン100を電源が遮断される前の状態に復帰させる処理、具体的には、前回の電断時(前回、低電圧信号のオンを検出した時)に退避しておいたスタックポインタやレジスタなどの値を、元のスタックポインタやレジスタに復帰する処理などを行う。
【0162】
ステップS209では、初期状態遊技開始処理を行う。この初期状態遊技開始処理では、全てのRAM308の記憶領域をクリアし、電源投入時待機処理を行う。
【0163】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図19を用いて、主制御部300のタイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0164】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0165】
ステップS1001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0166】
ステップS1002では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0167】
ステップS1003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
【0168】
ステップS1004では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137〜139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
【0169】
ステップS1005では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
【0170】
ステップS1006では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(例えば、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110〜112の回転を開始に伴う回胴回転開始コマンド、ストップボタン137〜139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示す遊技状態コマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
【0171】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0172】
ステップS1007では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
【0173】
ステップS1008では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
【0174】
ステップS1009では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1011に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1010に進む。
【0175】
ステップS1010では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS1001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図17に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0176】
一方、ステップS1011では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理(詳しくは後述)を行い、その後、図17に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0177】
<主制御部電断処理>
次に、図20を用いて、主制御部電断処理について説明する。図20は、図19のステップS1011の主制御部電断処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0178】
ステップS1101では、各レジスタの値をRAM308に退避する。
【0179】
ステップS1102では、電源ステータスを電断状態に設定する。
【0180】
ステップS1103では、RAM308のRAM領域全体のチェックサムを設定する。
【0181】
ステップS1104では、RAM308をアクセス禁止に設定する。
【0182】
<第1副制御部400の処理>
図21及び図22(a)を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図21(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャート、図21(b)は、第1副制御部400のCPU404が実行するコマンド受信割込処理のフローチャート、図22(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するタイマ割込処理のフローチャートである。
【0183】
まず、図21(a)を用いて、第1副制御部400のメイン処理について説明する。メイン処理では、電源投入が行われると、まずステップS2001で初期設定処理(詳しくは後述)が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0184】
ステップS2002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS1003の処理に移行する。
【0185】
ステップS2003では、タイマ変数に0を代入する。
【0186】
ステップS2004では、コマンド処理を行う。コマンド処理では、主制御部300からコマンドを受信したか否か(RAM408のコマンド記憶領域に未処理コマンドがあるか否か)を判別する。
【0187】
ステップS2005では、演出制御処理(詳しくは後述する)を行う。例えば、ステップS2004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0188】
ステップS2006では、ステップS2005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。例えば、警告報知演出を実行する場合には、警告音を出力する命令を音源IC418に出力する。
【0189】
ステップS2007では、ステップS2005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0190】
ステップS2008では、ステップS2005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS2002へ戻る。この結果、設定された制御コマンドは、第2副制御部500に送信される。
【0191】
次に、図21(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS2101では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0192】
次に、図22(a)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0193】
ステップS2201では、タイマ割込開始処理を行う。
【0194】
ステップS2202では、第1副制御部メイン処理におけるステップS2002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS2002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0195】
ステップS2203では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0196】
ステップS2204では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS2206に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS2205に進む。
【0197】
ステップS2205では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS2201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図21(a)に示す第1副制御部メイン処理に復帰する。
【0198】
ステップS2206では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理(詳しくは後述)を行い、その後、図21(a)に示す第1副制御部メイン処理に復帰する。
【0199】
<第1副制御部電断処理>
次に、図22(b)を用いて、第1副制御部電断処理について説明する。図22(b)は、図22(a)のステップS2206の電断処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0200】
ステップS2301では、各レジスタの値をRAM408に退避する。
【0201】
ステップS2302では、電源ステータスを電断状態に設定する。
【0202】
ステップS2303では、RAM408のRAM領域全体のチェックサムを設定する。
【0203】
ステップS2304では、RAM408をアクセス禁止に設定する。
【0204】
<第1副制御部初期設定処理>
次に、図23を用いて、第1副制御部の初期設定処理について詳しく説明する。図23は、図21(a)のステップS2001の第1副制御部初期設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0205】
ステップS3101では、初期設定処理を行う。この初期設定では、CPU404のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O410の初期設定、RAM408に記憶する各種変数の初期設定等を行う。
【0206】
ステップS3102では、設定変更開始コマンドを受信したか否かを判定する。設定変更開始コマンドを受信した場合には、ステップS3110に進み、そうでない場合には、ステップS3103に進む。
【0207】
ステップS3103では、正常復帰判定処理を行う。
【0208】
ステップS3104では、正常復帰判定処理に基づいて、正常復帰可能か否かを判定する。正常復帰可能な場合には、ステップS3105に進み、そうでない場合には、ステップS3112に進む。
【0209】
ステップS3105では、特定情報更新フラグが設定されているか否かを判定する。特定情報更新フラグが設定されていない場合には、第1副制御部の初期設定処理を終了し、特定情報更新フラグが設定されている場合には、ステップS3106に進む。
【0210】
ステップS3106では、表示フラグが設定されているか否かを判定する。表示フラグが設定されていない場合には、ステップS3107に進み、表示フラグが設定されている場合には、第1副制御部初期設定処理を終了する。
【0211】
ステップS3107では、特定情報を初期化する。すなわち、本実施形態においては、特定情報更新フラグの設定あり(特定情報を累積更新している状態)、かつ表示フラグの設定なし(特定情報を表示していない状態)であって、電源が投入された場合には、特定情報の初期化を行う(図15及び図16参照)。逆にいえば、特定情報更新フラグが設定なし、または表示フラグが設定ありの場合には、電源が投入されても、特定情報は初期化されない。
【0212】
ステップS3108では、特定情報更新フラグを消去する。
【0213】
一方、ステップS3110では、設定変更終了コマンドを受信したか否かを判定する。設定変更終了コマンドを受信した場合には、ステップS3111に進み、設定変更終了コマンドを受信していない場合には、ステップS3110を繰り返す。
【0214】
ステップS3111では、設定変更終了コマンドに基づいて、主制御部300の設定値を設定する。
【0215】
ステップS3112では、RAM408の特定情報の格納領域を含む所定領域を初期化する。すなわち、設定値変更処理があった場合、及び正常復帰可能でない場合にも、特定情報は初期化される。なお、この場合、特定情報に加えてRT回数(後述するAT回数カウンタの値;図16(b)参照)も初期化してもよい。
【0216】
<演出制御処理>
次に、図24を用いて、演出制御処理について詳しく説明する。図24は、図21(a)のステップS2005の演出制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0217】
ステップS2401では、未処理コマンドとしての内部抽選コマンドが記憶されているか否かを判定する。未処理コマンドとしての内部抽選コマンドが記憶されている場合には、ステップS2402に進み、そうでない場合には、ステップS2403に進む。
【0218】
ステップS2402では、内部当選コマンド受付時処理(詳しくは後述)を実行する。
【0219】
ステップS2403では、未処理コマンドとしての遊技状態コマンドが記憶されているか否かを判定する。未処理コマンドとしての遊技状態コマンドが記憶されている場合には、ステップS2404に進み、そうでない場合には、ステップS2405に進む。
【0220】
ステップS2404では、遊技状態コマンド受付時処理(詳しくは後述)を実行する。
【0221】
ステップS2405では、その他の演出制御処理を行う。
【0222】
<内部当選コマンド受付時処理>
次に、図25を用いて、内部当選コマンド受付時処理について詳しく説明する。図25は、図24のステップS2402の内部当選コマンド受付時処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0223】
ステップS2501では、ATフラグまたはAT準備フラグがあるか否かを判定する。ATフラグまたはAT準備フラグがある場合には、ステップS2502に進み、そうでない場合には、ステップS2503に進む。
【0224】
ステップS2502では、AT報知処理(詳しくは後述)を実行する。
【0225】
ステップS2503では、AT抽選処理(詳しくは後述)を実行する。
【0226】
ステップS2504では、内部当選コマンドに基づくその他の処理を実行する。
【0227】
<AT報知処理>
次に、図26を用いて、AT報知処理について詳しく説明する。図26は、図25のステップS2502のAT報知処理の流れを詳しく示すフローチャートである。AT報知処理では、重複役に内部当選した場合に正解の停止操作順序を報知する押し順ナビを行う。
【0228】
ステップS2601では、「再遊技役1、2」に内部当選したか否かを判定する。「再遊技役1、2」に内部当選した場合には、ステップS2602に進み、そうでない場合には、ステップS2603に進む。
【0229】
ステップS2602では、再遊技役2を停止表示させるための停止操作順序を報知する演出データを設定する。例えば、「左→中→右」が正解の停止操作順序であれば、「左→中→右」を報知する演出データを設定する。
【0230】
ステップS2603では、「再遊技役3、4」に内部当選したか否かを判定する。「再遊技役3、4」に内部当選した場合には、ステップS2604に進み、そうでない場合には、ステップS2605に進む。
【0231】
ステップS2604では、再遊技役3を停止表示させるための停止操作順序を報知する演出データを設定する。
【0232】
ステップS2605では、「再遊技役1、4」に内部当選したか否かを判定する。「再遊技役1、4」に内部当選した場合には、ステップS2606に進み、そうでない場合には、ステップS2607に進む。
【0233】
ステップS2606では、再遊技役4を停止表示させるための停止操作順序を報知する演出データを設定する。
【0234】
ステップS2607では、「小役3a」に内部当選したか否かを判定する。「小役3a」に内部当選した場合には、ステップS2608に進み、そうでない場合には、AT報知処理を終了する。
【0235】
ステップS2608では、図柄表示窓113の表示領域5にベル図柄を停止表示させる停止操作順序を報知する演出データを設定する。
【0236】
<AT抽選処理>
次に、図27を用いて、AT抽選処理について詳しく説明する。図27は、図25のステップS2503のAT抽選処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0237】
ステップS2701では、内部当選コマンドに基づいて、小役1(チェリー)または小役2(スイカ)に内部当選したか否かを判定する。小役1(チェリー)または小役2(スイカ)に内部当選した場合には、ステップS2702に進み、そうでない場合には、AT抽選処理を終了する。
【0238】
ステップS2702では、AT抽選を行う。詳しくは、図28(a)に示すAT抽選データを用いてATに当選するか否かを決定し、ATに当選した場合には、図28(b)に示すAT回数振り分け抽選データを用いて、付与されるAT回数を決定する。本実施形態においては、AT抽選データは、設定値及び役ごとに当選確率が設定されており、例えば、設定値が1であって、小役1に内部当選した場合には10%の確率でATに当選する。また、AT回数振り分け抽選データも設定値ごとにそれぞれのAT回数の当選確率が設定されており、例えば、設定値1の場合には、AT回数1回が70%、2回が10%、3回が5%、4回が5%、5回が5%の確率で当選する。ここで、AT回数とは、セット単位の回数を意味し、本実施形態の場合、1セットは50ゲームで構成される。例えば、1回のATが付与された場合には、50ゲームのATゲームが実行される。
【0239】
ステップS2703では、ステップS2702のAT抽選に当選したか否かを判定する。AT抽選に当選した場合には、ステップS2704に進み、そうでない場合には、AT抽選処理を終了する。
【0240】
ステップS2704では、付与されたAT回数に基づいて、AT回数カウンタの値を更新する。例えば、現在、AT回数カウンタの値が1、当該AT抽選にて付与されたAT回数が2の場合には、AT回数カウンタの値は3に更新される。
【0241】
このように本実施形態では、小役1または2に内部当選し、かつAT抽選に当選した場合には、所定回(1〜5回)のAT回数が付与されるようになっている。
【0242】
<遊技状態コマンド受付時処理>
次に、図29を用いて、遊技状態コマンド受付時処理について詳しく説明する。図29は、図24のステップS2404の遊技状態コマンド受付時処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0243】
ステップS2801では、ATフラグが設定されているか否かを判定する。ATフラグが設定されている場合には、ステップS2802に進み、ATフラグが設定されていない場合には、ステップS2808に進む。
【0244】
ステップS2802では、ATゲーム数を1減算する。
【0245】
ステップS2803では、減算されたATゲーム数が0であるか否かを判定する。ATゲーム数が0の場合には、ステップS2804に進み、そうでない場合には、ステップS2809に進む。
【0246】
ステップS2804では、ATゲーム数が0であるので、ATフラグを消去する。
【0247】
ステップS2805では、初期化ゲーム数に初期値(本実施形態では50)を設定する。ここで、初期化ゲーム数とは、特定情報を初期化するまでの経過ゲーム数を示すパラメータ値であり、ゲームの進行とともに1ずつ減算されていく。したがって、本実施形態においては、ATフラグを消去後、つまり非AT状態になってから50ゲーム経過後に特定情報が初期化されるようになっている。
【0248】
ステップS2806では、特定情報を非表示にする演出データを設定する。
【0249】
ステップS2807では、設定されていた表示フラグを消去する。この結果、AT状態において演出画像表示装置157上に表示されていた特定情報は、以後、表示されない。
【0250】
一方、ステップS2808では、ATフラグが設定されていなかったので、ATフラグなし時遊技状態コマンド受付時処理(詳しくは後述)を行う。
【0251】
ステップS2809では、特定情報更新フラグが設定されているか否かを判定する。特定情報更新フラグが設定されている場合には、ステップS2810に進み、特定情報更新フラグが設定されていない場合には、遊技状態コマンド受付時処理を終了する。
【0252】
ステップS2810では、特定情報更新フラグが設定されているので、特定情報を更新する。具体的には、累計AT回数及び累計メダル獲得数を更新し、RAM408の特定情報格納領域に更新された累計AT回数及び累計メダル獲得数を記憶する。
【0253】
<ATフラグなし時遊技状態コマンド受付時処理>
次に、図30を用いて、フラグなし時遊技状態コマンド受付時処理について詳しく説明する。図30は、図29のステップS2808の遊技状態コマンド受付時処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0254】
ステップS2901では、AT準備フラグが設定されているか否かを判定する。AT準備フラグが設定されている場合には、ステップS2907に進み、AT準備フラグが設定されていない場合には、ステップS2902に進む。
【0255】
ステップS2902では、AT回数(AT回数カウンタの値)>0であるか否かを判定する。AT回数>0である場合には、ステップS2903に進み、AT回数が0である場合には、ステップS2910に進む。なお、AT回数>0である場合には、現在はAT状態ではないが、残存するAT回数はあるので、前兆ゲーム(AT状態を期待させるゲーム)及びAT準備状態を経て、AT状態に移行するようになっている。
【0256】
ステップS2903では、前兆フラグが設定されているか否かを判定する。前兆フラグは、前兆ゲーム(ATを期待させるゲーム)が実行されるゲーム数(以下、前兆ゲーム数という)が設定されているか否かを識別するためのフラグ情報であり、前兆フラグが設定されている場合には、前兆ゲーム数は設定されており、前兆フラグが設定されていない場合には、前兆ゲーム数は設定されていない。前兆フラグが設定されている場合には、ステップS2904に進み、前兆フラグが設定されていない場合には、ステップS2908に進む。
【0257】
ステップS2904では、前兆フラグゲーム数を1減算する。
【0258】
ステップS2905では、減算された前兆フラグゲーム数が0であるか否かを判定する。前兆フラグゲーム数が0である場合には、ステップS2906に進み、前兆フラグゲーム数が0でない場合には、ステップS2910に進む。
【0259】
ステップS2906では、設定された前兆ゲーム数がすべて消化されたので、設定されている前兆フラグを消去する。
【0260】
ステップS2907では、ATフラグ設定処理(詳しくは後述)を行う。
【0261】
一方、ステップS2903において、前兆フラグが設定されていない場合には、ステップS2908において、前兆フラグを設定し、次いで、ステップS2909において、前兆ゲーム数を設定する。なお、本実施形態においては、前兆ゲーム数抽選処理により前兆ゲーム数が決定され、決定された前兆ゲーム数が設定される。例えば、前兆ゲーム数抽選処理により10ゲームが決定された場合には、10ゲームの前兆ゲーム数が設定される。
【0262】
ステップS2910では、初期化ゲーム数を1減算する。
【0263】
ステップS2911では、減算された初期化ゲーム数が0であるか否かを判定する。初期化ゲーム数が0である場合には、ステップS2912に進み、初期化ゲーム数が0でない場合には、ATフラグなし時遊技状態コマンド受付時処理を終了する。
【0264】
ステップS2912では、初期化ゲーム数が0になり、非AT状態になってから50ゲームが経過したので、設定されている特定情報更新フラグを消去する。これにより以後、特定情報は更新されない。
【0265】
ステップS2913では、非AT状態になってから50ゲームが経過したので、特定情報を初期化する。すなわち、蓄積されていた累計AT回数及び累計メダル獲得数を0クリアする(図15の期間G参照)。
【0266】
<ATフラグ設定処理>
次に、図31を用いて、ATフラグ設定処理について詳しく説明する。図31は、図30のステップS2907のATフラグ設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0267】
ステップS3001では、AT準備フラグが設定されているか否かを判定する。AT準備フラグが設定されている場合には、ステップS3002に進み、AT準備フラグが設定されていない場合には、ステップS3012に進む。
【0268】
ステップS3002では、重複役(押し順役)に内部当選し、かつ不正解の停止操作順序であったか否かを判定する。押し順役に内部当選し、かつ不正解の停止操作順序であった場合には、AT状態を開始すべく、ステップS3004に進み、そうでない場合には、ステップS3003に進む。
【0269】
ステップS3003では、再遊技役3に入賞したか否かを判定する。再遊技役3に入賞した場合には、主制御部300の遊技状態はRT2に移行するので、AT状態を開始すべく、ステップS3004に進み、そうでない場合には、ATフラグ設定処理を終了する。
【0270】
ステップS3004では、ATゲーム数に初期値(本実施形態では50ゲーム)を設定する。
【0271】
ステップS3005では、ATフラグを設定する。この結果、次ゲームからはAT状態が開始されることとなる。
【0272】
ステップS3006では、AT回数(AT回数カウンタの値)を1減算する。
【0273】
ステップS3007では、AT準備フラグを消去する。
【0274】
ステップS3008では、特定情報更新フラグが設定されているか否かを判定する。特定情報更新フラグが設定されている場合には、ステップS3010に進み、特定情報更新フラグが設定されていない場合には、ステップS3009に進む。
【0275】
ステップS3009では、特定情報更新フラグを設定する。これにより以後、特定情報は更新される。
【0276】
ステップS3010では、AT状態になったので、特定情報を表示する演出データを設定する。
【0277】
ステップS3011では、AT状態になったので、表示フラグを設定する。この結果、以後、特定情報は演出画像表示装置157上に表示される。
【0278】
一方、ステップS3001において、AT準備フラグがない場合には、ステップS3012において、AT準備フラグを設定する。この結果、次ゲームからはAT準備状態が開始されることとなる。
【0279】
<第2副制御部の処理>
図32を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
【0280】
まず、同図(a)を用いて、第2副制御部500のメイン処理について説明する。
【0281】
電源投入が行われると、まずS4001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0282】
ステップS4002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS4003の処理に移行する。
【0283】
ステップS4003では、タイマ変数に0を代入する。
【0284】
ステップS4004では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0285】
ステップS4005では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS4004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0286】
ステップS4006では、ステップS4005で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
【0287】
ステップS4007では、ステップS4005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS4002へ戻る。
【0288】
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
【0289】
コマンド受信割込処理のステップS4101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0290】
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0291】
ステップS4201では、同図(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS4002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS4002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0292】
ステップS4202では、演出用乱数値などを更新する各種更新処理等を行う。
【0293】
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500の画像制御処理について説明する。同図(d)は、同図(a)のステップS4007の画像制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0294】
ステップS4301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0295】
ステップS4302では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS4303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
【0296】
ステップS4303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS4301でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0297】
ステップS4304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。本実施形態では、具体的には、後述する単発演出A〜Cに関する画像を表示する。
【0298】
ステップS4305では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS4306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
【0299】
ステップS4306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
【0300】
<その他>
なお、上記実施形態では、遊技者に有利な状態をAT状態として説明し、非AT状態において特定情報を初期化するようにしていたが、遊技者に有利な状態はAT状態に限定されるものではない。すなわち、有利な遊技状態と有利でない遊技状態が交互に繰り返される遊技性を備える遊技台であれば、その有利な遊技状態は、いかなるものでもよく、例えば、ボーナス状態(特別遊技状態)であってもよい。
【0301】
また、本実施形態では、非AT状態において電断が発生した場合、電源投入時に特定情報の初期化を行ったが(図23の第1副制御部初期設定処理)、特定情報の初期化の時期は電源投入時に限定されるものではなく、電断時(図22(b)の第1副制御部電断処理)に行ってもよい。
【0302】
さらには、上記実施形態においては、スロットマシン100の特定情報の初期化について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコなど他の遊技台の特定情報の初期化にも適用可能である。
【0303】
例えば、図33に示すような「所定の遊技領域1002に球を発射する発射装置1010と、発射装置1010から発射された球を入球可能に構成された入賞口1006と、入賞口に入球した球を検知する検知手段1008と、検知手段1008が球を検知した場合に球を払出す払出手段1012と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1004を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1004が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機1000」において、特定情報(累積され遊技者に報知される遊技情報)を有利な遊技状態において表示するとともに、遊技者に有利でない遊技状態中に初期化条件が成立した場合には特定情報を初期化するようにしてもよい。
【0304】
<実施形態のまとめ>
以上述べたように、本発明の実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100など)によれば、入賞条件の成立に基づいて、利益を付与する遊技台であって、少なくとも、第一遊技状態(例えば、非AT状態)と、前記第一遊技状態よりも有利な第二遊技状態(例えば、AT状態)と、を含む複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態を設定する遊技状態設定手段(例えば、第1副制御部400、AT抽選処理、ATフラグ設定処理など)と、前記第二遊技状態を含む所定期間において付与された利益を累積した特定情報(例えば、累計AT回数、累計メダル獲得数)を記憶する記憶手段(例えば、第1副制御部400、RAM408、遊技状態受付時処理)と、電圧供給に異常をきたした場合、または電圧供給の異常が正常化された場合のいずれかである特定条件が成立したことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報を初期化する初期化手段(例えば、第1副制御部400、第1副制御部初期設定処理、ATフラグなし時遊技状態コマンド受付時処理)と、前記特定情報を表示する表示する表示手段(例えば、第2副制御部500、演出画像表示装置157)と、を備え、前記初期化手段は、前記特定条件が成立した場合であって、前記表示手段により前記特定情報が表示されている場合には前記特定情報を初期化せず、前記表示手段により前記特定情報が表示されていない場合には前記特定情報を初期化することを基本的構成とする。
【0305】
このような構成により、本実施形態においては、遊技者が特定情報を視認できない状態において特定情報を初期化するので、遊技に関する蓄積情報を報知して、遊技者の興趣を向上させながら、遊技店側の操作有無を遊技者に把握させず、遊技店側に不利益を与えにくい遊技台を提供することができる。
【0306】
また、本発明の実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100など)によれば、入賞条件の成立に基づいて、利益を付与する遊技台であって、少なくとも、第一遊技状態(例えば、非AT状態)と、前記第一遊技状態よりも有利な第二遊技状態(例えば、AT状態)と、を含む複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態を設定する遊技状態設定手段(例えば、第1副制御部400、AT抽選処理、ATフラグ設定処理など)と、前記第二遊技状態を含む所定期間において付与された利益を累積した特定情報を記憶する記憶手段(例えば、第1副制御部400、RAM408、遊技状態受付時処理)と、電圧供給に異常をきたした場合、または電圧供給の異常が正常化された場合のいずれかである特定条件が成立したことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている特定情報を初期化する初期化手段(例えば、第1副制御部400、第1副制御部初期設定処理、ATフラグなし時遊技状態コマンド受付時処理)と、前記特定情報を表示する表示する表示手段(例えば、第2副制御部500、演出画像表示装置157)と、を備え、前記初期化手段は、前記特定条件が成立した場合であって、前記遊技状態設定手段により前記第二遊技状態が設定されている場合には前記特定情報を初期化せず、前記遊技状態設定手段により前記第二遊技状態が設定されていない場合には前記特定情報を初期化することを基本的構成とする。
【0307】
このような構成により、本実施形態においては、遊技者が有利でない第一遊技状態において特定情報を初期化するので、遊技に関する蓄積情報を報知して、遊技者の興趣を向上させながら、遊技店側の操作有無を遊技者に把握させず、遊技店側に不利益を与えにくい遊技台を提供することができる。
【0308】
また、前記初期化手段は、電圧供給の異常が正常化された場合である前記特定条件が成立したことに基づいて前記特定情報を初期化することが好ましい。
【0309】
この場合には、電源立ち上げ時の初期設定処理にて特定情報を初期化することができるので、遊技店側の通常作業の中で容易に特定情報の初期化を実現することができる。
【0310】
なお、上記遊技台は、複数種類の図柄が施され、回転可能な複数のリール(例えば、リール110〜112)と、遊技媒体(例えば、メダル)が投入されることを条件として、前記複数のリールの回転開始を指示するスタートスイッチ(例えば、スタートレバー135)と、前記スタートスイッチの操作に基づいて、予め定められた複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(例えば、主制御部300、入賞役内部抽選処理)と、前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチ(例えば、ストップボタン137〜139)と、前記抽選手段の抽選結果及び前記ストップスイッチの停止操作に基づいて、前記リールの回転の停止に関する停止制御を行う停止制御手段(例えば、主制御部300、リール停止制御処理)と、前記停止制御手段による停止制御により、予め定められた有効ライン(例えば、入賞ラインL1〜L4)上に停止表示された図柄組合せが、前記抽選手段により内部当選した役に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより前記役への入賞を判定する判定手段(例えば、主制御部300、入賞判定処理)と、前記判定手段による判定により、配当を伴う役に入賞した場合には、前記遊技媒体を配当として払い出す払出手段(例えば、メダル払出装置180、主制御部300、メダル払出処理)と、遊技に関する情報を報知する報知手段(例えば、演出画像表示装置157、スピーカ272、277、各種ランプ338、420、シャッタ163など)と、を備えることが好ましい。
【0311】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0312】
100 スロットマシン
110、111、112 リール
113 図柄表示窓
114 入賞ライン
130、131、132 メダル投入ボタン
135 スタートレバー
137、138、139 ストップボタン
300 主制御部
400 第1副制御部
500 第2副制御部
157 液晶表示装置
272,277 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入賞条件の成立に基づいて、利益を付与する遊技台であって、
少なくとも、第一遊技状態と、前記第一遊技状態よりも有利な第二遊技状態と、を含む複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、
前記第二遊技状態を含む所定期間において付与された利益を累積した特定情報を記憶する記憶手段と、
電圧供給に異常をきたした場合、または電圧供給の異常が正常化された場合のいずれかである特定条件が成立したことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報を初期化する初期化手段と、
前記特定情報を表示する表示する表示手段と、
を備え、
前記初期化手段は、
前記特定条件が成立した場合であって、前記表示手段により前記特定情報が表示されている場合には前記特定情報を初期化せず、前記表示手段により前記特定情報が表示されていない場合には前記特定情報を初期化することを特徴とする遊技台。
【請求項2】
入賞条件の成立に基づいて、利益を付与する遊技台であって、
少なくとも、第一遊技状態と、前記第一遊技状態よりも有利な第二遊技状態と、を含む複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、
前記第二遊技状態を含む所定期間において付与された利益を累積した特定情報を記憶する記憶手段と、
電圧供給に異常をきたした場合、または電圧供給の異常が正常化された場合のいずれかである特定条件が成立したことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている特定情報を初期化する初期化手段と、
前記特定情報を表示する表示する表示手段と、
を備え、
前記初期化手段は、
前記特定条件が成立した場合であって、前記遊技状態設定手段により前記第二遊技状態が設定されている場合には前記特定情報を初期化せず、前記遊技状態設定手段により前記第二遊技状態が設定されていない場合には前記特定情報を初期化することを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2記載の遊技台であって、
前記初期化手段は、
電圧供給の異常が正常化された場合である前記特定条件が成立したことに基づいて前記特定情報を初期化することを特徴とする遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−70852(P2013−70852A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212262(P2011−212262)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】