酸溶液によるシリコン電極アセンブリ表面の汚染除去
フッ化水素酸、硝酸、酢酸及びバランス脱イオン水を含む酸溶液を使用して、シリコン表面を変色させること無しにシリコン表面から汚染物質を効率よく除去することによって電極アセンブリのシリコン表面を洗浄する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸溶液によるシリコン電極アセンブリ表面の汚染除去に関する。
【発明の開示】
【0002】
プラズマに曝されたシリコン表面を有する使用された電極アセンブリを洗浄する方法は、シリコン表面を酸溶液と接触させることを含む。酸溶液は、フッ化水素酸、硝酸、酢酸、及びバランス脱イオン水を含む。好ましくは、洗浄表面の変色の無い状態で、汚染物質がシリコン表面から除去される。電極アセンブリは、洗浄後に、プラズマエッチングチャンバで誘電体材料をエッチングするために使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0003】
電極アセンブリを使用して非常に多くのRF時間(プラズマを発生するために高周波電力が使用された時間単位の時間)が経過した後で、使用されたシリコン電極アセンブリは、エッチング速度の低下及びエッチング均一性のドリフトを示す。エッチング性能の低下は、電極アセンブリのシリコン表面の汚染だけでなく電極アセンブリのシリコン表面のモルフォロジの変化に起因し、これらの双方は、誘電体エッチングプロセスの結果である。
【0004】
使用された電極アセンブリのシリコン表面を研磨して、黒色シリコン及び他の金属汚染を除去することができる。金属汚染物は、酸溶液で拭くことによってシリコン表面を変色させることなしに、そのような電極アセンブリのシリコン表面から効果的に除去することができ、それによって、電極アセンブリ結合剤に対する損傷の危険性が低くなる。したがって、電極アセンブリを洗浄することによって、プロセス窓のエッチング速度及びエッチング均一性を許容可能なレベルに回復させることができる。
【0005】
誘電体エッチングシステム(例えば、Lam2300Exelan(登録商標)及びLamExelan(登録商標)HPT)は、ガス出口を含むシリコンシャワーヘッド電極アセンブリを含むことがある。引用することによってその内容をここに合体する、本件出願と同一出願により保有されている米国特許第6,376,385号に開示されているように、ただ1つのウェハのような半導体基板の処理を行うことができるプラズマ反応チャンバの電極アセンブリは、黒鉛裏当てリング又は部材のような支持部材、均一な厚さの円形ディスクの形をしたシリコンシャワーヘッド電極のような電極、及び支持部材と電極の間のエラストマ結合部を含むことがある。エラストマ結合部は、電極アセンブリの温度サイクルの結果としての熱膨張を補償するように支持部材と電極の間の動きを許容する。エラストマ結合部は電気及び/又は熱伝導性充填剤を含んでもよく、エラストマは、高温で安定な触媒硬化重合体であってもよい。例えば、エラストマ結合剤は、シリコン重合体及びアルミニウム合金粉末充填剤を含むことがある。結合剤を損傷する可能性がある酸溶液を電極アセンブリの結合剤と接触させないために、好ましくは、使用された電極アセンブリのシリコン表面は酸溶液で拭かれる。
【0006】
さらに、電極アセンブリは、内部電極を取り囲み、場合によっては誘電体材料のリングによって内部電極から分離されている外部電極リング又は部材を含むことがある。外部電極部材は、300mmウェハ等のより大きなウェハを処理するために電極を延長するのに有用である。外部電極部材のシリコン表面は、平らな表面及び傾斜外縁部を備えることがある。内部電極と同様に、外部電極部材は、好ましくは、裏当て部材を備え、例えば、外部リングは電気的に接地されたリングを備えことがあり、この接地されたリングに、外部電極部材がエラストマ結合されることがある。内部電極及び/又は外部電極部材の裏当て部材は、容量結合されたプラズマ処理ツールに取り付けるための取付け穴を有することがある。電極アセンブリの汚染物質を最小限にするために、内部電極と外部電極部材の両方は、好ましくは、単結晶シリコンで構成される。外部電極部材は、環状構成に配列された単結晶シリコンの多くのセグメント(例えば、6セグメント)で構成されることがあり、各セグメントは裏当て部材に結合(例えば、エラストマ結合)されている。さらに、環状構成の隣接したセグメントは重なり合い、隣接セグメント間にギャップ又は結合部があることがある。
【0007】
誘電体エッチングツールで使用されるシリコン電極アセンブリは、この電極アセンブリを使用する非常に多くのRF時間が経過した後で、部分的には黒色シリコンの形成のために悪化している。「黒色シリコン」は、プラズマ処理工程中に表面に沈積された汚染物質によって表面が微小マスクされた結果として、プラズマに曝されたシリコン表面に生じることがあり得る。黒色シリコンの形成の影響を受ける特定のプラズマ処理条件には、低Kビアのエッチング時に使用されるような、中間RFパワーでの高い窒素濃度、低い酸素濃度及びCxYy濃度がある。微小マスクされた表面領域は、約10nmから約10ミクロンの程度であることがあり得る。どんな特定の理論にも拘束されることを望まないが、シリコン電極(又は、他のシリコン部分)のプラズマに曝された表面への黒色シリコン形成は、プラズマ処理工程中におけるシリコン電極への独立した(non-contiguous)重合体の沈積の結果として生じると思われる。
【0008】
シリコン酸化物又は低k誘電体材料層などの半導体基板上の誘電体材料をエッチングする主エッチングステップ中に、独立した(non-contiguous)重合体沈積物が、プラズマに曝された表面、例えばシリコン上部電極の下面に生じることがあり得る。重合体沈積物は、一般に、下にある表面をエッチングから選択的に保護する3次元島状形成物を形成する。いったん針状形成物が形成されると、それから重合体沈積物は、この針の先端に優先的に生じ、それによって、連続する基板の主エッチングステップ中に、微小マスク機構及び黒色シリコン拡大を加速する。微小マスクされた表面領域の不均一な異方性エッチングは、結果として、狭い間隔で並んだ針状又は棒状特徴を表面に形成することになる。これらの特徴は、光がシリコン表面の変形領域で反射するのを妨げることができ、これによって、それらの領域は黒色の外見になる。針状微小特徴は、狭い間隔で並び、一般に、約10nm(0.01μm)から約50,000nm(50μm)の長さを有することがあり(また、いくつかの例では、約1mm程度又はもっと長い長さを有することがあり)、さらに、一般に、約10nmから約50μmの幅を有することがある。
【0009】
黒色シリコンの影響を受けた電極アセンブリのシリコン表面は、研磨によって再生させることができる。研磨の前に、電極アセンブリは、異物を除去するために前洗浄されることがある。そのような前洗浄は、CO2雪吹付け(snow blasting)を含んでもよく、このCO2吹付けは、処理される表面にドライアイスの小さな薄片(例えば、ノズルを通して液体CO2を大気圧まで膨張させて、CO2の柔らかい薄片を形成することで生じる)の流れを向け、その結果、その薄片は、基板上の大きさが1ミクロン未満の小さな粒状汚染物質をたたき、その後昇華によって気化し、表面からその汚染物質を持ち上げるようになる。それから、汚染物質及びCO2ガスは、通常、高性能粒子空気(HEPA)フィルタなどのフィルタを通過し、そこで汚染物質は集められガスは放出される。適切な雪生成装置の例は、Vatran Systems Inc.(カリフォルニア州チュラビスタ)から市販されているSnow Gun−II(商標)である。研磨の前に、電極アセンブリは、アセトン及び/又はイソプロピルアルコールで洗浄されてもよい。例えば、電極アセンブリは、アセトンに30分間浸漬され、有機汚れ又は沈積物を除去するように拭かれてもよい。
【0010】
研磨は、適切な粗さ等級数の研削砥石を使用して旋盤上で電極アセンブリの表面を研削し、別の砥石を使用して所望の仕上げ(例えば、8ミクロン−インチ)まで電極アセンブリ表面を研磨することを含む。好ましくは、汚れを除去し電極アセンブリを濡れた状態に保つために、シリコン表面は、不断の流水の下で研磨される。水が追加されたとき、研磨中にスラリーが生じることがあり、このスラリーは電極アセンブリ表面から取り除かれるべきである。電極アセンブリは、最初にErgoSCRUB(商標)及びScrubDISK(商標)を使用して研磨されてもよい。研磨手順(すなわち、使用される研磨紙の選択及び順序)は、電極アセンブリのシリコン表面の損傷の程度に依存する。
【0011】
激しい点腐食又は損傷がシリコン電極アセンブリに観察される場合、研磨は、均一で平らな表面が実現されるまで、例えば140又は160グリットのダイアモンド研磨ディスクで始めることができる。次の研磨は、例えば、220、280、360、800、及び/又は1350グリットのダイアモンド研磨ディスクで行うことができる。軽微な点腐食又は損傷がシリコン電極アセンブリに観察される場合、研磨は、均一で平らな表面が実現されるまで、例えば280グリットのダイアモンド研磨ディスクで始めることができる。次の研磨は、例えば、360、800、及び/又は1350グリットのダイアモンド研磨ディスクで行うことができる。
【0012】
研磨中に、電極アセンブリは、好ましくは約40〜160rpmの回転速度のターンテーブルに取り付けられている。強い力は、電極アセンブリのシリコン表面又は結合部分に損傷を引き起こす可能性があるので、好ましくは、研磨中に均一な強くない力が加えられる。したがって、電極アセンブリの点腐食又は損傷の度合いに依存して、研磨プロセスには相当な量の時間がかかる可能性がある。外部電極リング又は部材(例えば、平らな表面と傾斜外縁部の間の中間面)の形及び角度は、好ましくは、研磨中は維持される。電極アセンブリのガス出口及び結合部の中に捕獲された粒子を最小限にするために、研磨ディスクを交換するときはいつでも、脱イオン水銃を使用して、研磨中に生じた粒子をガス出口及び結合部から除去してもよく、さらに、UltraSOLV(登録商標)ScrubPADを使用して研磨ディスクから粒子を除去してもよい。
【0013】
研磨に続いて、電極アセンブリは、好ましくは、脱イオン水で洗浄され、ブロー乾燥される。電極アセンブリの表面粗さは、例えばSurfscanシステムを使用して測定されてもよい。電極アセンブリの表面粗さは、好ましくは、約8μ−インチ以下である。
【0014】
電極アセンブリのガス出口及び結合部に捕獲されている可能性がある粒子を自由にするために、電極アセンブリは、好ましくは、80℃の脱イオン水に1時間浸される。電極アセンブリの表面から粒子を除去するために、電極アセンブリは、約60℃の脱イオン水中で30分間超音波洗浄されてもよい。捕獲粒子を除去するのを助けるために、電極アセンブリは、超音波洗浄中に、超音波洗浄槽の中で上下に動かされてもよい。
【0015】
電極アセンブリのガス出口及び結合部又は取付け穴を含む電極アセンブリは、50psi以下の圧力の窒素/脱イオン水銃を使用して洗浄されてもよい。使用された電極アセンブリの黒鉛表面は緩んだ表面構造であるかもしれないので、電極アセンブリの黒鉛裏当て部材に損傷を与え又は強い衝撃を与えるのを防止するように特殊な取り扱いが必要とされうる。クリーンルーム用紙、ナイロン線、又は白糸を使用して、例えば電極アセンブリのガス出口及び結合部からの粒子除去特性を検査してもよい。電極アセンブリは、50psi以下の圧力の窒素銃を使用して乾燥してもよい。
【0016】
例えば、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Li、Mg、Mo、Na、Ni及びTi等の金属汚染物質は、フッ化水素酸、硝酸、酢酸及び脱イオン水を含む酸溶液でシリコン表面を洗浄することによって、シリコン表面を変色させることなしに、電極アセンブリ好ましくは研磨された電極アセンブリのシリコン表面から除去されうる。好ましいことには、フッ化水素酸、硝酸、酢酸及び脱イオン水を含む酸溶液で洗浄することで、点腐食又は表面粗さなどのシリコン表面モルフォロジ損傷又はシリコン表面色変化は起きない。シリコン表面色変化は、表面非清浄度ならびに酸化状態変化を反映している。
【0017】
上記の酸溶液のうちのフッ化水素酸及び硝酸の成分に関して、フッ化水素酸と硝酸との溶液と電極アセンブリのシリコン表面との化学反応は、次の通りである。
3Si+12HF+4HNO3→3SiF4+4NO+8H2O
[H+][F−]=k1[HF] k1=1.3×10−3モル/リットル
[HF][F−]=k2[HF2] k2=0.104モル/リットル
【0018】
フッ化水素酸の溶解速度は、1.3×10−3モル/リットルという低い反応定数k1のために低い。フッ化水素酸を含む溶液で処理した後で、シリコン電極のシリコン表面はSi−H(1水素)、Si−H2(2水素)及びSi−H3(3水素)で覆われていることが、赤外分光分析によって明らかになることがある。
【0019】
理論で拘束されることを望まないが、フッ化水素酸と硝酸の酸溶液によるシリコンのエッチング中に、シリコンが硝酸で酸化され、その後でフッ化水素酸による酸化シリコンの溶解が続く電気化学反応が起こると信じられている。フッ化水素酸の濃度が低い酸溶液では、エッチングプロセスの活性化エネルギーは、0から50℃の温度で4キロカロリー/モルである。このたった1つの低い値は、拡散制御プロセスの特徴であり、異なるシリコン材料のエッチング速度が低濃度で基本的に同じであることによって説明される。対照的に、フッ化水素酸の濃度の高い酸溶液では、2つの異なる活性化エネルギーが観察される。高温では、活性化エネルギーは10〜14キロカロリー/モルであり、低温では活性化エネルギーは約20キロカロリー/モルである。これらの値は、表面制御プロセスの特徴であり、表面制御プロセスでは、シリコンのドーパント濃度、シリコンの結晶方位、及びシリコンの欠陥がエッチングプロセスで役割を果たしている。
【0020】
したがって、電極アセンブリのシリコン表面の洗浄中におけるエッチング速度のドーパント濃度、結晶方位依存性をなくするために、好ましくは、酸溶液は低濃度のフッ化水素酸を含む。好ましいことには、酸溶液は、シリコンを異方性(単一方向)エッチングするのとは対照的に、シリコンを等方性エッチングする(非指向性的に、すなわち、エッチング速度はすべての方向で相対的に一定である)。フッ化水素酸は、いくつかの金属不純物と錯イオンを形成してその金属不純物を除去することができるが、フッ化水素酸は、例えばCuを除去するのに効果的でない。しかし、強い酸化剤である硝酸は、例えばAl、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Li、Mg、Mo、Na、Ni、Ti、Zn及びこれらの組合せのような不純物と反応し、容易に除去できるイオンを形成することができる。硝酸は、好ましくは、洗浄されたシリコン表面の色変化を引き起こさない量で存在している。
【0021】
したがって、フッ化水素酸と硝酸の酸溶液は、0.1ミクロン以下の小さなエッチング特徴サイズのための誘電体エッチングプロセス条件を満たすように、シリコン電極の高い汚染除去効率を達成することができる。しかし、硝酸は強い酸化剤であるので、汚染されたシリコン表面がフッ化水素酸と硝酸の溶液に曝されたとき、硝酸は金属汚染物質を酸化するだけでなくシリコンと反応し、それによって、シリコン表面に緑色、青色、茶色、及び紫色等の色変化を引き起こす。脱イオン水で洗浄された研磨シリコン電極アセンブリの場合でも、シリコン表面をフッ化水素酸と硝酸の溶液で拭くと、シリコン表面の色は、シリコン表面に存在する金属汚染物質に依存して、明るい一様な色から緑色がかった、青みをおびた、茶色がかった、又は紫がかった色に変化することが、実験で示された。
【0022】
酸化速度を制御し、かつ一定のpH値を維持するように緩衝液を供給するために、高い汚染物質除去効率及び表面清浄度を維持しながら、シリコン表面色変化を防ぐように酢酸が加えられる。しかし、高濃度の酢酸はシリコン表面反応を遅くし洗浄効率を低下させる可能性があるので、シリコン表面は色変化を示すことがある。さらに、酢酸は、汚染物質例えば金属イオンと錯イオンを形成する可能性がある。したがって、酸溶液は、0.25〜1容量%の量のフッ化水素酸、10〜40容量%の量の硝酸、及び10〜20容量%の量の酢酸を含むことがある。
【0023】
電極アセンブリの結合剤が酸溶液で化学的に腐食される危険性を減すために、電極アセンブリを酸溶液中に浸漬するのとは対照的に、好ましくは拭くことによって電極アセンブリのシリコン表面を酸溶液と接触させて、金属汚染物が除去される。このように電極アセンブリのシリコン表面だけを酸溶液と接触させることによって、さらに、シリコン表面が洗浄される間電極アセンブリのシリコン表面が下の方に向いて支持されるようにする固定具によって、裏当て部材又は結合部分との酸溶液の意図しない接触は防止される。電極アセンブリのシリコン表面が下の方に向いて支持された状態で、シリコン表面に適用された過剰な酸溶液は、裏当て部材又は結合部分に流れるのとは対照的に、シリコン表面から滴り落ちた後で集めることができる。裏当て部材及び結合部分は、酸溶液と接触した場合には、好ましくは、直ちに脱イオン水で洗浄される。その上、好ましくは、電極部材の露出した結合剤は、酸溶液で洗浄する前にマスク材料及び/又は化学薬品に耐性のあるテープで覆うことによって保護される。
【0024】
裏当て部材又は結合部分と酸溶液の意図しない接触を防ぐ他の手段には、裏当て部材からシリコン表面まで吹き付けられどんな残留溶液もシリコン表面から吹き飛ばす圧縮窒素ガスを使用して、拭いた後の電極アセンブリを乾燥することがある。拭いた後で、電極アセンブリを脱イオン水で洗浄することによって、電極アセンブリから溶液が除去される。同様に、脱イオン水を用いた洗浄中における残留酸溶液による結合剤の可能性のある腐食は、裏当て部材を脱イオン水で洗浄し続いてシリコン表面を脱イオン水で洗浄することによって、さらに減少させうる。シリコン表面が下の方に向いている状態で電極アセンブリが固定具に支持された場合、電極アセンブリは裏当て部材からシリコン表面まで、さらに存在すればガス孔を通して洗浄される。
【0025】
洗浄されるべき電極アセンブリに合わせて作られた固定具は、作業台面より上に電極アセンブリを持ち上げて電極アセンブリの下の方に向いている表面を洗浄することができるようにする頑丈なベース及び3以上の支持部材を備えている。洗浄中に電極アセンブリを支持する固定具を示す図1A、及び図1Aの拡大部分を示す図1Bに示されるように、各支持部材の上部には、電極アセンブリが載り電極部材が支持部材から滑り落ちるのを妨げる段がある。支持部材及びベースは、好ましくは、酸に対して化学的に耐性のあるテフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)等の化学的に耐性のある材料でコーティングされ、かつ/又は作られている。
【0026】
金属汚染物質の洗浄手順は、電極アセンブリをアセトン及び/又はイソプロピルアルコールで拭き、脱イオン水でリンスし、その後電極アセンブリのシリコン表面を酸溶液で拭き、電極アセンブリを脱イオン水でリンスし、さらに窒素でブロー乾燥し、再びシリコン表面を酸溶液で拭き、電極アセンブリを脱イオン水でリンスし、電極アセンブリを脱イオン水中で60分間超音波洗浄し、電極アセンブリを脱イオン水でリンスし、さらに窒素でブロー乾燥し、さらに、電極アセンブリを120℃で2時間ベーキングすることによる前洗浄を含むことがある。
【0027】
再生された電極アセンブリが製品仕様に一致することを保証するために、好ましくは、電極アセンブリは、再生前及び再生後に検査される。検査は、例えば、寸法(例えば、厚さ)、表面粗さ(Ra、例えば16μ−インチ以下、好ましくは8μ−インチ以下)、表面清浄度(誘導結合プラズマ質量分光分析)、例えばQIII(登録商標)+表面粒子検出器(カリフォルニア州リヴァーモア、Pentagon Technologies)によって測定されるような表面粒子数、表面モルフォロジ(例えば、走査形電子顕微鏡(SEM)による)、及び黒色シリコンピット及びエッチ深さの測定を含みうる。さらに、好ましくは、再生電極アセンブリが許容可能なエッチング速度及びエッチング均一性を示すことを保証するために、再生電極アセンブリのプラズマエッチングチャンバでの性能が試験される。
【0028】
図2A(Ra=16μ−インチ)は、新しい電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示し、図2B〜D(それぞれ、Ra=240、170、及び290μ−インチ)は研磨前の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示し、さらに図2E〜G(それぞれ、Ra=9、9、及び10μ−インチ)は研磨後の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す。図2A〜Gは、倍率100倍のシリコン表面のSEM像を示す。図2A〜Gの電極アセンブリは、上で述べられたように内部電極及び外部電極部材を有する。図2B及び2Eは、内部電極の中心から撮られた像であり、図2C及び2Fは、内部電極の縁部から撮られた像であり、図2D及び2Gは、外部電極部材から撮られた像である。図2A〜Gは、研磨によって、使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジ及び粗さが新しい電極アセンブリの状態まで回復することを示す。
【0029】
図3及び4は、洗浄されていない使用された電極アセンブリの一例を示し、図5は、再生された電極アセンブリの一例を示す。図6Aは、酸溶液で拭くことに起因することがある内部電極アセンブリのシリコン表面の変色を示し、図6Bは、酸溶液で拭くことに起因することがある外部電極アセンブリ部材のシリコン表面の変色を示す。図7A(Ra>150μ−インチ)及び7B(Ra>300μ−インチ)は、再生前の使用された電極アセンブリの一例を示し、一方図7C及び7D(両方とも、Ra<8μ−インチである)は、再生後の電極アセンブリの一例を示す。図7A及び7Cは、外部電極部材を示し、一方、図7B及び7Dは、内部電極を示す。
【0030】
[実施例]
シリコン電極アセンブリ表面を洗浄する以下の方法は、説明のためのものであって、それらに限定するものでない。
【0031】
試験される酸溶液において、フッ化水素酸は、49%フッ化水素酸の濃度を有する水溶液として溶液に加えられ、硝酸は、70%硝酸の濃度を有する水溶液として溶液に加えられ、さらに、酢酸は希釈されない形で、すなわち100%酢酸の濃度で加えられた。
【0032】
[実施例1]
シリコン電極表面を研磨し、さらに1%フッ化水素酸、30%硝酸及び15%酢酸の溶液で拭くことによる電極アセンブリの洗浄で、シリコン表面の色変化、点腐食又は損傷は生じなかった。この溶液のシリコンエッチング速度は、65Å/秒であった。
【0033】
[実施例2]
シリコン電極表面を研磨し、さらに1%フッ化水素酸、40%硝酸及び15%酢酸の溶液で拭くことによる電極アセンブリの洗浄で、シリコン表面の色変化、点腐食又は損傷は生じなかった。この溶液のシリコンエッチング速度は、70Å/秒であった。
【0034】
[実施例3]
表1は、以前に誘電体材料をプラズマエッチングするために使用された5つの異なるシリコン電極アセンブリから採られたサンプルの平均100cm2の面積の誘導結合プラズマ質量分光分析元素表面濃度(×1010原子/cm2)を示す。サンプル1〜3は、シリコン電極表面を研磨し、さらに1%フッ化水素酸、40%硝酸及び15%酢酸の溶液で拭くことによって洗浄された電極から採られ。サンプル4及び5は、シリコン電極表面を研磨し、さらに1%フッ化水素酸、30%硝酸及び15%酢酸の溶液、又は、1%フッ化水素酸、40%硝酸及び15%酢酸の溶液で拭くことで洗浄された電極から採られた。
【0035】
【表1】
【0036】
様々な実施形態が説明されたが、当業者には明らかであるように、変形及び修正が可能であることは理解されるべきである。そのような変形及び修正は、本明細書に添付された特許請求の範囲の範囲内と考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1A】洗浄中に電極アセンブリを支持するための固定具を示す図である。
【図1B】図1Aの拡大部分を示す図である。
【図2A】新しい電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2B】研磨前の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2C】研磨前の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2D】研磨前の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2E】研磨後の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2F】研磨後の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2G】研磨後の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図3】洗浄されなかった使用された電極アセンブリの一例を示す図である。
【図4】洗浄されなかった使用された電極アセンブリの他例を示す図である。
【図5】例示の再生電極アセンブリを示す図である。
【図6A】酸溶液で拭くことに起因する内部電極アセンブリのシリコン表面の変色を示す図である。
【図6B】酸溶液で拭くことに起因する外部電極アセンブリ部材のシリコン表面の変色を示す図である。
【図7A】再生前後の電極アセンブリの一例を示す図である。
【図7B】再生前後の電極アセンブリの一例を示す図である。
【図7C】再生前後の電極アセンブリの一例を示す図である。
【図7D】再生前後の電極アセンブリの一例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸溶液によるシリコン電極アセンブリ表面の汚染除去に関する。
【発明の開示】
【0002】
プラズマに曝されたシリコン表面を有する使用された電極アセンブリを洗浄する方法は、シリコン表面を酸溶液と接触させることを含む。酸溶液は、フッ化水素酸、硝酸、酢酸、及びバランス脱イオン水を含む。好ましくは、洗浄表面の変色の無い状態で、汚染物質がシリコン表面から除去される。電極アセンブリは、洗浄後に、プラズマエッチングチャンバで誘電体材料をエッチングするために使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0003】
電極アセンブリを使用して非常に多くのRF時間(プラズマを発生するために高周波電力が使用された時間単位の時間)が経過した後で、使用されたシリコン電極アセンブリは、エッチング速度の低下及びエッチング均一性のドリフトを示す。エッチング性能の低下は、電極アセンブリのシリコン表面の汚染だけでなく電極アセンブリのシリコン表面のモルフォロジの変化に起因し、これらの双方は、誘電体エッチングプロセスの結果である。
【0004】
使用された電極アセンブリのシリコン表面を研磨して、黒色シリコン及び他の金属汚染を除去することができる。金属汚染物は、酸溶液で拭くことによってシリコン表面を変色させることなしに、そのような電極アセンブリのシリコン表面から効果的に除去することができ、それによって、電極アセンブリ結合剤に対する損傷の危険性が低くなる。したがって、電極アセンブリを洗浄することによって、プロセス窓のエッチング速度及びエッチング均一性を許容可能なレベルに回復させることができる。
【0005】
誘電体エッチングシステム(例えば、Lam2300Exelan(登録商標)及びLamExelan(登録商標)HPT)は、ガス出口を含むシリコンシャワーヘッド電極アセンブリを含むことがある。引用することによってその内容をここに合体する、本件出願と同一出願により保有されている米国特許第6,376,385号に開示されているように、ただ1つのウェハのような半導体基板の処理を行うことができるプラズマ反応チャンバの電極アセンブリは、黒鉛裏当てリング又は部材のような支持部材、均一な厚さの円形ディスクの形をしたシリコンシャワーヘッド電極のような電極、及び支持部材と電極の間のエラストマ結合部を含むことがある。エラストマ結合部は、電極アセンブリの温度サイクルの結果としての熱膨張を補償するように支持部材と電極の間の動きを許容する。エラストマ結合部は電気及び/又は熱伝導性充填剤を含んでもよく、エラストマは、高温で安定な触媒硬化重合体であってもよい。例えば、エラストマ結合剤は、シリコン重合体及びアルミニウム合金粉末充填剤を含むことがある。結合剤を損傷する可能性がある酸溶液を電極アセンブリの結合剤と接触させないために、好ましくは、使用された電極アセンブリのシリコン表面は酸溶液で拭かれる。
【0006】
さらに、電極アセンブリは、内部電極を取り囲み、場合によっては誘電体材料のリングによって内部電極から分離されている外部電極リング又は部材を含むことがある。外部電極部材は、300mmウェハ等のより大きなウェハを処理するために電極を延長するのに有用である。外部電極部材のシリコン表面は、平らな表面及び傾斜外縁部を備えることがある。内部電極と同様に、外部電極部材は、好ましくは、裏当て部材を備え、例えば、外部リングは電気的に接地されたリングを備えことがあり、この接地されたリングに、外部電極部材がエラストマ結合されることがある。内部電極及び/又は外部電極部材の裏当て部材は、容量結合されたプラズマ処理ツールに取り付けるための取付け穴を有することがある。電極アセンブリの汚染物質を最小限にするために、内部電極と外部電極部材の両方は、好ましくは、単結晶シリコンで構成される。外部電極部材は、環状構成に配列された単結晶シリコンの多くのセグメント(例えば、6セグメント)で構成されることがあり、各セグメントは裏当て部材に結合(例えば、エラストマ結合)されている。さらに、環状構成の隣接したセグメントは重なり合い、隣接セグメント間にギャップ又は結合部があることがある。
【0007】
誘電体エッチングツールで使用されるシリコン電極アセンブリは、この電極アセンブリを使用する非常に多くのRF時間が経過した後で、部分的には黒色シリコンの形成のために悪化している。「黒色シリコン」は、プラズマ処理工程中に表面に沈積された汚染物質によって表面が微小マスクされた結果として、プラズマに曝されたシリコン表面に生じることがあり得る。黒色シリコンの形成の影響を受ける特定のプラズマ処理条件には、低Kビアのエッチング時に使用されるような、中間RFパワーでの高い窒素濃度、低い酸素濃度及びCxYy濃度がある。微小マスクされた表面領域は、約10nmから約10ミクロンの程度であることがあり得る。どんな特定の理論にも拘束されることを望まないが、シリコン電極(又は、他のシリコン部分)のプラズマに曝された表面への黒色シリコン形成は、プラズマ処理工程中におけるシリコン電極への独立した(non-contiguous)重合体の沈積の結果として生じると思われる。
【0008】
シリコン酸化物又は低k誘電体材料層などの半導体基板上の誘電体材料をエッチングする主エッチングステップ中に、独立した(non-contiguous)重合体沈積物が、プラズマに曝された表面、例えばシリコン上部電極の下面に生じることがあり得る。重合体沈積物は、一般に、下にある表面をエッチングから選択的に保護する3次元島状形成物を形成する。いったん針状形成物が形成されると、それから重合体沈積物は、この針の先端に優先的に生じ、それによって、連続する基板の主エッチングステップ中に、微小マスク機構及び黒色シリコン拡大を加速する。微小マスクされた表面領域の不均一な異方性エッチングは、結果として、狭い間隔で並んだ針状又は棒状特徴を表面に形成することになる。これらの特徴は、光がシリコン表面の変形領域で反射するのを妨げることができ、これによって、それらの領域は黒色の外見になる。針状微小特徴は、狭い間隔で並び、一般に、約10nm(0.01μm)から約50,000nm(50μm)の長さを有することがあり(また、いくつかの例では、約1mm程度又はもっと長い長さを有することがあり)、さらに、一般に、約10nmから約50μmの幅を有することがある。
【0009】
黒色シリコンの影響を受けた電極アセンブリのシリコン表面は、研磨によって再生させることができる。研磨の前に、電極アセンブリは、異物を除去するために前洗浄されることがある。そのような前洗浄は、CO2雪吹付け(snow blasting)を含んでもよく、このCO2吹付けは、処理される表面にドライアイスの小さな薄片(例えば、ノズルを通して液体CO2を大気圧まで膨張させて、CO2の柔らかい薄片を形成することで生じる)の流れを向け、その結果、その薄片は、基板上の大きさが1ミクロン未満の小さな粒状汚染物質をたたき、その後昇華によって気化し、表面からその汚染物質を持ち上げるようになる。それから、汚染物質及びCO2ガスは、通常、高性能粒子空気(HEPA)フィルタなどのフィルタを通過し、そこで汚染物質は集められガスは放出される。適切な雪生成装置の例は、Vatran Systems Inc.(カリフォルニア州チュラビスタ)から市販されているSnow Gun−II(商標)である。研磨の前に、電極アセンブリは、アセトン及び/又はイソプロピルアルコールで洗浄されてもよい。例えば、電極アセンブリは、アセトンに30分間浸漬され、有機汚れ又は沈積物を除去するように拭かれてもよい。
【0010】
研磨は、適切な粗さ等級数の研削砥石を使用して旋盤上で電極アセンブリの表面を研削し、別の砥石を使用して所望の仕上げ(例えば、8ミクロン−インチ)まで電極アセンブリ表面を研磨することを含む。好ましくは、汚れを除去し電極アセンブリを濡れた状態に保つために、シリコン表面は、不断の流水の下で研磨される。水が追加されたとき、研磨中にスラリーが生じることがあり、このスラリーは電極アセンブリ表面から取り除かれるべきである。電極アセンブリは、最初にErgoSCRUB(商標)及びScrubDISK(商標)を使用して研磨されてもよい。研磨手順(すなわち、使用される研磨紙の選択及び順序)は、電極アセンブリのシリコン表面の損傷の程度に依存する。
【0011】
激しい点腐食又は損傷がシリコン電極アセンブリに観察される場合、研磨は、均一で平らな表面が実現されるまで、例えば140又は160グリットのダイアモンド研磨ディスクで始めることができる。次の研磨は、例えば、220、280、360、800、及び/又は1350グリットのダイアモンド研磨ディスクで行うことができる。軽微な点腐食又は損傷がシリコン電極アセンブリに観察される場合、研磨は、均一で平らな表面が実現されるまで、例えば280グリットのダイアモンド研磨ディスクで始めることができる。次の研磨は、例えば、360、800、及び/又は1350グリットのダイアモンド研磨ディスクで行うことができる。
【0012】
研磨中に、電極アセンブリは、好ましくは約40〜160rpmの回転速度のターンテーブルに取り付けられている。強い力は、電極アセンブリのシリコン表面又は結合部分に損傷を引き起こす可能性があるので、好ましくは、研磨中に均一な強くない力が加えられる。したがって、電極アセンブリの点腐食又は損傷の度合いに依存して、研磨プロセスには相当な量の時間がかかる可能性がある。外部電極リング又は部材(例えば、平らな表面と傾斜外縁部の間の中間面)の形及び角度は、好ましくは、研磨中は維持される。電極アセンブリのガス出口及び結合部の中に捕獲された粒子を最小限にするために、研磨ディスクを交換するときはいつでも、脱イオン水銃を使用して、研磨中に生じた粒子をガス出口及び結合部から除去してもよく、さらに、UltraSOLV(登録商標)ScrubPADを使用して研磨ディスクから粒子を除去してもよい。
【0013】
研磨に続いて、電極アセンブリは、好ましくは、脱イオン水で洗浄され、ブロー乾燥される。電極アセンブリの表面粗さは、例えばSurfscanシステムを使用して測定されてもよい。電極アセンブリの表面粗さは、好ましくは、約8μ−インチ以下である。
【0014】
電極アセンブリのガス出口及び結合部に捕獲されている可能性がある粒子を自由にするために、電極アセンブリは、好ましくは、80℃の脱イオン水に1時間浸される。電極アセンブリの表面から粒子を除去するために、電極アセンブリは、約60℃の脱イオン水中で30分間超音波洗浄されてもよい。捕獲粒子を除去するのを助けるために、電極アセンブリは、超音波洗浄中に、超音波洗浄槽の中で上下に動かされてもよい。
【0015】
電極アセンブリのガス出口及び結合部又は取付け穴を含む電極アセンブリは、50psi以下の圧力の窒素/脱イオン水銃を使用して洗浄されてもよい。使用された電極アセンブリの黒鉛表面は緩んだ表面構造であるかもしれないので、電極アセンブリの黒鉛裏当て部材に損傷を与え又は強い衝撃を与えるのを防止するように特殊な取り扱いが必要とされうる。クリーンルーム用紙、ナイロン線、又は白糸を使用して、例えば電極アセンブリのガス出口及び結合部からの粒子除去特性を検査してもよい。電極アセンブリは、50psi以下の圧力の窒素銃を使用して乾燥してもよい。
【0016】
例えば、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Li、Mg、Mo、Na、Ni及びTi等の金属汚染物質は、フッ化水素酸、硝酸、酢酸及び脱イオン水を含む酸溶液でシリコン表面を洗浄することによって、シリコン表面を変色させることなしに、電極アセンブリ好ましくは研磨された電極アセンブリのシリコン表面から除去されうる。好ましいことには、フッ化水素酸、硝酸、酢酸及び脱イオン水を含む酸溶液で洗浄することで、点腐食又は表面粗さなどのシリコン表面モルフォロジ損傷又はシリコン表面色変化は起きない。シリコン表面色変化は、表面非清浄度ならびに酸化状態変化を反映している。
【0017】
上記の酸溶液のうちのフッ化水素酸及び硝酸の成分に関して、フッ化水素酸と硝酸との溶液と電極アセンブリのシリコン表面との化学反応は、次の通りである。
3Si+12HF+4HNO3→3SiF4+4NO+8H2O
[H+][F−]=k1[HF] k1=1.3×10−3モル/リットル
[HF][F−]=k2[HF2] k2=0.104モル/リットル
【0018】
フッ化水素酸の溶解速度は、1.3×10−3モル/リットルという低い反応定数k1のために低い。フッ化水素酸を含む溶液で処理した後で、シリコン電極のシリコン表面はSi−H(1水素)、Si−H2(2水素)及びSi−H3(3水素)で覆われていることが、赤外分光分析によって明らかになることがある。
【0019】
理論で拘束されることを望まないが、フッ化水素酸と硝酸の酸溶液によるシリコンのエッチング中に、シリコンが硝酸で酸化され、その後でフッ化水素酸による酸化シリコンの溶解が続く電気化学反応が起こると信じられている。フッ化水素酸の濃度が低い酸溶液では、エッチングプロセスの活性化エネルギーは、0から50℃の温度で4キロカロリー/モルである。このたった1つの低い値は、拡散制御プロセスの特徴であり、異なるシリコン材料のエッチング速度が低濃度で基本的に同じであることによって説明される。対照的に、フッ化水素酸の濃度の高い酸溶液では、2つの異なる活性化エネルギーが観察される。高温では、活性化エネルギーは10〜14キロカロリー/モルであり、低温では活性化エネルギーは約20キロカロリー/モルである。これらの値は、表面制御プロセスの特徴であり、表面制御プロセスでは、シリコンのドーパント濃度、シリコンの結晶方位、及びシリコンの欠陥がエッチングプロセスで役割を果たしている。
【0020】
したがって、電極アセンブリのシリコン表面の洗浄中におけるエッチング速度のドーパント濃度、結晶方位依存性をなくするために、好ましくは、酸溶液は低濃度のフッ化水素酸を含む。好ましいことには、酸溶液は、シリコンを異方性(単一方向)エッチングするのとは対照的に、シリコンを等方性エッチングする(非指向性的に、すなわち、エッチング速度はすべての方向で相対的に一定である)。フッ化水素酸は、いくつかの金属不純物と錯イオンを形成してその金属不純物を除去することができるが、フッ化水素酸は、例えばCuを除去するのに効果的でない。しかし、強い酸化剤である硝酸は、例えばAl、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Li、Mg、Mo、Na、Ni、Ti、Zn及びこれらの組合せのような不純物と反応し、容易に除去できるイオンを形成することができる。硝酸は、好ましくは、洗浄されたシリコン表面の色変化を引き起こさない量で存在している。
【0021】
したがって、フッ化水素酸と硝酸の酸溶液は、0.1ミクロン以下の小さなエッチング特徴サイズのための誘電体エッチングプロセス条件を満たすように、シリコン電極の高い汚染除去効率を達成することができる。しかし、硝酸は強い酸化剤であるので、汚染されたシリコン表面がフッ化水素酸と硝酸の溶液に曝されたとき、硝酸は金属汚染物質を酸化するだけでなくシリコンと反応し、それによって、シリコン表面に緑色、青色、茶色、及び紫色等の色変化を引き起こす。脱イオン水で洗浄された研磨シリコン電極アセンブリの場合でも、シリコン表面をフッ化水素酸と硝酸の溶液で拭くと、シリコン表面の色は、シリコン表面に存在する金属汚染物質に依存して、明るい一様な色から緑色がかった、青みをおびた、茶色がかった、又は紫がかった色に変化することが、実験で示された。
【0022】
酸化速度を制御し、かつ一定のpH値を維持するように緩衝液を供給するために、高い汚染物質除去効率及び表面清浄度を維持しながら、シリコン表面色変化を防ぐように酢酸が加えられる。しかし、高濃度の酢酸はシリコン表面反応を遅くし洗浄効率を低下させる可能性があるので、シリコン表面は色変化を示すことがある。さらに、酢酸は、汚染物質例えば金属イオンと錯イオンを形成する可能性がある。したがって、酸溶液は、0.25〜1容量%の量のフッ化水素酸、10〜40容量%の量の硝酸、及び10〜20容量%の量の酢酸を含むことがある。
【0023】
電極アセンブリの結合剤が酸溶液で化学的に腐食される危険性を減すために、電極アセンブリを酸溶液中に浸漬するのとは対照的に、好ましくは拭くことによって電極アセンブリのシリコン表面を酸溶液と接触させて、金属汚染物が除去される。このように電極アセンブリのシリコン表面だけを酸溶液と接触させることによって、さらに、シリコン表面が洗浄される間電極アセンブリのシリコン表面が下の方に向いて支持されるようにする固定具によって、裏当て部材又は結合部分との酸溶液の意図しない接触は防止される。電極アセンブリのシリコン表面が下の方に向いて支持された状態で、シリコン表面に適用された過剰な酸溶液は、裏当て部材又は結合部分に流れるのとは対照的に、シリコン表面から滴り落ちた後で集めることができる。裏当て部材及び結合部分は、酸溶液と接触した場合には、好ましくは、直ちに脱イオン水で洗浄される。その上、好ましくは、電極部材の露出した結合剤は、酸溶液で洗浄する前にマスク材料及び/又は化学薬品に耐性のあるテープで覆うことによって保護される。
【0024】
裏当て部材又は結合部分と酸溶液の意図しない接触を防ぐ他の手段には、裏当て部材からシリコン表面まで吹き付けられどんな残留溶液もシリコン表面から吹き飛ばす圧縮窒素ガスを使用して、拭いた後の電極アセンブリを乾燥することがある。拭いた後で、電極アセンブリを脱イオン水で洗浄することによって、電極アセンブリから溶液が除去される。同様に、脱イオン水を用いた洗浄中における残留酸溶液による結合剤の可能性のある腐食は、裏当て部材を脱イオン水で洗浄し続いてシリコン表面を脱イオン水で洗浄することによって、さらに減少させうる。シリコン表面が下の方に向いている状態で電極アセンブリが固定具に支持された場合、電極アセンブリは裏当て部材からシリコン表面まで、さらに存在すればガス孔を通して洗浄される。
【0025】
洗浄されるべき電極アセンブリに合わせて作られた固定具は、作業台面より上に電極アセンブリを持ち上げて電極アセンブリの下の方に向いている表面を洗浄することができるようにする頑丈なベース及び3以上の支持部材を備えている。洗浄中に電極アセンブリを支持する固定具を示す図1A、及び図1Aの拡大部分を示す図1Bに示されるように、各支持部材の上部には、電極アセンブリが載り電極部材が支持部材から滑り落ちるのを妨げる段がある。支持部材及びベースは、好ましくは、酸に対して化学的に耐性のあるテフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)等の化学的に耐性のある材料でコーティングされ、かつ/又は作られている。
【0026】
金属汚染物質の洗浄手順は、電極アセンブリをアセトン及び/又はイソプロピルアルコールで拭き、脱イオン水でリンスし、その後電極アセンブリのシリコン表面を酸溶液で拭き、電極アセンブリを脱イオン水でリンスし、さらに窒素でブロー乾燥し、再びシリコン表面を酸溶液で拭き、電極アセンブリを脱イオン水でリンスし、電極アセンブリを脱イオン水中で60分間超音波洗浄し、電極アセンブリを脱イオン水でリンスし、さらに窒素でブロー乾燥し、さらに、電極アセンブリを120℃で2時間ベーキングすることによる前洗浄を含むことがある。
【0027】
再生された電極アセンブリが製品仕様に一致することを保証するために、好ましくは、電極アセンブリは、再生前及び再生後に検査される。検査は、例えば、寸法(例えば、厚さ)、表面粗さ(Ra、例えば16μ−インチ以下、好ましくは8μ−インチ以下)、表面清浄度(誘導結合プラズマ質量分光分析)、例えばQIII(登録商標)+表面粒子検出器(カリフォルニア州リヴァーモア、Pentagon Technologies)によって測定されるような表面粒子数、表面モルフォロジ(例えば、走査形電子顕微鏡(SEM)による)、及び黒色シリコンピット及びエッチ深さの測定を含みうる。さらに、好ましくは、再生電極アセンブリが許容可能なエッチング速度及びエッチング均一性を示すことを保証するために、再生電極アセンブリのプラズマエッチングチャンバでの性能が試験される。
【0028】
図2A(Ra=16μ−インチ)は、新しい電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示し、図2B〜D(それぞれ、Ra=240、170、及び290μ−インチ)は研磨前の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示し、さらに図2E〜G(それぞれ、Ra=9、9、及び10μ−インチ)は研磨後の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す。図2A〜Gは、倍率100倍のシリコン表面のSEM像を示す。図2A〜Gの電極アセンブリは、上で述べられたように内部電極及び外部電極部材を有する。図2B及び2Eは、内部電極の中心から撮られた像であり、図2C及び2Fは、内部電極の縁部から撮られた像であり、図2D及び2Gは、外部電極部材から撮られた像である。図2A〜Gは、研磨によって、使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジ及び粗さが新しい電極アセンブリの状態まで回復することを示す。
【0029】
図3及び4は、洗浄されていない使用された電極アセンブリの一例を示し、図5は、再生された電極アセンブリの一例を示す。図6Aは、酸溶液で拭くことに起因することがある内部電極アセンブリのシリコン表面の変色を示し、図6Bは、酸溶液で拭くことに起因することがある外部電極アセンブリ部材のシリコン表面の変色を示す。図7A(Ra>150μ−インチ)及び7B(Ra>300μ−インチ)は、再生前の使用された電極アセンブリの一例を示し、一方図7C及び7D(両方とも、Ra<8μ−インチである)は、再生後の電極アセンブリの一例を示す。図7A及び7Cは、外部電極部材を示し、一方、図7B及び7Dは、内部電極を示す。
【0030】
[実施例]
シリコン電極アセンブリ表面を洗浄する以下の方法は、説明のためのものであって、それらに限定するものでない。
【0031】
試験される酸溶液において、フッ化水素酸は、49%フッ化水素酸の濃度を有する水溶液として溶液に加えられ、硝酸は、70%硝酸の濃度を有する水溶液として溶液に加えられ、さらに、酢酸は希釈されない形で、すなわち100%酢酸の濃度で加えられた。
【0032】
[実施例1]
シリコン電極表面を研磨し、さらに1%フッ化水素酸、30%硝酸及び15%酢酸の溶液で拭くことによる電極アセンブリの洗浄で、シリコン表面の色変化、点腐食又は損傷は生じなかった。この溶液のシリコンエッチング速度は、65Å/秒であった。
【0033】
[実施例2]
シリコン電極表面を研磨し、さらに1%フッ化水素酸、40%硝酸及び15%酢酸の溶液で拭くことによる電極アセンブリの洗浄で、シリコン表面の色変化、点腐食又は損傷は生じなかった。この溶液のシリコンエッチング速度は、70Å/秒であった。
【0034】
[実施例3]
表1は、以前に誘電体材料をプラズマエッチングするために使用された5つの異なるシリコン電極アセンブリから採られたサンプルの平均100cm2の面積の誘導結合プラズマ質量分光分析元素表面濃度(×1010原子/cm2)を示す。サンプル1〜3は、シリコン電極表面を研磨し、さらに1%フッ化水素酸、40%硝酸及び15%酢酸の溶液で拭くことによって洗浄された電極から採られ。サンプル4及び5は、シリコン電極表面を研磨し、さらに1%フッ化水素酸、30%硝酸及び15%酢酸の溶液、又は、1%フッ化水素酸、40%硝酸及び15%酢酸の溶液で拭くことで洗浄された電極から採られた。
【0035】
【表1】
【0036】
様々な実施形態が説明されたが、当業者には明らかであるように、変形及び修正が可能であることは理解されるべきである。そのような変形及び修正は、本明細書に添付された特許請求の範囲の範囲内と考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1A】洗浄中に電極アセンブリを支持するための固定具を示す図である。
【図1B】図1Aの拡大部分を示す図である。
【図2A】新しい電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2B】研磨前の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2C】研磨前の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2D】研磨前の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2E】研磨後の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2F】研磨後の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図2G】研磨後の使用された電極アセンブリのシリコン表面モルフォロジを示す図である。
【図3】洗浄されなかった使用された電極アセンブリの一例を示す図である。
【図4】洗浄されなかった使用された電極アセンブリの他例を示す図である。
【図5】例示の再生電極アセンブリを示す図である。
【図6A】酸溶液で拭くことに起因する内部電極アセンブリのシリコン表面の変色を示す図である。
【図6B】酸溶液で拭くことに起因する外部電極アセンブリ部材のシリコン表面の変色を示す図である。
【図7A】再生前後の電極アセンブリの一例を示す図である。
【図7B】再生前後の電極アセンブリの一例を示す図である。
【図7C】再生前後の電極アセンブリの一例を示す図である。
【図7D】再生前後の電極アセンブリの一例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマに曝されたシリコン表面を備える使用された電極アセンブリを洗浄する方法であって、
前記方法は、フッ化水素酸と、硝酸と、酢酸と、バランス脱イオン水とを含む酸洗浄溶液と前記シリコン表面とを接触させる手順を含み、
汚染物質が前記シリコン表面から除去され、さらに前記シリコン表面が変色しないことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記酸洗浄溶液が、前記シリコン表面をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フッ化水素酸は、前記シリコン表面が拡散制御プロセスでエッチングされるような量で存在していることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フッ化水素酸及び硝酸が、前記シリコン表面から汚染物質を除去するのに効果的な量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記硝酸が、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Li、Mg、Mo、Na、Ni、Ti、Zn及びこれらの組合せから成るグループから選ばれた汚染物質を前記シリコン表面から除去することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記硝酸が、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Li、Mg、Mo、Na、Ni、Ti、Zn及びこれらの組合せから成るグループから選ばれた汚染物質を酸化するのに効果的な量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記硝酸が、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Li、Mg、Mo、Na、Ni、Ti、Zn及びこれらの組合せから成るグループから選ばれた汚染物質とイオンを形成するのに効果的な量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記硝酸が、シリコン表面の変色を生じさせない量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記硝酸が、シリコンを酸化して酸化シリコンを形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記フッ化水素酸が、前記酸化シリコンを溶かすことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記酢酸が、前記硝酸による酸化を制御するのに効果的な量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記酢酸が、シリコン表面の変色を防ぐのに効果的な量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記酢酸が、汚染物質と錯イオンを形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記接触させる手順が、前記シリコン表面を前記酸溶液で拭くことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記電極アセンブリが、ガス出口を有するシャワーヘッド電極であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記シリコン表面が、黒鉛裏当て部材にエラストマ結合されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記黒鉛裏当て部材が、取付け穴を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電極アセンブリが、外部電極部材で取り囲まれた内部電極を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記外部電極部材が、環状構成に配列されたシリコンセグメントで構成されていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記シリコン表面が、単結晶シリコンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の酸洗浄溶液。
【請求項22】
前記フッ化水素酸が、0.25〜1容量%の量で存在していることを特徴とする請求項21に記載の酸洗浄溶液。
【請求項23】
前記硝酸が、10〜40容量%の量で存在していることを特徴とする請求項21に記載の酸洗浄溶液。
【請求項24】
前記酢酸が、10〜20容量%の量で存在していることを特徴とする請求項21に記載の酸洗浄溶液。
【請求項25】
請求項1に記載の方法によって洗浄されたことを特徴とする電極アセンブリ。
【請求項26】
請求項1に記載の前記洗浄された電極アセンブリを使用して、プラズマエッチングチャンバで誘電体材料をエッチングすることを特徴とする方法。
【請求項1】
プラズマに曝されたシリコン表面を備える使用された電極アセンブリを洗浄する方法であって、
前記方法は、フッ化水素酸と、硝酸と、酢酸と、バランス脱イオン水とを含む酸洗浄溶液と前記シリコン表面とを接触させる手順を含み、
汚染物質が前記シリコン表面から除去され、さらに前記シリコン表面が変色しないことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記酸洗浄溶液が、前記シリコン表面をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フッ化水素酸は、前記シリコン表面が拡散制御プロセスでエッチングされるような量で存在していることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フッ化水素酸及び硝酸が、前記シリコン表面から汚染物質を除去するのに効果的な量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記硝酸が、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Li、Mg、Mo、Na、Ni、Ti、Zn及びこれらの組合せから成るグループから選ばれた汚染物質を前記シリコン表面から除去することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記硝酸が、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Li、Mg、Mo、Na、Ni、Ti、Zn及びこれらの組合せから成るグループから選ばれた汚染物質を酸化するのに効果的な量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記硝酸が、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Li、Mg、Mo、Na、Ni、Ti、Zn及びこれらの組合せから成るグループから選ばれた汚染物質とイオンを形成するのに効果的な量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記硝酸が、シリコン表面の変色を生じさせない量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記硝酸が、シリコンを酸化して酸化シリコンを形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記フッ化水素酸が、前記酸化シリコンを溶かすことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記酢酸が、前記硝酸による酸化を制御するのに効果的な量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記酢酸が、シリコン表面の変色を防ぐのに効果的な量で存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記酢酸が、汚染物質と錯イオンを形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記接触させる手順が、前記シリコン表面を前記酸溶液で拭くことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記電極アセンブリが、ガス出口を有するシャワーヘッド電極であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記シリコン表面が、黒鉛裏当て部材にエラストマ結合されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記黒鉛裏当て部材が、取付け穴を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電極アセンブリが、外部電極部材で取り囲まれた内部電極を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記外部電極部材が、環状構成に配列されたシリコンセグメントで構成されていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記シリコン表面が、単結晶シリコンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の酸洗浄溶液。
【請求項22】
前記フッ化水素酸が、0.25〜1容量%の量で存在していることを特徴とする請求項21に記載の酸洗浄溶液。
【請求項23】
前記硝酸が、10〜40容量%の量で存在していることを特徴とする請求項21に記載の酸洗浄溶液。
【請求項24】
前記酢酸が、10〜20容量%の量で存在していることを特徴とする請求項21に記載の酸洗浄溶液。
【請求項25】
請求項1に記載の方法によって洗浄されたことを特徴とする電極アセンブリ。
【請求項26】
請求項1に記載の前記洗浄された電極アセンブリを使用して、プラズマエッチングチャンバで誘電体材料をエッチングすることを特徴とする方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【公表番号】特表2008−526021(P2008−526021A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548297(P2007−548297)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/045273
【国際公開番号】WO2006/071535
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/045273
【国際公開番号】WO2006/071535
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
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