説明

電子回路、画素回路および光検出回路

【課題】カレントミラー型の電子回路の設置に必要な面積を削減する。
【解決手段】電子回路100Aは、各々のゲートが相互に接続されたトランジスタTR1とトランジスタTR2とを具備する。トランジスタTR2には、トランジスタTR1に流れる電流I1に対応した電流I2流れる。トランジスタTR1は、ゲートG1が半導体層14Aの上方に位置するトップゲート構造であり、トランジスタTR2は、ゲートG2が半導体層14Bの下方に位置するボトムゲート構造である。トランジスタTR2のゲート絶縁膜12Bの膜厚t2は、トランジスタTR1のゲート絶縁膜12Aの膜厚t1を上回るように選定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の電流を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
所望の電流を生成する電子回路としてカレントミラー型の回路が従来から提案されている。例えば特許文献1には、変換用トランジスタおよび駆動用トランジスタの各々のゲートを相互に接続したカレントミラー回路を発光素子の駆動に使用した画素回路が開示されている。発光素子に指定された輝度に応じた信号電流が変換用トランジスタに流れると、信号電流に比例した電流量の駆動電流が駆動用トランジスタから発光素子に供給される。
【特許文献1】国際公開第01/006484号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のようなカレントミラー型の画素回路においては、変換用トランジスタのチャネル幅と駆動用トランジスタのチャネル幅との相対比を適宜に選定することで、信号電流の電流量に対して所望の関係にある駆動電流を生成することが可能である。しかし、変換用トランジスタおよび駆動用トランジスタの一方のチャネル幅を他方と比較して拡大する必要があるから、変換用トランジスタと駆動用トランジスタとでチャネル幅が同等である構成と比較して、画素回路の設置に必要な面積が増大するという問題がある。以上の問題は、画素回路以外の各種のカレントミラー型の電子回路においても同様に発生し得る。本発明は、カレントミラー型の電子回路の設置に必要な面積を削減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る電子回路は、各々のゲートが相互に接続された第1トランジスタと第2トランジスタとを具備し、第1トランジスタに流れる第1電流に対応した第2電流が第2トランジスタに流れる回路であって、第1トランジスタと第2トランジスタとはゲート絶縁膜の膜厚が相違する。以上の構成においては、第1トランジスタのゲート絶縁膜の膜厚と第2トランジスタのゲート絶縁膜の膜厚との相対比に応じて第1電流と第2電流との電流比が制御されるから、第1トランジスタと第2トランジスタとでチャネル幅を相違させる必要はない。したがって、電子回路の設置に必要な面積を削減することが可能である。
【0005】
本発明の好適な態様において、第1トランジスタおよび第2トランジスタの一方はトップゲート構造であり、第1トランジスタおよび第2トランジスタの他方はボトムゲート構造である。以上の構成によれば、第1トランジスタのゲート絶縁膜の膜厚と第2トランジスタのゲート絶縁膜の膜厚とを容易に相違させることができる。さらに好適な態様において、ボトムゲート構造のトランジスタは、トップゲート構造のトランジスタと比較してゲート絶縁膜の膜厚が大きい。以上の態様によれば、ボトムゲート構造のトランジスタにおいて、ゲートの膜厚を反映したゲート絶縁膜の表面の段差が低減されるから、ゲート絶縁膜の表面に形成される半導体層の破損が防止されるという利点がある。
【0006】
本発明の第2の態様に係る電子回路は、各々のゲートが相互に接続された第1トランジスタと第2トランジスタとを具備し、第1トランジスタに流れる第1電流に対応した第2電流が第2トランジスタに流れる回路であって、第1トランジスタと第2トランジスタとはゲート絶縁膜の比誘電率が相違する。以上の構成においては、第1トランジスタのゲート絶縁膜の比誘電率と第2トランジスタのゲート絶縁膜の比誘電率との相対比に応じて第1電流と第2電流との電流比が制御されるから、第1トランジスタと第2トランジスタとでチャネル幅を相違させる必要はない。したがって、電子回路の設置に必要な面積を削減することが可能である。
【0007】
本発明の第3の態様に係る電子回路は、各々のゲートが相互に接続された第1トランジスタと第2トランジスタとを具備し、第1トランジスタに流れる第1電流に対応した第2電流が第2トランジスタに流れる回路であって、第1トランジスタおよび第2トランジスタの一方においては、半導体層を挟む両側にゲートが形成され、第1トランジスタおよび第2トランジスタの他方においては、半導体層の片側のみにゲートが形成される。以上の構成においては、半導体層の片側のみにゲートが形成されたトランジスタ(シングルゲート構造)の電流の電流量を上回る電流が、半導体層の含む両側にゲートが形成されたトランジスタ(デュアルゲート構造)に供給されるから、第1トランジスタと第2トランジスタとでチャネル幅を相違させる必要はない。したがって、電子回路の設置に必要な面積を削減することが可能である。
【0008】
本発明の電子回路は、例えば表示装置や露光装置の画素回路に好適に使用される。ひとつの態様に係る画素回路は、以上に例示した何れかの態様に係る電子回路と、第2トランジスタに流れる第2電流に応じた階調となる電気光学素子とを具備し、電気光学素子に指定された階調に応じた電流量の第1電流が第1トランジスタおよびデータ線に流れる。電子回路の設置に必要な面積が削減されるから、以上の態様に係る画素回路によれば、開口率(ひとつの画素に相当する単位面積のうち光が出射する面積の割合)を充分に確保することが可能である。なお、電気光学素子とは、電気エネルギの供給(電圧の印加や電流の供給)によって階調(輝度や透過率)が変化する素子である。以上の態様に係る画素回路を配列した表示装置や露光装置は各種の電子機器に使用される。
【0009】
また、本発明の電子回路は光検出回路にも好適に使用される。ひとつの態様に係る光検出回路は、以上に例示した何れかの態様に係る電子回路と、受光量に応じた電流量の第1電流を第1トランジスタに流す受光素子とを具備し、電流検出線を介して第2電流を検出する。電子回路の設置に必要な面積が削減されるから、以上の態様に係る光検出回路によれば、各受光素子に到達する光量を充分に確保することが可能である。以上の態様に係る光検出回路を配列した光検出装置(撮像装置)は各種の電子機器に使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子回路の構成を示す回路図である。同図に示すように、電子回路100Aは、トランジスタTR1とトランジスタTR2とで構成されるカレントミラー型の電流生成回路である。トランジスタTR1およびトランジスタTR2はPチャネル型の薄膜トランジスタである。
【0011】
トランジスタTR1のゲートG1とトランジスタTR2のゲートG2とは相互に接続される。トランジスタTR1のソースとトランジスタTR2のソースとは高位側電源VDDに対して共通に接続される。トランジスタTR1のドレインは、トランジスタTR1のゲートG1に接続(ダイオード接続)されるとともに定電流源60に接続される。
【0012】
以上の構成において、定電流源60の生成した電流I1がトランジスタTR1のソース−ドレイン間に流れると、トランジスタTR1のゲートG1およびトランジスタTR2のゲートG2が電流I1に応じた電位に設定されるから、電流I1に対応した電流量の電流I2がトランジスタTR2に流れる。
【0013】
トランジスタTR1およびトランジスタTR2が飽和領域で動作すると仮定すれば、電流I1および電流I2の電流量は以下の式(1)および式(2)で表現される。
I1=(β1/2)・(VGS1−VTH1) ……(1)
I2=(β2/2)・(VGS2−VTH2) ……(2)
式(1)および式(2)におけるVGSk(k=1,2)は、トランジスタTRkにおけるゲート−ソース間の電圧であり、VTHkはトランジスタTRkの閾値電圧である。また、βkはトランジスタTRkの利得係数であり、以下の式(3)および式(4)で表現される。
β1=(W1/L1)・μ1・ε0・ε1/t1 ……(3)
β2=(W2/L2)・μ2・ε0・ε2/t2 ……(4)
式(3)および式(4)におけるWkはトランジスタTRkのチャネル幅であり、LkはトランジスタTRkのチャネル長である。また、μkはトランジスタTRkの移動度であり、εkはトランジスタTRkのゲート絶縁膜の比誘電率である。ε0は真空の誘電率である。また、tkはトランジスタTRkのゲート絶縁膜の膜厚である。
【0014】
本形態においては、ゲート絶縁膜の膜厚tkや比誘電率εkをトランジスタTR1とトランジスタTR2とで相違させることによって電流I1と電流I2とを所望の比率に設定する。具体的な態様を以下に例示する。
【0015】
<A−1:第1の態様>
図2は、電子回路100A(トランジスタTR1およびトランジスタTR2)の構造を示す平面図である。図3は、図2におけるIII−III線の断面図であり、図4は、図2におけるIV−IV線の断面図である。図3および図4に示すように、トランジスタTR1およびトランジスタTR2は絶縁性の基板10の表面に形成される。
【0016】
図4に示すトランジスタTR2は、基板10の表面に形成されたゲートG2と、ゲートG2を覆うゲート絶縁膜12Bと、ゲート絶縁膜12Bの表面に形成された半導体層14Bとを含む。すなわち、トランジスタTR2は、ゲートG2が半導体層14Bの下方(基板10側)に位置するボトムゲート構造である。半導体層14Bのうちゲート絶縁膜12Bを挟んでゲートG2に対向する部分がチャネルとして機能する。ゲート絶縁膜12Bは、基板10の全域にわたって絶縁性材料(例えば酸化珪素や窒化珪素)で形成された膜体である。
【0017】
図3に示すトランジスタTR1は、ゲート絶縁膜12Bの表面に形成された半導体層14Aと、半導体層14Aを覆うゲート絶縁膜12Aと、ゲート絶縁膜12Aの表面に形成されたゲートG1とを含む。すなわち、トランジスタTR1は、ゲートG1が半導体層14Aの上方(基板10とは反対側)に位置するトップゲート構造である。半導体層14Aと半導体層14Bとは、基板10の全面に形成された半導体材料の膜体を選択的に除去することで一括的に形成される。半導体層14Aのうちゲート絶縁膜12Aを挟んでゲートG1に対向する部分がチャネルとして機能する。ゲート絶縁膜12Aは、基板10の全域にわたって絶縁性材料(例えば酸化珪素や窒化珪素)で形成された膜体である。
【0018】
以上の要素が形成された基板10の表面には層間絶縁層18が形成される。図2に示すように、層間絶縁層18の表面には電源線22と配線24と配線26とが形成される。高位側電源VDDに接続される電源線22は、層間絶縁層18およびゲート絶縁膜12Aを貫通する各貫通孔HAを介して半導体層14Aおよび半導体層14Bの各々におけるソース領域に導通する。配線24は、各貫通孔HBを介して半導体層14Aのドレイン領域とゲートG1とゲートG2とに導通し、定電流源60(図示略)の出力端に接続される。配線26は、貫通孔HCを介して半導体層14Bのドレイン領域に導通する。
【0019】
以上の構成において、ゲート絶縁膜12Aの膜厚t1とゲート絶縁膜12Bの膜厚t2とは、電流I1に対する電流I2の電流比(I2/I1)が目標値Aに合致または近似するように、相異なる寸法に設定される。式(1)および式(2)に示すように、電流Ikの電流量は膜厚tkに反比例する。したがって、式(1)から式(4)における膜厚tk以外の要素(VTHk,Wk,Lk,μk,εk)がトランジスタTR1とトランジスタTR2とで同等であると仮定すれば、膜厚t2に対する膜厚t1の相対比(t1/t2)が電流比の目標値Aに合致または近似するように、膜厚t1と膜厚t2とが選定される。以上の構成によれば、電流I1のA倍の電流I2がトランジスタTR2に流れる。
【0020】
例えば、トランジスタTR1の電流I1の電流量がトランジスタTR2の電流I2を上回る構成(トランジスタTR1のオン抵抗がトランジスタTR2を下回る構成)が必要である場合(A<1)、図3および図4に示すように、ゲート絶縁膜12Bの膜厚t2はゲート絶縁膜12Aの膜厚t1を上回る寸法に選定される。以上とは逆にトランジスタTR2の電流I2の電流量がトランジスタTR1の電流I1を上回る構成が必要である場合(A>1)、ゲート絶縁膜12Aの膜厚t1はゲート絶縁膜12Bの膜厚t2を上回る寸法に選定される。
【0021】
以上に説明したように、本形態においては、ゲート絶縁膜12Aの膜厚t1とゲート絶縁膜12Bの膜厚t2とを個別に選定することで電流I1と電流I2との電流比が制御されるから、チャネル幅Wkやチャネル長LkをトランジスタTR1とトランジスタTR2とで相違させた構成と比較して、電子回路100Aの設置に必要な面積を削減することが可能である。
【0022】
ところで、図4に例示したボトムゲート構造のトランジスタTR2においてゲート絶縁膜12Bの膜厚t2が不足すると、ゲートG2の膜厚に応じた段差がゲート絶縁膜12Bの表面に顕在化して半導体層14Bの破損の原因となる。膜厚t2が膜厚t1を上回る本形態においては、膜厚t2の寸法が充分に確保されるから、ゲート絶縁膜12Bの表面の段差が低減される。したがって、ゲート絶縁膜12Bの段差に起因した半導体層14Bの破損が抑制されるという利点もある。以上の説明から理解されるように、トランジスタTR1およびトランジスタTR2のうち電流Ikに要求される電流量が小さい(膜厚tkが大きい)トランジスタTRkをボトムゲート構造とした構成が特に好適である。
【0023】
<A−2:第2の態様>
図5は、第2の態様に係るトランジスタTR1およびトランジスタTR2の構造を示す断面図である。同図に示すように、トランジスタTR1およびトランジスタTR2は何れもトップゲート構造である。トランジスタTR1のゲート絶縁膜12Aの膜厚t1とトランジスタTR2のゲート絶縁膜12Bの膜厚t2とは、電流I1と電流I2との電流比が目標値Aに合致または近似するように、相異なる寸法に設定される。例えば、トランジスタTR1の電流I1の電流量がトランジスタTR2の電流I2を上回る構成が必要であれば、図5に示すように、ゲート絶縁膜12Bの膜厚t2はゲート絶縁膜12Aの膜厚t1を上回る寸法に選定される。一方、膜厚t1が膜厚t2を上回る構成によれば、電流I1を超える電流量の電流I2が生成される。以上のように本態様においても第1の態様と同様の効果が奏される。
【0024】
<A−3:第3の態様>
図6は、第3の形態に係るトランジスタTR1およびトランジスタTR2の構造を示す断面図である。同図に示すように、トランジスタTR1およびトランジスタTR2は何れもトップゲート構造である。また、トランジスタTR1のゲート絶縁膜12Aの膜厚t1とトランジスタTR2のゲート絶縁膜12Bの膜厚t2とは同等である。
【0025】
ゲート絶縁膜12Aとゲート絶縁膜12Bとは、比誘電率εkが相違する別個の絶縁性材料で形成される。式(1)から式(4)に示すように、電流Ikの電流量は比誘電率εkに比例する。したがって、式(1)から式(4)における比誘電率εk以外の要素(VTHk,Wk,Lk,μk,tk)がトランジスタTR1とトランジスタTR2とで同等であると仮定すれば、トランジスタTR1の比誘電率ε1に対するトランジスタTR2の比誘電率ε2の相対比(ε2/ε1)が、電流I1に対する電流I2の電流比(I2/I1)の目標値Aに合致または近似するように、ゲート絶縁膜12Aおよびゲート絶縁膜12Bの各々の材料が選定される。
【0026】
例えば、トランジスタTR1の電流I1の電流量がトランジスタTR2の電流I2を上回る構成が必要である場合、比誘電率ε1がゲート絶縁膜12Bの比誘電率ε2を上回る材料でゲート絶縁膜12Aが形成される。以上とは逆に、ゲート絶縁膜12Bの比誘電率ε2がゲート絶縁膜12Aの比誘電率ε1を上回る構成によれば、電流I1を超える電流量の電流I2を生成することが可能である。以上のように本態様においても第1の態様と同様の効果が奏される。
【0027】
<A−4:その他の態様>
第2の態様(図5)において、ゲート絶縁膜12Aの膜厚t1とゲート絶縁膜12Bの膜厚t2とを相違させるための具体的な方法は任意である。例えば、ゲート絶縁膜12Aとゲート絶縁膜12Bとを別工程で個別に形成することで膜厚t1と膜厚t2とを相違させる方法や、ゲート絶縁膜12Aを単層で形成するとともにゲート絶縁膜12Bを複数層(例えばゲート絶縁膜12Aと共通の絶縁層と他の絶縁層との積層)で形成することで膜厚t1と膜厚t2とを相違させる方法が好適に採用される。また、第2の態様や第3の態様において、トランジスタTR1やトランジスタTR2をボトムゲート構造としてもよい。
【0028】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の各態様において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上と同じ符号を付して各々の具体的な説明を適宜に省略する。
【0029】
図7は、第2実施形態に係る電子回路100A(トランジスタTR1およびトランジスタTR2の構造を示す平面図であり、図8は、図7におけるVIII−VIII線の断面図である。図7および図8に示すように、トランジスタTR1は、半導体層14Aを挟むように配置されたフロントゲートGF1とバックゲートGB1とを有するデュアルゲート構造の薄膜トランジスタである。一方、トランジスタTR2は、図4と同様に、半導体層14Bの下方(基板10側)のみにゲートG2が形成されたシングルゲート構造(さらに詳細にはボトムゲート構造)の薄膜トランジスタである。
【0030】
基板10の全面に形成された導電膜を選択的に除去することでトランジスタTR1のバックゲートGB1とトランジスタTR2のゲートG2とは一括して基板10の表面に形成される。バックゲートGB1とゲートG2とを覆うゲート絶縁膜12Aの表面には半導体層14Aと半導体層14Bとが形成される。半導体層14Aと半導体層14Bとを覆うようにゲート絶縁膜12Bが形成される。ゲート絶縁膜12Bの表面には、トランジスタTR1のフロントゲートGF1が形成される。バックゲートGB1とフロントゲートGF1とは、ゲート絶縁膜12Aとゲート絶縁膜12Bとを貫通する貫通孔Hを介して電気的に導通する。
【0031】
トランジスタTR1の半導体層14AにはフロントゲートGF1とバックゲートGB1とによって両側から電界が印加されるから、半導体層14Aに形成されるチャネルの厚さは半導体層14Bのチャネルを上回る。したがって、電流I1を下回る電流量の電流I2を生成することが可能である。さらに、ゲート絶縁膜12Bの膜厚t2や比誘電率ε2を適宜に選定することで、電流I1と電流I2との電流比を精緻に調整することができる。
【0032】
なお、以上においては電流I1の電流量が電流I2を上回る構成を例示したが、トランジスタTR1をシングルゲート構造としてトランジスタTR2をデュアルゲート構造とすれば、電流I1を上回る電流I2を生成することが可能である。また、以上の説明ではトランジスタTR2をボトムゲート構造としたが、図5や図6に例示したように、トランジスタTR2を、半導体層14Bの上方(基板10とは反対側)にゲートG2を配置したトップゲート構造としても同様の効果が奏される。トランジスタTR2をトップゲート構造とした構成においては、例えばゲート絶縁膜12Aの膜厚t1や比誘電率ε1を適宜に選定することで電流I1と電流I2との電流比を精緻に調整することができる。
【0033】
<C:第3実施形態>
図9は、本発明の第3実施形態に係る電子回路100Bの回路図である。同図に示すように、本形態の電子回路100Bは、相互に並列に接続されたトランジスタTR1aおよびトランジスタTR1bを図1のトランジスタTR1の代わりに配置し、相互に並列に接続されたトランジスタTR2aおよびトランジスタTR2bを図1のトランジスタTR2の代わりに配置した構成である。トランジスタTR1aおよびトランジスタTR1bに流れる電流の総和が電流I1に相当し、トランジスタTR2aおよびトランジスタTR2bに流れる電流の総和が電流I2に相当する。
【0034】
図10は、電子回路100Bの構造を示す平面図であり、図11は、図10におけるXI−XI線の断面図である。図10および図11に示すように、トランジスタTR1aおよびトランジスタTR1bはトップゲート構造であり、トランジスタTR2aおよびトランジスタTR2bはボトムゲート構造である。トランジスタTR1aとトランジスタTR1bとの配置およびトランジスタTR2aとトランジスタTR2bとの配置にはコモンセントロイド配置が採用される。したがって、電子回路100Bの製造の過程における誤差(例えばマスキングやドーピングの位置の誤差)に起因した各トランジスタTR(TR1a,TR1b,TR2a,TR2b)の電気的な特性の誤差の影響が緩和される。
【0035】
基板10の表面には2個のゲートG2が連続した形状(U字状)に形成されたうえでゲート絶縁膜12Aが全面に成膜される。ゲート絶縁膜12Aの表面には、各トランジスタTR(TR1a,TR1b,TR2a,TR2b)の半導体層14が連続して形成される。半導体層14のうちゲート絶縁膜12Aを挟んで各ゲートG2に対向する部分がトランジスタTR2aおよびトランジスタTR2bの各々のチャネルとして機能する。半導体層14を覆うようにゲート絶縁膜12Bが形成され、ゲート絶縁膜12Bの表面には2個のゲートG1が連続した形状(U字状)に形成される。半導体層14のうちゲート絶縁膜12Bを挟んで各ゲートG1に対向する部分がトランジスタTR1aおよびトランジスタTR1bの各々のチャネルとして機能する。
【0036】
以上の要素を覆う層間絶縁層18の表面には電源線32と配線34と配線36とが形成される。電源線32は、層間絶縁層18およびゲート絶縁膜12Bを貫通する各貫通孔HEを介して、半導体層14における各トランジスタTR(TR1a,TR1b,TR2a,TR2b)のソース領域に導通する。配線34は、貫通孔HFを介して、半導体層14におけるトランジスタTR1aおよびトランジスタTR1bの各々のドレイン領域に導通するとともに、各貫通孔HGを介して各ゲートG1および各ゲートG2とに導通し、定電流源60(図示略)の出力端に接続される。配線36は、貫通孔HIを介して、半導体層14におけるトランジスタTR2aおよびトランジスタTR2bの各々のドレイン領域に導通する。
【0037】
本形態においても、第1実施形態と同様に、ゲート絶縁膜12Aの膜厚t1とゲート絶縁膜12Bの膜厚t2とは、電流I1に対する電流I2の電流比(I2/I1)が目標値Aに合致または近似するように、相異なる寸法に設定される。例えば、トランジスタTR1aおよびトランジスタTR1bに流れる電流I1の電流量がトランジスタTR2aおよびトランジスタTR2bの電流I2を上回る必要がある場合、図11に示すように、ゲート絶縁膜12Aの膜厚t1はゲート絶縁膜12Bのが膜厚t2を上回る寸法に選定される。一方、膜厚t2が膜厚t1を上回る構成によれば、電流I1を上回る電流量の電流I2を生成することが可能である。
【0038】
以上の形態においても第1実施形態と同様の効果が奏される。なお、本形態の電子回路100Bにおいても、トランジスタTR1aまたはトランジスタTR1bとトランジスタTR2aまたはトランジスタTR2bとの関係について、トランジスタTR1およびトランジスタTR2に関して図5および図6に例示した関係が同様に適用される。
【0039】
<D:第4実施形態>
次に、第1実施形態に係る電子回路100Aを表示装置の画素回路に利用した本発明の第4実施形態を説明する。図12は、画素回路40Aの回路図である。画素回路40Aは、複数の走査線42および複数のデータ線44の各交差に対応して配列される。図12においては、第i行に属する第j列目の画素回路40Aが代表的に例示されている(iおよびjの各々は自然数)。
【0040】
画素回路40Aは、トランジスタTR1およびトランジスタTR2で構成される第1実施形態の電子回路100Aを含む。トランジスタTR1およびトランジスタTR2の各々のゲートと高位側電源VDDとの間には容量素子Cが介在する。
【0041】
トランジスタTR2に流れる電流I2の経路上には電気光学素子E1とスイッチング素子SW1とが配置される。電気光学素子E1は、相互に対向する陽極と陰極との間に有機EL(Electroluminescence)材料の発光層が形成された有機EL素子(発光素子)である。電気光学素子E1は、発光層に供給される電流I2の電流量に応じた階調(輝度)に駆動される。スイッチング素子SW1は、トランジスタTR2のドレインと電気光学素子E1の陽極との間に介在して両者の電気的な接続を制御する。スイッチング素子SW1のゲートには制御線46を介して駆動制御信号Z[i]が供給される。
【0042】
図12のスイッチング素子SW2は、トランジスタTR1のゲートとドレインとの間に介在して両者の電気的な接続を制御する。スイッチング素子SW3は、トランジスタTR1のドレインとデータ線44との間に介在して両者の電気的な接続を制御する。スイッチング素子SW2およびスイッチング素子SW3の各々のゲートには走査線42を介して走査信号Y[i]が供給される。
【0043】
表示装置は、画素回路40Aの各列に対応してデータ線44毎に配置された単位駆動回路70を具備する。単位駆動回路70は、定電圧源72と定電流源74とスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とで構成される。定電圧源72は、所定の初期化電位VRSを生成する。定電流源74は、各電気光学素子E1に指定された階調に対応した電流量の電流I1を生成する。スイッチング素子Q1は、定電圧源72とデータ線44との電気的な接続を制御する。スイッチング素子Q2は、定電流源74とデータ線44との電気的な接続を制御する。
【0044】
画素回路40Aが動作する期間は、初期化期間と書込期間と駆動期間とに区分される。初期化期間では、走査信号Y[i]および駆動制御信号Z[i]の双方がローレベルに設定されたうえでスイッチング素子Q1が導通する。したがって、データ線44の電位は初期化電位VRSに初期化される。
【0045】
図13の部分(A)に示すように、書込期間では走査信号Y[i]がハイレベルに変化する。したがって、スイッチング素子SW2が導通してトランジスタTR1がダイオード接続されるとともに、スイッチング素子SW3が導通してトランジスタTR1のドレインとデータ線44とが電気的に接続される。また、スイッチング素子Q1がオフ状態に遷移するとともにスイッチング素子Q2が導通する。したがって、図13の部分(A)に示すように、定電流源74が電流量を設定した電流I1が高位側電源VDDからトランジスタTR1とスイッチング素子SW3とを経由してデータ線44に供給される。そして、電流I1の供給時におけるトランジスタTR1のゲートの電位に応じた電荷が容量素子Cに蓄積される。
【0046】
駆動期間では、図13の部分(B)に示すように、走査信号Y[i]がローレベルに変化することで電流I1が遮断されるとともに、駆動制御信号Z[i]がハイレベルに変化することでスイッチング素子SW1が導通する。したがって、トランジスタTR2のゲートの電位に応じた電流I2が、高位側電源VDDからトランジスタTR2とスイッチング素子SW1とを経由して電気光学素子E1に供給される。書込期間にて設定されたトランジスタTR2のゲートの電位は駆動期間においても維持されるから、電流I2は電流I1に応じた電流量となる。
【0047】
本形態においては、トランジスタTR1の電流I1の電流量がトランジスタTR2の電流I2を上回る(すなわちトランジスタTR1のオン抵抗がトランジスタTR2のオン抵抗を下回る)ように両者の構造が選定される。すなわち、トランジスタTR1がトップゲート構造に形成されるとともにトランジスタTR2がボトムゲート構造に形成され、トランジスタTR1のゲート絶縁膜12Aの膜厚t1はトランジスタTR2のゲート絶縁膜12Bの膜厚t2を下回る(I2/I1=t1/t2)。
【0048】
いま、仮にトランジスタTR1とトランジスタTR2とで電気的な特性が同等であるとすれば、電流I1と電流I2とは同等の電流量となる。したがって、電気光学素子E1を適切に駆動し得る微小な電流I2を生成するためには書込期間にてトランジスタTR1に流れる電流I1を微小な電流量に設定する必要がある。しかし、書込期間の初期にはデータ線44の寄生容量が充電されるから、電流I1の電流量が微小である場合には特に、データ線44の電流が所期の電流I1に到達するまでに相当の時間を要する(ひいてはトランジスタTR2のゲートが所期の電位に到達せずに電気光学素子E1の輝度が不足する)という問題がある。本形態においては、電流I1の電流量が電流I2よりも大きくなるようにトランジスタTR1の膜厚t1とトランジスタTR2の膜厚t2との相対比が選定されるから、トランジスタTR2のゲートが書込期間内で所期の電位に確実に到達する程度に電流I1の電流量を確保した場合であっても、電気光学素子E1を適切に駆動し得る微小な電流量に電流I2を制御することが可能となる。
【0049】
<E:第5実施形態>
図14は、画素回路40Bの回路図である。同図に示すように、本形態の画素回路40Bは、第4実施形態(図12)の画素回路40Aにスイッチング素子SW4を追加した構成である。スイッチング素子SW4は、トランジスタTR2のゲートとドレインとの間に介在して両者の電気的な接続を制御する。スイッチング素子SW4のゲートは、スイッチング素子SW2やスイッチング素子SW3のゲートとともに走査線42に接続される。スイッチング素子SW3は、トランジスタTR1およびトランジスタTR2の各々のゲートとデータ線44との間に介在する。
【0050】
トランジスタTR1およびトランジスタTR2の構造は第4実施形態と同様である。すなわち、トランジスタTR1がトップゲート構造に形成されるとともにトランジスタTR2がボトムゲート構造に形成され、トランジスタTR1のゲート絶縁膜12Aの膜厚t1はトランジスタTR2のゲート絶縁膜12Bの膜厚t2を下回る。
【0051】
以上の構成の画素回路40Bも初期化期間と書込期間と駆動期間とに区分して駆動される。初期化期間においては、第4実施形態と同様に、スイッチング素子Q1が導通することでデータ線44の電位が初期化電位VRSに初期化される。
【0052】
図15の部分(A)に示すように、書込期間では走査信号Y[i]がハイレベルに変化するから、スイッチング素子SW2とスイッチング素子SW3とスイッチング素子SW4とがオン状態に遷移する。すなわち、トランジスタTR1がスイッチング素子SW2を介してダイオード接続されるとともに、トランジスタTR2がスイッチング素子SW4を介してダイオード接続される。したがって、高位側電源VDDからトランジスタTR1とスイッチング素子SW2とを経由した電流I1と、高位側電源VDDからトランジスタTR2とスイッチング素子SW3とを経由した電流I2とを加算した電流が、定電流源74によって設定された電流量でスイッチング素子SW3からデータ線44に供給される。そして、電流I1および電流I2の供給時におけるトランジスタTR1およびトランジスタTR2のゲートの電位が容量素子Cに保持される。
【0053】
駆動期間では、図15の部分(B)に示すように、走査信号Y[i]がローレベルに変化したうえで駆動制御信号Z[i]がハイレベルに変化するから、第4実施形態と同様に、トランジスタTR2のゲートの電位に応じた電流I2が、高位側電源VDDからトランジスタTR2とスイッチング素子SW1とを経由して電気光学素子E1に供給される。
【0054】
以上の構成によっても第4実施形態と同様の作用および効果が奏される。さらに、本形態によれば、書込期間にてトランジスタTR1およびトランジスタTR2の双方に電流が流れるから、駆動期間におけるトランジスタTR2のゲートの電位の範囲(さらには電気光学素子E1の輝度の範囲)を、第4実施形態と比較して広く確保できるという利点がある。
【0055】
<F:第6実施形態>
次に、第1実施形態に係る電子回路100Aを光検出装置(例えば撮像装置の撮像素子)の光検出回路に採用した本発明の第6実施形態を説明する。図16は、光検出回路50の回路図である。光検出回路50は、複数の選択線52および複数の電流検出線54の各交差に対応して配列される。図16においては、第i行に属する第j列目の光検出回路50が代表的に例示されている。
【0056】
光検出回路50は、トランジスタTR1およびトランジスタTR2の各ゲートを相互に接続した第1実施形態の電子回路100Aを含む。トランジスタTR1のドレインには受光素子E2が接続される。受光素子E2は、受光量に応じた電流量の電流I1が流れる電気光学素子(フォトダイオード)である。トランジスタTR2のドレインと電流検出線54との間にはスイッチング素子SW5が介在する。スイッチング素子SW5のゲートには選択線52を介して選択信号S[i]が供給される。
【0057】
トランジスタTR1には受光素子E2による受光量に応じた電流I1が高位側電源VDDから供給される。選択信号S[i]がハイレベルに変化してスイッチング素子SW5がオン状態に遷移すると、図17に示すように、電流I1に応じた電流量の電流I2が高位側電源VDDからトランジスタTR2とスイッチング素子SW5とを経由して電流検出線54に出力される。電流検出線54から出力される電流I2を検出回路(図示略)にて順次に検出して電流量を測定することで、各光検出回路50の受光素子E2による受光量が特定される。
【0058】
本形態においては、トランジスタTR2の電流I2の電流量がトランジスタTR1の電流I1を上回る(トランジスタTR2のオン抵抗がトランジスタTR1を下回る)ように両者の構造が選定される。すなわち、図2から図4の例示とは逆に、トランジスタTR1がボトムゲート構造に形成されるとともにトランジスタTR2がトップゲート構造に形成され、トランジスタTR1のゲート絶縁膜12Aの膜厚t1はトランジスタTR2のゲート絶縁膜12Bの膜厚t2を上回る。以上の構成によれば、受光素子E2に流れる電流I1が微小であっても電流I2には充分な電流量が確保されるから、受光素子E2による受光量を高精度に測定することが可能となる。
【0059】
なお、第4実施形態から第6実施形態におけるトランジスタTR1およびトランジスタTR2には図5や図6に例示した構成も同様に適用される。例えば、図5に示したように、トランジスタTR1およびトランジスタTR2の双方をボトムゲート構造(またはトップゲート構造)としたうえでゲート絶縁膜12Aの膜厚t1とゲート絶縁膜12Bの膜厚t2とを相違させた構成や、図6に例示したように、トランジスタTR1のゲート絶縁膜12Aの比誘電率ε1とトランジスタTR2のゲート絶縁膜12Bの比誘電率ε2とを相違させた構成を第4実施形態から第6実施形態に適用してもよい。また、第2実施形態(図7および図8)と同様に、トランジスタTR1およびトランジスタTR2の一方をデュアルゲート構造として他方をシングルゲート構造とした構成も第4実施形態から第6実施形態に好適に採用される。さらに、第3実施形態の電子回路100Bを第4実施形態から第6実施形態のトランジスタTR1およびトランジスタTR2の代わりに採用してもよい。
【0060】
<G:変形例>
以上の各形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の例示から2以上の態様を任意に選択して組合わせてもよい。
【0061】
(1)変形例1
トランジスタTR1およびトランジスタTR2をNチャネル型とした構成も採用される。また、電子回路100(100A,100B)を利用した画素回路40(40A,40B)や光検出回路50の構成は以上の例示に限定されない。すなわち、トランジスタTR1およびトランジスタTR2の各々のゲートを相互に接続したカレントミラー型の電子回路100を含む構成であれば、画素回路40や光検出回路50の他の要素の如何は不問である。
【0062】
(2)変形例2
以上に例示した各構成を適宜に組合せてもよい。例えば、膜厚tiおよび比誘電率εiの双方をゲート絶縁膜12Aとゲート絶縁膜12Bとで相違させた構成が採用される。
【0063】
(3)変形例3
第4実施形態および第5実施形態における有機EL素子は電気光学素子E1の例示に過ぎない。例えば、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子などの発光素子も第4実施形態や第5実施形態の電気光学素子E1として採用される。電気光学素子E1は、電流の供給によって光学的な特性(輝度)が変化する素子として把握される。
【0064】
<H:応用例>
第4実施形態および第5実施形態に係る画素回路40(40A,40B)を行列状に配列した表示装置は各種の電子機器に採用される。図18から図20には、第4実施形態または第5実施形態に係る表示装置を採用した電子機器の形態が図示されている。
【0065】
図18は、表示装置200を採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、各種の画像を表示する表示装置200と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。表示装置200は有機EL素子を電気光学素子E1として使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
【0066】
図19は、表示装置200を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する表示装置200とを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、表示装置200に表示される画面がスクロールされる。
【0067】
図20は、表示装置200を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す斜視図である。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002と、各種の画像を表示する表示装置200とを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった様々な情報が表示装置200に表示される。
【0068】
なお、本発明に係る画素回路が適用される電子機器としては、図18から図20に例示した機器のほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。また、本発明に係る画素回路の用途は画像の表示に限定されない。例えば、電子写真方式の画像形成装置において露光により感光体ドラムに潜像を形成する露光装置の光源としても本発明の画素回路は利用される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子回路の回路図である。
【図2】第1の態様に係る電子回路の構造を示す平面図である。
【図3】図2におけるIII−III線の断面図である。
【図4】図2におけるIV−IV線の断面図である。
【図5】第2の態様に係る電子回路の構造を示す断面図である。
【図6】第3の態様に係る電子回路の構造を示す断面図である。
【図7】第2実施形態に係る電子回路の構造を示す平面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線の断面図である。
【図9】第3実施形態に係る電子回路の回路図である。
【図10】電子回路の構造を示す平面図である。
【図11】図10におけるXI−XI線の断面図である。
【図12】第4実施形態に係る画素回路の回路図である。
【図13】画素回路の動作を説明するための回路図である。
【図14】第5実施形態に係る画素回路の回路図である。
【図15】画素回路の動作を説明するための回路図である。
【図16】第6実施形態に係る光検出回路の回路図である。
【図17】光検出回路の動作を説明するための回路図である。
【図18】電子機器の形態(パーソナルコンピュータ)を示す斜視図である。
【図19】電子機器の形態(携帯電話機)を示す斜視図である。
【図20】電子機器の形態(携帯情報端末)を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0070】
100A,100B……電子回路、TR1,TR2……トランジスタ、10……基板、12A,12B……ゲート絶縁膜、14,14A,14B……半導体層、40A,40B……画素回路、42……走査線、44……データ線、50……光検出回路、52……選択線、54……電流検出線、70……単位駆動回路、72……定電圧源、60,74……定電流源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々のゲートが相互に接続された第1トランジスタと第2トランジスタとを具備し、前記第1トランジスタに流れる第1電流に対応した第2電流が前記第2トランジスタに流れる回路であって、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとはゲート絶縁膜の膜厚が相違する
電子回路。
【請求項2】
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタの一方はトップゲート構造であり、
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタの他方はボトムゲート構造である
請求項1の電子回路。
【請求項3】
前記ボトムゲート構造のトランジスタは、前記トップゲート構造のトランジスタと比較してゲート絶縁膜の膜厚が大きい
請求項2の電子回路。
【請求項4】
各々のゲートが相互に接続された第1トランジスタと第2トランジスタとを具備し、前記第1トランジスタに流れる第1電流に対応した第2電流が前記第2トランジスタに流れる回路であって、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとはゲート絶縁膜の比誘電率が相違する
電子回路。
【請求項5】
各々のゲートが相互に接続された第1トランジスタと第2トランジスタとを具備し、前記第1トランジスタに流れる第1電流に対応した第2電流が前記第2トランジスタに流れる回路であって、
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタの一方においては、半導体層を挟む両側にゲートが形成され、
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタの他方においては、半導体層の片側のみにゲートが形成される
電子回路。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れかに記載の電子回路と、
前記第2トランジスタに流れる第2電流に応じた階調となる電気光学素子とを具備し、
前記電気光学素子に指定された階調に応じた電流量の前記第1電流が前記第1トランジスタおよびデータ線に流れる
画素回路。
【請求項7】
請求項1から請求項5の何れかに記載の電子回路と、
受光量に応じた電流量の前記第1電流を前記第1トランジスタに流す受光素子とを具備し、
電流検出線を介して前記第2電流を検出する
光検出回路。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−94267(P2009−94267A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263000(P2007−263000)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】