説明

電子部品とその製造方法およびそれを用いた通信機器

【課題】樹脂封止されたフィルタや共用器などの電子部品において、妨害波による相互変調歪特性が劣化を防止する。
【解決手段】配線基板110と、前記配線基板110の少なくとも一方主面に実装された機能素子120と、前記配線基板110と前記機能素子120とを電気的に接続する接続部材140と、前記配線基板110上であって前記機能素子120が実装された主面の少なくとも一部と前記機能素子120とを被覆する樹脂130とからなる電子部品において、前記樹脂130に磁性体材料からなる充填材を備えることで、様々な妨害波に対して、封止樹脂に含まれる磁性体フィラーの磁界により、非線形歪レベルを大幅に改善させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話に代表される携帯型電子機器に用いられ、弾性表面波デバイスや圧電バルク波デバイス、メカニカルスイッチなどの電子部品とその製造方法およびそれを用いた通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型電子機器に内蔵される部品は、高性能を維持しつつ、より小型化、軽量化されることが要求されている。例えば、携帯電話に使われている高周波信号を選別するフィルタや共用器では、小型であり、挿入損失が小さいことが要求される。これらの要求を満たすフィルタの1つとして、圧電振動を利用した弾性表面波(SAW;Surface Acoustic Wave)デバイスや、薄膜バルク波共振器(FBAR;Film Bulk Acoustic Resonator)デバイスが知られている。
【0003】
図8は、電子部品の一例として、従来の弾性表面波デバイスの断面図を示したものである。ここで、610は基板、620は機能素子としての弾性表面波素子、630は封止樹脂、640は導電性バンプ、650は空隙、660はシールド層ある。基板610には、弾性表面波素子との電気的導通を図るための配線パターン611と、外部端子613、ビアホール612が形成されている。
【0004】
従来の電子部品について、その製造方法を追って詳細に説明する。先ず、圧電基板上に、弾性表面波を励振するための櫛型電極と、外部からの電気信号を入出力する電極パッドを、蒸着法やスパッタ法などにより形成された電極薄膜を、フォトリソグラフィ技術によりパターニングすることにより、弾性表面波素子620を形成する。次に、基板610に、弾性表面素子620の機能面が対向するように、導電性バンプ640を介して実装する。導電性バンプ640には、金(Au)ボールバンプや、半田バンプなどが用いられる。次に、前記弾性表面波素子620の機能部に空隙が保持されるように、弾性表面波素子裏面とその周囲が被覆されるように樹脂により封止する。前記樹脂は、エポキシ系熱硬化性または熱可塑性樹脂が広く用いられ、充填材(フィラー)として、シリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)などの無機絶縁材料が使用される。最後に、前記樹脂表面に金属からなるシールド層660を形成する。シールド層を形成することにより、外来ノイズに強く、また、耐湿性に優れた弾性表面波デバイスを得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、図9は電子部品のもう一つの例として、従来の弾性表面波デバイスの断面図を示したものである。ここで、710は基板、720は機能素子としての弾性表面波素子、730は封止樹脂、740は導電性バンプ、750は空隙である。基板710には、弾性表面波素子との電気的導通を図るための配線パターン711と、外部端子713、ビアホール712が形成されている。
【0006】
図9に示した構成とすることで、弾性表面波素子の耐湿性を素子機能面の保護膜により補強した場合などでは、シールド層などの金属膜を使用することなく小型、低背の弾性表面波デバイスを得ることができる(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
以上により、従来用いられていたメタル製やセラミック製多層の箱型パッケージを用いることなく、また、ワイヤボンディングを不要とした弾性表面波デバイスのパッケージングを行うことで、弾性表面波デバイスの小型化、低背化、高信頼性化を図っている。
【特許文献1】特開2005−73219号公報
【特許文献2】特開2006−14099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図8や図9に示す従来の構成では、デバイスの小型化により、電子部品の相互変調歪特性が劣化するという課題があった。具体的には、高周波フィルタや共用器、高周波メカニカルスイッチなどにおいて、送信信号と、アンテナなど外部から到来する妨害波とにより、受信帯域において相互変調歪特性が劣化するという課題があった。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電子部品のサイズを大型化することなく、相互変調歪特性が良好な電子部品およびその製造方法を提供することを目的とする。また、シールド層等がなくても、低廉で、良好な高周波特性を備えた電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の電子部品は、配線基板と、前記配線基板の少なくとも一方主面に実装された機能素子と、前記配線基板と前記機能素子とを電気的に接続する接続部材と、前記配線基板上であって前記機能素子が実装された主面の少なくとも一部と前記機能素子とを被覆する樹脂とからなる電子部品において、前記樹脂が、磁性体材料からなる充填材を含有することを特徴としている。
【0011】
また、本発明の電子部品の製造方法は、少なくとも、配線基板に機能素子を実装する工程と、前記配線基板上であって前記機能素子が実装された主面の少なくとも一部と前記機能素子とを、磁性体材料を充填材とする樹脂により被覆する工程とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電子部品によれば、従来の構造を大きく変更することなく、信頼性が高く、相互変調歪特性など高周波特性に優れた電子部品を得ることができる。また、シールド層を形成することなく、低廉で、高周波特性に優れた電子部品を提供することができる。
【0013】
さらに、本発明の電子部品の製造方法によれば、新たな工程を付加することなく、低廉で小型の、相互変調歪特性など高周波特性に優れた電子部品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電子部品の構造を模式的に示した断面図である。図1において、110は配線基板、111は配線電極、112はビアホール、113は外部端子、120は機能素子、130は封止樹脂、140は導電性バンプ、150は空隙である。
【0016】
本実施の形態では、電子部品として圧電基板を利用した弾性表面波デバイスを用いている。機能素子120には、タンタル酸リチウムを使用した。タンタル酸リチウム以外に、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウムなどの圧電単結晶を選ぶことができる。また、シリコン基板やサファイア基板、ガラス基板などに、窒化アルミニウム(AlN)や酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電薄膜を形成した基板を用いてもよい。
【0017】
機能素子120の一方主面には、弾性表面波を励振する櫛型電極からなる機能部121が、アルミニウムなどの導電性薄膜を通常のフォトリソグラフィを用いてパターニングすることにより形成されている。本実施の形態では、機能素子の一方主面に機能部を形成した後、他方主面を化学的機械研磨(CMP)によりバックグラインドし、機能素子の厚さを約150μmとした。
【0018】
本実施の形態では、櫛型電極により形成された互いに異なる適当な共振周波数を有する共振器202、203、204を、梯子型(図2(a))または格子型(図2(b))に接続することにより、バンドパスフィルタを構成することができる。なお、バンドパスフィルタの回路構成は、図2に示した構成に限るものではない。
【0019】
配線基板110には厚さ約200μmのアルミナを用いた。前記配線基板110には、機能素子120との電気的導通を図るパターン電極111、外部回路との電気的導通を図る端子電極113、前記パターン電極111と前記端子電極113との電気的導通を図るビアホール112が備えられている。アルミナ以外に、ガラス分を含んだ低温焼成セラミック基板や、樹脂基板、シリコンインターポーザなどを用いてもよい。機能素子120は半田バンプや金バンプなどからなる接続部材である導電性バンプ140により、配線基板110にフェイスダウン方式で実装される。
【0020】
最後に、封止樹脂130により、機能素子120の裏面とその周囲をモールドすることにより小型低背の電子部品を得ることができる。本実施の形態では、樹脂材料として磁性体をフィラーとするエポキシ系熱硬化樹脂を使用した。磁性体のフィラーとしては、鉄(Fe)、パーマロイ(Fe−Ni)、MnZnフェライト、酸化クロムなどの噴霧粉などを使用することが好ましい。また、磁性金属を担持した有機材料などを用いてもよく、母材のエポキシ樹脂との親和性が高く信頼性の高い電子部品を得ることができる。
【0021】
また、磁性体が導電性のある鉄粉などの場合で、フィラーの含有率が高く、複数の配線パターン111を電気的に短絡する可能性がある場合には、その表面を磁性材料自体の酸化膜もしくは酸化ケイ素などの無機絶縁材料などで被服することが好ましい。
【0022】
図3は、互いに通過周波数帯域の異なる2つのフィルタを備えた共用器の構造を模式的に示した断面図である。図3において、110は配線基板、120aは例えば送信用フィルタ、120bは例えば受信用フィルタ、160は配線基板110の内層電極で形成された移送回路(線路)である。また、図4は前記共用器のブロック図を示したものであり、送受端子301、302と、アンテナ端子303、送受フィルタ304、306、移相回路305から構成されている。
【0023】
共用器を構成する場合には、図1に示す別々の弾性表面波デバイスを、マザー基板などの別基板上で複数個接続して構成しても良いが、同一の配線基板110に実装するほうが好ましい。これにより、より小型の電子部品を得ることができる。
【0024】
次に、この共用器を用いた場合の相互変調歪特性について説明する。
【0025】
図5は、携帯電話などの同時送受信をする無線通信機器の無線部を簡単に示したブロック図である。図5において、501は送信端子、502は受信端子、503はベースバンド(BB)部、504はパワーアンプ(PA)、507は送信フィルタ505、受信フィルタ506とからなる共用器、508はローノイズアンプ(LNA)、509はアンテナである。
【0026】
送信端子501から入った信号は、ベースバンド部503で変調され、パワーアンプ504で信号が増幅される。そして、送信フィルタ505を通りフィルタリングされ、送信帯域の信号がアンテナ509から電波が送信される。この際、受信フィルタ506へ送信信号が回り込まないように共用器は設計される。アンテナ509から受信した信号は、送信フィルタに回り込むことなく、受信フィルタ506を通りフィルタリングされ、LNA508により増幅され、ベースバンド503により復調され、受信端子502に伝達される。
【0027】
様々な無線周波数利用した複数のチャンネル、システムが混在している状況では、アンテナ509から複数の周波数成分の信号(妨害波)が受信される。例えば、自端末の送信信号と、アンテナからの妨害波信号が共用器など各構成要素の非線形性により歪み、この信号が受信帯域に入ると受信レベルの悪化などの障害が起こる。例えば、faとfbの異なる周波数の信号が入力されると、電子部品の非線形性により、faX2、fbX2という2次の高調波が発生する。この高調波と基本波f1、f2により、3次の相互変調歪(IM3)として(2fa−fb)や(2fb−fa)などの信号が発生する。
【0028】
従来、金属性のパッケージや、大型のセラミックパッケージなどを用いた共用器等では問題とならなかったレベルの信号であるが、電子部品の小型化が急速に進み、機能素子自体の耐湿性などの信頼性が向上したため、樹脂モールドされた共用器が用いられてくると、無視できないレベルになり、無線機の通話品質を劣化させる一因となっている。
【0029】
図6は、相互変調歪特性の測定系の一例を示したものである。図6において、401は信号発生器(SG)、402はパワーアンプ(PA)、407は送信フィルタ405、受信フィルタ406からなる共用器、409はスペクトラムアナライザ(SA)である。
【0030】
本実施の形態では、北米PCSシステムを想定し、送信信号として、信号発生器401より1850MHz、1910MHzの信号を発生させ、パワーアンプ402、アイソレータ403、1850〜1910MHzの通過帯域を有する、送信フィルタを経て、共用器407のアンテナ端で20dBmとなるように制御した。
【0031】
次に、妨害波として、同じく信号発生器411より、送信周波数をTx、受信周波数をRxとしたとき、(Rx−Tx)=80MHz、(Rx+Tx)=1770MHz〜1830MHz、(2Tx−Rx)=3780MHz〜3900MHz、(2Tx+Rx)=5630MHz〜5810MHzとなる周波数を発生させた。ここで発生した信号は、1930〜1990MHzの通過帯域を持つ受信フィルタ406を経て、スペクトラムアナライザ409で歪レベルを計測した。なお、妨害波の信号レベルは、0〜5dBmとして受信レベルを計測し、−15dBm入力時の歪を外装により求め、従来の電子部品と本発明の電子部品との比較を行った。
【0032】
先ず、妨害波を(Rx−Tx)とした場合、従来の共用器の場合、送信信号が1850MHz〜1910MHzの場合、歪は−70dBm〜−90dBm程度であるのに対して、本発明の構造による共用器を用いた場合には、全帯域にわたって歪が−120dBm以下であり、大きく改善されていることが確認できた。
【0033】
また、妨害波を(Rx+Tx)とした場合、従来構成では−90dBm程度であるのに対して、本発明の構成では−110dBm以下となった。同様に、妨害波が(2Tx−Rx)の場合に、従来構成では−80〜−90dBmに対し、本発明の構成では−110dBm以下であった。さらに、妨害波を(2Tx+Rx)とした場合、従来構成ではおよそ−110dBmであるのに対し、本発明の構成では−120dBm以下を確保することができた。
【0034】
以上のように、様々な妨害波に対して、封止樹脂に含まれる磁性体フィラーの磁界により、非線形歪レベルを大幅に改善することができ、電気特性に優れた電子部品を得ることができる。また、本発明の電子部品を用いることにより、通話品質に優れた通信機器を実現することができる。
【0035】
なお、相互変調歪の計測に関しては、本発明で用いた測定系に限るものではない。また、測定系の保護のため、必要に応じてアイソレータやバンドパスフィルタを使用することが好ましい。また、共用器についての実施の効果について説明したが、バンドパスフィルタの計測の場合には、信号波と妨害波の2波を入力端子より入力することで、同様に評価ができる。
【0036】
本発明の電子部品は、従来構造の電子部品に対して、何らその大きさに変更を加えるものではなく、従来同様の小型の電子部品を損なうことなく、電気特性を改善することができる。また、シールド層の形成工程を必要とせず、低廉で電気特性に優れた電子部品を得ることができる。
【0037】
本実施の形態では、電子部品として弾性表面波デバイスを用いたが、圧電薄膜を用いた薄膜バルク波共振器(FBAR)デバイスなどの他の高周波フィルタでも同様の効果が得られる。また、本実施の形態では、共用器について説明したが、フィルタ単体においても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0038】
また、本実施の形態では、機能素子がフェイスダウン方式で実装された場合について説明したが、機能部が直接樹脂モールドされても問題ない場合や、機能部が別途空間保持構造を有する場合には、配線基板に機能素子を接着固定した後、ワイヤボンディングなどにより電気接続を行った場合でも同様の効果が得られる。
【0039】
また、図7に示すように、同様な無線回路に使用されるMEMS(Micro Electro−Mechanical System)などのメカニカルスイッチにおいても同様の効果が得られる。
【0040】
図7において、501は送信端子、502は受信端子、503はベースバンド(BB)部、504はパワーアンプ(PA)、505は送信フィルタ、506は受信フィルタ、508はローノイズアンプ(LNA)、509はアンテナ、511は送受信号を切り替える高周波スイッチである。
【0041】
送信時には、送信端子501から入った信号は、ベースバンド部503で変調され、パワーアンプ504で信号が増幅される。そして、送信フィルタ505を通りフィルタリングされ、送信帯域の信号がアンテナ509から電波が送信される。また、受信時には、アンテナ509から受信した信号は、送信フィルタに回り込むことなく、受信フィルタ506を通りフィルタリングされ、LNA508により増幅され、ベースバンド503により復調され、受信端子502に伝達される。このように、スイッチは送受信を時分割で行う場合に用いられるもので、MEMS技術を用いたメカニカルスイッチが使用できる。
【0042】
このようなシステムにおいても、前記共用器の場合と同様に、メカニカルスイッチをシリコン基板上に形成し、磁性体をフィラーとする封止樹脂で封止することにより、磁性体フィラーを含まない場合に比べ、様々な妨害波に対して10〜40dBmの改善効果を得ることができた。
【0043】
以上のように、配線基板と、前記配線基板の少なくとも一方主面に実装された機能素子と、前記配線基板と前記機能素子とを電気的に接続する接続部材と、前記配線基板上であって前記機能素子が実装された主面の少なくとも一部と前記機能素子とを被覆する樹脂とからなる電子部品において、前記樹脂が、磁性体材料からなる充填材を含有することにより、相互変調歪が小さく高周波特性に優れた電子部品を得ることができる。
【0044】
また、前記充填材が導電性材料の場合には、前記充填材を絶縁性材料により被覆することにより、充填材の含有率が高い場合においても、配線パターン間の短絡が起きることなく、磁性体充填材の磁気特性劣化がなく、経時変化がなく信頼性の高い電子部品を得ることができる。
【0045】
また、前記充填材が、鉄(Fe)などの磁性金属を担持した有機材料とすることにより、封止材料の一般的母材であるエポキシ系樹脂などの樹脂との親和性が高く、長期信頼性に優れた電子部品を得ることができる。
【0046】
さらに、前記電子部品を得るために、配線基板に機能素子を実装する工程と、前記配線基板上であって前記機能素子が実装された主面の少なくとも一部と前記機能素子とを、磁性体材料を充填材とする樹脂により被覆する工程とを少なくとも備えることにより、高周波特性、信頼性に優れた電子部品の製造方法を提供することができる。
【0047】
さらに、アンテナ、送信回路および受信回路を備えた通信機器であって、バンドパスフィルタ、共用器、スイッチなどの前記電子部品を、前記アンテナと前記送信回路または前記受信回路との接続部、もしくは、前記送信回路および前記受信回路の少なくともいずれか一方に備えることにより、相互変調歪特性が良好で通話品質に優れた通信機器を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明にかかる電子部品は、小型低背の形状に影響を与えることなく、また、簡略化された工程で低廉に実現でき、相互変調歪や帯域外減衰量、アイソレーションなどの高周波特性に優れ、さらには信頼性に優れた電子部品を提供することが可能である。
【0049】
前記電子部品を利用することで、低損失で小型な圧電振動デバイスや、フィルタ、共用器、アクチュエータ、メカニカルスイッチなどの機能デバイスを実現することが可能であり、これらを用いることにより、妨害波に強く通話品質に優れた無線通信機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1における電子部品の構造を示す断面模式図
【図2】本発明の実施の形態1におけるフィルタの構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における共用器の構造を示す断面模式図
【図4】本発明の実施の形態1における共用器の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1における通信機器のブロック図
【図6】本発明の実施の形態1における測定系を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態1における通信機器のブロック図
【図8】従来の電子部品の構造を示す断面模式図
【図9】従来の他の電子部品の構造を示す断面模式図
【符号の説明】
【0051】
110 配線基板
111 配線パターン
112 ビアホール
113 外部端子
120 機能素子
130 封止樹脂
140 導電性バンプ
150 空隙
201 入出力端子
202 直列共振器
203 並列共振器
204 バイパス共振器
205 インダクタ
301,501 送信端子
302,502 受信端子
303 アンテナ端子
304,405,505 送信フィルタ
305 移相回路
306,406,506 受信フィルタ
307,407,507 共用器
401,411 信号発生器
402,504 パワーアンプ
409 スペクトラムアナライザ
503 ベースバンド部
508 LNA
509 アンテナ
510 通信機器
511 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、前記配線基板の少なくとも一方主面に実装された機能素子と、前記配線基板と前記機能素子とを電気的に接続する接続部材と、前記配線基板上であって前記機能素子が実装された主面の少なくとも一部と前記機能素子とを被覆する樹脂とからなる電子部品において、前記樹脂が、磁性体材料からなる充填材を含有することを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記充填材が、絶縁性材料により被覆された磁性体材料であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記充填材が、磁性材料を担持した有機材料であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記磁性材料が、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)から選ばれる元素を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項5】
前記機能素子が受動部品であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項6】
前記機能素子が弾性振動を利用したフィルタまたはメカニカルスイッチであることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項7】
配線基板に機能素子を実装する工程と、前記配線基板上であって前記機能素子が実装された主面の少なくとも一部と前記機能素子とを、磁性体材料を充填材とする樹脂により被覆する工程とを少なくとも備えた電子部品の製造方法。
【請求項8】
アンテナ、送信回路および受信回路を備えた通信機器であって、請求項1から6に記載のいずれかに記載の電子部品を、前記アンテナと前記送信回路または前記受信回路との接続部、もしくは、前記送信回路および前記受信回路の少なくともいずれか一方に備えた通信機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−235303(P2007−235303A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51705(P2006−51705)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】