説明

1つ以上のウエハ上に液体を排出して乾燥処理するための装置及び方法

処理室内で超小型電子基板を処理するためのシステムであって、湿式処理から乾式処理への移行(特に、洗浄から乾燥への移行工程)のための改良された技術を含む。湿式処理語に流体供給ラインに残留する液体の少なくとも一部が、基板上に直接パージされるのを避ける通路を介して取り除かれる。また、本発明は、関連した方法を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレー処理ツールを用いて超小型電子デバイスを製造するための技術に関する。さらに、本発明は、スプレー処理ツールが液体(たとえば、特に洗浄液)が付着した1つ以上の先駆物質に接触し、この先駆物質を乾燥させるのに用いられる状況を含む処理に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクス産業では、種々の超小型電子デバイスの製造で種々の湿式/乾式の処理方法が用いられる。マイクロエレクトロニクス産業は、種々の形状のシステムを利用しており、このような湿式/乾式の処理方法が実施される。このようなシステムには、色々なスプレー処理ツールの形式がある。一般的に、スプレー処理ツールは、一連の1つ以上のステップの1つまたはその組み合せのいずれかにおいて、1つ以上の化学薬品、洗浄液体および/または気体が、1つ以上のウエハにスプレーされるツールである。これは、処理中に複数のウエハが液体槽内に浸漬けされるウエットベンチツールと対比される。
【0003】
一般的なスプレー処理ツールでは、ウエハがターンテーブル、チャックまたは同等物等の回転プラテン上に1つ以上のウエハが支持されながら、このウエハに流体がスプレーされる。スプレー処理システムの例としては、ミネソタ州のチャスカに在所するFSIインターナショナル社から市販されているマーキュリー(登録商標「MERCURY」)またはゼタ(登録商標「ZETA」)のスプレー処理システム、モンタナ州のカリスペルに在所するセミツール社から市販されているセプター(登録商標「SCEPTER」)またはスペクトラム(登録商標「SPECTRUM」)、及びオーストラリアのSEZAG/から販売呼称SEZ323として売られているスプレー処理システムがある。
【0004】
スプレー処理ツールの一般的な使用方法には、1つまたは複数のウエハを乾燥させた後、ウエハを最初に、1つ以上の湿式処理(たとえば、化学薬品処理および/または洗浄処理)を受けさせる処理ステップを含んでいる。たとえば、従来の洗浄/乾燥手順は、処理室内の回転ターンテーブル上に支持された1つ以上のウエハの積層体に洗浄液をスプレーすることを含む。洗浄作業が停止され、そして、洗浄液を送り出す配管によって、洗浄液が処理室内にパージされる。乾燥ガスが、同一の配管または異なる配管を通ってウエハを乾燥するために処理室内に導かれる。
【0005】
特定の処理方法の効果を達成する1つの方法は、処理方法に従う処理に続いて、ウエハに加えられる粒子の量を測定することである。加えられた粒子の数(即ち、加えられた粒子=処理後の測定粒子−処理前の測定粒子)ができるだけ少ないことが望ましい。
【0006】
いくつかの処理方法が、処理パラメータの比較的狭い範囲内で付加された粒子に対して、よく実行される。たとえば、従来の洗浄/乾燥方法は、洗浄液が特定の温度範囲内(たとえば、適度に温かい)にあるとき、絶えず付加された粒子が少なくなるように実施される。
また、この同一の処理方法は、洗浄液が、このような範囲外の温度(たとえば、洗浄液が低温か高温である場合)であるとき、付加される粒子が不当に多いおよび/または一定でないことにより影響を被る。この温度の制限は、このような方法の実際の有効性を制限する。
【0007】
たとえば、洗浄液がより高温であればあるほど、洗浄が進みかつ乾燥が早まるので、高温の洗浄液は、サイクルタイムを減少させるのに最適である。さらに、温度に敏感な基板を処理するために、より低温の洗浄液を用いることができるかもしれない。要するに、従来の洗浄/乾燥手順は、付加される粒子に対して、また、しばしば処理の柔軟性を犠牲にして、不当に温度感受性を有する傾向にある。
【0008】
超小型電子デバイスの形状が、益々小さくなるので、付加される粒子による寸法の制限は、益々厳しいものとなっている。たとえば、より大きな形状に対して、寸法仕様で150mm以上の付加粒子をモニターすること(このような仕様は、「粒子>150mm」または別の同様な基準)とし呼ぶ。)は、受け入れ可能な素子の品質を確実にするのに十分である。しかし、小さい形状に対して、粒子>90mm、または>65mm、またはさらに小さい粒子をモニターすることも望ましい。いくつかの従来の洗浄/乾燥手順は、強制的ではないモニターが実施されるが、付加される粒子が小さい場合のモニターは、できるだけ多くの実施が望ましい。
【0009】
それゆえ、マイクロエレクトロニクス産業において、付加される粒子がより小さい場合、湿式/乾燥の処理方法が連続的に実施されることが望ましい。特に、この領域では、より厳しい監視基準、たとえば、>90mm、>65mm、または同等の粒子サイズが付加されるときでさえ、より温度に無感応なアプローチおよび/またはより小さな付加される粒子の供給に対して、絶え間ない要求がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、1つ以上のウエハを処理するとき、1つ以上の湿式液体処理(特に、洗浄)及び乾燥処理の手順を実効するための、改良された技術を提供する。特に、本発明は、従来の湿式/乾式手順を監視する付加的粒子を激的に減少させる方法で、湿式処理から乾式処理に移行する完成された1つの方法を提供する。本発明は、この処理の移行の性質は、付加される粒子性能に影響を与えるということができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、特に、スプレー処理ツールにおける洗浄/乾燥方法を実行するのに役立つ。本発明は、1つ以上のウエハがツールから取り除かれた後、スプレー処理ツールで実施される、最終のリンス処理とそれに続く乾燥処理の間の移行手順を少なくとも実行するように、最適に実施することができる。実際、我々は、本発明のスプレー処理ツールにおいて、独立型のリンス/乾燥処理を用いるとき、300mmのウエハ上で65nmより大きいサイズを有する粒子に対する付加された粒子データを与えた。これを説明するデータに対して、以下で論じられる、図2a、2b、3a、3bを見てほしい。
【0012】
付加される粒子に対する激的に改良された性能は、観察された利益のみではない。我々は、付加された粒子による処理性能が洗浄液の温度にあまり関係しないという重要な利益を見出した。即ち、付加した粒子に関する改良された性能は、洗浄液が低温、周囲温度、暖かい、または高温であるかに係わらず得ることができる。付加される粒子を不当に増加させることなく、洗浄媒体が液体として存在するように、所望温度で実際に洗浄するための能力は、洗浄および乾燥方法に対する柔軟性を与える。この方法は、処理されるべきウエハの種類と同様に用いることができる。この利点は、比較的狭い温度範囲内の洗浄液に対してのみ最適な性能を与える従来の方法論とは全く対照的である。
【0013】
高温の洗浄液を用いると、付加される粒子を大いに増加させる過度の危険がない、いくつかの実施形態において、より早いサイクル時間が高温の洗浄液(たとえば、60℃〜100℃)でリンスすることにより達成することができる。
単純に、より高温の洗浄液は、より早く蒸発する恐れがあり、また、より高温の液体で洗浄されるウエハは、より低温の液体でウエハを洗浄する場合よりも、より迅速に乾燥させることができる。さらに、より高温の洗浄液は、処理室を加熱するために用いることができ、また、ウエハ及び処理室を乾燥させるのに必要とされる時間を減少することができる。たとえば、暖かい水(35℃)を用いる方法では、乾燥時間が400秒(6.7分)必要とする。高温の洗浄液(85℃)を用いると、この場合、乾燥時間は、4.5分に減少し、付加される粒子をニュートラルに保つことができる。
【0014】
本発明は、少なくとも部分的に、付加される粒子が、湿式処理、たとえば、リンスから乾燥処理に移行する処理方法によって生じるという問題の実際的かつ技術的な解法に基づいている。従来の処理では、たとえば、ウエハがリンスされ、そして、このリンスラインにより洗浄処理室内を浄化し、ウエハが乾燥される方法を含んでいる。理論によって縛られることを望むものではないが、このようなガードのない、生のパージングは、付加される粒子の問題となると考えられる。リンスラインが処理室を浄化するとき、洗浄液のミストまたは噴霧が生じることが認められる。比較的狭い温度範囲にわたりこの噴霧状態は、乾燥するウエハの表面に細かい水滴を生じされる。これらの水滴は、光点欠陥(light point defects)として、それゆえ、付加される粒子として検出される。付加される粒子の数は、より小さい粒子、たとえば、サイズにおいて、約90nm以下の粒子に関して最大となる傾向にある。要するに、従来の方法に従う、ガードされない、生のパージング液は、付加される粒子の源となり、この付加される粒子の数は、浄化液体の温度に大いに影響される。
実施形態の一例において、本発明は、サックバック(suckback)機能、好ましくは、吸引を介して少なくとも一部の配管に戻す機能を包含する。この配管を介して、処理液、特に、洗浄液が処理室内に分配される。これにより、処理室内の液体の第一の流れ、即ち、噴霧が停止された後、処理室内の浄化を介して完全に処理液が取り除かれるよりもむしろサックバックを介して、残留液体の少なくとも一部が、取り除かれるように、対応する供給ライン内に残留することを可能にする。残留洗浄液の少なくとも一部をサックバックすることにより、より少ない量の噴霧またはミストが発生し、ウエハ表面に衝突することができる。
【0015】
また、理論に縛られるものではないが、できるだけ早くウエハ表面を乾燥させるために、ウエハ表面はスポッティングに対して傷つきやすい。さらに、より早い乾燥は、この傷つきやすさが増加する傾向にある。それゆえ、パージングが生じるにつれて、ウエハ表面が乾燥または部分的に乾燥するとき、パージングは、付加される粒子によって、より問題が生じやすくなる。このような問題は、たとえば、1つ以上のウエハがパージング中に処理室内で回転するとき、特に現れる。ウエハの回転動作は、パージングを完了させる時間よりも短い時間で乾燥または乾燥を開始する傾向がある。言い換えれば、パージングは、乾燥よりもより時間がかかる。パージングを続けると、パージングに関連してミスト/噴霧が、かなり乾燥したウエハ表面に接触する時間がやってくる。その結果、パージングのサイクルが長くなればなるほど、回転するウエハの表面が傷つきやすくなる。
【0016】
また、本発明は、1つ以上の液体供給源が処理室内にパージされ、一方、1つ以上の他の液体供給源が、ウエハ表面を湿らすのに用いられる。前者のラインがパージされると、後者のラインが残留液体を吸引して空になったのち、この後者のラインを通る流れが停止される。本発明は、必要ならば、処理室内で生じる少なくともいくつかのパージングが可能であり、一方、1つ以上のウエハが、湿気を帯び、さらに、パージングを伴う傾向にある噴霧またはミストから保護される。
【0017】
代わりに、吸引機能が供給ラインを通過する全ての残留液体を取り除くのに用いられるならば、湿式処理から乾燥処理への移行において、処理室へのパージングを完全に避けることができる。
【0018】
このように、上記で思考した実施形態では、洗浄処理の少なくとも終了時に、液体供給ライン内の残留液体の少なくとも一部が、処理室内に直接パージされないが、異なる通路を介して装置から取り除かれる。吸引は、このような残留液体を取り除く、除去エネルギーを供給する1つの方法である。適当なバルブ、付加的配管、および/または同等物を用いる他の除去方法として、たとえば、複数のラインから1つの目標点、たとえば、処理室内に直接向かうよりも他のドレインまたはリサイクルへ残留液体を排出するために、圧力を用いることを必要とする。
【0019】
現在またはこの後で知られる従来のシステムが、残留液体、特に、洗浄液を処理室内にパージする際、本発明に従う吸引機能を用いることにより利益を得ることができることを理解できるであろう。
【0020】
他の実施モードにおいて、本発明は、残留処理液体の少なくとも一部、特に洗浄液が、処理室内にパージされない処理方法を提供する。その代わり、処理液の残留部分は、1つ以上のウエハが処理室から除去されるまで、対応する供給ライン内に留まる。ウエハが処理室から取り除かれた後、残留する処理液は、処理室内に吸引または安全にパージされる。
【0021】
また、本発明は、1つ以上の液体供給ラインが、処理室内にパージされるとともに、1つ以上の他の供給ラインがウエハ表面を湿らすのに用いられる。前者のラインがパージされた後、後者のラインを通過する流れは、これらのラインのパージまたは吸引に続いて、ウエハが取り除かれる後で、停止することができる。本発明のこの構成は、所望ならば、少なくともいくつかのパージングを、処理室内に生じさせることを可能し、一方、ウエハ表面が既に湿りを帯び、そして、パージングに伴って起こる噴霧またはミストから保護されることが重要である。
【0022】
代わりに、供給ライン内の残留液体のすべてを、単純にそのままの状態に残すならば、処理室内のパージングは、湿式処理から乾燥処理への移行において、完全に避けることができる。
【0023】
1つの実施形態によれば、本発明に従って超小型電子基板を処理するためのシステムは、処理中、1つ以上の超小型電子基板が配置される処理室と、この処理室内に配置された前記基板上に流体が分配される流体分配通路と、この流体分配通路内に残留する液体の少なくとも一部が、前記1つ以上の基板上に直接、少なくとも前記残留液体の一部を除去することなく、前記流体分配通路から引き出されるように、前記流体分配通路に流体連通する流体除去通路とを含んでいる。
【0024】
別の構成によれば、本発明に従うスプレー処理システムは、処理中、1つ以上の超小型電子基板が配置される処理室と、この処理室と流体連通する流体分配システムとを含んでいる。この流体分配システムは、前記処理室内に位置決めされた前記基板上に流体が分配される流体分配通路と、この流体分配通路内の残留液体の少なくとも一部が、前記1つ以上の基板上に直接、少なくとも前記残留液体の一部を除去することなく、前記流体分配通路の少なくとも一部から引き出されるように、前記流体分配通路に流体連通する流体除去通路と、前記流体分配通路及び前記流体除去通路に流体連通し、流体バイパス通路を介して気体が流れるとき、前記流体分配通路及び前記流体除去通路の少なくとも一部に真空が供給されるように、流体連通する前記流体バイパス通路と、を含んでいる。
【0025】
また、別の構成によれば、本発明に従う、1つ以上の超小型電子基板を処理する方法は、処理室内に1つ以上の超小型電子基板を配置し、前記処理室内に液体を分配するとともに、流体分配通路を介して1つ以上の前記基板上に液体を分配し、前記液体の分配を停止して、ある量の残留液体を前記流体分配通路内に留め、前記残留液体の一部が前記基板上に直接パージされないように、前記流体分配通路から前記流体除去通路を通って前記残留液体の少なくとも一部を除去させる、各ステップを有している。
【0026】
また、別の構成によれば、本発明に従う、1つ以上の超小型電子基板を処理する方法は、処理室内に1つ以上の超小型電子基板を配置し、前記処理室内に第1液体を分配するとともに、第1流体分配通路を介して1つ以上の前記基板上に第1液体を分配し、前記処理室内に第2液体を分配するとともに、第2流体分配通路を介して1つ以上の前記基板上に第2液体を分配し、前記第1液体の分配を停止して、ある量の残留液体を前記第1流体分配通路内に留め、前記第2液体の分配を生じさせながら、前記第1流体分配通路から処理室内にパージし、残留液体が前記第2流体分配通路内に残留するように、前記第1流体分通路でのパージを停止して、前記第2流体分配通路内の液体残留量の一部が、基板上にパージされないように、前記第2流体分配通路内の前記液体残留量の少なくとも一部を、流体除去通路を介して取り除く、各ステップを有している。
【0027】
さらに、別の構成によれば、本発明に従うスプレー処理システムは、処理中、1つ以上の超小型電子基板が配置される処理室と、流体が前記処理室内に配置された基板上に分配される流体分配通路と、前記流体分配通路から流体が迂回するための流体バイパス通路と、前記流体分配通路と前記流体バイパス通路とを結合する第1バルブと、前記第1バルブが通常状態時にあるとき、前記流体バイパス通路から比較的下流に位置する流体除去通路と、前記流体分配通路に前記流体除去通路を結合する第2バルブとを備えている。
【0028】
前記第1バルブは、通常時、流体分配通路を通って流体が流れ続けるように開成され、かつ前記流体分配通路から流体バイパス通路への流体の流れを阻止するように閉成され、また、作動時、前記流体分配通路を通って下流への流体の流れを阻止するように閉成され、かつ前記流体分配通路から流体バイパス通路への流体の流れを可能にするように開成されるようになっている。
【0029】
前記第2バルブは、通常時、流体分配通路を通って流体が流れ続けるように開成され、かつ前記流体分配通路から流体除去通路への流体の流れを阻止するように閉成され、また、作動時、前記第2バルブと前記処理室との間の前記流体分配通路の少なくとも一部と、前記流体除去通路との間で流体連通を可能にするように、第2バルブが開成される。
【0030】
本発明の上記構成および他の利点、及びそれらを達成する方法は、添付の図面と共に、次に続く例示的な実施形態を参照することで容易に理解できよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に記載する本発明の実施形態は、次に続く詳細な記載に開示された正確な形態により、本発明を余すとことなく表現し、また、本発明を制限することを意図するものではない。むしろ、これらの実施形態は、当業者が本発明の原理およびプラクティスを評価するとともに理解するためのものである。
【0032】
図1は、本発明の原理を表わす例示であり、ミネソタ州のチャスカに在所するFSIインターナショナル社から市販されているマーキュリー(登録商標「MERCURY」)またはゼタ(登録商標「ZETA」)のスプレー処理システム10のを洗浄および乾燥手段を包含している。これらのシステムは、200mm及び300mmウエハの両方を処理するために有効である。特に、洗浄及び乾燥手段は、好ましくは、以下で説明するように、洗浄処理から乾燥処理への移行過程中に、液体を吸引することができるような吸引機能を包含するように修正されている。ここに記載されるように洗浄及び乾燥手段のこのような修正を除いて、この例示的な実施例のシステム10が、市販されているマーキュリー(登録商標「MERCURY」)またはゼタ(登録商標「ZETA」)のスプレー処理システムと同一のものであり、又このようなシステムの他の従来例の構成要素は、簡略化のために示されていない。
【0033】
システム10は、処理室18を囲むハウジング14及び蓋16を含むスプレー処理ツール12を有する。液体および/または気体が、蓋16の下方に伸びている中央スプレーポスト20を介して処理室18内に導入される。中央スプレーポスト20を通る材料の導入中央スプレーポスト20から処理室18内に向かう矢印で概略的に示されている。回転可能なターンテーブル24がシャフト32によってモータ34に連結され、このターンテーブル24は、シャフト32回りの矢印で示されるように、シャフト32の軸回りに回転可能である。
ポスト26は、1つ以上のキャリア28を支持するようにターンテーブルから伸びており、このキャリア内にある1つ以上のウエハ(図示略)が処理工程中保持される。回転可能なターンテーブル24と1つ以上のポスト26は、別の通路を備えており、液体および/または気体が、ターンテーブルの上部から処理室18内に向かう矢印によって示されるように、処理室18内に導入される。ロータリーユニオン継手36が、カップリングによってモータ34に流体連結されており、供給源から処理室18内の回転環境に液体および/または気体を配給するのに役立つ。
ロータリーユニオン継手36の最適な実施形態は、ベンソン(Benson)他の名前で、「ロータリーユニオン継手、流体配給システム及びその方法(Rotary Unions,Fluid Delivery System, and Related Methods )」と名付けられた、同一譲受人の関連出願に記載されている。1つ以上のサイドボウルスプレーポスト22が処理室18内に配置され、このスプレーポストから処理室18内に向かう矢印で示されるように液体および/または気体が処理室内18に導入される。
【0034】
上記特定の実施形態に示すように、洗浄液及び乾燥ガスが、中央スプレーポスト20、ターンテーブル24/支持体26、および/またはサイドボウルスプレーポスト22を通って処理室18内に導入される。他の薬品ライン39として概略的に示された1つ以上のラインを介して中央スプレーポスト20を通って、他の処理液体および/または気体の処理薬品が、処理室18内に必要であれば導入することも可能である。
【0035】
吸引機能を包含する洗浄及び乾燥手段の好ましい実施形態が、より詳細に説明される。脱イオン水が、1つ以上の水供給源(図示略)から供給ライン40を介してシステム10に供給される。この脱イオン水は、超小型電子産業における好ましい実施に従って、好ましくはろ過され、そして、浄化される。ろ過と浄化手段(図示略)は、システム10内に包含またはその外部に配置することができる。
【0036】
供給ライン40から、洗浄液がライン41a、41b、及び41cを介して中央スプレーポスト20に運ばれる。窒素等の1つ以上の気体が、供給源(図示略)からライン42a、42b、及び41b、41cを介して中央スプレーポスト20に供給される。ライン41a、41b、41c、及び42a、42bを介して中央スプレーポスト20への液体及び気体の流れが、バルブ44,46、及び48によって制御される。図示されるように、バルブ44は、期待の流れに対しては、常閉状態にあり、また、期待をライン42aからライン42bに流れるように作動する。
バルブ46は、ライン42bからライン41bへの液体の流れに関しては、常開状態にあるが、ライン41aからライン41bへの液体の流れに関しては常閉状態にある。弁46が作動するとき、液体は、このバルブを介して流れることができが、気体の流れは阻止される。
バルブ48は、ライン41bからライン41cを介して中央スプレーポスト20へのの液体または気体の流れを制御するか、さもなければ、液体および/または気体の流れを変更する。この場合、ライン52を介してドレイン50へ流れる。バルブ48は、ライン41bからライン41cへの流体の流れを可能にするように常開状態にある。動作時に、バルブ48は、チェックバルブ51を通る流体の流れをライン52を介して変更する。チェックバルブ51は、このような流体を受け入れるために設計された1つ以上の他の構成部品に連結することができる。図示するように、チェックバルブ51は、ドレイン50に連結され、そして、ドレイン50からバルブ48に戻る液体(または気体)の流れを阻止する。
【0037】
供給ライン40から、洗浄液が、ライン42a、42b、42c、及び42dを介してサイドボウルスプレーポスト22に供給される。窒素等の1つ以上の気体が、供給源(図示略)からライン56a、56b、そして、ライン52b、52c、及び52dを介して、サイドボウルスプレーポスト22に供給される。この気体供給源は、中央スプレーポスト20に気体を供給する供給源と同一または異なるものとすることができる。ライン52b、52c、及び52dを通る気体および/または液体の流れは、それぞれライン60またはライン62を介して吸引器58へ変更することができる。吸引器58から、流体は、ライン66を介してチェックバルブ64を通って流れる。チェックバルブ64は、このような流体を受け入れるように設計された、1つ以上の他の構成部品に連結することができる。図示するように、チェックバルブ64は、ドレイン67に連結され、そして、ドレイン67から吸引器58に戻る液体(気体)の流れを阻止する。ドレイン67は、ドレイン50と同一または異なるものとすることができる。
【0038】
本発明に従うスプレー処理システムは、少なくとも1つの流体供給ラインに関して処理液を除去する機能を備えていて、全ての液体をスプレー処理ツールの処理室にパージすることなく、流体供給源からの処理液の少なくとも一部を取り除くことができる。吸引器58は、ベルヌーイの原理を利用する共通型のデバイスであり、このような除去機能を与えるのに役立つ。システム10の場合のような気体としての流体が、デバイス内で緩やかな締め付け状態になるとき、流体の速度が増加する。これは、圧力を低める。
言い換えれば、バルブ72,74を適当に設定して真空が得られると、サイドボウルスプレーポスト22からの液体を吸引、即ちサックバックして別の場所、たとえば、ドレイン67を介して排出する場所に運ぶために利用することができる。洗浄および乾燥処理手順の関係で達成するための代表的な実施形態が、以下に記載されている。
【0039】
最適な吸引器の例が商業的に利用可能なものとしてある。本発明に好適な1つの例示的な吸引器は、アメリカ合衆国、ミネソタのチャスカに在所する、エンテグリス社(Entegris Inc.)から市販されている商業的記号(登録商標GALTEX)の下で使用可能である。
【0040】
サイドボウルスプレーポスト22への流体の流れは、バルブ68,70,72及び74によって制御される。バルブ68は、気体の流れに関して常閉状態にあり、ライン56bを介してライン56aからバルブ70に気体を流すように作動する。バルブ70は、ライン56bからライン52bに気体を流すことができるように常開状態にあるが、ライン52aからライン52bへ液体の流れに関しては常閉状態にある。バルブ70が作動すると、このバルブを介して液体が流れるが、気体の流れは阻止される。
バルブ72は、流体、気体および/または液体をライン52bから吸引器58にライン60を介して変更するために用いられる。通常の状態では、バルブ72は、ライン52bからライン52cに流体が流れるように設定されている。バルブ72が作動するとき、流体は、ライン52bからライン60に流体の流れが変更される。バルブ72は、緩衝器76を備えており、バルブ72の通常状態への戻りを遅らせ、ライン56bおよび/またはライン52bに存在する過剰の気体圧力が、処理室18に入らないように(以下で詳述する。)、吸引器58、ライン60,66を介して、ドレイン67に解放される。バルブ74は、このバルブ74がどのように設定されていようとも、ライン52c、52dから吸引器58へライン62を介して流体を変更/吸引するのに用いられる。
【0041】
このバルブの通常状態では、バルブ74は、ライン52cからサイドボウルスプレーポスト22へライン52dを介して流体が流れるように設定されている。作動時、ライン52c、52dおよびサイドボウルスプレーポスト22は、ライン62と吸引器58と流体連通状態にある。それゆえ、たとえば、バルブ68,72および74が、破線86によって概略図示されるように同時に作動すると、バルブ72を介してライン56a、56b、52bおよび60を通って吸引器58に流れる気体は、ライン52c、52d、62、およびサイドボウルスプレーポスト22に、真空、即ち吸引作用を作り出す。その結果として、ライン52c、52d、62、およびサイドボウルスプレーポスト22内の液体は、真空作用により吸引器58を介して吸引される。ライン52c、52d、62、およびサイドボウルスプレーポスト22内の液体の吸引後で、バルブ68,72および74は、緩衝器76によって与えられる遅れを受けながら、同時に通常状態に戻ることができる(破線86で図示するように)。
【0042】
バルブ72上の緩衝器76は、通常状態へのバルブ72の戻りを遅らす時間の遅延を与えるように設定されている。この場合、ライン56bおよび/または52bに存在する過剰な気体圧力がライン52c、52d及びサイドボウルスプレーポスト22を介して処理室18内に入らないように、吸引器58およびライン60,66を介してドレイン67に解放される。ライン56bおよび/または52b内の過剰の気体圧力が、ライン52c、52dおよびサイドボウルスプレーポスト22内に向けられる場合、バルブ72,74は、通常状態に戻ると、ライン52cおよび/または52dおよび/またはサイドボウルスプレーポスト22内に存在する残留液体は、過剰圧力からミスト/噴霧の短いバーストを形成し、処理室18内に放出される。
この結果、このようなミスト/噴霧は、処理室18内の乾燥ウエハに接触し、またウエハに粒子が付着する、特に、乾燥ウエハがミスト/噴霧に対してより影響を受けるので、望ましくない。破線86は、バルブ68,72及び74が通常状態に戻る時、バルブ72の戻りを遅らせる緩衝器の影響を受けながら、バルブ68,72、及び74が一緒に作動することを概略示している。
【0043】
上述したように、回転可能なターンテーブル24及び1つ以上のポスト26は、別の通路を提供し、これにより、液体および/または気体が処理室18内に導入される。たとえば、図示刷るように、供給ライン40から、洗浄液が、ターンテーブル24及び支持ポスト26にライン78a及び78bを介して配給され、そして、窒素等の1つ以上の気体が供給源(図示略)からライン80a及び80bを介して、さらにライン78bを介して、ターンテーブル24及び支持ポスト26に供給される。気体供給源は、中央スプレーポスト20および/またはサイドボウルスプレーポスト22に気体を供給する供給源と同一または異なるものとすることができる。ライン78a、78b、80a、及び80bを通ってターンテーブル24及び支持ポスト26への液体及び気体の流れは、バルブ82、84によって制御される。バルブ82は、図示するように、気体の流れに関しては常閉状態であり、また、ライン80aからライン80bに気体が流れるように作動する。バルブ84は、ライン80bからライン78bに気体が流れるように常開状態にあるが、ライン78aからライン78bへの液体の流れに関しては常閉状態にある。バルブ84が作動すると、液体は、バルブ84を介して流れ、一方、気体の流れは阻止される。
【0044】
バルブ44,46,48,68,70,72,74,82および84は、いずれの形式でもよく、または空気圧、電気、及び同等の何れの制御形式の組み合せでも良い。空気圧の制御形式の実施形態が、好適であり、それは、薬品、化学ガス、及びウォッシュダウンを含む厳しい環境下で仕様されるよりより信頼性のあるものだからである。これらものは、ミネソタ チャスカ 及びカルフォルニア、サンジョゼ、セインゴバインに在所するエンテグリス社(Entegris Inc.)等の市販の供給源の広い範囲から利用可能である。
【0045】
洗浄液は、中央スプレーポスト20、サイドボウルスプレーポスト22、またはターンテーブル24/支持ポスト26の何れか1つまたはそれ以上のものに対して、従来の実例に従って、また、ここに記載のように、上記に引用された関連出願に記載されるように、合理的と思われる、供給速度及び温度で供給することができる。流速及び温度は、多くの要因に基づいており、これらの要因には、実行される方法の性質、処理されるウエハの性質、仕様される装置の形式及び同等物の性質を含んでいる。マーキュリー及びゼタのスプレー処理システムは、FSIインターナショナル インコーポレイテッドから市販されており、一般的な洗浄液の流速は、洗浄液が凍結または沸騰する温度を避けた所定の温度で、2リッター/分〜12リッター/分の範囲である。この液体が加熱および/または冷却される場合、液体を加熱または冷却するための最適装置(図示略)は、システム10内および/またはシステム10外に包含することができる。
【0046】
システム10は、1つ以上の処理工程中に、サイドボウルスプレーポスト22に適用されるサックバック機能を可能にする。このような機能は、有利かつ好ましいものであり、少なくとも洗浄処理の一部、特に、洗浄から乾燥が行われる移行段階の洗浄処理の端末部分で行われる。このような移行の少なくとも一部でサックバック機能を適用させることにより、一定でかつ中性の付加粒子を与えることを見出した。
このような実行は、次のウエハ処理に付加され、特定の処理法の効果が評価される1つの方法である。
【0047】
一般的に望ましいことは、付加される粒子の数が、できるだけ少なくて一定であることである。従来の方法を用いると、このような結果は、比較的狭い範囲内の温度で、洗浄液を用いることを除くと、達成することが難しい。非常に小さい付加粒子、たとえば、寸法が約90nmである粒子が望ましい。本発明の実例では、付加される粒子に対する性能が改善される。これは、さらに、以下の実例で説明し、かつ図2a、図2b、図3a及び図3bで図示されている。
【0048】
システム10に関して図1に示されるように、吸引器は、サイドボウルスプレーポスト22に関して吸引能力を与えるように、サイドボウルスプレーポスト22に導く配管内にのみ包含される。他の実施形態では、同様の吸引能力が、サイドボウルスプレーポスト22に対して、付加的にまたはその代わりに与えられる、中央ポスト20および/またはターンテーブル/支持ポスト26に導く配管に対して与えることができる。
【0049】
図1のシステム10に用いる本発明の実例の代表的なモードは、吸引機能が洗浄から乾燥への移行中に実施されることが記載されている。第一の局面では、一般的な洗浄及び乾燥手順が、設定用バルブ44,46,48,68,70,72,74,82及び84を含み、中央ポスト20、サイドボウルスプレーポスト22、及び選択的に、ターンテーブル24/支持体26を通って、ウエハ上に洗浄液が供給される。特に、バルブ46,70及び84は、作動し、そして、他のバルブは、通常状態にある。水の洗浄液は、0℃〜100℃の範囲の温度である。他の種類の洗浄液は、一般的に、氷点以上の温度であるが、沸騰点以下である。中央スプレーポスト20を通過する一般的な洗浄液の流速は、5〜8リッター/分(lpm)の範囲にある。サイドボウルスプレーポスト22を通過する洗浄液の一般的な流速は、8〜13 lpmの範囲である。ターンテーブル24及び支持体26を通過する一般的な洗浄液の流速は、8〜13 lpmの範囲である(洗浄液及びその流速は、ターンテーブル24及び支持体26に一緒に供給される)。ターンテーブル24は、5rpm〜500rpmの範囲におけるこのような洗浄中、1つ以上の速度で回転させることができる。この方法での洗浄は、10分間に対して30秒等の所望の時間間隔で続けることができる。
【0050】
次の段階では、ウエハがサイドボウルスプレーポスト22を介して湿気を帯び続けている間、中央スプレーポスト20、ターンテーブル24、および支持体26は、パージされる。バルブ44が作動しかつバルブ46,48が通常状態にあると、加圧されたパージ用気体は、残留液体を、ライン41b、41cおよび中央スプレーポスト20から処理室18内に放出させる。バルブ82が作動しかつバルブ84が通常状態にあると、その結果、加圧されたパージ用気体は、残留液体を、ライン78b、ターンテーブル24、及び支持体26から処理室18内に放出させる。ウエハがサイドボウルスプレーポスト22を通過する洗浄液の流れによって十分に湿気を帯びると、パージングによってウエハ表面上に不当な水のスポットを生じさせる危険が大いに減少する。
【0051】
種々のパージ用気体が用いられる。代表的な例は、窒素、炭酸ガス、及びこれらの組み合せ及び同等物が含まれる。パージング気体は、一般的に、10〜40psiの圧力で、20〜30℃の温度で、2〜10scfmの流速で供給される。
【0052】
次の段階では、中央スプレーポスト20、ターンテーブル24、および支持体26を通過するパージングが停止され、一方、洗浄液が、サイドボウルスプレーポスト22を通って流れ続ける。これは、バルブ44,46,48が通常状態にあることによって達成され、中央スプレーポスト20への気体または液体の流れがなく、またバルブ82,84が通常状態にあることによって、ターンテーブル24及び支持体26を通過する気体または液体の流れも生じない。この段階は、好ましくは、短い時間間隔、たとえば、1〜20秒間、続き、その結果、この段階と次の段階の間で僅かに遅延が生じる。もし所望であれば、(バッファー時間が他の処理作業を達成するのに用いられる場合)、より長い時間間隔を用いることができる。しかし、より長い遅延がサイクルタイムを不必要に長くする。
【0053】
次の段階では、サイドボウルスプレーポスト22を通過する洗浄液の流れが停止され、そして、吸引が開始されて、残留する洗浄液がドレイン67に吸引及び放出される。これを達成するために、バルブ68,72及び74が作動し、バルブ70が通常状態にある。その結果、サイドボウルスプレーポスト22を通過する液体の流れが停止する。好ましくは、この流れは、できるだけ速く停止させる。停止時間が増加すると、水のスポッティング及び付加される粒子が増加するからである。さらに、ライン56a、56b、52b、及び吸引器58、ライン66、チェックバルブ64を通過するパージング気体が、ドレイン67に流れる。これにより、サイドボウルスプレーポスト22、ライン、52c、52d、62内に真空を作り出し、残留液体をドレイン67へ排出するのに役立つ。
【0054】
乾燥段階がここで生じる。スプレー処理器内の1つ以上のウエハを乾燥させる好適な方法が、この点で、たとえば、処理室18内でウエハをスピン乾燥する時点で使われる。また、選択的に、乾燥気体を処理室18内に放出する(たとえば、乾燥気体を直接ウエハの表面に適用する)。たとえば、乾燥段階は、設定用バルブ44,46,48,68,70,
72,74,82及び84を含み、1つ以上の中央ポスト20、サイドボウルスプレーポスト22、及びターンテーブル24/支持体26を通過してウエハ上に乾燥気体を放出する。特に、バルブ46,48,70,72,74及び84は、通常状態(すなわち、不作動状態)にあり、また、バルブ44,68及び82も通常状態にある(注目、この乾燥段階において、上述したバルブがパージング段階にあるとき、バルブ72及び74は、バルブ68と共に作動しない。)。種々の乾燥気体が用いられる。代表的な例では、空気、窒素、炭酸ガス、アルゴン、イソプロピルアルコール、及びこれらの組み合せあるいは同等物を含む。この乾燥気体は、10〜40psiの圧力で、20〜30℃の温度で、2〜10scfmの流速で供給することができる。
【0055】
また、上述したように、スピン乾燥を単独でまたは乾燥気体を付加した組み合せで用いることができる。たとえば、スピン乾燥は、5rpm〜500rpmの範囲にある1つ以上の速度で回転するターンテーブルを含むこともでき、一方で、1つ以上の中央ポスト20、サイドボウルスプレーポスト22、及びターンテーブル24/支持体26を通過してウエハ上に乾燥気体を放出することができる。この方法による乾燥は、約5分間に対して所望の時間間隔で続けることができる。
【0056】
本発明は、次の例示に関してさらに説明される。
【0057】
実施例Aと実施例1〜3の比較方法
比較される実施例A及び実施例1〜3において、新しい、300mmの生の試験用シリコンウエハが、用いされる。ウエハは、最初、搬送用コンテナーから取り除かれ、次に、クリーンルーム内に試験用ウエハを輸送するFOUPにロードされる。このFOUPは、全体で25個のウエハスロットを含む。試験用ウエハは、第1、第13および第25番目のスロットに配置され、残りの22個のスロットにダミー用ウエハが満たされる。FOUP内で移動すると、ダミー用ウエハではなく試験用ウエハが、非パターン付けされたウエハ検査ツールを用いてウエハの欠点を測定することによって分析される。 この検査ツールは、モデル番号SP1−TBIを有し、カルフォルニア、サンジョゼのKLA テンコールから市販されている。第1,13,25番目のスロット内にある3つの試験用ウエハを検査するために、ウエハ検査ツールをプログラミングした後、FOUPは、ウエハ検査ツール内に移動され、そこで各試験用ウエハ(第1,13,25番目のスロット)がそれそれのスロットから取り除かれ、そして同時に分析される。試験用ウエハがFOUPから取り除かれた後、このウエハは、検査ツール内のスキャンニング室内に移動され、欠陥を見つけるために、レーザーがウエハを操作する。
【0058】
この計測学的システムは、ウエハ表面の全ての欠陥の位置及び大きさを報告する。この報告は、試験用ウエハの各々に対して、処理前に欠陥の「プレカウント」と名付けられる。スキャンニング後、ウエハを含むFOUPは、処理用のゼタスプレー処理機(登録商標「ZETA」)内に配置される。このゼタスプレー処理機は、25個のウエハをFOUPから、27個のウエハスロットを有するウエハ処理カセット内に移送する。2つの付加的なウエハスロットが、カセットの上部及び底部にあるカバーウエハのためのスロットを与える。この理由は、試験用ウエハの各々が、処理される間、上方に少なくとも1つのウエハを有し、下方に少なくとも1つのウエハを有することを確実にする。材料取扱システム内のロボットにより、FOUPから処理カセットにウエハが移動するとき、ウエハの順番が逆転する。
【0059】
それゆえ、FOUP内のスロット1から来るウエハは、処理カセット内の第26番目のスロット内に配置され、第13番目のウエハは、第14番目のスロットに行き、そして、第25番目のウエハは、スロット2に行くことになる。また、スプレー処理機は、ターンテーブルがウエハをスピンニングしている間、位置的な振動を減少させるためにバランスされている。このバランス動作は、回転するターンテーブル上の第一のカセットに対向して別のカセットを配置することによって達成される。25番目のウエハだけがFOUPから来ると、材料取扱システム内に貯蔵されている残りの2つのスロットがダミーウエハを載置する。2つのカセットが処理室内に載置されると、1つのカセット内に3つの試験用ウエハを含む2つの処理カセット間に分離された、全体で54個のウエハがある。これらのウエハは、メネソタ チャスカのFSIインターナショナル インコーポレイテッドから市販されている、ゼタスプレー処理機内の処理法を受ける用意ができることになる。
【0060】
比較される実施例A及び実施例1−3においてウエハを処理するのに用いられる方法は、ポストアッシングと呼ばれる洗浄処理法であり、この方法は、洗浄ステップによって分離された、2つの化学的段階を有する。第2の化学的段階は、最終の洗浄/乾燥ステップによって続けられる。第1の化学的段階は、硫酸及び過酸化水素の混合物である処理液を含む。この処理液は、一般的に、ピランハ(piranha)処理と呼ばれている。これらの薬品の割合は、硫酸4に対して過酸化水素1の割合である。混合すると、2つの薬品は、ほぼ80℃で発熱性反応の加熱溶液となる。この溶液が、処理室内のウエハ上に60rpmの速度でスピンニングされて分配される。この混合物は、240秒に対して約1lpmの流速で分配される。ピランハ処理に続き、ウエハ、処理室、配管が、約95℃の高温DI水、約17〜23℃の低温DI水、及び窒素ガスの種々の組合わせを用いて洗浄及び浄化される。
【0061】
この洗浄の目的は、次の薬品を分配する前に、システムからピランハ薬品の形跡を完全に取り除くことである。最後の化学的段階は、水酸化アンモニウム、過酸化水素、及びDI水の混合物である処理液を含んでいる。この化学的段階は、一般的にSC1洗浄といわれている。このSC1混合物は、1分間につき約2リッターの全流速と、約55℃の温度で分配される。この混合物は、20〜300rpmの範囲にある速度でスピンニングされる処理室内でウエハ上に分配される。SC1段階において、薬品の全体露出時間は、約235秒である。SC1混合物のために化学的希釈は、一般的に、水酸化アンモニウム:1、過酸化水素水:2、DI水:42の割合である。SC1段階の完了により、ウエハは、最終の洗浄/乾燥ステップを受ける。
【0062】
比較的な実施例Aと実施例1−3では、最終の洗浄/乾燥ステップがそれぞれどのように実行されるかが異なる。一般的に、最終の洗浄/乾燥ステップの間、ウエハ、配管、及び処理室が洗浄され、かつ高温DI水、低温DI水、及び窒素の種々の組合わせで浄化される。最終の洗浄/乾燥ステップの終了により、DI水は、ウエハ、配管、及び処理室から完全に取り除かれ、そして、完全に乾燥される。これは、ゼタスプレー処理機の高速乾燥モードにおけるDI洗浄機能を停止して、窒素機能に切換えることによって成される。比較的な実施例Aと実施例1−3のための最終の洗浄/乾燥ステップ中での洗浄及び乾燥段階の移行は、以下に特定して記載する。一般的に、窒素ガスが、ターンテーブル/ポスト(即ち、処理室の乾燥用開口)及び中央スプレーポスト(中央噴霧用開口及び左側開口(即ち、ウエハ乾燥用開口))を介して、ゼタスプレー処理機の最終乾燥段階中に分配される。この最終乾燥段階の間、ウエハを5分間、約300rpmで回転させながら、ウエハ、配管及び処理室が乾燥される。最終のウエハ温度は、ゼタスプレー処理機の側壁に取付けられた複数のRTDを用いて測定される。
【0063】
最終乾燥が完了した後、ウエハは、処理室から取り除かれ、そして、FOUP内に戻される。次に、第1、第13、及び第25番目のスロット内の試験用ウエハは、非パターンウエハの検査ツールを用いて複数のウエハ上に欠陥を測定することにより再度分析される。この計測システムは、ウエハをスキャンし、そして、ウエハ表面上の全ての欠陥の位置及び大きさを報告する。この報告は、試験用ウエハの各々に対する処理後における欠陥の「ポストカウント」と呼ばれる。
【0064】
各ウエハに関して収集されてデータ(即ち、プレカウント及びポストカウント)は、真の付加値及びデルタ値として表わされる。真の付加値は、ポストカウントで報告された欠陥の数をカウントすることによって得られ、それは、プレカウント報告で観測されなかったウエハ表面上の新しい位置にある。たとえば、X−Y座標軸1,1及び2,2のそれぞれを有するウエハ表面上の位置において、2つの欠陥がプレカウントで報告されたとする。X−Y座標軸1,1、3,3、及び4,4を有するウエハ表面上の位置において、3つの欠陥がポストカウントで報告された場合、プレカウントで報告されなかった新しい位置を有するポストカウントで、2つの欠陥が報告されることになる。即ち、このデータに対する真の付加値は、2となる。
デルタ値は、各試験用ウエハに対して報告されたポストカウント値からプレカウント値を引き算して得られる。たとえば、試験用ウエハは、プレカウント値100とポストカウント値90を有すると、このウエハのデルタ値は、−10となる。
【0065】
比較例A
比較例Aに対して、48の処理実行が1つの実行につき3つの試験用ウエハを用いて実施された(即ち、全体で144の試験用ウエハ)。各処理実行中で、かつ上述したように、ウエハがSC1化学ステップに晒された後、ウエハは、従来の最終洗浄/乾燥ステップを受ける。この従来の洗浄/乾燥ステップは、低音のDI水(約20℃)を中央スプレーポスト及びサイドボウルスプレーポストを通ってウエハ上に分配される。中央スプレーポストを通過するDI水の流速は、約6〜10lpm(一般的に約8lpm)の範囲にあり、また、サイドボウルスプレーポストを通過するDI水の流速は、約10lpmである。複数のウエハは、ターンテーブル上で約60rpmで回転される。中央スプレーポストを通って分配されるDI水は、周囲温度でかつ約30〜35psiの圧力により、窒素ガスを3cfm用いて噴霧される。また、窒素ガスは、処理室の乾燥用開口を介して分配される。この洗浄(即ち、DI水の分配)は、30秒間続く。
【0066】
DI水の分配が終了した後、ターンテーブルが10rpmの速度でゆっくり回転する。中央スプレーポスト及びサイドボウルスプレーポストのウエハ乾燥用開口(即ち、左側開口)に導くラインに供給されるDI水は、90秒間窒素ガスを用いて処理室内にパージされる。また、窒素ガスは、処理室の乾燥用開口を通って分配される。90秒のパージ工程後、ターンテーブルの速度は、5分間300rpmに増加する。この5分間の間、ウエハ及び処理室が乾燥される。最終乾燥段階の終了時のウエハ温度は、周囲環境より約5℃上かまたは23℃であった。
【0067】
比較例Aに対するプレカウント及びポストカウントのデータは、図2a、2b、3a及び3bに示されている。図2aにおいて、ライン210の左側のデータは、48の試験実行(各実行は、スロット1,13、および25内にある3つのウエハに対する真の付加値の平均である)に対して65ナノメータより大きい寸法を有する「真の付加値」を示す。
【0068】
図2bにおけるライン220の左側のデータは、1つの実行に付き3つの全ての試験用ウエハに対する「真の付加値」の範囲を示す。たとえば、ウエハが20,25及び100の粒子を付加された場合、範囲は、120となる。
【0069】
図3aにおけるラインの左側のデータは、各実行に対して65以上の大きさを有する欠陥に対するデルタ値を示す。図3bにおけるライン320の左側のデータは、1つの実行に付き3つの全ての試験用ウエハに対するデルタ値の範囲を示す。従来の最終洗浄/乾燥に対するこのデルタ値は、付加される粒子の十分な範囲を示す。
【0070】
実施例1
各処理の実行に対し、上述したように、ウエハがSC1化学ステップに晒された後、ウエハは、本発明に従う最終の洗浄/乾燥ステップを受ける。比較例Aの最終洗浄/乾燥ステップにおいて、30秒間の洗浄工程(即ち、DI水の分配)は、洗浄液の温度がより低い場合を除いて、実施例1において実施される。最終洗浄及び最終乾燥との移行段階が、比較例Aの場合と異なる。30秒間の終了時点で、ターンテーブルは、60rpmで回転を続け、さらに、中央スプレーポストのウエハ乾燥用開口(即ち、左側開口)に導くラインに供給されるDI水が、窒素ガスを用いて85秒間処理室内にパージされるとき、DI水は、サイドボウルスプレーポストから分配され続ける。
また、窒素ガスは、処理室の乾燥用開口を通って分配される。85秒間のパージング動作の後、ターンテーブルは、ゆっくりと10rpmで回転し、サイドボウルスプレーポストに導くラインに供給されるDI水は、供給ラインにおける残留DI水を取り除くために吸引される。(即ち、サイドボウルスプレーポストに導くラインに供給されるDI水は、処理室内にパージされない)。サイドボウルスプレーポストを吸引した後、ターンテーブルの速度が、15分間300rpmに増加する。この15分間の間、ウエハと処理室が乾燥される。最終乾燥段階の終了時の温度は、低温のDI水がシステムに供給されるとほぼ同一で、17℃〜21℃の範囲で変化することができる。
【0071】
実施例2
各処理の実行に対して、上述のように、ウエハがSC1化学ステップに晒された後、ウエハは、本発明に従う最終の洗浄/乾燥ステップを受ける。比較例Aの最終洗浄/乾燥ステップにおける30秒間の洗浄(即ち、DI水の分配)は、実施例2において実施される。最終洗浄及び最終乾燥との移行段階は、比較例Aの場合と異なる。30秒間の終了時点で、ターンテーブルは、60rpmで回転を続け、さらに、中央スプレーポストのウエハ乾燥用開口(即ち、左側開口)に導くラインに供給されるDI水が、窒素ガスを用いて85秒間処理室内にパージされるとき、DI水は、サイドボウルスプレーポストから分配され続ける。また、窒素ガスは、処理室の乾燥用開口を通って分配される。
85秒間のパージング動作の後、ターンテーブルは、ゆっくりと10rpmで回転し、サイドボウルスプレーポストに導くラインに供給されるDI水は、供給ラインにおける残留DI水を取り除くために吸引される。(即ち、サイドボウルスプレーポストに導くラインに供給されるDI水は、処理室内にパージされない)。サイドボウルスプレーポストを吸引した後、ターンテーブルの速度が、5分間300rpmに増加する。この5分間の間、ウエハと処理室が乾燥される。最終乾燥段階の終了時の温度は、周囲環境から約5℃上か、または23℃であった。
【0072】
実施例3
各処理の実行に対して、上述のように、ウエハがSC1化学ステップに晒された後、ウエハは、本発明に従う最終の洗浄/乾燥ステップを受ける。比較例Aの最終洗浄/乾燥ステップにおける30秒間の洗浄(即ち、DI水の分配)は、実施例3において実施される。最終洗浄及び最終乾燥との移行段階は、比較例Aの場合と異なる。30秒間の終了時点で、ターンテーブルは、60rpmで回転を続け、さらに、中央スプレーポストのウエハ乾燥用開口(即ち、左側開口)に導くラインに供給されるDI水が、窒素ガスを用いて85秒間処理室内にパージされるとき、DI水は、サイドボウルスプレーポストから分配され続ける。また、窒素ガスは、処理室の乾燥用開口を通って分配される。
85秒間のパージング動作の後、ターンテーブルは、ゆっくりと10rpmで回転し、サイドボウルスプレーポストに導くラインに供給されるDI水は、供給ラインにおける残留DI水を取り除くために吸引される。(即ち、サイドボウルスプレーポストに導くラインに供給されるDI水は、処理室内にパージされない)。サイドボウルスプレーポストを吸引した後、ターンテーブルの速度が、1分間300rpmに増加する。この1分間の間、ウエハと処理室が乾燥される。最終乾燥段階の終了時の温度は、約95℃までの温度を有する洗浄水を用いて、周囲温度から十分に高くなった。
【0073】
実施例1〜3のプレカウント及びポストカウントのデータは、図2a、2b、3a及び3bに示されている。図2aにおいて、ライン210の右側のデータは、実施例1〜3の複数の実行動作(各実行は、スロット1,13、および25内にある3つのウエハに対する真の付加値の平均である)に対して65ナノメータより大きい寸法を有する「真の付加値」を示す。
【0074】
図2bにおけるライン220の右側のデータは、実施例1〜3の1つの実行につき、3つの全ての試験用ウエハに対する「真の付加値」の範囲を示す。
図3aにおけるラインの右側のデータは、実施例1〜3の各実行に対して65以上の大きさを有する欠陥に対するデルタ値を示す。図3bにおけるライン320の右側のデータは、実施例1〜3の1つの実行につき、3つの全ての試験用ウエハに対するデルタ値の範囲を示す。従来の最終洗浄/乾燥に対するこのデルタ値は、付加される粒子の十分な範囲を示す。
【0075】
実施例1〜3のこのデータは、本発明に従う最終洗浄/乾燥ハードウエアと手順を用いるとき、付加される粒子および洗浄水の温度の柔軟性に関して改善された性能を示す。
【0076】
本発明の他の実施形態は、ここに開示された明細書を考慮し、また発明の実施に基づいて、当業者であれば明らかになるであろう。ここに記載の原理及び実施形態に対して、特許請求の範囲によって示された本発明の真の範囲及び技術的思想から逸脱することなく、種々の省略、修正、及び変更が当業者によって作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、本発明に従うスプレー処理ツールの概略図である。
【図2a】図2aは、比較例A及び実施例1〜3に対する、65ナノメータ以上の大きさを有する「真の付加値」を表わすグラフである。
【図2b】図2bは、比較例A及び実施例1〜3に対して、1つの実行につき、3つの全ての試験用ウエハに対する、65ナノメータ以上の大きさを有する「真の付加値」を表わすグラフである。
【図3a】図3aは、比較例A及び実施例1〜3に対して、各実行に対して、65ナノメータ以上の大きさを有する欠陥に対する「デルタ値」を表わすグラフである。
【図3b】図3bは、比較例A及び実施例1〜3に対して、1つの実行につき、3つの全ての試験用ウエハに対する、「デルタ値」の範囲を表わすグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超小型電子基板を処理するためのシステムであって、
処理中、1つ以上の超小型電子基板が配置される処理室と、
この処理室内に配置された前記基板上に流体が分配される流体分配通路と、
この流体分配通路内に残留する液体の少なくとも一部が、前記1つ以上の基板上に直接、少なくとも前記残留液体の一部を除去することなく、前記流体分配通路から引き出される
ように、前記流体分配通路に流体連通する流体除去通路とを含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
処理中、1つ以上の超小型電子基板が配置される処理室と、この処理室と流体連通する流体分配システムとを含むスプレー処理システムであって、
前記流体分配システムが、
前記処理室内に配置された前記基板上に流体が分配される流体分配通路と、
この流体分配通路内の残留液体の少なくとも一部が、前記1つ以上の基板上に直接、少なくとも前記残留液体の一部を除去することなく、前記流体分配通路の少なくとも一部から引き出されるように、前記流体分配通路に流体連通する流体除去通路と、
前記流体分配通路及び前記流体除去通路に流体連通し、流体バイパス通路を介して気体が流れるとき、前記流体分配通路及び前記流体除去通路の少なくとも一部に真空が供給されるように、流体連通する前記流体バイパス通路と、を含んでいることを特徴とするスプレー処理システム。
【請求項3】
1つ以上の超小型電子基板を処理する方法であって、
処理室内に1つ以上の超小型電子基板を配置し、
前記処理室内に液体を分配するとともに、流体分配通路を介して1つ以上の前記基板上に液体を分配し、
前記液体の分配を停止して、ある量の残留液体を前記流体分配通路内に留め、
前記残留液体の一部が前記基板上に直接パージされないように、前記流体分配通路から前記流体除去通路を通って前記残留液体の少なくとも一部を除去させる、各ステップを有することを特徴とする処理方法。
【請求項4】
1つ以上の超小型電子基板を処理する方法であって、
処理室内に1つ以上の超小型電子基板を配置し、
前記処理室内に第1液体を分配するとともに、第1流体分配通路を介して1つ以上の前記基板上に第1液体を分配し、
前記処理室内に第2液体を分配するとともに、第2流体分配通路を介して1つ以上の前記基板上に第2液体を分配し、
前記第1液体の分配を停止して、ある量の残留液体を前記第1流体分配通路内に留め、
前記第2液体の分配を生じさせながら、前記第1流体分配通路から処理室内にパージし、
残留液体が前記第2流体分配通路内に残留するように、前記第1流体分通路でのパージを停止して、前記第2流体分配通路内の液体残留量の一部が、基板上にパージされないように、前記第2流体分配通路内の前記液体残留量の少なくとも一部を流体除去通路を介して取り除く、各ステップを有することを特徴とする処理方法。
【請求項5】
処理中、1つ以上の超小型電子基板が配置される処理室と、
流体が前記処理室内に配置された基板上に分配される流体分配通路と、
前記流体分配通路から流体が迂回するための流体バイパス通路と、
前記流体分配通路と前記流体バイパス通路とを結合する第1バルブと、
前記第1バルブが通常状態時にあるとき、前記流体バイパス通路から比較的下流に位置する流体除去通路と、
前記流体分配通路に前記流体除去通路を結合する第2バルブと、を備え、
前記第1バルブは、通常時、流体分配通路を通って流体が流れ続けるように開成され、かつ前記流体分配通路から流体バイパス通路への流体の流れを阻止するように閉成され、
また、作動時、前記流体分配通路を通って下流への流体の流れを阻止するように閉成され、かつ前記流体分配通路から流体バイパス通路への流体の流れを可能にするように開成されるようになっており、
前記第2バルブは、通常時、流体分配通路を通って流体が流れ続けるように開成され、かつ前記流体分配通路から流体除去通路への流体の流れを阻止するように閉成され、また、作動時、前記第2バルブと前記処理室との間の前記流体分配通路の少なくとも一部と、前記流体除去通路との間で流体連通を可能にするように、第2バルブが開成されることを特徴とするスプレー処理システム。



【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【公表番号】特表2008−504674(P2008−504674A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516514(P2007−516514)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/018615
【国際公開番号】WO2005/123281
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(503450771)エフエスアイ インターナショナル インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】