説明

インターフェイス回路およびそれを備える表示装置

【課題】波形整形回路の周波数特性の測定を可能にする。
【解決手段】波形整形回路11は、入力差動信号INN,INPを波形整形する。出力切換回路12は、通常モードのときには、波形整形回路11からの整形差動信号SP,SNを2値化して出力する。一方、出力切換回路12は、テストモードのときには、波形整形回路11からの整形差動信号SN,SPを正弦波信号として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インターフェイス回路およびそれを備える表示装置に関し、さらに詳しくは、インターフェイス回路に搭載された波形整形回路の機能検査に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ伝送技術において、受信装置にはイコライズ回路やAGC回路などの波形整形回路が搭載されている。このような波形整形回路は、ケーブル等の伝送経路において減衰した信号振幅を元の状態に戻すために、受信信号の波形を整形する。このように、波形整形回路が正常に機能することにより、受信信号を正確に処理することが可能となる。近年、デジタルテレビやDVDレコーダ等のデジタルAV分野をはじめ様々な技術分野において、HDMIに代表される高速デジタル伝送技術が発展し、高周波数帯域(例えば、1GHzを超える周波数帯域)でデータ信号が伝送されるようになった。このような送信周波数の高速化に伴って、伝送経路における信号振幅の減衰も激しくなっている。そのため、波形整形回路の機能検査がますます重要になっている。
【0003】
特開2007−60072号公報(特許文献1)には、受信信号の振幅マージンを確認することができる出力バッファ回路が開示されている。
【特許文献1】特開2007−60072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の出力バッファ回路では、波形整形回路の振幅を測定することはできるが、波形整形回路の周波数特性を測定することができなかった。波形整形回路が設計通りに動作することを検査するためには、波形整形回路の周波数特性を測定し、その周波数特性に基づいて設計期待値との差異を確認することが大変重要である。
【0005】
そこで、この発明は、波形整形回路の周波数特性を測定することができるインターフェイス回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の1つの局面に従うと、インターフェイス回路は、通常モードとテストモードとを有するインターフェイス回路であって、入力信号の波形を整形して整形信号として出力する波形整形回路と、上記波形整形回路からの整形信号に応答して出力信号を出力し、上記通常モードでは上記出力信号の振幅を飽和状態にする一方、上記テストモードでは上記出力信号の振幅を非飽和状態にする出力切換回路とを備える。
【0007】
上記インターフェイス回路では、通常モードにおいて出力切換回路が出力信号の振幅を飽和状態にすることにより、入力信号に対応するデジタル信号を出力することができる。また、テストモードにおいて出力切換回路が出力信号の振幅を非飽和状態にすることにより、波形整形回路の周波数特性を測定するためのアナログ信号を出力することができる。
【0008】
また、上記波形整形回路の周波数特性は、可変であり、外部制御により設定可能であることが好ましい。このように構成することにより、波形整形回路の動的な周波数特性を確認することができる。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、テストモードにおいて出力切換回路が出力信号の振幅を非飽和状態にすることにより、イコライズ回路の周波数特性を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0011】
図1は、この発明の実施形態によるインターフェイス回路の構成を示す。インターフェイス回路1は、イコライズ回路11(波形整形回路)と、出力切換回路12とを備える。このインターフェイス回路1は、通常処理を行う通常モードと、イコライズ回路11の機能検査を行うテストモードとを切換可能である。通常モードでは、インターフェイス回路1は、伝送経路(例えば、ケーブル等)を介して伝送されたデータ信号(例えば、映像信号など)を入力差動信号INN,INPとして受け、入力差動信号INN,INPの波形を整形し、デジタル信号(振幅が飽和している信号)を出力差動信号OUTN,OUTPとして出力する。一方、テストモードでは、インターフェイス回路1は、テスト信号(例えば、正弦波信号)を入力差動信号INN,INPとして受け、アナログ信号(振幅が飽和していない信号)を出力差動信号OUTN,OUTPとして出力する。
【0012】
〔イコライズ回路〕
イコライズ回路11は、入力差動信号INN,INPのうち特定の周波数帯域(詳しくは、高周波数帯域)を増幅し、整形差動信号SN,SPとして出力する。図2Aのように、高周波数帯域において入力差動信号INN,INPの振幅が減衰している場合、図2Bの実線のように、高周波数帯域におけるゲインが大きくなるようにイコライズ回路11の周波数特性を設定することにより、図2Cのように、所定の周波数帯域において出力差動信号OUTN,OUTPの振幅が減衰しないように出力差動信号OUTN,OUTPの振幅を補正することができる。
【0013】
図2Bのように、イコライズ回路11は、特定の周波数帯域におけるゲイン(詳しくは、ピーク周波数におけるゲイン)が可変である。また、イコライズ回路11は、イコライズ回路11のゲインを強制的に設定するための制御信号CTRLとモード切換を制御するためのモード制御信号MODEとを受ける。モード制御信号MODEが通常モードを示す場合には、イコライズ回路11は、入力差動信号INN,INPの減衰量に応じて自己のゲインを自動で調整する。一方、モード制御信号MODEがテストモードを示す場合には、イコライズ回路11のゲインは、制御信号CTRLに示されたゲインに設定される。このように、イコライズ回路11は、外部制御により周波数特性を任意に設定できるように構成されている。
【0014】
図3は、図1に示したイコライズ回路11の構成例を示す。イコライズ回路11は、スイッチSW11,SW12と、可変増幅回路111と、ハイゲインアンプ(HGA)112と、アンプ113と、ハイパスフィルタ(HPF)114,115と、検出回路116とを含む。可変増幅回路111は、入力差動信号INN,INPのうち特定の周波数帯域を増幅する。また、可変増幅回路111は、特定の周波数帯域におけるゲインが可変である。ハイゲインアンプ112は、可変増幅回路111からの差動信号を増幅する。アンプ113は、ハイゲインアンプ112よりも小さいゲイン(例えば、1dB)で可変増幅回路111からの差動信号を増幅する。ハイパスフィルタ114,115は、可変増幅回路111からの差動信号およびハイゲインアンプ112からの差動信号から傾き成分をそれぞれ抽出する。検出回路116は、ハイパスフィルタ114,115のそれぞれによって抽出された傾き成分の差を検出する。
【0015】
モード制御信号MODEが通常モードを示す場合、スイッチSW11は、ハイゲインアンプ112からの差動信号を整形差動信号SN,SPとして出力し、スイッチSW12は、検出回路116の出力を可変増幅回路111に供給する。可変増幅回路111は、検出回路116によって検出された傾き成分の大きさに対応するゲインで入力差動信号INN,INPを増幅する。例えば、入力差動信号INN,INPの減衰量が大きいほど、検出回路116によって検出される傾き成分の差が大きくなり、可変増幅回路111は、大きなゲインを選択する。このようにして、入力差動信号INN,INPの減衰量に応じて、イコライズ回路11のゲインが調整される。
【0016】
一方、モード制御信号MODEがテストモードを示す場合、スイッチSW11は、アンプ113からの差動信号を整形差動信号SN,SPとして出力し、スイッチSW12は、制御信号CTRLを可変増幅回路111に供給する。可変増幅回路111は、制御信号CTRLに示されたゲインを選択する。このようにして、イコライズ回路11のゲインは、制御信号CTRLに示されたゲインに設定される。
【0017】
〔出力切換回路〕
出力切換回路12は、整形差動信号SN,SPに応答して出力差動信号OUTN,OUTPを出力する。また、出力切換回路12は、モード制御信号MODEを受ける。
【0018】
モード制御信号MODEが通常モードを示す場合には、出力切換回路12は、出力差動信号OUTN,OUTPの振幅を飽和状態にする。すなわち、図4Aのような整形差動信号SN,SPが出力切換回路12に供給されると、図4Bのように、出力差動信号OUTN,OUTPは、デジタル信号(2値化された信号)として出力される。
【0019】
一方、モード制御信号MODEがテストモードを示す場合には、出力切換回路12は、出力差動信号OUTN,OUTPの振幅を非飽和状態にする。すなわち、図4Aのような整形差動信号SN,SPが出力切換回路12に供給されると、図4Cのように、出力差動信号OUTN,OUTPは、イコライズ回路11の周波数特性を示すアナログ信号として出力される。
【0020】
以上のように、通常モードにおいて出力切換回路12が出力差動信号OUTN,OUTPの振幅を飽和状態にすることにより、入力差動信号INN,INPに対応するデジタル信号を出力することができる。また、テストモードにおいて出力切換回路12が出力差動信号OUTN,OUTPの振幅を非飽和状態にすることにより、イコライズ回路11の周波数特性を測定するためのアナログ信号を出力することができる。これにより、テストモードにおいてイコライズ回路11の周波数特性を測定することができる。
【0021】
また、イコライズ回路11の周波数特性を測定するために、インターフェイス回路1に出力端子対を別途設け、その出力端子対からイコライズ回路11の整形差動信号SN,SPを直接取り出すことが考えられる。しかし、この場合、通常モードとテストモードとで異なる出力端子対を使用することになり、インターフェイス回路の動作条件が異なってしまうので、イコライズ回路11の周波数特性を正確に測定することが困難である。一方、この実施形態によるインターフェイス回路1では、別の出力端子対を設ける必要がなく、さらに、通常モードとテストモードとでインターフェイス回路の動作条件を同一にすることができ、イコライズ回路11の周波数特性を正確に測定することが可能となる。
【0022】
〔イコライズ回路の機能検査〕
ここで、イコライズ回路11の機能検査の一例として、イコライズ回路11のゲイン可変幅の検査について説明する。
【0023】
まず、テストモードを示すモード制御信号MODEを出力切換回路12に供給し、インターフェイス回路1をテストモードに設定する。
【0024】
次に、制御信号CTRLによってイコライズ回路11のゲインを最小値Gminに設定した後、テスト信号(正弦波信号)を入力差動信号INN,INPとしてインターフェイス回路1に供給する。出力切換回路12は、イコライズ回路11からの整形差動信号SN,SPを受け、出力差動信号OUTN,OUTPを出力する。この出力差動信号OUTN,OUTPを測定することにより、イコライズ回路11の周波数特性(詳しくは、イコライズ回路11のゲイン最小値Gmin)を得ることができる。
【0025】
次に、制御信号CTRLによってイコライズ回路11のゲインを最大値Gmaxに設定した後、テスト信号(正弦波信号)を入力差動信号INN,INPとしてインターフェイス回路1に供給する。次に、インターフェイス回路1からの出力差動信号OUTN,OUTPを測定することにより、イコライズ回路11の周波数特性(詳しくは、イコライズ回路11のゲイン最大値Gmax)を得ることができる。
【0026】
次に、イコライズ回路11のゲイン最小値Gminおよびゲイン最大値Gmaxの差分を求めることにより、イコライズ回路11のゲイン可変幅を測定ことができる。このように、イコライズ回路11の動的な周波数特性を測定することができる。
【0027】
なお、通常モードにおいてイコライズ回路11がゲインの自動調整を行うものとして説明したが、通常モードにおいてイコライズ回路11のゲインが所定のゲイン(例えば、外部制御によって設定されたゲイン)に固定されていても良い。イコライズ回路11がゲインの自動調整を行わない場合であっても、イコライズ回路11のゲインが可変であり、制御信号CTRLによってイコライズ回路11のゲインを強制的に設定できるのであれば、上述の検査を行うことにより、イコライズ回路11の動的な周波数特性(例えば、ゲイン可変幅)を測定することが可能である。
【0028】
(波形整形回路)
なお、図1に示したインターフェイス回路では、入力差動信号INN,INPの波形を整形する波形整形回路の一例としてイコライズ回路11を挙げたが、波形整形回路は、AGC回路であっても良いし、ハイパスフィルタ,ローパスフィルタ,バンドパスフィルタや、これらの組合せであっても良い。
【0029】
また、イコライズ回路11のように、波形整形回路の周波数特性は、可変であっても良い。この場合、波形整形回路の周波数特性が外部制御により設定可能であることが好ましい。このように構成すれば、波形整形回路の動的な周波数特性を測定することができる。
【0030】
〔AGC回路〕
AGC回路は、入力差動信号INN,INPのうち特定の周波数帯域(詳しくは、低周波数帯域)を増幅し、整形差動信号SN,SPとして出力する。また、図5のように、AGC回路は、特定の周波数帯域におけるゲインが可変である。
【0031】
図6は、波形整形回路の一例であるAGC回路の構成例を示す。AGC回路21は、スイッチSW21,SW22と、可変増幅回路211と、ハイゲインアンプ(HGA)212と、アンプ213と、ローパスフィルタ(LPF)214,215と、検出回路216とを含む。可変増幅回路211は、入力差動信号INN,INPのうち特定の周波数帯域を増幅する。また、可変増幅回路211は、特定の周波数帯域におけるゲインが可変である。ハイゲインアンプ212は、可変増幅回路211からの差動信号を増幅する。アンプ213は、ハイゲインアンプ212よりも小さいゲイン(例えば、1dB)で可変増幅回路211からの差動信号を増幅する。ローパスフィルタ214,215は、可変増幅回路211からの差動信号およびハイゲインアンプ212からの差動信号から振幅成分をそれぞれ抽出する。検出回路216は、ローパスフィルタ214,215のそれぞれによって抽出された振幅成分の差を検出する。
【0032】
モード制御信号MODEが通常モードを示す場合、スイッチSW21は、ハイゲインアンプ212からの差動信号を整形差動信号SN,SPとして出力し、スイッチSW22は、検出回路216の出力を可変増幅回路211に供給する。可変増幅回路211は、検出回路216によって検出された振幅成分の大きさに対応するゲインで入力差動信号INN,INPを増幅する。例えば、入力差動信号INN,INPの減衰量が大きいほど、検出回路216によって検出される振幅成分の差が大きくなり、可変増幅回路211は、大きなゲインを選択する。このようにして、入力差動信号INN,INPの減衰量に応じて、AGC回路21のゲインが調整される。
【0033】
一方、モード制御信号MODEがテストモードを示す場合、スイッチSW21は、アンプ213からの差動信号を整形差動信号SN,SPとして出力し、スイッチSW22は、制御信号CTRLを可変増幅回路211に供給する。可変増幅回路211は、制御信号CTRLに示されたゲインを選択する。このようにして、AGC回路21のゲインは、制御信号CTRLに示されたゲインに設定される。
【0034】
〔AGC回路の機能検査〕
ここで、AGC回路21の機能検査の一例として、AGC回路21のゲイン可変幅の検査について説明する。AGC回路21のゲイン可変幅を検査する場合も、イコライズ回路11の検査と同様に、インターフェイス回路1をテストモードに設定した後、制御信号CTRLによってAGC回路21のゲインを最小値Gmin,最大値Gmaxに設定し、テスト信号(正弦波信号)を入力差動信号INN,INPとしてインターフェイス回路1に供給することにより、それぞれの設定についてAGC回路21の周波数特性を示す出力差動信号OUTN,OUTPを得ることができる。これにより、AGC回路21のゲイン可変幅を測定することができる。
【0035】
(出力切換回路の構成例1)
図7は、図1に示した出力切換回路12の構成例1を示す。出力切換回路12は、増幅回路101,102と、電源電圧VDDを受ける電源ノードに一方端が接続された負荷抵抗RN,RPとを含む。
【0036】
増幅回路101は、接地電圧VSSを受ける接地ノードに一方端が接続されたスイッチSW101と、電流源CS101と、波形整形回路11からの整形差動信号SN,SPを電流対に変換するための入力トランジスタTN,TPとを含む。モード制御信号MODEが通常モードを示す場合、スイッチSW101はオン状態になり、増幅回路101は駆動状態になる。一方、モード制御信号MODEがテストモードを示す場合、スイッチSW101はオフ状態になり、増幅回路101は停止状態になる。
【0037】
増幅回路102は、接地電圧VSSを受ける接地ノードに一方端が接続されたスイッチSW102と、電流源CS102と、入力トランジスタTN,TPと、抵抗R101,R102とを含む。モード制御信号MODEが通常モードを示す場合、スイッチSW102はオフ状態になり、増幅回路102は駆動状態になる。一方、モード制御信号MODEがテストモードを示す場合、スイッチSW101はオン状態になり、増幅回路102は駆動状態になる。
【0038】
増幅回路102には抵抗R101,R102が設けられているので、入力トランジスタTN,TPと電流源CS102との間における抵抗値は、入力トランジスタTN,TPと電流源CS101との間における抵抗値よりも大きい。そのため、増幅回路102のゲインは、増幅回路101のゲインよりも小さい。ここでは、出力差動信号OUTN,OUTPの振幅が飽和状態になるように増幅回路101のゲイン(第1のゲイン)が設定され、出力差動信号OUTN,OUTPの振幅が非飽和状態になるように増幅回路102のゲイン(第2のゲイン)が設定される。
【0039】
このように、通常モードでは、増幅回路101が駆動状態になり第1のゲインで整形差動信号SN,SPを増幅することにより、出力差動信号OUTN,OUTPの振幅を出力することができる。また、テストモードでは、増幅回路102が駆動状態になり第2のゲインで整形差動信号SN,SPを増幅することにより、非飽和状態の出力差動信号OUTN,OUTPを出力することができる。
【0040】
なお、増幅回路102の駆動能力を上昇させるために、電流源CS102の電流量を電流源CS101の電流量よりも多くしても良い。例えば、電流源CS101の電流量を“10mA”,電流源CS102の電流量を“20mA”に設定しても良い。このように設定することにより、テストモードにおける出力差動信号OUTN,OUTPの振幅減衰を抑制することができ、イコライズ回路11の周波数特性を正確に測定することが可能となる。
【0041】
(出力切換回路の構成例2)
図8は、図1に示した出力切換回路の構成例2を示す。図8に示した出力切換回路22は、図7に示した増幅回路101,102に代えて、増幅回路201を含む。増幅回路201は、図7に示した入力トランジスタTN,TPと、電流源CS201と、可変抵抗部202とを含む。
【0042】
可変抵抗部202は、例えば、抵抗R201,R202,スイッチSW201,SW202によって構成される。モード制御信号MODEが通常モードを示す場合、スイッチSW201,202はオン状態になり、入力トランジスタTN,TPのそれぞれのソースは、電流源CS201に短絡される。一方、モード制御信号MODEがテストモードを示す場合、スイッチSW201,202はオフ状態になる。このように、可変抵抗部202は、モード制御信号MODEに応答して抵抗値が可変であり、可変抵抗部202の抵抗値は、通常モードであるときよりもテストモードであるときの方が大きい。
【0043】
モード制御信号MODEに応答して可変抵抗部202の抵抗値が変化するので、入力トランジスタTN,TPと電流源CS102との間における抵抗値は、通常モードであるときよりもテストモードであるときの方が大きくなる。そのため、増幅回路201のゲインは、通常モードであるときよりもテストモードであるときの方が小さくなる。ここでは、出力差動信号OUTN,OUTPの振幅が飽和状態になるように増幅回路201の通常モードにおけるゲインが設定され、出力差動信号OUTN,OUTPの振幅が非飽和状態になるように増幅回路201のテストモードにおけるゲインが設定される。
【0044】
このように、モード切換に応答して増幅回路201のゲインが切り換えられることにより、通常モードにおいて出力差動信号OUTN,OUTPの振幅を飽和状態にすることができ、テストモードにおいて出力差動信号OUTN,OUTPの振幅を非飽和状態にすることができる。
【0045】
なお、モード制御信号MODEに応答して電流量を変更することができるように電流源CS201を構成しても良い。この場合、テストモードにおける電流源CS201の電流量が通常モードにおける電流源CS201の電流量よりも大きくなるように制御すれば、テストモードにおける出力差動信号OUTN,OUTPの振幅減衰を抑制することができる。
【0046】
(出力切換回路の構成例3)
図9は、図1に示した出力切換回路の構成例3を示す。図9に示した出力切換回路32は、図7に示した増幅回路101,102に代えて、増幅回路301を含む。増幅回路301は、図7に示した入力トランジスタTN,TPと、可変電流源CS301とを含む。
【0047】
可変電流源CS301は、モード制御信号MODEに応答して電流量が可変であり、可変電流源CS301の電流量は、通常モードであるときよりもテストモードであるときの方が小さい。可変電流源CS301の電流量が小さい程、入力トランジスタTN,TPと可変電流源CS301との間におけるインピーダンスが大きくなるので、増幅回路301のゲインが小さくなる。ここでは、出力差動信号OUTN,OUTPの振幅が飽和状態になるように増幅回路301の通常モードにおけるゲインが設定され、出力差動信号OUTN,OUTPの振幅が非飽和状態になるように増幅回路301のテストモードにおけるゲインが設定される。
【0048】
このように、モード切換に応答して増幅回路301のゲインが切り換えられることにより、通常モードにおいて出力差動信号OTN,OUTPの振幅を飽和状態にすることができ、テストモードにおいて出力差動信号OUTN,OUTPの振幅を非飽和状態にすることができる。
【0049】
(出力切換回路の構成例4)
図10は、図1に示した出力切換回路の構成例4を示す。図10に示した出力切換回路42は、図7に示した増幅回路101,102に代えて、増幅回路401と、クリップ制御回路402とを含む。
【0050】
増幅回路401は、図7に示した入力トランジスタTN,TP,電流源CS101を含む。ここでは、増幅回路401からクリップ制御回路402へ供給される差動信号の振幅が非飽和状態になるように、増幅回路401のゲインが設定される。
【0051】
クリップ制御回路402は、モード制御信号MODEが通常モードを示す場合には、増幅回路401からの差動信号の振幅が所定の上限値を超えず且つ所定の下限値を下回らないように、増幅回路401からの差動信号の振幅を制限する。一方、モード制御信号MODEがテストモードを示す場合には、クリップ制御回路402は、増幅回路401からの差動信号の振幅を制限することなく、増幅回路401からの差動信号をそのまま出力差動信号OUTN,OUTPとして出力する。
【0052】
このように、モード切換に応答してクリップ制御回路402の動作が切り換えられることにより、通常モードにおいて出力差動信号OTN,OUTPの振幅を飽和状態にすることができ、テストモードにおいて出力差動信号OUTN,OUTPの振幅を非飽和状態にすることができる。
【0053】
なお、出力切換回路42は、増幅回路401に代えて、図7に示した増幅回路101,102を備えていても良い。この場合、増幅回路101から出力される差動信号の振幅が非飽和状態になるように増幅回路101のゲインを設定しても良い。同様に、出力切換回路42が、増幅回路401に代えて、図8,図9にそれぞれ示された増幅回路201,301を備えていても良い。
【0054】
(表示装置)
図11のように、図1に示したインターフェイス回路1は、デジタルテレビなどの表示装置に適用可能である。図11に示した表示装置5は、インターフェイス回路1の他に、映像信号処理回路51と、ディスプレイなどの表示回路52とを備える。
【0055】
インターフェイス回路1は、通常モードであるときには、映像信号を入力差動信号INN,INPとして受け、テストモードであるときには、テスト信号(例えば、正弦波信号)を入力差動信号INN,INPとして受ける。
【0056】
映像信号処理回路51は、通常モードにおいてインターフェイス回路1から出力される出力差動信号OUTN,OUTP(映像信号)を処理し、出力差動信号OUTN,OUTPに対応する画像を表示回路52に表示させる。
【0057】
以上の実施形態の説明において、インターフェイス回路1が差動信号を処理するものとして説明したが、単一のアナログ信号を処理するものであっても良い。
【0058】
また、入力トランジスタTN,TPは、MOS型トランジスタに限らず、例えば、バイポーラトランジスタであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上のように、この発明によるインターフェイス回路は、波形整形回路の周波数特性を測定することができるので、表示装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の実施形態によるインターフェイス回路の構成を示すブロック図。
【図2】図1に示したイコライズ回路の周波数特性について説明するための特性図。
【図3】図1に示したイコライズ回路の構成例を示すブロック図。
【図4】図1に示した出力切換回路の動作について説明するための信号波形図。
【図5】AGC回路の周波数特性について説明するための特性図。
【図6】AGC回路の構成例を示すブロック図。
【図7】図1に示した出力切換回路の構成例1を示す図。
【図8】図1に示した出力切換回路の構成例2を示す図。
【図9】図1に示した出力切換回路の構成例3を示す図。
【図10】図1に示した出力切換回路の構成例4を示す図。
【図11】図1に示したインターフェイス回路を備える表示装置の構成図。
【符号の説明】
【0061】
1 インターフェイス回路
11 イコライズ回路
21 AGC回路
12,22,32,42 出力切換回路
101,102,201,301,401 増幅回路
RN,RP 負荷抵抗
TN,TR 差動トランジスタ
CS101,CS102 電流源
SW101,SW102 スイッチ
R101,R102 抵抗
202 可変抵抗部
CS201 電流源
SW201,SW202 スイッチ
R201,R202 抵抗
CS301 可変電流源
402 クリップ制御回路
5 表示装置
51 映像信号処理装置
52 表示回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常モードとテストモードとを有するインターフェイス回路であって、
入力信号の波形を整形して整形信号として出力する波形整形回路と、
前記波形整形回路からの整形信号に応答して出力信号を出力し、前記通常モードでは前記出力信号の振幅を飽和状態にする一方、前記テストモードでは前記出力信号の振幅を非飽和状態にする出力切換回路とを備える
ことを特徴とするインターフェイス回路。
【請求項2】
請求項1において、
前記出力切換回路は、
前記通常モードにおいて駆動状態になり、第1のゲインで前記整形信号を増幅して前記出力信号を出力する第1の増幅回路と、
前記テストモードにおいて駆動状態になり、前記第1のゲインよりも小さい第2のゲインで前記整形信号を増幅して前記出力信号を出力する第2の増幅回路とを含む
ことを特徴とするインターフェイス回路。
【請求項3】
請求項1において、
前記出力切換回路は、
電流源と、
前記電流源と前記出力信号を出力するための出力ノードとの間に接続され、前記波形整形回路からの整形信号を電流に変換する入力トランジスタと、
前記出力ノードに接続される負荷抵抗と、
前記電流源と前記入力トランジスタとの間に介在し、モード切換に応答して抵抗値が可変であり、前記テストモードにおける抵抗値が前記通常モードにおける抵抗値よりも大きい可変抵抗部とを含む
ことを特徴とするインターフェイス回路。
【請求項4】
請求項1において、
前記出力切換回路は、
モード切換に応答して電流量が可変であり、前記テストモードにおける電流量が前記通常モードにおける電流量よりも小さい可変電流源と、
前記電流源と前記出力信号を出力するための出力ノードとの間に接続され、前記波形整形回路からの整形信号を電流に変換する入力トランジスタと、
前記出力ノードに接続される負荷抵抗とを含む
ことを特徴とするインターフェイス回路。
【請求項5】
請求項1において、
前記出力切換回路は、
前記波形整形回路からの整形信号を増幅する増幅回路と、
前記通常モードでは前記増幅回路の出力振幅を制限して前記増幅回路の出力を前記出力信号として出力する一方、前記テストモードでは前記増幅回路の出力振幅を制限せずに前記増幅回路の出力を前記出力信号として出力するクリップ制御回路とを含む
ことを特徴とするインターフェイス回路。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項において、
前記波形整形回路の周波数特性は、可変であり、外部制御により設定可能である
ことを特徴とするインターフェイス回路。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のインターフェイス回路と、
映像信号処理回路と、
表示回路とを備え、
前記インターフェイス回路は、前記通常モードでは映像信号を前記入力信号として受け、前記テストモードではテスト信号を前記入力信号として受け、
前記映像信号処理回路は、前記通常モードにおいて前記インターフェイス回路から出力される出力信号を処理し、前記出力信号に対応する画像を前記表示回路に表示させる
ことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−159501(P2009−159501A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337698(P2007−337698)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】