説明

インバータ装置及び電動巻上機

【課題】電動巻上機の荷吊り状態でのインバータ完全停止を防ぎ応急的に動作させること容易にした回生回路故障保護方式を提供する。
【解決手段】交流を直流に変換する整流装置1と整流コンデンサ8、回生電力を熱エネルギーに変換する為の電力用半導体スイッチ2と回生抵抗器4、直流を交流に変換する周波数変換機9、回転する誘導電動機10に対し、電力用半導体スイッチ2を駆動する回生トリガ回路12とトリガ検出回路13と、電力用半導体スイッチ2の通電状態を検出する検出用抵抗器16と検出用フォトカプラ17、フォトカプラ17の出力信号を取込む電流検出回路14、トリガ検出回路13と電流検出回路14の2つの信号を取込む制御マイコン15、巻上機用インバータ装置の電源を通電・切断する電源開閉器11で構成され、電力半導体スイッチ2がショートモードで故障したときに電源開閉器11を開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ装置にて誘導電動機の回転数制御を行う、電動機の回生電力処理を電力用半導体スイッチと回生抵抗器にて行う電動巻上機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インバータ装置の回生抵抗器を保護する装置として、従来型ではインバータに関する公知例としてスイッチ用電力半導体が故障したときの回生抵抗の保護として特開平5-336758号が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5-336758号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題について、公知の特公開5-336758号、図1を用いて説明する。まずインバータ装置の回生抵抗器は消費電力が大変大きい為、小型化を計る為に使用条件に応じた定格電力値を決定している。つまり回生抵抗器はインバータ装置の使用条件内での通電に対しては破損しないが、条件を超える過負荷通電状態には、回生抵抗器が破損に到る場合がある。このため特許文献に記載される回生電力処理・保護回路7は回生電流検出器3と、保護用にサイリスタスイッチ6、ヒューズ5で構成され、電力用半導体スイッチ2がショートモードで壊れた時、電流検出器3で通電電流を検出し、制御マイコン(公知特許の図面には記載無し)がサイリスタスイッチ6をオンさせることでヒューズ5を溶断させ、回生抵抗器4へ定常状態で電流が流れることを防ぎ、過負荷状態を防止し破損を防いでいる。
【0005】
しかし公知のインバータ装置の回生抵抗保護装置では、回生抵抗保護装置のヒューズ5が断線させた後は回生電力が消費出来なくなる。この回生抵抗器保護方法を電動巻上機で使用した場合には、巻上時の動作には問題なく使用出来るので荷物は上げることはできるが、巻下時の動作には常に回生状態が続き回生電力エネルギーが整流コンデンサ8だけでは受け止められず、処理できないエネルギーがコンデンサ端子間電圧を上昇させ保護動作により停止してしまう。結果故障部品の交換まで吊上げた荷物が降ろせなくなり、公知の保護だけでは対処方法が不完全である。
【0006】
また保護装置として存在するヒューズ5自体が、回生時の突入電流によりヒューズ5が劣化し断線する、サイリスタスイッチ6のショートモード故障により、ヒューズ5が断線する、サイリスタスイッチ6のゲートにノイズ入力があった場合、サイリスタスイッチ6がON動作しヒューズ5が断線する等も考えられる。
【0007】
本発明は上記課題に対し、簡素な検出方法で抵抗器の保護方法が実現させ、電流センサ3、ヒューズ5、サイリスタスイッチ6を廃止し高信頼性な構成を実現する。
【0008】
さらに荷物を吊ったまま停止することを防ぎ、安全に荷物を降ろすことを実現し、またその異常常態を外部に知らせ巻上動作を禁止させる等を行う、電動巻上機のインバータ装置の回生抵抗器保護方式を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、例えば、インバータ装置において、電動巻上機を駆動するインバータ装置において、回生時に誘導電動機から発生する回生電力を熱エネルギーに変換して消費する為の回生電力処理回路は、回生抵抗器と電力用半導体スイッチで構成され、前記電力用半導体スイッチのゲート側の動作検出とアノード・カソード間の電流検出を判断比較し、スイッチ用電力半導体がショートモードで故障したときに電動巻上機のインバータ装置の電源ラインを遮断するという構成をとる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の回生回路故障保護方式であれば、電力半導体スイッチ2がショートモード故障した場合には、巻上機のインバータ装置の電源開閉器11を切断し電源供給を停止することで、回生抵抗器4の過負荷破損を防ぐことが出来る。
【0011】
またクレーン操作者には、即座に表示もしくは音、振動等により、電動巻上機の異常停止状態を知らせ、巻上動作の禁止を知らしめることが出来る。
【0012】
また電動巻上機の場合、荷吊りのまま停止することはメンテナンス作業上大変危険である。巻上機のインバータ装置の電源のみを電源開閉器11で切断させるので、クレーンサドル装置、トロリ装置の動作には影響なく、クレーン操作者はサドル、トロリ動作の操作を行い、電動巻上機を荷降ろしするのに安全な場所に移動させたのちに、巻下操作入力時のみに巻上機のインバータ装置に通電させることで荷物を安全に下ろすことが出来る。
【0013】
通常のインバータ動作させる時と同様の巻下時間のみの通電なので、回生抵抗器4の過熱破損を防止できる。
【0014】
なお巻上の動作に関しては電源開閉器11を通電させず、動作をキャンセルするようにする。これは通電することで回生抵抗器4に電流が流れ負荷がかかり、その後の荷物を降ろす巻下時の負荷が加わってくることで、回生抵抗器4の過負荷を少なくする為である。
【0015】
従来型の保護装置ではヒューズ5が溶断した後は、インバータ装置の過電圧保護が働き、荷吊の状態で停止し降ろすことが出来なくなっていたが、本発明では図2のごとくヒューズ5を廃止しているので、高信頼性の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
はじめに図3にてインバータ式クレーン装置の全体構成と動作状況を説明する。インバータ式クレーンは電動巻上機25をX方向に移動させる為にトロリ用電動機24とトロリ用ガーダー23、Y方向に移動させる為に、クレーンサドル装置21とサドル用ガーダー20と組み合せ、操作入力装置29にて操作者が入力することで、クレーンフック32に取付けた荷物をZ方向に巻上巻下を行い、X・Y方向の移動が行うことが出来る。
【0017】
電動巻上機25は、巻上用インバータ装置26に格納した図2のインバータ回路と制御マイコン15と、回生抵抗器4、誘導電動機10、図2に記載した誘導電動機用ブレーキ19から構成される。操作入力装置29からの指示を制御マイコン15で取込み信号を出力することで、巻上用インバータ装置26から必要な周波数、電圧、電流を誘導電動機10に加え、即座に誘導電動機用ブレーキ19を解除制御することで荷物をすべり落とすことなく、クレーンフック32に取付けた荷物をZ方向、すなわち巻上巻下を行う。
【0018】
同様にクレーンサドル装置に取付けてあるサドル用電動機22は、操作入力装置29からの指示を制御マイコン15で取込み信号を出力することで、サドル用インバータ装置30から必要な周波数,電圧,電流が出力され、サドル用ガーダー20上で電動巻上機25をY方向に移動させる。
【0019】
トロリ用電動機24は、操作入力装置29からの指示を制御マイコン15で取込み信号を出力することで、トロリ用インバータ装置28から必要な周波数,電圧,電流が出力され、トロリ用ガーダー23に沿って電動巻上機25をX方向に移動させる。
【0020】
以下、本発明を図2、図3、図4、図5を用いて説明する。
【0021】
図2は本発明の電動巻上機のインバータ装置と回生回路故障保護を示す構成図である。主電源の交流を直流に変換する整流装置1と整流コンデンサ8、回生電力を熱エネルギーに変換する為の電力用半導体スイッチ2と回生抵抗器4、直流を交流に変換する周波数変換機9、その周波数によって回転する誘導電動機10に対し、電力用半導体スイッチ2を駆動する回生トリガ回路12とその出力信号を取込むトリガ検出回路13と、電力用半導体スイッチ2の通電状態を検出する検出用抵抗器16と制御回路側に伝達する為の検出用フォトカプラ17、そのフォトカプラの出力信号を取込む電流検出回路14、トリガ検出回路13と電流検出回路14の2つの信号を取込む制御マイコン15、巻上機用インバータ装置の電源を通電・切断する電源開閉器11で構成される。これらは図4の巻上用インバータ装置26、回生抵抗器4、誘導電動機10の部分に相当する。
【0022】
即ち、図2に示すように、回生電力処理・保護回路7を、電力用半導体スイッチ2と回生抵抗器4、電力半導体スイッチ2を動作させる回生トリガ回路12、電力用半導体スイッチ2の通電状態を検出するための検出用抵抗器16と検出用フォトカプラ17、回生トリガ回路12の出力信号を取込むトリガ検出回路13、検出用フォトカプラ17の出力信号を取込む電流検出回路14と、検出・動作用に制御マイコン15、インバータ装置への通電制御の為に電源開閉器11で構成する。
【0023】
電動巻上機の制御マイコン15はトリガ検出回路13と電流検出回路14の信号を取込む。そして、後述するように、制御マイコン15はインバータ装置動作時に、トリガ検出回路13と電流検出回路14の2つの信号を取込み信号比較することで、電力用半導体スイッチ2ゲート側とアノード・カソード間の正常、異常(ショートモード故障もしくはオープンモード故障)状態を判断することが出来る。
【0024】
そして、後述するように、電力用半導体スイッチ2がショートモード故障の異常時には、制御マイコン15で電源開閉器11をオフし、インバータ装置の電源を遮断することで、回生抵抗器4の保護が達成される。
【0025】
なお制御マイコン15は電動巻上機用インバータ装置の電源開閉器11の前段から電源電圧を取込み制御マイコン用電源ユニット18から動作電圧を取込むので電源開閉器11の開閉には関係ないようにしてある。
【0026】
また、後述するように、回生回路保護手段と表示装置、スピーカー装置、振動発生装置などを組み合わせて構成する手段を有することで、異常状態での巻上装置の操作抑制を操作者に知らしめることが出来る。
【0027】
なお、図2においては、検出用抵抗16を1個で示しているが、複数の小型低電力抵抗器で構成しても良い。
【0028】
荷物を巻上、巻下の運転指示が操作入力装置29により与えられると、その信号を制御マイコン15で取込み、巻上用インバータ装置26を動作させる制御信号を出力する。巻上用インバータ装置26は、必要な周波数、電圧、電流を電動機10に出力し、直後に制御マイコン15が誘導電動機用ブレーキ19を解除させ、回転速度を連続的あるいは階段状的に可変させるながら回転させる。このとき図4に示すインバータ巻上機の運転パターンと回生電流の通電パターンにおいて、斜線で示される運転に当てはまるとき回生エネルギーが発生し、電動巻上機25の巻下時と、巻上から減速するときがこれに当てはまる。
【0029】
電動巻上機25に内蔵された誘導電動機10で発生した回生エネルギーは、スイッチ用電力半導体2をONさせ回生抵抗器4に電流を流すことで熱エネルギーに変換して消費するわけである。
【0030】
実施例に示す回生動作時は、巻下および巻上減速時に電動機10が発電現象を起こすことで発生した回生エネルギーが、巻上用インバータ装置26のVDC電圧を上昇させる(図2の整流装置1の出力VDC電圧)。その電圧上昇をモニタしている回生トリガ回路1が電力用半導体スイッチ2へトリガ信号(通電信号)を出力し、電力用半導体スイッチ2がオン通電し、回生抵抗器4で電流として消費され、回生エネルギーは熱エネルギーへと変換することで消費される。
【0031】
ここで回生動作時には制御マイコン15は、回生トリガ発生回路12が出力した信号であってトリガ信号検出回路13に入力される信号と、電力用半導体スイッチ2がONすることで電力用半導体スイッチ2のアノード・カソード間電位差が無くなり、検出用抵抗器15と検出用フォトカプラ16には電流が流れず、フォトカプラの2次側トランジスタがオフしたことで出力される信号であって電流検出回路14に入力される信号、の2つの信号を検知できる。
【0032】
また回生非動作時には回生トリガ発生回路12が信号を出力しないので、トリガ信号検出回路13には信号が入らない、かつ電力用半導体スイッチ2のアノード・カソードは通電しないので電位差が生じ、検出用抵抗器15と検出用フォトカプラ16の1次側に電流が流れ、検出用フォトカプラ16の2次側トランジスタがONし電流検出回路13に信号が入力されないので、2つの信号無し状態を制御マイコン15は検知する。このことから、制御マイコンは2つの信号入力が一致して入力されれば電力用半導体スイッチ2が正常に動作していることを判断することが出来る。
【0033】
次に電力用半導体スイッチ2がショートモードで壊れた場合について、入力信号の状態を説明する。回生エネルギーが処理されない通常状態では、回生トリガ発生回路12からの信号発生が無く、トリガ検出回路13に信号が入力されない。しかし電力用半導体スイッチ2のアノード・カソード間はショートしているので電位差が無い状態が続き、電流検出抵抗16と電流検出フォトカプラ17の1次側には電流が流れないので、電流検出回路14に信号が入る。
【0034】
この2つの信号の不一致を制御マイコン15が検知し、でン慮供半導体スイッチ2が正常に動作していないことを判断できる。電力用半導体スイッチ2のオープンモードでの故障においても、2つの検出回路からの信号の不一致を取込めるので、異常状態を検出することが出来る。
【0035】
制御マイコン15は異常を検出した場合は、電動巻上機の上下回転を停止させブレーキ19を動作させ、インバータ装置部の電源開閉器11を切断することで、回生抵抗器4に連続的な負荷をかけないようにし、荷物の移動を停止する。その後クレーン操作者に対し表示もしくは音、振動等で異常を知らせる等の巻上動作の禁止を促す。
【0036】
しかしながら電源開閉器11で切断したままでは、回生抵抗器4の過負荷保護はできても、巻上用インバータ装置26に電源が非通電なので動作は出来ず、荷吊りで停止した状態となる。本発明ではこの問題を解決する為に以下の動作を実施する。サドル用インバータ装置30とトロリ用インバータ装置28、巻上用インバータ装置26内の制御マイコンには通電されているので、荷物を安全に降ろせる位置までクレーン作業者が操作入力装置29を使用しX、Y方向の移動は出来る。巻上機本体に関しては操作入力装置29で巻下入力をした時のみ、制御マイコン15は電動巻上機25のインバータ装置26内の電源開閉器11を閉じ、インバータ回路に通電させることで荷物を降ろす処理だけを実行させ、誘導電動機10を回転させ荷物を降ろす。
【0037】
電動巻上機25の回生抵抗器4は、揚程での上から下までの回生動作での通電には耐える実力で設計されているので、荷吊状態から荷物を下まで降ろしても回生抵抗器4の過負荷破損には至らない。電動巻上機25に吊られた荷物が下まで降りたことを制御マイコン15が判断し、再び巻上用インバータ装置の電源開閉器11を開くことで、回生抵抗器4の過負荷破損を防ぎつつ荷吊状態を防ぐ事が出来る。
【0038】
電動巻上機の回生回路故障保護の動作に関する部分を、図5のフローチャートを用いて説明する。まず各インバータ装置の主電源が切断された状態で処理Aから開始となる。インバータ式クレーン装置を動作させる為に、各インバータ装置26,28,30と制御用マイコン15に主電源を通電し、動作を開始し処理Bに進む。
【0039】
処理Cでは、制御マイコン15は巻上インバータ装置26内のトリガ検出回路13と電流検出回路14の2つの入力信号からスイッチ用電力半導体2の異常検知を行う。正常と確認出来たときは、処理Dに分岐し、操作入力装置29からの指示に従い、処理Eで図3のインバータ式クレーン装置のX、Y、Z方向の移動処理が行われ、再び処理Cに戻りスイッチ用電力半導体2の異常検知を行う。
【0040】
ここで制御マイコン15が2つの入力信号の異常状態を検出したときは処理Fに分岐する。処理Fでは巻上インバータ装置内の電源開閉器11を開ける処理を行い、巻上用インバータ装置26への電源が遮断し、ブレーキ19を動作させ、巻上、巻下動作を停止させる。これから回生抵抗器4への過負荷通電が防止される。
【0041】
処理Gにて異常を表示もしくは音、振動等発して操作者に異常が発生したことを知らせ、処理Hに進む。
【0042】
処理Hにて、制御マイコン15は操作入力装置29からの操作状況を判断し、無操作の場合には処理Gに分岐し、操作がある場合には処理Iに分岐する。
上操作ボタンの入力に対しては、動作をキャンセルさせる為に、処理Gに分岐する。他のボタンが押されていた場合は、処理Jに分岐する。
【0043】
処理Jにて操作ボタンの内容を判断し、サドル、トロリ操作操作信号入力の場合には処理Kに分岐する。処理Kにてトロリ、サドル動作が行なわれ、処理Gに戻る。
【0044】
操作入力装置29の下操作ボタンが押された場合は、処理H、I,Jから処理Lに分岐する。
【0045】
処理Lで制御マイコン15はクレーンフック32の位置状態を確認処理し、宙吊りでない状態(床面についている)ならば、荷物をこれ以上下げる必要が無いので動作キャンセルの為処理Gに分岐する。処理Lの時に、クレーンフック32が宙吊状態ならば、処理Mに分岐する。
【0046】
処理Mにて電源開閉器11を閉じ巻上用インバータ装置26に通電させ、処理Nに進み、制御マイコン15は巻上用インバータ装置26を制御し、クレーンフック30の巻下げを行い。
【0047】
処理Fに進み、電源開閉器11を再度閉じ、回生抵抗器4への通電過負荷を防ぐ。荷物を降ろし終わった後は、クレーン操作者は各インバータ装置の主電源を切ることで、処理Aに戻る。この動作フローチャートを行うことで回生抵抗器4の過負荷通電保護と、荷吊状態でのクレーン装置停止を防止し、安全にクレーンのインバータ装置のメンテナンスが出来ることが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】公知の回生抵抗保護とインバータ装置を示す構成図である。
【図2】本発明のインバータ装置と回生回路故障保護を示す構成図である。
【図3】インバータクレーン装置の全体構成図を示す斜視図である。
【図4】インバータ式巻上機の運転パターンと回生電流通電パターンである。
【図5】本発明の回生回路故障保護装置を示す動作チャートである。
【符号の説明】
【0049】
1…整流装置、2…スイッチ用電力半導体、3…電流検出器 、4…回生抵抗器、5…ヒューズ、6…サイリスタスイッチ、7…回生電力処理・保護回路、8…整流コンデンサ、9…周波数変換機、10…誘導電動機11…電源開閉器12…トリガ発生回路、13…トリガ検出回路、14…電流検出回路、15…制御マイコン、16…検出用抵抗器、17…検出用フォトカプラ、18…制御マイコン用電源ユニット、19…誘導電動機用ブレーキ、20…サドル用ガーダー、21…クレーンサドル装置、22…サドル用電動機、23…トロリ用ガーダー、24…トロリ用電動機、25…電動巻上機、26…巻上用インバータ装置、27…トロリ用回生抵抗器、28…トロリ用インバータ装置、29…操作入力装置、30…サドル用インバータ装置、31…サドル用回生抵抗器、32…クレーンフック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動巻上機を駆動するインバータ装置において、
回生時に誘導電動機から発生する回生電力を熱エネルギーに変換して消費する為の回生電力処理回路は、回生抵抗器と電力用半導体スイッチで構成され、前記電力用半導体スイッチのゲート側の動作検出とアノード・カソード間の電流検出を判断比較し、スイッチ用電力半導体がショートモードで故障したときに電動巻上機のインバータ装置の電源ラインを遮断することを特徴とするインバータ装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のインバータ装置において、巻下動作操作時のみ必要に応じてインバータ装置の電源ラインを通電させ動作を許可することを特徴を有するインバータ装置。
【請求項3】
前記請求項1に記載のインバータ装置において、インバータ装置の電源ラインを切断し動作出来ない状態を、外部に故障状態と巻上動作の禁止を知らしめる手段を有することを特徴とするインバータ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインバータ装置を備えることを特徴とする電動巻上機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−183124(P2009−183124A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22266(P2008−22266)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】