説明

カラー画像形成装置

【課題】トナーの使用量を増加させずに像担持体(感光体)の非画像領域上にトナーパターンを形成して長期に渡って高品質な画像の形成を可能とする画像形成装置技術を提供すること。
【解決手段】複数の画像形成部でクリーニングされた回収トナーを担持する回収トナー担持体と、回収トナー担持体上の回収トナーを中間転写体上、あるいは感光体に転移する回収トナー転移手段を備える。そして、所定量の回収トナーを複数の画像形成部の感光体の非画像部に供給し、各感光体の表面を適宜研磨する。従って、トナーの使用量を増やさずに高品質な画像を長期に渡って安定して形成することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写装置やプリンタ等の画像形成装置に係わり、詳細には、感光体ドラム等の像担持体上に形成されたトナー像を用紙等の転写材に転写するタイプのカラー画像形成装置の画像安定化技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真タイプの画像形成装置を軽印刷分野等で使用される用途が近年ますます増えており、これら画像形成装置に対する高画質、高安定性の要求はますます厳しいものになっている。
【0003】
そして、長期に渡って高品質な画像を安定して提供するための技術として以下のものがある。
【0004】
特許文献1に記載の内容は、像担持体表面の幅方向の白紙領域、又は低濃度領域に蓄積した潜像形成妨害物質に起因する「画像にじみ」や「画像ぼけ」等の画質問題の解決策に関するものである。
【0005】
像担持体の進行方向と直交する幅方向の各分割領域における画像密度を算出して、白紙領域、又は低濃度領域に対応する像担持体上の分割領域を判別する。そして、判別された分割領域に対して強制的にトナーを供給するためにトナーバンドを形成する。具体的には像担持体の進行方向における画像領域と画像領域との間の非画像領域にトナーバンドを形成している。
【0006】
トナーバンドの形態で供給されたトナーはクリーニングブレードの当接部に滞留する。この滞留トナーの研磨作用により、像担持体表面に蓄積された潜像形成妨害物質を除去し、画像のにじみやぼけの発生を防止している。
【0007】
特許文献2に記載の内容は、1成分現像装置で低印字率の画像を連続印刷した場合に生じる画質問題の解決策に関するものである。具体的には、所定期間の印刷において印字率が所定数値以下である感光体の軸方向エリアに対して黒ベタパターンを形成して、現像ローラ上に長期に渡り付着しているトナーを一掃させて現像スリーブ上にフレッシュなトナーを担持させるものである。
【特許文献1】特許3835503号公報
【特許文献2】特開2002−328496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の技術は、画像形成装置によって長期に渡って高い品質の画像を安定的に出力することを可能にする。また、副次的ではあるが像担持体(感光体)の長寿命化にも貢献している。ところが、画像形成部内のトナーの使用量を増大させるために、ランニングコストのアップの一因にもなっている。
【0009】
本発明の目的は、画像形成部内のトナーの使用量を増加させずに像担持体(感光体)の非画像領域上に研磨性を有するトナーを供給して長期に渡って高品質な画像の形成を可能とする画像形成装置技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は、下記記載した発明により達成される。
1.トナー像が転写される中間転写体と、感光体上にトナー像を形成した後に前記感光体上のトナー像を前記中間転写体上に転写する、それぞれ異なる色のトナーを有する複数の画像形成部と、前記複数の画像形成部のそれぞれの前記感光体上もしくは中間転写体上からクリーニングされた残留トナーを集合して回収トナーとして回収するトナー回収部と、
前記中間転写体に対向する位置に配設されるとともに、前記トナー回収部から搬送された前記回収トナーを担持する現像ローラと、前記現像ローラから前記中間転写体上に前記回収トナーを転移させる回収トナー転移手段と、前記中間転写体上に転移された前記回収トナーを前記複数の画像形成部の感光体上に転写させるよう、前記中間転写体、前記複数の画像形成部、及び前記回収トナー転移手段を制御する制御部と、を備えることを特徴とするカラー画像形成装置。
2.前記複数の画像形成部はそれぞれの前記感光体に対向して配置されたクリーニング手段を有し、前記制御部により前記中間転写体から転写された前記回収トナーを再度クリーニングすることを特徴とする1に記載のカラー画像形成装置。
3.前記回収トナー転移手段は、前記中間転写体を挟み前記回収トナー担持体に対向する位置に配設させるとともに、前記回収トナー担持体に対してバイアス電圧を印加する制御電極であることを特徴とする1又は2に記載のカラー画像形成装置。
4.前記制御電極は、前記中間転写体の回動方向と直交する方向に分割された複数の分割制御電極で構成され、前記分割制御電極の各々にバイアス電圧が独立に印加可能であることを特徴とする3に記載のカラー画像形成装置。
5.前記現像ローラが回動方向と直交する方向において分割された複数の分割現像ローラで構成され、前記回収トナー転移手段が、前記複数の分割現像ローラの各々にバイアス電圧を印加可能であることを特徴とする1に記載のカラー画像形成装置。
6.トナー像が転写される中間転写体と、感光体上にトナー像を形成した後に前記感光体上のトナー像を前記中間転写体上に転写する、それぞれ異なる色のトナーを有する複数の画像形成部と、前記複数の画像形成部のそれぞれの前記感光体上もしくは中間転写体上からクリーニングされた残留トナーを集合して回収トナーとして回収するトナー回収部と、前記感光体のそれぞれに対向する位置に配設されるとともに、前記トナー回収部から搬送された前記回収トナーを担持する複数の現像ローラと、前記現像ローラから前記回収トナーを前記感光体に転移させる回収トナー転移手段と、前記複数の画像形成部の各感光体上に前記回収トナーを供給させるよう、前記複数の現像ローラを制御する制御部と、を備えることを特徴とするカラー画像形成装置。
7.前記制御部は、前記複数の画像形成部の前記感光体上の非画像領域に潜像パターンを形成させ、前記回収トナー担持体の回収トナーで前記感光体上の前記潜像パターンを現像させることを特徴とする6に記載のカラー画像形成装置。
8.前記複数の画像形成部はそれぞれの前記感光体に対向して配置されたクリーニング手段を有し、前記制御部により前記中間転写体上から転写された前記回収トナーを再度クリーニングすることを特徴とする6又は7に記載のカラー画像形成装置。
9.前記現像ローラが前記感光体の回動方向と直交する方向において分割された複数の分割現像ローラで構成され、前記回収トナー転移手段は、前記複数の分割現像ローラにバイアス電圧を印加可能であることを特徴とする6に記載のカラー画像形成装置。
10.前記制御部は、前記複数の画像形成部の感光体の回動方向と直交する方向において前記感光体を複数に分割する各分割領域に対応して前記感光体上に転移する回収トナーの量を制御することを特徴とする1乃至9の何れか1に記載のカラー画像形成装置。
11.前記制御部は、所定期間に処理される印刷ジョブの情報に基づき前記中間転写体に転移させる回収トナーの量を制御すること特徴とする1乃至10の何れか1に記載のカラー画像形成装置。
12.前記印刷ジョブの情報が、前記各分割領域に形成された画像の印字率に関する情報であること特徴とする11に記載のカラー画像形成装置。
13.前記印刷ジョブの情報が、転写材の種類及びサイズに関する情報であることを特徴とする11に記載のカラー画像形成装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る画像形成装置は、中間転写体上に画像を転写する複数の画像形成部と、複数の画像形成部でクリーニングされた回収トナーを担持する回収トナー担持体と、回収トナー担持体上の回収トナーを中間転写体上、あるいは感光体に転移する回収トナー転移手段を備える。そして、中間転写体、複数の画像形成部と回収トナー転移手段とを制御し、所定量の回収トナーを複数の画像形成部の感光体の非画像部に供給し、各感光体の表面を適宜研磨する。従って、トナーの使用量を増やさずに高品質な画像を長期に渡って安定して形成することを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係わる第1の実施の形態としてのカラー画像形成装置を示す概略構成図である。
【0013】
この画像形成装置100のプリンタ部101は、タンデム構成のフルカラー画像形成装置と称せられるものである。複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、中間転写体のユニットとして無端ベルト状の中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着器24とから成る。画像形成装置の本体部101の上部には、スキャナ部103が配置されている。
【0014】
図2は、各画像形成部10Y、10M、10C、10Kの拡大図であり、各画像形成部10Y、10M、10C、10Kについて以下に説明する。
【0015】
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、ドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、像露光手段3Y、現像器4Y、ローラ状の一次転写手段5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、ドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、像露光手段3M、現像器4M、一次転写手段としての一次転写手段5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、ドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、像露光手段3C、現像器4C、一次転写手段としての一次転写手段5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Kは、ドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、像露光手段3K、現像器4K、一次転写手段としての一次転写手段5K、クリーニング手段6Kを有する。
【0016】
各画像形成部10Y、10M、10C、10Kの各感光体1Y、1M、1C、1Kの周辺の電子写真プロセス各部の実施形態について、図2に従って更に詳しく説明する。
【0017】
画像形成装置100のシステムスピードは300mm/secであり、各感光体1Y、1M、1C、1Kが直径60mmのOPCであり、各帯電手段2Y、2M、2C、2Kによって負極性に帯電される。
【0018】
各帯電手段2Y、2M、2C、2Kは、グリッドの電位を切り替えることにより感光体の電位を任意の帯電電位に制御可能であるスコロトロンタイプのコロナ放電極であり、帯電電源2Y1、2M1、2C1、2K1に接続している。
【0019】
現像器4Y、4M、4C、4Kは2成分現像装置であり、トナーとキャリアからなる2成分現像剤が装填されている。そして、トナーは、キャリアとの相互摩擦により負極性に帯電される。
【0020】
各現像器4Y、4M、4C、4Kは、現像剤担持体4Y1、4M1、4C1、4K1と、攪拌手段4Y4、4M4、4C4、4K4と、トナー濃度検出手段4Y5、4M5、4C5、4K5と、現像容器4Y6、4M6、4C6、4K6と構成される。
【0021】
各攪拌手段4Y4、4M4、4C4、4K4は、2本の回転軸とスクリューとで構成される。そして、攪拌手段の回転によって、図示していないトナー補給部から補給されたトナーが既に現像器内に収容された現像剤に均等に混合される共に、トナーとキャリアとの相互摩擦が促されトナー帯電量の向上が促進される。
【0022】
トナー濃度検出手段4Y5、4M5、4C5、4K5は、各攪拌手段4Y4、4M4、4C4、4K4のひとつに対向するように現像容器4Y5、4M5、4C5、4K5の底部に配設されている。トナー濃度検出手段4Y5、4M5、4C5、4K5は、各現像器に収容される現像剤のトナー濃度を検出している。後述の制御によって、トナー濃度検出手段4Y5、4M5、4C5、4K5で検出されたトナー濃度が基準値以下のなると、前述のトナー補給手段が作動される。従って、各現像器内の現像剤は常に基準値付近のトナー濃度に維持されている。
【0023】
各現像剤担持体4Y1、4M1、4C1、4K1上には適量に規制された2成分現像剤の層が形成されている。各現像剤担持体4Y1、4M1、4C1、4K1の回転により、適量の現像剤が感光体1Y、1M、1C、1Kと対向する現像領域へ搬送される。
【0024】
各現像剤担持体4Y1、4M1、4C1、4K1は、現像バイアス電源4Y2、4M2、4C2、4K2に接続されている。現像バイアス電源4Y2、4M2、4C2、4K2は、DC電圧にAC電圧が重畳されたバイアス電圧を出力している。バイアス電圧のDC成分、AC成分を適宜に変更することにより、カブリ、画像濃度等の現像特性を調整可能にしている。
【0025】
一次転写手段5Y、5M、CM、5Kは、半導電性のスポンジ(登録商標)が被覆された一次転写ローラで構成され、一次転写ローラの抵抗値は1×10Ωである。一次転写手段5Y、5M、CM、5Kは、一次転写電源5Y1、5M1、5C1、5K1に接続され、バイアス電圧が印加される。このバイアス電圧の印加により各感光体1Y、1M、1C、1K上の画像は中間転写体に転写される。一次転写電源5Y1、5M1、5C1、5K1は、主に出力電流を制御する定電流方式である。
【0026】
各一次転写手段5Y、5M、CM、5Kの下流側に、各感光体クリーニング手段6Y、6M、6C、6Kが配設され、一次転写手段によって無端ベルト状の中間転写体70へ転写できず各感光体1Y、1M、1C、1K上に残された残余トナーが清掃される。残余トナーは、エッジが常に当接するようにクリーニングケーシングに支持固定されるクリーニングブレード6Y1、6M1、6C1、6K1によって感光体上から掻き取られる。掻き取られたトナーは、搬送スクリュー6Y1、6M2、6C3、6K4に降下する。そして、搬送スクリュー6Y1、6M2、6C3、6K4の回転により画像形成装置本体の奥側へ搬送された後に、図示していない搬送機構を経て収容容器に収容される。
【0027】
図1に戻り、中間転写体ユニットについて以下説明する。
【0028】
中間転写体ユニット7は、垂直方向に縦列配置されている画像形成部10Y、10M、10C、10Kの各感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方に配置されている。中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74、76、77に張架され、回動可能に支持された無端ベルト状の中間転写体70と、一次転写手段5Y、5M、5C、5K及び二次転写手段5Aと、画像濃度検出手段8と、クリーニング手段6Aとから成る。
【0029】
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、一次転写手段5Y、5M、5C、5Kにより、回動する中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。
【0030】
一次転写手段5Kは、画像形成処理中、感光体1Kに常時圧接している。他の一次転写手段5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
【0031】
感光体の回動方向における画像領域が一次転写部を通過する時は、感光体上のトナー像をきちんと中間転写体に転写させるように定常のバイアス電圧が印加される。
【0032】
給紙カセット20内に収容された記録媒体として用紙等の記録材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段5Aに搬送される。そして、記録材P上にカラー画像が一括転写される。
【0033】
二次転写手段5Aは、半導電性のソリッドゴムが芯金にコーティングされた二次転写ローラである。二次転写ローラとバックアップローラ74のローラ対によって無端ベルト状の中間転写体70と記録材Pを挟持している。バックアプローラ74も、二次転写ローラと同様に芯金に半導電性のソリッドゴムがコーティングされている。
【0034】
二次転写電源は、二次転写ローラの芯金と接続されており、二次転写手段5Aにバイアス電圧を印加している。主に出力電流を制御する定電流方式の電源である。一方のバックアップローラ74の芯金は接地されている。
【0035】
バイアス電圧の出力により中間転写体70上のカラー画像は記録材Pに転写される。記録材Pは、転写後にバックアップローラ74の曲率によって無端ベルト状の中間転写体70から分離される。そして、定着部24で定着処理した後に、排紙ローラ25によって排紙トレイ26上に排出される。
【0036】
中間転写体70に残された残余トナーは、クリーニング手段6Aにより中間転写体70から除去される。
【0037】
筐体9は、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、回収トナー供給部10Sと、中間転写体ユニット7とから成り、装置本体Aから筐体9を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能である。
【0038】
筐体9の引き出し操作により、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、回収トナー供給部10Sと、無端ベルト状の中間転写体ユニット7は、一体となって本体Aから引き出される。
【0039】
上記の帯電、露光、現像、転写(一次転写、二次転写)のサイクルを繰り返し、記録材Pにカラー像が形成される。そして、カラー画像が形成された記録材Pは、定着器24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0040】
本発明に係わる回収トナー供給部10Sは、回動する中間転写体70に対してクリーニング手段6Aと画像形成部10Yの間に配設されている。
【0041】
図3は回収トナー供給部10Sの拡大図である。図3に示すように、供給用現像器4Sと回収トナー転移手段5Sを有する。
【0042】
供給用現像器4Sは、いわゆる一成分現像器であるが、これに限定されるものではなく、2成分現像器であってもよい。
【0043】
供給用現像器4Sは、前記中間転写体に対向する位置に配設されるとともに回収トナーを担持する現像ローラ4S1と、現像ローラ4S1に回収トナーを供給する供給ローラ4S2と、現像ローラ4S1上に付着する回収トナーを均して単層程度に薄層化する層厚規制手段4S3とを有する。そして、供給ローラ4S2の上方には、回収トナーを収容する収容室4S4と、回収トナーを補給するトナー補給手段4S5が配設される。収容室4S4を形成する壁面には収容室4S4内に収容される回収トナーのレベルを検知する残量検知センサー4S6が配設している。
【0044】
現像ローラ4S1上の回収トナーは、層厚規制手段4S3によって薄層化される。そして、薄層化される際に、層厚規制手段4S3及び現像ローラ4S1の双方より摩擦帯電を与えられ、所望の帯電量に帯電される。
【0045】
図4は、上述の回収トナー転移手段5Sの拡大図である。回収トナー転移手段5Sは現像ローラ4S1から中間転写体70上に回収トナーを転移させる機能を有するものであり、芯金5S1と、芯金5S1に支持されるポリアセタール樹脂等の絶縁材料から絶縁ローラ5S2と、絶縁ローラ5S2の表面にリング状に被覆された制御電極5S3で構成される。
【0046】
制御電極5S3は、軸方向に8等分に分割された分割制御電極5S3j(j=1,2,3・・・8)で構成される。各分割電極はリング状の導電性材料であり、互いに絶縁している。
【0047】
各分割制御電極5S3jは、導電性の摺動片5S4jが当接され、各摺動片5S4jを介して制御電極用電源5S5jに接続される。従って、各分割制御電極5S3jに印加されるバイアス電圧Vbjは、制御電極用電源5S5jによって独立に制御可能である。
【0048】
図3に戻り、以下説明する。
【0049】
回収トナー転移手段5Sの制御電極5S3は、回動するベルト状の中間転写体70に接触し、中間転写体70の位置を規定している。そして、現像ローラ4S1は、中間転写体70に対して所定の間隙Dが保持されるよう、支持される。間隙Dの設定値は、0.2mm〜1.0mmの範囲から選択され、ここでは0.5mmである。
【0050】
現像ローラ4S1は、現像電源4S5に接続され、バイアス電圧が印加される。
【0051】
現像電源4S5は、DC電圧Vdcに交番電圧Vacを重畳する方式の電源である。
【0052】
現像ローラ上の回収トナーが中間転写体70に転移する所定量は、現像ローラのDC電位Vdcと各分割制御電極5S3jのバイアス電圧Vbjの差分で定まる、間隙Dに形成される間隙電界に依存する。
【0053】
図10は上記の関係を示す。横軸が各分割制御電極5S3jのバイアス電圧Vbjと現像ローラのバイアス電圧Vdcの差分であり、縦軸が無端ベルト状の中間転写体70の単位面積あたりに転移する回収トナーの量である。なお、現像電源4S5の交番電圧Vac(AC成分)を変えると上記対応関係が破線のように変化する。AC成分を大きくすると矢印の方向に対応関係がシフトする。
【0054】
ここでは、前述のようにAC成分は一定にし、更に、現像バイアス電源のDC電圧Vdcを一定にしている。そして、各バイアス電位Vbjを独立に制御することによって、中間転写体70の回動方向と直交する幅方向においてベルト状の中間転写体70を複数に(ここでは8つに)分割する各分割領域Aj(j=1,2,・・・8)に転移する回収トナーの量(転移量)が調整可能である。
【0055】
各バイアス電位Vbjの電位の強度を制御すると、上記の分割領域Aj毎に異なる濃度のトナーパターンを形成可能である。つまり、各分割領域Ajに転移される回収トナーの所定量は、濃度パターンの形成により調整可能である。
【0056】
別の実施の形態では、各分割制御電極5S3jに印加するバイアス電位Vbjは一定にして作動時間Tbjを制御することにより、各分割領域Aj毎に異なる大きさのトナーパターンを形成可能である。つまり、各分割領域Aj毎に転移される回収トナーの所定量は、大きさの異なるパターンの形成により調整可能である。
【0057】
あるいは、各制御電極用電源5S5jから出力されるバイアス電圧のプロファイルを制御して、分割領域Aj毎に供給される所定量の回収トナーを調整するようにしてもよい。
【0058】
以上の説明に示すように、回収トナー供給部10Sは、画像形成部10Y、10M、10C、10Kで回収された回収トナーを用いてトナーパターンを中間転写体上に形成するものである。
【0059】
トナー補給手段4S5には図示のように補給スクリューと有し、後述の空気流搬送機構によって輸送されてきた回収トナーは、エアー流に伴って入口bより流入し出口cより流出する。その間にエアー流に乗って流入してきた回収トナーは補給スクリュー及ぶその周辺に溜まる。
【0060】
補給スクリューは駆動部4S8に連係する。従って、駆動部4S8の作動により、補給口dから回収トナーが収容室4S4内に補給される。
【0061】
供給用現像器4Sには、回収トナーの収容部4S4を形成する容器の壁面にはトナーの有無を検知するトナー検知センサー4S6が設置されている。トナー検知センサー4S6が「無」の信号に出力すると、駆動部4S8は補給スクリューを作動する。「有」の信号になると作動を停止する。従って、収容部4S4に所定量の回収トナーが常に収容されている。
【0062】
図5は、複数の画像形成部の各クリーニング手段6Y、6M、6C、6K、及び中間転写ユニット7のクリーニング手段6Aでクリーニングされた回収トナーを回収トナー供給部10Sのトナー補給手段4S5へ搬送する搬送機構を示す、概要図である。
【0063】
各色の画像形成部の回収トナーは、各クリーニング手段の搬送スクリュー6Y2、6M2、6C2、6K2によって、画像形成装置100の本体パネルの奥側に搬送され、更に搬送パイプ6Y3、6M3、6C3、6K3内にある搬送スクリューによって矢印の方向(右方向)に搬送される。そして、各搬送パイプの右端部側に開口6Y4、6M4、6C4、6K4からトナー回収部6Dのダクト6D1へ搬入され、トナー回収部6Dの収容室6D2へ集合されている。
【0064】
中間転写ユニット7のクリーニング手段6Aでクリーニングされた回収トナーも、本体パネルの奥側に搬送され、搬送パイプ6A3を経由して、開口6A4からトナー回収部6Dのダクト6D1へ搬入される。
【0065】
上記のように、トナー回収部6Dは、複数の画像形成部のそれぞれの前記感光体上もしくは中間転写体上からクリーニングされた残留トナーを集合して回収トナーとして回収している。
【0066】
トナー回収部6Dには、収容室6D2から回収トナー供給部10Sのトナー補給手段4S5に回収トナーを搬送するトナー搬送機構がある。このトナー搬送機構は、特開2006−119500号公報に記載の空気流搬送方式であり、以下に説明する。
【0067】
エアーポンプ6D3、6D4によって各フレキシブルなパイプ内に矢印のような空気流が形成され、図示のような空気流の循環系を構成している。回収トナーは空気流に乗って収容部6D2からエアーポンプ6D3を経由して回収トナー供給部10Sのトナー補給手段4S5に搬送される。
【0068】
収容部6D2内の回収トナー量が過剰になると、過剰分の回収トナーは廃棄容器6D5に降下して収納される。そして、最終的には廃棄容器6D5と一体に廃棄される。
【0069】
図6は、発明に係わる画像形成装置100の制御関係を示すブロック図である。
【0070】
プリンタ部101、制御部102、スキャナ部103、画像処理部104、操作表示部105、トナーパターン作成部106、記憶部107、送受信部108、プリントコントローラ部109、画像密度算出部110等により構成される。各部はバス111により接続されている。
【0071】
制御部102は、CPU、ROM、RAM等により構成される。制御部102のCPUは、操作表示部105の操作により、ROMに記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って画像形成装置100各部の動作を集中制御する。
【0072】
操作表示部105は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部102から入力される表示信号の指示に従って表示画面上に各種操作ボタンや装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。
【0073】
LCDの表示画面上は、透明電極を格子状に配置して構成された感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルに覆われており、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部102に出力する。
【0074】
また、操作表示部105は、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ボタン操作による操作信号を制御部102に出力する。
【0075】
スキャナ部103は、原稿を載置するコンタクトガラスの下部にスキャナを備えて構成され、原稿の画像を読み取る。スキャナは、光源、CCD(Charge Coupled Device)、結像光学系、A/D変換器等により構成される。光源からの照明光は原稿を走査し、原稿面からの反射光はCCDに結像する。CCDによって光電変換されて、そして、原稿の画像はR、G、B信号として読み取られる。読み取られた画像は、A/D変換器でアナログ信号からデジタル信号に変換されて画像処理部104に出力される。ここで、画像は、図形や写真等のイメージデータに限らず、プリントコントローラ部によって文字や記号等のテキストデータがイメージデータに変換されたものも含む。
【0076】
画像処理部104は、スキャナ部103から入力したR、G、Bの画像データをプリンタ部101で処理可能なY、M、C、K色の画像データに変換させる。更に、プリンタ部101の出力特性に合わせてγ補正処理を行い、あるいは誤拡散方法等の2値化処理を行い、Y、M、C、K色の印刷データを生成する。そして、印刷データをプリンタ101に出力する。
【0077】
一方、ネットワーク上のパソコンから印刷ジョブは送受信部108で受信される。受信された印刷ジョブはプリントコントローラ部109へ転送られる。印刷ジョブは、印刷処理に関する情報と印刷データ(ファイル)で構成されている。プリントコントローラ部109は、印刷ジョブの内容に基づき、Y、M、C、K色の画像データであるところの印刷データを生成し、プリンタ部101へ出力する。
【0078】
トナーパターン作成部106は、装置本体の印刷済み情報を鑑みて感光体1Y、1M、1C、1Kの非画像領域に所定量のトナーを供給するために中間転写体70に形成されるトナーパターンに関する情報を生成している。前述の回収トナー供給部10Sは、この情報に基づいて各対向電極に印加するバイアス電圧Vbjのプロファイルを形成している。
【0079】
中間転写体70に形成されたトナーパターンが感光体1Y、1M、1C、1Kの非画像領域に供給される実施の形態は後に詳しく説明する。
【0080】
画像密度算出部110は、画像処理部104から転送された各色印刷データを演算して、各感光体1Y、1M、1C、1K上の複数の分割領域Bjに印刷される画像の平均画像密度を算出する。制御部102は、各印刷ジョブの履歴情報として各分割領域の平均画像密度に関するデータを記憶部107に記憶する。
【0081】
この分割領域Bj及び画像密度算出部の実施の形態についても、後に詳しく説明する。
【0082】
記憶部107は、HDD等の電源を切ってもデータが消失しないデータ書き換え可能な不揮発性メモリー部と、データの消失する画像処理用等に使用されるDRAM部とで構成される。
【0083】
画像処理部104及びプリントコントローラ部109で生成されたY、M、C、K色の印刷データは記憶部107のDRAM部にあるビットマップメモリ上に展開される。
【0084】
所定のタイミングになると、ビットマップメモリ上に記憶された各色の印刷データが順次読み出され、各色の画像信号(ビデオ信号)としてプリンタ部101へ出力される。
【0085】
図7は、プリンタ部101の各色の第1像形成部10Y、10M、10C、10Kと回収トナー供給部10Sの各部に関する制御ブロック図である。各制御ブロックは、バスを介して制御部102と接続されている。上部の破線枠内は、第1像形成部10Y、10M、10C、10Kの各々に対して存在する制御ブロックであり、全ての制御ブロックがバスを介して接続されている。下部の破線枠内は、回収トナー供給部10Sに関係する制御ブロックである。
【0086】
各帯電電源2Y1、2M1、2C1、2K1は各感光体1Y、1M、1C、1Kの帯電電位を制御している。実施形態では、制御部102の指示に基づき帯電手段2Y、2M、2C、2Kにはスコロトロン電位が出力され、各感光体1Y、1M、1C、1Kはスコロトロン電位によって定まる表面電位に帯電される。
【0087】
各像露光手段3Y、3M、3C、3Kは、レーザー光を感光体に回動方向と直交する主走査方向に走査する光走査露光手段である。前述のビデオ信号に従ってレーザー素子の点灯出力が変調されて、副走査方向に回動する感光体1Y、1M、1C、1K上には走査状にレーザー照射像(潜像)が形成される。
【0088】
現像バイアス電源4Y2、4M2、4C2、4K2は、制御部102の指示に基づき出力電圧を適宜に変更可能である。
【0089】
トナー濃度制御手段4Y8、4M8、4C8、4K8は、各現像部のトナー濃度センサー4Y5、4M5、4C5、4K5によって検出されたトナー濃度が所望値より低下すると、各現像部のトナー補給手段4Y7、4M7、4C7、4K7を作動させる。制御部102がトナー濃度制御手段を兼ねてもよい。
【0090】
一次転写電源5Y1、5M1、5C1、5K1は、制御部102の指示に基づき一次転写手段に印加するバイアス電圧を変更可能である。
【0091】
通常時は、各感光体1Y、1M、1C、1Kの画像領域上のトナー像を無端ベルト状の中間転写体70に転写させるバイアス電流Iを出力する。そして、画像領域外が第1転写部を通過する際には、各感光体上のトナーを無端ベルト状の中間転写体70に転写しないバイアス電流Iを出力する。
【0092】
次に、中間転写体70に形成されたトナーパターンを画像形成部の各感光体上の非画像領域に供給する、本発明に係わる実施の形態について説明する。
【0093】
制御部102は、トナーパターン作成部で生成されたトナーパターンに関する情報に基づき、出力電圧プロファイルを生成し、各制御電極用電源5S5jに出力する。
【0094】
各制御電極用電源5S5jは、その後に制御102の指令を受けると、予め決められたタイミングに出力電圧プロファイルに準ずるバイアス電圧Vbjを出力する。
【0095】
同時に、現像電源4S5も、制御102の指令に基づき、バイアス電圧Vbjの出力に相応するように作動状態(ON状態)に切り替わる。現像ローラ上の回収トナーはAC電圧の印加により中間転写体70との間隙において交互電界により振動状態になる。
【0096】
このようにして、トナーパターンに関する情報に基づきトナーパターンPy、Pm、Pc、Pkは無端ベルト状の中間転写体70上に形成される。
【0097】
一次転写電源5Y1は、制御部102の指示信号に従って、トナーパターンPyが一次転写手段5Yを通過する際にバイアス電流をIから、無端ベルト状の中間転写体70上のトナーパターンPyを感光体1Yに転写させる電流Iに切り替える。
【0098】
同様に、一次転写電源5M1は、制御部102の指示信号に従って、トナーパターンPmが一次転写手段5Mを通過する際にバイアス電流をIから、無端ベルト状の中間転写体70上のトナーパターンPmを感光体1Mに転写させる電流Iに切り替える。
【0099】
そして、一次転写電源5C1、5K1も、制御部102の指示信号に従って、トナーパターンPc、Pkが一次転写手段5M、5Kを通過する際にバイアス電流をIから、無端ベルト状の中間転写体70上のトナーパターンPc、Pkを感光体1C、1Kに転写させる電流Iに切り替える。
【0100】
前述のバイアス電流Iとバイアス電流Iは、電流の向き(極性)が異なるが、絶対値が同一である。
【0101】
制御部102は、一次転写電源5Y1、5M1、5C1、5K1の出力電圧を制御し、回収トナー供給部10Sで無端ベルト状の中間転写体70上に形成された複数のトナーパターンPy、Pm、Pc、Pkを各感光体1Y、1M、1C、1Kに選択的に転写している。
【0102】
上述のようにして、所定量の回収トナー(研磨粒子である)を各感光体の非画像領域に供給させること可能にしている。
【0103】
図9は、上述で説明した各一次転写手段5Y、5M、5C、5Kのバイアス切替と、各制御電極5S3及び供給用現像器4Sの作動切替を示す。
【0104】
ここでは、トナーパターンは、無端ベルト状の中間転写体70の回動方向における画像領域と画像領域の間にある非画像領域上に毎回形成される。そして、“Page1”は1枚目の画像であり、“Page2”は2枚目の画像である。“Page1”と“Page2”の間の非画像領域上にトナーパターンPy、Pm、Pc、Pkが形成されている。
【0105】
図9は、無端ベルト状の中間転写体70が一次転写手段5Y、5M、5C、5Kを通過する時に、一次転写手段5Y、5M、5C、5Kに印加されるバイアス電流(I1,2、)を示すタイミングチャートである。そして、各一次転写手段5Y、5M、5C、5Kに印加されるバイアス電流の切替タイミングを示す。
【0106】
5Y、5M、5C、5Kの出力における“+”は、Iに、“0”はIに、“−”はIに対応する。
【0107】
4S、5Sの出力における“On”は、Vbj及び現像電源が作動状態にあることを示す。“Off”は、Vbj及び現像電源が不作動状態にあることを示す。
【0108】
図9の最下部に、“Page1”画像、“Page2”画像及びトナーパターンが形成された無端ベルト状の中間転写体70を示す。
【0109】
図8は、上述のようにトナーパターンPy、Pm、Pc、Pkが選択転写される過程示す概念図である。
【0110】
図8の(a)は、回収トナーの供給部10SによってトナーパターンPy、Pm、Pc、Pkが無端ベルト状の中間転写体70上に形成された直後の状態を示す。
【0111】
図8の(b)は、図8の(a)の無端ベルト状の中間転写体70が回動されて画像形成部の一次転写手段5Yの位置を通過した直後の状態を示す。一次転写手段5YによってトナーパターンPyのみが選択的に感光体1Y上に転写されている。
【0112】
図8の(c)は、図8の(b)の無端ベルト状の中間転写体70が更に回動されて画像形成部の一次転写手段5Mの位置を通過した直後の状態を示す。一次転写手段5MによってトナーパターンPmのみが選択的に感光体1M上に転写されている。
【0113】
一次転写手段5C、5Kの位置を通過した後の状態は図示されていないが、トナーパターンPcは感光体1Cに、トナーパターンPkは感光体1Kに順次選択的に転写される。
【0114】
次に、「縦筋状の濃度ムラ」の画質問題の解決策に適用される「トナーパターン作成」の実施形態について、以下に説明する。
【0115】
前述を繰り返すことになるが、画像密度算出部110は、画像処理部104から転送された各色印刷データを演算して、各感光体1Y、1M、1C、1K上の複数の分割領域Bjに印刷される画像の平均画像密度を算出する。
【0116】
図11は、上記の分割領域Bjの概念を示す。分割領域Bjは、感光体の回動方向と直交する幅方向において各感光体1Y、1M、1C、1Kを複数に分割する領域である。又、各分割領域Bjは、図4で示した無端ベルト状の中間転写体を幅方向に8つに分割する分割領域Aj(j=1,2,3・・・8)の各々に対応する位置関係にある。従って、制御電極5S3の分割制御電極5S3jの位置、幅、数によって自動的に定まる位置関係にある。また、一般に分割数jを多くするほど幅方向における平均画像密度をより緻密にフィードバックできる。但し、制御電極5S3の分割数を多くすることになり、コスト面で限度がある。また、分割数jを大きくすると平均画素密度算出の処理に要する負荷も増大する。従って、これらを考慮して実用的な観点から適宜決定する。
【0117】
平均画素密度の算出について、以下の既知の方法が適用できる。
【0118】
その1;各色印刷データが2値である場合、分割領域毎に印字オンの画素(ドット)をカウントし全オン画素数Nを得る、そして、各分割領域の全画素数Noで除して分割領域毎の平均画像密度N/Noを算出する方法が適用される。この平均画像密度は、一般に平均印字率と称される。
【0119】
その2;各色印刷データが多値である場合には以下のような手順で算出する。
【0120】
(1)分割領域内の画素jの書込強度ijとするとき、このijを所定期間の間に回動する分割領域内の全画素(j=1、2、・・・J)に渡って加算した積分値Iを算出する。
【0121】
(2)既知である、全画素に対して書込強度ijを最大にしたときの積分値Ioで上記のIを除して、分割領域毎の平均画像密度I/Ioを算出する。
【0122】
図6に示すトナーパターン生成部109は、制御部102の指示に基づき、記憶部107に記憶された印刷ジョブの平均画像密度に関するデータを参照し、画像形成部の感光体1Y、1M、1C、1Kの各分割領域の平均画像密度率を取得する。そして、次の手順に従って、トナーパターンパターンを生成し、制御部102に転送する。
【0123】
手順1:各色印刷データについて各分割領域の平均画像密度を参照し最大値を得る。得られた最大値を基準値とする。
【0124】
手順2:手順1で得られた基準値から各領域Bjの平均画像密度を減算し基準値と各分割領域の平均画像密度との差分を取得する。
【0125】
手順3:手順2で取得された上記の差分を画像形成装置100の記憶部107に予め登録されている変換テーブルを参照する。そして、無端ベルト状の中間転写体70上に形成されるトナーパターンに関する情報(例えば、Vbj、Tbj)を分割領域Aj毎に取得する。図12は、上述の変換テーブル、すなわち、平均画像密度の各分割領域間の差とトナーパターンの作成条件の対応関係をグラフ化したものである。横軸は基準値と各分割領域の平均画像密度との差分である。そして、縦軸はトナーパターン作成条件の「バイアス電圧Vbj−Vdc」である。Tbjは一定である。
【0126】
手順4:トナーパターンに関する情報(例えば、Vbj、Tbj)を制御部102に転送する。
【0127】
制御部102は、トナーパターン生成部109から転送されたトナーパターンに関する情報を記憶部107に印刷ジョブと対応付けて一旦記憶させる。
【0128】
しかる後にプリンタ部101は、制御部102より印刷ジョブの印刷指令を受信すると、記憶部107より印刷ジョブの印刷データと印刷ジョブに対応するトナーパターンを読み出す。そして、画像形成部10Y、10M、10C、10Kで感光体1Y、1M、1C、1Kのそれぞれの画像領域に印刷データに対応するY画像、M画像、C画像、K画像を形成する。
【0129】
次に、制御部102は、印刷ジョブに対応するトナーパターンに関する情報に基づき、回収トナー供給部10Sの対向電極用電源5S5jと現像電源4S5を制御して無端ベルト状の中間転写体70にトナーパターンPy、Pm、Pc、Pkを形成する。
【0130】
前述及び図8で説明したように、トナーパターンPy、Pm、Pc、Pkは、無端ベルト状の中間転写体70に形成された後に、感光体1Yの非画像領域上にトナーパターンPyが再転写される。同様に感光体1Mの非画像領域にトナーパターンPmが再転写され、感光体1Cの非画像領域上にトナーパターンPcが再転写され、感光体1Kの非画像領域上にトナーパターンPkが再転写される。
【0131】
また、トナーパターン生成部109は、次に示す手順に従ってトナーパターンを生成する方式も同様に有効である。
【0132】
手順1:各分割領域が取り得る最大値、すなわち100%を基準値とする。
【0133】
手順2:手順1で得られた基準値、つまり100%から各分割領域の平均画像密度を減算し、基準値と各分割領域の平均画像密度との差を取得する。
【0134】
手順3:手順2で取得された上記の差を画像形成装置100の記憶部107に予め登録されている変換テーブルと参照する。そして、無端ベルト状の中間転写体70に形成されるトナーパターンに関する情報(ここでは、Vbj)を順次取得する。
【0135】
更に、次の手順に従ってトナーパターンを生成する方式も上記の2例と同様に有効である。
【0136】
手順1:各分割領域の平均画像密度を加算して平均した加重平均値を求め、この加重平均値を基準値として採用する。
【0137】
手順2:手順1で得られた加重平均値から各分割領域Bjの平均画像密度を減算し、基準値と各分割領域Bjの平均画像密度との差を取得する。
【0138】
手順3:手順2で取得された上記の差を画像形成装置100の記憶部107に予め登録されている変換テーブルと参照する。そして、無端ベルト状の中間転写体70に形成されるトナーパターンに関する情報(ここでは、Vbj)を順次取得する。
【0139】
上述のようなトナーパターンからなる回収トナーの供給により、感光体の回動方向に直交する方向において偏った画像密度の印刷ジョブが繰り返し実行されても、各感光体のクリーニング手段に対して幅方向に均等、且つ適量のトナーが供給され、「縦筋状の濃度ムラ」が解消される。しかも、偏摩耗を均すために用いられるトナーは回収トナーであり、印刷画像以外に消耗するトナーは存在せず、トナー使用量を増加させることない。
【0140】
上記の実施形態では、各分割領域のトナーパターンの濃度を切り替えて、各分割領域に研磨性粒子(回収トナー)を供給する割合を変更するものであるが、トナーパターンの面積(感光体の回動方向の長さ)を変更するようにしても構わない。
【0141】
上記の第1の実施の形態のカラー画像形成装置は、像担持体の回動方向と直交する方向におけて極度に偏った画像濃度分布のプリントを多数印刷したとしても、クリーニングブレードエッジの全領域に均等、且つ適量の回収トナー(研磨粒子)を常に提供できる。像担持体(感光体)表面の摩耗について、全領域に渡る均等化・適正化が図られ、結果として長期渡って「縦筋状の濃度ムラ」を防止できる。また、像担持体(感光体)の長寿命化も同時に達成できる。
【0142】
更に、クリーニングブレードエッジの摩耗も全域に渡って均等化できるために、クリーニング性能の安定性、クリーニングブレードの長寿命化が達成できる。
【0143】
しかも、本発明は、研磨性粒子として回収トナーが再利用されているために、トナーの使用量を全く増やすことなく画像の安定化、像担持体及びクリーニングブレードの長寿命化が達成できる。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係わる第2の実施の形態を以下説明する。
【0144】
図13は、カラー画像形成装置の中央断面図である。図1の第1の実施の形態のカラー画像形成装置の実施の形態と相違する点を中心に説明する。
【0145】
複数の画像形成部の各感光体、あるいは中間転写体からクリーニングされた残留トナーを集めて回収した回収トナーは、中間転写体を経由しないで直接的に複数の画像形成部の各感光体に供給される。従って、各画像形成部10Y、10M、10C、10Kの各感光体1Y、1M、1C、1Kに対向して複数の供給用現像器4SY、4SM、4SC、4SKが配設される構成である。
【0146】
図14は、各感光体1Y、1M、1C、1Kに対向して複数の供給用現像器4SY、4SM、4SC、4SKが配設される各画像形成部10Y、10M、10C、10Kの拡大図である。
【0147】
各供給用現像器4SY、4SM、4SC、4SKは、図3と同一構成である一成分現像装置であるが、2成分現像装置であってもよい。
【0148】
各供給用現像器は、回収トナーを担持する現像ローラ4S1Y、4S1M、4S1C、4S1Kと、回収トナーを現像ローラに供給する供給ローラ4S2Y、4S2M、4S2C、4S2Kと、層厚規制手段4S3Y、4S3M、4S3C、4S3Kとで構成される。トナー補給手段4S5Y、4S5M、4S5C、4S5Kは、各供給用現像器4SY、4SM、4SC、4SKの上部に配設され、回収トナーを供給用現像器内の収容室に供給可能である。
【0149】
各現像ローラ4S1Y、4S1M、4S1C、4S1Kは、現像電源4S5Y、4S5M、4S5C、4S5Kに接続されており、バイアス電圧が印加可能である。
【0150】
図15は、複数の画像形成部及び中間転写体からクリーニングされてトナー回収部6の収容室6D2に集まられた回収トナーを複数のトナー補給手段4S5Y、4S5M、4S5C、4S5Kに循環的に搬送する循環搬送機構である。ひとつのトナー補給手段4S5に回収トナーを循環的に搬送する第1の実施形態(図5)と異なる箇所について以下説明する。
【0151】
ポンプ6D3から排気されたエアー流はパイプAoutからトナー補給手段4S5Yの入口aに流入し、出口bから排出する。そしてトナー補給手段4S5Mの入口cに流入し、出口dから排出する。出口dから排出されたエアー流は、トナー補給手段4S5Cの入口eから流入し、出口fから排出し、更にトナー補給手段4S5Kの入口gから流入し、出口gから排出する。そして、エアー流はパイプAinに吸入され、ポンプ6D4に至る。このように循環搬送機構のエアー流に乗って回収トナーはトナー回収部6の収容室6D2から、ポンプ6D3を経由して、4S5Y、4S5M、4S5C及び4S5Kに順次搬送される。余剰分はポンプ6D4を経由して収容室6Dに戻る。
【0152】
制御部102は、第1の実施の形態で説明した手順で各感光体1Y、1M、1C、1Kの各分割幅領域Bj(j=1、2・・・、8)上に形成される画像の平均画像密度を算出する。そして、算出された各分割領域Bjの平均画素密度に対応して、濃度階調の潜像パッチIP(非図示)を各感光体の非画像領域に形成する。つまり、感光体1YにIPyを形成し、感光体1MにIPmを形成し、感光体1CにIPc、感光体1KにIPkを形成する。更に潜像パッチIPy、IPm、IPc、IPkが各々の供給用現像器4SY、4SM、4SC、4SKを通過するとき、各々の供給用現像器4SY、4SM、4SC、4SKを作動させる。上記のように各画像形成部10Y、10M、10C、10K及び各供給用現像器4SY、4SM、4SC、4SKを制御して、感光体1Y上にパッチ画像Pyを、感光体1M上にパッチ画像Pmを、感光体1C上にパッチ画像Pcを、感光体1K上にパッチ画像Pkを形成する。
【0153】
上記の第2の実施の形態のカラー画像形成装置は、像担持体の回動方向と直交する方向におけて極度に偏った画像濃度分布のプリントを多数印刷したとしても、クリーニングブレードエッジの全領域に均等、且つ適量の回収トナー(研磨粒子)を常に提供できる。像担持体(感光体)表面の摩耗について、全領域に渡る均等化・適正化が図られ、結果として長期渡って「縦筋状の濃度ムラ」を防止できる。また、像担持体(感光体)の長寿命化も同時に達成できる。
【0154】
更に、クリーニングブレードエッジの摩耗も全域に渡って均等化できるために、クリーニング性能の安定性、クリーニングブレードの長寿命化が達成できる。
【0155】
しかも、本発明は、研磨性粒子として回収トナーが再利用されているために、トナーの使用量を全く増やすことなく画像の安定化、像担持体及びクリーニングブレードの長寿命化が達成できる。
[その他の形態]
上記の実施の形態1,2に用いた供給用現像器4S及び4SY、4SM、4SC、4SKの現像ローラは現像ローラ表面が単一の現像ローラであったが、こうした単一の現像ローラは周回方向に直交する軸方向に複数に分割された分割現像ローラに置換することも可能であり、以下の実施の形態を説明する。
【0156】
図16は、複数の分割現像ローラで構成される現像ローラを用いた回収トナー供給部10Sの実施の形態を示す模式図である。第1の実施の形態(図3)との相違点を主に以下説明する。
【0157】
現像ローラ4S1は、回転軸である芯金4S11と、芯金に支持された絶縁性の樹脂ローラ4S12と、樹脂ローラの表面を被覆する導電性の金属スリーブ4S13と、で構成される。金属スリーブ4S13は現像ローラ4S1の軸方向を複数に分割する複数の分割スリーブ4S13jで構成され、各分割スリーブは互いに電気的に絶縁化されている。図(a)の供給用現像器4SをXの方から矢視した図(b)に示すように、金属スリーブ4S13は複数の分割スリーブに分割されている。ここでは8つの分割スリーブに分割されているとする。
【0158】
図(a)に戻るが、矢印の方向に回転する現像ローラ4S1には供給ローラ4S2が接触する。供給ローラ4S2は、矢印の方向に回転して収容室4S4に収容する回収トナーを現像ローラへ供給するように作用する。供給ローラの下流側において現像ローラに薄層のトナー層を形成する層厚規制手段4S3が当接している。更に下流側には回動する現像ローラの各分割スリーブに表面側から接触して各分割スリーブにバイアス電圧を印加する8個の導電ブラシ4S9jが設置される。各導電ブラシ459jの取り付け部には各現像電源4S7jからのリード線が溶接される。制御部102は、各現像電源4S7jを指示することによって、現像ローラ4S1の各分割スリーブに印加するバイアス電圧のプロファイルを独立に可変可能である。
【0159】
現像ローラ4S1に対しベルト状の中間転写体70を挟むように、中間転写体に接触して中間転写体と現像ローラの間隙を保持する、対向ローラ6Sがある。対向ローラは接地されている。第1の実施形態と異なり、この実施形態では対向ローラ6Sはその表面が軸方向に渡り単一の部材で構成されている。
【0160】
この実施の形態では、現像ローラ4S1の各分割スリーブ4S13jに印加されるバイアス電圧のプロファイルを決定し現像電源4S7jに指示することによって、中間転写体上に供給する回収トナーからなるトナーパターンを任意に供給可能である。つまり、中間転写体を回動方向と直交する方向に分割する複数の分割領域Ajに供給する回収トナーの所定量を制御可能である。
【0161】
上記の実施の形態は、中間転写体70及び対向ローラ6Sの構成を感光体1Y、1M、1C、1Kに置換することにより、第2の実施の形態に適用可能である。そして、上記の実施の形態を第2の実施の形態に適用すると、「濃度階調の潜像パッチIP(非図示)を各感光体の非画像領域に形成する」制御は不要にできる。
【0162】
上記の本発明に係わる第1及び第2の実施の形態、その他の形態は、用紙が感光体に直接接触する構成を有さないカラー画像形成装置であるが、用紙が感光体に直接接触する構成のカラー画像形成装置でも本発明の実施の形態は有効である。後者の画像形成装置の場合、紙粉が感光体面に蓄積して、「画像ボケ」あるいは「画像にじみ」等の画像不良に発展する問題がある。この問題の防止策として適用すると特に効果的である。
【0163】
つまり、印刷済みジョブの履歴情報から「用紙種別」及び「用紙の端部位置」に関する情報を抽出して、この情報に基づき紙粉が多量に発生する用紙の端部に相当する各感光体の分割領域Bj上に回収トナーが選択的に供給されるよう、パッチ画像Py、Pm、Pc、Pkを形成する。このように制御して、各感光体に供給された回収トナーの研磨作用により各感光体上における紙粉の蓄積が適宜防止するようにしてもよい。
【0164】
この場合には、問題の発生しやすい「用紙」、あるいは「用紙端部の近傍」に対して効果的に研磨粒子である回収トナーをクリーニング手段6Y、6M、6C、6Kへ供給できる。従って、「画像ボケ」、「画像にじみ」の発生を未然に防止できる。
【0165】
上記の実施の形態では、画像領域と画像領域の間に位置する各インターイメージ領域にトナーパターンを形成しているが、複数枚の印刷画像を処理する毎にインターイメージ領域にトナーパターンを形成するようにしてもよい。
【0166】
以上の実施形態では基準値と各分割領域の平均画像密度との差に基づき各分割領域に供給する研磨性粒子の量を調整しているが、これに限らず各分割領域の平均画像密度の間の差に基づき各分割領域に供給する研磨性粒子の量を調整するようなものであってもよい。
【0167】
本発明を利用すると、像担持体の回動方向と直交する方向におけて極度に偏った画像濃度分布のプリントを多数印刷したとしても、クリーニングブレードエッジの全領域に均等、且つ適量の回収トナー(研磨粒子)を常に提供できる。像担持体(感光体)表面の摩耗について、全領域に渡る均等化・適正化が図られ、結果として長期渡って「縦筋状の濃度ムラ」を防止できる。また、像担持体(感光体)の長寿命化も同時に達成できる。
【0168】
更に、クリーニングブレードエッジの摩耗も全域に渡って均等化できるために、クリーニング性能の安定性、クリーニングブレードの長寿命化が達成できる。
【0169】
しかも、本発明は、研磨性粒子として回収トナーが再利用されているために、トナーの使用量を全く増やすことなく画像の安定化、像担持体及びクリーニングブレードの長寿命化が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明に係わる第1の実施の形態のカラー画像形成装置の中央断面図である。
【図2】画像形成部の拡大図である。
【図3】回収トナー供給部の拡大図である。
【図4】回収トナー供給部の現像ローラと回収トナー転移手段の拡大図である。
【図5】各画像形成部の残留トナーを集合して回収トナーとして回収し、該回収トナーを回収トナー供給部へ搬送する回収トナー搬送機構を示す構成図である。
【図6】本発明のカラー画像形成装置の全体制御ブロック図である。
【図7】画像形成部(プリンタ部)と回収トナー供給部の制御ブロック図である。
【図8】回収トナー供給部で形成されたトナーパターンが画像形成部の各感光体上に選択転写される形態を示す概念図である。
【図9】各一次転写手段に印加されるバイアス出力のタイミングチャートである。
【図10】制御電極に印加するバイアス電位Vbjと無端ベルト状の中間転写体上に現像される回収トナーの質量の関係を示す。
【図11】感光体の画像領域を回動方向に直交する方向に分割する分割領域Bjの概念図である。
【図12】平均画像密度の各分割領域間の差とトナーパターンの作成条件の対応関係を示すグラフである。
【図13】本発明に係わる第2の実施の形態のカラー画像形成装置の中央断面図である。
【図14】第2の実施の形態の画像形成部及び回収トナー供給部の拡大図である。
【図15】第2の実施の形態の回収トナー搬送機構を示す構成図である。
【図16】現像ローラの他の実施の形態の模式図である。
【符号の説明】
【0171】
1Y、1M、1C、1K 感光体
4Y、4M、4C、4K 現像器
4S 供給用現像器
4S1 現像ローラ
5Y、5M、5C、5K 一次転写手段
5A 二次転写手段
5S 回収トナー転移手段
5S3 制御電極
5S3j 分割制御電極
6Y、6M、6C、6K、 クリーニング手段
6D トナー回収部
70 中間転写体
10Y、10M、10C、10K 画像形成部
10S 回収トナー供給部
102 制御部
106 トナーパターン作成部
107 記憶部
110 画像密度算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が転写される中間転写体と、
感光体上にトナー像を形成した後に前記感光体上のトナー像を前記中間転写体上に転写する、それぞれ異なる色のトナーを有する複数の画像形成部と、
前記複数の画像形成部のそれぞれの前記感光体上もしくは中間転写体上からクリーニングされた残留トナーを集合して回収トナーとして回収するトナー回収部と、
前記中間転写体に対向する位置に配設されるとともに、前記トナー回収部から搬送された前記回収トナーを担持する現像ローラと、
前記現像ローラから前記中間転写体上に前記回収トナーを転移させる回収トナー転移手段と、
前記中間転写体上に転移された前記回収トナーを前記複数の画像形成部の感光体上に転写させるよう、前記中間転写体、前記複数の画像形成部、及び前記回収トナー転移手段を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の画像形成部はそれぞれの前記感光体に対向して配置されたクリーニング手段を有し、前記制御部により前記中間転写体から転写された前記回収トナーを再度クリーニングすることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
前記回収トナー転移手段は、前記中間転写体を挟み前記回収トナー担持体に対向する位置に配設させるとともに、前記回収トナー担持体に対してバイアス電圧を印加する制御電極であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラー画像形成装置。
【請求項4】
前記制御電極は、前記中間転写体の回動方向と直交する方向に分割された複数の分割制御電極で構成され、前記分割制御電極の各々にバイアス電圧が独立に印加可能であることを特徴とする請求項3に記載のカラー画像形成装置。
【請求項5】
前記現像ローラが回動方向と直交する方向において分割された複数の分割現像ローラで構成され、前記回収トナー転移手段が、前記複数の分割現像ローラの各々にバイアス電圧を印加可能であることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
【請求項6】
トナー像が転写される中間転写体と、
感光体上にトナー像を形成した後に前記感光体上のトナー像を前記中間転写体上に転写する、それぞれ異なる色のトナーを有する複数の画像形成部と、
前記複数の画像形成部のそれぞれの前記感光体上もしくは中間転写体上からクリーニングされた残留トナーを集合して回収トナーとして回収するトナー回収部と、
前記感光体のそれぞれに対向する位置に配設されるとともに、前記トナー回収部から搬送された前記回収トナーを担持する複数の現像ローラと、
前記現像ローラから前記回収トナーを前記感光体に転移させる回収トナー転移手段と、
前記複数の画像形成部の各感光体上に前記回収トナーを供給させるよう、前記複数の現像ローラを制御する制御部と、
を備えることを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記複数の画像形成部の前記感光体上の非画像領域に潜像パターンを形成させ、前記回収トナー担持体の回収トナーで前記感光体上の前記潜像パターンを現像させることを特徴とする請求項6に記載のカラー画像形成装置。
【請求項8】
前記複数の画像形成部はそれぞれの前記感光体に対向して配置されたクリーニング手段を有し、前記制御部により前記中間転写体上から転写された前記回収トナーを再度クリーニングすることを特徴とする請求項6又は7に記載のカラー画像形成装置。
【請求項9】
前記現像ローラが前記感光体の回動方向と直交する方向において分割された複数の分割現像ローラで構成され、前記回収トナー転移手段は、前記複数の分割現像ローラにバイアス電圧を印加可能であることを特徴とする請求項6に記載のカラー画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記複数の画像形成部の感光体の回動方向と直交する方向において前記感光体を複数に分割する各分割領域に対応して前記感光体上に転移する回収トナーの量を制御することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、所定期間に処理される印刷ジョブの情報に基づき前記中間転写体に転移させる回収トナーの量を制御することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項12】
前記印刷ジョブの情報が、前記各分割領域に形成された画像の印字率に関する情報であることを特徴とする請求項11に記載のカラー画像形成装置。
【請求項13】
前記印刷ジョブの情報が、転写材の種類及びサイズに関する情報であることを特徴とする請求項11に記載のカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−72408(P2010−72408A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240592(P2008−240592)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】