説明

スピンヘッド

【課題】基板をより安定的に支持できるスピンヘッドを提供する。
【解決手段】本発明によるスピンヘッドは、支持板と、基板の側面を支持するように前記支持板に設置される複数のチャックピンと、前記支持板の中心から外側に向かう第1方向と垂直な第2方向に沿って前記チャックピンを移動させるチャックピン移動ユニットを包含することを特徴とする。
このような特徴によると、支持板の回転による遠心力がチャックピンに及ぶ影響を最小化して基板を安定的に支持できるスピンヘッドを提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関し、より詳細には、半導体工程等において基板を支持しながら回転できるスピンヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体素子は、基板上に様々な物質を薄膜形態に蒸着し、それをパターニングして製造される。そのため、蒸着工程、写真工程、蝕刻工程及び洗浄工程等様々な段階の互いに異なる工程が要求される。
【0003】
この工程の中で、蝕刻工程は、基板上に形成された膜質を除去する工程であり、洗浄工程は、半導体を製造するための各々の単位工程の進行の後、基板表面に残留する汚染物質を除去する工程である。蝕刻工程及び洗浄工程は、工程進行方式によって湿式方式と乾式方式とに分類され、湿式方式は、配置タイプの方式とスピンタイプとの方式に分類される。
【0004】
スピンタイプの方式は、スピンヘッドの上面に基板を支持するピン部材が設置され、スピンヘッドが回転することによってピン部材に支持された基板が回転する構成を有し、基板上部に提供されるフロントサイドノズル負圧(Front Side Nozzle)とスピンヘッドに設置されたバックサイドノズル(Back Side Nozzle)を通じて基板の上面又は下面へ化学処理液(蝕刻液、又は洗浄液)を供給し、これを通じて基板を処理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許公開第10−2008−0020036号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、基板を安定的に支持できるより簡単な構造を有するスピンヘッドを提供する。
【0007】
又、本発明は、すべてのチャックピンが基板と接触を維持できる構造を有するスピンヘッドを提供する。
【0008】
本発明の他の目的は、高速回転の時にも複数のチャックピンが安定的に基板の側部に接触できる構造を有するスピンヘッドを提供する。
【0009】
本発明の目的は、ここに制限されず、言及されなかったまた他の目的は、下の記載から当業者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成すべく、本発明によるスピンヘッドは、支持板と、基板の側面を支持するように前記支持板に設置される複数のチャックピンと、前記支持板の中心から外側に向かう第1方向と垂直な第2方向に沿って前記チャックピンらを移動させるチャックピン移動ユニットと、を包含することを特徴とする。
【0011】
上述したような構成を有する本発明によるスピンヘッドにおいて、前記支持板は、円板形状に提供され、前記第1方向は、前記支持板の半径方向でありうる。
【0012】
前記チャックピン移動ユニットは、長さ方向が前記第2方向に向かうように配置され、一端に前記チャックピンが結合される複数の移動ロッドと、前記チャックピンらが支持位置と待機位置との間に移動するように前記複数の移動ロッドを前記第2方向に沿って直線移動させる駆動部材を包含することを特徴とする。
【0013】
前記駆動部材は、各々の前記移動ロッドの他端に結合され、長空形状のガイドホールが形成された複数のガイドと、回転できるリング形状に提供され、前記複数のガイドの前記ガイドホールへ挿入される駆動ロッドが設置された回転板と、前記複数のチャックピンの待機位置へ移動するため前記駆動ロッドが前記ガイドホールに接触荷重を加えるように回転された前記回転板を初期位置に復元させる復元器を包含できる。
復元力が弾性によって生じるように前記回転板に結合される一端と前記支持板とに結合される他端を有する弾性部材を包含する。
【0014】
前記回転板には、前記弾性部材の一端が固定されている第1掛金が設置され、前記支持板には、円周方向に沿って前記第1掛金から離隔された位置に前記弾性部材の他端が固定されている第2掛金が設置され、前記チャックピンが待機位置にある時、前記弾性部材は、引張られた状態を維持するように設置される。
【0015】
前記駆動部材は、前記駆動ロッドに回転できるように結合され、前記ガイドホールの内面に接触するローラーを、さらに包含することができ、前記ローラーは、金属材質のベアリングでありうる。
【0016】
前記チャックピンの支持位置と待機位置との間の移動の時、前記ローラーが前記ガイドホールの一端に接触した状態で前記ガイドホールに沿って移動した後前記ガイドホールの他端に接触するように、前記ガイドホールは、長さが前記ローラーの外径より大きいスロット形状を有することができる。
【0017】
前記回転板の円周面には、前記駆動ロッドに対応する数の突出部が半径方向に突出され、前記各々の突出部に前記駆動ロッドが設置できる。
【0018】
前記駆動部材は、前記複数のチャックピンの待機位置へ移動するため前記駆動ロッドが前記ガイドホールに接触荷重を加えるように回転された前記回転板を初期位置に復元させる復元器と、をさらに包含し、前記復元器は、復元力が弾性によって生じるように前記突出部に結合される一端と前記支持板に結合される他端とを有する複数の弾性部材とを含み、前記突出部には、複数の前記弾性部材の一端が固定されている第1掛金が設置され、前記支持板には、円周方向に沿って前記第1掛金から離隔された位置に複数の前記弾性部材の他端が固定されている第2掛金が設置され、複数の前記チャックピンが待機位置にある時前記弾性部材らは引張られた状態を維持するように設置できる。
【0019】
前記駆動部材は、前記複数の弾性部材による前記回転板の復元の時、前記回転板に具備された前記複数の突出部の回転範囲を制限するように前記支持板に提供される複数のストッパーと、をさらに包含する
【0020】
前記弾性部材は,互いに隣にある複数の突出部の中、何れか1つに一端が結合され、前記複数のストッパーは、前記突出部の中、前記弾性部材が結合されていない複数の前記突出部の回転範囲を制限するように提供できる。
【0021】
前記チャックピン移動ユニットは、前記チャックピンが支持位置にある間に
前記駆動ロッドが前記ガイドの前記ガイドホールに接触された状態を維持するように前記回転板を回転させ、前記チャックピンが支持位置から待機位置に移動される間に、前記回転板の回転を干渉しない位置へ移動できるように提供される接触維持部材をさらに包含できる。
【0022】
前記接触維持部材は、前記支持板の回転の時、逆遠心力によって前記回転板を回転させるように形状が形成されることができる。
【0023】
前記接触維持部材は、前記回転板の円周面から突出される第1突出部と、前記支持板に設置され、逆遠心力によって回転しながら、前記第1突出部に接触する維持バーを含み、前記維持バーは、前記支持板に対して回転できるように前記支持板に結合される中央部と、前記回転板に向かう方向に前記中央部から延長され、前記第1突出部を押す押し部と、前記支持板の外側に向かう方向に前記中央部から延長される案内部を包含できる。
【0024】
前記案内部は、前記押し部に比べて重くすることができ、又前記案内部と前記押し部との間の角は、鈍角でありうる。
【0025】
前記回転板の円周面には、前記駆動ロッドに対応する数の第2突出部が半径方向に突出され、前記各々の第2突出部に前記駆動ロッドが設置され、前記駆動部材は、前記第1突出部と前記第2突出部との回転範囲を制限するように前記支持板に提供される複数のストッパーと、をさらに包含できる。
【0026】
前記チャックピン移動ユニットは、前記チャックピンの支持位置を調節する距離調節部材と、をさらに含み、前記距離調節部材は、前記移動ロッドの長さ方向に沿って軸方向に整列され、前記移動ロッドの他端に一端が相対回転できるように結合され、そして円周面にねじ山が形成された移送軸を包含し、前記ガイドは、前記移送軸にねじ結合される第1本体と、前記第1本体に連結され、前記移動ロッドに対して相対回転されないように前記移送ロッドに脱着できるように結合される第2本体を包含できる。
【0027】
前記距離調節部材は、前記第1本体を基準として前記移送ロッドの反対側に位置し、前記移送軸にねじ結合される固定器をさらに包含できる。
【0028】
前記チャックピン移動ユニットは、前記支持板に設置され、前記第2方向に沿って移動する前記移動ロッドを案内するガイド部材をさらに包含できる。
【0029】
前述した課題を達成するために本発明によるスピンヘッドは、支持板と、基板の側面を支持するように前記支持板に設置される複数のチャックピンと、前記支持板の半径方向である第1方向と相異なる第2方向に前記チャックピンらを移動させるチャックピン移動ユニットを包含することを特徴とする。
【0030】
上述したような構成を有する本発明によるスピンヘッドにおいて、前記チャックピン移動ユニットは、長さ方向が前記第2方向に向かうように配置され、一端に前記チャックピンが結合される複数の移動ロッドと、前記チャックピンらが支持位置と待機位置との間へ移動するように前記移動ロッドを前記第2方向に沿って直線移動させる駆動部材を包含できる。
【0031】
前記駆動部材は、各々の前記移動ロッドの他端に結合され、ガイドホールが形成された複数のガイドと、回転できるリング形状に提供され、前記ガイドの前記ガイドホールへ挿入される駆動ロッドらが設置された回転板を包含できる。
【0032】
前記駆動部材は、前記チャックピンの待機位置へ移動させるため前記駆動ロッドが前記ガイドホールに接触荷重を加えるように回転された前記回転板を初期位置の復元させる復元器をさらに包含し、前記復元器は、復元力が弾性によって生じるように前記回転板に結合される一端と前記支持板に結合される他端を有する弾性部材を包含できる。
【0033】
前記駆動部材は、前記駆動ロッドに回転できるように結合され、前記ガイドホールの内面に接触するローラーとを、さらに包含できる。
【0034】
前記チャックピンの支持位置と待機位置との間の移動の時、前記ローラーが前記ガイドホールの一端に接触された状態で前記ガイドホールに沿って移動した後、前記ガイドホールの他端に接触するように、前記ガイドホールは、長さが前記ローラーの外径より大きいスロット形状を有することができる。
【0035】
前記回転板の円周面には、前記駆動ロッドに対応する数の突出部が半径方向に突出され、前記各々の突出部に前記駆動ロッドが設置できる。
【0036】
前記チャックピン移動ユニットは、前記チャックピンが支持位置にある間に前記駆動ロッドが
前記ガイドの前記ガイドホールに接触された状態を維持するように前記回転板を回転させ、前記チャックピンが支持位置で待機位置へ移動される間に前記回転板の回転を干渉しない位置へ移動できるように提供される接触維持部材らをさらに包含できる。
【0037】
前記接触維持部材は、前記回転板の円周面から突出される第1突出部と、前記支持板に設置され、逆遠心力によって回転しながら前記第1突出部と接触する維持バーを含み、前記維持バーは、前記支持板に対して回転できるように前記支持板に結合される中央部と、前記回転板に向かう方向に前記中央部から延長され、前記第1突出部を押さえる押し部と、前記支持板の外側に向かう方向に前記中央部から延長される案内部を包含できる。
【0038】
前記チャックピン移動ユニットは、前記チャックピンの支持位置を調節する距離調節部材をさらに含み、前記距離調節部材は、前記移動ロッドの長さ方向に沿って軸方向に整列され、前記移動ロッドの他端に一端が相対回転できるように結合され、そして円周面にねじ山が形成された移送軸を包含し、前記ガイドは、前記移送軸にねじ結合される第1本体と、前記第1本体に連結され、前記移動ロッドに対して相対回転されないように前記移送ロッドに脱着できるように結合される第2本体を包含できる。
【0039】
前述した課題を達成するために本発明による基板チャッキング方法は、基板の側面を支持する複数のチャックピンを支持板の中心から外側に向かう第1方向と相異なる第2方向に移動させながら、前記チャックピンらを支持位置と待機位置へ移動させることを特徴とする。
【0040】
上述したような特徴を有する本発明による基板チャッキング方法において、前記チャックピンが支持位置にある時、前記チャックピンを前記第2方向に移動させて前記チャックピンが前記支持板の中心から同一の距離に位置されることができる。
【0041】
前記支持板は、円板形状に提供され、前記第1方向は、前記支持板の半径方向でありうる。そして前記第2方向は、前記第1方向と垂直な方向でありうる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によると、支持板の回転による遠心力がチャックピンに及ぶ影響を最小化して基板をより安定的に支持できる。
そして、本発明によると、チャックピンが基板の側部を支持する時、すべてのチャックピンが基板の側部と接触される。従って、基板の位置が安定的であり、一部のチャックピンへ力が集中されることを防止できる。
【0043】
本発明によると、基板が高速で回転する場合にも、チャックピンは基板の側部と接触する接触位置に維持される。
以下に説明された図面らは一例として説明するが、本発明の技術的思想と範囲は、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
以下で説明された図面らは、単なる例示の目的であり、本発明の範囲を制限するものではない。
【図1】本発明の基板処理装置を概略的に示す平面図である。
【図2】本発明の容器を示す断面図である。
【図3】図2の容器内部を示す縦方向に切断された容器の斜視図である。
【図4】スピンヘッドの平面図である。
【図5】図4の線I―Iに沿って切断したスピンヘッドの断面図である。
【図6】図4の線II―IIに沿って切断したスピンヘッドの断面図である。
【図7】チャックピン移動ユニットを示すため下から見た下板の内部構造である。
【図8】図7の'A'部分の拡大図である。
【図9A】チャックピンが待機位置と支持位置との間へ移動される時チャックピン移動ユニットの構成らに作用される力と構成の移動方向を示す図面である。
【図9B】チャックピンが待機位置と支持位置との間へ移動される時チャックピン移動ユニットの構成らに作用される力と構成の移動方向を示す図面である。
【図10】接触維持部材が逆遠心力によってチャックピンが基板と接触される過程を示す図面である。
【図11】距離調節部材の動作状態を示す図面である。
【図12】A乃至Eは距離調節部材によってチャックピンの支持位置が変更される過程を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。
まず、各図面の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同一の符号を有するようにする。また、本発明を説明することにおいて、係わる公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を濁すことができると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0046】
(実施形態)
本実施形態では、処理液、リンス液、そして乾燥ガスを使用して基板Wを洗浄する装置を例として説明する。しかし本発明の技術的思想は、これに限定せず、蝕刻工程等のように基板Wを回転させながら工程を行う多様な種類の装置にすべて適用できる。
【0047】
図1は、本発明の望ましい一実施形態による基板処理装置1を概略的に示す平面図である。図1を参照すると、基板処理装置1は、流体供給ユニット10、容器20、昇降ユニット30、そしてスピンヘッド40を有する。流体供給ユニット10は、基板を処理するための処理液や処理ガスを基板Wへ供給する。スピンヘッド40は、工程進行の時、基板Wを支持し、基板Wを回転させる。容器20は、工程に使用された処理液及び工程において発生するフューム(fume)が外部へ弾けることや、或いは流出することを防止する。昇降ユニット30は、容器20を昇下降させて、容器20とスピンヘッド40との間の相対高さを変化させる。
【0048】
流体供給ユニット10は、上部ノズル部材100aと下部ノズル部材100bとを含む。
基板Wは、スピンヘッド40の上部面から一定距離離隔されるようにスピンヘッド40上に置かれる。上部ノズル部材100aは、スピンヘッド40に置いた基板Wの上面へ処理液や、処理ガスを供給する。下部ノズル部材100bは、スピンヘッド40に置いた基板Wの下面へ処理液や処理ガスを供給する。
下部ノズル部材100bは、スピンヘッド40と基板Wとの間の空間へ処理液や処理ガスを供給することができる。
【0049】
上部ノズル部材100aは、処理液供給ノズル120a、リンス液供給ノズル140a、そして乾燥ガス供給ノズル160aを有する。処理液供給ノズル120aは、複数の種類の処理液を基板Wへ供給する。処理液供給ノズル120aは、複数の噴射器121、支持バー122、そしてバー移動器125を有する。噴射器121は、容器20の一側に配置される。噴射器121は、処理液貯蔵部(図示せず)と連結されて処理液貯蔵部から処理液を供給される。各々の噴射器121は、互いに相異なる種類の処理液を貯蔵する処理液貯蔵部に連結される。噴射器121は、一方向に並んで配置される。各々の噴射器121は、上部に突出された突起121aを有し、突起121aの側面には、溝(図示せず)が形成できる。処理液は、硫酸、窒酸、アンモニア、弗酸等であるか、これらと脱イオン水の混合液でありうる。各々の噴射器121の末端には、吐出口が形成されている。
【0050】
支持バー122は、複数の噴射器121の中、何れか1つに結合し、これをスピンヘッド40に置いた基板Wの上部へ移動させる。支持バー122は、長いロッド形状を有している。支持バー122は、その長さ方向が噴射器121が配列される方向と垂直になるように配置される。支持バー122の下面には、噴射器121との結合のためホルダー(図示せず)が提供され、ホルダーは、噴射器121の突起121aに形成された溝へ挿入できるアーム(図示せず)を有する。アームらは突起121aの外側で突起121aの溝に向かう方向に回転又は移動できる構造で提供できる。
【0051】
バー移動器125は、スピンヘッド40に置いた基板Wの上部位置と噴射器121の上部位置との間へ支持バー122を直線移動させる。バー移動器125は、ブラケット123、ガイドレール124、そして駆動器(図示せず)とを有する。ガイドレール124は、容器20の一側に配置され、噴射器121の配列に平行に一直線に長く延長される。ガイドレール124には、これに沿って移動できるようにブラケット123が結合され、ブラケット123には、支持バー122が固定結合される。駆動器は、ブラケット123を直線移動させる駆動力を提供する。ブラケット123の直線移動は、モーターとスクリューとを有するアセンブリによってなりうる。選択的にブラケット123の直線移動は、ベルトとプーリー、そしてモーターを有するアセンブリによってなりうる。選択的にブラケット123の直線移動は、リニアモーターによってできうる。
【0052】
容器20の他の一側には、リンス液供給ノズル140aが配置され、容器20の又他の一側には、乾燥ガス供給ノズル160aが配置される。リンス液供給ノズル140aは、噴射器141、支持バー142、そして駆動器144を有する。噴射器141は、支持バー142の一端に固定結合される。支持バー142の他端には、駆動器144によって回転される回転軸(図示せず)が固定結合される。噴射器141は、リンス液貯蔵部(図示せず)からリンス液を供給される。乾燥ガス供給ノズル160aは、リンス液供給ノズル140aと概して類似な構造を有する。乾燥ガス供給ノズル160aは、イソプロピルアルコールと窒素ガスとを供給する。窒素ガスは、加熱された窒素ガスでありうる。
【0053】
下部ノズル部材100bは、図4及び図5に示されたように噴射ヘッド180を有する。噴射ヘッド180はヘッド部182と挿入部184とを有する。ヘッド部182は、上部に膨らんでいる形状を有し、スピンヘッド40から上部へ突出される。ヘッド部182には、複数の吐出口120b、140b、160bが形成される。複数の吐出口は、複数の処理液の中、何れか1つ、リンス液、又はイソプロピルアルコール蒸気や窒素ガスのような乾燥ガスを噴射する。挿入部184は、ヘッド部182の下端より少くて、長さ方向に一定な直径を有し、ヘッド部182から下に延長される。挿入部184は、スピンヘッド40の中央に形成されている通孔へ挿入される。
【0054】
上部ノズル部材100aと下部ノズル部材100bから供給された処理液、リンス液、そして乾燥ガスは、スピンヘッド40の回転によって基板Wの上面又は下面中央領域からエッジ領域に広がって、基板Wを洗浄する。
【0055】
図2は、容器の断面図であり、図3は、容器を縦方向に切断した斜視図である。図2と図3とを参照すると、容器20は、
開放された上部を有し、容器20の内部には基板Wが処理される空間22が提供される。空間22には、スピンヘッド40が配置される。スピンヘッド40の下面には、スピンヘッド40を支持し、回転させる回転軸42が固定結合される。回転軸42は、容器20の底面に形成された開口を通じて容器20外部まで突出される。回転軸42には、これに回転力を提供するモーターのような駆動器44が固定結合される。
【0056】
容器20は、複数の処理液の再使用ができるように工程に使用された処理液を分離して回収できる構造である。容器20は、複数の回収筒220、240、260を有する。各々の回収筒220、240、260は、工程に使用された処理液の中、互いに相異なる種類の処理液を回収する。本実施形態では容器20は、3つの回収筒を有する。各々の回収筒を内部回収筒220、中間回収筒240、そして外部回収筒260と称する。
【0057】
内部回収筒220は、スピンヘッド40を覆うリング形状に提供され、中間回収筒240は、内部回収筒220を覆うリング形状に提供され、外部回収筒260は、中間回収筒240を覆うリング形状に提供される。各々の回収筒220、240、260は、空間22と通じる流込口227、247、267を有する。各々の流込口227、247、267はスピンヘッド40の周囲にリング形状に提供される。基板Wへ噴射されて工程に使用された複数の処理液は、基板Wの回転による遠心力によって流込口227、247、267を通じて回収筒220、240、260へ流し込まれる。外部回収筒260の流込口267は、中間回収筒240の流込口247の垂直上部に提供され、中間回収筒240の流込口247は、内部回収筒220の流込口227の垂直上部に提供される。即ち、内部回収筒220、中間回収筒240、そして外部回収筒260の流込口227、247、267は、これらの間に高さが相異なるように提供される。
【0058】
内部回収筒220は、外壁222、底壁224、内壁226、そして案内壁228を有する。外壁222、底壁224、内壁226、そして案内壁228各々は、リング形状を有する。外壁222は、スピンヘッド40から遠くなる方向に下向きに傾いた傾斜壁222aと、この下端から下の方向と垂直に延長される垂直壁222bを有する。底壁224は、垂直壁222bの下端からスピンヘッド40に向かう方向に水平に延長される。底壁222bの末端は、傾斜壁222aの上端と同一線上に位置するように延長される。内壁226は、底壁224の内側末端から上の方向と垂直に延長される。内壁226は、その上端が傾斜壁222aの上端と一定距離離隔される位置まで延長される。内壁226と傾斜壁222aとの間の上下方向に離隔された空間は、上述した内部回収筒220の流込口227として機能する。
【0059】
内壁226には、リング形状の配置に複数の開口223が形成される。各々の開口223は、スリット形状に提供される。開口223は、内部回収筒220へ流し込まれた複数のガスがスピンヘッド40の下の空間を通じて外部へ排出されるようになっている排気口として機能する。底壁224には、排出管225が結合される。内部回収筒220へ流し込まれた処理液は、排出管225を通じて外部の処理液を再生するためのシステムに排出される。
【0060】
案内壁228は、内壁226の上端からスピンヘッド40から遠くなる方向に下向きに傾いた傾斜壁228aと、この下端から下へ上下方向と垂直に延長される垂直壁228bとを有する。垂直壁228bの下端は、底壁224から一定距離離隔されるように位置される。案内壁228は、流込口227を通じて流し込まれた処理液が外壁222、底壁224、内壁226によって囲まれた空間229へ円滑に流れるように案内する。
【0061】
内部回収筒220を覆うようになっている中間回収筒240は、内部回収筒220に比べて大きい。中間回収筒240は、外壁242、底壁244、内壁246、そして突出壁248を有する。中間回収筒240の外壁242、底壁244、そして内壁246は、内部回収筒220の外壁222、底壁224、そして内壁226と概して類似な形状を有する。中間回収筒240の外壁242の傾斜壁242aの上端と内部回収筒220の外壁222の傾斜壁222aの上端は、上下方向に一定距離離隔されるように位置され、離隔された空間は、中間回収筒240の流込口247として機能する。突出壁248は、底壁244の末端から下の方向と垂直に延長される。中間回収筒240の内壁246の上端は、内部回収筒220の底壁224の末端に接触される。中間回収筒240の内壁246には、ガスを排出するためのスリット形状の排気口243がリング形状の配列に提供される。底壁244には、排出管245が結合され、中間回収筒240を通じて流し込まれた処理液は、排出管245を通じて外部の処理液を再生するためのシステムに排出される。
【0062】
中間回収筒240を覆うようになっている外部回収筒260は、中間回収筒240に比べて大きい。外部回収筒260は、外壁262と底壁264を有する。外部回収筒260の外壁262は中間回収筒240の外壁242と類似した形状を有するが、外部回収筒260の外壁262の傾斜壁262aの上端と中間回収筒240の外壁242の傾斜壁242bの上端は、上下方向に一定距離離隔されるように位置され、離隔された空間は、外部回収筒260の流込口267として機能する。底壁264は概して円板形状を有し、中央に回転軸42が挿入される開口266が形成される。底壁264には、排出管265が結合され、外部回収筒260を通じて流し込まれた処理液は、排出管265を通じて外部の処理液を再生するためのシステムに排出される。外部回収筒260は容器20全体の外壁として機能する。外部回収筒260の底壁264には、排気管263が結合され、外部回収筒260へ流し込まれたガスは、排気管263を通じて外部へ排気する。又、内部回収筒220の内壁226に提供された排気口223及び中間回収筒240の内壁246に提供された排気口243を通じて流出されるガスは、外部回収筒260に連結された排気管263を通じて外部へ排気される。排気管263は、底壁264から上部へ一定の長さに突出されるように設置される。
【0063】
昇降ユニット30は、容器20を上下方向に直線移動させる。容器20が上下へ移動することによって、スピンヘッド40に対する容器20の相対高さが変更される。昇降ユニット30は、ブラケット32、移動軸34、そして駆動器36を有する。ブラケット32は、容器20の外壁に固定され、ブラケット32には、駆動器36によって、上下方向に移動される移動軸34が固定される。基板Wがスピンヘッド40にローディングされるか、或いはスピンヘッド40からアンローディングされる時、スピンヘッド40が容器20の上部に突出されるように容器20は、下降する。又、工程が進行する時には、基板Wへ供給された処理液の種類のよって処理液が既に設定された回収筒220、240、260へ流し込めるように容器20の高さが調節される。上述したことと反対に、昇降ユニット30は、スピンヘッド40を上下方向に移動させるように提供されることもできる。
【0064】
次に、図4乃至図6を参照してスピンヘッド40の構造について説明する。図4は、スピンヘッド40の平面図である。そして図5は、図4の線I―Iに沿って切断したスピンヘッド40の断面図であり、図6は、図4の線II―IIに沿って切断したスピンヘッドの断面図である。スピンヘッド40は、支持板300、複数の支持ピン400、複数のチャックピン500、そしてチャックピン移動ユニット600を有する。
【0065】
複数の支持ピン400は、支持板300の上部面から基板Wが一定距離離隔されるように基板Wの下面エッジを支持する。複数の支持ピン400は、全て同一の形状及び大きさを有する。支持ピン400は下に行くほど漸進的に直径が増加する上部420と、これから下に延長され、同一の直径を有する下部440とを有する。下部440の下には、外周面にねじ山が形成されたねじ部460が提供される。下部440とねじ部460との間には、下部440及びねじ部460より大きい直径の懸かり部(stop portion)480が提供される。ねじ部460は、ねじ結合によって支持板300に固定結合され、懸かり部480の下面は、支持板300の上部面と密着される。懸かり部480は、支持ピン400が支持板300へ挿入される長さを制限して、支持ピン400の高さが全て同一である。
【0066】
チャックピン500は、支持板300のエッジ領域に支持板300の上部面から上部に突出されるように支持板300に設置される。チャックピン500は、約6つが提供できる。チャックピン500は、スピンヘッド40が回転される時、基板Wが特定位置で側方向に離脱しないように基板Wの側部を支持する。チャックピン500は全て同一の形状及び大きさを有する。チャックピン500は、支持部520、中央部540、締結部560、そして懸かり部580を有する。支持部520は、平らな上面から下に行くほど直径が漸次的に減少された後、再び下に行くほど直径が漸次的に増加する形状を有する。従って、支持部520は、正面で見る時、内側に凹んでいる凹部522を有する。凹部522には、支持ピン400に置いた基板Wの側部が接触される。中央部540は、支持部520の下端からこれと同一の直径に下の方向に延長される。締結部560は、支持部520から下の方向に延長される。締結部560には、チャックピン移動ユニット600との締結するためのねじホールが形成される。懸かり部580は、中央部540から外側に延長され、リング形状に提供される。懸かり部580は、支持板300の上部面と密着されており、チャックピン500を全て同一の高さに突出させている。
【0067】
支持板300は、上板320と下板340を有する。上板320は、上部で見る時、概して円形に提供される上部面を有する。下板340は、上板320の下に配置され、チャックピン移動ユニット600が配置される空間を提供する。上板320には、支持ピン400が固定設置されるねじ溝324が形成される。又、上板320のエッジ領域には、チャックピン500が挿入されるピンホール322が形成される。
【0068】
各々のピンホール322は、スリット形状に形成される。ピンホール322は、その長さ方向が上板320の半径方向と垂直な方向に従うように形成される。ピンホール322の幅は、チャックピン500の中央部540の直径と同一であるか、これより少し広く形成され、ピンホール322の長さは、チャックピン500の移動を案内できる長さで形成される。ピンホール322の長さは、チャックピン500の懸かり部580の直径より短く提供できる。もう一つの方法として、ピンホール322は円形で形成できる。この場合ピンホール322の直径は、チャックピン500の中央部540の直径より長く、かつ懸かり部580の直径より短くすることができる。上板320と下板340の中央には、上述した噴射ヘッド180が挿入される通孔が形成される。
【0069】
チャックピン移動ユニット600は、チャックピン500を支持位置と待機位置との間へ移動する。支持位置は、工程進行の時、チャックピン500が基板Wの側部と接触される位置である。待機位置は、基板Wがスピンヘッド40に置かれるように、基板Wより広い空間を提供する位置である。従って、支持位置は、待機位置に比べて支持板300の中央にさらに近い位置である。
【0070】
図7は、チャックピン移動ユニット600を示すために下から見た下板の内部構造であり、図8は、図7の'A'部分の拡大図である。図6乃至図8を参照すると、チャックピン移動ユニット600は、移動ロッド620、ガイド部材630、そして駆動部材を包含する。
【0071】
移動ロッド620は、チャックピン500と同一の個数に提供される。各々のチャックピン500には、各々の移動ロッド620が結合される。移動ロッド620は、支持板300の半径方向と垂直な方向に下板340内の空間に配置される。図6に示されたように上板320は、エッジで下の方向に突出された側部を有する。上板320の側部には、外側から内側まで貫通したホール329が形成されている。ホール329は、上板320に提供されたピンホール322と通じる。移動ロッド620の外側一端は、ホール329内に位置される。移動ロッド620の外側一端には、ねじ溝628が形成され、チャックピン500の下端は、ねじ590に移動ロッド620の外側一端に固定結合される。
【0072】
各々の移動ロッド620の移動経路上には、移動ロッド620が支持板300の半径方向と垂直な方向に直線移動するように案内するガイド部材630が提供される。ガイド部材630としては、スライディングベアリングが使用できる。スライディングベアリングは、支持板300に固定結合される。
【0073】
駆動部材は、チャックピン500が待機位置と支持位置との間へ移動できるように移動ロッド620を支持板300の半径方向と垂直な方向に直線移動させる。駆動部材は、ガイド710、回転板720、回転板駆動器730、そして復元器740を包含する。
【0074】
ガイド710は、移動ロッド620上でチャックピン500と対称されるように移動ロッド620の他端に結合される。ガイド710は、第1本体712と第2本体714とを包含する。第1本体712は、'┐'字形状を有することができ、移動ロッド620の末端面と移動ロッド620の側面に一対一に向き合うように配置できる。移動ロッド620の末端面に向き合う第1部分712aは、後述する距離調節部材780の移送軸782にねじ結合される。移動ロッド620の側面と向き合う第2部分712bには、移動ロッド620の長さ方向と平行に長空形状のガイドホール713が形成される。第2本体714は、ガイド710が'⊏'字形状を形成するように第1本体712の第2部分712bの端部に結合される。第2本体714には、ホール715が形成され、第2本体714は、ホール715へ挿入されるねじ716によって移動ロッド620に脱着できるように結合される。移動ロッド620と第2本体714の向き合う結合面は、互いに関連して回転されない面を含むことができる。即ち、移動ロッド620と第2本体714との向き合う結合面は、平面を含むことができる。
【0075】
回転板720は、概して円形のリング形状を有する。回転板720は、その外周面から外側方向に突出されるように延長された複数の第1突出部722と複数の第2突出部726とを有する。第1突出部722に対する説明は、後述する。複数の第2突出部726は、複数の移動ロッド620の数と同数に提供され、これら各々と対応できる位置に形成される。第2突出部726には、第2突出部726の平面と垂直に駆動ロッド723が設置され、駆動ロッド723には、ローラー724が回転できるように結合される。ローラー724は、ガイド710のガイドホール713へ挿入され、ガイドホール713の内面に接触できる。ローラー724は、金属材質のベアリングで具備できる。
【0076】
チャックピンの支持位置と待機位置との間の移動の時、ローラー724は、ガイドホール713の一端に接触した状態でガイドホール713に沿って移動してガイドホール713の他端に接触する。即ち、ローラー724がガイドホール713の両端との間を移動する間、チャックピン500は移動しないが、ローラー724がガイドホール713の両端のうち何れか一端に接触した状態でガイドホール713に接触荷重を作用する時、チャックピン500は移動する。このような動作のため長方形のガイドホール713は、その長さがローラー724の外径より大きく形成できる。
【0077】
回転板駆動器730は、回転板720を第1回転方向82へ回転させ、復元器740は、回転板720を第1回転方向82と反対方向である第2回転方向84へ回転させる。回転板駆動器730としては、回転板720を一定角度回転させるロータリシリンダ(図示せず)が使用できる。ロータリシリンダ(図示せず)の回転軸(図示せず)には、円周面に歯形が形成された第1ギア部材732が結合され、第1ギア部材732は、内接ギアが形成された第2ギア部材734に噛み合う。そして第2ギア部材734は、回転板720に固定結合される。
【0078】
復元器740は、回転駆動器730によって回転された回転板720を初期位置へ復元させる。復元器740は、復元力として弾性力を提供する弾性部材、例えば、バネが使用できる。回転板720には、バネの一端が固定結合される第1掛金728が提供され、支持板300の下板340には、バネの他端が固定結合される第2掛金729が提供される。
【0079】
第1掛金728は、互いに隣接した第2突出部726の中、何れか1つの第2突出部726に提供できる。第2掛金729は、第1掛金728に対応するように支持板300の下板340に提供されることができ、復元器740又第1及び第2掛金728、729に対応する数だけ提供できる。
【0080】
そして、支持板300には、複数のストッパー342が提供される。複数のストッパー342は、復元器740による回転板720の復元の時、回転板720に具備された複数の第2突出部726の回転範囲を制限する。ストッパー342は、複数の第2突出部726に対応する数だけ具備されることができる。もう一つの方法として、ストッパー342は、複数の第2突出部726の中、復元器740が連結されない複数の第2突出部726に対応する数だけ具備されることができる。
【0081】
図9Aと図9Bは、チャックピンが待機位置と支持位置との間へ移動される時、チャックピン移動ユニットの構成に作用される力と構成の移動方向を示す図面である。
【0082】
図9Aに示したように回転板駆動器730によって回転板720が第1回転方向82へ回転されると、ローラー724がガイドホール713に沿って移動して、ガイド710を移動ロッド620の長さ方向に押さえる。そうすると、ガイド710に結合された移動ロッド620が直線移動してチャックピン500が支持位置から待機位置へ移動される。この時、復元器740のバネは、引張られる。以後、図9Bに示したように回転板駆動器730から駆動力が除去されると、復元器740の弾性力によって回転板720が第2回転方向84へ回転され、ローラー724が反対方向に移動しながらガイド710を押さえる。そうすれば、ガイド710に結合された移動ロッド620が移動してチャックピン500が待機位置から支持位置へ移動される。この実施形態によると、チャックピン500が支持位置にある時、バネが平衡状態であるので、工程進行の中、回転板駆動器730にエラーが生じた場合にも基板Wは、チャックピン500によって安定的に支持される。
【0083】
スピンヘッド40が高速に回転される場合、時々遠心力によってチャックピン500が支持板300の外側に移動される。そのため工程進行の中チャックピン500による基板Wの支持は不安定である。接触維持部材760は、スピンヘッド40が回転する時、
チャックピン500を支持位置で基板Wの側部と接触させ続ける。
【0084】
接触維持部材760は、回転板720に突出形成された第1突出部722と維持バー762を有する。第1突出部722は、維持バー762に対応するように回転板720に形成される。維持バー762は、スピンヘッド40が回転される時逆遠心力によってチャックピン500が待機位置方向に移動されないように第1突出部722を第2方向84へ押さえる。第1突出部722の回転範囲は、上述したストッパー342によって制限される。
【0085】
一例によると、維持バー762は、スピンヘッド40の回転の時、発生される逆遠心力によって第1突出部722を押さえるような形状を有している。再び図8を参照すると、維持バー762は、中央部762a、押し部762b、そして案内部762cを有する。中央部762aは、軸ピン761によって支持板300に結合され、支持板300に対して回転できるように提供される。
押し部762bは、中央部762aから一方向に延長され、案内部762cは、押し部762bと鈍角となるように中央部762aから延長される。押し部762bと案内部762cは、各々ロッド形状を有する。押し部762bは、スピンヘッド40が回転される時、第2方向84へ第1突出部722を押さえる。案内部762cは、スピンヘッド40が回転される時、押し部762bが第1突出部722に向かう方向に移動されるように案内する。
【0086】
案内部762cは、押し部762bに比べて重くすることができる。上方視点において、案内部762cは、押し部762bに比べて広い幅を有するように形成できる。又、案内部762cの末端は、押し部762bに比べて厚い部分を有するように形成できる。
【0087】
図10は、接触維持部材が逆遠心力によってチャックピンが基板と接触される過程を示す図面である。
【0088】
図10を参照すると、チャックピン500が支持位置へ移動され、スピンヘッド40が回転する間に、案内部762cは、逆遠心力によって、第2方向84の反対方向へ
回転する。押し部762bは、案内部762cに結合されているので、案内部762cと共に回転する。即ち、押し部762bは、逆遠心力によって第1突出部722に向かう方向に回転し、第1突出部722を第2方向84へ押さえる。これによって、スピンヘッド40が回転する間にチャックピン500は、継続的に基板Wの側部に接触する。
【0089】
上述した例で接触維持部材760は、スピンヘッド40の回転による逆遠心力によって第1突出部722をおさえるため、接触維持部材760を回転させるための別の駆動器が不必要であり装置構造が単純である。本実施形態と異なり、接触維持部材760は、別の駆動器によって第1突出部722を第2方向84へ押さえるように構成することもできる。
【0090】
時々前段階の工程で基板Wに遂行された工程の種類によって基板Wの直径が変更される。例えば、前段階工程で基板Wに熱処理工程が遂行される場合、基板Wが膨脹して基板Wの直径が大きくなることもある。距離調節部材780は、基板Wの直径の変化に応じて複数のチャックピン500の基板W支持位置を調節できる。
【0091】
再び図8を参照すると、距離調節部材780は、移送軸782を有する。移送軸782は、移動ロッド620の長さ方向に沿って軸方向に整列され、移送軸782の一端は、移動ロッド620の他端に相対回転できるように結合される。移送軸782の円周面にねじ山が形成され、移送軸782は、ガイド710の第1本体712へねじ結合される。固定器784は、移送軸782上で第1本体712を基準として移送ロッド620の反対側に位置し、移送軸782にねじ結合される。
【0092】
図11は、距離調節部材の動作状態を示す図面である。図11を参照すると、移送軸782を右回り(clockwise)に回転させると、移動ロッド620とチャックピン500は、支持板300の外側に向かって直線移動する。反対に移送軸782を反時計回り(counterclockwise)に回転させると、移動ロッド620とチャックピン500は、前の場合と反対方向に直線移動する。これを通じてチャックピン500の基板を支持する位置が調節できる。
【0093】
図12A乃至図12Eは、距離調節部材によってチャックピンの支持位置が変更される過程を示す図面である。図12A乃至図12Eを参照して、距離調節部材780を利用してチャックピン500の支持位置を調節する過程を説明すると、次の通りである。
【0094】
まず、図12Aを参照すると、固定器784を移送軸782上で第2本体712から離隔させる。固定器784は、移送軸782にねじ結合されるため固定器784は、回転によって第2本体712から離隔できる。そしてガイド710の第2本体714を移送ロッド620に結合させるねじ716を解く。
【0095】
図12Bを参照すると、移送軸782を右回りに回転させる。ここで、右回りは、移送軸782から移送ロッド620に向かう方向を基準とした場合の右ねじの法則(right−hand grip rule)による回転方向である。
【0096】
図12Cを参照すると、移送軸782が回転されると、移送軸782と移動ロッド620は、移送軸782から移送ロッド620に向かう方向に移動し、チャックピン500又同一の方向に移動する。ガイド710の第1本体712が移送軸782にねじ結合され、第1本体712の回転が拘束されているために、移送軸782を回転させると、移送軸782が軸方向に沿って移動する。
【0097】
図12Dを参照すると、チャックピン500の移動によってチャックピン500の支持位置が調節された後、ガイド710の第2本体714が移動ロッド620に固定されるようにねじ716を締結する。
【0098】
図12Eを参照すると、固定器784は、ガイド710の第1本体712と面接触するように回転する。従って、固定器784は、第1本体712との面接触を通じて第1本体712が移動することを防止できる。
【0099】
上述では、本発明の技術的な思想を例示的に説明したことに過ぎないこととして、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様に修正及び変形することが可能である。従って、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術的な思想を限定するためではなく、説明するためであり、このような実施形態によって本発明の技術的な思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、後述の請求範囲によって解析されなければならなく、それと同等な範囲内にある全ての技術的な思想は、本発明の権利範囲に含まれることと解析されるべきである。
【符号の説明】
【0100】
300支持板
400支持ピン
500チャックピン
600チャックピン移動ユニット
620移動ロッド
630ガイド部材
710ガイド
720回転板
730回転板駆動器
740復元器
760接触維持部材
780距離調節部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンヘッドであって、
支持板と、
基板の側面を支持するように前記支持板に設置される複数のチャックピンと、
前記支持板の中心から外側に向かう第1方向と垂直な第2方向に沿って前記チャックピンを移動させるように構成されたチャックピン移動ユニットと、
を包含することを特徴とするスピンヘッド。
【請求項2】
前記支持板は、円板形状に提供され、前記第1方向は、前記支持板の半径方向であることを特徴とする請求項1に記載のスピンヘッド。
【請求項3】
前記チャックピン移動ユニットは、
長さ方向が前記第2方向に向かうように配置され、一端に前記チャックピンが結合される複数の移動ロッドと、
前記複数のチャックピンが支持位置と待機位置との間に移動するように前記複数の移動ロッドを前記第2方向に沿って直線移動させる駆動部材とを包含することを特徴とする請求項2に記載のスピンヘッド。
【請求項4】
前記駆動部材は、
各々の前記移動ロッドの他端に結合され、ガイドホールが形成された複数のガイドと、
リング形状に提供され、前記複数のガイドの前記ガイドホールへ挿入された駆動ロッドが設置された回転できる回転板とを包含することを特徴とする請求項3に記載のスピンヘッド。
【請求項5】
前記駆動部材は、復元器をさらに包含し、
前記復元器は、
前記複数のチャックピンを待機位置へ移動させるため、前記駆動ロッドが前記ガイドホールに接触荷重を加えるように回転された前記回転板を初期位置に戻し、かつ
復元力が弾性によって生じるように、前記回転板に結合される一端と前記支持板とに結合される他端を有する弾性部材を包含することを特徴とする請求項4に記載のスピンヘッド。
【請求項6】
前記回転板には、前記弾性部材の一端が固定されている第1掛金が設置され、
前記支持板には、円周方向に沿って前記第1掛金から離隔された位置に前記弾性部材の他端が固定されている第2掛金が設置され、
前記チャックピンが待機位置にある時、前記弾性部材は、引張られた状態を維持するように設置されることを特徴とする請求項5に記載のスピンヘッド。
【請求項7】
前記駆動部材は、前記駆動ロッドに回転できるように結合され、前記ガイドホールの内面に接触するローラーとをさらに包含することを特徴とする請求項4に記載のスピンヘッド。
【請求項8】
前記チャックピンの支持位置と待機位置との間の移動の時、前記ローラーが前記ガイドホールの一端に接触した状態で前記ガイドホールに沿って移動し、そして前記ガイドホールの他端に接触するように、前記ガイドホールは、長さが前記ローラーの外径より大きいスロット形状を有していることを特徴とする請求項7に記載のスピンヘッド。
【請求項9】
前記回転板の円周面には、前記駆動ロッドに対応する数の突出部が半径方向に突出し、前記各々の突出部に前記駆動ロッドが設置されることを特徴とする請求項4に記載のスピンヘッド。
【請求項10】
前記駆動部材は、復元器をさらに包含し、
前記復元器は、前記複数のチャックピンを待機位置へ移動させるため、前記駆動ロッドが前記ガイドホールに接触荷重を加えるように回転された前記回転板を初期位置に戻し、
復元力が弾性によって生じるように前記突出部に結合される一端と前記支持板に結合される他端とを有する弾性部材とを含み、
前記突出部には、前記弾性部材の一端が固定されている第1掛金が設置され、
前記支持板には、前記支持板の円周方向に沿って前記第1掛金から離隔された位置に前記弾性部材の他端が固定されている第2掛金が設置され、
複数の前記チャックピンが待機位置にある時、前記弾性部材は引張られた状態を維持するように設置されることを特徴とする請求項9に記載のスピンヘッド。
【請求項11】
前記駆動部材は、複数の前記弾性部材により前記回転板が復元される時、前記回転板に具備された複数の前記突出部の回転範囲を制限するために前記支持板に提供される複数のストッパーとをさらに包含することを特徴とする請求項10に記載のスピンヘッド。
【請求項12】
前記弾性部材は、隣り合う複数の突出部のうち、何れか1つに前記一端が結合され、
複数の前記ストッパーは、前記突出部のうち、前記弾性部材が結合されていない複数の前記突出部の回転範囲を制限するように前記支持基板に提供されることを特徴とする請求項11に記載のスピンヘッド。
【請求項13】
前記チャックピン移動ユニットは、
前記チャックピンが支持位置にある間に前記駆動ロッドが前記ガイドホールに接触された状態を維持するように前記回転板を回転させ、
前記チャックピンが支持位置から待機位置に移動する間に、前記回転板の回転を許容する位置へ移動できるように提供される接触維持部材をさらに包含することを特徴とする請求項4に記載のスピンヘッド。
【請求項14】
前記接触維持部材は、前記支持板が回転する時、逆遠心力によって前記回転板を回転させるような形状に構成されたことを特徴とする請求項13に記載のスピンヘッド。
【請求項15】
前記接触維持部材は、
前記回転板の円周面から突出する第1突出部と、
前記支持板に設置され、前記第1突出部に接触するために逆遠心力によって回転する維持バーを含み、
前記維持バーは、
前記支持板に対して回転できるように前記支持板に結合される中央部と、
前記回転板に向かう方向に前記中央部から延長され、前記第1突出部を押す押し部と、
前記支持板の外側に向かう方向に前記中央部から延長される案内部を包含することを特徴とする請求項14に記載のスピンヘッド。
【請求項16】
前記案内部は、前記押し部に比べて重くすることを特徴とする請求項15に記載のスピンヘッド。
【請求項17】
前記案内部と前記押し部との間の角は、鈍角であることを特徴とする請求項16に記載のスピンヘッド。
【請求項18】
前記回転板の円周面には、前記駆動ロッドに対応する数の複数の第2突出部が回転板の半径方向に突出し、前記各々の第2突出部に前記駆動ロッドが設置され、
前記駆動部材は、前記第1突出部と前記第2突出部との回転範囲を制限するように前記支持板に提供される複数のストッパーとをさらに包含する請求項15に記載のスピンヘッド。
【請求項19】
前記チャックピン移動ユニットは、前記チャックピンの支持位置を調節する距離調節部材とをさらに含み、
前記距離調節部材は、前記移動ロッドの長さ方向に沿って軸方向に整列され、前記移動ロッドの他端に一端が相対回転できるように結合され、そして円周面にねじ山が形成された移送軸を包含し、
前記ガイドは、
前記移送軸にねじ結合される第1本体と、
前記第1本体に連結され、前記移動ロッドに関連して回転されないように前記移送ロッドに脱着できるように結合される第2本体を包含する請求項4に記載のスピンヘッド。
【請求項20】
前記距離調節部材は、
前記第1本体を基準として前記移送ロッドの反対側に位置し、前記移送軸にねじ結合される固定器をさらに包含することを特徴とする請求項19に記載のスピンヘッド。
【請求項21】
前記チャックピン移動ユニットは、
前記支持板に設置され、前記第2方向に沿って移動する前記移動ロッドを案内するガイド部材をさらに包含することを特徴とする請求項3に記載のスピンヘッド。
【請求項22】
スピンヘッドであって、
支持板と、
基板の側面を支持するように前記支持板に設置される複数のチャックピンと、
前記支持板の半径方向である第1方向と相異なる第2方向に前記チャックピンを移動させるように構成されたチャックピン移動ユニット
を包含することを特徴とするスピンヘッド。
【請求項23】
前記チャックピン移動ユニットは、
長さ方向が前記第2方向に向かうように配置され、一端に前記チャックピンが結合される複数の移動ロッドと、
前記チャックピンを支持位置と待機位置との間へ移動するように、前記移動ロッドを前記第2方向に沿って直線移動させる駆動部材を包含する請求項22に記載のスピンヘッド。
【請求項24】
前記駆動部材は、
各々の前記移動ロッドの他端に結合され、ガイドホールが形成された複数のガイドと、
回転できるリング形状に提供され、前記ガイドの前記ガイドホールへ挿入される駆動ロッドが設置された回転板
を包含することを特徴とする請求項23に記載のスピンヘッド。
【請求項25】
前記駆動部材は、復元器をさらに包含し、
前記復元器は、
前記チャックピンを待機位置へ移動させるため、前記駆動ロッドが前記ガイドホールに接触荷重を加えるように回転された前記回転板を初期位置へ戻し、かつ、
復元力が弾性によって生じるように前記回転板に結合される一端と前記支持板に結合される他端を有する弾性部材を包含することを特徴とする請求項24に記載のスピンヘッド。
【請求項26】
前記駆動部材は、前記駆動ロッドに回転できるように結合され、前記ガイドホールの内面に接触するローラーとをさらに包含することを特徴とする請求項24に記載のスピンヘッド。
【請求項27】
前記チャックピンの支持位置と待機位置との間の移動の時、前記ローラーが前記ガイドホールの一端に接触された状態で前記ガイドホールに沿って移動し、そして前記ガイドホールの他端に接触するように、前記ガイドホールは、長さが前記ローラーの外径より大きいスロット形状を有していることを特徴とする請求項26に記載のスピンヘッド。
【請求項28】
前記回転板の円周面には、前記駆動ロッドに対応する数の突出部が半径方向に突出され、前記各々の突出部に前記駆動ロッドが設置されることを特徴とする請求項24に記載のスピンヘッド。
【請求項29】
前記チャックピン移動ユニットは、
前記チャックピンが支持位置にある間、前記駆動ロッドが前記ガイドホールに接触された状態を維持するように前記回転板を回転させ、
前記チャックピンが支持位置から待機位置へ移動される間、前記回転板の回転を許容する位置へ移動できるように提供される接触維持部材をさらに包含することを特徴とする請求項24に記載のスピンヘッド。
【請求項30】
前記接触維持部材は、
前記回転板の円周面から突出する第1突出部と、
前記支持板に設置され、前記第1突出部と接触するために逆遠心力によって回転する維持バーを含み、
前記維持バーは、
前記支持板に対して回転できるように前記支持板に結合される中央部と、
前記回転板に向かう方向に前記中央部から延長され、前記第1突出部を押さえる押し部と、
前記支持板の外側に向かう方向に前記中央部から延長される案内部を包含することを特徴とする請求項29に記載のスピンヘッド。
【請求項31】
前記チャックピン移動ユニットは、前記チャックピンの支持位置を調節する距離調節部材をさらに含み、
前記距離調節部材は、前記移動ロッドの長さ方向に沿って軸方向に整列され、前記移動ロッドの他端に一端が相対回転できるように結合され、そして円周面にねじ山が形成された移送軸を包含し、
前記ガイドは、
前記移送軸にねじ結合される第1本体と、
前記第1本体に連結され、 前記移動ロッドに関連して回転しないように前記移送ロッドに脱着できるように結合される第2本体を包含することを特徴とする請求項24に記載のスピンヘッド。
【請求項32】
基板の側面を支持する複数のチャックピンを、支持板の中心から外側に向かう第1方向と相異なり、支持位置と待機位置の間を第二方向に沿って移動させることを特徴とする基板チャッキング方法。
【請求項33】
前記チャックピンが支持位置にある時、前記チャックピンを前記支持板の中心から同一の距離に位置されるように前記第2方向に沿って移動させることを特徴とする請求項32に記載の基板チャッキング方法。
【請求項34】
前記支持板は、円板形状に提供され、前記第1方向は、前記支持板の半径方向であることを特徴とする請求項32に記載の基板チャッキング方法。
【請求項35】
前記第2方向は、前記第1方向と垂直な方向であることを特徴とする請求項34に記載の基板チャッキング方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−130019(P2010−130019A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268565(P2009−268565)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(508343216)セメス カンパニー リミテッド (12)
【Fターム(参考)】