説明

スリップ防止システム

【課題】 従来のスリップ防止システムでは、スリップが発生した場合にエンジンの出力を制御せずに、単にクラッチ等の伝達機構で車軸への駆動力を調節するものであるので、半クラッチ状態においては、エンジンのエネルギーが無駄に消費される問題がある。
また、対地速度センサを用いてスリップを判断する技術に関しては、車軸等の回転数を計測する回転数センサ以外に当該対地速度センサを設ける必要があり、しかも対地速度センサは高価であるために、作業車両の製造コストが高くなる問題がある。
【解決手段】 制御装置2は、前側左車軸11a等の車軸の回転数センサから各車軸の実回転数を検出し、他方、エンジン回転数センサ6と変速比検出センサ7とから得られる情報で各車軸の推定回転数算出し、実回転数と推定回転数との回転数差が、設定回転数以上である場合にスリップが発生したと判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の車輪のスリップを検知し、スリップを検知するとスリップしないように制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、作業車両の一例として耕耘等を行う農用作業車がある。
このような農用作業車は、機体後部に設けられる作業機を圃場に接触させて作業を行うため、機体本体に掛かる負荷が大きいので、車輪がスリップすることがある。
このようにスリップが発生すると、作業車両の作業効率が下がる、圃場内で停止する、或いは、安定性が低下する等の問題がある。
そこで、従来より、作業車両にスリップを防止するためのシステムを搭載することによって、上述のような問題が発生することを防止している。
このような技術の一例としては、下記特許文献1に示すようなものがある。
この特許文献1には、スリップが発生した場合に、エンジンから車輪へ駆動力を伝達する経路上のクラッチを半クラッチ状態にすることによって、駆動力を弱めてスリップの発生を抑制するものである。
その他の技術としては、作業車両に対地速度センサ等を設けて作業車両の実速度を検出し、その実速度が車輪又は車軸の実回転数で出るはずの速度に達していない場合に、スリップと判断してエンジンの回転数を下げる技術等がある。
【特許文献1】特開平6−58345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記特許文献1に示されるような技術では、スリップが発生した場合にエンジンの出力を車軸等に伝達する駆動力を弱めることによって、スリップの発生を抑制するものであるので、エネルギーが無駄に消費され、車速が落ちて仕上がりが悪くなる問題がある。
即ち、上記特許文献1に示される技術は、スリップが発生した場合にエンジンの出力を制御せずに、単にクラッチ等の伝達機構で車軸への駆動力を調節するものであるので、半クラッチ状態においては、エンジンのエネルギーが無駄に消費され、全車輪への動力伝達の回転数が減少し、更にエンジンの回転数も減少されるので、トルク低下が発生する。よって耕耘作業等では速度変化による仕上がりが悪くなる問題がある。
また、上述した対地速度センサを用いてスリップを判断する技術に関しては、車軸等の回転数を計測する回転数センサ以外に当該対地速度センサを設ける必要があり、しかも対地速度センサは高価であるために、作業車両の製造コストが高くなる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、エンジンの出力を、変速機、差動ギヤ、車軸を介して車輪へ伝達する作業車両における前記車軸の実回転数を検出する実回転数検出手段の検出値に基づいて、前記車輪のスリップを防止するスリップ防止システムにおいて、前記エンジンの回転数と前記変速機の変速比とから算出される車軸の推定回転数と、前記実回転数検出手段によって検出された前記車軸の実回転数との回転数差が、予め定められた設定回転数以上である場合にスリップが発生したと判断する第1のスリップ判断手段を具備するものである。
【0006】
請求項2においては、エンジンの出力を、変速機、差動ギヤ、車軸を介して車輪へ伝達する作業車両における前記車軸の実回転数を検出する実回転数検出手段の検出値に基づいて、前記車輪のスリップを防止するスリップ防止システムにおいて、前記実回転数検出手段の検出値に基づいて、各車軸の回転数差が予め定められた設定回数以上になった場合に、又は、前記実回転数検出手段の検出値に基づいて、いずれかの車軸の回転数と各車軸の平均回転数との回転数差が予め定められた設定回転数以上となった場合に、スリップが発生したと判断する第2のスリップ判断手段を具備するものである。
【0007】
請求項3においては、スリップが発生していると判断された場合に、最も速い回転数の車軸を、前記推定回転数、又は前記平均回転数まで減速するように制御するものである。
【0008】
請求項4においては、前記作業車両に設けられるステアリングハンドルの操作角度が、予め定めた設定角度以上操作された場合には、スリップの発生の有無を判断せず、他方、前記ステアリングハンドルの操作角度が、予め定めた設定角度の範囲内にある場合には、スリップの発生の有無を判断するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
請求項1の構成により、高価な対地速度センサ等を用いることなく、スリップ発生の有無を判断することが可能となるので、従来と比較し安価にスリップ防止システムを構成することが可能となる。
【0011】
請求項2の構成により、各車軸間の回転数差、或いは、いずれかの車軸と平均回転数との回転数差に基づいてスリップ発生防止の処理が行われているので、制御装置2は、各車軸(即ち、各車輪)の回転数バランスを把握するとともに、適切にスリップ発生防止処理を行うことが可能となる。
【0012】
請求項3の構成により、エンジンの回転数を減速することで、従来のクラッチを利用して回転数を減速する場合と比較してエネルギーロスが少なく確実にスリップを防止することが可能となる。
【0013】
請求項4の構成により、例えば、ステアリングハンドルが大きく操作されて、作業車両が大きく旋回して、差動ギヤの作用によって車軸間の回転数差が大きくなってしまった場合に、スリップが発生したと誤って判断することを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の本発明を実施するための最良の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1はスリップ防止システム1を採用するトラクタ200の一例を示した概略構成図、図2は本発明のスリップ防止システム1の制御系の一例を示したブロック図、図3は制御装置が行う一連の処理の一例を示したフローチャート、図4は制御装置が行う一連の処理の一例を示したフローチャート、である。
【0015】
<スリップ防止システムが採用される機種>
先ず、本発明のスリップ防止システムを採用する作業車両の一例として、図1に示すような4輪のトラクタ200の概略構成について説明する。
尚、以下の説明においては、図1中の矢印Aの方向をトラクタ200の前方とし、図1中の紙面手前側をトラクタ200の左側側面としている。
トラクタ200の前後には前側左車輪12a、前側右車輪12b、後側左車輪22a、後側右車輪22bが設けられている(尚、前側右車輪12b及び後側右車輪22bは右側側面なので不図示)。
機体前部側のボンネット30の内部にはエンジン31が配置され、該ボンネット30の後方にはキャビン40が設けられる。
該キャビン40の内部において、前部側のダッシュボード17の近傍にはステアリングハンドル16が配設され、その後方には座席18が配設される。更に、このキャビン40の上部にはルーフ41が設けられ、側面側にはドア42が設けられている。
エンジン31の後部にはクラッチハウジング34が配置され、クラッチハウジング34の後部に変速機32が配設され、駆動力を前側車輪と後側車輪へ分岐するための分岐ギヤボックス33が設けられている。
尚、分岐ギヤボックス33の出力側については後ほど図2を用いて説明する。
また、トラクタ200の後部には、トラクタ200の機体後部に設けられる油圧シリンダに接続されることで昇降操作されるロータリ耕耘装置50が連結されている。
【0016】
<制御装置>
次に、上述のようなトラクタ200に本発明のスリップ防止システム1を採用した場合における制御系の概略構成の一例について説明する。
先ず、スリップ防止システム1には、システム全体において記憶、演算、解析、制御を行うための制御装置2が設けられている。
この制御装置2には、上記4つの車輪の車軸である前側左車軸11a、前側右車軸11b、後側左車軸21a、後側右車軸21bの各々には、それらの実際の回転数(以下、「実回転数」という)を検出する前側左車軸回転数センサ3a、前側右車軸回転数センサ3b、後側左車軸回転数センサ4a、後側右車軸回転数センサ4bの計4つの回転数センサと接続されている。
即ち、これら4つのセンサが、各車軸の実回転数を検出する実回転数検出手段の一例である。
また、制御装置2には、燃料噴射弁5、エンジン回転数センサ6、及び変速機32の変速比を検出する変速比検出センサ7と接続されている。
【0017】
<差動ギヤ>
分岐ギヤボックス33の出力は、前輪側出力軸33c及び後輪側出力軸33dの2つの出力軸によって、前側差動ギヤ10及び後側差動ギヤ20に伝達される。
前側差動ギヤ10は、前輪側出力軸33cの回転力を前側左車軸11a及び前側右車軸11bに分岐するものである。
後側差動ギヤ20は、後輪側出力軸33dの回転力を後側左車軸21a及び後側右車軸21bに分岐するものである。
【0018】
<操舵角センサ>
また、ステアリングハンドル16の一端には、前輪(前側左車輪12a及び前側右車輪12b)を操向する操向ラック15に歯合する操向ギヤ16aが設けられている。
更に、ステアリングハンドル16と操向ギヤ16aとを接続する軸には、該軸の回転量を検出する操向センサ13が設けられている。但し、操向ラック15の代わりにタイロッドを用いて操向したり、油圧シリンダ等を用いて操向操作するように構成することもでき、操向センサ13は前輪の操向角を検知する構成であればよい。
更に、この操向センサ13は制御装置2に接続されているので、制御装置2は操向センサ13の検出値に基づいてステアリングハンドル16の操作角度を認識することができる。
【0019】
<推定回転数と実回転数との差で判断>
ここで、本発明のスリップ防止システム1がスリップの発生を認識する処理について図3のフローチャートを用いて説明する。
制御装置2は、エンジン回転数センサ6及び変速比検出センサ7から得られる検出値に基づいて各車軸(即ち、前側左車軸11a、前側右車軸11b、後側左車軸21a、後側右車軸21bを意味し、以下単に「各車軸」と表記する)の推定回転数を算出するとともに、各車軸回転数センサ(前側左車軸回転数センサ3a、前側右車軸回転数センサ3b、後側左車軸回転数センサ4a、後側右車軸回転数センサ4bを意味し、以下単に「各車軸回転数センサ」と表記する)から各車軸の実回転数を検出する(S10)。
制御装置2は、上記ステップS10で得られた推定回転数と実回転数との回転数差が、予め定められた設定回転数以上であるか否かを判断する(S20)。
このステップS20の判断で、設定回転数以上と判断された場合は処理がステップS30へ移行し、他方、設定回転数以下と判断された場合は再び処理がステップS10へ移行する。
ステップS20の判断で設定回転数以上と判断された場合に、制御装置2は、スリップが発生していると判断する(S30)。
理論的には、エンジン回転数と変速比さえ決まれば、他の車輪径等の諸元は変わらないので各車軸の回転数を推定回転数として求められるが、前側差動ギヤ10や後側差動ギヤ20を設けているので、実回転数と推定回転数とは一致せず若干の回転数差が生じている。
しかしながら、作業車両や差動ギヤ等の仕様や特性からは通常発生しないような大きな回転数差が発生した場合には、スリップが発生していると判断する必要がある。
そこで、ステップS30においては、制御装置2が、回転数差が上記設定回転数以上となった場合にスリップが発生していると判断している。また、スリップ発生の有無を判断しているのは制御装置2であるので、該制御装置2はスリップ判断手段の一例である。
尚、上記設定回転数は、作業車両や差動ギヤの仕様や特性から許容できる最大限の回転数差として、作業車両の開発段階等において予め求めて制御装置2に記憶させることができる。この回転数差は速度が速くなる程大きく設定している。
そして、制御装置2は、上記ステップS30にてスリップが発生していると判断したので、スリップの発生を防止する処理を行う(S40)。
このようにしてスリップの有無の判断を行うので、高価な対地速度センサ等を用いることなく、スリップ発生の有無を判断することが可能となるので、従来と比較し安価にスリップ防止システムを構成することが可能となる。
【0020】
<各車軸間の回転数の差>
上述とは異なる判断処理について説明する。
先ず、制御装置2は、各車軸回転数センサから各車軸の実回転数を検出し、その検出した各車軸同士の回転数差を算出する(S11)。
そして、制御装置2は、ステップS11で算出された回転数差が予め定められた設定回転数以上であるか否かを判断する(S21)。
このステップS21の判断で、設定回転数以上と判断された場合は処理がステップS31へ移行し、他方、設定回転数以下と判断された場合は再び処理がステップS11へ移行する。
ステップS21の判断で設定回転数以上と判断された場合に、制御装置2は、スリップが発生していると判断する(S31)。
つまり、各車軸間において、作業車両や差動ギヤ等の仕様や特性からは通常発生しないような大きな回転数差が発生した場合には、スリップが発生していると判断するのである。
そして、制御装置2は、上記ステップS31にてスリップが発生していると判断したので、スリップの発生を防止する処理を行う(S41)。
【0021】
<いずれかの車軸と各車軸の平均回転数との差>
上記ステップS11、ステップS21の処理を以下のように行っても良い。
上述のステップS11において、制御装置2は、各車軸の回転数を検出して、その平均値を算出する。
そして、上述のステップS21において、制御装置2は、いずれかの車軸の回転数と上記平均回転数との回転数差が、予め定められた設定回転数以上であるか否かを判断する。
つまり、各車軸の平均的な回転数に対して、作業車両や差動ギヤ等の仕様や特性からは通常発生しないような大きな回転数が発生した場合には、スリップが発生していると判断するのである。
この判断で、設定回転数以上と判断された場合には上述のステップS41と同様に、制御装置2はスリップの発生を防止する処理を行う。
上述したように、各車軸間の回転数差、或いは、いずれかの車軸と平均回転数との回転数差に基づいてスリップ発生防止の処理が行われているので、制御装置2は、各車軸(即ち、各車輪)の回転数バランスを把握するとともに、適切にスリップ発生防止処理を行うことが可能となる。
【0022】
<減速制御>
上述のステップS40、及びステップS41等で行うスリップの発生を防止する処理について説明する。
例えば、制御装置2は、最も速い回転数の車軸を、上記推定回転数、又は上記各車軸の平均回転数まで減速するように、エンジン31の回転数を制御する処理を行う。
この場合に、制御装置2は、エンジン31の回転数を略保ったまま、変速装置を低速側に変速する。つまり、変速比を大きくし、最も速い回転数の車軸の回転が低下するように変速レバー等をモータまたはシリンダ等のアクチュエータで操作する処理を行うのである。
このように減速することで、従来のクラッチを利用して回転数を減速する場合と比較してエネルギーロスが少なく確実にスリップを防止することが可能となる。
また、本機に作業機を装着している場合には、スリップを防止するための処理について、速度を低下する制御に代えて、または、更に追加して、作業機を設定高さ上昇させるように制御することも可能である。
【0023】
<操作角度>
また、上記ステップS10からS40、又は上記ステップS11からS41に示したようなスリップの発生の有無を判断する一連の処理を行うか否かのを、ステアリングハンドルの操作角度に基づいて行うことも可能である。
この場合、例えば、制御装置2は、操向センサ13から取得できるステアリングハンドルの操作角度が、予め定めた設定角度以上になった場合にはスリップ発生の有無の判断を行わず、他方、設定角度の範囲内である場合にはスリップ発生の有無の判断を行う処理を行うのである。つまり、直進状態であれば、作業中であるため、スリップしたかどうかを検知し、旋回する場合には作業は行っていない状態であり、回転数差が発生するので、スリップの判断は行わないのである。
このような処理を行うことで、以下のような状況で作業効率を下げることがなくなる。
例えば、圃場端で旋回する場合には、ステアリングハンドル16が大きく操作され、上述した前側差動ギヤ10や後側差動ギヤ20の作用によって、左右の車輪間の回転数差が大きくなるので、スリップが発生しているかどうかは判断できない。
つまり、このような場合には、制御装置2はスリップが発生していると誤って判断してしまうので、上述したように、ステアリングハンドル16の操作角度が設定角度以上に操作されるような大きな操作が行われた場合には、スリップの有無を判断する処理を行わないようにすることで、上述のような作業効率を下げることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】スリップ防止システム1を採用するトラクタ200の一例を示した概略構成図。
【図2】本発明のスリップ防止システム1の制御系の一例を示したブロック図。
【図3】制御装置が行う一連の処理の一例を示したフローチャート。
【図4】制御装置が行う一連の処理の一例を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0025】
1 スリップ防止システム
2 制御装置
3a 前側左車軸回転数センサ
3b 前側右車軸回転数センサ
4a 後側左車軸回転数センサ
4b 後側右車軸回転数センサ
6 エンジン回転数センサ
7 変速比検出センサ
13 操向センサ
50 ロータリ耕耘装置
200 トラクタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの出力を、変速機、差動ギヤ、車軸を介して車輪へ伝達する作業車両における前記車軸の実回転数を検出する実回転数検出手段の検出値に基づいて、前記車輪のスリップを防止するスリップ防止システムにおいて、
前記エンジンの回転数と前記変速機の変速比とから算出される車軸の推定回転数と、前記実回転数検出手段によって検出された前記車軸の実回転数との回転数差が、
予め定められた設定回転数以上である場合にスリップが発生したと判断する第1のスリップ判断手段を具備することを特徴とするスリップ防止システム。
【請求項2】
エンジンの出力を、変速機、差動ギヤ、車軸を介して車輪へ伝達する作業車両における前記車軸の実回転数を検出する実回転数検出手段の検出値に基づいて、前記車輪のスリップを防止するスリップ防止システムにおいて、
前記実回転数検出手段の検出値に基づいて、各車軸の回転数差が予め定められた設定回数以上になった場合に、
又は、
前記実回転数検出手段の検出値に基づいて、いずれかの車軸の回転数と各車軸の平均回転数との回転数差が予め定められた設定回転数以上となった場合に、
スリップが発生したと判断する第2のスリップ判断手段を具備することを特徴とするスリップ防止システム。
【請求項3】
スリップが発生していると判断された場合に、
最も速い回転数の車軸を、前記推定回転数、又は前記平均回転数まで減速するように制御してなる請求項1又は請求項2のいずれかに記載のスリップ防止システム。
【請求項4】
前記作業車両に設けられるステアリングハンドルの操作角度が、予め定めた設定角度以上操作された場合には、スリップの発生の有無を判断せず、
他方、
前記ステアリングハンドルの操作角度が、予め定めた設定角度の範囲内にある場合には、スリップの発生の有無を判断してなる請求項1から請求項3のいずれかに記載のスリップ防止システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−218974(P2006−218974A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33376(P2005−33376)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】