説明

セキュリティ装置

【課題】認証失敗による利便性の低下を防ぐとともに低電力化を図ることが可能なセキュリティ装置を提供する。
【解決手段】センタ装置60Aは、扉に対応して設けられた撮影装置によって撮像された画像を取得する画像取得部と、画像に顔画像が含まれているか否かを判定する判定部と、を備え、セキュリティ装置50Aは、画像に顔画像が含まれていると判定された場合に、認証情報読取装置へ電力を供給し、当該認証情報読取装置による読取を可能とする電力供給部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設のゲートのセキュリティ解除を行うセキュリティ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティシステムとして、顔画像による認証を含む二種類の認証を採用したシステムが知られている。特許文献1には、暗証番号による認証が成功した場合に、カメラによって撮影し、撮影された顔画像による認証を行う銀行取引システムが開示されている。また、特許文献2には、施設におけるセキュリティを確保するため、施設の適宜箇所にゲート、撮影装置及び認証装置を設置し、通行しようとするヒトの認証を、撮影装置によって撮像された顔画像による認証及び認証装置によって取得された情報による認証(例えば、ICカードを用いた認証)の二段階で行い、ともに通行可能であると認証された場合にのみヒトの通行を許可するセキュリティシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−251077号公報
【特許文献2】特開2009−098814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2に記載された技術は、認証精度が低い顔画像による認証を採用しているため、認証失敗により利便性が低下してしまうという問題を有しており、さらに、特許文献2に記載された技術は、認証のために二つの装置を常に作動させるため、電力がかかってしまうという問題を有している。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決すべく創案されたものであり、認証失敗による利便性の低下を防ぐとともに低電力化を図ることが可能なセキュリティ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明のセキュリティ装置は、施設のゲートに対応して設けられた認証情報読取装置によって読み取られた認証情報を取得する認証情報取得部と、前記認証情報と前記ゲートを通行可能であるか否かとを関連付けた情報である通行可能認証情報が登録される記憶部と、取得された前記認証情報と、前記通行可能認証情報と、に基づいて前記ゲートのセキュリティ解除の可否判断を行う認証部と、前記認証部による判断結果に基づいて前記ゲートを制御するゲート制御部と、を備えるセキュリティ装置であって、前記ゲートに対応して設けられた撮影装置によって撮像された画像を取得する画像取得部と、前記画像に顔画像が含まれているか否かを判定する判定部と、前記画像に顔画像が含まれていると判定された場合に、前記認証情報読取装置へ電力を供給し、当該認証情報読取装置による読取を可能とする電力供給部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、認証失敗による利便性の低下を防ぐとともに低電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るセキュリティ装置を備えるセキュリティシステムを模式的に示す図である。
【図2】図1のセキュリティ装置を示すブロック図である。
【図3】図2の認証テーブルを説明するための図である。
【図4】図2の接続機器テーブルを説明するための図である。
【図5】図2のセンタ装置を示すブロック図である。
【図6】図5の撮影装置ネットワークアドレステーブルを説明するための図である。
【図7】図5のセキュリティ装置ネットワークアドレステーブルを説明するための図である。
【図8】本発明の第一の実施形態に係るセンタ装置、第一のセキュリティ装置及び第一のカードリーダの動作例を説明するための図である。
【図9】本発明の第一の実施形態に係る第一のセキュリティ装置及び第一の扉の動作例を説明するための図である。
【図10】本発明の第二の実施形態に係るセキュリティ装置を備えるセキュリティシステムを模式的に示す図である。
【図11】図10のセキュリティ装置を示すブロック図である。
【図12】図11の接続機器テーブルを説明するための図である。
【図13】本発明の第二の実施形態に係る第一の指紋情報読取装置、第一のセキュリティ装置及び第一のカードリーダの動作例を説明するための図である。
【図14】本発明の第二の実施形態に係る第一のセキュリティ装置及び第一の扉の動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。以下の説明において、認証情報としてRFIDカードに記憶されたID情報を用いる場合を例にとって説明するが、認証情報は、前記ID情報に限定されず、パスワード等であってもよい。認証情報としてパスワードを用いる場合には、認証情報読取装置としてテンキーが用いられる。また、以下の説明において、ゲートとして自動ドア(以下、単に「扉」と記載することがある。)を用いる場合を例にとって説明するが、ゲートは、前記自動ドアに限定されず、電気錠付き扉、改札機等のゲートであってもよい。
【0010】
<第一の実施形態>
まず、本発明の第一の実施形態に係るセキュリティ装置を備えるセキュリティシステムの構成について、図1〜図7を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係るセキュリティ装置を備えるセキュリティシステムを模式的に示す図である。図2は、図1のセキュリティ装置を示すブロック図である。図3は、図2の認証テーブルを説明するための図である。図4は、図2の接続機器テーブルを説明するための図である。図5は、図2のセンタ装置を示すブロック図である。図6は、図5の撮影装置ネットワークアドレステーブルを説明するための図である。図7は、図5のセキュリティ装置ネットワークアドレステーブルを説明するための図である。なお、第一の実施形態に係るセキュリティシステムにおいて、本発明のセキュリティ装置の機能は、セキュリティ装置50Aとセンタ装置60Aとに分散されている。
【0011】
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係るセキュリティシステム1Aは、途中で二股に分岐する通路11を備える施設10に適用されるシステムである。この通路11は、図1の左側が施設10の出入口側に相当し、図1の右側が施設10の奥側に相当する。そして、セキュリティシステム1は、通路11の所定位置に設けられた自動ドアである第一の扉21、第二の扉22、第三の扉23、第四の扉24及び第五の扉25を備える。これらの扉21〜25は、ゲートの一例であり、扉本体と、当該扉本体を開閉制御する制御装置と、から構成されており、通常時には、施設出入口側から施設奥側(図1の左から右)へのヒトの通行を規制するように閉じられており、後記するセキュリティ装置50A(50A1,50A2,50A3)から送信されたセキュリティ解除信号に基づいて当該扉21〜25を開ける、より詳細には、セキュリティ解除信号を取得した制御装置が扉本体を開けることによって、施設出入口側から施設奥側へのヒトの通行を許容するように構成されている。また、これらの扉21〜25は、図示しない人感センサの検出結果に基づいて、一度開けられてヒトが通行した後に閉じられるように構成されている。なお、扉21〜25は、セキュリティが解除されて一定時間が経過した場合に、セキュリティが設定されて通行を禁止する構成であってもよい。また、これらの扉21〜25は、図示しない人感センサの検出結果に基づいて、施設奥側から施設出入口側(図1の右から左)へのヒトの通行を常に許容するように構成されている。通路11は、第二の扉22の施設奥側において第一の分岐路11a及び第二の分岐路11bに分岐しており、第一の分岐路11aには第三の扉23が設けられ、第二の分岐路11bには第四の扉24及び第五の扉25が設けられている。なお、本発明におけるゲートは、前記した扉21〜25に限定されず、エレベータ、シャッタ等、セキュリティ解除信号に基づいて制御されてヒトの移動を許容したり規制したりすることができるものであればよい。
【0012】
また、セキュリティシステム1Aは、扉21〜25に対応して扉21〜25近傍の壁の施設出入口側に設けられた認証情報読取装置としての第一のカードリーダ31、第二のカードリーダ32、第三のカードリーダ33、第四のカードリーダ34及び第五のカードリーダ35をさらに備える。カードリーダ31〜35は、ヒトによってかざされたRFIDカードCから認証情報としてのID情報を読み取り、読み取られたID情報を対応するセキュリティ装置50Aへ送信する。また、カードリーダ31〜35は、後記するカードリーダ制御部によって出力された、認証部53による判断結果を取得してヒトへ通知(表示、発音等)することもできる。
【0013】
また、セキュリティシステム1Aは、扉21〜25に対応して扉21〜25の施設出入口側を撮像するIPカメラとして、第一の撮影装置41A、第二の撮影装置42A、第三の撮影装置43A,第四の撮影装置44A及び第五の撮影装置45Aをさらに備える。撮影装置41A〜45Aは、撮像結果としての画像(画像データ)に当該撮影装置のネットワークアドレスを付加したデータを、ネットワークNWを介してセンタ装置60Aへ送信する。
【0014】
また、セキュリティシステム1Aは、複数のセキュリティ装置50Aとして、第一のセキュリティ装置50A1と、第二のセキュリティ装置50A2と、第三のセキュリティ装置50A3と、をさらに備える。第一のセキュリティ装置50A1は、第一の扉21、第一のカードリーダ31、第二の扉22及び第二のカードリーダ32と通信可能に接続されている。また、第二のセキュリティ装置50A2は、第三の扉23及び第三のカードリーダ33と通信可能に接続されている。また、第三のセキュリティ装置50A3は、第四の扉24、第四のカードリーダ34、第五の扉25及び第五のカードリーダ35と通信可能に接続されている。
【0015】
また、セキュリティシステム1Aは、コンピュータ等からなるセンタ装置60Aを備える。撮影装置41A,42A,43A,44A,45A、セキュリティ装置50A1,50A2,50A3及びセンタ装置60AはネットワークNWを介して互いに通信可能に接続されている。
【0016】
≪セキュリティ装置≫
セキュリティ装置50Aは、本実施形態においては、顔画像又は生体情報による認証以外の手法によってヒトの認証を行う装置であって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、入出力回路等から構成されており、図2に示すように、機能ブロックとして、ID情報取得部(認証情報取得部)51と、記憶部52Aと、認証部53と、扉制御部(ゲート制御部)54と、カードリーダ制御部(電力供給部)55と、を備える。
【0017】
ID情報取得部51は、対応するカードリーダから送信されたID情報を取得し、認証部53へ出力する。
【0018】
記憶部52Aには、通行可能ID情報(通行可能認証情報)を格納するためのテーブルとして、図3に示す認証テーブル52aが記憶される。ここで、通行可能ID情報は、ID情報と、当該ID情報を有するRFIDカードCを携帯しているヒトが扉21〜25を通行可能であるか否かと、を関連付けた情報である。
【0019】
また、記憶部52Aには、接続機器情報を格納するためのテーブルとして、図4に示す接続機器テーブル52bが記憶される。ここで、接続機器情報は、扉とカードリーダとを関連付けた情報である。
【0020】
図2に戻り、認証部53は、ID情報取得部51によって取得されたID情報を用いて扉のセキュリティ解除の可否判断を行う。より詳細には、認証部53は、認証テーブル52aにおいてID情報に対応する通行可能ID情報を検索する。認証テーブル52aにおいて、ID情報に対応する通行可能ID情報が見つかった場合には、認証部53は、認証テーブル52aの通行可能ID情報に基づいて、セキュリティ解除対象扉を特定する。この判断結果にしたがって、扉制御部54が対応する扉を制御することとなる。
【0021】
扉制御部54は、認証部53による判断結果に基づいて、対応する扉を制御する。より詳細には、扉制御部54は、認証部53による判断結果が、開扉可能なものである場合に、セキュリティ解除信号を対応する扉へ送信する。
【0022】
カードリーダ制御部55は、後記するセンタ装置60Aから送信された信号に基づいて、対応するカードリーダを制御する。より詳細には、カードリーダ制御部55は、センタ装置60Aから送信されたID情報受付指示を取得した場合に、対応するカードリーダへの電力供給を開始し、カードリーダによるID情報の受付を可能とする。
【0023】
かかるセキュリティシステム1Aによると、例えば、図3のID情報「0123456789」を有するRFIDカードCを携帯しているヒトは、施設10に入って第一の扉21、第二の扉22、第三の扉23、第四の扉24及び第五の扉25を通行することができる。しかし、図3のID情報「9876543211」を有するRFIDカードCを携帯しているヒトは、施設10に入って第一の扉21、第二の扉22及び第三の扉23を通行することはできるが、第四の扉24及び第五の扉25を通行することはできない。このように、ヒトに応じて施設10内に移動範囲を制限することができ、施設10のセキュリティを好適に設定することができる。
【0024】
≪センタ装置≫
センタ装置60Aは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、入出力回路等から構成されており、ユーザの操作によって新たな通行可能ID情報を取得し、取得された新たな通行可能ID情報をセキュリティ装置50A1,50A2,50A3へ送信し、セキュリティ装置50A1,50A2,50A3に記憶部52A内の認証テーブル52aを更新させたりする。図5に示すように、センタ装置60Aは、機能ブロックとして、画像取得部61と、記憶部62と、判定部63と、画像管理部64と、を備える。
【0025】
画像取得部61は、撮影装置によって撮像された画像を取得し、判定部63及び画像管理部64へ出力する。
【0026】
記憶部62には、撮影装置41A,42A,43A,44A,45Aのネットワークアドレスと当該撮影装置の設置場所とを関連付けて格納する撮影装置ネットワークアドレステーブル62a(図6参照)と、セキュリティ装置50A1,50A2,50A3のネットワークアドレスと制御対象扉とを関連付けて格納するセキュリティ装置ネットワークアドレステーブル62b(図7参照)と、が記憶される。
【0027】
また、記憶部62は、撮影装置41A,42A,43A,44A,45Aによって撮像された画像が撮影装置ごとに格納される画像記憶部62cを備える。
【0028】
判定部63は、画像取得部61によって取得された画像を解析し、画像に顔画像が含まれているか否かを判定し、判定結果を画像が撮像された撮影装置に対応するセキュリティ装置へ送信する。本実施形態において、判定部63は、画像に正常な顔画像が含まれているか否かを判定する。かかる送信において、判定部63は、画像に付加された撮影装置のネットワークアドレスに基づいて記憶部62内のテーブル62aを参照して撮影装置の設置場所を特定し、続いて、特定された設置場所に基づいてテーブル62bを参照して前記した設置場所を制御対象扉としているセキュリティ装置を送信先のセキュリティ装置として特定し、送信先のセキュリティ装置のネットワークアドレスを取得する。判定結果は、このようにして取得されたネットワークアドレスを用いて対応するセキュリティ装置へ送信される。ここで、正常な顔画像とは、撮像対象であるヒトの顔画像に、オクルージョンが発生していないことをいう。例えば、撮像対象であるヒトがサングラスを掛けている、マスクを着用している等といった場合には、顔画像のオクルージョンが発生してしまうため、判定部63は、画像に含まれる顔画像は正常な顔画像ではないと判定する。かかる判定手法に関しては公知であるため、詳細な説明を省略する。
【0029】
本実施形態において、判定部63は、画像に正常な顔画像が含まれていると判定された場合に、画像を撮像した撮影装置に対応するカードリーダ装置にID情報を受け付けさせるためのID情報受付指示を対応するセキュリティ装置50Aのカードリーダ制御部55へ送信する。ここで、判定部63は、記憶部62に記憶された、撮影装置とカードリーダ装置とを関連付けたテーブル(図示せず)を参照してどのカードリーダ装置にID情報を受け付けさせるかを決定し、決定されたカードリーダ装置名を含むID情報受付指示を送信することができる。ID情報受付指示を受信すると、カードリーダ制御部55は、対応するカードリーダ装置(カードリーダ装置31〜35のいずれか)への電力供給を開始する。カードリーダ装置は、カードリーダ制御部55からの電力供給が行われている間のみ、カードCに書き込まれたID情報を読み取ってセキュリティ装置50AのID情報取得部51へ送信することができる。
【0030】
画像管理部64は、画像取得部61によって取得された画像を画像記憶部62cに記憶させたり、画像記憶部62cに記憶された画像のうち、記憶されてから一定期間経過した画像を削除したり、一定量を超えた画像が記憶されようとした場合に、最も古い画像を削除して最新の画像を記憶させたりする。
【0031】
≪動作例≫
続いて、本発明の第一の実施形態に係るセキュリティシステム1Aの動作例について、図8〜図9を参照して説明する。この動作例はID情報「9876543211」を有するRFIDカードCが第一のカードリーダ31によって読み取られた場合のものである。図8は、本発明の第一の実施形態に係るセンタ装置、第一のセキュリティ装置及び第一のカードリーダの動作例を説明するための図である。図9は、本発明の第一の実施形態に係る第一のセキュリティ装置及び第一の扉の動作例を説明するための図である。
【0032】
図8に示すように、まず、センタ装置60Aの画像取得部61は、撮影装置41A〜45Aから画像を取得する(ステップS1)。ここで、RFIDカードCを携帯しているヒトが第一の扉21近傍に到着しており、画像取得部61は、第一の撮影装置41Aから、当該ヒトを撮像した画像を取得するものとする。続いて、判定部63は、取得された画像に正常な顔画像が含まれているか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2において正常な顔画像が含まれていると判定された場合には、センタ装置60Aの判定部63は、ID情報受付指示を対応するセキュリティ装置、ここでは、第一のセキュリティ装置50A1のカードリーダ制御部55へ送信する(ステップS3)。ステップS3の実行後、センタ装置60AのフローはステップS1に移行する。また、ステップS2において正常な顔画像が含まれていないと判定された場合にも、センタ装置60AのフローはステップS1に移行する。
【0033】
第一のセキュリティ装置50A1のカードリーダ制御部55がID情報受付指示を取得すると(ステップS11でYes)、カードリーダ制御部55は、第一のカードリーダ31への電力供給を開始し(ステップS12)、タイマのカウントを開始する(ステップS13)。
【0034】
第一のセキュリティ装置50A1からの電力供給の開始を受けて、第一のカードリーダ31は、ID情報受付を開始する(ステップS31)。続いて、RFIDカードCを携帯しているヒトが当該RFIDカードCを第一のカードリーダ31にかざすと、第一のカードリーダ31は、RFIDカードCが有するID情報を取得し(ステップS32でYes)、取得されたID情報を対応する第一のセキュリティ装置50A1へ送信する(ステップS33)。
【0035】
続いて、第一のセキュリティ装置50A1のID情報取得部51がID情報を取得すると(ステップS14でYes)、カードリーダ制御部55は、第一のカードリーダ31への電力供給を停止する(ステップS16)。また、第一のセキュリティ装置50A1のID情報取得部51がID情報を取得せずに(ステップS14でNo)、タイマのカウントが所定時間を経過した場合にも(タイムアウト、ステップS15でYes)、カードリーダ制御部55は、第一のカードリーダ31への電力供給を停止する(ステップS16)。
【0036】
第一のセキュリティ装置50からの電力供給が停止されると、第一のカードリーダ31は、ID情報の受付を停止する(ステップS34)。
【0037】
図9に示すように、ステップS16の実行後、認証部53は、ID情報を用いて認証テーブル52aを検索する(ステップS17)。認証テーブル52aにおいて、取得されたID情報に対応する通行可能ID情報が見つかった場合には(ステップS17でYes)、認証部53は、通行可能ID情報に基づいて、ヒトが第一の扉21を通行可能であるか否かを判定する(ステップS18)。かかる判定において、認証部53は、図3の認証テーブル52aにおいて、取得されたID情報に対応する通行可能ID情報が、第一の扉21において「○」であるか「×」であるかを調べる。ヒトが第一の扉21を通行可能であると判定された場合、すなわち、図3の認証テーブル52aにおいて、取得されたID情報に対応する通行可能ID情報が、第一の扉「○」である場合には、認証部53は、ヒトが第一の扉21を通行可能であると判定する。
【0038】
ステップS18でYesの場合には、扉制御部54は、セキュリティ解除信号を第一の扉21へ送信し(ステップS19)、カードリーダ制御部55は、タイマのカウントを停止してカウント数をゼロに戻す(タイマクリア、ステップS20)。
【0039】
なお、ステップS17でNoの場合(ID情報が取得されずにタイムアウトした場合を含む)には、第一のセキュリティ装置50A1のフローはステップS20に移行する。また、ステップS18でNoの場合にも、第一のセキュリティ装置50A1のフローはステップS20に移行する。
【0040】
第一の扉21、より詳細には、第一の扉21の制御装置は、セキュリティ解除信号を取得すると(ステップS41でYes)、セキュリティを解除し(ステップS42)、扉本体を自動的に開く。その後、一定時間が経過すると(ステップS43でYes)、第一の扉21の制御装置は、扉本体を自動的に閉じ、セキュリティを設定する(ステップS44)。
【0041】
本発明の第一の実施形態に係るセキュリティ装置50A及びセンタ装置60は、顔画像による認証は行わず、正常な顔画像が取得されたか否かに関する情報を用いるので、認証失敗による利便性の低下を防ぐことができる。また、本発明の第一の実施形態に係るセキュリティ装置50A及びセンタ装置60は、正常な顔画像が取得された場合にのみカードリーダに電力を供給するので、低電力化を図ることができる。
【0042】
<第二の実施形態>
続いて、本発明の第二の実施形態に係るセキュリティ装置を備えるセキュリティシステムの構成について、第一の実施形態に係るセキュリティシステム1Aとの相違点を中心に、図10〜図12を参照して説明する。図10は、本発明の第二の実施形態に係るセキュリティ装置を備えるセキュリティシステムを模式的に示す図である。図11は、図10のセキュリティ装置を示すブロック図である。図12は、図11の接続機器テーブルを説明するための図である。
【0043】
図10に示すように、本発明の第二の実施形態に係るセキュリティシステム1Bは、カメラ41A,42A,43A,44A,45Aに代えて、扉21〜25に対応して扉21〜25近傍の壁の施設出入口側に設けられた生体情報読取装置としての第一の指紋情報読取装置41B、第二の指紋情報読取装置42B、第三の指紋情報撮影装置43B,第四の指紋情報読取装置44B及び第五の指紋情報読取装置45Bをさらに備える。指紋情報読取装置41B,42Bは、読み取った指紋情報に指紋情報読取装置名を付加したデータを第一のセキュリティ装置50B1へ送信し、指紋情報読取装置43Bは、読み取った指紋情報に指紋情報読取装置名を付加したデータを第二のセキュリティ装置50B2へ送信し、指紋情報読取装置44B,45Bは、読み取った指紋情報に指紋情報読取装置名を付加したデータを第三のセキュリティ装置50B3へ送信する。
【0044】
また、本発明の第二の実施形態に係るセキュリティシステム1Bは、セキュリティ装置50A1〜50A3及びセンタ装置60Aに代えて、第一のセキュリティ装置50B1、第二のセキュリティ装置50B2、第三のセキュリティ装置50B3及びセンタ装置60Bを備える。
【0045】
図11に示すように、セキュリティ装置50Bは、記憶部52Aに代えて記憶部52Bを備えるとともに、指紋情報取得部56及び指紋情報管理部57をさらに備える。
【0046】
記憶部52Bには、通行可能ID情報を格納するためのテーブルとして、図3に示す認証テーブル52aが記憶されるとともに、接続機器情報を格納するためのテーブルとして、図12に示す接続機器テーブル52cが記憶される。ここで、接続機器情報は、扉とカードリーダと指紋情報読取装置とを関連付けた情報である。
【0047】
また、記憶部52Bは、指紋情報読取装置41B,42B,43B,44B,45Bによって読み取られた指紋情報が指紋情報読取装置ごとに格納される指紋情報記憶部52dを備える。
【0048】
指紋情報取得部56は、指紋情報読取装置によって読み取られた指紋情報を取得し、取得された指紋情報に指紋情報読取装置名を付加したデータをカードリーダ制御部55及び指紋情報管理部57へ出力する。
【0049】
本実施形態において、カードリーダ制御部55は、指紋情報取得部56によって指紋情報が取得された場合にのみ、対応するカードリーダ装置への電力供給を開始する。ここで、カードリーダ制御部55は、指紋情報に付加された指紋情報読取装置名に基づいて接続機器テーブル52cを参照して電力供給を行うカードリーダ装置を決定する。カードリーダ装置は、カードリーダ制御部55からの電力供給が行われている間のみ、カードCに書き込まれたID情報を読み取ってセキュリティ装置50BのID情報取得部51へ送信することができる。
【0050】
指紋情報管理部57は、指紋情報取得部56によって取得された指紋情報を指紋情報記憶部52dに記憶させたり、指紋情報記憶部52dに記憶された指紋情報のうち、記憶されてから一定期間経過した指紋情報を削除したり、一定量を超えた指紋情報が記憶されようとした場合に、最も古い指紋情報を削除して最新の指紋情報を記憶させたりする。
【0051】
センタ装置60Bは、画像取得部61、記憶部62、判定部63及び画像管理部64を備えておらず、ユーザの操作によって新たな通行可能ID情報を取得し、取得された新たな通行可能ID情報をセキュリティ装置50B1,50B2,50B3へ送信し、セキュリティ装置50B1,50B2,50B3に記憶部52B内の認証テーブル52aを更新させたりする。
【0052】
≪動作例≫
続いて、本発明の第二の実施形態に係るセキュリティシステム1Bの動作例について、第一の実施形態に係るセキュリティシステム1Aの動作例との相違点を中心に、図13〜図14を参照して説明する。図13は、本発明の第二の実施形態に係る第一の指紋情報読取装置、第一のセキュリティ装置及び第一のカードリーダの動作例を説明するための図である。図14は、本発明の第二の実施形態に係る第一のセキュリティ装置及び第一の扉の動作例を説明するための図である。
【0053】
図13に示すように、まず、RFIDカードCを携帯しているヒトが第一の扉21近傍に到着し、RFIDカードCを携帯しているヒトが指を第一の指紋情報読取装置41Bにかざすと、第一の指紋情報読取装置41Bは、指紋情報を読み取り(ステップS101でYes)、読み取った指紋情報を第一のセキュリティ装置50B1へ送信する(ステップS102)。
【0054】
第一のセキュリティ装置50B1のカードリーダ制御部55が指紋情報を取得すると(ステップS111でYes)、カードリーダ制御部55は、第一のカードリーダ31への電力供給を開始し(ステップS112)、タイマのカウントを開始する(ステップS113)。なお、以下の動作におけるステップS114〜S120,S131〜S134,S141〜S144は、前記したステップS14〜S20,S31〜S34,S41〜S44と同様であるので、説明を省略する。
【0055】
本発明の第二の実施形態に係るセキュリティ装置50Bは、指紋情報による認証は行わず、指紋情報が取得されたか否かに関する情報を用いるので、認証失敗による利便性の低下を防ぐことができる。また、本発明の第二の実施形態に係るセキュリティ装置50Bは、指紋情報が取得された場合にのみカードリーダに電力を供給するので、低電力化を図ることができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。例えば、第一の実施形態においては、撮影装置41A〜45Aは、センタ装置60Aに接続されるIPカメラであったが撮影装置41A〜45Aを対応するセキュリティ装置50Aに接続するとともに、セキュリティ装置50Aがセンタ装置60Aの画像取得部61、画像記憶部62c、判定部63及び画像管理部64を一体的に備える構成であってもよい。また、自動ドアである扉に代えて電気錠付き扉を用いる場合には、セキュリティ装置50A,50Bは、セキュリティ解除信号を送信してから一定時間経過後に、セキュリティ設定信号を電気錠付き扉へ送信し、電気錠付き扉を施錠する構成であってもよい。また、第二の実施形態において、指紋情報以外の生体情報(指の静脈パターン情報等)を読み取る生体情報読取装置を採用することもできる。また、第二の実施形態の変形例として、生体情報読取装置が、読み取った生体情報ではなく、生体情報を読み取った旨を示す信号をセキュリティ装置へ送信し、セキュリティ装置が、生体情報取得部(指紋情報取得部)に代えて、生体情報を読み取った旨を示す信号を取得する信号取得部を備え、電力供給部が、前記信号が取得された場合に、認証情報読取装置へ電力を供給し、当該認証情報読取装置による読取を可能とする構成であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
21,22,23,24,25 扉(ゲート)
31,32,33,34,35 カードリーダ(認証情報読取装置)
41A,42A,43A,44A,45A 撮影装置
41B,42B,43B,44B,45B 指紋情報読取装置(生体情報読取装置)
50A,50A1,50A2,50A3 セキュリティ装置
50B,50B1,50B2,50B3 セキュリティ装置
51 ID情報取得部(認証情報取得部)
52A,52B 記憶部
52a 認証テーブル
53 認証部
54 扉制御部(ゲート制御部)
55 カードリーダ制御部(電力供給部)
56 指紋情報取得部(生体情報取得部)
60A センタ装置(セキュリティ装置)
61 画像取得部
63 判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設のゲートに対応して設けられた認証情報読取装置によって読み取られた認証情報を取得する認証情報取得部と、
前記認証情報と前記ゲートを通行可能であるか否かとを関連付けた情報である通行可能認証情報が登録される記憶部と、
取得された前記認証情報と、前記通行可能認証情報と、に基づいて前記ゲートのセキュリティ解除の可否判断を行う認証部と、
前記認証部による判断結果に基づいて前記ゲートを制御するゲート制御部と、
を備えるセキュリティ装置であって、
前記ゲートに対応して設けられた撮影装置によって撮像された画像を取得する画像取得部と、
前記画像に顔画像が含まれているか否かを判定する判定部と、
前記画像に顔画像が含まれていると判定された場合に、前記認証情報読取装置へ電力を供給し、当該認証情報読取装置による読取を可能とする電力供給部と、
を備えることを特徴とするセキュリティ装置。
【請求項2】
施設のゲートに対応して設けられた認証情報読取装置によって読み取られた認証情報を取得する認証情報取得部と、
前記認証情報と前記ゲートを通行可能であるか否かとを関連付けた情報である通行可能認証情報が登録される記憶部と、
取得された前記認証情報と、前記通行可能認証情報と、に基づいて前記ゲートのセキュリティ解除の可否判断を行う認証部と、
前記認証部による判断結果に基づいて前記ゲートを制御するゲート制御部と、
を備えるセキュリティ装置であって、
前記ゲートに対応して設けられた生体情報読取装置によって読み取られた生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報が取得された場合に、前記認証情報読取装置へ電力を供給し、当該認証情報読取装置による読取を可能とする電力供給部と、
を備えることを特徴とするセキュリティ装置。
【請求項3】
前記電力供給部は、前記認証情報読取装置への電力供給開始から一定時間経過後、又は、前記認証情報読取装置への電力供給開始後に前記認証情報取得部によって前記認証情報が取得された場合に、前記認証情報読取装置への電力供給を停止する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセキュリティ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−191812(P2011−191812A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54946(P2010−54946)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】