説明

データ管理プログラム、データ管理方法及びデータ管理装置

【課題】経路案内装置が表示できる文字に何らかの制限がある場合であっても、独自のデータにて定義されるテキストが、経路案内装置において適切に表示されるようにすること。
【解決手段】データ編集装置500は、操作者がカーナビゲーション装置1に使用させる情報として、独自のPOIデータをメモリーカード400のカスタマイズ記憶エリア402に追加する前に、そのPOIデータ内の施設データに使われている文字コードについて、カーナビゲーション装置1で文字を表示させる文字コードであるか否か、及び、カーナビゲーション装置1で文字を適正に表示させる文字コードであるか否かを、確認する。その文字コードがカーナビゲーション装置1で文字を表示させないものであった場合、又は、カーナビゲーション装置1で文字を適正に表示させないものであった場合には、データ編集装置500は、操作者に警告を発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内装置が使用するデータを管理するための技術に、関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、カーナビゲーション装置やポータブルナビゲーション装置などの経路案内装置は、道路や河川や行政区画の境界線などを描画するための地図データ、経路探索に利用するために道路上に設定されている複数のノードのリンクを定義するリンクデータ、経路案内の目的地として有用な各施設の住所やジャンルなどをテキストにて定義する施設データ、及び、各施設の地点を定義する地点データを、記憶媒体から読み出すようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−350155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記憶媒体が、経路案内装置に着脱自在に装着できるものであれば、経路案内装置の製造販売者が用意する施設データ及び地点データとは別の独自の施設データ及び地点データを記憶媒体に格納して経路案内装置に読み込ませることによって、独自の施設を、目的地検索において検出可能にしたり目的地として設定可能にしたりすることができると考えられる。また、何らかの情報をテキストにて表示するための独自のデータを記憶媒体に格納して経路案内装置に読み込ませることによって、経路案内装置の利用者に当該情報を提示することができるとも考えられる。
【0005】
しかしながら、経路案内装置が表示できる文字に何らかの制限がある場合には、独自のデータにて定義されるテキストが、経路案内装置において適切に表示されない可能性がある。
【0006】
本発明は、前述したような従来技術の有する事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、経路案内装置が表示できる文字に何らかの制限がある場合であっても、独自のデータにて定義されるテキストが、経路案内装置において適切に表示されるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため案出されたデータ管理プログラムは、経路案内装置が使用するデータを管理するため、コンピュータを、経路案内装置に文字を表示させるためのテキストデータを操作者から受け付ける受付手段、その受付手段が受け付けたテキストデータを構成する複数の文字コードの中から、経路案内装置において文字を適切に表示させない文字コードを検索する検索手段、及び、経路案内装置において文字を適切に表示させない文字コードを検索手段が検出した場合に、所定の処理を行う処理手段として機能させることを、特徴としている。
【0008】
このように構成されると、操作者から受け付けたテキストデータを構成する複数の文字コードの中に、経路案内装置において文字を適切に表示させない文字コードが存在していた場合には、所定の処理が行われることとなる。ここで、所定の処理としては、例えば、操作者への警告に関する情報を出力する処理であっても好いし、検出手段が検出した文字コードを、経路案内装置において文字を適切に表示させる文字コードへ、自動的に変換する処理であっても好い。
【0009】
なお、本発明は、前述したデータ管理プログラムだけでなく、データ管理方法又はデータ管理装置であっても好い。すなわち、本発明は、前述したデータ管理プログラムによりコンピュータが機能する各手段と同等の機能を複数の手順としてコンピュータが実行するデータ管理方法であっても好いし、それら各手段と同等に機能する複数の部位を備えるデータ管理装置であっても好い。また、本発明は、前述したデータ管理プログラムを格納したコンピュータ可読媒体であっても好い。
【発明の効果】
【0010】
従って、本発明によれば、経路案内装置が表示できる文字に何らかの制限がある場合であっても、独自のデータにて定義されるテキストが、経路案内装置において適切に表示されるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態である情報システムについて、添付図面を参照しながら、説明する。
【0012】
なお、以下に説明する情報システムは、あくまでも一つの実施形態であり、本発明が、以下に説明する構成に限定されるものではない。
【0013】
《情報システム》
図1は、本実施形態の情報システムの構成を示す図である。
【0014】
本実施形態の情報システムは、カーナビゲーション装置1、メモリーカード400、及び、データ編集装置500を、含んでいる。なお、カーナビゲーション装置1は、図1では、NAVIと表記されている。
【0015】
カーナビゲーション装置1は、車輌の現在地の提示や目的地までの経路案内などを行うための装置である。また、カーナビゲーション装置1は、各種のAV[Audio Visual]コンテンツの再生機能、放送信号を受信してテレビ音声映像やラジオ音声を出力する機能、その他の機能を、備えている。ここで、カーナビゲーション装置1としては、例えば、富士通テン株式会社によるAVN[Audio Visual Navigation](登録商標)がある。カー
ナビゲーション装置1は、運転席や助手席の乗員の手が届きやすいダッシュボードの中央付近に、着脱自在に、又は、固定的に、設置される。なお、カーナビゲーション装置1は、目的地までの経路案内を行うナビゲーション機能を備えた携帯型の電子機器であっても好い。
【0016】
メモリーカード400は、カーナビゲーション装置1が起動時又は経路案内時に使用するデータが格納された不揮発性記憶媒体である。メモリーカード400には、道路や鉄道などの敷設物や市町村の境界線を描画するための地図データ、経路探索に利用するために道路上に設定されている複数のノードのリンクを定義するリンクデータ、経路案内の目的地として有用な各施設の住所やジャンルなどをテキストにて定義する施設データ、各施設の地点を地理座標上に定義する地点データ、地図上の各地点にアイコンを表示するためのアイコンデータ、経路案内用の音声を出力するための音声データ、その他のデータが、格納されている。ここで、地理座標とは、地球表面上の位置を表す緯度と経度の組み合わせを言う。また、施設としては、例えば、テーマパーク、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアがある。また、各地点についての地点データと施設データとの組み合わせは、POI[Point Of Interest]データと称されている。メモリーカード400内のこれらの
データは、カーナビゲーション装置1の起動時又は経路案内時に、カーナビゲーション装置1によってメモリーカード400から読み出されて使用される。
【0017】
なお、従来のカーナビゲーション装置では、これらのデータは、カーナビゲーション装置に内蔵されているHDD[Hard Disk Drive]、カーナビゲーション装置に着脱自在に
装着されたDVD[Digital Versatile Disk]などに格納されていた。これに対し、本実施形態では、これらのデータは、カーナビゲーション装置1に着脱自在に装着されるメモリーカード400に格納されてリリースされており、地図データ等の改訂時において、改訂された地図データ等の配布が、容易になっている。
【0018】
データ編集装置500は、カーナビゲーション装置1が使用するデータを編集したり作成したりするための装置である。従って、データ編集装置500は、メモリーカード400を着脱自在に装着するための機能を備えている。このデータ編集装置500は、レンタカー業者の営業所や、多数の固定の訪問先に対して外回り営業を行う業者の営業所などに、設置される。これら業者は、データ編集装置500を用いて、リリースされたメモリーカード400に予め格納されている標準のPOIデータを編集することができる。また、これら業者は、データ編集装置500を用いて作成した独自のデータを、自己のレンタカーや営業車に搭載されるカーナビゲーション装置1が使用するデータとして、メモリーカード400に、追加することができる。メモリーカード400に追加されるデータとしては、地点データ及び施設データからなるPOIデータ、アイコンデータ、カーナビゲーション装置1が起動時に表示するオープニング画面の画面データ、レンタカーの利用規約を表示するための利用規約データ、及び、レンタカーの利用者からよく問われる事項について事前にその回答をカーナビゲーション装置1を通じて利用者にお知らせするためのお知らせデータがある。
【0019】
なお、データ編集装置500を用いてメモリーカード400内のデータを編集したり独自のデータをメモリーカード400に追加したりできるようになっているのは、以下の理由に因る。
【0020】
例えば、多数の固定の訪問先に対して外回り営業を行う業者にとっては、営業車に搭載されているカーナビゲーション装置1による経路案内の対象として、多数の訪問先の地点を登録しておきたいという要請がある。また、例えば、そのレンタカー業者が営業する地域にあってそのPOIデータがリリース時の標準データとして登録されていない観光スポットに関する情報を、カーナビゲーション装置1に表示させたいという要請がある。また、そのPOIデータがリリース時の標準データとして登録されていない観光スポットに関する情報を表示する場合において、例えば、地図におけるその観光スポットの存在する地点に、そのレンタカー業者独自のアイコン、又は、その地域特有のアイコンを表示して、レンタカーの乗員(利用者)に便宜を図りたいとの要請もある。また、観光スポットが広範囲な敷地を有するテーマパークである場合において、リリース時の標準のPOIデータにそのテーマパークの中心位置がその地点として定義されているときには、レンタカーの乗員は、テーマパークを目的地に設定するとテーマパークの中心位置に案内されてしまうこととなる。しかし、レンタカーの乗員にとってみれば、テーマパークの中心位置に案内されるより、テーマパークの駐車場に案内される方がよりよい。このため、レンタカーに搭載されているカーナビゲーション装置1において、観光スポットについて予め定義されている地点をより利便性の高い地点に変更としたいという要請もある。
【0021】
また、例えば、レンタカーに搭載されているカーナビゲーション装置1が起動されたときに、そのレンタカー業者独自のオープニング画面をカーナビゲーション装置1に表示させたいという要請がある。また、そのレンタカー業者がレンタカーの乗員(利用者)に読ませたい利用規約を、オープニング画面の前後に表示させたいという要請がある。更には、レンタカーの利用者からよく問い合わせがある事項についてレンタカーの乗員(利用者)が営業所に問い合わせる前にその乗員にカーナビゲーション装置1を通じてお知らせし
たいという要請もある。
【0022】
以上に示したような要請に応えるため、本実施形態では、データ編集装置500が各業者に提供され、各業者が、提供されたデータ編集装置500を用いて、自己のカーナビゲーション装置1が使用するデータを編集したり追加したりすることできるようになっている。この結果、各業者は、自己の車輌に搭載されているカーナビゲーション装置1を操作する利用者や従業員に対し、木目細かなPOIデータや最新のPOIデータを用いて車輌を利用させることができる。
【0023】
なお、データ編集装置500を用いて作成されるデータは、メモリーカード400を介してカーナビゲーション装置1に取り込まれても好いが、データ編集装置500から通信手段を介してカーナビゲーション装置1に取り込まれても好い。通信手段としては、ネットワークに接続するためのネットワークカード(通信アダプタ)、及び、赤外線通信ユニットが、例示できる。
【0024】
《メモリーカード》
図2は、メモリーカード400にデータが格納されている状態を模式的に示すブロック図である。
【0025】
メモリーカード400の記憶エリアは、標準記憶エリア401と、カスタマイズ記憶エリア402とに、区分される。標準記憶エリア401は、カーナビゲーション装置1の製造販売者によって作成された標準的なデータが格納される記憶エリアである。前述した業者にメモリーカード400がリリースされる前に、予め、標準記憶エリア401には、地図データ、リンクデータ、標準POIデータ、標準アイコンデータ、及び、音声データが、格納される。カスタマイズ記憶エリア402は、データ編集装置500を用いて作成されたアプリケーションデータが格納される記憶エリアである。カスタマイズ記憶エリア402には、追加POIデータ、追加アイコンデータ、オープニング画面を表示するための画面データ、利用規約データ、及び、お知らせデータのうちの何れか、又は、全てが、アプリケーションデータとして格納される。
【0026】
なお、追加POIデータは、標準POIデータに定義されていない地点についてのPOIデータ(施設データ及び地点データ)である。一般的には、標準POIデータには、コンビニエンスストアやガソリンスタンドのような一般ユーザが立ち寄り易い施設の中の地点や、人気スポットのような有名な施設や大規模な施設の中の地点が、定義されている。これに対し、新規開店した施設、新たに注目されるスポット、業者の営業所などのように、標準POIデータにて定義されていない地点については、追加POIデータによって別途定義することができる。
【0027】
ここで、各施設の標準POIデータは、その施設についての施設データと地点データとの組み合わせであり、これら組み合わせには、それぞれ、何れかの標準アイコンデータが対応付けられている。これと同様に、各施設の追加POIデータは、その施設についての施設データと地点データとの組み合わせであり、これら組み合わせには、それぞれ、何れかの標準アイコンデータ又は何れかの追加アイコンデータが対応付けられている。
【0028】
また、オープニング画面を表示するための画面データは、カーナビゲーション装置1内にも用意されているため、以下では、メモリーカード400内の画面データを、独自オープニング画面データと表記し、カーナビゲーション装置1内の画面データを、既存オープニング画面データと表記する。また、独自オープニング画面データと既存オープニング画面データの総称を、以下では、単に、オープニング画面データと表記する。
【0029】
《カーナビゲーション装置》
〈構成〉
図3は、カーナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。
【0030】
カーナビゲーション装置1は、各種の処理を行うメインユニット2と、各種情報を表示したり操作を受け付けたりするディスプレイユニット3とからなる。
【0031】
(メインユニット)
メインユニット2は、電子部品類で構成されており、ブレーキ検知部4、リバース検知部5、携帯式プレーヤインターフェース6、放送信号受信部7、外部音声/映像入力部8、GPS[Global Positioning System]情報受信部9、車速検知部10、カメラ映像入
力部11、アンプ12、ジャイロセンサ13、光ディスクドライブ14、メモリーカードリーダライタ15、開閉制御部16A、角度制御部16B、モータ17、角度センサ18、リセットボタン19、及び、制御部20を、内蔵している。
【0032】
ブレーキ検知部4は、車輌のパーキングブレーキがかけられているか否かを検知し、これを制御部20に通知する。ブレーキ検知部4は、パーキングブレーキレバー(又は、パーキングブレーキペダル)の動きと連動してオンオフするスイッチの通電状態により、ブレーキの状態を検知する。ブレーキ検知部4は、このスイッチの通電状態を、端子26Aを介して入力されるパーキングブレーキ信号に基づいて電気的に検知する。
【0033】
リバース検知部5は、車輌の変速レバーがリバース(後進)になっているか否かを検知し、これを制御部20に通知する。リバース検知部5は、変速レバーと連動して動くスイッチのオンオフにより、変速レバーの状態を検知する。リバース検知部5は、このスイッチの通電状態を、端子26Bを介して入力されるリバース信号に基づいて電気的に検知する。
【0034】
携帯式プレーヤインターフェース6は、音楽等を再生する携帯式のプレーヤ(例えば、iPod(登録商標))と双方向通信を行うためのインターフェースである。携帯式プレーヤインターフェース6は、このような携帯式のプレーヤが外部接続されると双方向通信を開始し、携帯式のプレーヤから送られる音声信号を制御部20へ送り、制御部20から送られる再生開始や曲送り等の制御信号を携帯式のプレーヤへ送る。携帯式プレーヤインターフェース6は、端子26Cに接続されるコードを介して携帯式のプレーヤと通信を行う。
【0035】
放送信号受信部7は、テレビアンテナが受信した複数のチャンネルのテレビ信号の中から視聴対象のチャンネルのテレビ信号を取り出すためのテレビチューナ、及び、ラジオアンテナが受信した複数のチャンネルのラジオ信号の中から視聴対象のチャンネルのラジオ信号を取り出すためのラジオチューナで構成される回路である。放送信号受信部7は、制御部20からの制御信号に応じてチューナの受信状態を制御し、端子26Dに接続されるアンテナがテレビ放送局やラジオ放送局から受信した放送信号を制御部20へ送る。
【0036】
外部音声/映像入力部8は、端子26Eに接続されるAV機器からの音声信号や映像信号を受け付け、これを制御部20へ送る回路である。
【0037】
GPS情報受信部9は、端子26Fに接続されるGPSアンテナがGPS衛星から受信したGPS信号を受信し、受信したGPS信号を処理して位置情報を取得し、その位置情報を制御部20へ送る。周知のように、GPSは、地球を周回する多数のGPS衛星のうち少なくとも3つ以上の衛星からのGPS信号に基づいて車輌の位置を測位するシステムである。GPS情報受信部9は、地球を周回するこれらGPS衛星からのGPS信号を処
理する。GPS情報受信部9によって取得された位置情報は、車輌の現在地の提示や目的地までの経路案内に用いられる。
【0038】
車速検知部10は、車軸の回転に応じて発生する車速パルス信号を検知し、これを制御部20へ送る回路である。車速検知部10が検知する車速パルス信号は、車速センサ又は車輌のエンジンやブレーキを制御する電子制御ユニットから出力されるステップ状の車速パルス信号であり、単位時間当たりのパルス数から車輌速度を割り出す際に用いられる。単位時間当たりのパルス数が増えていれば車輌が加速しており、減っていれば車輌が減速していることになる。車輌の速度と車速パルスとの相関関係は、車輌を製造するメーカや車種、装着される車輪の大きさや空気圧等に応じて変化する。このため、制御部20では、GPSによる測位結果に基づいて算出される車輌の移動距離とその間を走行する間に検知されたパルス数との相関から、車輌の速度と車速パルスとの相関関係が適宜更新される。車速検知部10は、車輌の速度を、端子26Gを介して入力される車速パルス信号に基づいて、電気的に検知する。
【0039】
カメラ映像入力部11は、車輌の後方を撮影するビデオカメラであるバックアイカメラからの映像信号を受け付け、制御部20へ送る回路である。すなわち、カメラ映像入力部11は、リバース検知部5が車輌のリバースを検知した際、端子26Hに接続されているビデオカメラからの映像信号を制御部20へ送る。
【0040】
アンプ12は、制御部20から車室内に設置されるスピーカへ送られる音声信号を増幅する回路である。アンプ12は、制御部20からの制御信号に応じて増幅率を任意に変更可能である。
【0041】
ジャイロセンサ13は、方向転換に伴う角速度を測定するための2軸ジャイロセンサである。ジャイロセンサ13は、GPS衛星からの電波をGPS情報受信部9が受信できない時でも車輌の測位を可能にするためのものである。なお、GPS衛星からの電波を受信できない時の車輌の位置は、制御部20により、車速検知部10が検知する車輌速度とジャイロセンサ13が検知する角速度とに基づいて算出される。
【0042】
光ディスクドライブ14は、音楽等のオーディオコンテンツや映画等のビデオコンテンツが記録された光ディスクからデータを読み取って音声信号及び映像信号を出力するための光ディスク読取装置であり、光ピックアップレンズや発光素子、ディスク駆動モータ等で構成されている。なお、光ディスクとしては、例えば、CD[Compact Disk]、DVD[Digital Versatile Disk]、BD[Blu-ray Disk]などがある。
【0043】
メモリーカードリーダライタ15は、メモリーカード400からデータを読み出したりメモリーカード400にデータを書き込んだりするための装置である。
【0044】
開閉制御部16Aは、ディスプレイユニット3の開閉動作を行う回路である。開閉制御部16Aは、制御部20からの制御信号に応じて、ディスプレイユニット3を駆動するためのモータ17を制御したり、角度センサ18からの信号を処理したりすることにより、ディスプレイユニット3を開閉する。なお、メインユニット2は、その前面に、光ディスクドライブ14のディスク挿入口、メモリーカードリーダライタ15のメモリーカード挿入口、リセットボタン19を、備えており、メインユニット2の前面は、通常状態においては、ディスプレイユニット3によって遮蔽されている(フルクローズ)。ディスプレイユニット3が開閉制御部16Aの制御により駆動されて、メインユニット2の前面が完全開放されると(フルオープン)、操作者(利用者)は、光ディスクドライブ14のディスク挿入口、メモリーカードリーダライタ15のカード挿入口、リセットボタン19にアクセスできるようになる。
【0045】
角度制御部16Bは、ディスプレイユニット3の傾き角度の調整を行う回路である。角度制御部16Bは、開閉制御部16Aと同様、制御部20からの制御信号に応じてモータ17を制御したり、角度センサ18からの信号を処理したりすることにより、ディスプレイユニット3の傾き角度を調整する。本実施形態では、ディスプレイユニット3は、フルクローズからフルオープンまで多段階に駆動される。角度制御部16Bは、開閉時における各段階のディスプレイユニット3の傾き角度を調整するものである。
【0046】
制御部20は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、
RAM[Random Access Memory]、EEPROM[Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory]、入出力インターフェースなどで構成されている。制御部2
0は、車輌のアクセサリー電源がオンになると、ROMに記録されたコンピュータプログラムを実行し、メモリーカードリーダライタ15に挿入されたメモリカードのデータやRAMに格納されているデータ等を使って各種機能を実現する。制御部20によって実現される各種機能の詳細については後述する。
【0047】
(ディスプレイユニット)
ディスプレイユニット3は、主に、車輌の乗員に対して各種の情報を映像で表示するとともに、操作者(利用者)から操作を受け付ける役割を司るデバイス類で構成されており、タッチパネル21、表示処理部22、操作受付部23、操作ボタン24、及び、赤外線受/発光部25を、内蔵している。
【0048】
タッチパネル21は、カラー液晶ディスプレイとタッチセンサとを組み合わせたGUI[Graphical User Interface]であり、7.0インチのEGA[Enhanced Graphics Adapter]型液晶ディスプレイで画面を表示すると共に、画面に表示されたアイコン等が押下
されるとタッチセンサがこれを検知する。
【0049】
表示処理部22は、タッチパネル21の液晶ディスプレイに表示する画面を描画処理する回路である。表示処理部22は、制御部20から送られる映像信号に基づき、液晶ディスプレイに格子状に均等配列された薄膜トランジスタを駆動することで、タッチパネル21の画面を描画する。
【0050】
操作受付部23は、タッチパネル21へのタッチ操作をタッチセンサが感知すると、タッチされた画面上の位置を特定し、操作された位置の情報を制御部20へ送る。
【0051】
操作ボタン24は、タッチパネル21にアイコン表示されるボタンではなく、機械的なボタンであり、タッチパネル21の下に配置される操作用の押しボタン式スイッチである。操作ボタン24は、ディスプレイユニット3の左側から順に、開閉ボタン、現在地ボタン、音量調整ボタンで構成されている。音量調整ボタンは、右側が押されると音量アップ、左側が押されると音量ダウンになるように設定されている。これらのボタンが押されると、押されたボタンの信号が制御部20へ送られる。
【0052】
赤外線受/発光部25は、カーナビゲーション装置1と携帯電話とが赤外線で双方向通信を行うためのインターフェースであり、電気で赤外線を発光する発光素子と、受光した赤外線を電気にする受光素子で構成されている。赤外線受/発光部25は、制御部20から送られる制御信号やデータを携帯電話へ送るとともに、携帯電話から送られる制御信号やデータを制御部20へ送る。
【0053】
(諸機能)
図4は、制御部20によって実現される各種機能部を示すブロック図である。
【0054】
車輌のアクセサリー電源がオンになると、制御部20は、初期処理機能部50、操作処理機能部51、測位機能部52、経路案内機能部53、地図データ処理機能部54、音声処理機能部55、映像処理機能部56、及び、ユーザデータ処理機能部57をそれぞれ実現するためのコンピュータプログラムを、実行する。
【0055】
初期処理機能部50は、カーナビゲーション装置1の初期化処理を実行する。初期処理機能部50は、初期化処理として、例えば、カーナビゲーション装置1のハードウェア異常をチェックする。初期処理機能部50は、ハードウェア異常を検知すると、この異常状態を示すコーション画面を、映像処理機能部56を介して表示するよう制御する。また、初期処理機能部50は、初期化処理を継続しながら、メモリーカード400内の独自オープニング画面データ又はROM内の既存オープニング画面データに基づいてオープニング画面を表示するように制御する。初期処理機能部50は、初期化処理が完了すると、オープニング画面を閉じ、映像処理機能部56に所定の画面を表示するように指示する。
【0056】
操作処理機能部51は、各種機能部の動作を制御するための操作画面を、映像処理機能部56を介してタッチパネル21に表示したり、操作受付部23、操作ボタン24、及び、リセットボタン19からの操作信号を処理して各種機能部の動作を制御したりする。
【0057】
測位機能部52は、GPS情報受信部9から送られる位置情報、車速検知部10から通知される車輌速度の情報、及び、ジャイロセンサ13から送られる角速度の情報に基づいて、車輌の位置(緯度と経度)を測位する。
【0058】
経路案内機能部53は、車輌の現在地から操作者(利用者)が設定した目的地までの経路を索出する機能部である。経路案内機能部53は、測位機能部52が測位した車輌の位置から目的地までの幾つかの経路(ノードの組み合わせ)を、メモリーカードリーダライタ15に装着されているメモリーカード400の標準記憶エリア401内のリンクデータに基づいて索出する。経路案内機能部53が、索出した経路の中から最適な経路を決定すると、この決定した経路のデータを地図データ処理機能部に送る。
【0059】
地図データ処理機能部54は、経路案内機能部53から送られてくる経路のデータと、測位機能部52が測位した車輌の位置のデータと、表示縮尺とに基づいて、メモリーカード400から、自車位置周辺の地図データ、リンクデータ、POIデータ、及び、アイコンデータを読み出す。また、地図データ処理機能部54は、読み出したデータと、経路案内機能部53が放送信号受信部7を介して取得するVICS[Vehicle Information and Communication System](登録商標)信号に基づく道路交通情報のデータとに基づいて、地図のグラフィックデータを生成し、映像処理機能部56に送る。また、地図データ処理機能部54は、自車位置周辺の地図データ等とともに音声データをメモリーカード400から読み出し、音声処理機能部55に送る。
【0060】
音声処理機能部55は、アンプ12を介してスピーカから音声を出力するための音声信号を処理する機能部である。すなわち、音声処理機能部52は、放送信号受信部7が受信した放送信号の中の音声信号、携帯式プレーヤインターフェース6が携帯式のプレーヤから送られる音声信号、光ディスクドライブ14が読み取ったデータに基づいて再生されたコンテンツの音声信号を、アンプ12へ送ったり、これらの音声信号に経路案内機能部53からのルートガイダンスの音声信号を重畳し、アンプ12へ送ったりする。
【0061】
映像処理機能部56は、タッチパネル21に表示させる映像データを生成する機能部である。すなわち、映像処理機能部56は、操作処理機能部51が生成する操作画面のデータと、地図データ処理機能部54が生成するグラフィックデータとを重畳して表示処理部
22へ送ったり、放送信号受信部7がテレビ放送局から受信した放送信号に基づく映像データを表示処理部22へ送ったり、或いはリバース検知部5による車輌後退の検知に連動してカメラ映像入力部11からの映像信号を表示処理部22へ送ったりする。なお、映像処理機能部56が、テレビの映像データを表示処理部22へ送っている最中に、ブレーキ検知部4がパーキングブレーキの解除を検知すると、映像処理機能部56は、映像データの送出をとり止める。
【0062】
ユーザデータ処理機能部57は、操作者(利用者)がディスプレイユニット3を通じて登録したお気に入り施設(例えば、自宅、友人宅、レンタカーの返却先)のPOIデータ、経路検索の履歴情報、アイコンの表示非表示などの設定情報をEEPROMに保持したり、それらをEEPROMから読み出したりする。
【0063】
〈動作〉
(起動時)
図5は、カーナビゲーション装置1の起動時の処理を示すフローチャートである。
【0064】
車輌のアクセサリー電源がオンになり、カーナビゲーション装置1に電力が供給されると、制御部20は、ROMに格納されているコンピュータプログラムを実行する。このコンピュータプログラムが実行されることにより、図4に示す各機能部50〜57がそれぞれ実現される。各機能部50〜57のうち、まず、初期処理機能部50が動作する。
【0065】
初期処理機能部50は、初期化処理の一部としてメモリーカードリーダライタ15が正常に動作していることを確認すると、そのメモリーカードリーダライタ15にメモリーカード400が装着されているか否かを確認する(S61)。この確認は、例えば、メモリーカード400内の標準記憶エリア401にアクセス可能か否かで判断される。初期処理機能部50は、メモリーカード400が装着されていないと判断すると(S61;いいえ)、その旨を示すコーション(警告)画面を映像処理機能部56を介してタッチパネル21に表示する(S63)。メモリーカード400の標準記憶エリア401には地図データ等が格納されているため、メモリーカード400が装着されていない場合、カーナビゲーション装置1は、経路案内を実行することができない。このため、初期処理機能部50は、このコーション画面によってメモリーカード400が装着されていないことを操作者(利用者)に注意喚起する。コーション画面は、予めROMに格納される画面データが初期処理機能部50により読み出され、その画面データが映像処理機能部56に送られることにより、タッチパネル21に表示される。
【0066】
初期処理機能部50は、メモリーカード400が装着されていると判断すると(S61;はい)、メモリーカード400のカスタマイズ記憶エリア402に独自オープニング画面データが格納されているか否かを確認する(S62)。初期処理機能部50は、メモリーカード400のカスタマイズ記憶エリア402に独自オープニング画面データが格納されていると判断すると(S63;はい)、その独自オープニング画面データをメモリーカード400のカスタマイズ記憶エリア402から読み出す(S64)。一方、初期処理機能部50は、メモリーカード400のカスタマイズ記憶エリア402に独自オープニング画面データが格納されていないと判断すると(S63;いいえ)、予めROMに格納されている既存オープニング画面データを取得する(S65)。初期処理機能部50は、独自オープニング画面データ又は既存オープニング画面データを映像処理機能部56に送ることにより、オープニング画面をタッチパネル21に表示させる。すなわち、初期処理機能部50は、メモリーカード400から独自オープニング画面データを読み出すことができた場合には、この独自オープニング画面データに基づいて独自オープニング画面を表示させ、独自オープニング画面データを読み出すことができなかった場合には、既存オープニング画面データに基づいて既存オープニング画面を表示させる。
【0067】
図6は、既存オープニング画面(D100(1))の一例を示す図である。また、図7は、独自オープニング画面(D100(2))の一例を示す図である。
【0068】
図6に示すように、既存オープニング画面(D100(1))には、例えば、カーナビゲーション装置1の製品名が表記される。これに対し、独自オープニング画面(D100(2))には、例えば、カーナビゲーション装置1を搭載したレンタカーを使って車輌貸与業を営むレンタカー業者の名称が表記される。前述したように、レンタカー業者や、多数の固定の訪問先に対して外回り営業を行う業者は、自己のデータ編集装置500を通じて、任意の独自オープニング画面データをメモリーカード400に追加しておけば、独自オープニング画面を、レンタカーや営業車に搭載されているカーナビゲーション装置1に表示させることができる。
【0069】
ここで、独自オープニング画面データの構成について説明する。例えば、独自オープニング画面データは、図7に示すように、中央部に表示される画像データ(D100(2)−1)と、その周辺に表示される背景データ(D100(2)−2)とから構成される。画像データ(D100(2)−1)は、ビットマップファイルとして生成され、背景データ(D100(2)−2)は、RGB色モデルのR値、G値、B値をそれぞれ格納するバイナリファイルとして生成される。画像データ(D100(2)−1)は、ビットマップ形式に限られず、PNG[Portable Network Graphics]形式、GIF[Graphic Interchange Format](米国コンピュサーブ社の商標)形式、JPEG[Joint Photographic Experts Group]形式等にて生成されていてもよい。背景データ(D100(2)−2)は
、RGB色モデルに限られず、CMYK色モデルが利用されてもよい。このように、独自オープニング画面データは、全表示サイズよりも小さい画像を格納する画像データ(D100(2)−1)と、その周辺の背景の色指定データ(D100(2)−2)とで構成される。これにより、独自オープニング画面データのトータルデータサイズを小さくすることができ、データ容量が制限されるメモリーカード400にも格納可能となる。なお、データ容量の大きいメモリーカード400を利用することができる場合には、画像データ(D100(2)−1)のみで独自オープニング画面データを構成するようにしてもよい。
【0070】
図5に戻り、初期処理機能部50は、メモリーカード400内のカスタマイズ記憶エリア402に格納される他のアプリケーションデータを読み出す(S67)。ここで読み出されるアプリケーションデータには、追加POIデータ、追加アイコンデータ、利用規約データ、お知らせデータが含まれ得る。これら読み出されるアプリケーションデータは、データ編集装置500を用いる業者により作成されたデータであるため、個人情報保護の観点から暗号化されている場合がある。なお、上記更新オープニング画面データも同様に暗号化されていてもよい。初期処理機能部50は、読み出されたアプリケーションデータが暗号化されている場合には(S68;はい)、そのデータを所定の手法により復号する(S69)。また、初期処理機能部50は、読み出されたアプリケーションデータが暗号化されていない場合には(S68;いいえ)、読み出したアプリケーションデータをそのまま利用する。なお、暗号化手法及び復号手法は公知の技術が利用されればよいため、ここでは説明を省略する。初期処理機能部50は、メモリーカード400から読み出して必要に応じて復号処理したアプリケーションデータをRAMに保持しておく。
【0071】
初期処理機能部50は、オープニング画面を表示しながら上述のような処理を含む所定の初期化処理を実行する。オープニング画面が表示されている間、制御部20の他の各機能部では、次のような処理が実行される。操作処理機能部51は、操作受付部23、操作ボタン24及びリセットボタン19からの信号を走査してユーザ操作を受け付ける。測位機能部52は、GPS情報受信部9で取得される測位情報と、車速検知部10及びジャイロセンサ13からの信号とを処理し、車輌の位置を測定する。地図データ処理機能部54
は、メモリーカードリーダライタ15に装着されているメモリーカード400へアクセスし、測位機能部52が測位した自車位置の周辺の地図データ等を読み出す。初期処理機能部50は、所定の初期化処理を完了するか又はオープニング画面を表示させてから所定の時間が経過するとオープニング画面を閉じるように映像処理機能部56に指示する。これにより、オープニング画面は、カーナビゲーション装置1が起動されてから数秒間表示される。
【0072】
続いて、初期処理機能部50は、メモリーカード400から読み出されたアプリケーションデータに利用規約データが含まれているか否かを確認する(S70)。なお、レンタカー業者は、カーナビゲーション装置1の利用規約画面に表示させたい文章のテキストデータを、データ編集装置500により生成し、この生成されたテキストデータを利用規約データとしてメモリーカード400に格納することにより、所望の利用規約をカーナビゲーション装置1に表示させることができる。逆に、利用規約を表示させる必要のない場合には、レンタカー業者は、利用規約データをメモリーカード400にに格納しなければよい。
【0073】
初期処理機能部50は、読み出されたアプリケーションデータに利用規約データが含まれていると判断すると(S70;はい)、この利用規約データを映像処理機能部56に送ることによりオープニング画面の次に利用規約画面をタッチパネル21に表示させる(S71)。初期処理機能部50は、読み出されたアプリケーションデータに利用規約データが含まれていないと判断した場合には(S70;いいえ)、利用規約画面を表示させない。
【0074】
図8は、利用規約画面(D101)の一例を示す図である。
【0075】
図8に示すように、利用規約画面(D101)には、例えば、レンタカーを使用する上での注意事項が表記されている。このような利用規約画面(D101)を表示するための利用規約データをメモリーカード400に追加しておくと、レンタカー業者は、カーナビゲーション装置1を搭載するレンタカーの乗員(利用者)に対し、カーナビゲーション装置1の利用前に利用規約を再認識させることができる。図8に示すように、利用規約画面(D101)には、利用規約を定期的に表示させるか否かを選択するための選択手段が備えられており、その選択手段への操作が行われると、この利用規約画面(D101)は閉じられる。なお、レンタカーの乗員(利用者)が、利用規約を定期的に表示させることに同意した場合、別プログラムに従って、図8に示すような利用規約画面(D101)が定期的にタッチパネル21に表示されるようになる。
【0076】
初期処理機能部50は、利用規約画面(D101)が閉じられると、現在地の提示や地図の縮尺変更や経路案内における目的地設定などを行うためのナビ領域と、AVコンテンツの再生や放送チャンネル選択などの操作を行うためのAV領域とからなるマルチ画面をタッチパネル21に表示するよう、映像処理機能部56に指示する(S72)。
【0077】
(マルチ画面表示時)
図9は、マルチ画面(D102)の一例を示す図である。
【0078】
図9に示すように、映像処理機能部56は、マルチ画面(D102)のナビ領域に、地図データ処理機能部54が生成した地図のグラフィックデータに基づく地図を、表示させるとともに、「メニュー」、「目的地」、「周辺」、「地図拡大」及び「地図縮小」、並びに、「ナビ」の各ボタンを、表示させる。ナビ領域に表示される地図には、少なくとも、自車を示すアイコンが表記され、そのアイコンにより、自車の地図上での所在地点が示される。その地図の縮尺は、「地図拡大」ボタン又は「地図縮小」ボタンを操作すること
によって、変更される。「メニュー」ボタン、「目的地」ボタン及び「周辺」ボタンについては、後述する。「ナビ」ボタンは、ナビ領域のみからなるナビ全画面をタッチパネル21に表示させるための切替ボタンである。なお、図10に示すように、ナビ全画面(D103)には、「AV+ナビ」ボタンが備えられており、その「AV+ナビ」ボタンが押下されると、図9に示すようなマルチ画面(D102)に戻れるようになっている。
【0079】
また、図9に示すように、映像処理機能部56は、マルチ画面(D102)のAV領域に、「ラジオ」、「CD」、「iPod」、「外部入力」、「OFF」、「お知らせ」及び「AV」の各ボタンを、表示させる。図9では、一例として、「ラジオ」ボタンが選択されており、AV領域には、その「ラジオ」ボタンが選択された結果として、受信チャンネルの周波数やAM/FMの切り替えボタン、選局ボタンが、表示されている。このとき、音声処理機能部55は、放送信号受信部7が受信したAM放送の音声信号を、アンプ12を介してスピーカから出力させている。なお、放送信号受信部7にワンセグチューナが含まれている場合には、AV領域に、「ワンセグ」ボタンを表示するようにしてもよい。AV領域に示される「AV」ボタンは、AV領域のみからなるAV全画面をタッチパネル21に表示させるための切替ボタンである。なお、図11に示すように、AV全画面(D104)には、「AV+ナビ」ボタンが備えられており、その「AV+ナビ」ボタンが押下されると、図9に示すようなマルチ画面(D201)に戻れるようになっている。
【0080】
また、図9に示すマルチ画面(D102)及び図11に示すAV全画面(D104)のAV領域には、「お知らせ」ボタンが表示されているが、この「お知らせ」ボタンは、メモリーカード400のカスタマイズ記憶エリアにお知らせデータが含まれている場合に、AV領域に表示される。一方、「お知らせ」ボタンは、メモリーカード400のカスタマイズ記憶エリアにお知らせデータが含まれていない場合には、図12に示すように、表示されない。
【0081】
図13は、マルチ画面(D102)又はAV全画面(D104)を表示する際に実行される処理を示すフローチャートである。
【0082】
映像処理機能部56は、マルチ画面(D102)又はAV全画面(D104)の表示が指示されたときには、初期処理機能部50によりメモリーカード400から読み出され保持されたお知らせデータの存在を確認する(S171)。映像処理機能部56は、お知らせデータが存在する場合には(S171;はい)、マルチ画面(D102)及びAV全画面(D104)のAV領域に「お知らせ」ボタンを表示させる(S172)。一方、映像処理機能部56は、お知らせデータが存在しない場合には(S171;いいえ)、「お知らせ」ボタンを表示させない(S173)。
【0083】
(お知らせ画面表示時)
図14は、お知らせ画面(D301)の一例を示す図である。
【0084】
図9に示すマルチ画面(D102)又は図11に示すAV全画面(D104)のAV領域に表示されている「お知らせ」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部56は、図14に示すようなお知らせ画面(D301)をタッチパネル21に表示させる。このお知らせ画面(D301)は、図14に示すように、ポップアップ画面であり、押下された「お知らせ」ボタンの吹き出しとして表示され、マルチ画面(D102)又はAV全画面(D104)の一部がお知らせ画面(D301)の周辺に見えるようになっている。また、お知らせ画面(D301)は、「お知らせ」ボタンの押下直後から徐々に大きくなるようアニメーション表示される。これらポップアップ表示やアニメーション表示により、操作者(利用者)は、画面が遷移していることを視覚を通じて容易に理解することができる。お知らせ画面(D301)の内容は、初期処理機能部50
によりメモリーカード400から読み出され保持されているお知らせデータに基づいて生成される。お知らせデータは、前述したように、レンタカーの利用者からよく問われる事項について事前にその回答をカーナビゲーション装置1を通じて利用者にお知らせするためのデータであり、具体的には、利用者にお知らせするためのメッセージのテキストデータである。前述したように、レンタカー業者は、自己のデータ編集装置500を通じて、任意のお知らせデータをメモリーカード400に追加しておけば、「お知らせ」ボタン及びお知らせ画面(D301)を、レンタカーに搭載されているカーナビゲーション装置1に表示させることができ、利用者からの問い合わせを減らすことができる。逆に、「お知らせ」ボタン及びお知らせ画面(D301)を表示させる必要が無い場合、レンタカー業者は、メモリーカード400にお知らせデータを格納しなければ好い。
【0085】
(メニュー画面表示時)
図15は、メニュー画面(D201)の一例を示す図である。
【0086】
図9に示すマルチ画面(D102)又は図10に示すナビ全画面(D103)のナビ領域に表示されている「メニュー」ボタンがタッチパネル21上で選択されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部56は、その選択されたボタンに対応する画面として、メニュー画面(D201)をタッチパネル21上に表示させる。なお、メニュー画面(D201)は、図14のお知らせ画面(D301)と同様に、ポップアップ表示されるとともにアニメーション表示される。メニュー画面(D201)には、施設の表示、地図の向き、VICS情報に基づく道路交通情報の表示など、地図の表示に関する設定の変更を行うためのボタンと、カーナビゲーション装置1の動作に関する設定の変更を行うためのボタンと、車輌の乗員(利用者)のお気に入りの施設のPOIデータの登録を行うためのボタンとが、含まれている。なお、お気に入りの施設のPOIデータは、ユーザデータ処理機能部57によって制御部20内のEEPROMに記憶されることにより、カーナビゲーション装置1に登録される。
【0087】
(目的地設定時)
図16及び図17は、何れも、目的地設定画面(D202)の一例を示す図である。
【0088】
図9に示すマルチ画面(D102)又は図10に示すナビ全画面(D103)のナビ領域に表示されている「目的地」ボタンがタッチパネル21上で選択されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部56は、目的地設定画面(D202)をタッチパネル21に表示させる。なお、目的地設定画面(D202)は、図14のお知らせ画面(D301)と同様に、ポップアップ表示されるとともにアニメーション表示される。目的地設定画面(D202)には、図16及び図17に示されるように、複数の目的地設定方法に対応した複数のボタンが、表示される。なお、図16と図17とでは、表示されるボタンが異なっているが、ボタン数が多いためであり、表示されるボタンは、目的地設定画面(D202)の右側に表示されるスクロールタブを操作することにより、切り替えられる。各ボタンに表記される目的地設定方法としては、「50音」、「電話番号」、「住所」、「履歴」、「お気に入り」、「携帯連携」、「施設/ジャンル」、「先程の地図」、「マップコード」及び「追加データ」がある。「50音」ボタンの押下により移行する画面では、目的地にある施設の名称の読み仮名が入力されることによって施設データが特定され、特定された施設データに対応する地点データが目的地の地点データとして設定される。「電話番号」ボタンの押下により移行する画面では、目的地にある施設の電話番号が入力されることによって施設データが特定され、特定された施設データに対応する地点データが目的地の地点データとして設定される。「住所」ボタンの押下により移行する画面では、目的地の住所が入力されることによって施設データが特定され、特定された施設データに対応する地点データが目的地の地点データとして設定される。「履歴」ボタンの押下により移行する画面では、過去に目的地として設定された施設の施設データの中から
何れかが選択されることによって施設データが特定され、特定された施設データに対応する地点データが目的地の地点データとして設定される。「お気に入り」ボタンの押下により移行する画面では、お気に入りとしてカーナビゲーション装置1のEEPROMに登録されている施設データの中から何れかが選択されることによって施設データが特定され、特定された施設データに対応する地点データが目的地の地点データとして設定される。「携帯連携」ボタンの押下により移行する画面では、目的地に関する情報が携帯電話機から入力され、入力された情報に対応する施設データが抽出され、抽出された施設データに対応する地点データが目的地の地点データとして設定される。「施設/ジャンル」ボタンの押下により移行する画面では、目的地にある施設のジャンルが選択され、選択されたジャンルに属する施設の中から施設が選択され、選択された施設の施設データに対応する地点データが目的地の地点データとして設定される。「先程の地図」ボタンの押下により移行する画面では、ナビ領域内の地図にアイコンが示されている施設の中から何れかの施設が選択され、選択された施設の施設データに対応する地点データが目的地の地点データとして設定される。「マップコード」ボタンの押下により移行する画面は、目的地の緯度及び経度が入力され、入力された緯度及び経度が目的地の地点データとして設定される。これらボタンに表記された設定方法のうち、「50音」、「電話番号」、「住所」、「施設/ジャンル」については、メモリーカード400内の標準記憶エリア401に格納される標準POIデータが利用される(図2参照)。また、「追加データ」ボタンの押下により移行する画面では、メモリーカード400内のカスタマイズ記憶エリア402に格納される追加POIデータの中の施設データが、目的地にある施設の名称の一部を検索条件として検索され、検出された施設データの中の施設名が、図20に示すように、一覧表示され、一覧表示された施設名の中から何れかが選択され、選択された施設名の施設データに対応する地点データが目的地の地点データとして設定される。なお、メモリーカード400内のカスタマイズ記憶エリア402に追加POIデータが格納されていない場合、図17の目的地設定画面(D202)には、「追加データ」ボタンは、表示されないようになっている。
【0089】
映像処理機能部56は、目的地設定画面(D202)内の何れかのボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、これに対応する画面を表示させる。例えば、映像処理機能部56は、「50音で探す」ボタンが押されれば、文字入力用の画面を表示し、「住所で探す」ボタンが押されれば、都道府県等を選択する画面を表示する。また、映像処理機能部56は、「携帯連携で探す」ボタンが押されれば、赤外線受/発光部25に携帯電話を近づけるようユーザに促す画面を表示し、「履歴で探す」ボタンが押されれば、過去に検索したことのある目的地を表示する。赤外線受/発光部25によって携帯電話から供される通信データには、目的地の緯度や経度、或いは住所や電話番号といった位置情報が含まれている。何れかの指定方法により目的地が指定されると、経路案内機能部53は、測位機能部52が測位した自車位置と、設定された目的地とに基づいて、その目的地までの最適経路を索出し、その後、地図データ処理機能部54と音声処理機能部55と映像処理機能部56とによって、経路案内が開始される。
【0090】
図18及び図19は、何れも、周辺施設検索画面(D203)の一例を示す図である。
【0091】
図9に示すマルチ画面(D102)又は図10に示すナビ全画面(D103)のナビ領域に表示されている「周辺」ボタンがタッチパネル21上で選択されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部56は、周辺施設検索画面(D203)をタッチパネル21に表示させる。なお、周辺施設検索画面(D203)は、図14のお知らせ画面(D301)と同様に、ポップアップ表示されるとともにアニメーション表示される。周辺施設検索画面(D203)には、図18及び図19に示されるように、周辺施設の属する複数のカテゴリーに対応した複数のボタンが、表示される。なお、図18と図19とでは、表示されるボタンが異なっているが、ボタン数が多いためであり、表示されるボタ
ンは、周辺施設検索画面(D203)の右側に表示されるスクロールタブを操作することにより、切り替えられる。各ボタンに表記されるカテゴリーとしては、「ガソリンスタンド」、「コンビニエンスストア(図18では、コンビニと略記)」、「駐車場」、「ファミリーレストラン(図18では、ファミレスと略記)」、「銀行」、「ファーストフード」、「その他施設」及び「追加データ」がある。周辺施設検索画面(D203)における「追加データ」ボタンを除く何れかのボタンが押下されたことを操作処理機能部51が検知して、カテゴリーが選択されると、そのカテゴリーに属する施設の施設データが、メモリーカード400内の標準記憶エリア401に格納される標準POIデータの中から抽出され、抽出された施設データの中の施設名が、自車位置に近い順に一覧表示される。また、一覧表示された施設名の中から何れかが選択されると、選択された施設名の施設データに対応する地点データが、メモリーカード400内の標準記憶エリア401から読み出され、読み出された地点データが目的地の地点データとして設定される。また、「追加データ」ボタンの押下により移行する画面では、メモリーカード400内のカスタマイズ記憶エリア402に格納される追加POIデータの中の施設データが、目的地にある施設の名称の一部を検索条件として検索され、検出された施設データの中の施設名が、図20に示すように、一覧表示され、一覧表示された施設名の中から何れかが選択され、選択された施設名の施設データに対応する地点データが目的地の地点データとして設定される。つまり、図19の周辺施設検索画面(D203)内の「追加データ」ボタンは、図17の目的地設定画面(D202)内の「追加データ」ボタンと同じ機能を発揮する。なお、メモリーカード400内のカスタマイズ記憶エリア402に追加POIデータが格納されていない場合、図19の周辺施設検索画面(D203)には、「追加データ」ボタンは、表示されないようになっている。
【0092】
何れかの設定方法により目的地が設定されると、経路案内機能部53は、測位機能部52が測位した自車位置と、設定された目的地とに基づいて、その目的地までの最適経路を索出し、その後、地図データ処理機能部54と音声処理機能部55と映像処理機能部56とによって、経路案内が開始される。
【0093】
(経路案内時)
図21は、マルチ画面(D102)又はナビ全画面(D103)のナビ領域に地図を表示する際に実行される処理を示すフローチャートである。
【0094】
映像処理機能部56は、経路案内や地図表示に関する操作を行うためのボタンと、自車位置を示すアイコンを含む地図とを表示すると(S331)、初期処理機能部50によりメモリーカード400から読み出されRAMに保持されている追加POIデータの存在を確認する(S332)。映像処理機能部56は、追加POIデータが存在していた場合には(S332;はい)、その追加POIデータの中から、表示中の地図に含まれる地点データを抽出する。続いて、映像処理機能部56は、抽出した地点データにそれぞれ対応する追加アイコンデータを、初期処理機能部50によりメモリーカード400から読み出されRAMに保持されている追加アイコンデータの中から特定する。そして、映像処理機能部56は、抽出された地点データによって表示中の地図内に特定される位置に、特定された追加アイコンデータに基づいて、追加アイコンを表示する(S333)。一方、映像処理機能部56は、追加POIデータが存在していなかった場合には(S332;いいえ)、追加アイコンの表示を行わずに、そのまま次の処理へ進む。
【0095】
次に、映像処理機能部56は、前述したメニュー画面(D201)の「施設表示」ボタンの押下により遷移する画面においてアイコンを表示すべき施設のカテゴリーが1つ以上選択されているか否かを確認する(S334)。映像処理機能部56は、アイコンを表示すべき施設のカテゴリーが1つ以上選択されている場合には(S334;はい)、その選択されているカテゴリーに属する各施設の標準アイコンデータに基づいて、標準アイコン
を表示する(S335)。一方、映像処理機能部56は、アイコンを表示すべき施設のカテゴリーが1つも選択されていない場合には(S334;いいえ)、地図上の施設についてアイコンは表示しない。
【0096】
つまり、カーナビゲーション装置1は、追加POIデータがメモリーカード400を通じて提供されている場合には、常に、地図上における追加POIデータに対応する地点に追加アイコンを表示することとなる。また、カーナビゲーション装置1は、アイコンを表示すべき施設のカテゴリーが1つ以上選択されていた場合には、地図上に、追加POIデータに対応する地点と、標準POIデータに対応する地点とに、アイコンを表示することとなる。
【0097】
図22は、交差点拡大画面(D204)の一例を示す図である。
【0098】
地図データ処理機能部54は、右折や左折などの方向転換を行うべき交差点に車輌が接近すると、図22に示すような交差点拡大画面(D204)をナビ領域に表示するとともに、音声処理機能部55に経路案内用の音声データを渡す。交差点拡大画面(D204)には、交差点の拡大図が含まれ、その拡大図には、自車のアイコンとともに、車輌の進むべき進路が矢印にて示される。なお、交差点拡大画面(D204)がナビ領域に表示される場合でも、AV領域には、AVコンテンツの再生や放送チャンネル選択などの操作を行うためのボタン類が表示されている。
【0099】
《データ編集装置》
〈構成〉
図23は、データ編集装置500の構成を示すブロック図である。
【0100】
データ編集装置500は、CPU501と、メモリ502と、各種のインターフェース(I/F)503〜508と、これらインターフェース503〜508を介してCPU501に接続される周辺装置とを含む。図23では、周辺装置の例として、ハードディスク駆動装置509、入力装置510、表示装置511、ネットワークインターフェース(ネットワークI/F)512、着脱可能記憶媒体駆動装置513、及び、メモリカードリーダライタ514が、示されている。
【0101】
CPU501は、メモリ502に展開されたプログラムを実行し、データ編集装置500の機能を提供する。メモリ502は、CPU501が実行可能な形式でプログラムを保持する。また、メモリ502は、CPU501が処理するデータを保持する。メモリ502は、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)等である。ただし、メモリ502として、フラッシュメモリを用いてもよい。
【0102】
ハードディスク駆動装置509は、ハードディスクにアクセスし、CPU501が処理したデータ、CPU501で実行されるプログラム等を記憶する。入力装置510は、例えば、キーボード等の文字入力装置、マウス等のポインティングデバイスなどである。表示装置511は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル等である。
【0103】
ネットワークI/F512は、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)基板である。着脱可能記憶媒体駆動装置513は、例えば、CD−ROM、DVD、フラッシュメモリカード等の駆動装置である。なお、CPU501で実行されるプログラムは、通常、ネットワークI/F512、あるいは、着脱可能記憶媒体駆動装置513を通じて、ハードディスクに保存され、メモリ502に展開される。メモリカードリーダライタ514は、CPU501の指令に従って、装着されたメモリーカード400とCPU501との
間でデータの遣り取りを制御する。
【0104】
図23に例示するように、本実施形態では、データ編集装置500の機能は、パーソナルコンピュータで実行されるコンピュータプログラムによって実現されているが、複数のパーソナルコンピュータにサービスを提供するサーバ上のプログラムによって実現されてもよい。
【0105】
また、データ編集装置500は、複数のコンピュータが連携して機能を提供するコンピュータシステムとして、実現されていてもよい。例えば、1以上のデータベースサーバと、1以上のシミュレータと、1以上のウェブサーバとによって、データ編集装置500を実現してもよい。
【0106】
〈動作〉
前述したように、データ編集装置500は、レンタカー業者や、多数の固定の訪問先に対して外回り営業を行う業者に提供され、各業者が、提供されたデータ編集装置500を用いて、自己のカーナビゲーション装置1が使用するデータを編集したり追加したりすることできるようになっている。
【0107】
以下では、カーナビゲーション装置1が使用するデータを編集したり作成したりするためのユーザインターフェースとして、データ編集装置500が、操作者(編集者)に提供する画面について、説明する。
【0108】
図24は、メモリーカード400内の標準POIデータ及びアプリケーションデータを管理するための地点情報管理画面600の一例を示す図である。
【0109】
地点情報管理画面600は、メニューバー602と、タブ表示部603と、リスト表示欄606を、含んでいる。
【0110】
タブ表示部603には、リスト表示欄606に表示する情報の種類を選択するための複数のタブが、表示される。図24には、施設データ、オープニング画面、利用規約、お知らせのラベルがそれぞれ附された4個のタブが、例示されている。図24に示される4個のタブうち、例えば、オープニング画面というラベルの附されたタブが選択されると、カーナビゲーション装置1に独自オープニング画面として表示させるための画像及び背景の編集パレットが、リスト表示欄606に表示される。画像及び背景の編集パレットは、独自オープニング画面上のグラフィックオブジェクト(図形パターン)の編集、文字列のレイアウトの設定、文字列の編集などの機能を、操作者(編集者)に提供する。また、例えば、利用規約又はお知らせというラベルが附されたタブが選択されると、カーナビゲーション装置1に利用規約又はお知らせとして表示させるためのテキストの編集パレットが、リスト表示欄606に表示される。また、例えば、施設データというラベルの附されたタブが選択されると、これまでに編集され又は作成された施設データの内容が、リスト表示欄606に一覧表示される。
【0111】
なお、タブ表示部603において施設データというラベルが附されたタブが選択されている場合、図24に示すように、リスト表示欄606には、これまでに編集され又は作成された施設データとともに、操作ボタン列604が示される。
【0112】
リスト表示欄606に一覧表示される施設データの内容は、図24に示されるように、「書込」、「名前」、「よみ」、「都道府県」、「市町村1」、「市町村2」、「町域」、「丁目」、「戸番」、「電話番号」、「アイコン」、「ジャンル」、「タイプ」及び「変換」の各フィールドを、有している。なお、データ編集装置500が、ハードディスク
上に有する施設データのファイルの構造も、リスト表示欄606に表示された施設データの構成と同様である。リスト表示欄606の1つの行が、1つの施設データを表している。
【0113】
「書込」フィールドには、書き込みフラグが示される。書き込みフラグは、その施設データがメモリーカード400への書き込み対象であるか否かを指定する情報であり、図23では、「書き込み」フィールドには、書き込みフラグがチェックボックスとして表示されている。データ編集装置500では、メニューバー602のファイルメニューが選択されてプルダウンメニューが表示され、プルダウンメニュー内の「メモリカードへ書き込む」というメニュー項目が選択されると、メモリーカード400への書き込みが実行される。このとき、リスト表示欄606に表示された施設データのうち、書き込みフラグとしてのチェックボックスにチェックマーク(書き込み指定)が入力されている施設データとそれに対応する地点データとが、メモリーカード400に、追加POIデータとして書き込まれる(図2参照)。但し、施設データに地点データ(緯度及び経度)が対応付けられていない場合には、チェックボックスには、チェックマークが入力できないようになっている。
【0114】
「名前」フィールドには、施設名が示される。施設名は、すなわち、操作者(編集者)がその施設を認識するための識別情報である。例えば、その施設が「ラーメントン」という名称のラーメン店であれば、「ラーメントン」が施設名となる。また、例えば、その施設が「O動物園」という名称の動物園であれば、「O動物園」が施設名となる。また、例えば、その施設が従業員の自宅である場合、その従業員の氏名が施設名となり、その施設が、外回り営業担当者が外回り営業で訪問先として巡回する個人宅である場合、その訪問先の家主の氏名が施設名となる。
【0115】
「よみ」フィールドには、施設名の読みを表す平仮名の文字列が、示される。「都道府県」フィールドには、その施設が位置する都道府県の名称が、示される。「市町村1」フィールドには、その施設が位置する市区町村の名称が示される。「市町村2」フィールドには、区の存在する市にその施設が位置する場合に、その施設が位置する区の名称が、示される。「町域」フィールドには、その施設が位置する市区町村においてその施設が位置する町、字又は地区の名称が、示される。「丁目」及び「戸番」のフィールドには、それぞれ、その施設が位置する丁目及び番地が、示される。「電話番号」フィールドには、その施設に電話がある場合に、その電話番号が示される。
【0116】
「アイコン」フィールドには、その施設を地図上で記号や絵として表すための小さな画像であるアイコンが、示される。なお、アイコンは、グラフィックオブジェクトとも称されている。アイコンが表示される地図上の位置は、その施設に定義されている地点の地理座標(緯度及び経度)により特定される。任意の施設について地点データとアイコンデータとが、カーナビゲーション装置1又はメモリーカード400に登録され、その施設が経路案内の目的地として設定された場合には、地図上においてアイコンが示された位置が、経路案内の目的地となる。リスト表示欄606の「アイコン」フィールドには、地図上においてその施設の位置を示すためのアイコンが、縮小表示されている。アイコンは、複数のアイコンのリストの中から操作者(編集者)によって選択されたものである。そのリストには、データ編集装置500に予めサンプルとして用意されているアイコンと、操作者(編集者)が独自に作成したアイコンとが、含まれる。操作者(編集者)は、例えば、ビットマップエディタ、あるいは画像作成ツールを使用して、所望のビットマップ画像をアイコンとして作成し、所望の格納場所、例えば、ハードディスク上のフォルダに格納することができる。ビットマップエディタ、画像作成ツール等の構成およびオペレーション手順は、周知であるので、その説明を省略する。
【0117】
「ジャンル」フィールドには、その施設を分類する分類区分であるジャンルが、示される。ジャンルには、例えば、飲食店、動物園、水族館、テーマパーク、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、ゴルフ場がある。
【0118】
「タイプ」フィールドには、その施設のPOIデータ(施設データ及び地点データ)が、各組織において共通に利用されるデータであるか、各組織において個別に使用されるデータであるかを特定するデータタイプが、示される。例えば、業者が複数の営業所を有している場合においては、1つの組織とは、1つの営業所であり、1つの営業所のみで使用されるPOIデータには、「個別」のデータタイプが設定され、複数の営業所で共通に使用されるPOIデータには、「共通」のデータタイプが設定される。なお、組織としては、営業所だけでなく、例えば、企業内の部課などの組織であっても好いし、営業上設定される地域や地区であっても好い。
【0119】
「変換」フィールドには、住所と地理座標とを対応付けて記憶する住所データベースを利用して、その施設の住所に対応する地理座標を検索した結果が、変換結果として、示されている。なお、当該住所データベースは、図示していないが、データ編集装置500のハードディスクに予め格納されている。また、住所は、「都道府県」、「市町村1」、「市町村2」、「町域」、「丁目」及び「戸番」の各フィールドの情報からなる。検索の結果、施設の住所に対応する地理座標が検出された場合、「変換」フィールドにOが示され、検出された地理座標、すなわち、地点データが、施設データに対応付けてメモリ502に保存される。また、検索の結果、施設の住所に対応する地理座標が検出されなかった場合、「変換」フィールドに×が示され、「書込」フィールド内のチェックボックスが、チェックマークが入力できない状態のままになる。
【0120】
操作ボタン列604には、リスト表示欄606に一覧表示された施設データに対して操作を行うための複数の操作ボタンが、含まれている。図24には、全選択、全解除、新規登録の3個のボタンが、例示されている。例えば、全選択ボタンが選択されると、リスト表示欄606に一覧表示された全ての施設データの「書込」フィールド内のチェックボックスにチェックマーク(メモリーカード400への書き込み対象であることを示すマーク)が入力される。逆に、全解除ボタンが選択されると、リスト表示欄606に一覧表示された全ての施設データの「書込」フィールド内のチェックボックスから、チェックマークが消去される。また、例えば、新規登録ボタンが選択されると、リスト表示欄606に一覧表示された施設データの末尾に、各フィールドが空欄である一行が追加され、その追加された一行が選択状態になり、更に、リスト表示欄606の下側に、編集入力部650が表示される。編集入力部650は、1つの施設に係る施設データ及び地点データを入力するための複数の入力欄を備えており、新規登録ボタンの選択直後において、各入力欄は、情報を入力することができる状態になっている。
【0121】
(地点情報及び詳細情報の編集)
編集入力部650には、1つの施設の施設データを構成する各フィールドの情報を入力するための複数の入力欄607、及び、その施設に定義される地理座標(緯度及び経度)を入力するための一対の入力欄608が、表示される。編集入力部650の各入力欄607、608は、それぞれキーボード等によって編集可能となっている。また、編集入力部650には、地図表示欄609が備えられている。その地図表示欄609には、一対の入力欄608に入力されている地理座標によって特定される位置に位置表示マーク610が示された地図が、表示される。なお、ここで作成されたPOIデータ(施設データ及び地点データ)がカーナビゲーション装置1に引き渡されたときには、この位置表示マーク610が示された位置に、その施設に対応付けられているアイコンが表示されることとなる。地図表示欄609に表示された地図の縮尺は、拡大ボタン若しくは縮小ボタン、又は、拡大ボタンと縮小ボタンとの間に設けられたスライダーが操作されると、変更される。
【0122】
また、編集入力部650には、様々な機能を起動するボタンが配置されている。例えば、ジャンル追加というラベルが附されたボタンが選択されると、新規ジャンル登録画面が起動される。新規ジャンル登録画面に未登録のジャンルを入力して確定させることにより、新たなジャンルが選択肢として追加されることとなる。また、例えば、決定というラベルが附されたボタン611が選択されると、編集入力部650の各入力欄607、608に入力された情報が、施設データ及び地点データとして、メモリ502に保存され、リスト表示欄606の末尾の一行の各フィールに、対応する入力欄607内の情報が書き込まれる。また、リセットというラベルが附されたボタンが選択されると、編集入力部650の各入力欄607、608において編集中の施設データ及び地点データがクリアされる。また、例えば、座標編集というラベルが附されたボタン612が選択されると、座標編集画面が起動され、一対の入力欄608内の地理座標を変更することができるようになる。
【0123】
図25は、座標編集画面700の一例を示す図である。
【0124】
座標編集画面700は、編集入力部650の各入力欄607に入力された情報により特定される住所に対して定義づける地理座標(緯度及び経度)を確定させるための画面である。図25に示すように、座標編集画面700には、入力住所表示欄702、マップ表示住所指定欄704、「住所周辺へ」ボタン706、及び、地図データ表示欄709が、含まれている。
【0125】
このうち、入力住所表示欄702には、編集入力部650の各入力欄に入力されていた情報がそのまま表示される。マップ表示住所指定欄704には、地図データ表示欄709に地図を表示すべき地域の住所を設定する。デフォルトでは、マップ表示住所指定欄704には、入力住所表示欄702と同一の住所が表示される。マップ表示住所指定欄704のフィールドは、編集可能である。「住所周辺へ」ボタン706が選択されると、マップ表示住所指定欄704に入力されている住所に対応する地理座標を住所データベースから特定し、その地理座標を中心とする地域の地図が、地図データ表示欄709に表示される。また、その地図における地理座標にて特定される位置には、ポインタ710が示される。但し、住所データベースに地理座標が定義されていない住所については、緯度と経度とが確定できない。このため、データ編集装置500は、入力住所表示欄702に入力された住所が、住所データベースに地理座標が定義されていない住所であった場合に、その住所と共通の文字列が最も多く含まれる住所を住所データベースの中から特定し、特定した住所に対応する地理座標を、その住所に対する仮の地理座標として、地図やポインタ710を地図データ表示欄709に表示する。
【0126】
操作者(編集者)は、入力装置506(ポインティングデバイス)を操作して、地図データ表示欄709に表示された地図上のポインタ710を移動させることにより、マップ表示住所指定欄704に入力されている住所を含む施設データに対して定義づけられる地理座標(地点)を、変更することができる。前述したように、住所データベースには、住所と地理座標とが対応付けて記憶されているため、住所が確定すれば、住所データベースを検索することにより、地理座標も確定させることができる。しかしながら、住所データベースに定義された地理座標は、その住所における標準的な地点(地理座標)を示すため、データ編集装置500の操作者(編集者)によっては、そのような標準的な地点以外の地点を、その住所に定義づけたいと望む場合がある。例えば、テーマパークの住所に対し、テーマパークの中心が標準的な地点として設定されている場合においては、操作者(編集者)は、そのテーマパークに定義づけられる地点(すなわち、経路案内先)を、テーマパークの駐車場入り口の地点に変更したいと望む可能性がある。このため、データ編集装置500は、地図データ表示欄709に表示された地図上のポインタ710の操作者(編集者)による操作によって、地図上の任意の位置の地理座標(緯度及び経度)を、その施
設に定義付ける地理座標(すなわち、経路案内先)として確定できるようになっている。
【0127】
また、座標編集画面700には、緯度経度表示欄711が備えられており、緯度経度表示欄711には、ポインタ710が示された位置の地理座標(緯度及び経度)が、表示される。地図データ表示欄709に表示された地図の縮尺は、拡大ボタン若しくは縮小ボタン、又は、拡大ボタンと縮小ボタンとの間に設けられたスライダーが操作されると、変更される。また、座標編集画面700には、確定ボタン712が備えられており、確定ボタン712が選択されると、マップ表示住所指定欄704に入力されている住所を含む施設データに定義付けられる地理座標(緯度及び経度)が、その時点で緯度経度表示欄711に入力されている地理座標(緯度及び経度)へ変更されて確定され、座標編集画面700が閉じられる。さらに、座標編集画面700には、キャンセルボタン713が備えられており、キャンセルボタン713が選択されると、座標編集画面700に入力されている内容が破棄され、座標編集画面700が閉じられる。
【0128】
なお、前述したように、メニューバー602のファイルメニューが選択されてプルダウンメニューが表示され、プルダウンメニュー内の「メモリカードへ書き込む」というメニュー項目が選択されると、書き込みフラグが立っている施設データとそれに対応付けられている地点データとをメモリーカード400に書き込む処理が実行される。
【0129】
(地点データの構成)
図26は、メモリーカード400のカスタマイズ記憶エリア402に追加される追加POIデータ(施設データ及び地点データ)の一例を示す図である。
【0130】
メモリーカード400のカスタマイズ記憶エリア402に追加される追加POIデータは、「名前」、「よみ」、「都道府県」、「市町村1」、「市町村2」、「町域」、「丁目」、「戸番」、「電話番号」、「ジャンル」、「緯度」及び「経度」のフィールドを、有している。このうち、「名前」、「よみ」、「都道府県」、「市町村1」、「市町村2」、「町域」、「丁目」、「戸番」、「電話番号」及び「ジャンル」のフィールド内の情報は、施設データを構成し、「緯度」及び「経度」のフィールド内の情報(緯度及び経度)は、地点データを構成している。
【0131】
なお、本実施形態の情報システムでは、メモリーカード400の盗難による個人情報の漏洩防止のため、追加POIデータは、暗号化されて、メモリーカード400に格納されても好い。この場合、追加POIデータは、カーナビゲーション装置1に読み込まれたときに復号化され、カーナビゲーション装置1の制御部20内のRAMに格納される。また、標準POIデータは、暗号化されることなく、メモリーカード400の標準記憶エリア401に格納される。
【0132】
(POIデータの編集生成)
図27は、追加POIデータの編集生成処理の流れを示すフローチャートである。
【0133】
この編集生成処理では、まず、データ編集装置500は、追加POIデータの新規生成又は標準POIデータの修正を受け付ける(S1001)。すなわち、追加POIデータの新規生成の場合、データ編集装置500は、図24の地点情報管理画面600において、新規登録ボタンの押下を検知すると、リスト表示欄606の下側に編集入力部650を表示し、施設名や住所などの施設データの入力を受け付ける。また、標準POIデータの修正の場合、施設データは、csvファイルの形式で複数一括して入力され、リスト表示される。操作者(編集者)が、リスト上の施設データを選択することにより、施設データが受け付けられ、リスト表示欄606に表示される。データ編集装置500は、リスト表示欄606に一覧表示されている施設データの中から1つが選択されると、その選択され
た施設データを構成する名称や住所などの情報と、その施設データに対応する地点データを構成する情報とを、編集入力部650の各入力欄607、608に入力する。
【0134】
次に、データ編集装置500は、編集入力部650において入力又は表示がなされた施設データに対応する地点データを取得し、その地点データにて特定される位置に位置表示マーク610が示された地図を、地図表示欄609に表示する(S1002)。すなわち、入力又は表示がなされた施設データを構成する住所を基に、ハードディスク内の住所データベースから地理座標(緯度及び経度)が検出できた場合には、その緯度と経度にて特定される地点に位置表示マーク610が示された地図が、地図表示欄609に表示され、施設データが、メモリ502上で、地理座標、すなわち、地点データに対応付けられることとなる。また、入力又は表示がなされた施設データを構成する住所を基に、ハードディスク内の住所データベースから地理座標(緯度及び経度)が検出できなかった場合には、地図表示欄609には地図は表示されない。この場合、データ編集装置500は、操作者(編集者)にマニュアル操作で地図上の位置を指定するように促す。そして、データ編集装置500は、図25の座標編集画面700を通じて操作者(編集者)がマニュアル指定した位置に位置表示マーク610が示された地図を、地図表示欄609に表示する。ただし、入力又は表示がなされた施設データを構成する住所と最も多く文字列が一致する住所を、住所データベースの中から特定し、特定した住所に対応付けられている地理座標(緯度及び経度)を基に、位置表示マーク610が示された地図を、地図表示欄609に表示してもよい。
【0135】
次に、データ編集装置500は、操作者(編集者)の操作に従って、施設に定義付ける地理座標の編集を行うか否かを判定する(S1003)。図24の編集入力部650において、操作者(編集者)が、座標編集ボタン612を選択すると(S1003;はい)、データ編集装置500は、座標編集を行うと判断し、座標編集処理を実行する(S1004)。図25の座標編集画面700を通じて施設に定義付ける地理座標が編集された後、或いは、施設に定義づける地理座標の編集を行わないと判断した(S1003;いいえ)、後、データ編集装置500は、その施設の地図上での位置を示すためのアイコンの指定を、操作者(編集者)から受け付ける(S1005)。アイコンは、前述したように、アイコンのリストから選択された物であっても好いし、操作者(編集者)がビットマップエディタなどを用いて新規に作成したものであっても好い。この処理により、地図上における座標編集前の初期状態の位置又は座標編集後の位置に表示されるべきアイコンのアイコンデータが、メモリ502上で、施設データ及び地点データと対応付けられることとなる。
【0136】
次に、データ編集装置500は、メモリ502上にある施設データ、地点データ、及び、アイコンデータを、ハードディスクにファイルとして出力する処理を行うよう、操作者(編集者)に指示されるまで、待機する(S1006;いいえ)。図24の編集入力部650において、操作者(編集者)が、決定ボタン611を選択すると(S1006;はい)、データ編集装置500は、ファイル出力が指示されたと判断し、そのファイル出力の前段処理として、文字チェック処理を実行する(1007)。文字チェック処理は、施設データを構成する文字コードの中から、カーナビゲーション装置1が文字を表示できない文字コードや、カーナビゲーション装置1が文字を適正に表示できない文字コードを探し出して、操作者(編集者)に警告する処理である。そして、文字チェック処理を実行した後、データ編集装置500は、施設データ、地点データ、及び、アイコンデータをハードディスクにファイルとして出力する処理を行う(S1008)。このとき、施設データに対応付けられる地理座標(地点データ)が、下に詳述する座標編集処理によって変更されている場合には、変更された地理座標(地点データ)がファイルに出力されることとなる。
【0137】
図28は、座標編集処理(図27のS1004)の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0138】
この座標編集処理では、データ編集装置500は、まず、図25の座標編集画面700を表示し、マップ表示住所指定欄704に入力された住所に対応する地理座標を住所データベースから読み出し、又は、メモリ502上で施設データに対応付けられている地点データ(地理座標)を読み出し、読み出した地理座標を中心とする地域の地図を、地図データ表示欄709に表示する(S1041)。そして、データ編集装置500は、操作者(編集者)の操作を待つ(S1042、S1043;いいえ)。操作者(編集者)の操作があると(S1043;はい)、データ編集装置500は、その操作が、地図データ表示欄709の表示範囲に対する地図の相対的な移動であるか否かを判定する(S1044)。操作者(編集者)によって地図データ表示欄709の表示範囲に対して地図が相対的に移動された場合(S1044;はい)、データ編集装置500は、地図における表示範囲の部分を地図データ表示欄709に表示する(S1045)。そして、データ編集装置500は、操作者(編集者)の操作を待つ状態に戻る(S1042、S1043;いいえ)。
【0139】
また、操作者(編集者)の操作が、地図データ表示欄709の表示範囲に対する地図の相対的な移動でなかった場合(S1044;いいえ)、データ編集装置500は、操作者(編集者)の操作が、地図上でのポインタ710の移動であるか否かを判定する(S1046)。操作者(編集者)によって地図上でのポインタ710の移動操作がなされた場合(S1046;はい)、データ編集装置500は、地図上においてポインタ710を移動後の位置に表示するとともに、移動後のポインタ710が示す位置の地理座標(緯度及び経度)を算出する(S1047)。そして、データ編集装置500は、操作者(編集者)の操作を待つ状態に戻る(S1042、S1043;いいえ)。
【0140】
また、操作者(編集者)の操作が、地図上でのポインタ710の移動でなかった場合(S1046;いいえ)、、データ編集装置500は、操作者(編集者)の操作が終了の指示であるか否かを、すなわち、図25の確定ボタン712が選択されたか否かを、判定する(S1048)。操作者(編集者)によって終了の指示操作がなされた場合(S1048;はい)、、データ編集装置500は、マップ表示住所指定欄704に入力されている住所を含む施設データに対し、メモリ502上において対応付けられている地点データを、S1047で算出された地点データ(緯度及び経度)に変更し、処理を終了する。また、操作者(編集者)の操作が終了の指示でなかった場合(S1048;いいえ)、データ編集装置500は、他の処理(例えば、地図の拡大、縮小等)を実行し(S1049)、操作者(編集者)の操作を待つ状態に戻る(S1042、S1043;いいえ)。
【0141】
図29は、文字チェック処理(図27のS1007)の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0142】
この文字チェック処理では、データ編集装置500は、まず、図24のリスト表示欄606に一覧表示されている施設データの中の全ての文字コードについて、順に、第1の処理ループL1を実行する。データ編集装置500は、1つの文字コードを処理対象として特定すると、その処理対象の文字コードにて特定される文字が、カーナビゲーション装置1で適正に表示されるか否かを判定する(S1071)。なお、本実施形態では、文字を特定する文字コードとその文字コードに対応付けられている文字画像データとのセット(図30参照)の個数は、データ編集装置500よりもカーナビゲーション装置1の方が少ない。例えば、カーナビゲーション装置1では、文字コードと文字画像データとのセットが、第一水準漢字までしか用意されてなく、データ編集装置500では、当該セットが、第二水準漢字まで用意されていた場合、データ編集装置500において第二水準漢字を用いて住所等の詳細情報を生成してしまうと、カーナビゲーション装置1において、第二水
準漢字の文字コードも文字画像データも存在しないため、住所等の詳細情報が正常に表示されなくなってしまう。また、データ編集装置500とカーナビゲーション装置1とにおいて、同一の文字コードに対し異なる文字画像データが対応付けられていた場合、すなわち、データ編集装置500において、丸囲み数字のようないわゆる機種依存文字が使用可能となっていた場合に、データ編集装置500において生成した住所等の詳細情報の一部が、カーナビゲーション装置1において、別の文字として表示されてしまう可能性がある。このような不具合を予め防止するために、データ編集装置500は、処理対象の文字コードにて特定される文字が、カーナビゲーション装置1で適正に表示されるか否かを判定する(S1071)。この判定では、データ編集装置500は、処理対象の文字コードが、カーナビゲーション装置1に用意されている文字コード群に存在しているか否かを確認し、処理対象の文字コードが、カーナビゲーション装置1に用意されている文字コード群に存在していた場合には、更に、その文字コードに対応付けられている文字画像データがデータ編集装置500とカーナビゲーション装置1とで同一であるか否かを、判定する。なお、データ編集装置500には、カーナビゲーション装置1に用意されている文字コードと文字画像データとのセットが、文字チェック用のデータとして、予め組み込まれている。
【0143】
その後、データ編集装置500は、処理対象の文字コードが、カーナビゲーション装置1に用意されている文字コード群に存在していなかった場合には(S1071;はい)、処理対象の文字コードが、カーナビゲーション装置1で文字を表示させる文字コードではないと判断する。また、データ編集装置500は、文字コードに対応付けられている文字画像データが、データ編集装置500とカーナビゲーション装置1とで異なっていた場合には(S1071;はい)、カーナビゲーション装置1で文字を適正に表示させる文字コードではないと判断する。そして、これらのように判断したときには、データ編集装置500は、その図24のリスト表示欄606に一覧表示されている施設データのうち、処理対象の文字コードが所属する施設データの行を強調表示し、更に、その施設データを構成する情報を、編集入力部650の各入力欄に表示して、処理対象の文字コードにて特定される文字を、点滅や反転表示などにより強調表示する(S1072)。また、データ編集装置500は、強調表示された文字がカーナビゲーション装置1で表示されない旨又は適正に表示されない旨のメッセージ、及び、強調表示された文字を変更するよう促すメッセージを、表示する(S1073)。
【0144】
続いて、データ編集装置500は、操作者(編集者)の文字入力操作により、処理対象の文字コードが変更されるまで待機し(S1074)、文字コードが変更されると、メモリ502に保存されている施設データにおける処理対象の文字コードを、変更後の文字コードに置換して更新し(S1075)、この処理対象の回を終了する。
【0145】
また、データ編集装置500は、処理対象の文字コードが、カーナビゲーション装置1で文字を適正に表示させる文字コードであると判断した場合は(S1071;いいえ)、文字コードの更新を行うことなく、この処理対象の回を終了する。
【0146】
データ編集装置500は、図24のリスト表示欄606に一覧表示されている施設データ、すなわち、施設名、施設名のよみを表す平仮名の文字列、住所、電話番号、ジャンルをそれぞれ表すための全ての文字コードについて、第1の処理ループL1を実行し終えると、第1の処理ループL1から離脱し、処理を終了する。
【0147】
(メモリーカードへの書き込み)
図31は、メモリーカード400への書き込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0148】
この書き込み処理は、図24の地点情報管理画面600において、メニューバー602のファイルメニューから「メモリカードへ書き込む」というメニュー項目が選択されることによって、実行される。この書き込み処理では、データ編集装置500は、まず、ハードディスクにファイル出力された追加POIデータ(施設データ及び地点データ)を暗号化する(S2001)。続いて、データ編集装置500は、暗号化した追加POIデータとともに、標準POIデータ、追加アイコンデータ、独自オープンニグ画面データ、利用規約データ、お知らせデータを、メモリーカード400に書き込む(S2002)。その後、データ編集装置500は、処理を終了する。
【0149】
なお、ここでは、標準POIデータは、データ編集装置500にて編集されたものと、データ編集装置500にて編集されていないものとを一括して、メモリーカード400に書き込むものとする。ただし、標準POIデータのメモリーカード400への書き込みは、そのような処理に限定されるわけではない。例えば、標準POIデータのうち、データ編集装置500で編集されたものを抽出して、メモリーカード400に書き込むようにしてもよい。また、標準POIデータをメモリーカード400に書き込むか否かの確認を操作者(編集者)に促した後、書き込みの指示が操作者からあったときに書き込むにようにしてもよい。すなわち、操作者(編集者)が標準POIデータの書き込みの指示を行わない場合には、データ編集装置500にて、標準POIデータがメモリ502上又はハードディスク上で更新されても、メモリーカード400に反映しないようにしてもよい。
【0150】
また、データ編集装置500には、変更前の標準POIデータを保存しておき、必要に応じて、メモリーカード400を初期状態に復旧するようにしてもよい。
【0151】
《効果》
以上に説明したように、本実施形態のデータ編集装置500によれば、操作者(編集者)が、カーナビゲーション装置1に使用させる情報として、独自のPOIデータをメモリーカード400のカスタマイズ記憶エリア402に追加する前に、そのPOIデータ内の施設データに使われている文字コードについて、カーナビゲーション装置1で文字を表示させる文字コードであるか否か、及び、カーナビゲーション装置1で文字を適正に表示させる文字コードであるか否かが確認される。その文字コードがカーナビゲーション装置1で文字を表示させないものであった場合、又は、カーナビゲーション装置1で文字を適正に表示させないものであった場合には、操作者(編集者)に警告が発せられ、変更が促される。このため、操作者(編集者)は、文字の使用に制限の少ないデータ編集装置500において作成した独自の施設データであっても、文字の使用に制限の多いカーナビゲーション装置1において正常に表示させることができることとなる。
【0152】
なお、以上に説明した本実施形態では、文字チェック処理は、地点データの生成時に行われていたが、本発明は、このようなタイミングに限定されない。文字チェック処理は、例えば、ハードディスクにファイル出力された追加POIデータをメモリーカード400へ書き込む指示を受けた直後に行われても好いし、利用規約の文章が作成された後、その文章のテキストデータをハードディスクにファイル出力する指示を受けた直後に行われも好いし、お知らせの文章が作成された後、その文章のテキストデータをハードディスクにファイル出力する指示を受けた直後に行われも好いし、csvファイルの読み込み直前に行われても好いし、新たなジャンルを追加したり変更したりする直前に行われても好い。すなわち、図2に示されるカスタマイズ記憶エリア402に記憶されるとともに利用者(編集者)による追加又は修正が可能なテキストデータに対し、文字チェック処理を行うことができ、当該文字チェック処理は、テキストデータの追加、テキストデータの修正、ハードディスクへのファイル出力指示、メモリーカード400への書き込み指示など、適宜のタイミングで行われれば好い。
【0153】
また、以上に説明した本実施形態では、データ編集装置500は、文字チェック処理において、カーナビゲーション装置1で適正に表示されない文字について強調表示をし、操作者(編集者)に変更を促すメッセージを提示していたが、本発明は、このような強調表示に限定されない。例えば、データ編集装置500は、文字チェック処理において、カーナビゲーション装置1で適正に表示されない文字が検出された場合に、その文字の文字コードを適切な文字コードに自動的に置換しても好い。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本実施形態の情報システムの構成を示す図
【図2】メモリーカードにデータが格納されている状態を模式的に示すブロック図
【図3】カーナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図4】制御部によって実現される各種機能部を示すブロック図
【図5】カーナビゲーション装置の起動時の処理を示すフローチャート
【図6】既存オープニング画面の一例を示す図
【図7】独自オープニング画面の一例を示す図
【図8】利用規約画面の一例を示す図
【図9】マルチ画面の一例を示す図
【図10】ナビ全画面の一例を示す図
【図11】AV全画面の一例を示す図
【図12】「お知らせ」ボタンの無いマルチ画面の一例を示す図
【図13】マルチ画面及びAV全画面を表示する際に実行される処理を示すフローチャート
【図14】お知らせ画面の一例を示す図
【図15】メニュー画面の一例を示す図
【図16】目的地設定画面の一例を示す図
【図17】目的地設定画面の一例を示す図
【図18】周辺施設検索画面の一例を示す図
【図19】周辺施設検索画面の一例を示す図
【図20】追加データ一覧画面の一例を示す図
【図21】マルチ画面又はナビ全画面のナビ領域に地図を表示する際に実行される処理を示すフローチャート
【図22】交差点拡大画面の一例を示す図
【図23】データ編集装置の構成を示すブロック図
【図24】地点情報管理画面の一例を示す図
【図25】座標編集画面の一例を示す図
【図26】追加POIデータ(施設データ及び地点データ)の一例を示す図
【図27】追加POIデータの編集生成処理の流れを示すフローチャート
【図28】座標編集処理の詳細な流れを示すフローチャート
【図29】文字チェック処理の詳細な流れを示すフローチャート
【図30】文字コードと文字画像データとのセットを模式的に示す図
【図31】メモリーカードへの書き込み処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0155】
1 カーナビゲーション装置
2 メインユニット
3 ディスプレイユニット
14 光ディスクドライブ
15 メモリーカードリーダライタ
20 制御部
21 タッチパネル
22 表示処理部
23 操作受付部
24 操作ボタン
50 初期処理機能部
51 操作処理機能部
52 測位機能部
52 音声処理機能部
53 経路案内機能部
54 地図データ処理機能部
55 音声処理機能部
56 映像処理機能部
57 ユーザデータ処理機能部
400 メモリーカード
401 標準記憶エリア
402 カスタマイズ記憶エリア
500 データ編集装置
501 CPU
502 メモリ
509 ハードディスク駆動装置
510 入力装置
511 表示装置
513 着脱可能記憶媒体駆動装置
514 メモリカードリーダライタ
600 地点情報管理画面
602 メニューバー
603 タブ表示部
604 操作ボタン列
606 リスト表示欄
607 入力欄
608 入力欄
609 地図表示欄
610 位置表示マーク
611 決定ボタン
612 座標編集ボタン
650 編集入力部
700 座標編集画面
702 入力住所表示欄
704 マップ表示住所指定欄
706 「住所周辺へ」ボタン
709 地図データ表示欄
710 ポインタ
711 緯度経度表示欄
712 確定ボタン
713 キャンセルボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路案内装置が使用するデータを管理するためのデータ管理プログラムであって、
コンピュータを、
経路案内装置に文字を表示させるためのテキストデータを操作者から受け付ける受付手段、
前記受付手段が受け付けたテキストデータを構成する複数の文字コードの中から、前記経路案内装置において文字を適切に表示させない文字コードを検索する検索手段、及び、
前記経路案内装置において文字を適切に表示させない文字コードを前記検索手段が検出した場合に、所定の処理を行う処理手段
として機能させるためのデータ管理プログラム。
【請求項2】
前記所定の処理は、操作者への警告に関する情報を出力する処理である
ことを特徴とする請求項1記載のデータ管理プログラム。
【請求項3】
前記所定の処理は、前記検出手段が検出した文字コードを、前記経路案内装置において文字を適切に表示させる文字コードへ、自動的に変換する処理である
ことを特徴とする請求項1記載のデータ管理プログラム。
【請求項4】
前記テキストデータは、前記経路案内が表示可能なデータのうち、操作者が追加可能なデータ、又は、操作者が修正可能なデータである
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のデータ管理プログラム。
【請求項5】
前記テキストデータは、前記経路案内装置に文章を表示させるためのテキストデータである
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のデータ管理プログラム。
【請求項6】
経路案内装置が使用するデータを管理するためのデータ管理方法であって、
コンピュータが、
経路案内装置に文字を表示させるためのテキストデータを操作者から受け付ける受付手順、
前記受付手順で受け付けたテキストデータを構成する複数の文字コードの中から、前記経路案内装置において文字を適切に表示させない文字コードを検索する検索手順、及び、
前記経路案内装置において文字を適切に表示させない文字コードを前記検索手順で検出した場合に、所定の処理を行う処理手順
を実行する
ことを特徴とするデータ管理方法。
【請求項7】
経路案内装置が使用するデータを管理するためのデータ管理装置であって、
経路案内装置に文字を表示させるためのテキストデータを操作者から受け付ける受付部、
前記受付部が受け付けたテキストデータを構成する複数の文字コードの中から、前記経路案内装置において文字を適切に表示させない文字コードを検索する検索部、及び、
前記経路案内装置において文字を適切に表示させない文字コードを前記検索部が検出した場合に、所定の処理を行う処理部
を備えることを特徴とするデータ管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2010−85221(P2010−85221A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253902(P2008−253902)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】