説明

トランスミッションの主軸の回転数を求める方法及び回転数検出装置を備えたトランスミッション

本発明は主軸(3)が切替え可能な遊星歯車装置(17)を介して出力軸(4)と結合され、かつ主軸(3)がサンギヤ(18)と回転不能に結合され、出力軸(4)がプラネットキャリア(20)と回転不能に結合されたトランスミッションの主軸(3)の回転数の、次の方法段階、即ちリングギヤ(22)の回転数(nHohlrad)の検出、出力軸又はプラネットキャリア(20)の回転数(nAbtrieb)の検出並びにリングギヤの回転数(nHohlrad)及び出力軸又はプラネットキャリア(20)の回転数(nAbtrieb)から主軸の回転数(nHauptwelle)の計算による決定方法に関する。また本発明は回転数検出装置を備えたトランスミッションに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主軸が切替え可能な遊星歯車装置を介して出力軸と結合され、かつ主軸がサンギヤと回転不能に結合され、出力軸がプラネットキャリアと回転不能に結合されたトランスミッションの主軸の回転数を求める方法に関する。また本発明は回転数検出装置を備えたトランスミッションに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等について速度信号を発生する回転数検出装置を備えたトランスミッションは先行技術により周知である。この回転数検出装置はおおむね当該のトランスミッション主軸と回転不能に結合された信号又は回転数発信器に、回転数発信器で回転数を検出するための固定回転数センサを組み込んだものである。
【0003】
ドイツ特許公開DE19814758A1は一般にシャフトの回転数を検出するための装置を記述する。この周知の装置は、歯車状に形成され、シャフトと回転不能に結合された信号発信器を有し、歯車の歯はそれぞれ急斜した歯面と傾斜がゆるやかな歯面を有する。また歯車の周囲で、即ち歯に沿って半径方向に回転数を検出するアナログ式ホール効果センサが設けられている。2つの歯面の傾きが異なるため、シャフトがごく小さな回転数で回転する場合でも、シャフトの回転数と回転方向をただ1つのセンサにより一定の更新率で決定することが可能である。
【0004】
ドイツ特許公開DE10347494A1はトランスミッションシャフトのトルクを測定するための同様の装置を記述する。この目的のために周知の装置は回転数発信歯車が回転不能に配置されたトランスミッションシャフトを備え、一方、回転数発信歯車には回転数発信歯車の周囲で、即ち歯に沿って半径方向に回転数を検出する固定回転数センサが組み込まれている。即ち回転数発信歯車の歯は回転数センサのかたわらを通過して回転するときに電気パルスを発生し、この電気パルスが当該の評価ユニットに送られる。
【0005】
自動車のトランスミッションのための別の回転数検出装置がドイツ特許公開DE10223625A1に開示されている。やはり信号発信器とセンサからなるこの回転数検出装置では、信号発信器が出力側の軸封のための防塵カバーに組み込まれている。防塵カバーはトランスミッションケースの外部に配置され、トランスミッションの出力軸と回転不能に結合されており、一方、センサはケースの外側に固定され、回転数を防塵カバーの周囲で半径方向に検出する。ところが周知の回転数検出装置は、出力側又は出力軸の回転数だけを測定するのであるから、主軸がどのような回転数で回転するかについては明かにしない。
【0006】
主軸の回転数を測定するための先行技術で周知の回転数検出装置はその効果が実証されているが、しかし信号発信器又は回転数発信歯車がトランスミッションの重量、トランスミッションの長さ及びトランスミッションの大きさを増加するという欠点がある。主軸の回転数を主軸の外歯で直接検出することも可能であるが、それには長いセンサ又はセンサ保持具を設けなければならず、このようなセンサ又はセンサ保持具は振動しやすく、回転数の確実な測定を脅かすことになる。また先行技術は浮支された及び/又は大きな軸方向遊びを有する主軸では、十分な解決をもたらさない。このような主軸を有するトランスミッションでは、回転数を回転数センサで確実に検出し得ることが直ちに保証されない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の根底にあるのは、上記の欠点を克服して回転数の簡単かつ確実な測定を可能にする、トランスミッションの主軸の回転数を測定する方法を提示する課題である。さらに本発明は回転数検出装置を有するトランスミッションに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題の解決は本発明に基づき請求項1又は5の特徴に基づいて行われる。発明の有利な実施形態が従属請求項の目的である。
【0009】
本発明に基づく方法は、主軸が切替え可能な遊星歯車装置を介して出力軸と結合され、かつ主軸がサンギヤと回転不能に結合され、出力軸がプラネットキャリアと回転不能に結合されたトランスミッションの主軸の回転数の決定方法である。このようなトランスミッションを準備した後、1つの方法段階で遊星歯車装置のリングギヤの回転数が検出される。別の方法段階で出力軸又はプラネットキャリアの回転数が検出される。プラネットキャリアの大きな半径方向広がりを考慮して、プラネットキャリアが選ばれる。その場合は小さな全長のただ1個のセンサしか必要でないからである。次にリングギヤの回転数と出力軸又はプラネットキャリアの回転数から主軸の回転数が計算される。これは例えば遊星歯車装置の既知の変速比に基づいて行うことができる。
【0010】
本発明に基づく方法では主軸の回転数を主軸で直接検出するのではなく、遊星歯車装置の既知の数値とリングギヤ及び出力軸又はプラネットキャリアの回転数からむしろ間接的に計算する。これは回転数を直接検出するために、長い構造の回転数センサ又は補助回転数発信歯車を主軸に設けなくてよいという利点がある。これによってトランスミッションの重量、長さ及び体積の増加が防止される。さらに浮支され、軸方向遊びが大きい主軸が使用される場合でも、確実な回転数決定が保証される。本発明に基づく方法は遊星歯車装置の接続状態に関係なく、トランスミッションの主軸の回転数を決定することができる。
【0011】
絶対回転数及び/又は回転方向を測定するために、本発明方法の好ましい実施形態ではさらに次の方法段階、即ちリングギヤの回転方向の検出、出力軸又はプラネットキャリアの回転方向の検出並びにリングギヤの回転方向及び出力軸又はプラネットキャリアの回転方向に基づく主軸の回転方向の判定が行われる。
【0012】
本発明に基づく方法の別の好ましい実施形態では関係式
Hauptwelle=(1−i0)×nAbtrieb+i0×nHohlrad
に基づいて主軸の回転数を計算する。ここでnHauptwelleは主軸の回転数、i0は遊星歯車装置のギヤ比、nHohlradはリングギヤの回転数、nAbtriebは出力軸の回転数を表す。検出された回転方向は回転数に異なる符号をもたらすという点で、計算に影響する。例えば遊星歯車装置はプラネットキャリアもリングギヤも切り離された中立の接続状態に切替えることができる。その結果、プラネットキャリア又は出力軸及びリングギヤはロックされていない。主軸の回転数は上記の関係式により決定される。また遊星歯車装置は例えばリングギヤがロックされた低速の接続状態に切替えることができる。この場合も主軸の回転数の計算のために初めに挙げた関係式が使用され、その際リングギヤがロックされているので(nHohlrad=0)関係式は次のように簡単になる。
Hauptwelle=(1−i0)×nAbtrieb
【0013】
また遊星歯車装置は、遊星歯車装置がブロック回転(nHauptwelle=nAbtrieb=nHohlrad)を行う高速の接続状態に切替えることができる。やはり冒頭に挙げた主軸の回転数の計算のための関係式が使用され、ブロック回転ではそれに対応して
Hauptwelle=nAbtrieb
と簡単になる。
【0014】
本発明に基づく方法の有利な実施形態では遊星歯車装置の変速比が関係式
0=−ZHohlrad/ZSonnenrad
に基づいて決定される。ここにZHohlradはリングギヤの歯数、ZSonnenradはサンギヤの歯数を表す。
【0015】
本発明に基づくトランスミッションは、切替え可能な遊星歯車装置を介して出力軸と結合された主軸を有する。遊星歯車装置は例えば中立、低速又は高速の接続状態に切替えることができる。主軸は遊星歯車装置のサンギヤと回転不能に結合され、出力軸は遊星歯車装置のプラネットキャリアと回転不能に結合されている。このトランスミッションは例えばレンジトランスミッションである。またトランスミッションは主軸の回転数を求めるための回転数検出装置を備えている。回転数検出装置はリングギヤでリングギヤの回転数を検出するための第1の回転数センサと、出力軸又はプラネットキャリアで出力軸又はプラネットキャリアの回転数とを検出するための第2の回転数センサを有する。回転数センサは当該のトランスミッション部分の適当な信号又は回転数発信器と協動する例えば誘導型センサ、ホール効果センサ等である。そこで主軸の回転数を計算するために、回転数検出装置はさらに計算ユニットを有し、これによってリングギヤの回転数及び出力軸又はプラネットキャリアの回転数から主軸の回転数を計算することができる。本発明に基づくトランスミッションの利点については、同様に有効な本発明方法の利点を参照されたい。
【0016】
トランスミッションの長さを小さくするために、本発明に基づくトランスミッションの有利な実施形態では、第1及び第2の回転数センサはリングギヤの回転数及び出力軸又はプラネットキャリアの回転数を周囲で半径方向に検出できるように整列されている。リングギヤとプラネットキャリアは主軸及び出力軸よりもさらに半径方向外側へ伸びているから、この配列では特に小型の回転数センサを使用することができる。また回転数センサのための長く伸びた保持具は不要である。
【0017】
本発明に基づくトランスミッションの別の好ましい実施形態ではリングギヤ及び出力軸又はプラネットキャリアにそれぞれ信号発信器、とりわけ外歯が設けられ、これで当該の回転数を検出することができる。
【0018】
本発明に基づくトランスミッションの特に好ましい実施形態では、リングギヤ側の信号発信器がリングギヤと一体に、他方の信号発信器は出力軸又はプラネットキャリアと一体に形成されている。信号発信器を例えば遊星歯車装置の適当な部分に圧印することができる。これによって重量が節減され、組立が簡素化されて、部品数が減少される。
【0019】
トランスミッションの構造と組立をさらに簡素化するために、本発明に基づくトランスミッションの別の好ましい実施形態では第1及び第2の回転数センサが共通のセンサモジュールに配置されている。こうしてセンサモジュールをトランスミッションの内部に取り付けることによって、同時に2個の回転数センサを取り付けることができる。
【0020】
本発明に基づくトランスミッションの別の好ましい実施形態では、計算ユニットが関係式
Hauptwelle=(1−i0)×nAbtrieb+i0×nHohlrad
に基づいて主軸の回転数を計算する。
【0021】
式に挙げた変数と定数については本発明方法の上記の説明を参照されたい。計算ユニットはこうして遊星歯車装置の接続状態に関係なく主軸の回転数を計算する。
【0022】
本発明に基づくトランスミッションの別の好ましい実施形態では、計算ユニットが関係式
0=−ZHohlrad/ZSonnenrad
に基づいて遊星歯車装置の変速比を計算する。
【0023】
ここにZHohlradはリングギヤの歯数、ZSonnenradはサンギヤの歯数を表す。
【0024】
また本発明に基づくトランスミッションのさらに好ましい実施形態ではリングギヤの回転方向の検出のための第1の回転方向センサ及び出力軸又はプラネットキャリアの回転方向の検出のための第2の回転方向センサが設けられ、計算ユニットによりリングギヤの回転方向及び出力軸又はプラネットキャリアの回転方向に基づいて主軸の回転方向が判定される。さらに計算ユニットは2つの回転方向に基づいて主軸の絶対回転数及び/又は回転方向を決定することができる。
【0025】
組立費用を特に少なくするために、第1の回転数センサと第1の回転方向センサは回転数及び回転方向の検出のための第1の複合センサからなり、第2の回転数センサと第2の回転方向センサは回転数及び回転方向の検出のための第2の複合センサからなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に代表的な実施形態に基づき付属の図面を参照して発明を詳述する。
【0027】
図1は本発明方法により運転される本発明に基づくトランスミッション1の実施形態の概略図を示す。例えば自動車で使用することができるトランスミッション1は軸線5の上に遂次配置された入力軸2、主軸3及び出力軸4を有する同軸型トランスミッションである。また軸線5と平行に配置された2つの軸線8、9に沿って伸びる2本の副軸6、7が設けられている。主軸3は入力軸2と出力軸4の間に大きな軸方向遊びを設けて2つの副軸6、7の間に浮支されている。さらにトランスミッション1はトランスミッションケース10を有し、これを貫いて入力軸2及び出力軸4の主軸3と反対側の軸端が外へ伸びている。
【0028】
副軸6、7にそれぞれ駆動歯車11、12が固定され、入力軸2の被駆動歯車13とかみ合うから、入力軸2によって副軸6、7を駆動することができる。さらに副軸6又は7に別の固定歯車14又は15が設けられ、主軸3の遊び歯車16とかみ合う。その場合固定歯車14、15と当該の遊び歯車16はトランスミッション1の1つの変速段の歯車セットをそれぞれ構成する。主軸3と遊び歯車16の1つとの回転不能な結合又は連結を生じるために、さらに少なくとも1個の切替え可能な連結装置が主軸3に設けられているが、図の判りやすさの理由からその図示を省略した。
【0029】
主軸3は図2に拡大して示した切替え可能な遊星歯車装置17を介して出力軸4と結合されている。遊星歯車装置17は主軸3と回転不能に結合されたサンギヤ18を有する。サンギヤ18はプラネタリギヤ19とかみ合う。プラネタリギヤ19はただ1つだけが図示されており、プラネットキャリア20に回転可能に配置されている。一方、プラネットキャリア20は出力軸4と回転不能に結合されている。またプラネタリギヤ19は遊星歯車装置17のリングギヤ22の内歯21とかみ合う。
【0030】
さらにトランスミッション1は主軸3の回転数の決定のための回転数検出装置を有する。回転数検出装置はトランスミッションケース10に配置された固定センサモジュール23を有する。センサモジュール23にリングギヤ22の回転数の検出のための第1の回転数センサ24及びリングギヤ22の回転方向の検出のための第1の回転方向センサ25が配置され、これらは第1の複合センサに統合されている。さらに出力軸4の回転数に相当するプラネットキャリア20の回転数の検出のための第2の回転数センサ26及びプラネットキャリア20の回転方向の検出のための第2の回転方向センサ27が設けられ、これらは第2の複合センサに統合されている。
【0031】
第1の回転数/回転方向センサ24、25はリングギヤ22の周囲で半径方向にリングギヤ22の回転数又は回転方向を検出する。この目的のためにリングギヤ22の周囲に、回転する外歯28の形の信号発信器が設けられている。外歯28はリングギヤ22と一体に形成されている。第2の回転数/回転方向センサ26、27はプラネットキャリア20の周囲で半径方向にプラネットキャリア20の回転数又は回転方向を検出する。この場合もプラネットキャリア20の周囲に、回転する外歯29の形の信号発信器が設けられている。センサ24、25、26、27のかたわらを回転して通過する歯は対応するパルスをセンサ24、25、26、27に発生する。このパルスからリングギヤ22及びプラネットキャリア20の回転数又は回転方向が推定される。当該の回転方向の判定のために、例えばドイツ特許公開DE19814758A1に記載された構成を使用することができる。
【0032】
センサ4、25、26、27は適当な線路30を経て計算ユニット31に接続される。計算ユニット31は下記で図3を参照して説明するように、リングギヤ22及びプラネットキャリア20の検出された回転数及び回転方向に基づいて主軸3の回転数と回転方向を計算することができる。
【0033】
遊星歯車装置17は中立の接続状態、低速の接続状態及び高速の接続状態に切替えることができる。中立の接続状態ではプラネットキャリア17もリングギヤ22も切り離されている。即ちこれらはロックされていない。低速の接続状態ではリングギヤがロックされる。高速の接続状態で遊星歯車装置17はブロック回転を行う。ブロック回転は被駆動遊星歯車装置部分、例えばリングギヤ22と第2の遊星歯車装置部分、例えばサンギヤ18を連結することによって得られる。それによって第3の遊星歯車装置部分、例えばプラネットキャリア20は同じ回転数で共転させられる。
【0034】
図3は前述のトランスミッション1の基礎をなす本発明方法の経過を示す。第1の方法段階S1で回転数/回転方向センサ24、25、26、27によりリングギヤ22及びプラネットキャリア20の回転数と回転方向が当該の遊星歯車装置部分で検出される。この場合センサ24、25、26、27で発生された信号が線路30を経て計算ユニット31に伝送される。
【0035】
第2の方法段階S2でリングギヤ22及びプラネットキャリア20の回転数と回転方向が、伝送された信号に基づき計算され判定される。
【0036】
第3の方法段階S3では計算ユニット31が次式
Hauptwelle=(1−i0)×nAbtrieb+i0×nHohlrad
により主軸3の回転数を計算する。
【0037】
ここにnHauptwelleは主軸3の回転数、nHohlradはリングギヤ22の回転数、nAbtriebはプラネットキャリア20の回転数を表す。i0は遊星歯車装置17のギヤ比を表し、次のように計算される。
0=−ZHohlrad/ZSonnenrad
【0038】
ここにZHohlradはリングギヤ22の内歯21の歯数、ZSonnenradはサンギヤ18の外歯の歯数を表す。
【0039】
初めに挙げた式を利用して主軸3の絶対回転数nHauptwelle及び回転方向を決定するために、上記の方法段階S3と並行してさらにリングギヤ22及びプラネットキャリア20の回転方向に基づいて、主軸3の回転方向が決定される。
【0040】
本発明に基づく方法では、遊星歯車装置17が中立、低速又は高速のいずれの接続状態に切替えられているかに関係なく、主軸の回転数と回転方向がこうして常に上記の式に基づいて決定される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】回転数検出装置及び遊星歯車装置を有する本発明のトランスミッションの実施形態の概略図を示す。
【図2】図1の遊星歯車装置の拡大図を示す。
【図3】図1及び2のトランスミッションの基礎をなす本発明方法の説明のためのフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0042】
1 トランスミッション
2 入力軸
3 主軸
4 出力軸
5 軸線
6 副軸
7 副軸
8 軸線
9 軸線
10 トランスミッションケース
11 駆動歯車
12 駆動歯車
13 被駆動歯車
14 固定歯車
15 固定歯車
16 遊び歯車
17 遊星歯車装置
18 サンギヤ
19 プラネタリギヤ
20 プラネットキャリア
21 内歯
22 リングギヤ
23 センサモジュール
24 第1の回転数センサ(第1の複合センサ)
25 第1の回転方向センサ(第1の複合センサ)
26 第2の回転数センサ(第2の複合センサ)
27 第2の回転方向センサ(第2の複合センサ)
28 外歯
29 外歯
30 線路
31 計算ユニット
0 遊星歯車装置のギヤ比
Abtrieb プラネットキャリアの回転数
Hauptwelle 主軸の回転数
Hohlrad リングギヤの回転数
S1〜S3 方法段階
Hohlrad リングギヤの内歯の歯数
Sonnenrad サンギヤの外歯の歯数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸が切替え可能な遊星歯車装置を介して出力軸と結合され、かつ主軸がサンギヤと回転不能に結合され、出力軸がプラネットキャリアと回転不能に結合されたトランスミッションの主軸の回転数を求める方法であって、
次の方法段階、即ち、
リングギヤの回転数(nHohlrad)の検出、
出力軸又はプラネットキャリアの回転数(nAbtrieb)の検出、および
リングギヤの回転数(nHohlrad)および出力軸若しくはプラネットキャリアの回転数(nAbtrieb)からの主軸の回転数(nHauptwelle)の計算、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
別の方法段階、即ち、リングギヤの回転方向の検出、出力軸若しくはプラネットキャリアの回転方向の検出、およびリングギヤの回転方向および出力軸若しくはプラネットキャリアの回転方向に基づく主軸の回転方向の判定、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
主軸の回転数(nHauptwelle)の計算が関係式
Hauptwelle=(1−i0)×nAbtrieb+i0×nHohlrad
(ここにi0は遊星歯車装置のギヤ比である)に基づいて行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
遊星歯車装置のギヤ比(i0)を関係式
0=−ZHohlrad/ZSonnenrad
(ここにZHohlradはリングギヤの歯数、ZSonnenradはサンギヤの歯数に相当する)に基づいて決定することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
切替え可能な遊星歯車装置(17)を介して出力軸(4)と結合された主軸(3)を有し、主軸(3)がサンギヤ(18)と回転不能に結合され、出力軸(4)が遊星歯車装置(17)のプラネットキャリア(20)と回転不能に結合されているトランスミッションであって、主軸(3)の回転数(nHauptwelle)を求めるための回転数検出装置を備え、当該回転数検出装置が、
リングギヤ(22)でリングギヤ(22)の回転数(nHohlrad)を検出するための第1の回転数センサ(24)と、
出力軸又はプラネットキャリア(20)で出力軸又はプラネットキャリア(20)の回転数(nAbtrieb)を検出するための第2の回転数センサ(26)と、
リングギヤ(22)の回転数(nHohlrad)及び出力軸又はプラネットキャリア(20)の回転数(nAbtrieb)から主軸(3)の回転数(nHauptwelle)を計算することができる計算ユニット(31)と、
を有することを特徴とするトランスミッション。
【請求項6】
第1及び第2の回転数センサ(24、26)が、リングギヤ(22)の回転数(nHohlrad)及び出力軸又はプラネットキャリア(20)の回転数(nAbtrieb)を周囲で半径方向に検出することができるように整列されていることを特徴とする請求項5に記載のトランスミッション。
【請求項7】
リングギヤ(22)及び出力軸又はプラネットキャリア(20)にそれぞれ1個の信号発信器、とりわけ外歯(28、29)が設けられ、これで当該の回転数(nHohlrad、nAbtrieb)が検出されることを特徴とする請求項5または6に記載のトランスミッション。
【請求項8】
信号発信器がリングギヤ(22)と一体に、かつ出力軸又はプラネットキャリア(20)と一体に形成されていることを特徴とする請求項7に記載のトランスミッション。
【請求項9】
第1及び第2の回転数センサ(24、25)が共通のセンサモジュール(23)に配置されていることを特徴とする請求項5から8のうちのいずれか一項に記載のトランスミッション。
【請求項10】
主軸(3)の回転数(nHauptwelle)が計算ユニット(31)により関係式
Hauptwelle=(1−i0)×nAbtrieb+i0×nHohlrad
(ここにi0は遊星歯車装置(17)のギヤ比である)に基づいて計算されることを特徴とする請求項5から9のうちのいずれか一項に記載のトランスミッション。
【請求項11】
遊星歯車装置(17)のギヤ比(i0)が計算ユニット(31)により関係式
i0=−ZHohlrad/ZSonnenrad
(ここにZHohlradはリングギヤ(22)の歯数、ZSonnenradはサンギヤ(18)の歯数に相当する)に基づき求められるようになっていることを特徴とする請求項10に記載のトランスミッション。
【請求項12】
リングギヤ(22)の回転方向を検出するための第1の回転方向センサ(25)と、出力軸若しくはプラネットキャリア(20)の回転方向を検出するための第2の回転方向センサ(27)とがさらに設けられ、計算ユニット(31)によりリングギヤ(22)の回転方向および出力軸若しくはプラネットキャリア(20)の回転方向に基づき主軸(3)の回転方向が判定されることを特徴とする請求項5から11のうちのいずれか一項に記載のトランスミッション。
【請求項13】
第1若しくは第2の回転数センサ(24;26)および第1若しくは第2の回転方向センサ(25;27)が、回転数および回転方向の検出のための第1若しくは第2の複合センサからなることを特徴とする請求項12に記載のトランスミッション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−537753(P2009−537753A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510390(P2009−510390)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054017
【国際公開番号】WO2007/134933
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(500045121)ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト (312)
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
【Fターム(参考)】