ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム
【課題】ユーザに与える不快感を軽減するように、残距離に応じた警告音による報知を行うナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション装置であって、移動体の走行状態であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得部と、トリガー情報取得部が取得したトリガー情報に基づいて、警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定部と、警告音停止判定部の判定結果に従って、警告音による報知を制御する報知制御部とを備える。
【解決手段】警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション装置であって、移動体の走行状態であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得部と、トリガー情報取得部が取得したトリガー情報に基づいて、警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定部と、警告音停止判定部の判定結果に従って、警告音による報知を制御する報知制御部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関し、より特定的には、現在位置から次の案内点までの残距離に応じて警告音を出力するナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車に搭載される機器や携帯端末として、現在地から目的地へ至る経路をユーザに知らせるナビゲーション装置が広く実用化されている。
【0003】
このようなナビゲーション装置には、進行方向を変更するとき、分かり易い案内をすることが求められる。そこで、従来、ユーザにとって分かりやすい案内を行うものとして、現在位置から案内点までの残距離が少なくなるにつれて警告音の出力周期を短くする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−255166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、案内点を通過するまで残距離に応じた警告音が鳴り続ける。そのため、ユーザが案内点を十分認識したときや停止しているとき等、ユーザが警告音を必要としない時にも鳴り続け、ユーザに不快感を与える。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされた。すなわち、ユーザに与える不快感を軽減するように、残距離に応じた警告音による報知を行うナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の局面は、警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション装置に向けられている。本発明は、移動体の走行状態、及び/又はユーザからの指示であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得部と、トリガー情報取得部が取得したトリガー情報に基づいて、警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定部と、警告音停止判定部の判定結果に従って、警告音による報知を制御する報知制御部とを備える。
【0007】
また、警告音停止判定部は、移動体の移動速度が予め決められた値以下であることを示すトリガー情報をトリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することが好ましい。
【0008】
また、警告音停止判定部は、案内点からの距離が予め決められた値以下の区間において、移動体が曲がるべき交差点の適切なレーンに進入できなかったことを示すトリガー情報をトリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することが好ましい。
【0009】
また、警告音停止判定部は、車線変更禁止区間において、移動体が曲がるべき交差点の適切なレーンに進入できなかったことを示すトリガー情報をトリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することが好ましい。
【0010】
また、警告音停止判定部は、走行履歴を用いて、ユーザが経路誘導に従っていないことを示すトリガー情報をトリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することが好ましい。
【0011】
本発明の第2の局面は、警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション方法に向けられている。本発明は、移動体の走行状態、及び/又はユーザからの指示であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得ステップと、トリガー情報取得ステップで取得したトリガー情報に基づいて、前記警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定ステップと、警告音停止判定ステップの判定結果に従って、警告音による報知を制御する報知制御ステップとを備える。
【0012】
本発明の第3の局面は、警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション装置のコンピュータで実行されるナビゲーションプログラムに向けられている。本発明は、コンピュータに、移動体の走行状態、及び/又はユーザからの指示であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得ステップと、トリガー情報取得ステップで取得したトリガー情報に基づいて、警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定ステップと、警告音停止判定ステップの判定結果に従って、警告音による報知を制御する報知制御ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明の各局面によれば、ユーザに与える不快感を軽減するように、残距離に応じた警告音による報知を行うナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置について、図面に従って詳細に説明する。本実施の形態に係るナビゲーション装置は、経路上に存在する案内点に関する情報をユーザに対して提供し、出発地から目的地に至るまでの経路を案内する。
【0015】
図1は、実施の形態に係るナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。図1において、ナビゲーション装置は、入力部1、位置検出部2、データ記憶部3、演算処理部4、及び出力部5を備える。
【0016】
入力部1は、ユーザからの指示の入力を受け付ける、例えばリモコン、音声を収集するマイク、IrDA(赤外線通信)機能を搭載した携帯電話、携帯情報端末(PDA)等である。ユーザは、入力部1を介して目的地の設定等の各種設定を行う。入力部1に入力された情報や操作要求は、演算処理部4に入力される。また、入力部1には、ユーザが警告音を停止させるための警告音停止要求スイッチ11が含まれる。警告音が鳴っている最中にユーザが警告音停止要求スイッチ11を押下すると、警告音停止要求信号が演算処理部4に入力される。なお、警告音停止要求スイッチ11の代わりに集音マイクを使用し、ユーザの発話入力によって警告音停止要求が行われてもよい。
【0017】
位置検出部2は、ナビゲーション装置に付随し、移動体の現在位置や速度、方位、現在時刻を検出する。位置検出部2は、例えば速度センサ、ジャイロセンサ、GPS受信機等から構成される。なお、位置検出部2は、これらのセンサ及び受信機を2つ以上組み合わせた構成としてもよい。速度センサは移動体の移動速度を検出する。またジャイロセンサは移動体の進行方位を検出する。更に、GPS受信機は、複数の衛星からの電波を受信し、受信した電波を復調することで受信機の絶対位置を計測する。速度センサ、ジャイロセンサ、及びGPS受信機により検出された情報は、演算処理部4に入力され、演算処理部4において後述するマップマッチング処理や警告音停止判定処理等に使用される。
【0018】
データ記憶部3は、地図データベース31、警告音の音源として使う警告音ソース32、過去に走行した経路情報などを持つ走行履歴33、及び経路検索に用いられる各種データが格納される、例えばCD−ROM、DVD−ROM、HDD(ハードディスクドライブ)、メモリ等である。地図データベース31には、演算処理部4において経路検索や誘導案内、マップマッチング等に使用される道路ネットワークデータや、地図表示で使用される背景データが含まれる。道路ネットワークデータは、主に交差点を示すノードデータと各ノード間を結ぶ道路を示すリンクデータとから構成される。なお、地図データ及び各種データは、携帯電話の通信部(図示せず)を介してセンター設備から適宜ダウンロードされ、データ記憶部3に記憶されてもよい。警告音ソース32は、ポータブル音楽再生機器、CD、又はDVD等のメディアからデータ記憶部3に記憶されてもよい。
【0019】
演算処理部4は、経路検索や誘導案内、マップマッチング等の各種処理を行い、警告音を停止させるか否かを判定する警告音停止判定部41、案内情報制御部42、及び警告音を停止させる判断の材料となるトリガー情報を取得するトリガー情報取得部43から構成される。トリガー情報取得部43が取得するトリガー情報としては、例えば移動体速度、現在位置、ユーザからの警告音停止要求信号、又はレーン情報がある。なお、トリガー情報は単一に限らず、これらの組み合わせとしてもよいし、その他の情報を用いてもよい。
【0020】
次に、案内情報制御部42が行う経路検索処理、誘導案内処理、マップマッチング処理について説明する。経路検索処理とは、移動体の現在位置から、入力部1を介してユーザが設定した目的地までの推奨経路を求める処理である。また、誘導案内処理は、まず誘導案内に必要な情報を生成した後、移動体の現在位置に基づき目的地までの案内情報をユーザに対して提示する処理である。誘導案内処理は案内点で警告音を後述の出力部5へ出力する処理及び警告音停止信号を基に警告音を停止させる処理を含む。更に、マップマッチング処理は、位置検出部2により検出された現在位置に関する情報に基づいて、移動体の現在位置が道路上から外れていた場合に位置を補正する処理である。
【0021】
出力部5は、地図や移動体の現在位置、誘導案内の情報、案内音声、警告音を出力する、例えばディスプレイ装置、スピーカー等である。ディスプレイ装置は上記の情報を視覚的に表示し、スピーカーは上記の情報を音声により提供したり、警告音を出力する。
【0022】
次に、上記の構成を備えるナビゲーション装置における処理について説明する。図2は、ナビゲーション装置における主要な処理の手順を示すフローチャートである。まず、目的地が設定される(ステップS101)。具体的には、ユーザが入力部1を操作して目的地を特定するために必要な情報(例えば、目的地の郵便番号及び住所、電話番号)を入力したり、ディスプレイ装置に表示された地図から目的地を指定する。演算処理部4は、入力部1に入力された操作情報に基づいて経路探索に必要な目的地を設定する。
【0023】
続いて、目的地までの推奨経路が取得される(ステップS102)。すなわち、演算処理部4は、位置検出部2により検出された現在位置を起点として、ステップS101において設定された目的地までの経路を探索する。経路探索のアルゴリズムは、例えば周知のダイクストラ法が用いられる。ここで、取得される推奨経路はノード及びリンクに関するデータから構成される。
【0024】
なお、ステップS102の処理において、経路の起点(出発地)は、移動体の現在位置に限られず、ユーザが入力部1を介して入力した地点とされてもよい。また、経路探索にあたり、ユーザが予め条件を設定できてもよい。例えば経路探索の実行前に、ユーザが入力部1を操作して、一般道を優先するか、高速道路(あるいは有料道路)を優先するか等、道路種別を指定できてもよい。この場合、演算処理部4はユーザが指定した道路種別の条件を満たす経路を探索する。また、演算処理部4は、現在位置から目的地までの経路を複数求めてもよく、ユーザが複数の経路のうち1つの経路を推奨経路として選択できる構成としてもよい。
【0025】
ステップS102において推奨経路を取得すると、移動体の進行に応じて移動体の現在位置が算出される(ステップS103)。具体的には、演算処理部4は、位置検出部2により検出される移動体の移動速度や進行方位、移動体の絶対位置、及びデータ記憶部3に格納された地図データを用いてマップマッチングを行い、移動体の現在位置を算出する。
【0026】
次に、ステップS104では、移動体の移動状況に応じて誘導案内に必要な案内データが作成される。すなわち、案内データには、交差点や分岐点などのように移動体の現在位置から目的地に至るまでの経路上に存在する案内点に関する情報や、案内点における進行方位、案内点を特定するための情報、道路名称、さらにこれらの情報を提供するタイミングに関する情報が含まれる。通常は経路上の全ての案内点の案内データを一度に保持するわけではなく、移動体の現在地から一定範囲内の案内データを順次必要なだけ生成する。これは記憶容量を有効活用するためである。なお、勿論、目的地までの案内データが全て一度に生成されてもよい。
【0027】
続いて、誘導案内処理が行われる(ステップS105)。すなわち、案内情報制御部42は、移動体の現在位置と案内点の位置関係に基づいて音声による案内情報を出力部5に出力させる。図3は、移動体の現在位置までの残距離に対する音声案内の例を示したものである。移動体の現在位置から案内点であるC交差点までの残距離が一定距離の地点を音声案内発生場所と決め、図3の例では、残距離が700m、300m、100m、0mの地点をそれぞれ音声案内発生場所P1、P2、P3、P4としている。なお、音声案内発生場所までの距離は別の値でも良いし、一定距離の地点ではなく、音声案内発生区間として幅を持たせてもよい。また、移動体速度やその時の道路状況に応じて音声案内発生場所を動的に変えてもよい。
【0028】
音声案内発生場所P1〜P4で読み上げる文のテンプレートは予め決まっており、案内点に固有である交差点名称や道路名称等をテンプレートに当てはめることで音声案内の読み上げ文が決定される。図3の場合、P1では「およそ700mで、C交差点を右方向です」、P2では「およそ300mで、C交差点を右方向です」、P3では「まもなく、C交差点を右方向です」、そしてP4では「右方向です」と案内が行われる。このように、音声による案内を随所で行うことで、案内点の接近をユーザに知らせ、注意を促すことができる。なお、読み上げる文のテンプレートは図3の例と異なるものであってもよいし、テンプレートを複数組み合わせて使用してもよい。
【0029】
誘導案内処理では、音声案内とは別に、移動体の現在位置から案内点までの残距離に応じて警告音を鳴らし、ユーザに案内点の接近を知らせるようにしてもよい。この処理では、ユーザが次の案内点の位置を把握しやすいよう、移動体が次の案内点に対して手前一定距離に接近すると警告音を鳴らす。なお、警告音の鳴り出す位置は、案内点の一定距離手前でなく、例えば移動体の速度に応じて距離を変えてもよいし、道路種別や天候、昼と夜で距離を変えてもよい。更に、警告音の音源としては、例えば、音楽ファイルのような連続音が再生されてもよいし、メトロノームのような機械的な断続音、電子的な断続音が鳴らされてもよい。また、案内点を移動体が通過するまでの間、比較的長時間の音楽が繰り返すことなく再生し続けられてもよいし、短い音楽が繰り返し再生されてもよい。
【0030】
また、警告音を鳴らしている区間において、ユーザが案内点の位置を十分認識しているとき、あるいは他の理由で警告音が不要になった場合は警告音を停止させる。この処理では、警告音停止信号が1になった時点で、適切な停止方法によって警告音を停止させる。警告音停止信号は、警告音を停止させるか否かを判断するためのトリガー情報が所定の停止条件を満たした場合に1となる信号である。警告音の停止方法とは、警告音の音量を0にする、除々に音量を下げるなどである。警告音の停止タイミング及び停止方法の詳細については後述する。
【0031】
また、出力部5がディスプレイを備える場合には、ナビゲーションシステムは、交差点拡大図を用いて、案内点の形状、交差点名称、移動体の現在位置から案内点までの残距離、又は案内点付近のランドマークを表示してもよい。ただし、ディスプレイへの画像表示に関しては、多くの先行文献が存在するため、詳細な説明は省略する。
【0032】
次に、演算処理部4により移動体が目的地に到着したか否かが判断される(ステップS106)。ステップS106において、目的地に到着したと判断された場合には、演算処理部4により目的地に到着したことを知らせる情報がユーザに提供され(ステップS107)、処理を終了する。一方、ステップS106において、目的地に到着していないと判断された場合には、処理は再びステップS103に戻る。したがって、目的地に到着するまでステップS103〜S105の処理が繰り返し行われる。
【0033】
次に、前述ステップS105の誘導案内処理における警告音の停止処理について説明する。図4は、ステップ105の誘導案内処理の内、警告音の停止処理を示すフローチャートである。警告音の停止処理は演算処理部4の警告音停止判定部41が行う。まず、警告音停止判定処理を行う(ステップS201)。ここでは、トリガー情報取得部43によって得られたトリガー情報を用い、予め定められた判定条件によって警告音を停止するか否かが判断される。この判断によって警告音を停止させることになった場合、警告音停止信号を1にする。そうでない場合は0にする。ステップS201の詳細については後述する。
【0034】
次に、ステップS201の警告音停止判定処理によって警告音停止信号が1となったか否かが判定される(ステップS202)。警告音停止信号が1の場合は警告音を停止、0であれば停止させないことを意味する。この判定結果が真でなければ、後続のステップS203〜ステップS206は実行されない。なお、警告音停止信号の値は、0と1でなくてもよい。
【0035】
次に、警告音の停止方法の選択処理を行う(ステップS203)。本実施の形態では、警告音の停止方法として、急に停止させる方法と、除々に音量を下げる方法の2通りを挙げる。なお、警告音の停止方法はこれらに限らず、この他の方法が用いられてもよい。停止方法の選択には、移動体が過去に走行した経路の情報を記憶している走行履歴33が用いられる。走行履歴によって、現在における次の案内点を移動体が過去に何度も通ったことがあり、かつこの交差点において誘導に従わないことが多いと判断できた場合、ユーザはこの交差点に慣れており、かつ、例えば、道路状況を予想しているなどのユーザ独自の判断によって誘導に従っていない可能性が高く、この場合に警告音を長く鳴らすのはユーザにとって不快なものとなる恐れがあるので、警告音を急に停止させる。このとき、警告音の停止方法を後続のステップS205あるいはステップS206に伝えるため、停止方法選択信号を用意し、これを0とする。停止方法選択信号は0か1の値を取り、0の場合は警告音を急停止、1の場合は警告音の音量を除々に下げることを意味する。
【0036】
次に、上述の判定が偽の場合、ユーザは現在進行中の道路に慣れていない可能性があり、警告音を急に止めるとユーザが驚いてしまう、又は混乱してしまう恐れがあるため、警告音の音量を除々に下げて停止させる。すなわち、停止方法選択信号を1とする。ステップS203の詳細については後述する。
【0037】
ステップS203によって決定された停止方法選択信号が0であるかが判定される(ステップS204)。これが真の場合、ステップS205へ移行し、偽の場合はステップS206へ移行する。
【0038】
ステップS205においては、警告音を急停止する処理が行われる。具体的には案内情報制御部42が出力部5を制御し、警告音を急停止する。
【0039】
ステップS206においては、警告音の音量を除々に下げて停止する処理を行う。具体的には案内情報制御部42が出力部5を制御し、警告音のボリュームを除々に下げ停止する。
【0040】
次に、移動体が案内点を通過したかどうかが判定される(ステップS207)。ここで移動体が案内点を通過し終えていなかった場合は再びステップS201へ移る。すなわち、移動体が案内点を通過するまでステップS201〜ステップS206が繰り返し実行されることになる。移動体が案内点を通過した場合、終了となる。
【0041】
ここで、ステップS201の警告音停止判定処理について詳細に説明する。まず、図5に示すような、警告音の停止判定に使用するトリガー情報と停止条件について説明する。本実施の形態では、判定材料であるトリガー情報として、移動体の速度、レーン情報、ユーザからの警告音停止要求信号を使用する。なお、トリガー情報および警告音停止条件としてはこれに限ったものでなくてもよい。
【0042】
図5において、移動体の速度にかかる停止条件は移動体の速度が2km/h以下であること、もしくは移動体の現在位置から案内点までの残距離が20m以下の場合に移動体の速度が50km/h以上であると仮定する。前者の条件は、移動体の速度が2km/h以下である場合、信号待ち等によって移動体が停止しているものとみなし、移動体の停止中は警告音を停止させるべきであるという観点に基づいている。また後者の条件は、ユーザが案内点を認識していない等の理由により、移動体が速いスピードで案内点に進入した場合は、無理に曲折案内するのは危険であるため、この場合警告音を止める必要があるという観点に基づいている。なお、移動体が停止しているか判断するための移動体の速度の閾値は2km/hでなく、他の値であってもよいし、移動体が進行している道路種別によって閾値が変えられてもよい。また、後者の条件における残距離の閾値は20mでなく他の値でもよいし、例えば、交差点の大きさによって変えられてもよい。さらに、地図データに各交差点固有の閾値を収容し、これが使用されてもよい。
【0043】
次に、レーン情報にかかる停止条件は、移動体の現在位置から案内点までの残距離が30m以下の場合に、移動体の現在進行しているレーンと進入すべきレーンが異なっていると仮定する。なお、移動体の現在位置から案内点までの残距離の閾値は30mでなく、他の値でも良いし、道路種別や移動体の速度等に応じて閾値を変えられてもよい。進入すべきレーンは、例えば、図6(A)のような形状の交差点Cと進入リンクのレーン情報がある場合、図6(B)のようになる。ここで、案内方向が左であった場合、移動体がレーン3もしくはレーン4を進んだまま交差点Cへ進入してしまうと、交差点Cで左折することが不可能となる。この場合、進入すべきレーンはレーン1、レーン2となる。仮に図6(A)においてレーン4を進行したまま交差点Cへ進入しようとした車に対し、左折を案内し警告音を鳴らし続けると、ユーザは無理に大幅なレーン変更を試みようとして危険が伴う。この停止条件はこのような危険を伴うレーン変更を防ぐための条件である。
【0044】
次に、警告音停止要求信号にかかる条件は、警告音停止要求信号が1であることとする。警告音停止要求信号の値は、警告音停止要求スイッチ11をユーザが押下すると1となり、それ以外は0となる。この停止条件は、ユーザが案内点を早い段階で認識でき、警告音を鳴らす必要がなくなった場合でも警告音が鳴り続けるのはユーザに不快感を与える恐れがあり、このような場合はユーザが自らの意思で警告音停止要求スイッチ11を押下することで警告音を止められるようにすべきという観点に基づいている。なお、警告音停止要求信号11の変わりに、集音マイクを用い、ユーザの発話入力によって警告音停止要求信号の値を操作しても良い。また、警告音停止要求信号の取る値は0や1以外の値であってもよい。
【0045】
次に、トリガー情報の取得方法について説明する。トリガー情報取得部43は、速度センサと接続され、速度センサから送られてくるパルス信号等を速度情報に変換する。その後、変換した速度情報を警告音停止判定部41へ渡す。なお、移動体の速度は位置検出部2から取得できる移動体の位置情報をもとに、移動体の過去の位置と現在の位置との差分から求められてもよいし、ジャイロセンサや自立センサなどと組み合わせて求められてもよい。
【0046】
また、トリガー情報取得部43は、地図データベース31に収容されている地図情報から、現在進行している経路上の案内点のレーン情報を取得する。図7は、案内点のレーン情報のデータ構造を示している。このデータは交差点ID、この交差点に接続されている道路数N、及び接続道路のレーン情報Riの並び(i=1、2、・・、N)によって構成されている。接続道路のレーン情報Riの並びの数は、この交差点に接続されている道路数Nに等しい。さらに、接続道路iのレーン情報Riはこの道路のID、この道路の車線数K、及び車線jから脱出できる道路のIDの配列によって構成される。レーン番号の割り当ては、例えば、最も左のレーンから順に1、2・・・とする、など予め取り決められているものとする。なお、レーン番号の割り当てのルールは左から順でなくてもよい。レーンjから脱出できる道路のIDの配列の数は、例えば、右折専用レーンであれば1つ、右折及び直進が許されているレーンであれば2つとなる。なお、レーン情報のデータ構造は図7のような構造に限らず、他の情報を含んでいてもよく、また、構成要素の順序が異なっていてもよい。
【0047】
次に、レーン情報から進入すべきレーンを求める手順を説明する。まず、案内点の進入リンク及び脱出リンクのIDを記憶しておき、案内点のレーン情報が取得される。次に、レーン情報を探索し、進入リンクのIDと同一のIDを持つ接続道路のレーン情報Rinを見つける。更に、Rinの内部が探索され、レーン1から順に、ID配列内に脱出リンクのIDが存在するかが調べられ、存在していればそのレーン番号が進入すべきレーンの番号(以下、対象レーン番号と呼ぶ)として記憶される。このように得られた対象レーン番号の集まりを警告音停止判定処理部41へ渡す。更に、トリガー情報取得部43は、位置検出部2から出力される移動体の現在位置とRinの車線数によって、移動体の現在進行しているレーン番号(以下、進行レーン番号)を得て、これも警告音停止判定部41へ渡す。
【0048】
次に、警告音停止判定部41は、ユーザが警告音停止要求スイッチ11を押下したことによる警告音停止要求信号を受け、チャタリング除去等の処理を施した結果が1であれば1を、0であれば0を警告音停止判定部41へ渡す。なお、警告音停止要求信号の値は1や0以外の値であってもよい。
【0049】
次に、前述ステップS201の警告音停止判定処理の詳細を説明する。図8は、ステップS201の警告音停止判定処理の詳細を示すフローチャートである。警告音停止判定処理では、図5の警告音停止条件のうち、いずれか一つでも該当すれば警告音停止信号を1にセットする。まずステップS301では、移動体の速度が2km/h以下であること、もしくは移動体の現在位置から次の案内点までの残距離が20m以下の場合に移動速度が50km/h以上であることを判定している。判定結果が真であれば後続のステップS302〜S303は実行せず、ステップS304へ移る。
【0050】
ステップS301の判定結果が偽の場合、次のステップS302が実行される。ステップS302では、移動体の現在位置からの交差点までの残距離が30m以下、かつ移動体の現在進行しているレーンと進入すべきレーンが異なっているか否かが判定される。移動体の現在進行しているレーンと進入すべきレーンが異なっているか否かは、トリガー情報取得部43から出力されるの対象レーン番号の集まりと、移動体の進行レーン番号を比較し、移動体の進行しているレーン番号が進入すべきレーン番号の集まりに含まれるか否かによって判断される。判定結果が真であれば後続のステップS303は実行されず、S304へ移る。
【0051】
ステップS302の判定結果が偽であった場合、次のステップS303が実行される。ステップS303では、警告音停止要求信号が1であるか否かが判定される。判定の結果が偽であれば次のステップS304は実行されない。
【0052】
ステップS303の判定結果が真の場合、ステップS304が実行される。ここでは、警告音停止信号に1がセットされる。
【0053】
次に、ステップS203の警告音の停止方法の選択処理について説明する。図9は、警告音の停止方法の選択処理におけるフローチャートを示した図である。まず、ステップS401では、次の案内点と同じ地点を含み、かつこの地点への進入リンクおよび脱出リンクが現在進行中のものと等しいような経路で誘導したことが20回以上あるかどうか判定する。この判定には走行履歴33が必要となる。具体的なデータ構造およびデータ抽出方法については後述する。この判定は、ユーザが現在における次の案内点を何度も通っており、かつ、例えば、道路状況を予想しているなどのユーザ独自の判断によって誘導に従っていない可能性が高い場合に警告音を長く鳴らすのはユーザにとって不快なものとなる恐れがあるので、警告音を急に停止させるべきという観点に基づいている。この判定が真の場合、ステップS402が実行される。この判定が偽の場合、ステップS403が実行される。なお、20回や8割といった閾値は、これ以外の値でもよい。
【0054】
ステップS402では、停止方法選択信号を0にセットする。停止方法選択信号は、警告音停止判定部41へ伝達される。ステップS403では、停止方法選択信号に1がセットされる。
【0055】
次に、ステップS401の判定処理の具体的な実行方法について説明する。この判定には走行履歴33を使用する。ここで、まず走行履歴33の構成を説明するため、図10(A)のような道路ネットワークを想定する。いま、ユーザが目的地を設定した後、ナビゲーション装置が図10(A)の経路1を推奨したとする。この時、ノード2において移動体が経路1から外れると、ナビゲーション装置は移動体が推奨経路から外れたことを検出し、図10(B)の経路2を提示する。ここでさらに、ノード9において移動体が経路2から外れると、ナビゲーション装置はさらに図10(C)の経路3のような別の経路を提示する。結果、実際に走行した経路は図10(D)のようになったと仮定する。
【0056】
さて、走行履歴33とは、走行履歴レコードの集まりである。図11(A)に示すように、走行履歴レコードには、このレコードの総括情報、実際に走行した経路の情報、及び出発地から目的地にたどり着くまでにナビゲーション装置が推奨した全ての経路の情報が含まれる。レコードの総括情報は、出発地及び目的地の情報、レコードに含まれる経路数Nを含む。経路数Nは、図10の例であればN=3となる。次に、実際に走行した経路情報P0とは、例えば、図10(D)のように、出発地から目的地までに移動体が実際に進行した経路の情報を指す。次に、経路1の経路情報P1とは、ナビゲーション装置が最初に推奨した経路の情報を指す。例えば、図10(A)の推奨経路1の情報である。同様にして、経路2、経路3・・経路i・・経路Nのように、ナビゲーション装置が推奨した経路の情報が、本ナビゲーション装置がユーザに提示した順番に並んだ構造をとっている。なお、経路情報の並びはこれに限らず、例えば経路案内開始地点あるいは経路案内終了地点と出発地あるいは目的地との直線距離が短い順に並べても良い。
【0057】
図11(B)は経路情報Piの詳細を示した図である。ノード数Mとは、経路Piに含まれるノード数−1である。例えば、図10(A)の経路1であればM=6、図10(C)の経路3であればM=3となる。ノード情報Ijの並びとは、図11(C)のような構造を持つノード情報を、出発地に近い方から順に並べたものである。jの範囲は0〜Mであり、出発地の情報も含まれる。リンク列Lkの並びとは、図11(D)の経路上のリンクのIDの配列を出発地に近い方から順に並べたものである。kの範囲は1〜Mである。出発地のノード情報I0を除くr番目のノード情報Irとリンク情報Lrは1対1で対応しており、リンク列LrのリンクIDの配列の最後の要素、つまり当該リンク列の最後尾の道路に接続されているノードの情報がIrに相当する。
【0058】
以上を踏まえてステップS401の判定処理の具体的な実行方法について説明する。図12はステップS401の判定処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS501は、走行履歴33を読み出しを実行し、S0の初期化を行う。S0は、移動体の現在位置に対して次の案内点をt、その進入リンクをlin、脱出リンクをloutとする時、走行履歴33において、tを含み、tの進入リンク及び脱出リンクがそれぞれlin、loutに等しい経路を持つ走行履歴レコードに対する、実際に走行した経路の経路情報P0の集まりを意味する。
【0059】
ステップS502はステップS502〜ステップS508までの反復判定を行う。反復の終了条件は全ての走行履歴レコードRiを調べ終えることである。つまり、全ての走行履歴レコードRiを調べ終えるまでステップS503〜ステップS507が繰り返し実行される。
【0060】
次に、ステップS503はステップS503〜ステップS507までの反復判定を行う。反復の終了条件はRi中の全ての経路情報Pjを調べ終えることである。つまり、Ri中の全ての経路情報Pjを調べ終えるまでステップS504〜ステップS506が繰り返し実行される。
【0061】
次に、ステップS504はPj中のノード情報Nkの中に次の案内点tのノード情報Ntが含まれるかを判定する。これが偽の場合はステップS507へ移る、つまりステップS503へ戻る。
【0062】
ステップS504の判定結果が真の場合、ステップS505が実行される。ステップS505では、Ntに対応したリンク列LtのリンクID配列の最後尾のリンクIDおよび、リンク列L(t+1)のリンクID配列の最初のリンクIDが、それぞれ次の案内点tの進入リンクlinおよび脱出リンクloutと等しいかどうか判定している。これは、経路情報Pjが次の案内点のノード情報Ntを含んでいることに加え、その進入リンクおよび脱出リンクも現在のものと等しいかどうかを判定している。この判定結果が偽である場合、ステップS507へ移る。つまりステップS503へ戻る。
【0063】
ステップS505の判定結果が真の場合、ステップS506が実行される。ステップS506では、PjをStに加え、さらにS0にはPjに対して実際に走行した経路の経路情報P0を加える。最後に、ステップS509は走行履歴情報取得結果としてS0を警告音停止判定部41へ渡す。
【0064】
本発明は、上述した実施の形態を実現するソフトウェアのプログラム(実施の形態では図に示すフロー図に対応したプログラム)が装置に供給され、その装置のコンピュータが、供給されたプログラムを読出して、実行することによっても達成させる場合を含む。したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現させるためのナビゲーションプログラムも含む。
【0065】
このように、ユーザに与える不快感を軽減するように、残距離に応じた警告音による報知を行うナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することができる。
【0066】
また、上記実施の形態で説明した構成は、単に具体例を示すものであり、本願発明の技術的範囲を制限するものではない。本願の効果を奏する範囲において、任意の構成を採用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、現在位置から次の案内点までの残距離に応じた警告音を出力するナビゲーション装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施の形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図2】ナビゲーション装置における主要な処理の手順を示すフローチャート
【図3】移動体の現在位置までの残距離に対する音声案内の例を示した図
【図4】誘導案内処理の警告音の停止処理を示すフローチャート
【図5】警告音の停止判定に使用するトリガー情報と停止条件を示す図
【図6】(A)交差点形状と進入リンクのレーン情報を示す図(B)案内方向に対する進入すべきレーンを示す図
【図7】案内点のレーン情報のデータ構造を示す図
【図8】警告音停止判定処理の詳細を示すフローチャート
【図9】警告音の停止方法の選択処理におけるフローチャート
【図10】(A)推奨経路の道路ネットワークを示す図(B)別経路2の道路ネットワークを示す図(C)別経路3の道路ネットワークを示す図(D)実際に走行した経路の道路ネットワークを示す図
【図11】(A)走行履歴レコードの一例を示す図(B)経路情報Piの詳細を示した図(C)ノード情報を構造の一例を示す図(D)リンクのID配列の一例を示す図
【図12】同じ経路で誘導したかどうかの判定処理の詳細を示すフローチャート
【符号の説明】
【0069】
1 入力部
2 位置検出部
3 データ記憶部
4 演算処理部
5 出力部
11 警告音停止要求スイッチ
31 地図データベース
32 警告音ソース
33 走行履歴
41 警告音停止判定部
42 案内情報制御部
43 トリガー情報取得部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関し、より特定的には、現在位置から次の案内点までの残距離に応じて警告音を出力するナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車に搭載される機器や携帯端末として、現在地から目的地へ至る経路をユーザに知らせるナビゲーション装置が広く実用化されている。
【0003】
このようなナビゲーション装置には、進行方向を変更するとき、分かり易い案内をすることが求められる。そこで、従来、ユーザにとって分かりやすい案内を行うものとして、現在位置から案内点までの残距離が少なくなるにつれて警告音の出力周期を短くする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−255166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、案内点を通過するまで残距離に応じた警告音が鳴り続ける。そのため、ユーザが案内点を十分認識したときや停止しているとき等、ユーザが警告音を必要としない時にも鳴り続け、ユーザに不快感を与える。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされた。すなわち、ユーザに与える不快感を軽減するように、残距離に応じた警告音による報知を行うナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の局面は、警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション装置に向けられている。本発明は、移動体の走行状態、及び/又はユーザからの指示であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得部と、トリガー情報取得部が取得したトリガー情報に基づいて、警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定部と、警告音停止判定部の判定結果に従って、警告音による報知を制御する報知制御部とを備える。
【0007】
また、警告音停止判定部は、移動体の移動速度が予め決められた値以下であることを示すトリガー情報をトリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することが好ましい。
【0008】
また、警告音停止判定部は、案内点からの距離が予め決められた値以下の区間において、移動体が曲がるべき交差点の適切なレーンに進入できなかったことを示すトリガー情報をトリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することが好ましい。
【0009】
また、警告音停止判定部は、車線変更禁止区間において、移動体が曲がるべき交差点の適切なレーンに進入できなかったことを示すトリガー情報をトリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することが好ましい。
【0010】
また、警告音停止判定部は、走行履歴を用いて、ユーザが経路誘導に従っていないことを示すトリガー情報をトリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することが好ましい。
【0011】
本発明の第2の局面は、警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション方法に向けられている。本発明は、移動体の走行状態、及び/又はユーザからの指示であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得ステップと、トリガー情報取得ステップで取得したトリガー情報に基づいて、前記警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定ステップと、警告音停止判定ステップの判定結果に従って、警告音による報知を制御する報知制御ステップとを備える。
【0012】
本発明の第3の局面は、警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション装置のコンピュータで実行されるナビゲーションプログラムに向けられている。本発明は、コンピュータに、移動体の走行状態、及び/又はユーザからの指示であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得ステップと、トリガー情報取得ステップで取得したトリガー情報に基づいて、警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定ステップと、警告音停止判定ステップの判定結果に従って、警告音による報知を制御する報知制御ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明の各局面によれば、ユーザに与える不快感を軽減するように、残距離に応じた警告音による報知を行うナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置について、図面に従って詳細に説明する。本実施の形態に係るナビゲーション装置は、経路上に存在する案内点に関する情報をユーザに対して提供し、出発地から目的地に至るまでの経路を案内する。
【0015】
図1は、実施の形態に係るナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。図1において、ナビゲーション装置は、入力部1、位置検出部2、データ記憶部3、演算処理部4、及び出力部5を備える。
【0016】
入力部1は、ユーザからの指示の入力を受け付ける、例えばリモコン、音声を収集するマイク、IrDA(赤外線通信)機能を搭載した携帯電話、携帯情報端末(PDA)等である。ユーザは、入力部1を介して目的地の設定等の各種設定を行う。入力部1に入力された情報や操作要求は、演算処理部4に入力される。また、入力部1には、ユーザが警告音を停止させるための警告音停止要求スイッチ11が含まれる。警告音が鳴っている最中にユーザが警告音停止要求スイッチ11を押下すると、警告音停止要求信号が演算処理部4に入力される。なお、警告音停止要求スイッチ11の代わりに集音マイクを使用し、ユーザの発話入力によって警告音停止要求が行われてもよい。
【0017】
位置検出部2は、ナビゲーション装置に付随し、移動体の現在位置や速度、方位、現在時刻を検出する。位置検出部2は、例えば速度センサ、ジャイロセンサ、GPS受信機等から構成される。なお、位置検出部2は、これらのセンサ及び受信機を2つ以上組み合わせた構成としてもよい。速度センサは移動体の移動速度を検出する。またジャイロセンサは移動体の進行方位を検出する。更に、GPS受信機は、複数の衛星からの電波を受信し、受信した電波を復調することで受信機の絶対位置を計測する。速度センサ、ジャイロセンサ、及びGPS受信機により検出された情報は、演算処理部4に入力され、演算処理部4において後述するマップマッチング処理や警告音停止判定処理等に使用される。
【0018】
データ記憶部3は、地図データベース31、警告音の音源として使う警告音ソース32、過去に走行した経路情報などを持つ走行履歴33、及び経路検索に用いられる各種データが格納される、例えばCD−ROM、DVD−ROM、HDD(ハードディスクドライブ)、メモリ等である。地図データベース31には、演算処理部4において経路検索や誘導案内、マップマッチング等に使用される道路ネットワークデータや、地図表示で使用される背景データが含まれる。道路ネットワークデータは、主に交差点を示すノードデータと各ノード間を結ぶ道路を示すリンクデータとから構成される。なお、地図データ及び各種データは、携帯電話の通信部(図示せず)を介してセンター設備から適宜ダウンロードされ、データ記憶部3に記憶されてもよい。警告音ソース32は、ポータブル音楽再生機器、CD、又はDVD等のメディアからデータ記憶部3に記憶されてもよい。
【0019】
演算処理部4は、経路検索や誘導案内、マップマッチング等の各種処理を行い、警告音を停止させるか否かを判定する警告音停止判定部41、案内情報制御部42、及び警告音を停止させる判断の材料となるトリガー情報を取得するトリガー情報取得部43から構成される。トリガー情報取得部43が取得するトリガー情報としては、例えば移動体速度、現在位置、ユーザからの警告音停止要求信号、又はレーン情報がある。なお、トリガー情報は単一に限らず、これらの組み合わせとしてもよいし、その他の情報を用いてもよい。
【0020】
次に、案内情報制御部42が行う経路検索処理、誘導案内処理、マップマッチング処理について説明する。経路検索処理とは、移動体の現在位置から、入力部1を介してユーザが設定した目的地までの推奨経路を求める処理である。また、誘導案内処理は、まず誘導案内に必要な情報を生成した後、移動体の現在位置に基づき目的地までの案内情報をユーザに対して提示する処理である。誘導案内処理は案内点で警告音を後述の出力部5へ出力する処理及び警告音停止信号を基に警告音を停止させる処理を含む。更に、マップマッチング処理は、位置検出部2により検出された現在位置に関する情報に基づいて、移動体の現在位置が道路上から外れていた場合に位置を補正する処理である。
【0021】
出力部5は、地図や移動体の現在位置、誘導案内の情報、案内音声、警告音を出力する、例えばディスプレイ装置、スピーカー等である。ディスプレイ装置は上記の情報を視覚的に表示し、スピーカーは上記の情報を音声により提供したり、警告音を出力する。
【0022】
次に、上記の構成を備えるナビゲーション装置における処理について説明する。図2は、ナビゲーション装置における主要な処理の手順を示すフローチャートである。まず、目的地が設定される(ステップS101)。具体的には、ユーザが入力部1を操作して目的地を特定するために必要な情報(例えば、目的地の郵便番号及び住所、電話番号)を入力したり、ディスプレイ装置に表示された地図から目的地を指定する。演算処理部4は、入力部1に入力された操作情報に基づいて経路探索に必要な目的地を設定する。
【0023】
続いて、目的地までの推奨経路が取得される(ステップS102)。すなわち、演算処理部4は、位置検出部2により検出された現在位置を起点として、ステップS101において設定された目的地までの経路を探索する。経路探索のアルゴリズムは、例えば周知のダイクストラ法が用いられる。ここで、取得される推奨経路はノード及びリンクに関するデータから構成される。
【0024】
なお、ステップS102の処理において、経路の起点(出発地)は、移動体の現在位置に限られず、ユーザが入力部1を介して入力した地点とされてもよい。また、経路探索にあたり、ユーザが予め条件を設定できてもよい。例えば経路探索の実行前に、ユーザが入力部1を操作して、一般道を優先するか、高速道路(あるいは有料道路)を優先するか等、道路種別を指定できてもよい。この場合、演算処理部4はユーザが指定した道路種別の条件を満たす経路を探索する。また、演算処理部4は、現在位置から目的地までの経路を複数求めてもよく、ユーザが複数の経路のうち1つの経路を推奨経路として選択できる構成としてもよい。
【0025】
ステップS102において推奨経路を取得すると、移動体の進行に応じて移動体の現在位置が算出される(ステップS103)。具体的には、演算処理部4は、位置検出部2により検出される移動体の移動速度や進行方位、移動体の絶対位置、及びデータ記憶部3に格納された地図データを用いてマップマッチングを行い、移動体の現在位置を算出する。
【0026】
次に、ステップS104では、移動体の移動状況に応じて誘導案内に必要な案内データが作成される。すなわち、案内データには、交差点や分岐点などのように移動体の現在位置から目的地に至るまでの経路上に存在する案内点に関する情報や、案内点における進行方位、案内点を特定するための情報、道路名称、さらにこれらの情報を提供するタイミングに関する情報が含まれる。通常は経路上の全ての案内点の案内データを一度に保持するわけではなく、移動体の現在地から一定範囲内の案内データを順次必要なだけ生成する。これは記憶容量を有効活用するためである。なお、勿論、目的地までの案内データが全て一度に生成されてもよい。
【0027】
続いて、誘導案内処理が行われる(ステップS105)。すなわち、案内情報制御部42は、移動体の現在位置と案内点の位置関係に基づいて音声による案内情報を出力部5に出力させる。図3は、移動体の現在位置までの残距離に対する音声案内の例を示したものである。移動体の現在位置から案内点であるC交差点までの残距離が一定距離の地点を音声案内発生場所と決め、図3の例では、残距離が700m、300m、100m、0mの地点をそれぞれ音声案内発生場所P1、P2、P3、P4としている。なお、音声案内発生場所までの距離は別の値でも良いし、一定距離の地点ではなく、音声案内発生区間として幅を持たせてもよい。また、移動体速度やその時の道路状況に応じて音声案内発生場所を動的に変えてもよい。
【0028】
音声案内発生場所P1〜P4で読み上げる文のテンプレートは予め決まっており、案内点に固有である交差点名称や道路名称等をテンプレートに当てはめることで音声案内の読み上げ文が決定される。図3の場合、P1では「およそ700mで、C交差点を右方向です」、P2では「およそ300mで、C交差点を右方向です」、P3では「まもなく、C交差点を右方向です」、そしてP4では「右方向です」と案内が行われる。このように、音声による案内を随所で行うことで、案内点の接近をユーザに知らせ、注意を促すことができる。なお、読み上げる文のテンプレートは図3の例と異なるものであってもよいし、テンプレートを複数組み合わせて使用してもよい。
【0029】
誘導案内処理では、音声案内とは別に、移動体の現在位置から案内点までの残距離に応じて警告音を鳴らし、ユーザに案内点の接近を知らせるようにしてもよい。この処理では、ユーザが次の案内点の位置を把握しやすいよう、移動体が次の案内点に対して手前一定距離に接近すると警告音を鳴らす。なお、警告音の鳴り出す位置は、案内点の一定距離手前でなく、例えば移動体の速度に応じて距離を変えてもよいし、道路種別や天候、昼と夜で距離を変えてもよい。更に、警告音の音源としては、例えば、音楽ファイルのような連続音が再生されてもよいし、メトロノームのような機械的な断続音、電子的な断続音が鳴らされてもよい。また、案内点を移動体が通過するまでの間、比較的長時間の音楽が繰り返すことなく再生し続けられてもよいし、短い音楽が繰り返し再生されてもよい。
【0030】
また、警告音を鳴らしている区間において、ユーザが案内点の位置を十分認識しているとき、あるいは他の理由で警告音が不要になった場合は警告音を停止させる。この処理では、警告音停止信号が1になった時点で、適切な停止方法によって警告音を停止させる。警告音停止信号は、警告音を停止させるか否かを判断するためのトリガー情報が所定の停止条件を満たした場合に1となる信号である。警告音の停止方法とは、警告音の音量を0にする、除々に音量を下げるなどである。警告音の停止タイミング及び停止方法の詳細については後述する。
【0031】
また、出力部5がディスプレイを備える場合には、ナビゲーションシステムは、交差点拡大図を用いて、案内点の形状、交差点名称、移動体の現在位置から案内点までの残距離、又は案内点付近のランドマークを表示してもよい。ただし、ディスプレイへの画像表示に関しては、多くの先行文献が存在するため、詳細な説明は省略する。
【0032】
次に、演算処理部4により移動体が目的地に到着したか否かが判断される(ステップS106)。ステップS106において、目的地に到着したと判断された場合には、演算処理部4により目的地に到着したことを知らせる情報がユーザに提供され(ステップS107)、処理を終了する。一方、ステップS106において、目的地に到着していないと判断された場合には、処理は再びステップS103に戻る。したがって、目的地に到着するまでステップS103〜S105の処理が繰り返し行われる。
【0033】
次に、前述ステップS105の誘導案内処理における警告音の停止処理について説明する。図4は、ステップ105の誘導案内処理の内、警告音の停止処理を示すフローチャートである。警告音の停止処理は演算処理部4の警告音停止判定部41が行う。まず、警告音停止判定処理を行う(ステップS201)。ここでは、トリガー情報取得部43によって得られたトリガー情報を用い、予め定められた判定条件によって警告音を停止するか否かが判断される。この判断によって警告音を停止させることになった場合、警告音停止信号を1にする。そうでない場合は0にする。ステップS201の詳細については後述する。
【0034】
次に、ステップS201の警告音停止判定処理によって警告音停止信号が1となったか否かが判定される(ステップS202)。警告音停止信号が1の場合は警告音を停止、0であれば停止させないことを意味する。この判定結果が真でなければ、後続のステップS203〜ステップS206は実行されない。なお、警告音停止信号の値は、0と1でなくてもよい。
【0035】
次に、警告音の停止方法の選択処理を行う(ステップS203)。本実施の形態では、警告音の停止方法として、急に停止させる方法と、除々に音量を下げる方法の2通りを挙げる。なお、警告音の停止方法はこれらに限らず、この他の方法が用いられてもよい。停止方法の選択には、移動体が過去に走行した経路の情報を記憶している走行履歴33が用いられる。走行履歴によって、現在における次の案内点を移動体が過去に何度も通ったことがあり、かつこの交差点において誘導に従わないことが多いと判断できた場合、ユーザはこの交差点に慣れており、かつ、例えば、道路状況を予想しているなどのユーザ独自の判断によって誘導に従っていない可能性が高く、この場合に警告音を長く鳴らすのはユーザにとって不快なものとなる恐れがあるので、警告音を急に停止させる。このとき、警告音の停止方法を後続のステップS205あるいはステップS206に伝えるため、停止方法選択信号を用意し、これを0とする。停止方法選択信号は0か1の値を取り、0の場合は警告音を急停止、1の場合は警告音の音量を除々に下げることを意味する。
【0036】
次に、上述の判定が偽の場合、ユーザは現在進行中の道路に慣れていない可能性があり、警告音を急に止めるとユーザが驚いてしまう、又は混乱してしまう恐れがあるため、警告音の音量を除々に下げて停止させる。すなわち、停止方法選択信号を1とする。ステップS203の詳細については後述する。
【0037】
ステップS203によって決定された停止方法選択信号が0であるかが判定される(ステップS204)。これが真の場合、ステップS205へ移行し、偽の場合はステップS206へ移行する。
【0038】
ステップS205においては、警告音を急停止する処理が行われる。具体的には案内情報制御部42が出力部5を制御し、警告音を急停止する。
【0039】
ステップS206においては、警告音の音量を除々に下げて停止する処理を行う。具体的には案内情報制御部42が出力部5を制御し、警告音のボリュームを除々に下げ停止する。
【0040】
次に、移動体が案内点を通過したかどうかが判定される(ステップS207)。ここで移動体が案内点を通過し終えていなかった場合は再びステップS201へ移る。すなわち、移動体が案内点を通過するまでステップS201〜ステップS206が繰り返し実行されることになる。移動体が案内点を通過した場合、終了となる。
【0041】
ここで、ステップS201の警告音停止判定処理について詳細に説明する。まず、図5に示すような、警告音の停止判定に使用するトリガー情報と停止条件について説明する。本実施の形態では、判定材料であるトリガー情報として、移動体の速度、レーン情報、ユーザからの警告音停止要求信号を使用する。なお、トリガー情報および警告音停止条件としてはこれに限ったものでなくてもよい。
【0042】
図5において、移動体の速度にかかる停止条件は移動体の速度が2km/h以下であること、もしくは移動体の現在位置から案内点までの残距離が20m以下の場合に移動体の速度が50km/h以上であると仮定する。前者の条件は、移動体の速度が2km/h以下である場合、信号待ち等によって移動体が停止しているものとみなし、移動体の停止中は警告音を停止させるべきであるという観点に基づいている。また後者の条件は、ユーザが案内点を認識していない等の理由により、移動体が速いスピードで案内点に進入した場合は、無理に曲折案内するのは危険であるため、この場合警告音を止める必要があるという観点に基づいている。なお、移動体が停止しているか判断するための移動体の速度の閾値は2km/hでなく、他の値であってもよいし、移動体が進行している道路種別によって閾値が変えられてもよい。また、後者の条件における残距離の閾値は20mでなく他の値でもよいし、例えば、交差点の大きさによって変えられてもよい。さらに、地図データに各交差点固有の閾値を収容し、これが使用されてもよい。
【0043】
次に、レーン情報にかかる停止条件は、移動体の現在位置から案内点までの残距離が30m以下の場合に、移動体の現在進行しているレーンと進入すべきレーンが異なっていると仮定する。なお、移動体の現在位置から案内点までの残距離の閾値は30mでなく、他の値でも良いし、道路種別や移動体の速度等に応じて閾値を変えられてもよい。進入すべきレーンは、例えば、図6(A)のような形状の交差点Cと進入リンクのレーン情報がある場合、図6(B)のようになる。ここで、案内方向が左であった場合、移動体がレーン3もしくはレーン4を進んだまま交差点Cへ進入してしまうと、交差点Cで左折することが不可能となる。この場合、進入すべきレーンはレーン1、レーン2となる。仮に図6(A)においてレーン4を進行したまま交差点Cへ進入しようとした車に対し、左折を案内し警告音を鳴らし続けると、ユーザは無理に大幅なレーン変更を試みようとして危険が伴う。この停止条件はこのような危険を伴うレーン変更を防ぐための条件である。
【0044】
次に、警告音停止要求信号にかかる条件は、警告音停止要求信号が1であることとする。警告音停止要求信号の値は、警告音停止要求スイッチ11をユーザが押下すると1となり、それ以外は0となる。この停止条件は、ユーザが案内点を早い段階で認識でき、警告音を鳴らす必要がなくなった場合でも警告音が鳴り続けるのはユーザに不快感を与える恐れがあり、このような場合はユーザが自らの意思で警告音停止要求スイッチ11を押下することで警告音を止められるようにすべきという観点に基づいている。なお、警告音停止要求信号11の変わりに、集音マイクを用い、ユーザの発話入力によって警告音停止要求信号の値を操作しても良い。また、警告音停止要求信号の取る値は0や1以外の値であってもよい。
【0045】
次に、トリガー情報の取得方法について説明する。トリガー情報取得部43は、速度センサと接続され、速度センサから送られてくるパルス信号等を速度情報に変換する。その後、変換した速度情報を警告音停止判定部41へ渡す。なお、移動体の速度は位置検出部2から取得できる移動体の位置情報をもとに、移動体の過去の位置と現在の位置との差分から求められてもよいし、ジャイロセンサや自立センサなどと組み合わせて求められてもよい。
【0046】
また、トリガー情報取得部43は、地図データベース31に収容されている地図情報から、現在進行している経路上の案内点のレーン情報を取得する。図7は、案内点のレーン情報のデータ構造を示している。このデータは交差点ID、この交差点に接続されている道路数N、及び接続道路のレーン情報Riの並び(i=1、2、・・、N)によって構成されている。接続道路のレーン情報Riの並びの数は、この交差点に接続されている道路数Nに等しい。さらに、接続道路iのレーン情報Riはこの道路のID、この道路の車線数K、及び車線jから脱出できる道路のIDの配列によって構成される。レーン番号の割り当ては、例えば、最も左のレーンから順に1、2・・・とする、など予め取り決められているものとする。なお、レーン番号の割り当てのルールは左から順でなくてもよい。レーンjから脱出できる道路のIDの配列の数は、例えば、右折専用レーンであれば1つ、右折及び直進が許されているレーンであれば2つとなる。なお、レーン情報のデータ構造は図7のような構造に限らず、他の情報を含んでいてもよく、また、構成要素の順序が異なっていてもよい。
【0047】
次に、レーン情報から進入すべきレーンを求める手順を説明する。まず、案内点の進入リンク及び脱出リンクのIDを記憶しておき、案内点のレーン情報が取得される。次に、レーン情報を探索し、進入リンクのIDと同一のIDを持つ接続道路のレーン情報Rinを見つける。更に、Rinの内部が探索され、レーン1から順に、ID配列内に脱出リンクのIDが存在するかが調べられ、存在していればそのレーン番号が進入すべきレーンの番号(以下、対象レーン番号と呼ぶ)として記憶される。このように得られた対象レーン番号の集まりを警告音停止判定処理部41へ渡す。更に、トリガー情報取得部43は、位置検出部2から出力される移動体の現在位置とRinの車線数によって、移動体の現在進行しているレーン番号(以下、進行レーン番号)を得て、これも警告音停止判定部41へ渡す。
【0048】
次に、警告音停止判定部41は、ユーザが警告音停止要求スイッチ11を押下したことによる警告音停止要求信号を受け、チャタリング除去等の処理を施した結果が1であれば1を、0であれば0を警告音停止判定部41へ渡す。なお、警告音停止要求信号の値は1や0以外の値であってもよい。
【0049】
次に、前述ステップS201の警告音停止判定処理の詳細を説明する。図8は、ステップS201の警告音停止判定処理の詳細を示すフローチャートである。警告音停止判定処理では、図5の警告音停止条件のうち、いずれか一つでも該当すれば警告音停止信号を1にセットする。まずステップS301では、移動体の速度が2km/h以下であること、もしくは移動体の現在位置から次の案内点までの残距離が20m以下の場合に移動速度が50km/h以上であることを判定している。判定結果が真であれば後続のステップS302〜S303は実行せず、ステップS304へ移る。
【0050】
ステップS301の判定結果が偽の場合、次のステップS302が実行される。ステップS302では、移動体の現在位置からの交差点までの残距離が30m以下、かつ移動体の現在進行しているレーンと進入すべきレーンが異なっているか否かが判定される。移動体の現在進行しているレーンと進入すべきレーンが異なっているか否かは、トリガー情報取得部43から出力されるの対象レーン番号の集まりと、移動体の進行レーン番号を比較し、移動体の進行しているレーン番号が進入すべきレーン番号の集まりに含まれるか否かによって判断される。判定結果が真であれば後続のステップS303は実行されず、S304へ移る。
【0051】
ステップS302の判定結果が偽であった場合、次のステップS303が実行される。ステップS303では、警告音停止要求信号が1であるか否かが判定される。判定の結果が偽であれば次のステップS304は実行されない。
【0052】
ステップS303の判定結果が真の場合、ステップS304が実行される。ここでは、警告音停止信号に1がセットされる。
【0053】
次に、ステップS203の警告音の停止方法の選択処理について説明する。図9は、警告音の停止方法の選択処理におけるフローチャートを示した図である。まず、ステップS401では、次の案内点と同じ地点を含み、かつこの地点への進入リンクおよび脱出リンクが現在進行中のものと等しいような経路で誘導したことが20回以上あるかどうか判定する。この判定には走行履歴33が必要となる。具体的なデータ構造およびデータ抽出方法については後述する。この判定は、ユーザが現在における次の案内点を何度も通っており、かつ、例えば、道路状況を予想しているなどのユーザ独自の判断によって誘導に従っていない可能性が高い場合に警告音を長く鳴らすのはユーザにとって不快なものとなる恐れがあるので、警告音を急に停止させるべきという観点に基づいている。この判定が真の場合、ステップS402が実行される。この判定が偽の場合、ステップS403が実行される。なお、20回や8割といった閾値は、これ以外の値でもよい。
【0054】
ステップS402では、停止方法選択信号を0にセットする。停止方法選択信号は、警告音停止判定部41へ伝達される。ステップS403では、停止方法選択信号に1がセットされる。
【0055】
次に、ステップS401の判定処理の具体的な実行方法について説明する。この判定には走行履歴33を使用する。ここで、まず走行履歴33の構成を説明するため、図10(A)のような道路ネットワークを想定する。いま、ユーザが目的地を設定した後、ナビゲーション装置が図10(A)の経路1を推奨したとする。この時、ノード2において移動体が経路1から外れると、ナビゲーション装置は移動体が推奨経路から外れたことを検出し、図10(B)の経路2を提示する。ここでさらに、ノード9において移動体が経路2から外れると、ナビゲーション装置はさらに図10(C)の経路3のような別の経路を提示する。結果、実際に走行した経路は図10(D)のようになったと仮定する。
【0056】
さて、走行履歴33とは、走行履歴レコードの集まりである。図11(A)に示すように、走行履歴レコードには、このレコードの総括情報、実際に走行した経路の情報、及び出発地から目的地にたどり着くまでにナビゲーション装置が推奨した全ての経路の情報が含まれる。レコードの総括情報は、出発地及び目的地の情報、レコードに含まれる経路数Nを含む。経路数Nは、図10の例であればN=3となる。次に、実際に走行した経路情報P0とは、例えば、図10(D)のように、出発地から目的地までに移動体が実際に進行した経路の情報を指す。次に、経路1の経路情報P1とは、ナビゲーション装置が最初に推奨した経路の情報を指す。例えば、図10(A)の推奨経路1の情報である。同様にして、経路2、経路3・・経路i・・経路Nのように、ナビゲーション装置が推奨した経路の情報が、本ナビゲーション装置がユーザに提示した順番に並んだ構造をとっている。なお、経路情報の並びはこれに限らず、例えば経路案内開始地点あるいは経路案内終了地点と出発地あるいは目的地との直線距離が短い順に並べても良い。
【0057】
図11(B)は経路情報Piの詳細を示した図である。ノード数Mとは、経路Piに含まれるノード数−1である。例えば、図10(A)の経路1であればM=6、図10(C)の経路3であればM=3となる。ノード情報Ijの並びとは、図11(C)のような構造を持つノード情報を、出発地に近い方から順に並べたものである。jの範囲は0〜Mであり、出発地の情報も含まれる。リンク列Lkの並びとは、図11(D)の経路上のリンクのIDの配列を出発地に近い方から順に並べたものである。kの範囲は1〜Mである。出発地のノード情報I0を除くr番目のノード情報Irとリンク情報Lrは1対1で対応しており、リンク列LrのリンクIDの配列の最後の要素、つまり当該リンク列の最後尾の道路に接続されているノードの情報がIrに相当する。
【0058】
以上を踏まえてステップS401の判定処理の具体的な実行方法について説明する。図12はステップS401の判定処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS501は、走行履歴33を読み出しを実行し、S0の初期化を行う。S0は、移動体の現在位置に対して次の案内点をt、その進入リンクをlin、脱出リンクをloutとする時、走行履歴33において、tを含み、tの進入リンク及び脱出リンクがそれぞれlin、loutに等しい経路を持つ走行履歴レコードに対する、実際に走行した経路の経路情報P0の集まりを意味する。
【0059】
ステップS502はステップS502〜ステップS508までの反復判定を行う。反復の終了条件は全ての走行履歴レコードRiを調べ終えることである。つまり、全ての走行履歴レコードRiを調べ終えるまでステップS503〜ステップS507が繰り返し実行される。
【0060】
次に、ステップS503はステップS503〜ステップS507までの反復判定を行う。反復の終了条件はRi中の全ての経路情報Pjを調べ終えることである。つまり、Ri中の全ての経路情報Pjを調べ終えるまでステップS504〜ステップS506が繰り返し実行される。
【0061】
次に、ステップS504はPj中のノード情報Nkの中に次の案内点tのノード情報Ntが含まれるかを判定する。これが偽の場合はステップS507へ移る、つまりステップS503へ戻る。
【0062】
ステップS504の判定結果が真の場合、ステップS505が実行される。ステップS505では、Ntに対応したリンク列LtのリンクID配列の最後尾のリンクIDおよび、リンク列L(t+1)のリンクID配列の最初のリンクIDが、それぞれ次の案内点tの進入リンクlinおよび脱出リンクloutと等しいかどうか判定している。これは、経路情報Pjが次の案内点のノード情報Ntを含んでいることに加え、その進入リンクおよび脱出リンクも現在のものと等しいかどうかを判定している。この判定結果が偽である場合、ステップS507へ移る。つまりステップS503へ戻る。
【0063】
ステップS505の判定結果が真の場合、ステップS506が実行される。ステップS506では、PjをStに加え、さらにS0にはPjに対して実際に走行した経路の経路情報P0を加える。最後に、ステップS509は走行履歴情報取得結果としてS0を警告音停止判定部41へ渡す。
【0064】
本発明は、上述した実施の形態を実現するソフトウェアのプログラム(実施の形態では図に示すフロー図に対応したプログラム)が装置に供給され、その装置のコンピュータが、供給されたプログラムを読出して、実行することによっても達成させる場合を含む。したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現させるためのナビゲーションプログラムも含む。
【0065】
このように、ユーザに与える不快感を軽減するように、残距離に応じた警告音による報知を行うナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することができる。
【0066】
また、上記実施の形態で説明した構成は、単に具体例を示すものであり、本願発明の技術的範囲を制限するものではない。本願の効果を奏する範囲において、任意の構成を採用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、現在位置から次の案内点までの残距離に応じた警告音を出力するナビゲーション装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施の形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図2】ナビゲーション装置における主要な処理の手順を示すフローチャート
【図3】移動体の現在位置までの残距離に対する音声案内の例を示した図
【図4】誘導案内処理の警告音の停止処理を示すフローチャート
【図5】警告音の停止判定に使用するトリガー情報と停止条件を示す図
【図6】(A)交差点形状と進入リンクのレーン情報を示す図(B)案内方向に対する進入すべきレーンを示す図
【図7】案内点のレーン情報のデータ構造を示す図
【図8】警告音停止判定処理の詳細を示すフローチャート
【図9】警告音の停止方法の選択処理におけるフローチャート
【図10】(A)推奨経路の道路ネットワークを示す図(B)別経路2の道路ネットワークを示す図(C)別経路3の道路ネットワークを示す図(D)実際に走行した経路の道路ネットワークを示す図
【図11】(A)走行履歴レコードの一例を示す図(B)経路情報Piの詳細を示した図(C)ノード情報を構造の一例を示す図(D)リンクのID配列の一例を示す図
【図12】同じ経路で誘導したかどうかの判定処理の詳細を示すフローチャート
【符号の説明】
【0069】
1 入力部
2 位置検出部
3 データ記憶部
4 演算処理部
5 出力部
11 警告音停止要求スイッチ
31 地図データベース
32 警告音ソース
33 走行履歴
41 警告音停止判定部
42 案内情報制御部
43 トリガー情報取得部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション装置であって、
移動体の走行状態であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得部と、
前記トリガー情報取得部が取得したトリガー情報に基づいて、前記警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定部と、
前記警告音停止判定部の判定結果に従って、前記警告音による報知を制御する報知制御部とを備える、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記警告音停止判定部は、移動体の移動速度が予め決められた値以下であることを示すトリガー情報を前記トリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記警告音停止判定部は、案内点からの距離が予め決められた値以下の区間において、移動体が曲がるべき交差点の適切なレーンに進入できなかったことを示すトリガー情報を前記トリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記警告音停止判定部は、車線変更禁止区間において、移動体が曲がるべき交差点の適切なレーンに進入できなかったことを示すトリガー情報を前記トリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記警告音停止判定部は、走行履歴を用いて、ユーザが経路誘導に従っていないことを示すトリガー情報を前記トリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション方法であって、
移動体の走行状態であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得ステップと、
前記トリガー情報取得ステップで取得したトリガー情報に基づいて、前記警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定ステップと、
前記警告音停止判定ステップの判定結果に従って、前記警告音による報知を制御する報知制御ステップとを備える、ナビゲーション方法。
【請求項7】
警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション装置のコンピュータで実行されるナビゲーションプログラムであって、
前記コンピュータに、
移動体の走行状態であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得ステップと、
前記トリガー情報取得ステップで取得したトリガー情報に基づいて、前記警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定ステップと、
前記警告音停止判定ステップの判定結果に従って、前記警告音による報知を制御する報知制御ステップとを実行させる、ナビゲーションプログラム。
【請求項1】
警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション装置であって、
移動体の走行状態であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得部と、
前記トリガー情報取得部が取得したトリガー情報に基づいて、前記警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定部と、
前記警告音停止判定部の判定結果に従って、前記警告音による報知を制御する報知制御部とを備える、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記警告音停止判定部は、移動体の移動速度が予め決められた値以下であることを示すトリガー情報を前記トリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記警告音停止判定部は、案内点からの距離が予め決められた値以下の区間において、移動体が曲がるべき交差点の適切なレーンに進入できなかったことを示すトリガー情報を前記トリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記警告音停止判定部は、車線変更禁止区間において、移動体が曲がるべき交差点の適切なレーンに進入できなかったことを示すトリガー情報を前記トリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記警告音停止判定部は、走行履歴を用いて、ユーザが経路誘導に従っていないことを示すトリガー情報を前記トリガー情報取得部が取得したとき、警告音による報知を停止すると判定することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション方法であって、
移動体の走行状態であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得ステップと、
前記トリガー情報取得ステップで取得したトリガー情報に基づいて、前記警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定ステップと、
前記警告音停止判定ステップの判定結果に従って、前記警告音による報知を制御する報知制御ステップとを備える、ナビゲーション方法。
【請求項7】
警告音を連続して報知することで移動体の現在位置から案内点までの距離をユーザに報知するナビゲーション装置のコンピュータで実行されるナビゲーションプログラムであって、
前記コンピュータに、
移動体の走行状態であるトリガー情報を取得するトリガー情報取得ステップと、
前記トリガー情報取得ステップで取得したトリガー情報に基づいて、前記警告音による報知を停止するか否かを判定する警告音停止判定ステップと、
前記警告音停止判定ステップの判定結果に従って、前記警告音による報知を制御する報知制御ステップとを実行させる、ナビゲーションプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−8600(P2009−8600A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172058(P2007−172058)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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