説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラム

【課題】巡回経路のコストに対する影響が大きい巡回地点を変更して経路を探索することができるナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】CPU41は、出発地から送迎する各メンバーの自宅位置を巡回して目的地に至る通常巡回経路のコストが、出発地から各巡回地点を経由しないで直接、目的地に至る基準経路から算出したコスト上限値を超える場合には、送迎する各メンバーの自宅位置のそれぞれについて、変更巡回経路探索処理のサブ処理を実行して、通常巡回経路のコストよりも低いコストの経路を探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を探索するナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、出発地から複数の巡回地点を巡回して目的地までの経路を探索する技術に関して種々提案されている。
例えば、出発地、目的地、及び各巡回地点を選択することにより、各巡回地点間の最小コスト経路を求める地点間経路計算処理を実行後、各巡回地点をどのような順序で通過するのが最適かを決定する巡回順序決定処理を実行する。そして、得られた巡回順序に従って地点間経路計算処理で求められた経路データをつなぎ合わせて、出発地から目的地までの一本の巡回経路を構成する巡回経路選出方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−91284号公報(段落(0053)〜(0155)、図1〜図36)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された巡回経路選出方法では、巡回地点としてグループメンバー全員の自宅を設定した場合に、出発地から遠いメンバーの自宅があったとしても、そのメンバーの自宅を通る巡回経路を選出する。このとき、当該メンバーの自宅を通ることによって巡回経路のコストが大きくなるという問題がある。
尚、コストとは、経路の出発地から目的地までの走行距離、又は、旅行時間をいう。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、巡回経路のコストに対する影響が大きい巡回地点を変更して経路を探索することができるナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係るナビゲーション装置は、地図情報を記憶する地図情報記憶手段(25)と、出発地と目的地と複数の巡回地点とを入力する地点入力手段(14)と、前記出発地から前記複数の巡回地点を巡回して前記目的地に至る巡回経路を前記地図情報に基づいて探索する巡回経路探索手段(13)と、前記複数の巡回地点を経由しないで、前記出発地から直接前記目的地に至る基準経路を前記地図情報に基づいて探索する基準経路探索手段(13)と、前記基準経路のコストに基づいて前記巡回経路のコスト上限値を設定する上限値設定手段(13)と、前記巡回経路のコストが前記コスト上限値を超える場合には、前記巡回地点毎に、当該巡回地点を変更した変更巡回地点を前記地図情報に基づいて検索する変更巡回地点検索手段(13)と、前記出発地から前記変更巡回地点と当該変更巡回地点に対応する巡回地点を除いた各巡回地点とを巡回して前記目的地に至る変更巡回経路を前記地図情報に基づいて探索する変更巡回経路探索手段(13)と、を備えたことを特徴とする。
尚、コストとは、経路の出発地から目的地までの走行距離、又は、旅行時間をいう。
【0006】
また、請求項2に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置(1)において、前記変更巡回経路のコストが前記巡回経路のコストよりも減少するか否かを判定するコスト判定手段(13)を備え、前記変更巡回経路のコストが前記巡回経路のコストよりも減少しない場合には、当該変更巡回経路を前記出発地から前記目的地に至る案内経路として選択しないことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係るナビゲーション装置は、請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置(1)において、前記変更巡回経路が複数個探索された場合には、当該複数個の変更巡回経路の中で最もコストの低い経路を前記出発地から前記目的地に至る案内経路として選択することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係るナビゲーション方法は、出発地と目的地と複数の巡回地点とを入力する地点入力工程と、前記出発地から前記複数の巡回地点を巡回して前記目的地に至る巡回経路を地図情報に基づいて探索する巡回経路探索工程と、前記複数の巡回地点を経由しないで、前記出発地から直接前記目的地に至る基準経路を地図情報に基づいて探索する基準経路探索工程と、前記基準経路探索工程で探索した基準経路のコストに基づいて前記巡回経路のコスト上限値を設定する上限値設定工程と、前記巡回経路探索工程で探索した巡回経路のコストが前記コスト上限値を超える場合には、前記巡回地点毎に、当該巡回地点を変更した変更巡回地点を地図情報に基づいて検索する変更巡回地点検索工程と、前記出発地から前記変更巡回地点と当該変更巡回地点に対応する巡回地点を除いた各巡回地点とを巡回して前記目的地に至る変更巡回経路を地図情報に基づいて探索する変更巡回経路探索工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
更に、請求項5に係るプログラムは、コンピュータに、出発地と目的地と複数の巡回地点とを入力する地点入力工程と、前記出発地から前記複数の巡回地点を巡回して前記目的地に至る巡回経路を地図情報に基づいて探索する巡回経路探索工程と、前記複数の巡回地点を経由しないで、前記出発地から直接前記目的地に至る基準経路を地図情報に基づいて探索する基準経路探索工程と、前記基準経路探索工程で探索した基準経路のコストに基づいて前記巡回経路のコスト上限値を設定する上限値設定工程と、前記巡回経路探索工程で探索した巡回経路のコストが前記コスト上限値を超える場合には、前記巡回地点毎に、当該巡回地点を変更した変更巡回地点を地図情報に基づいて検索する変更巡回地点検索工程と、前記出発地から前記変更巡回地点と当該変更巡回地点に対応する巡回地点を除いた各巡回地点とを巡回して前記目的地に至る変更巡回経路を地図情報に基づいて探索する変更巡回経路探索工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーション装置では、巡回経路のコストがコスト上限値を超えた場合には、巡回地点毎に、当該巡回地点を変更した変更巡回地点を検索し、出発地から変更巡回地点と、当該変更巡回地点に対応する巡回地点を除いた各巡回地点とを巡回して目的地に至る変更巡回経路を探索することが可能となる。このため、巡回経路のコストに対する影響の大きい巡回地点を変更して変更巡回経路を探索し、適切な巡回経路を案内することが可能となる。
【0011】
例えば、巡回地点として送迎のためのグループメンバー全員の自宅を設定した際に、出発地から遠いメンバーがいたとしても、巡回経路のコストが、コスト上限値を超えた場合には、当該メンバーの自宅位置を変更した変更巡回地点を検索することが可能となる。そして、出発地から変更巡回地点と他のメンバーの各自宅とを巡回して目的地に至る変更巡回経路を探索して、適切な巡回経路を案内することが可能となる。
【0012】
また、請求項2に係るナビゲーション装置では、変更巡回経路のコストが、巡回経路のコストよりも減少しない場合には、当該変更巡回経路を出発地から目的地に至る案内経路として選択しないため、巡回地点の変更によってコストが増加する経路を選択せず、巡回経路のコスト以下の案内経路を確実に選択することが可能となる。
【0013】
また、請求項3に係るナビゲーション装置では、巡回経路と複数個の変更巡回経路との中で最もコストの低い経路を出発地から目的地に至る案内経路として選択するため、ユーザに最もコストの低い案内経路による経路案内を行うことが可能となる。
【0014】
また、請求項4に係るナビゲーション方法では、巡回経路のコストがコスト上限値を超えた場合には、巡回地点毎に、当該巡回地点を変更した変更巡回地点を検索し、出発地から変更巡回地点と、当該変更巡回地点に対応する巡回地点を除いた各巡回地点とを巡回して目的地に至る変更巡回経路を探索することが可能となる。このため、巡回経路のコストに対する影響の大きい巡回地点を変更して変更巡回経路を探索し、適切な巡回経路を案内することが可能となる。
【0015】
更に、請求項5に係るプログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、巡回経路のコストがコスト上限値を超えた場合には、巡回地点毎に、当該巡回地点を変更した変更巡回地点を検索し、出発地から変更巡回地点と、当該変更巡回地点に対応する巡回地点を除いた各巡回地点とを巡回して目的地に至る変更巡回経路を探索することが可能となる。このため、コンピュータは、巡回経路のコストに対する影響の大きい巡回地点を変更して変更巡回経路を探索し、適切な巡回経路を案内することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラムを車載用ナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0017】
[車載用ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係る車載用ナビゲーション装置(以下、「ナビゲーション装置」という。)の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや地図情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17とから構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0018】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、現在の自車の位置、方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0019】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、時刻表データベース(時刻表DB)27及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0020】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。ここで、ナビ地図情報26は、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Pointof Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ、公共交通機関の路線に関する路線情報等から構成されている。また、店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、駅、空港、バス停、フェリー乗り場等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDとともに記憶されている。
また、地図情報DB25の内容は、不図示の地図情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0021】
ここで、特に地図表示データとしては、約10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。また、約10km×10kmで区画された各2次メッシュ(以下、「メッシュ」という。)には、各メッシュを識別するメッシュIDがそれぞれ付されている。
【0022】
また、探索データとしては、設定された目的地までの経路を周知のダイクストラ法等により探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、ノードを通過する際の右左折や道路を構成するリンクの距離、旅行時間、道幅、道路種別等によって決定される各ノードの重み付け(以下、「コスト」という。)を算出する為に使用するコストデータ、経路探索により選択された経路を液晶ディスプレイ25の地図上に表示するための経路表示データ等から構成されている。尚、本実施例では、コストとしてリンクの距離を採用し、探索された経路を評価するコストの一例として出発地から目的地までの走行距離を採用する。
【0023】
また、時刻表DB27には、鉄道、バス、地下鉄等の公共交通機関の各路線における最新の時刻表が格納されている。また、時刻表DB27の内容は、不図示の地図情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0024】
また、図1に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の複数の地点を巡回地点として、出発地から目的地までの巡回経路を設定する巡回経路設定処理のプログラム(図2参照)等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0025】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0026】
この操作部14は、案内開始地点としての出発地、巡回地点としての各メンバーの自宅位置及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。更に、液晶ディスプレイ15の前面部には、タッチパネルが設けられ、画面に表示されたボタンや地図上を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。
【0027】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から各巡回地点を経由して目的地に至る推奨経路、推奨経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0028】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、推奨経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0029】
また、通信装置17は、地図情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、地図情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報や各公共交通機関の最新の時刻表等の送受信を行う。また、通信装置17は地図情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報やサービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0030】
[巡回経路設定処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、複数の地点を巡回地点として、出発地から目的地までの巡回経路を設定する巡回経路設定処理をグループメンバー全員の自宅を巡回地点として、出発地から目的地までの送迎経路を設定する場合について実行した一例を図2乃至図5に基づいて説明する。
【0031】
図2は本実施例に係るナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、グループメンバー全員の自宅を巡回地点として、出発地から目的地までの送迎経路を設定する送迎経路設定処理を示すメインフローチャートである。
尚、図2にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により出発地、巡回地点としての各メンバーの自宅位置及び目的地を操作部14を介して入力された場合に実行される。
【0032】
図2に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、タッチパネル、操作スイッチ等の操作部14の入力操作等によって、出発地、巡回地点としての送迎する各メンバーの自宅位置及び目的地が入力された場合には、各座標位置(例えば、緯度と経度である。)をナビ地図情報26から取得してRAM42に記憶する。
【0033】
そして、S12において、CPU41は、出発地から各巡回地点を経由して目的地に至る最小コストの巡回経路、つまり、最短走行距離の巡回経路を公知の巡回経路探索方法(例えば、特開平3−191464号公報参照)により探索して、「通常巡回経路」としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、この通常巡回経路の出発地から目的地に至る走行距離を通常巡回経路のコスト(以下、「通常巡回コスト」という。)としてRAM42に記憶する。
【0034】
続いて、S13において、CPU41は、各巡回地点を経由しないで、出発地から直接目的地に至る経路をダイクストラ法等により探索して、「基準経路」としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、この基準経路の出発地から目的地に至る走行距離を基準経路のコスト(以下、「基準コスト」という。)として記憶する。そして、CPU41は、基準コストから「コスト上限値」を算出して、RAM42に記憶する。
【0035】
例えば、CPU41は、予めROM43に記憶されるコスト上限係数(例えば、「1.2」等である。)を基準コストに積算した値を「コスト上限値」として、RAM42に記憶する。
尚、CPU41は、予めROM43に記憶される最大加算コスト(例えば、「20km」等である。)を基準コストに加算した値を「コスト上限値」として、RAM42に記憶するようにしてもよい。
【0036】
ここで、通常巡回経路と基準経路の一例について図4に基づいて説明する。図4は通常巡回経路と基準経路の一例を示す説明図である。
図4に示すように、先ず、CPU41は、操作部14を介して、当該ナビゲーション装置1が搭載された6人乗りの車両2を所有するメンバー101の自宅101Aを出発地として入力される。また、CPU41は、操作部14を介して、他の5人の各メンバー102〜106の各自宅102A〜106Aを各巡回地点として入力される。そして、CPU41は、操作部14を介して、目的地107を入力された場合には、公知の巡回経路探索方法により自宅101Aから各自宅102A〜106Aを巡回して目的地107に至る通常巡回経路110を探索して、RAM42に記憶する。また、CPU41は、この通常巡回経路110の自宅101Aから目的地107に至る走行距離を「通常巡回コスト」として記憶する。
【0037】
また、CPU41は、ダイクストラ法等により各自宅102A〜106Aを経由しないで、自宅101Aから直接目的地107に至る基準経路112を探索して、RAM42に記憶する。また、CPU41は、この基準経路112の自宅101Aから目的地に至る走行距離を「基準コスト」としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、基準経路112の基準コストをRAM42から、再度読み出し、予めROM43に記憶されるコスト上限係数(例えば、「1.2」等である。)を当該基準コストに積算した値を「コスト上限値」として、RAM42に記憶する。
尚、CPU41は、予めROM43に記憶される最大加算コスト(例えば、「20km」等である。)を当該基準コストに加算した値を「コスト上限値」として、RAM42に記憶するようにしてもよい。
【0038】
続いて、図2に示すように、S14において、CPU41は、RAM42から通常巡回コストとコスト上限値とを読み出し、当該通常巡回コストがコスト上限値よりも大きいか否か、つまり、当該通常巡回コストがコスト上限値を超えるか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、当該通常巡回コストがコスト上限値を超えない場合には(S14:NO)、CPU41は、S15の処理に移行する。S15において、CPU41は、RAM42から通常巡回経路を読み出して、提示する「巡回経路」としてRAM42に再度記憶後、S22の処理に移行する。
【0039】
一方、当該通常巡回コストがコスト上限値を超える場合には(S14:YES)、CPU41は、S16の処理に移行する。S16において、CPU41は、巡回地点としての送迎する各メンバーの自宅位置の座標位置を、出発地から遠い順に抽出して、つまり、出発地の座標位置から各メンバーの自宅位置の座標位置までの道なり距離の長い順に抽出して、順番に「巡回地点」としてRAM42に記憶する。
尚、CPU41は、巡回地点としての送迎する各メンバーの自宅位置の座標位置を、出発地の座標位置から各メンバーの自宅位置の座標位置までの直線距離の長い順に抽出して、順番に「巡回地点」としてRAM42に記憶するようにしてもよい。
【0040】
続いて、S17において、CPU41は、上記S16で抽出して一番目に記憶した巡回地点から各巡回地点を順番に読み出し、つまり、出発地から最も遠い巡回地点から遠い順に各巡回地点を順番に読み出し、当該各巡回地点について、後述の通常巡回経路よりもコストが低い巡回経路を探索する「変更巡回経路探索処理」のサブ処理(図3参照)を実行する。
そして、上記S16で抽出した全巡回地点について、後述の「変更巡回経路探索処理」のサブ処理を実行した場合には、CPU41は、S18の処理に移行する。
【0041】
S18において、CPU41は、コストがコスト上限値以下の巡回経路である「候補巡回経路」があるか否か、つまり、「候補巡回経路」がRAM42に記憶されているか否かを判定する判定処理を実行する。そして、コストがコスト上限値以下の巡回経路である「候補巡回経路」がRAM42に記憶されている場合には(S18:YES)、CPU41は、S19の処理に移行する。
S19において、CPU41は、RAM42に記憶されている各「候補巡回経路」のコストを抽出して、各「候補巡回経路」の中から最もコストの低い「候補巡回経路」を選択して、当該「候補巡回経路」を提示する「巡回経路」としてRAM42に記憶後、S21の処理に移行する。
【0042】
一方、コストがコスト上限値以下の巡回経路である「候補巡回経路」がRAM42に記憶されていない場合には(S18:NO)、CPU41は、S20の処理に移行する。S20において、CPU41は、コストがコスト上限値を超えるが、通常巡回経路のコストよりも低い巡回経路である「予備巡回経路」があるか否か、つまり、「予備巡回経路」がRAM42に記憶されているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0043】
そして、コストがコスト上限値を超えるが、通常巡回経路のコストよりも低い巡回経路である「予備巡回経路」がRAM42に記憶されていない場合には(S20:NO)、CPU41は、上記S15の処理に移行する。
【0044】
一方、コストがコスト上限値を超えるが、通常巡回経路のコストよりも低い巡回経路である「予備巡回経路」がRAM42に記憶されている場合には(S20:YES)、CPU41は、上記S19の処理に移行する。S19において、CPU41は、RAM42に記憶されている各「予備巡回経路」のコストを抽出して、各「予備巡回経路」の中から最もコストの低い「予備巡回経路」を選択して、当該「予備巡回経路」を提示する「巡回経路」としてRAM42に記憶後、S21の処理に移行する。
【0045】
S21において、CPU41は、RAM42に記憶されている「巡回経路」を、出発地から各メンバーが途中で乗る巡回地点を経由して目的地に至る巡回経路として確定し、当該巡回経路を液晶ディスプレイ15に表示してユーザに案内経路として提示後、当該処理を終了する。
【0046】
[変更巡回経路探索処理]
次に、CPU41が上記S17において実行する「変更巡回経路探索処理」のサブ処理について図3に基づいて説明する。図3は図2の「変更巡回経路探索処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
図3に示すように、S111において、CPU41は、RAM42から読み出した巡回地点を中心とした所定範囲内(例えば、半径2km以内の範囲である。)における鉄道やバス、地下鉄等の公共交通機関の駅やバス停等の乗り場をナビ地図情報26から抽出して、これらを特定する施設IDをRAM42に記憶する。一方、CPU41は、RAM42から読み出した巡回地点を中心とした所定範囲内に公共交通機関の駅やバス停等の乗り場が無い場合には、これらを特定する施設IDをRAM42に記憶しない。
【0047】
続いて、S112において、CPU41は、当該巡回地点を中心とした所定範囲内に公共交通機関の駅やバス停等の乗り場があるか否か、つまり、公共交通機関の駅やバス停等を特定する施設IDをRAM42に記憶しているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、当該巡回地点を中心とした所定範囲内に公共交通機関の駅やバス停等の乗り場が無い場合、つまり、公共交通機関の駅やバス停等を特定する施設IDをRAM42に記憶していない場合には(S112:NO)、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0048】
一方、当該巡回地点を中心とした所定範囲内に公共交通機関の駅やバス停等の乗り場がある場合、つまり、公共交通機関の駅やバス停等を特定する施設IDをRAM42に記憶している場合には(S112:YES)、CPU41は、S113の処理に移行する。S113において、CPU41は、この公共交通機関の駅やバス停を利用して到達可能な送迎可能地点を時刻表DB27に記憶される各公共交通機関の時刻表とナビ地図情報26から検索する。
【0049】
具体的には、CPU41は、先ず、タイマ45から現在の時刻を取得する。そして、CPU41は、RAM42に記憶されている利用可能な公共交通機関について、公共交通機関の駅やバス停等を特定する施設IDを順番に読出し、それぞれについて、現在の時刻から当該巡回地点に到達する到達時刻を推定し、この到達時刻に基づいて当該駅やバス停等から乗ることが可能な路線上にあり、且つ、上記S13で探索した「基準経路」に最も近い距離で降りることが可能な駅やバス停等の乗り場を時刻表DB27に記憶される各公共交通機関の時刻表とナビ地図情報26とから検索する。
【0050】
例えば、CPU41は、当該駅やバス停等から乗ることが可能な路線上にあって、降りることが可能な駅やバス停の乗り場から上記S13で探索した「基準経路」に対して垂線を引き、当該垂線の距離が最も短いものを、「基準経路」に最も近い距離で降りることが可能な駅やバス停等の乗り場とする。
【0051】
そして、CPU41は、この各公共交通機関の時刻表とナビ地図情報26から検索した駅やバス停等の各乗り場を特定する施設IDと座標位置(例えば、緯度と経度である。)をナビ地図情報26から読み出し、それぞれを「送迎可能地点」としてRAM42に順次記憶する。
【0052】
続いて、CPU41は、RAM42から各「送迎可能地点」の座標位置を読み出し、それぞれの「基準経路」までの距離を算出して、当該距離の短い順に各「送迎可能地点」の施設IDと座標位置とを再度、RAM42に記憶する。そして、CPU41は、このRAM42に記憶した「送迎可能地点」から、一番目に記憶した送迎可能地点から各送迎可能地点を順番に読み出し、つまり、基準経路に最も近い送迎可能地点から近い順に各送迎可能地点を順番に読み出し、各送迎可能地点についてS114〜S118の処理を実行する。
【0053】
先ず、S114において、CPU41は、当該送迎可能地点とこの送迎可能地点に対応するメンバーを除いた他の送迎する各メンバーの自宅位置の座標位置をRAM42から読み出して、各巡回地点の座標位置として再度RAM42に記憶する。そして、CPU41は、出発地から当該各巡回地点を経由して目的地に至る最小コストの経路、つまり、最短走行距離の経路を公知の巡回経路探索方法(例えば、特開平3−191464号公報参照)により探索して、「送迎可能巡回経路」としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、この送迎可能巡回経路の出発地から目的地に至る走行距離を算出して、送迎可能巡回経路のコスト(以下、「送迎可能巡回コスト」という。)としてRAM42に記憶する。
【0054】
続いて、S115において、CPU41は、RAM42から送迎可能巡回コストと通常巡回コストとを読み出し、当該送迎可能巡回コストが通常巡回コストよりも減少しているか否か、即ち、当該送迎可能巡回コストが通常巡回コスト未満であるか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、当該送迎可能巡回コストが通常巡回コストよりも減少していない場合、即ち、当該送迎可能巡回コストが通常巡回コスト以上の場合には(S115:NO)、CPU41は、次の送迎可能地点をRAM42から読み出し、この次の送迎可能地点についてS114以降の処理を再度実行する。一方、次の送迎可能地点がRAM42に記憶されていない場合には、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0055】
一方、当該送迎可能巡回コストが通常巡回コストよりも減少している場合、即ち、当該送迎可能巡回コストが通常巡回コスト未満の場合には(S115:YES)、CPU41は、S116の処理に移行する。
S116において、CPU41は、RAM42から送迎可能巡回コストとコスト上限値とを読み出し、当該送迎可能巡回コストがコスト上限値以下か否かを判定する判定処理を実行する。
【0056】
そして、当該送迎可能巡回コストがコスト上限値以下の場合には(S116:YES)、CPU41は、S117の処理に移行する。S117において、CPU41は、当該送迎可能巡回経路をRAM42から読み出し、「候補巡回経路」としてRAM42に記憶する。その後、CPU41は、次の送迎可能地点をRAM42から読み出し、この次の送迎可能地点についてS114以降の処理を再度実行する。一方、次の送迎可能地点がRAM42に記憶されていない場合には、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0057】
一方、当該送迎可能巡回コストがコスト上限値より大きい場合には(S116:NO)、CPU41は、S118の処理に移行する。S118において、CPU41は、当該送迎可能巡回経路をRAM42から読み出し、「予備巡回経路」としてRAM42に記憶する。その後、CPU41は、次の送迎可能地点をRAM42から読み出し、この次の送迎可能地点についてS114以降の処理を再度実行する。一方、次の送迎可能地点がRAM42に記憶されていない場合には、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0058】
ここで、上記S114〜S118において、CPU41が探索した候補巡回経路と予備巡回経路の一例について図5に基づいて説明する。図5は候補巡回経路と予備巡回経路の一例を示す説明図である。
尚、図5においては、上記図4に示す各メンバー102〜106の中のメンバー106の自宅106Aについて、CPU41は、上記S111〜S113の処理を実行した結果、当該自宅106Aを中心とした半径約2km以内の範囲115において、鉄道117のX駅118とPバス停120とをナビ地図情報26から抽出する。
【0059】
また、CPU41は、現在時刻からX駅118に到達する到達時刻を推定し、この到達時刻に当該X駅118から乗車して降りることが可能な各駅から、基準経路112に垂線を引き、当該垂線の距離が最も短いY駅122を、時刻表DB27に記憶される各公共交通機関の時刻表とナビ地図情報26から検索する。また、CPU41は、現在時刻からPバス停120に到達する到達時刻を推定し、この到達時刻に当該Pバス停120から乗車して降りることが可能な各バス停から、基準経路112に垂線を引き、当該垂線の距離が最も短いQバス停124を、時刻表DB27に記憶される各公共交通機関の時刻表とナビ地図情報26から検索する。そして、CPU41は、この時刻表DB27に記憶される各公共交通機関の時刻表とナビ地図情報26から検索したY駅122とQバス停124のそれぞれを特定する施設IDと座標位置(例えば、緯度と経度である。)をナビ地図情報26から読み出し、それぞれを「送迎可能地点」としてRAM42に記憶した一例について説明する。
【0060】
図5に示すように、CPU41は、メンバー101の自宅101Aを出発地とし、各メンバー102〜105の各自宅102A〜105AとY駅122とを経由して目的地107に至る巡回経路を公知の巡回経路探索方法により探索して、「送迎可能巡回経路」としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、この「送迎可能巡回経路」のコスト、つまり、「送迎可能巡回コスト」を算出してRAM42に記憶する(S114)。
【0061】
そして、CPU41は、この送迎可能巡回コストと、通常巡回経路110のコストである通常巡回コストと、基準経路112のコストから計算したコスト上限値とをRAM42から読み出し、この送迎可能巡回コストがコスト上限値以下であるため、当該送迎可能巡回経路を候補巡回経路131としてRAM42に記憶する(S115:YES〜S116:YES〜S117)。
【0062】
また、CPU41は、メンバー101の自宅101Aを出発地とし、各メンバー102〜105の各自宅102A〜105AとQバス停124とを経由して目的地107に至る巡回経路を公知の巡回経路探索方法により探索して、「送迎可能巡回経路」としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、この「送迎可能巡回経路」のコスト、つまり、「送迎可能巡回コスト」を算出してRAM42に記憶する(S114)。
【0063】
そして、CPU41は、この送迎可能巡回コストと、通常巡回経路110のコストである通常巡回コストと、基準経路112のコストから計算したコスト上限値とをRAM42から読み出し、送迎可能巡回コストが通常巡回コストよりも低く、コスト上限値よりも大きいため、当該送迎可能巡回経路を予備巡回経路132としてRAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。(S115:YES〜S116:NO〜S118)。
【0064】
[上記実施例の効果]
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、巡回地点として送迎する各メンバーの自宅位置を設定した際に、出発地から遠いメンバーがいたとしても、CPU41は、通常巡回経路のコストが、コスト上限値を超えた場合には、当該メンバーの自宅位置から公共交通機関を使用して移動可能な「送迎可能地点」を検索することが可能となる。
【0065】
そして、CPU41は、当該送迎可能地点とこの送迎可能地点に対応するメンバーを除いた他の送迎する各メンバーの自宅位置を巡回地点として、出発地から当該各巡回地点を経由して目的地に至る、コスト上限値以下の候補巡回経路又は通常巡回経路よりもコストが減少した予備巡回経路を探索することが可能となる。このため、出発地から遠いメンバーがいたとしても、CPU41は、当該メンバーの送迎地点を公共交通機関を利用可能で基準経路に近い送迎地点に変更し、候補巡回経路又は予備巡回経路を探索して、コストの低い適切な巡回経路を案内することが可能となる。
【0066】
また、CPU41は、当該送迎可能地点とこの送迎可能地点に対応するメンバーを除いた他の送迎する各メンバーの自宅位置を巡回地点として、出発地から当該各巡回地点を経由して目的地に至る巡回経路のコストが通常巡回経路のコスト以上になる場合には、当該巡回経路を選択しないため、通常巡回経路のコスト以下の案内経路を確実に選択することが可能となる。
【0067】
また、CPU41は、通常巡回経路がコスト上限値を超える場合には、複数の候補巡回経路と予備巡回経路との中で最もコストの低い経路を出発地から目的地に至る案内経路として選択するため、最もコストの低い案内経路について経路案内を行うことが可能となる。
【0068】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0069】
(A)上記S113において、巡回地点を中心とした所定範囲内にある公共交通機関の駅やバス停等の乗り場から、乗り換えを行って「基準経路」に近い距離で降りることが可能な駅やバス停等を時刻表DB27に記憶される各公共交通機関の時刻表とナビ地図情報26とから検索して、送迎可能地点としてもよい。
【0070】
また、巡回地点を中心とした所定範囲内にある公共交通機関を使用する条件を指定するようにしてもよい。例えば、公共交通機関の特急や急行を利用するように指定してもよい。これにより、巡回地点を中心とした所定範囲内にある公共交通機関の駅やバス停等の乗り場から、特急や急行を利用して到達可能な「基準経路」に近い駅やバス停等を時刻表DB27に記憶される各公共交通機関の時刻表とナビ地図情報26とから検索して、送迎可能地点とすることができる。つまり、ユーザの希望に沿った条件で送迎可能地点を検索することが可能となる。
【0071】
(B)また、上記S113において、検索した送迎可能地点に対応するメンバーは、当該送迎可能地点や基準経路から所定距離以内(例えば、約500m以内である。)の施設や地点等(例えば、駐車場や他の路線の駅やバス停等、または、交差点等である。)まで、タクシーや自家用車で行くようにしてもよい。これにより、公共交通機関の運転時刻に拘束されず、自由な時刻に候補巡回経路又は予備巡回経路に従って送迎を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置のCPUが実行する処理であって、グループメンバー全員の自宅を巡回地点として、出発地から目的地までの送迎経路を設定する送迎経路設定処理を示すメインフローチャートである。
【図3】図2の「変更巡回経路探索処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図4】通常巡回経路と基準経路の一例を示す説明図である。
【図5】候補巡回経路と予備巡回経路の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0073】
1 ナビゲーション装置
11 現在地検出処理部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
14 操作部
15 液晶ディスプレイ
25 地図情報DB
26 ナビ地図情報
27 時刻表DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
101〜106 メンバー
101A〜106A 自宅
107 目的地
110 通常巡回経路
112 基準経路
131 候補巡回経路
132 予備巡回経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
出発地と目的地と複数の巡回地点とを入力する地点入力手段と、
前記出発地から前記複数の巡回地点を巡回して前記目的地に至る巡回経路を前記地図情報に基づいて探索する巡回経路探索手段と、
前記複数の巡回地点を経由しないで、前記出発地から直接前記目的地に至る基準経路を前記地図情報に基づいて探索する基準経路探索手段と、
前記基準経路のコストに基づいて前記巡回経路のコスト上限値を設定する上限値設定手段と、
前記巡回経路のコストが前記コスト上限値を超える場合には、前記巡回地点毎に、当該巡回地点を変更した変更巡回地点を前記地図情報に基づいて検索する変更巡回地点検索手段と、
前記出発地から前記変更巡回地点と当該変更巡回地点に対応する巡回地点を除いた各巡回地点とを巡回して前記目的地に至る変更巡回経路を前記地図情報に基づいて探索する変更巡回経路探索手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記変更巡回経路のコストが前記巡回経路のコストよりも減少するか否かを判定するコスト判定手段を備え、
前記変更巡回経路のコストが前記巡回経路のコストよりも減少しない場合には、当該変更巡回経路を前記出発地から前記目的地に至る案内経路として選択しないことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記変更巡回経路が複数個探索された場合には、当該複数個の変更巡回経路の中で最もコストの低い経路を前記出発地から前記目的地に至る案内経路として選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
出発地と目的地と複数の巡回地点とを入力する地点入力工程と、
前記出発地から前記複数の巡回地点を巡回して前記目的地に至る巡回経路を地図情報に基づいて探索する巡回経路探索工程と、
前記複数の巡回地点を経由しないで、前記出発地から直接前記目的地に至る基準経路を地図情報に基づいて探索する基準経路探索工程と、
前記基準経路探索工程で探索した基準経路のコストに基づいて前記巡回経路のコスト上限値を設定する上限値設定工程と、
前記巡回経路探索工程で探索した巡回経路のコストが前記コスト上限値を超える場合には、前記巡回地点毎に、当該巡回地点を変更した変更巡回地点を地図情報に基づいて検索する変更巡回地点検索工程と、
前記出発地から前記変更巡回地点と当該変更巡回地点に対応する巡回地点を除いた各巡回地点とを巡回して前記目的地に至る変更巡回経路を地図情報に基づいて探索する変更巡回経路探索工程と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項5】
コンピュータに、
出発地と目的地と複数の巡回地点とを入力する地点入力工程と、
前記出発地から前記複数の巡回地点を巡回して前記目的地に至る巡回経路を地図情報に基づいて探索する巡回経路探索工程と、
前記複数の巡回地点を経由しないで、前記出発地から直接前記目的地に至る基準経路を地図情報に基づいて探索する基準経路探索工程と、
前記基準経路探索工程で探索した基準経路のコストに基づいて前記巡回経路のコスト上限値を設定する上限値設定工程と、
前記巡回経路探索工程で探索した巡回経路のコストが前記コスト上限値を超える場合には、前記巡回地点毎に、当該巡回地点を変更した変更巡回地点を地図情報に基づいて検索する変更巡回地点検索工程と、
前記出発地から前記変更巡回地点と当該変更巡回地点に対応する巡回地点を除いた各巡回地点とを巡回して前記目的地に至る変更巡回経路を地図情報に基づいて探索する変更巡回経路探索工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−288183(P2009−288183A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143513(P2008−143513)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】