説明

ナビゲーション装置、方法及びプログラム

【課題】ドライバーが特定の電装品動作状態を知りたい場合、ドライバーがナビゲーション画面を一瞬見るだけで、知りたい特定の電装品動作状態を容易に認識することができるナビゲーション装置、方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】ナビゲーション画面の道路地図上に自車位置マークを表示するナビゲーション装置において、車載の外装ランプの動作の有無と動作状態を検出する外装ランプ動作検出手段(車両インタフェース部5)と、前記外装ランプ動作検出手段により外装ランプの動作が検出されると、前記自車位置マークに反映させて検出された特定の外装ランプ動作状態を表示する外装ランプ動作情報表示制御手段(図2のステップS1〜ステップS5)と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション画面に表示された自車位置マークを利用して外装ランプ動作情報などの電装品動作情報を表示する機能を付加したナビゲーション装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置としては、トンネル通過後、ライトを消し忘れた場合、そのことを知らせることを目的とし、自車位置を特定して表示する手段を有するとともに、トンネル通過後、一定距離走行してもライトが消されない場合、音声ガイダンスなどでドライバーに知らせる手段を有する付加情報部を備えたものが知られている。
ここで、付加情報部は、車両のライトのON/OFFを検知するライト検知部と、ドライバーがライトを消し忘れていないか判定する消し忘れ判定部と、ドライバーに有効な情報を音声で知らせる音声ガイダンス部と、を有する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−161967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のナビゲーション装置にあっては、ライトを消し忘れたときに報知する機能を有していても、ライトの動作状態をドライバーに知らせる機能はなく、ドライバーがライトの動作状態を知りたい場合には、スピードメータ周辺に配置されている灯類などを見るしかなかったため、ドライバーがライトの動作状態を認識するために、一瞬、この灯類による表示を見ただけでは、確認できないときがある、という問題があった。
【0004】
例えば、複数の外装ランプのうち、それぞれのランプに対応する表示灯は、スピードメータや燃料計やタコメータやその周辺部分に分散して配置されるというように、1箇所に集中して配置されていない。このため、特定の1つのランプ動作を確認しようとしてドライバーがスピードメータに目を移しても、そのランプ表示灯が、例えば、スピードメータ内に無く燃料計内等にあった場合には、特定の1つのランプの動作を確認できないことになる。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ドライバーが特定の電装品動作状態を知りたい場合、ドライバーがナビゲーション画面を一瞬見るだけで、知りたい特定の電装品動作状態を容易に認識することができるナビゲーション装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、目的地を設定すると、表示部に画面表示された道路地図上に、自車が存在する位置を自車位置マークにて表示し、自車の移動に応じて道路地図と自車位置マークとの位置関係を移動させながら目的地までの経路を案内するナビゲーション装置において、
車載の電装品の動作の有無と動作状態を検出する電装品動作検出手段と、
前記電装品動作検出手段により電装品の動作が検出されると、前記自車位置マークに反映させて検出された特定の電装品動作状態を表示する電装品動作情報表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
よって、本発明のナビゲーション装置にあっては、電装品動作検出手段において、車載の電装品の動作の有無と動作状態が検出されると、電装品動作情報表示制御手段において、表示部の道路地図上に表示した自車位置マークに反映させて検出された特定の電装品動作状態が表示される。
すなわち、ドライバーが特定の電装品動作状態を知りたい場合、スピードメータ周辺に分散して配置されている灯類のうち、特定の電装品動作を表示する表示灯がどれかを判別した上で、判別した表示灯の点灯や点滅を確認するというように、複雑な認識動作を行う必要が無く、ナビゲーション画面の自車位置マークの部分という1箇所に集約された表示を見るだけで良い。
この結果、ドライバーが特定の電装品動作状態を知りたい場合、ナビゲーション画面を一瞬見るだけで、ナビゲーション画面の自車位置マークに反映させて表示されている電装品動作状態により、知りたい特定の電装品動作状態を容易に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明のナビゲーション装置、方法及びプログラムを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1のナビゲーション装置、方法及びプログラムが採用されたナビゲーションシステムを示すシステムブロック図である。
【0010】
実施例1におけるナビゲーションシステムは、図1に示すように、入力情報を得る手段として、絶対位置・方位検出部1と、相対方位検出部2と、車速検出部3と、VICS情報受信部4と、車両インタフェース部5(電装品動作検出手段)と、を備えている。
前記絶対位置・方位検出部1は、本システムが搭載された自車の現在地、すなわち、自車位置について、地表での絶対位置座標や方位を計算するために、GPS衛星から送られてくる電波を、アンテナやレシーバなどで受信するための部分である。
なお、GPS(Global Positioning Systemの略称)とは、全世界測位システムのことであり、GPS衛星が、高度約21000kmの円軌道で地球を周回しながら電波を発信している。
前記相対方位検出部2は、ジャイロセンサ(角速度センサ)などを使って自車位置の相対的な方位を検出するための部分である。
前記車速検出部3は、自車位置の速度を計算するために、自車の車速センサにより得られる車速パルスを処理するための部分である。
前記VICS情報受信部4は、様々な交通情報を集約し、道路上に設置されたビーコンやFM多重放送によって最新の道路情報を受信するための部分である。
なお、VICS(Vehicle Information and Communication Systemの略称)とは、道路交通情報通信システムのことであり、各都道府県の警察署が収集した一般道路の情報と、道路公団が収集した高速道路の情報がVICSセンターに集約され、発信されている。
また、道路情報とは、渋滞情報(事故渋滞や自然渋滞など)だけではなく、速度規制情報や道路工事の案内情報なども含まれる。
前記車両インタフェース部5は、車載電装品からの各種車両信号による車両情報をメインCPU及びその周辺回路6に取り込むための部分である。
本システムでは、自車のライティングシステム(電装品)から外装ランプ動作信号を特定の車両信号とし、外装ランプ動作信号が入力された場合に外装ランプ動作時であると検出し、かつ、入力された外装ランプ動作信号の変化により外装ランプ動作状態を検出する。
前記外装ランプ動作信号とは、ウインカーランプ(方向指示灯)、ハザードランプ(非常点滅表示灯)、ヘッドランプ、テールランプ、ブレーキランプなどによる車両の外側に装備された外装ランプからのランプ動作信号をいう。
【0011】
実施例1におけるナビゲーションシステムは、図1に示すように、演算処理や記憶処理を行う手段として、メインCPU及びその周辺回路6と、記憶部7と、ディスク制御部8と、を備えている。
前記メインCPU及びその周辺回路6は、本ナビゲーションシステム全体を制御する制御回路の役割を果たす部分である。
前記記憶部7は、システム作業領域やプログラム収納などを行う部分であり、ROM7aと、DRAM7bと、SRAM7cと、VRAM7dと、を有する。
前記ROM7aは、BIOS(Basic Input/Output Systemの略称)やブートプログラムなどを予め格納し、本システムの起動時にメインCPU及びその周辺回路6によってアクセスされる。また、前記DRAM7bは、ワークエリアなどに使用される。また、前記SRAM7cは、不揮発性のメモリであり、自車のアクセサリ電源など本システムのメイン電源がオフになっている間も、電池などでバックアップされることでメモリ内容を保持するものである。また、前記VRAM7dは、後述する表示部10でビデオ表示を行うためのメモリである。
前記ディスク制御部8は、地図データなどを記憶するための手段であり、例えば、CD−ROMやDVD−ROMやハードディスクなどがある。
【0012】
実施例1におけるナビゲーションシステムは、図1に示すように、画面表示や入力操作を行う手段として、ユーザインターフェース部9と、表示部10と、入力部11と、を備えている。
前記ユーザインターフェース部9は、I/O制御回路や駆動回路などを使って、表示部10及び入力部11と、前記メインCPU及びその周辺回路6とを結ぶインターフェースである。
前記表示部10は、ドライバから視認しやすいインストルメントパネル位置などに設置され、道路地図や操作メニューなどの各種情報を液晶画面などにより表示するディスプレイ部分である。
前記入力部11は、ドライバがリモコンやタッチパネルなどを使って命令を本システムに入力するための部分である。
【0013】
実施例1におけるナビゲーションシステムは、図1に示すように、音声案内手段として、音声合成部12と、AMP部13と、スピーカ14と、を備えている。
前記音声合成部12は、音声案内を行うための音声を合成する部分である。
前記AMP部13は、音声案内用のスピーカ14を駆動するために合成された音声を増幅する部分である。
前記スピーカ14は、車室内に向けて配置され、AMP部13からの駆動信号により音声を発する部分である。
【0014】
図2は実施例1のナビゲーションシステムにて実行されるランプ動作情報表示処理、ランプ動作情報異常判定処理及び異常報知処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
なお、前記表示部10は、ランプ動作状態をあらわす車両情報を表示するか否かを選択する情報選択画面15を有する。この情報選択画面15は、図3に示すように、車両情報表示をする情報表示許可選択部15a(図3において「する」で表記した部分)と、車両情報表示をしない情報表示禁止選択部15b(図3において「しない」で表記した部分)と、を備えている。加えて、車両情報表示方法の選択肢として、自車位置マーク外に車両情報を表示するマーク外表示選択部15c(図3において「自車マーク表示」で表記した部分)と、自車位置マークを通常表示より大きく表示すると共に大きな自車位置マーク内に車両情報を表示するマーク内表示選択部15d(図3において「大きく表示」で表記した部分)と、を備えている。
【0015】
ステップS1では、車両インタフェース部5から取り込まれる車両信号のうち、特定の車両信号(ライティングシステムからの外装ランプ動作信号)の入力があるか否かの判断をし、YESの場合はステップS2へ移行し、NOの場合はエンドへ移行する。
【0016】
ステップS2では、ステップS1での特定の車両信号の入力があるとの判断に続き、情報選択画面15のメニューで情報表示許可選択部15aの選択操作により、表示するとなっているか否かを判断し、YESの場合はステップS3へ移行し、NOの場合はステップS6へ移行する。
【0017】
ステップS3では、ステップS2でのメニューで表示するになっているとの判断に続き、表示方法としては、マーク外表示選択部15cへのタッチ操作によるマーク外表示方法の選択時か、マーク内表示選択部15dへのタッチ操作によるマーク内表示方法の選択時か、の判断をし、マーク外表示方法の選択時にはステップS4へ移行し、マーク内表示方法の選択時にはステップS5へ移行する。
【0018】
ステップS4では、ステップS3でのマーク外表示方法の選択時であるとの判断に続き、自車位置マークAの外に外装ランプ動作情報を表示し(図4参照)、ステップS6へ移行する。
【0019】
ステップS5では、ステップS3でのマーク内表示方法の選択時であるとの判断に続き、自車位置マークAを通常表示より大きく表示すると共に大きな自車位置マークALの内に外装ランプ動作情報を表示し(図5参照)、ステップS6へ移行する。
ここで、表示部10に表示する自車位置マークAのデザインは、図4及び図5に示すように、車の形状とし、表示部10は、情報選択画面15によりマーク外表示選択部15cを選択すると、図4に示すように、車形状の自車位置マークAの外周位置に付した矢印(ウインカーランプの例)をランプ点滅に対応して点滅しているように描画し、情報選択画面15によりマーク内表示選択部15dを選択すると、図5に示すように、車形状の自車位置マークALでの実際のランプ位置に相当する角位置(ハザードランプの例)をランプ点滅に対応して点滅しているように描画する。
なお、ステップS1〜ステップS5は、電装品動作情報表示制御手段に相当する。
【0020】
ステップS6では、ステップS2でのメニューで表示するになっていない、あるいは、ステップS4またはステップS5での外装ランプ動作情報の表示に続き、外装ランプ動作情報が異常か否かを判定し、YESの場合はステップS7へ移行し、NOの場合はエンドへ移行する(電装品動作情報異常判定手段)。
ここで、外装ランプ動作情報の異常判定は、
・ウインカーランプを点滅させたままで長時間走行したときや、ある程度速度がある状態でハザードランプをつけたままで一定時間以上継続したときなどのように、外装ランプ動作が検出された後、正常時のランプ作動時間を超えて動作が継続したとき、
・ウインカーランプの点滅動作速度が正常時より速いときなどのように、外装ランプ動作状態が正常な状態ではないとき、
・ハザードランプをつけたままでアクセサリスイッチをオフにしたときなどのように、外装ランプの動作中に不都合な操作をしたとき、
などにおいて、外装ランプ動作情報が異常であると判定する。
【0021】
ステップS7では、ステップS6での外装ランプ動作情報が異常であるとの判定に続き、異常であることの確認メッセージを表示(ナビゲーション画面)や音声(スピーカ14)で知らせ、エンドへ移行する(異常報知手段)。
【0022】
次に、作用を説明する。
カーナビゲーションシステムや、車載コンピューティングシステムのナビゲーションソフトの基本性能は、道路地図を表示すること、その道路地図上に自車の位置を表示することである。
また、付随機能として、検索データベースを備え経路案内や施設の検索をしたり、道路地図上にリアルタイムの交通情報を表示したりと機能を追加しながら発展してきた。
【0023】
しかし、車両の電装品の動作状態をわかりやすく表示し、ドライバーに認識されるものはなく、単に、トンネル通過後、ライトを消し忘れた場合、そのことを知らせることを目的とし、トンネル通過後、一定距離走行してもライトが消されない場合、音声ガイダンスなどでドライバーに知らせる手段を有する付加情報部を備えたものが知られているだけである(特開2000−161967号公報)。
【0024】
つまり、従来のナビゲーション装置においても、ドライバーがライトの動作状態を知りたい場合には、スピードメータ周辺に配置されている灯類などを見るしかなかったため、ドライバーがライトの動作状態を認識するために、一瞬、この灯類による表示を見ただけでは、確認できないときがあった。
【0025】
例えば、スピードメータ内にフロントフォグランプ表示灯があり、燃料計内にテールランプ表示灯があり、タコメータとスピードメータとの間の位置にターンシグナル表示灯やハイビーム表示灯があるというように、各ランプの表示灯は1箇所に集中して配置されていない。このため、仮にテールランプの表示を確認しようとしてドライバーがスピードメータに目を移しても、テールランプ表示灯は燃料計内にあり、スピードメータ内にはテールランプ表示灯が無く、テールランプの動作を確認できないことになる。
【0026】
これに対し、実施例1のナビゲーション装置では、ドライバーが特定の外装ランプの動作状態を知りたい場合、ドライバーがナビゲーション画面を一瞬見るだけで、知りたい特定の外装ランプの動作状態を容易に認識することができるようにした。
【0027】
すなわち、ナビゲーション画面には自車位置マークが表示され、ナビゲーションを使っての走行中、ドライバーはナビゲーション画面の自車位置マークに目を移す点に着目し、車載の外装ランプの動作の有無と動作状態を検出し、外装ランプの動作が検出されると、自車位置マークに反映させて検出された特定の外装ランプの動作状態を表示する手段を採用した。
【0028】
したがって、ドライバーが特定の外装ランプの動作状態を知りたい場合、スピードメータ周辺に分散して配置されている灯類のうち、特定の外装ランプの動作を表示する表示灯がどれかを判別した上で、判別した表示灯の点灯や点滅を確認するというように、複雑な認識動作を行う必要が無く、ナビゲーション画面の自車位置マークという1箇所に集約された表示を見るだけで良い。
【0029】
この結果、ドライバーが特定の外装ランプ動作状態を知りたい場合、ナビゲーション画面を一瞬見るだけで、ナビゲーション画面の自車位置マークに反映させて表示されている外装ランプ動作状態により、知りたい特定の外装ランプ動作状態を容易に認識することができる。
以下、実施例1での外装ランプの動作情報表示制御作用及び外装ランプの動作異常報知作用について説明する。
【0030】
[外装ランプの動作情報表示制御作用]
まず、車両インタフェース部5から取り込まれる車両信号のうち、特定の車両信号(ライティングシステムからの外装ランプ動作信号)の入力がない場合には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→エンドへと進む流れとなり、直前までナビゲーション画面の自車位置マークに対し外装ランプの動作表示がされていた場合には、外装ランプの動作表示が無くなり、「表示有り」から「表示無し」へと切り替わることにより、表示されていた特定の外装ランプの点灯動作あるいは点滅動作が終了したことをドライバーに認識させる。また、特定の車両信号の入力がない状態が継続している場合は、外装ランプの動作表示が無いままとなり、「表示無し」により全ての外装ランプが消灯状態であることをドライバーに認識させる。
【0031】
次に、ライティングシステムからの外装ランプ動作信号の入力が有り、表示部10の情報選択画面15を開いたユーザーが、メニューの中から、情報表示許可選択部15aとマーク外表示選択部15cとを選択した場合には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、ステップS4では、自車位置マークAの外に外装ランプ動作情報が表示される。
例えば、ウインカーランプの動作信号が入力された場合には、図4に示すように、デザインを車の形状とした自車位置マークAの外周位置に付した矢印をランプ点滅に対応して点滅しているように描画されることで、ドライバーがウインカーランプの動作を知りたいとき、ナビゲーション画面を一瞬見るだけで、ウインカーランプ動作状態を容易に認識することができる。
【0032】
次に、ライティングシステムからの外装ランプ動作信号の入力が有り、表示部10の情報選択画面15を開いたユーザーが、メニューの中から、情報表示許可選択部15aとマーク内表示選択部15dとを選択した場合には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5へと進み、ステップS5では、自車位置マークAを通常表示より大きく表示すると共に大きな自車位置マークALの内に外装ランプ動作情報が表示される。
例えば、ハザードランプの動作信号が入力された場合には、図5に示すように、デザインを車の形状とした自車位置マークALでの実際のランプ位置に相当する角位置をランプ点滅に対応して点滅しているように描画されることで、ドライバーがハザードランプの動作を知りたいとき、ナビゲーション画面を一瞬見るだけで、ハザードランプ動作状態を容易に認識することができる。
【0033】
[外装ランプの動作異常報知作用]
ライティングシステムからの外装ランプ動作信号の入力が有り、表示部10の情報選択画面15を開いたユーザーが、メニューの中から、情報表示禁止選択部15bを選択した場合には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS6へと進む。
また、ライティングシステムからの外装ランプ動作信号の入力が有り、表示部10の情報選択画面15を開いたユーザーが、メニューの中から、情報表示許可選択部15aとマーク外表示選択部15cとを選択した場合には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6へと進む。
さらに、ライティングシステムからの外装ランプ動作信号の入力が有り、表示部10の情報選択画面15を開いたユーザーが、メニューの中から、情報表示許可選択部15aとマーク内表示選択部15dとを選択した場合には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5→ステップS6へと進む。
【0034】
つまり、ライティングシステムからの外装ランプ動作信号の入力が有る場合、動作状態の表示の有無にかかわらず、ステップS6へと進み、ステップS6では、外装ランプ動作情報が異常であるか否かが判定される。そして、外装ランプ動作情報が正常である場合は、そのままエンドへ進むが、異常であると判定された場合には、ステップS7へ進み、ステップS7では、ドライバーに対し異常であることを確認メッセージの表示(ナビゲーション画面)や音声(スピーカ14)で知らせる。
【0035】
例えば、
・ハザードランプやウインカーランプの回路系が故障により作動したままで長い時間走行するとき、
・ウインカーランプは、車両が方向を変えてハンドルを戻したときに構造的に止まるようにできている。しかし、直進しているときのレーン変更の場合などは、この機構が働かず、方向指示対象がないのにウインカーランプが作動し続けるとき、
・速度がある程度ある状況で、一定時間以上ハザードランプが作動し続けているとき、
・ハザードランプを作動させたままでアクセサリスイッチをオフにしたとき、
・ウインカーランプの点滅動作の速さが速いとき、
などにおいて、ドライバーに対し特定の外装ランプが異常であると注意を促すことができる。
【0036】
特に、車外の照度変化によりヘッドランプなどの点灯や消灯を自動制御するオートライトシステムを搭載した車両では、本来、自動的に消灯するため、気にする必要はないのであるが、自動的な消灯制御が働かず、点灯したままとなることがある。このような場合、異常であることをドライバーに報知することで、手動による消灯操作を促すことができるし、早期にシステム故障への対応(修理)を促すことができる。
【0037】
次に、効果を説明する。
実施例1のナビゲーション装置、方法及びプログラムにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0038】
(1) 目的地を設定すると、表示部10に画面表示された道路地図上に、自車が存在する位置を自車位置マークにて表示し、自車の移動に応じて道路地図と自車位置マークとの位置関係を移動させながら目的地までの経路を案内するナビゲーション装置において、車載の外装ランプの動作の有無と動作状態を検出する外装ランプ動作検出手段(車両インタフェース部5)と、前記外装ランプ動作検出手段により外装ランプの動作が検出されると、前記自車位置マークに反映させて検出された特定の外装ランプ動作状態を表示する外装ランプ動作情報表示制御手段(図2のステップS1〜ステップS5)と、を備えたため、ドライバーが特定の外装ランプ動作状態を知りたい場合、ドライバーがナビゲーション画面を一瞬見るだけで、知りたい特定の外装ランプ動作状態を容易に認識し得るナビゲーション装置を提供することができる。
【0039】
(2) 前記外装ランプ動作検出手段(車両インタフェース部5)は、自車のライティングシステムから外装ランプ動作信号が入力された場合に外装ランプ動作時であると検出し、かつ、入力された外装ランプ動作信号の変化により外装ランプ動作状態を検出するため、外装ランプ動作信号の入力と変化により、容易に外装ランプの動作の有無と動作状態を検出することができる。
【0040】
(3) 前記表示部10は、外装ランプ動作状態をあらわす車両情報を表示するか否かを選択する情報選択画面15を有し、前記情報選択画面15は、車両情報表示方法の選択肢として、自車位置マークAの外に車両情報を表示するマーク外表示選択部15cと、自車位置マークを通常表示より大きく表示すると共に大きな自車位置マークALの内に車両情報を表示するマーク内表示選択部15dと、を備えているため、外装ランプ動作情報の表示の有無という選択自由度を持たせることができると共に、表示方法としてマーク外表示とマーク内表示との選択自由度を持たせることができる。
(4) 前記情報選択画面15により外装ランプ動作状態をあらわす車両情報を表示する選択をすると前記表示部10に表示する自車位置マークAのデザインを車の形状とし、前記表示部は、前記情報選択画面15によりマーク外表示選択部15cを選択すると、車形状の自車位置マークAの外周位置に付した印を点灯あるいは点滅しているように描画し、前記情報選択画面15によりマーク内表示選択部15dを選択すると、車形状の自車位置マークALでの実際のランプ位置に相当する位置を点灯あるいは点滅しているように描画するため、例えば、自車位置マークを三角マークなどで表す場合に比べ、車両のどの位置に装備されている外装ランプであるかが一目瞭然となり、外装ランプの種別を特定する視認性を高めることができる。
(5) 前記外装ランプ動作検出手段(車両インタフェース部5)により外装ランプの動作が検出された後、正常時の作動時間を超えて動作が継続したとき、または、動作状態が正常な状態ではないとき、または、外装ランプの動作中に不都合な操作をしたとき、外装ランプ動作情報が異常であると判定する外装ランプ動作情報異常判定手段(ステップS6)と、前記外装ランプ動作情報異常判定手段により外装ランプ動作情報が異常であると判定された場合、異常であることの確認メッセージを表示や音声で知らせる異常報知手段(ステップS7)と、を備えたため、自動的な消灯制御が働かない場合などのように、入力した外装ランプの動作情報が異常である場合、早期にドライバーに対し特定の外装ランプが異常であると注意を促すことができる。
【0041】
(6) 目的地を設定すると、表示部10に画面表示された道路地図上に、自車が存在する位置を自車位置マークにて表示し、自車の移動に応じて道路地図と自車位置マークとの位置関係を移動させながら目的地までの経路を案内するナビゲーション方法において、車載の外装ランプの動作の有無と動作状態を検出する外装ランプ動作検出手順と、前記外装ランプ動作検出手順により外装ランプの動作が検出されると、前記自車位置マークに反映させて検出された特定の外装ランプの動作状態を表示する外装ランプ動作情報表示制御手順と、を備えたため、ドライバーが特定の外装ランプ動作状態を知りたい場合、ドライバーがナビゲーション画面を一瞬見るだけで、知りたい特定の外装ランプ動作状態を容易に認識し得るナビゲーション方法を提供することができる。
【0042】
(7) 目的地を設定すると、表示部10に画面表示された道路地図上に、自車が存在する位置を自車位置マークにて表示し、自車の移動に応じて道路地図と自車位置マークとの位置関係を移動させながら目的地までの経路を案内するナビゲーションコンピュータのプログラムに、車載の外装ランプの動作の有無と動作状態を検出する外装ランプ動作検出機能と、前記外装ランプ動作検出機能により外装ランプの動作が検出されると、前記自車位置マークに反映させて検出された特定の外装ランプ動作状態を表示する外装ランプ動作情報表示制御機能と、を持たせたため、ドライバーが特定の外装ランプ動作状態を知りたい場合、ドライバーがナビゲーション画面を一瞬見るだけで、知りたい特定の外装ランプ動作状態を容易に認識し得るナビゲーションプログラムを提供することができる。
【0043】
以上、本発明のナビゲーション装置、方法及びプログラムを実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加などは許容される。
【0044】
実施例1では、動作情報を表示する電装品として、ライティングシステムの外装ランプとする例を示したが、本発明の適用対象とする電装品としてはライティングシステムの外装ランプのみに限られるものではなく、ワイパー、ウォッシャー、ホーン、LANシステム、オーディオビジュアルシステムなど、車載された様々な電装品にも適用することができる。
【0045】
実施例1では、外装ランプ動作状態をあらわす車両情報を表示するか否かを選択する情報選択画面を有し、この情報選択画面は、車両情報表示方法の選択肢として、自車位置マーク外に車両情報を表示するマーク外表示選択部と、自車位置マークを通常表示より大きく表示すると共に大きな自車位置マーク内に車両情報を表示するマーク内表示選択部と、を備え、表示無しモードとマーク外表示モードとマーク内表示モードとの3つのモードから選択できる選択自由度の高い好ましい例を示した。
しかし、車両情報を表示するか否かの選択画面のみを持ち、車両情報を表示するという選択をした場合には、マーク外表示モードまたはマーク内表示モードのうち、何れか1つの表示モードとなる例としても良い。また、情報選択画面が無く、ナビゲーションシステムを使用すると、所定の表示モードにより車両情報を必ず表示する例としても良い。さらに、車形状にデザインされた自車位置マークを、例えば、ナビゲーション画面全体までに大きく拡大する選択部を有する選択画面を持ち、この画面が選択された場合には、実際の電装品が装備されている自車位置マークの位置に電装品の動作状態を表示するようにしても良い。要するに、電装品動作検出手段と、電装品動作情報表示制御手段とを有するものであれば、具体的構成は、実施例1に限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施例1のナビゲーション装置、方法及びプログラムが採用されたナビゲーションシステムを示すシステムブロック図である。
【図2】実施例1のナビゲーションシステムにて実行されるランプ動作情報表示処理、ランプ動作情報異常判定処理及び異常報知処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】実施例1のナビゲーションシステムの表示部に有する情報選択画面の一例を示す正面図である。
【図4】実施例1のナビゲーションシステムの表示部に表示された車形状の自車位置マークの外周部の矢印によりウインカーランプの点滅動作状態を表示しているナビゲーション画面の一例を示す正面図である。
【図5】実施例1のナビゲーションシステムの表示部に表示された大きくした車形状の自車位置マークの内部のランプ装着部分によりハザードランプの点滅動作状態を表示しているナビゲーション画面の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 絶対位置・方位検出部
2 相対方位検出部
3 車速検出部
4 VICS情報受信部
5 車両インタフェース(I/F)部(電装品動作検出手段)
6 メインCPU及びその周辺回路
7 記憶部
8 ディスク制御部
9 ユーザインターフェース部
10 表示部
11 入力部
12 音声合成部
13 AMP部
14 スピーカ
15 情報選択画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を設定すると、表示部に画面表示された道路地図上に、自車が存在する位置を自車位置マークにて表示し、自車の移動に応じて道路地図と自車位置マークとの位置関係を移動させながら目的地までの経路を案内するナビゲーション装置において、
車載の電装品の動作の有無と動作状態を検出する電装品動作検出手段と、
前記電装品動作検出手段により電装品の動作が検出されると、前記自車位置マークに反映させて検出された特定の電装品動作状態を表示する電装品動作情報表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたナビゲーション装置において、
前記電装品動作検出手段は、自車のライティングシステムから外装ランプ動作信号が入力された場合に外装ランプ動作時であると検出し、かつ、入力された外装ランプ動作信号の変化により外装ランプ動作状態を検出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載されたナビゲーション装置において、
前記表示部は、電装品動作状態をあらわす車両情報を表示するか否かを選択する情報選択画面を有し、
前記情報選択画面は、車両情報表示方法の選択肢として、自車位置マーク外に車両情報を表示するマーク外表示選択部と、自車位置マークを通常表示より大きく表示すると共に大きな自車位置マーク内に車両情報を表示するマーク内表示選択部と、を備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたナビゲーション装置において、
前記情報選択画面により電装品動作状態をあらわす車両情報を表示する選択をすると前記表示部に表示する自車位置マークのデザインを車の形状とし、
前記表示部は、前記情報選択画面によりマーク外表示選択部を選択すると、車形状の自車位置マークの外周位置に付した印を点灯あるいは点滅しているように描画し、前記情報選択画面によりマーク内表示選択部を選択すると、車形状の自車位置マークでの実際のランプ位置に相当する位置を点灯あるいは点滅しているように描画することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載されたナビゲーション装置において、
前記電装品動作検出手段により電装品動作が検出された後、正常時の作動時間を超えて動作が継続したとき、または、動作状態が正常な状態ではないとき、または、電装品の動作中に不都合な操作をしたとき、電装品動作情報が異常であると判定する電装品動作情報異常判定手段と、
前記電装品動作情報異常判定手段により電装品動作情報が異常であると判定された場合、異常であることの確認メッセージを表示や音声で知らせる異常報知手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
目的地を設定すると、表示部に画面表示された道路地図上に、自車が存在する位置を自車位置マークにて表示し、自車の移動に応じて道路地図と自車位置マークとの位置関係を移動させながら目的地までの経路を案内するナビゲーション方法において、
車載の電装品の動作の有無と動作状態を検出する電装品動作検出手順と、
前記電装品動作検出手順により電装品の動作が検出されると、前記自車位置マークに反映させて検出された特定の電装品動作状態を表示する電装品動作情報表示制御手順と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項7】
目的地を設定すると、表示部に画面表示された道路地図上に、自車が存在する位置を自車位置マークにて表示し、自車の移動に応じて道路地図と自車位置マークとの位置関係を移動させながら目的地までの経路を案内するナビゲーションコンピュータのプログラムに、
車載の電装品の動作の有無と動作状態を検出する電装品動作検出機能と、
前記電装品動作検出機能により電装品の動作が検出されると、前記自車位置マークに反映させて検出された特定の電装品動作状態を表示する電装品動作情報表示制御機能と、
を持たせたことを特徴とするナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−32603(P2008−32603A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−207794(P2006−207794)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】