説明

ナビゲーション装置およびプログラム

【課題】 車両への風の影響を勘案して誘導経路算出を行うナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 ナビゲーション装置は、取得した積荷の画像(ステップ105)および積荷の荷重の偏り(ステップ110)等に基づいて、風向毎の自車両の許容風力を特定する(ステップ120)。さらに、現在の誘導経路およびその周辺の各道路の風力・風向データを取得し(ステップ125)、特定した許容風力に鑑みて現在の誘導経路が安全であるか否かを判定する(ステップ130)。安全でないと判定すれば、特定した許容風力に鑑みて安全であるような目的地までの他の経路があるか否かを判定し(ステップ140)、あると判定すればその経路の1つを新たな誘導経路とし(ステップ150)、ないと判定すれば、特定した許容風力に鑑みて最も安全度の高い経路を新たな誘導経路として算出する(ステップ160)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各道路における風力データに基づいて目的地までの誘導経路を算出するためのナビゲーション装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的地までの誘導経路を算出し、その算出した経路の案内を行うナビゲーション装置として、種々のものが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このようなナビゲーション装置が、車両が横風に強くあおられるような経路を誘導経路として算出し、案内することは必ずしも好ましくない。
【0004】
本発明は上記点に鑑み、車両への風の影響を勘案して誘導経路算出を行うナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、複数の道路のそれぞれにおける風力データを取得する風力データ取得手段と、前記風力データ取得手段が取得した前記風力データに基づいて、目的地までの誘導経路を、自車両への風の影響が軽減される経路がより誘導経路になりやすい方法で、誘導経路を特定する経路特定手段と、前記経路特定手段が特定した誘導経路の案内を行う案内手段と、を備えたナビゲーション装置である。
【0006】
このようになっているので、ナビゲーション装置は、各道路における風力データに基づいて、自車両への風の影響がより軽減されるような誘導経路を特定し、その誘導経路の案内を行うことで、車両への風の影響を勘案した誘導経路特定を行うことができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、自車両の積荷の積載状態を検出する積載状態検出手段を備え、前記経路特定手段は、前記風力データ取得手段が取得した前記風力データおよび前記積載状態検出手段が検出した前記積載状態に基づいて、目的地までの誘導経路を特定することを特徴とする。
【0008】
このようになっているので、ナビゲーション装置は、各道路における風力データおよび自車両の積載状態に基づいて、自車両への風の影響が軽減されるような誘導経路を特定し、その誘導経路の案内を行うことで、積荷の積載状態に応じた車両への風の影響を勘案して誘導経路特定を行うことができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、前記風力データ取得手段は、さらに各道路における風向データを取得し、前記経路特定手段は、前記風力データ取得手段が取得した前記風力データおよび前記風向データに基づいて、目的地までの誘導経路を特定することを特徴とする。
【0010】
このようになっているので、ナビゲーション装置は、各道路における風力データおよび風向データに基づいて、自車両への風の影響が軽減されるような誘導経路を特定し、その誘導経路の案内を行うことで、車両への風の影響を勘案したよりきめ細かい誘導経路特定を行うことができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記風力データ取得手段は、さらに各道路における風向データを取得し、前記積載状態検出手段は、自車両の積荷の、各方向からの風による影響度に関するデータ(以下方向別影響度データという)を取得し、前記経路特定手段は、前記風力データ取得手段が取得した前記風力データ、前記風力データ取得手段が取得した前記風向データ、および前記積載状態検出手段が取得した前記方向別影響度データに基づいて、目的地までの誘導経路を特定することを特徴とする。
【0012】
このようになっているので、ナビゲーション装置は、各道路における風力データおよび風向データ、ならびに積荷の方向別影響度データに基づいて、自車両への風の影響が軽減されるような誘導経路を特定し、その誘導経路の案内を行うことで、積荷の積載状態に応じた車両への風の影響を勘案した、より細かい誘導経路特定を行うことができる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、複数の道路のそれぞれにおける風力データを取得する風力データ取得手段、前記風力データ取得手段が取得した前記風力データに基づいて、目的地までの誘導経路を、自車両への風の影響が軽減される経路がより誘導経路になりやすい方法で、誘導経路を特定する経路特定手段、および、前記経路特定手段が特定した誘導経路の案内を行う案内手段として、コンピュータを機能させるプログラムである。このように、本発明はプログラムとしても捉えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。本実施形態の車両用ナビゲーション装置1は、自車両の積荷の積載状態等に基づいて、自車両が受ける風からの影響を軽減するよう、誘導経路を算出するようになっている。この車両用ナビゲーション装置1は、通信回路10、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13、スピーカ14、カメラ15、RAM16、ROM17、外部記憶媒体18、荷重センサ19、および制御回路20を有している。
【0015】
通信回路10は、図示しないアンテナが無線受信した信号に対して増幅、周波数変換、復調、A/D変換等、所定の無線通信プロトコルに従った処理を施し、その結果を制御回路20に出力する。本実施形態において、通信回路10が制御回路20に出力するデータは路側機やFM放送局から送信された無線信号中に含まれる、風力・風向データ(風力データおよび風向データに相当する)である。風力・風向データは、各地に設置された風速、風向センサが取得したデータに基づいて生成された、その生成時刻における地域別、または道路別の風力および風向を示すリアルタイムデータである。風力の値としては、風速そのものや、複数に区切られた風速範囲のどの区分に現在の風速が属するかを示す風力レベル(例えば風力レベル1、2、3等)を用いる。風向の値としては、北風、南風、南南西の風等を用いる。通信回路10は、この風力・風向データを定期的に受信し、制御回路20に出力する。
【0016】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路20に出力する。
【0017】
操作スイッチ群12は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置13の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路20に出力する。
【0018】
画像表示装置13は、制御回路20から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0019】
カメラ15は、自車両の積荷のほぼ全体を撮影し、その撮影データを制御回路20に出力する。図2に、車両2におけるカメラ15の搭載位置を示す。車両2のようなセダンタイプの車両の場合、風を受けるような積荷は、積載物3の様に、車両2の天井部に設置されることが多い。したがって、カメラ15は、車両2の先端部に取り付けられ、この天井部を撮影するようになっている。このようになっていることで、カメラ15は、積載物3のほぼ全体像を撮影することができる。またカメラ15は、車両2他の位置にも取り付けられ、積荷を車両前方以外の角度からも撮影し、その撮影画像を制御回路20に出力するようになっている。
【0020】
また図3に、車両4におけるカメラ15の搭載位置を示す。車両4のようなトラックの場合、風を受けるような積荷は、積載物5の様に、車両2の後部荷台に設置されることがほとんどである。したがって、カメラ15は、車両4の座席部の後部に取り付けられ、この荷台を広角で撮影するようになっている。このようになっていることで、カメラ15は、積載物3の全体像を撮影することができる。
【0021】
外部記憶媒体18は、HDD等の不揮発性の記憶媒体であり、制御回路20が読み出して実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0022】
地図データは、道路片(リンク)および交差点(ノード)の位置、種別、交差点と道路片との接続関係情報等を含む道路データ、および施設データを有している。施設データは、施設毎のエントリを複数有しており、各エントリは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、施設種類情報等を示すデータを有している。また、本実施形態の地図データは、道路毎または地域毎の代表的風力・風向データを有している。
【0023】
荷重センサ19は、積荷が車両に及ぼす荷重の偏りを検出するためのセンサである。図4に、この荷重センサ19の車両6への搭載位置を示すための、車両6の上面図を示す。車両6はトラックであり、車両6の荷台7の底部四隅には、それぞれ荷重センサ19が設けられている。それぞれの荷重センサは、荷台のその位置において、荷台を支える車体にかかる荷重を検出し、その検出データ、すなわち荷重データを制御回路20に出力する。
【0024】
制御回路(コンピュータに相当する)20は、ROM17および外部記憶媒体18から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM16、ROM17、および外部記憶媒体18から情報を読み出し、RAM16および外部記憶媒体18に対して情報の書き込みを行い、通信回路10、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13およびスピーカ14と信号の授受を行う。
【0025】
制御回路20がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、誘導経路探索処理、経路案内処理、風力・風向データ更新処理等がある。
【0026】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
【0027】
誘導経路探索処理は、操作スイッチ群12からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。
【0028】
経路案内処理は、外部記憶媒体18から地図データを読み出し、算出された誘導経路、目的地、経由地および現在位置等をこの地図データの示す地図上に重ねた画像を、画像表示装置13に出力し、案内交差点の手前に自車両が到達した等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声信号をスピーカ14に出力する処理である。
【0029】
風力・風向データ更新処理は、通信回路10から風力・風向データを受けると、その風力・風向データを最新の風力・風向データとしてRAM16に記録する処理である。
【0030】
また、制御回路20は、経路案内処理が行われているときに、プログラム100を定期的に繰り返し実行するようになっている。制御回路20は、このプログラム100の実行において、まずステップ105で、カメラ15から積荷の画像を取得する。この画像は、複数の方向から撮影された積荷の外形の画像である。続いてステップ110で、荷重データを各荷重センサ19から取得する。これらステップ105および110で取得するデータが、方向別影響度データに相当する。
【0031】
続いてステップ115で、積載物があるか否かを判定する。具体的には、ステップ105で取得した積荷画像の画像解析を行い、あらかじめわかっている車両の外形に物が載っているか否かを判定する。積載物がある場合、続いてステップ120を実行し、ない場合、プログラム100の1回分の実行を終了する。
【0032】
ステップ120では、複数の相対風向毎の自車両の許容風力レベルを算出する。ここで、自車両の許容風力レベルは、1から5までの整数で表され、自車両が安全に耐えられる風力の強さを示すようになっている。許容風力レベルが高い程、自車両はより強い風に耐えられることになる。また、相対風向とは、車両の方向に対する相対的方向(例えば車両前方、車両前方から右に45度等)をいう。この許容風力レベルは、ステップ105および110で取得した積荷画像および荷重データに基づいて特定する。具体的には、取得した複数の積荷画像から、その積荷の、複数の方向のそれぞれから見た場合の、高さ、幅等を推定し、その推定結果に基づいて、積荷をそれぞれの方向に投影した面の面積を算出する。そして、その面積が広いほど、その方向の許容風速レベルが低くなるように、自車両の許容風速レベルを算出する。
【0033】
また、荷重データに基づいて、荷重センサ19のそれぞれが検出する荷重の位置的偏りが所定基準を超える場合、自車両の許容風速レベルを、上記のように算出したものよりさらに低いものに変更する。ここで、位置的偏りの所定基準としては、例えば(1)荷重センサ19のうちいずれか1つの検出した荷重が他の3つよりも20パーセント以上大きい、(2)荷重センサ19のうち右側の2つの検出した荷重が他の2つよりも20パーセント以上大きい、(3)荷重センサ19のうち後側の2つの検出した荷重が他の2つよりも20パーセント以上大きい、等がある。ただし、変更するのは、その荷重の偏りのある方向についての許容風速レベルである。ここで、荷重の偏りのある方向とは、上記(1)の場合は、当該1つの荷重センサ19を終点とし、その荷重センサ19の対角にある荷重センサ19を始点とするベクトルの方向である。また、上記(2)の場合、荷重の偏りのある方向とは、車両の左から右への方向である。また、上記(3)の場合、荷重の偏りのある方向とは、車両の前から後ろへの方向である。
【0034】
なおこの際、位置検出器11から取得した自車両の車速を勘案し、車速が所定基準以上大きい場合は、自車両の許容風速レベルの、荷重データに基づいた変更を行わない(または変更の程度を少なくする)ようになっていてもよい。また、荷重センサ19のそれぞれが検出する荷重の絶対値が基準量以上大きい場合は、自車両の全方向の許容風速レベルを高くするように変更してもよい。
【0035】
続いてステップ125では、通信回路10から受信してRAM16に記憶した最新の風力・風向データのうち、現在位置から目的地までの誘導経路上の道路、およびそれらの周辺の道路についての風力・風向データを読み出す。なお、車両用ナビゲーション装置1の起動以来一度も通信回路10から風力・風向データを受信できていない場合は、外部記憶媒体18中の風力・風向データを読み出す。
【0036】
続いてステップ130では、ステップ120で算出した許容風力およびステップ125で取得した風力・風向データに基づいて、現在の誘導経路が安全であるか否かを判定する。具体的には、現在位置から目的地までの誘導経路上のすべての道路が、許容風力に鑑みて安全であるか否かを判定する。誘導経路上のある道路が許容風力に鑑みて安全であるか否かは、その道路についての風力・風向データの示す風向に該当する車両の相対風向を、その道路を走行するときの自車両の走行方向に基づいて特定し、その特定した相対風向についての自車両の許容風力レベルと、当該風力・風向データの示す風力を比較することで判定する。そして、当該風力・風向データの示す風力が当該許容風力レベルより高ければ、その道路の走行は安全でないと判定し、高くなければ安全であるとする。現在の誘導経路が安全である場合、プログラム100の1回分の実行が終了し、安全でない場合、続いてステップ140を実行する。
【0037】
ステップ140では、代わりの安全な経路があるか否かを判定する。ここでいう安全な経路とは、その経路のすべての道路が、許容風力に鑑みて安全であるような経路をいう。これは、現在位置から目的地までのすべての経路(または経路の総距離がしきい値距離内に収まるようなすべての経路)を選び出し、それら経路のそれぞれが安全な経路であるか否かを判定し、その結果、1つでも安全な経路があれば、代わりの安全な経路があると判定し、それ以外の場合、代わりの安全な経路がないと判定する。代わりの安全な経路がある場合、続いてステップ150を実行し、ない場合、続いてステップ160を実行する。
【0038】
ステップ150では、それまでの誘導経路に代え、ステップ140で見つけた安全な誘導経路のうちの1つを、新たな誘導経路とする。ステップ150の後、プログラム100の1回分の実行が終了する。
【0039】
ステップ160では、ステップ140で選び出したすべての経路のうち、最も風の影響の少ない誘導経路を、それまでの誘導経路に代え、新たな誘導経路とする。ここで、最も風の影響の少ない誘導経路としては、例えば、各道路における風力データの示す風力と、当該風力・風向データの示す風向にその道路において該当する車両の相対風向の許容風力レベルとの差の、1つの経路全体に渡る平均が最も小さい経路である。ステップ160の後、プログラム100の1回分の実行が終了する。
【0040】
このようなプログラム100を制御回路20が実行することで、車両用ナビゲーション装置1は、取得した積荷の画像(ステップ105参照)および積荷の荷重の偏り(ステップ110参照)等に基づいて、相対風向毎の自車両の許容風力を特定する(ステップ120参照)。さらに、現在の誘導経路およびその周辺の各道路の風力・風向データを取得し(ステップ125参照)、特定した許容風力に鑑みて現在の誘導経路が安全であるか否かを判定し(ステップ130参照)、安全であると判定すれば誘導経路をそのまま維持する。また、安全でないと判定すれば、特定した許容風力に鑑みて安全であるような目的地までの他の経路があるか否かを判定し(ステップ140参照)、あると判定すればその経路の1つを新たな誘導経路とし(ステップ150参照)、ないと判定すれば、特定した許容風力に鑑みて最も安全度の高い経路を新たな誘導経路として算出する(ステップ160参照)。このように誘導経路が風や積荷の状態によって変化することで、車両用ナビゲーション装置1は、新たな誘導経路に沿った経路案内を行うようになる。
【0041】
例えば、車両用ナビゲーション装置1を搭載した車両が、図6に示すような、エリア31、エリア32、エリア33、エリア34を有する地域中の位置30を、誘導経路35に沿って走行しているとする。なお、通信回路10から取得した最新の風力・風向データは、エリア31において風力レベルが3、風向が北(すなわち図中上方向)から南(すなわち図中下方向)を示し、エリア32において風力レベルが1、風向が北から南を示し、エリア33において風力レベルが2、風向が北から南を示し、エリア34において風力レベルが4、風向が北から南を示している。
【0042】
そして、この自車位置30において、その車両の積荷の状況が変化し、どの相対風向に対しても自車両の許容風力レベルが3となった場合を考える。この場合、現在の誘導経路35は、風力レベルが4の道路を通るので、上述のステップ130で誘導経路が安全でないと判定され、誘導経路35は、続いてステップ140、150の処理によって、図7に示すような新たな誘導経路36に取って代わられる。
【0043】
このような作動により、車両用ナビゲーション装置1は、各道路における風力データおよび風向データ、ならびに積荷状態に基づいて、自車両への風の影響が軽減されるような誘導経路を算出し、その誘導経路の案内を行うことで、積荷の積載状態に応じた車両への風の影響を勘案した誘導経路算出を行うことができる。
【0044】
なお、上記の実施形態において、制御回路20が、プログラム100のステップ125を実行することで風力データ取得手段として機能し、ステップ105および110を実行することで積載状態検出手段として機能し、ステップ140、150および160を実行することで、経路特定手段として機能し、上述の経路案内処理を行うことで案内手段として機能する。
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態においては、車両用ナビゲーション装置1は、各道路の風力データおよび風向データ取得するようになっているが、風向データは取得しないようになっていてもよい。さらに、車両用ナビゲーション装置1は単一のカメラ15からのみ積荷画像を取得するようになっていてもよい。このような場合、ステップ120で算出する許容風力レベルは、相対風向毎のデータでなくともよい。そして、ステップ130以降で、許容風力レベルに鑑みて安全である否かは、その道路についての、風力データと、自車両の風向によらない許容風力レベルとを比較することで判定すればよい。
【0045】
また、自車両の積載状態は、必ずしもカメラ15や荷重センサ19から取得せずともよく、ユーザが操作スイッチ群12を操作して積載状態(積荷の高さ、幅、立体的外形等)や許容風力レベルを入力し、制御回路20はその入力に基づいて許容風力レベルを特定すればよい。
【0046】
また、冷凍車、幌付きトラック等、積荷の積載状態が変化しても風からの影響は変化しないような車両の場合には、許容風力レベルは既定値としてもよい。
【0047】
また、ユーザによる目的地の設定があったときに、上述のような風力・風向データおよび積荷の積載状態に基づいた誘導経路算を行ってもよい。
【0048】
また、上記の実施形態においては、車両用ナビゲーション装置1が、本発明のナビゲーション装置の一例として挙げられているが、本発明のナビゲーションシステムは、車両用ナビゲーション装置に限らず、例えば、人が携帯できるような携帯型ナビゲーション装置としても実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】車両2へのカメラ15の搭載位置および撮影方向を示す図である。
【図3】車両4へのカメラ15の搭載位置および撮影方向を示す図である。
【図4】車両6への荷重センサ19の搭載位置を示す図である。
【図5】制御回路20が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図6】変更前の誘導経路35を示す図である。
【図7】変更後の誘導経路36を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1…車両用ナビゲーション装置、2、4、6…車両、3、5…積載物、7…荷台、
10…通信回路、11…位置検出器、12…操作スイッチ群、13…画像表示装置、
14…スピーカ、16…RAM、15…カメラ、17…ROM、18…外部記憶媒体、
19…荷重センサ、20…制御回路、30…自車位置、31〜34…エリア、
35、36…誘導経路、100…プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の道路のそれぞれにおける風力データを取得する風力データ取得手段と、
前記風力データ取得手段が取得した前記風力データに基づいて、目的地までの誘導経路を、自車両への風の影響が軽減される経路がより誘導経路になりやすい方法で、誘導経路を特定する経路特定手段と、
前記経路特定手段が特定した誘導経路の案内を行う案内手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
自車両の積荷の積載状態を検出する積載状態検出手段を備え、
前記経路特定手段は、前記風力データ取得手段が取得した前記風力データおよび前記積載状態検出手段が検出した前記積載状態に基づいて、目的地までの誘導経路を特定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記風力データ取得手段は、さらに各道路における風向データを取得し、
前記経路特定手段は、前記風力データ取得手段が取得した前記風力データおよび前記風向データに基づいて、目的地までの誘導経路を特定することを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記風力データ取得手段は、さらに各道路における風向データを取得し、
前記積載状態検出手段は、自車両の積荷の、各方向からの風による影響度に関するデータ(以下方向別影響度データという)を取得し、
前記経路特定手段は、前記風力データ取得手段が取得した前記風力データ、前記風力データ取得手段が取得した前記風向データ、および前記積載状態検出手段が取得した前記方向別影響度データに基づいて、目的地までの誘導経路を特定することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
複数の道路のそれぞれにおける風力データを取得する風力データ取得手段、
前記風力データ取得手段が取得した前記風力データに基づいて、目的地までの誘導経路を、自車両への風の影響が軽減される経路がより誘導経路になりやすい方法で、誘導経路を特定する経路特定手段、および、
前記経路特定手段が特定した誘導経路の案内を行う案内手段として、コンピュータを機能させるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−220547(P2006−220547A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34351(P2005−34351)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】