説明

ナビゲーション装置および周辺駐車場案内方法

【課題】経路案内の途中で目的地に設定した駐車場を別の駐車場に変更する必要が生じても、駐車場検索のための操作を再実施することなく、ユーザの希望に合った駐車場に至る経路を案内できるようにする。
【解決手段】目的地周辺の駐車場の検索結果を表示部13に表示させ(S112)、表示部13に表示させた駐車場に対してユーザによる優先順位の入力を受け付け(S114)、優先順位の最も高い駐車場を目的地に設定する(S116)。経路案内の途中で目的地に設定された駐車場が満車であることを判定(S126でYESと判定)すると、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車場を検索し(S130)、空き駐車場が検索された場合、目的地をこの検索された空き駐車場に変更する(S134)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地周辺の駐車場を検索し、該検索された駐車場の中から目的地に設定した駐車場に至る経路を探索し、この経路に従って経路案内を行うナビゲーション装置および周辺駐車場案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的地周辺の駐車場情報をユーザへ提供するシステムとして、ユーザの操作に応じて入力された目的地または地点近傍の駐車場を地図データから検索し、料金の安い順、目的地との距離の短い順など、各条件順に検索された駐車場をその駐車場の詳細情報とともに表示させ、ユーザによって選択された駐車場を目的地に設定して経路案内を行う装置が種々提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【特許文献1】特開2001−349740号公報
【特許文献2】特開平1−173822号公報
【特許文献3】特開2003−214866号公報
【特許文献4】特開平10−172097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1〜4に記載の装置は、いずれも複数の駐車場の中から1つの駐車場を目的地に設定して目的地に至る案内経路を探索し、経路案内を行う構成となっているため、例えば、経路案内の途中で目的地に設定された駐車場が混雑してしまい、目的地を別の駐車場に変更する必要が生じた場合には、再度、周辺駐車場の検索操作からやり直さなければならないといった問題があった。
【0004】
このように目的地を別の駐車場に変更する必要が生じたことを判定した場合に、例えば、目的地を近隣の別の空き駐車場に変更することで、駐車場検索のための操作を再実施することなく目的地を変更することが可能である。しかし、このような場合、ユーザの希望に合わない駐車場が目的地に設定されてしまう可能性が生じるといった問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みたもので、経路案内の途中で目的地に設定した駐車場を別の駐車場に変更する必要が生じても、駐車場検索のための操作を再実施することなく、ユーザの希望に合った駐車場に至る経路を案内できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴は、目的地周辺の駐車場データに基づいて目的地周辺の駐車場を検索し、検索された駐車場とともに駐車場の詳細情報を表示手段に表示させる周辺駐車場検索表示手段と、表示手段に表示させた駐車場に対してユーザによる優先順位の入力を受け付ける優先順位入力受付手段と、優先順位の最も高い駐車場を目的地に設定する目的地設定手段と、目的地設定手段により設定された目的地に至る経路に従って経路案内を行う経路案内手段と、外部から目的地周辺の駐車場の混雑状況を示す駐車場情報を受信する駐車場情報受信手段と、駐車場情報受信手段により受信された駐車場情報に基づいて目的地設定手段により目的地に設定された駐車場が満車か否かを判定する目的地状況判定手段と、目的地状況判定手段により駐車場が満車であると判定された場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車場を検索する空駐車場検索手段と、空駐車場検索手段により空き駐車場が検索された場合、目的地を検索された空き駐車場に変更する目的地変更手段と、を備えたことである。
【0007】
このような構成では、検索された目的地周辺の駐車場に対してユーザによる優先順位の入力を受け付け、優先順位の最も高い駐車場を目的地に設定し、この目的地に至る経路に従って経路案内が行われる。そして、外部から受信した目的地周辺の駐車場の混雑状況を示す駐車場情報に基づいて目的地に設定された駐車場が満車であることを判定した場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車場を検索し、空き駐車場が検索された場合、目的地が検索された空き駐車場に変更される。すなわち、経路案内の途中で目的地に設定した駐車場を別の駐車場に変更する必要が生じても、駐車場検索のための操作を再実施することなく、ユーザの希望に合った駐車場に至る経路を案内することができる。
【0008】
また、本発明の第2の特徴は、目的地への到着予想時刻より前に目的地に設定された駐車場が満車になるか否かを予測する満車予測手段を備え、空駐車場検索手段は、目的地状況判定手段により駐車場が満車でないと判定された場合であっても、満車予測手段により目的地への到着前に目的地に設定された駐車場が満車になると予測された場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車場を検索することである。
【0009】
このように、駐車場が満車でないと判定された場合であっても、目的地への到着前に目的地に設定された駐車場が満車になると予測された場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車場を検索することができる。
【0010】
また、本発明の第3の特徴は、目的地周辺の駐車場データには、過去の時間帯別の混雑状況を表す統計情報が含まれており、満車予測手段は、駐車場情報受信手段により受信された駐車場情報および目的地周辺の駐車場データに含まれる過去の時間帯別の混雑状況を表す統計情報に基づいて目的地への到着予想時刻より前に目的地に設定された駐車場が満車になるか否かを予測することである。
【0011】
このように、駐車場情報および過去の時間帯別の混雑状況を表す統計情報に基づいて目的地への到着予想時刻より前に目的地に設定された駐車場が満車になるか否かを予測することができる。
【0012】
また、本発明の第4の特徴は、ユーザにより特定された希望到着時刻までに目的地に到着可能か否かを判定する到着可否判定手段を備え、空駐車場検索手段は、到着可否判定手段により希望到着時刻までに目的地に到着可能でないと判定された場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に希望到着時刻までに到着可能な空き駐車場を検索することである。
【0013】
このように、希望到着時刻までに目的地に到着可能でないと判定された場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に希望到着時刻までに到着可能な空き駐車場を検索することができる。
【0014】
また、本発明の第5の特徴は、周辺駐車場検索表示手段が、駐車料金、近隣施設との距離、出入口に面する道路幅員、駐車場の構造を示す情報、収容台数、営業時間の少なくとも1つを駐車場の詳細情報として表示手段に表示させることである。
【0015】
このように、検索された駐車場とともに駐車料金、近隣施設との距離、出入口に面する道路幅員、駐車場の構造を示す情報、収容台数、営業時間の少なくとも1つが駐車場の詳細情報として表示されるので、ユーザはこの駐車場の詳細情報を視認して希望する駐車場の優先順位の入力を行うことが可能である。
【0016】
また、本発明の第6の特徴は、空駐車場検索手段により空き駐車場があると判定された場合、目的地の変更許可をユーザに確認する確認手段を備え、目的地変更手段は、確認手段により目的地の変更許可が確認された場合、目的地を検索された空き駐車場に変更することである。
【0017】
このような構成では、ユーザによる目的地の変更許可が確認された場合、目的地が検索された空き駐車場に変更されるので、ユーザの意に反して目的地が変更されてしまうことを防止することができる。
【0018】
また、本発明は、ナビゲーション装置としてだけでなく、周辺駐車場案内方法の発明として把握することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の構成を図1に示す。本ナビゲーション装置1は、位置検出器10、入力装置11、地図データ読取装置12、表示部13、通信装置14および制御部15を備えている。
【0020】
位置検出部10は、地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサおよびGPS受信機等(いずれも図示せず)を有しており、これらセンサから入力される現在位置を特定するための情報を制御部16へ出力する。
【0021】
入力装置11は、表示部11の表示画面の周囲に設けられた各種スイッチ、表示画面の前面に重ねて配置されたタッチスイッチ、遠隔操作を行うためのリモコンに設けられた各種スイッチからなり、ユーザのスイッチ操作に応じた信号を制御部15へ出力する。
【0022】
地図データ読取装置12は、地図データを格納したCD、DVD、ハードディスクドライブ等の記憶媒体から地図データの読み取りを行う。地図データには、リンク、ノード、リンクとノードの接続関係を示す情報等を含む道路データ、各地の施設の名称、所在地、詳細情報等を含む施設データ、背景画像を表示するための背景データ、各地の駐車場の位置や名称を表す駐車場データ等が含まれる。
【0023】
この駐車場データには、駐車料金、近隣施設との距離、出入口に面する道路幅員、平面駐車場や立体駐車場等の駐車場の構造を示す情報、収容台数、営業時間、過去の混雑状況を表す統計情報等の駐車場の詳細情報が含まれる。なお、統計情報は、各駐車場の過去の混雑状況を曜日別、時間帯別に分類した情報である。
【0024】
表示部13は、液晶等の表示画面を有し、制御部15から入力される映像信号に応じた画像を表示画面に表示させる。
【0025】
通信装置14は、外部と無線による通信を行うための装置である。本ナビゲーション装置1は、この通信装置14を介して各地の駐車場の混雑状況を管理する情報センタから提供される周辺駐車場の混雑状況を示す駐車場情報を受信できるようになっている。この駐車場情報には、駐車場毎の収容台数、駐車台数、空車台数が含まれる。
【0026】
制御部15は、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。制御部15の処理としては、位置検出部10から入力される現在位置を特定するための情報に基づいて現在地を算出する現在地算出処理、自車位置周辺の地図上に現在地を表す現在地カーソルを重ねて表示装置13の表示画面に表示させる地図表示処理、道路上の地点に自車位置を補正するマップマッチング処理、ユーザによる入力装置11の操作により入力された検索条件に従って目的地を検索する目的地検索処理、現在地から目的地に至る最適な案内経路を探索する経路探索処理、案内経路に従って走行案内を行う経路案内処理、現在地と案内経路に基づいて目的地に到着する到着予想時刻を定期的に算出して表示する到着予想時刻表示処理等がある。
【0027】
本実施形態におけるナビゲーション装置1は、予め定められた検索条件、表示方法に従って目的地周辺の駐車場検索処理すると、検索された駐車場に対してユーザが優先順位を付与するようになっている。このように優先順位が付与されると、優先順位の最も高い駐車場を目的地に設定して経路案内が実施される。そして、経路案内の途中で目的地に設定した駐車場が満車になったことが判定されると、他の優先順位が付与された駐車場の中から空き駐車場が検索され、空き駐車場が検索されると、目的地を検索された駐車場に変更して経路案内が実施される。
【0028】
次に、図2に従って、この処理について説明する。ナビゲーション装置1は、車両のイグニッションスイッチがオンすると動作状態となる。そして、ユーザの操作により入力装置11から目的地検索の指示が入力されると、制御部15は図2に示す処理を開始する。
【0029】
まず、行き先入力の受け付けを行う(S100)。具体的には、行き先を入力するための行き先入力画面を表示させ、この行き先入力画面に従って行き先施設あるいは行き先地点の入力を受け付ける。
【0030】
次に、周辺駐車場検索を実施するか否かを判定する(S102)。具体的には、表示画面に「周辺駐車場検索」の実施を指示する画像を選択可能に表示させ、この画像が選択操作されたか否かに基づいて周辺駐車場検索を実施するか否かを判定する。
【0031】
ここで、「周辺駐車場検索」の実施を指示する画像が選択操作されない場合、S102の判定はNOとなり、入力された行き先を目的地に設定してナビゲーションを開始する(S104)。すなわち、入力された行き先施設あるいは行き先地点を目的地に設定して案内経路を探索し、この案内経路に従って経路案内を実施する。
【0032】
そして、目的地に到着するまで経路案内を実施し、目的地に到着すると、S106の判定はYESとなり、本処理を終了する。
【0033】
また、S100にて行き先入力を受け付けた後、ユーザによって「周辺駐車場検索」の実施を指示する画像が選択操作された場合、S102の判定はYESとなり、次に、検索条件および表示方法の入力の受け付けを行う(S108)。具体的には、周辺駐車場の検索条件および検索結果の表示方法の入力画面を表示させ、検索条件および表示方法の入力の受け付けを行う。周辺駐車場の検索条件としては、駐車料金、近隣施設との距離、出入口に面する道路幅員、駐車場の構造、収容台数などの項目がある。例えば、駐車料金は30分当たり200円以下、駅まで500メートル以内、出入口に面する道路幅員は6メートル以上、駐車場の構造は平面駐車場、収容台数は20台以上といったように好みに応じて検索条件を入力できるようになっている。また、検索結果の表示方法についても、料金の安い順、近隣施設との距離の短い順、収容台数の多い順等、好みに応じて指定できるようになっている。
【0034】
また、本実施形態では、この108において、ユーザが周辺駐車場への希望到着時刻の入力が可能となっている。
【0035】
次に、周辺駐車場検索を実施する(S110)。この周辺駐車場検索では、S100にて受け付けた行き先周辺の駐車場データを地図データ読取装置12より取得し、この駐車場データに基づいて、S108にて入力された検索条件に従って行き先周辺の駐車場を検索する。
【0036】
なお、このS110では、検索された各駐車場への到着予想時刻を算出する処理も行う。なお、到着予想時刻は、現在地から検索された各駐車場に至る経路を探索し、探索された各経路の経路長から求めることができる。
【0037】
そして、S108にて入力された検索結果の表示方法に従い、検索された駐車場とともに駐車場の詳細情報を表示画面に表示させる(S112)。
【0038】
次に、優先順位の入力の受け付けを行う(S114)。具体的には、表示画面に表示された駐車場に対して、ユーザによる優先順位の入力を受け付ける入力画面を表示させ、優先順位の入力の受け付けを行う。
【0039】
図3に、入力画面の表示例を示す。ユーザは、検索された駐車場とともに駐車場の詳細情報が表示された入力画面を視認して希望する駐車場に優先順位を付与する。
【0040】
次に、優先順位の最も高い駐車場を目的地に設定する(S116)。すなわち、優先順位の最も高い駐車場を目的地に設定して案内経路を探索し、探索した案内経路をメモリに記憶する。
【0041】
次に、ナビゲーションを開始する(S118)。具体的には、メモリに記憶された案内経路に従って走行案内を開始する。
【0042】
次に、駐車場情報を取得して表示する(S120)。本実施形態では、一定時間毎に情報センタにアクセスして駐車場情報を取得し、ナビゲーション画面の端部に表示するようになっている。
【0043】
次に、目的地に到着したか否かを判定する(S122)。具体的には、現在地算出処理によって算出された自車位置と目的地の位置情報に基づいて目的地に到着したか否かを判定する。
【0044】
目的地に到着していない場合、S122の判定はNOとなり、次に、希望到着時刻に間に合うか否かを判定する(S124)。具体的には、ユーザによって入力された希望到着時刻よりも目的地への到着予想時刻が早いか否かに基づいて希望到着時刻に間に合うか否かを判定する。
【0045】
希望到着時刻よりも到着予想時刻の方が早い場合、S124の判定はYESとなり、次に、S120にて取得した駐車場情報に基づいて目的地の駐車場が満車かを判定する(S126)。
【0046】
ここで、目的地の駐車場が満車となっていない場合、S126の判定はNOとなり、次に、目的地に到着する前に満車になるか否かを予測する(S128)。目的地に到着する前に満車になるか否かを予測は、駐車場データに含まれる過去の時間帯別の混雑状況を表す統計情報と、S120にて取得した駐車場情報に含まれる駐車場毎の収容台数、駐車台数、空車台数および到着予想時刻に基づいて行われる。例えば、統計情報に基づいて駐車場が満車となる平均時刻を特定し、この平均時刻と現在の駐車状況から満車になる時刻を推定し、この満車になると推定した時刻が目的地への到着予想時刻よりも早い場合に目的地に到着する前に満車になるものと予測する。
【0047】
ここで、目的地に到着する前に満車にならないと予測された場合、S128の予測はNOとなり、S120へ戻り、経路案内が継続される。
【0048】
そして、目的地への到着予想時刻が希望到着時刻よりも遅くなると、S124の判定はNOとなり、S130へ進む。
【0049】
S130では、順位付けした駐車場に条件に合う駐車場があるか否かを判定する。ここでは、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に希望到着時刻までに到着できる空き駐車があるか否かを判定する。
【0050】
ここで、条件に合う駐車場が検索された場合、S130の判定はYESとなり、次に、検索された駐車場に目的地を変更するか否かを判定する(S132)。具体的には、検索された別の駐車場に目的地を変更するか確認する確認画面を表示させ、検索された別の駐車場に目的地を変更するか否かを確認する。
【0051】
ここで、ユーザの操作に応じて検索された別の駐車場に目的地を変更することが確認された場合、S132の判定はYESとなり、次に、検索された別の駐車場に目的地を変更する(S134)。具体的には、検索された駐車場に目的地を変更して案内経路を探索し、探索した案内経路をメモリに記憶する。
【0052】
そして、S118にて、このメモリに記憶された新たな案内経路に従ってナビゲーションが開始される。
【0053】
このように、希望到着時刻までの目的地に到着できないような状況となっても、駐車場検索のための操作を再実施することなく、優先順位を付与した駐車場の中から条件に合った別の駐車場が検索され、その駐車場に目的地が変更され、ナビゲーションが開始される。
【0054】
また、経路案内の途中で目的地に設定された駐車場が満車になると、S126の判定はYESとなり、S130へ進む。
【0055】
S130では、上記したように順位付けした駐車場に条件に合う駐車場があるか否かを判定する。ここでは、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車があるか否かを判定する。
【0056】
そして、条件に合う駐車場が検索された場合、S130の判定はYESとなり、検索された駐車場に目的地を変更するか否かの判定を行い(S132)、ユーザの操作に応じて検索された駐車場に目的地を変更することが確認された場合、S132の判定はYESとなり、次に、検索された駐車場に目的地を変更し(S134)、S118へ戻る。
【0057】
このように、経路案内の途中で目的地に設定された駐車場が満車となっても、駐車場検索のための操作を再実施することなく、優先順位を付与した駐車場の中から条件に合った駐車場が検索され、検索された駐車場に目的地を変更することが確認されると、その駐車場に目的地が変更され、ナビゲーションが開始される。
【0058】
また、経路案内の途中で目的地に到着する前に満車になると予測された場合、S128の予測はYESとなり、S130へ進む。
【0059】
S130では、上記したように順位付けした駐車場に条件に合う駐車場があるか否かを判定する。ここでは、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車があるか否かを判定する。
【0060】
そして、条件に合う駐車場が検索された場合、S130の判定はYESとなり、検索された駐車場に目的地を変更するか否かの判定を行い(S132)、ユーザの操作に応じて検索された駐車場に目的地を変更することが確認された場合、S132の判定はYESとなり、次に、検索された駐車場に目的地を変更し(S134)、S118へ戻る。
【0061】
このように、目的地に到着する前に満車になると予測された場合にも、駐車場検索のための操作を再実施することなく、優先順位を付与した駐車場の中から条件に合った駐車場が検索され、検索された駐車場に目的地を変更することが確認されると、その駐車場に目的地が変更され、ナビゲーションが開始される。
【0062】
また、S130にて条件に合う駐車場が検索されない場合、あるいは、S130にて条件に合う駐車場が検索された場合であっても、ユーザの操作に応じて検索された駐車場に目的地を変更することが確認されない場合、周辺駐車場検索を再実施するか否かを判定する(S136)。具体的には、周辺駐車場検索を再実施するか否かを確認する確認画面を表示させ、周辺駐車場検索を再実施するか否かを確認する。
【0063】
ユーザの操作に応じて周辺駐車場検索を再実施することが確認されない場合には、S136の判定はNOとなり、S120へ戻る。また、ユーザの操作に応じて周辺駐車場検索を再実施することが確認された場合には、S136の判定はYESとなり、S108へ戻り、周辺駐車場検索を再実施する。
【0064】
上記した構成によれば、検索された目的地周辺の駐車場に対してユーザによる優先順位の入力を受け付け、優先順位の最も高い駐車場を目的地に設定し、この目的地に至る経路に従って経路案内が行われる。そして、外部から受信した目的地周辺の駐車場の混雑状況を示す駐車場情報に基づいて目的地に設定された駐車場が満車であることを判定した場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車場を検索し、空き駐車場が検索された場合、目的地が検索された空き駐車場に変更される。すなわち、経路案内の途中で目的地に設定した駐車場を別の駐車場に変更する必要が生じても、駐車場検索のための操作を再実施することなく、ユーザの希望に合った駐車場に至る経路を案内することができる。
【0065】
また、駐車場が満車でないと判定された場合であっても、目的地への到着前に目的地に設定された駐車場が満車になると予測された場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車場を検索することができる。すなわち、より早い段階でユーザによって優先順位が付与された駐車場の中から他の空き駐車場を検索することが可能である。
【0066】
なお、目的地への到着前に目的地に設定された駐車場が満車になるか否かの予測は、目的地周辺の駐車場の混雑状況を示す駐車場情報および過去の時間帯別の混雑状況を表す統計情報に基づいて行うことができる。
【0067】
また、希望到着時刻までに目的地に到着可能でないと判定された場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に希望到着時刻までに到着可能な空き駐車場が検索されるので、駐車場検索のための操作を再実施することなく、ユーザによって優先順位が付与された駐車場の中から希望到着時刻までに到着可能な駐車場を検索することができる。
【0068】
また、検索された駐車場とともに駐車料金、近隣施設との距離、出入口に面する道路幅員、駐車場の構造を示す情報、収容台数、営業時間の少なくとも1つが駐車場の詳細情報として表示されるので、ユーザはこの駐車場の詳細情報を視認して希望する駐車場の優先順位の入力を行うことが可能である。
【0069】
また、ユーザによる目的地の変更許可が確認された場合、目的地が検索された空き駐車場に変更されるので、ユーザの意に反して目的地が変更されてしまうことを防止することができる。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0071】
例えば、上記実施形態では、S124にて希望到着時刻に間に合うか否かを判定し、希望到着時刻に間に合うと判定された場合に、S126にて目的地の駐車場が満車かを判定する例を示したが、S124の判定を実施することなく、S126にて目的地の駐車場が満車かを判定してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、通信装置14により受信された駐車場情報および目的地周辺の駐車場データに含まれる過去の時間帯別の混雑状況を表す統計情報に基づいて目的地への到着予想時刻より前に目的地に設定された駐車場が満車になるか否かを予測する例を示したが、この例に限定されるものではなく、例えば、目的地周辺の駐車場データに含まれる過去の時間帯別の混雑状況を表す統計情報のみに基づいて予測するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、ユーザによって指定された表示方法に従って、料金の安い順、近隣施設との距離の短い順、収容台数の多い順等、好みに応じて検索結果をリスト表示する例を示したが、グラフ化して表示するようにしてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、S120にて一定時間毎に情報センタにアクセスして駐車場情報を取得する例を示したが、例えば、駐車場情報の受信可能エリアを車両が通過したときに駐車場情報を取得するようにしてもよい。
【0075】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S110、S112が周辺駐車場検索表示手段に相当し、S114が優先順位入力受付手段に相当し、S116が目的地設定手段に相当し、S118が経路案内手段に相当し、通信装置14が駐車場情報受信手段に相当し、S126が満車判定手段に相当し、S130が空駐車場検索手段に相当し、S134が目的地変更手段に相当し、S128が満車予測手段に相当し、S124が到着可否判定手段に相当し、S132が確認手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図3】優先順位の入力画面の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1…ナビゲーション装置、10…位置検出器、11…入力装置、
12…地図データ読取装置、13…表示部、14…通信装置、15…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地周辺の駐車場データに基づいて目的地周辺の駐車場を検索し、検索された駐車場とともに駐車場の詳細情報を表示手段に表示させる周辺駐車場検索表示手段と、
前記表示手段に表示させた前記駐車場に対してユーザによる優先順位の入力を受け付ける優先順位入力受付手段と、
前記優先順位の最も高い駐車場を目的地に設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段により設定された前記目的地に至る経路に従って経路案内を行う経路案内手段と、
外部から前記目的地周辺の駐車場の混雑状況を示す駐車場情報を受信する駐車場情報受信手段と、
前記駐車場情報受信手段により受信された前記駐車場情報に基づいて前記目的地設定手段により前記目的地に設定された前記駐車場が満車か否かを判定する満車判定手段と、
前記満車判定手段により前記駐車場が満車であると判定された場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車場を検索する空駐車場検索手段と、
前記空駐車場検索手段により前記空き駐車場が検索された場合、前記目的地を検索された前記空き駐車場に変更する目的地変更手段と、を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記目的地への到着予想時刻より前に前記目的地に設定された駐車場が満車になるか否かを予測する満車予測手段を備え、
前記空駐車場検索手段は、前記目的地状況判定手段により前記駐車場が満車でないと判定された場合であっても、前記満車予測手段により前記目的地への到着前に前記目的地に設定された駐車場が満車になると予測された場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車場を検索することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記目的地周辺の駐車場データには、過去の時間帯別の混雑状況を表す統計情報が含まれており、
前記満車予測手段は、前記駐車場情報受信手段により受信された前記駐車場情報および前記目的地周辺の駐車場データに含まれる過去の時間帯別の混雑状況を表す統計情報に基づいて前記目的地への到着予想時刻より前に前記目的地に設定された駐車場が満車になるか否かを予測することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
ユーザにより特定された希望到着時刻までに前記目的地に到着可能か否かを判定する到着可否判定手段を備え、
前記空駐車場検索手段は、前記到着可否判定手段により前記希望到着時刻までに前記目的地に到着可能でないと判定された場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に前記希望到着時刻までに到着可能な空き駐車場を検索することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記周辺駐車場検索表示手段は、駐車料金、近隣施設との距離、出入口に面する道路幅員、駐車場の構造を示す情報、収容台数、営業時間の少なくとも1つを前記駐車場の詳細情報として前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記空駐車場検索手段により前記空き駐車場があると判定された場合、前記目的地の変更許可をユーザに確認する確認手段を備え、
前記目的地変更手段は、前記確認手段により前記目的地の変更許可が確認された場合、前記目的地を検索された前記空き駐車場に変更することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
目的地周辺の駐車場データに基づいて目的地周辺の駐車場を検索し、検索された駐車場とともに駐車場の詳細情報を表示手段に表示させ、
前記表示手段に表示させた前記駐車場に対してユーザによる優先順位の入力を受け付け、
前記優先順位の最も高い駐車場を目的地に設定し、
設定された前記目的地に至る経路に従って経路案内を行い、
外部から前記目的地周辺の駐車場の混雑状況を示す駐車場情報を受信し、
受信された前記駐車場情報に基づいて前記目的地設定手段により前記目的地に設定された前記駐車場が満車か否かを判定し、
前記駐車場が満車であると判定された場合、他の優先順位が付与された駐車場の中から優先順位の高い順に空き駐車場を検索し、
前記空き駐車場が検索された場合、前記目的地を検索された前記空き駐車場に変更することを特徴とする周辺駐車場案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−14536(P2009−14536A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−177281(P2007−177281)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】