説明

ナビゲーション装置

【課題】手書き文字を所定の入力角度で入力できるようにする。
【解決手段】ディスプレイ42がユーザの左前方に位置するため、ユーザが運転席に座った姿勢から文字を描くと、図に示すように反時計方向に回転した角度にて文字が描かれる。ナビゲーション装置は、デフォルト値やユーザが設定した値を用いて、ユーザが手書き文字を入力する入力角度を設定する入力角度設定手段を備えており、更に、ユーザから受け付けた手書き文字を当該設定した入力角度に応じて認識する文字認識手段を備えている。ディスプレイ42の上部には、認識結果表示エリア86が設けられ、ユーザが入力した手書き文字の認識結果が表示される。認識結果として「上拳母」が表示されている。このように、ユーザが斜めに入力した手書き文字も正しく認識されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、例えば、手書き文字で情報を入力するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション装置によって車両を誘導することが盛んに行われている。
ナビゲーション装置は、出発地から目的地までの経路を探索する機能、GPS(Global Positioning Systems)衛星やジャイロなどのセンサを用いて自車両の位置を検出する機能、及び目的地までの経路と自車両の現在位置を地図上に表示する機能などを備えている。
一般に、ナビゲーション装置では、目的地の地名・施設名などを検索するときに、その読みを、タッチパネル上に表示された五十音入力ボタンにタッチして入力したり、目的地の電話番号や郵便番号をタッチパネル上に表示された番号ボタンにタッチして入力したりしている。
また、次の特許文献1では、ユーザの利便性をより高めるために、タッチパネルに文字を手書き入力することによりメモ書きを行ったり、地名入力を行ったりする技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−166843号公報
【0004】
この技術によると、ナビゲーション装置は、タッチパネルからの手書き文字による地名入力を受け付け、地名検索を行うことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ナビゲーション装置のタッチパネルから手書き文字を入力する場合、タッチパネルの設置位置の関係から、ユーザは傾いた姿勢で手書き文字を入力しなければならず、文字を水平に描くのが困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、手書き文字を所定の入力角度で入力できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、手書き文字の入力角度を設定する入力角度設定手段と、手書き文字の入力を受け付ける文字受付手段と、前記受け付けた手書き文字を前記設定した入力角度に応じて認識する文字認識手段と、前記認識した文字を用いて対象物を検索する検索手段と、前記検索した対象物を提示する提示手段と、を具備したことを特徴とするナビゲーション装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、手書きによって直線の入力を受け付ける直線受付手段を具備し、前記入力角度設定手段は、前記受け付けた直線が所定の基準線と成す角度を入力角度に設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記入力角度設定手段は、ユーザが設定した入力角度か、あるいは、所定のデフォルト角度の少なくとも一方によって入力角度を設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記設定した入力角度にて手書き文字の入力枠を表示する入力枠表示手段を具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のナビゲーション装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記入力枠表示手段は、運転席側と助手席側で個別に所定の入力角度の入力枠を表示することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、運転者が運転操作を行っている場合、前記入力枠表示手段は、前記運転席側の入力枠を消去することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、手書き文字を、自己の姿勢に応じた所定の入力角度で入力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)実施の形態の概要
本実施の形態のナビゲーション装置は、ユーザが運転席などから斜めに手書き文字を入力できるようにするものである。
まず、図1の各図を用いて、ナビゲーション装置に手書き文字を入力する方法について説明する。
図1の各図は、ナビゲーション装置が備えるディスプレイを示した図である。
ディスプレイ42は、運転席の左斜め前方の(右側ハンドル車を想定している)、運転席と助手席の中央あたりに設置されている。
【0010】
ディスプレイ42の上面には、ディスプレイ42の表示内容が透過して見える透明のタッチパネル71が取り付けられている。
タッチパネル71は、例えば、感圧式であり、指やペン先などにより物理的に押圧された位置座標を検知し、情報処理制御装置20に出力する。また、静電気により位置座標を検知する静電気式や他の方式を用いてもよい。
【0011】
図1(a)は、ユーザ(運転者)が指先にてタッチパネル71に「上拳母」(うわごろもと読む)と入力したところを示している。
ディスプレイ42の上部には「手書き検索」なる表示81がなされ、ユーザに手書き入力受付中であることが示されると共に、ディスプレイ42の下部右側には手書き入力が完了した際にタッチする完了ボタン82が表示されている。
ディスプレイ42がユーザの左前方に位置するため、ユーザが運転席に座った姿勢から文字を描くと、図に示すように反時計方向に回転した角度にて文字が描かれる。
このように、タッチパネル71は、手書き文字の入力を受け付ける文字受付手段として機能している。
【0012】
ナビゲーション装置1は、デフォルト値やユーザが設定した値を用いて、ユーザが手書き文字を入力する入力角度を設定する入力角度設定手段を備えており、更に、ユーザから受け付けた手書き文字を当該設定した入力角度に応じて認識する文字認識手段を備えている。
【0013】
図1(b)は、ディスプレイ42に検索結果が表示されたところを示している。
このように、ナビゲーション装置1は、手書き文字から認識した文字を用いて対象物を検索する検索手段と、当該検索した対象物を提示する提示手段を備えている。
ディスプレイ42の上部には、認識結果表示エリア86が設けられ、ユーザが入力した手書き文字の認識結果が表示される。図4(b)では、認識結果として「上拳母」が表示されている。このように、ユーザが斜めに入力した手書き文字も正しく認識されている。
【0014】
画面中央には、検索結果選択ボタン87、87、・・・が表示される。
図1(b)では、入力「上拳母」の検索に対して、「上拳母駅(名古屋鉄道)」、「新上拳母駅(愛知環状鉄道)」などの対象物がヒットしている。
ユーザが、何れかの検索結果選択ボタン87をタッチすると、当該検索結果選択ボタン87に対応づけられている対象物の詳細な情報が表示される。
【0015】
(2)実施の形態の詳細
図2は本実施形態が適用されるナビゲーション装置1のシステム構成図である。
ナビゲーション装置1は、車両に搭載され、この図に示すように、現在位置検出装置10、情報処理制御装置20、入出力装置40及び情報記憶装置50とを備えている。まず、現在位置検出装置10は、以下のような構成を有している。絶対方位センサ11は、例えば、磁石に基づいてN方向の検出から、車両が何れの方向に位置するかを検出する地磁気センサであり、絶対方向を検出する手段であればよい。
【0016】
相対方位センサ12は、例えば交差点を曲がったか否かを検出するものであり、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリュームあるいは車輪部に取り付ける角度センサでもよい。また、角速度を利用して角度の変化を検出するジャイロセンサを用いてもよい。つまり、基準角度(絶対方位)に対して、相対的に変化した角度を検出することができる手段であればよい。
距離センサ13は、例えば、車輪の回転を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものでもよい。つまり、車両の移動距離を計測できる手段であればよい。
【0017】
GPS(Global Positioning System)受信装置14は、人工衛星からの信号を受信する装置であり、信号の発信時刻、受信装置の位置情報、受信装置の移動速度、受信装置の進行方向など様々な情報を得ることができる。
ビーコン受信装置15は、特定の地点に設置された送信装置より発信された信号を受信する装置である。特に、VICS情報を入手することができ、渋滞情報、現在位置情報、駐車場情報等車両の走行に関する情報を入手することができる。
このように、ナビゲーション装置1は、現在位置取得(検出)手段を備えている。
【0018】
データ送受信装置16は、電話回線や電波を利用して車両外部と通信をし、情報の交換を行うための装置である。例えば、自動車電話、ATIS、VICS、GPS補正、車両間通信など様々な利用方法があり、走行に関する情報を入出力することが可能である。
次に、情報処理制御装置20は、現在位置検出装置10、入出力装置40から入力される情報及び情報記憶装置50に格納された情報にもとづいて演算及び制御を行うとともに、演算結果をディスプレイ42、プリンタ43またはスピーカ44等の出力手段に出力するように制御する手段である。
【0019】
この情報処理制御装置20は、以下のような構成を有している。
中央処理装置(CPU)21は、ナビゲーション装置1全体の総括的な演算及び制御を行う。
第1ROM22は、ナビゲーションに関するプログラム、特に、現在位置の検出、検索モード(地域モード、広域モード)の切り替え、手書き文字の入力角度の設定、手書き文字の入力受け付け、手書き文字に対応する文字候補の選定(即ち、手書き文字の認識)、経路の探索、表示案内などに関するナビゲーションプログラムを格納している。センサ入力インターフェイス23は、現在位置検出装置10からの情報を受け取る手段である。
このように、ナビゲーション装置1は、経路探索手段、経路案内手段を備えている。
【0020】
RAM24は、後述する入力装置により入力された目的地の情報、通過地点の情報等の利用者が入力した情報を記憶すると共に、利用者の入力情報に基づいてCPU21により演算された結果や、経路探索された結果、または情報記憶装置50から読み込まれた地図情報を格納するための記憶手段である。
通信インターフェイス25は、現在位置検出手段装置10からの情報、特に外部から得られる情報を入出力するための手段である。
【0021】
第2ROM26は、ナビゲーションに関するプログラム、特に、音声案内に関するナビゲーションプログラムを格納している。画像プロセッサ27は、CPUで処理されたベクトル情報を画像情報に処理するための処理手段である。
時計28は、時刻を刻む。画像メモリ29は、画像プロセッサにより処理された画像情報を格納する手段である。
音声プロセッサ30は、情報記憶装置50から読み込まれた音声情報を処理し、スピーカ44に出力する。
【0022】
入出力装置40は、利用者により目的地、通過地点、探索条件等のデータを入力する入力装置41、画像を表示するディスプレイ42、情報を印刷するプリンタ43、音声を出力するスピーカ44より構成される。
入力装置41は、例えば、本実施形態において手書きによる文字入力を受け付けるタッチパネル、タッチスイッチ、ジョイスティック、キースイッチ等で構成される。
情報記憶装置50は、伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。
情報記憶装置50は、地図データファイル51、交差点データファイル52、ノードデータファイル53、道路データファイル54、写真データファイル55、目的地データファイル56、案内地点データファイル57、詳細目的地データファイル58、目的地読みデータファイル59、その他のデータファイル60を格納している。
【0023】
その他のデータファイル60には、ユーザが検索対象物を検索するための検索データファイルや、ユーザの手書き文字に対応する文字候補を選定するための文字データファイルなどが記憶されている。
この情報記憶装置50は、一般的には、光学的記憶媒体であるDVD−ROM、CD−ROMや、磁気的記憶媒体であるハードディスクなどで構成されるが、光磁気ディスク、半導体メモリなどの情報記憶媒体で構成してもよい。
【0024】
このように構成されたナビゲーション装置1では、現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、情報記憶装置50より地図情報を読み込みディスプレイに表示する。
更に、目的地が入力されると、現在位置から目的地に至る経路を情報処理制御装置20により演算し、現在位置検出装置10によって検出された現在位置を追跡することにより、経路案内を行う。
【0025】
次に、図3の各図を用いてディスプレイ42について説明する。なお、タッチパネル71は何れの図でも省略してあるが、ディスプレイ42の前面に設置してあり、ユーザがディスプレイ42の表面に触れると、タッチパネル71にタッチするようになっている。
ディスプレイ42には、図3(a)に示したように、ユーザが手書き文字を入力する入力角度と等しい角度だけ傾いた入力枠32(文字認識枠)が表示される。
【0026】
入力角度は、予めデフォルト値としてナビゲーション装置1が記憶しておいても良いし、後述するようにユーザが設定しても良い。
また、ユーザが入力角度を設定する場合、ナビゲーション装置1は、ユーザが設定した入力角度を記憶して、以降これを使用し、入力のたびに入力角度を設定する必要がないようにする。
【0027】
ナビゲーション装置1では、入力枠32が表示されるため、ユーザは入力枠32に合わせて手書き文字を描くことができる。即ち、ナビゲーション装置1は、入力枠32を表示することにより、ユーザの手書き文字入力を補助・支援している。
なお、ディスプレイ42に入力枠32を表示しないように構成することも可能であるが、入力枠32がないとユーザが無理な姿勢で水平に手書き文字を入力することも考えられるため、入力枠32を表示した方がユーザの利便性を高めることができる。
以上のように、ナビゲーション装置1は、設定された入力角度にて手書き文字の入力枠を表示する入力枠表示手段を備えている。
【0028】
図3(b)は、入力枠32の変形例を説明するための図である。
この例では入力枠32の入力角度が変更できるようになっている。即ち、切替ボタン33をタッチするたびに、入力枠32の角度が水平になったり、入力角度だけ回転したりする。
助手席からディスプレイ42に手書き文字を入力する場合は、入力枠32が水平の方が描きやすいため、切替ボタン33によって入力枠32の角度を切り替えられると、運転席、助手席の何れからも手書き文字が入力しやすくなる。
なお、以上では、助手席から手書き文字を入力する場合は、入力枠32を水平に表示することとしたが、入力枠32の角度を助手席のユーザが入力し易い角度に設定することもできる。
【0029】
次に、図4を用いて、ユーザが手書き文字の入力角度を設定する場合について説明する。
ナビゲーション装置1は、ユーザが手書きで直線を描くと、その直線が水平角度と成す角度を入力角度として取得する。
例えば、図4(a)に示したように、ユーザが水平に直線31を描くと、ナビゲーション装置1は、入力角度が0度であると判断し、図4(b)に示したように傾きが0度の入力枠32を表示する。
【0030】
そして、図4(c)、(e)のように、ユーザが描く直線31の角度が大きくなるにつれ、図4(d)、図4(f)のように、入力枠32の角度も大きくなっていく。
ユーザが、直線31を描く場合、自然体でこれを描くため、ユーザにとっても最も手書き文字を描きやすい角度を入力角度に設定することができる。
なお、上の例では、ユーザが手書きで横線を引き、これの水平線との角度を入力角度としたが、例えば、ユーザが手書きで縦線を引き、これの鉛直線との角度を入力角度とすることもできる。
【0031】
即ち、ナビゲーション装置1は、所定の基準線(例えば、水平線や鉛直線)に対してユーザが直線を描き、ユーザが描いた直線と所定の基準線の成す角度を入力角度として設定する。
このように、ナビゲーション装置1は、手書きによって直線の入力を受け付ける直線受付手段を備えており、ナビゲーション装置1は、この直線が所定の基準線と成す角度を入力角度に設定する。
【0032】
図5は、入力枠の変形例を説明するための図である。
ナビゲーション装置1は、ディスプレイ42において、中央から助手席側に助手席用入力エリア34を設定し、運転席側に運転席用入力エリア36を設定する。
そして、ナビゲーション装置1は、助手席用入力エリア34に助手席用入力枠35を表示し、運転席側に運転席用入力エリア36に運転席用入力枠37を表示する。
【0033】
助手席用入力枠35、運転席用入力枠37の表示角度は、それぞれ助手席に座ったユーザ、及び運転席に座ったユーザが手書き文字を描きやすい角度に設定されている。
通常、運転席用入力枠37は、反時計方向に回転した角度、助手席用入力枠35は、水平か時計方向に回転した角度に設定される。
これらの入力角度は、デフォルト値を使用しても良いし、あるいは、運転席と助手席の各ユーザが設定しても良い。
【0034】
次に、図4の各図に示した場合に、ナビゲーション装置1が手書き文字を認識する手順を図6のフローチャートを用いて説明する。
以下の処理は、CPU21が所定のプログラムに従って行うものである。
まず、ナビゲーション装置1は、ディスプレイ42にてユーザから手書き直線の入力を受け付ける(ステップ5)。
【0035】
そして、ナビゲーション装置1は、ユーザが描いた直線の水平に対する角度を計算し(ステップ10)、その結果を手書き文字の入力角度に設定する。
このようにして入力角度を設定した後、ナビゲーション装置1は、当該入力角度にて傾いた入力枠32をディスプレイ42に表示する(ステップ15)。
そして、ナビゲーション装置1は、ユーザが入力枠32に描いた手書き文字の入力を受け付ける(ステップ20)。
【0036】
次に、ナビゲーション装置1は、ユーザが描いた手書き文字を、入力枠32の回転方向と逆方向に入力角度分だけ回転し(ステップ25)、手書き文字を水平に描かれたものに変換する。
次に、ナビゲーション装置1は、水平方向に補正された手書き文字を、予め用意してある文字セットとの類似度などを用いて文字情報として認識する(ステップ30)。
水平方向に補正された手書き文字の認識は、公知の技術を用いることができる。
【0037】
次に、図5に示したように、ディスプレイ42に運転席側に運転席用入力エリア36と助手席用入力エリア34を設ける場合に、助手席用入力枠35と運転席用入力枠37の表示手順を図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、ナビゲーション装置1は、車両が駐車中か確認する(ステップ50)。車両が駐車中でない場合(即ち、走行中の場合)(ステップ50;N)、ナビゲーション装置1は、運転席用入力枠37を消去し、助手席用入力枠35のみ表示する(ステップ60)。
このように運転中の手書き入力を禁止することにより、運転者は運転に集中することができる。
【0038】
一方、駐車中の場合(ステップ50;Y)、ナビゲーション装置1は、ディスプレイ42に助手席用入力枠35と運転席用入力枠37を表示する(ステップ55)。
そして、ナビゲーション装置1は、運転席用入力枠37に手書き文字の入力があったか確認し、入力があった場合(ステップ65;Y)、助手席用入力枠35を消去して(ステップ75)、運転席用入力枠37に入力された手書き文字を認識する(ステップ85)。
【0039】
また、運転席用入力枠37に手書き文字の入力がなかった場合(ステップ65;N)、ナビゲーション装置1は、助手席用入力枠35に手書き文字の入力があったか確認する。
助手席用入力枠35に手書き文字の入力がなかった場合(ステップ70;N)、ナビゲーション装置1は、ステップ65に処理を戻す。
一方、助手席用入力枠35に手書き文字の入力があった場合(ステップ70;Y)、ナビゲーション装置1は、運転席用入力枠37を消去し(ステップ80)、手書き文字を認識する(ステップ85)。
【0040】
以上に述べた本実施の形態により次のような効果を得ることができる。
(1)傾いた角度で入力された手書き文字を認識することができる。
(2)そのため、ユーザの入力時の姿勢が斜めであっても、ユーザは自分の姿勢に応じた角度で手書き入力することができる。
(3)これによって、運転席、助手席のどちらからも横から簡単に手書き入力でき、ユーザの使い勝手を向上させることができる。即ち、斜めから手書き文字を入力が可能となるため、ユーザにとって自然な姿勢で手書き文字の入力を行うことができる。
(4)ユーザが入力枠32に引いた横線によって、手書き文字入力時の傾きを検出することができる。
(5)助手席用入力枠35と運転席用入力枠37を設けることにより、助手席のユーザと運転席のユーザで別の文字入力枠を用意し、タッチパネルをタッチされた位置によって文字入力枠表示を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】手書き文字の入力方法を説明するための図である。
【図2】ナビゲーション装置のシステム構成図である。
【図3】ディスプレイを説明するための図である。
【図4】手書き文字の入力角度を設定する場合を説明する図である。
【図5】入力枠の変形例を説明するための図である。
【図6】手書き文字を認識する手順を説明するためのフローチャートである。
【図7】運転席用、助手席用の入力枠を表示する手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1 ナビゲーション装置
31 直線
32 入力枠
33 切替ボタン
34 助手席用入力エリア
35 助手席用入力枠
36 運転席用入力エリア
37 運転席用入力枠
42 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手書き文字の入力角度を設定する入力角度設定手段と、
手書き文字の入力を受け付ける文字受付手段と、
前記受け付けた手書き文字を前記設定した入力角度に応じて認識する文字認識手段と、
前記認識した文字を用いて対象物を検索する検索手段と、
前記検索した対象物を提示する提示手段と、
を具備したことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
手書きによって直線の入力を受け付ける直線受付手段を具備し、
前記入力角度設定手段は、前記受け付けた直線が所定の基準線と成す角度を入力角度に設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記入力角度設定手段は、ユーザが設定した入力角度か、あるいは、所定のデフォルト角度の少なくとも一方によって入力角度を設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記設定した入力角度にて手書き文字の入力枠を表示する入力枠表示手段を具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記入力枠表示手段は、運転席側と助手席側で個別に所定の入力角度の入力枠を表示することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
運転者が運転操作を行っている場合、前記入力枠表示手段は、前記運転席側の入力枠を消去することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−250679(P2008−250679A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−91230(P2007−91230)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】