説明

ナビゲーション装置

【課題】ユーザが確実に通行することが可能な経路を提示することができ、ひいては、利便性および信頼性を向上させることができる「ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】探索条件を満たす経路に非誘導対象道路が含まれている場合であっても、経路探索手段23により、非誘導対象道路を確実に回避することができる完全誘導対象経路を探索し、探索された完全誘導対象経路を経路提示手段24,25,26によってユーザに提示すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に係り、特に、目的地までの経路を探索してユーザに提示するのに好適なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ナビゲーション装置においては、地図データを用いることによって、現在地から目的地までの経路を、設定された探索条件に従って探索し、探索された経路をユーザに提示することが行われていた。この経路の提示の具体的な態様としては、例えば、探索された経路を経路誘導の対象の候補として探索結果の表示画面に選択可能な状態として表示することや、経路誘導の対象として選択された経路の画像を、経路誘導の際に地図上に重畳表示すること、あるいは、経路誘導の対象として選択された経路に進行するための音声案内を行うこと等が挙げられる。
【0003】
このようなナビゲーション装置の一例として、車両に搭載される車載用ナビゲーション装置においては、目的地までの通過コストを考慮して目的地までの推奨経路を探索して提示することが行われていた。なお、推奨経路は、メーカによって異なるが、目的地までの所要時間が最短となる経路とすることが多かった。また、車載用ナビゲーション装置の中には、推奨経路に併せて、例えば、目的地までの所要距離が最短となる距離優先経路、有料道路を優先的に走行する有料道路優先経路、一般道を優先的に走行する一般道優先経路等を探索して提示するものもあった。
【0004】
【特許文献1】特開2000−266553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、各国々あるいは各地域に存在する道路には、道路調査の結果、道幅が細すぎる等の一般的な車両の通行には不適切であることが判明した道路があり、このような道路は、車載用ナビゲーション装置においては、例えば、通過コストを非常に高く設定すること等によって、経路誘導の対象とはなり得ない非誘導対象道路の1つとして地図データに設定されていた。
【0006】
また、道路の中には、道路調査が一切または十分になされておらず、一方通行等の経路誘導に用いることが可能な通行規制情報をともなわない状態として地図データに設定された道路があり、このような道路も、車載用ナビゲーション装置においては、非誘導対象道路の1つとされていた。なお、このような十分な調査が行き届いていない道路の数は、これから車載用ナビゲーション装置が導入されようとしている国々や国内全ての道路の調査が困難なほど国土が広い国々等の地図データベースの整備が不十分な国々において特に顕著なものとなる。
【0007】
そして、従来の車載用ナビゲーション装置においては、探索された経路中に非誘導対象道路が含まれている場合には、探索結果を表示する際に、経路上の非誘導対象道路に相当する区間を図7に示すような破線等によって表示し、この区間内においては自車両の経路誘導を行わないようになっていた。
【0008】
しかし、図7に示すような状態として経路が提示されたとしても、ユーザは、実際に非誘導対象道路に到達してみなければその非誘導対象道路の通行の可否が分からないことが多かったため、実際に非誘導対象道路に到達して通行が不可能であった場合には、ユーザに対して非常に大きな不快感を与えるばかりでなく、元来た道を戻るといった煩雑な運転操作を強いる結果ともなっていた。
【0009】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、ユーザが確実に通行することが可能な経路を提示することができ、ひいては、利便性および信頼性を向上させることができるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、本発明に係るナビゲーション装置は、目的地までの経路を地図データを用いて探索する経路探索手段と、この経路探索手段によって探索された前記経路をユーザに提示する経路提示手段とを備え、前記経路探索手段によって探索された前記経路に沿った前記目的地までの経路誘導を行うことが可能に形成されたナビゲーション装置であって、前記経路探索手段は、設定された探索条件を満たす前記目的地までの経路を探索した際に、探索された前記探索条件を満たす前記経路内に、前記経路誘導の対象とはなり得ない状態として前記地図データに設定された道路である非誘導対象道路が含まれている場合には、前記探索条件を満たす前記経路を探索した後に、前記経路誘導の対象となり得る状態として前記地図データに設定された道路である誘導対象道路のみが含まれた前記目的地までの経路である完全誘導対象経路を探索可能に形成され、前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって前記完全誘導対象経路が探索された場合には、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路に加えて、探索された前記完全誘導対象経路をもユーザに提示するように形成されていることを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、探索条件を満たす経路に非誘導対象道路が含まれている場合であっても、非誘導対象道路を確実に回避することができる完全誘導対象経路を探索してユーザに提示することができるので、ユーザが確実に通行することが可能な経路を提示することができ、ひいては、利便性および信頼性を向上させることができる。
【0012】
また、前記非誘導対象道路は、通行するには不適切な道路として前記地図データに設定された道路と、前記経路誘導に用いることが可能な通行規制情報をともなわない状態として前記地図データに設定された道路との少なくとも一方を含むものであってもよい。
【0013】
このような構成によれば、種々の態様の非誘導対象道路を網羅することができるので、汎用性を向上させることができる。
【0014】
さらに、前記経路提示手段は、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路と、前記探索された前記完全誘導対象経路とを、前記経路探索手段の探索結果を示す画面において互いに対比可能な状態として表示することにより、前記経路探索手段によって探索された前記経路の提示を行うように形成されていることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、探索条件を満たす経路と完全誘導対象経路とを、探索結果を示す画面において互いに対比させることができ、これらの探索された経路のいずれを経路誘導の対象とすべきかを事前に判断することができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0016】
さらにまた、前記経路提示手段は、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路と、前記探索された前記完全誘導対象経路とを、ユーザが選択可能な状態として表示するように形成され、ナビゲーション装置本体が、前記経路提示手段によって選択可能な状態として表示された前記経路の中からユーザによって選択された前記経路に沿った前記経路誘導を行うように形成されていることが好ましい。
【0017】
このような構成によれば、探索条件を満たす経路と完全誘導対象経路とを対比して所望の経路を即時に選択して経路誘導に移行することができるので、操作性および利便性をさらに向上させることができる。
【0018】
また、前記経路提示手段は、ユーザが、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路上を、当該経路の提示をともなう当該経路に沿った前記経路誘導を受けつつ通行している場合に、前記探索された前記完全誘導対象経路の提示を行うように形成されていることが好ましい。
【0019】
このような構成によれば、完全誘導対象経路の提示を、探索条件を満たす経路に沿った経路誘導が行われている場合に行うことによって、ユーザが、現在通行している経路に対する完全誘導対象経路の差異を明確に把握しつつ進路を選択することができるので、利便性をさらに向上することができる。
【0020】
さらに、前記経路探索手段は、前記完全誘導対象経路として、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路に対応する前記地図データ中のリンクにおけるユーザの現在の通行地点に該当する1本のリンクの終端部に対応する地点を始点とした完全誘導対象経路を、当該通行地点の変動に応じて動的に探索可能に形成され、前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって動的に探索される前記完全誘導対象経路を提示するように形成されていることが好ましい。
【0021】
このような構成によれば、例えば、出発地点の周辺がすべて非誘導対象道路の場合等、当初の通行地点において完全誘導対象経路が探索されなかった場合であっても、探索条件を満たす経路上の通行が進行して現在の通行地点に対応した目的地までの完全誘導対象経路が事後的に見つかった場合には、これをユーザに提示することができる。この結果、ユーザが、目的地に確実に到達することができる経路を取得することができる確率を高めることができ、利便性および信頼性をさらに向上させることができる。
【0022】
さらにまた、前記経路探索手段は、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路に対応する前記地図データ中のリンクとして、前記非誘導対象道路の回避が不可能とみなされる当該経路上の道路区間に対応するリンクである回避不能リンクが存在する場合には、前記完全誘導対象経路として、前記回避不能リンクにおける始端部に対応する地点において前記探索された前記探索条件を満たす前記経路を逸脱するような完全誘導対象経路を探索可能に形成されていることが好ましい。
【0023】
このような構成によれば、探索条件を満たす経路上に、非誘導対象道路を回避することが不可能とみなされる道路区間が存在する場合には、この道路区間内に進入する直前で探索条件を満たす経路を逸脱することができるような完全誘導対象経路を提示することにより、ユーザが経路誘導の対象として選択した探索条件を満たす経路上を可能な限り通行しつつも、目的地まで確実に到達することが可能な経路を提示することができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0024】
また、前記経路提示手段は、前記回避不能リンクにおける始端部において前記探索された前記探索条件を満たす前記経路を逸脱するような前記完全誘導対象経路を、前記回避不能リンクの直前のリンクに対応する通行地点において提示するように形成されていることが好ましい。
【0025】
このような構成によれば、ユーザが探索条件を満たす経路を逸脱して完全誘導対象経路に移行するタイミングを取りやすくなるので、利便性をさらに向上させることができ、また、必要時以外において完全誘導対象経路が提示されることによるユーザの混乱を回避することができる。
【0026】
さらに、前記回避不能リンクは、その終端部に前記非誘導対象道路に対応するリンクのみが接続されているリンクとされていることが好ましい。
【0027】
このような構成によれば、回避不能リンクとして適切なリンクを選択したことにより、さらに適切な完全誘導対象経路の提示が可能となる。
【0028】
さらにまた、前記経路探索手段は、ユーザが前記回避不能リンクに対応する道路を通って前記非誘導対象道路の直前の地点まで進行して当該非誘導対象道路の通行が不可能であることを確認したと仮定した場合における当該非誘導対象道路の直前の地点から前記完全誘導対象経路に復帰することが可能な経路である復帰可能経路を探索可能に形成され、前記経路提示手段は、前記復帰可能経路を提示するように形成されていることが好ましい。
【0029】
このような構成によれば、復帰可能経路を事前に提示することができるので、ユーザに安心感を与えることができ、利便性および信頼性をさらに向上させることができる。
【0030】
また、前記経路探索手段は、互いに異なる複数種類の前記探索条件をそれぞれ満足する複数種類の前記経路を探索するように形成されているとともに、前記複数種類の経路のうちの少なくとも所定の1種類の経路中に前記非誘導対象道路が含まれている場合に、前記完全誘導対象経路を探索可能に形成されていることが好ましい。
【0031】
このような構成によれば、複数種類の探索条件をそれぞれ満足する複数種類の経路を探索する場合においても、完全誘導対象経路を探索して提示することが可能となる。
【0032】
さらに、ナビゲーション装置本体は、自車両を前記目的地まで経路誘導するための車載用のナビゲーション装置本体とされ、前記所定の1種類の経路は、前記目的地までの推奨経路とされていることが好ましい。
【0033】
このような構成によれば、車載用ナビゲーション装置における完全誘導対象経路の探索を、複数種類の探索条件をそれぞれ満たす複数種類の経路のうちの経路誘導が行われる頻度が高い推奨経路中に非誘導対象道路が含まれている場合に行うことによって、実用性を向上させることができる。
【0034】
さらにまた、前記複数種類の経路は、前記推奨経路以外にも、前記目的地までの所要距離が最短となる経路である距離優先経路、有料道路を優先的に走行する経路である有料道路優先経路、一般道を優先的に走行する経路である一般道優先経路、およびルートバンキング機能によって登録された経路である登録経路の少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0035】
このような構成によれば、必要性が高い実情に適合した探索条件に従って探索された経路を提示することができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0036】
また、前記経路提示手段は、前記完全誘導対象経路を提示する際に、当該完全誘導対象経路を通行する場合における前記目的地までの所要時間を、前記探索さえた前記探索条件を満たす前記経路を通行する場合における前記目的地までの所要時間と対比可能な状態として提示するように形成されていることが好ましい。
【0037】
このような構成によれば、完全誘導対象経路を提示する際に、目的地までの所要時間の観点から完全誘導対象経路を通行すべきか否かを判断するための判断材料をユーザに提供することができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0038】
さらに、前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって探索された前記経路の提示を、ナビゲーション装置本体の表示部に表示される地図上または交差点拡大図上への当該経路を示す画像の重畳表示によって行うように形成されていることが好ましい。
【0039】
このような構成によれば、ユーザが、提示された経路を視覚を通じて明確に把握することができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0040】
さらにまた、前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって探索された前記経路の提示を、音声出力によって行うように形成されていることが好ましい。
【0041】
このような構成によれば、ユーザが、提示された経路を聴覚を通じて明確に把握することができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0042】
また、ユーザが前記経路誘導を受けていない状態として前記非誘導対象道路の直前の地点に到達した際に、前記非誘導対象道路の存在をユーザに通知する警告を出力することが可能に形成されていることが好ましい。
【0043】
このような構成によれば、経路誘誘導を行わない場合においても、ユーザが非誘導対象道路の直前の地点に到達した際に非誘導対象道路の回避を促すことはできるので、利便性をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明に係るナビゲーション装置によれば、ユーザが確実に通行することが可能な経路を提示することができ、ひいては、利便性および信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
(第1実施形態)
以下、本発明に係るナビゲーション装置としての車載用ナビゲーション装置の第1実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
【0046】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、大別して、ナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2にそれぞれ接続されたデータ読出装置3、入力操作部5、GPSレシーバ6、自律航法センサ7、表示部としてのディスプレイ8およびスピーカ9とによって構成されている。
【0047】
なお、入力操作部5は、リモコン、ディスプレイ8のタッチパネル、リニアエンコーダまたはロータリエンコーダ等であってもよい。
【0048】
データ読出装置3には、ハードディスクやDVD等の記憶媒体10が搭載されており、この記憶媒体10には、地図データ等の車載用ナビゲーション装置1の機能を実行させるための各種のデータが記憶されている。なお、地図データは、地図表示機能および経路誘導機能の実行に用いられる道路データおよび背景データと、経路探索機能の実行に用いられる経路計算データと、目的地や施設等の検索機能の実行に用いられる検索データとを有している。
【0049】
ここで、経路計算データは、例えば、ノード、リンクおよびリンクのコスト値(通過コスト)等のエンティティ(データ構成要素)によって構成されており、この経路計算データは、目的地までの経路の探索に用いられるようになっている。この経路計算データにおけるコスト値は、リンクの通行し難さを示す値とされており、このコスト値が高いリンクほど、目的地までの経路を構成するリンクとして選択され難くなる。ただし、任意の1本のリンクには、目的地までの経路の探索条件に応じて複数のコスト値が設定されていることが多いので、探索条件に応じては、1本のリンクが目的地までの経路を構成するリンクとして選択され難くなる場合もあり、選択され易くなる場合もある。
【0050】
ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、このナビゲーションメインユニット2は、自車位置算出部12を有しており、この自車位置算出部12の入力側には、GPSレシーバ6および自律航法センサ7がそれぞれ接続されている。
【0051】
GPSレシーバ6は、図示しないGPS衛星から受信した軌道および時刻を含む情報を自車位置算出部12に出力するようになっている。自車位置算出部12は、GPSレシーバ6から出力された情報に基づいて、自車位置(絶対位置)を算出するようになっている(衛星航法)。
【0052】
自律航法センサ7は、自車の角速度や車速等を検出し、検出結果を自車位置算出部12に出力するようになっている。自車位置算出部12は、自律航法センサ7から出力された検出結果に基づいて、自車位置(相対位置)を算出するようになっている(自律航法)。
【0053】
自車位置算出部12は、算出され自車位置が、地図データにおける道路上にない場合には、地図データにおける該当する道路上の位置に自車位置を補正するマップマッチング処理を行うように構成されている。
【0054】
すなわち、自車位置算出部12とデータ読出装置3との間には、データ読出制御部14が接続されており、このデータ読出制御部14は、データ読出装置3に対する読み出し要求によって、記憶媒体10に記憶されたデータを読み出させるようになっている。また、データ読出装置3と自車位置算出部12との間には、バッファ15が接続されており、このバッファ15には、データ読出装置3によって読み出されたデータが一時的に格納されるようになっている。
【0055】
そして、マップマッチング処理の際には、データ読出制御部14は、自車位置算出部12の算出結果を取得し、取得された算出結果が示す自車位置の周辺の地図データの読み出し要求をデータ読出装置3に対して出力するようになっている。これにより、データ読出装置3は、データ読出制御部14の読み出し要求に応じた自車位置の周辺の地図データを記憶媒体10から読み出し、読み出された地図データは、バッファ15に一時的に格納されるようになっている。そして、自車位置算出部12は、このバッファ15に格納された地図データを取得し、取得された地図データを用いてマップマッチング処理を行うようになっている。このようなマップマッチング処理が適正に完了した場合には、マップマッチング処理後の自車位置が、最終的な自車位置の算出結果となる。
【0056】
バッファ15には、地図描画部16が接続されており、この地図描画部16には、地図表示の際に、記憶媒体10から読み出されてバッファ15に一時的に格納された地図データが入力されるようになっている。そして、地図描画部16は、バッファ15から入力された地図データに基づいて、自車位置の周辺の地図や、入力操作部5の操作によってユーザが指定した地点の周辺の地図の描画データを生成するようになっている。
【0057】
地図描画部16とディスプレイ8との間には、表示処理部18が接続されており、この表示処理部18には、地図描画部16によって生成された地図の描画データが入力されるようになっている。
【0058】
そして、表示処理部18は、地図描画部16から入力された地図の描画データに対応した地図の画像をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0059】
自車位置算出部12と表示処理部18との間には、自車位置描画部19が接続されており、この自車位置描画部19には、自車位置算出部12によって算出された自車位置の情報が入力されるようになっている。自車位置描画部19は、自車位置算出部12から入力された自車位置の情報に基づいて、自車位置を示す自車位置マークの描画データを生成するようになっている。自車位置描画部19によって生成された自車位置マークの描画データは、表示処理部18に入力されるようになっている。そして、表示処理部18は、入力された自車位置マークの描画データに対応した自車位置マークを、ディスプレイ8に表示された地図上に重畳表示するようになっている。
【0060】
表示処理部18の入力側には、操作画面描画部20が接続されており、この操作画面描画部20は、メニュー画面や目的地設定画面等のユーザによる入力操作部5を用いた入力操作が可能な各種の操作画面の描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部18に出力するようになっている。そして、表示処理部18は、操作画面描画部20によって出力された操作画面の描画データに対応した操作画面をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0061】
入力操作部5の出力側には、目的地設定部21が接続されており、この目的地設定部21には、入力操作部5から、目的地設定画面に対する目的地を設定するためのユーザの入力操作の結果が入力されるようになっている。そして、目的地設定部21は、目的地設定画面に対する入力操作の結果に応じた目的地を設定するようになっている。
【0062】
自車位置算出部19、目的地設定部21、データ読出制御部14およびバッファ15には、経路探索手段としての経路探索部23が接続されており、この経路探索部23には、自車位置算出部12の算出結果および目的地設定部21の設定結果がそれぞれ入力されるようになっている。
【0063】
そして、経路探索部23は、自車位置算出部12の算出結果および目的地設定部21の設定結果が入力されると、これらの入力情報に基づいて、データ読出制御部14に、自車位置と目的地とを結ぶ所定範囲の領域に対応する経路計算データを読み出すための読み出し要求をデータ読出装置3に対して出力させるようになっている。この読み出し要求によって記憶媒体10から読み出された経路計算データは、バッファ15に一時的に格納された後に経路探索部23によって取得されるようになっている。そして、経路探索部23は、取得された経路計算データを用いて、自車位置から目的地までの経路を探索するための経路計算を行うようになっている。
【0064】
この経路計算の際に、本実施形態における経路探索部23は、ユーザによる入力操作またはナビゲーション装置1の初期設定(標準設定)によって設定された複数種類の探索条件をそれぞれ満たす複数種類の経路を同時に探索可能とされている。
【0065】
前記複数種類の探索条件の1つには、自車位置から目的地までの経路として車載用ナビゲーション装置1が最も推奨する経路である推奨経路を探索する旨の探索条件が必ず含まれている。推奨経路は、自車位置から目的地までの所要時間が最短となるような経路であることが多いが、どのような経路を推奨経路にするかについては、コンセプトに応じて種々変更することができる。
【0066】
また、前記複数種類の探索条件の1つには、自車位置から目的地までの所要距離が最短となる経路である距離優先経路を探索する旨の探索条件が含まれていてもよい。
【0067】
さらに、前記複数種類の探索条件の1つには、有料道路を優先的に走行する経路である有料道路優先経路を探索する旨の探索条件が含まれていてもよい。
【0068】
さらにまた、前記複数種類の探索条件の1つには、一般道を優先的に走行する経路である一般道優先経路を探索する旨の探索条件が含まれていてもよい。
【0069】
また、前記複数種類の探索条件の1つには、ルートバンキング機能によって登録された経路である登録経路を探索する旨の探索条件が含まれていてもよい。
【0070】
そして、本実施形態における経路探索部23は、探索された推奨経路内に、経路誘導の対象とはなり得ない状態として地図データに設定された道路である非誘導対象道路が含まれているか否かを判定するようになっている。
【0071】
この非誘導対象道路の1つとしては、通行するには不適切な道路として地図データに設定された道路(以下、不適切道路と称する)を用いることができる。この場合、経路探索部23は、推奨経路に対応する各リンク内に、不適切道路であることを示す情報(コスト値であってもよい)を有するリンクが含まれている場合には、推奨経路内に非誘導対象道路(不適切道路)が含まれていると判定することになる。
【0072】
また、非誘導対象道路の1つとしては、経路誘導に用いることが可能な通行規制情報をともなわない状態として地図データに設定された道路(以下、未調査道路と称する)を用いることができる。この場合、経路探索部23は、推奨経路に対応する各リンク内に、経路誘導に耐え得る程度の通行規制情報が欠落しているリンクが含まれている場合には、推奨経路内に非誘導対象道路(未調査道路)が含まれていると判定することになる。
【0073】
このような判定の結果、推奨経路内に非誘導対象道路が含まれている場合には、経路探索部23は、推奨経路を探索した後に、完全誘導対象経路を探索するようになっている。
【0074】
ここで、完全誘導対象経路とは、経路誘導の対象となり得る状態として地図データに設定された道路である誘導対象道路のみが含まれた自車位置から目的地までの経路を意味する。誘導対象道路は、前述した不適切道路および未調査道路のいずれにも該当しない道路であればよい。
【0075】
なお、前述のように、非誘導対象道路は、コスト値が高く設定されていることによって探索され難くなっている場合もあるため、従来の探索においても、非誘導対象道路をある程度除外することができることもあった。
【0076】
しかしながら、経路の探索は、自車位置と目的地とを結ぶ所定の領域に対応する経路計算データを用いて行うため、経路を探索する領域には一定の限度があり、また、探索条件に重きを置いた探索を行う必要があったため、非誘導対象道路を含む経路が探索される可能性は十分にあった。そして、このような非誘導対象道路を含む経路が探索された場合に、従来は、探索された非誘導対象道路を含む経路のみを提示していた。
【0077】
これに対して、本実施形態においては、非誘導対象道路を含む経路が探索された場合には、さらに、非誘導対象道路を積極的に除外すべく完全誘導対象経路の探索を行うので、従来とは明らかに異なっている。
【0078】
このような完全誘導対象経路を探索の際に、経路探索部23は、完全誘導対象経路を探索する領域(経路計算データ)を、探索条件を満たす経路を探索する領域よりも広げてもよいことは勿論である。
【0079】
経路探索部23と表示処理部18との間には、経路提示手段として機能する探索結果描画部24が接続されており、この探索結果描画部24には、経路探索部23の探索結果が入力されるようになっている。そして、探索結果描画部24は、入力された経路探索部23の探索結果を示す探索結果表示画面の描画データを生成し、生成された探索結果表示画面の描画データを表示処理部18に出力するようになっている。
【0080】
このとき、探索結果描画部24は、経路探索部23の探索結果に完全誘導対象経路が含まれている場合には、探索結果表示画面の描画データとして、探索結果に含まれた完全誘導対象経路と、探索結果に含まれた探索条件を満たす経路(推奨経路を必ず含む少なくとも1種類の経路)とを、互いに対比可能な状態として表示するための描画データを生成するようになっている。この探索結果表示画面の描画データは、例えば、探索された完全誘導対象経路および探索された探索条件を満たす経路をそれぞれ走行する場合における自車位置から目的地までの所要時間、所要通行料金(有料道路の走行に要する料金)および所要距離を互いに対比可能な状態としてリスト表示するためのデータであってもよい。あるいは、探索結果表示画面の描画データは、探索された完全誘導対象経路を示す経路画像と、探索された探索条件を満たす経路を示す経路画像とを互いに対比可能な状態として地図上に重畳表示するためのデータであってもよい。
【0081】
また、探索結果描画部24は、経路探索部23の探索結果に完全誘導対象経路が含まれている場合には、探索結果表示画面の描画データとして、探索結果に含まれた完全誘導対象経路と、探索結果に含まれた探索条件を満たす経路とを、経路誘導の対象として選択可能な状態として表示するための描画データを生成するようになっている。
【0082】
本実施形態において、表示処理部18は、探索結果描画部24とともに経路提示手段として機能し、探索結果描画部24によって生成された描画データに対応する探索結果表示画面をディスプレイ8に表示するようになっている。したがって、経路探索部23によって完全誘導対象経路が探索された場合には、推奨経路をはじめとした探索条件を満たす経路に加えて、探索された完全誘導対象経路が探索結果表示画面としてユーザに提示されることになる。
【0083】
入力操作部5、自車位置算出部12、バッファ15、経路探索部23および表示処理部18には、案内画像描画部25が接続されており、この案内画像描画部25には、自車位置算出部12の算出結果および経路探索部23の探索結果がそれぞれ入力されるようになっている。また、案内画像描画部25には、探索結果描画部24によって表示された探索結果表示画面の中から、ユーザが経路誘導の対象として選択した経路の選択結果が入力操作部5から入力されるようになっている。
【0084】
そして、案内画像描画部25は、経路提示手段として機能し、入力操作部5から入力された選択結果が示す経路に基づいて、地図上への経路を示す画像の重畳表示や交差点拡大画像の表示等の、画像表示による経路の提示をともなう経路誘導を行うための案内画像の描画データを生成し、生成された案内画像の描画データを表示処理部18に出力するようになっている。案内画像の描画データの生成には、自車位置算出部12の算出結果、経路探索部23の探索結果およびバッファ15に格納された地図データが適宜用いられるようになっている。そして、表示処理部18は、案内画像描画部25から出力された案内画像の描画データに対応した案内画像をディスプレイ8に表示するようになっている。これにより、探索された経路の画像による提示をともなう経路誘導(換言すれば、ルート案内)が行われることになる。このとき、ユーザによって経路誘導の対象として選択された経路が完全誘導対象経路の場合には、完全誘導対象経路の提示(画像表示)をともなう経路誘導が行われることになる。
【0085】
入力操作部5、自車位置算出部12、経路探索部23およびスピーカ9には、音声案内部26が接続されており、この音声案内部26には、入力操作部5による経路誘導の対象となる経路の選択結果、自車位置算出部12の算出結果および経路探索部23の算出結果がそれぞれ入力されるようになっている。
【0086】
そして、音声案内部26は、経路提示手段として機能し、入力操作部5から入力された選択結果が示す経路に基づいて、交差点右左折案内等の音声出力による経路の提示をともなう経路誘導を行うための案内音声データを生成し、生成され案内音声データをスピーカ9に対して出力するようになっている。これにより、探索された経路の音声による提示をともなう経路誘導が行われることになる。このとき、ユーザによって経路誘導の対象として選択された経路が完全誘導対象経路の場合には、完全誘導対象経路の提示(音声出力)をともなう経路誘導が行われることになる。
【0087】
このような構成によれば、探索条件を満たす経路と完全誘導対象経路とを探索結果表示画面において互いに対比させることができ、これらの提示された経路のいずれを経路誘導の対象とすべきかをユーザが事前に判断することができる。また、探索条件を満たす経路と完全誘導対象経路とを対比して所望の経路を即時に選択して経路誘導に移行することができる。
【0088】
次に、本実施形態の作用について、より具体的な例を用いつつ説明する。
【0089】
本実施形態においては、まず、操作画面描画部20および表示処理部18によってディスプレイ8に表示された目的地設定画面に対して、ユーザが、目的地を設定するための入力操作部5を用いた入力操作を行うと、この入力操作の操作結果に対応する目的地が目的地設定部21によって設定される。
【0090】
次いで、経路探索部23は、自車位置算出部12の算出結果および目的地設定部21の設定結果を用いて、予め設定された探索条件に従って、自車位置から目的地までの経路として、推奨経路、距離優先経路、有料道路優先経路、一般道優先経路、および登録経路(図2におけるRB)の5種類の経路(以下、5ルートと称する)を探索する。
【0091】
次いで、経路探索部23は、探索された5ルートのうちの推奨経路内に非誘導対象道路が含まれているか否かを判定し、非誘導対象道路が含まれている場合には、完全誘導対象経路を探索する。
【0092】
そして、経路探索部23は、完全誘導対象経路が探索された場合には、この完全誘導対象経路の探索結果を、5ルートの探索結果とともに探索結果描画部24に出力する。
【0093】
一方、経路探索部23は、探索された推奨経路内に非誘導対象道路が含まれていない場合、すなわち、推奨経路自身が完全誘導対象経路である場合には、完全誘導対象経路の探索は行わない。このように、完全誘導対象経路の探索を行わない場合および完全誘導対象経路の探索を行ったが完全誘導対象経路が見つからなかった場合には、経路探索部23は、5ルートの探索結果のみを探索結果描画部24に出力する。
【0094】
次いで、探索結果描画部24は、経路探索部23から出力された探索結果を取得し、取得された探索結果に応じた探索結果表示画面の描画データを生成して表示処理部18に出力する。
【0095】
次いで、表示処理部18は、探索結果描画部24によって生成された探索結果表示画面の描画データに対応する探索結果をディスプレイ8に表示する。
【0096】
ここで、図2は、5ルートとともに完全誘導対象経路が探索された場合におけるディスプレイ8に表示される探索結果表示画面の一例として、5ルートとともに完全誘導対象経路を提示するリスト表示画面29を示すものである。
【0097】
このリスト表示画面29においては、5ルートおよび完全誘導対象経路のそれぞれを走行する場合における自車位置から目的地までの所要距離、所要通行料金および所要時間が互いに対比可能な状態として表示されている。
【0098】
また、このリスト表示画面29は、経路種別名が記述されている欄30を、入力操作部5の操作によって選択的にカーソル指定することができるようになっており、カーソル指定された欄30において、入力操作部5を用いて決定操作を行うことによって、カーソル指定された経路種別名の経路に沿った経路誘導に移行することができるようになっている。
【0099】
なお、図2においては、完全誘導対象経路がカーソル指定されているため、このカーソル位置において決定操作を行えば、完全誘導対象経路に沿った経路誘導が開始されることになる。
【0100】
また、図3(a)〜(c)は、5ルートとともに完全誘導対象経路が探索された場合におけるディスプレイ8に表示される探索結果表示画面の図2とは異なる一例として、5ルートとともに完全誘導対象経路を提示する地図表示画面31を段階的に示すものである。
【0101】
すなわち、図3(a)に示す地図表示画面31においては、5ルートおよび完全誘導対象経路のそれぞれの経路画像32が、地図33上に互いに対比可能な状態として重畳表示されている。また、この図3(a)の地図表示画面31には、各経路種別名が表記された複数個の操作ボタン34が、入力操作部5の操作によって選択可能に表示されている。
【0102】
この地図表示画面31に対して、ユーザが、入力操作部5を用いて例えば完全誘導対象経路に対応する操作ボタン34を選択すると、図3(b)に示すように、地図表示画面31上に決定ボタン35が表示される。
【0103】
そして、ユーザが、入力操作部5を用いて決定ボタン35を操作すると、図3(c)に示すように、地図表示画面31上には、図3(a)(b)の工程において選択された完全誘導対象経路の経路画像32のみが表示されるとともに、操作ボタン34に代わって、完全誘導対象経路についての詳細情報36が表示される。
【0104】
この詳細情報36は、完全誘導対象経路を走行する場合における自車位置から目的地までの所要距離、所要通行料金および所要時間を示す情報となっている。
【0105】
そして、この図3(c)に示す地図表示画面31に対して、ユーザが決定ボタン38を操作すると、完全誘導対象経路に沿った経路誘導が行われることになる。なお、図3(c)に示す地図表示画面31には、前の画面に戻るための操作ボタン37も表示されている。
【0106】
このように、本実施形態においては、経路誘導の開始前に、5ルートとともに完全誘導対象経路が提示され、また、完全誘導対象経路に沿った経路誘導においては、案内画像および案内音声を介した完全誘導対象経路の提示が行われるので、ユーザは、確実に目的地に到達することができる。
【0107】
なお、前述した5ルートのうち、推奨経路以外の4種類の経路のうちのいずれかが、完全誘導対象経路に該当する場合もある。したがって、提示される完全誘導対象経路が、特定の探索条件に特化した前記4種類の経路のうちのいずれかであってもよいのであれば、経路探索部23は、5ルートのすべてに非誘導対象道路が含まれている場合にのみ、5ルート探索後における完全誘導対象経路の探索を行うようにすればよい。
(第2実施形態)
次に、車載用ナビゲーション装置の第2実施形態について図4および図5を参照しつつ説明する。
【0108】
なお、本実施形態における車載用ナビゲーション装置の外見上のブロック構成は第1実施形態と同様であるので、本実施形態における車載用ナビゲーション装置の説明は、第1実施形態の車載用ナビゲーション装置1と同一の符号を用いて行うことにする。
【0109】
本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、第1実施形態と同様に、経路探索部23が、探索された探索条件を満たす経路としての推奨経路内に非誘導対象道路が含まれている場合に、完全誘導対象経路を探索してユーザに提示するように形成されている。
【0110】
ただし、本実施形態においては、案内画像描画部25および音声案内部26が、完全誘導対象経路の提示を、推奨経路上を自車両が経路誘導をともないつつ走行している場合に行うように形成されている。
【0111】
このような構成によれば、推奨経路に沿った経路誘導が実際に行われている場合に、完全誘導対象経路の提示を行うことによって、ユーザが、推奨経路に対する完全誘導対象経路の差異を明確に把握しつつ進路を選択することができる。
【0112】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態においては、経路探索部23が、完全誘導対象経路として、推奨経路に対応する地図データ中のリンクにおける自車位置(現在の通行地点)に該当する1本のリンクの終端部に対応する地点を始点とした完全誘導対象経路を、推奨経路上の自車位置の変動に応じて動的に探索可能に形成されている。ここで、リンクの終端部とは、リンクにおける自車両の走行方向の下流側の端部(ノード)を意味する(以下、同様)。そして、本実施形態においては、案内画像描画部25および音声案内部26が、経路探索部23によって動的に探索される完全誘導対象経路を提示するように形成されている。
【0113】
このような構成によれば、例えば、当初の自車位置の周辺がすべて非誘導対象道路の場合等、当初の自車位置において完全誘導対象経路が探索されなかった場合であっても、推奨経路上の走行が進行して現在の自車位置を始点とした目的地までの完全誘導対象経路が事後的に見つかった場合には、これをユーザに提示することができる。
【0114】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態においては、経路探索部23が、推奨経路に対応する地図データ中の複数本のリンク内に、回避不能リンクとして、非誘導対象道路の回避が不可能とみなされる推奨経路上の道路区間に対応するリンクである推奨経路上回避不能リンクが含まれている場合には、完全誘導対象経路として、推奨経路上回避不能リンクの始端部に対応する地点において推奨経路を逸脱するような完全誘導対象経路を探索可能に形成されている。なお、推奨経路上回避不能リンクは、その終端部に非誘導対象道路に対応するリンクのみが接続されているリンクであることが好ましい。また、推奨経路上回避不能リンクの始端部とは、推奨経路上回避不能リンクにおける自車両の走行方向の上流側の端部(ノード)を意味し、推奨経路上回避不能リンクの終端部とは、推奨経路上回避不能リンクにおける自車両の走行方向の下流側の端部(ノード)を意味する(以下、同様)。
【0115】
このような構成によれば、推奨経路上に非誘導対象道路を回避することが不可能とみなされる道路区間が存在する場合には、この道路区間内に進入する直前で推奨経路を逸脱することができるような完全誘導対象経路を提示することにより、ユーザが経路誘導の対象として選択した推奨経路上を可能な限り走行しつつ、目的地まで確実に到達することが可能な経路を提示する。
【0116】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態においては、案内画像描画部25および音声案内部26が、前述した推奨経路上回避不能リンクにおける始端部において探索条件を満たす経路を逸脱するような完全誘導対象経路を、推奨経路上回避不能リンクの直前のリンクに該当する走行区間内に自車位置が進入した際に提示するように形成されている。
【0117】
このような構成によれば、ユーザが推奨経路を逸脱して完全誘導対象経路に移行するタイミングを取りやすくなるとともに、必要時以外において完全誘導対象経路が提示されることを防止することができる。
【0118】
次に、本実施形態に特有の作用について、より具体的な例を用いつつ説明する。
【0119】
本実施形態においては、目的地設定画面に対するユーザの入力操作にともなって目的地設定部21による目的地の設定が行われると、図4のステップ1(ST1)において、経路探索部23により、第1実施形態に示した推奨経路、距離優先経路、有料道路優先経路、一般道優先経路、および登録経路の5ルートの探索が行われる。
【0120】
次いで、ステップ2(ST2)においては、経路探索部23により、ステップ1(ST1)において探索された推奨経路内に、非誘導対象道路が含まれているか否かを判定し、非誘導対象道路が含まれている場合には、ステップ3(ST3)に進み、含まれていない場合には処理を終了する。ステップ2(ST2)において処理を終了する場合には、推奨経路が経路誘導の対象として選択されることを条件として、推奨経路に沿った通常の経路誘導が行われることになる。
【0121】
次いで、ステップ3(ST3)においては、経路探索部23により、推奨経路に沿った経路誘導が開始されたか否かを判定し、開始された場合には、ステップ4(ST4)に進み、開始されていない場合には、処理を終了する。
【0122】
次いで、ステップ4(ST4)においては、経路探索部23により、自車位置の変動に応じた完全誘導対象経路の動的な探索を開始する。なお、このステップ4(ST4)において探索が開始される完全誘導対象経路は、推奨経路に対応する地図データ中のリンクにおける現在の自車位置に該当する1本のリンクの終端部に対応する地点を始点とした完全誘導対象経路とされている。すなわち、ここでの完全誘導対象経路は、推奨経路上における自車位置に対する走行方向下流側の第1番目の交差点(以下、次の交差点と称する)を始点とした目的地までの完全誘導対象経路とされている。
【0123】
次いで、推奨経路5(ST5)においては、案内画像描画部25および音声案内部26により、推奨経路に対応する道路上における次の交差点に接続された完全誘導対象経路が探索されたか否かを判定し、探索された場合には、ステップ7(ST7)に進み、探索されなかった場合には、ステップ6(ST6)に進む。
【0124】
ステップ6(ST6)においては、案内画像描画部25および音声案内部26による推奨経路に沿った経路誘導をともなう推奨経路上の走行を継続してステップ5(ST5)に戻る。このステップ6(ST6)からステップ5(ST5)に戻る処理によって、完全誘導対象経路の動的探索がなされることになる。
【0125】
一方、ステップ7(ST7)においては、案内画像描画部25および音声案内部26により、推奨経路上における次の交差点において推奨経路上の走行を継続しても完全誘導対象経路が存在するか否かを判定し、存在する場合には、ST10(ST10)に進み、存在しない場合には、ステップ8に進む。
【0126】
ここで、ステップ8(ST8)に進むことは、推奨経路上の次の交差点に対応するノードに接続されている推奨経路上のリンクが、回避不能リンクであることを意味している。また、ステップ8(ST8)に進むことは、推奨経路上の次の交差点に、推奨経路を逸脱する完全誘導対象経路が接続されていることを意味している。
【0127】
以下、便宜上、ステップ8(ST8)以降の処理について先に説明すると、まず、ステップ8(ST8)においては、案内画像描画部25および音声案内部26により、次の交差点において推奨経路を逸脱する完全誘導対象経路を、提示すべき完全誘導対象経路と決定してステップ9(ST9)に進む。
【0128】
そして、ステップ9(ST9)においては、推奨経路および完全誘導対象経路の提示を行って処理を終了する。
【0129】
すなわち、ステップ9(ST9)においては、自車位置が次の交差点まで所定の距離以内の地点に到達した際に、案内画像描画部25により、図5(a)に示すような推奨経路および完全誘導対象経路の案内画面39を、表示処理部18を介してディスプレイ8に表示する。この案内画面39には、次の交差点Pの周辺を示す地図40上に、推奨経路の経路画像41とともに、次の交差点Pにおいて推奨経路を逸脱する完全誘導対象経路の経路画像42を互いに対比可能な状態として重畳表示した画像が含まれている。なお、推奨経路の経路画像41は、次の次の交差点Pに接続された非誘導対象道路に相当する部分が破線で表示されている。また、案内画面39には、デフォルメされた交差点拡大図45上に、推奨経路の進行方向を示す矢印46とともに完全誘導対象経路の進行方向を示す矢印47を重ねた画像が含まれている。さらに、案内画面39には、推奨経路を進行する場合における現在の自車位置から目的地までの所要時間と、完全誘導対象経路を進行する場合における現在の自車位置から目的地までの所要時間とを示す画像48が含まれている。
【0130】
また、このとき、音声案内部26により、図5(b)に示すような推奨経路および完全誘導対象経路の提示をともなう音声メッセージを、スピーカ9を介して音声出力する。図5(b)に示す音声メッセージは、次の交差点(この先の交差点)以降も推奨経路上を進行する場合には、非誘導対象道路として交通規制が不明確な箇所があることを示唆するとともに、次の交差点で推奨経路を逸脱する完全誘導対象経路に移行する(左折する)場合には、推奨経路に比べて時間は余計にかかるが、目的地まで確実に到達できることを示唆する内容となっている。
【0131】
一方、図4におけるステップ10(ST10)においては、案内画像描画部25および音声案内部26により、推奨経路上における次の次の交差点Pに非誘導対象道路が接続されているか否かを判定し、接続されている場合には、ステップ11(ST11)に進み、接続されていない場合には、ステップ6(ST6)に戻る。
【0132】
次いで、ステップ11(ST11)においては、次の次の交差点Pにおいて推奨経路を逸脱する完全誘導対象経路を、提示すべき完全誘導対象経路と決定してステップ12(ST12)に進む。
【0133】
そして、ステップ12(ST12)においては、推奨経路および完全誘導対象経路の提示を行って処理を終了する。このステップ12(ST12)における処理の内容は、図5(a)(b)に示したものと同様に、推奨経路とともに完全誘導対象経路を提示する案内画像および音声メッセージを表示することによって行うようにすればよい。
【0134】
なお、本実施形態において、推奨経路上の走行から推奨経路を逸脱する完全誘導対象経路上の走行へと移行した後には、案内画像描画部25により、完全誘導対象経路の経路画像42を、自車位置の変動に応じて案内画面39中に動的に表示し続けるか、あるいは、案内画像描画部25および音声案内部26により、推奨経路に沿った経路誘導から、完全誘導対象経路に沿った経路誘導へと経路誘導の対象を自動的に切り替えるようにすればよい。
【0135】
したがって、本実施形態によれば、推奨経路に沿った経路誘導中において、推奨経路上の適切な地点において完全誘導対象経路が提示されるため、ユーザは、推奨経路上の走行から完全誘導対象経路上の走行へと移行するタイミングを取り易くなり、快適で円滑な走行を行うことができる。
(第3実施形態)
次に、車載用ナビゲーション装置の第3実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に図6を参照しつつ説明する。
【0136】
なお、本実施形態における車載用ナビゲーション装置の外見上のブロック構成も、第1および第2実施形態と同様であるので、本実施形態における車載用ナビゲーション装置の説明は、第1および第2実施形態の車載用ナビゲーション装置1と同一の符号を用いて行うことにする。
【0137】
本実施形態における車載用ナビゲーション装置1の第2実施形態との相違点は、経路探索部23が、5ルートおよび完全誘導対象経路に加えて復帰可能経路をも探索可能に形成され、案内画像描画部25および音声案内部26が、経路探索部23によって探索された復帰可能経路をも提示するように形成されている点にある。
【0138】
ここで、復帰可能経路とは、ユーザが回避不能リンク(例えば、推奨経路上回避不能リンク)に対応する道路を通って非誘導対象道路の直前の地点まで進行して当該非誘導対象道路の通行が不可能であることを確認したと仮定した場合における当該非誘導対象道路の直前の地点から完全誘導対象経路に復帰することが可能な経路を意味する。
【0139】
このような構成によれば、復帰可能経路を事前に提示することができるので、ユーザに安心感を与えることができる。
【0140】
このような復帰可能経路の提示方法としては、例えば、図6(a)(b)に示す方法が考えられる。
【0141】
図6(a)は、図5(a)に示した案内画面39と同様に、自車位置が次の交差点まで所定の距離以内の地点に到達した際に、案内画像描画部25によって表示される案内画面51を示したものである。
【0142】
この図6(a)の案内画面51においては、図5(a)とは異なり、次の交差点Pの周辺を示す地図40上に、推奨経路の経路画像41および交差点Pにおいて推奨経路を逸脱する完全誘導対象経路の経路画像42だけでなく、完全誘導対象経路に復帰するための復帰可能経路の経路画像52が重畳表示されている。なお、図6(a)における復帰可能経路は、非誘導対象道路の直前の地点から交差点PへとUターンする経路とされているが、これ以外の経路であってもよいことは勿論である。
【0143】
また、図6(a)の案内画面51においては、図5(a)とは異なり、交差点拡大図45上に、推奨経路の進行方向を示す矢印46および完全誘導対象経路の進行方向を示す矢印47だけでなく、復帰可能経路を示す矢印53が表示されている。
【0144】
さらに、図6(a)の案内画面51においては、図5(a)とは異なり、推奨経路を走行する場合における目的地までの所要時間および完全誘導対象経路を走行する場合における目的地までの所要時間だけでなく、復帰可能経路を経た上で完全誘導対象経路を走行する場合における目的地までの所要時間も含んだ画像56が表示されている。
【0145】
また、図6(b)は、図5(b)に示した音声メッセージと同様に、自車位置が次の交差点まで所定の距離以内の地点に到達した際に、音声案内部26によって生成される音声メッセージを示したものである。
【0146】
この図6(b)の音声メッセージは、図5(b)とは異なり、次の交差点以降も推奨経路上を進行する場合には、非誘導対象道路として交通規制が不明確な箇所があることを示唆するだけでなく、非誘導対象道路を通行することができなかった場合における遠回りの時間をも通知する内容となっている。
【0147】
以上述べたように、本発明によれば、推奨経路内に非誘導対象道路が含まれている場合であっても、非誘導対象道路を確実に回避することができる完全誘導対象経路を探索してユーザに提示することができるので、ユーザが確実に通行することが可能な経路を提示することができ、ひいては、利便性および信頼性を向上させることができる。
【0148】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0149】
例えば、案内画像描画部25および音声案内部26は、経路誘導が行われていない場合においても、自車位置算出部30によるマップマッチング処理が行われている場合には、ユーザが非誘導対象道路の直前の地点に到達したことを自車位置算出部30の算出結果およびリンク情報によって検知し、この地点において、自車両の前方に非誘導対象道路が存在することを通知する警告を出力するようにしてもよい。
【0150】
このような構成によれば、経路誘導を行わない場合においても、ユーザが非誘導対象道路の直前の地点に到達した際に注意を促すことはできるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0151】
また、完全誘導対象経路の探索は、探索された5ルートの中から経路誘導の対象とする1つの経路の選択が行われた上で、選択された経路内に非誘導対象道路が含まれている場合に行うようにしてもよい。この場合には、経路誘導の対象が選択されている以上、第1実施形態のように経路誘導の候補として完全誘導対象経路を探索結果表示画面に表示することは行わないが、選択された経路に沿った経路誘導が行われている際に、第2実施形態と同様に、選択された経路内の非誘導対象道路を回避し得るように完全誘導対象経路を提示することは可能である。
【0152】
さらに、車載用ナビゲーション装置が、第1実施形態乃至第3実施形態のすべての機能を具備するように構成してもよい。
【0153】
さらにまた、本発明は、携帯電話等の移動体端末機器に搭載されたナビゲーション装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置の第1実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係るナビゲーション装置の第1実施形態において、5ルートとともに完全誘導対象経路が探索された場合における探索結果の表示例を示す図
【図3】本発明に係るナビゲーション装置の第1実施形態において、(a)は、5ルートとともに完全誘導対象経路が探索された場合における探索結果の図2と異なる表示例における初期画面を示し、(b)は、初期画面から経路誘導の対象として完全誘導対象経路が選択された画面を示し、(c)は、完全誘導対象経路の詳細情報が表示された画面を示す図
【図4】本発明に係るナビゲーション装置の第2実施形態を示すフローチャート
【図5】本発明に係るナビゲーション装置の第2実施形態において、(a)は、推奨経路および完全誘導対象経路の案内画面を示し、(b)は、推奨経路および完全誘導対象経路の音声メッセージを示す図
【図6】本発明に係るナビゲーション装置の第3実施形態において、(a)は、推奨経路、完全誘導対象経路および復帰可能経路の案内画面を示し、(b)は、推奨経路、完全誘導対象経路および復帰可能経路の音声メッセージを示す図
【図7】従来の経路の提示方法の一例を示す図
【符号の説明】
【0155】
1 車載用ナビゲーション装置
23 経路探索部
24 探索結果描画部
25 案内画像描画部
26 音声案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路を地図データを用いて探索する経路探索手段と、
この経路探索手段によって探索された前記経路をユーザに提示する経路提示手段と
を備え、
前記経路探索手段によって探索された前記経路に沿った前記目的地までの経路誘導を行うことが可能に形成されたナビゲーション装置であって、
前記経路探索手段は、設定された探索条件を満たす前記目的地までの経路を探索した際に、探索された前記探索条件を満たす前記経路内に、前記経路誘導の対象とはなり得ない状態として前記地図データに設定された道路である非誘導対象道路が含まれている場合には、前記探索条件を満たす前記経路を探索した後に、前記経路誘導の対象となり得る状態として前記地図データに設定された道路である誘導対象道路のみが含まれた前記目的地までの経路である完全誘導対象経路を探索可能に形成され、
前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって前記完全誘導対象経路が探索された場合には、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路に加えて、探索された前記完全誘導対象経路をもユーザに提示するように形成されていること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記非誘導対象道路は、通行するには不適切な道路として前記地図データに設定された道路と、前記経路誘導に用いることが可能な通行規制情報をともなわない状態として前記地図データに設定された道路との少なくとも一方を含むこと
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記経路提示手段は、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路と、前記探索された前記完全誘導対象経路とを、前記経路探索手段の探索結果を示す画面において互いに対比可能な状態として表示することにより、前記経路探索手段によって探索された前記経路の提示を行うように形成されていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記経路提示手段は、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路と、前記探索された前記完全誘導対象経路とを、ユーザが選択可能な状態として表示するように形成され、
ナビゲーション装置本体が、前記経路提示手段によって選択可能な状態として表示された前記経路の中からユーザによって選択された前記経路に沿った前記経路誘導を行うように形成されていること
を特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記経路提示手段は、ユーザが、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路上を、当該経路の提示をともなう当該経路に沿った前記経路誘導を受けつつ通行している場合に、前記探索された前記完全誘導対象経路の提示を行うように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記経路探索手段は、前記完全誘導対象経路として、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路に対応する前記地図データ中のリンクにおけるユーザの現在の通行地点に該当する1本のリンクの終端部に対応する地点を始点とした完全誘導対象経路を、当該通行地点の変動に応じて動的に探索可能に形成され、
前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって動的に探索される前記完全誘導対象経路を提示するように形成されていること
を特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記経路探索手段は、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路に対応する前記地図データ中のリンクとして、前記非誘導対象道路の回避が不可能とみなされる当該経路上の道路区間に対応するリンクである回避不能リンクが存在する場合には、前記完全誘導対象経路として、前記回避不能リンクにおける始端部に対応する地点において前記探索された前記探索条件を満たす前記経路を逸脱するような完全誘導対象経路を探索可能に形成されていること
を特徴とする請求項5または請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記経路提示手段は、前記回避不能リンクにおける始端部に対応する地点において前記探索された前記探索条件を満たす前記経路を逸脱するような前記完全誘導対象経路を、前記回避不能リンクの直前のリンクに対応する通行地点において提示するように形成されていること
を特徴とする請求項7に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記回避不能リンクは、その終端部に前記非誘導対象道路に対応するリンクのみが接続されているリンクとされていること
を特徴とする請求項7または請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記経路探索手段は、ユーザが前記回避不能リンクに対応する道路を通って前記非誘導対象道路の直前の地点まで進行して当該非誘導対象道路の通行が不可能であることを確認したと仮定した場合における当該非誘導対象道路の直前の地点から前記完全誘導対象経路に復帰することが可能な経路である復帰可能経路を探索可能に形成され、
前記経路提示手段は、前記復帰可能経路を提示するように形成されていること
を特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記経路探索手段は、互いに異なる複数種類の前記探索条件をそれぞれ満足する複数種類の前記経路を探索するように形成されているとともに、前記複数種類の経路のうちの少なくとも所定の1種類の経路内に前記非誘導対象道路が含まれている場合に、前記完全誘導対象経路を探索可能に形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
ナビゲーション装置本体は、自車両を前記目的地まで経路誘導するための車載用のナビゲーション装置本体とされ、
前記所定の1種類の経路は、前記目的地までの推奨経路とされていること
を特徴とする請求項11に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記複数種類の経路は、前記推奨経路以外にも、前記目的地までの所要距離が最短となる経路である距離優先経路、有料道路を優先的に走行する経路である有料道路優先経路、一般道を優先的に走行する経路である一般道優先経路、およびルートバンキング機能によって登録された経路である登録経路の少なくとも1つを含むこと
を特徴とする請求項12に記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記経路提示手段は、前記完全誘導対象経路を提示する際に、当該完全誘導対象経路を通行する場合における前記目的地までの所要時間を、前記探索された前記探索条件を満たす前記経路を通行する場合における前記目的地までの所要時間と対比可能な状態として提示するように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって探索された前記経路の提示を、ナビゲーション装置本体の表示部に表示される地図上または交差点拡大図上への当該経路を示す画像の表示によって行うように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
前記経路提示手段は、前記経路探索手段によって探索された前記経路の提示を、音声出力によって行うように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
ユーザが前記経路誘導を受けていない状態として前記非誘導対象道路の直前の地点に到達した際に、前記非誘導対象道路の存在をユーザに通知する警告を出力することが可能に形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−162546(P2009−162546A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340339(P2007−340339)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】