説明

バッチALDリアクタのための処理プロセス

本発明の実施形態は、気相堆積チャンバ内の製造プロセス中に基板汚染を減少させる処理プロセスを提供する。処理プロセスは、気相堆積プロセス、例えば、原子層堆積(ALD)プロセスの前に、間に、後に行うことができる。ALDプロセスの一例において、中間処理ステップと所定数のALDサイクルを含有するプロセスサイクルは、堆積物質が所望の厚さを有するまで繰り返す。チャンバと基板は、処理プロセスの間、不活性ガス、酸化ガス、窒化ガス、還元ガス、又はそれらのプラズマにさらすことができる。ある例において、処理ガスは、オゾン、水、アンモニア、窒素、アルゴン、又は水素を含有するのがよい。一例において、バッチプロセスチャンバ内で酸化ハフニウム物質を堆積させる方法は、前処理ステップと、ALDプロセス中の中間ステップと、後処理ステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般的には、製造プロセスに関し、より詳細には、基板製造前、基板製造中又は基板製造後のハードウエア又は基板のための処理プロセスに関する。
【0002】
関連技術の説明
[0002]他の技術に従い、マイクロエレクトロニクス産業には、原子層分解能による物質の堆積が必要である。約30年前に原子層堆積(ALD)プロセスが開発されて、エレクトロルミネセントフラットパネルディスプレイが製造された。半導体処理、フラットパネルディスプレイ処理又は他の電子デバイス処理の分野において、基板上に物質を堆積させるのに気相堆積プロセスが重要な役割を果たしてきた。電子デバイスの形状が縮小し続け、デバイスの密度が増加し続けるにつれて、特徴部のサイズとアスペクト比はより積極的になっている。先端技術ノード(0.65μm以下)のための製造プロセスの間、特徴部の40nm未満のサイズと30のアスペクト比が所望される。従来の化学気相堆積(CVD)プロセスは0.65μmを超える技術ノードには成功してきたが、積極的なデバイス形状には原子層分解能による膜堆積が必要である。必要とされる膜厚も数原子層厚であり、デバイス形状(例えば、高アスペクト比トレンチ)もCVDプロセスによって堆積された物質を除外する。それ故、ALDプロセスの要求が、ある種の製造プロトコールの間に確認される。
【0003】
[0003]反応ガスは、ALDプロセスの間、単一又は複数の基板を含有するプロセスチャンバに連続して導入される。一般に、第一反応種をプロセスチャンバへ加え、基板表面に吸着させる。第二反応種をプロセスチャンバへ加え、第一反応種と反応させて、堆積物質と反応副生成物を形成する。理想的には、二つの反応種は、プロセスチャンバ内に同時に存在しない。それ故、典型的には、反応ガスのそれぞれの分配の間にガスを更に除去するためにパージステップが行われる。単一基板ALDプロセスの場合、パージステップは、キャリヤガスによる連続するパージであってもよく、反応ガスのそれぞれの分配の間のパルスパージであってもよい。
【0004】
[0004]原子層堆積プロセスは、誘電体層、バリヤ層、導電層を堆積させるのに成功して実施されてきた。ゲートやキャパシタの適用にALDプロセスによって堆積された誘電物質としては、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、酸化ジルコニウム及び酸化タンタルが挙げられる。一般に、ALDプロセスは、CVDプロセスと比較した場合、不純物が少なく、等角性が良好で、膜厚が制御された堆積物質を与える。しかしながら、ALDプロセスは、通常、同様の組成の物質を堆積させるための匹敵するCVDプロセスと比較した場合、堆積速度が遅い。それ故、製造処理能力全体を低下させるALDプロセスは、匹敵するCVDプロセスより魅力がない。バッチツールを用いることによって、ALDプロセスによって示される利益を犠牲せずに生産性を改善することができる。
【0005】
[0005]単一チャンバ内で複数の基板を同時に処理することによって製造プロセス中の処理能力を増加させるためにバッチ堆積プロセスを用いることができる。しかしながら、CVD技術を用いたバッチプロセスは、最新のデバイスのより小さい形状のために制限されたままである。ALDプロセスは、CVDプロセスによって得ることができないより小さい形状の物質を与えることができるが、時間間隔の増加は、ALD装備ツール上のハードウエアメンテナンスのために実現するものである。また、ALD技術に用いるバッチ堆積プロセスは、前駆物質の交差汚染のために又は反応副生成物の凝縮のために、堆積物質の遅い開始(例えば、シーディング作用、インキュベーション遅延)、反応種からの有害な分子断片を含有する堆積物質、また、基板上やチャンバ全体の高レベルの粒子状汚染物質の欠点を持つことがある。欠陥、不純物又は汚染物質を含有する堆積物質は、リーク電流の大きい誘電体膜、抵抗率の大きい金属膜又は浸透性の大きいバリヤ膜を与える。このような膜特性は、不適切であり、デバイスの故障が避けられない。また、ALD装備ツールは、複数のプロセス後、累積した汚染のために維持が閉鎖されることを必要とすることがある。全体に、製造プロセスは製品処理能力の低下と高コストの欠点を持つ。
【0006】
[0006]それ故、プロセスチャンバ内の基板上に堆積された物質のインキュベーション遅延を減少させ、堆積された物質の不純物又は欠陥の形成を減少させ、且つプロセスチャンバ内の汚染を減少させるプロセスが求められている。好ましくは、前記プロセスをALDバッチツールで行うことができる。
【発明の要約】
【0007】
[0007]本発明の一実施形態において、基板上で物質を形成するための方法であって、プロセスチャンバ内の少なくとも一つの基板を前処理プロセスにさらすステップと、基板を基板上に物質を形成するためのALDプロセスにさらすステップと、続いて、基板とプロセスチャンバを後処理プロセスにさらすステップと、を含む前記方法が提供される。一例において、ALDプロセスは、ALDサイクルの間、基板を連続して少なくとも二つの化学前駆物質にさらすステップと、所定数のサイクルのALDサイクル(即ち、ALDループ)を繰り返すステップと、ALDループ間の中間処理プロセスを行うステップと、を含む。
【0008】
[0008]前記方法は、バッチプロセスチャンバ又は単一ウエハプロセスチャンバ内で行うことができる。好ましい実施形態において、チャンバは、複数の基板、例えば、25、50、100の基板を含有するALDバッチチャンバである。前処理プロセス、中間処理プロセス、後処理プロセスは、処理ガス、例えば、不活性ガス、酸化ガス、窒化ガス、還元ガス、それらのプラズマ、それらの誘導体、又はそれらの組合わせを含有するのがよい。例えば、処理ガスは、オゾン、水、アンモニア、窒素、アルゴン、水素、それらのプラズマ、それらの誘導体、又はそれらの組合わせを含有するのがよい。一例において、処理ガスは、オゾン/酸素(O/O)混合物を含有し、オゾンは約1原子パーセント(at%)〜約50at%、好ましくは約5at%〜約30at%、より好ましくは約10at%〜約20at%の範囲内の濃度である。他の例において、処理ガスは、触媒水蒸気ジェネレータよって得られた酸素源と水素源から形成された水蒸気を含有する。他の例において、処理ガスはアンモニア又はアンモニアプラズマを含有する。
【0009】
[0009]他の実施形態において、プロセスチャンバ内で基板上に物質を形成するための方法であって、バッチプロセスチャンバを前処理プロセスにさらすステップと、バッチプロセスチャンバ内の複数の基板を少なくとも一つの処理プロセスを含有するALDプロセスにさらすステップと、その後、プロセスチャンバを後処理プロセスにさらすステップと、を含む前記方法が提供される。一例において、処理プロセスは所定数のALDサイクルの後に行われ、処理プロセスと所定数のALDサイクルは、プロセスサイクルの間、繰り返される。プロセスサイクルは、酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化シリコン、アルミン酸ハフニウム、それらの誘導体、又はそれらの組合わせを形成するために繰り返すことができる。
【0010】
[0010]一例において、バッチプロセスチャンバ内の複数の基板を前処理プロセスとALDプロセスにさらして、ハフニウム含有物質を形成する。ALDプロセスは、基板をハフニウム前駆物質と酸化ガスに連続してさらすALDサイクルに続いて少なくとも一つの中間処理プロセスを含有する。ALDサイクルは、ハフニウム含有層が所定の厚さを有するまで繰り返すことができる。
【0011】
[0011]本発明の上記特徴の方法が詳細に理解され得るように、上で簡単にまとめた本発明のより具体的な説明を実施形態によって参照することができ、その一部は添付の図面で示されている。しかしながら、添付の図面は、本発明の典型的な実施形態を示すだけのものであり、それ故、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきでなく、本発明が他の等しく有効な実施形態を許容することができることは留意すべきである。
【詳細な説明】
【0012】
[0014]本発明の実施形態は、種々の適用に用いられる物質、特にトランジスタやキャパシタの製造に用いられる高k誘電物質やバリヤ物質を調製するための方法を提供する。前記方法は、気相堆積チャンバのための処理プロセス及びその中の基板のための処理と堆積のプロセスを提供する。好適実施形態において、原子層堆積(ALD)プロセスは、堆積された物質の元素組成を制御するために用いることができる。ALDプロセスは、単一基板プロセスチャンバ内で行うことができるが、好ましくはバッチプロセスチャンバ内で行われる。
【0013】
[0015]一実施形態において、プロセスチャンバは、堆積プロセス、例えば、ALDプロセス又は化学気相堆積(CVD)プロセスの前に前処理プロセスにさらされる。一例において、中に基板を含有しないプロセスチャンバが処理されるが、他の例において、少なくとも一つ、通常は複数の基板(例えば、25、50、100以上)を含有するプロセスチャンバが処理される。他の実施形態において、プロセスチャンバは、堆積プロセス中に中間処理プロセスにさらされる。一例において、堆積プロセスは停止させることができ、中間処理プロセスが行われ、堆積プロセスが再び開始される。他の例において、堆積プロセスが停止され、中間処理プロセスが行われ、別の堆積プロセスが開始される。他の実施形態において、プロセスチャンバは、堆積プロセスに続いて後処理プロセスにさらされる。一例において、基板が除去され、プロセスチャンバが空で処理されが、他の例において、一つの基板又は複数の基板を含有するプロセスチャンバが処理される。処理プロセスは、一般的には、プロセスチャンバ又は基板を処理ガスに所定の温度で所定の時間さらすことを含む。処理ガスは、通常、アンモニア又はオゾンのような反応性化合物を含有する。
【0014】
[0016]図1において、フローチャートは、本明細書の一実施形態に記載されたプロセス100を示す図である。プロセス100は、プロセスチャンバ内で、前処理プロセス(ステップ102)と、堆積プロセス(104)と、所望による中間処理プロセス(ステップ106)と、後処理プロセス(ステップ110)を行うステップと、を提供する。プロセス100は、更に、堆積プロセスと中間処理プロセス(ステップ108)を繰り返す選択を提供する。
【0015】
[0017]前処理ガスは、堆積プロセスが開始する前に汚染物質を更に減少させるためにチャンバへ加えることができる(ステップ102)。前処理ガスは、一般的には、続いてのステップ104の堆積プロセスを考慮して選択される。前処理ガスは、反応ガスとキャリヤガスを含有するのがよく、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、酸素、オゾン、水、アンモニア、シラン、ジシラン、ジボラン、それらの誘導体、それらのプラズマ、又はそれらの組合わせが挙げられる。一例において、前処理ガスは、酸化物質(例えば、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化シリコン)、ケイ酸塩物質(例えば、ケイ酸ハフニウム又はケイ酸ジルコニウム)又はアルミン酸塩物質(例えば、アルミン酸ハフニウム)を堆積させる前に酸化ガス、例えば、オゾン又は水蒸気を含有するのがよい。他の例において、前処理ガスは、窒化物質、例えば、窒化シリコン又は酸窒化シリコンハフニウムを堆積させる前に窒化ガス、例えば、アンモニア、窒素、又は窒素プラズマを含有するのがよい。ある例において、前処理ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、フォーミングガス、又はそれらの組合わせを含有する。
【0016】
[0018]プロセスチャンバは、気相堆積プロセス、例えば、ALDプロセス又は従来のCVDプロセスによって物質を形成するためのバッチプロセスチャンバ又は単一ウエハであってもよい。それ故、プロセスチャンバは、少なくとも一つの基板又は複数の基板を含有するのがよい。一例において、プロセスチャンバは、少なくとも約25の基板を保持することが可能なミニバッチALDプロセスチャンバである。本明細書に記載される実施形態によって有用なより大きなバッチALDプロセスチャンバは、約50の基板、100以上の基板の容量を持つ。
【0017】
[0019]基板は、ステップ102のいかなる部分の間でもプロセスチャンバへ配置することができる。一例において、基板は、前処理プロセスを開始する前にプロセスチャンバへ配置される。他の例において、基板は、前処理プロセスを完了した後にプロセスチャンバへ配置される。他の例において、基板は、前処理プロセスの間にプロセスチャンバへ配置され、プロセスチャンバは、基板がプロセスチャンバへ配置される前の第一時間の間に前処理ガスにさらし、その後、プロセスチャンバと基板の双方を第二時間の間に同一又は異なる前処理ガスにさらされる。
【0018】
[0020]一実施形態において、プロセスチャンバは、気相堆積プロセスのためのバッチプロセスチャンバ、例えば、バッチALDチャンバである。前処理ガスの流量は、約0.1標準リットル毎分(slm)〜約30slm、好ましくは約1slm〜約20slm、より好ましくは約5slm〜約10slmの範囲内であるのがよい。プロセスチャンバの内部は、前処理プロセスの間、約100℃〜約700℃、好ましくは約150℃〜約400℃、より好ましくは約200℃〜約300℃の範囲内の温度に加熱されるのがよい。プロセスチャンバは、約1ミリトール〜約100トール、好ましくは約10ミリトール〜約50トール、より好ましくは約5ミリトール〜約5トールの範囲内の圧力に維持されるのがよい。一例において、プロセスチャンバは、窒化物質又は酸化物質を形成するプロセスの間、約0.6トールの圧力に維持されるのがよい。プロセスチャンバの温度と圧力は、ステップ102全体に一定に保たれるか又は調整されるのがよい。一例において、前処理プロセスは、堆積プロセスを開始する約12時間前に始めるのがよい。しかしながら、前処理プロセスは、約5分間〜約6時間、好ましくは約10分間〜約2時間、より好ましくは約20分間〜約60分間の範囲内の時間続けるのがよい。
【0019】
[0021]ステップ104の間、堆積プロセスをプロセスチャンバ内で行い、基板上に物質を形成する。堆積プロセスは、気相堆積プロセス、例えば、ALDプロセス又はCVDプロセスであってもよく、プラズマ増強型ALD(PE-ALD)プロセス、プラズマ増強型CVD(PE-CVD)プロセス、パルスCVDプロセス、又はそれらの組合わせが挙げられる。一例において、ALDプロセスは、基板を金属前駆物質と酸化ガスに連続してさらして、金属酸化物質を形成する。他の例において、ALDプロセスは、基板を金属前駆物質と、酸化ガスと、シリコン前駆物質と、その酸化ガスに連続してさらして、金属ケイ酸塩物質を形成する。
【0020】
[0022]堆積ステップの間に堆積される物質は、誘電物質、バリヤ物質、導電物質、核形成/シード物質又は接着物質であってもよい。一実施形態において、堆積物質は、酸素及び/又は窒素と少なくとも一つの追加元素、例えば、ハフニウム、シリコン、タンタル、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ランタン、又はそれらの組合わせであるのがよい。例えば、誘電物質は、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化チタン、酸化シリコン、窒化シリコン、それらの酸窒化物(例えば、HfO)、それらのケイ酸塩(例えば、HfSi)、それらのアルミン酸塩(例えば、HfAl)、それらのシリコン酸窒化物(例えば、HfSi)、それらの誘導体、又はそれらの組合わせを含有するのがよい。一例において、誘電物質は、種々の組成の多層を含有するのがよい。例えば、ラミネート膜は、酸化シリコンを酸化ハフニウムに堆積させてケイ酸ハフニウム物質を形成することによって形成されるのがよい。ケイ酸ハフニウム上に第三層の酸化アルミニウムを堆積させて、更にケイ酸ハフニウムアルミニウム物質を与えることができる。
【0021】
[0023]他の例において、誘電物質を形成するためのプロセスは、水蒸気を含有する酸化ガスを用いる。水蒸気は、触媒を含有する水蒸気ジェネレータ(WVG)システムへ水素源ガスと酸素源ガスを流すことによって形成することができる。本明細書に用いることができるWVGシステムを用いる前処理プロセスと堆積プロセスは、更に、2005年5月12日出願の米国第2005-0271813号として公開された共同譲渡され同時係属中の米国特許出願第11/127,767号に記載され、この開示内容は本明細書に全体で援用されている。
【0022】
[0024]プロセスチャンバは、プロセス100のステップ106中に所望による中間処理プロセスにさらされてもよい。プロセスチャンバの内部は、約100℃〜約700℃、好ましくは約150℃〜約400℃、より好ましくは約200℃〜約300℃の範囲内の温度に加熱されるのがよく、約1ミリトール〜約100トール、好ましくは約10ミリトール〜約50トール、より好ましくは約5トール〜約10トールの範囲内の圧力、例えば、約8トールに維持されるのがよい。プロセスチャンバの温度と圧力は、中間処理プロセス全体に一定に維持されても調整されてもよい。処理ガスは、中間処理プロセス中にプロセスチャンバへ加えることができ、前処理ガス(ステップ102)又は反応ガス(ステップ104)として用いられるものと同一のガスを含有しても異なるガスを含有してもよい。それ故、処理ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、酸素、オゾン、水、アンモニア、シラン、ジシラン、ジボラン、それらの誘導体、それらのプラズマ、又はそれらの組合わせを含有するのがよい。
【0023】
[0025]バッチプロセスの間の一例において、処理ガスの流量は、約0.1slm〜約30slm、好ましくは約1slm〜約20slm、より好ましくは約5slm〜約10slmの範囲内の流量であるのがよい。中間処理プロセスは、約5分間〜約6時間、好ましくは約10分間〜約2時間、より好ましくは約20分間〜約60分間の範囲内の時間続けるのがよい。
【0024】
[0026]基板は、通常、ステップ106の間、プロセスチャンバ内に保持される。しかしながら、ステップ106のいかなる部分の間でも基板をプロセスチャンバから取り出すことができる。一例において、基板は、中間処理プロセスを始める前にプロセスチャンバから取り出される。他の例において、基板は、中間処理プロセスを完了した後にプロセスチャンバから取り出される。他の例において、中間処理プロセスの間に基板をプロセスチャンバから取り出し、基板がプロセスチャンバから取り出される前の第一時間の間、プロセスチャンバと基板は処理ガスにさらされ、その後、プロセスチャンバは、第二時間の間、同一又は異なる処理ガスにさらされる。
【0025】
[0027]一実施形態において、堆積プロセスを停止し、チャンバと基板を処理プロセスにさらし、その後、堆積プロセスを再び開始させる(ステップ108)。それ故、処理プロセスは堆積プロセスとの中間である。ステップ104、106、108のサイクルは、複数のサイクルとして繰り返すことができる堆積/処理プロセスをなして、堆積物質を形成する。中間処理プロセスは、プロセスチャンバ全体に、また、基板上にパーティクルや他の汚染物質を減少させる。一例において、中間処理プロセスは、ALDプロセス中の各ALDサイクルの後に行われるのがよい。他の例において、中間処理プロセスは、複数のALDサイクル後、例えば、10ALDサイクル毎又は20ALDサイクル毎の後に行われるのがよい。他の例において、中間処理プロセスは、CVDプロセスの間に行われるのがよく、CVDプロセスを停止させ、処理プロセスを所定の時間行い、CVDプロセスを再び開始して、基板上に物質を堆積することを続ける。
【0026】
[0028]他の実施形態において、ステップ106を省略するので、中間処理プロセスを行わず、堆積プロセスがステップ108で終了する。一般に、堆積プロセスは、一旦所定の厚さの堆積物質がステップ104の間に形成されると終了する。
【0027】
[0029]プロセスチャンバは、プロセス100のステップ110中に後処理プロセスにさらすことができる。プロセスチャンバの内部は、約100℃〜約700℃、好ましくは約150℃〜約400℃、より好ましくは約200℃〜約300℃の範囲内の温度に加熱されるのがよく、約1ミリトール〜約100トール、好ましくは約10ミリトール〜約50トール、より好ましくは約5トール〜約10トールの範囲内の圧力、例えば、約8トールに維持されるのがよい。プロセスチャンバの温度及び圧力は、ステップ110を通じて一定に維持されても調整されてもよい。後処理ガスは、後処理ガスの間にプロセスチャンバへ加えることができ、前処理ガス(ステップ102)、反応ガス(104)又は処理ガス(106)として用いられるのと同一のガスを含有しても異なるガスを含有してもよい。それ故、後処理ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、酸素、オゾン、水、アンモニア、シラン、ジシラン、ジボラン、それらの誘導体、それらのプラズマ、又はそれらの組合わせを含有するのがよく、約0.1slm〜約30slm、好ましくは約1slm〜約20slm、より好ましくは約5slm〜約10slmの範囲内の流量を持つのがよい。後処理プロセスは、約5分〜約6時間、好ましくは約10分〜約2時間、より好ましくは約20分〜約60分間の範囲内の時間続けるのがよい。
【0028】
[0030]基板は、ステップ110のいかなる部分の間でもプロセスチャンバから取り出すことができる。一例において、基板は、後処理プロセスを開始する前にプロセスチャンバから取り出される。他の例において、基板は、後処理プロセスを終了させた後にプロセスチャンバから取り出される。他の例において、後処理プロセスの間に基板をプロセスチャンバから取り出し、基板がプロセスチャンバから取り出される前の第一時間の間にプロセスチャンバと基板が後処理ガスにさらされ、その後、第二時間の間にプロセスチャンバが同一又は異なる後処理ガスにさらされる。
【0029】
[0031]他の例において、図2は、ALDプロセスによって基板に酸化ハフニウムのような堆積物質を形成するためのプロセス200を示す図である。プロセス200は、前処理プロセス(ステップ202)と、ALDサイクル(ステップ204-214)と、後処理プロセス(216)とを含有することができる。一例において、プロセス200は、ALDサイクルを含有するバッチALDプロセス用に構成され、基板をプロセスチャンバのみに又はキャリヤガスと組合わせて導入された第一前駆物質に約1秒〜約90秒間の範囲内の時間さらす(ステップ204)。次に、パージガスをプロセスチャンバへ約1秒間〜約60秒間の範囲内の時間導入して、いかなる残留前駆物質も或いは副生成物もパージ或いは除去する。続いて、基板を、約1秒間〜約90秒間の範囲内の時間、プロセスチャンバのみに又はキャリヤガスと組合わせて導入された第二前駆物質(例えば、O又はHO)にさらす(ステップ208)。その後、パージガスをプロセスチャンバへ約1秒間〜約60秒間の範囲内の時間再び加える(ステップ210)。
【0030】
[0032]一実施形態において、ALDサイクルは、ステップ204、206、208、210のそれぞれの後に排気ステップを含有するのがよい。プロセスチャンバは、本質的に又は完全に排気されない場合には、排気ステップの間に少なくとも部分的に排気される。排気ステップは、約1秒〜5分間、好ましくは約5秒〜約2分間、より好ましくは約10秒〜約60秒間の範囲内の時間続けるのがよい。プロセスチャンバは、約50ミリトール〜約5トールの範囲内の圧力、例えば、約100ミリトールに排気されるのがよい。
【0031】
[0033]所望による中間処理プロセス(ステップ212)は、プロセスチャンバ内に残存するいかなる前駆物質ガス、副生成物、微粒子又は他の汚染物質も更に除去するために行われてもよい。中間処理プロセスは、ステップ204、206、208、又は210のいずれか後に又はステップ204、206、208、210のいずれかのサイクル後に行われてもよい。通常、中間処理プロセスは、所定の温度で約1分間〜約20分間、好ましくは約2分間〜約15分間、より好ましくは約3分間〜10分間の範囲内の時間、例えば、約5分間行われる。一例において、中間処理プロセスは、かなり化学的不活性な処理ガス、例えば、窒素又はアルゴンを含有する。他の例において、処理ガスは、オゾン、酸素、水、水素、過酸化物、それらのプラズマ、又はそれらの組合わせを含むのがよい酸化ガスを含有する。他の例において、処理ガスは、水素、ジボラン、シラン、それらのプラズマ、又はそれらの組合わせを含むのがよい還元ガスを含有する。
【0032】
[0034]各ALDサイクル(ステップ204〜212)は、基板上に物質(例えば、酸化ハフニウム)層を形成する。通常、各堆積サイクルは、約0.1オングストローム〜約10オングストロームの範囲内の厚さを有する層を形成する。個々のデバイスの要求によっては、続いての堆積サイクルは、所望の厚さを有する物質を堆積するのに必要とされてもよい(ステップ214)。そのようにして、堆積サイクル(ステップ204〜214)を、物質の所定の厚さを達成するために繰り返すことができる。
【0033】
[0035]ステップ102として本明細書に記載されるように、ステップ202の間、プロセスチャンバを前処理プロセスにさらすことができる。一例において、プロセスチャンバは、基板をプロセスチャンバへ装填する前に、前処理プロセスにさらされる。他の例において、プロセスチャンバは、前処理プロセス中、少なくとも一つの基板、好ましくは複数の基板を含有する。複数の前処理プロセスは、ステップ202の間、プロセスチャンバ内で行うことができる。それ故、プロセスチャンバと基板は、各々異なる前処理プロセスにさらすことができる。一例において、空のプロセスチャンバは、基板を装填する前に長時間(例えば、約6-12時間)前処理プロセスにさらされるのがよい。その後、基板は、プロセスチャンバへ装填され、堆積プロセスの前に予備浸漬のような前処理プロセスにさらされる。
【0034】
[0036]前処理プロセス又は予備浸漬ステップにさらした後に、基板を種々の官能基で停止させることができる。予備浸漬ステップは、全体の前処理プロセスの一部であってもよい。形成することができる官能基としては、ヒドロキシル(OH)、アルコキシル(OR、R=Me、Et、Pr又はBu)、酸素ラジカル及びアミノ(NR又はNR、R=H、Me、Et、Pt又はBu)が挙げられる。前処理ガスとしては、酸素(O)、オゾン(O)、原子酸素(O)、水(HO)、過酸化水素(H)、亜酸化窒素(NO)、酸化窒素(NO)、五酸化二窒素(N)、二酸化窒素(NO)、アンモニア(NH)、ジボラン(B)、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、ヘキサクロロジシラン(SiCl)、水素(H)、原子水素、原子N、アルコール、アミン、それらの誘導体、又はそれらの組合わせを挙げることができる。官能基は、基板表面上に結合するために生じる化学前駆物質のベースを与えることができる。前処理中、基板表面は、試薬に約1秒間〜約2分間、好ましくは約5秒間〜約60秒間の範囲内の時間さらされるのがよい。本明細書に用いることができる追加の前処理プロセスと予備浸漬ステップと堆積プロセスは、更に、共同譲渡された米国特許第6,858,547号と、2002年11月21日出願の米国第2003-0232501として公開された共同譲渡され同時係属中の米国特許第10/302,752号に記載され、これらの開示内容は本明細書に全体で援用されている。
【0035】
[0037]予備浸漬ステップの一例において、基板は、水蒸気ジェネレータ(WVG)システムから生成された水蒸気を含有する酸化ガスにさらされる。予備浸漬プロセスは、続いてさらされる間(例えば、ステップ204)にアミノ型リガンド(例えば、TDEAH、TDMAH、TDMAS又はトリス-DMAS)を含有する前駆物質と反応するヒドロキシル末端官能基を基板表面に与える。WVGシステムを用い、本明細書に用いることができる前処理プロセスと予備浸漬ステップと堆積プロセスは、更に、2005年5月12日出願の米国第2005-0271813号として公告された共同譲渡され同時係属中の英国特許出願第11/127,767号に記載され、この開示内容は本明細書に全体で援用されている。
【0036】
[0038]プロセス200は種々の物質を形成するために用いることができるが、プロセス200の例は、更に、酸化ハフニウム物質を形成するALDプロセスを提供する。一例において、ALDプロセスは、約1ミリトール〜約100トール、好ましくは約10ミリトール〜約50トール、より好ましくは約5トール〜約10トールの範囲内の圧力、例えば、約8トールに維持されるミニバッチプロセスチャンバ内で行われるのがよい。プロセスチャンバは、通常、約70℃〜約800℃、好ましくは約100℃〜約500℃、より好ましくは約150℃〜約350℃の範囲内の温度に加熱される。
【0037】
[0039]第一前駆物質(例えば、ハフニウム前駆物質)は、約100標準立方センチメートル毎分(sccm)〜約5slm、好ましくは約500sccm〜約4slm、より好ましくは約1slm〜約3slmの範囲内の流量でプロセスチャンバに導入することができる(ステップ204)。第一前駆物質は、キャリヤガス(例えば、窒素又はアルゴン)とプロセスチャンバへ約1秒間〜約5分間、好ましくは約5秒間〜約2分間、より好ましくは約10秒間〜約90秒間の範囲内の時間導入することができる。一例において、第一前駆物質は、ハフニウム前駆物質、例えば、ハフニウムハロゲン化物(例えば、HfCl)又はハフニウムアミノ化合物である。ハフニウムアミノ化合物は、好ましくは、テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム((EtN)Hf又はTDEAH)、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム((MeN)Hf又はTDMAH)、又はテトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム((EtMeN)Hf又はTEMAH)を含むテトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウム化合物である。
【0038】
[0040]第二前駆物質(例えば、酸化ガス)は、約100sccm〜約5slm、好ましくは約500sccm〜約4slm、より好ましくは約1slm〜約3slmの範囲内の流量でプロセスチャンバに導入することができる(ステップ208)。第二前駆物質は、キャリヤガスとプロセスチャンバへ約1秒間〜約5分間、好ましくは約5秒間〜約2分間、より好ましくは約10秒間〜約90秒間の範囲内の時間導入することができる。一例において、第二前駆物質は、酸化ガス、例えば、酸素、オゾン、原子酸素、水、過酸化水素、亜酸化窒素、酸化窒素、五酸化二窒素、二酸化窒素、それらの誘導体、又はそれらの組合わせである。好ましい例において、酸化ガスは、オゾン/酸素(O/O)混合物を含有し、オゾンの濃度は約1原子パーセント(at%)〜約50at%、好ましくは約5at%〜約30at%、より好ましくは約10at%〜約20at%の範囲内である。
【0039】
[0041]パージガス(例えば、アルゴン又は窒素)は、典型的には、プロセスチャンバへ約100sccm〜約5slm、好ましくは約500sccm〜約4slm、より好ましくは約1slm〜約3slmの範囲内の流量で導入される(ステップ206とステップ210)。パージガスは、約1秒間〜約5分間、好ましくは約5秒間〜約2分間、より好ましくは約1秒〜約90秒間の範囲内の時間導入することができる。適切なキャリヤガス又はパージガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素、フォーミングガス、又はそれらの組合わせを含むのがよい。
【0040】
[0042]一実施形態において、水素ガス又はフォーミングガスは、堆積物質からのハロゲン汚染を減少させるために、キャリヤガス、パージガス及び/又は反応ガスを用いることができる。ハロゲン原子を含有する前駆物質(例えば、HfCl、SiCl又はSiCl)は、堆積物質を汚染しやすい。水素は還元体であり、揮発性で除去可能な副生成物としてハロゲン化水素(例えば、HCl)を生成する。それ故、前駆物質化合物(例えば、ハフニウム、シリコン、酸素前駆物質)と組合わせる場合にキャリヤガス又は反応ガスとして水素を用いることができ、他のキャリヤガス(例えば、Ar又はN)を含むこともできる。
【0041】
[0043]ハフニウムを含有する物質を堆積するのに有用な例示的ハフニウム前駆物質は、リガンド、例えば、ハロゲン化物、アルキルアミノ、シクロペンタジエニル、アルキル、アルコキシド、それらの誘導体、又はそれらの組合わせを含有することができる。ハフニウム前駆物質として有用なハロゲン化ハフニウム化合物としては、HfCl、HfI及びHfBrを挙げることができる。ハフニウム前駆物質として有用なハフニウムアルキルアミノ化合物としては、(RR’N)Hf(ここで、R又はR’は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル又はブチルである。)が挙げられる。本明細書に記載されるハフニウム含有物質を堆積するのに有用なハフニウム前駆物質としては、(EtN)Hf、(EtMe)Hf、(MeEtN)Hf、(BuC)HfCl、(C)HfCl、(EtC)HfCl、(Me)HfCl、(Me)HfCl、(PrC)HfCl、(PrC)HfCl、(BuC)HfMe、(acac)Hf、(hfac)Hf、(tfac)Hf、(thd)Hf、(NO)Hf、(BuO)Hf、(PrO)Hf、(EtO)Hf、(MeO)Hf、又はそれらの誘導体が挙げられる。好ましくは、本明細書の堆積プロセスの間に用いられるハフニウム前駆物質としては、HfCl、(EtN)Hf、(MeN)Hf、及び(EtMeN)Hfが挙げられる。
【0042】
[0044]シリコン含有物質(例えば、ケイ酸塩)を堆積させるのに有用な例示的なシリコン前駆物質としては、シラン、アルキルアミノシラン、シラノール、又はアルコキシルシランが挙げられる。シリコン前駆物質としては、(MeN)Si、(MeN)SiH、(MeN)SiH、(MeN)SiH、(EtN)Si、(EtN)SiH、(MeEtN)Si、(MeEtN)SiH、Si(NCO)、MeSi(NCO)、SiH、Si、SiCl、SiCl、MeSiCl、HSiCl、MeSiCl、HSiCl、MeSi(OH)、MeSi(OH)、(MeO)Si、(EtO)Si、又はそれらの誘導体が挙げられるのがよい。シリコン前駆物質に有用な他のアルキルアミノシラン化合物としては、(RR’N)4-nSiH(ここで、R又はR’は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル又はブチルであり、n=0-3)が挙げられる。他のアルコキシルシランは、一般化学式(RO)4-nSiL(ここで、R=メチル、エチル、プロピル、又はブチル、L=H、OH、F、Cl、Br、又はI及びそれらの混合物)によって記載されるのがよい。好ましくは、本明細書の堆積プロセスの間に用いられるシリコン前駆物質としては、(MeN)SiH、(EtN)SiH、(MeN)Si、(EtN)Si、又はSiHが挙げられる。例示的窒素前駆物質としては、アンモニア(NH)、窒素(N)、ヒドラジン(例えば、N又はMeN)、アミン(例えば、MeN、MeNH、又はMeNH)、アニリン(例えば、CNH)、有機アジド(例えば、MeN又はMeSiN)、無機アジド(例えば、NaN又はCpCoN)、ラジカル窒素化合物(例えば、N、N、N、NH、又はNH)、それらの誘導体、又はそれらの組合わせが挙げられてもよい。ラジカル窒素化合物は、熱、熱線、又はプラズマによって生成させることができる。
【0043】
[0045]ALDサイクルはプロセス200の間繰り返され、所定の厚さを持つ堆積物質を形成する。ALDプロセスの間に形成される堆積物質の厚さは、約5オングストローム〜約300オングストローム、好ましくは約10オングストローム〜約200オングストローム、より好ましくは約20オングストローム〜約100オングストロームの範囲内であるのがよい。ある例において、酸化ハフニウムの厚さは、約10オングストローム〜約60オングストローム、好ましくは約30オングストローム〜約40オングストロームの範囲内で堆積されるのがよい。一般に、酸化ハフニウム物質は、実験化学式HfO(ここで、x=2以下である)で形成される。酸化ハフニウムは、分子化学式HfOを有するものであるが、種々のプロセス条件(例えば、タイミング、温度又は圧力)によって、酸化ハフニウムは、より酸化されていないハフニウム、例えば、HfO1.8で形成されてもよい。
【0044】
[0046]プロセスチャンバは、ステップ110として本明細書の記載されたステップ216の間に後処理プロセスにさらすことができる。一例において、基板は、後処理プロセスを開始する前にプロセスチャンバから取り出される。他の例において、基板は、後処理プロセスを完了した後にプロセスチャンバから取り出される。他の例において、基板は後処理プロセス中にプロセスチャンバから取り出され、基板がプロセスチャンバから取り出される前の第一時間の間にプロセスチャンバ及び基板が後処理ガスにさらされ、その後、プロセスチャンバが、第二時間の間に同一又は異なる後処理ガスにさらされる。
【0045】
[0047]本明細書に記載される実施形態の間に用いることができる気相堆積プロセス、例えば、原子層堆積(ALD)又は従来の化学気相堆積(CVD)を行うためのバッチプロセスチャンバは、カリフォルニア州、サンタクララにあるAppliedMaterials Inc.から入手でき、共同譲渡された同時係属中の米国特許第6,352,593号及び同第6,321,680号に、2003年1月13日出願の“Methodand Appratusfor Layerby LayerDeposition of Thin Films”と称し、米国第2003-0134038号として公開された同時係属中の米国特許第10/342,151号に、また、2002年8月9日出願の“HighRate Depositionat LowPressure in a Small BatchReactor”と称し、米国第2003-0049372号として公開された共同譲渡された同時係属中の米国特許第10/216,079号に更に開示され、これらの開示内容は、堆積プロセスの間に用いられる装置を記載するために、本明細書に全体で援用されている。本明細書に記載される実施形態によって用いることができる単一ウエハALDチャンバは、2005年5月12日出願の米国第2005-0271812号として公開された共同譲渡された米国特許第6,916,398号、また、共同譲渡された同時係属中の米国特許第11/127,763号に更に開示され、これらの開示内容はいずれも本明細書に全体で援用されている。
【0046】
[0048]本明細書に用いられる“基板表面”とは、膜処理が行われる基板上に形成されるいかなる基板表面又は物質表面をも意味する。例えば、処理が行われ得る基板表面としては、シリコン、酸化シリコン、歪シリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、炭素ドープされた酸化シリコン、窒化シリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイアのような物質、及び金属、金属窒化物、金属合金のような他の物質、及び導電物質が挙げられ、適用に左右される。基板表面上のバリヤ層、金属又は金属窒化物としては、チタン、窒化チタン、窒化タングステン、タンタル、及び窒化タンタルが挙げられる。基板は、種々の大きさ、例えば、200mm又は300mm径ウエハだけでなく、矩形又は正方形枠を持つことができる。特にことわらない限り、本明細書に記載される実施形態や例は、好ましくは200mm径又は300mm径、より好ましくは300mm径を有する基板で行われる。本明細書に記載される実施形態のプロセスは、多くの基板と表面上にハフニウム含有物質を堆積させることができる。本発明の実施形態が有用なものである基板としては、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化シリコン、歪シリコン、シリコンゲルマニウム、ドープされた又はドープされていないポリシリコン、ドープされた又はドープされていないシリコンウエハ、及びパターン形成された又はパターン形成されていないウエハのような半導体ウエハが挙げられるが、これらに限定されない。基板を後処理プロセスにさらし、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、及び/又は焼くことができる。
【0047】
[0049]本明細書に用いられる“原子層堆積”又は“周期的堆積”とは、基板表面上に物質の層を堆積する二つ以上の反応性化合物の連続導入を意味する。或いは、二つ、三つ又はそれ以上の反応性化合物がプロセスチャンバの反応ゾーンへ導入されてもよい。通常、各反応性化合物は、基板表面上に各化合物が付着及び/又は反応させることを可能にする時間遅延によって分離される。一態様において、第一前駆物質又は化合物Aは、反応ゾーンへパルスされ、続いて第一時間遅延を受ける。次に第二前駆物質又は化合物Bは、反応ゾーンへパルスされ、続いて第二遅延を受ける。各時間の遅延の間、窒素のようなパージガスをプロセスチャンバへ導入して、反応ゾーンをパージするか或いは反応ゾーンからいかなる残留反応化合物又は副生成物をも除去する。或いは、パージガスは堆積プロセス全体に持続的に流すことができるので、反応性化合物のパルス間の時間遅延の間にパージガスだけが流れる。反応性化合物は、或いは、基板表面上に所望の膜又は膜厚が形成されるまでパルスされる。いずれのシナリオにおいても、化合物Aのパルス、パージガス、化合物Bのパルス、パージガスのALDプロセスが一サイクルである。一サイクルは、化合物A又は化合物Bのいずれかから開始することができ、所望の厚さを有する膜を達成するまでサイクルのそれぞれの順序を続けることができる。他の実施形態において、化合物Aを含有する第一前駆物質、化合物Bを含有する第二前駆物質、化合物Cを含有する第三前駆物質は、それぞれ別個にプロセスチャンバへパルスされる。或いは、第一前駆物質のパルスは、第二前駆物質のパルスにやがて重なることがあり、第三の前駆物質のパルスは、第一前駆物質と第二前駆物質のいずれのパルスにもやがて重ならない。或いは、ALDプロセスの間、本明細書に用いられる前述のステップ又は入れ替えのいずれかが分離されもよく、ポンピングステップを含有してもよい。
【0048】
[0050]本明細書に用いられる“パルス”は、プロセスチャンバの反応ゾーンへ断続的又は非持続的に導入される具体的な化合物の量を意味するものである。各パルス内の具体的な化合物の量は、経時変化させることができ、パルスの持続に左右される。各パルスの持続は、多くの要因、例えば、使われたプロセスチャンバの容積容量、それに結合された真空システム、具体的な化合物自体の揮発性/反応性によって変化し得る。本明細書に用いられる“半反応”は、前駆物質ステップのパルス、続いてパージステップ又はパージガスのパルス、続いてパージステップを意味するものである。
【0049】
実施例
[0051]実施例1-9は、カリフォルニア州、サンタクララにあるApplied Materials Inc.から入手できるALDバッチプロセスチャンバと、共同譲渡された米国特許第6,352,593号と同第6,321,680号に、2003年1月13日出願の“Methodand Appratusfor Layerby LayerDeposition of Thin Films”と称し米国第2003-0134038号として公開された共同譲渡され同時係属中の米国特許出願第10/342,151号に、また、2002年8月9日出願の“HighRate Depositionat LowPressure in a small BatchReactor”と称し米国第2003-0049372号として公開された共同譲渡され同時係属中の米国特許出願第10/216,079号に記載されたミニバッチプロセスチャンバ内で行うことができ、これらの開示内容は堆積プロセスを行う装置を記載するために本明細書に全体で援用されている。
【0050】
[0052]実施例1-OによるHfO堆積-26基板のバッチを、ミニバッチALDチャンバ内のボートのサセプタ上に位置決めする。リアクタを、0.6トールと真空の間に約5slmの窒素フローでサイクルパージする。続いて、プロセスチャンバを、約250℃で約0.6トールの圧力で連続窒素フローを約40分間維持し、5at%O/酸素で約30-60秒間前処理する。その後、基板をハフニウム前駆物質(窒素キャリヤガスにおけるTDMAH)とオゾンに連続してさらすことによってALDプロセスの間に酸化ハフニウム層を形成する。基板を約250℃に加熱し、複数のALDサイクルにさらす。各ALDサイクルは、TDMAHをチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約10秒間排気させるステップと、窒素(パージガス)をチャンバへ約15秒間流すステップと、チャンバを約15秒間排気させるステップと、オゾンをチャンバへ約30-60秒間流すステップと、チャンバを約10秒間排気させるステップと、窒素をチャンバへ約10秒間流すステップと、チャンバを約10秒間排気させるステップとを含む。ALDサイクルを合計17回繰り返して、約27オングストロームの厚さを有する酸化ハフニウム層を形成する。その後、プロセスチャンバを、約250℃において約0.6トールの圧力で維持し、中間処理プロセスの間の約5分間窒素とオゾンを含有する処理ガスにさらす。続いて、ALDサイクルの17サイクルと中間処理プロセスを、堆積/処理サイクルとして連続して繰り返す。堆積/処理サイクルを3回行い、約80オングストロームの厚さを有する酸化ハフニウム層を形成する。後処理プロセスの間、チャンバを約20サイクルについて約250℃において0.6トール以下の圧力でオゾンを含有する後処理ガスでサイクルパージし、約0.5slmの窒素フローと約0.6トールで連続してパージする。
【0051】
[0053]実施例2-HOによるHfO堆積-26基板のバッチを、ミニバッチALDチャンバ内のボートのサセプタ上に位置決めする。プロセスチャンバを、約200℃において約6トールの圧力で維持し、後処理プロセスの間の約40分間オゾン(15at%オゾン/酸素)を含有する前処理ガスにさらす。その後、基板をハフニウム前駆物質(窒素キャリヤガスにおけるTDEAH)と水蒸気(窒素キャリヤガスにおける)に連続してさらすことによってALDプロセスの間に酸化ハフニウム層を形成する。基板を、約200℃に加熱し、複数のALDサイクルにさらす。各ALDサイクルは、TDEAHをチャンバに約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素(パージガス)をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、水をチャンバへ約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップとを含む。ALDサイクルを、合計10回繰り返し、約12オングストロームの厚さを有する酸化ハフニウム層を形成する。その後、プロセスチャンバを約200℃において約6トールの圧力で維持し、中間処理プロセスの間の約5分間窒素を含有する処理ガスにさらす。続いて、ALDサイクルの10サイクルと中間処理プロセスを、堆積/処理サイクルとして連続して繰り返す。堆積/処理サイクルを10回行い、約120オングストロームの厚さを有する酸化ハフニウム層を形成する。後処理プロセスの間、チャンバを約200℃において約6トールの圧力で約40分間維持し、オゾンを含有する後処理プロセスにさらす。
【0052】
[0054]実施例3-HfO均一ナノラミネート-26基板のバッチを、ミニバッチALDチャンバ内のボートのサセプタ上に位置決めする。リアクタを、0.6トールと真空の間に約5slmの窒素フローでサイクルパージする。続いて、プロセスチャンバを、約250℃において約0.6トールの圧力で連続窒素フローについて約40秒間維持し、15at%O/酸素で約30-60秒間前処理する。その後、基板をハフニウム前駆物質(窒素キャリヤガスにおけるTDEAH)とオゾンだけでなく、ハフニウム前駆物質と水蒸気に連続してさらすことによって、ALDプロセスの間に酸化ハフニウム層を形成する。基板を約250℃に維持し、複数のALDサイクルにさらす。
【0053】
[0055]第一ALDサイクルは、TDEAHをチャンバへ約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素(パージガス)をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、オゾンをチャンバへ約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップとを含む。ALDサイクルを合計5回繰り返し、約10オングストロームの厚さを有する酸化ハフニウム層を形成する。その後、プロセスチャンバを約300℃において約8トールの圧力で維持し、窒素と15at%オゾンを含有する第一処理ガスに第一中間処理プロセスの間の約5分間さらし、ALDサイクルと第一中間処理プロセスは、第一堆積/処理サイクルとして繰り返すことができる。
【0054】
[0056]第二ALDサイクルは、TDEAHをチャンバへ約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素(パージガス)をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、水蒸気をチャンバへ約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップとを含む。ALDサイクルを合計5回繰り返し、約10オングストロームの厚さを有する酸化ハフニウム層を形成する。その後、プロセスチャンバを約300℃において約8トールの圧力で維持し、窒素を含有する第二処理ガスに第一中間処理プロセスの間の約5分間さらし、ALDサイクルと第二中間処理プロセスを第二堆積/処理サイクルとして繰り返すことができる。
【0055】
[0057]第一堆積/処理サイクルに続いて第二堆積/処理サイクルを含有するサイクルを6回行い、約120オングストロームの厚さを有する酸化ハフニウムを形成する。後処理プロセスの間、約250℃において約8トールの圧力で約40分間維持し、オゾンを含有する後処理ガスにさらす。
【0056】
[0058]実施例4-OによるSiO堆積-26基板のバッチを、ミニバッチALDチャンバ内のボートのサセプタ上に位置決めする。リアクタを、86トールと真空の間に約5slmの窒素フローでサイクルパージする。続いて、プロセスチャンバを、約300℃において約8トールの圧力で窒素の連続フローについて約40秒間維持し、15at%Oで約30-60秒間前処理する。その後、基板をシリコン前駆物質(窒素キャリヤガスにおけるトリス-DMAS)とオゾン(15at%オゾン/酸素)に連続してさらすことによって、ALDプロセスの間に酸化シリコン層を形成する。基板を、約300℃に加熱し、複数のALDサイクルにさらす。各ALDサイクルは、チャンバへのトリス-DMASを約45秒間流すステップと、チャンバを約20秒間排気させるステップと、窒素(パージガス)をチャンバへ約20秒間流すステップと、チャンバを約20秒間排気させるステップと、オゾンをチャンバへ約45秒間流すステップと、チャンバを約20秒間排気させるステップと、窒素をチャンバへ約20秒間流すステップと、チャンバを約20秒間排気させるステップとを含む。ALDサイクルを合計20回繰り返し、約25オングストロームの厚さを有する酸化シリコン層を形成する。その後、プロセスチャンバを約300℃において約8トールの圧力で維持し、窒素を含有する処理ガスに中間処理プロセスの間の約6分間さらす。続いて、ALDサイクルの20サイクルと中間処理プロセスを、堆積/処理サイクルとして連続して繰り返す。堆積/処理サイクルを8回行い、約200オングストロームの厚さを有する酸化シリコン層を形成する。後処理プロセスの間、チャンバを約300℃において約8トールの圧力で約30分間維持し、オゾンを含有する後処理ガスにさらす。
【0057】
[0059]実施例5-OによるAl堆積-26基板のバッチを、ミニバッチALDチャンバ内のボートのサセプタ上に位置決めする。プロセスチャンバは、約280℃において約5トールの圧力で維持し、前処理プロセスの間の約30分間オゾン(10at%O/酸素)を含有する前処理ガスにさらす。その後、基板をアルミニウム前駆物質(トリメチルアルミニウム-TMA)とオゾン(10at%オゾン/酸素)に連続してさらすことによって、酸化アルミニウム層をALDプロセスの間に形成する。基板を、約280℃に維持し、複数のALDサイクルにさらす。各ALDサイクルは、TMAをチャンバに約5秒間流すステップと、チャンバを約8秒間排気するステップと、窒素(パージガス)をチャンバへ約6秒間流すステップと、チャンバを約10秒間排気させるステップと、オゾンをチャンバへ約15秒間流すステップと、チャンバを約20秒間排気させるステップと、窒素をチャンバへ約20秒間流すステップと、チャンバを約20秒間排気させるステップとを含む。ALDサイクルを合計15回繰り返し、約20オングストロームの厚さを有する酸化アルミニウム層を形成する。その後、プロセスチャンバを、約300℃において約5トールの圧力で維持し、窒素含有処理ガスへ中間処理プロセスの間の約4分間さらす。続いて、ALDサイクルの15サイクルと中間処理プロセスを、堆積/処理サイクルとして連続して繰り返す。堆積/処理サイクルを6回行い、約120オングストロームの厚さを有する酸化アルミニウム層を形成する。後処理プロセスの間、チャンバを約300℃において約5トールの圧力で約30分間維持し、オゾンを含有する後処理プロセスガスにさらす。
【0058】
[0060]実施例6-OによるHfSiO堆積-26基板のバッチを、ミニバッチALDチャンバ内のボートのサセプタ上に位置決めする。プロセスチャンバを、約250℃において約8トールの圧力で維持し、オゾン(15at%オゾン/酸素)を含有する前処理ガスに前処理プロセスの間の約40分間さらす。その後、基板をハフニウム前駆物質(窒素キャリヤガスにおけるTDEAH)と、オゾン(15at%オゾン/酸素)と、シリコン前駆物質(窒素キャリヤにおけるトリス-DMAS)と、オゾンに連続してさらすことによって、ケイ酸ハフニウム層をALDプロセスの間に形成する。基板を約300℃に加熱し、複数のALDサイクルにさらす。各ALDサイクルは、TDEAHをチャンバへ約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素(パージガス)をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、オゾンをチャンバへ約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、トリス-TMASをチャンバへ約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素(パージガス)をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、オゾンをチャンバへ約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップとを含む。ALDサイクルを合計5回繰り返し、約20オングストロームの厚さを有するケイ酸化物層を形成する。その後、プロセスチャンバを、約300℃において約8トールの圧力で維持し、窒素を含有する処理ガスに中間処理プロセスの間の約5分間さらす。続いて、ALDサイクルの5サイクルと中間処理プロセスを、堆積/処理サイクルとして連続して繰り返す。堆積/処理サイクルを6回行い、約120オングストロームの厚さを有するケイ酸ハフニウム層を形成する。後処理プロセスの間、チャンバを約250℃において約8トールの圧力で約40分間維持し、オゾンを含有する後処理プロセスにさらす。
【0059】
[0061]実施例7-OによるHfSiO(コフロー)堆積-26基板のバッチを、ミニバッチALDチャンバ内のボートのサセプタ上に位置決めする。プロセスチャンバを約250℃において約8トールの圧力で維持し、オゾン(15at%オゾン/酸素)を含有する前処理ガスへ前処理プロセスの間の約40分間さらす。その後、基板をハフニウム/シリコン前駆物質混合物(窒素キャリヤガスにおいてTDEAH/トリス-DMAS(1:1))とオゾン(15at%オゾン/酸素)に連続してさらすことによって、ケイ酸化ハフニウム層をALDプロセスの間に形成する。基板を約300℃に加熱し、複数のALDサイクルにさらす。各ALDサイクルは、TDEAH/トリス-DMAS混合物をチャンバへ約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素(パージガス)をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、オゾンをチャンバへ約60秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップと、窒素をチャンバへ約30秒間流すステップと、チャンバを約30秒間排気させるステップとを含む。ALDサイクルを合計8回繰り返し、約20オングストロームの厚さを有するケイ酸化ハフニウム層を形成する。その後、プロセスチャンバを、約300℃において約8トールの圧力で維持し、窒素を含有する処理ガスに中間処理プロセスの間の約5分間さらす。続いて、ALDサイクルの8サイクルと中間処理プロセスを、堆積/処理サイクルとして連続して繰り返す。堆積/処理サイクルを5回行い、約100オングストロームの厚さを有するケイ酸化ハフニウム層を形成する。後処理プロセスの間、チャンバを約250℃において約8トールの圧力で約40分間維持し、オゾンを含有する後処理プロセスにさらす。
【0060】
[0062]実施例8-SiClとNHによるSiN-ミニバッチALDチャンバを連続アンモニア(NH)フローで約550℃のプロセス温度において処理する。NHの流量は約3.5slmであり、チャンバを約8トールの圧力で約12.5分間維持する。その後、チャンバを約30秒間排気する。続いて、チャンバをヘキサクロロジシラン(HCD)を置換したNとNHで模擬SiNプロセスで処理する。チャンバにいくつかのはだかのシリコンを装填して、パーティクルレベルをモニタする。
【0061】
[0063]N/NHプロセスの場合、チャンバを以下のプロセスステップで処理する。チャンバを約6.3slmのNフローと約0.4slmのアルゴン(Ar)フローでステップにつき約5秒間持続して5回サイクルパージする。約8トールに固定した圧力において、チャンバを、約6.3slmのNフローと約0.4slmのArフローで約45秒間連続してパージする。チャンバを、約1.3slmのNフローと約0.4slmのArフローで約15秒間排気させる。チャンバを、10模擬ALDSiN(N/NH)サイクルで処理する。チャンバを、約3.5slmのNHフローと約0.75slmのNフローで20回サイクルパージする。パージステップは約15秒間持続し、ポンプステップは約20秒間持続する。チャンバを約6.3slmのNフローと約0.4slmのArフローで連続してパージする。最後に、チャンバをガスフローなしで30秒間排気させる。
【0062】
[0064]模擬ALDSiNプロセスの場合、一実験において、0.12μmを超えるサイズの加算器はPMスロット24において26であり、PMスロット8において57であった。次に、チャンバを10サイクルSiNプロセスで処理して、チャンバ内のゆるんだいかなるパーティクルも固定する。チャンバのこの前処理の後、製品ウエハによる処理は、パーティクルレベルが規格を超えるまで又はチャンバが8時間超える間アイドリングするまで続けることができる。チャンバがアイドリングしている間、チャンバは模擬ALDSiN(N/N)プロセスに供しなければならない。チャンバ処理後、基板をALDSiNのためのミニバッチALDチャンバ内のボートのサセプタ上に位置決めした。
【0063】
[0065]ウエハを以下の方法で処理した。チャンバを、ステップにつき約5秒間持続して約6.3slmのNフローと約0.4slmのArフローで5回サイクルパージする。約8トールに固定した圧力において、チャンバと基板を、約6.3slmのNフローと約0.4slmのArフローで約1,765秒間連続してパージする。チャンバとウエハを、約1.3slmのNフローと約0.4slmのArフローで約15秒間排気させる。チャンバとウエハを、任意数のALDSiN(HCD/NH)サイクルで処理する。チャンバとウエハを、約3.5slmのNHフローと約0.75slmのNフローで20回サイクルパージする。パージステップは約15秒間持続し、ポンプステップは約20秒間持続する。チャンバとウエハは、約6.3slmのNフローと約0.4slmのArフローで連続してパージする。最後に、チャンバとウエハをガスフローなしで30秒間排気させる。チャンバ処理とチャンバ/ウエハ処理において、0.2μmを超えるサイズの膜内パーティクル加算器は、典型的には、約100オングストロームの厚さを有するALDSiN膜について50未満である。チャンバ処理とチャンバ/ウエハ処理を含まない0.2μmを超えるサイズの膜内粒子加算器は、典型的には、約100オングストロームのALDSiN膜厚について500を超える。
【0064】
[0066]実施例9-SiClとNHによるSiN(仮定)-ミニバッチALDチャンバを連続NHフローで約550℃のプロセス温度において処理する。NHの流量は約3.5slmであり、チャンバを約8トールの圧力で約12.5分間維持する。その後、チャンバを約30秒間排気する。続いて、チャンバをヘキサクロロジシラン(HCD)とNHを含有するSiNプロセスで処理する。チャンバにいくつかのはだかのシリコンを装填して、パーティクルレベルをモニタする。
【0065】
[0067]プロセスのNHステップの場合、チャンバを以下のプロセスステップで処理する。チャンバを約6.3slmのHCDフローと約0.4slmのArフローでステップにつき約5秒間持続して5回サイクルパージする。約8トールに固定した圧力において、チャンバを、約6.3slmのHCDフローと約0.4slmのArフローで約45秒間連続してパージする。チャンバを、約1.3slmのHCDフローと約0.4slmのArフローで約15秒間排気させる。チャンバを、10ALDSiN(HCD/NH)サイクルで処理する。チャンバを、約3.5slmのNHフローと約0.75slmのHCDフローで20回サイクルパージする。パージステップは約15秒間持続し、ポンプステップは約20秒間持続する。チャンバを約6.3slmのHCDフローと約0.4slmのArフローで連続してパージする。最後に、チャンバをガスフローなしで30秒間排気させる。
【0066】
[0068]ALDSiNプロセスの場合、一実験において、0.12μmを超えるサイズの加算器はPMスロット24において26であり、PMスロット8において57であった。次に、チャンバを10サイクルSiNプロセスで処理して、チャンバ内のゆるんだいかなるパーティクルも固定する。チャンバのこの前処理の後、製品ウエハによる処理は、パーティクルレベルが規格を超えるまで又はチャンバが8時間超える間アイドリングするまで続けることができる。チャンバがアイドリングしている間、チャンバはALDSiN(N/N)プロセスに供しなければならない。チャンバ処理後、基板をALDSiNのためのミニバッチALDチャンバ内のボートのサセプタ上に位置決めした。
【0067】
[0069]ウエハを以下の方法で処理した。チャンバを、ステップにつき約5秒間持続して約6.3slmのHCDフローと約0.4slmのArフローで5回サイクルパージする。約8トールに固定した圧力において、チャンバと基板を、約6.3slmのNフローと約0.4slmのArフローで約1,765秒間連続してパージする。チャンバとウエハを、約1.3slmのHCDフローと約0.4slmのArフローで約15秒間排気させる。チャンバとウエハを、任意数のALDSiN(HCD/NH)サイクルで処理する。チャンバとウエハを、約3.5slmのHCDフローと約0.75slmのNフローで20回サイクルパージする。パージステップは約15秒間持続し、ポンプステップは約20秒間持続する。チャンバとウエハは、約6.3slmのHCDフローと約0.4slmのArフローで連続してパージする。最後に、チャンバとウエハをガスフローなしで30秒間排気させる。チャンバ処理とチャンバ/ウエハ処理において、0.2μmを超えるサイズの膜内パーティクル加算器は、典型的には、約100オングストロームの厚さを有するALDSiN膜について50未満である。チャンバ処理とチャンバ/ウエハ処理を含まない0.2μmを超えるサイズの膜内粒子加算器は、典型的には、約100オングストロームのALDSiN膜厚について500を超える。
【0068】
[0070]上記は本発明の実施形態に関するが、本発明の他の多くの実施形態もそれらの基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、それらの範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、本明細書に記載される実施形態によるプロセス順序を示す図である。
【図2】図2は、本明細書に記載される他の実施形態によるプロセス順序を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
100…プロセス、102、104、106、108、110…ステップ、200…プロセス、202、204、206、208、210、212、214、216…ステップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバ内で基板上に物質を形成する方法であって、
プロセスチャンバを前処理プロセスにさらすステップと;
該プロセスチャンバ内の少なくとも一つの基板をALDプロセスにさらすステップであって、
ALDサイクル中に該少なくとも一つの基板を連続して少なくとも二つの化学前駆物質にさらす工程、
該ALDサイクルを所定数のサイクル繰り返す工程、
各所定数のサイクル後に処理プロセスを行う工程、
を含む、前記ステップと;
該プロセスチャンバを後処理プロセスにさらすステップと;
を含む、前記方法。
【請求項2】
該プロセスチャンバがバッチプロセスチャンバである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該少なくとも一つの基板が、25以上の基板を含む複数の基板である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該複数の基板が約100の基板を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
該前処理プロセスと該後処理プロセスが、それぞれ独立して、不活性ガス、酸化ガス、窒化ガス、還元ガス、それらのプラズマ、それらの誘導体、及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる処理ガスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該前処理プロセスと該後処理プロセスが、それぞれ独立して、オゾン、水、アンモニア、窒素、アルゴン、水素、それらのプラズマ、それらの誘導体、及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる処理ガスを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
プロセスチャンバ内で基板上に物質を形成する方法であって、
バッチチャンバを前処理プロセスにさらすステップと;
該バッチプロセスチャンバ内の複数の基板を該基板上に物質を形成するためのALDプロセスにさらすステップであって、該ALDプロセスが、
ALDサイクル中に該基板を連続して第一化学前駆物質と第二化学前駆物質にさらす工程、
該ALDサイクルを繰り返して、所定の厚さを有する該物質の層を形成する工程、
を含む、前記ステップと;
該ALDプロセス中に少なくとも一つの処理プロセスを行うステップと;
該プロセスチャンバを後処理プロセスにさらすステップと;
を含む、前記方法。
【請求項8】
該少なくとも一つの処理プロセスが所定数のALDサイクル後に行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
該少なくとも一つの処理プロセスと該所定数のALDサイクルが、プロセスサイクル中に繰り返される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該プロセスサイクルを繰り返して該物質を形成する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
該複数の基板が約25以上の基板を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
該前処理プロセスと該後処理プロセスが、それぞれ独立して、オゾン、水、アンモニア、窒素、アルゴン、水素、それらのプラズマ、それらの誘導体、及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる処理ガスを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
該複数の基板が約25以上の基板を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
該前処理プロセスと該後処理プロセスが、それぞれ独立して、オゾン、水、アンモニア、窒素、アルゴン、水素、それらのプラズマ、それらの誘導体、及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる処理ガスを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
プロセスチャンバ内で基板上に物質を形成する方法であって、
バッチプロセスチャンバを前処理プロセスにさらすステップと;
該バッチプロセスチャンバ内の複数の基板を該基板上にハフニウム含有物質を形成するためのALDプロセスにさらすステップであって、該ALDプロセスが、
ALDサイクル中に該基板を連続してハフニウム前駆物質と酸化ガスにさらす工程、
該ALDサイクルを繰り返して、所定の厚さを有するハフニウム含有層を形成する工程、
を含む、前記ステップと;
該ALDプロセス中に少なくとも一つの処理プロセスを行うステップと;
を含む、前記方法。
【請求項16】
該少なくとも一つの処理プロセスが、所定数のALDサイクル後に行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
該少なくとも一つの処理プロセスと該所定数のALDサイクルが、プロセスサイクル中に繰り返される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
該プロセスサイクルを繰り返して該物質を形成する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
該複数の基板が約25以上の基板を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
該前処理プロセスと後処理プロセスが、それぞれ独立して、オゾン、水、アンモニア、窒素、アルゴン、水素、それらのプラズマ、それらの誘導体、及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる処理ガスを含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−509039(P2009−509039A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531413(P2008−531413)
【出願日】平成18年9月18日(2006.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/036292
【国際公開番号】WO2007/038050
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】