説明

パラ置換されたフェニルカルバメート

新規のパラ置換されたフェニルカルバメート、これらを含む薬学的組成物、および/またはホルモン感受性のリパーゼに関連した疾患および障害の治療および/または予防におけるこれらの使用。より詳細には、本化合物は、ホルモン感受性リパーゼの活性を調整することが有益である疾患および障害の治療および/または予防のために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のパラ置換されたフェニルカルバメートに、これらの化合物を含む薬学的組成物に、薬学的組成物としてのこれらの化合物の使用に、並びにこれらの化合物および組成物を使用する治療方法に関する。本化合物は、ホルモン感受性リパーゼの強力な阻害を示す。その結果、本化合物は、ホルモン感受性リパーゼに関連した疾患のおよび障害の治療および/または予防のために有用である。
【発明の背景】
【0002】
哺乳類系の全体のエネルギー恒常性は、適切な時間に適切な基質を利用できることを保証するために高度な制御が必要である。血漿グルコースレベルは、食後の状態の間に上昇し、2〜3時間以内に摂食前のレベルに戻る。これらの2〜3時間の間に、インスリンは、骨格筋および脂肪組織によるグルコース取り込みを促進し、脂肪細胞からの遊離脂肪酸(FFA)の放出を減少させて、2つの基質が互いに競合しないことを確実にする。血漿グルコースレベルが低下するときに、種々の組織によるグルコースから脂肪の利用へスイッチするために、血漿FFAの上昇が必要である。
【0003】
インスリン抵抗性をもつ個体では、これらが正常な個体において行うようにインスリンに反応してFFAレベルが低下せずに、骨格筋、脂肪、および肝臓によるグルコースの正常な利用を防げてしまう。さらにまた、インシュリン感応性と血漿FFAレベルとの間には、ネガティブな相関がある。
【0004】
ホルモン感受性リパーゼ(HSL)は、脂肪組織、マクロファージ、筋肉、副腎、精巣、および島において発現される酵素である(Kraemer and Shen, J. Lipid Res. 2002, 43, 1585-1594)。脂肪細胞において、HSLは、トリグリセリドのグリセロールおよび脂肪酸への転換を触媒する。循環FFAのレベルが調整されるのは、この酵素の調節を介している。インスリンは、HSLの不活性化を引き起こして、その後に食後状態の間の血漿FFAレベルを低下させ、続いてインスリン濃度が低下するときに酵素が活性化し、カテコールアミンが吸収後の期間の間に上昇する。HSLの活性化により、血漿FFA中の増加を生じて、これらが絶食の間の主なエネルギー源になる。
【0005】
HSLの活性化-不活性化は、主にcAMPプロテインキナーゼAおよびAMP依存的キナーゼ経路を介して媒介される。これらの経路を経てHSLの活性化を減少させ、脂肪分解の減少を引き起こしてFFAレベルの減少を生じさせる、ニコチン酸およびその誘導体様の化合物がある。これらの薬物は、グルコースの利用に、および高いFFAの患者で見られる過剰なトリグリセリド合成の正常化に有益な効果を有する。しかし、これらの経路は、体内のその他のプロセスによって使用されているので、これらの薬物は、重篤な副作用を有する。
【0006】
いくつかの刊行物は、HSL阻害剤の調製および使用を開示する(WO 01/87843、WO 01/17981、WO 01/66531、WO 01/83497、およびWO 01/26664)。しかし、これらの化合物の構造は、本化合物のものとは非常に異なる。従って、これらの刊行物において開示されるHSL阻害剤は、いずれも本発明の化合物と同様のフェニルおよびカルバメート下部構造を含まない。
【0007】
本発明者らは、HSLの脂肪分解活性を特異的に阻害し、かつ血漿FFAレベルを減少させることが予測されるp-フェニル置換されたカルバメート化合物を見いだした。これらの化合物は、インスリン抵抗性、エックス症候群、異脂肪血症、リポタンパク質代謝の異常などの、血漿FFAのレベルの減少が要求される障害を治療するために使用することができる。
【0008】
本発明の1つの目的は、HSLの脂肪分解活性を阻害する化合物および薬学的組成物を提供することである。更なる目的は、溶解度、生物学的利用能、特異性などなどの良好な薬学的性質を有する化合物を提供することである。
【発明の開示】
【0009】
定義
以下は、本発明の化合物を記載するために使用される用語の詳細な定義である。
【0010】
「ハロゲン」の用語は、本文脈において、F、Cl、Br、およびIからなる群より選択される原子を示す。
【0011】
「C1-6-アルキル」の用語は、本文脈において、1〜6炭素原子を有する飽和した、分枝の、または直鎖状の炭化水素基を示す。代表例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。
【0012】
「C2-6-アルキル」の用語は、本文脈において、2〜6炭素原子を有する飽和した、分枝の、または直鎖状の炭化水素基を示す。代表例は、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。
【0013】
「C1-6-アルコキシ」の用語は、本文脈において、基-O-C1-6-アルキルであって、C1-6アルキルが上記記載の通りである基を示す。代表例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、tert-ペントキシ、n-ヘキソキシ、イソヘキソキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0014】
「C2-6-アルケニル」の用語は、本明細書に使用されるものとして、2〜6炭素原子と、少なくとも1つの二重結合とを有するオレフィン的に不飽和の分枝の、または直鎖状の炭化水素基を表す。このような基の例は、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、アリル、イソプロペニル、1,3-ブタジエニル、1-ブテニル、ヘキセニル、ペンテニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0015】
「C3-10-シクロアルキル」の用語は、本明細書に使用されるものとして、3〜10炭素原子を有する飽和したモノ、ビ、トリ、またはスピロ炭素環式の基を示す。代表例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、スピロ[4.5]デシル、ノルピニル、ノルボニル、ノルカリール(norcaryl)、アダマンチルなどである。
【0016】
「C3-8-ヘテロシクリル」の用語は、本明細書に使用されるものとして、窒素、酸素、および硫黄から選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む飽和した3〜8員環を表す。
【0017】
「アリール」の用語は、本明細書に使用されるものとして、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、ビフェニルエニルなどの、単環式の、二環式の、または多環式のいずれかである炭素環式芳香環系を表す。また、アリールは、上記列挙された炭素環式芳香族系の部分的に水素付加された誘導体を含むことが企図される。このような部分的に水素付加された誘導体の非限定の例は、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,4-ジヒドロ・ナフチルなどである。
【0018】
「ヘテロアリール」の用語は、本明細書に使用されるものとして、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾニル、1,2,4-トリアゾニル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピリジニル、1,2,3-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5- トリアジニル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、テトラゾリル、チアジアジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル(チアナフテニル)、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルなどの、窒素、酸素、および硫黄から選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む複素環式芳香環構造を表す。また、ヘテロアリールは、上記列挙された複素環式系の部分的に水素化された誘導体を含むことが企図される。このような部分的に水素付加された誘導体の非限定の例は、2,3−ジヒドロ-ベンゾフラニル、3,4-ジヒドロイソキノリニル、ピロリニル、ピラゾリニル、インドリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゼピニルなどである。
【0019】
「ペルハロメチルl」の用語は、本明細書に使用されるものとして、3つのハロゲン原子で置換されたメチル部分を示す。ペルハロメチルの非限定の例は、CF3、CCl3、およびCF2Clである。
【0020】
「ペルハロメトキシ」の用語は、本明細書に使用されるものとして、酸素原子(を介して連結されたペルハロメチル、たとえば、-O-CF3、-O-CCl3、および-O-CF2Clを示す。
【0021】
「環系」の用語は、本明細書に使用されるものとして、単環式、二環式、または多環式であってもよい芳香環部分、並びに非芳香環部分を含み、これらは、ゼロ、1つ、または複数の窒素、酸素、および硫黄から選択されるヘテロ原子(hetereatoms)部分を含む。このような環系の非限定の例は、アリール、C3-8-ヘテロシクリルおよびヘテロアリールである。
【0022】
「複素環式系」の用語は、本明細書に使用されるものとして、単環式、二環式、または多環式であってもよい芳香環部分、並びに非芳香環部分を含み、これらの環構造に1つまたは複数の窒素、酸素、および硫黄から選択されるヘテロ原子を含む。このような複素環式系の非限定の例は、C3-8-ヘテロシクリルおよびヘテロアリールである。
【0023】
一定の上で定義された用語は、構造式中に一回以上存在してもよく、このような存在により、それぞれの用語は、その他のものと独立して定義されるものとする。
【0024】
「置換されていてもよい」の用語は、本明細書に使用されるものとして、問題の基が非置換であるか、または1つまたは複数の指定した置換基で置換されていることを意味する。問題の基が複数の置換基で置換されるときは、置換基は同じであっても、または異なっていてもよい。
【0025】
「疾患」、「症状」、および「障害」の用語は、本明細書に使用されるものとして、ヒトの正常な生理的状態でない患者の状態を特定するために、交換可能に使用される。「治療」の用語は、本明細書に使用されるものとして、疾患、症状、または障害を発症した患者の管理および看護、並びに疾患、症状、または障害の臨床的発生の前に該疾患、症状、または障害を発症するリスクのある固体を管理および看護することを意味する。治療の目的は、疾患、症状、または障害と戦うこと、並びに疾患、症状、または障害の発症と戦うことである。治療は、症候または合併症の発生を防止するか、または遅延させるために、および疾患、症状、または障害と関係する症候または合併症を軽減するために、並びに疾患、症候、または障害を除去するか、または制御するために、活性化合物を投与することを含む。
【0026】
「有効な量」の用語は、本明細書に使用されるものとして、治療なしと比較して、患者の治療が有効であるために十分である用量を意味する。
【0027】
「調製する」の用語は、本明細書に使用されるものとして、所望の方法でそのパラメーターに影響を及ぼすためにパラメーター手段に影響を及ぼすこと、すなわち調整することを意味する。例には、β細胞からのインスリン分泌を調整すること、および遊離脂肪酸の血漿レベルを調整することがある。
【0028】
「薬物」の用語は、本明細書に使用されるものとして、患者に薬学的に活性な化合物を投与するために適した薬学的組成物を意味する。
【0029】
「薬学的に許容される」の用語は、本明細書に使用されるものとして、正常な薬学的適用に適したこと、すなわち患者などにおいて有害事象を生じないことを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の詳細
一つの局面において、本発明は、一般式(I)の化合物、並びにこれらのジアステレオマー、鏡像異性体、もしくは互変異性型(これらの混合物を含む)、これらの薬学的に許容される塩、これらの薬学的に許容される溶媒和化合物、または多形に関する:
【化1】

【0031】
式中、
R1およびR2は、独立して、水素、ヒドロキシ、スルファニル、アミノ、ハロゲン、スルホ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリルおよび、C3-10-シクロアルキルから選択され、各々のヒドロキシ、スルファニル、スルホ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルファニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、スルホ、ペルハロメチル、ペルハロメトキシ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基で選任意に置換されていてもよく;
R3、R4、およびR5は、独立して、水素、ヒドロキシ、スルフィニル、下痢、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択され、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリルおよびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルファニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、C1-6-アルキル、ペルハロメチル、およびペルハロメトキシから選択される1つまたは複数の置換基で任意に置換されており;
前記化合物は、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[3-(4-クロロフェニル)-ウレイド]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-(シクロヘキサンカルボニル-アミノ)-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-(2-シクロヘキシル-アセチルアミノ)-フェニルエステル、
cis/trans-メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(4-tert-ブチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
cis-メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(4-tert-ブチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
trans-メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(4-tert-ブチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(6-クロロ-ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(6-クロロ-ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(ピリジン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-(2-フェノキシ-アセチルアミノ)-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(ピリジン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[メチル-(チオフェン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-ブチリルアミノ-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[2-(3-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノキサリン-2-イル)-アセチルアミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-{[4-(メチル-フェニル-カルバモイルオキシ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-カルボニル]-アミノ}-フェニルエステル、および、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
ではないことを条件とする。
【0032】
もう一つの態様において、本発明は、R3が水素である化合物に関する。もう一つの態様において、本発明は、R3が、ヒドロキシ、スルフィニル、アミノ、ハロゲン、スルホ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C2-6-アルケニル、アリール、置換されたC1-6-アルキル、または置換されたC1-6-アルコキシから選択される化合物に関する。
【0033】
もう一つの態様において、本発明は、R2が水素である化合物に関する。
【0034】
もう一つの態様において、本発明は、R1が以下の群より選択される化合物に関する:
【化2】

【0035】
もう一つの態様において、本発明は、R1が以下の群より選択される化合物に関する:
【化3】

【0036】
もう一つの態様において、本発明は、R1が以下の群より選択される化合物に関する:
【化4】

【0037】
もう一つの態様において、本発明は、アミノ基、置換されたアミノ基、または二置換されたアミノ基である化合物に関する。
【0038】
もう一つの態様において、本発明は、4が、ドロキシ、スルフィニル、アミノ、ハロゲン、スルホ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C2-6-アルケニル、アリール、置換されたC1-6-アルキル、たは置換されたC1-6-アルコキシから選択される化合物に関する。
【0039】
もう一つの態様において、本発明は、R4がパラ位のフェニル部分に付着されている化合物に関する。
【0040】
もう一つの態様において、本発明は、R4がメタ位のフェニル部分に付着されている化合物に関する。
【0041】
もう一つの態様において、本発明は、R4が水素である化合物に関する。
【0042】
もう一つの態様において、本発明は、R5が水素である化合物に関する。
【0043】
もう一つの局面において、本発明は、一般式(I)の化合物、並びにこれらのジアステレオマー、鏡像異性体、もしくは互変異性型(これらの混合物を含む)、これらの薬学的に許容される塩、これらの薬学的に許容される溶媒和化合物、または多形に関する:
【化5】

【0044】
式中、
R1は、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリルおよびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルファニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、C1-6-アルキル、ペルハロメチル、およびペルハロメトキシから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく;
R2、R3、R4、およびR5は、水素である。
【0045】
もう一つの局面において、本発明は、一般式(I)の化合物、並びにこれらのジアステレオマー、鏡像異性体、もしくは互変異性型(これらの混合物を含む)、これらの薬学的に許容される塩、これらの薬学的に許容される溶媒和化合物、または多形に関する:
【化6】

【0046】
式中、
R1は、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく;
R2、R3、R4、およびR5は、水素である。
【0047】
もう一つの局面において、一般式(I)の17.A化合物、並びにこれらのジアステレオマー、鏡像異性体、もしくは互変異性型(これらの混合物を含む)、これらの薬学的に許容される塩、これらの薬学的に許容される溶媒和化合物、または多形に関する:
【化7】

【0048】
式中、
R1は、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリルおよびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルファニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、C1-6-アルキル、ペルハロメチル、およびペルハロメトキシから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく;
R2、R3、R4、およびR5は、水素である。
【0049】
もう一つの局面において、本発明は、一般式(I)の化合物、並びにこれらのジアステレオマー、鏡像異性体、もしくは互変異性型(これらの混合物を含む)、これらの薬学的に許容される塩、これらの薬学的に許容される溶媒和化合物、または多形に関する:
【化8】

【0050】
式中、
R1は、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく;
R2、R3、R4、およびR5は、水素である。
【0051】
さらにもう一つの局面において、本発明は、一般式(I)の化合物、並びにこれらのジアステレオマー、鏡像異性体、もしくは互変異性型(これらの混合物を含む)、これらの薬学的に許容される塩、これらの薬学的に許容される溶媒和化合物、または多形に関する:
【化9】

【0052】
式中
RXは、C3-8-ヘテロシクリルであり、C3-8-ヘテロシクリルは、独立して、ヒドロキシ、スルファニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、C1-6-アルキル、ペルハロメチル、およびペルハロメトキシから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく;
R2、R3、R4、およびR5は、水素である。
【0053】
もう一つの態様において、本発明は、1つの遊離の-COOH基を有する化合物に関する。
【0054】
もう一つの態様において、本発明は、1つの遊離の-NH2基を有する化合物に関する。
【0055】
もう一つの態様において、本発明は、1つの置換されたか、または非置換のピリジン環を有する化合物に関する。
【0056】
もう一つの態様において、本発明は、該化合物のモル重量が282D〜650Dの範囲内にある化合物に関する。
【0057】
もう一つの態様において、本発明は、該化合物のモル重量が650D未満である化合物に関する。
【0058】
もう一つの態様において、本発明は、ACD LogPが1.0〜3.0の範囲内にある化合物に関する。
【0059】
もう一つの態様において、本発明は、ACD LogDが0.8〜2.0の範囲内にある化合物に関する。
【0060】
もう一つの態様において、本発明は、ACD LogPが1.0〜4.0の範囲内にある化合物に関する。
【0061】
もう一つの態様において、本発明は、ACD LogDが0.8〜3.0の範囲内にある化合物に関する。
【0062】
もう一つの態様において、本発明は、H結合ドナーの数が1、2または3である化合物に関する。
【0063】
もう一つの態様において、本発明は、H結合アクセプターの数が4、5、または6である化合物に関する。
【0064】
もう一つの態様において、本発明は、該化合物の回転可能な結合の数が4〜8の範囲内にある化合物に関する。
【0065】
もう一つの態様において、本発明は、以下からなる群より選択される化合物に関する:
メチル-フェニル-カルバミン酸5-(4-ピペリジン-1-イル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸5-[4-(2-メチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸5-[4-(3-メチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-[4-(4-メチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2-エチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(4,4-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2,6-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2,4,6-トリメチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-(4-ピペリジン-1-イルメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2-メチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(3-メチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(4-メチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2-エチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2,6-ジメチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(4,4-ジメチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2,4,6-トリメチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-[4-(2-ピペリジン-1-イル-エチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2-メチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(3-メチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(4-メチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2-エチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(4,4-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2,6-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2,4,6-トリメチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル。
【0066】
もう一つの態様において、本発明は、1つの遊離の-COOH基を有する化合物に関する。
【0067】
もう一つの態様において、本発明は、1つの遊離のアミノ基、置換されたアミノ基、または二置換されたアミノ基を有する化合物に関する。
【0068】
もう一つの態様において、本発明は、1つの置換されたか、または非置換のピリジン環を有する化合物に関する。
【0069】
もう一つの態様において、本発明は、1つの置換されたか、または非置換イミダゾール環を有する化合物に関する。
【0070】
もう一つの態様において、本発明は、該化合物のモル重量が650g/モル未満である化合物に関する。
【0071】
イオン化される(ionisable)基を有さない化合物の性質cLog Pは、Tripos CorporationからのSybyl 6.6、バージョン4.0(Biobyte Corp., Claremont CA, USAによって提供される)を使用して算出される。
【0072】
もう一つの態様において、本発明は、化合物がイオン化される(ionisable)基を含まず、かつcLog Pが1.0〜5.0の範囲内にある化合物に関する。
【0073】
もう一つの態様において、本発明は、化合物がイオン化される(ionisable)基を含まず、かつcLog Pが1.0〜4.0の範囲内にある化合物に関する。
【0074】
化合物の多くのその他の性質、すなわち、H結合ドナーの数、H結合アクセプターの数、回転可能な結合の数は、Tripos CorporationからのSybyl 6.6を使用して算出される。極性表面領域(PSA)は、Allinger vdw半径を使用するSAVol 3.7に基づいたSAVolプログラムを使用して算出される。極性の原子は、酸素、窒素、さらにR. S. Pearlman、J. M. SkellおよびF. Deanda、Laboratory、College of Pharmacy、University of Texas、Austin、TX 78712、U.S.Aよって開発されたOおよびNに付着された水素である。
【0075】
もう一つの態様において、本発明は、ACD LogDが0.8から3.0の範囲内にある化合物に関する。
【0076】
もう一つの態様において、本発明は、H結合ドナーの数が0、1、2、または3である化合物に関する。
【0077】
もう一つの態様において、本発明は、H結合ドナーの数が1、2、または3である化合物に関する。
【0078】
もう一つの態様において、本発明は、H結合アクセプターの数が4〜9の範囲内にある化合物に関する。
【0079】
もう一つの態様において、本発明は、H結合アクセプターの数が6〜8の範囲内にある化合物に関する。
【0080】
もう一つの態様において、本発明は、該化合物の回転可能な結合の数が4〜14の範囲内にある化合物に関する。
【0081】
もう一つの態様において、本発明は、該化合物の回転可能な結合の数が8〜12の範囲内にある化合物に関する。
【0082】
もう一つの態様において、本発明は、極性表面領域(PSA)が50Å〜120Åの範囲にある化合物に関する。
【0083】
もう一つの態様において、本発明は、極性表面領域(PSA)が70Å〜120Åの範囲にある化合物に関する。
【0084】
もう一つの態様において、本発明は、
[メチル-フェニル-カルバミン酸4-(4-ピペリジン-1-イルメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル]、
[メチル-フェニル-カルバミン酸4-(4-モルフォリン-4-イルメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル]、および
[メチル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(4-メチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル]からなる群より選択される化合物に関する。
【0085】
もう一つの局面において、本発明は、薬学的に許容される担体または希釈液と共に一般式Iの化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物に関する。
【0086】
一つの態様において、本発明は、単位用量形態の、約0.05〜約2000mg、好ましくは約0.1〜約500mg、およびさらに好ましくは約1.0〜約100mgの前記本発明に従った化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物に関する。
【0087】
もう一つの態様において、本発明は、トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、コレステロールアシルエステル、またはステロイドアシルエステルに対するホルモン感受性リパーゼ脂肪分解活性を阻害するための医薬として使用するための薬学的組成物であって、薬学的に許容される担体または希釈液と共に、本発明に従った化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物に関する。
【0088】
もう一つの態様において、本発明は、経口投与のためのものである、薬学的組成物に関する。
【0089】
もう一つの態様において、本発明は、経鼻、経皮、経肺、または非経口的投与のものである薬学的組成物に関する。
【0090】
もう一つの局面において、本発明は、薬学的組成物の調製のための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0091】
一つの態様において、本発明は、ホルモン感受性リパーゼの阻害のための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0092】
もう一つの態様において、本発明は、トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、コレステロールアシルエステル、またはステロイドアシルエステルに対するホルモン感受性リパーゼの脂肪分解活性の阻害のための薬学的組成物の調製のための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0093】
もう一つの態様において、本発明は、遊離脂肪酸、グリセロール、LDL-コレステロール、HDLコレステロール、インスリン、および/またはグルコースの血漿レベルを調整すること;および/または、
細胞内トリアシルグリセロールおよびコレステロールエステル貯臓(脂肪酸、ジアシルグリセロールなどの脂肪酸エステル、ホスファチジン酸、長鎖アシルCoA、並びにクエン酸もしくはマロニルCoAの細胞内レベルを調整すること;および/または、
脂肪組織、骨格筋、肝臓、または膵細胞中のインシュリン感応性を増大すること;および/または、
膵細胞からのインスリン分泌を調整すること、
が望ましいいずれかの障害の治療または予防のための薬学的組成物の調製のための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0094】
もう一つの態様において、本発明は、前記障害が、インスリン抵抗性、1型糖尿病、2型糖尿病、代謝性エックス症候群、グルコース寛容減損、高血糖、異脂肪血症、肥満、アテローム性動脈硬化症(atheroschlerosis)、高血圧、リポタンパク質代謝の異常、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、上記使用に関する。
【0095】
もう一つの態様において、本発明は、異脂肪血症の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0096】
もう一つの態様において、本発明は、高脂血症の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0097】
もう一つの態様において、本発明は、高血糖の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、本発明に従った化合物を用いて関する。
【0098】
もう一つの態様において、本発明は、HbA1cを低下させるための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0099】
もう一つの態様において、本発明は、2型糖尿病の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製に関する。
【0100】
もう一つの態様において、本発明は、グルコース寛容減損の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0101】
もう一つの態様において、本発明は、代謝性エックス症候群の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0102】
もう一つの態様において、本発明は、アテローム性動脈硬化症(atheroschlerosis)の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0103】
もう一つの態様において、本発明は、グルコース寛容減損から2型糖尿病への進行を遅延させるための薬学的組成物の調製のための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0104】
もう一つの態様において、本発明は、非インスリン要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行を遅延させるための薬学的組成物の調製のための、本発明に従った化合物の使用に関する。
【0105】
もう一つの態様において、本発明は、さらなる抗糖尿病薬、抗肥満、降圧薬、または食欲調節薬が使用される、上記表示に従った使用に関する。
【0106】
もう一つの態様において、本発明は、メトホルミンも使用される、上記表示に従った使用に関する。
【0107】
もう一つの局面において、本発明は、ホルモン感受性リパーゼの活性を調整することが要求される患者の障害を治療する方法であって、これらの必要な被検者に対して、本発明に従った化合物またはこれらの薬学的に許容される塩の治療上有効な量を投与することを含む方法に関する。
【0108】
ホルモン感受性リパーゼの活性を低下させることが要求される患者の障害を治療する方法であって、これらの必要な被検者に対して、本発明に従った化合物またはこれらの薬学的に許容される塩の治療上有効な量を投与することを含む方法に関する。
【0109】
もう一つの態様において、本発明は、前記投与が、経口、経鼻、経皮、経肺、または非経口的経路によって行われる、上記方法に関する。
【0110】
もう一つの態様において、本発明は、前記障害が、インスリン抵抗性、1型糖尿病、2型糖尿病、代謝性エックス症候群、グルコース寛容減損、高血糖、異脂肪血症、肥満、アテローム性動脈硬化症(atheroschlerosis)、高血圧、リポタンパク質代謝の異常、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、上記方法に関する。
【0111】
もう一つの態様において、本発明は、前記化合物の治療上有効な量は、1日につき約0.05〜約2000mg、好ましくは約0.1〜約500mg、およびさらに好ましくは約1.0〜約100mgの化合物である、上記の方法に関する。
【0112】
もう一つの態様において、本発明は、さらなる抗糖尿病薬、抗肥満、降圧薬、または食欲調節薬が患者に投与される、上記方法に関する。
【0113】
もう一つの態様において、本発明は、メトホルミンも患者に投与される、上記方法に関する。
【0114】
もう一つの局面において、本発明は、本発明に従った化合物またはその薬学的に許容される塩の調製のための方法であって、以下のP1反応スキームに従って溶媒中の適切なカルバモイル化試薬と適切なアルコールの反応を起こさせることと;
【化10】

【0115】
二置換されたカルバメート生成物を単離することとを含む方法に関する。
【0116】
本発明の1つの態様において、前記カルバモイル化試薬:
【化11】

【0117】
は、
【化12】

【0118】
からなる群より選択される。
【0119】
本発明のもう一つの態様において、前記溶媒は、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、およびN-メチルピロリドンからなる群より選択される。
【0120】
本発明のもう一つの態様において、該塩基は、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピル-N-エチルアミン、およびDABCOからなる群より選択される。
【0121】
もう一つの局面において、本発明は、本発明の化合物の調製のための方法であって、以下のP2反応スキームに従って、溶媒中の適切なアシル化試薬と適切なアミンを塩基の存在下においての処理することと;
【化13】

【0122】
二置換されたカルバメートを単離することとを含む方法に関する。
【0123】
本発明の1つの態様において、Lvは、Clである。
【0124】
本発明のもう一つの態様において、前記溶媒は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、およびジクロロメタンからなる群より選択される。
【0125】
本発明のもう一つの態様において、前記塩基は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチル-ジイソプロピル-アミン、および1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群より選択される。
【0126】
本発明のもう一つの態様において、前記塩基は、置換基R3およびR4の一方または両方において官能基として存在し、したがって酸性H-Lvと塩を形成する。
【0127】
また、本発明は、本化合物の薬学的に許容される塩を含む。このような塩は、薬学的に許容される酸性付加塩、薬学的に許容される塩基付加塩、薬学的に許容される金属塩、アンモニウム塩、およびアルキル化されたアンモニウム塩を含む。酸性付加塩は、無機酸、並びに有機酸の塩を含む。適切な無機酸の代表例は、塩素水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、窒素酸などを含む。適切な有機酸の代表例は、ギ酸、トリクロロ酢酸、)トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ケイ皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、蓚酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、琥珀酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、pamoic酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノベンゼン酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、ホウ酸、酢酸、安息香酸、ヒドロキシナフタレン酸、グリセロリン酸、ケトグルタル酸などを含む。薬学的に許容される無機または有機酸付加塩のさらなる例は、J. Pharm. Sci. 1977, 66, 2の一覧表に記載された薬学的に許容される塩を含み、これは、参照として本明細書に組み入れられる。金属塩の例は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カルシウム塩などを含む。アミンおよび有機アミンの例は、アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、テトラメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、エチレンジアミン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、N-ベンジルフェニルエチルアミン、N-メチル-D-グルタミン、グアニジンなどを含む。カチオン性アミノ酸の例は、リジン、アルギニン、ヒスチジンなどを含む。
【0128】
薬学的に許容される塩は、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムヒドリド、カリウム t-ブトキシド、カルシウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシドなどの、エーテル、THF、メタノール、t-ブタノール、ジオキサン、イソプロパノール、エタノールなどの溶媒溶液の塩基の1〜4当量と式Iの化合物を反応させることによって調製される。溶媒の混合物を使用してもよい。リジン、アルギニン、ジエタノールアミン、コリン、グアニジン(guandine)、およびこれらの誘導体その他のような有機塩基を使用してもよい。あるいは、酸付加塩は、適用可能であれば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、コハク酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸などの酸のエチルアセテート、エーテル、アルコール、アセトン、THF、ジオキサンなどの溶体溶液で処理することによって調製される。溶媒の混合物を使用してもよい。
【0129】
本発明の一部を構成する前記化合物の立体異性体は、可能な場合には、プロセス中で単一の鏡像異性体形態の反応試薬を使用することによって、または単一の鏡像異性体形態の試薬もしくは触媒の存在下で反応を実施することによって、または慣用的な方法によって立体異性体の混合物を分割することによって調製することができる。好ましい方法の中には、微生物による分割、酵素的な分割、適用可能な場合には、マンデル酸、カンファースルホン酸、酒石酸、乳酸などのキラル酸と形成されるジアステレオマー塩の分割、またはブルシン、(R)-または(S)-フェニルエチルアミン、キナアルカロイドおよびそれらの誘導体などのキラル塩基の使用が含まれる。一般的に使用される方法は、Jaquesらの「“Enantiomers, Racemates and Resolution”(Wiley Interscience, 1981)」にまとめられている。より具体的には、本発明の化合物は、キラルアミン、アミノ酸、アミノ酸由来のアミノアルコールでの処理によって、ジアステレオマーのアミドの1:1混合物に変換することができる。酸をアミドに変換するには、慣用の反応条件を使用することができ、ジアステレオマーは、分別結晶またはクロマトグラフィーの何れによっても分割することができ、式Iの化合物の立体異性体は、純粋なジアステレオマーのアミドを加水分解することによって調製することができる。
【0130】
本発明の一部を構成する前記化合物の様々な多形体は、様々な条件下での、前記化合物の結晶化によって調製することができ;例えば、再結晶のために一般的に使用される様々な溶媒またはそれらの混合物;異なる温度での結晶化;または結晶化の際の極めて速い冷却から極めて遅い冷却にわたる、様々な冷却の様式を使用する。多形体は前記化合物を加熱または融解した後、徐々にまたは急速に冷却することによっても取得することができる。多形体の存在は、固体プローブNMR分光法、IR分光法、示差走査熱量測定法、粉末X線回折法またはこれに類する他の技術によって決定することができる。
【0131】
本発明には、投与により、代謝的なプロセスによる化学的な変換を受けた後に活性な薬理学的物質になる、本発明の化合物のプロドラッグも包含される。一般に、このようなプロドラッグは、インビボで、本発明の必要とされる化合物に容易に変換され得る、本発明の化合物の機能的誘導体であろう。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための慣用的な手順は、例えば、「“Design of Prodrugs”, ed. H. Bundgaard, Elsevier, 1985」に記載されている。
【0132】
また、本発明は、本化合物の活性な代謝物を含む。
【0133】
本発明は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体または希釈液と共に、活性成分として式Iの少なくとも1つの化合物、またはこれらの任意の光学異性体もしくは幾何異性体、もしくは互変異性体(これらの混合物を含む)、またはこれらの薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物にも関する。
【0134】
さらに、本発明は、前述の症状などの血漿FFAのレベルの減少が望ましい障害の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、一般式Iの化合物、またはこれらの互変異性型、これらの立体異性体、これらの多形、これらの薬学的に許容される塩、またはこれらの薬学的に許容される溶媒和化合物の使用に関する。
【0135】
もう一つの局面において、本発明は、2型糖尿病、インスリン抵抗性、代謝性エックス症候群、グルコース寛容減損、異脂肪血症、およびリポタンパク質代謝の異常を治療および/または防止する方法に関する。
【0136】
なおさらなる局面において、本発明は、2型糖尿病、インスリン抵抗性、代謝性エックス症候群、グルコース寛容減損、異脂肪血症、およびリポタンパク質代謝の異常の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、1つまたは複数の一般式Iの化合物、またはこれらの薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0137】
なおさらなる局面において、本化合物は、グルコース寛容減損から2型糖尿病への進行を遅延または予防するために有用である。
【0138】
なおさらなる局面において、本化合物は、非インスリン要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行を遅延または予防するために有用である。
【0139】
もう一つの局面において、本化合物は、トリグリセリドレベルを減少させ、従って糖尿病および/または肥満などの病気および障害の治療および/または予防のために有用である。
【0140】
さらに別の局面において、一般式Iの化合物は、高血糖、高いHbA1cレベル、高インスリン血症、1.5型糖尿病、成人における潜在性自己免疫性糖尿病、成熟発生糖尿病、β細胞アポトーシス、血色素症誘導される糖尿病、グルコース寛容減損、空腹時グルコース障害、代謝エックス症候群、インスリン抵抗性、脂質耐性障害、嚢胞性線維症に関連した糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群、および妊娠糖尿病の治療のために有用である。
【0141】
さらに別の局面において、一般式Iの化合物は、肥満、異脂肪血症、糖尿病性異脂肪血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高リポ蛋白血症、高コレステロール血症、高血圧、本態性高血圧、急性高血圧発作、動脈硬化、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、間欠性跛行(アテローム性動脈硬化閉塞)、心臓血管疾患、心筋症、心肥大、左室肥大、冠状動脈疾患、初期の冠状動脈疾患、心機能不全、運動耐容性、慢性心不全、軽度の慢性心不全、不整脈、心臓リズム障害(dysrythmia)、失神(syncopy)、心臓発作、心筋梗塞、Q波心筋梗塞、脳卒中、急性冠動脈症候群、狭心症、不安定狭心症、心臓バイパス再閉塞、弛緩性機能障害、収縮期機能障害、非Q波心臓壊死、手術後の異化変化、急性膵炎、および過敏性大腸症候群の治療のために有用であろう。
【0142】
さらに別の局面において、一般式Iの化合物は、糖尿病性網膜症、背骨網膜症、プレ増殖性(preproliferative)網膜症、増殖性網膜症、黄斑性浮腫、白内障、腎症、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎障害、ミクロアルブミン尿症、大アルブミン尿、神経障害、糖尿病性ニューロパシ、遠位対称形感覚運動多発神経障害、および糖尿病性自律神経性神経障害の治療のために有用であろう。
【0143】
さらに別の局面において、一般式Iの化合物は、患者のβ細胞の数を増大すること、患者のβ細胞のサイズを増大すること、またはこれらの必要な患者において、β細胞増殖を刺激すること、β細胞機能およびインスリン分泌を調整することに有用であり、該方法は、これらのを必要とする患者に対して式Iの化合物の有効な量を投与することを含む。
【0144】
また、本発明の化合物は、これらの必要な患者において体重を減少させるために有用であると考えられる。
【0145】
また、本発明の化合物は、上述した疾患の重量中性治療(weight neutral treatment)のために有用であると考えられている。
【0146】
また、本発明の化合物は、これらの必要な患者における脂肪を再分布するために有用であると考えられる。
【0147】
また、本発明の化合物は、これらの必要な患者においてセントラル脂肪(central fat)を再分布するために有用であると考えられる。
【0148】
また、本発明の化合物は、中心性肥満(central obesity)を減少または防止するために有用であると考えられる。
【0149】
また、本発明の化合物は、食後の血清脂質可動域を減少させるために有用であると考えられる。
【0150】
また、本発明の化合物は、MCADなどの脂肪酸酸化障害の治療のために有用であると考えられる。
【0151】
さらに別の局面において、一般式Iの化合物は、コレステロールが前駆体である疾患、症状、または障害の治療のために有用であると考えられる。このような疾患、症状、または障害は、テストステロン、たとえば男性の避妊、過剰なテストステロンレベル、PCOS、および前立腺癌に関するであろう。また、これらは、コルチゾールまたはコルチコトロピン、たとえばクッシング症候群に関するであろう。
【0152】
また、本発明の化合物は、癌の治療のために有用であると考えられる。従って、一般式Iの化合物は、膵島細胞腺腫(膵臓島細胞腺腫)、たとえば悪性膵島細胞腺腫および多発性膵島細胞腺腫、脂肪細胞癌腫、たとえばリポカルシノーマ(lipocarconoma)の治療のために有用であろう。
【0153】
また、本発明の化合物は、クロム親和細胞腫およびカテコールアミン内分泌の増大を伴ったその他の疾患の治療のために有用であると考えられる。
【0154】
また、本発明の化合物は、前立腺癌、たとえば腺癌の治療のために有用であると考えられる。
【0155】
さらに別の局面において、一般式Iの化合物は、肝臓の脂肪変性の治療のために有用であろう。
【0156】
さらに別の局面において、一般式Iの化合物は、肝硬変の治療のために有用であろう。
【0157】
さらに別の局面において、一般式Iの化合物は、AIDSまたはAIDSに関連した疾患、症状、または障害の治療のために有用であろう。
【0158】
さらに別の局面において、一般式Iの化合物は、リポジストロフィーの治療のために有用であろう。
【0159】
さらに別の局面において、一般式Iの化合物は、乳酸アシドーシスの治療のために有用であろう。
【0160】
さらに他の態様では、本発明の化合物は、CNS疾患、症状、または障害の治療のために有用であると思われる。
【0161】
従って、本発明の化合物は、パーキンソン疾患、アルツハイマー疾患、ADHD(注意欠損機能亢進障害)、過食症および無食欲症などの摂食障害、うつ病、不安症、認識記憶障害、年齢に関した認識低下、軽度認知障害、並びに精神分裂症の治療のために使用してもよい。
【0162】
さらに他の局面では、本発明の化合物は、炎症性障害、たとえば慢性関節リウマチ、乾癬、全身性炎症反応症候群、敗血症などの治療のために有用であろう。
【0163】
また、本化合物は、たとえば生じることを抗肥満薬剤、抗糖尿病薬、降圧薬、糖尿病の結果生じるか、または関係した合併症の治療および/または予防のための薬剤、並びに肥満の結果生じるか、または関係した合併症および障害の治療および/または予防のための薬剤から選択される、、1つまたは複数のさらなる薬理学的に活性な物質と組み合わせて投与されてもよい。
【0164】
従って、本発明の更なる局面において、本化合物は、1つまたは複数の抗肥満薬または食欲調節薬と組み合わせて投与されてもよい。
【0165】
このような薬剤は、CART(コカインアンフェタミンで調節される転写物)アゴニスト、NPY(ニューロペプチドY)アンタゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(コルチコトロピン放出因子)アゴニスト、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、尿コルチンアゴニスト、β3アゴニスト、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、MCH(メラニン形成細胞を濃縮するホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤、混合したセロトニンおよびノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモンを放出する化合物、TRH(チレオトロピン(thyreotropin)放出ホルモン)アゴニスト、UCP 2または3(脱共役タンパク質2または3)モジュレーター、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、デプレキシン(deprexin))、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR(レチノイドX受容体)モジュレータ、またはTRアゴニストからなる群より選択されてもよい
本発明の1つの態様において、抗肥満薬剤は、レプチンである。
【0166】
もう一つの態様において、抗肥満薬剤は、デキストロアンフェタミンまたはアンフェタミンである。
【0167】
もう一つの態様において、抗肥満薬剤は、フェンフルラミンまたはデクスフェンフルラミン(dexfenfluramine)である。
【0168】
さらに別の態様において、抗肥満薬剤は、シブトラミンである。
【0169】
さらなる態様において、抗肥満薬剤は、オルリスタットである。
【0170】
もう一つの態様において、抗肥満薬剤は、マチンドールまたはフェンテルミンである。
【0171】
適切な抗糖尿病薬は、インスリン、エキセンジン(exendin)-4、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)、およびNovo Nordisk A/SにWO 98/08871(これは参照として本明細書に組み入れられる)において開示したものなどのこれらの誘導体、並びに経口的に活性な血糖低下剤を含む。
【0172】
経口的に活性な血糖低下剤は、好ましくは、スルホニルウレア、ビグアナイド、メグリチニド(meglitinide)、グルコシダーゼ阻害剤、Novo Nordisk A/SおよびAgouron Pharmaceuticals Inc.にWO 99/01423に開示されたものなどのグルカゴンアンタゴニスト、GLP-1アゴニスト、Novo Nordisk A/SにWO 97/26265およびWO 99/03861(これらは参照として本明細書に組み入れられる)に開示されたものなどのカリウムチャネル開口固定薬、DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)阻害剤、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝酵素阻害剤、グルコース取り込みモジュレーター、抗高脂血症薬およびHMG CoA阻害剤(スタチン(statin))としての抗脂血薬などの脂質代謝を修飾する化合物)を含む摂食を低下させている化合物、RXRアゴニスト、並びにβ細胞のATP感受性カリウムチャネルに作用する薬剤を含む。
【0173】
本発明の1つの態様において、本化合物は、インスリンと組み合わせて投与される。
【0174】
さらなる態様において、本化合物は、スルホニルウレア、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、またはグリカジド(glicazide)と組み合わせて投与される。
【0175】
もう一つの態様において、本化合物は、ビグアナイド、例えばメトホルミンと組み合わせて投与される。
【0176】
さらにもう一つの態様において、本化合物は、メグリチニド(meglitinide)例えばレパグリニドまたはセナグリニド(senaglinide)と組み合わせて投与され。
【0177】
さらなる態様において、本化合物は、グルコシダーゼ阻害剤、例えばミグリトール(miglitol)またはアカルボースと組み合わせて投与される。
【0178】
もう一つの態様において、本化合物は、β細胞のATP感受性のカリウムチャネルに作用する薬剤、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリカジド(glicazide)、またはレパグリニドと組み合わせて投与される。
【0179】
さらに、本化合物は、ナテグリニドと組み合わせて投与してもよい。
【0180】
さらに別の態様において、本化合物は、抗高脂血症薬または抗脂血薬、例えばコレスチラミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、またはデキストロチロキシンと組み合わせて投与される。
【0181】
さらなる態様において、本化合物は、上述の化合物のうちの1つ以上と組み合わせて、例えばスルホニルウレアとメトホルミン、スルホニルウレアとアカルボース、レパグリニドとメトホルミン、インスリンとスルホニルウレア、インスリンとメトホルミン、インスリン、インスリンおよびロバスタチン、その他と組み合わせて投与される。
【0182】
さらにまた、本化合物は、1つまたは複数の降圧薬と組み合わせて投与されてもよい。
【0183】
降圧薬の例は、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロールおよびメトプロロールなどのβ遮断薬、ベナゼプリル(benazepril)、カプトプリル、アラトリオプリル(alatriopril)、エナラプリル、フォシノプリル(fosinopril)、リシノプリル、キナプリル、およびラミプリル(ramipril)などのACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム、およびベラパミルなどのカルシウム拮抗薬、並びにドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン、およびテラゾシンなどのα遮断薬である。さらなる参照は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy,19th Edition, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 1995.で行うことができる。
【0184】
一つ以上の上述の化合物および選択的に1つまたは複数のさらなる薬理学的に活性な物質と本発明に従って化合物の任意の適切な組み合わせが本発明の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
【0185】
本発明は、上記の該新規の化合物、これらの誘導体、これらの類似体、これらの互変異性型、これらの立体異性体、これらの多形、これらの薬学的に許容される塩、または薬学的に許容される溶媒和化合物の調製のための、P1およびP2反応スキームに従ったプロセスにも関する。
【0186】
本発明の化合物は、単一または複数の用量のいずれかで、単独または薬学的に許容される担体もしくは賦形剤と組み合わせて投与してもよい。本発明に従った、薬学的組成物は、薬学的に許容される担体または希釈液、並びにRemington: The Science and Practice of Pharmacy,19th Edition, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 1995に記載されてものなどの従来技術に従ったその他の任意の公知のアジュバントもおよび賦形剤と共に処方してもよい。本組成物は、従来の形態では、たとえばカプセル、タブレット、エアロゾル、溶液、懸濁液、または局所適用であると思われる。
【0187】
前記薬学的組成物は、具体的には、経口、直腸、経鼻、肺、局所、口腔内、および舌下(経皮、大槽内、腹腔内、膣、および非経口(皮下、筋肉内、髄腔内、静脈内および皮内を含む)を含む経路など任意の適切な経路によって投与するために処方することができ、経口経路が好ましい。好ましい経路は、治療すべき患者の一般的な症状および年齢、治療すべき症状の性質、並びに選択される活性成分に依存し得ることが理解されるであろう。
【0188】
経口投与用の薬学的組成物には、カプセル、タブレット、ドラゼー、ピル、ロゼンジ、粉末、および顆粒などの固形剤形が含まれる。適切な場合には、経口投与用の薬学的組成物は、腸溶コーティングなどのコーティングで調製することが可能であり、または本分野において周知の方法に従った持続性または長期的な放出など、活性成分の徐放をもたらすように処方することができる。
【0189】
経口投与用の液体剤形には、溶液、エマルジョン、懸濁液、シロップおよびエリキシルが含まれる。
【0190】
非経口投与用の薬学的組成物には、無菌水性および非水性注射可能溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、並びに、使用前に、無菌注射可能溶液または分散液中に再構成すべき無菌粉末が含まれる。デポー注射用製剤も、本発明の範囲に属するものとして想定される。
【0191】
その他の適切な投与形態には、坐薬、スプレー、軟膏、クリーム、ゲル、吸入剤、皮膚パッチ、インプラントなどが含まれる。
【0192】
化合物の治療用量は、投与の頻度および様式、治療される患者の性別、年齢、体重および一般的な症状、治療される症状の性質および重症度、治療すべき付随する任意の疾病並びに当業者に自明の他の因子に依存するであろう。製剤は、当業者に公知の方法によって、単位投薬形態で都合よく与えることができる。一つの態様において、単位投薬形態の組成物は、約0.05〜約2000mg、好ましくは約0.1〜約500mgの式Iの化合物のこれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0193】
なおさらなる態様において、薬学的組成物は、経口、経鼻の、経皮、経肺、または非経口的投与のためのものである。
【0194】
静脈内、くも膜下腔内、筋肉内、および同様の投与などの、非経口的経路については、典型的には用量は、経口投与のために使用される約半分の用量である。
【0195】
本発明の化合物は、一般に遊離物質として、またはこれらの薬学的に許容される塩として利用される。1つの例は、遊離塩基の有用性を有する化合物の酸付加塩である。本発明の化合物が遊離塩基を含むときは、このような塩は、薬学的に許容される酸、例えば無機酸および有機酸の化学当量で、化合物の遊離塩基の溶液または懸濁液の状態を処理することによって慣用的方法で調製される。代表例は、前述してある。ヒドロキシ基を有する化合物の生理的に許容される塩は、ナトリウムまたはアンモニウムイオンなどの適切な陽イオンと組み合わせた該化合物の陰イオンを含む。
【0196】
非経口投与のためには、無菌水溶液、水性プロピレングリコールまたはゴマ油もしくはピーナッツ油中の本発明の化合物の溶液を使用することができる。このような水溶液は、必要であれば、適切に緩衝化されるべきであり、液体希釈剤は、まず、十分な生理食塩水またはグルコースで等張とされるべきである。水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、および腹腔内の投与に特に適している。使用される無菌水性溶媒は全て、当業者に公知の標準的な技術によって、容易に入手することができる。
【0197】
適切な薬学的担体は、不活性固体希釈剤または充填剤、無菌水溶液、および様々な有機溶媒を含む。適切な担体の例は、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエトキシル化されたヒマシ油、ピーナッツ油、オリーブ油、シロップ、リン脂質、ゼラチン、ラクトース、白土、スクロース、シクロデキストリン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸、セルロースの低級アルキルエーテル、シリル酸、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロース並びにポリビニルピロリドンである。同様に、前記担体または希釈剤は、単独で、または蝋と混合されたモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの、本分野で公知の任意の徐放性物質を含んでいてもよい。前記製剤は、湿潤剤、乳化剤、および懸濁剤、防腐剤、甘味剤または着香剤も含んでいてもよい。
【0198】
次いで、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを組み合わせることによって形成された前記薬学的組成物は、前記開示された投与経路に適した様々な投薬形態で、容易に投与される。製剤は、薬学の分野で公知の方法によって、単位投薬形態で都合よく与えることができる。
【0199】
経口投与に適した本発明の製剤は、各々が所定量の活性成分を含有するカプセルまたは錠剤などの分離された単位として投与することができ、適切な賦形剤を含むことができる。これらの製剤は、水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油もしくは油中水液体エマルジョンとして、粉末もしくは顆粒の形態とすることができる。
【0200】
経口投与のために、固体担体が使用される場合、調製物を錠剤とし、粉末もしくはペレット形態の硬ゼラチンカプセル中に配置するか、またはトローチもしくはロゼンジの形態とすることができる。固体担体の量は、幅広く変動することができるが、通常は、約25mg〜約1gであろう。液体担体が使用されるのであれば、前記調製物は、シロップ、エマルジョン、軟ゼラチンカプセルまたは水性もしくは非水性液状懸濁液または溶液などの無菌注射液の形態とすることができる。
【0201】
慣用の錠剤化技術によって調製し得る典型的な錠剤は、以下のものを含有することができる。
【0202】
コア:
活性化合物(遊離化合物またはその塩として) 5mg
コロイド性二酸化ケイ素(Aerosil) 70mg
セルロース、微結晶(Avicel) 7.5mg
Magnesii stearas q.s.
コーティング:
HPMC 約9mg
*Mywacett 9-40 T 約0.9mg
フィルムコーティング用の可塑化剤として使用される、アシル化されたモノグリセリド。
【0203】
本発明の化合物は、これを必要とする哺乳類患者、特にヒトに投与することができる。このような哺乳類には、家畜、例えば、家庭用ペットおよび野生動物などの非家畜動物の両方が含まれる。
【0204】
本発明の更なる態様において、本化合物は、さらなる薬理学的に活性な物質、例えば抗糖尿病薬またはインスリン抵抗性およびインスリン抵抗性が病態生理学的な機構である疾患の治療および/または予防のためのその他の化合物を含むその他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて投与されてもよい。
【0205】
さらにまた、本発明による化合物は、抗肥満薬剤または食欲調節薬と組み合わせて投与されてもよい。
【実施例】
【0206】
実施例1
[メチル-フェニル-カルバミン酸4-(4-ピペリジン-1-イルメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル]
工程A
塩化N-メチル-N-フェニルカルバモイル(4.24g、25.0mmol)を4-ニトロフェノール(3.48g、25.0mmol)と1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]ジメチルホルムアミド(25mL)のオクタン(2.80g、25.0mmol)の撹拌溶液に添加した。室温で3時間撹拌した後に、水を添加して、溶液をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムを通して乾燥させて、濾過し、真空中で蒸発させた。生成物を50℃にて真空オーブン中で乾燥し、メチル-フェニル-カルバミン酸4-ニトロフェニルエステル(6.87g、100%収率)を得た。
【0207】
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 3.42 (br.s, 3H), 7.20-7.38 (m, 5H), 7.43 (m, 2H), 8.22 (d, 2H); HPLC-MS (Method A): m/z = 273 (M+H); Rt = 3.95 min。
【0208】
工程B:メチル-フェニル-カルバミン酸4-ニトロ-フェニルエステル(6.80g、25.0mmol)の酢酸エチルの溶液を、10%のPd/C(50%の水)および40psiの水素の触媒量を使用してParr-apparatus中で水素付加した。2.5時間後に、触媒を濾過によって除去し、溶媒を真空中で蒸発させて、メチル-フェニル-カルバミン酸4アミノ-フェニルエステル(6.09g、100%収率)を得た。
【0209】
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 3.40 (s, 3H), 3.58 (br.s, 2H), 6.61 (d, 2H), 6.89 (d, 2H), 7.23 (m, 1H), 7.36 (m, 4H); HPLC-MS (Method A): m/z = 243 (M+H); Rt = 2.09 min。
【0210】
工程C:ジクロロメタン(50mL)に溶解した4-(クロロメチル)塩化ベンゾイル(4.73g、25.0mmol)をメチル-フェニル-カルバミン酸4-アミノ-フェニルエステル(6.06g、25.0mmol)とジクロロメタン(50mL)のトリエチルアミン(3.5mL、25.0mmol)と少量のジメチルホルムアミドとの混合物の撹拌溶液に滴下した。いくらか余分のジクロロメタン(100mL)を添加後、溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空中で蒸発し、残渣を水(2×100mL)で洗浄した。固体成分を濾過によって単離して50℃にて真空オーブン中で一晩乾燥し、メチル-フェニル-カルバミン酸4-(4-クロロメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル(9.28g、94%収率)を得た。
【0211】
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 3.42 (br.s, 3H), 4.61 (s, 2H), 7.05 (d, 2H), 7.25 (m, 1H), 7.30-7.50 (m, 6H), 7.57 (d, 2H), 7.84 (d, 2H), 8.10 (br.s, 1H); HPLC-MS (Method A): m/z = 395 (M+H); Rt = 4.21 min。
【0212】
工程D
ピペリジン(68μL、0.69mmol)をメチル-フェニル-カルバミン酸4(4-クロロメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル(136mg、0.344mmol)のジメチルホルムアミド(5mL)の撹拌溶液に添加した。室温で3時間撹拌した後に、反応混合物に水を添加して、吸入によって単離し、水で完全に洗浄して、40℃にて真空オーブン中で乾燥し、白色固体として標記化合物(124mg、81%収率)を得た。
【0213】
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.42 (m, 2H), 1.58 (m, 4H), 2.37 (m, 4H), 3.41 (s, 3H), 3.52 (s, 2H), 7.09 (d, 2H), 7.27 (m, 1H), 7.31-7.47 (m, 6H), 7.59 (d, 2H), 7.80 (d, 2H), 7.90 (br.s, 1H); HPLC-MS (Method A): m/z = 444 (M+H); Rt = 2.94 min。
【0214】
実施例2
[メチル-フェニル-カルバミン酸4(4-モルフォリン-4-イルメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル]
モルホリン(60μL、0.69mmol)をメチル-フェニル-カルバミン酸4-(4-クロロメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル(0.344mmol)のジメチルホルムアミド(5mL)の撹拌溶液に添加した。室温で3時間撹拌した後に、反応混合物に水を添加して、吸入によって単離し、水で完全に洗浄して、40℃にて真空オーブン中で乾燥し、白色固体として標記化合物(118mg、77%収率)を得た。
【0215】
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 2.46 (m, 4H), 3.42 (br.s, 3H), 3.56 (s, 2H), 3.71 (m, 4H), 7.10 (d, 2H), 7.28 (m, 1H), 7.32-7.48 (m, 6H), 7.60 (d, 2H), 7.82 (d, 2H), 7.90 (br.s, 1H); HPLC-MS (Method A): m/z = 446 (M+H)+; Rt = 2.80 min。
【0216】
実施例3
[メチル-フェニル-カルバミン酸4-[4(4-メチルピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル]
4-メチルピペリジン(82μL、0.69mmol)およびヨウ化ナトリウムの触媒量をメチル-フェニル-カルバミン酸4(4-クロロメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル(136mg、0.344mmol)のジメチルホルムアミド(5mL)の撹拌溶液に添加した。室温で3時間撹拌した後に、反応混合物に水を添加して、吸入によって単離し、水で完全に洗浄して、40℃にて真空オーブン中で乾燥し、白色固体として標記化合物(137mg、87%収率)を得た。
【0217】
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 0.92 (d, 3H), 1.17-1.45 (m, 3H), 1.60 (d, 2H), 1.96 (t, 2H), 2.82 (d, 2H), 3.42 (s, 3H), 3.52 (s, 2H), 7.07 (br.s, 2H), 7.27 (m, 1H), 7.30-7.47 (m, 6H), 7.57 (m, 2H), 7.80 (d, 2H), 7.91 + 8.01 (2 x br.s, 1H); HPLC-MS (Method A): m/z = 458 (M+H)+; Rt = 3.09 min。
【0218】
メチルフェニル-カルバミン酸5-(4-ピペリジン-1-イル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸5-[4-(2-メチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸5-[4-(3-メチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸5-[4-(4-メチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-[4-(2-エチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-[4-(4,4-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-[4-(2,6-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-[4-(2,4,6-トリメチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-(4-ピペリジン-1-イルメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-[4-(2-メチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-[4-(3-メチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-[4-(4-メチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-[4-(2-エチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-[4-(2,6-ジメチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-[4-(4,4-ジメチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸4-[4-(2,4,6-トリメチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸5-[4-(2-ピペリジン-1-イル-エチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2-メチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(3-メチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(4-メチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2-エチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(4,4-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2,6-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル
メチルフェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2,4,6-トリメチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル 薬理学的方法
式Iの化合物は、これらがHSLを阻害する効力および能力についてインビトロで評価してもよく、このような評価は、後述するように行われてもよい。
【0219】
アッセイ法
ホルモン感受性リパーゼ(HSL)
材料
ホルモン感受性リパーゼは、Lund University SwedenからDr. Cecilia Holmによって提供されたか、またはDr. Holmによって使用される試薬およびプロトコルを使用してNovo Nordisk(NN)によって産生され、および精製された。使用する基質は、以下の通りである:
Amersham、Buckinghamshire、U.K. cat No. TRA191からの3H標識トリオレイン(TO);5〜20Ci/mmolトリオレイン(Sigma, Cat. No. T-1740)はトルエンに溶解され、トリアシルグリセリド (cis-オクタデカ-9-エノール酸2-[12-(7-ニトロベンゾ[1,2,5]オキサジアゾール-4-イルアミノ)ドデカノイルオキシ]-1-cis-オクタデカ9-エノイルオキシメチル-エチル エステル)は、従来法によってNovo Nordisk(NN)によって調製されたフルオロクロムでラベルされ、および1,3-(ジ[3H]-ステアリン),2-(PEG-Biotin)グリセロールは、Amersham Pharmacia Biotech,UKと協力して調製し、WO 01/073442に記載されている。ホスファチジルコリン(PC)およびフォスファチジルイノシトール(PI)は、Sigm(それぞれ、St Luis MO cat. Nos. P-3556およびP-5954)でからある。他の全ての試薬は、商用銘柄であり、種々の商業的な供与源から得た。
【0220】
方法
3190.1:10μMの試料濃度での化合物によるホルモン感受性リパーゼのパーセント阻害の決定のためのアッセイ法。
【0221】
蛍光色素ラベルしたトリアシルグリセリドとリン脂質との脂質エマルジョンを、高度に精製されたHSL(600ng/mL終濃度に対応する12μg/mL初濃度)の標準的な濃度を有する基質として使用する。産物アクセプターとしてBSAを添加する。脂質相から水(BSA)相への蛍光色素の移転により、蛍光色素の蛍光の性質が変化する。変化は、450nmの励起波長および545nmの放出波長での蛍光計でモニターすることができる。
【0222】
化合物およびHSL(20μL化合物、10μL酵素、および70μL PED-BSA緩衝液)を25℃で30分間プレインキュベートした後、基質(100μL)を添加する。形成された生成物の量を37℃で120分インキュベーション後に測定する。
【0223】
結果は、阻害されていない試料(化合物がない)と比較してパーセント活性として与えてある。
【0224】
3190.2:化合物によるホルモン感受性リパーゼの阻害のためのIC50値の測定のためのアッセイ法。化合物の標準的な濃度は、100μMおよび5倍希釈(10μM終濃度および5倍に対応する初濃度)である。
【0225】
蛍光色素ラベルしたトリアシルグリセリドとリン脂質との脂質エマルジョンを、高度に精製されたHSL(600ng/mL終濃度に対応する12μg/mL初濃度)の標準的な濃度を有する基質として使用する。産物アクセプターとしてBSAを添加する。脂質相から水(BSA)相への蛍光色素の移転により、蛍光色素の蛍光の性質が変化する。変化は、450nmの励起波長および545nmの放出波長での蛍光計でモニターすることができる。
【0226】
化合物およびHSL(20μL化合物、10μL酵素、および70μL PED-BSA緩衝液)を25℃で30分間プレインキュベートした後、基質(100μL)を添加する。形成された生成物の量を37℃で120分インキュベーション後に測定する。
【0227】
結果は、得られた活性データの4PLフィット後のIC50値として与えてある。
【0228】
表1、上記のアッセイ法3190.1に従った実施例の化合物によるHSLの阻害(非阻害試料と比較した%活性)
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物、並びにこれらのジアステレオマー、鏡像異性体、もしくは互変異性型(これらの混合物を含む)、これらの薬学的に許容される塩、これらの薬学的に許容される溶媒和化合物、または多形:
【化1】

式中、
R1およびR2は、独立して、水素、ヒドロキシ、スルファニル、アミノ、ハロゲン、スルホ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリルおよび、C3-10-シクロアルキルから選択され、各々のヒドロキシ、スルファニル、スルホ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルファニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、スルホ、ペルハロメチル、ペルハロメトキシ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基で任意に置換されていてもよく;
R3、R4、およびR5は、独立して、水素、ヒドロキシ、スルフィニル、フルオロ(fluor)、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択され、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルファニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、C1-6-アルキル、ペルハロメチル、およびペルハロメトキシから選択される1つまたは複数の置換基で任意に置換されており;
前記化合物は、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[3-(4-クロロフェニル)-ウレイド]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-(シクロヘキサンカルボニル-アミノ)-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-(2-シクロヘキシル-アセチルアミノ)-フェニルエステル、
cis/trans-メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(4-tert-ブチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
cis-メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(4-tert-ブチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
trans-メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(4-tert-ブチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(6-クロロ-ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(6-クロロ-ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(ピリジン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-(2-フェノキシ-アセチルアミノ)-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(ピリジン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[メチル-(チオフェン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-ブチリルアミノ-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[2-(3-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノキサリン-2-イル)-アセチルアミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸4-{[4-(メチル-フェニル-カルバモイルオキシ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-カルボニル]-アミノ}-フェニルエステル、および
メチル-フェニル-カルバミン酸4-[(4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニルエステル、
ではないことを条件とする。
【請求項2】
R3が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R3が、ヒドロキシ、スルフィニル、アミノ、ハロゲン、スルホ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C2-6-アルケニル、アリール、置換されたC1-6-アルキル、または置換されたC1-6-アルコキシから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R2が水素である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
R1が以下の群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物:
【化2】

【請求項6】
R1が以下の群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物:
【化3】

【請求項7】
R1が以下の群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物:
【化4】

【請求項8】
R1が以下の群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物:
【化5】

【請求項9】
R1が以下の群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物:
【化6】

【請求項10】
R1が以下の群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物:
【化7】

【請求項11】
R1がアミノ基、置換されたアミノ基、または二置換されたアミノ基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
R4が、ドロキシ、スルフィニル、アミノ、ハロゲン、スルホ、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C2-6-アルケニル、アリール、置換されたC1-6-アルキル、または置換されたC1-6-アルコキシから選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物
【請求項13】
R4が、パラ位のフェニル部分に付着されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
R4が、メタ位のフェニル部分に付着されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
R4が水素である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
R5が水素である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
一般式(I)の化合物、並びにこれらのジアステレオマー、鏡像異性体、もしくは互変異性型(これらの混合物を含む)、これらの薬学的に許容される塩、これらの薬学的に許容される溶媒和化合物、または多形:
【化8】

式中、
R1は、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリルおよびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルファニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、C1-6-アルキル、ペルハロメチル、およびペルハロメトキシから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく;
R2、R3、R4、およびR5は、水素である。
【請求項18】
一般式(I)の化合物、並びにこれらのジアステレオマー、鏡像異性体、もしくは互変異性型(これらの混合物を含む)、これらの薬学的に許容される塩、これらの薬学的に許容される溶媒和化合物、または多形:
【化9】

式中、
R1は、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、各々のヒドロキシ、スルファニル、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルは、独立して、ヒドロキシ、スルフィニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、スルホ、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、アリール、ヘテロアリール、C3-8-ヘテロシクリル、およびC3-10-シクロアルキルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく;
R2、R3、R4、およびR5は、水素である。
【請求項19】
一般式(I)の化合物、並びにこれらのジアステレオマー、鏡像異性体、もしくは互変異性型(これらの混合物を含む)、これらの薬学的に許容される塩、これらの薬学的に許容される溶媒和化合物、または多形:
【化10】

式中
RXは、C3-8-ヘテロシクリルであり、C3-8-ヘテロシクリルは、独立して、ヒドロキシ、スルファニル、オキソ、ハロゲン、アミノ、C1-6-アルキル、ペルハロメチル、およびペルハロメトキシから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく;
R2、R3、R4、およびR5は、水素である。
【請求項20】
1つの遊離の-COOH基を有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
1つの遊離の-NH2基を有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
R1が、アミノ基、置換されたアミノ基、または二置換されたアミノ基である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
1つの遊離のアミノ基、置換されたアミノ基、または二置換されたアミノ基を有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
1つの置換されたか、または非置換のピリジン環を有する、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物であって、前記化合物のモル重量は、282Dから650Dの範囲内にある化合物。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物であって、前記化合物のモル重量は、650D未満である化合物。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物であって、ACD LogPは、1.0〜3.0の範囲内にあるかご物。
【請求項28】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物であって、ACD LogDは、0.8〜2.0の範囲内にある化合物。
【請求項29】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物であって、ACD LogPは、1.0〜4.0の範囲内にある化合物。
【請求項30】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物であって、ACD LogDは、0.8から3.0の範囲内にある化合物。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物であって、H結合ドナーの数は、1、2、または3である化合物。
【請求項32】
請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物であって、H結合アクセプターの数は、4、5、または6である化合物。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物であって、前記化合物の回転可能な結合の数は、4〜8の範囲内にある化合物。
【請求項34】
以下からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物:
メチル-フェニル-カルバミン酸5-(4-ピペリジン-1-イル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸5-[4-(2-メチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
メチル-フェニル-カルバミン酸5-[4-(3-メチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-[4-(4-メチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2-エチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(4,4-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2,6-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2,4,6-トリメチル-ピペリジン-1-イル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-(4-ピペリジン-1-イルメチル-ベンゾイルアミノ)-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2-メチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(3-メチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(4-メチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2-エチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2,6-ジメチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(4,4-ジメチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸4-[4-(2,4,6-トリメチル-ピペリジン-1-イルメチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-[4-(2-ピペリジン-1-イル-エチル)-ベンゾイルアミノ]-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2-メチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(3-メチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(4-メチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2-エチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(4,4-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2,6-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル、
チル-フェニル-カルバミン酸5-{4-[2-(2,4,6-トリメチル-ピペリジン-1-イル)-エチル]-ベンゾイルアミノ}-フェニルエステル。
【請求項35】
薬学的に許容される担体または希釈液と共に請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物。
【請求項36】
請求項35に記載の組成物であって、前記組成物は、単位用量形態であり、約0.05〜約2000mg、好ましくは約0.1〜約500mg、およびさらに好ましくは約1.0〜約100mgの前記請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を含む組成物。
【請求項37】
トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、コレステロールアシルエステル、またはステロイドアシルエステルに対するホルモン感受性リパーゼ脂肪分解活性を阻害するための医薬として使用するための薬学的組成物であって、薬学的に許容される担体または希釈液と共に、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を含む組成物。
【請求項38】
経口投与のための、請求項35〜37のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項39】
経鼻、経皮、経肺、または非経口的投与のため、請求項35〜37のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項40】
薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項41】
ホルモン感受性リパーゼの阻害のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項42】
トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、コレステロールアシルエステル、またはステロイドアシルエステルに対するホルモン感受性リパーゼの脂肪分解活性の阻害のための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項43】
遊離脂肪酸、グリセロール、LDL-コレステロール、HDLコレステロール、インスリン、および/またはグルコースの血漿レベルを調整すること;および/または、
細胞内トリアシルグリセロールおよびコレステロールエステル貯臓(脂肪酸、ジアシルグリセロールなどの脂肪酸エステル、ホスファチジン酸、長鎖アシルCoA、並びにクエン酸もしくはマロニルCoAの細胞内レベルを調整すること;および/または、
脂肪組織、骨格筋、肝臓、または膵臓β細胞中のインシュリン感応性を増大すること;および/または、
膵臓β細胞からのインスリン分泌を調整すること、
が望ましいいずれかの障害の治療または予防のための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項44】
前記障害が、インスリン抵抗性、1型糖尿病、2型糖尿病、代謝性エックス症候群、グルコース寛容減損、高血糖、異脂肪血症、肥満、アテローム性動脈硬化症(atheroschlerosis)、高血圧、リポタンパク質代謝の異常、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
異脂肪血症の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項46】
高脂血症の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項47】
高血糖の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項48】
HbA1cを低下させるための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項49】
2型糖尿病の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項50】
グルコース寛容減損の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項51】
代謝性エックス症候群の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項52】
アテローム性動脈硬化症(atheroschlerosis)の治療および/または予防のための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項53】
グルコース寛容減損から2型糖尿病への進行を遅延させるための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項54】
非インスリン要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行を遅延させるための薬学的組成物の調製のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項55】
さらなる抗糖尿病薬、抗肥満、降圧薬、または食欲調節薬が使用される、請求項40〜55のいずれか1項に記載の使用。
【請求項56】
メトホルミンも使用される、請求項40〜55のいずれか1項に記載の使用。
【請求項57】
ホルモン感受性リパーゼの活性を調整することが要求される患者の障害を治療する方法であって、これらの必要な被検者に対して、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩の治療上有効な量を投与することを含む方法。
【請求項58】
ホルモン感受性リパーゼの活性を低下させることが要求される患者の障害を治療する方法であって、これらの必要な被検者に対して、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩の治療上有効な量を投与することを含む方法。
【請求項59】
前記投与が、経口、経鼻、経皮、経肺、または非経口的経路よって行われる、請求項57〜58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記障害が、インスリン抵抗性、1型糖尿病、2型糖尿病、代謝性エックス症候群、グルコース寛容減損、高血糖、異脂肪血症、肥満、アテローム性動脈硬化症(atheroschlerosis)、高血圧、リポタンパク質代謝の異常、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項57〜58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記化合物の治療上有効な量は、1日につき約0.05〜約2000mg、好ましくは約0.1〜約500mg、およびさらに好ましくは約1.0〜約100mgの化合物である、請求項57〜60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
さらなる抗糖尿病薬、抗肥満、降圧薬、または食欲調節薬が患者に投与される、請求項57〜61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
メトホルミンも患者に投与される、請求項57〜62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の調製のための方法であって、以下のP1反応スキームに従って溶媒中の適切なカルバモイル化試薬と適切なアルコールの反応を起こさせることと;
【化11】

二置換されたカルバメート生成物を単離することとを含む方法。
【請求項65】
前記カルバモイル化試薬:
【化12】

が、
【化13】

からなる群より選択される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、およびN-メチルピロリドンからなる群より選択される、請求項64〜65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
該塩基が、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピル-N-エチルアミン、およびDABCOからなる群より選択される、請求項64〜66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の調製のための方法であって、以下のP2反応スキームに従って、溶媒中の適切なアシル化試薬と適切なアミンを塩基の存在下においての処理することと;
【化14】

二置換されたカルバメートを単離することとを含む方法。
【請求項69】
LvがClである、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記溶媒が、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、およびジクロロメタンからなる群より選択される、請求項の68〜69いずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記塩基が、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチル-ジイソプロピル-アミン、および1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群より選択される、請求項68〜70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記塩基が、置換基R3およびR4の一方または両方において官能基として存在し、したがって酸性H-Lvと塩を形成する、請求項68〜71のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2006−527215(P2006−527215A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515710(P2006−515710)
【出願日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000402
【国際公開番号】WO2004/111025
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(391032071)ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (148)
【氏名又は名称原語表記】NOVO NORDISK AKTIE SELSXAB
【Fターム(参考)】