説明

フラッシュメモリ素子の製造方法

【課題】四角形のドレインコンタクトホールを形成することにより、コンタクトとコンタクトとの間に発生するブリッジの発生を抑制できるフラッシュメモリ素子の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板にエッチング防止膜102、第1及び第2層間絶縁膜104,106、第1、第2及び第3ハードマスク膜108,110,112を順次形成する。第3ハードマスク膜をエッチングして第2ハードマスク膜の一部領域を露出し、この露出領域よりさらに狭く露出するフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして第2、第1ハードマスク膜をエッチングした後、残留する第3及び第2ハードマスク膜をマスクとして第2、第1層間絶縁膜をエッチングして四角形のホールを形成する。残留する第2及び第1ハードマスク膜をマスクとしてエッチング防止膜をエッチングし、基板を露出させてドレインコンタクトホールを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュメモリ素子の製造方法に係り、特に、ハードマスク膜を用いた線形のデュアルマスク工程によって四角タイプのコンタクトホールを形成することにより、コンタクトとコンタクトとの間に発生するブリッジを改善することが可能なフラッシュメモリ素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリ素子のドレインコンタクトホール形成方法において、70nm以下の微細パターンを形成するために波長の小さいArFを光源として用いるフォトレジスト(PR)を用いて露光工程を行うと、パターンのCER(Contact Edge Roughness)が悪くなるため、微細パターン形成工程の際にパターン間のスペーサマージンを減少させてパターン間のブリッジを誘発する。特に、レイアウト上、コンタクトホールとコンタクトホール間のスペース幅が小さいため、ドレインコンタクトホール形成工程の際に、エッチング選択比の低下によりコンタクトとコンタクトとの間がアタックを受けて崩壊してしまい、コンタクトとコンタクトとの間にブリッジを発生させる。
【0003】
楕円形のドレインコンタクトホール形成工程の際に、露光工程の特性によりコンタクトホール間のスペース幅を確保するためにコンタクトホールのサイズを小さくする場合、長軸方向へのコンタクトホールサイズが増加してドレイン選択線DSLとドレイン選択線DSL間のブリッジマージンを減少させる。これにより、コンタクトホールのサイズを減らしてコンタクトとコンタクト間のブリッジマージンを確保することは難しい。このようなドレインコンタクト間のブリッジ発生は、グローバルカラムフェール(Global Column Fail)を誘発することにより、一つのドレインコンタクトブリッジによって発生する収率の損失は非常に大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的とするところは、ハードマスク膜を用いた線形のデュアルマスク工程によって四角タイプのコンタクトホールを形成することにより、コンタクトとコンタクトとの間に発生するブリッジを改善することが可能なフラッシュメモリ素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の代表的なフラッシュメモリ素子の製造方法は、半導体基板の上部にエッチング防止膜、第1及び第2層間絶縁膜、第1、第2及び第3ハードマスク膜を順次形成する段階と、前記第3ハードマスク膜をエッチングして前記第2ハードマスク膜の上部の一部領域を露出させる段階と、前記第2ハードマスク膜が露出した領域よりさらに狭く露出するように全体構造の上部に線形のフォトレジストパターンを形成した後、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記第2ハードマスク膜をエッチングする段階と、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記第1ハードマスク膜をエッチングした後、残留する前記第3及び第2ハードマスク膜をマスクとして前記第2及び第1層間絶縁膜をエッチングして四角タイプのドレインコンタクトホールを形成する段階と、残留する前記第2及び第1ハードマスク膜をマスクとして前記エッチング防止膜をエッチングすることにより、前記半導体基板の所定の領域を露出させて前記ドレインコンタクトホールをオープンさせる段階とを含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上述した本発明の効果は、次の通りである。
1)四角タイプのドレインコンタクトホールを形成してコンタクトとコンタクト間の幅を広めることにより、コンタクトとコンタクトとの間に発生するブリッジを改善することができる。
【0007】
2)ブリッジによるグローバルカラムフェールを改善して収率を向上させることができる。
【0008】
3)コンタクトとコンタクト間の幅を確保するためにフォトレジストパターンの短軸方向のホールサイズを減少させる場合に発生する長軸方向のホールサイズ増加によるドレインコンタクトとドレイン選択線DSL間のブリッジを根本的に除去することができるため、グローバルカラムフェールよる収率損失を予め防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0010】
図1(a)及び図1(b)は、本発明の一実施例に係るフラッシュメモリ素子の製造方法を説明するために順次示したレイアウト図である。図2(a)〜図4(b)は本発明の一実施例に係るフラッシュメモリ素子の製造方法を説明するために順次示した断面図であって、図2(a)は図1(a)の線A−Aを切り取った状態の断面図、図2(b)は図1(b)の線B−Bを切り取った状態の断面図である。
【0011】
図1(a)及び図2(a)を参照すると、素子分離膜、ゲート、スペーサ、SAC窒化膜などの所定の構造が形成された半導体基板100の上部にエッチング防止膜102、第1層間絶縁膜104を形成した後、CMP工程を行って平坦化させる。この際、エッチング防止膜102は窒化膜で形成し、第1層間絶縁膜104はHDP酸化膜で形成する。フォトリソグラフィー工程で第1層間絶縁膜104及びエッチング防止膜102をエッチングしてソースコンタクトホール(図示せず)を形成する。
【0012】
ソースコンタクトホールが埋め込まれるように全体構造の上部に第1ポリシリコン膜を蒸着した後、第1層間絶縁膜104が露出するように研磨してソースコンタクトプラグを形成する。全体構造の上部に第2層間絶縁膜106を形成する。この際、第2層間絶縁膜106はHDP酸化膜またはPE−TEOSで形成する。第2層間絶縁膜106の上部に第1ハードマスク膜108、第2ハードマスク膜110及び第3ハードマスク膜112を順次形成する。この際、第2ハードマスク膜110は200Å〜800Åの厚さに形成し、第3ハードマスク膜112は300Å〜1000Åの厚さに形成する。ここで、第1ハードマスク膜108をシリコン窒化膜系列で形成する場合には、第2ハードマスク膜110はシリコン酸化膜系列で形成し、第3ハードマスク膜112はポリシリコン系列またはシリコン窒化膜系列で形成し、第1ハードマスク膜108をアッシング可能な(ash able)ハードマスク系列で形成する場合には、第2ハードマスク膜110はSiOxNy系列で形成し、第3ハードマスク膜112はポリシリコン系列で形成する。
【0013】
全体構造の上部にフォトレジスト膜を形成した後、露光及び現像工程を行い、第3ハードマスク膜112の上部の一部が露出するように第1フォトレジストパターン114を形成する。この際、第1フォトレジストパターン114形成工程の際に、第3ハードマスク膜112の上部の一部が露出する領域は、ドレイン選択線DSLとドレイン選択線DSL間のスペースと露光装備のオーバーレイマージンを考慮して決定する。第1フォトレジストパターン114をマスクとして第3ハードマスク膜112をエッチングする。第3ハードマスク膜112のエッチング工程の際に、第2ハードマスク膜110をエッチング防止膜として使用する。
【0014】
図1(b)及び図2(b)を参照すると、第1フォトレジストパターン114が形成された状態で全体構造の上部にフォトレジスト膜を形成した後、露光及び現像工程を行い、第2ハードマスク膜110の上部の一部が露出するように線形の第2フォトレジストパターン116を形成する。この際、第2フォトレジストパターン116は、ドレインコンタクトが形成されるアクティブ領域a上に線形に形成される。また、第2フォトレジストパターン116の長軸の長さをドレイン選択線DSLとドレイン選択線DSL間のスペース幅より長くしてドレインコンタクトホール形成部分を直線状bにすることにより、四角形cのドレインコンタクトホールを形成し得るようにする。第2フォトレジストパターン116をマスクとして第2ハードマスク膜110をエッチングする。
【0015】
図3(a)を参照すると、第2フォトレジストパターン116をマスクとして第1ハードマスク膜108をエッチングした後、第2フォトレジストパターン116を除去する。
【0016】
図3(b)を参照すると、第3及び第2ハードマスク膜112及び110をマスクとして第2及び第1層間絶縁膜106及び104をエッチングしてドレインコンタクトホール118を形成する。この際、第2及び第1層間絶縁膜106及び104のエッチング工程の際にエッチング防止膜102の上部でエッチングが止まるようにし、第3ハードマスク膜112と、第3ハードマスク膜112によって露出した第2ハードマスク膜110との領域を除去する。
【0017】
図4(a)を参照すると、残留する第2ハードマスク膜110と第1ハードマスク膜108をマスクとしてエッチング防止膜102をエッチングし、半導体基板100の所定の領域を露出させてドレインコンタクトホール118をオープンさせる。エッチング防止膜102の除去工程の際に、残留する第2ハードマスク膜110が除去される。
【0018】
図4(b)を参照すると、第1ハードマスク膜108を除去する。
【0019】
図示してはいないが、ドレインコンタクトホール118が埋め込まれるように全体構造の上部にポリシリコン膜を蒸着した後、ポリシリコン膜を研磨してドレインコンタクトプラグを形成する。
【0020】
図5は本発明に係る四角タイプのドレインコンタクトと既存の円形タイプのドレインコンタクトとを比較して説明するために示したレイアウト図であって、それぞれのコンタクトとコンタクト間の幅の差を示す。
【0021】
図5を参照すると、メモリセルトランジスタのチャネル、ソース及びドレインが形成されるアクティブ領域aがそれぞれフィールド領域dと平行に反復される。アクティブ領域aの上部に、アクティブ領域a及びフィールド領域dと直交して一定の距離で離隔するように形成された複数のワード線WL1、WL2、・・・、WLnを配置する。一本目のワード線WL1の外側にドレイン選択線DSLを配置し、n本目のワード線WLnの外側にソース選択線SSLを配置する。ドレイン選択線DSLとドレイン選択線DSL間のアクティブ領域aの上部にそれぞれ四角タイプのドレインコンタクトDCTを配置する。
【0022】
既存のドレインコンタクトeは円形タイプであって、コンタクトとコンタクト間の幅gが狭いが、これに対し、本発明のドレインコンタクトfは四角タイプであって、コンタクトとコンタクト間の幅hが既存のドレインコンタクトeの幅gに比べて広い。これにより、コンタクトホールを埋め込むことにより、コンタクト形成の際にコンタクトとコンタクトとの間に発生するブリッジを改善することができる。
【0023】
以上、本発明の技術思想が好適な実施例によって具体的に述べられたが、これら実施例は本発明を説明するためのもので、制限するためのものではないことに留意すべきである。また、本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術思想の範囲内において、様々な実施例が可能であることを理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例に係るフラッシュメモリ素子の製造方法を説明するために順次示したレイアウト図である。
【図2】本発明の一実施例に係るフラッシュメモリ素子の製造方法を説明するために順次示した断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係るフラッシュメモリ素子の製造方法を説明するために順次示した断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係るフラッシュメモリ素子の製造方法を説明するために順次示した断面図である。
【図5】本発明に係る四角タイプのドレインコンタクトと既存の円形タイプのドレインコンタクトとを比較して説明するために示したレイアウト図である。
【符号の説明】
【0025】
100 半導体基板
102 エッチング防止膜
104 第1層間絶縁膜
106 第2層間絶縁膜
108 第1ハードマスク膜
110 第2ハードマスク膜
112 第3ハードマスク膜
114 第1フォトレジストパターン
116 第2フォトレジストパターン
118 ドレインコンタクトホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上部にエッチング防止膜、第1及び第2層間絶縁膜、第1、第2及び第3ハードマスク膜を順次形成する段階と、
前記第3ハードマスク膜をエッチングして前記第2ハードマスク膜の上部の一部領域を露出させる段階と、
前記第2ハードマスク膜が露出した領域よりさらに狭く露出するように全体構造の上部に線形のフォトレジストパターンを形成した後、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記第2ハードマスク膜をエッチングする段階と、
前記フォトレジストパターンをマスクとして前記第1ハードマスク膜をエッチングした後、残留する前記第3及び第2ハードマスク膜をマスクとして前記第2及び第1層間絶縁膜をエッチングして四角タイプのドレインコンタクトホールを形成する段階と、
残留する前記第2及び第1ハードマスク膜をマスクとして前記エッチング防止膜をエッチングすることにより、前記半導体基板の所定の領域を露出させて前記ドレインコンタクトホールをオープンさせる段階とを含むことを特徴とする、フラッシュメモリ素子の製造方法。
【請求項2】
前記第2ハードマスク膜は200Å〜800Åの厚さに形成し、前記第3ハードマスク膜は300Å〜1000Åの厚さに形成することを特徴とする、請求項1に記載のフラッシュメモリ素子の製造方法。
【請求項3】
前記第1ハードマスク膜をシリコン窒化膜系列で形成する場合、前記第2ハードマスク膜はシリコン酸化膜系列で形成し、前記第3ハードマスク膜はポリシリコン系列またはシリコン窒化膜系列で形成することを特徴とする、請求項1に記載のフラッシュメモリ素子の製造方法。
【請求項4】
前記第1ハードマスク膜をアッシング可能なハードマスク系列で形成する場合、前記第2ハードマスク膜はSiOxNy系列で形成し、前記第3ハードマスク膜はポリシリコン系列で形成することを特徴とする、請求項1に記載のフラッシュメモリ素子の製造方法。
【請求項5】
前記第2ハードマスク膜の上部の一部が露出する領域は、ドレイン選択線(DSL)とドレイン選択線(DSL)間のスペースと露光装備のオーバーレイマージンを考慮して決定することを特徴とする、請求項1に記載のフラッシュメモリ素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−318065(P2007−318065A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311116(P2006−311116)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】