説明

ブラジキニンアンタゴニストとしてのアミノシクロプロパンカルボキサミド誘導体

本明細書中で開示される化合物は、ブラジキニンB1経路と関連する、疼痛及び炎症の症候の治療又は予防において有用な、ブラジキニンB1アンタゴニスト又は逆アゴニストである。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ブラジキニン(BK)は、急性及び慢性の疼痛及び炎症を伴う病態生理学的プロセスにおいて重要な役割を果たすキニンである。他のキニンと同様、ブラジキニン(BK)は、キニノーゲンと呼ばれる血漿及び組織前駆体でのカリクレイン酵素の触媒作用により産生されるオータコイドペプチドである。BKの生物学的作用は、B1及びB2と呼ばれる少なくとも2種類の主要なGタンパク質共役型BK受容体により媒介される。B1受容体ではなくB2受容体が正常組織において発現され、炎症、組織損傷又は細菌感染により、B1受容体発現が迅速に誘導され得ると一般に考えられている。これにより、B1受容体が特に魅力的な薬物標的となる。疼痛及び炎症の管理におけるキニン、特にBKの推定される役割により、強力で選択的なBKアンタゴニストの開発に弾みがついた。最近、鎮痛消炎作用を有する有用な治療薬がBK受容体経路を介して媒介される疾患を緩和するであろうという予想から、この取り組みが強化された(例えば、M.G.Bock及びJ.Longmore,Current Opinion in Chem.Biol.,4:401−406(2000)を参照のこと。)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従って、ブラジキニン受容体の活性化をブロック又は逆転させるのに有効である新規化合物が望まれている。そのような化合物は疼痛及び炎症の管理ならびにブラジキニンにより媒介される疾病及び疾患の治療又は予防において有用であろう。また、このような化合物は研究ツールとしても有用である(インビボ及びインビトロ)。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、ブラジキニンアンタゴニスト又は逆アゴニストである、アミノシクロプロパンカルボキサミド誘導体、そのような化合物を含有する医薬組成物及び治療薬としてそれらを使用する方法を提供する。
【0004】
本発明の詳細な説明
本発明は、式Iの化合物及び医薬として許容されるその塩を提供する:
【0005】
【化3】

(式中、
1a、R1b及びR1cは、それぞれ独立に、水素及びフッ素から選択され;
は、水素又は塩素であり;
は、塩素又はフッ素であり;
は、(1)ハロゲン、ニトロ、シアノ、OR、SR、COR、SO、CO、OC(O)R、NR、NRC(O)R、NRC(O)、C(O)NR及びC3−8シクロアルキルから独立に選択される1から3個の基で場合によっては置換されるC1−6アルキル、(2)ハロゲン、ニトロ、シアノ及びフェニルから独立に選択される1から3個の基で場合によっては置換されるC3−8シクロアルキル、(3)ハロゲン、ニトロ、シアノ、OR、SR、C(O)、C1−4アルキル及びC1−3ハロアルキルから独立に選択される1から3個の基で場合によっては置換されるアリール(ここで、アリールは、フェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル及びナフチルから選択される。)及び(5)ハロゲン、ニトロ、シアノ、OR、SR、ORで場合によっては置換されるC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニル及びC1−3ハロアルキルから独立に選択される1から3個の基で場合によっては置換される複素環(該複素環は、(a)N、O及びSから選択される環へテロ原子を有しており、3個以下のさらなる環窒素原子を場合によっては有する、5員のヘテロ芳香環;(b)1個から3個の環窒素原子を含有する6員のヘテロ芳香環及びそのN−オキシド;及び(c)テトラヒドロフラニル、5−オキソテトラヒドロフラニル、2−オキソ−2H−ピラニル、2−ピロリジノン及び6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジニルから選択される、5又は6員の非芳香族複素環から選択される。)から選択され;
は、(1)水素、(2)1から5個のハロゲン原子で場合によっては置換されるC1−4アルキル、(3)ハロゲン、シアノ、ニトロ、OH、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル及びC1−4アルキル(1から5個のハロゲン原子で場合によっては置換される。)から独立に選択される1から3個の基で場合によっては置換されるフェニル、(4)C3−6シクロアルキル及び(5)ピリジルから選択され;
及びRは、(1)水素、(2)ハロゲン、アミノ、モノ−C1−4アルキルアミノ、ジC1−4アルキルアミノ及びSOから独立に選択される1から5個の基で場合によっては置換される、C1−4アルキル、(3)ハロゲン、シアノ、ニトロ、OH、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル及びC1−4アルキル(1から5個のハロゲン原子で場合によっては置換される。)から選択される、1から3個の基で場合によっては置換される(CH−フェニル及び(4)C3−6シクロアルキル、から独立に選択されるか、又は、
及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒に、N、O及びSから選択されるさらなるヘテロ原子を場合によっては含有する、4、5又は6員環を形成するか;又は、
及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒に、環状イミドを形成し;
は、(1)1から3個のハロゲン原子で場合によっては置換されるC1−4アルキル、(2)C1−4アルキルオキシ及び(3)ハロゲン、シアノ、ニトロ、OH、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル及びC1−4アルキル(1個から5個のハロゲン原子で場合によっては置換される。)から選択される1から3個の基で場合によっては置換されるフェニル、から選択され;
kは、0、1又は2であり;ただし、
がトリフルオロメチル又は非置換イソオキサゾリルである場合、Rは、フッ素である。)。
【0006】
式Iの化合物に対して、Rの例には、これらに限定されないが、3−クロロ−5−イソオキサゾリル、3−メトキシ−5−イソオキサゾリル、3−エトキシ−5−イソオキサゾリル、3−メチル−5−イソオキサゾリル、3−フェニル−5−イソオキサゾリル、3−ヒドロキシ−5−イソオキサゾリル、3−イソオキサゾリル、5−メチル−3−イソオキサゾリル、5−エチル−3−イソオキサゾリル、5−イソプロピル−3−イソオキサゾリル、5−シクロプロピル−3−イソオキサゾリル、5−メチル−4−イソオキサゾリル、3−メチル−5−トリフルオロメチル−4−イソオキサゾリル、3−メチル−5−イソチアゾリル、3,4−ジクロロ−5−イソチアゾリル、3,5−ジクロロ−4−イソチアゾリル、5−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−メトキシ−5−オキサゾリル、2−ヒドロキシ−5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−ブロモ−5−チアゾリル、2−クロロ−5−チアゾリル、2−エチル−5−チアゾリル、4−メチル−5−チアゾリル、2−メトキシメチル−5−チアゾリル、2−フラニル、5−ブロモ−2−フラニル、5−トリフルオロメチル−2−フラニル、5−メチル−2−フラニル、3−チエニル、3−ピラゾリル、1−メチル−4−ピラゾリル、4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−イル、5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル、1−メチル−1,2,3−トリアゾール−4−イル、2−メチル−1,2,3−トリアゾール−4−イル、1−メチルテトラゾリル、2−メチルテトラゾリル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、3−メチル−4−イミダゾリル、1−メチル−3−ピラゾリル、2−メチル−3−ピラゾリル、4−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−イル、4−ピリダジニル、ピラジニル、6−クロロピラジニル、3−メチルピラジニル、3−ピリダジニル、2,2−フルオロシクロプロピル、メチル、シアノメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル、メトキシスルホニルメチル、2−オキソ−5−ピロリジニル、3−クロロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、クロロジフルオロメチル、n−プロピル及びイソプロピルが含まれる。
【0007】
式Iのあるサブセットは、Rが、塩素である化合物である。
【0008】
式Iの第二のサブセットは、Rが、フッ素である化合物である。
【0009】
式Iの第三のサブセットは、C(R1a)(R1b)(R1c)が、CH、CFH及びCFから選択される化合物である。
【0010】
式Iの第四のサブセットは、Rが、N、O及びSから選択される環へテロ原子を有しており、3個以下のさらなる環窒素原子を場合によっては有する、場合によっては置換される5員のヘテロ芳香環であり、ここで、該置換基が、ハロゲン、OR、ORで場合によっては置換されるC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニル及びC1−3ハロアルキルから独立に選択される1から2個の基である、化合物である。ある実施形態において、Rは、5−イソオキサゾリル、3−イソオキサゾリル、5−チアゾリル、5−オキサゾリル、3−置換−5−イソオキサゾリル、3−置換−5−イソチアゾリル、2−置換−5−オキサゾリル、2−置換−5−チアゾリル、5−置換−3−イソオキサゾリル、2−置換−5−フラニル、5−置換−4−イソオキサゾリル、4−置換−1,2,3−チアジアゾール−5−イル、5−置換−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、4−置換−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル、1−置換−4−ピラゾリル、3,4−二置換−イソチアゾール−5−イル、1−置換−1,2,3−トリアゾール−4−イル、1−置換−テトラゾリル、2−置換−テトラゾリル、1−置換−イミダゾール−5−イル、1−置換−5−ピラゾリル、4−置換−5−チアゾリル、2−置換−1,2,3−トリアゾール−4−イル、3,5−二置換−4−イソチアゾリル、3,5−二置換−4−イソオキサゾリル及び4−置換−1,2,4−トリアゾール−3−イルから選択される。別の実施形態において、Rは、3−置換−5−イソオキサゾリル、3−置換−5−イソチアゾリル、2−置換−5−チアゾリル又は2−置換−5−オキサゾリルであり、該置換基は、ハロゲン、C1−4アルコキシで場合によっては置換されるC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びCFから選択される。別の実施形態において、Rは、3−(C1−3アルコキシ)−5−イソオキサゾリルである。
【0011】
式Iの第五のサブセットは、Rが、1個から3個の環窒素原子を含有する、場合によっては置換される6員のヘテロ芳香環及びそのN−オキシドであり、該置換基が、ハロゲン及びC1−4アルキルから独立に選択される1から2個の基である、化合物である。ある実施形態において、前記ヘテロ芳香環は、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピラジニル、3−置換−2−ピラジニル及び6−置換−2−ピラジニルから選択される。
【0012】
式Iの第六のサブセットは、Rが、(1)ハロゲン、ニトロ、シアノ、OR、SR、COR、SO、CO、OC(O)R、NR、NRC(O)R、NRC(O)、C(O)NR及びC3−8シクロアルキルから独立に選択される、1から3個の基で場合によっては置換されるC1−6アルキル、(2)ハロゲン、ニトロ、シアノ及びフェニルから独立に選択される1から3個の基で場合によっては置換されるC3−8シクロアルキル及び(3)ハロゲン、ニトロ、シアノ、OR、SR、C(O)、C1−4アルキル及びC1−3ハロアルキルから独立に選択される1から3個の基で場合によっては置換されるアリール(該アリールは、フェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル及びナフチルから選択される。)から選択される、化合物である。
【0013】
式Iの第七のサブセットは、式Iaの化合物及び医薬として許容されるその塩である:
【0014】
【化4】

(式中、
1a、R1b及びR1cは、それぞれ独立に、水素及びフッ素から選択され;
は、(a)N、O及びSから選択される環へテロ原子を有しており、3個以下のさらなる環窒素原子を場合によっては有する、場合によっては置換される5員のヘテロ芳香環;又は(b)1個から3個の環窒素原子を含有する、場合によっては置換される6員のヘテロ芳香環及びそのN−オキシドであり;ここで、該置換基は、ハロゲン、C1−4アルコキシで場合によっては置換されるC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、C3−6シクロアルキル及びCFから独立に選択される1から2個の基である。)。
【0015】
前記第七のサブセットのある実施形態は、Rが、場合によっては置換されるイソオキサゾリル、場合によっては置換されるオキサゾリル、場合によっては置換されるイソチアゾリル、場合によっては置換されるチアゾリル、場合によっては置換されるピリダジニル及び場合によっては置換されるピラジニルから選択され、該置換基が、ハロゲン、C1−4アルコキシで場合によっては置換されるC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びCFから選択される、1から2個の基である、化合物である。
【0016】
前記第七のサブセットの第二の実施形態は、Rが、3−クロロ−5−イソオキサゾリル、3−メトキシ−5−イソオキサゾリル、3−エトキシ−5−イソオキサゾリル及び3−メチル−5−イソオキサゾリルから選択される、化合物である。
【0017】
前記第七のサブセットの第三の実施形態は、Rが、塩素、臭素又はメトキシメチルにより2−位置で場合によっては置換される5−チアゾリルから選択される、化合物である。
【0018】
本発明の第二の態様は、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩の治療的有効量と、医薬として許容される担体と、を含有する、医薬組成物を提供する。
【0019】
本発明の第三の態様は、ブラジキニンB1受容体により媒介される状態の治療に対する医薬品の製造のための、式(I)化合物又は医薬として許容されるその塩の使用を提供する。あるサブセットにおいて、前記状態は、炎症性及び神経性疼痛を含む疼痛である。
【0020】
本発明の第四の態様は、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩の治療的有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における、ブラジキニンB1受容体により媒介される状態の治療のための方法を提供する。あるサブセットにおいて、前記状態は、炎症性及び神経性疼痛を含む疼痛である。
【0021】
特記しない限り、以下の用語は指定する意味を有する:
「アルキル」、ならびに、例えばアルコキシ、アルカノイルなどの、接頭語「アルク(alk)」を有するその他の基は、直鎖もしくは分枝鎖又はそれらの組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが含まれる。
【0022】
「シクロアルキル」はヘテロ原子を含まない炭素環を意味し、単環式、二環式及び三環式飽和炭素環ならびに縮合環系を含む。このような縮合環系は、ベンゾ縮合炭素環のような縮合環系を形成するように、ベンゼン環などの、部分的又は完全に不飽和の1個の環を含み得る。シクロアルキルは、スピロ縮合環系などの縮合環系を含む。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカヒドロナフタレン、アダマンタン、インダニル、インデニル、フルオレニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンなどが含まれる。
【0023】
「ハロアルキル」とは、水素原子の少なくとも1個から全部がハロゲンで置換されている、上記で定義されるようなアルキル基を意味する。このようなハロアルキル基の例には、クロロメチル、1−ブロモメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどが含まれる。
【0024】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
【0025】
「5員ヘテロ芳香族環」には、これらに限定されないが、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、イソチアゾール、イソオキサゾル、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール及び1,2,5−チアジアゾールが含まれる。
【0026】
「6員ヘテロ芳香族環」には、これらに限定されないが、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン及びトリアジンが含まれる。
【0027】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
本明細書に記載されている化合物は不斉中心を含み得、よって鏡像異性体として存在し得る。本発明による化合物が2個以上の不斉中心を有する場合、さらに、ジアステレオマーとしても存在し得る。本発明は、実質的に純粋な分割鏡像異性体、そのラセミ混合物ならびにジアステレオマーの混合物のような全ての考え得る立体異性体を含む。上記式Iは、特定位置での明確な立体化学を伴わずに示される。本発明は、式Iの全ての立体異性体及びその医薬として許容される塩を含む。鏡像異性体のジアステレオマー対は、例えば適当な溶媒からの分別結晶により分離され得、このようにして得られた鏡像異性体対は、従来の手段により、例えば分割剤として光学活性な酸又は塩基を用いるか又はキラルHPLCカラムを用いることにより、個々の立体異性体に分離され得る。さらに、一般式Iの化合物のいかなる鏡像異性体又はジアステレオマーも、光学的に純粋な出発物質又は公知の立体配置を有する試薬を用いて立体特異的合成により得ることができる。
【0028】
本明細書に記載の化合物の中には、オレフィン二重結合を含むものがあり、特記しない限りE及びZ幾何異性体の両方を含むことを意味する。
【0029】
本明細書に記載の化合物の中には、互変異性体と呼ばれ、水素の様々な結合点を有して存在し得るものがある。その例は、ケト−エノール互変異性体として知られる、ケトン及びそのエノール形態であり得る。各互変異性体ならびにその混合物も式Iを有する化合物に包含される。
【0030】

「医薬として許容される塩」という用語は、医薬として許容される非毒性塩基又は酸から調製される塩を指す。本発明化合物が酸性である場合、その対応する塩は、無機塩基及び有機塩基を含む、医薬として許容される非毒性塩基から都合よく調製され得る。無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、第一銅及び第二銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、第一マンガン及び第二マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩が含まれる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が好ましい。医薬として許容される非毒性有機塩基から調製される塩には、天然及び合成ソース由来の、第1級、第2級及び第3級アミンの塩が含まれる。塩が形成され得る医薬として許容される非毒性有機塩基の例には、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが含まれる。
【0031】
本発明化合物が塩基性である場合、その対応する塩は、医薬として許容される非毒性の無機酸及び有機酸から都合よく調製され得る。このような酸には、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが含まれる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が好ましい。
【0032】
プロドラッグ
本発明はその範囲内に本発明化合物のプロドラッグを包含する。一般に、このようなプロドラッグは、所望する化合物にインビボで容易に変換され得る本発明化合物の官能誘導体である。よって、本発明の治療方法において、「投与する」という用語は、本明細書中に具体的に記載される化合物又は本明細書中に具体的に記載されていないが、患者への投与後インビボで特定化合物に変換される化合物による、記載される各種状態の治療を包含する。適切なプロドラッグ誘導体の選択及び調製のための一般的手順は、例えば「Design of Prodrugs」,H.Bundgaard編,Elsevier(1985)に記載されている。これらの化合物の代謝物には、本発明化合物を生物学的環境に導入した際に生成される活性種が含まれる。
【0033】
医薬組成物
本発明の別の態様は、式Iを有する化合物又は医薬として許容されるその塩及び医薬として許容される担体を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物中の、「組成物」という用語は、活性成分及び担体を構成する不活性成分(医薬として許容される賦形剤)を含む生成物、ならびに何らかの2つ以上の成分の組合せ、錯体形成又は集合によるか、又は、1もしくは複数の成分の解離により、又は1もしくは複数の成分の他のタイプの反応又は相互作用により、直接又は間接的に生ずる生成物を包含するものとする。従って、本発明の医薬組成物には、式Iの化合物、さらなる活性成分及び医薬として許容される賦形剤を混合することにより調製されるあらゆる組成物が包含される。
【0034】
本発明の医薬組成物は、活性成分として式Iで表される化合物(又はその医薬として許容される塩)、医薬として許容される担体及び、場合によっては、他の治療成分又は佐剤を含む。この組成物は経口、直腸、局所及び非経口投与(皮下、筋肉内及び静脈内を含む。)に適した組成物を含むが、いかなる場合も、最も適切なルートは、特定の宿主、活性成分を投与する状態の性質及び重症度に依存する。医薬組成物は、好都合に、単位用量形態で提供され、製薬の技術分野で周知のいずれかの方法により調製され得る。
【0035】
実際、本発明の式Iで表される化合物又はその医薬として許容される塩は、活性成分として、従来の医薬調合技術に従い、医薬担体との均密混合物において、組み合わされ得る。担体は例えば、経口又は非経口(静脈内を含む。)などの投与に対して所望される製剤の形態に応じて様々な形態をとり得る。よって、本発明の医薬組成物は、経口投与に適した個別の単位、例えば、活性成分の所定量をそれぞれ含有する、カプセル剤、カシェ剤又は錠剤として提供され得る。さらに、本組成物は、粉末、顆粒剤、溶液、水性液体中の懸濁液、非水性液体、水中油型エマルジョン又は油中水型エマルジョンとして提供され得る。上記の一般的な剤形に加えて、式Iで表される化合物又はその医薬として許容される塩は、制御放出手段及び/又は送達装置を用いても投与され得る。本組成物は、何らかの製薬方法により調製され得る。通常、このような方法は、1又は複数の必要な成分を構成する担体と活性成分を接触させる段階を含む。通常、本組成物は、活性成分を、液体担体及び/又は微細な固体担体又はその両方と均一かつ均密に混合することにより調製される。次いで、生成物は、好都合に、所望の形態に成形され得る。
【0036】
従って、本発明の医薬組成物は、医薬として許容される担体及び式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を含み得る。式Iの化合物又はその医薬として許容される塩はまた、1又は複数の他の治療上活性である化合物と組合せて医薬組成物中に配合され得る。
【0037】
使用される医薬担体は、例えば固体、液体又は気体であり得る。固体担体の例には、ラクトース、石膏、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸が含まれる。液体担体の例は、シュガーシロップ、ピーナツ油、オリーブ油及び水である。気体担体の例には二酸化炭素及び窒素が含まれる。
【0038】
経口投与用組成物を調製する場合、いずれかの従来の医薬媒体が使用され得る。例えば、懸濁液、エリキシル及び溶液などの経口液体製剤を形成するために、水、グリコール、油、アルコール、香味料、保存剤、着色剤などが使用され得;一方、散剤、カプセル剤及び錠剤などの経口固体製剤を形成するために、デンプン、糖、微晶質セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などの担体が使用され得る。投与が容易であるので、固体医薬担体が使用される、錠剤及びカプセル剤が好ましい経口投与単位である。場合によっては、錠剤を標準的な水性又は非水性技術により被覆し得る。
【0039】
本発明の組成物を含む錠剤は、場合によっては1又は複数の、補助成分又は佐剤と一緒に圧縮又は成形することにより調製され得る。圧縮錠は、適切な機械において、粉末又は顆粒のような自由流動形態の活性成分を、場合によっては、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤又は分散剤と混合して圧縮することにより調製され得る。成形錠は、適切な機械において不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を成形することにより調製され得る。各錠剤は、好ましくは、活性成分 約0.1mgから約500mgを含有し、各カシェ剤又はカプセル剤は、好ましくは、活性成分 約0.1mgから約500mgを含有する。
【0040】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、水中の活性化合物の溶液又は懸濁液として調製し得る。適切な界面活性剤には、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどが含まれる。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及び油中のそれらの混合物中で調製し得る。さらに、有害な微生物増殖を防止するために保存剤が含まれ得る。
【0041】
注射用に適した本発明の医薬組成物には、滅菌水性溶液又は分散液が含まれる。さらに、本組成物は、このような滅菌注射用溶液又は分散液を即時調合するための滅菌粉末の形態をとり得る。いずれの場合も、最終注射形態は滅菌状態でなければならず、容易に注射可能であるように十分に流動性がなければならない。本医薬組成物は、製造及び貯蔵条件下で安定でなければならず;よって、好ましくは、本組成物は、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用から防御されるべきである。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、植物油及び適切なそれらの混合物を含有する、溶媒又は分散媒体であり得る。
【0042】
本発明の医薬組成物は、局所使用に適した形態、例えばエアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、粉剤などの形態をとり得る。さらに、本組成物は、経皮装置を用いて使用するのに適した形態をとり得る。これらの処方物は、従来の加工方法を介して、本発明の式Iで表される化合物又は医薬として許容されるその塩を用いて調製され得る。例えば、クリーム又は軟膏は、所望する濃度を有するクリーム又は軟膏を得るために、親水性材料及び水を、化合物 約5重量%から約10重量%と混合することにより調製される。
【0043】
本発明の医薬組成物は、担体が固体である、直腸投与に適した形態をとり得る。混合物が単位用量座薬を形成することが好ましい。適切な担体には、カカオバター及び当業界で一般に使用される他の材料が含まれる。座薬は、都合よく、組成物を軟化又は融解させた担体と最初に混合し、その後、鋳型中で冷却し、成型することにより形成され得る。
【0044】
上記担体成分に加えて、必要に応じて、本医薬処方物は、1又は複数のさらなる担体成分、例えば希釈剤、緩衝剤、香味料、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑沢剤、保存剤(酸化防止剤を含む。)などを配合し得る。さらに、組成物を意図する受容者の血液と等張にするために他の佐剤を配合し得る。式Iで述べられる化合物又は医薬として許容されるその塩を含有する組成物は、粉末又は濃縮液体形態でも調製され得る。
【0045】
式Iを有する化合物に対する代表的医薬剤形の例を以下に例示する。
【0046】
【表2】

【0047】
有用性
本発明の化合物は、ブラジキニン受容体、特にブラジキニンB1受容体のアンタゴニスト又は逆アゴニストであり、そのままで疼痛及び炎症などのブラジキニン受容体経路により媒介される疾患及び状態の治療及び予防において有用である。本化合物は、例えば、内臓痛(例えば、膵炎、間質性膀胱炎、腎疝痛、前立腺炎、慢性骨盤痛)、神経障害性疼痛(例えば、ヘルペス後神経痛、急性帯状疱疹痛、神経損傷、痛み(dynias)、例えば外陰部痛、幻肢痛、神経根引き抜き損傷、神経根障害、疼痛性外傷性単発神経炎、疼痛性エントラップメント神経障害、手根管症候群、尺骨神経障害、足根管症候群、疼痛性糖尿病性神経障害、疼痛性多発性神経障害、三叉神経痛)、中枢疼痛症候群(事実上、これらに限定されないが、発作、多発性硬化症、脊髄損傷を含む、任意のレベルの神経系の病巣に起因する可能性がある。)及び手術後疼痛症候群(例えば、乳房切除術後症候群、開胸術後症候群、断端痛)、骨及び関節痛(骨関節症)、脊椎痛(例えば急性及び慢性腰痛、頸部痛、脊柱狭窄)、肩の疼痛、反復運動痛、歯痛、咽喉炎、癌性疼痛、筋膜性疼痛(筋肉損傷、線維筋痛)、術後、周術期痛及び先制鎮痛(これらに限定されないが一般手術、整形外科手術及び婦人科手術を含む。)、慢性疼痛、月経困難症(原発性及び二次性)、ならびに、アンギナに伴う疼痛及び様々な原因の炎症性疼痛(例えば、骨関節症、関節リウマチ、リウマチ疾患、腱滑膜炎及び痛風、強直性脊椎炎、滑液包炎)を含む疼痛の治療又は予防において効果的である。
【0048】
さらに、本発明化合物はまた、反応亢進性気道を治療するため、及び、アレルギー喘息を含む喘息(アトピー性又は非アトピー性)ならびに運動により誘因される気管支収縮、職業性喘息、ウイルス又は細菌による喘息の増悪、他の非アレルギー喘息及び「喘鳴小児症候群(wheezy−infant syndrome)」などの、気道疾患に関連する炎症性疾患を治療するためにも使用され得る。本発明化合物はまた、肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸窮迫症候群、気管支炎、肺炎、アレルギー性鼻炎(季節性及び通年生)及び血管運動性鼻炎を治療するためにも使用され得る。本発明化合物はまた、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿症、石肺症、ダチョウ羽塵肺症、鉄沈着症、珪肺症、たばこ症及び綿肺症を含む塵肺症に対しても有効であり得る。
【0049】
本発明の化合物は、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膵炎、腎炎、膀胱炎(間質性膀胱炎)、ブドウ膜炎、炎症性皮膚疾患(例えば、乾癬及び湿疹)、関節リウマチ、及び、火傷を伴う外傷により生ずる浮腫、捻挫又は骨折、脳浮腫及び血管浮腫を治療するためにも使用され得る。それらはまた、糖尿病性血管障害、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜障害、後毛細血管抵抗又はインスリン炎を伴う糖尿病性症状(例えば、高血糖症、利尿、蛋白尿、及び高い亜硝酸塩及びカリクレイン尿中排泄)を治療するために使用され得る。それらは、胃腸管又は子宮の痙攣の治療のための平滑筋弛緩剤として使用され得る。さらに、それらは、肝疾患、多発性硬化症、心血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、うっ血性心不全、心筋梗塞)、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病及びアルツハイマー病)、てんかん、敗血性ショック(例えば抗血液量減少剤及び/又は抗低血圧剤として。)、群発頭痛を含む頭痛、予防的使用及び急性使用を含む片頭痛、脳卒中、非開放性頭部外傷、癌、敗血症、歯肉炎、骨粗しょう症、良性前立腺肥大及び機能亢進性膀胱に対しても有効であり得る。これらの疾患及び症状の動物モデルは一般に当業界で公知であり、本発明化合物の潜在的有用性を評価するのに適当であり得る。最後に、本発明の化合物はまた、研究ツールとしても有用である(インビボ及びインビトロ)。
【0050】
本発明の化合物は、本発明の化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することによる、疼痛及び炎症の治療において有用である。
【0051】
本化合物は、本発明の化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を、3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することにより、例えば骨及び関節痛(骨関節症)、反復運動痛、歯痛、癌性疼痛、筋膜性疼痛(筋肉損傷、線維筋痛)、周術期痛(一般手術、口腔外科手術、婦人科手術)、神経因性疼痛(ヘルペス後神経痛)及び慢性疼痛を含む疼痛の治療又は予防において使用される。
【0052】
特に、本発明化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を、3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することにより、本発明化合物を用いて、例えば炎症性気道疾患(慢性閉塞性肺疾患)などの炎症性疼痛を効果的に治療する。
【0053】
また、本発明化合物は、本発明化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を、3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することにより、喘息、炎症性腸疾患、鼻炎、膵炎、膀胱炎(間質性膀胱炎)、ブドウ膜炎、炎症性皮膚疾患、関節リウマチ、火傷を伴う外傷により生ずる浮腫、捻挫又は骨折を治療するためにさらに使用され得る。
【0054】
本発明化合物は、本発明化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を、3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することにより、手術介入後(例えば、術後鎮痛剤として)、及び、様々な原因の炎症性疼痛(例えば、骨関節症、関節リウマチ、リウマチ性疾患、腱滑膜炎及び痛風)を治療するため、ならびに、アンギナ、月経又は癌に伴う疼痛の治療のために、使用され得る。
【0055】
本発明化合物は、本発明化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を、3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することにより、糖尿病性血管障害、後毛細血管抵抗又はインスリン炎を伴う糖尿病性症状(例えば、高血糖症、利尿、蛋白尿、及び高い亜硝酸塩及びカリクレイン尿中排泄)を治療するために使用され得る。
【0056】
本発明化合物は、本発明化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を、3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することにより、乾癬及び湿疹などの炎症性皮膚疾患を治療するために使用され得る。
【0057】
本発明化合物は、本発明化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を、3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することにより、胃腸管又は子宮の痙攣の治療のための平滑筋弛緩薬として、又はクローン病、潰瘍性大腸炎もしくは膵炎の治療において、使用され得る。
【0058】
このような化合物は、本発明化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を、3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することにより、過敏性気道を治療するために、喘息のような気道疾患に関連する炎症状態を治療するために、及び喘息の気道過敏性を制御、制限又は改善するために、治療目的で使用され得る。
【0059】
本発明化合物は、本発明化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を、3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することにより、アレルギー喘息(アトピー性又は非アトピー性)を含む、内因性及び外因性喘息、ならびに、運動により誘因される気管支収縮、職業性喘息、喘息のウイルス又は細菌性増悪、他のアレルギー喘息及び「喘鳴小児症候群」を治療するために、使用し得る。
【0060】
本発明化合物はまた、本発明化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を、3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することにより、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿症、石肺症、ダチョウ羽塵肺症、鉄沈着症、珪肺症、たばこ症及び綿肺症を含む塵肺症ならびに、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺又は気道疾患、気管支炎、アレルギー性鼻炎及び血管運動性鼻炎に対しても有効であり得る。
【0061】
さらに、本発明化合物は、本発明化合物 例えば0.1mg、0.5mg、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、125mg、250mg又は500mgをそれぞれ含有する、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤を、3時間から4時間毎に1回、1日に1回、2回もしくは3回、又は(徐放性処方剤の場合には)1週間に1回、2回もしくは3回投与することにより、肝疾患、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、敗血性ショック(例えば抗血液量減少剤及び/又は抗低血圧剤として。)、脳浮腫、群発頭痛を含む頭痛、予防的使用及び急性使用を含む偏頭痛、非開放性頭部外傷、過敏性腸症候群及び腎炎に対しても有効であり得る。
【0062】
併用療法
式Iの化合物は、式Iの化合物が有用である、疾患又は状態の、治療/予防/緩和又は軽減のために使用される他の薬物と組み合わせて使用し得る。かかる他の薬物は、その通常使用される、経路及び量で、式Iの化合物と同時に、又は逐次投与し得る。式Iの化合物を1又は複数の他の薬物と同時に使用する場合、式Iの化合物に加えてこのような他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物には、式Iの化合物に加えて1又は複数の他の活性成分をも含有する医薬組成物が含まれる。個別に投与するか又は同一の医薬組成物中で投与する、式Iの化合物と組み合わせ得る、他の活性成分の例には、これらに限定されないが:(1)モルヒネ及び他のアヘン剤受容体アゴニスト(プロポキシフェン(Darvon)及びトラマドールを含む。);(2)プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸及びチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナック、クリダナク、ジクロフェナック、フェンクロフェナック、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フロフェナック、イブフェナック、イソキセパック、オキサピナック(oxpinac)、スリンダック、チオピナック、トルメチン、ジドメタシン及びゾメピラック)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフラム酸及びトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサル及びフルフェニサル)、オキシカム(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム及びテノキシカム)、サリチレート(サリチル酸アセチル、スルファサラジン)及びピラゾロン(アパゾン、ベンゾピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)及びコキシブ(セレコキシブ、バレコキシブ、ロフェコキシブ及びエトリコキシブ)などの、COX−2阻害剤を含む、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID);(3)コルチコステロイド、例えばベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン及びトリアムシノロン;(4)ヒスタミンH1受容体アンタゴニスト、例えばブロモフェニルアミン、クロルフェニルアミン、デクスクロルフェニルアミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン、ピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン及びレボセチリジン;(5)ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト、例えばシメチジン、ファモチジン及びラニチジン;(6)プロトンポンプ阻害剤、例えばオメプラゾール、パントプラゾール及びエソメプラゾール;(7)ロイコトリエンアンタゴニスト及び5−リポキシゲナーゼ阻害剤、例えばザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト及びジレウトン;(8)アンギナ及び心筋虚血に対して使用される薬物、例えば硝酸塩(例えば、ニトログリセリン及び硝酸イソソルビド)、β−ブロッカー(例えば、アテノロール、メトプロロール、プロプラノロール、アセブトロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルテオロール、ラベタロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、ソタロール及びチモロール)及びカルシウムチャネルブロッカー(例えば、ジルチアザム(diltiazam)、ベラパミル、ニフェジピン、ベプリジル、フェロジピン、フルナリジン、イスラジピン、ニカルジピン及びニモジピン);(9)失禁治療薬、例えば抗ムスカリン(例えば、トルテロジン及びオキシブチニン);(10)胃腸鎮痙剤、例えばアトロピン、スコポラミン、ジシクロミン、抗ムスカリンならびにジフェノキシレート;骨格筋弛緩薬(例えば、シクロベンザプリン、カリソプロドール、クロルフェネシン、クロルゾキサゾン、メタキサロン、メトカルバモール、バクロフェン、ダントロレン、ジアゼパム又はオルフェナドリン;(11)痛風治療薬、例えばアロプリノール、プロベネシド(probenicid)及びコルヒチン;(12)関節リウマチに対する薬物、例えばメトトレキサート、オーラノフィン、オーロチオグルコース及びチオリンゴ酸金ナトリウム;(13)骨粗しょう症に対する薬剤、例えばアレンドロネート及びラロキシフェン;充血除去薬、例えばシュードエフェドリン及びフェニルプロパノールアミン;(14)局所麻酔薬;(15)抗ヘルペス薬、例えばアシクロビル、バラシクロビル及びファムシクロビル;(16)制吐薬、例えばオンダンセトロン及びグラニセトロン;(17)片頭痛薬、例えば、トリプタン(例えばリザトリプタン、スマトリプタン)、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、CGRPアンタゴニスト、抗うつ剤(例えば三環系抗うつ剤、セロトニン選択的再取り込み阻害剤、β−アドレナリン遮断薬);(18)VR1アンタゴニスト;(19)抗痙攣薬(例えば、ガバペンチン、プレガバリン、ラモトリジン、トピラメート、カルバマゼピン、オキシカルバゼピン、フェニトイン);(20)グルタメートアンタゴニスト(例えば、ケタミン及びその他のNMDアンタゴニスト、NR2Bアンタゴニスト);(21)アセトアミノフェン;(22)CCR2アンタゴニスト;(23)PDE4 アンタゴニストが含まれる。
【0063】
生物学的評価
(a)選択した化合物のブラジキニンB1又はB2受容体への結合親和性の評価
放射性リガンド結合アッセイは、ヒト、ウサギ、ラット又はイヌB1受容体を安定的に発現するCHO細胞又はヒトB2受容体を発現するCHO細胞由来の膜を用いて行う。全ての受容体タイプに対して、培養フラスコからPBS/1mM EDTA中で細胞を回収し、1000xgで10分間遠心する。氷冷20mM HEPES、1mM EDTA,pH7.4(細胞溶解緩衝液)中でポリトロンを用いて細胞ペレットをホモジェナイズし、20,000xgで20分間遠心する。溶解緩衝液中で膜ペレットを再度ホモジェナイズし、20,000xgで再び遠心し、1% BSAを補充したアッセイ緩衝液(120mM NaCl,5mM KCl,20mM HPES,pH7.4)中で、1mlあたりタンパク質5mgにて、最終ペレットを再懸濁し、−80℃で凍結する。
【0064】
アッセイ日に、14,000xgで5分間、膜を遠心し、100nM エナリプリラット、140μg/ml バシトラシン及び0.1% BSAを含有するアッセイ緩衝液中にて、所望タンパク質濃度になるように再懸濁する。3H−des−arg10,leu9カリジンは、ヒト及びウサギB1受容体に対して使用する放射性リガンドであり、3H−des−arg10カリジンは、ラット及びイヌB1受容体に対して使用し、3H−ブラジキニンはヒトB2受容体を標識するために使用する。
【0065】
いずれのアッセイの場合も、DMSOストック溶液から、最終DMSO濃度を2%とするために、アッセイ用試験管に添加する4μlで、化合物を希釈する。この後、100μl 放射性リガンド及び膜懸濁液 100μlを添加する。B1受容体結合アッセイに対する非特異的結合は、1μM des−arg10カリジンを用いて測定し、B2受容体に対する非特異的結合は、1μM ブラジキニンを用いて測定する。試験管を室温(22℃)で60分間インキュベーションし、次に、Tomtec 96ウェル回収システムを用いて濾過する。Wallac Beta−プレートシンチレーションカウンターを用いて、フィルター上に保持される放射活性をカウントする。
【0066】
本発明の化合物は、5μM未満という結果が示すように、上記アッセイにおいてB1受容体に対して親和性を有する。アッセイ結果が1μM未満であることが有利であり、0.5μM未満の結果は、より有利である。さらに、本発明の化合物が、ブラジキニンB2受容体よりもブラジキニンB1受容体に対して親和性を有することが有利であり、より有利には、B1受容体に対する親和性は、B2受容体に対する親和性の少なくとも10倍、好ましくは100倍である。
【0067】
(b)ブラジキニンB1アンタゴニストに対するアッセイ
蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)を用いて、B1アゴニスト誘導性カルシウム可動性をモニターした。B1受容体を発現するCHO細胞を96又は384ウェルプレートにおいて平板培養し、Iscoveの改変DMEM中で一晩インキュベーションした。生理的緩衝塩類溶液でウェルを2回洗浄し、次に、4μM Fluo−3とともに37℃で1時間インキュベーションした。次いで、緩衝塩類溶液でプレートを2回洗浄し、緩衝液 100μlを各ウェルに添加した。プレートをFLIPRユニット中に置き、2分間平衡化させた。次いで、試験化合物 50μlを添加し、5分後、アゴニスト(der−arg10カリジン)50μlを添加した。アンタゴニストの存在及び非存在下での相対蛍光ピーク高を用いて、試験化合物によるB1受容体アゴニスト反応の阻害の程度を計算した。通常、8種類から10種類の濃度で試験化合物を試験して阻害曲線を作成し、4パラメーター非線形回帰曲線のフィッティング手順を用いてIC50値を求めた。
【0068】
(c)ブラジキニン逆アゴニストに関するアッセイ
一時的トランスフェクションを行ったHEK293細胞を用いて、ヒトB1受容体での逆アゴニスト活性を評価した。細胞をトランスフェクションした翌日に、6μCi/mlの[H]ミオ−イノシトールを用いてフラスコを標識した。アッセイ日に、培地を除去し、リン酸緩衝食塩水 2x20mlで付着細胞を穏やかにリンスした。アッセイ緩衝液(HEPES緩衝生理塩類,pH7.4)を添加し、フラスコを軽く叩いて細胞を剥離させた。細胞を800xgで5分間遠心し、10mM 塩化リチウムを補充したアッセイ緩衝液中で1x10細胞/mlとなるように再懸濁した。室温で10分後、0.5mlずつ、試験化合物又はビヒクルを収容している試験管に分注した。さらに10分後、37℃の水槽に試験管を30分間移した。12% 過塩素酸溶液を添加することによりインキュベーションを停止し、試験管を氷上に30分間置いた。次いで、酸をKOHで中和し、試験管を遠心して沈殿物質をペレット化した。形成された[H]イノシトール一リン酸を一般的なイオン交換クロマトグラフィー技術により回収し、液体シンチレーションカウント法により定量した。逆アゴニスト活性は、[H]イノシトール一リン酸蓄積の試験化合物低下基礎(ビヒクルとインキュベーションした細胞)レベルの程度により求めた。
【0069】
使用する略語
以下の略語は、明細書中に特記しない限り指定の意味を有する:
DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMF=N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO=ジメチルスルホキシド;EDC又はEDCI=1−(3−ジメチルアミノプロピル)3−エチルカルボジイミドHCl;eq.=当量;ES(又はESI)−MS=電子スプレーイオン化質量分析;EtOAc=酢酸エチル;FAB−MS=高速原子衝撃質量分析;HCl=塩化水素;HOAt=1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;LCMS=液体クロマトグラフィー/質量分析;LAH=水素化アルミニウムリチウム;MeOH=メタノール;MHz=メガヘルツ;NMR=核磁気共鳴;NOBF=テトラフルオロホウ酸ニトロソニウム;RT=室温;TEA=トリエチルアミン;TFAトリフルオロ酢酸;THF=テトラヒドロフラン。
【0070】
ビアリールメタンアミン誘導体の調製の一般的方法をスキーム1で示す。公知のピリジン(1)のニトロ基の還元及びニトリル加水分解(J.Chem.Soc,(1952)、2042−2046)に次いで、得られたアミンの、フルオリドへの変換を行い、(2a)が得られる。あるいは、同様の還元/塩化連続段階により、(1)を塩化物(2b)に変換し得る。アミド(2a/2b)を、3連続段階で、アルデヒド(3)に変換する。キラルt−ブチルスルホンアミドによるイミン形成(Tetrahedron(1999),8883−8904)に次いで、メチルグリニャールの添加を行い、(4)を生成させる。パラジウムなどの触媒及び試薬(5)を使用して、臭化物をボロナートに変換し、得られた中間体を、(6)などのハロゲン化物パートナーとのSuzukiカップリングに使用する。次いで、得られたビアリールに対して、HClなどの酸を使用して脱保護を行い、アミン(7)を得て、EDCなどの試薬を用いて、それを酸(8)でアシル化する。HClを用いたBoc基の脱保護及び、適切なカルボン酸同等物を用いた、得られたアミンのアシル化により、標的分子(I)が得られる。
【0071】
スキーム1.
【0072】
【化5】

【0073】
次の化合物は、ただ説明目的のために提供するものであり、本発明の範囲を何ら制限するものとして解釈されるべきものではない。
【実施例1】
【0074】
N−(1−{[((1R)−1−{5−[3,5−ジクロロ−2−(2,2−ジフルオロエトキシ)フェニル]−3−フルオロピリジン−2−イル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロプロピル)−5−メチルイソオキサゾル−3−カルボキサミド。
【0075】
【化6】

【0076】
段階1.
下でMeOH(319mL)中の5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−カルボニトリル(4.71g、20.7mmol)の溶液へ、塩化スズ(II)二水和物(27.97g、123.9mmol)を添加した。この反応混合物を40分間、40℃に加熱し、真空濃縮し、トルエンとともに共沸させた。この残渣をEtOAcに溶解し、反応混合物を塩基性にするために10%重炭酸ナトリウム水溶液を添加した。水層をCHClで3回抽出し、合わせた有機物をNaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮して、3−アミノ−5−ブロモピリジン−2−カルボキサミドを得た(これは、M+H81Br)に対して218.2の質量イオン(ES+)を与えた。)。
【0077】
段階2.
CHCl中の段階1の化合物(40.0g、185.2mmol)の溶液へ、テトラフルオロホウ酸ニトロソニウム(22.71g、191.4mmol)を添加した。この反応混合物を室温で4.5時間撹拌し、次いで真空濃縮し、トルエンとともに共沸させた。この残渣をトルエン(1100mL)に懸濁し、100℃に2時間加熱した。この混合物を真空濃縮し、残渣をCHCl中で懸濁した。固体を回収し、5−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−カルボキサミドを得た(これは、理論と一致するプロトンNMRスペクトル及びM+H79Br)に対して219.1の質量イオン(ES+)を与えた。)。
【0078】
段階3.
HCl(12N、539.4mL、6.472mol)中の段階2の未精製化合物(40.50g、184.9mmol)の溶液を120℃に1時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、この反応混合物がほぼpH〜6になるまでNaOH水溶液(20%)をゆっくりと添加した。この溶液を真空濃縮し、トルエンとともに共沸させた。この残渣を40% MeOH/CHClで徹底的に抽出し、ろ過した。このサイクルを3回繰り返した。合わせたろ液を濃縮し、トルエンとともに3回共沸させて、5−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−カルボン酸を得た(これは、M+H79Br)に対して218.1の質量イオン(ES+)を与えた。)。
【0079】
段階4.
200mL DMF中の、段階3の未精製化合物(40.65g、184.8mol)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンHCl(21.63g、221.7mmol)、EDC(70.85g、369.6mmol)、HOAt(2.497g、18.48mmol)及びTEA(16.48mL、118.3mmol)の溶液をRTで一晩撹拌した。この溶液をある程度真空濃縮し、EtOAcと10%重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配した。水層をEtOAcで4回抽出し、合わせた有機抽出物を水及び塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、5−ブロモ−3−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルピリジン−2−カルボキサミドを得た(これは、理論と一致するプロトンNMRスペクトル及びM+H79Br)に対して263.01の質量イオン(ES+)を与えた。)。
【0080】
段階5.
−78℃でTHF(350mL)中の段階4の未精製化合物(27.94g、106.2mmol)の溶液に、LiAlH(1M THF溶液、45.67mL、45.67mmol)を滴下添加した。この反応混合物を−78℃で2時間撹拌し、その後HO(100mL)及び塩水(100mL)を添加した。この混合物を室温に温め、ある程度まで真空濃縮し、EtOAcで希釈し、セライトを介してろ過した。水層をEtOAcで4回抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。ヘキサン中の10% EtOAcを使用してシリカゲルプラグを介して残渣をろ過し、5−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−カルバルデヒドを得た(これは、理論と一致するプロトンNMRスペクトルを与えた。)。
【0081】
段階6.
CHCl(160mL)中の(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(9.898g、81.67mmol)の溶液へ、段階5の化合物(16.66g、81.67mmol)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(1.026g、4.08mmol)及び硫酸マグネシウム(49.15g、408.3mmol)を添加した。この反応混合物をRTで一晩撹拌し、次いでセライトを介してろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーへ供し、ヘキサン中0から10%のEtOAcで溶出して、N−[(1E)−(5−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)メチリデン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを得た(これは、理論と一致するプロトンNMRスペクトル及びM+H81Br)に対して307.0の質量イオン(ES+)を与えた。)。
【0082】
段階7.
CHCl(375mL)中の段階6(18.63g、60.65mmol)の化合物の溶液をN下で−50℃に冷却した。塩化メチルマグネシウム(THF中3M、30.32mL、90.97mmol)を滴下添加し、この混合物を1時間撹拌した。反応を完了させるため、さらなる塩化メチルマグネシウム(5.0mL、15.0mmol)を30分後に添加した。水(200mL)及び塩水(200mL)を添加し、この反応混合物を室温に温めた。水層をCHClで4回抽出し、合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーへ供し、ヘキサン中の10から40%のEtOAcで溶出し、N−[(1R)−1−(5−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを得た(これは、理論と一致するプロトンNMRスペクトル及びM+H81Br)に対して325.0の質量イオン(ES+)を与えた。)。
【0083】
段階8.
2−ブロモ−4,6−ジクロロフェノール(9.50g、39.27mmol)、1,1−ジフルオロ−2−ヨードエタン(10.93g、56.95mmol)及び炭酸カリウム(10.86g、78.55mmol)の混合物を25mLのDMFに懸濁し、350mL圧力容器中で6時間、100℃に加熱した。この懸濁液を室温に冷却し、エチルエーテルと水との間で分配した。有機抽出物を水及び塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーへ供し、ヘキサンで溶出して、1−ブロモ−3,5−ジクロロ−2−(2,2−ジフルオロエトキシ)ベンゼンを得た(これは、理論と一致するプロトンNMRスペクトルを与えた。)。
【0084】
段階9.
45mLのDMSO中の、段階7の化合物(10.70g、33.10mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(12.61g、49.66mmol)、酢酸カリウム(9.75g、99.31mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)二塩化物(PdCl(dppf)、2.42g、3.31mmol)の混合物をNでパージし、N下で、圧力容器中にて24時間、80℃に加熱した。反応混合物をRTに冷却し、段階8の化合物(15.19g、49.66mmol)、炭酸カリウム(11.44g、82.76mmol)、水(8mL)及びPdCl(dppf)(2.42g、3.31mmol)を添加した。この反応混合物を21時間、80℃に加熱し、次いでRTに冷却し、エチルエーテルと水との間で分配した。有機抽出物を水及び塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーへ供し、ヘキサン中の0から35%のEtOAcで溶出し、N−((1R)−1−{5−[3,5−ジクロロ−2−(2,2−ジフルオロエトキシ)フェニル]−3−フルオロピリジン−2−イル}エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを得た(これは、M+Hに対して469.0の質量イオン(ES+)を与えた。)。
【0085】
段階10.
0℃でメタノール(5mL)中の上記反応生成物(1.40g、2.98mmol)の溶液へ、HCl/ジオキサン溶液(4M、2.98mL、11.93mmol)を添加した。得られた反応混合物を0℃で20分間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、2−[(1R)−1−アンモニオエチル−5−[3,5−ジクロロ−2−(2,2−ジフルオロエトキシ)フェニル]−3−フルオロピリジニウム二塩化物]を得た(これは、M+Hに対して365.1の質量イオン(ES+)を与えた。)。
【0086】
段階11.
4mLのCHCl中のt−ブトキシカルボニル−1−アミノシクロプロパン−1−カルボン酸(0.903g、4.49mmol)、EDC(1.03g、5.38mmol)及びHOAt(0.407g、2.99mmol)の溶液をRTで10分間撹拌した。この溶液を段階10の化合物(1.31g、2.99mmol)に添加し、0℃で撹拌し、反応混合物のpHを8に調整するためにDIPEAを添加した。反応混合物を室温でさらに20分間撹拌し、EtOAcと水との間で分配した。有機抽出物を水及び塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供してヘキサン中 0から40%のEtOAcで溶出して、tert−ブチル1−{[((1R)−1−{5−[3,5−ジクロロ−2−(2,2−ジフルオロエトキシ)フェニル]−3−フルオロピリジン−2−イル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロプロピルカルバメートを得た(これは、M+Hに対して548.2の質量イオン(ES+)を与えた。)。
【0087】
段階12.
EtOAc(100mL)中の上記生成物(1.3g、2.37mmol)の溶液を氷槽で冷却し、次に無水塩化水素ガスで飽和させた。溶液を0℃で30分間さらに撹拌し、真空濃縮して、2−((1R)−1−{[(1−アンモニオシクロプロピル)−カルボニル]アミノ}エチル−5−[3,5−ジクロロ−2−(2,2−ジフルオロエトキシ)フェニル]−3−フルオロピリジニウム二塩化物を得た(これは、M+Hに対して448.1の質量イオン(ES+)を与えた。)。
【0088】
段階13.
CHCl(12mL)中の段階12の化合物(2.09g、4.01mmol)の溶液へ0℃で、5−メチルイソオキサゾル−3−カルボニルクロリド(0.875g、6.02mmol)を添加した。反応混合物のpHを9に調整するために、DIPEAを添加した。反応混合物を0℃でさらに20分間撹拌し、EtOAcと水との間で分配した。有機抽出物を水及び塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーへ供し、ヘキサン中0から50%のEtOAcで溶出して、表題化合物を得た(これは、理論と一致するプロトンNMRスペクトル及びM+Hに対して557.08の質量イオンを与えた。)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ9.23(s,1H),8.48(s,1H),8.11−8.09(d,J=7.7Hz,1H),7.94−7.91(m,1H),7.81−7.80(d,J=2.6Hz,1H),7.63−7.62(d,J=2.6Hz,1H),6.56(s,1H),6.15−5.87(m,1H),5.34−5.27(M,1H),3.99−3.90(m,2H),2.46(s,3H),1.40−1.28(m,5H),1.08−0.97(m,2H)。
【実施例2】
【0089】
N−(1−{[((1R)−1−{5−[3,5−ジクロロ−2−(2,2−ジフルオロエトキシ)フェニル]−3−フルオロピリジン−2−イル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロプロピル)−3−メトキシイソオキサゾル−5−カルボキサミド。
【0090】
【化7】

【0091】
1mL DMF中の、3−メトキシイソオキサゾル−5−カルボン酸(0.240g、1.68mmol)、EDC(0.257g、1.34mmol)及びHOAt(0.073g、0.54mmol)の溶液をRTで10分間撹拌した。この溶液を実施例1の段階12の化合物(0.35g、0.67mmol)へ添加し、反応混合物のpHを8に調整するために十分なDIPEAを添加した。反応混合物をRTで30分間撹拌し、EtOAcと水との間で分配した。有機抽出物を水及び塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーへ供し、ヘキサン中0から40%のEtOAcで溶出して、表題化合物を得た(これは、理論と一致するプロトンNMRスペクトル及びM+Hに対して573.09の質量イオンを与えた。)。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.32(s,1H),8.51(s,1H),8.30−8.28(d,J=7.7Hz,1H),7.92−7.89(m,1H),7.81−7.80(d,J=2.6Hz,1H),7.63−7.62(d,J=2.6Hz,1H),6.82(s,1H),6.16−5.87(m,1H),5.35−5.31(m,1H),3.94(s,3H),3.99−3.90(m,2H),1.42−1.24(m,5H),1.07−0.95(m,2H)。
【実施例3】
【0092】
N−(1−{[((1R)−1−{5−[3,5−ジクロロ−2−(2,2−ジフルオロエトキシ)フェニル]−3−フルオロピリジン−2−イル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロプロピル)−5−(トリフルオロメチル)−2−フラミド。
【0093】
【化8】

【0094】
CHCl(1mL)中の、5−トリフルオロメチル−2−フロ酸(furoic acid)(0.054g、0.3mmol)、EDC(0.038g、0.2mmol)及びHOAt(0.014g、0.1mmol)の溶液をRTで10分間撹拌した。この溶液を実施例1、段階12の化合物(0.053g、0.1mmol)へ添加し、反応混合物のpHを9に調整するために十分なDIPEAを添加した。反応混合物をRTで30分間撹拌し、シリカゲルクロマトグラフィーへ供し、ヘキサン中0から40%のEtOAcで溶出し、表題化合物を得た(これは、理論と一致するプロトンNMRスペクトル及びM+Hに対して610.07の質量イオンを与えた。)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ9.19(s,1H),8.49(s,1H),8.26−8.24(d,J=7.6Hz,1H),7.92−7.89(m,1H),7.81−7.80(d,J=2.6Hz,1H),7.62−7.61(d,J=2.6Hz,1H),7.39−7.38(d,J=3.7Hz,1H),7.33−7.32(d,J=3.7Hz,1H),6.15−5.87(m,1H),5.35−5.32(m,1H),3.98−3.90(m,2H),1.40−1.23(m,5H),1.07−0.96(m,2H)。
【実施例4】
【0095】
N−(1−{[((1R)−1−{5−[3,5−ジクロロ−2−(2,2−ジフルオロエトキシ)フェニル]−3−フルオロピリジン−2−イル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロプロピル)ピラジン−2−カルボキサミド。
【0096】
【化9】

【0097】
DMF 1.5mL中の、実施例1、段階12の化合物(0.041g、0.085mmol)、ピラジン−2−カルボン酸(0.0158g、0.13mmol)、(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)[トリス(ジメチルアミノ)]−ヘキサフルオロリン酸ホスホニウム(0.0752g、0.17mmol)及びTEA(0.04mL、0.26mmol)の溶液をRTで1時間撹拌した。この溶液をEtOAcで希釈し、水で3回洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、ろ過し、油状物質になるまで濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、ヘキサン中0から40%のEtOAcで溶出し、表題化合物を得た(これは、理論と一致するプロトンNMRスペクトル及びM+Hに対して554.0の質量イオン(ES+)を与えた。)。H NMR CDODδ1.21(m,2H),9.25(s,1H),8.81(d,J=2.4Hz,1H),8.72(d,J=1.5Hz,1H),8.37(s,1H),8.28(d,J=7.6Hz,1H),7.78(d,J=10.7Hz,1H),7.60(d,J=2.6Hz,1H),7.44(d,J=2.5Hz,1H),5.83(t,J=54.6,54.6Hz,1H),),5.46(m,1H),3.90(m,2H),3.90(m,2H),1.46(d,J=6.9Hz、3H),1.21(m,2H)。
【0098】
以下の化合物を上述の実施例及び一般的なスキームにおいて提供される手段に従って調製した。出発材料は市販品を入手可能であるか、又は、当技術分野で周知の従来の反応を使用し、市販の試薬から調製できるかのいずれかである。
【0099】
表1
【0100】
【表3】






【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物及び医薬として許容されるその塩
【化1】

(式中、
1a、R1b及びR1cは、それぞれ独立に、水素及びフッ素から選択され;
は、水素又は塩素であり;
は、塩素又はフッ素であり;
は、(1)ハロゲン、ニトロ、シアノ、OR、SR、COR、SO、CO、OC(O)R、NR、NRC(O)R、NRC(O)、C(O)NR及びC3−8シクロアルキルから独立に選択される1から3個の基で場合によっては置換されるC1−6アルキル、(2)ハロゲン、ニトロ、シアノ及びフェニルから独立に選択される1から3個の基で場合によっては置換されるC3−8シクロアルキル、(3)ハロゲン、ニトロ、シアノ、OR、SR、C(O)、C1−4アルキル及びC1−3ハロアルキルから独立に選択される1から3個の基アリール(ここで、アリールは、フェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル及びナフチルから選択される。)及び(5)ハロゲン、ニトロ、シアノ、OR、SR、ORで場合によっては置換されるC1−4アルキルC3−6シクロアルキル、フェニル及びC1−3ハロアルキルから独立に選択される1から3個の基で場合によっては置換される複素環(該複素環は、(a)N、O及びSから選択される環へテロ原子を有しており、3個以下のさらなる環窒素原子を場合によっては有する、5員のヘテロ芳香環;(b)1個から3個の環窒素原子を含有する6員のヘテロ芳香環及びそのN−オキシド;及び(c)テトラヒドロフラニル、5−オキソテトラヒドロフラニル、2−オキソ−2H−ピラニル、2−ピロリジノン及び6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジニルから選択される、5又は6員の非芳香族複素環、から選択される。)から選択され;
は、(1)水素、(2)1から5個のハロゲン原子で場合によっては置換されるC1−4アルキル、(3)ハロゲン、シアノ、ニトロ、OH、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル及びC1−4アルキル(1個から5個のハロゲン原子で場合によっては置換される。)から独立に選択される1から3個の基で場合によっては置換されるフェニル、(4)C3−6シクロアルキル及び(5)ピリジルから選択され;
及びRは、(1)水素、(2)ハロゲン、アミノ、モノ−C1−4アルキルアミノ、ジC1−4アルキルアミノ及びSOから独立に選択される1から5個の基で場合によっては置換されるC1−4アルキル、(3)ハロゲン、シアノ、ニトロ、OH、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル及びC1−4アルキル(1から5個のハロゲン原子で場合によっては置換される。)から選択される、1から3個の基で場合によっては置換される、(CH−フェニル及び(4)C3−6シクロアルキル、から独立に選択されるか、又は、
及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒に、N、O及びSから選択されるさらなるヘテロ原子を場合によっては含有する、4、5又は6員環を形成するか;又は、
及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒に、環状イミドを形成し;
は、(1)1個から3個のハロゲン原子で場合によっては置換されるC1−4アルキル、(2)C1−4アルキルオキシ及び(3)ハロゲン、シアノ、ニトロ、OH、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル及びC1−4アルキル(1から5個のハロゲン原子で場合によっては置換される。)から選択される1から3個の基で場合によっては置換されるフェニル、から選択され;
kは、0、1又は2であり;ただし、
がトリフルオロメチル又は非置換イソオキサゾリルである場合、Rは、フッ素である。)。
【請求項2】
C(R1a)(R1b)(R1c)が、CH、CFH及びCFから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、N、O及びSから選択される環へテロ原子を有しており、3個以下のさらなる環窒素原子を場合によっては有する、場合によっては置換される5員のヘテロ芳香環であり、ここで、該置換基は、ハロゲン、OR、ORで場合によっては置換されるC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニル及びC1−3ハロアルキルから独立に選択される1から2個の基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、1個から3個の環窒素原子を含有する、場合によっては置換される6員のヘテロ芳香環及びそのN−オキシドであり、ここで該置換基が、ハロゲン及びC1−4アルキルから独立に選択される1から2個の基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式Iaを有する請求項1に記載の化合物及び医薬として許容されるその塩:
【化2】

(式中、
1a、R1b及びR1cは、それぞれ独立に、水素及びフッ素から選択され;Rは、(a)N、O及びSから選択される環へテロ原子を有しており、3個以下のさらなる環窒素原子を場合によっては有する、場合によっては置換される5員のヘテロ芳香環;又は(b)1から3個の環窒素原子を含有する、場合によっては置換される6員のヘテロ芳香環及びそのN−オキシドであり;ここで、該置換基は、ハロゲン、C1−4アルコキシで場合によっては置換されるC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、C3−6シクロアルキル及びCFから独立に選択される1から2個の基である。)。
【請求項6】
が、場合によっては置換されるイソオキサゾリル、場合によっては置換されるオキサゾリル、場合によっては置換されるイソチアゾリル、場合によっては置換されるチアゾリル、場合によっては置換されるピリダジニル及び場合によっては置換されるピラジニルから選択され、該置換基が、ハロゲン、C1−4アルコキシで場合によっては置換されるC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びCFから選択される、1から2個の基である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、3−クロロ−5−イソオキサゾリル、3−メトキシ−5−イソオキサゾリル、3−エトキシ−5−イソオキサゾリル及び3−メチル−5−イソオキサゾリルから選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
【表1】





から選択される請求項1に記載の化合物及び医薬として許容されるその塩。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩の治療的有効量と、医薬として許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項10】
ブラジキニンB1受容体により媒介される状態の治療に対する医薬品の製造のための、請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩の使用。

【公表番号】特表2007−526311(P2007−526311A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501866(P2007−501866)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/006230
【国際公開番号】WO2005/085198
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】