説明

プリプレグ、金属張積層板及び印刷配線板

【課題】シリカ等の無機充填材と水酸化アルミニウムとを併用しているにもかかわらず、無機充填材が均一に分散しており、加工性に優れ、かつ低熱膨張率である金属張積層板を得ることが可能なプリプレグ、金属針積層板及び印刷配線板とを提供する。
【解決手段】基材に樹脂組成物を含浸させてなるプリプレグにおいて、前記樹脂組成物が、平均粒径2.5〜4.5μmの水酸化アルミニウムと、平均粒径1.0〜3.0μm、比重2.3〜2.6g/cm3かつSiO2の含有量が50〜65質量%のガラスフィラーとを含んでおり、前記樹脂組成物の固形分総量中における前記水酸化アルミニウムと前記ガラスフィラーの配合量の合計が30〜50質量%であるプリプレグ。このプリプレグを用いた金属張積層板及び印刷配線板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリプレグと、このプリプレグを用いた金属張積層板及び印刷配線板とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体など電子機器の分野では高密度実装技術の進歩から従来の面実装からエリア実装に移行していくトレンドが進行し、BGA(Ball Grid Allay)やCSP(チップサイズパッケージ)など新しいパッケージが登場、増加しつつある。そのため以前にも増してインターポーザ用基板が注目されるようになり、高耐熱、低熱膨張のガラスエポキシ基板の要求が高まっている。
このような状況下、一般的に熱膨張係数を低減するために無機充填材、特に球状溶融シリカが多用されている。また、環境問題の高まりと共に、ハロゲン化物を含有しない樹脂系が求められ、難燃剤として水酸化アルミニウムを初めとした無機水酸化物と併用が多用されている(例えば、特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−31263号公報
【特許文献2】特開2009−74036号公報
【特許文献3】特開2009−155398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱膨張係数低減を目的としてシリカ等のガラスフィラーを配合し、更に難燃性の確保及び加工性の向上を目的として水酸化アルミニウムを併用してなるプリプレグにあっては、このプリプレグを用いて基材を作製するときに、ガラスフィラーと水酸化アルミニウムの流動性の不均一性に起因して基材端部に樹脂の流動からなるスジが発生し、基材外観が悪化する、基材端部が中央部に比べて特性が低下する、基材のドリル加工性が低下する、といった問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、シリカ等のガラスフィラーと共に、難燃性の確保や加工性の向上を目的として水酸化アルミニウムを併用しているにもかかわらず、ガラスフィラーが均一に分散し、樹脂の流動性が確保され、回路成形性に優れ、ドリル加工性に優れ、かつ低熱膨張である金属張積層板を得ることが可能なプリプレグと、このプリプレグを用いた金属張積層板及び印刷配線板とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の[1]〜[7]を提供するものである。
[1]基材に樹脂組成物を含浸させてなるプリプレグにおいて、前記樹脂組成物が、平均粒径2.5〜4.5μmの水酸化アルミニウムと、平均粒径1.0〜3.0μm、比重2.3〜2.6g/cm3かつSiO2の含有量が50〜65質量%のガラスフィラーとを含んでおり、前記樹脂組成物の固形分総量中における前記水酸化アルミニウムと前記ガラスフィラーの配合量の合計が30〜50質量%であるプリプレグ。
[2]前記樹脂組成物が1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有する非ハロゲン化エポキシ化合物を有する[1]に記載のプリプレグ。
[3]前記樹脂組成物が下記化学式(1)で示されるリン含有硬化剤を含む[1]又は[2]に記載のプリプレグ。
【化1】

(ただし、Rはフェノール性水酸基を2個以上有しかつ分子量が180以上である有機基である。)
[4]前記化学式(1)におけるRで示される有機基が、下記化学式(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)から選択される構造の1種又は2種以上を有し、フェノール性水酸基を2個以上有する[3]に記載のプリプレグ。
(化学式(2)〜(6)における*は、化学式(1)のリン原子に直接結合する部位であることを示す。)
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

(化学式(5)におけるR1は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜4のアルキル基である。nは芳香環におけるOR2基の数であり、1〜3のいずれかである。また、RAは、フェノール性水酸基を2個以上有する有機基である。)
【化6】

(化学式(6)におけるR1は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜4のアルキル基である。nは芳香環におけるOR2基の数であり、1〜3のいずれかである。また、RBは、フェノール性水酸基を2個以上有する有機基である。)
[5]化学式(1)におけるRで示される有機基が、下記化学式(7)、(8)及び(9)から選択される構造の1種又は2種以上を有し、フェノール性水酸基を2個以上有する請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
(化学式(7)〜(9)における*は、化学式(1)のリン原子に直接結合する部位であることを示す。)
【化7】

【化8】

【化9】

[6][1]〜[5]のいずれかに記載のプリプレグを一枚又は複数枚重ね、その両面又は片面に金属箔を配し、加熱加圧して成る金属張積層板。
[7][6]に記載の金属張積層板の金属層を配線加工して成る印刷配線板。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ガラスフィラーと水酸化アルミニウムとを併用しているにもかかわらず、ガラスフィラーが均一に分散しており、ドリル加工性に優れ、かつ低熱膨張率である金属張積層板を得ることが可能なプリプレグと、このプリプレグを用いた金属針積層板及び印刷配線板とを提供することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[プリプレグ]
本発明に用いるプリプレグは、基材に特定の樹脂組成物を含浸させてなるものである。
<基材>
基材としては、金属箔張り積層板や多層印刷配線板を製造する際に用いられるものであれば特に制限されないが、通常、織布や不織布等の繊維基材が用いられる。繊維基材の材質としては、ガラス、アルミナ、ボロン、シリカアルミナガラス、シリカガラス、チラノ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア等の無機繊維やアラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、カーボン、セルロース等の有機繊維等およびこれらの混抄系があり、特にガラス繊維の織布が好ましく用いられる。プリプレグに使用される基材としては、10μm〜200μmのガラス織布が特に好適に用いられる。
【0009】
<樹脂組成物>
上記樹脂組成物は、平均粒径2.5〜4.5μmの水酸化アルミニウムと、平均粒径1.0〜3.0μm、比重2.3〜2.6g/cm3かつSiO2比率50〜65質量%のガラスフィラーとを含んでおり、固形分総量中における前記水酸化アルミニウムと前記ガラスフィラーの配合量の合計が30〜50質量%であるものである。
次に、樹脂組成物の各成分について説明する。
【0010】
≪水酸化アルミニウム≫
上記樹脂組成物は、水酸化アルミニウムを含んでいる。水酸化アルミニウムは水酸化マグネシウムやその他の無機水和物に比べ水和水の数が多く、難燃性が良好であり、また酸・アルカリに対しても比較的安定であるため、積層板用途に好適である。また、樹脂の流動を勘案すると、平均粒径は2.5〜4.5μmであることが必要である。2.5μmを下回ると比表面積の増大により、耐薬品性が低下する。また4.5μmを上回ると、ワニス中での沈降が早くなるため好ましくない。
なお、平均粒径は、例えば、日機装株式会社製レーザー散乱粒度分布計MT3000等を用い水を分散液として測定することができる。
【0011】
≪ガラスフィラー≫
また、ガラスフィラーとしては、SiO2の含有量が50〜65質量%であるものが用いられる。SiO2の含有量が50%未満であると熱膨張低減効果が小さくなり、また、65%を上回るとドリル等の加工性が悪化するため好ましくない。
ガラスフィラー中のSiO2以外の成分としては、Al23、K2O、Na2O、CaO、Fe23、B23、SrO、MgO、MnO、GeO2、P23、P25、Y25、ZrO2等が考えられるがこれらに制限されるものではない。
また、ガラスフィラーは、平均粒径が1.0μm〜3.0μmであり、かつ比重が2.3g/cm3〜2.5g/cm3である。この範囲外のガラスフィラーを有するプリプレグは、樹脂の流動性低下が大きくなり、凝集が発生して回路成形性に劣るものとなる。
熱膨張特性としては、Tg以下における熱膨張係数が40ppm/℃であることが好ましい。また、ガラスフィラーの溶融温度は、1700℃以上であると、撹拌が均一に行われて品質が安定するため好ましい。
【0012】
≪水酸化アルミニウム及びガラスフィラー≫
樹脂組成物の固形分総量中における、前記水酸化アルミニウムと前記ガラスフィラーの配合量の合計は、30〜50質量%である。この合計が30質量%を下回ると、接続信頼性を確保するための低熱膨張特性を得られず、また、50質量%を上回ると、外層ピール強度の低下、ドリル磨耗量増加、及び回路成形性の低下が認められる。
なお、水酸化アルミニウムとガラスフィラーの使用比率は任意に設定することができるが、4:6〜6:4であることが好ましい。この範囲内であると、耐熱性が高く、ドリル摩耗量が小さく、流動性に優れたものとなる。
【0013】
≪樹脂≫
樹脂組成物中における樹脂としては特に制限はないが、熱硬化性樹脂が望ましく、耐熱性に富む熱可塑性樹脂でもよい。樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等が用いられる。また、これらの樹脂は2種類以上併用しても良く、必要に応じて後述する各種硬化剤、硬化促進剤を樹脂に配合し、これらを溶剤、溶液として配合してもかまわない。
【0014】
上記樹脂としては、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有するエポキシ樹脂を用いることが好ましい。特に、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有し、かつハロゲン原子を含有しない非ハロゲン化エポキシ化合物を含むことが好ましい。これにより、火災等による燃焼時にハロゲン元素に起因する有毒ガスが発生することが防止され、また、加熱時にハロゲン元素の分解により耐熱性や信頼性が低下することも防止される。この非ハロゲン化エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化物、これらの水素添加物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら非ハロゲン化エポキシ化合物は、単独で用いても、何種類かを併用しても良い。これらのなかでも、耐熱性及び高いガラス転移温度を考慮すると、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。また、電気特性を考慮すると、テトラメチルビフェニル型エポキシ、フェノールアラキルエポキシ、ナフタレンアラキルエポキシ、ジシクロペンタジエン型エポキシ等のエポキシ樹脂を用いることが望ましい。
【0015】
≪硬化剤≫
硬化剤としては、従来公知の種々のものを使用することができ、例えば樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等のアミン化合物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物化合物、フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂等の多官能性フェノール化合物などを挙げることができる。これらの硬化剤は何種類かを併用することも可能である。
(リン含有硬化剤)
また、リン含有硬化剤を使用することもできる。このリン含有硬化剤としては、下記化学式(1)で示されるリン含有硬化剤を好適に用いることができる。
【0016】
【化10】

【0017】
(ただし、Rはフェノール性水酸基を2個以上有しかつ分子量が180以上である有機基である。)
【0018】
このリン含有硬化剤を用いたプリプレグ、金属箔張積層板などの成形品は、難燃性を有し、更に耐熱性、電気特性、耐水性等の特性も非常に良好である。
上記化学式(1)中、Rはフェノール性水酸基を2個以上有しかつ分子量が180以上である有機基であることが好ましく、190以上である有機基であることがより好ましい。この分子量が180以上であると、リン硬化剤の溶剤溶解性が向上し、取り扱い性が向上する。リン含有硬化剤としては、例えば、HCA−HQ(10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド)、HCA−NQ(10−(2,7−ジヒドロキシナフチル)−10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド)等が挙げられる。
これらは、溶剤への溶解性が低いため、プレ反応を行ってから配合することが一般的である。更に有機基(R)の構造中に化学式(−(CH2)−)で示される構造を有することが好ましい。化学式(−(CH2)−)で示される構造を有する場合、耐熱性が向上し、取り扱い性が向上する。
【0019】
難燃性の観点からは、樹脂組成物中のリン含有量は、樹脂組成物の固形分全体の0.8〜5.0質量%であることが好ましく、1.0〜2.5質量%であることがより好ましい。リン含有量が、樹脂組成物の固形分全体の0.8質量%未満の場合は、安定した難燃性が得られ難く、5.0質量%を超える場合は、硬化物の特性が悪化する。
ここで、リン含有量とは、樹脂組成物中におけるリン原子の含有量であり、例えば、分子量620の物質にリン原子が1個あり、この物質を50質量%含む配合であれば、2.5質量%のリン成分含有量になる(リン原子の原子量が約31であるから、31/620×0.5=0.0250)。
【0020】
(化学式(1)におけるRで示される有機基)
化学式(1)におけるRで示される有機基は、下記化学式(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)から選択される構造の1種又は2種以上を有し、フェノール性水酸基を2個以上有する。化学式(2)〜(6)における*は、化学式(1)のリン原子に直接結合する部位であることを示す。
【0021】
【化11】

【0022】
【化12】

【0023】
【化13】

【0024】
【化14】

(化学式(5)におけるR1は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜4のアルキル基である。nは芳香環におけるOR2基の数であり、1〜3のいずれかである。また、RAは、フェノール性水酸基を2個以上有する有機基である。)
【0025】
【化15】

(化学式(6)におけるR1は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜4のアルキル基である。nは芳香環におけるOR2基の数であり、1〜3のいずれかである。また、RBは、フェノール性水酸基を2個以上有する有機基である。)
【0026】
また、化学式(1)におけるRで示される有機基は、下記化学式(7)、(8)及び(9)から選択される構造の1種又は2種以上を有し、フェノール性水酸基を2個以上有する有機基とすることができる。化学式(7)〜(9)における*は、化学式(1)のリン原子に直接結合する部位であることを示す。
【0027】
【化16】

【0028】
【化17】

【0029】
【化18】

【0030】
上記化学式(2)で示される構造を有する場合、該リン含有硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物の耐熱性が向上する。また、反応系である溶媒へのリン含有硬化剤の溶解性が向上するため取り扱い性が向上する。
上記化学式(3)で示される構造を有する場合、樹脂との反応性が向上する。
上記化学式(4)で示される構造を有する場合、該リン含有硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物の耐熱性が向上する。
上記化学式(5)〜(9)で示される構造を有する場合、該リン含有硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物の耐熱性が向上する。
特に、上記化学式(2)で示される構造を有する該リン含有硬化剤は、低粘度であるため、取り扱い性に優れ、生産性を向上することができる。
【0031】
(リン含有硬化剤1)
例えば、リン含有硬化剤は、下記化学式(10)で表される構造単位Aと化学式(11)で表される構造単位Bとを有する樹脂とすることができる。
【0032】
【化19】

【0033】
【化20】

【0034】
すなわち、この樹脂は、構造単位Aが複数個連続してなるユニットを有していてもよく、構造単位Bが複数個連続してなるユニットを有していてもよく、構造単位Aと構造単位Bとが交互に連結してなるユニットを有していてもよく、前記三者ユニットが混在した構造を有していてもよい。
上述した構造単位を有するフェノール樹脂をリン含有硬化剤として用いた場合には、エポキシ樹脂組成物の耐熱性が向上する。
【0035】
(リン含有硬化剤2)
(A)リン含有硬化剤は、下記化学式(12)で表される構造単位Cと化学式(13)で表される構造単位Dとを有する樹脂とすることができる。
【0036】
【化21】

【0037】
【化22】

【0038】
すなわち、この樹脂は、構造単位Cが複数個連続してなるユニットを有していてもよく、構造単位Dが複数個連続してなるユニットを有していてもよく、構造単位Cと構造単位Dとが交互に連結してなるユニットを有していてもよく、前記三者ユニットが混在した構造を有していてもよい。
上述した構造単位を有するフェノール樹脂をリン含有硬化剤として用いた場合には、エポキシ樹脂組成物の耐熱性が向上する。
【0039】
(リン含有硬化剤3)
(A)リン含有硬化剤は、下記化学式(14)で表される構造単位Eと化学式(15)で表される構造単位Fとを有する樹脂とすることができる。
【0040】
【化23】

【0041】
【化24】

【0042】
すなわち、この樹脂は、構造単位Eが複数個連続してなるユニットを有していてもよく、構造単位Fが複数個連続してなるユニットを有していてもよく、構造単位Eと構造単位Fとが交互に連結してなるユニットを有していてもよく、前記三者ユニットが混在した構造を有していてもよい。
上述した構造単位を有するフェノール樹脂をリン含有硬化剤として用いた場合には、エポキシ樹脂組成物の耐熱性が向上する。
【0043】
(リン含有硬化剤の製造方法)
化学式(1)で表されるリン含有硬化剤は、化学式(16)で表されるリン化合物に、フェノール性水酸基を有する化合物を反応して得られる。また、場合により、p−アニスアルデヒドを添加してもよい。
【0044】
【化25】

化学式(10)中のXは、H原子又はハロゲン原子である。
【0045】
リン含有硬化剤の製造にかかり使用可能なフェノール性水酸基を有する化合物としては、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのフェノール類又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られる樹脂(ノボラック類)、ポリパラビニルフェノール樹脂、フェノール類とジメトキシパラキシレンから合成されるキシリレン基を有するフェノール・アラルキル樹脂などがあり、単独又は2種類以上併用してもよい。
【0046】
≪硬化促進剤≫
硬化促進剤の種類や配合量は特に制限されるものではなく、例えばイミダゾール系化合物、有機リン系化合物、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が用いられ、2種類以上を併用しても良い。硬化促進剤の配合量も特に制限されるものではないが、主材である樹脂100質量部に対して0.01〜10.0質量部が望ましい。
【0047】
≪カップリング剤≫
樹脂組成物中には、カップリング剤を添加してもよい。カップリング剤を添加することによって、無機充填材の分散性を向上させ、耐薬品性やピール強度に優れる材料を得ることができる。
カップリング剤としては、熱硬化性樹脂組成物に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、1級及び/又は2級及び/又は3級アミノ基を有するシラン化合物、エポキシシラン、メルカプトシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等が挙げられる。
【0048】
<プリプレグの製造方法>
基材に樹脂組成物を含浸させる方法としては特に制限されるものではない。例えば、ウェット方式やドライ方式などで、樹脂組成物ワニスに基材を含浸させる方法、樹脂組成物を基材に塗布する方法などが挙げられる。例えば、ガラスクロスやガラス不織布に前記熱硬化性樹脂組成物を塗布・含浸させ、連続又は非連続的に加熱乾燥してBステージ化することにより、プリプレグを得ることができる。
【0049】
[金属張積層板及び印刷配線板]
上記プリプレグまたはそれを複数枚積層した積層体に、必要に応じてその片面又は両面に金属箔を重ね、加熱加圧成形することにより金属箔張積層板となる。この加熱温度は好ましくは170℃〜240℃であり、圧力は好ましくは1〜8MPaである。
また、この金属張積層板の金属層を配線加工(回路加工)して印刷配線板(回路板)とすることができる。
この金属箔としては8μm〜80μmが一般的であり、この積層体の厚みとしては20μm〜200μmが一般的である。
【0050】
更に、金属箔張積層板または回路パターン形成済みの内層用基板の両面又は片面に、上記プリプレグを介し樹脂面を対向させて積層し、加熱成形して、さらに外層の回路形成を施すことにより、多層プリント配線板を得ることもできる。
【実施例】
【0051】
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[製造例1(ガラスフィラーA)]
SiO2:53質量%、Al23:14質量%、CaO:20質量%、MgO:3質量%、B23:10質量%を含有する無機物を高温溶解させ冷却した後、ボールミルで粉砕、サイクロン分級機で分級を実施し、平均粒径2.0μm、比重2.5g/cm3のガラスフィラー(破砕無機充填物)Aを作製した。
なお、平均粒径は、日機装株式会社製レーザー散乱粒度分布計MT3000を用い水を分散液として測定した。
【0052】
[製造例2(ガラスフィラーB)]
SiO2:62質量%、Al23:18質量%、CaO:8質量%、B23:12質量%を含有する無機物を高温溶解させ冷却した後、ボールミルで粉砕、サイクロン分級機で分級を実施し、平均粒径2.0μm、比重2.4g/cm3のガラスフィラー(破砕無機充填物)Bを作製した。
【0053】
[合成例1(リン系樹脂(硬化剤)1)]
以下に、リン系樹脂(硬化剤)1の合成方法を述べる。
なお、180℃における溶融粘度はASTM D4287に準拠して測定し、軟化点はJIS K7234に準拠して測定した。
温度計、冷却管、分留管、窒素ガス導入管、撹拌機を取り付けたフラスコにフェノールノボラック樹脂192.4g(1.85モル)とp-アニスアルデヒド68.0g(0.50モル)と9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(以下HCAと略)108.0g(0.50モル)を仕込み、180℃まで昇温し180℃で8時間反応させた。
ついで、水を加熱減圧下に除去し、下記化学式(10)で表される構造単位と下記化学式(11)で表される構造単位とを有するフェノール樹脂(リン系樹脂(硬化剤))1を355g得た。得られたフェノール樹脂(リン系樹脂(硬化剤))1の軟化点は125℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:180℃)は13dPa・s、水酸基当量は190g/eq、リン含有量4.2質量%であった。
【0054】
【化26】

【0055】
【化27】

【0056】
[合成例2(リン系樹脂(硬化剤)2)]
合成例1において、フェノールノボラック樹脂の代わりにビスフェノールAノボラック樹脂330.4g(2.80モル)に変えた以外は合成例1と同様にして、下記化学式(12)で表される構造単位と下記化学式(13)で表される構造単位とを有するフェノール樹脂(リン系樹脂(硬化剤))2を490g得た。このフェノール樹脂(リン系樹脂(硬化剤))2の軟化点は139℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:180℃)は65dPa・s、水酸基当量は232g/eq、リン含有量3.1質量%であった。
【0057】
【化28】

【0058】
【化29】

【0059】
[合成例3(リン系樹脂(硬化剤)3)]
合成例1において、フェノールノボラック樹脂の代わりにフェノールアラルキル樹脂392.9g(2.35モル)に変えた以外は合成例1と同様にして、下記化学式(14)で表される構造単位と下記化学式(15)で表される構造単位とを有するフェノール樹脂(リン系樹脂(硬化剤))3を550g得た。得られたフェノール樹脂(リン系樹脂(硬化剤))3の軟化点は102℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は2.5dPa・s、水酸基当量は232g/eq、rinn含有量2.7質量%であった。
【0060】
【化30】

【0061】
【化31】

【0062】
[実施例1]
撹拌装置、コンデンサ、及び温度計を備えたガラスフラスコに、エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:178、三菱化学株式会社製、エピコート154)25.0質量部、及び臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量:475、三菱化学株式会社製、エピコート5046)75.0質量部を添加し、硬化剤(フェノール樹脂)としてフェノールノボラック樹脂(日立化成工業株式会社製、HP−1100)31.3質量部を添加し、充填材(1)として水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、CL−303、平均粒径4.1μm)30.0質量部を添加し、充填材(2)としてガラスフィラーA30.0質量部を添加し、硬化促進剤として2E4MZ(四国化成株式会社製)0.1質量部を添加した混合物を、ワニス温度40℃でMEK(メチルエチルケトン)に溶解、希釈し、1時間室温にて撹拌を行い、固形分60質量%の樹脂組成物ワニスになるようにMEKで調整した。
このワニスを厚さ約100μmのガラス布(スタイル2116、Eガラス)に含浸後、150℃で5分乾燥して樹脂分50質量%のプリプレグを得た。このプリプレグを16枚重ね、その両側に12μmの銅箔を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で加熱加圧し、厚さ約1.6mmの銅張積層板を作製した。
【0063】
[実施例2]
エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:178、三菱化学株式会社製、エピコート154)15.0質量部、テトラキスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200、三菱化学株式会社製、エピコート1031S)3.0質量部、及び臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量:475、三菱化学株式会社製、エピコート5046)82.0質量部を用い、硬化剤(フェノール樹脂)としてフェノールノボラック樹脂(日立化成工業株式会社製、HP−1100)28.6質量部を用い、充填材(1)として水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、CL−303)43.0質量部を用い、充填材(2)としてガラスフィラーA43.0質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてプリプレグと銅張積層板を得た。
【0064】
[実施例3]
エポキシ樹脂としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:178、三菱化学株式会社製、エピコート154)100.0質量部を用い、硬化剤(フェノール樹脂)としてフェノールノボラック樹脂(日立化成工業株式会社製、HP−1100)59.0質量部を用い、充填材(1)として水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、CL−303)79.0質量部を用い、充填材(2)としてガラスフィラーA79.0質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてプリプレグと銅張積層板を得た。
【0065】
[実施例4]
エポキシ樹脂としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:178、三菱化学株式会社製、エピコート154)80.0質量部、及びテトラキスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200、三菱化学株式会社製、エピコート1031S)20.0質量部を用い、硬化剤(フェノール樹脂)としてフェノールノボラック樹脂(日立化成工業株式会社製、HP−1100)53.0質量部を用い、リン系樹脂(硬化剤)としてリンフェノール樹脂(ダウケミカルカンパニー、XZ−92741)33.5質量部を用い、充填材(1)として水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、CL−303)60.0質量部を用い、充填材(2)としてガラスフィラーB60.0質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてプリプレグと銅張積層板を得た。
【0066】
[実施例5]
充填材(2)としてガラスフィラーB40.0質量部を用いた以外は実施例4と同様にプリプレグと銅張積層板を得た。
【0067】
[実施例6]
エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:178、三菱化学株式会社製、エピコート154)80.0質量部、及びビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210、三菱化学株式会社製、エピコート157)20.0質量部を用い、硬化剤(フェノール樹脂)を省略し、リン系樹脂(硬化剤)として上記合成例1で合成した樹脂103.5質量部を用い、充填材(1)として水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、CL−303)45.0質量部を用い、充填材(2)としてガラスフィラーA45.0質量部を用いた以外は実施例1と同様にプリプレグと銅張積層板を得た。
【0068】
[実施例7]
エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:178、三菱化学株式会社製、エピコート154)50.0質量部、及びビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210、三菱化学株式会社製、エピコート157)50.0質量部を用い、硬化剤(フェノール樹脂)を省略し、リン系樹脂(硬化剤)として上記合成例2で合成した樹脂119.0質量部を用い、充填材(1)として水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、CL−303)60.0質量部を用い、充填材(2)としてガラスフィラーA90.0質量部を用いた以外は実施例1と同様にプリプレグと銅張積層板を得た。
【0069】
[実施例8]
エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:178、三菱化学株式会社製、エピコート154)30.0質量部、及びビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:210、三菱化学株式会社製、エピコート157)70.0質量部を用い、硬化剤(フェノール樹脂)を省略し、リン系樹脂(硬化剤)として上記合成例3で合成した樹脂100.0質量部を用い、充填材(1)として水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、CL−303)120.0質量部を用い、充填材(2)としてガラスフィラーB80.0質量部を用いた以外は実施例1と同様にプリプレグと銅張積層板を得た。
【0070】
[比較例1]
充填材(2)に代えて、充填材(3)としてシリカ(株式会社アドマテックス製、SO−25R、アモルファスシリカパウダー、平均粒径0.5μm)30質量部を用いた以外は実施例1と同様にプリプレグと銅張積層板を得た。
【0071】
[比較例2]
充填材(1)に代えて、充填材(3)としてシリカ(株式会社アドマテックス製、SO−25R、アモルファスシリカパウダー、平均粒径0.5μm)43質量部を用いた以外は実施例2と同様にプリプレグと銅張積層板を得た。
【0072】
[比較例3]
充填材(1)及び充填材(2)を添加しない以外は実施例2と同様にプリプレグと銅張積層板を得た。
表1及び表2は、実施例1〜8及び比較例1〜3で用いた主な成分をまとめたものである。
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
[評価]
実施例1〜8及び比較例1〜3で作製した銅張積層板の外層銅箔を全面エッチングしたものを試料とし、以下の評価を行った。その結果を表3に示す。
(1)外観評価
上記試料の表面に樹脂の流動からなるスジが発生しないものを「良好」とした。また、スジが発生したものを「スジ」とし、発生場所を特定した。
(2)熱膨張係数
上記試料について、TMA2940(株式会社TAインスツルメント製)を用いて圧縮法により面方向及び厚み方向の熱膨張率を50〜120℃の範囲で測定した。
(3)ドリル加工性
上記試料について、ドリル径0.2mm、回転数300krpm、送り速度2.1m/min、重ね枚数2枚、エントリーボード150μmアルミ板にて、20,000穴の穴明け加工を実施し、ドリルの刃先磨耗量を測定した。なお、ドリルはユニオンツール社製の製品番号:MD E747Sを用いた。
【0076】
【表3】

【0077】
[結果]
実施例の銅張積層板は、基材外観に優れ、熱膨張係数が小さく、ドリル加工性(寿命)に優れることが判明した。
これに対し、充填材(2)に代えて平均粒径の小さいシリカ(平均粒径0.5μm)を用いた比較例1では、シリカと水酸化アルミニウムの流動性の不均一性から基板表面端部に樹脂の流動からなるスジが発生し、基板外観が悪化した。
また、充填材(2)と共に平均粒径の小さいシリカ(平均粒径0.5μm)を用いた比較例2は、ドリル加工性に劣っていた。
充填材を含有しない比較例3は、熱膨張係数が高かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に樹脂組成物を含浸させてなるプリプレグにおいて、
前記樹脂組成物が、平均粒径2.5〜4.5μmの水酸化アルミニウムと、平均粒径1.0〜3.0μm、比重2.3〜2.6g/cm3かつSiO2の含有量が50〜65質量%のガラスフィラーとを含んでおり、
前記樹脂組成物の固形分総量中における前記水酸化アルミニウムと前記ガラスフィラーの配合量の合計が30〜50質量%であるプリプレグ。
【請求項2】
前記樹脂組成物が1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有する非ハロゲン化エポキシ化合物を有する請求項1に記載のプリプレグ。
【請求項3】
前記樹脂組成物が下記化学式(1)で示されるリン含有硬化剤を含む請求項1又は2に記載のプリプレグ。
【化1】

(ただし、Rはフェノール性水酸基を2個以上有しかつ分子量が180以上である有機基である。)
【請求項4】
前記化学式(1)におけるRで示される有機基が、下記化学式(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)から選択される構造の1種又は2種以上を有し、フェノール性水酸基を2個以上有する請求項3に記載のプリプレグ。
(化学式(2)〜(6)における*は、化学式(1)のリン原子に直接結合する部位であることを示す。)
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

(化学式(5)におけるR1は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜4のアルキル基である。nは芳香環におけるOR2基の数であり、1〜3のいずれかである。また、RAは、フェノール性水酸基を2個以上有する有機基である。)
【化6】

(化学式(6)におけるR1は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜4のアルキル基である。nは芳香環におけるOR2基の数であり、1〜3のいずれかである。また、RBは、フェノール性水酸基を2個以上有する有機基である。)
【請求項5】
化学式(1)におけるRで示される有機基が、下記化学式(7)、(8)及び(9)から選択される構造の1種又は2種以上を有し、フェノール性水酸基を2個以上有する請求項4に記載のプリプレグ。
(化学式(7)〜(9)における*は、化学式(1)のリン原子に直接結合する部位であることを示す。)
【化7】

【化8】

【化9】

【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のプリプレグを一枚又は複数枚重ね、その両面又は片面に金属箔を配し、加熱加圧して成る金属張積層板。
【請求項7】
請求項6に記載の金属張積層板の金属層を配線加工して成る印刷配線板。

【公開番号】特開2012−12591(P2012−12591A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122806(P2011−122806)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】