説明

プロセスカートリッジおよびプロセスカートリッジを備えた画像形成装置

【課題】クリーニング部材を第1側板の当接部および第2側板の当接部に当接させて固定したときの、クリーニング部材のねじれを抑制することができるプロセスカートリッジおよびプロセスカートリッジを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体10の一端を支持し、クリーニング部材たるクリーニングブレード22の保持板21と当接する当接部たる第1当接面221を備えた第1側板220と、感光体10の他端を支持し、クリーニングブレード22の保持板21と当接する第2当接面251を備えた第2側板250とを、一体物で形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンターなどの画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおよびプロセスカートリッジを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
像担持体たる感光体と画像形成に必要なプロセスを行う、例えば、帯電手段、現像手段、クリーニング部材等のプロセス手段を一体的に支持し、画像形成装置本体に対して着脱可能にしたプロセスカートリッジが知られている。プロセスカートリッジを用いることで、各プロセス手段の修理が必要になったときや、寿命を迎えたときに、プロセスカートリッジそのものを交換することで、画像形成装置を継続使用することができるようになった。また、交換作業のみでよいため、サービスマンがユーザのもとにてかかる作業時間を短縮することができ、場合によってはサービスマンが出向かなくともユーザーが容易に交換することができるようになった。
【0003】
この画像形成装置で、高品位の画像を形成するためには、プロセスカートリッジを構成するいずれのプロセス手段も精度良く組み立てなければならない。とくに、クリーニング部材であるクリーニングブレードを感光体に精度良く当接させないと、以下のような不具合が生じる。すなわち、当接圧、当接角度等の当接条件が長手方向で異なってしまいクリーニング不良が生じてしまう。クリーニング不良が生じると、画像の黒ベタ部又はハーフトーン部に白い斑点が生じたり、ぼそついて粒状性が粗くなったりする異常画像が発生する。
【0004】
特許文献1には、像担持体たる感光体とクリーニング部材たるクリーニングブレードとを枠体に保持したプロセスカートリッジが記載されている。この特許文献1のプロセスカートリッジは、感光体の一端を支持して位置決めする第1側板と、他端を支持して位置決めする第2側板とを備えている。第1側板及び第2側板には、クリーニングブレードの弾性部材を保持する保持板の一方の面と密着して、クリーニングブレードを位置決めする当接部たる当接面が設けられている。この当接面は、クリーニングブレードが感光体に対して所定の当接角度、当接圧で当接できるように形成してある。この当接面に上記一方の面が密着するようにしてクリーニングブレードの保持板を取り付ける。これにより、精度良くクリーニングブレードを感光体に当接させることができる。
【0005】
図21は、特許文献1のプロセスカートリッジの分解斜視図である。図に示すように、特許文献1のプロセスカートリッジは、図中手前側の第1側板811と、長手方向に延びる補強部813と、図中奥側の感光体仮置き部814を有する奥側側板815とからなる枠体810を有している。感光体820の手前側の回転軸821を枠体810の第1側板811の軸受部816に挿入し、奥側の回転軸821を奥側側板815の仮置き部814に仮置きする。次に、第2側板830の軸受部832に感光体820の奥側の回転軸822を挿入するとともに、第2側板830を枠体810の奥側側板815に固定する。そして、第1側板811の当接面812と、第2側板830の当接面831に、クリーニングブレード840の保持板841を当接させて、固定することで、プロセスカートリッジが組み立てられる。
【0006】
【特許文献1】特開2005−284219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図に示すように、特許文献1のプロセスカートリッジにおいては、感光体820及びクリーニングブレード841を位置決めする第1側板811と第2側板830とが別体で構成されている。このため、第2側板830と枠体810との間で組付け誤差が生じる場合がある。その結果、第2側板830の当接面831と第1側板811の当接面812とが平行でなくなるおそれがある。第1側板811の当接面812と第2側板830の当接面831とが平行でない状態でクリーニングブレード840を第1側板811の当接面812と第2側板830の当接面831とに当接させて固定すると、クリーニングブレード840がねじれた状態で固定されてしまう。クリーニングブレード840がねじれた状態で固定されてしまうと、クリーニングブレード840の長手方向で感光体820との当接圧、当接角度等の当接条件が異なってしまう。より具体的に説明すると、クリーニングブレード840の第1側板付近と、第2側板付近は、それぞれ当接面812、831に当接して位置決めされているので、所定の当接条件で感光体820と当接している。ところが、クリーニングブレード840の中央部分は、クリーニングブレード840のねじれにより、所定の当接条件で感光体820と当接することができない。その結果、長手方向で精度良くクリーニングブレード840を感光体820に当接させることができず、クリーニング不良が生じるのである。
【0008】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、クリーニング部材を第1側板の当接部および第2側板の当接部に当接させて固定したときの、クリーニング部材のねじれを抑制することができるプロセスカートリッジおよびプロセスカートリッジを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング部材とを枠体内に備え、画像形成装置に対して着脱可能に構成したプロセスカートリッジにおいて、該像担持体の一端を支持する第1側板と、該像担持体の他端を支持する第2側板とを備え、該第1側板および該第2側板は、該クリーニング部材と当接して該クリーニング部材を該像担持体に対して位置決めする当接部を有し、一体物で該第1側板と該第2側板とを形成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項11のプロセスカートリッジにおいて、上記クリーニング部材は、上記像担持体の長手方向に平行に延びて該像担持体と当接するように配置されるクリーニングブレードであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のプロセスカートリッジにおいて、上記クリーニングブレードは、弾性体と該弾性体を保持する保持部材とで構成されており、該保持部材の一方の面が上記当接部と当接するものであって、該弾性部材は、該保持部材の該当接部と当接する面側に固着されていることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のプロセスカートリッジにおいて、上記クリーニングブレードが除去した転写残トナーを収容する収容部を備え、該収容部を上記保持板に取り付けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1または2のプロセスカートリッジにおいて、上記第1側板および第2側板は、上記像担持体を回転自在に支持する軸受を備えるえるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5のプロセスカートリッジにおいて、上記当接部を上記軸受の近傍に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかのプロセスカートリッジにおいて、上記像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7のプロセスカートリッジにおいて、潤滑剤を収容する潤滑剤収容部を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項7または8のプロセスカートリッジにおいて、上記像担持体に塗布された潤滑剤を薄層化する薄層化手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9のプロセスカートリッジにおいて、上記薄層化手段を、上記像担持体の長手方向に平行に延びて該像担持体と当接するように配置されるエラストマー製のブレードとしたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10のプロセスカートリッジにおいて、上記薄層化手段と上記クリーニング部材とをそれぞれ個別にプロセスカートリッジに対して取り付け/取り外し可能に構成し、プロセスカートリッジを組み立てる際は、上記像担持体を組付けてから、少なくとも該薄層化手段および該クリーニング部材のいずれか一方を組付けるよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかのプロセスカートリッジにおいて、上記像担持体を帯電する帯電手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12いずれかのプロセスカートリッジにおいて、上記帯電手段に対して直流に交流を重畳した電圧を印加することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1乃至13いずれかのプロセスカートリッジを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14の画像形成装置において、トナー像形成のために用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項14または15の画像形成装置において、上記トナーは形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項14乃至16いずれかの画像形成装置において、上記トナーは、ガラス転移温度が45〜65℃、流出開始温度が90〜115℃の範囲にあることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項14乃至17のいずれかの画像形成装置において、上記トナーは、トナー母体粒子表面に平均一次粒径が50〜500nmで、嵩密度が0.3g/cm3以上の微粒子を外添加して得られるトナーであることを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項14乃至18いずれかの画像形成装置において、上記トナーは少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステルと、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1乃至19の発明によれば、一体物で第1側板および第2側板とを形成したので、第2側板の組付け誤差が生じることがない。その結果、クリーニング部材を第1側板の当接部および第2側板の当接部に当接させて固定したときの、クリーニング部材のねじれを抑制することができる。従って、像担持体とクリーニング部材との当接圧や当接角度などの当接条件が、長手方向で異なることが抑制される。よって、長手方向で精度良くクリーニング部材を感光体に当接させることができ、クリーニング不良を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真複写機(以下、単に「複写機」という。)に適用した一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、いわゆるタンデム型の中間転写方式を採用した電子写真式の複写機を例に挙げて説明するが、これに限られるものではない。
【0012】
まず、本実施形態1に係る複写機全体の構成について図1および図2に基づき説明する。図1は、本実施形態に係る複写機の概略構成図であり、図2は、プロセスカートリッジの概略構成図である。
図1に示するように画像形成装置100は、本体内に並列された4個のプロセスカートリッジ200(Y、C、M、K)、無端状の中間転写ベルト62、2次転写ローラ65、プロセスカートリッジにトナーを供給する各色のトナーボトル59などを備えている。なお、プロセスカートリッジ200は、像担持体10、クリーニング部材であるクリーニングモジュール20、帯電手段である帯電モジュール30、現像手段である現像モジュール50などを備える。なお、クリーニング部材、帯電手段、現像手段などの各プロセス手段の詳細については、後述する。
【0013】
中間転写ベルト62は、各像担持体である感光体10の上方に位置し、中間転写ベルト62の下側の走行辺が各感光体10の周面に当接している。中間転写ベルト62は、各感光体10の表面にそれぞれ形成された互いに異なる色のトナー像が重ねて転写される転写材の一例を構成するものである。各感光体10上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト62に転写する構成は、そのトナー像の色が異なるだけで、実質的に全て同一である。感光体10は図2における時計方向に回転駆動され、このとき帯電電圧を印加された帯電手段である帯電モジュール30によって感光体10が所定の極性に帯電される。帯電後の感光体10には、図1に示した光書き込み装置40から出射する光変調されたレーザビームLが照射され、これによって感光体10に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段である現像モジュール50によって各色のトナー像として可視像化される。
【0014】
中間転写ベルト62を挟んで、感光体10と反対側に一次転写ローラ61が配置され、この一次転写ローラ61に転写電圧が印加されることにより、感光体10上のトナー像が、回転する中間転写ベルト62上に一次転写される。トナー像転写後の感光体10上に付着する転写残トナーはクリーニング部材であるクリーニングモジュール20によって除去される。クリーニング部材の下流側には感光体10上に潤滑剤を塗布し、感光体10表面の磨耗を低減し、クリーニング性を上げる潤滑剤の塗布手段たるブラシローラ70を備える。
【0015】
図1に示すように、画像形成装置本100体内の下部には、例えば転写紙より成る記録媒体を収容した給紙カセットを有する給紙装置130が配置され、所定のタイミングで中間転写ベルト62の部分と、これに対置された二次転写ローラ65との間に給送される。このとき、二次転写ローラ65には図示しない電源から所定の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト62上の合成トナー像が記録媒体に二次転写される。
【0016】
合成トナー像を二次転写された記録媒体はさらに上方に搬送されて定着装置90を通り、このとき記録媒体上のトナー像が熱と圧力の作用により定着される。定着装置90を通過した記録媒体は、排紙ローラ対によって、画像形成装置本体100の上部の排紙部に排出される。
【0017】
本実施形態では、クリーニング部材、帯電手段、現像手段などの各プロセス手段をそれぞれモジュール化し、プロセスカートリッジを画像形成装置本体から取り外した状態において各プロセスモジュールをモジュール単位で交換できるようにしている。よって、まだ使えるプロセス手段をプロセスカートリッジの寿命と共に廃棄することによる資源の無駄を防げる。本実施形態によると、ユーザー又はサービスマンはプロセスカートリッジ単位で交換することも、プロセスモジュール単位で交換することもでき、非常に使い勝手がよい。
【0018】
本実施形態では、図2に示すように、プロセスカートリッジ200は、枠体210に、少なくとも像担持体である感光体10とクリーニング部材たるクリーニングモジュール20とを備えている。クリーニングモジュール20は、クリーニングブレード22、入り口シール23、転写残トナー収容部26などと一緒に一体的にされ、クリーニングブレード22は、後述する保持板21と弾性部材とで構成されている。
【0019】
図3は、プロセスカートリッジの枠体210の概略構成図である。この枠体210は、図示手前側の側板220(第1側板)から奥側の側板250(第2側板)まで感光体10の長手方向に一体的に設けられている。また、枠体210は、帯電モジュール30が取り付けられる位置決め板211、およびブラシローラ70と潤滑剤を収容する潤滑剤収容部270を有している。第1側板220は、図4に示すように感光体10のフランジ13から突出した感光体10の回転軸14を軸支するための軸受が取り付けられる軸受部244、現像モジュール50を装着するガイド溝223、現像モジュール50を固定する固定穴225、226が設けられている。また、この第1側板220は、後述するクリーニングブレード22の保持板21と当接する当接部としての第1当接面221が設けられている。第2側板250は、第1側板同様、図4に示す感光体10のフランジ15から突出した感光体10の回転軸14を軸支するための軸受が取り付けられる軸受部254、後述するクリーニングブレード22の保持板21と当接する第2当接面251が設けられている。また、第2側板250は、現像モジュール50の取り付けをガイドするガイド溝255を有している。
上述した第1側板220の第1当接面221と、第2側板250の第2当接面251とにより、クリーニングブレード22の感光体10への当接角度が決定される。また、図示してないが、第1当接面221および第2当接面251には、位置決め用の棒状の突起が設けられている。この突起に後述するクリーニングブレード22の保持板21の両端に設けらた穴部が差し込まれることでクリーニングブレードが位置決めされる。また、第1当接面221には、図示しないネジ穴が設けられている。
【0020】
また、軸受部244、254と当接面221、251とをできるだけ近接させるように設けるのが好ましい。これにより、感光体の軸14に対する当接面の位置精度が、軸受部と当接面とを離して設けてものに比べて高めることができる。当接面は、感光体の軸の中心を基準にして形成されるが、例えば、1°誤差が生じた場合、感光体の軸の中心から離れた位置よりも、感光体の軸の中心に近い位置のほうが変動が少なくなる。よって、軸受部に近い、即ち感光体の軸中心になるべく近接させて当接面を設けることで、感光体の軸に対する位置精度を高めることができるのである。このように、当接面の感光体の軸に対する位置精度を高めることで、クリーニングブレードを感光体に精度良く当接させることができる。
【0021】
また、本実施形態においては、第1側板220、第2側板250が、一体物で形成されている。すなわち、本実施形態の枠体は、モールド成形で第1側板220および第2側板250が一体物として形成されるのである。これにより、側板と枠体とを別体に設けたもののように組付け誤差が生じることがない。その結果、組付け誤差により、クリーニングブレード22の感光体との当接状態が長手方向で変動することがなくなり、クリーニングブレード22を感光体に精度良く当接させることができる。
【0022】
次に、このプロセスカートリッジ200に配置される感光体10について詳細に説明する。先の図4に示したように、円筒状の像担持体である感光体10は、円筒内部の両端にフランジ13、15が設けられ、両フランジを貫通する回転軸14が設けられている。
【0023】
図5は、感光体の感光層の構造を示す概略図である。感光体10は、図5に示すように、円筒状のアルミニウム基体11上に感光層12を設ける。感光体10の基体11は、例えば、アルミニウム、銅、鉄等の金属又はこれらの合金を押し出し、引き抜きなどの加工して円筒状の素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した円筒状ドラムに形成されている。感光層12の構造は、電荷発生物質を主成分とする層である電荷発生層121と発生した電荷を感光体表面又は基体11に輸送する電荷輸送層122で構成される。電荷発生層121は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。電荷発生層121には、公知の電荷発生材料を使用することが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。中でもアゾ顔料及び/又はフタロシアニン顔料が有効に用いられる。
【0024】
また、電荷輸送層122は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレンを挙げることができる。また、感光層12を保護するために、保護層123が感光層12の上に設けられることもある。保護層123にはその他、耐摩耗性を向上する目的でフィラーを添加することもできる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。
【0025】
次に、このプロセスカートリッジ200に配置されるクリーニングモジュール20について詳細に説明する。図6(A)は外観斜視図であり、(B)は断面図である。
図6に示すように、クリーニングモジュール20は、弾性部材24とこれを保持する保持板21とからなるクリーニングブレード22、回収された転写残トナーを収納する転写残トナー収容部26、感光体から回収した転写残トナーが飛散しないよう転写残トナー収容部26内をシールする入り口シール23を有している。また、転写残トナー収容部26内に回収されたトナーを画像形成装置100本体内まで搬送する搬送オーガ25が設けられている。なお、転写残トナー収容部26は、長手方向の略中間位置において、ネジ27により保持板21に固定されている。
【0026】
保持板21の両側には、当接面221、251に設けられる位置決め用の棒状の突起に対応する穴部281が設けられており、この穴部281に当接面221、251の突起を挿入することで、クリーニングブレード22の位置決めがなされる。また、保持板281の図中手前側端部には、固定ネジ用の穴282が設けられており、このネジ穴282と第1当接面220のネジ穴とにネジをねじ込み、枠体の第1側板220にクリーニングモージュール20が固定される。一方、第2側板250とクリーニングモジュール20との固定は、穴部281上記棒状の突起に挿入したのち棒状突起にEリング等を嵌むことで、行われる。
【0027】
図7は、クリーニングブレード22の配置状態を模式的に示す概略図である。図の(A)は、保持板21の感光体と対向する面と同一の面に弾性部材24を設けたものである。図の(B)は、保持板21の感光体と対向する面と反対側の面に弾性部材を設けたものである。弾性部材は、図の(A)のように設けても良いし、図の(B)に設けても良いが、図の(A)のように設ける方が好ましい。図の(A)に示すように弾性部材を設けることで、保持板21の厚さの変動を無視することができる。よって、クリーニングブレード11を精度良く感光体2へ当接させることができる。
【0028】
また、弾性部材24の材質は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等を含むエラストマーを用いる。特に、ウレタンエラストマーが、耐摩耗性、耐オゾン性、耐汚染性の観点から好ましい。また、保持板21は、弾性部材24を感光体上に圧接させることによる撓りを抑えて精度良く当接させるため、その断面はL字形状とされている。また、保持板21の材質は、厚み2.0mmのSUS鋼板によりなり、強度を持たせている。なお、保持板21は、鉄板、アルミニウム板、リン青銅等の銅板を用いてもよい。また、弾性部材23の保持板21への固着は、保持部21に接着剤を塗布し貼り合わせ加熱又は加圧して接着している。しかしながら、両面テープや接着剤による固定なども便宜採用できる。
【0029】
図8は、クリーニングブレード22の当接条件を示す概略図である。本実施形態のクリーニングブレード22の当接方式は、感光体の回転方向に対してブレード状の弾性部材24をカウンターに当接するカウンター方式を採用するが、回転方向に対して弾性部材24を順方向に当接するトレーリング方式であってもよい。トレーリング方式よりも感光体10に対するクリーニング性が高いカウンター方式の方が好ましい。
また、弾性部材24は、硬度(JIS―A)が、60〜85°の範囲が好ましい。硬度が60°未満では弾性部材24の変形が大きくトナー等のクリーニングが困難になり、硬度が85°を越えると感光体10との摩耗が大きくなり、画像形成装置の寿命を短くする。さらに、クリーニングブレード22の当接条件のうち当接圧は、9.8〜58.8[N/m](10〜60[gf/cm])の範囲にあることが好ましい。当接圧が9.8[N/m](10[gf/cm])未満では粒径が2[μm]未満のトナーのクリーニングが困難であり、58.8[N/m](60[gf/cm])を越えると弾性部材24の先端がめくれたりやバウンディングが生じやすくなり、ビビリ等のクリーニング不良が生じやすくなって、クリーニング性が低下する。弾性部材24の弾性率は4.5〜10[MPa]、弾性部材24の自由長は5〜12[mm]、弾性部材24の厚さは1〜2[mm]、当接角度は5〜25°、食い込み量は0.1〜2.0[mm]が好ましい。クリーニングブレード22の当接角度は、当接位置の接線から5〜25°以下の範囲になることが好ましい。当接角度が5°未満ではトナーのすり抜けによるクリーニング不良が発生しやすく、25°を越えるとクリーニング時にブレードまくれが生じることがある。弾性部材24の感光体10への食い込み量は、0.1〜2.0[mm]の範囲にあることが好ましい。0.1[mm]未満では、弾性部材24と感光体10の接触する面積が小さく、トナーがすり抜けるクリーニング不良が生じ、2.0[mm]を越えると感光体10との摩擦力が大きくなりブレードめくれやバウンディングが生じやすくなる。また、ブレードの振動による鳴き、ビビリ等のクリーニング不良が生ずる。
【0030】
本実施形態では、保持板21の両端を保持する当接部を面として形成された当接面221、251としているが、この構成に限られず、クリーニングブレードの感光体10への当接状態を決定できるものであれば当接部の形状は特に限定されない。
【0031】
次に、このプロセスカートリッジ200に配置される現像モジュール50について、図2および図9を用いて詳細に説明する。図9は、現像モジュール50を示す概略斜視図である。
先の図2に示すように、現像モジュール50内には、感光体10に近接するように配置されている現像剤担持体である現像スリーブ51が設けられている。また、プロセスカートリッジ200の外部に設けられたトナーボトルおよび供給手段から現像剤が収納されている現像モジュール50にトナーを補給する図示しない補給口、補給されたトナーを磁性キャリアと混合・攪拌する混合スクリュー53、54も設けらている。また、現像スリ−ブ51に供給された現像剤の量を規制する規制部材55も設けられている。また、図9に示すように、現像モジュール50は、現像スリーブ51を回転させる回転軸511、プロセスカートリッジ200に装着するときの位置決めのために現像モジュール本体の上下に突起状に設けたガイド521、522を設けている。また、搬送時における現像剤を外部への漏洩を防止する仕切板561、仕切板561によって仕切って現像剤を収納する現像剤収納部56も設けている。現像剤を収納する現像剤収納部56に設けた仕切板561で封止することで搬送時における現像剤の漏洩を防止し、最初の使用時に、この仕切板561を引いてはずすことで、開封されて、現像剤収納部56から混合・攪拌スクリュー53へ現像剤を供給する。
【0032】
現像スリーブ51は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に形成されたもので、現像スリーブ51が回転駆動機構によって回転することで、内部に設けられた磁極によって現像剤が搬送されるようになっている。現像剤の搬送方向における現像領域の上流側部分に配置されている規制部材55によって、現像剤チェーン穂の穂高さ、即ち、現像スリーブ51上の現像剤量を規制する。
なお、現像剤は、磁性キャリアとトナーによる二成分現像剤の他、磁性一成分現像剤、非磁性一成分現像剤を適宜選択して使用することができ、この場合、現像スリーブの仕様は変えることで対応することができる。
【0033】
次に、このプロセスカートリッジ200に配置される帯電モジュール30について、詳細に説明する。図10は、帯電モジュール30の外観斜視図であり、図11は外観側面図である。
帯電モジュール30は、図10及び図11に示すように、感光体10に対向して配設される帯電部材たる帯電ローラ31、帯電ローラ31の端部に固定される図示しないギア、帯電ローラ31が振動するのを防止するバネ材32を有している。また、帯電ローラ31の汚れを除去する帯電クリーニング手段たる帯電クリーニングローラ33、クリーニングローラ33の軸受37、帯電クリーニングローラ33を帯電ローラ31に当接するよう押圧するバネ材38も有している。また、帯電ローラ31の端部に付けられ、帯電ローラ31を帯電モジュール30のケースに支持する支持部材35、感光体10の非画像形成領域に当接し、帯電ローラ31と感光体10との間に所定のギャップを形成するスペーサ34も有している。帯電ローラ31のギアは後述の駆動機構により回転駆動され、帯電クリーニングローラ33はメラミンフォームなどの樹脂発泡体からなり、帯電ローラ31に連れ回るよう、回転自在に軸支されている。支持部材35は、バネ材32により、感光体のドラム軸に向かう方向へ押圧され、ケースに形成された規制部により移動を規制される。この構成により、帯電モジュール30のプロセスカートリッジ200への装着時、帯電ローラ31は、スペーサ34によって感光体10と適切な距離を保つ。また、帯電モジュール30の取り外し時には、帯電モジュール30自体での取り扱いを可能とする。また、帯電部材31は、駆動機構により駆動させるようにしたが、感光体10の駆動によって従動するよう構成してもよい。ただし、高速、高画質を要求される機械では、帯電部材31を、駆動機構により駆動させる方が好ましい。本実施形態では、帯電部材をローラ状としているが、これに限らず、適宜な形状に構成できる。また、本実施形態では、帯電クリーニング手段をローラ状としているが、ブラシ状やブレード状としても良い。
【0034】
帯電ローラ31は、感光体に対してギャップをもたせて配置するので、帯電ローラを感光体に接触させるものよりも帯電ローラの汚れに対して余裕がある。また、帯電クリーニングローラ33を設け、帯電ローラ31の表面をクリーニングするので、帯電ローラ表面に汚れが付着するのを抑制することができる。よって、帯電ローラの汚れの付着によって、汚れの付着した部分の帯電能力が落ち、感光体を狙いの電位に帯電させることが出来なくなるのを抑制することができる。よって、帯電不良を抑制でき、異常画像の発生を抑制することができる。
【0035】
図12は、帯電ローラ31の構造を示す概略図である。この帯電ローラ31は、中心に金属製芯金による軸部311、その外側に中抵抗層313と最外層に表面層314とを有する本体部312からなる構造をしている。軸部311は、例えば、直径が8〜20[mm]のステンレス、アルミニウムの高い剛性と導電性を有している金属製又は1×10[Ω・cm]以下、好ましくは1×102[Ω・cm]以下で高い剛性を有する導電性の樹脂等で構成される。中抵抗層313は、1×10[Ω・cm]〜1×10[Ω・cm]の体積抵抗率で、1〜2[mm]程度の厚さにすることが好ましい。表面層314は、1×10[Ω・cm]〜1×1012[Ω・cm]の体積抵抗率で、10[μm]程度の厚さが好ましい。表面層314の体積抵抗率は、中抵抗層313の電気抵抗率より高くすることが好ましい。ここで、本体部312は、中抵抗層313と表面層31との2層構造で示したが、特にこの構造に限定されるものではなく、単層でも3層であっても良い。
【0036】
上記帯電ローラ31には、直流に交流を重畳した電圧を印加している。直流に交流を重畳する場合には、直流のみに比べて高画質をえることができる反面、感光体のフィルミングという問題に注意が必要となる。また、帯電ローラ31を感光体10に接触される接触式の場合、交流を定電流制御することによって、表面電位に対して環境の変化による帯電ローラの抵抗値変動の影響を受けないという利点を得ることができる。しかし、高圧電源のコストが高くなるし、交流高周波の音が問題としてある。また、帯電ローラ31を感光体10に対して非接触にする非接触式の場合は、表面電位に対して環境の変化による帯電ローラの抵抗値変動の影響をまともに受けるために、環境変化に対して、何らかの印可電圧の補正手段が必要となる。また、交流を定電流制御すると、感光体と帯電ローラのギャップ変動の影響で、画像にむらが出てしまうために、直流のみを印加した場合と同様に、印加電圧を補正する手段が必要となる。補正の方法としては、帯電ローラ近傍の温度を検知し、印可電圧を切り替える手段と、感光体上の地汚れを定期的に検知し、印可電圧を切り替える手段とがある。これらの方法を取ることによって、感光体表面を約−500V〜−700V程度に帯電させる。
【0037】
次に、このプロセスカートリッジ200に配置される塗布手段たるブラシローラ70と潤滑剤収容部270と、像担持体に塗布された潤滑剤を薄層化する薄層化手段711とで構成される潤滑剤塗布装置700について詳細に説明する。図2に示すように、潤滑剤塗布装置700は、潤滑剤収容部270内に収容された固形潤滑剤73をブラシ塗布手段たるブラシローラ70により感光体表面に塗布する。固形潤滑剤73は、ブラシローラ70に対して圧接しており、ブラシローラ70が回転することによって除々に削られ、その削られた潤滑剤が感光体の表面に塗布される。ブラシローラ70としては、絶縁PET、導電PET、アクリル繊維などを用いることができる。感光体表面に塗布された潤滑剤は、ブラシローラ70よりも感光体移動方向下流側に配置されたブレード状の薄層化手段711により、薄層化される。これによって、感光体10の摩擦係数を低くすることができ、トナーの転写率を向上させて廃棄するトナー量を減少させることができる。さらに、潤滑剤を塗布することで感光体10の表面の摩擦係数を小さくでき、クリーニングしにくい球形形状のトナーであってもクリーニングすることができる。また、薄層化手段711をブレード状とすることで、不必要な潤滑剤はブレードでせき止められ、感光体10に最小厚さの潤滑膜を形成することができる。また、このときに、薄層にならなかった潤滑剤は、ブレードからこぼれて潤滑剤収納部270に戻るので、潤滑剤を長く使用することができる。
【0038】
薄層化手段711は、ブレード部材とブレード支持部材とからなっている。ブレード部材は、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などのエラストマーを用いることができる。とくに、弾性が高く、摩耗しにくいウレタン樹脂が好ましい。ブレード支持部材は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂による発泡体を用いることができる。特に、ウレタン発泡体が好ましい。ブレード支持部材を発泡体とすることで、ブレード部材が、感光体10に過度に圧接することを抑制し摩耗を抑え、かつ、潤滑剤の均一な膜を形成することができる。
【0039】
潤滑剤としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−オキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系樹脂が挙げられる。特に、感光体10の摩擦を低減する効果の大きい脂肪酸金属塩であって、脂肪酸としてステアリン酸、金属として亜鉛、又はカルシウムを用いるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムが一層好ましい。
【0040】
次に、プロセスカートリッジ200に配置された各モジュールに駆動力を伝達する駆動伝達装置について説明する。図13は、プロセスカートリッジ200の第1側板221の内側に設けられた駆動伝達装置たるギア列を示す概略構成図である。感光体10は装置本体からの駆動源により回転駆動される。感光体10に設けられた感光体ギア10aの回転は、搬送オーガギア25a、25b、25cにより伝達されて搬送オーガ25を回転する。搬送オーガ25は回転駆動されることにより、クリーニングモジュール20の転写残トナー収容部26内に収容された転写残トナーをプロセスカートリッジ外に搬送する。さらに、感光体ギア10aの回転は、供給ギヤ72a、72b、により伝達されてブラシローラ70を回転駆動することにより、感光体10表面に潤滑剤を供給する。さらに、感光体ギア10bの回転は、帯電部材ギア37により伝達されて帯電ローラ31を回転駆動することにより、感光体10表面に均一に帯電を行う。
【0041】
次に、プロセスカートリッジの組み立てについて、図14〜18に基づき説明する。
まず、図14に示すように、プロセスカートリッジ200の枠体210に設けらた潤滑剤収容部270に潤滑剤73およびブラシローラ70を取り付ける。また、枠体210にブレード状の薄層化手段711を取り付ける。
次に、図15に示すように感光体10を枠体内の所定の位置に配置し、感光体の軸14の軸受244aを有してない方の側を第1側板220の軸受部に挿入し、感光体10内を貫通させて、第2側板250に取る付けられた軸受254に挿入する。そして、軸14に予め挿入されている軸受244aを第1側板の軸受部244に嵌合させる。これにより、感光体10がプロセスカートリッジ200の枠体内に回転自在に固定される。次に、当接面221、251に設けられる位置決め用の棒状の突起で保持板21を位置決めして、保持板と当接面とを密着させてクリーニングユニット20を取り付ける。これによって、少ない部品で精度の高い位置決め、ねじれ、たわみの発生の少ない取付が可能になる。
【0042】
また、感光体10を枠体210に取り付ける際、感光体10と当接するブレード部材は、薄層化手段711のみであるので、クリーニングブレードとブレード状の薄層化手段711とが枠体に取り付けられた状態で感光体を枠体を取り付けるものに比べて、ブレード部材の先端が傷ついたり、変形したりするのを抑制することができる。これは、感光体を取り付ける前に枠体に取り付けられるブレード部材が、ブレード状の薄層化手段711のみである場合、薄層化手段711のみ注意を払って取り付ければよいので、クリーニングブレードと薄層化手段との両方に注意を払って取り付けるもののように注意力が分散することがないためである。
【0043】
次に、帯電モジュール30を位置決め板211に位置決めしてプロセスカートリッジ200の枠体210に取り付ける。
そして、最後に現像モジュール50をプロセスカートリッジ200の枠体210に取り付ける。現像モジュール50の枠体210への取り付けは、図16に示す面板240を用いて行う。面板240は、感光体10の回転軸14を支持する軸受244の外周に嵌合し、感光体の軸に対して位置決めされる穴部241を有している。また、面板240は、現像モジュール50の現像スリーブ51のシャフトが挿入される挿入部242、面板240を枠体210の第1側板220に固定するネジ用の穴243を設けている。
【0044】
図17は、現像モジュール50をプロセスカートリッジの枠体210に固定させた状態を第1側板220側から見た図であり、図18は、第2側板250側から見た図である。まず、図18に示すように、第2側板250のガイド溝255に攪拌スクリュ54の軸受54aを支持させ、現像スリーブ51のシャフトの軸受511aを穴部253に嵌合させる。これにより、現像モジュール50の第2側板250側が位置決めされる。また、図17に示す第1側板220側は、現像モジュール50現像スリーブ51のシャフト511を、第1側板220に設けられたガイド溝223に挿入し、感光体の軸14が貫通している軸受の外周に面板240の穴部241を嵌合させることで、位置決めされる。このように位置決めがなされた後、固定穴225、226からそれぞれ現像モジュール50のガイド521、522が固定され、現像モジュール50の枠体200への固定が行われる。
【0045】
図18に示すように、感光体10が枠体210内に回転自在に固定せしめられた後、回転軸14の第2側板250側端部にカップリング141を取り付ける。このカップリング141は、プロセスカートリッジ200の装着時に、画像形成装置100本体側に設けられた駆動手段(図示しない)に係合し、感光体10に回転駆動力を伝達する。
【0046】
上述したとおり、保持板21は、第1側板220に位置決め突起により位置決めされてネジで固定され、第2側板250に位置決め突起により位置決めされてEリングにより固定される。従って、保持板21はプロセスカートリッジの両端側、つまりできるだけ長手方向に距離をもって固定される。これにより、保持板を中央部付近で固定させたものに比べて、保持板21を安定的に保持でき、クリーニングブレード22を感光体10対して精度良く取り付けることができる。
【0047】
また、保持板21に強度の高い材料を使用することによりクリーニングブレードの感光体への当接精度を高めることができる。第1側板220と第2側板250と、プロセスカートリッジの枠体210が、ねじれたり撓んだりするのをクリーニングブレード22の保持板21で規制することができる。また、このように、剛性の高い保持板21によりクリーニングモジュール20をプロセスカートリッジ200に取り付けた後、現像モジュール50、帯電モジュール30を取り付けるようにすれば、クリーニングモジュール20の取り付けによりねじれ、たわみの影響が低減されるため、結果的に、現像モジュール50、帯電モジュール30の取り付けを高精度に行うことができる。よって、帯電部材30と感光体との隙間の精度を高めることができ、オゾン、放電生成物の発生を抑えることができ、感光体10の寿命を延ばすことができる。また、感光体と現像スリーブ51との隙間の精度を高めることができ、高品位の画像を得ることができる。
【0048】
また、この他に、プロセスカートリッジ200に、プロセスカートリッジ200内の温湿度を検知するための温湿度センサ、感光体10の電位を検知する電位センサ、現像後の感光体10上の現像されたトナー量を検知するトナー濃度センサなどの検知手段を設けても良い。さらに、例えば、転写前除電装置、クリーニング前除電装置を設けてもよい。
【0049】
次に、本実施形態の複写機に好適に用いることのできるトナーについて説明する。
600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径を3〜8μmとしている。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
【0050】
トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図19は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
【0051】
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
【0052】
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
【0053】
また、母体粒子表面に平均一次粒径が50〜500nmで、嵩密度が0.3g/cm3以上の微粒子を外添加して得られたトナーを用いるのが好ましい。外添加剤として平均一次粒径が50〜500nmで、嵩密度が0.3mg/cm3以上の微粒子を用いることにより、クリーニング性が良好であるとともに、特に高画質を達成する小粒径トナーを用いた場合に、現像性および転写性の低下の改善が図られる。
【0054】
以下に、詳細に説明する。トナーの表面に適切な特性の微粒子が存在することで、トナー粒子と対象体との間に適度な空隙が形成される。また、微粒子は、トナー粒子、感光体、帯電付与部材との接触面積が非常に小さく、均等に接触するので付着力低減効果が大きく、現像・転写効率の向上に有効である。さらに、コロの役割を果たすため、感光体を摩耗または損傷させることなく、クリーニングブレードと感光体との高ストレス(高荷重、高速度等)下でのクリーニングの際も、トナー粒子に埋没し難く、あるいは少々埋没しても離脱、復帰が可能であるので、長期間にわたって安定した特性を得ることができる。さらに、トナーの表面から適度に脱離し、クリーニングブレードの先端部に蓄積し、いわゆるダム効果によって、ブレードからトナーが通過する現象を防止する効果がある。これらの特性は、トナー粒子の受けるシェアを低減させる作用を示すので、高速定着(低エネルギー定着)のためトナーに含有されている低レオロジー成分によるトナー自身のフィルミングの低減効果を発揮する。しかも、微粒子として、平均一次粒径が50〜500μmの範囲のものを用いると、十分にその優れたクリーニング性能を活かすことができる上、極めて小粒径であるため、トナーの粉体流動性を低下させることがない。さらに、詳細は明らかでないが、表面処理された微粒子はトナーに外部添加されても、仮にキャリアを汚染した場合においても現像剤劣化の度合が少ない。
【0055】
微粒子の平均一次粒径(以下、平均粒径という)は、50〜500nmのものが用いられ、特に100〜400nmのものが好ましい。50nm未満であると、微粒子がトナー表面の凹凸の凹部分に埋没してコロの役割を低下する場合が生じる。一方、500μmよりも大きいと、微粒子がブレードと感光体表面の間に位置した場合、トナー自身の接触面積と同レベルのオーダーとなり、クリーニングされるべきトナー粒子を通過させる、即ちクリーニング不良を発生させやすくなる。
【0056】
ここで、微粒子としての一例を示す。微粒子としては、無機化合物、有機化合物を用いることができる。無機化合物としては、SiO2、TiO2、Al23、MgO、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe23、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2 、K2O(TiO2)n、Al23・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4、SrTiO3等を例示することができ、好ましくは、SiO2、TiO2、Al23があげられる。特に、好ましいのはSiO2である。これら無機化合物は各種のカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、オクチルトリメトキシシラン等で疎水化処理が施されていてもよい。
また,有機化合物の微粒子としては、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよく、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2 種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。ビニル系樹脂の具体的な例としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0057】
また、嵩密度が0.3mg/cm3未満では、流動性向上への寄与はあるものの、トナー及び微粒子の飛散性および付着性が高くなるために、トナーとコロとしての効果や、クリーニング部で蓄積して、トナーのクリーニング不良を防止するいわゆるダム効果といった働きが低下してしまう。
【0058】
微粒子の嵩密度は、「嵩密度(g/cm)=微粒子量(g/100ml)÷100」という数式で表すことができ、微粒子量は、下記の方法により測定した。100mlのメスシリンダーを用いて、微粒子を徐々に加え100mlにした。その際、振動は与えなかった。このメスシリンダーの微粒子を入れる前後の重量差により微粒子量を測定した。
【0059】
上記微粒子をトナー表面に外添加し付着させる方法としては、トナー母体粒子と微粒子を各種の公知の混合装置を用いて、機械的に混合して付着させる方法や、液相中でトナー母体粒子と微粒子を界面活性剤などで均一に分散させ、付着処理後、乾燥させる方法などがある。なお、詳細については、後述する。
【0060】
また、ガラス転移温度が45〜65℃で、流出開始温度が90〜115℃の範囲のトナーを用いるのが好ましい。これら2つの特性を満足することで、良好な定着性を得ることができる。ガラス転移温度が45℃よりも低い場合は、定着時にオフセットが発生する場合があり、逆に65℃よりも高い場合は、十分な定着性が得られず、画像が転写紙から剥がれやすくなる場合がある。流出開始温度が90℃よりも低い場合は、定着時にオフセットが発生する場合があり、逆に115℃よりも高い場合は、十分な定着性が得られず、画像が転写紙から剥がれやすくなる場合がある。
【0061】
ガラス転移点Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
【0062】
トナーの流出開始温度は、フローテスターを用いて測定することが出来る。フローテスターとしては、例えば島津製作所製の高架式フローテスターCFT500D型がある。このフローテスターのフローカーブは図20(a)および(b)に示されるデータになり、そこから各々の温度を読み取ることができる。図中、Tfbは流出開始温度であり、1/2法における溶融温度とあるのはT1/2温度のことである。
《測定条件》
荷重:5kg/cm2 昇温速度:3.0℃/min、
ダイ口径:1.00mm ダイ長さ:10.0mm
【0063】
また、トナーに用いる結着樹脂としては、上記トナーの特性を満足するものであれば、以下の組成のものを使用することができる。例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、 スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレンーイソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体が挙げられる。
また、下記の樹脂を混合して使用することもできる。ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
この中で特に、ポリエステル樹脂が十分な定着性を得るために、好ましい。ポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られるが、用いられるアルコールとはポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリエキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノル類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単体、その他の2価のアルコール単体を挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の2量体、その他の2価の有機酸単量体を挙げることができる。
【0064】
バインダー樹脂として用いるポリエステル樹脂を得るためには、以上の2官能性単量体のみによる重合体のみでなく、3官能以上の多官能性単量体による成分を含有する重合体を用いることも好適である。かかる多官能性単量体である3価以上の多価アルコール単量体としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1.3.5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。
また3価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば1,2,4−ペンゼントリカルボン酸、1,2,5−ペンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンボール3量体酸、これらの酸無水物、その他を挙げることができる。
【0065】
また、トナーには、定着時の定着ベルト表面でのトナーの離型性を向上する目的で、離型剤を含有させることが出来る。離型剤として、公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックス、エステルワックスを単独又は組み合わせて使用する事ができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。各ワックスの酸価が各々の範囲未満であった場合、低温定着温度が上昇し低温定着化が不十分となる。逆に酸価が各々の範囲を超えた場合、コールドオフセット温度が上昇し低温定着化が不十分となる。ワックスの添加量としてはバインダー樹脂100重量部に対して1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部の範囲で用いられる。1重量部未満では、その離型効果が薄く所望の効果が得られにくい。又15重量部を超えた場合はキャリアへのスペントが顕著になる等の問題が生じた。
また、トナーに帯電を付与する目的で、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤としては、従来公知のものが全て使用できる。正帯電制御剤としては、ニグロシン、塩基性染料、塩基性染料のレーキ顔料、四級アンモニウム塩化合物他等が挙げられ、負帯電制御剤としては、モノアゾ染料の金属塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属錯体他等が挙げられる。本極性制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100重量部に対して0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜2重量部の範囲で用いられる。0.01重量部未満では、環境変動時における帯電量Q/Mの変動に対しその効果が小さく、7重量部を超えると低温定着性が劣る結果となる。
また、、使用される含金属モノアゾ染料としては、含クロムモノアゾ染料、含コバルトモノアゾ染料、含鉄モノアゾ染料を単独もしくは組み合わせて使用する事ができる。これらを添加する事により、現像剤中における帯電量Q/Mの立ち上がり(飽和までの時間)がより優れたものとなる。使用量としては、前記極性制御剤同様にバインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜7重量部の範囲で用いられる。0.1重量部未満では、その効果が薄く、10重量部を超えると帯電量の飽和レベルが低下する等の欠点が生じる。
【0066】
また、カラートナーには、サリチル酸誘導体の金属塩を用いる事が特に好ましいが、必要に応じてカラートナーの色調を損なう事のない透明もしくは白色の物質を添加して、トナーの帯電性を安定的に付与する事が出来る。具体的には、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられるが、これらに限られるものではない。
【0067】
更に本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用し得る。本発明の磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部である。
【0068】
着色剤としては、トナー用として公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。また、トナーに用いられる着色剤は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な染料および顔料が使用できる。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローグミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料などの染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用できる。また、外添加剤として、トナーの流動性を向上させる目的で、疎水性のシリカ、酸化チタン、アルミナ、など、更に必要に応じて脂肪酸金属塩類やポリフッ化ビニリデン等を添加しても良い。
【0069】
更に上記トナーを2成分現像剤として用いる場合に、使用し得るキャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理した物などが挙げられる。
キャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるからである。
又本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
シリコーン樹脂で被覆するキャリア核体粒子としては、従来より公知のものでよく例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物;ガラスビーズ等が挙げられる。これら核体粒子の平均粒径は通常10〜1000μm、好ましくは30〜500μmである。なお、シリコーン樹脂の使用量としては、通常キャリア核体粒子に対して1〜10重量%である。シリコーン樹脂としては従来より知られるいずれのシリコーン樹脂であってもよく、例えば市販品として入手できる信越シリコーン社製のKR261、KR271、KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR285、KR251、KR155、KR220、KR201、KR204、KR205、KR206、SA−4、ES1001、ES1001N、ES1002T、KR3093や東レシリコーン社製のSR2100、SR2101、SR2107、SR2110、SR2108、SR2109、SR2115、SR2400、SR2410、SR2411、SH805、SH806A、SH840等が用いられる。 シリコーン樹脂層の形成法としては、従来と同様、キャリア核体粒子の表面に噴霧法、浸漬法等の手段でシリコーン樹脂を塗布すればよい。
【0070】
次に、本複写機に好適に使用されるトナーのより具体的な構成材料及び製造方法について詳細に説明する。本複写機に好適に使用されるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマーと、ポリエステルと、着色剤と、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。
【0071】
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0072】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0073】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
【0074】
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−イソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0075】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0076】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2や、1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0077】
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
【0078】
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0079】
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0080】
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0081】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0082】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0083】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0084】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0085】
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−4μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0086】
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0087】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
【0088】
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0089】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0090】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0091】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
【0092】
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0093】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0094】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0095】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0096】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0097】
(1)
以上、本実施形態のプロセスカートリッジによれば、第1側板および第2側板を枠体と一体的に構成したので、側板と枠体との間で組付け誤差が生じることがない。よって、当接部たる当接面の像担持体たる感光体に対する角度や位置のずれを、側板を枠体と別体に構成したものに比べて少なくすることができる。従って、当接部に当接させて、クリーニング部材を位置決めして取り付けることで、像担持体に対して感光体に対して所定の当接角度、当接圧で当接する姿勢でクリーニング部材を取り付けることができる。その結果、クリーニング部材の像担持体に対する当接圧、当接角度等の当接条件が長手方向で変動するのを、側板を枠体と別体に構成したものに比べて抑制することができ、クリーニング不良を抑制することができる。
(2)
また、上記(1)の構成をゆうしているので、像担持体の長手方向に平行に延びて該像担持体と当接するように配置されるクリーニングブレードを感光体に対して所定の当接圧、所定の当接角度で当接させることができる。
(3)
また、クリーニングブレードの弾性部材を、保持板の当接面と密着する面と同一の面に固定することで、感光体とクリーニングブレードとの当接条件が保持板の厚さで変動することがない。よって、クリーニングブレードを精度良く感光体に対して位置決めすることができ、精度良くクリーニングブレードを感光体に当接させることができる。
(4)
また、除去した転写残トナーを収容する収容部を上記保持板に取り付けている。これにより、収容部をクリーニングブレードに対して精度良く取り付けることができ、クリーニングブレードによって掻き取られた転写残トナーを収容部に確実に回収することができる。
(5)
また、第1側板および第2側板は、感光体を回転自在に支持する軸受を備えたので、感光体を第1側板および第2側板でプロセスカートリッジ内の位置決めをすることができる。よって、第1側板および第2側板に設けた、当接面で位置決め固定されるクリーニングブレードとの位置関係が変動するのを抑制することができる。その結果、クリーニングをブレード精度よく感光体に当接させることができる。
(6)
また、当接面を軸受の近傍に設けたので、感光体の軸に対する当接面の位置精度が、軸受部と当接面とを離して設けてものに比べて高めることができる。当接面は、感光体の軸の中心を基準にして形成されるが、例えば、1°誤差が生じた場合、感光体の軸の中心から離れた位置よりも、感光体の軸の中心に近い位置のほうが変動が少なくなる。よって、軸受部に近い、即ち感光体の軸中心になるべく近接させて当接面を設けることで、感光体の軸に対する位置精度を高めることができるのである。よって、軸受の近傍に当接部を設けることで、当接面を感光体の軸中心に近づけることができ、当接面の感光体に対する位置精度を高めることができる。その結果、クリーニングブレードを感光体に精度良く当接させることができる。
(7)
また、塗布手段たるブラシローラで感光体に潤滑剤を塗布することで、感光体の摩擦係数を低くすることができ、トナーの転写率を向上させて廃棄する転写残トナー量を減少させることができる。さらに、感光体の表面の摩擦係数を小さくすることで、クリーニングしにくい球形形状のトナーであっても良好にクリーニングすることができる。
(8)
また、プロセスカートリッジに潤滑剤を収容する潤滑剤収容部を備えたので、潤滑剤がなくなった際は、プロセスカートリッジを交換することで、潤滑剤の交換が行われれる。よって潤滑剤の交換を容易に行うことができる。また、この潤滑剤収容部をプロセスカートリッジの枠体と一体に構成すれば、枠体の強度を増すことができ、枠体のねじれなどを抑制することができる。これにより、クリーニング手段や、帯電手段など、枠体に取り付けることで感光体に対して位置決めがなされる部材の位置決め精度を確保することができる。
(9)
また、感光体に塗布された潤滑剤を薄層化する薄層化手段を備えたことで、感光体表面に不必要なトナーが塗布されることがなくなり、でき、感光体に最小厚さの潤滑膜を形成することができる。
(10)
また、薄層化手段を、感光体の長手方向に平行に延びて感光体と当接するように配置されるエラストマー製のブレードとすることで、感光体表面に塗布された不必要な潤滑剤をブレードでせき止めることができ、感光体に最小厚さの潤滑膜を形成することができる。また、このときに、薄層にならなかった潤滑剤を、ブレードから潤滑剤収納部270に零れ落ちるように構成すれば、薄層にならなかった潤滑剤を再度、利用できるようになり潤滑剤の交換時期を遅らせることができる。
(11)
また、クリーニングブレードと薄層化ブレードとを組付けた後、感光体を組付けるように構成した場合、感光体は、薄層化ブレードとクリーニングブレードとが同時に当接した状態で組付けられることとなる。この場合、慎重に感光体を取り付けを行わないと、組付け時に感光体がクリーニングブレードまたは薄層化ブレードに強く当接してしまい、薄層化ブレードの先端またはクリーニングブレードの先端が変形してしまう。その結果、ブレードを感光体に対して所定の当接圧および当接角で当接することができなくなってしまう不具合が生じる。クリーニングブレードの先端が変形してしまうと、良好なクリーニング性が得られなくなり、薄層化ブレードが変形してしまうと、感光体表面に均一に潤滑剤を付着させることができなくなるおそれがある。また、感光体の組付け動作時にクリーニングブレードまたは薄層化ブレードの先端に傷が付いたり、先端が欠けたりする不具合を生じるおそれがある。よって、感光体を取り付ける際は、薄層化ブレードおよびクリーニングブレードの両方に注意を払いながら慎重に取り付ける必要があり、組付け作業性が悪くなってしまう。しかし、本実施形態においては、薄層化ブレードと、クリーニングブレードとを個別にプロセスカートリッジに対して取り外し/取り付け可能に構成している。そして、プロセスカートリッジを組み立てる際は、感光体を組付けてから、クリーニングブレードを組付けるよう構成している。これにより、感光体を組付ける際、薄層化ブレードのみ注意して組付ければよいので、クリーニングブレードと薄層化ブレードの両方に注意を払いながら感光体を組付けるものに比べて、感光体の組付け作業性を向上させることができる。
(12)
また、プロセスカートリッジに、帯電手段たる帯電モジュールを備えるようにしても良い。クリーニングブレードの保持板を枠体の両側板に取り付けて、ねじれや歪みが抑えれている枠体に帯電モジュールを取り付けるようにすれば、感光体に対して所定のギャップで帯電部材を配置することができる。よって、オゾン、放電生成物の発生を抑えることができ、感光体の寿命を延ばすことができる。
(13)
また、帯電ローラに対して直流に交流を重畳した電圧を印加することで、直流電圧のみを印加するものに較べ、ギャップ変動や帯電ローラや感光体に抵抗変動多少があっても、安定した放電量を得ることができ、感光体表面を均一に帯電することができる。
(14)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、上記(1)〜(13)いずれかの特徴点を有するプロセスカートリッジを備えているので、クリーニング不良を抑制することができ、クリーニングブレードで除去できなった転写残トナーによる異常画像の発生を抑制することができる。
(15)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、重量平均粒径が3.0[μm]以上8.0[μm]以下、重量平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)が1.0以上1.40以下であるトナーを用いている。このように小粒径且つ粒度分布がシャープなトナーを使用することで、先鋭性、高精細性に優れた画像を得ることが可能となる。また、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌汚れの少ない高品位な画像を得ることができる。さらに、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
(16)
また、本実施形態では、トナーとして、形状係数SF−1が100以上180以下、かつ、形状係数SF−2が100以上180以下であるものを用いた。形状係数SF−1が180以下で、形状係数SF−2が180以下であれば、ともに100に近づくほど転写効率が高くすることができる。
(17)
また、ガラス転移温度が45〜65℃、流出開始温度が90〜115℃の範囲にあるトナーを用いることで、良好な定着性を得ることができる。
(18)
また、トナーの添加剤として、その平均一次粒径が50〜500[nm]で、かつ、嵩密度が0.3[g/cm]以上であるものを用いている。この添加剤によりトナー粒子とこれに接触するモノ(トナー粒子同士、像担持体など)の間に適度な空隙が形成され、モノに対する吸着力(鏡映力)が弱まる。よって、感光体や現像ローラからの離型性が良好になり、現像・転写効率を向上させることができる。また、高荷重、高速度等下でのクリーニングの際も、トナー粒子に埋没し難く、あるいは少々埋没しても離脱、復帰が可能であるので、長期間にわたって安定した特性を得ることができる。
(19)
また、上記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステルと、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする。これにより、高品位な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施形態に係る複写機を示す概略構成図。
【図2】プロセスカートリッジの概略構成図。
【図3】プロセスカートリッジの枠体の概略構成図。
【図4】感光体の外観斜視図。
【図5】感光体の感光層を示す図。
【図6】(A)は、クリーニングモジュールの外観斜視図であり、(B)クリーニングモジュールの断面図。
【図7】(A)は、保持板の感光体と対向する面と同一の面に弾性部材を設けた構成を示す図。(B)は、保持板21の感光体と対向する面と反対側の面に弾性部材を設けた構成を示す図。
【図8】クリーニングブレードの当接条件を示す図。
【図9】現像モジュールの外観斜視図。
【図10】帯電モジュールの外観斜視図。
【図11】帯電モジュールの側面図。
【図12】帯電部材の構造を示す図。
【図13】プロセスカートリッジの第1側板の内側に設けられたギア列を示す概略構成図。
【図14】潤滑剤収容部に潤滑剤およびブラシローラを取り付た様子を示す図。
【図15】感光体およびクリーニングモジュールを枠体に取り付ける様子を示す図。
【図16】現像モジュールを枠体に取り付ける面板の外観斜視図。
【図17】現像モジュールを枠体に固定させた状態を第1側板側から見た図。
【図18】現像モジュールを枠体に固定させた状態を第2側板側から見た図。
【図19】形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的の表した図。
【図20】(a)、(b)は、フローテスターのフローカーブを示す図。
【図21】従来のプロセスカートリッジの分解斜視図を示す図。
【符号の説明】
【0099】
10 像担持体(感光体)
11 アルミニウム基板
12 感光層
20 クリーニングモジュール
21 保持板
22 クリーニングブレード
23 入り口シール
24 弾性部材
25 搬送オーガ
26 転写残トナー収容部
30 帯電モジュール
31 帯電部材(帯電ローラ)
33 帯電クリーニングローラ
34 スペーサ
35 バネ支持部材
40 露光装置
50 現像モジュール
51 現像スリーブ
55 規制部材
56 現像剤収納部
60 転写装置
61 第1転写ローラ
62 中間転写ベルト
65 2次転写ローラ
70 ブラシローラ
73 潤滑剤
90 定着装置
100 画像形成装置
110 読取部
120 画像形成部
130 給紙部
200 プロセスカートリッジ
210 プロセスカートリッジ枠体
211 位置決め板
220 第1側板
221 第1当接面
240 面板
250 第2側板
251 第2当接面
561 仕切り板
270 潤滑剤収納部
700 潤滑剤塗布装置
711 薄層化手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、該像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング部材を備えたクリーニング手段とを枠体内に備え、画像形成装置に対して着脱可能に構成したプロセスカートリッジにおいて、
該像担持体の一端を支持する第1側板と、該像担持体の他端を支持する第2側板とを備え、該第1側板および該第2側板は、該クリーニング部材と当接して該クリーニング部材を該像担持体に対して位置決めする当接部を有し、一体物で該第1側板と該第2側板とを形成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
請求項11のプロセスカートリッジにおいて、
上記クリーニング部材は、上記像担持体の長手方向に平行に延びて該像担持体と当接するように配置されるクリーニングブレードであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項3】
請求項2のプロセスカートリッジにおいて、
上記クリーニングブレードは、弾性体と該弾性体を保持する保持部材とで構成されており、該保持部材の一方の面が上記当接部と当接するものであって、該弾性部材は、該保持部材の該当接部と当接する面側に固着されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
請求項3のプロセスカートリッジにおいて、
上記クリーニング手段は、上記クリーニングブレードが除去した転写残トナーを収容する収容部を備え、該収容部を上記保持板に取り付けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項5】
請求項1または2のプロセスカートリッジにおいて、
上記第1側板および第2側板は、上記像担持体を回転自在に支持する軸受を備えるえるように構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
請求項5のプロセスカートリッジにおいて、
上記当接部を上記軸受の近傍に設けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかのプロセスカートリッジにおいて、
上記像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項7のプロセスカートリッジにおいて、
潤滑剤を収容する潤滑剤収容部を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項7または8のプロセスカートリッジにおいて、
上記像担持体に塗布された潤滑剤を薄層化する薄層化手段を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
請求項9のプロセスカートリッジにおいて、
上記薄層化手段を、上記像担持体の長手方向に平行に延びて該像担持体と当接するように配置されるエラストマー製のブレードとしたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項10のプロセスカートリッジにおいて、
上記薄層化手段と上記クリーニング部材とをそれぞれ個別にプロセスカートリッジに対して取り付け/取り外し可能に構成し、プロセスカートリッジを組み立てる際は、上記像担持体を組付けてから、少なくとも該薄層化手段および該クリーニング部材のいずれか一方を組付けるよう構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項12】
請求項1乃至11いずれかのプロセスカートリッジにおいて、
上記像担持体を帯電する帯電手段を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項13】
請求項1乃至12いずれかのプロセスカートリッジにおいて、
上記帯電手段に対して直流に交流を重畳した電圧を印加することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項14】
請求項1乃至13いずれかのプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項14の画像形成装置において、
トナー像形成のために用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項14または15の画像形成装置において、
上記トナーは形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項14乃至16いずれかの画像形成装置において、
上記トナーは、ガラス転移温度が45〜65℃、流出開始温度が90〜115℃の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項14乃至17のいずれかの画像形成装置において、
上記トナーは、トナー母体粒子表面に平均一次粒径が50〜500nmで、嵩密度が0.3g/cm3以上の微粒子を外添加して得られるトナーであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
請求項14乃至18いずれかの画像形成装置において、
上記トナーは少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステルと、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−155853(P2007−155853A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347301(P2005−347301)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】