ロータリエンコーダ装置、画像形成装置、及びロータリエンコーダホイール
【課題】回転体の駆動計測または計測に基づいた駆動制御を行い、かつ、ロータリエンコーダの取り付け偏心も検出または補正制御可能とするロータリエンコーダ装置を提供する。
【解決手段】先ず(150)では、ロータリエンコーダからのアナログ出力を(151)でA/D変換し、(152)でP1、P2、P3・・・P72等のパターンごとに出力される(153)回転パルス信号成分抽出と、(154)偏心信号成分抽出を行っており、具体的には、偏心による『当該ロータリエンコーダにおいて、回転角度に対するHとLレベルパルス幅の比率に応じて回転軸芯に対するロータリエンコーダの取り付け偏心量と、偏心位相を検出する偏心量位相検出手段』のロータリエンコーダ1周分(P1、P2、P3・・・P72)のパターンから得られるH/(H+L)のSin関数の周期変動の振幅と位相を求め、その変動成分を分離(フィルタリング)する事により求められる。
【解決手段】先ず(150)では、ロータリエンコーダからのアナログ出力を(151)でA/D変換し、(152)でP1、P2、P3・・・P72等のパターンごとに出力される(153)回転パルス信号成分抽出と、(154)偏心信号成分抽出を行っており、具体的には、偏心による『当該ロータリエンコーダにおいて、回転角度に対するHとLレベルパルス幅の比率に応じて回転軸芯に対するロータリエンコーダの取り付け偏心量と、偏心位相を検出する偏心量位相検出手段』のロータリエンコーダ1周分(P1、P2、P3・・・P72)のパターンから得られるH/(H+L)のSin関数の周期変動の振幅と位相を求め、その変動成分を分離(フィルタリング)する事により求められる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角変位または角速度を高精度で計測し、ローラ・ベルト駆動装置における位置、速度計測又は制御に使用するエンコーダ装置、回転体駆動制御装置、画像形成装置、ロータリエンコーダホイール、及びロータリエンコーダ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な角変位または角速度制御装置の構成において、回転体の同軸上にロータリエンコーダを取り付け、ロータリエンコーダより計測された信号を用いて駆動制御を行う方法がある。
従来から用いられている回転体の角変位または角速度変動計測装置として、光学式のロータリエンコーダがある。光学式ロータリエンコーダは、一定の周期でスリット状の光透過部または光反射部と遮光部または無反射部からなるパターンを設けたホイール部と、前記ホイール部を挟む、又は対向して配置された光学手段と受光手段によりデータを得る。
しかし、その回転軸に対してロータリエンコーダのホイール部が偏心して取り付けられると、取り付け偏心により本来回転軸に無いはずの回転変動が見かけ上現れ、角変位または角速度変動として計測されてしまう。
【0003】
一般に、ロータリエンコーダのホイール部を軸へ取り付ける際に、厳密に軸の偏心がないようにするのは非常に難しく、あるいは、偏心の無い様にするには厳密な調整を行う必要があり、このような要求に応えるには、どうしても製造コストが高くなってしまう。また、たとえ軸を正確に中心に取り付けることができたとしても、軸と軸受けとの間に隙間があるので、軸に加わる荷重によって軸は特定の方向から力を受け、どうしても偏心が生じることになる。
更には、ホイール部自体も、ホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との何らかの偏心があればそれも同様に偏心となる。
つまり総括すれば、ロータリエンコーダのパターンの中心が理想的には被計測物である回転体の軸心と一致していない限り、取り付け偏心や、ホイールパターン加工時の偏心や経時変化による変形偏心を含む全ての偏心成分が誤差となる。
【0004】
ロータリエンコーダによりパターンを読み取り、駆動状態を計測する技術は従来から幾つか知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特許文献1のロータリエンコーダでは、半径方向に配置されたラインセンサを用い、パターンが半径方向に対して傾きを持って構成され、このパターンを読み取り駆動状態を計測する。さらに、円パターンが形成され、これも同時にラインセンサで計測し、その信号を読み取ることで偏心量を計測している。
特許文献2のロータリエンコーダでは、ホイール部上に放射状スケールと円環状スケールを持ち、それぞれセンサで計測して、放射状スケールからは回転体の駆動状態、円環状スケールからは円環状スケールの縁に光を当てて、そのエッジ部分の変位量で偏心量を計測している。
特許文献3のロータリエンコーダおよびその偏心補正方法では、ディスク上に回転角度を検出するメインスリットパターンと偏心を検出するための同心円状の補助スリットを設け、それぞれを計測して補正している。
【0005】
また、スケールパターンを任意の面積を持つ光と受光素子により読み込み、パターンの有無で回転体の駆動状態を計測し、受光素子が受光する光の強度変化により偏心量を検出している回転量検出装置及び回転体駆動装置も存在している。さらに、ベルトの駆動方向に対して平行に検出波長帯域の異なるスケールを複数設けて、ベルトの蛇行量を検出して蛇行補正を行う回転体駆動検出装置も存在している。
また、従来の一般的なロータリエンコーダでは回転軸心とホイール部の放射状スケール板の中心とが一致していないと(偏心している状態だと)、回転軸の回転角度に対して等間隔のパルス信号が得られず、そのパルスに基づいて回転軸を等各速度で回転するための拠りどころとする信号としては相応しくないため、ロータリエンコーダのホイール部は極力回転軸中心と高精度に合せる必要があった。
【0006】
ところで、このロータリエンコーダのホイール部は回転軸と高精度に芯合せをして接合するためには、一台ずつ高精度組立をする必要があり、高額な組立装置が必要となったり、組立工程や検査工程が長くなり、人件費が嵩む問題がある。
また、ひとたび高精度にホイール部が回転軸芯と高精度に組み立てられたとしても、市場にて扱われる環境変化、経時変化や、修理などの保守作業による再組み付けなどにより初期の高精度の組立状態が外的要因により確保できなくなる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、駆動計測にパターン、偏心量計測に円パターンと2種類のパターンが必要であり、さらに計測用にラインセンサが必要となる。偏心量が多くなればなるほど、ラインセンサ幅が広い必要があり、センサコストが上がる。逆に低コストのラインセンサを用いる場合には、ロータリエンコーダ偏心量をラインセンサで計測可能な範囲内に収める必要があり、ロータリエンコーダを計測対象に取り付ける際の製造コストが上がってしまうという欠点がある。
また、特許文献2では、ホイール部に放射状スケールと円環状スケールを持ち、それぞれセンサで計測して、放射状スケールからは回転体の駆動状態、円環状スケールからは円環状スケールの縁に光を当てて、そのエッジ部分の変位量で偏心量を計測しており、少なくとも2種類のパターンと受光部が必要になり、部品コストがかかるという欠点がある。
【0008】
同様に、特許文献3のロータリエンコーダおよびその偏心補正方法では、ディスク上に回転角度を検出するメインスリットパターンと偏心を検出するための同心円状の補助スリットを設け、それぞれを計測して補正している。この場合も同様に、パターン及びセンサがそれぞれ2つずつ必要となり、単純に部品点数が増えるためにコスト増加になるという欠点がある。
また、上述した回転量検出装置及び回転体駆動装置では、受光素子が受光する光の強度変化により偏心量を検出しているが、しかし、実際の偏心量は数μm〜十数μmであり、光の強度変化は非常に小さく、SN比が小さいために高精度に偏心量を検出することができないという欠点がある。
【0009】
従来の課題を解決するために例えば、特許文献3などの様に、ロータリエンコーダのホイール部に第1と第2のトラックを備えそれぞれを90度位相をずらした2個の光センサで検出し、第1のセンサは角度パルス信号を取り出し、第2のセンサは偏心量検出を行うことにより、初期のセットアップ状態からベアリング磨耗などによる経時劣化で偏心量が経時に変化しても補正できる方法が考案されているが、2系統のスケール(トラック)と2個の光センサが必要となり部品コストが嵩む問題がある。
また、特許文献4でもパルス板と称するロータリエンコーダのホイール部に、パルス板の進行方向に向かって角度を設けたスリットパターンの列と、中心から放射状に形成されたスリットパターン列の2つのスケール(トラック)を2個の光センサを同じ位相に設けた方式もあるが同様に部品コストが嵩む問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、回転体の駆動計測または駆動制御において、特殊な装置や高精度な組み付けなどを必要とすることなく、カラーセンサと色分割部分を持つスケールパターン、帯によって回転体の駆動計測と同時に回転体への取り付け偏心も同時に計測し、回転体の駆動計測または計測に基づいた駆動制御を行い、かつ、エンコーダの取り付け偏心も検出または補正制御可能とするロータリエンコーダ装置、角変位または角速度制御装置、回転体駆動制御装置、及びこれを使用する画像形成装置を提供することにある。
【0011】
また、他の目的は、転体の駆動計測または駆動制御において、特殊な装置や高精度な組み付けなどを必要とすることなく、カラーセンサと色分割部分を持つスケールパターン、帯によって回転体の駆動計測と同時に回転体への取り付け偏心も同時に計測し、回転体の駆動計測または計測に基づいた駆動制御を行い、かつ、ロータリエンコーダの取り付け偏心も検出または補正制御可能とするロータリエンコーダホイール、ロータリエンコーダ装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に透過率の異なるパターンを有し、前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの遮光又は遮光の状態変化が検出される前記ホイール部の径方向における光学検出域において、前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線に対して一定の角度で傾斜した斜辺である形状を有し、同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されているロータリエンコーダホイールを特徴とする。
【0013】
請求項2は、回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に反射率の異なるパターンを有し、前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの反射光量変化が検出される前記ホイール部の径方向における光学検出域において、前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線に対して一定の角度で傾斜した斜辺である形状を有し、同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されているロータリエンコーダホイールを特徴とする。
【0014】
請求項3は、回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に透過率の異なるパターンを有し、前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの遮光又は遮光の状態変化が検出される前記ホイール部の径方向径方向における光学検出域において、前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線から前記ホイール部の中心を始点として成す角度と、前記ホイール部の中心を中心とする半径の増減とが比例する同心円との連続した交点から成る曲線である形状を有し、同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4は、回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に反射率の異なるパターンを有し、前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの反射光量変化が検出される前記ホイール部の径方向径方向における光学検出域において、前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線から前記ホイール部の中心を始点として成す角度と、前記ホイール部の中心を中心とする半径の増減とが比例する同心円との連続した交点から成る曲線である形状を有し、同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とする。
請求項5は、前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも内側で交差し、隣接するパターン同士が先端でつながり同一円周上に等間隔に配列されている請求項1又は2に記載のロータリエンコーダホイールを特徴とする。
請求項6は、前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも外側で交差し、それよりも外側の半径方向の位置で外輪状につながった形状を有する請求項1乃至3の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイールを特徴とする。
請求項7は、前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも内側で交差し、隣接する前記パターン同士が先端でつながり同一円周上に等間隔に配列されている請求項2乃至4の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイールを特徴とする。
請求項8は、前記パターンにおける前記法線部と斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも外側で交差し、それよりも外側の半径方向の位置で外輪状につながった形状を有する請求項2乃至4の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイールを特徴とする。
【0016】
請求項9は、回転体に同期し回転するロータリエンコーダホイールの円周上に、然るべき中心点から放射状に所定角度間隔に形成される複数のパターンと、
前記パターンに光を照射する発光手段と、
前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い、前記パターンに照射された前記発光手段の透過光又は反射光の光量変化を検出し信号出力する受光手段と、を備え、
前記発光手段は、請求項1乃至8の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイールのパターン部に光ビームを照射し、前記受光手段は、その透過光か、或いは反射光のいずれかを、1個の光センサにより受光し、そのロータリエンコーダの回転に伴う光量変化を2値化したパルス信号として取り出し、回転角度に対するH及びLレベルパルス幅の比率に応じて前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、ホイールパターン中心点との取り付け偏心量と、偏心位相を検出する偏心量位相検出手段を備えたロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項10は、請求項9に記載のロータリエンコーダ装置において、前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、ホイールパターン中心点との取付け偏心と偏心位相を検出する偏心量位相検出手段を備え、検出された偏心量と位相に応じて、偏心の無い取付け時に得られる回転パルス信号と成る様に補正するロータリエンコーダ装置を特徴とする。
【0017】
請求項11は、請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、当該ロータリエンコーダ装置からの計測信号と目標値との差分から、モータによって駆動される回転体の駆動を制御する制御指令値を生成するコントローラと、前記偏心信号を用いて偏心補正を行う偏心補正機構と、を備えた回転体駆動制御装置を備えたロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項12は、請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、前記偏心補正機構は、前記コントローラの直後に備えられているロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項13は、請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、前記偏心補正機構は、前記計測信号をフィードバックするフィードバック機構に備えられているロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項14は、請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、前記偏心補正機構は前記目標値を生成する機構に備えられているロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項15は、請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、前記ロータリエンコーダホイールは、前記パターンの中心点より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される帯状部と、を備え、前記パターン部は特定の形状に着色され又は特定形状に開口され、前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、前記帯状部は、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割帯状部であって、前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、前記色分割帯状部の境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力するロータリエンコーダ装置を特徴とする。
【0018】
請求項16は、請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、前記ロータリエンコーダホイールは、ロータリエンコーダホイール中心より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される帯状部と、を備え、前記パターン部は特定の形状で、前記ホイール中心より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割パターンを備え、前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、前記色分割パターンの色分割境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力するロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項17は、請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、前記ロータリエンコーダホイールは、前記パターンの中心点より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される、帯状部とがあって、前記帯状部は、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割帯状部であって、前記パターン部は特定の形状で、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割パターンを備え、前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、前記色分割帯状部か、色分割パターンか、あるいは両方の色分割境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力するロータリエンコーダ装置を特徴とする。
【0019】
請求項18は、像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が感光体ドラムである画像形成装置を特徴とする。
請求項19は、像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が転写ドラムである画像形成装置を特徴とする。
請求項20は、像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が感光体ベルトである画像形成装置を特徴とする。
請求項21は、像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が転写ベルトである画像形成装置を特徴とする。
請求項22は、ベルト、又はローラを回転させて紙を搬送する紙搬送装置において、前記紙搬送装置の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行う画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、パターンと重なるよう円周方向に帯状で、光検出手段が複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、その感度特性の波長帯域に応じて独立して検出可能となる色分割帯状部分を少なくとも2つ備え、前記受光手段が前記色分割帯状部分を検出することにより、ロータリエンコーダホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心量を示す偏心信号を出力する機能を有しすることにより、高精度な駆動計測を行いつつ、駆動以外の信号も得ることができる。
【0021】
また、簡便なロータリエンコーダホイール部の組み付け方式であっても、実際の回転体の角速度に対し、ロータリエンコーダホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心の影響によるロータリエンコーダパルスの角速度の誤差(ずれ)を補正し、正確な角速度が得られる事により、回転体を所望の角速度に正確に制御駆動させる事が出来る。また、ひとたび高精度にホイール部が回転軸芯と高精度に組み立てられた後に、市場にて扱われる環境変化、経時変化や、修理などの保守作業による再組み付けなどにより初期の高精度の組立状態が外的要因により変化したとしても、影響を受けることなく偏心補正し、正確な角速度による駆動を制御する事が出来る。また、2系統のスケール(トラック)と2個の光センサが必要では無くとも簡単な構成(1スケール、1センサだけ)でも正確な角速度による駆動を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の以後の幾つかの実施の形態において使用する回転体駆動装置を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の以後の幾つかの実施の形態において使用するベルト駆動装置を示す概略斜視図である。
【図3】図1及び図2におけるパターン検出の簡単な原理構成を示す概略図である。
【図4】ロータリエンコーダ装置から得た信号をパルス波にする方法を示す波形図である。
【図5】モータの角変位をモータ軸エンコーダの出力信号に基づいてデジタル制御する制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】PLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。
【図7】モータを回転させて駆動させる基本的な制御を示すブロック線図である。
【図8】ロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心が存在し、それによって発生する角速度変動または角変位変動について示す説明図である。
【図9】パターンと重なるように円周方向に設けた反射光の色成分が色分割帯状部とパルスを示す概略図である。
【図10】半径方向で分けられた無反射パターンと色分割パターンにより1つとして形成されるパターンを示す概略図である。
【図11】パターンと重なるように円周方向に設けた反射光の色成分が色分割帯状部とパルスを示す概略図である。
【図12】ロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心を計測する具体的な方法の一例を示す波形図である。
【図13】偏心量を作り出す部分を示すブロック線図である。
【図14】コントローラの出力値に補正処理を行う駆動制御系の第1の実施の形態のブロック線図である。
【図15】PLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。
【図16】ロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心位相を検知して、フィードバック値へ補正処理を行う駆動制御系の第2の実施の形態を示すブロック線図である。
【図17】PLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。
【図18】モータを回転させて駆動させる本発明の第3の実施の形態の制御を示すブロック線図である。
【図19】PLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。
【図20】回転体駆動装置の例を示す図である。
【図21】回転体駆動装置の他の例を示す図である。
【図22】ロータリエンコーダのホイール部偏心取り付けの回転の様子を示す図である。
【図23】ロータリエンコーダのホイール部偏心取り付けの回転の様子を示す図である。
【図24】本発明の実施例の詳細図である。
【図25】本発明の実施例の詳細図である。
【図26】本発明の実施例の詳細図である。
【図27】本発明の実施例の詳細図である。
【図28】本発明の実施例の詳細図である。
【図29】本発明の実施例の詳細図である。
【図30】本発明の実施例の詳細図である。
【図31】本発明の実施例の詳細図である。
【図32】本発明の実施例の詳細図である。
【図33】従来のロータリエンコーダパターンによるホイール部取付け偏心のない正常な状態でのパルス出力波形を示す図である。
【図34】従来のロータリエンコーダのホイール部が偏心して取り付けられたときのパルス出力波形を示す図である。
【図35】本発明でのパターン形状によるロータリエンコーダのホイール部を偏心させて取り付けた際のパルス出力波形を示す図である。
【図36】一週分のパルス幅同士の関係を示す図である。
【図37】代表的なパターンでの(H+L)パターン間パルス幅に対するHのパルス幅との比率を示す図である。
【図38】代表的なパターンでの(H+L)パターン間パルス幅に対するHのパルス幅との比率を示す図である。
【図39】ロータリエンコーダパルスNo.とH/(H+L)との関係を示す図である。
【図40】本発明の実施例を示すシステムのブロック図である。
【図41】本発明の第4の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。
【図42】本発明の第5の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。
【図43】本発明による第6の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の以後の幾つかの実施の形態において使用する回転体駆動装置を示す概略斜視図である。
図1の回転体駆動装置1において、ギヤ2と同軸となるように駆動対象3が取り付けられている。モータ4はギヤ5を介して駆動対象3を駆動させる。ホイール部6Aが、駆動対象3のモータ4とは逆側に、同軸となるように取り付けられている。このホイール部A6上のパターン6a、6bをセンサ7が読み込むことで駆動対象3の駆動状態を計測する。
センサ7の計測した値を基に制御信号を生成し、モータ4を回転させることで駆動対象3が駆動する。図1では、モータ4と逆側にホイール部6Aを取り付けたが、これは、モータ4と同じ側、つまり、ギヤ2側に取り付けても良い。
【0024】
図2は本発明の以後の幾つかの実施の形態において使用するベルト駆動装置を示す概略斜視図である。図2のベルト駆動装置8において、ギヤ2と同軸となるように駆動軸9が取り付けられている。
モータ4はギヤ5と同軸となるように取り付けられており、モータ4からギヤ5、ギヤ2を介して駆動力が伝達されて駆動軸9を駆動させる。この駆動軸9とテンションローラ10と従動軸11に駆動対象のベルト12が架けられていて、テンションローラ10によって一定の張力が掛かるようになっている。
従動軸11には同軸となるようにホイール部6Aが取り付けられており、このホイール部6A上のパターン6a、6bをセンサ7が読み込むことでベルト12の駆動状態を計測する。
センサ7の計測した値を基に制御信号を生成し、駆動源であるモータ4を回転させることで駆動対象のベルト12が駆動する。ここでは、ベルト12は従動軸11にホイール部6Aを取り付けているが、システム上問題なければテンションローラ10と同軸に取り付けても良い。
【0025】
図3は図1及び図2におけるパターン検出の簡単な原理構成を示す概略図である。図3において、ロータリエンコーダ装置6のホイール部6A上に反射光の光量の異なる2種類のパターン6a、6bが構成されている。
パターンの作り方としてはホイール部6A上に反射光の異なるパターン6a、6bをすでに構成してあるものを貼り付けるか、ホイール部6A上に直接に印刷するか、又はホイール部6Aを金属の板とし、これにエッチング加工する方法でも良い。
センサ7の本体は発光部7aと受光部7bを有しており、発光部7aから光が出力される。出力された光がホイール部6A上に当たり、その反射波を受光部7bの受光素子(図示せず)が受ける。
ホイール部6A上には反射光の光量の異なるパターン6a、6bがある。このため、これらのパターン6a、6bそれぞれで受光される光の強さの違いを読み取ることによって、例えば、正弦波状などの波形を得ることができ、回転体の駆動状態を計測することが可能となる。ここでは、反射型の説明を行ったが同様の性能が得られるならば透過型でもかまわない。ただし、以降では反射型としての説明を行う。
【0026】
図4はロータリエンコーダ装置から得た信号をパルス波にする方法を示す波形図である。図4において、図3のロータリエンコーダ装置6のセンサ7の発光部7aから出力された光がエンコーダのパターン6a、6bに当たり、反射光を受光部7bが受け取ると、反射率の違いにより受光部7bでは正弦波状の信号12が得られる。
この信号12に対して任意のしきい電圧値13を設け、しきい電圧値13より高ければH信号、しきい電圧値13よりも低ければL信号とすることで矩形波状のパルス14を得ることができる。
【0027】
図5はモータの角変位をモータ軸ロータリエンコーダの出力信号に基づいてデジタル制御する制御系の構成を示すブロック図である。図5において、マイクロコンピュータ30はマイクロプロセッサ31、リードオンリメモリ(ROM)32、ランダムアクセスメモリ(RAM)33を含んでいる。マイクロプロセッサ31、リードオンリメモリ(ROM)32、ランダムアクセスメモリ(RAM)33がそれぞれバス34を介して接続されている。
指令発生装置35はモータ4の角変位を指令する状態指令信号を出力し、かつ目標角変位指令信号を発生する。この指令発生装置35の出力側もバス34へ接続されている。検出用インターフェース装置36はロータリエンコーダ6の出力パルスを処理してデジタル数値に変換する。
【0028】
この検出用インターフェース装置36はロータリエンコーダ6の出力パルスを計数するカウンタ(図示せず)を備えており、このカウンタのカウントした数値に、予め定められたパルス数対角変位の変換定数を掛けてモータ軸の角変位に変換する。電流センサ37からはモータ駆動電流がI/O38を介してマイクロコンピュータ30に取り込まれる。
同様に、検出用インターフェース装置28は検出装置29の出力パルスを処理してデジタル数値に変換する。この検出用インターフェース装置28は、検出装置42の出力パルスを計数するカウンタを備えており、このカウンタのカウントした数値に、予め定められたパルス数対角変位の変換定数を掛けて検出装置42を取り付けた軸の角変位に変換する。
【0029】
直流電動機駆動用のインターフェース39は、モータ軸角変位、及び目標角変位により、マイクロコンピュータ30による以降の実施の形態に示すフィードバック制御系の計算結果を、モータ(直流電動機)駆動装置40を構成するパワー半導体、例えば、トランジスタを動作させるパルス状信号(制御信号)に変換する。
直流電動機駆動装置40は直流電動機駆動用のインターフェース39からのパルス状信号に基づき動作し、モータ4に印加する電圧を制御する。この結果、モータ4は指令発生装置35による所定の角変位に追値制御される。
モータ4の角変位は、モータ軸ロータリエンコーダ6とインターフェ−ス装置36、検出装置29とインターフェース装置28により検出され、マイクロコンピュータ30に取り込まれ、制御が繰り返される。
ここでは、検出装置29とモータ軸ロータリエンコーダ6の両方からの角変位を検出しているが、設計者の意図する駆動制御系によってはどちらをメインの計測信号とするか選択することができる。また、角変位ではなく角速度でも同様に考えることができる。また、ここでは電流制御系について説明したが、制御系が電圧制御系であってもかまわない。
【0030】
図6はPLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。図6において、モータ4の駆動が伝達されて回転体が駆動し、その回転体の駆動に応じてロータリエンコーダ6よりパルス波41が出力され、アンプ部42へ入力される。アンプ部42ではロータリエンコーダ6からの出力からノイズを除去し、波形整形した信号を速度制御系PLL43と速度ディスクリ部44へ出力する。
一方、基準クロック45がVCO系PLL部46へ入力され、基準クロック45を任意の逓倍数へ逓倍したクロックを速度ディスクリ部44へ出力する。また、同時に、基準クロック45はそのまま速度制御系PLL部43へも入力される。
【0031】
速度ディスクリ部44では、パルス波41の周期ごとに基準クロック45との速度差を出力しており、速度制御系PLL部43ではパルス波41の周期ごとに基準クロック45との位相差を出力している。それぞれの出力が積分アンプ部47へ入力される。
積分アンプ部47では速度差の出力と位相差の出力を積分、加算してトルク指令値を生成して出力駆動回路48へ出力する。この出力駆動回路48ではPWM制御を用いてモータトルクを調整している。
トルク指令値と三角波を比較し、大小関係によりPWM制御のデューティを変化させ、モータ4からのロータ位置を検出したホール信号49からモータ4の駆動相のどの相を駆動するかを決定している。モータ4は、ドライバ50を介して、出力駆動回路48から得られた信号を駆動する。
【0032】
図7はモータを回転させて駆動させる基本的な制御を示すブロック線図である。図7には、図1及び図2に示した回転体3及びベルト12に対して、モータ4を回転させて駆動させる基本的な制御ブロック線図を示している。
通常のフィードバック制御の場合、コントローラ51から制御信号が出力され、その制御信号を受けてドライバ52では制御信号を満たすようにモータ4(図1)が動くための駆動信号を生成し、それによりプラント53の駆動源であるモータが駆動される。
ここで、コントローラ51は電流制御ループも含んでおり、プラント53は図1及び図2で示すようなモータ4により駆動される回転体3やベルト12全体のことである。この回転体3やベルト12の駆動状態を回転体3と同軸に取り付けたロータリエンコーダ装置6やベルト12の従動軸と同軸に取り付けられたロータリエンコーダ装置6が計測することで信号値54が得られる。
この信号値54がフィードバックされ、規範信号55と減算器で比較され、現在の変位または速度と目標変位または速度との偏差56が求められる。この偏差56をコントローラ51に入力することで新しい制御信号が作られる。これが通常の基本的なフィードバック制御系である。
【0033】
しかし、ロータリエンコーダ装置6による駆動計測では、ロータリエンコーダホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心自体を通常は検知できないため、ロータリエンコーダホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心の影響を避けることはできない。そのため、前述の通常のフィードバック制御のみであった場合、本来ならば存在しない変動であるロータリエンコーダ装置6のロータリエンコーダホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心を検知し、それを補正するように駆動するためにロータリエンコーダ装置6を取り付けた回転体自体の周期変動が発生してしまう。
そこで、後述する本発明の第1の実施の形態では、ロータリエンコーダ6装置からの計測信号をフィードバックして回転体を駆動させる駆動制御系に対し、ロータリエンコーダ装置6自体のホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心又は回転体への取り付け偏心を検知し、コントローラ51の出力値に補正するようにしている。色分割帯状部色分割パターン
【0034】
図8はロータリエンコーダ装置のホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心が存在し、それによって発生する角速度変動または角変位変動について示す説明図である。図8において、ホイール部6A上にパターン6aが形成されている。このパターン6aをここでは図示しないセンサが計測位置14で読み込んでいる。
この時、ホイール部6Aの回転中心を15とすると、取り付け偏心により回転中心15は符号16に示すように偏心分回転してしまう。この偏心分の回転により実際の回転半径と計測による回転半径が異なり、例えば、位置17では計測半径が最も短く、位置18では計測半径が最も長くなってしまう。これにより、目標の角速度または角変位19に対して、ロータリエンコーダ装置の回転周期で角速度または角変位は正弦波20のように変動してしまう。
【0035】
図9はパターンと重なるように円周方向に設けた反射光の色成分が色分割帯状部とパルスを示す概略図である。図9において、ロータリエンコーダのホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心取り付け偏心量を検知するために、全反射するホイール部6A上に無反射パターン21を形成し、この無反射パターン21と重なるように円周方向に反射光の色成分が色分割帯状部を設けている。
ここでは一例として外側に赤帯状部22(点線帯片)、内側に青帯状部23(実線帯片)を設けたとする。ここで、色分割帯状部分とはその色のみ反射しないものとする。つまり、赤帯状部22では反射光にR波長帯域成分が含まれず、青帯状部23では反射光にB波長帯域成分が含まれないことを意味する。
【0036】
また、赤帯状部22と青帯状部23には隙間24を設けており、ここはホイール部6Aが露出している。ここに白色光を当てた場合のR波長帯域成分とB波長帯域成分の波形について説明する。
ただし、ここでは説明の簡略化のためにR成分とB成分で説明するが、その他の色分割帯状部分を用いれば他の色成分でも良く、少なくとも2種類以上が検出可能であれば良い。ただし、以降の説明においてはR波長帯域成分と、B波長帯域成分を用いて説明する。また、ここでは隙間24を設けることにより計測されるパルス波の変化を分かり易くしているが、隙間24を設けない構成としても良い。
仮に、センサ位置が見かけ上、偏心の影響によりパターン上の軌跡25(実線の細い帯片)を通るとする。この時のR波長帯域成分とB波長帯域成分それぞれから得られるパルス波は図9の下段に示してある。
【0037】
まず、軌跡26部分では、赤帯状部22と無反射パターン21をセンサが検出するため、B成分はパルス波が得られるが、R波長帯域成分は常に無反射であるためにパルス波が得られない。その後、軌跡27部分に移動すると隙間24と無反射パターン21をセンサが検出するため、R波長帯域成分及びB波長帯域成分ともにパルス波が得られる。
その後、軌跡66部分へ移動すると青帯状部23と無反射パターン21をセンサが検出するため、R波長帯域成分はパルス波が得られるが、B波長帯域成分は常に無反射であるためにパルス波が得られない。そして、軌跡67では軌跡27部分、軌跡68では軌跡26部分と同様の波形がそれぞれから得られる。
この軌跡26部分から軌跡68部分までのR波長帯域成分及びB波長帯域成分の波形はそれぞれ69、70のパルス波となる。ここで、色分割帯状部分の作り方の1つの例として、色分割帯状部分にカラーフィルムを貼り付ける方法がある。
【0038】
図10は半径方向で分けられた無反射パターンと色分割パターンにより1つとして形成されるパターンを示す概略図である。図10において、全反射するホイール部6A上に半径方向で分けられた無反射パターン71、72と色分割パターン73、74により1つとして形成されるパターンを設けている。
ここでは一例として無反射パターン72について説明すれば、無反射パターン72上には、軌跡25の細い実線の帯片、その次の外側の色分割パターンである点線の帯片からなる赤色パターン73、内側の色分割パターンである実線の帯片の青色パターン74で構成している。
【0039】
仮に、センサ位置が見かけ上、偏心の影響によりパターン上の軌跡25を通るとする。この時のRB成分それぞれから得られるパルス波を図10の下段に示している。まず、軌跡26部分では、ホイール部6A上と無反射パターン71をセンサが検出するため、R成分及びB成分ともにパルス波が得られる。
その後、軌跡27部分に移動するとホイール部6A上の赤色パターン73をセンサが検出するため、R波長帯域成分はパルス波が得られるが、B波長帯域成分は全てが反射光となるためパルス波が得られない。
その後、軌跡66部分へ移動するとホイール部6A上と青色パターン74をセンサが検出するため、B波長帯域成分はパルス波が得られるが、R波長帯域成分は全てが反射光となるためパルス波が得られない。
【0040】
その後、軌跡67部分へ移動するとホイール部6A上と無反射パターン72をセンサが検出するため、R波長帯域成分及びB波長帯域成分ともにパルス波が得られる。そして、軌跡68では軌跡66部分、軌跡75では軌跡27部分、軌跡76では軌跡26部分と同様の波形がそれぞれから得られる。
この軌跡26部分から軌跡76部分までのR波長帯域成分及びB波長帯域成分の波形はそれぞれ77、78のパルス波となる。ここで、色分割帯状部の一例として、色分割帯状部にカラーフィルムを貼り付ける方法がある。
【0041】
図11はパターンと重なるように円周方向に設けた反射光の色成分が色分割帯状部とパルスを示す概略図である。次に、図11には、全反射するホイール部6A上に半径方向で分けられた無反射パターン21と色分割パターン23により1つとして形成されるパターンを設け、パターンと重なるように円周方向に反射光の色成分が色分割帯状部を設けている。
ここでは一例として赤色パターン23(無反射パターン21の半分の点線部分)、色分割帯状部を青帯状部79(実線の円周方向帯片)を設けたものとする。仮にセンサ位置が見かけ上、偏心の影響によりパターン上の軌跡25を通るとする。
この時のR波長帯域成分と、B波長帯域成分それぞれから得られるパルス波を図11の下段に示している。まず軌跡26部分では、ホイール部6A上と無反射パターン21をセンサが検出するため、R波長帯域成分及びB波長帯域成分ともにパルス波が得られる。
【0042】
その後、軌跡27部分に移動すると青帯状部79と無反射パターン21をセンサが検出するため、R波長帯域成分はパルス波が得られるが、B波長帯域成分は反射光がないため信号が得られない。その後、軌跡66部分へ移動するとホイール部6A上と赤色パターン23をセンサが検出するため、R波長帯域成分はパルス波が得られるが、B波長帯域成分は全て光が反射されるためパルス波が得られない。
そして、軌跡67では軌跡27部分、軌跡68では軌跡26部分と同様の波形がそれぞれから得られる。この軌跡26部分から軌跡68部分までのR波長帯域成分及びB波長帯域成分の波形はそれぞれ80、81のパルス波となる。ここで、色分割帯状部または色分割パターン部の作り方の一例として、色分割部位領域にカラーフィルムを貼り付ける方法がある。
図9から図11のロータリエンコーダ装置からのパルス波より回転体の駆動計測とロータリエンコーダ装置のホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心を計測するやり方として、まず、駆動計測はそれぞれR波長帯域成分及びB波長帯域成分から得られたパルス波両方を足し合わせることで1つの連続したパルス波を得ることができることから、それを駆動計測に用いる。基本的に同じセンサによって同じパターンを読み込んでいるため、計測する反射光の波長が異なるだけであり、パルス波の周期及びタイミングはR波長帯域成分及びB波長帯域成分で同じになる。
【0043】
図12はロータリエンコーダ装置のホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心を計測する具体的な方法の一例を示す波形図である。ここでは一例として図9の下段のパルス波を用いて説明するが、同じようなタイミング検出により図10の下段、図11の下段のパルス波でも同様に偏心を計測することができる。ロータリエンコーダホイール部の偏心周期はロータリエンコーダ装置自体の回転周期であり、形は正弦波と考えることができる。
そのため偏心の基本的な形は正弦波82で表される。この正弦波82はホイール部の偏心位置を表しており、そのまま偏心の波形となる。つまり、振幅0ではパターンが規定位置であり、上のピークでは偏心により実際の半径は最大、下のピークでは偏心により実際の半径は最小となる。
【0044】
R成分のパルス波がなく、B波長帯域成分のみパルス波が存在する場合は、偏心によりセンサ位置が23の位置に来ている時である。そこから、R波長帯域成分及びB波長帯域成分ともにパルス波が得られるタイミング83はセンサの位置が23から隙間へ移動したことを示す。
また、その後にR波長帯域成分はパルス波が得られるが、B波長帯域成分のパルス波が得られなくなるタイミング84はセンサの位置が隙間から79へ移動したことを示す。さらに、再びB波長帯域成分が得られるタイミング85ではセンサの位置が79から、再び隙間に移動したことを示す。
その後、R波長帯域成分のパルス波が得られなくなるタイミング86ではセンサの位置が隙間から23に移動することを示す。ここで、隙間の間隔は設計段階から予め明確であり、また、正弦波82の周期はロータリエンコーダ装置の回転周期であること、さらに、タイミング83、84、85、86から正弦波82の振幅と現在の位相は一意に決定される。
このようにして偏心の形を求めることができる。ただし、ここで、開始タイミングでなくても、例えば、タイミング85から計測が開始されたとしても同様に偏心量を求めることができる。また、より高精度に偏心量を検出するためにはた色分割帯状部または色分割パターン部位の分割数とその密度を上げるほど色分割域を跨ぐ頻度が多くなり、検知の分解能を向上させ、且つ精度良く検知することができる。
【0045】
図13は偏心量を作り出す部分を示すブロック線図である。図13では、図12のR波長帯域成分パルス波87とB波長帯域成分パルス波88が入力信号90として比較演算部91へ入力される。比較演算部91へは基本的な偏心を表す正弦波が記憶されているメモリ92から、その情報が入力されている。
比較演算部91では図12の説明で行ったとおり、R波長帯域成分パルス波87とB波長帯域成分パルス波89から必要なタイミングとメモリ92からの正弦波の比較を行い、現在の計測における偏心振幅と位相を求め、偏心量93として出力し、以降で図示する補正部に入力される。この偏心量93は正弦波のままの場合や、後段の機構によりパルス波と変えられて出力されても良い。
【0046】
図14はコントローラの出力値に補正処理を行う駆動制御系の第1の実施の形態のブロック線図である。図14では、図9から図11のロータリエンコーダを用いて駆動制御を行い、ロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心位相を検知して、コントローラの出力値に補正処理を行うようにしている。
コントローラ51から制御信号が出力されている。またロータリエンコーダ装置からの偏心を示すパルス波93が補正部57へ入力されている。補正部57では図13で示したような構成も含まれており、さらに制御信号と加算することが可能でかつロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心成分を相殺することができる信号に変換されている。
補正部57からの信号とコントローラ51からの制御信号が加算されてドライバ52に入力される。このドライバ52では制御信号を満たすようにモータが動くための駆動信号を生成し、それによりプラント53の駆動源であるモータが駆動される。
【0047】
ここで、コントローラ51は電流制御ループも含んでおり、プラント53は図1及び図2で示すようなモータにより駆動される回転体やベルト全体のことである。この回転体やベルトの駆動状態を回転体と同軸上のロータリエンコーダやベルトの従動軸に取り付けられたロータリエンコーダを読み取ることで信号値54が得られる。
この信号値54がフィードバックされ、規範信号55と減算器で比較され、現在の角変位または角速度と目標角変位または角速度との偏差56が求められる。この偏差56をコントローラ51に入力することで新しい制御信号が作られる。これがロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心も考慮したフィードバック制御系である。
【0048】
図15はPLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。図15において、モータ4の駆動が伝達されて回転体が駆動し、その回転体の駆動に応じてロータリエンコーダ6よりパルス波41が出力され、アンプ部42へ入力される。アンプ部42ではロータリエンコーダ装置6からの出力からノイズを除去し、波形整形した信号を速度制御系PLL43と速度ディスクリ部44へ出力する。
一方、基準クロック45がVCO系PLL部46へ入力され、基準クロック45を任意の逓倍数へ逓倍したクロックを速度ディスクリ部44へ出力する。また、同時に、基準クロック45はそのまま速度制御系PLL部43へも入力される。
速度ディスクリ部44では、パルス波41の周期ごとに基準クロック45との速度差を出力しており、速度制御系PLL部43ではパルス波41の周期ごとに基準クロック45との位相差を出力している。それぞれの出力が積分アンプ部47へ入力される。
【0049】
積分アンプ部47では速度差の出力と位相差の出力を積分、加算してトルク指令値を生成する。生成されたトルク指令値は偏心補正部57へ入力される。偏心補正部57へはロータリエンコーダ6より偏心信号58もフィードバックされて入力されている。
偏心補正部57では偏心信号58と逆位相となり、必要な振幅へ増幅させた信号を生成する。偏心補正部57で生成された新しいトルク指令値は出力駆動回路48へ出力される。この出力駆動回路48ではPWM制御を用いてモータトルクを調整している。
トルク指令値と三角波を比較し、大小関係によりPWM制御のデューティを変化させ、モータ4からのロータ位置を検出したホール信号49からモータ4の駆動相のどの相を駆動するかを決定している。出力駆動回路48から得られた信号を、ドライバ50を介してモータ4が駆動する。
上述したように構成された第1の実施の形態によれば、ロータリエンコーダ装置のホイール部の偏心や回転体への取り付け偏心が存在しても、回転体3、ベルト12へ偏心の影響を与えることなく高精度に駆動することができる。
【0050】
図16はロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心位相を検知して、フィードバック値へ補正処理を行う駆動制御系の第2の実施の形態を示すブロック線図である。この第2の実施の形態では、ロータリエンコーダ装置からの計測信号をフィードバックして回転体を駆動させる駆動制御系に対し、ロータリエンコーダ装置自体の偏心や回転体への取り付け偏心を検知し、フィードバック値へ補正する。偏心を求めるロータリエンコーダ装置の構成方法は第1の実施の形態と同様に考えることができる。
ロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心位相を検知して、フィードバック値へ補正処理を行う第2の実施の形態では、コントローラ51から制御信号が出力されてドライバ52に入力される。ドライバ52では制御信号を満たすようにモータが動くための駆動信号を生成し、それによりプラント53の駆動源であるモータが駆動される。
ここで、コントローラ51は電流制御ループも含んでおり、プラント53は図1及び図2で示したようなモータ4により駆動される回転体3やベルト12全体のことである。この回転体3やベルト12の駆動状態を回転体3と同軸上のロータリエンコーダ装置やベルト12の従動軸11に取り付けられたロータリエンコーダ装置を読み取ることで信号値54が得られる。この信号値54がフィードバックされ、補正部57へ入力される。
【0051】
補正部57へは別途、ロータリエンコーダ装置からの偏心を示すパルス波93が入力されており、補正部57では図13で示したような構成も含まれており、信号値54にロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心成分も加算され、補正フィードバック値94が出力される。
この補正フィードバック値94は規範信号55と減算器で比較され、現在の角変位または角速度と目標角変位または角速度との偏差56が求められる。この偏差56をコントローラ51に入力することで新しい制御信号が作られる。これがロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心も考慮したフィードバック制御系である。
【0052】
図17はPLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。図17には、また、図16と同様のことをアナログであるPLL駆動で構成した場合を示している。
図17において、モータ4の駆動が伝達されて回転体が駆動し、その回転体の駆動に応じてロータリエンコーダ装置6よりパルス波41が出力され、偏心補正部57へ入力される。偏心補正部57へはロータリエンコーダ装置6より偏心信号58もフィードバックされて入力されている。
偏心補正部57ではロータリエンコーダ装置6で計測された現在の駆動状態に偏心情報も追加することで、本来は計測することのできない偏心情報も含んだ新しいパルス波64が作られる。偏心補正部57から新しいパルス波64を出力し、アンプ部42へ入力される。アンプ部42ではロータリエンコーダ6からの出力からノイズを除去し、波形整形した信号を速度制御系PLL43と速度ディスクリ部44へ出力する。
一方、基準クロック45がVCO系PLL部46へ入力され、基準クロック45を任意の逓倍数へ逓倍したクロックを速度ディスクリ部44へ出力する。また、同時に、基準クロック45はそのまま速度制御系PLL部43へも入力される。
【0053】
速度ディスクリ部44では、パルス波41の周期ごとに基準クロック45との速度差を出力しており、速度制御系PLL部43ではパルス波41の周期ごとに基準クロック45との位相差を出力している。それぞれの出力が積分アンプ部47へ入力される。
積分アンプ部47では速度差の出力と位相差の出力を積分、加算してトルク指令値を生成して出力駆動回路48へ出力する。この出力駆動回路48ではPWM制御を用いてモータトルクを調整している。
トルク指令値と三角波を比較し、大小関係によりPWM制御のデューティを変化させ、モータ4からのロータ位置を検出したホール信号49からモータ4の駆動相のどの相を駆動するかを決定している。モータ4は、ドライバ50を介して、出力駆動回路48から得られた信号を駆動する。偏心信号をパルス波などのデジタル信号として生成する方法は第1の実施の形態と同様に考えることができる。
上述したように構成された第2の実施の形態によれば、ロータリエンコーダ装置のホイール部自体の偏心や回転体への取り付け偏心が存在しても、回転体3、ベルト12へ偏心の影響を与えることなく高精度に駆動することができる。
【0054】
図18はモータを回転させて駆動させる本発明の第3の実施の形態の制御を示すブロック線図である。図18には、ロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心位相を検知して、目標値へ補正処理を行う駆動制御系のブロック線図を示している。
第3の実施の形態では、コントローラ51から制御信号が出力されてドライバ52に入力される。ドライバ52では制御信号を満たすようにモータが動くための駆動信号を生成し、それによりプラント53の駆動源であるモータが駆動される。
ここで、コントローラ51は電流制御ループも含んでおり、プラント53は図1及び図2で示したようなモータにより駆動される回転体3やベルト12全体のことである。この回転体3やベルト12の駆動状態を回転体と同軸上のロータリエンコーダ装置やベルトの従動軸に取り付けられたロータリエンコーダ装置を読み取ることで信号値54が得られる。
【0055】
この信号値54はフィードバック減算器に入力される。一方、ロータリエンコーダ装置からの偏心を示すパルス波93が補正部57へ入力されており、補正部57では図13で示したような構成も含まれており、目標値55と加算が可能で、ロータリエンコーダの取り付け偏心を補正できるような波形へ整形されて出力され、実際に目標値55と加算されて補正目標値を生成している。
この補正目標値と信号値54と減算器で比較され、現在の角変位または角速度と目標角変位または角速度との偏差56が求められる。この偏差56をコントローラ51に入力することで新しい制御信号が作られる。これがロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心も考慮したフィードバック制御系である。
【0056】
図19はPLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。図19には、また、図18と同様のことをアナログであるPLL駆動で構成した場合を示している。
図19において、モータ4の駆動が伝達されて回転体が駆動し、その回転体の駆動に応じてロータリエンコーダ装置6よりパルス波41が出力されアンプ部42へ入力される。アンプ部42ではロータリエンコーダ装置6からの出力からノイズを除去し、波形整形した信号を速度制御系PLL43と速度ディスクリ部44へ出力する。
一方、基準クロック45が偏心補正部57へ入力され、同時にロータリエンコーダ装置6より偏心信号58も入力される。偏心補正部57では偏心信号58による偏心成分も含んだ信号を生成し、基準クロック45へ加算または減算可能なパルス波へ変換され、新しい基準クロック65を出力する。
【0057】
新しい基準クロック65はVCO系PLL部46へ入力され、基準クロック45を任意の逓倍数へ逓倍したものを速度ディスクリ部44へ出力する。また同時に新しい基準クロック65はそのまま速度制御系PLL部43へも入力される。
速度ディスクリ部44ではパルス波41の周期ごとに新しい基準クロック65との速度差を出力しており、速度制御系PLL部43ではパルス波41の周期ごとに新しい基準クロック65との位相差を出力している。それぞれの出力が積分アンプ部47へ入力される。
積分アンプ部47では速度差の出力と位相差の出力を積分、加算してトルク指令値を生成して出力駆動回路48へ出力する。出力駆動回路48ではPWM制御を用いてモータトルクを調整している。
【0058】
トルク指令値と三角波を比較し、大小関係によりPWM制御のデューティを変化させ、モータ4からのロータ位置を検出したホール信号49からモータ4の駆動相のどの相を駆動するかを決定している。モータ4は、ドライバ50を介して、出力駆動回路48からの信号を駆動する。偏心信号をパルス波などのデジタル信号として生成する方法は第1の実施の形態と同様に考えることができる。
上述したように構成された第3の実施の形態によれば、ロータリエンコーダ装置のホイール部の偏心や回転体への取り付け偏心が存在しても回転体3、ベルト12へ偏心の影響を与えることなく高精度に駆動することができる。
【0059】
図20は回転体駆動装置の例を示す図である。101:モータの回転トルクを102:モータ歯車、により113:ローラ歯車を介して114:駆動ローラを駆動している。114:駆動ローラと平行に115:テンションローラ、116:ローラ、102:モータ歯車に対向する105:回転体軸先端の106:ホイール取付軸部へ108:ロータリエンコーダホイールの中心と同軸の107:ホイールボス部を挿入し、図示していない接合手段(ねじ締結、接着、圧入など)により固定されている。108:ロータリエンコーダホイールの周囲に等角度ピッチに配列された109:パターン部があり、それを固定位置の110:光センサにより回転角度により変化する光量変化を光電変換し、角度検出を行っている。
【0060】
図21は回転体駆動装置の他の例を示す図である。101:モータの回転トルクを102:モータ歯車、により111:ローラ歯車を介して112:駆動ローラを駆動している。112:駆動ローラと平行して、113:テンションローラ、114:従動ローラがそれぞれの機能する位置に配列し、互いの外周面に無端状の115:ベルトが摩擦接触して掛けられており、中でも113:テンションローラでは、図示していない張力付与手段(コイルばねなど)で両端軸部に均等な張力荷重を付与する事により115:ベルトに搬送力を与え、更に114:従動ローラを回転させるトルクを伝達している。114:従動ローラの116:ローラ軸先端の117:ホイール取付軸部へ108:ロータリエンコーダホイールの中心と同軸の107:ホイールボス部を挿入し、図示していない接合手段(ねじ締結、接着、圧入など)により固定されている。107:ロータリエンコーダホイールの周囲に等角度ピッチに配列された109:パターン部があり、それを固定位置の110:光センサにより回転角度により変化する光量変化を光電変換し、角度検出を行っている。この121:ロータリエンコーダホイールの109:パターン部を110:光センサが検出する事で115:ベルトの搬送線速を計測する。110:光センサが検出したパルス信号に基づきベルト搬送速度の制御信号を作り、駆動源である101:モータを回転させる回転角速度を制御する事で所望の115:ベルトの搬送線速を得る事が出来る。
【0061】
尚、図21では112:従動ローラの軸上に108:ロータリエンコーダホイールを取り付けているが、システム上問題なければ113:テンションローラ軸上に取り付けても構わない。
また、図20、図21における108:ロータリエンコーダホイールの109:パターン部を110:光センサでは、透過率の違いをパターン認識し、H、L、2値のデジタル信号に変換しているが、透過型の光センサに限らず、図示していない反射型の光センサを用いて、反射率の異なるパターンを認識する方式であっても構わない。
図22−a、b、c、dはローラリーエンコーダ偏心取り付けの回転の様子を示す図である。比較の為に従来例図23−a、b、c、d、a’、c’のロータリエンコーダを併記しているが、いずれもロータリエンコーダの取り付けが、回転中心に対して偏心して取り付けられた状態を90度ずつ回転位相をずらして示している。
【0062】
尚従来のロータリエンコーダのパターン(図22)のエッジは、中心から放射状に形成されているのに対して、図23(詳細は図23−a’、c’)で示すとおり、のロータリエンコーダのパターンのエッジの一辺は法線上に(ロータリエンコーダの有効パターン域において)c点とd点を結ぶ線であって、対向するもう一辺はa点とb点を結ぶ線で、これは法線に対して図示のとおりθ2の角度を設けている。(θ1は複数パターンの配列ピッチ角度を示す。)
尚図22−aと図23−aは共に光センサの位置に外側に偏心したロータリエンコーダの角度位相上になるパターンを便宜的にパターン1と呼称し、それを基点にして反時計回りにパターン2、3、4・・・72まで分割している。図22−bと図23−bはロータリエンコーダが90度時計方向に回転した状態をしめし、順次図22−cと図23−cは180度、図22−dと図23−dは270度回転した状態を示す。
【0063】
図24は、本発明の実施例の詳細図である。109S:パターン部の形状が、ホイール中心点(O)を通る法線上の辺(法線部)と、もう一方の辺が或る一定の傾斜角度(θa)を持った直線であり、その二辺の交点は図示ではパターン部より外側にある交点:Xoutを通過しているが、特に交点位置をパターン部に対して内側か外側かを特にはまだ限定しておらず、法線に対する角度(θ)を持った事が特徴としている。
【0064】
図25は、本発明の実施例の詳細図である。109R:パターン部の形状が、ホイール中心点(O)を通る法線上の辺(法線部)と、もう一方の辺が法線を基準線とするα、β、γ、δなる角度を成す別の法線に対してパターン部の斜辺部が各々異なる半径位置ア、イ、ウ、エのいずれにおいても接線角度が一定であることを示しており、従ってこの斜辺部は直線とはならず接線傾斜角一定の連続した曲線となる。(インボリュート曲線)
ここで、図24で示すホイール中心点(O)を通る法線上の辺(法線部)と、もう一方の辺が法線を基準線とするα、β、γ、δなる角度を成す別の法線に対して109S:パターン部の斜辺部が各々異なる半径位置ア、イ、ウ、エでの交点は図26とは異なり、当然直線(傾斜直線部)であれば半径が小さくなる(中心:Oに近づくほど)接線角度が大きくなることを示しており、この点が本発明では接線の傾斜が一定になる曲線にしていることが異なる重要な点である。
【0065】
図26は、本発明の実施例の詳細図である。109T:パターン部の形状が、ホイール部中心点(O)を通る法線上の辺(法線部)と、もう一方の辺が或る一定の傾斜角度(θb)を持った直線であり、その二辺の交点は図示ではパターン部より外側にある交点:Xinを通過している。
【0066】
図27は本発明の実施例の詳細図である。光の透過率の高い透明樹脂やガラスなど透明な円盤状の板でできた108A:ホイール部透明板には、110T:透過型光センサにより検出(識別)できる透過率の低い(透過率の異なる)109A:パターン(着色)を、印刷やエッチング、または焼き付けなど手段を問わない方法にて描かれており、パターンの一辺はホイールの法線上にあって、もう一方の辺は、ホイール部の法線上にあって、もう一方の辺は直線或いは曲線となる二辺に挟まれたパターンと成っている。
【0067】
図28は本発明の実施例の詳細図である。光の透過率の低い着色樹脂や金属など不透明な円盤状の板でできた108B:ホイール部には、110T:透過型光センサにより検出(識別)できる開口した109B:パターン(開口)部を、プレス加工や、エッチング、レーザ加工など加工手段を問わない方法にて形成されており、特徴的なのは、109B:パターン部の交点は、110T:透過型光センサが検出する半径よりも内側にあることであり、そのため形状はあたかも鋸歯状に記されているが、必ずしもこのような形状である必要はなく、たとえば透明な材質(ガラスや透明樹脂)の円盤に108B:ホイール部となるようなパターンを印刷やエッチングまたは焼き付けなど手段を問わない方法にて描いてあってもかまわない。
【0068】
図29本発明の実施例の詳細図である。光の透過率の低い着色樹脂や金属など不透明な円盤状の板でできた108C:ホイール部には、110T:透過型光センサにより検出(識別)できる開口した109C:パターン(開口)部を、プレス加工や、エッチング、レーザ加工など加工手段を問わない方法にて形成されており、特徴的なのは、109C:パターン部の交点は、110T:透過型光センサが検出する半径よりも外側にあることであり、そのため形状は三角三角穴の蓮根状に記されており、三角穴の109C:パターン部は開口しているためその外側に120:ホイール外輪部を設けないと隣接する109C:パターン部間の遮光領域の形状が中心寄りが細くなり強度が確保しにくいため曲がり易くなり不都合であるために設けたものである。
【0069】
図30は本発明の実施例の詳細図である。光の反射率の低い着色の樹脂や金属板に着色やめっき処理などを施すなど手段は限定しない手段で反射率を低減させた108D:ホイール部にはとして印刷やめっき、など限定しない手段にて反射率を高めることにより、少なくとも110H:反射型光センサにより検出(識別)できる反射率の高くなるような明度を持った透過反射率の高い(反射率の異なる)109D:パターン部が、印刷やエッチング、または焼き付けなど手段を問わない方法にて描かれており、本発明のパターンの一辺はホイール部の法線上にあって、もう一方の辺は、ホイール部の法線上にあって、もう一方の辺は或いは曲線となる二辺に挟まれたパターンと成っている。
【0070】
図31は本発明の実施例の詳細図である。光の反射率の高い着色樹脂や金属など円盤状の板でできた108E:ホイール部には、110H:反射型光センサにより検出(識別)できる開口した109E:パターン(開口)部を、プレス加工や、エッチング、レーザ加工など加工手段を問わない方法にて形成されており、特徴的なのは、109E:パターン部の交点は、110H:反射型光センサが検出する半径よりも内側にあることであり、そのため形状はあたかも鋸歯状に記されているが、必ずしもこのような形状である必要はなく、たとえば透明な材質(ガラスや透明樹脂)の円盤に108E:ホイール部となるようなパターンを印刷やエッチングまたは焼き付けなど手段を問わない方法にて描いてあってもかまわない。
【0071】
図32は本発明の実施例の詳細図である。光の反射率の高い着色樹脂や金属など円盤状の板でできた108F:ホイール部には、110H:反射型光センサにより検出(識別)できる開口した109F:パターン(開口)部を、プレス加工や、エッチング、レーザ加工など加工手段を問わない方法にて形成されており、特徴的なのは、109F:パターン部の交点は、110H:反射型光センサが検出する半径よりも外側にあることであり、そのため形状は三角三角穴の蓮根状に記されており、三角穴の109F:パターン部は開口しているためその外側に120:ホイール外輪部を設けないと隣接する109F:パターン部間の遮光領域の形状が中心寄りが細くなり強度が確保しにくいため曲がり易くなり不都合であるために設けたものである。
【0072】
図33は、従来のパターン(図22で示すようなパターンのエンコーダ)による取付け偏心のない正常な状態でのパルス出力波形を示し、図36はその一週分のパルス幅同士の関係を示す式である。
まず図33ではエンコーダパターン1から一周1分のパターン72までのHレベル(以降Hと称す)またはLレベル(以降lと称す)のパルス幅は均等であり、図36で示す式(1)のとおりとなる。
【0073】
図34は、従来のロータリエンコーダのホイール部が偏心して取り付けられたときのパルス出力波形を示し、図37はそのときの代表的なパターンでの(H+L)パターン間パルス幅に対するHのパルス幅との比率を示している。(P1は図22aで示すエンコーダホイールの取り付けが回転中心に対して外側に最も変心した状態、P19は図22−bで示すとおり図22aの状態から90度時計方向に回転した状態、P37は図22cで示すとおり図22aの状態から180度時計方向に回転した状態、P55は図22dで示すとおり図22aの状態から270度時計方向に回転した状態)P1は、最も粗なパルス幅の状態であるが、H/(H+L)の比率は他のP19や最も密なP37や、P55と同じになっていることを示している。
【0074】
図35は、本発明でのパターン形状によるロータリエンコーダを偏心させて取り付けた際のパルス出力波形を示し、図38はそのときの代表的なパターンでの(H+L)パターン間パルス幅に対するHのパルス幅との比率を示している。(P1は図23aで示すエンコーダホイールの取り付けが回転中心に対して外側に最も変心した状態、P19は図23bで示すとおり図23aの状態から90度時計方向に回転した状態、P37は図23cで示すとおり図23aの状態から180度時計方向に回転した状態、P55は図23dで示すとおり図23aの状態から270度時計方向に回転した状態)P1は、最も粗なパルス幅の状態であるが、H/(H+L)の比率はP19や最も密なP37や、P55と同じになっていることを示している。
【0075】
ロータリエンコーダパターンによる正常取付け状態での代表的パルス幅の関係は、
H1/(H1+L1)<H19/(H19+L19)<H37/(H37+L37)
H19/(H19+L19)=H55/(H55+L55)
但し、
H1>H19>H37>、H19=H55
L1>L19>L37>、L19=L55
P1〜P19〜P37〜P55〜P1でのHレベルのパルス幅率はSin関数で変動することを示している。(図39で示す『ロータリエンコーダパルスNo.とH/(H+L)との関係』より、H/(H+L)の比率の平均値が0.5で0.4(Min.)から0.6(Max.)の間で変動した状態を仮定し、0.4はパルスNo.19、0.6はパルスNo.55で発生するのであれば、ロータリエンコーダの偏心位相はパターン55の位相で外側に偏心している事に成る。)
【0076】
図40は本発明のロータリエンコーダ偏心信号の抽出と、偏心補正による正規化されたパルス生成を行うシステムの一実施例を示すブロック図である。先ず(150)では、ロータリエンコーダからのアナログ出力を(151)でA/D変換し、(152)でP1、P2、P3・・・P72等のパターンごとに出力される(153)回転パルス信号成分抽出と、(154)偏心信号成分抽出を行っており、具体的には、偏心による『当該ロータリエンコーダにおいて、回転角度に対するHとLレベルパルス幅の比率に応じて回転軸芯に対するロータリエンコーダの取り付け偏心量と、偏心位相を検出する偏心量位相検出手段』のロータリエンコーダ1周分(P1、P2、P3・・・P72)のパターンから得られるH/(H+L)のSin関数の周期変動の振幅と位相を求め、その変動成分を分離(フィルタリング)する事により求められる。
【0077】
またこの変動成分(振幅)を知り得たことで、予めテーブル化されている(155)偏心量算出参照テーブルからロータリエンコーダの偏心量が求まると同時に、(154)にて前記Sin関数のピーク値(Max.またはMin.を)を示したパターンのNo.を知ることにより、(157)偏心位相が検出され、(156)で求めた偏心量と(157)で求めた偏心位相に基づき、(153)で得た回転パルス信号成分にパルス幅の補正を掛ける事で(159)回転信号パルス幅補正出力を実行する。例えば前記図20、104:回転体や図21、116:従動ローラの回転をこれら各々のローラに取り付けられた108:ロータリエンコーダが仮に偏心した状態で取り付けられたとしても、これら一連のブロック図で示す101:モータの回転速度を制御することにより、これらの回転体を正確に等角速度運転することができるようになる。
尚これら一連(152から159)のデジタル処理部は、DSP(Digital Signal Processor)など高速に演算処理できるデバイスなどを使用する事が考えられるが、同様の回路が簡単に構成できるならばこれに限らない。
【0078】
図41は本発明の第4の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。図41において、符号110は第4の実施の形態の装置本体である。この装置本体110は、その外装ケース111内の中央よりもやや右寄りに、像担持体としてのドラム状の感光体(感光体ドラム)312を備えている。
感光体312の周りには、その上に設置されている帯電器113から矢印の回転方向(反時計方向)へ順に、現像手段としての回転型現像装置114、中間転写ユニット115、クリーニング装置116、除電器117などが配置されている。
これらの帯電器113、回転型現像装置114、クリーニング装置116、除電器117の上には、露光手段としての光書き込み装置、例えばレーザ書き込み装置118が設置されている。
【0079】
回転型現像装置114は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した、現像ローラ121を有する現像器120A、20B、20C、20Dを備え、中心軸まわりに回転して各色の現像器120A、20B、20C、20Dを選択的に感光体312の外周に対向する現像可能となる角変位へ移動させる。
中間転写ユニット115は複数のローラ123に像担持体としての無端状の中間転写体、例えば、中間転写ベルト324が掛け渡され、この中間転写ベルト324は感光体312に当接される。中間転写ベルト324の内側には転写装置125が設置され、中間転写ベルト324の外側には転写装置126及びクリーニング装置127が設置されている。クリーニング装置127は中間転写ベルト324に対して接離自在に設けられる。
レーザ書き込み装置118は、画像読み取り装置129から図示しない画像処理部を介して各色の画像信号が入力され、各色の画像信号により順次に変調されたレーザ光Lを一様帯電状態の感光体312に照射してこの感光体312を露光することによって感光体312上に静電潜像を形成する。
【0080】
画像読み取り装置129は装置本体110の上面に設けられた原稿台130上にセットされた原稿Gの画像を色分解して読み取り、電気的な画像信号に変換する。記録媒体搬送路132は右から左へ用紙等の記録媒体を搬送する。
記録媒体搬送路132には、中間転写ユニット115及び転写装置126より上流側にレジストローラ133が設置され、中間転写ユニット115及び転写装置126より下流側に搬送ベルト134、定着装置135、排紙ローラ136が配置されている。
装置本体110は給紙装置150上に載置される。給紙装置150内には、複数の給紙カセット151が多段に設けられ、給紙ローラ152のいずれか1つが選択的に駆動されて給紙カセット151のいずれか1つから記録媒体が送り出される。この記録媒体は装置本体110内の自動給紙路137を通して記録媒体搬送路132へ搬送される。
また、装置本体110の右側には、手差しトレイ138が開閉自在に設けられ、この手差しトレイ138から挿入された記録媒体は装置本体110内の手差し給紙路139を通して記録媒体搬送路132へ搬送される。装置本体110の左側には、図示しない排紙トレイが着脱自在に取り付けられ、記録媒体搬送路132を通して排紙ローラ136により排出された記録媒体が排紙トレイへ収容される。
【0081】
この第4の実施の形態において、カラーコピーを採る時には、原稿台130上に原稿Gをセットし、図示しないスタートスイッチを押すと、複写動作が開始される。まず、画像読み取り装置129が原稿台130上の原稿Gの画像を色分解して読み取る。同時に、給紙装置150内の給紙カセット151から給紙ローラ152で選択的に記録媒体が送り出され、この記録媒体は自動給紙路137を通してレジストローラ133に突き当たって止まる。
感光体312は、反時計方向に回転し、複数のローラ123のうちの駆動ローラの回転で中間転写ベルト324が時計方向へ回転する。感光体312は回転に伴い、帯電器113により一様に帯電され、画像読み取り装置129から画像処理部を介してレーザ書き込み装置118に加えられる1色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書き込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。
感光体312上の静電潜像は回転型現像装置114の1色目の現像器120Aにより現像されて1色目の画像となり、この感光体312上の1色目の画像は転写装置125により中間転写ベルト324に転写される。感光体312は、1色目の画像の転写後に、クリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
【0082】
続いて、感光体312は、帯電器113により一様に帯電され、画像読み取り装置129から画像処理部を介してレーザ書込み装置118に加えられる2色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書き込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。
この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置114の2色目の現像器120Bにより現像されて2色目の画像となり、この感光体312上の2色目の画像は転写装置125により中間転写ベルト324上に1色目の画像と重ねて転写される。感光体312は、2色目の画像の転写後に、クリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
次に、感光体312は帯電器113により一様に帯電され、画像読み取り装置129から画像処理部を介してレーザ書き込み装置118に加えられる3色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書き込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。
この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置114の3色目の現像器120Cにより現像されて3色目の画像となり、この感光体312上の3色目の画像は転写装置125により中間転写ベルト324上に1色目の画像、2色目の画像と重ねて転写される。感光体312は、3色目の画像の転写後に、クリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
【0083】
さらに、感光体312は帯電器113により一様に帯電され、画像読み取り装置129から画像処理部を介してレーザ書き込み装置118に加えられる4色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書き込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。
この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置114の4色目の現像器120Dにより現像されて4色目の画像となる。この感光体312上の4色目の画像が転写装置125により中間転写ベルト324上に1色目の画像、2色目の画像、3色目の画像と重ねて転写されることでフルカラー画像が形成される。感光体312は、4色目の画像の転写後に、クリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
そして、レジストローラ133がタイミングをとって回転して記録媒体が送り出され、この記録媒体は転写装置126により中間転写ベルト324上のフルカラー画像が転写される。この記録媒体は搬送ベルト134で搬送されて定着装置135によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ136により排紙トレイへ排出される。また、中間転写ベルト324は、フルカラー画像の転写後に、クリーニング装置127でクリーニングされて残留トナーが除去される。
【0084】
以上4色重ね画像を形成する動作について説明したが、3色重ね画像を形成する場合には感光体312上に3つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト324上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。
2色重ね画像を形成する場合には感光体312上に2つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト324上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。また、単色画像を形成する場合には、感光体312上に1つの単色画像が形成されて中間転写ベルト324上に転写された後に記録媒体に転写される。
このようなカラー複写機においては、感光体312、レジストローラ133、中間転写ベルト324、搬送ベルト134の駆動精度が最終画像の品質に大きく影響する。従って、より高精度な感光体312、レジストローラ133、中間転写ベルト324、搬送ベルト134の駆動が望まれる。
そこで、この第4の実施の形態では、感光体312とレジストローラ133、を図1の駆動対象3となるような駆動装置の構成とし、中間転写ベルト324と搬送ベルト134を図2のベルト12となるような駆動装置の構成とすることにより、感光体312、レジストローラ133、中間転写ベルト324、搬送ベルト134の駆動精度が向上し、画像形成時における変動が減少することから、高品質な画像を得ることができる。
【0085】
図42は本発明の第5の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。像担持体としての感光体161は、閉ループ状のベルト基材の外周面上に、有機光半導体(OPC)等の感光層が薄膜状に形成された感光体ベルトである。この感光体161は、3本の感光体搬送ローラ162〜164によって支持され、駆動モータ(図示せず)によって矢印A方向に回動する。
感光体161の周りには、矢印Aで示す感光体161の回転方向へ順に、帯電器165、露光手段としての露光光学系(以下、LSUという)166、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の現像器167〜170、中間転写ユニット171、感光体クリーニング手段172及び除電器173が設けられている。帯電器165は数kV程度の高電圧が図示しない電源装置から印加され、感光体161の帯電器165に対向した部分を帯電して一様な帯電電位を与える。
【0086】
LSU166はレーザ駆動回路(図示せず)により階調変換手段(図示せず)からの各色の画像信号を順次に光強度変調やパルス幅変調してその変調信号で半導体レーザ(図示せず)を駆動することにより露光光線174を得、この露光光線174により感光体161を走査してこの感光体161上に各色の画像信号に対応する静電潜像を順次に形成する。
各現像器167〜170はそれぞれの現像色に対応したトナーを収納しており、感光体161上の各色の画像信号に対応した静電潜像に応じたタイミングで選択的に感光体161に当接し、この感光体161上の静電潜像をトナーにより現像して各色の画像とすることで、4色重ねの画像によるフルカラー画像を形成する。
【0087】
中間転写ユニット171はアルミニウム等の金属の素管に導電性の樹脂等からなるベルト状のシートを巻いた中間転写体としての転写ドラム177と、ゴム等をブレード状に形成した中間転写体クリーニング手段178とを含んでいる。中間転写体177上に4色重ねの画像が形成されている間、中間転写体クリーニング手段178は中間転写体177から離間している。
中間転写体クリーニング手段178は中間転写体177をクリーニングする時のみこの中間転写体177に当接し、中間転写体177から記録媒体としての記録紙179に転写されずに残ったトナーを除去する。記録紙179は、記録紙カセット180から給紙ローラ181によって1枚ずつ用紙搬送路182に送り出される。
【0088】
転写手段としての転写ユニット183は中間転写体177上のフルカラー画像を記録紙179に転写するものである。この転写ユニット183は導電性のゴム等をベルト状に形成した転写ベルト184と、中間転写体177上のフルカラー画像を記録紙179に転写するための転写バイアスを転写ベルト184に印加する転写器185と、記録紙179にフルカラー画像が転写された後に記録紙179が中間転写体177に静電的に張り付くのを防止するようにバイアスを中間転写体177に印加する分離器186とから構成されている。
定着器187は内部に熱源を有するヒートローラ188及び加圧ローラ189によって構成されている。記録紙179上に転写されたフルカラー画像をヒートローラ188と加圧ローラ189との記録紙挟持回転に伴い、圧力と熱を記録紙179に加えて記録紙179にフルカラー画像を定着させてフルカラー画像を形成する。
以上のように構成された第5の実施の形態について、以下その動作を説明する。ここで、静電潜像の現像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順で行われるものとして説明を進める。
【0089】
感光体161と中間転写体177は、それぞれの駆動源(図示せず)により、矢印A、B方向にそれぞれ駆動される。この状態で、まず、帯電器165に数kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加され、帯電器165が感光体161の表面を一様に数百V程度に帯電させる。
感光体161にLSU166からブラックの画像信号に対応したレーザビームの露光光線174が照射され、感光体161は露光光線174が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
【0090】
一方、ブラック現像器167は所定のタイミングで感光体161に当接される。ブラック現像器167内のブラックトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体161上の露光光線174の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみブラックトナーが付着し、いわゆる、ネガポジプロセスによる現像が行われる。
ブラック現像器167により感光体161の表面に形成されたブラックトナー像は中間転写体177に転写される。感光体161から中間転写体177に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段172により除去され、さらに除電器173によって感光体161上の電荷が除去される。
【0091】
次に、帯電器165が感光体161の表面を一様に数百V程度に帯電させる。感光体161にLSU166からシアンの画像信号に対応したレーザビームの露光光線174が照射され、感光体161は露光光線174が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体161には所定のタイミングでシアン現像器168が当接される。シアン現像器168内のシアントナーは負の電荷が予め与えられており、感光体161上の露光光線174の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみシアントナーが付着し、いわゆる、ネガポジプロセスによる現像が行われる。
【0092】
シアン現像器168により感光体161の表面に形成されたシアントナー像は中間転写体177上にブラックトナー像と重ねて転写される。感光体161から中間転写体177に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段172により除去され、さらに除電器173によって感光体161上の電荷が除去される。
次に、帯電器165が感光体161の表面を一様に数百V程度に帯電させる。感光体161にLSU166からマゼンタの画像信号に対応したレーザビームの露光光線174が照射され、感光体161は露光光線174が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体161には所定のタイミングでマゼンタ現像器169が当接される。マゼンタ現像器169内のマゼンタトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体161上の露光光線174の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみマゼンタトナーが付着し、いわゆる、ネガポジプロセスによる現像が行われる。
【0093】
マゼンタ現像器169により感光体161の表面に形成されたマゼンタトナー像は、中間転写体177上にブラックトナー像、シアントナー像と重ねて転写される。感光体161から中間転写体177に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段172により除去され、さらに除電器173によって感光体161上の電荷が除去される。
さらに、帯電器165が感光体161の表面を一様に数百V程度に帯電させる。感光体161にLSU166からイエローの画像信号に対応したレーザビームの露光光線174が照射され、感光体161は露光光線174が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体161には所定のタイミングでイエロー現像器170が当接される。イエロー現像器170内のイエロートナーは負の電荷が予め与えられており、感光体161上の露光光線174の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみイエロートナーが付着し、いわゆる、ネガポジプロセスによる現像が行われる。
【0094】
イエロー現像器170により感光体161の表面に形成されたイエロートナー像は中間転写体177上にブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像と重ねて転写され、中間転写体177上にフルカラー画像が形成される。感光体161から中間転写体177に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段172により除去され、さらに除電器173によって感光体161上の電荷が除去される。
中間転写体177上に形成されたフルカラー画像は、これまで中間転写体177から離間していた転写ユニット183が中間転写体177に接触し、転写器185に数kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加されることで、記録紙カセット180から用紙搬送路182に沿って搬送されてきた記録紙179へ転写器185により一括して転写される。
また、分離器186には記録紙179を引き付ける静電力が働くように電圧が電源装置から印加され、記録紙179が中間転写体177から剥離される。続いて、記録紙179は、定着器187に送られ、ここでヒートローラ188と加圧ローラ189とによる挟持圧、ヒートローラ188の熱によってフルカラー画像が定着されて排紙ローラ190により排紙トレイ191へ排出される。
【0095】
また、転写ユニット183により記録紙179上に転写されなかった中間転写体177上の残留トナーは中間転写体クリーニング手段178により除去される。中間転写体クリーニング手段178はフルカラー画像が得られるまで中間転写体177から離間した角変位にある。フルカラー画像が記録紙179に転写された後に中間転写体177に接触して中間転写体177上の残留トナーを除去する。以上の一連の動作によって1枚分のフルカラー画像形成が終了する。
このようなカラー複写機においては、感光体ベルト161や転写ドラム177、転写ベルト184の駆動精度が最終画像の品質に大きく影響し、特に高精度な感光体ベルト161、転写ベルト184の高精度駆動が望まれる。
そこで、この第5の実施の形態では、感光体ベルト161、転写ベルト184を図2のベルト12となるような駆動装置の構成とし、転写ドラム177を図1の駆動対象3となるような構成とすることにより、感光体ベルト161、転写ベルト184、転写ドラム177の駆動精度が向上し、画像形成時における変動が減少することから、高品質な画像を得ることができる。
【0096】
図43は本発明による第6の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。この第6の実施の形態は、タンデム方式の画像形成装置の例である。この第6の実施の形態においては、複数色、例えば、ブラック(以下、Bkという)、マゼンタ(以下、Mという)、イエロー(以下、Yという)、シアン(以下、Cという)の各画像をそれぞれ形成する複数の画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cが垂直方向に配列されている。
この画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cは、それぞれドラム状の感光体からなる像担持体222Bk、222M、222Y、222C、帯電装置(例えば、接触帯電装置)223Bk、223M、223Y、223C、現像装置224Bk、224M、224Y、224C、クリーニング装置225Bk、225M、225Y、225Cなどから構成される。
【0097】
感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、無端状搬送ベルト226と対向して垂直方向に配列され、この搬送ベルト226と同じ周速で回転駆動される。この感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、それぞれ、帯電装置223Bk、223M、223Y、223Cにより均一に帯電された後に、光書き込み装置からなる露光手段227Bk、227M、227Y、227Cによりそれぞれ露光されて静電潜像が形成される。
光書き込み装置227Bk、227M、227Y、227Cは、それぞれY、M、C、Bk各色の画像信号により半導体レーザ駆動回路で半導体レーザを駆動して半導体レーザからのレーザビームをポリゴンミラー229Bk、229M、229Y、229Cにより偏向走査する。
【0098】
このポリゴンミラー229Bk、229M、229Y、229Cからの各レーザビームを図示しないfθレンズやミラーを介して感光体222Bk、222M、222Y、222Cに結像することにより、感光体222Bk、222M、222Y、222Cを露光して静電潜像を形成する。
この感光体222Bk、222M、222Y、222C上の静電潜像は、それぞれ現像装置224Bk、224M、224Y、224Cにより現像されてBk、M、Y、C各色のトナー像となる。
従って、帯電装置223Bk、223M、223Y、223C、光書き込み装置227Bk、227M、227Y、227C及び現像装置224Bk、224M、224Y、224Cは、感光体222Bk、222M、222Y、222C上にBk、M、Y、C各色の画像(トナー像)を形成する画像形成手段を構成している。
【0099】
一方、普通紙、OHPシートなどの記録紙は本実施の形態の下部に設置された、給紙カセットを用いて構成された給紙装置230から記録紙搬送路に沿ってレジストローラ231に向かって給紙される。
レジストローラ231は1色目の画像形成ユニット(記録紙に最初に感光体上の画像を転写する画像形成ユニット)221Bkにおける感光体222Bk上のトナー像とタイミングを合わせて記録紙を搬送ベルト226と感光体222Bkとの転写ニップ部へ送出する。
搬送ベルト226は垂直方向に配列された駆動ローラ232及び従動ローラ233に掛け渡され、駆動ローラ232が図示しない駆動部により回転駆動されて搬送ベルト226が感光体222Bk、222M、222Y、222Cと同じ周速で回転する。
【0100】
レジストローラ231から送り出された記録紙は、搬送ベルト226により搬送され、感光体222Bk、222M、222Y、222C上のBk、M、Y、C各色のトナー像がコロナ放電器からなる転写手段234Bk、234M、234Y、234Cにより形成される電界の作用で順次に重ねて転写されることによりフルカラー画像が形成され、それと同時に、搬送ベルト226に静電的に吸着されて確実に搬送される。
この記録紙は、分離チャージャからなる分離手段236により徐電されて搬送ベルト226から分離された後に、定着装置237によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ238により本実施の形態の上部に設けられている排紙部239へ排出される。また、感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、トナー像転写後に、クリーニング装置225Bk、225M、225Y、225Cによりクリーニングされて次の画像形成動作に備える。
【0101】
このようなカラー複写機においては、搬送ベルト226、感光体222Bk、222M、222Y、222Cの駆動精度が最終画像の品質に大きく影響し、より高精度な搬送ベルト226、感光体222Bk、222M、222Y、222Cの駆動が望まれる。
そこで、この第6の実施の形態では、搬送ベルト226を図2のベルト12となるような駆動装置の構成とし、感光体222Bk、222M、222Y、222Cを図1の駆動対象3となるような構成とすることにより、搬送ベルト226、感光体222Bk、222M、222Y、222Cの駆動精度が向上し、画像形成時における変動が減少することから、高品質な画像を得ることができる。
また、ここでは複写機などの構成で説明をしているが、インクジェットの紙搬送装置において、例えば、図2に示すような搬送ベルト構成や、図1の搬送ローラ構成とすることで副走査方向の紙搬送を高精度に行なうことも可能である。
【0102】
本発明は、角変位または角速度の高精度計測装置、又はその計測に基づく高精度駆動装置、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)、ロボット等の位置検出または位置決め制御装置、電子写真方式を用いた転写ベルト駆動装置、転写・感光体ドラム駆動装置における位置または速度計測や制御装置、印刷機や出力機におけるベルト駆動、ローラ駆動装置における位置または速度計測や制御装置、紙搬送装置におけるローラ・ベルト駆動装置における位置または速度計測や制御装置に使用することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 回転体駆動装置、3 回転体(駆動対象)、4 モータ、6 ロータリエンコーダ(装置)、6A ホイール部、6a パターン、6b パターン、7 センサ(光検出手段)、7a 発光部、7b 受光部、8 ベルト駆動装置、 12 ベルト(駆動対象)、 24 無反射パターン、 51 コントローラ、 57 偏心補正部(偏心補正機構)、212 像担持体(感光体ドラム)、224 中間転写ベルト、161 像担持体(感光体ベルト)、177 像担持体(転写ドラム)、222Bk 像担持体(感光体ドラム)、226 搬送ベルト(紙搬送装置)、101 モータ、102 モータ歯車、103 回転体歯車、104 回転体、105 回転体軸、106 ホイール取付軸部、107 ホイールボス部、108 ロータリエンコーダホイール、109 パターン部、110 光センサ、111 ローラ歯車、112 駆動ローラ、113 テンションローラ、114 従動ローラ、115 ベルト、116 ローラ軸、117 ホイール取付軸部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開平10−281811号公報
【特許文献2】特許第2715562号
【特許文献3】特開2001−264119公報
【特許文献4】特開2004−109074公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、角変位または角速度を高精度で計測し、ローラ・ベルト駆動装置における位置、速度計測又は制御に使用するエンコーダ装置、回転体駆動制御装置、画像形成装置、ロータリエンコーダホイール、及びロータリエンコーダ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な角変位または角速度制御装置の構成において、回転体の同軸上にロータリエンコーダを取り付け、ロータリエンコーダより計測された信号を用いて駆動制御を行う方法がある。
従来から用いられている回転体の角変位または角速度変動計測装置として、光学式のロータリエンコーダがある。光学式ロータリエンコーダは、一定の周期でスリット状の光透過部または光反射部と遮光部または無反射部からなるパターンを設けたホイール部と、前記ホイール部を挟む、又は対向して配置された光学手段と受光手段によりデータを得る。
しかし、その回転軸に対してロータリエンコーダのホイール部が偏心して取り付けられると、取り付け偏心により本来回転軸に無いはずの回転変動が見かけ上現れ、角変位または角速度変動として計測されてしまう。
【0003】
一般に、ロータリエンコーダのホイール部を軸へ取り付ける際に、厳密に軸の偏心がないようにするのは非常に難しく、あるいは、偏心の無い様にするには厳密な調整を行う必要があり、このような要求に応えるには、どうしても製造コストが高くなってしまう。また、たとえ軸を正確に中心に取り付けることができたとしても、軸と軸受けとの間に隙間があるので、軸に加わる荷重によって軸は特定の方向から力を受け、どうしても偏心が生じることになる。
更には、ホイール部自体も、ホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との何らかの偏心があればそれも同様に偏心となる。
つまり総括すれば、ロータリエンコーダのパターンの中心が理想的には被計測物である回転体の軸心と一致していない限り、取り付け偏心や、ホイールパターン加工時の偏心や経時変化による変形偏心を含む全ての偏心成分が誤差となる。
【0004】
ロータリエンコーダによりパターンを読み取り、駆動状態を計測する技術は従来から幾つか知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特許文献1のロータリエンコーダでは、半径方向に配置されたラインセンサを用い、パターンが半径方向に対して傾きを持って構成され、このパターンを読み取り駆動状態を計測する。さらに、円パターンが形成され、これも同時にラインセンサで計測し、その信号を読み取ることで偏心量を計測している。
特許文献2のロータリエンコーダでは、ホイール部上に放射状スケールと円環状スケールを持ち、それぞれセンサで計測して、放射状スケールからは回転体の駆動状態、円環状スケールからは円環状スケールの縁に光を当てて、そのエッジ部分の変位量で偏心量を計測している。
特許文献3のロータリエンコーダおよびその偏心補正方法では、ディスク上に回転角度を検出するメインスリットパターンと偏心を検出するための同心円状の補助スリットを設け、それぞれを計測して補正している。
【0005】
また、スケールパターンを任意の面積を持つ光と受光素子により読み込み、パターンの有無で回転体の駆動状態を計測し、受光素子が受光する光の強度変化により偏心量を検出している回転量検出装置及び回転体駆動装置も存在している。さらに、ベルトの駆動方向に対して平行に検出波長帯域の異なるスケールを複数設けて、ベルトの蛇行量を検出して蛇行補正を行う回転体駆動検出装置も存在している。
また、従来の一般的なロータリエンコーダでは回転軸心とホイール部の放射状スケール板の中心とが一致していないと(偏心している状態だと)、回転軸の回転角度に対して等間隔のパルス信号が得られず、そのパルスに基づいて回転軸を等各速度で回転するための拠りどころとする信号としては相応しくないため、ロータリエンコーダのホイール部は極力回転軸中心と高精度に合せる必要があった。
【0006】
ところで、このロータリエンコーダのホイール部は回転軸と高精度に芯合せをして接合するためには、一台ずつ高精度組立をする必要があり、高額な組立装置が必要となったり、組立工程や検査工程が長くなり、人件費が嵩む問題がある。
また、ひとたび高精度にホイール部が回転軸芯と高精度に組み立てられたとしても、市場にて扱われる環境変化、経時変化や、修理などの保守作業による再組み付けなどにより初期の高精度の組立状態が外的要因により確保できなくなる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、駆動計測にパターン、偏心量計測に円パターンと2種類のパターンが必要であり、さらに計測用にラインセンサが必要となる。偏心量が多くなればなるほど、ラインセンサ幅が広い必要があり、センサコストが上がる。逆に低コストのラインセンサを用いる場合には、ロータリエンコーダ偏心量をラインセンサで計測可能な範囲内に収める必要があり、ロータリエンコーダを計測対象に取り付ける際の製造コストが上がってしまうという欠点がある。
また、特許文献2では、ホイール部に放射状スケールと円環状スケールを持ち、それぞれセンサで計測して、放射状スケールからは回転体の駆動状態、円環状スケールからは円環状スケールの縁に光を当てて、そのエッジ部分の変位量で偏心量を計測しており、少なくとも2種類のパターンと受光部が必要になり、部品コストがかかるという欠点がある。
【0008】
同様に、特許文献3のロータリエンコーダおよびその偏心補正方法では、ディスク上に回転角度を検出するメインスリットパターンと偏心を検出するための同心円状の補助スリットを設け、それぞれを計測して補正している。この場合も同様に、パターン及びセンサがそれぞれ2つずつ必要となり、単純に部品点数が増えるためにコスト増加になるという欠点がある。
また、上述した回転量検出装置及び回転体駆動装置では、受光素子が受光する光の強度変化により偏心量を検出しているが、しかし、実際の偏心量は数μm〜十数μmであり、光の強度変化は非常に小さく、SN比が小さいために高精度に偏心量を検出することができないという欠点がある。
【0009】
従来の課題を解決するために例えば、特許文献3などの様に、ロータリエンコーダのホイール部に第1と第2のトラックを備えそれぞれを90度位相をずらした2個の光センサで検出し、第1のセンサは角度パルス信号を取り出し、第2のセンサは偏心量検出を行うことにより、初期のセットアップ状態からベアリング磨耗などによる経時劣化で偏心量が経時に変化しても補正できる方法が考案されているが、2系統のスケール(トラック)と2個の光センサが必要となり部品コストが嵩む問題がある。
また、特許文献4でもパルス板と称するロータリエンコーダのホイール部に、パルス板の進行方向に向かって角度を設けたスリットパターンの列と、中心から放射状に形成されたスリットパターン列の2つのスケール(トラック)を2個の光センサを同じ位相に設けた方式もあるが同様に部品コストが嵩む問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、回転体の駆動計測または駆動制御において、特殊な装置や高精度な組み付けなどを必要とすることなく、カラーセンサと色分割部分を持つスケールパターン、帯によって回転体の駆動計測と同時に回転体への取り付け偏心も同時に計測し、回転体の駆動計測または計測に基づいた駆動制御を行い、かつ、エンコーダの取り付け偏心も検出または補正制御可能とするロータリエンコーダ装置、角変位または角速度制御装置、回転体駆動制御装置、及びこれを使用する画像形成装置を提供することにある。
【0011】
また、他の目的は、転体の駆動計測または駆動制御において、特殊な装置や高精度な組み付けなどを必要とすることなく、カラーセンサと色分割部分を持つスケールパターン、帯によって回転体の駆動計測と同時に回転体への取り付け偏心も同時に計測し、回転体の駆動計測または計測に基づいた駆動制御を行い、かつ、ロータリエンコーダの取り付け偏心も検出または補正制御可能とするロータリエンコーダホイール、ロータリエンコーダ装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に透過率の異なるパターンを有し、前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの遮光又は遮光の状態変化が検出される前記ホイール部の径方向における光学検出域において、前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線に対して一定の角度で傾斜した斜辺である形状を有し、同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されているロータリエンコーダホイールを特徴とする。
【0013】
請求項2は、回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に反射率の異なるパターンを有し、前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの反射光量変化が検出される前記ホイール部の径方向における光学検出域において、前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線に対して一定の角度で傾斜した斜辺である形状を有し、同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されているロータリエンコーダホイールを特徴とする。
【0014】
請求項3は、回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に透過率の異なるパターンを有し、前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの遮光又は遮光の状態変化が検出される前記ホイール部の径方向径方向における光学検出域において、前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線から前記ホイール部の中心を始点として成す角度と、前記ホイール部の中心を中心とする半径の増減とが比例する同心円との連続した交点から成る曲線である形状を有し、同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4は、回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に反射率の異なるパターンを有し、前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの反射光量変化が検出される前記ホイール部の径方向径方向における光学検出域において、前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線から前記ホイール部の中心を始点として成す角度と、前記ホイール部の中心を中心とする半径の増減とが比例する同心円との連続した交点から成る曲線である形状を有し、同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とする。
請求項5は、前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも内側で交差し、隣接するパターン同士が先端でつながり同一円周上に等間隔に配列されている請求項1又は2に記載のロータリエンコーダホイールを特徴とする。
請求項6は、前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも外側で交差し、それよりも外側の半径方向の位置で外輪状につながった形状を有する請求項1乃至3の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイールを特徴とする。
請求項7は、前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも内側で交差し、隣接する前記パターン同士が先端でつながり同一円周上に等間隔に配列されている請求項2乃至4の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイールを特徴とする。
請求項8は、前記パターンにおける前記法線部と斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも外側で交差し、それよりも外側の半径方向の位置で外輪状につながった形状を有する請求項2乃至4の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイールを特徴とする。
【0016】
請求項9は、回転体に同期し回転するロータリエンコーダホイールの円周上に、然るべき中心点から放射状に所定角度間隔に形成される複数のパターンと、
前記パターンに光を照射する発光手段と、
前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い、前記パターンに照射された前記発光手段の透過光又は反射光の光量変化を検出し信号出力する受光手段と、を備え、
前記発光手段は、請求項1乃至8の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイールのパターン部に光ビームを照射し、前記受光手段は、その透過光か、或いは反射光のいずれかを、1個の光センサにより受光し、そのロータリエンコーダの回転に伴う光量変化を2値化したパルス信号として取り出し、回転角度に対するH及びLレベルパルス幅の比率に応じて前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、ホイールパターン中心点との取り付け偏心量と、偏心位相を検出する偏心量位相検出手段を備えたロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項10は、請求項9に記載のロータリエンコーダ装置において、前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、ホイールパターン中心点との取付け偏心と偏心位相を検出する偏心量位相検出手段を備え、検出された偏心量と位相に応じて、偏心の無い取付け時に得られる回転パルス信号と成る様に補正するロータリエンコーダ装置を特徴とする。
【0017】
請求項11は、請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、当該ロータリエンコーダ装置からの計測信号と目標値との差分から、モータによって駆動される回転体の駆動を制御する制御指令値を生成するコントローラと、前記偏心信号を用いて偏心補正を行う偏心補正機構と、を備えた回転体駆動制御装置を備えたロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項12は、請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、前記偏心補正機構は、前記コントローラの直後に備えられているロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項13は、請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、前記偏心補正機構は、前記計測信号をフィードバックするフィードバック機構に備えられているロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項14は、請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、前記偏心補正機構は前記目標値を生成する機構に備えられているロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項15は、請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、前記ロータリエンコーダホイールは、前記パターンの中心点より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される帯状部と、を備え、前記パターン部は特定の形状に着色され又は特定形状に開口され、前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、前記帯状部は、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割帯状部であって、前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、前記色分割帯状部の境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力するロータリエンコーダ装置を特徴とする。
【0018】
請求項16は、請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、前記ロータリエンコーダホイールは、ロータリエンコーダホイール中心より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される帯状部と、を備え、前記パターン部は特定の形状で、前記ホイール中心より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割パターンを備え、前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、前記色分割パターンの色分割境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力するロータリエンコーダ装置を特徴とする。
請求項17は、請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、前記ロータリエンコーダホイールは、前記パターンの中心点より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される、帯状部とがあって、前記帯状部は、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割帯状部であって、前記パターン部は特定の形状で、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割パターンを備え、前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、前記色分割帯状部か、色分割パターンか、あるいは両方の色分割境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力するロータリエンコーダ装置を特徴とする。
【0019】
請求項18は、像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が感光体ドラムである画像形成装置を特徴とする。
請求項19は、像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が転写ドラムである画像形成装置を特徴とする。
請求項20は、像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が感光体ベルトである画像形成装置を特徴とする。
請求項21は、像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が転写ベルトである画像形成装置を特徴とする。
請求項22は、ベルト、又はローラを回転させて紙を搬送する紙搬送装置において、前記紙搬送装置の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行う画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、パターンと重なるよう円周方向に帯状で、光検出手段が複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、その感度特性の波長帯域に応じて独立して検出可能となる色分割帯状部分を少なくとも2つ備え、前記受光手段が前記色分割帯状部分を検出することにより、ロータリエンコーダホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心量を示す偏心信号を出力する機能を有しすることにより、高精度な駆動計測を行いつつ、駆動以外の信号も得ることができる。
【0021】
また、簡便なロータリエンコーダホイール部の組み付け方式であっても、実際の回転体の角速度に対し、ロータリエンコーダホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心の影響によるロータリエンコーダパルスの角速度の誤差(ずれ)を補正し、正確な角速度が得られる事により、回転体を所望の角速度に正確に制御駆動させる事が出来る。また、ひとたび高精度にホイール部が回転軸芯と高精度に組み立てられた後に、市場にて扱われる環境変化、経時変化や、修理などの保守作業による再組み付けなどにより初期の高精度の組立状態が外的要因により変化したとしても、影響を受けることなく偏心補正し、正確な角速度による駆動を制御する事が出来る。また、2系統のスケール(トラック)と2個の光センサが必要では無くとも簡単な構成(1スケール、1センサだけ)でも正確な角速度による駆動を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の以後の幾つかの実施の形態において使用する回転体駆動装置を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の以後の幾つかの実施の形態において使用するベルト駆動装置を示す概略斜視図である。
【図3】図1及び図2におけるパターン検出の簡単な原理構成を示す概略図である。
【図4】ロータリエンコーダ装置から得た信号をパルス波にする方法を示す波形図である。
【図5】モータの角変位をモータ軸エンコーダの出力信号に基づいてデジタル制御する制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】PLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。
【図7】モータを回転させて駆動させる基本的な制御を示すブロック線図である。
【図8】ロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心が存在し、それによって発生する角速度変動または角変位変動について示す説明図である。
【図9】パターンと重なるように円周方向に設けた反射光の色成分が色分割帯状部とパルスを示す概略図である。
【図10】半径方向で分けられた無反射パターンと色分割パターンにより1つとして形成されるパターンを示す概略図である。
【図11】パターンと重なるように円周方向に設けた反射光の色成分が色分割帯状部とパルスを示す概略図である。
【図12】ロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心を計測する具体的な方法の一例を示す波形図である。
【図13】偏心量を作り出す部分を示すブロック線図である。
【図14】コントローラの出力値に補正処理を行う駆動制御系の第1の実施の形態のブロック線図である。
【図15】PLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。
【図16】ロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心位相を検知して、フィードバック値へ補正処理を行う駆動制御系の第2の実施の形態を示すブロック線図である。
【図17】PLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。
【図18】モータを回転させて駆動させる本発明の第3の実施の形態の制御を示すブロック線図である。
【図19】PLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。
【図20】回転体駆動装置の例を示す図である。
【図21】回転体駆動装置の他の例を示す図である。
【図22】ロータリエンコーダのホイール部偏心取り付けの回転の様子を示す図である。
【図23】ロータリエンコーダのホイール部偏心取り付けの回転の様子を示す図である。
【図24】本発明の実施例の詳細図である。
【図25】本発明の実施例の詳細図である。
【図26】本発明の実施例の詳細図である。
【図27】本発明の実施例の詳細図である。
【図28】本発明の実施例の詳細図である。
【図29】本発明の実施例の詳細図である。
【図30】本発明の実施例の詳細図である。
【図31】本発明の実施例の詳細図である。
【図32】本発明の実施例の詳細図である。
【図33】従来のロータリエンコーダパターンによるホイール部取付け偏心のない正常な状態でのパルス出力波形を示す図である。
【図34】従来のロータリエンコーダのホイール部が偏心して取り付けられたときのパルス出力波形を示す図である。
【図35】本発明でのパターン形状によるロータリエンコーダのホイール部を偏心させて取り付けた際のパルス出力波形を示す図である。
【図36】一週分のパルス幅同士の関係を示す図である。
【図37】代表的なパターンでの(H+L)パターン間パルス幅に対するHのパルス幅との比率を示す図である。
【図38】代表的なパターンでの(H+L)パターン間パルス幅に対するHのパルス幅との比率を示す図である。
【図39】ロータリエンコーダパルスNo.とH/(H+L)との関係を示す図である。
【図40】本発明の実施例を示すシステムのブロック図である。
【図41】本発明の第4の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。
【図42】本発明の第5の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。
【図43】本発明による第6の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の以後の幾つかの実施の形態において使用する回転体駆動装置を示す概略斜視図である。
図1の回転体駆動装置1において、ギヤ2と同軸となるように駆動対象3が取り付けられている。モータ4はギヤ5を介して駆動対象3を駆動させる。ホイール部6Aが、駆動対象3のモータ4とは逆側に、同軸となるように取り付けられている。このホイール部A6上のパターン6a、6bをセンサ7が読み込むことで駆動対象3の駆動状態を計測する。
センサ7の計測した値を基に制御信号を生成し、モータ4を回転させることで駆動対象3が駆動する。図1では、モータ4と逆側にホイール部6Aを取り付けたが、これは、モータ4と同じ側、つまり、ギヤ2側に取り付けても良い。
【0024】
図2は本発明の以後の幾つかの実施の形態において使用するベルト駆動装置を示す概略斜視図である。図2のベルト駆動装置8において、ギヤ2と同軸となるように駆動軸9が取り付けられている。
モータ4はギヤ5と同軸となるように取り付けられており、モータ4からギヤ5、ギヤ2を介して駆動力が伝達されて駆動軸9を駆動させる。この駆動軸9とテンションローラ10と従動軸11に駆動対象のベルト12が架けられていて、テンションローラ10によって一定の張力が掛かるようになっている。
従動軸11には同軸となるようにホイール部6Aが取り付けられており、このホイール部6A上のパターン6a、6bをセンサ7が読み込むことでベルト12の駆動状態を計測する。
センサ7の計測した値を基に制御信号を生成し、駆動源であるモータ4を回転させることで駆動対象のベルト12が駆動する。ここでは、ベルト12は従動軸11にホイール部6Aを取り付けているが、システム上問題なければテンションローラ10と同軸に取り付けても良い。
【0025】
図3は図1及び図2におけるパターン検出の簡単な原理構成を示す概略図である。図3において、ロータリエンコーダ装置6のホイール部6A上に反射光の光量の異なる2種類のパターン6a、6bが構成されている。
パターンの作り方としてはホイール部6A上に反射光の異なるパターン6a、6bをすでに構成してあるものを貼り付けるか、ホイール部6A上に直接に印刷するか、又はホイール部6Aを金属の板とし、これにエッチング加工する方法でも良い。
センサ7の本体は発光部7aと受光部7bを有しており、発光部7aから光が出力される。出力された光がホイール部6A上に当たり、その反射波を受光部7bの受光素子(図示せず)が受ける。
ホイール部6A上には反射光の光量の異なるパターン6a、6bがある。このため、これらのパターン6a、6bそれぞれで受光される光の強さの違いを読み取ることによって、例えば、正弦波状などの波形を得ることができ、回転体の駆動状態を計測することが可能となる。ここでは、反射型の説明を行ったが同様の性能が得られるならば透過型でもかまわない。ただし、以降では反射型としての説明を行う。
【0026】
図4はロータリエンコーダ装置から得た信号をパルス波にする方法を示す波形図である。図4において、図3のロータリエンコーダ装置6のセンサ7の発光部7aから出力された光がエンコーダのパターン6a、6bに当たり、反射光を受光部7bが受け取ると、反射率の違いにより受光部7bでは正弦波状の信号12が得られる。
この信号12に対して任意のしきい電圧値13を設け、しきい電圧値13より高ければH信号、しきい電圧値13よりも低ければL信号とすることで矩形波状のパルス14を得ることができる。
【0027】
図5はモータの角変位をモータ軸ロータリエンコーダの出力信号に基づいてデジタル制御する制御系の構成を示すブロック図である。図5において、マイクロコンピュータ30はマイクロプロセッサ31、リードオンリメモリ(ROM)32、ランダムアクセスメモリ(RAM)33を含んでいる。マイクロプロセッサ31、リードオンリメモリ(ROM)32、ランダムアクセスメモリ(RAM)33がそれぞれバス34を介して接続されている。
指令発生装置35はモータ4の角変位を指令する状態指令信号を出力し、かつ目標角変位指令信号を発生する。この指令発生装置35の出力側もバス34へ接続されている。検出用インターフェース装置36はロータリエンコーダ6の出力パルスを処理してデジタル数値に変換する。
【0028】
この検出用インターフェース装置36はロータリエンコーダ6の出力パルスを計数するカウンタ(図示せず)を備えており、このカウンタのカウントした数値に、予め定められたパルス数対角変位の変換定数を掛けてモータ軸の角変位に変換する。電流センサ37からはモータ駆動電流がI/O38を介してマイクロコンピュータ30に取り込まれる。
同様に、検出用インターフェース装置28は検出装置29の出力パルスを処理してデジタル数値に変換する。この検出用インターフェース装置28は、検出装置42の出力パルスを計数するカウンタを備えており、このカウンタのカウントした数値に、予め定められたパルス数対角変位の変換定数を掛けて検出装置42を取り付けた軸の角変位に変換する。
【0029】
直流電動機駆動用のインターフェース39は、モータ軸角変位、及び目標角変位により、マイクロコンピュータ30による以降の実施の形態に示すフィードバック制御系の計算結果を、モータ(直流電動機)駆動装置40を構成するパワー半導体、例えば、トランジスタを動作させるパルス状信号(制御信号)に変換する。
直流電動機駆動装置40は直流電動機駆動用のインターフェース39からのパルス状信号に基づき動作し、モータ4に印加する電圧を制御する。この結果、モータ4は指令発生装置35による所定の角変位に追値制御される。
モータ4の角変位は、モータ軸ロータリエンコーダ6とインターフェ−ス装置36、検出装置29とインターフェース装置28により検出され、マイクロコンピュータ30に取り込まれ、制御が繰り返される。
ここでは、検出装置29とモータ軸ロータリエンコーダ6の両方からの角変位を検出しているが、設計者の意図する駆動制御系によってはどちらをメインの計測信号とするか選択することができる。また、角変位ではなく角速度でも同様に考えることができる。また、ここでは電流制御系について説明したが、制御系が電圧制御系であってもかまわない。
【0030】
図6はPLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。図6において、モータ4の駆動が伝達されて回転体が駆動し、その回転体の駆動に応じてロータリエンコーダ6よりパルス波41が出力され、アンプ部42へ入力される。アンプ部42ではロータリエンコーダ6からの出力からノイズを除去し、波形整形した信号を速度制御系PLL43と速度ディスクリ部44へ出力する。
一方、基準クロック45がVCO系PLL部46へ入力され、基準クロック45を任意の逓倍数へ逓倍したクロックを速度ディスクリ部44へ出力する。また、同時に、基準クロック45はそのまま速度制御系PLL部43へも入力される。
【0031】
速度ディスクリ部44では、パルス波41の周期ごとに基準クロック45との速度差を出力しており、速度制御系PLL部43ではパルス波41の周期ごとに基準クロック45との位相差を出力している。それぞれの出力が積分アンプ部47へ入力される。
積分アンプ部47では速度差の出力と位相差の出力を積分、加算してトルク指令値を生成して出力駆動回路48へ出力する。この出力駆動回路48ではPWM制御を用いてモータトルクを調整している。
トルク指令値と三角波を比較し、大小関係によりPWM制御のデューティを変化させ、モータ4からのロータ位置を検出したホール信号49からモータ4の駆動相のどの相を駆動するかを決定している。モータ4は、ドライバ50を介して、出力駆動回路48から得られた信号を駆動する。
【0032】
図7はモータを回転させて駆動させる基本的な制御を示すブロック線図である。図7には、図1及び図2に示した回転体3及びベルト12に対して、モータ4を回転させて駆動させる基本的な制御ブロック線図を示している。
通常のフィードバック制御の場合、コントローラ51から制御信号が出力され、その制御信号を受けてドライバ52では制御信号を満たすようにモータ4(図1)が動くための駆動信号を生成し、それによりプラント53の駆動源であるモータが駆動される。
ここで、コントローラ51は電流制御ループも含んでおり、プラント53は図1及び図2で示すようなモータ4により駆動される回転体3やベルト12全体のことである。この回転体3やベルト12の駆動状態を回転体3と同軸に取り付けたロータリエンコーダ装置6やベルト12の従動軸と同軸に取り付けられたロータリエンコーダ装置6が計測することで信号値54が得られる。
この信号値54がフィードバックされ、規範信号55と減算器で比較され、現在の変位または速度と目標変位または速度との偏差56が求められる。この偏差56をコントローラ51に入力することで新しい制御信号が作られる。これが通常の基本的なフィードバック制御系である。
【0033】
しかし、ロータリエンコーダ装置6による駆動計測では、ロータリエンコーダホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心自体を通常は検知できないため、ロータリエンコーダホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心の影響を避けることはできない。そのため、前述の通常のフィードバック制御のみであった場合、本来ならば存在しない変動であるロータリエンコーダ装置6のロータリエンコーダホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心を検知し、それを補正するように駆動するためにロータリエンコーダ装置6を取り付けた回転体自体の周期変動が発生してしまう。
そこで、後述する本発明の第1の実施の形態では、ロータリエンコーダ6装置からの計測信号をフィードバックして回転体を駆動させる駆動制御系に対し、ロータリエンコーダ装置6自体のホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心又は回転体への取り付け偏心を検知し、コントローラ51の出力値に補正するようにしている。色分割帯状部色分割パターン
【0034】
図8はロータリエンコーダ装置のホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心が存在し、それによって発生する角速度変動または角変位変動について示す説明図である。図8において、ホイール部6A上にパターン6aが形成されている。このパターン6aをここでは図示しないセンサが計測位置14で読み込んでいる。
この時、ホイール部6Aの回転中心を15とすると、取り付け偏心により回転中心15は符号16に示すように偏心分回転してしまう。この偏心分の回転により実際の回転半径と計測による回転半径が異なり、例えば、位置17では計測半径が最も短く、位置18では計測半径が最も長くなってしまう。これにより、目標の角速度または角変位19に対して、ロータリエンコーダ装置の回転周期で角速度または角変位は正弦波20のように変動してしまう。
【0035】
図9はパターンと重なるように円周方向に設けた反射光の色成分が色分割帯状部とパルスを示す概略図である。図9において、ロータリエンコーダのホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心取り付け偏心量を検知するために、全反射するホイール部6A上に無反射パターン21を形成し、この無反射パターン21と重なるように円周方向に反射光の色成分が色分割帯状部を設けている。
ここでは一例として外側に赤帯状部22(点線帯片)、内側に青帯状部23(実線帯片)を設けたとする。ここで、色分割帯状部分とはその色のみ反射しないものとする。つまり、赤帯状部22では反射光にR波長帯域成分が含まれず、青帯状部23では反射光にB波長帯域成分が含まれないことを意味する。
【0036】
また、赤帯状部22と青帯状部23には隙間24を設けており、ここはホイール部6Aが露出している。ここに白色光を当てた場合のR波長帯域成分とB波長帯域成分の波形について説明する。
ただし、ここでは説明の簡略化のためにR成分とB成分で説明するが、その他の色分割帯状部分を用いれば他の色成分でも良く、少なくとも2種類以上が検出可能であれば良い。ただし、以降の説明においてはR波長帯域成分と、B波長帯域成分を用いて説明する。また、ここでは隙間24を設けることにより計測されるパルス波の変化を分かり易くしているが、隙間24を設けない構成としても良い。
仮に、センサ位置が見かけ上、偏心の影響によりパターン上の軌跡25(実線の細い帯片)を通るとする。この時のR波長帯域成分とB波長帯域成分それぞれから得られるパルス波は図9の下段に示してある。
【0037】
まず、軌跡26部分では、赤帯状部22と無反射パターン21をセンサが検出するため、B成分はパルス波が得られるが、R波長帯域成分は常に無反射であるためにパルス波が得られない。その後、軌跡27部分に移動すると隙間24と無反射パターン21をセンサが検出するため、R波長帯域成分及びB波長帯域成分ともにパルス波が得られる。
その後、軌跡66部分へ移動すると青帯状部23と無反射パターン21をセンサが検出するため、R波長帯域成分はパルス波が得られるが、B波長帯域成分は常に無反射であるためにパルス波が得られない。そして、軌跡67では軌跡27部分、軌跡68では軌跡26部分と同様の波形がそれぞれから得られる。
この軌跡26部分から軌跡68部分までのR波長帯域成分及びB波長帯域成分の波形はそれぞれ69、70のパルス波となる。ここで、色分割帯状部分の作り方の1つの例として、色分割帯状部分にカラーフィルムを貼り付ける方法がある。
【0038】
図10は半径方向で分けられた無反射パターンと色分割パターンにより1つとして形成されるパターンを示す概略図である。図10において、全反射するホイール部6A上に半径方向で分けられた無反射パターン71、72と色分割パターン73、74により1つとして形成されるパターンを設けている。
ここでは一例として無反射パターン72について説明すれば、無反射パターン72上には、軌跡25の細い実線の帯片、その次の外側の色分割パターンである点線の帯片からなる赤色パターン73、内側の色分割パターンである実線の帯片の青色パターン74で構成している。
【0039】
仮に、センサ位置が見かけ上、偏心の影響によりパターン上の軌跡25を通るとする。この時のRB成分それぞれから得られるパルス波を図10の下段に示している。まず、軌跡26部分では、ホイール部6A上と無反射パターン71をセンサが検出するため、R成分及びB成分ともにパルス波が得られる。
その後、軌跡27部分に移動するとホイール部6A上の赤色パターン73をセンサが検出するため、R波長帯域成分はパルス波が得られるが、B波長帯域成分は全てが反射光となるためパルス波が得られない。
その後、軌跡66部分へ移動するとホイール部6A上と青色パターン74をセンサが検出するため、B波長帯域成分はパルス波が得られるが、R波長帯域成分は全てが反射光となるためパルス波が得られない。
【0040】
その後、軌跡67部分へ移動するとホイール部6A上と無反射パターン72をセンサが検出するため、R波長帯域成分及びB波長帯域成分ともにパルス波が得られる。そして、軌跡68では軌跡66部分、軌跡75では軌跡27部分、軌跡76では軌跡26部分と同様の波形がそれぞれから得られる。
この軌跡26部分から軌跡76部分までのR波長帯域成分及びB波長帯域成分の波形はそれぞれ77、78のパルス波となる。ここで、色分割帯状部の一例として、色分割帯状部にカラーフィルムを貼り付ける方法がある。
【0041】
図11はパターンと重なるように円周方向に設けた反射光の色成分が色分割帯状部とパルスを示す概略図である。次に、図11には、全反射するホイール部6A上に半径方向で分けられた無反射パターン21と色分割パターン23により1つとして形成されるパターンを設け、パターンと重なるように円周方向に反射光の色成分が色分割帯状部を設けている。
ここでは一例として赤色パターン23(無反射パターン21の半分の点線部分)、色分割帯状部を青帯状部79(実線の円周方向帯片)を設けたものとする。仮にセンサ位置が見かけ上、偏心の影響によりパターン上の軌跡25を通るとする。
この時のR波長帯域成分と、B波長帯域成分それぞれから得られるパルス波を図11の下段に示している。まず軌跡26部分では、ホイール部6A上と無反射パターン21をセンサが検出するため、R波長帯域成分及びB波長帯域成分ともにパルス波が得られる。
【0042】
その後、軌跡27部分に移動すると青帯状部79と無反射パターン21をセンサが検出するため、R波長帯域成分はパルス波が得られるが、B波長帯域成分は反射光がないため信号が得られない。その後、軌跡66部分へ移動するとホイール部6A上と赤色パターン23をセンサが検出するため、R波長帯域成分はパルス波が得られるが、B波長帯域成分は全て光が反射されるためパルス波が得られない。
そして、軌跡67では軌跡27部分、軌跡68では軌跡26部分と同様の波形がそれぞれから得られる。この軌跡26部分から軌跡68部分までのR波長帯域成分及びB波長帯域成分の波形はそれぞれ80、81のパルス波となる。ここで、色分割帯状部または色分割パターン部の作り方の一例として、色分割部位領域にカラーフィルムを貼り付ける方法がある。
図9から図11のロータリエンコーダ装置からのパルス波より回転体の駆動計測とロータリエンコーダ装置のホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心を計測するやり方として、まず、駆動計測はそれぞれR波長帯域成分及びB波長帯域成分から得られたパルス波両方を足し合わせることで1つの連続したパルス波を得ることができることから、それを駆動計測に用いる。基本的に同じセンサによって同じパターンを読み込んでいるため、計測する反射光の波長が異なるだけであり、パルス波の周期及びタイミングはR波長帯域成分及びB波長帯域成分で同じになる。
【0043】
図12はロータリエンコーダ装置のホイール部回転中心に対する、ホイールパターン中心点との偏心を計測する具体的な方法の一例を示す波形図である。ここでは一例として図9の下段のパルス波を用いて説明するが、同じようなタイミング検出により図10の下段、図11の下段のパルス波でも同様に偏心を計測することができる。ロータリエンコーダホイール部の偏心周期はロータリエンコーダ装置自体の回転周期であり、形は正弦波と考えることができる。
そのため偏心の基本的な形は正弦波82で表される。この正弦波82はホイール部の偏心位置を表しており、そのまま偏心の波形となる。つまり、振幅0ではパターンが規定位置であり、上のピークでは偏心により実際の半径は最大、下のピークでは偏心により実際の半径は最小となる。
【0044】
R成分のパルス波がなく、B波長帯域成分のみパルス波が存在する場合は、偏心によりセンサ位置が23の位置に来ている時である。そこから、R波長帯域成分及びB波長帯域成分ともにパルス波が得られるタイミング83はセンサの位置が23から隙間へ移動したことを示す。
また、その後にR波長帯域成分はパルス波が得られるが、B波長帯域成分のパルス波が得られなくなるタイミング84はセンサの位置が隙間から79へ移動したことを示す。さらに、再びB波長帯域成分が得られるタイミング85ではセンサの位置が79から、再び隙間に移動したことを示す。
その後、R波長帯域成分のパルス波が得られなくなるタイミング86ではセンサの位置が隙間から23に移動することを示す。ここで、隙間の間隔は設計段階から予め明確であり、また、正弦波82の周期はロータリエンコーダ装置の回転周期であること、さらに、タイミング83、84、85、86から正弦波82の振幅と現在の位相は一意に決定される。
このようにして偏心の形を求めることができる。ただし、ここで、開始タイミングでなくても、例えば、タイミング85から計測が開始されたとしても同様に偏心量を求めることができる。また、より高精度に偏心量を検出するためにはた色分割帯状部または色分割パターン部位の分割数とその密度を上げるほど色分割域を跨ぐ頻度が多くなり、検知の分解能を向上させ、且つ精度良く検知することができる。
【0045】
図13は偏心量を作り出す部分を示すブロック線図である。図13では、図12のR波長帯域成分パルス波87とB波長帯域成分パルス波88が入力信号90として比較演算部91へ入力される。比較演算部91へは基本的な偏心を表す正弦波が記憶されているメモリ92から、その情報が入力されている。
比較演算部91では図12の説明で行ったとおり、R波長帯域成分パルス波87とB波長帯域成分パルス波89から必要なタイミングとメモリ92からの正弦波の比較を行い、現在の計測における偏心振幅と位相を求め、偏心量93として出力し、以降で図示する補正部に入力される。この偏心量93は正弦波のままの場合や、後段の機構によりパルス波と変えられて出力されても良い。
【0046】
図14はコントローラの出力値に補正処理を行う駆動制御系の第1の実施の形態のブロック線図である。図14では、図9から図11のロータリエンコーダを用いて駆動制御を行い、ロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心位相を検知して、コントローラの出力値に補正処理を行うようにしている。
コントローラ51から制御信号が出力されている。またロータリエンコーダ装置からの偏心を示すパルス波93が補正部57へ入力されている。補正部57では図13で示したような構成も含まれており、さらに制御信号と加算することが可能でかつロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心成分を相殺することができる信号に変換されている。
補正部57からの信号とコントローラ51からの制御信号が加算されてドライバ52に入力される。このドライバ52では制御信号を満たすようにモータが動くための駆動信号を生成し、それによりプラント53の駆動源であるモータが駆動される。
【0047】
ここで、コントローラ51は電流制御ループも含んでおり、プラント53は図1及び図2で示すようなモータにより駆動される回転体やベルト全体のことである。この回転体やベルトの駆動状態を回転体と同軸上のロータリエンコーダやベルトの従動軸に取り付けられたロータリエンコーダを読み取ることで信号値54が得られる。
この信号値54がフィードバックされ、規範信号55と減算器で比較され、現在の角変位または角速度と目標角変位または角速度との偏差56が求められる。この偏差56をコントローラ51に入力することで新しい制御信号が作られる。これがロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心も考慮したフィードバック制御系である。
【0048】
図15はPLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。図15において、モータ4の駆動が伝達されて回転体が駆動し、その回転体の駆動に応じてロータリエンコーダ6よりパルス波41が出力され、アンプ部42へ入力される。アンプ部42ではロータリエンコーダ装置6からの出力からノイズを除去し、波形整形した信号を速度制御系PLL43と速度ディスクリ部44へ出力する。
一方、基準クロック45がVCO系PLL部46へ入力され、基準クロック45を任意の逓倍数へ逓倍したクロックを速度ディスクリ部44へ出力する。また、同時に、基準クロック45はそのまま速度制御系PLL部43へも入力される。
速度ディスクリ部44では、パルス波41の周期ごとに基準クロック45との速度差を出力しており、速度制御系PLL部43ではパルス波41の周期ごとに基準クロック45との位相差を出力している。それぞれの出力が積分アンプ部47へ入力される。
【0049】
積分アンプ部47では速度差の出力と位相差の出力を積分、加算してトルク指令値を生成する。生成されたトルク指令値は偏心補正部57へ入力される。偏心補正部57へはロータリエンコーダ6より偏心信号58もフィードバックされて入力されている。
偏心補正部57では偏心信号58と逆位相となり、必要な振幅へ増幅させた信号を生成する。偏心補正部57で生成された新しいトルク指令値は出力駆動回路48へ出力される。この出力駆動回路48ではPWM制御を用いてモータトルクを調整している。
トルク指令値と三角波を比較し、大小関係によりPWM制御のデューティを変化させ、モータ4からのロータ位置を検出したホール信号49からモータ4の駆動相のどの相を駆動するかを決定している。出力駆動回路48から得られた信号を、ドライバ50を介してモータ4が駆動する。
上述したように構成された第1の実施の形態によれば、ロータリエンコーダ装置のホイール部の偏心や回転体への取り付け偏心が存在しても、回転体3、ベルト12へ偏心の影響を与えることなく高精度に駆動することができる。
【0050】
図16はロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心位相を検知して、フィードバック値へ補正処理を行う駆動制御系の第2の実施の形態を示すブロック線図である。この第2の実施の形態では、ロータリエンコーダ装置からの計測信号をフィードバックして回転体を駆動させる駆動制御系に対し、ロータリエンコーダ装置自体の偏心や回転体への取り付け偏心を検知し、フィードバック値へ補正する。偏心を求めるロータリエンコーダ装置の構成方法は第1の実施の形態と同様に考えることができる。
ロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心位相を検知して、フィードバック値へ補正処理を行う第2の実施の形態では、コントローラ51から制御信号が出力されてドライバ52に入力される。ドライバ52では制御信号を満たすようにモータが動くための駆動信号を生成し、それによりプラント53の駆動源であるモータが駆動される。
ここで、コントローラ51は電流制御ループも含んでおり、プラント53は図1及び図2で示したようなモータ4により駆動される回転体3やベルト12全体のことである。この回転体3やベルト12の駆動状態を回転体3と同軸上のロータリエンコーダ装置やベルト12の従動軸11に取り付けられたロータリエンコーダ装置を読み取ることで信号値54が得られる。この信号値54がフィードバックされ、補正部57へ入力される。
【0051】
補正部57へは別途、ロータリエンコーダ装置からの偏心を示すパルス波93が入力されており、補正部57では図13で示したような構成も含まれており、信号値54にロータリエンコーダのホイール部の取り付け偏心成分も加算され、補正フィードバック値94が出力される。
この補正フィードバック値94は規範信号55と減算器で比較され、現在の角変位または角速度と目標角変位または角速度との偏差56が求められる。この偏差56をコントローラ51に入力することで新しい制御信号が作られる。これがロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心も考慮したフィードバック制御系である。
【0052】
図17はPLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。図17には、また、図16と同様のことをアナログであるPLL駆動で構成した場合を示している。
図17において、モータ4の駆動が伝達されて回転体が駆動し、その回転体の駆動に応じてロータリエンコーダ装置6よりパルス波41が出力され、偏心補正部57へ入力される。偏心補正部57へはロータリエンコーダ装置6より偏心信号58もフィードバックされて入力されている。
偏心補正部57ではロータリエンコーダ装置6で計測された現在の駆動状態に偏心情報も追加することで、本来は計測することのできない偏心情報も含んだ新しいパルス波64が作られる。偏心補正部57から新しいパルス波64を出力し、アンプ部42へ入力される。アンプ部42ではロータリエンコーダ6からの出力からノイズを除去し、波形整形した信号を速度制御系PLL43と速度ディスクリ部44へ出力する。
一方、基準クロック45がVCO系PLL部46へ入力され、基準クロック45を任意の逓倍数へ逓倍したクロックを速度ディスクリ部44へ出力する。また、同時に、基準クロック45はそのまま速度制御系PLL部43へも入力される。
【0053】
速度ディスクリ部44では、パルス波41の周期ごとに基準クロック45との速度差を出力しており、速度制御系PLL部43ではパルス波41の周期ごとに基準クロック45との位相差を出力している。それぞれの出力が積分アンプ部47へ入力される。
積分アンプ部47では速度差の出力と位相差の出力を積分、加算してトルク指令値を生成して出力駆動回路48へ出力する。この出力駆動回路48ではPWM制御を用いてモータトルクを調整している。
トルク指令値と三角波を比較し、大小関係によりPWM制御のデューティを変化させ、モータ4からのロータ位置を検出したホール信号49からモータ4の駆動相のどの相を駆動するかを決定している。モータ4は、ドライバ50を介して、出力駆動回路48から得られた信号を駆動する。偏心信号をパルス波などのデジタル信号として生成する方法は第1の実施の形態と同様に考えることができる。
上述したように構成された第2の実施の形態によれば、ロータリエンコーダ装置のホイール部自体の偏心や回転体への取り付け偏心が存在しても、回転体3、ベルト12へ偏心の影響を与えることなく高精度に駆動することができる。
【0054】
図18はモータを回転させて駆動させる本発明の第3の実施の形態の制御を示すブロック線図である。図18には、ロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心位相を検知して、目標値へ補正処理を行う駆動制御系のブロック線図を示している。
第3の実施の形態では、コントローラ51から制御信号が出力されてドライバ52に入力される。ドライバ52では制御信号を満たすようにモータが動くための駆動信号を生成し、それによりプラント53の駆動源であるモータが駆動される。
ここで、コントローラ51は電流制御ループも含んでおり、プラント53は図1及び図2で示したようなモータにより駆動される回転体3やベルト12全体のことである。この回転体3やベルト12の駆動状態を回転体と同軸上のロータリエンコーダ装置やベルトの従動軸に取り付けられたロータリエンコーダ装置を読み取ることで信号値54が得られる。
【0055】
この信号値54はフィードバック減算器に入力される。一方、ロータリエンコーダ装置からの偏心を示すパルス波93が補正部57へ入力されており、補正部57では図13で示したような構成も含まれており、目標値55と加算が可能で、ロータリエンコーダの取り付け偏心を補正できるような波形へ整形されて出力され、実際に目標値55と加算されて補正目標値を生成している。
この補正目標値と信号値54と減算器で比較され、現在の角変位または角速度と目標角変位または角速度との偏差56が求められる。この偏差56をコントローラ51に入力することで新しい制御信号が作られる。これがロータリエンコーダ装置のホイール部の取り付け偏心も考慮したフィードバック制御系である。
【0056】
図19はPLL駆動系でのアナログ制御系の構成を示すブロック図である。図19には、また、図18と同様のことをアナログであるPLL駆動で構成した場合を示している。
図19において、モータ4の駆動が伝達されて回転体が駆動し、その回転体の駆動に応じてロータリエンコーダ装置6よりパルス波41が出力されアンプ部42へ入力される。アンプ部42ではロータリエンコーダ装置6からの出力からノイズを除去し、波形整形した信号を速度制御系PLL43と速度ディスクリ部44へ出力する。
一方、基準クロック45が偏心補正部57へ入力され、同時にロータリエンコーダ装置6より偏心信号58も入力される。偏心補正部57では偏心信号58による偏心成分も含んだ信号を生成し、基準クロック45へ加算または減算可能なパルス波へ変換され、新しい基準クロック65を出力する。
【0057】
新しい基準クロック65はVCO系PLL部46へ入力され、基準クロック45を任意の逓倍数へ逓倍したものを速度ディスクリ部44へ出力する。また同時に新しい基準クロック65はそのまま速度制御系PLL部43へも入力される。
速度ディスクリ部44ではパルス波41の周期ごとに新しい基準クロック65との速度差を出力しており、速度制御系PLL部43ではパルス波41の周期ごとに新しい基準クロック65との位相差を出力している。それぞれの出力が積分アンプ部47へ入力される。
積分アンプ部47では速度差の出力と位相差の出力を積分、加算してトルク指令値を生成して出力駆動回路48へ出力する。出力駆動回路48ではPWM制御を用いてモータトルクを調整している。
【0058】
トルク指令値と三角波を比較し、大小関係によりPWM制御のデューティを変化させ、モータ4からのロータ位置を検出したホール信号49からモータ4の駆動相のどの相を駆動するかを決定している。モータ4は、ドライバ50を介して、出力駆動回路48からの信号を駆動する。偏心信号をパルス波などのデジタル信号として生成する方法は第1の実施の形態と同様に考えることができる。
上述したように構成された第3の実施の形態によれば、ロータリエンコーダ装置のホイール部の偏心や回転体への取り付け偏心が存在しても回転体3、ベルト12へ偏心の影響を与えることなく高精度に駆動することができる。
【0059】
図20は回転体駆動装置の例を示す図である。101:モータの回転トルクを102:モータ歯車、により113:ローラ歯車を介して114:駆動ローラを駆動している。114:駆動ローラと平行に115:テンションローラ、116:ローラ、102:モータ歯車に対向する105:回転体軸先端の106:ホイール取付軸部へ108:ロータリエンコーダホイールの中心と同軸の107:ホイールボス部を挿入し、図示していない接合手段(ねじ締結、接着、圧入など)により固定されている。108:ロータリエンコーダホイールの周囲に等角度ピッチに配列された109:パターン部があり、それを固定位置の110:光センサにより回転角度により変化する光量変化を光電変換し、角度検出を行っている。
【0060】
図21は回転体駆動装置の他の例を示す図である。101:モータの回転トルクを102:モータ歯車、により111:ローラ歯車を介して112:駆動ローラを駆動している。112:駆動ローラと平行して、113:テンションローラ、114:従動ローラがそれぞれの機能する位置に配列し、互いの外周面に無端状の115:ベルトが摩擦接触して掛けられており、中でも113:テンションローラでは、図示していない張力付与手段(コイルばねなど)で両端軸部に均等な張力荷重を付与する事により115:ベルトに搬送力を与え、更に114:従動ローラを回転させるトルクを伝達している。114:従動ローラの116:ローラ軸先端の117:ホイール取付軸部へ108:ロータリエンコーダホイールの中心と同軸の107:ホイールボス部を挿入し、図示していない接合手段(ねじ締結、接着、圧入など)により固定されている。107:ロータリエンコーダホイールの周囲に等角度ピッチに配列された109:パターン部があり、それを固定位置の110:光センサにより回転角度により変化する光量変化を光電変換し、角度検出を行っている。この121:ロータリエンコーダホイールの109:パターン部を110:光センサが検出する事で115:ベルトの搬送線速を計測する。110:光センサが検出したパルス信号に基づきベルト搬送速度の制御信号を作り、駆動源である101:モータを回転させる回転角速度を制御する事で所望の115:ベルトの搬送線速を得る事が出来る。
【0061】
尚、図21では112:従動ローラの軸上に108:ロータリエンコーダホイールを取り付けているが、システム上問題なければ113:テンションローラ軸上に取り付けても構わない。
また、図20、図21における108:ロータリエンコーダホイールの109:パターン部を110:光センサでは、透過率の違いをパターン認識し、H、L、2値のデジタル信号に変換しているが、透過型の光センサに限らず、図示していない反射型の光センサを用いて、反射率の異なるパターンを認識する方式であっても構わない。
図22−a、b、c、dはローラリーエンコーダ偏心取り付けの回転の様子を示す図である。比較の為に従来例図23−a、b、c、d、a’、c’のロータリエンコーダを併記しているが、いずれもロータリエンコーダの取り付けが、回転中心に対して偏心して取り付けられた状態を90度ずつ回転位相をずらして示している。
【0062】
尚従来のロータリエンコーダのパターン(図22)のエッジは、中心から放射状に形成されているのに対して、図23(詳細は図23−a’、c’)で示すとおり、のロータリエンコーダのパターンのエッジの一辺は法線上に(ロータリエンコーダの有効パターン域において)c点とd点を結ぶ線であって、対向するもう一辺はa点とb点を結ぶ線で、これは法線に対して図示のとおりθ2の角度を設けている。(θ1は複数パターンの配列ピッチ角度を示す。)
尚図22−aと図23−aは共に光センサの位置に外側に偏心したロータリエンコーダの角度位相上になるパターンを便宜的にパターン1と呼称し、それを基点にして反時計回りにパターン2、3、4・・・72まで分割している。図22−bと図23−bはロータリエンコーダが90度時計方向に回転した状態をしめし、順次図22−cと図23−cは180度、図22−dと図23−dは270度回転した状態を示す。
【0063】
図24は、本発明の実施例の詳細図である。109S:パターン部の形状が、ホイール中心点(O)を通る法線上の辺(法線部)と、もう一方の辺が或る一定の傾斜角度(θa)を持った直線であり、その二辺の交点は図示ではパターン部より外側にある交点:Xoutを通過しているが、特に交点位置をパターン部に対して内側か外側かを特にはまだ限定しておらず、法線に対する角度(θ)を持った事が特徴としている。
【0064】
図25は、本発明の実施例の詳細図である。109R:パターン部の形状が、ホイール中心点(O)を通る法線上の辺(法線部)と、もう一方の辺が法線を基準線とするα、β、γ、δなる角度を成す別の法線に対してパターン部の斜辺部が各々異なる半径位置ア、イ、ウ、エのいずれにおいても接線角度が一定であることを示しており、従ってこの斜辺部は直線とはならず接線傾斜角一定の連続した曲線となる。(インボリュート曲線)
ここで、図24で示すホイール中心点(O)を通る法線上の辺(法線部)と、もう一方の辺が法線を基準線とするα、β、γ、δなる角度を成す別の法線に対して109S:パターン部の斜辺部が各々異なる半径位置ア、イ、ウ、エでの交点は図26とは異なり、当然直線(傾斜直線部)であれば半径が小さくなる(中心:Oに近づくほど)接線角度が大きくなることを示しており、この点が本発明では接線の傾斜が一定になる曲線にしていることが異なる重要な点である。
【0065】
図26は、本発明の実施例の詳細図である。109T:パターン部の形状が、ホイール部中心点(O)を通る法線上の辺(法線部)と、もう一方の辺が或る一定の傾斜角度(θb)を持った直線であり、その二辺の交点は図示ではパターン部より外側にある交点:Xinを通過している。
【0066】
図27は本発明の実施例の詳細図である。光の透過率の高い透明樹脂やガラスなど透明な円盤状の板でできた108A:ホイール部透明板には、110T:透過型光センサにより検出(識別)できる透過率の低い(透過率の異なる)109A:パターン(着色)を、印刷やエッチング、または焼き付けなど手段を問わない方法にて描かれており、パターンの一辺はホイールの法線上にあって、もう一方の辺は、ホイール部の法線上にあって、もう一方の辺は直線或いは曲線となる二辺に挟まれたパターンと成っている。
【0067】
図28は本発明の実施例の詳細図である。光の透過率の低い着色樹脂や金属など不透明な円盤状の板でできた108B:ホイール部には、110T:透過型光センサにより検出(識別)できる開口した109B:パターン(開口)部を、プレス加工や、エッチング、レーザ加工など加工手段を問わない方法にて形成されており、特徴的なのは、109B:パターン部の交点は、110T:透過型光センサが検出する半径よりも内側にあることであり、そのため形状はあたかも鋸歯状に記されているが、必ずしもこのような形状である必要はなく、たとえば透明な材質(ガラスや透明樹脂)の円盤に108B:ホイール部となるようなパターンを印刷やエッチングまたは焼き付けなど手段を問わない方法にて描いてあってもかまわない。
【0068】
図29本発明の実施例の詳細図である。光の透過率の低い着色樹脂や金属など不透明な円盤状の板でできた108C:ホイール部には、110T:透過型光センサにより検出(識別)できる開口した109C:パターン(開口)部を、プレス加工や、エッチング、レーザ加工など加工手段を問わない方法にて形成されており、特徴的なのは、109C:パターン部の交点は、110T:透過型光センサが検出する半径よりも外側にあることであり、そのため形状は三角三角穴の蓮根状に記されており、三角穴の109C:パターン部は開口しているためその外側に120:ホイール外輪部を設けないと隣接する109C:パターン部間の遮光領域の形状が中心寄りが細くなり強度が確保しにくいため曲がり易くなり不都合であるために設けたものである。
【0069】
図30は本発明の実施例の詳細図である。光の反射率の低い着色の樹脂や金属板に着色やめっき処理などを施すなど手段は限定しない手段で反射率を低減させた108D:ホイール部にはとして印刷やめっき、など限定しない手段にて反射率を高めることにより、少なくとも110H:反射型光センサにより検出(識別)できる反射率の高くなるような明度を持った透過反射率の高い(反射率の異なる)109D:パターン部が、印刷やエッチング、または焼き付けなど手段を問わない方法にて描かれており、本発明のパターンの一辺はホイール部の法線上にあって、もう一方の辺は、ホイール部の法線上にあって、もう一方の辺は或いは曲線となる二辺に挟まれたパターンと成っている。
【0070】
図31は本発明の実施例の詳細図である。光の反射率の高い着色樹脂や金属など円盤状の板でできた108E:ホイール部には、110H:反射型光センサにより検出(識別)できる開口した109E:パターン(開口)部を、プレス加工や、エッチング、レーザ加工など加工手段を問わない方法にて形成されており、特徴的なのは、109E:パターン部の交点は、110H:反射型光センサが検出する半径よりも内側にあることであり、そのため形状はあたかも鋸歯状に記されているが、必ずしもこのような形状である必要はなく、たとえば透明な材質(ガラスや透明樹脂)の円盤に108E:ホイール部となるようなパターンを印刷やエッチングまたは焼き付けなど手段を問わない方法にて描いてあってもかまわない。
【0071】
図32は本発明の実施例の詳細図である。光の反射率の高い着色樹脂や金属など円盤状の板でできた108F:ホイール部には、110H:反射型光センサにより検出(識別)できる開口した109F:パターン(開口)部を、プレス加工や、エッチング、レーザ加工など加工手段を問わない方法にて形成されており、特徴的なのは、109F:パターン部の交点は、110H:反射型光センサが検出する半径よりも外側にあることであり、そのため形状は三角三角穴の蓮根状に記されており、三角穴の109F:パターン部は開口しているためその外側に120:ホイール外輪部を設けないと隣接する109F:パターン部間の遮光領域の形状が中心寄りが細くなり強度が確保しにくいため曲がり易くなり不都合であるために設けたものである。
【0072】
図33は、従来のパターン(図22で示すようなパターンのエンコーダ)による取付け偏心のない正常な状態でのパルス出力波形を示し、図36はその一週分のパルス幅同士の関係を示す式である。
まず図33ではエンコーダパターン1から一周1分のパターン72までのHレベル(以降Hと称す)またはLレベル(以降lと称す)のパルス幅は均等であり、図36で示す式(1)のとおりとなる。
【0073】
図34は、従来のロータリエンコーダのホイール部が偏心して取り付けられたときのパルス出力波形を示し、図37はそのときの代表的なパターンでの(H+L)パターン間パルス幅に対するHのパルス幅との比率を示している。(P1は図22aで示すエンコーダホイールの取り付けが回転中心に対して外側に最も変心した状態、P19は図22−bで示すとおり図22aの状態から90度時計方向に回転した状態、P37は図22cで示すとおり図22aの状態から180度時計方向に回転した状態、P55は図22dで示すとおり図22aの状態から270度時計方向に回転した状態)P1は、最も粗なパルス幅の状態であるが、H/(H+L)の比率は他のP19や最も密なP37や、P55と同じになっていることを示している。
【0074】
図35は、本発明でのパターン形状によるロータリエンコーダを偏心させて取り付けた際のパルス出力波形を示し、図38はそのときの代表的なパターンでの(H+L)パターン間パルス幅に対するHのパルス幅との比率を示している。(P1は図23aで示すエンコーダホイールの取り付けが回転中心に対して外側に最も変心した状態、P19は図23bで示すとおり図23aの状態から90度時計方向に回転した状態、P37は図23cで示すとおり図23aの状態から180度時計方向に回転した状態、P55は図23dで示すとおり図23aの状態から270度時計方向に回転した状態)P1は、最も粗なパルス幅の状態であるが、H/(H+L)の比率はP19や最も密なP37や、P55と同じになっていることを示している。
【0075】
ロータリエンコーダパターンによる正常取付け状態での代表的パルス幅の関係は、
H1/(H1+L1)<H19/(H19+L19)<H37/(H37+L37)
H19/(H19+L19)=H55/(H55+L55)
但し、
H1>H19>H37>、H19=H55
L1>L19>L37>、L19=L55
P1〜P19〜P37〜P55〜P1でのHレベルのパルス幅率はSin関数で変動することを示している。(図39で示す『ロータリエンコーダパルスNo.とH/(H+L)との関係』より、H/(H+L)の比率の平均値が0.5で0.4(Min.)から0.6(Max.)の間で変動した状態を仮定し、0.4はパルスNo.19、0.6はパルスNo.55で発生するのであれば、ロータリエンコーダの偏心位相はパターン55の位相で外側に偏心している事に成る。)
【0076】
図40は本発明のロータリエンコーダ偏心信号の抽出と、偏心補正による正規化されたパルス生成を行うシステムの一実施例を示すブロック図である。先ず(150)では、ロータリエンコーダからのアナログ出力を(151)でA/D変換し、(152)でP1、P2、P3・・・P72等のパターンごとに出力される(153)回転パルス信号成分抽出と、(154)偏心信号成分抽出を行っており、具体的には、偏心による『当該ロータリエンコーダにおいて、回転角度に対するHとLレベルパルス幅の比率に応じて回転軸芯に対するロータリエンコーダの取り付け偏心量と、偏心位相を検出する偏心量位相検出手段』のロータリエンコーダ1周分(P1、P2、P3・・・P72)のパターンから得られるH/(H+L)のSin関数の周期変動の振幅と位相を求め、その変動成分を分離(フィルタリング)する事により求められる。
【0077】
またこの変動成分(振幅)を知り得たことで、予めテーブル化されている(155)偏心量算出参照テーブルからロータリエンコーダの偏心量が求まると同時に、(154)にて前記Sin関数のピーク値(Max.またはMin.を)を示したパターンのNo.を知ることにより、(157)偏心位相が検出され、(156)で求めた偏心量と(157)で求めた偏心位相に基づき、(153)で得た回転パルス信号成分にパルス幅の補正を掛ける事で(159)回転信号パルス幅補正出力を実行する。例えば前記図20、104:回転体や図21、116:従動ローラの回転をこれら各々のローラに取り付けられた108:ロータリエンコーダが仮に偏心した状態で取り付けられたとしても、これら一連のブロック図で示す101:モータの回転速度を制御することにより、これらの回転体を正確に等角速度運転することができるようになる。
尚これら一連(152から159)のデジタル処理部は、DSP(Digital Signal Processor)など高速に演算処理できるデバイスなどを使用する事が考えられるが、同様の回路が簡単に構成できるならばこれに限らない。
【0078】
図41は本発明の第4の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。図41において、符号110は第4の実施の形態の装置本体である。この装置本体110は、その外装ケース111内の中央よりもやや右寄りに、像担持体としてのドラム状の感光体(感光体ドラム)312を備えている。
感光体312の周りには、その上に設置されている帯電器113から矢印の回転方向(反時計方向)へ順に、現像手段としての回転型現像装置114、中間転写ユニット115、クリーニング装置116、除電器117などが配置されている。
これらの帯電器113、回転型現像装置114、クリーニング装置116、除電器117の上には、露光手段としての光書き込み装置、例えばレーザ書き込み装置118が設置されている。
【0079】
回転型現像装置114は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した、現像ローラ121を有する現像器120A、20B、20C、20Dを備え、中心軸まわりに回転して各色の現像器120A、20B、20C、20Dを選択的に感光体312の外周に対向する現像可能となる角変位へ移動させる。
中間転写ユニット115は複数のローラ123に像担持体としての無端状の中間転写体、例えば、中間転写ベルト324が掛け渡され、この中間転写ベルト324は感光体312に当接される。中間転写ベルト324の内側には転写装置125が設置され、中間転写ベルト324の外側には転写装置126及びクリーニング装置127が設置されている。クリーニング装置127は中間転写ベルト324に対して接離自在に設けられる。
レーザ書き込み装置118は、画像読み取り装置129から図示しない画像処理部を介して各色の画像信号が入力され、各色の画像信号により順次に変調されたレーザ光Lを一様帯電状態の感光体312に照射してこの感光体312を露光することによって感光体312上に静電潜像を形成する。
【0080】
画像読み取り装置129は装置本体110の上面に設けられた原稿台130上にセットされた原稿Gの画像を色分解して読み取り、電気的な画像信号に変換する。記録媒体搬送路132は右から左へ用紙等の記録媒体を搬送する。
記録媒体搬送路132には、中間転写ユニット115及び転写装置126より上流側にレジストローラ133が設置され、中間転写ユニット115及び転写装置126より下流側に搬送ベルト134、定着装置135、排紙ローラ136が配置されている。
装置本体110は給紙装置150上に載置される。給紙装置150内には、複数の給紙カセット151が多段に設けられ、給紙ローラ152のいずれか1つが選択的に駆動されて給紙カセット151のいずれか1つから記録媒体が送り出される。この記録媒体は装置本体110内の自動給紙路137を通して記録媒体搬送路132へ搬送される。
また、装置本体110の右側には、手差しトレイ138が開閉自在に設けられ、この手差しトレイ138から挿入された記録媒体は装置本体110内の手差し給紙路139を通して記録媒体搬送路132へ搬送される。装置本体110の左側には、図示しない排紙トレイが着脱自在に取り付けられ、記録媒体搬送路132を通して排紙ローラ136により排出された記録媒体が排紙トレイへ収容される。
【0081】
この第4の実施の形態において、カラーコピーを採る時には、原稿台130上に原稿Gをセットし、図示しないスタートスイッチを押すと、複写動作が開始される。まず、画像読み取り装置129が原稿台130上の原稿Gの画像を色分解して読み取る。同時に、給紙装置150内の給紙カセット151から給紙ローラ152で選択的に記録媒体が送り出され、この記録媒体は自動給紙路137を通してレジストローラ133に突き当たって止まる。
感光体312は、反時計方向に回転し、複数のローラ123のうちの駆動ローラの回転で中間転写ベルト324が時計方向へ回転する。感光体312は回転に伴い、帯電器113により一様に帯電され、画像読み取り装置129から画像処理部を介してレーザ書き込み装置118に加えられる1色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書き込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。
感光体312上の静電潜像は回転型現像装置114の1色目の現像器120Aにより現像されて1色目の画像となり、この感光体312上の1色目の画像は転写装置125により中間転写ベルト324に転写される。感光体312は、1色目の画像の転写後に、クリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
【0082】
続いて、感光体312は、帯電器113により一様に帯電され、画像読み取り装置129から画像処理部を介してレーザ書込み装置118に加えられる2色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書き込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。
この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置114の2色目の現像器120Bにより現像されて2色目の画像となり、この感光体312上の2色目の画像は転写装置125により中間転写ベルト324上に1色目の画像と重ねて転写される。感光体312は、2色目の画像の転写後に、クリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
次に、感光体312は帯電器113により一様に帯電され、画像読み取り装置129から画像処理部を介してレーザ書き込み装置118に加えられる3色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書き込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。
この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置114の3色目の現像器120Cにより現像されて3色目の画像となり、この感光体312上の3色目の画像は転写装置125により中間転写ベルト324上に1色目の画像、2色目の画像と重ねて転写される。感光体312は、3色目の画像の転写後に、クリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
【0083】
さらに、感光体312は帯電器113により一様に帯電され、画像読み取り装置129から画像処理部を介してレーザ書き込み装置118に加えられる4色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書き込み装置118から照射されて静電潜像が形成される。
この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置114の4色目の現像器120Dにより現像されて4色目の画像となる。この感光体312上の4色目の画像が転写装置125により中間転写ベルト324上に1色目の画像、2色目の画像、3色目の画像と重ねて転写されることでフルカラー画像が形成される。感光体312は、4色目の画像の転写後に、クリーニング装置116でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器117で除電される。
そして、レジストローラ133がタイミングをとって回転して記録媒体が送り出され、この記録媒体は転写装置126により中間転写ベルト324上のフルカラー画像が転写される。この記録媒体は搬送ベルト134で搬送されて定着装置135によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ136により排紙トレイへ排出される。また、中間転写ベルト324は、フルカラー画像の転写後に、クリーニング装置127でクリーニングされて残留トナーが除去される。
【0084】
以上4色重ね画像を形成する動作について説明したが、3色重ね画像を形成する場合には感光体312上に3つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト324上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。
2色重ね画像を形成する場合には感光体312上に2つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト324上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。また、単色画像を形成する場合には、感光体312上に1つの単色画像が形成されて中間転写ベルト324上に転写された後に記録媒体に転写される。
このようなカラー複写機においては、感光体312、レジストローラ133、中間転写ベルト324、搬送ベルト134の駆動精度が最終画像の品質に大きく影響する。従って、より高精度な感光体312、レジストローラ133、中間転写ベルト324、搬送ベルト134の駆動が望まれる。
そこで、この第4の実施の形態では、感光体312とレジストローラ133、を図1の駆動対象3となるような駆動装置の構成とし、中間転写ベルト324と搬送ベルト134を図2のベルト12となるような駆動装置の構成とすることにより、感光体312、レジストローラ133、中間転写ベルト324、搬送ベルト134の駆動精度が向上し、画像形成時における変動が減少することから、高品質な画像を得ることができる。
【0085】
図42は本発明の第5の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。像担持体としての感光体161は、閉ループ状のベルト基材の外周面上に、有機光半導体(OPC)等の感光層が薄膜状に形成された感光体ベルトである。この感光体161は、3本の感光体搬送ローラ162〜164によって支持され、駆動モータ(図示せず)によって矢印A方向に回動する。
感光体161の周りには、矢印Aで示す感光体161の回転方向へ順に、帯電器165、露光手段としての露光光学系(以下、LSUという)166、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の現像器167〜170、中間転写ユニット171、感光体クリーニング手段172及び除電器173が設けられている。帯電器165は数kV程度の高電圧が図示しない電源装置から印加され、感光体161の帯電器165に対向した部分を帯電して一様な帯電電位を与える。
【0086】
LSU166はレーザ駆動回路(図示せず)により階調変換手段(図示せず)からの各色の画像信号を順次に光強度変調やパルス幅変調してその変調信号で半導体レーザ(図示せず)を駆動することにより露光光線174を得、この露光光線174により感光体161を走査してこの感光体161上に各色の画像信号に対応する静電潜像を順次に形成する。
各現像器167〜170はそれぞれの現像色に対応したトナーを収納しており、感光体161上の各色の画像信号に対応した静電潜像に応じたタイミングで選択的に感光体161に当接し、この感光体161上の静電潜像をトナーにより現像して各色の画像とすることで、4色重ねの画像によるフルカラー画像を形成する。
【0087】
中間転写ユニット171はアルミニウム等の金属の素管に導電性の樹脂等からなるベルト状のシートを巻いた中間転写体としての転写ドラム177と、ゴム等をブレード状に形成した中間転写体クリーニング手段178とを含んでいる。中間転写体177上に4色重ねの画像が形成されている間、中間転写体クリーニング手段178は中間転写体177から離間している。
中間転写体クリーニング手段178は中間転写体177をクリーニングする時のみこの中間転写体177に当接し、中間転写体177から記録媒体としての記録紙179に転写されずに残ったトナーを除去する。記録紙179は、記録紙カセット180から給紙ローラ181によって1枚ずつ用紙搬送路182に送り出される。
【0088】
転写手段としての転写ユニット183は中間転写体177上のフルカラー画像を記録紙179に転写するものである。この転写ユニット183は導電性のゴム等をベルト状に形成した転写ベルト184と、中間転写体177上のフルカラー画像を記録紙179に転写するための転写バイアスを転写ベルト184に印加する転写器185と、記録紙179にフルカラー画像が転写された後に記録紙179が中間転写体177に静電的に張り付くのを防止するようにバイアスを中間転写体177に印加する分離器186とから構成されている。
定着器187は内部に熱源を有するヒートローラ188及び加圧ローラ189によって構成されている。記録紙179上に転写されたフルカラー画像をヒートローラ188と加圧ローラ189との記録紙挟持回転に伴い、圧力と熱を記録紙179に加えて記録紙179にフルカラー画像を定着させてフルカラー画像を形成する。
以上のように構成された第5の実施の形態について、以下その動作を説明する。ここで、静電潜像の現像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順で行われるものとして説明を進める。
【0089】
感光体161と中間転写体177は、それぞれの駆動源(図示せず)により、矢印A、B方向にそれぞれ駆動される。この状態で、まず、帯電器165に数kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加され、帯電器165が感光体161の表面を一様に数百V程度に帯電させる。
感光体161にLSU166からブラックの画像信号に対応したレーザビームの露光光線174が照射され、感光体161は露光光線174が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
【0090】
一方、ブラック現像器167は所定のタイミングで感光体161に当接される。ブラック現像器167内のブラックトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体161上の露光光線174の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみブラックトナーが付着し、いわゆる、ネガポジプロセスによる現像が行われる。
ブラック現像器167により感光体161の表面に形成されたブラックトナー像は中間転写体177に転写される。感光体161から中間転写体177に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段172により除去され、さらに除電器173によって感光体161上の電荷が除去される。
【0091】
次に、帯電器165が感光体161の表面を一様に数百V程度に帯電させる。感光体161にLSU166からシアンの画像信号に対応したレーザビームの露光光線174が照射され、感光体161は露光光線174が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体161には所定のタイミングでシアン現像器168が当接される。シアン現像器168内のシアントナーは負の電荷が予め与えられており、感光体161上の露光光線174の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみシアントナーが付着し、いわゆる、ネガポジプロセスによる現像が行われる。
【0092】
シアン現像器168により感光体161の表面に形成されたシアントナー像は中間転写体177上にブラックトナー像と重ねて転写される。感光体161から中間転写体177に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段172により除去され、さらに除電器173によって感光体161上の電荷が除去される。
次に、帯電器165が感光体161の表面を一様に数百V程度に帯電させる。感光体161にLSU166からマゼンタの画像信号に対応したレーザビームの露光光線174が照射され、感光体161は露光光線174が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体161には所定のタイミングでマゼンタ現像器169が当接される。マゼンタ現像器169内のマゼンタトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体161上の露光光線174の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみマゼンタトナーが付着し、いわゆる、ネガポジプロセスによる現像が行われる。
【0093】
マゼンタ現像器169により感光体161の表面に形成されたマゼンタトナー像は、中間転写体177上にブラックトナー像、シアントナー像と重ねて転写される。感光体161から中間転写体177に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段172により除去され、さらに除電器173によって感光体161上の電荷が除去される。
さらに、帯電器165が感光体161の表面を一様に数百V程度に帯電させる。感光体161にLSU166からイエローの画像信号に対応したレーザビームの露光光線174が照射され、感光体161は露光光線174が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体161には所定のタイミングでイエロー現像器170が当接される。イエロー現像器170内のイエロートナーは負の電荷が予め与えられており、感光体161上の露光光線174の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみイエロートナーが付着し、いわゆる、ネガポジプロセスによる現像が行われる。
【0094】
イエロー現像器170により感光体161の表面に形成されたイエロートナー像は中間転写体177上にブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像と重ねて転写され、中間転写体177上にフルカラー画像が形成される。感光体161から中間転写体177に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段172により除去され、さらに除電器173によって感光体161上の電荷が除去される。
中間転写体177上に形成されたフルカラー画像は、これまで中間転写体177から離間していた転写ユニット183が中間転写体177に接触し、転写器185に数kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加されることで、記録紙カセット180から用紙搬送路182に沿って搬送されてきた記録紙179へ転写器185により一括して転写される。
また、分離器186には記録紙179を引き付ける静電力が働くように電圧が電源装置から印加され、記録紙179が中間転写体177から剥離される。続いて、記録紙179は、定着器187に送られ、ここでヒートローラ188と加圧ローラ189とによる挟持圧、ヒートローラ188の熱によってフルカラー画像が定着されて排紙ローラ190により排紙トレイ191へ排出される。
【0095】
また、転写ユニット183により記録紙179上に転写されなかった中間転写体177上の残留トナーは中間転写体クリーニング手段178により除去される。中間転写体クリーニング手段178はフルカラー画像が得られるまで中間転写体177から離間した角変位にある。フルカラー画像が記録紙179に転写された後に中間転写体177に接触して中間転写体177上の残留トナーを除去する。以上の一連の動作によって1枚分のフルカラー画像形成が終了する。
このようなカラー複写機においては、感光体ベルト161や転写ドラム177、転写ベルト184の駆動精度が最終画像の品質に大きく影響し、特に高精度な感光体ベルト161、転写ベルト184の高精度駆動が望まれる。
そこで、この第5の実施の形態では、感光体ベルト161、転写ベルト184を図2のベルト12となるような駆動装置の構成とし、転写ドラム177を図1の駆動対象3となるような構成とすることにより、感光体ベルト161、転写ベルト184、転写ドラム177の駆動精度が向上し、画像形成時における変動が減少することから、高品質な画像を得ることができる。
【0096】
図43は本発明による第6の実施の形態としてカラー複写機からなる画像形成装置を示す概略図である。この第6の実施の形態は、タンデム方式の画像形成装置の例である。この第6の実施の形態においては、複数色、例えば、ブラック(以下、Bkという)、マゼンタ(以下、Mという)、イエロー(以下、Yという)、シアン(以下、Cという)の各画像をそれぞれ形成する複数の画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cが垂直方向に配列されている。
この画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cは、それぞれドラム状の感光体からなる像担持体222Bk、222M、222Y、222C、帯電装置(例えば、接触帯電装置)223Bk、223M、223Y、223C、現像装置224Bk、224M、224Y、224C、クリーニング装置225Bk、225M、225Y、225Cなどから構成される。
【0097】
感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、無端状搬送ベルト226と対向して垂直方向に配列され、この搬送ベルト226と同じ周速で回転駆動される。この感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、それぞれ、帯電装置223Bk、223M、223Y、223Cにより均一に帯電された後に、光書き込み装置からなる露光手段227Bk、227M、227Y、227Cによりそれぞれ露光されて静電潜像が形成される。
光書き込み装置227Bk、227M、227Y、227Cは、それぞれY、M、C、Bk各色の画像信号により半導体レーザ駆動回路で半導体レーザを駆動して半導体レーザからのレーザビームをポリゴンミラー229Bk、229M、229Y、229Cにより偏向走査する。
【0098】
このポリゴンミラー229Bk、229M、229Y、229Cからの各レーザビームを図示しないfθレンズやミラーを介して感光体222Bk、222M、222Y、222Cに結像することにより、感光体222Bk、222M、222Y、222Cを露光して静電潜像を形成する。
この感光体222Bk、222M、222Y、222C上の静電潜像は、それぞれ現像装置224Bk、224M、224Y、224Cにより現像されてBk、M、Y、C各色のトナー像となる。
従って、帯電装置223Bk、223M、223Y、223C、光書き込み装置227Bk、227M、227Y、227C及び現像装置224Bk、224M、224Y、224Cは、感光体222Bk、222M、222Y、222C上にBk、M、Y、C各色の画像(トナー像)を形成する画像形成手段を構成している。
【0099】
一方、普通紙、OHPシートなどの記録紙は本実施の形態の下部に設置された、給紙カセットを用いて構成された給紙装置230から記録紙搬送路に沿ってレジストローラ231に向かって給紙される。
レジストローラ231は1色目の画像形成ユニット(記録紙に最初に感光体上の画像を転写する画像形成ユニット)221Bkにおける感光体222Bk上のトナー像とタイミングを合わせて記録紙を搬送ベルト226と感光体222Bkとの転写ニップ部へ送出する。
搬送ベルト226は垂直方向に配列された駆動ローラ232及び従動ローラ233に掛け渡され、駆動ローラ232が図示しない駆動部により回転駆動されて搬送ベルト226が感光体222Bk、222M、222Y、222Cと同じ周速で回転する。
【0100】
レジストローラ231から送り出された記録紙は、搬送ベルト226により搬送され、感光体222Bk、222M、222Y、222C上のBk、M、Y、C各色のトナー像がコロナ放電器からなる転写手段234Bk、234M、234Y、234Cにより形成される電界の作用で順次に重ねて転写されることによりフルカラー画像が形成され、それと同時に、搬送ベルト226に静電的に吸着されて確実に搬送される。
この記録紙は、分離チャージャからなる分離手段236により徐電されて搬送ベルト226から分離された後に、定着装置237によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ238により本実施の形態の上部に設けられている排紙部239へ排出される。また、感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、トナー像転写後に、クリーニング装置225Bk、225M、225Y、225Cによりクリーニングされて次の画像形成動作に備える。
【0101】
このようなカラー複写機においては、搬送ベルト226、感光体222Bk、222M、222Y、222Cの駆動精度が最終画像の品質に大きく影響し、より高精度な搬送ベルト226、感光体222Bk、222M、222Y、222Cの駆動が望まれる。
そこで、この第6の実施の形態では、搬送ベルト226を図2のベルト12となるような駆動装置の構成とし、感光体222Bk、222M、222Y、222Cを図1の駆動対象3となるような構成とすることにより、搬送ベルト226、感光体222Bk、222M、222Y、222Cの駆動精度が向上し、画像形成時における変動が減少することから、高品質な画像を得ることができる。
また、ここでは複写機などの構成で説明をしているが、インクジェットの紙搬送装置において、例えば、図2に示すような搬送ベルト構成や、図1の搬送ローラ構成とすることで副走査方向の紙搬送を高精度に行なうことも可能である。
【0102】
本発明は、角変位または角速度の高精度計測装置、又はその計測に基づく高精度駆動装置、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)、ロボット等の位置検出または位置決め制御装置、電子写真方式を用いた転写ベルト駆動装置、転写・感光体ドラム駆動装置における位置または速度計測や制御装置、印刷機や出力機におけるベルト駆動、ローラ駆動装置における位置または速度計測や制御装置、紙搬送装置におけるローラ・ベルト駆動装置における位置または速度計測や制御装置に使用することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 回転体駆動装置、3 回転体(駆動対象)、4 モータ、6 ロータリエンコーダ(装置)、6A ホイール部、6a パターン、6b パターン、7 センサ(光検出手段)、7a 発光部、7b 受光部、8 ベルト駆動装置、 12 ベルト(駆動対象)、 24 無反射パターン、 51 コントローラ、 57 偏心補正部(偏心補正機構)、212 像担持体(感光体ドラム)、224 中間転写ベルト、161 像担持体(感光体ベルト)、177 像担持体(転写ドラム)、222Bk 像担持体(感光体ドラム)、226 搬送ベルト(紙搬送装置)、101 モータ、102 モータ歯車、103 回転体歯車、104 回転体、105 回転体軸、106 ホイール取付軸部、107 ホイールボス部、108 ロータリエンコーダホイール、109 パターン部、110 光センサ、111 ローラ歯車、112 駆動ローラ、113 テンションローラ、114 従動ローラ、115 ベルト、116 ローラ軸、117 ホイール取付軸部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開平10−281811号公報
【特許文献2】特許第2715562号
【特許文献3】特開2001−264119公報
【特許文献4】特開2004−109074公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、
前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に透過率の異なるパターンを有し、
前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの遮光又は遮光の状態変化が検出される前記ホイール部の径方向における光学検出域において、
前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線に対して一定の角度で傾斜した斜辺である形状を有し、
同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とするロータリエンコーダホイール。
【請求項2】
回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、
前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に反射率の異なるパターンを有し、
前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの反射光量変化が検出される前記ホイール部の径方向における光学検出域において、
前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線に対して一定の角度で傾斜した斜辺である形状を有し、
同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とするロータリエンコーダホイール。
【請求項3】
回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、
前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に透過率の異なるパターンを有し、
前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの遮光又は遮光の状態変化が検出される前記ホイール部の径方向径方向における光学検出域において、
前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線から前記ホイール部の中心を始点として成す角度と、前記ホイール部の中心を中心とする半径の増減とが比例する同心円との連続した交点から成る曲線である形状を有し、
同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とするロータリエンコーダホイール。
【請求項4】
回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、
前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に反射率の異なるパターンを有し、
前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの反射光量変化が検出される前記ホイール部の径方向径方向における光学検出域において、
前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線から前記ホイール部の中心を始点として成す角度と、前記ホイール部の中心を中心とする半径の増減とが比例する同心円との連続した交点から成る曲線である形状を有し、
同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とするロータリエンコーダホイール。
【請求項5】
前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも内側で交差し、隣接するパターン同士が先端でつながり同一円周上に等間隔に配列されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロータリエンコーダホイール。
【請求項6】
前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも外側で交差し、それよりも外側の半径方向の位置で外輪状につながった形状を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイール。
【請求項7】
前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも内側で交差し、隣接する前記パターン同士が先端でつながり同一円周上に等間隔に配列されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイール。
【請求項8】
前記パターンにおける前記法線部と斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも外側で交差し、それよりも外側の半径方向の位置で外輪状につながった形状を有することを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイール。
【請求項9】
回転体に同期し回転するロータリエンコーダホイールの円周上に、然るべき中心点から放射状に所定角度間隔に形成される複数のパターンと、
前記パターンに光を照射する発光手段と、
前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い、前記パターンに照射された前記発光手段の透過光又は反射光の光量変化を検出し信号出力する受光手段と、を備え、
前記発光手段は、請求項1乃至8の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイールのパターン部に光ビームを照射し、
前記受光手段は、その透過光か、或いは反射光のいずれかを、1個の光センサにより受光し、そのロータリエンコーダの回転に伴う光量変化を2値化したパルス信号として取り出し、
回転角度に対するH及びLレベルパルス幅の比率に応じて前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、ホイールパターン中心点との取り付け偏心量と、偏心位相を検出する偏心量位相検出手段を備えたことを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、ホイールパターン中心点との取付け偏心と偏心位相を検出する偏心量位相検出手段を備え、
検出された偏心量と位相に応じて、偏心の無い取付け時に得られる回転パルス信号と成る様に補正することを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、
当該ロータリエンコーダ装置からの計測信号と目標値との差分から、モータによって駆動される回転体の駆動を制御する制御指令値を生成するコントローラと、前記偏心信号を用いて偏心補正を行う偏心補正機構と、を備えた回転体駆動制御装置を備えたことを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項12】
請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記偏心補正機構は、前記コントローラの直後に備えられていることを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項13】
請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記偏心補正機構は、前記計測信号をフィードバックするフィードバック機構に備えられていることを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項14】
請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記偏心補正機構は前記目標値を生成する機構に備えられていることを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項15】
請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、
前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、
前記ロータリエンコーダホイールは、前記パターンの中心点より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される帯状部と、を備え、
前記パターン部は特定の形状に着色され又は特定形状に開口され、
前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、
前記帯状部は、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割帯状部であって、
前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、
前記色分割帯状部の境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力することを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項16】
請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、
前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、
前記ロータリエンコーダホイールは、ロータリエンコーダホイール中心より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される帯状部と、を備え、
前記パターン部は特定の形状で、前記ホイール中心より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割パターンを備え、
前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、
前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、
前記色分割パターンの色分割境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力することを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項17】
請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、
前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、
前記ロータリエンコーダホイールは、前記パターンの中心点より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される、帯状部とがあって、
前記帯状部は、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割帯状部であって、
前記パターン部は特定の形状で、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割パターンを備え、
前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、
前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、
前記色分割帯状部か、色分割パターンか、あるいは両方の色分割境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力することを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項18】
像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が感光体ドラムであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が転写ドラムであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】
像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が感光体ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項22】
ベルト、又はローラを回転させて紙を搬送する紙搬送装置において、前記紙搬送装置の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、
前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に透過率の異なるパターンを有し、
前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの遮光又は遮光の状態変化が検出される前記ホイール部の径方向における光学検出域において、
前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線に対して一定の角度で傾斜した斜辺である形状を有し、
同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とするロータリエンコーダホイール。
【請求項2】
回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、
前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に反射率の異なるパターンを有し、
前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの反射光量変化が検出される前記ホイール部の径方向における光学検出域において、
前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線に対して一定の角度で傾斜した斜辺である形状を有し、
同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とするロータリエンコーダホイール。
【請求項3】
回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、
前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に透過率の異なるパターンを有し、
前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの遮光又は遮光の状態変化が検出される前記ホイール部の径方向径方向における光学検出域において、
前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線から前記ホイール部の中心を始点として成す角度と、前記ホイール部の中心を中心とする半径の増減とが比例する同心円との連続した交点から成る曲線である形状を有し、
同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とするロータリエンコーダホイール。
【請求項4】
回転体に同期して回転するホイール部と、該ホイール部の円周上に設けたパターン部と、を備えたロータリエンコーダホイールであって、
前記パターン部は、該パターンの中心点から放射する法線を基線とし、当該基線上に反射率の異なるパターンを有し、
前記ロータリエンコーダの回転動作に応じて、固定配置された1つの光学センサにより、各パターンの反射光量変化が検出される前記ホイール部の径方向径方向における光学検出域において、
前記パターンは、一辺が前記ホイール部の前記法線上にあるともに、前記一辺に対向する他方の一辺が前記法線から前記ホイール部の中心を始点として成す角度と、前記ホイール部の中心を中心とする半径の増減とが比例する同心円との連続した交点から成る曲線である形状を有し、
同一形状の前記パターンが、前記法線の中心点から一定の半径位置で、回転方向に等間隔に配置されていることを特徴とするロータリエンコーダホイール。
【請求項5】
前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも内側で交差し、隣接するパターン同士が先端でつながり同一円周上に等間隔に配列されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロータリエンコーダホイール。
【請求項6】
前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも外側で交差し、それよりも外側の半径方向の位置で外輪状につながった形状を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイール。
【請求項7】
前記パターンにおける前記法線部と前記斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも内側で交差し、隣接する前記パターン同士が先端でつながり同一円周上に等間隔に配列されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイール。
【請求項8】
前記パターンにおける前記法線部と斜辺部の2辺が交差する位置が、前記光学センサが検出する半径位置よりも外側で交差し、それよりも外側の半径方向の位置で外輪状につながった形状を有することを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイール。
【請求項9】
回転体に同期し回転するロータリエンコーダホイールの円周上に、然るべき中心点から放射状に所定角度間隔に形成される複数のパターンと、
前記パターンに光を照射する発光手段と、
前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い、前記パターンに照射された前記発光手段の透過光又は反射光の光量変化を検出し信号出力する受光手段と、を備え、
前記発光手段は、請求項1乃至8の何れか一項に記載のロータリエンコーダホイールのパターン部に光ビームを照射し、
前記受光手段は、その透過光か、或いは反射光のいずれかを、1個の光センサにより受光し、そのロータリエンコーダの回転に伴う光量変化を2値化したパルス信号として取り出し、
回転角度に対するH及びLレベルパルス幅の比率に応じて前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、ホイールパターン中心点との取り付け偏心量と、偏心位相を検出する偏心量位相検出手段を備えたことを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、ホイールパターン中心点との取付け偏心と偏心位相を検出する偏心量位相検出手段を備え、
検出された偏心量と位相に応じて、偏心の無い取付け時に得られる回転パルス信号と成る様に補正することを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、
当該ロータリエンコーダ装置からの計測信号と目標値との差分から、モータによって駆動される回転体の駆動を制御する制御指令値を生成するコントローラと、前記偏心信号を用いて偏心補正を行う偏心補正機構と、を備えた回転体駆動制御装置を備えたことを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項12】
請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記偏心補正機構は、前記コントローラの直後に備えられていることを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項13】
請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記偏心補正機構は、前記計測信号をフィードバックするフィードバック機構に備えられていることを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項14】
請求項9又は10に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記偏心補正機構は前記目標値を生成する機構に備えられていることを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項15】
請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、
前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、
前記ロータリエンコーダホイールは、前記パターンの中心点より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される帯状部と、を備え、
前記パターン部は特定の形状に着色され又は特定形状に開口され、
前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、
前記帯状部は、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割帯状部であって、
前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、
前記色分割帯状部の境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力することを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項16】
請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、
前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、
前記ロータリエンコーダホイールは、ロータリエンコーダホイール中心より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される帯状部と、を備え、
前記パターン部は特定の形状で、前記ホイール中心より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割パターンを備え、
前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、
前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、
前記色分割パターンの色分割境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力することを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項17】
請求項9乃至14の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置において、
前記ロータリエンコーダホイールの回転動作に伴い回転信号を出力するとともに、
前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量に応じて出力される偏心信号を出力し、
前記ロータリエンコーダホイールは、前記パターンの中心点より特定角度に分割され、同一半径上に配置されたパターン部と、当パターンが配列された半径の同心円状に重ねられて配置される、帯状部とがあって、
前記帯状部は、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割帯状部であって、
前記パターン部は特定の形状で、前記前記パターンの中心点より1つ以上の特定半径を境界にして色分割された色分割パターンを備え、
前記受光手段によりホイール回転に伴い回転量を検出すると同時に、
前記受光手段は、複数の特定波長帯域の光量を独立して検出する感度特性を持ち、
前記色分割帯状部か、色分割パターンか、あるいは両方の色分割境界を跨いだときに生じる複数の波長光を独立して検出することにより前記ロータリエンコーダホイール回転中心に対する、前記パターンの中心点との偏心量を示す偏心信号を出力することを特徴とするロータリエンコーダ装置。
【請求項18】
像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が感光体ドラムであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が転写ドラムであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】
像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が感光体ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行い、前記像担持体が転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項22】
ベルト、又はローラを回転させて紙を搬送する紙搬送装置において、前記紙搬送装置の駆動制御を請求項9乃至17の何れか一項に記載のロータリエンコーダ装置により行うことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【公開番号】特開2012−185177(P2012−185177A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−127186(P2012−127186)
【出願日】平成24年6月4日(2012.6.4)
【分割の表示】特願2006−330036(P2006−330036)の分割
【原出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月4日(2012.6.4)
【分割の表示】特願2006−330036(P2006−330036)の分割
【原出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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