説明

不揮発性記憶装置およびその製造方法

【課題】3次元クロスポイント型の不揮発性記憶装置において、従来に比してメモリセルの面積を縮小することができる不揮発性記憶装置を提供する。
【解決手段】メモリセルMC制御用の制御素子に接続される下層配線25と、複数のワード線WLと複数のビット線BLとの交差位置に配置される複数のメモリセルMCを有するメモリセルアレイ層が、下層配線25が形成された第2の層間絶縁膜30上に複数積層されたメモリ層MLと、ワード線WLおよびビット線BLと下層配線25との間を接続するワード線およびビット線コンタクトWC,BCと、ワード線WLおよびビット線BLをワード線およびビット線コンタクトWC,BCと接続する引き出し配線部151と、を備え、引き出し配線部151は、ワード線WLとビット線BLと同じ最小寸法の配線で構成され、引き出し配線部151の上面および両側面でワード線およびビット線コンタクトWC,BCに接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性記憶装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、3次元クロスポイント型の不揮発性記憶装置が提案されている。この不揮発性記憶装置は、複数のワード線と、ワード線とは異なる高さに形成された複数のビット線と、の交差位置に整流素子と抵抗変化素子などの不揮発性記憶素子が直列に接続された不揮発性メモリセルが狭持されて配置されたメモリセルアレイ層を高さ方向に複数積層したメモリ層を有する。また、メモリセルアレイ層のビット線を制御し、メモリセルへのアクセスを行うカラム制御回路や、メモリセルアレイ層のワード線を選択し、メモリセルへのアクセスに必要な電圧を印加するロウ制御回路などの周辺回路が、半導体基板上で、メモリセルアレイ層の下部に設けられる。そのため、メモリセル形成領域外に引き出されたワード線およびビット線と周辺回路とは、それぞれメモリ層を貫通するように設けられたワード線コンタクトとビット線コンタクトによって接続される(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、特許文献1に示されるように、ワード線コンタクトは平面視上の形成位置が同一の複数のワード線で共通化することができる一方、ビット線コンタクトは、メモリ層に設けられるすべてのビット線に対して設けられる。そのため、3次元クロスポイント型の不揮発性記憶装置では、ワード線やビット線の増加に伴って、多数のワード線コンタクトおよびビット線コンタクトが必要になり、メモリセル形成領域と、ワード線コンタクトおよびビット線コンタクトを形成するコンタクト形成領域とを含むメモリセルの面積が増大してしまう問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−130140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、3次元クロスポイント型の不揮発性記憶装置において、従来に比してメモリセルの面積を縮小することができる不揮発性記憶装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、基板上に形成される不揮発性メモリセルを制御する制御素子を含む周辺回路と、前記周辺回路上に層間絶縁膜を介して形成され、前記制御素子に接続される第1の配線と、第1の方向に延在する複数の第2の配線と、前記第2の配線とは異なる高さに形成され、第2の方向に延在する複数の第3の配線との交差位置に前記第2および前記第3の配線との間に挟持されるように配置される不揮発性記憶素子を含む複数の不揮発性メモリセルを有するメモリセルアレイ層が、前記第1の配線が形成された前記層間絶縁膜上に複数積層されたメモリ層と、前記第2および第3の配線と、前記第1の配線と、の間を接続し、前記メモリ層の周縁部に形成されるコンタクトと、前記第2および第3の配線を前記コンタクトと前記メモリ層内で接続する引き出し配線部と、を備える不揮発性記憶装置であって、前記メモリ層の最下層および最上層の前記第2または第3の配線以外の前記第2および第3の配線に接続される前記引き出し配線部は、前記第2および第3の配線と同じ該不揮発性記憶装置内での最小寸法の配線で構成されるとともに、該引き出し配線部の上面および両側面で前記コンタクトに接することを特徴とする不揮発性記憶装置が提供される。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、第1の配線層と、非オーミック層および不揮発性記憶層を含む第1の積層膜と、第1のマスク膜と、第1の芯材膜と、を順に積層し、メモリセル形成領域の前記第1の芯材膜をハーフピッチが2Fで、所定の方向に延在するラインアンドスペース状のパターンに加工する第1の工程と、前記第1の芯材膜をハーフピッチがFのラインアンドスペース状のパターンにスリミングする第2の工程と、前記第1の芯材膜のパターンの周囲に厚さがFのループ状の第1のスペーサ膜を形成した後、前記第1の芯材膜を除去する第3の工程と、前記ループ状の第1のスペーサ膜の一部を除去してラインアンドスペース状の第1の配線形成用パターンを形成する第4の工程と、前記第1の配線形成用パターンをマスクとして前記第1の積層膜と前記第1の配線層を加工して、前記メモリセル形成領域にラインアンドスペース状のパターンを形成し、コンタクト形成領域にはパッド状のパターンを形成する第5の工程と、加工されたパターン間に層間絶縁膜を埋め込む第6の工程と、前記第1の積層膜の上面が露出した前記層間絶縁膜上に、第2の配線層と、非オーミック層および不揮発性記憶層を含む第2の積層膜と、を形成し、前記メモリセル形成領域の前記第2の芯材膜をハーフピッチが2Fで、直下に形成されたラインアンドスペース状のパターンの延在方向とは直交する方向に延在するラインアンドスペース状のパターンに加工するとともに、コンタクト形成領域の芯材膜を所定の形状に加工する第7の工程と、前記メモリセル形成領域の前記第2の芯材膜をハーフピッチがFのラインアンドスペース状のパターンにスリミングする第8の工程と、前記第2の芯材膜のパターンの周囲に厚さがFのループ状の第2のスペーサ膜を形成した後、前記第2の芯材膜を除去する第9の工程と、前記ループ状の第2のスペーサ膜の一部を除去してラインアンドスペース状の第2の配線形成用パターンを形成する第10の工程と、前記第2の配線形成用パターンをマスクとして前記第2の積層膜、前記第2の配線層および前記第1の積層膜を加工して、前記メモリセル形成領域にラインアンドスペース状のパターンを形成し、いずれかの前記コンタクト形成領域には前記ランディングパッド状のパターンの形成位置に一部が重なる、幅がFの引き出し配線部のパターンを形成する第11の工程と、加工されたパターン間に層間絶縁膜を埋め込む第12の工程と、前記第7〜第12の工程を所定の回数繰り返し行った後、前記コンタクト形成領域に形成された前記第1の配線層からなる前記ランディングパッド状パターンに連通するコンタクトホールを形成する第13の工程と、前記コンタクトホールに導電性材料を埋め込み、コンタクトを形成する第14の工程と、を含むことを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、3次元クロスポイント型の不揮発性記憶装置において、従来に比してメモリセルの面積を縮小することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、不揮発性記憶装置の構造の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、図1の1つのメモリセルの構造を模式的に示す断面図である。
【図3−1】図3−1は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その1)。
【図3−2】図3−2は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その2)。
【図3−3】図3−3は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その3)。
【図3−4】図3−4は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その4)。
【図3−5】図3−5は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その5)。
【図3−6】図3−6は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その6)。
【図3−7】図3−7は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その7)。
【図3−8】図3−8は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その8)。
【図3−9】図3−9は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その9)。
【図3−10】図3−10は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その10)。
【図3−11】図3−11は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その11)。
【図3−12】図3−12は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その12)。
【図3−13】図3−13は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その13)。
【図3−14】図3−14は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その14)。
【図3−15】図3−15は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その15)。
【図4】図4は、不揮発性記憶装置のビット線コンタクト形成領域の一例を模式的に示す一部上面図である。
【図5】図5は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置のコンタクト部の様子を模式的に示す図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す平面図である。
【図7】図7は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。
【図8】図8は、一般的な方法によるビット線コンタクト形成領域のパターンである。
【図9】図9は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置のコンタクト部の様子を模式的に示す図である。
【図10】図10は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す平面図である。
【図11−1】図11−1は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その1)。
【図11−2】図11−2は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その2)。
【図11−3】図11−3は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その3)。
【図11−4】図11−4は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図である(その4)。
【図12】図12は、第3の実施の形態による不揮発性記憶装置のコンタクト部の様子を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる不揮発性記憶装置およびその製造方法を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態で用いられる不揮発性記憶装置の断面図は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係や各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる。さらに、以下で示す膜厚は一例であり、これに限定されるものではない。
【0011】
以下では、不揮発性記憶装置の微細化に従来の半導体装置の製造プロセスで使用されている技術を適用して不揮発性記憶装置を製造する場合を説明し、その問題点を指摘した後に、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、不揮発性記憶装置の構造の一例を模式的に示す断面図であり、(a)はワード線の延在方向に平行な方向の断面の一部を模式的に示す図であり、(b)はワード線の延在方向に垂直な方向の断面の一部を模式的に示す図である。また、図2は、図1の1つのメモリセルの構造を模式的に示す断面図である。
【0013】
図1に示されるように、シリコン基板などの半導体基板10上には、メモリセルMCを制御するセル制御用トランジスタ12を含む周辺回路が形成されている。セル制御用トランジスタ12は、半導体基板10表面の素子分離絶縁膜11で区画された領域上にゲート絶縁膜13を介して形成されるゲート電極14と、ゲート電極14の線幅方向両側の半導体基板10表面に形成されるソース/ドレイン領域15と、を有する。セル制御用トランジスタ12が形成された半導体基板10上には第1の層間絶縁膜20が形成され、第1の層間絶縁膜20内の上面付近には下層配線25が埋め込まれて形成されている。下層配線25は、第1の層間絶縁膜20に形成されたコンタクト21を介してセル制御用トランジスタ12のソース/ドレイン領域15と接続されている。また、第1の層間絶縁膜20上には第2の層間絶縁膜30が形成され、第2の層間絶縁膜30上には、メモリ層MLと、メモリ層MLの各メモリセルMCに接続されるワード線WLおよびビット線BLと、セル制御用トランジスタ12に接続される下層配線25とをそれぞれ接続するワード線コンタクトWC1,WC2およびビット線コンタクトBC1,BC2と、が形成されている。各メモリセルMCの周囲とワード線コンタクトWCおよびビット線コンタクトBCの周囲には、第3の層間絶縁膜40が形成されている。
【0014】
メモリ層MLは、メモリセルMCがマトリックス状に配置されたメモリセルアレイ層MAが高さ方向に複数積層された構造を有する。各メモリセルアレイ層MAは、X方向に延在する複数のワード線WLと、ワード線WLとは異なる高さでX方向に垂直なY方向に延在する複数のビット線BLとが、互いに交差して配設され、これらの各交差位置に非オーミック素子と抵抗変化素子とが直列に接続された抵抗変化型メモリセル(以下、単にメモリセルともいう)MCが配置された構造を有する。ここで、高さ方向に隣接するメモリセルMC間では、ワード線WLまたはビット線BLが共有されている。図1の例では、3本のワード線WL1〜WL3と2本のビット線BL1,BL2によって、メモリ層MLに4層のメモリセルアレイ層MAが設けられる場合が示されている。
【0015】
メモリセルMCは、図2に示されるように、第1の電極層E1、非オーミック素子NO、第2の電極層E2、抵抗変化素子RWおよび第3の電極層E3が順に積層された構造を有する。第1の電極層E1は、ワード線WLと非オーミック素子NOとの間の接着層およびバリアメタル層としての機能を有する。
【0016】
非オーミック素子NOは、メモリセルMCに流れる電流を所定の方向(たとえば、ワード線WLからビット線BLの方向)に流すために設けられる。この非オーミック素子NOとして、PINダイオードやPN接合ダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal-Insulator-Metal)素子などを例示することができる。なお、図では、非オーミック素子NOとして、N型半導体層SN、I型半導体層SI、P型半導体層SPが積層して形成されるPINダイオードを用いる場合が示されている。
【0017】
第2の電極層E2は、非オーミック素子NOと抵抗変化素子RWとの間の接着層およびバリアメタル層としての機能と、抵抗変化素子RWの電極層としての機能を有する。抵抗変化素子RWは、電圧値と印加時間の制御により、高抵抗状態と低抵抗状態とを切り換えることができる金属酸化物によって構成される。たとえばSi,Ti,Ta,Nb,Hf,Zr,W,Al,Ni,Co,Mn,Fe,Cu,Moなどの元素を少なくとも1種以上含む金属酸化膜などを例示することができる。第3の電極層E3は、抵抗変化素子RWとビット線BLとの間の接着層およびバリアメタル層としての機能と、抵抗変化素子RWの電極層としての機能を有する。
【0018】
第1、第2および第3の電極層E1,E2,E3は、たとえばPt,Au,Ag,TiAlN,SrRuO,Ru,RuN,Ir,Co,Ti,TiN,TaN,LaNiO,Al,PtIrOx,PtRhOx,Rh,TaAlNなどの導電性材料の中から選択される同一のまたは異なる組み合わせの材料によって構成される。第1、第2および第3の電極層E1,E2,E3の組み合わせは、非オーミック素子NOと抵抗変化素子RWに用いられる材料によって適宜選択される。
【0019】
図1に戻り、各メモリセルアレイ層MAのワード線WL1〜WL3およびビット線BL1,BL2は、それぞれメモリセルアレイ層MAの形成位置に隣接したワード線コンタクト形成領域RWおよびビット線コンタクト形成領域RBまで延長して形成されている。図1に示されるように、平面視上同じ位置に(異なる高さに)形成されるワード線WL1〜WL3は、1層おきに共通のワード線コンタクトWC1,WC2に接続される。すなわち、ワード線WL1,WL3はワード線コンタクトWC1に共通接続され、ワード線WL2はワード線コンタクトWC2に接続される。
【0020】
また、ワード線コンタクトWC1,WC2は、ともに4層のメモリセルアレイ層MA分の第3の層間絶縁膜40を貫通するように設けられている。ワード線コンタクトWC1は、第3の層間絶縁膜40をほぼ同じ径で貫通するが、ワード線コンタクトWC2は、第1の断面積でワード線コンタクト形成領域RWまで引き回されたワード線WL2と一部が重なるように形成され、ワード線WL2との接続部以下では、第1の面積から重なり領域を除いた第2の断面積で形成されている。
【0021】
さらに、ワード線コンタクトWC1,WC2は、その下端でランディングパッドWL1pに接続され、その上端にはワード線コンタクトWC1,WC2の蓋となるランディングパッドWL3pに接続される。なお、ワード線コンタクトWC1に接続されるランディングパッドWL1p,WL3pは、それぞれワード線WL1,WL3と接続されるように形成される。そして、ワード線コンタクトWC1,WC2は、それぞれランディングパッドWL1pと下層配線25を介して駆動ドライバに接続される。
【0022】
平面視上同じ位置に(異なる高さに)形成されるビット線BL1,BL2は、それぞれ異なるビット線コンタクトBC1,BC2に接続される。すなわち、ビット線BL1はビット線コンタクトBC1に接続され、ビット線BL2はビット線コンタクトBC2に接続される。ビット線コンタクトBC1,BC2も、ワード線コンタクトWC1,WC2と同様に、4層のメモリセルアレイ層MA分の第3の層間絶縁膜40を貫通するように設けられている。ビット線コンタクトBC1は、第1の断面積でビット線BL1と一部が重なるように形成され、ビット線BL1との接続部以下では、第1の断面積から重なり領域を除いた第2の断面積で形成される。同様に、ビット線コンタクトBC2は、第1の断面積でビット線BL2と一部が重なるように形成され、ビット線BL2との接続部以下では、第1の断面積から重なり領域を除いた第2の断面積で形成される。
【0023】
また、これらのビット線コンタクトBC1,BC2の下端と上端でそれぞれランディングパッドWL1p,WL3pに接続される。そして、ビット線コンタクトBC1,BC2は、それぞれランディングパッドWL1pと下層配線25を介して駆動ドライバに接続される。なお、ビット線コンタクトBC1,BC2は、N型MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)トランジスタおよびP型MISトランジスタの両方の駆動ドライバにそれぞれ接続される。これは、ワード線WLに対し印加する電圧の極性を変えることで、ビット線BLの上下に接続されるメモリセルMCの一方を選択し、後述するリセット処理/セット処理を行うようにするためである。なお、ワード線コンタクトWCの一部がワード線WLと重なるように接続する部分と、ビット線コンタクトBCの一部がビット線BLと重なるように接続する部分を、以下では引き出し配線部という。
【0024】
図1(a)は、あるワード線形成位置上での断面であるが、紙面に垂直な方向に並行して形成される他のすべてのワード線WL1〜WL3についても、同様にワード線コンタクトWC1,WC2が設けられ、1層おきに共通のワード線コンタクトWC1,WC2に接続される。また、図1(b)は、あるビット線形成位置上での断面であるが、紙面に垂直な方向に並行して形成されるすべてのビット線BL1,BL2についても、ビット線BL1,BL2ごとにビット線コンタクトBC1,BC2が設けられる。
【0025】
なお、図1では、4層のメモリセルアレイ層MAを積層した場合を説明したが、複数層のメモリセルアレイ層MAを積層する場合も同様の構造を有する。たとえば、8層のメモリセルアレイ層MAを積層する場合には、図1に示した4層のメモリセルアレイ層MA上に、さらに4層のメモリセルアレイ層MAを積層させればよい。ただし、この場合には、平面視上同じ位置に形成されるビット線BLは、さらに2本増えることになるので、ビット線コンタクトBCも2本増えることになる。ただし、平面視上同じ位置に形成されるワード線WLも2本増えるが、上記したようにこれらのワード線WLは、ワード線コンタクトWC1,WC2に交互に形成されるので、ワード線コンタクトWCの数は増加しない。また、1層目のメモリ層MLのワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBCの形成位置上に、2層目のメモリ層MLの対応するワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBCは形成される。
【0026】
このような構成の不揮発性記憶装置において、目的とするメモリセルMCに所定の電圧が印加されるように、ワード線WLとビット線BLに印加する電圧を制御して、メモリセルMCを構成する抵抗変化素子RWの抵抗状態を変化させる。具体的には、低抵抗状態の抵抗変化素子RWに電流を流し、ジュール加熱によって抵抗が1〜2桁増加した高抵抗状態に戻す処理をリセット(消去)処理といい、高抵抗状態の抵抗変化素子に電圧を与えて低抵抗状態に戻す処理をセット(書き込み)処理という。このように、リセット処理とセット処理によって高抵抗状態/低抵抗状態を作り出して抵抗値情報を記憶し、メモリセルMCに流れる電流差を検出することでメモリとして機能させるようにしている。
【0027】
つぎに、このような構造の不揮発性記憶装置の製造方法について説明する。不揮発性記憶装置においても、半導体装置で使用される微細化技術、具体的には側壁加工プロセスを適用することが可能であり、以下では、メモリセルアレイ層の形成に側壁加工プロセスを適用した場合について説明する。図3−1〜図3−15は、不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。また、図3−9以降では、(c)は(a)のB−B断面図であり、図3−14以降では、(d)は(a)のC−C断面図である。
【0028】
まず、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタなどからなるセル制御用トランジスタ12を含む周辺回路を形成したシリコン基板などの半導体基板上に層間絶縁膜を形成し、平坦化する。そして、平坦化した層間絶縁膜上に、ワード線コンタクトおよびビット線コンタクトを含むメモリ層を形成する。なお、図3−1〜図3−15では、メモリ層よりも下層に形成される半導体基板、周辺回路および層間絶縁膜についての図示を省略している。
【0029】
ついで、図3−1に示されるように、図示しない平坦化した層間絶縁膜上に、ワード線WL1となる配線材料層101と、たとえば5nmの厚さのTiNなどのバリアメタル膜104と、メモリセルMCに流れる電流の向きを制御する整流層105と、たとえば5nmの厚さのTi/TiNなどのバリアメタル膜106と、たとえば5nmの厚さのHfOなどの抵抗変化層107と、および上部電極およびCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理時のストッパとして機能する、たとえば厚さ50nmのWなどのキャップ膜108とを、それぞれPVD(Physical Vapor Deposition)法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの成膜法によって順に形成する。ここで、配線材料層101は、たとえば5nmの厚さのWNxなどのバリアメタル膜102と、たとえば50nmの厚さのWからなる配線層103との積層膜によって構成される。また、整流層105は、N型半導体膜105N、I型半導体膜105IおよびP型半導体膜105Pが積層された、たとえば100nmの厚さのアモルファスSiなどによって構成される。この整流層105は、非オーミック素子として機能する。
【0030】
さらに、キャップ膜108上に、たとえば100nmの厚さのSiNなどの配線加工用のマスク膜201、たとえば100nmの厚さのTEOS(Tetraethoxysilane)膜などからなり、後の工程でスリミングを行う際の芯材としての芯材膜202を、CVD法などの成膜法によって形成する。そして、芯材膜202上に、レジスト203を塗布し、リソグラフィ技術によって、メモリ層に最終的に形成するメモリセルの2倍のピッチを有する配線形成用パターンをレジスト203にパターニングする。最終的な目標寸法がハーフピッチでF(たとえば20nm)である場合には、レジスト203の配線形成用パターンの幅を2F(40nm)とする。なお、メモリセル形成領域に形成される配線形成用パターンは、X方向のラインアンドスペースパターンとなる。
【0031】
ついで、図3−2に示されるように、RIE(Reactive Ion Etching)法などの異方性エッチングによって、レジスト203をマスクとして芯材膜202を加工して配線形成用パターンを形成する。このときの配線形成用パターンのハーフピッチは2Fである。その後、ウエットエッチングによって配線形成用パターンのスリミングを行い、配線形成用パターンのハーフピッチ(配線幅)をFとする。ウエットエッチング処理として、たとえばフッ化アンモニウムなどのHF系ウエットエッチング処理を行うことができる。
【0032】
ついで、図3−3に示されるように、配線形成用パターンが形成されたマスク膜201上に、CVD法などの成膜法によって、たとえばアモルファスシリコンなどのスペーサ膜204を、ハーフピッチFの厚さとなるように形成する。その後、エッチバックを行って芯材膜202とマスク膜201の上面に形成されたスペーサ膜204を除去する。これによって、ハーフピッチFの幅(たとえば20nm)を有するスペーサ膜204が芯材膜202の側面を囲むリング状(ループ状)に形成される。
【0033】
ついで、図3−4に示されるように、図示しないワード線コンタクト形成領域を含む領域にリソグラフィ技術によってレジスト205を形成した後、図3−5に示されるように、レジスト205をマスクとして用いたウエットエッチング処理によって、レジスト開口領域の芯材膜202を除去し、スペーサ膜204のみを残す。ウエットエッチング処理として、たとえばHF系ウエットエッチング処理を行うことができる。なお、レジスト205で覆われていた領域は一回目に形成されたレジスト203でパターニングした形状が残り、露出した領域では一回目のレジスト203を用いて形成されたパターンの外周にのみリング状(ループ状)のスペーサ膜204が残る。
【0034】
ついで、図3−6に示されるように、レジスト205を剥離した後、スペーサ膜204および図示しない芯材膜202をマスクとしてマスク膜201加工する。これによって、メモリセル形成領域には所望のピッチの細線の配線形成用パターンが、また、ワード線およびビット線コンタクト形成領域には太い幅の配線形成用パターンが、作り分けて形成される。ただし、この段階では細線の配線形成用パターンは全てリング状に形成されているので、一本一本に分断する作業を行う。ここでは、図示しないが、レジストを塗布し、リソグラフィ技術によって、たとえばループ状の配線形成用パターンのワード線方向(X方向)の両端部付近が開口するようにレジストをパターニングした後、そのレジストをマスクとしてマスク膜201を加工する。これによって、所望のピッチを有するラインアンドスペースパターンが形成される。
【0035】
ついで、図3−7に示されるように、所望の形状にパターニングされたマスク膜201をマスクとして、キャップ膜108から配線材料層101までを順次加工する。これによって、メモリセル形成領域には、X方向に延在するラインアンドスペース状のパターンが形成され、配線材料層101はワード線WL1となる。ついで、図3−8に示されるように、ラインアンドスペース状のパターン間に、たとえばポリシラザンなどの塗布型絶縁膜を埋め込み、層間絶縁膜40を形成する。その後、キャップ膜108をストッパとして、CMP法によって平坦化を行う。これによって、キャップ膜108の上面が露出する。
【0036】
ついで、図3−9に示されるように、キャップ膜108が露出した状態の層間絶縁膜40上に、ビット線BL1となるバリアメタル膜112と配線層113とが積層された配線材料層111、バリアメタル膜114、整流層115、バリアメタル膜116、抵抗変化層117およびキャップ膜118とを、それぞれPVD法やCVD法などの成膜法によって順に形成する。なお、これらの膜は、たとえば下層に形成した配線材料層101〜キャップ膜108までと同様の材料および膜厚で形成することができる。ただし、この例ではビット線BLからワード線WLの方向に電流を流すようにしているので、整流層115のPIN構造の積層順序は、下層の整流層105のPIN構造の積層順序とは逆であり、P型半導体膜115P、I型半導体膜115IおよびN型半導体膜115Nが順に積層された構造となっている。
【0037】
さらに、キャップ膜118上に、マスク膜211と、芯材膜212とを、CVD法などの成膜法によって形成する。これらの膜も、たとえば下層に形成したマスク膜201と芯材膜202と同様の材料および膜厚で形成することができる。そして、芯材膜212上にレジスト213を塗布し、リソグラフィ技術によって、メモリ層に最終的に形成するメモリ素子の2倍のピッチを有する配線形成用パターンをレジスト213にパターニングする。なお、この配線形成用パターンは、先に形成したワード線WLの延在方向(X方向)に対して、直交する方向(Y方向)のラインアンドスペースパターンとなる。また、ビット線コンタクト形成領域には、メモリセル形成領域から延びるラインアンドスペースパターンに接続される略L字状のパターンを有する引き出し配線部形成用パターン150aが形成される。
【0038】
ついで、レジスト213をマスクとして、RIE法などの異方性エッチングによって、芯材膜212を加工し、ハーフピッチ(配線幅)が2Fの配線形成用パターンを形成した後、ハーフピッチ(配線幅)がFとなるように配線形成用パターンのスリミングを行う。その後、図3−10に示されるように、ラインアンドスペース状の芯材膜212の周囲に厚さがハーフピッチFに等しいアモルファスシリコンなどからなるスペーサ膜214を形成する。
【0039】
その後、図3−11に示されるように、ビット線コンタクト形成領域にレジスト215を形成し、レジスト215をマスクとして用いたウエットエッチング処理によって、レジスト開口領域の芯材膜212を除去してスペーサ膜214のみを残す。ウエットエッチング処理として、たとえばHF系ウエットエッチング処理を行うことができる。なお、このとき、エッチング液ELの等方向性エッチング特性のため、ビット線コンタクト形成領域に形成されたレジスト境界からエッチング液ELが染込み、レジスト215下の芯材膜212の一部はエッチングされてしまう。
【0040】
ついで、図3−12に示されるように、レジスト215を剥離した後、スペーサ膜214および芯材膜212をマスクとしてマスク膜211を加工する。これによって、スペーサ膜214のみによって加工マスクが形成されるメモリセル形成領域(レジスト215で覆われていなかった領域)では最小ピッチの配線幅の配線形成用パターンが形成され、スペーサ膜214と芯材膜212とによってマスクが形成されるビット線コンタクト形成領域では、最小ピッチよりも広い幅の配線形成用パターンが形成される。
【0041】
このとき、図3−6と同様に、スペーサ膜214をマスクとして形成した最小配線幅の配線形成用パターンはリング状(ループ状)となるので、リング状に接続された2つの配線形成用パターンをそれぞれ分断する作業を行う。そのため、パターニングされたマスク膜211が形成されたキャップ膜118上に、レジスト216を塗布し、たとえばループ状の配線形成用パターンのビット線方向(Y方向)の両端部付近などの切り分け箇所のみに開口216aを形成する。そして、図3−13に示されるように、レジスト216をマスクとして、マスク膜211をエッチングする。その後、レジスト216を除去する。
【0042】
ついで、図3−14に示されるように、マスク膜211をマスクとして、キャップ膜118からバリアメタル膜104までを順次加工する。これによって、メモリセル形成領域には、Y方向に延在する最小ピッチのラインアンドスペース状のパターンが形成される。その結果、配線材料層111はビット線BL1となり、ワード線WL1とビット線BL1との間には、バリアメタル膜104からキャップ膜108までの積層膜がワード線WL1の幅とビット線BL1の幅とで規定されるピラー状の構造にパターニングされたメモリセルMCが形成される。また、ビット線コンタクト形成領域では、マスク膜211のパターンに応じてキャップ膜118からバリアメタル膜104までが加工される。以上によって、1層目のメモリセルアレイ層MAが形成される。また、ワード線およびビット線コンタクト形成領域には、パッド上の引き出し配線部150が形成される。
【0043】
その後、図3−15に示されるように、ラインアンドスペース状のパターン間に、たとえばポリシラザンなどの塗布型絶縁膜を埋め込み、層間絶縁膜40を形成する。そして、キャップ膜118をストッパとして、CMP法によって平坦化を行う。これによって、キャップ膜118の上面が露出する。
【0044】
その後は、上記した方法と同様の手順を繰り返して、2層目から4層目のメモリセルアレイ層MAを形成する。4層のメモリセルアレイ層MAを形成した後、リソグラフィ技術とエッチング技術によって、ワード線およびビット線コンタクト形成領域のランディングパッドWL1pの形成位置に連通するコンタクトホールを形成する。このとき、図1(a)に示されるように、ワード線コンタクトWC2のコンタクトホール形成位置の一部に、ワード線WL2が被っているので、ワード線WL2以下の深さでは、ワード線コンタクトWC2のコンタクトホールからワード線WL2の形成領域を除いた部分でコンタクトホールが形成される。これは、図1(b)のビット線コンタクトBC1,BC2のコンタクトホールでも同様である。そして、ワード線コンタクトWC1,WC2とビット線コンタクトBC1,BC2のコンタクトホールの内面にたとえば10nmの厚さのTiNなどのバリアメタル膜を形成し、さらにたとえばWなどの導電性材料を充填した後、層間絶縁膜40よりも上に形成されたバリアメタル膜と導電性材料をCMP法などによって除去し、平坦化する。その後、層間絶縁膜40上に、最上層配線であるワード線(WL3)と、ワード線コンタクトWC1,WC2とビット線コンタクトBC1,BC2の形成位置上にランディングパッドWL3pを、Alなどで形成することで、図1に示される不揮発性記憶装置が完成する。
【0045】
図4は、不揮発性記憶装置のビット線コンタクト形成領域の一例を模式的に示す一部上面図である。ここでは、ビット線BL1が形成される平面上(配線層)でのビット線コンタクト形成領域RBを例示している。この図に示されるように、ビット線BL104に接続される引き出し配線部150はビット線コンタクト形成領域R104に形成され、ビット線BL103に接続される引き出し配線部150はビット線コンタクト形成領域R103に形成される。1つのビット線コンタクト形成領域RBには、上記したように、2つのビット線コンタクトBC1,BC2が形成されるが、ビット線コンタクトBC1,BC2の底部はランディングパッドWL1p−1,WL1p−2に接続される。ビット線コンタクトBC1に接続される引き出し配線部150は、ランディングパッドWL1p−1上に位置するように形成されている。また、図示しないが上層のビット線BL2が形成される層では、ビット線コンタクトBC2の形成位置に、略L字形状の引き出し配線部150が同様に配置されるように形成される。
【0046】
なお、ここでは図示していないが、ビット線BL101,BL102のビット線コンタクト形成領域RBは、ビット線コンタクト形成領域R103よりも紙面内で右方向に延長した図示しない領域に設けられる。また、ビット線BL105〜BL112のビット線コンタクト形成領域RBは、メモリセル形成領域よりも紙面内で左方向の図示しない領域に設けられる。このように、所定の本数のビット線BLを単位として、メモリセル形成領域の左右方向に交互にビット線コンタクト形成領域RBを設けるようにしている。図4では、ビット線コンタクト形成領域RBについて説明したが、ワード線コンタクト形成領域RWについても略同様の構造を有する。
【0047】
ところで、上記した不揮発性記憶装置の製造方法では、一層の配線を形成するのに、
(1)通常のレジストパターンの形成処理、
(2)メモリセル形成領域の最小ハーフピッチで形成するラインと、ワード線およびビット線コンタクト形成領域RW,RBなどの最小ハーフピッチよりも広いパターンとの作り分け処理、
(3)ループ状(リング状)に形成されたパターンの切り分け処理、
で3回の露光が必要になる。特に、3次元クロスポイント型メモリでは形成する層数分だけ、露光回数が倍増するのでプロセスコストが高騰してしまうという問題点がある。
【0048】
また、図3−11で説明したように、メモリセル形成領域と、周辺のビット線コンタクト形成領域RBなどの作り分けの際に、芯材膜212をウエットエッチング処理で選択的に除去する際に、ビット線コンタクト形成領域のレジスト215に覆われた芯材膜212も一部エッチングされてしまうという問題点もある。そのため、引き出し配線部150を構成する芯材膜212がすべて除去されないように、引き出し配線部150のビット線方向(Y方向)の寸法を、0.3〜0.4μm程度余分に長くしなければならない。
【0049】
さらに、図1や図4に示されるように、3次元クロスポイント型の不揮発性記憶装置では、ワード線コンタクトWC1,WC2は、接続されるワード線WL1〜WL3のほぼ延長線上に並んで配置され、ビット線コンタクトBC1,BC2も、接続されるビット線BL1,BL2のほぼ延長線上に並んで配置される。図1では、メモリセルアレイ層MAが4層の場合でビット線BLが高さ方向に2層しか形成されない場合を示したが、さらに積層される場合にはビット線BLの数は増加し、それに応じてビット線コンタクトBCの数も増加する。この場合には、図4のビット線コンタクト形成領域RB(たとえばR103,R104)内の左右方向に、高さ方向に積層されるビット線BLの本数分のビット線コンタクトBCが形成される。このように、メモリセルアレイ層MAの積層数が増加すると、そこに含まれるビット線BLの層数だけビット線コンタクトBCを確保しなければならず、その分ビット線コンタクト形成領域RBの面積が増大する。そして、この面積の増大は、すべてのビット線コンタクト形成領域RBで生じるので、不揮発性記憶装置全体では、膨大な量のメモリセル面積の増加となる。
【0050】
また、抵抗変化型メモリなどの3次元クロスポイント型の不揮発性記憶装置では、NAND型フラッシュメモリに比して、メモリセルアレイを小さい規模に分け、それぞれのメモリセルアレイに引き出し部を設け、別々に駆動する構造としている。抵抗変化型メモリでは抵抗変化素子と整流素子とを直列に接続した構造を取るため、一本の配線に多数のメモリセルMCを接続すると、たとえ整流素子に逆方向電圧を印可した状態でも、それぞれの整流素子のオフリークによるトータルのリーク電流が増大してしまう。このリーク電流の増大を防ぐために、上記のようにメモリセルアレイを小さい規模に分けている。つまり、抵抗変化型メモリでは引き出し配線部150が、「積層配線数×メモリセルアレイの分割数」に比例して存在するため、たとえワード線コンタクトWCまたはビット線コンタクトBCの一箇所について、ワード線方向またはビット線方向に0.3μm程度長さが増加するものであっても、全体では爆発的に面積が増大し、チップ面積へのインパクトが大きく、コスト上昇が問題となる。また、引き出し配線部150が増加すると、CMP処理時のディッシング防止のためのダミー領域配置が必要になり、ますますメモリセル形成領域に対するワード線およびビット線コンタクト形成領域RW,RBの割合が増加してしまう。
【0051】
そこで、側壁加工プロセスを用いて最小のハーフピッチでメモリセルアレイ層MAの配線を形成する際に、メモリセルMCから延びる配線と駆動ドライバとの接続領域(コンタクト形成領域)を従来に比して縮小できる不揮発性記憶装置とその製造方法について説明する。また、従来に比して露光回数を削減することができる不揮発性記憶装置の製造方法についても説明する。
【0052】
(第1の実施の形態)
図5は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置のコンタクト部の様子を模式的に示す図であり、(a)はビット線BL1が形成される位置での平面図であり、(b)は(a)のD−D断面図である。なお、ここでは、説明の便宜上、1つのビット線コンタクトBC1のみを示している。また、この不揮発性記憶装置のメモリ層の構成は、図1と同様であるので、その説明を省略する。さらに、特許請求の範囲におけるコンタクトは、ワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBCに対応している。
【0053】
上記したように、メモリセルアレイ層MAは、最小のハーフピッチで配線が形成されており、メモリセルアレイ層MAの各メモリセルMCに接続されるワード線WLとビット線BLは、それぞれの駆動ドライバと接続されるようにワード線およびビット線コンタクト形成領域まで延長して形成される。第1の実施の形態では、図5(a)に示されるように、ビット線BL1は、ビット線コンタクト形成領域RBまで最小のハーフピッチの幅で形成される構造を有する。また、図5(b)に示されるように、ビット線コンタクトBC1は、最小のハーフピッチの幅を有する引き出し配線部151に跨るように設けられる。つまり、ビット線コンタクト形成領域RBにおいて、引き出し配線部151は、上面および両側面でビット線コンタクトBCと接続される構造を有する。なお、ここでは、最下層の配線(ワード線WL1)と最上層の配線(ワード線WL3)に対応するランディングパッドWL1p,WL3pは上記一般的な方法と同様の構造を有する。また、ここでは、ビット線コンタクトBC1について説明したが、ワード線コンタクト形成領域における引き出し配線部とワード線コンタクトも同様の構造を有する。
【0054】
図6は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す平面図であり、図7は、第1の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。なお、ここでは、図3−1〜図3−15で説明した不揮発性記憶装置の製造方法と異なる部分のみを説明する。また、ここでは、ビット線コンタクトの形成方法を説明するが、ワード線コンタクトの形成方法についても同様である。
【0055】
配線形成用パターンをレジスト213にパターニングする場合に、上記した一般的な方法では、ビット線コンタクト形成領域RBには、図3−9(a)に示されるように、引き出し配線形成用パターンとしてL字形状のパターン150aを各ビット線形成用パターンに接続されるように形成していた。しかし、第1の実施の形態では、図6(a)に示されるように、矩形状パターン213aを各ビット線形成用パターン213bに接続されるように形成する。この矩形状パターン213aは、ワード線WL1の形成高さに形成されるランディングパッドWL1pの少なくとも一部を覆うように形成される。
【0056】
図8は、一般的な方法によるビット線コンタクト形成領域のパターンである。図3−11で説明したように、一般的な方法では、後の芯材膜212のウエットエッチングによる除去工程で、レジスト213に覆われた部分も一部除去されてしまうため、エッチング処理時間で完全に除去されることがないように、ビット線BL方向に余分な寸法を追加したパターン213cを形成している。この引き出し配線部を形成するのに必要なビット線BL方向の幅W2に比して、図6(a)に示される第1の実施の形態では、ビット線BL方向の幅W1を大幅に縮小している。これは、第1の実施の形態では、引き出し配線部151をワード線WLとビット線BLと同じ配線幅で構成し、その引き出し配線部151がランディングパッドWL1p上を横切るように配置するだけであるからである。
【0057】
ついで、パターンが形成されたレジスト213を用いて芯材膜212をエッチングし、メモリセル形成領域RMでの配線形成用パターンの幅が目的とするハーフピッチとなるようにスリミングする。その後、芯材膜212の周囲にスペーサ膜214を形成する。このとき図6(b)に示されるように、配線引き出し部の芯材膜212aの周囲にも、厚さ(幅)が最小のハーフピッチとなるスペーサ膜214を形成する。
【0058】
その後、図6(c)に示されるように、ウエットエッチング処理によって、芯材膜212を除去してスペーサ膜214のみを残す。このとき、ビット線コンタクトBC1の形成位置付近では、矩形状に加工された芯材膜212aの周囲に沿って最小のハーフピッチのスペーサ膜214が残される。そして、ビット線BL方向に直交する2つのパターンのうちの1つのパターン214aが、下層に形成されたランディングパッドWL1pの形成位置を横切るように形成される。このようにして、配線形成用パターンが形成される。
【0059】
なお、一般的な方法では、図3−11に示したように、引き出し配線部150の形成位置上にレジスト215を残すように露光処理を行っているが、第1の実施の形態では、引き出し配線部の芯材膜212aをすべて除去するので、レジストを形成し、露光する処理は必要ない。
【0060】
その後は、図3−12以降に示した処理と同様の処理を行う。つまり、スペーサ膜214をマスクとしてマスク膜211の加工を行い、メモリセル形成領域RMのリング状(ループ状)となった配線形成用パターンをそれぞれのビット線BLに分断する処理を行った後、マスク膜211をマスクとして、キャップ膜118からバリアメタル膜104までを順次加工する。ついで、ラインアンドスペース状のパターン間に層間絶縁膜40を埋め込み、キャップ膜118をストッパとして、CMP法によって平坦化を行う。その後、同様の処理を繰り返して行って4層のメモリセルアレイ層MAを形成する。
【0061】
ついで、図7に示されるように、リソグラフィ技術とエッチング技術によって、ビット線コンタクト形成領域RB(ワード線コンタクト形成領域)のランディングパッドWL1pの形成位置に連通するコンタクトホール160を形成する。ビット線コンタクトBC1のコンタクトホール160の形成位置では、ビット線BL1に繋がる引き出し配線部151の一部が、ランディングパッドWL1pのビット線BL1方向のほぼ中央を、ビット線BL1に垂直な方向に横切るように形成されている。そのため、このビット線BL1以下の深さのコンタクトホール160は、ビット線BL1よりも高い位置のコンタクトホール160から、引き出し配線部151と重なる領域を除いた部分となる。そして、コンタクトホール160の内面に、バリアメタル膜や導電性材料を充填することによって、ビット線コンタクトBC1が形成される。なお、他のワード線コンタクトWC1,WC2やビット線コンタクトBC2なども同様の方法で形成される。その後、層間絶縁膜40上に、最上層配線であるワード線(WL3)と、ワード線コンタクトWC1,WC2とビット線コンタクトBC1,BC2の形成位置上にランディングパッドWL3pとを、Alなどで形成することで、図5に示される不揮発性記憶装置が完成する。
【0062】
第1の実施の形態では、メモリセルMCに接続されるワード線WLとビット線BLを、最小のハーフピッチの幅を有したままワード線およびビット線コンタクト形成領域まで延長して引き出し配線部151を形成し、この引き出し配線部151に跨るようにワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBCを形成するようにした。これによって、引き出し配線部150をパッド状に加工する場合に比して、引き出し配線部151の形成面積を小さくすることができる。つまり、引き出し配線部151のパターン形成時に芯材膜212を残す必要がないので、芯材膜212の除去工程でエッチング液による引き出し配線部150の芯材膜212が除去されてしまうことを考慮して寸法を増加させなくてよい。その結果、引き出し配線部151の形成面積を減少させて、不揮発性記憶装置の全体的なメモリセルの面積を縮小化することができるという効果を有する。また、引き出し配線部151のパターン形成時に芯材膜212を残す必要がないので、芯材膜212の除去時に引き出し配線部151上にマスクを形成しなくてよく、一般的な方法に比してリソグラフィ工程を削減することができるという効果も有する。
【0063】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、たとえば図5に示されるように、メモリ層のうちの最下層と最上層の配線、すなわちワード線WL1,WL3に関しては、各ワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBCの形成位置に、図3−1〜図3−15に示した方法でランディングパッドWL1p,WL3pを形成している。一方、これらの配線(ワード線WL1,WL3)の間に挟まれたワード線WL2とビット線BL1,BL2に対応する引き出し配線部151は、図6〜図7に示される方法で形成される。つまり、引き出し配線部151の形成時に、層によって板状のパターンを形成する場合と、最小のハーフピッチの幅の配線パターンを形成する場合との作り分けプロセスを適用する必要がある。その結果、一部の配線層に対してのみしか工程数の削減を実施することができない。そこで、第2の実施の形態では、メモリ層のすべての配線層に対して、引き出し配線部151を最小のハーフピッチの幅の配線パターンで形成する場合について説明する。
【0064】
図9は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置のコンタクト部の様子を模式的に示す図であり、(a)はビット線BL1が形成される位置での平面図であり、(b)は(a)のE−E断面図である。なお、ここでは、説明の便宜上、1つのビット線コンタクトBC1のみを示している。また、上記したものと同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0065】
第2の実施の形態では、最下層の配線、つまりワード線WL1と同じ配線層で形成されるランディングパッドWL1pを、ワード線方向に延在する2つのラインの両端部が接続されたループ状パターンが、ビット線方向に複数配置された構造としている。また、このワード線方向に延在するライン部のハーフピッチは、メモリセルアレイ層の配線と同様に最小のハーフピッチとしている。なお、図9(b)では、ビット線コンタクトBC1の上端側のランディングパッドWL3pもランディングパッドWL1pと同様にループ状パターンとして形成しているが、矩形状パターンとしてもよい。なお、ここでは、ビット線コンタクトBC1について説明したが、ワード線コンタクト形成領域におけるランディングパッドWL1p,WL3pについても同様の構造を有する。
【0066】
図10は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す平面図である。また、図11−1〜図11−4は、第2の実施の形態による不揮発性記憶装置の製造方法の一例を模式的に示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のF−F断面図であり、図11−4(c)は(a)のF−F断面図の他の例である。まず、図3−1でレジスト203のパターニングを行う際に、図10(a)に示されるように、ワード線およびビット線コンタクト形成領域の各ワード線コンタクトWCおよびビット線コンタクトBCのランディングパッドWL1pの形成位置にもラインアンドスペース状のパターン203aを形成する。これらのパターン203aは、たとえば図5のランディングパッドWL1pとほぼ同じ面積に、ビット線方向に所定の間隔を隔てて配置されている。
【0067】
ついで、図3−2〜図3−4に示した手順で、パターンが形成されたレジスト203を用いて芯材膜202を加工し、ラインアンドスペース状のパターンが所定の寸法(たとえば、最小のハーフピッチ)となるようにスリミングを行う。その後に、図10(b)に示されるように、芯材膜202の周囲にスペーサ膜204を形成する。
【0068】
ついで、図10(c)に示されるように、ウエットエッチング処理によって、芯材膜202を除去してスペーサ膜204のみを残す。このとき、メモリセル形成領域RMとビット線コンタクト形成領域RBでは、スペーサ膜204によって構成されるループ状のパターンが残される。図示していないが、ワード線コンタクト形成領域についても同様である。
【0069】
そして、図3−6〜図3−7で示したように、このループ状のスペーサ膜204をマスクとして、マスク膜201を加工し、メモリセル形成領域のループ状となった配線形成用パターンをそれぞれのワード線WLに分断する処理を行った後、マスク膜201をマスクとして、キャップ膜108から配線材料層101までを順次加工し、加工した積層膜間に層間絶縁膜40を埋め込む。
【0070】
この後、図6に示した処理と同様に、キャップ膜108が露出した状態の層間絶縁膜40上に、バリアメタル膜112〜芯材膜212を積層し、ビット線BL1を形成するための最小のハーフピッチを有する配線形成用パターンをマスク膜211に形成する。
【0071】
ついで、図11−1に示されるように、マスク膜211でキャップ膜118〜バリアメタル膜104までを一括して加工した後、加工したパターン間に層間絶縁膜40を埋め込む。そして、以上のような処理を繰り返し行って複数のメモリセルアレイ層を積層させる。その後、図11−2に示されるように、層間絶縁膜40上にレジスト221を塗布し、ワード線コンタクトWCおよびビット線コンタクトBCの形成位置に開口221aが形成されるようにパターニングを行う。このとき、メモリセル形成領域は、レジスト221で覆われた状態となる。
【0072】
ついで、図11−3に示されるように、レジスト221をマスクとして層間絶縁膜40を加工し、コンタクトホール160を形成する。このとき、コンタクトホール160の形成位置に引き出し配線部151が設けられている場合には、引き出し配線部151がマスクとなり、その部分はエッチングされず、コンタクトホール160中の引き出し配線部151の形成領域以外がエッチングされる。このコンタクトホール160は、ランディングパッドWL1pに到達するまで行われる。その後、コンタクトホール160内に導電性材料を埋め込み、ワード線コンタクトWCやビット線コンタクトBC1が形成される。
【0073】
ついで、図11−4に示されるように、ワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBC1の形成位置上に上層配線と接続するランディングパッドWL3pを形成する。このランディングパッドWL3pは、図11−4(b)に示されるように、ランディングパッドWL1pと同じ所定の大きさの複数のループ状のパターンを配置して形成してもよいし、図11−4(c)に示されるように、コンタクトホール160よりも面積の広い矩形状のパターンを配置して形成してもよい。なお、このランディングパッドWL3pを経由して周辺回路に接続される。
【0074】
このように、ワード線WL1の配置高さに形成されるランディングパッドWL1pは、リング状の配線となり、このリング状の配線の上面と側面にワード線コンタクトWCまたはビット線コンタクトBCが接続される。ランディングパッドWL1pがリング状配線の場合、コンタクトホール加工時のオーバーエッチングによって、リング隙間の層間絶縁膜がエッチングされ、さらに下層に存在する周辺回路(CMOS領域)の下層配線25に接触する可能性がある。しかし、リング状配線の隙間は最小寸法であり、加工時は高アスペクトとなるため、エッチングストップが生じ、下部までコンタクトホールが到達し、ワード線コンタクトWCまたはビット線コンタクトBCが下層配線25に接触する可能性は小さい。なお、このような懸念を解消するために、必要に応じて、ワード線WL1と下層配線25との間にSiNなどのエッチングストッパ膜を形成し、そこでエッチングが止まるようにしてもよい。
【0075】
第2の実施の形態では、ランディングパッドWL1p,WL3pも、最小のハーフピッチの幅を有する複数のリング状の配線で形成するようにした。これによって、メモリセルアレイ層ごとにワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBCに接続されるランディングパッドWL1p,WL3pまたは引き出し配線部151を、板状のパターンに形成する場合と、最小のハーフピッチの幅の配線パターンに形成する場合とに作り分ける必要がなくなる。その結果、第1の実施の形態の場合に比して、工程数をさらに削減することができる。
【0076】
(第3の実施の形態)
図12は、第3の実施の形態による不揮発性記憶装置のコンタクト部の様子を模式的に示す断面図である。なお、ここでは、説明の便宜上、1つのビット線コンタクトBC1のみを示している。また、上記したものと同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0077】
図12に示されるように、第3の実施の形態では、ビット線コンタクトBC1にワード線WL1の形成高さに対応するランディングパッドWL1pを設けず、図示しない半導体基板上に形成された周辺回路を構成する素子に直接接続される下層配線25に到達するコンタクトホール161を設け、このコンタクトホール161に導電性材料を埋め込むことによってビット線コンタクトBC1を形成している。なお、ワード線コンタクトWC1以外のワード線コンタクトWC2とビット線コンタクトBC2に関しても同様の構造を有している。
【0078】
図9に示される第2の実施の形態では、ワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBCの底のランディングパッドWL1pがリング状であり、ワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBCがランディングパッドWL1pを突き抜ける懸念があるが、第3の実施の形態では図12に示されるように、上部配線(ここでは、ビット線BL1)に引っ掛けたコンタクト底の接合部を、ランディングパッドWL1pではなく、下層配線25に直接落とすレイアウトとしている。これによって、コンタクト突き抜けに起因する下層配線25とのショートを防ぐことが可能となる。
【0079】
なお、最下層のワード線WL1に関しては、ランディングパッドWL1pを省略し、ワード線コンタクトWCやビット線コンタクトBCを下層配線25に直接落とすことが可能であるが、ワード線WL3などの上部配線に関してはこれらのランディングパッドWL3pを省略することはできない。これらのランディングパッドWL3pを省略すると、ワード線WL3とワード線コンタクトWC1とを接続することができないからである。ただし、たとえば図1の4層のメモリセルアレイ層MAからなるメモリ層MLを多段積みする場合には、上層のメモリ層MLのワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBCは下層のメモリ層MLのワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBCの直上に配置されるので、上層のメモリ層のワード線コンタクトWCとビット線コンタクトBCの底のランディングパッドWL3pは、第2の実施の形態と同様にリング形状であってもよい。これは、上下のコンタクトは直列構造になっているため、上部コンタクトのオーバーエッチングによる突き抜けが生じたとしても、電気特性的に問題となることはないからである。
【0080】
第3の実施の形態によれば、全配線層に対し広い配線を形成するための作り分け工程を省略し、コンタクトとの接続部を最小寸法のラインで形成しても、コンタクトのオーバーエッチング起因の下層配線25とのショートによる、歩留り悪化を抑制することができるという効果を有する。
【0081】
なお、上述した説明では、不揮発性メモリとして抵抗変化型メモリを例に挙げて説明したが、このほかに、相変化型メモリやMRAM(Magnetic Random Access Memory)、anti-fuseを使用するField-Programmable ROMなどの3次元クロスポイント型のメモリに対しても上記した実施の形態を適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
10…半導体基板、11…素子分離絶縁膜、12…セル制御用トランジスタ、20…第1の層間絶縁膜、21…コンタクト、25…下層配線、30…第2の層間絶縁膜、31…ビア、40…第3の層間絶縁膜、101,111…配線材料層、102,104,106,112,114,116…バリアメタル膜、103,113…配線層、105,115…整流層、105I,115I…I型半導体膜、105N,115N…N型半導体膜、105P,115P…P型半導体膜、107,117…抵抗変化層、108,118…キャップ膜、150,151…引き出し配線部、150a…配線部形成用パターン、160,161…コンタクトホール、201,211…マスク膜、202,212,212a…芯材膜、203,205,213,215,216,221…レジスト、204,214…スペーサ膜、213a…矩形状パターン、213b…ビット線形成用パターン、BC,BC1,BC2…ビット線コンタクト、BL,BL1,BL2,BL101〜BL112…ビット線、E1,E2,E3…電極層、MA…メモリセルアレイ層、MC…メモリセル、ML…メモリ層、NO…非オーミック素子、RB,R103,R104…ビット線コンタクト形成領域、RW…ワード線コンタクト形成領域、RW…抵抗変化素子、SI…I型半導体層、SN…N型半導体層、SP…P型半導体層、WC,WC1〜WC2…ワード線コンタクト、WL,WL1〜WL3…ワード線、WL1p,WL3p…ランディングパッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成される不揮発性メモリセルを制御する制御素子を含む周辺回路と、
前記周辺回路上に層間絶縁膜を介して形成され、前記制御素子に接続される第1の配線と、
第1の方向に延在する複数の第2の配線と、前記第2の配線とは異なる高さに形成され、第2の方向に延在する複数の第3の配線との交差位置に前記第2および前記第3の配線との間に挟持されるように配置される不揮発性記憶素子を含む複数の不揮発性メモリセルを有するメモリセルアレイ層が、前記第1の配線が形成された前記層間絶縁膜上に複数積層されたメモリ層と、
前記第2および第3の配線と、前記第1の配線と、の間を接続し、前記メモリ層の周縁部に形成されるコンタクトと、
前記第2および第3の配線を前記コンタクトと前記メモリ層内で接続する引き出し配線部と、
を備える不揮発性記憶装置であって、
前記メモリ層の最下層および最上層の前記第2または第3の配線以外の前記第2および第3の配線に接続される前記引き出し配線部は、前記第2および第3の配線と同じ該不揮発性記憶装置内での最小寸法の配線で構成されるとともに、該引き出し配線部の上面および両側面で前記コンタクトに接することを特徴とする不揮発性記憶装置。
【請求項2】
前記コンタクトの下端は、前記メモリ層の最下層のパッドと接続され、
前記パッドは、前記第2および第3の配線と同じ当該不揮発性記憶装置内での最小寸法の幅を有する複数のループ状の配線によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性記憶装置。
【請求項3】
前記コンタクトの下端は、前記メモリ層の最下層の前記パッドに接続されず、前記第1の配線に接続されることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性記憶装置。
【請求項4】
前記メモリ層は複数積層され、
最下層以外の前記メモリ層の前記コンタクトは、該メモリ層の下層の前記メモリ層の前記コンタクト形成位置に対応して設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
【請求項5】
第1の配線層と、非オーミック層および不揮発性記憶層を含む第1の積層膜と、第1のマスク膜と、第1の芯材膜と、を順に積層し、メモリセル形成領域の前記第1の芯材膜をハーフピッチが2Fで、所定の方向に延在するラインアンドスペース状のパターンに加工する第1の工程と、
前記第1の芯材膜をハーフピッチがFのラインアンドスペース状のパターンにスリミングする第2の工程と、
前記第1の芯材膜のパターンの周囲に厚さがFのループ状の第1のスペーサ膜を形成した後、前記第1の芯材膜を除去する第3の工程と、
前記ループ状の第1のスペーサ膜の一部を除去してラインアンドスペース状の第1の配線形成用パターンを形成する第4の工程と、
前記第1の配線形成用パターンをマスクとして前記第1の積層膜と前記第1の配線層を加工して、前記メモリセル形成領域にラインアンドスペース状のパターンを形成し、コンタクト形成領域にはパッド状のパターンを形成する第5の工程と、
加工されたパターン間に層間絶縁膜を埋め込む第6の工程と、
前記第1の積層膜の上面が露出した前記層間絶縁膜上に、第2の配線層と、非オーミック層および不揮発性記憶層を含む第2の積層膜と、を形成し、前記メモリセル形成領域の前記第2の芯材膜をハーフピッチが2Fで、直下に形成されたラインアンドスペース状のパターンの延在方向とは直交する方向に延在するラインアンドスペース状のパターンに加工するとともに、コンタクト形成領域の芯材膜を所定の形状に加工する第7の工程と、
前記メモリセル形成領域の前記第2の芯材膜をハーフピッチがFのラインアンドスペース状のパターンにスリミングする第8の工程と、
前記第2の芯材膜のパターンの周囲に厚さがFのループ状の第2のスペーサ膜を形成した後、前記第2の芯材膜を除去する第9の工程と、
前記ループ状の第2のスペーサ膜の一部を除去してラインアンドスペース状の第2の配線形成用パターンを形成する第10の工程と、
前記第2の配線形成用パターンをマスクとして前記第2の積層膜、前記第2の配線層および前記第1の積層膜を加工して、前記メモリセル形成領域にラインアンドスペース状のパターンを形成し、いずれかの前記コンタクト形成領域には前記ランディングパッド状のパターンの形成位置に一部が重なる、幅がFの引き出し配線部のパターンを形成する第11の工程と、
加工されたパターン間に層間絶縁膜を埋め込む第12の工程と、
前記第7〜第12の工程を所定の回数繰り返し行った後、前記コンタクト形成領域に形成された前記第1の配線層からなる前記ランディングパッド状パターンに連通するコンタクトホールを形成する第13の工程と、
前記コンタクトホールに導電性材料を埋め込み、コンタクトを形成する第14の工程と、
を含むことを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図3−7】
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【図3−8】
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【図3−9】
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【図3−10】
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【図3−11】
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【図3−12】
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【図3−13】
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【図3−14】
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【図3−15】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図11−3】
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【図11−4】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−199186(P2011−199186A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66801(P2010−66801)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】