説明

位置測定装置

【課題】基地局のエリアやユーザの操作のタイミングに基づかずに測位による消費電力を削減することができる位置測定装置を提供する。
【解決手段】位置測定装置が、予め定められた通常測位周期毎に現在位置を測定する測位部と、目的地と目的地到着予定時刻と現在位置とに基づいてルート検索を行い、1個以上の移動により目的地に到着する移動経路を決定し、移動経路の情報を生成するルート検索部と、最新の現在位置と移動経路の情報に含まれる移動開始位置との距離と移動開始位置に対応し移動経路の情報に含まれる移動開始時刻とに基づいて待ち時間ありと判断してから、移動開始位置に対応する移動開始時刻までの間、少なくとも最新の現在位置と移動開始位置との距離に基づいて移動中と判断するまでは、測定部が現在位置を測定する頻度を減らすよう制御する測位制御部と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在位置を定期的に測位する装置には、例えばカーナビゲーションシステムがある。カーナビゲーションシステムは、現在位置を定期的に測位してルート案内を行う。また、携帯電話等の携帯端末装置においても、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)等を利用して携帯端末装置が定期的に現在位置を測位し、得られた現在位置を利用したサービスが提供されている。
しかし、現在位置の測位によって電力が消費され、携帯端末装置の利用可能時間が短くなってしまう。定期的な測位を行う場合は定期的に電力が消費されるため、特に携帯端末装置の利用可能時間が短くなってしまう。
これに対し、特許文献1では、位置検出装置が、同一の基地局に在圏し続けることを検出した場合に静止状態にあると判断し、測位する間隔を長くすることにより電力消費の削減を図る方法が提案されている。この位置検出装置は、別の基地局の圏内へ移動した場合は、測位間隔を短くする。
また、特許文献2に提案される方法では、移動体位置通報装置が状態入力手段を備え、被測位対象(移動体位置通報装置の携行者)が作業中か移動中かの作業状態を、被測位対象者自らが状態入力手段を用いて移動体位置通報装置に入力する。移動体位置通報装置は、作業中が入力された場合は頻繁な測位は不必要であると判断し、測位間隔を長くして電力消費の削減を図る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−153695号公報
【特許文献2】特開2004−48473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように、GPS等で定期的に現在位置を測位する場合、その頻度により消費電力が増加してしまう。特に、バッテリー容量があまり大きくない携帯端末装置では、この消費電力の増加によって携帯端末装置の利用可能時間が大幅に短縮されてしまう。さらに測位するたびに位置情報をサーバへ送信する場合は、測位頻度が増加すると位置情報を送信する回数も増加するため、消費電力がさらに増加する。
特許文献1の方法では、同一基地局の圏内で位置検出装置が移動する場合は、移動中にもかかわらず測位間隔が長くなり、測位が必要な場合に位置検出装置が測位を行わないおそれがある。また、位置検出装置が基地局のエリア間を移動する場合は消費電力が削減されない。特に、位置検出装置が基地局のエリア境界付近にいる場合は在圏する基地局の切り替わりが頻発し、消費電力が削減されないおそれがある。
また、特許文献2の方法では、被測位対象者が作業状態を入力するタイミングで測位間隔を切り替えるため、操作ミスや操作忘れがあると消費電力が削減されない又は測位が必要な場合に移動体位置通報装置が測位を行わないおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、基地局のエリアやユーザの操作のタイミングに基づかずに測位による消費電力を削減することができる位置測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による位置測定装置は、所定の測位頻度で周期的に現在位置を測定する測位部と、入力された目的地と目的地到着予定時刻と前記測位部が測定した現在位置とに基づいてルート検索を行い、移動開始位置と移動開始時刻とを少なくとも含む情報を一段階の移動情報として、一又は複数の段階で構成される移動経路の情報を生成するルート検索部と、前記測位部が測定した最新の現在位置と生成された前記移動経路の情報に含まれる前記移動開始位置と前記移動開始時刻とに基づき、前記現在位置と前記移動開始位置との距離が所定値以下であり且つ当該移動開始位置に対応する移動開始時刻が現在時刻より後である場合には、前記測定部が現在位置を測定する前記測位頻度を通常時より減らすよう制御する測位制御部と、を具備することを特徴とする。
この位置測定装置は、ルート検索部が生成した移動経路の情報を用いて待ち時間の有無を判断し、待ち時間ありと判断してから移動開始時刻までの間、現在位置の測定頻度を減らす。これにより、基地局のエリアやユーザの操作のタイミングに基づかずに現在位置測定による消費電力を削減することができる。
【0007】
[2]また、本発明の一態様による位置測定装置は上述の位置測定装置であって、前記測位制御部は、通常時には通常時測位周期毎に前記測位部が現在位置を測定するよう制御し、前記測位部が測定した最新の現在位置と生成された前記移動経路の情報に含まれる前記移動開始位置と前記移動開始時刻とに基づき、前記現在位置と前記移動開始位置との距離が所定値以下であり且つ当該移動開始位置に対応する移動開始時刻が現在時刻より後である場合には前記通常時測位周期より長い待機時測位周期毎に前記測位部が現在位置を測定するよう制御する、ことを特徴とする。
この位置測定装置は、待ち時間ありと判断してから移動開始時刻までの間、かつ、移動中と判断するまでは、現在位置の測定間隔を長くするので、消費電力を削減することができる。
【0008】
[3]また、本発明の一態様による位置測定装置は上述の位置測定装置であって、前記測位制御部は、通常時には通常時測位周期毎に前記測位部が現在位置を測定するよう制御し、前記測位部が測定した最新の現在位置と生成された前記移動経路の情報に含まれる前記移動開始位置と前記移動開始時刻とに基づき、前記現在位置と前記移動開始位置との距離が所定値以下であり且つ当該移動開始位置に対応する移動開始時刻が現在時刻より後である場合には前記測位部が現在位置を測定することを停止するよう制御する、ことを特徴とする。
この位置測定装置は、待ち時間ありと判断してから移動開始時刻までの間、現在位置の測定を行わないので、消費電力を削減することができる。
【0009】
[4]また、本発明の一態様による位置測定装置は上述の位置測定装置であって、予め定められた時間である警報時間を記憶する警報時間記憶部と、前記移動開始時刻の前記警報時間前になると前記警報時間前になったことを示す警報を発する警報部と、をさらに具備することを特徴とする。
この位置測定装置は、移動開始時刻の所定時間前になるとその時刻になったことを示すので、ユーザは移動開始時刻を忘れず、移動を開始することができる。
【0010】
[5]また、本発明の一態様による位置測定装置は上述の位置測定装置であって、交通手段用に外部と区別された区域への入場を示す信号を検出すると移動開始と判断し、前記区域からの退場を示す信号を検出すると移動終了と判断する特定移動検出部をさらに具備し、前記測位制御部は、前記特定移動検出部が前記移動開始と判断してから前記移動終了と判断するまでの間は、前記測位部が前記通常測定時間よりも長い特定区域内移動時測位周期毎に現在位置を測定するよう制御する、ことを特徴とする。
ここで、交通手段とは、鉄道やバスや自家用車など、移動のために用いる手段をいう。また、交通手段用に外部と区別された区域とは、鉄道の改札内や、インターチェンジによって一般道路と区別された高速道路の区域など、交通手段専用に用いられる区域をいう。
この位置測定装置は、外部と区別された区域を占有する交通手段を用いての移動を検出する。この外部と区別された区域を占有する交通手段を用いての移動中は、現在位置は単なる通過点に過ぎず、現在位置周辺の情報は重要でないと考えられる。この場合、頻繁な現在位置測定及び頻繁な位置関連サービス情報の提供は不要である。そこで、この位置測定装置は、外部と区別された区域を占有する交通手段を用いての移動を検出すると、現在位置の測定時間間隔を長くする。これにより、基地局のエリアやユーザの操作のタイミングに基づかずに現在位置測定による消費電力を削減することができる。
【0011】
[6]また、本発明の一態様による位置測定装置は上述の位置測定装置であって、前記測位部が検出した現在位置を記憶する位置履歴記憶部と、前記位置履歴記憶部が記憶した現在位置を送信する送信部と、をさらに具備し、前記送信部は、前記位置履歴記憶部に記憶された複数の位置情報をまとめて送信する、ことを特徴とする。
この位置測定装置は、複数の現在位置をまとめて送信するので、送信回数が少ない。これにより消費電力を削減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基地局のエリアやユーザの操作のタイミングに基づかずに測位による消費電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の第1の実施形態における位置情報サービスシステム1の概略構成を示すシステム構成図である。
【図2】同実施形態における携帯端末装置3の概略構成を示す構成図である。
【図3】同実施形態における移動経路の情報のデータ構成を示すデータ構成図である。
【図4】同実施形態において携帯端末装置3が移動開始時刻に基づいて測位間隔を制御する処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態における携帯端末装置6の概略構成を示す構成図である。
【図6】同実施形態において携帯端末装置6が測位間隔の制御および警報の制御を行う処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態における携帯端末装置7の概略構成を示す構成図である。
【図8】同実施形態において携帯端末装置7が特定位置信号を取得して測位間隔を制御する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施形態における携帯端末装置8の概略構成を示す構成図である。
【図10】同実施形態において携帯端末装置8が位置情報をまとめて送信する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における位置情報サービスシステム1の概略構成を示すシステム構成図である。同図において、位置情報サービスシステム1は、GPS衛星2と携帯端末装置3と基地局装置4と情報サーバ装置5とを含んで構成される。
GPS衛星2は、携帯端末装置3が測位を行うための信号を送信する。携帯端末装置3は、GPS衛星2からの信号を受信して、現在位置を定期的に測定する。以下、現在位置の測定のことを、現在位置の測位又は単に測位ともいう。携帯端末装置3は、測定した現在位置の情報(以下、位置情報ともいう)を含む位置関連サービス情報要求信号を、基地局装置4を介して情報サーバ装置5に送信する。
【0015】
情報サーバ装置5は、携帯端末装置3が送信する位置関連サービス情報要求信号から位置情報を読み出す。情報サーバ装置5は、読み出した位置情報に基づいて、位置関連サービス情報を生成し、基地局装置4を介して携帯端末装置3に送信する。ここでいう位置関連サービス情報とは、携帯端末装置3の現在位置周辺に関する情報であり、例えば、携帯端末装置3の現在位置の近く又は移動方向にある公園や店舗の情報、あるいは携帯端末装置3の現在位置の近く又は移動方向の電車の運行情報などである。携帯端末装置3のユーザは、この位置関連サービス情報に基づいて、次に行う行動を決定し、実行することができる。位置関連サービス情報は、プッシュ型サービスとして提供される。すなわち、携帯端末装置3は定期的に位置関連サービス情報要求信号を送信して位置関連サービス情報を受信するので、ユーザは特段の操作を行わずとも位置関連サービス情報を取得することができる。
【0016】
図2は、携帯端末装置3の概略構成を示す構成図である。
同図において、携帯端末装置3は、ルート検索部101と位置関連情報サービス部102と測位部14と送信部16と受信部17と測位間隔測定用タイマ部(以下、測位用タイマ部ともいう)18と操作部31と表示部32とを含んで構成される。ルート検索部101は、目的地設定部10と目的地到着予定時刻設定部11と移動経路決定部12とを含んで構成される。位置関連情報サービス部102は待ち時間タイマ部15と測位制御部13と待ち位置記憶部21と移動経路情報記憶部22と測位制御モード記憶部23と目的地記憶部24とを含んで構成される。
操作部31は、0〜9の数字キー、上下左右の方向キー、決定キーなどのキーボタンを有する。操作部31は、キーボタンが押された際、押されたキーボタンに応じた信号を、目的地設定部10と目的地到着予定時刻設定部11と測位制御部13とに入力する。
ルート検索部101において、目的地設定部10は、操作部31からの信号に基づいてルート検索の目的地を設定する。目的地到着予定時刻設定部11は、操作部31からの信号に基づいてルート検索における目的地到着予定時刻を設定する。移動経路決定部12は、目的地設定部10が設定した目的地と目的地到着予定時刻設定部11が設定した目的地到着予定時刻と測位部14が測定した位置情報とに基づいてルート検索を行い、移動経路を決定する。移動経路決定部12は、決定した移動経路の情報を表示部32に入力する。また、移動経路決定部12は、決定した移動経路の情報を移動経路情報記憶部22に書き込む。表示部32は液晶パネルを含んで構成され、移動経路決定部12から入力される移動経路の情報に従って、移動経路決定部12が決定した移動経路を表示する。
このように、ルート検索部101は目的地設定部10が設定する目的地と目的地到着予定時刻設定部11が設定する目的地到着予定時刻と測位部14が測定する現在位置とに基づいて、移動経路決定部12にてルート検索を行い、1個以上の移動により目的地に到着する移動経路を決定し、この移動経路の情報を生成する。
【0017】
移動経路情報記憶部22は、移動経路決定部12が生成した移動経路の情報を記憶する。図3は、移動経路の情報のデータ構成を示すデータ構成図である。移動経路情報記憶部22は移動経路の情報を表形式のデータとして記憶する。移動経路情報記憶部22は、一又は複数の段階で構成される移動経路の情報を生成し、移動経路の情報における各行のデータは、移動経路の情報の一段階に対応する。以下、移動経路の情報における一段階分の情報を、一段階の移動情報ともいう。移動経路決定部12は、電車やバスなど乗り物を利用する移動については、乗り物に乗ってからその乗り物を降りるまでに行う移動を移動経路の一段階とする。また、移動経路決定部12は、徒歩による移動については、徒歩移動を開始してから次に乗り物を利用する移動を開始する位置までの移動を移動経路の一段階とする。なお、徒歩移動の次に乗り物を利用する移動が無い場合には、移動経路決定部12は徒歩移動を開始してから目的地に到着するまでを移動経路の一段階とする。
同図において、移動経路の情報は交通手段名と移動開始時刻と移動開始位置名と移動開始位置と到着時刻と到着位置名とを含んで構成される。移動手段名は、移動を行う移動手段の名称であり、例えば電車の路線名及電車の行き先である。移動開始時刻は、移動を開始する時刻であり、例えば電車の発車時刻である。移動開始位置名は、移動を開始する位置の名称であり、例えば駅の名称である。移動開始位置は、移動を開始する位置の緯度および経度である。到着時刻は、移動を終了する時刻であり、例えば電車が乗換駅または目的地に到着する時刻である。到着位置名は、移動を終了する位置の名称であり、例えば駅の名称である。
【0018】
図2に戻って、測位部14は、受信部17がGPS衛星2(図1)から受信する信号に基づいて現在位置を測定する。測位部14は、移動経路決定部12がルート検索を行う際に、ルート検索の出発位置となる現在位置を測定する。また、測位部14は、位置関連サービスに用いられる現在位置を定期的に測定する。測位部14は測定した現在位置の緯度及び経度を出力する。
測位制御部13は、測位部14が現在位置を測定する時間間隔を決定する。待ち時間タイマ部15は、移動開始時刻までの残り時間をカウントする。待ち時間タイマ部15は、時間経過に応じてタイマ値を随時カウントダウンする。
待ち位置記憶部21は、待ち位置を記憶する。ここでいう待ち位置とは、次に行う移動の移動開始位置である。
測位制御モード記憶部23は測位制御モードを記憶する。測位制御モード記憶部23は、測位制御モードとして通常周期モードまたは長周期モードのいずれかを記憶する。通常周期モードは測位部14が通常測位周期である5分周期で測位を行うモードであり、長周期モードは測位部14が待機時測位周期である10分周期で測位を行うモードである。目的地記憶部24は目的地設定部10が設定した目的地を記憶する。
【0019】
送信部16は、位置関連サービス情報を受信するための位置関連サービス要求信号を送信する。位置関連サービス要求信号には、測位部14が測定した位置情報が含まれる。受信部17は、測位を行うための信号をGPS衛星2(図1)から受信する。また、受信部17は、位置関連サービス情報を受信する。測位用タイマ部18は、測位部14が次に測位を行うまでの残り時間をカウントする。測位用タイマ部18は、時間経過に応じてタイマ値を随時カウントダウンする。
なお、移動経路決定部12が複数の移動経路を表示部32に表示させるようにしてもよい。この場合、移動経路決定部12は、表示した複数の移動経路の中から1つをユーザの入力操作に従って選択する。
【0020】
図4は、携帯端末装置3が移動開始時刻に基づいて測位間隔を制御する処理手順を示すフローチャートである。
携帯端末装置3は、ルート検索条件を設定する入力操作により測位間隔を制御する処理を開始する。
ステップS301において、携帯端末装置3はルート検索条件を設定する。まず、目的地設定部10はユーザの入力操作に基づいてルート検索の目的地を設定する。また、目的地到着予定時刻設定部11は、ユーザの入力操作に基づいて目的地到着予定時刻を設定する。また、移動経路決定部12は測位部14に位置情報を要求する。測位部14は現在位置を測定して位置情報を移動経路決定部12に入力する。測位制御部13は目的地設定部10が設定した目的地を目的地記憶部24に書き込む。また、測位制御部13は測位用タイマ部18を通常測位周期に設定する。
【0021】
ステップS302において、移動経路決定部12は、設定された目的地及び目的地到着予定時刻と、測位部14から入力された位置情報とに基づいてルート検索を行い、ルート検索で決定した移動経路の情報を表示部32に入力し、表示部32は移動経路を表示する。また、移動経路決定部12は移動経路の情報を移動経路情報記憶部22に書き込む。
ステップS303において、測位制御部13は、現在位置周辺で待ち時間があるかを判断する。具体的には、測位制御部13は、移動経路情報記憶部22から、現在時刻以降で直近の移動開始位置を読み出す。測位制御部13は読み出した移動開始位置と測位部14が測定した現在位置との距離を算出し、算出した距離と予め定められた移動開始位置滞在判定距離である1kmとを比較する。測位制御部13は、算出した距離が移動開始位置滞在判定距離以下の場合は、現在位置周辺で待ち時間があると判断し、移動開始位置滞在判定距離よりも大きい場合は現在位置周辺で待ち時間がないと判断する。ステップS303において、現在位置周辺で待ち時間があると判断した場合(ステップS303:YES)はステップS304に移り、そうでない場合(ステップS303:NO)はステップS307に移る。
【0022】
ステップS304において、測位制御部13は待ち時間タイマ部15を待ち時間にセットする。具体的には、測位制御部13は、移動経路情報記憶部22から、現在時刻以降で直近の移動開始情報を読み出す。測位制御部13は、読み出した移動開始時刻と現在時刻との差を待ち時間タイマ部15に設定する。ステップS305において、測位制御部13は測位用タイマ部18を待機時測位周期に設定する。ステップS306において、測位制御部13はステップS303で読み出した移動開始位置を待ち位置記憶部21に書き込む。
ステップS307において、測位制御部13は測位用タイマ部18のタイマ値が0以下か否かを判断する。0以下と判断した場合(ステップS307:YES)はステップS308に移り、0以下でないと判断した場合(ステップS307:NO)はステップS316に移る。
【0023】
ステップS308において、測位部14は現在位置を測定する。ステップS309において、送信部16は、測位部14が生成した位置情報を含む位置関連サービス要求信号を送信する。ステップS310において、測位制御部13は目的地に到着したか否かを判断する。具体的には、測位制御部13は目的地記憶部24から目的地を読み出す。そして、測位制御部13は、読み出した目的地と測位部14が測定した現在位置との距離を算出し、算出した距離と予め定められた目的地到着判定距離である1kmとを比較する。測位制御部13は、算出した距離が目的地到着判定距離以下の場合は目的地に到着したと判断し、目的地到着判定距離より大きい場合は目的地に到着していないと判断する。ステップS310において、目的地に到着したと判断した場合(ステップS310:YES)は、携帯端末装置3は測位間隔を制御する処理を終了する。処理終了後は、携帯端末装置3は通常測定周期毎に測位を行って位置関連サービス要求信号を送信する。ステップS310において、目的地に到着していない場合(ステップS310:NO)はステップS311に移る。
【0024】
ステップS311において、測位制御部13はユーザが待ち位置から離れたか否かを判断する。具体的には、待ち位置記憶部21から待ち位置を読み出し、測位部14が測定した現在位置と待ち位置との距離を算出する。測位制御部13は、算出した距離が移動開始位置滞在判定距離より大きい場合は、ユーザが待ち位置から離れたと判断し、移動開始位置滞在判定距離以下の場合は待ち位置から離れていないと判断する。ステップS311においてユーザが待ち位置から離れたと判断した場合(ステップS311:YES)はステップS312に移り、離れていないと判断した場合(ステップS311:NO)はステップS313に移る。
ステップS312において、測位制御部13は待ち時間タイマ部15を0にリセットする。ステップS313において、測位制御部13は測位制御モード記憶部23から測位制御モードを読み出し、読み出した測位制御モードが通常周期モードか否かを判断する。通常周期モードであると判断した場合(ステップS313:YES)はステップS314に移り、そうでない場合(ステップS313:NO)はステップS315に移る。
【0025】
ステップS314において、測位制御部13は測位用タイマ部18を通常測位周期の5分にセットする。その後ステップS316に移る。ステップS315において、測位制御部13は測位用タイマ部18を待機時測位周期の10分にセットする。
ステップS316において、測位制御部13は待ち時間タイマ部15のタイマ値が0より大きいか否かを判定する。0より大きい場合(ステップS316:YES)はステップS317へ移り、0以下の場合(ステップS316:NO)はステップS318に移る。
ステップS317において測位制御部13は測位制御モード記憶部23に長周期モードを書き込む。その後ステップS307に移る。ステップS318において測位制御部13は測位モード記憶部23に通常周期モードを書き込む。その後ステップS303に移る。
【0026】
このように、携帯端末装置3はルート検索によって得られる移動経路の情報から、移動が少ない時間である待ち時間を判断する。携帯端末装置3は、判断した待ち時間において測位部14の測位間隔を長くする。これにより、現在位置を定期的に測位することによる消費電力を、基地局のエリアやユーザの操作のタイミングに基づかずに削減できる。
なお、測位制御モードが長周期モードである場合に、測位部14が測位を停止するようにしてもよい。例えば、測位用タイマ部18が一時的にカウントダウンを停止する機能を備える。測位制御部13は、ステップS317で測位用タイマ部18のカウントダウンを停止させる。一方、ステップS318では、測位制御部13は測位用タイマ部18のカウントダウンを再開させる。これにより測位制御部13は、測位制御モードが長周期モードである場合に、測位部14が測位を停止するように制御する。これにより、測位による消費電力をさらに削減することができる。
なお、携帯端末装置3が自らルート検索を行わずにルート検索要求信号を送信し、情報サーバ装置5が生成した移動経路の情報を受信するようにしてもよい。これにより、携帯端末装置3は移動経路決定部12を備える必要が無くなり、回路規模を縮小できる。
なお、移動開始時刻を過ぎても携帯端末装置3が移動開始位置に位置する場合や、待ち時間中に携帯端末装置3が移動開始位置から予め定められた距離以上離れた場合に、移動経路決定部12がルートの再検索を行うようにしてもよい。これにより、携帯端末装置3は、移動開始情報を現状に合う適切な情報に更新したうえで測位部14の測位間隔を制御するので、より適切な制御が行える。
【0027】
なお、測位部14が行う測位の時間間隔は5分と10分に限らず、待機時測位周期の時間間隔が通常測位周期の時間間隔よりも長ければよい。
なお、携帯端末装置3が3個以上の測位制御モードを用いるようにしてもよい。例えば、待ち時間において、移動開始時間の20分前までは長周期モードとして10分間隔で測位を行い、移動開始時間前20分以内になると測位停止モードとして移動開始時刻まで側を停止するようにしてもよい。これにより、携帯端末装置3は、待ち時間が多いときは現在位置近くの情報をユーザに提供する。ユーザは提供された情報を参照して現在位置近くの店を探すなど、待ち時間を利用した活動を行うことができる。一方、待ち時間が少なくなると携帯端末装置3は、測位を停止して電力消費を削減できる。
【0028】
<第2の実施形態>
図5は、本発明の第2の実施形態における携帯端末装置6の概略構成を示す構成図である。
同図において、携帯端末装置6は、ルート検索部101と位置関連情報サービス部402と測位部14と送信部16と受信部17と測位用タイマ部18と警報部401と操作部31と表示部32を含んで構成される。ルート検索部101は、目的地設定部10と目的地到着予定時刻設定部11と移動経路決定部12とを含んで構成される。位置関連情報サービス部402は待ち時間タイマ部15と測位制御部43と待ち位置記憶部21と移動経路情報記憶部22と測位制御モード記憶部23と目的地記憶部24と警報フラグ記憶部25と警報時間記憶部30とを含んで構成される。警報部401は発光部41とスピーカ部42とを含んで構成される。
同図において、図2の携帯端末装置3の各部に対応する部分には同一の符号(101、10〜12、15、21〜24、14、16、17、18、31、32)を付して説明を省略する。
【0029】
発光部41は発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)を含んで構成され、発光ダイオードを点灯させることにより移動開始時刻が近づいたことを示す警報を発する。スピーカ部42はスピーカを含んで構成され、音を発することにより移動開始時刻が近づいたことを示す警報を発する。
警報時間記憶部30は警報時間を記憶する。ここで警報時間は予め定められた時間である。警報部401は移動開始時刻の警報時間前になると警報を発してユーザに移動開始時刻が近づいたことを知らせる。
警報フラグ記憶部25は警報フラグを記憶する。ここで警報フラグは、移動開始時刻の警報時間前になったことを示すフラグである。警報部401は警報フラグの値が1である場合に警報を発する。
また、測位制御部43は測位部14の測位間隔を制御するとともに、警報フラグを用いて警報部401の制御を行う。
【0030】
図6は、携帯端末装置6が測位間隔の制御および警報の制御を行う処理手順を示すフローチャートである。
携帯端末装置6は、ルート検索が開始されると測位間隔の制御および警報の制御を行う処理を開始する。同図において、図4の各ステップに対応するステップには同一の符号(S301〜S318)を付し、説明を省略する。
ステップS317の後、携帯端末装置6はステップS451に移る。ステップS451において、測位制御部43は、待ち時間タイマ部15のタイマ値が1以上かつ予め定められた警報時間以下か否かを判断する。待ち時間タイマ部15のタイマ値がこの範囲にある場合(ステップS451:YES)はステップS452に移り、この範囲にない場合(ステップS451:NO)はステップS453に移る。
ステップS452において、測位制御部43は警報フラグ記憶部25に1を書き込む。警報フラグ記憶部25の値が1のとき、発光部41は発光し、スピーカ部42は音を発する。その後、ステップS307に移る。
ステップS453において、測位制御部43は警報フラグ記憶部25に0を書き込む。警報フラグ記憶部25の値が0のとき、発光部41は発光せず、スピーカ部42は音を発しない。その後、ステップS307に移る。
【0031】
このように、携帯端末装置6は移動開始時刻の所定時間前になると発光および音により移動開始時刻が近づいたことをユーザに知らせる。これにより、携帯端末装置6は、ユーザが駅等で時間調整している場合に、移動開始時刻を忘れずに電車に乗る等の移動開始を行うよう注意を喚起することができる。
【0032】
<第3の実施形態>
図7は、本発明の第3の実施形態における携帯端末装置7の概略構成を示す構成図である。
同図において、携帯端末装置7は、ルート検索部101と位置関連情報サービス部502と測位部14と送信部16と受信部17と測位用タイマ部18と操作部31と表示部32とIC(Integrated Circuit;大規模集積回路)カード部50とを含んで構成される。ルート検索部101は、目的地設定部10と目的地到着予定時刻設定部11と移動経路決定部12とを含んで構成される。位置関連情報サービス部502は待ち時間タイマ部15と測位制御部53と待ち位置記憶部21と移動経路情報記憶部22と測位制御モード記憶部23と目的地記憶部24と駅フラグ記憶部26と高速道路フラグ記憶部27と特定移動検出部51とを含んで構成される。
同図において、図2の携帯端末装置3の各部に対応する部分には同一の符号(101、10〜12、15、21〜24、14、16、17、18、31、32)を付して説明を省略する。
【0033】
ICカード部50は、非接触ID(Identifier;識別子)システムの応答器として機能するアプリケーション部である。ICカード部50は、鉄道の駅の自動改札通過時に、改札内に入ったことを示す信号又は改札外に出たことを示す信号を、自動改札装置から受信する。ICカード部50は、改札内に入ったことを示す信号または改札外に出たことを示す信号を受信すると、受信した信号を特定移動検出部51に入力する。
特定移動検出部51は、ICカード部50から入力される、改札内に入ったことを示す信号を検出すると電車による移動開始と判断し、改札外に出たことを示す信号を検出すると電車による移動終了と判断する。
また、特定移動検出部51は、外部装置500に接続される。特定移動検出部51は、外部装置500から入力される、高速道路に入ったことを示す信号を検出すると高速道路を用いた移動開始と判断し、高速道路から出たことを示す信号を検出すると高速道路を用いた移動終了と判断する。
外部装置500は、自動車に搭載されているカーナビゲーションシステム或いはETC(登録商標)装置等、インターチェンジを通過して高速道路に入った或いは高速道路から出たことを示す信号を出力する装置である。外部装置500は、bluetooth(登録商標)通信にて特定移動検出部51に上記の信号を入力する。なお、外部装置500が赤外線通信或いは有線通信等、他の通信手段により特定移動検出部51に上記の信号を入力するようにしてもよい。以下では、改札内に入ったあるいは改札外に出たことを示す信号と高速道路に入った或いは高速道路から出たことを示す信号とを併せて特定位置信号ともいう。
【0034】
駅フラグ記憶部26は、携帯端末装置7が鉄道を用いて移動中か否かを示す駅フラグを記憶する。駅フラグの値1は鉄道を用いて移動中であることを示し、駅フラグの値0は鉄道を用いて移動中ではないことを示す。高速道路フラグ記憶部27は、携帯端末装置7が高速道路を用いて移動中か否かを示す高速道路フラグを記憶する。高速道路フラグの値1は高速道路を用いて移動中であることを示し、高速道路フラグの値0は高速道路を用いて移動中ではないことを示す。
鉄道や高速道路など、外部と区別された区域を占有する交通手段を用いての移動中は、現在位置は単なる通過点に過ぎず、現在位置周辺の情報は重要でないと考えられる。この場合、頻繁な現在位置測定及び頻繁な位置関連サービス情報の提供は不要である。そこで、携帯端末装置7は、外部と区別された区域を占有する交通手段を用いての移動を検出すると、現在位置の測定時間間隔を長くして消費電力を削減する。
【0035】
図8は、携帯端末装置7が特定位置信号を取得して測位間隔を制御する処理手順を示すフローチャートである。
携帯端末装置7は、電源が投入されると特定位置信号を取得して測位間隔を制御する処理を開始する。また、携帯端末装置7は、移動開始時刻に基づいて測位間隔を制御する処理(図4)を行っていない状態において、特定位置信号を取得して測位間隔を制御する処理の開始指示が操作部31から入力されると、この処理を開始する。
ステップS601において、測位制御部53は、駅フラグ記憶部26に0を書き込み、高速道路フラグ記憶部27に0を書き込む。また、測位制御部53は、測位制御モード記憶部23に通常周期モードを書き込む。また、ユーザが外部装置500を使用する場合は、携帯端末装置7はユーザの操作に従って外部装置500と通信を開始する。
【0036】
ステップS602において、特定移動検出部51は鉄道を用いての移動開始か否かを判断する。具体的には、特定移動検出部51は、改札内に入ったことを示す信号がICカード部50から入力された場合は鉄道を用いての移動開始と判断し、そうでない場合は鉄道を用いての移動開始でないと判断する。鉄道を用いての移動開始と判断した場合(ステップS602:YES)はステップS603に移り、そうでない場合(ステップS602:NO)はステップS604に移る。ステップS603において特定移動検出部51は鉄道を用いての移動開始であることを示す信号を測位制御部53に入力し、測位制御部53は駅フラグ26を1にセットする。
ステップS604において、特定移動検出部51は鉄道を用いての移動終了か否かを判断する。具体的には、特定移動検出部51は、改札外に出たことを示す信号がICカード部50から入力された場合は鉄道を用いての移動終了と判断し、そうでない場合は鉄道を用いての移動終了でないと判断する。鉄道を用いての移動終了と判断した場合(ステップS604:YES)はステップS605に移り、そうでない場合(ステップS604:NO)はステップS606に移る。ステップS605において特定移動検出部51は鉄道を用いての移動終了であることを示す信号を測位制御部53に入力し、測位制御部53は駅フラグ26を0にリセットする。
【0037】
ステップS606において、特定移動検出部51は高速道路を用いての移動開始か否かを判断する。具体的には、特定移動検出部51は、高速道路に入ったことを示す信号が外部装置500から入力された場合は高速道路を用いての移動開始と判断し、そうでない場合は高速道路を用いての移動開始でないと判断する。高速道路を用いての移動開始と判断した場合(ステップS606:YES)はステップS607に移り、そうでない場合(ステップS606:NO)はステップS608に移る。ステップS607において特定移動検出部51は高速道路を用いての移動開始であることを示す信号を測位制御部53に入力し、測位制御部53は高速道路フラグ27を1にセットする。
ステップS608において、特定移動検出部51は高速道路を用いての移動終了か否かを判断する。具体的には、特定移動検出部51は、高速道路から出たことを示す信号が外部装置500から入力された場合は高速道路を用いての移動終了と判断し、そうでない場合は高速道路を用いての移動終了でないと判断する。高速道路を用いての移動終了と判断した場合(ステップS608:YES)はステップS609に移り、そうでない場合(ステップS608:NO)はステップS610に移る。ステップS609において特定移動検出部51は高速道路を用いての移動終了であることを示す信号を測位制御部53に入力し、測位制御部53は高速道路フラグ27を0にリセットする。
【0038】
ステップS610において測位制御部53は、測位用タイマ部18のタイマ値が0か否かを判断する。0の場合(ステップS610:YES)はステップS611に移り、0でない場合(ステップS610:NO)はステップS613に移る。
ステップS611において、測位部14は現在位置を測定する。ステップS612において、送信部16は、測位部14が生成した位置情報を含む位置関連サービス要求信号を送信する。
ステップS613において、測位制御部53は鉄道フラグ記憶部26から鉄道フラグを読み出し、読み出した鉄道フラグの値が1か否かを判断する。1と判断した場合(ステップS613:YES)はステップS614に移り、そうでない場合(ステップS613:NO)はステップS615に移る。ステップS614において、測位制御部53は測位用タイマ部18を鉄道移動時測位周期の10分にセットする。
【0039】
ステップS615において、測位制御部53は高速道路フラグ記憶部27から高速道路フラグを読み出し、読み出した高速道路フラグの値が1か否かを判断する。1と判断した場合(ステップS615:YES)はステップS616に移り、そうでない場合(ステップS615:NO)はステップS617に移る。ステップS616において、測位制御部53は測位用タイマ部18を高速道路移動時測位周期の10分にセットする。
ステップS617において、測位制御部53は測位用タイマ部18を通常測位周期の5分にセットする。
ステップS618において、測位制御部53は処理終了の操作入力の有無を判断する。処理終了の操作入力があったと判断した場合(ステップS618:YES)は、携帯端末装置7は、特定位置信号を取得して測位間隔を制御する処理を終了する。処理終了後は、携帯端末装置7は、通常測位周期である5分毎に測位を行って位置関連サービス要求信号を送信する。一方、ステップS618において処理終了の操作入力がなかったと判断した場合(ステップS618:NO)は、ステップS602に移る。
【0040】
上述したように、携帯端末装置7は、外部と区別された区域を有する交通手段を用いての移動を検出すると測位間隔を長くすることにより、消費電力を削減できる。
なお、情報サーバ装置5(図1)が、過去に受信した位置情報から携帯端末装置7の現在位置を算出して位置関連サービス情報を送信するようにしてもよい。例えば、情報サーバ装置5は、直近に受信した位置情報から携帯端末装置7の位置(以下、最新位置ともいう)を読み出し、その1つ前に受信した位置情報からも携帯端末装置7の位置(以下、前回位置ともいう)を読み出す。情報サーバ装置5は、最新位置と前回位置との差をとることにより、携帯端末装置7の移動方向と移動速度を算出する。情報サーバ装置5は、算出した方向に算出した速度で携帯端末装置7が移動し続ける場合の現在位置を5分毎に算出する。情報サーバ装置5は、携帯端末装置7の現在位置を算出する毎に、算出した現在位置に関する位置関連サービス情報を送信する。これにより、携帯端末装置7は、測位間隔を長くして消費電力を削減しつつ、位置関連サービス情報を受信することができる。
なお、上記の場合において、情報サーバ装置5が、2分後など未来における携帯端末装置7の位置を算出し、算出した位置に関する位置関連サービス情報を送信するようにしてもよい。これにより、携帯端末装置7が一定方向に移動し続ける場合には、これから移動する先の位置関連サービス情報を受信することができる。
なお、ステップS606において、測位制御モードが駅モードの場合と高速道路モードの場合とで異なる時間を設定するようにしてもよい。
なお、駅フラグ記憶部26と高速道路フラグ記憶部27とに替えて、位置関連情報サービス部102が1個の特定位置信号フラグを備えるようにしてもよい。この場合は、測位制御モード記憶部23は、ステップS613又はステップS614において、駅モードと高速道路モードに共通のモードとして特定位置モードを記憶する。測位制御部53は、ステップS606において測位制御モードが特定位置モードの場合は10分を測位用タイマ部18に設定する。これにより、記憶領域を削減することができる。
【0041】
<第4の実施形態>
図9は、本発明の第4の実施形態における携帯端末装置8の概略構成を示す構成図である。
同図において、携帯端末装置8は、ルート検索部101と位置関連情報サービス部702と測位部14と送信部76と受信部17と測位用タイマ部18とデータ送信制御部75とを含んで構成される。ルート検索部101は、目的地設定部10と目的地到着予定時刻設定部11と移動経路決定部12とを含んで構成される。位置関連情報サービス部702は待ち時間タイマ部15と測位制御部73と待ち位置記憶部21と移動経路情報記憶部22と測位制御モード記憶部23と目的地記憶部24と送信用位置情報フラグ記憶部28と位置履歴記憶部29とを含んで構成される。
同図において、図2の携帯端末装置3の各部に対応する部分には同一の符号(101、10〜12、15、21〜24、14、17、18)を付して説明を省略する。
【0042】
位置履歴記憶部29は、位置履歴は測位部14が測定した位置情報を記憶する。
送信用位置情報フラグ記憶部28は、送信用位置情報フラグを記憶する。ここで、送信用位置情報フラグは、位置履歴記憶部29が位置情報を記憶しているか否かを示すフラグである。位置履歴記憶部29が位置情報を記憶している場合は、測位制御部73は送信用位置情報フラグ記憶部28に1を書き込み、そうでない場合は0を書き込む。
データ送信制御部75は測位制御部73に送信データの有無を入力する。また、データ送信制御部75は、測位制御部73から位置履歴の入力を受ける。データ送信制御部75は、入力された位置履歴を他のデータと共に、送信部76を介して基地局装置4(図1)に送信する。
【0043】
図10は、携帯端末装置8が位置情報をまとめて送信する処理手順を示すフローチャートである。携帯端末装置8は、電源が投入されると、位置情報をまとめて送信する処理を開始する。同図において、図4の各ステップに対応するステップには同一の符号(S301〜S318)を付し、説明を省略する。
ステップS308の後、携帯端末装置8はステップS801に移る。
ステップS801において測位制御部73は、測位部14がステップS308で測位した現在位置を測位時刻と対応付けて位置履歴記憶部29に書き込む。
ステップS802において測位制御部73は、データ送信制御部75が位置情報以外のデータを送信するか否かを判断する。データ送信制御部75が送信を行う場合(ステップS802:YES)はステップS803に移り、行わない場合(ステップS802:NO)はステップS310に移る。
ステップS803において、測位制御部73は位置履歴記憶部29から位置履歴を読み出してデータ送信制御部75に入力する。データ送信制御部75は入力された位置履歴を他のデータと共に送信部76に入力する。送信部76は入力された位置履歴および他のデータを送信する。その後、ステップS310に移る。
【0044】
以上のように、携帯端末装置8は位置履歴を他のデータとまとめて送信する。これにより、携帯端末装置8は位置情報を他のデータのパケットに含めて送信して、消費電力を削減することができる。特に、携帯端末装置8が移動している場合は、在圏する基地局エリアが変わる度に位置履歴を送信するので、移動先の位置関連サービス情報を受信することができる。
また、実施形態2の場合と同様に、情報サーバ装置5(図1)が、受信した位置履歴から携帯端末装置8の移動方向を判断して現在位置を算出するようにしてもよい。これにより、情報サーバ装置5は、位置情報や位置履歴を受信しないタイミングでも、携帯端末装置8の現在位置を算出して位置関連サービス情報を送信することができる。
なお、ステップS805において、位置履歴記憶部29に記憶された位置履歴の数が予め定められた送信最小個数よりも多い場合には、データ送信制御部75が他のデータを送信するか否かに関わらずステップS806に移るようにしてもよい。ステップS805では、測位制御部73は位置履歴記憶部29から位置履歴を読み出してデータ送信制御部75に入力する。データ送信制御部75は、他に送信するデータの有無に関わらず、入力された位置履歴を、送信部76を介して送信する。これにより、携帯端末装置8は、少なくとも測位部14が送信最小個数回の測位を行う周期では位置履歴を送信し、位置関連サービス情報を受信することができる。
【0045】
なお、携帯端末装置3、6、7、8の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0046】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、位置測定装置に用いて好適である。
【符号の説明】
【0048】
1 位置情報サービスシステム
2 GPS衛星
3、6、7、8 携帯端末装置
4 基地局装置
5 情報サーバ装置
101 ルート検索部
10 目的地設定部
11 目的地到着予定時刻設定部
12 移動経路決定部
102、402、502、702 位置関連情報サービス部
13、43、53、73 測位制御部
15 待ち時間タイマ部
21 待ち位置記憶部
22 移動経路情報記憶部
23 測位制御モード記憶部
24 目的地記憶部
25 警報フラグ記憶部
26 駅フラグ記憶部
27 高速道路フラグ記憶部
28 送信用位置情報フラグ記憶部
29 位置履歴記憶部
30 警報時間記憶部
14 測位部
16 送信部
17 受信部
18 測位用タイマ部
31 操作部
32 表示部
401 警報部
41 発光部
42 スピーカ部
50 ICカード部
51 特定移動検出部
75 データ送信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の測位頻度で周期的に現在位置を測定する測位部と、
入力された目的地と目的地到着予定時刻と前記測位部が測定した現在位置とに基づいてルート検索を行い、移動開始位置と移動開始時刻とを少なくとも含む情報を一段階の移動情報として、一又は複数の段階で構成される移動経路の情報を生成するルート検索部と、
前記測位部が測定した最新の現在位置と生成された前記移動経路の情報に含まれる前記移動開始位置と前記移動開始時刻とに基づき、前記現在位置と前記移動開始位置との距離が所定値以下であり且つ当該移動開始位置に対応する移動開始時刻が現在時刻より後である場合には、前記測定部が現在位置を測定する前記測位頻度を通常時より減らすよう制御する測位制御部と、
を具備することを特徴とする位置測定装置。
【請求項2】
前記測位制御部は、通常時には通常時測位周期毎に前記測位部が現在位置を測定するよう制御し、前記測位部が測定した最新の現在位置と生成された前記移動経路の情報に含まれる前記移動開始位置と前記移動開始時刻とに基づき、前記現在位置と前記移動開始位置との距離が所定値以下であり且つ当該移動開始位置に対応する移動開始時刻が現在時刻より後である場合には前記通常時測位周期より長い待機時測位周期毎に前記測位部が現在位置を測定するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の位置測定装置。
【請求項3】
前記測位制御部は、通常時には通常時測位周期毎に前記測位部が現在位置を測定するよう制御し、前記測位部が測定した最新の現在位置と生成された前記移動経路の情報に含まれる前記移動開始位置と前記移動開始時刻とに基づき、前記現在位置と前記移動開始位置との距離が所定値以下であり且つ当該移動開始位置に対応する移動開始時刻が現在時刻より後である場合には前記測位部が現在位置を測定することを停止するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の位置測定装置。
【請求項4】
予め定められた警報時間を記憶する警報時間記憶部と、
前記移動開始時刻の前記警報時間前になると前記警報時間前になったことを示す警報を発する警報部と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の位置測定装置。
【請求項5】
交通手段用に外部と区別された区域への入場を示す信号を検出すると移動開始と判断し、前記区域からの退場を示す信号を検出すると移動終了と判断する特定移動検出部をさらに具備し、
前記測位制御部は、前記特定移動検出部が前記移動開始と判断してから前記移動終了と判断するまでの間は、前記測位部が前記通常測定時間よりも長い特定区域内移動時測位周期毎に現在位置を測定するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の位置測定装置。
【請求項6】
前記測位部が検出した現在位置を記憶する位置履歴記憶部と、
前記位置履歴記憶部が記憶した現在位置を送信する送信部と、
をさらに具備し、
前記送信部は、前記位置履歴記憶部に記憶された複数の位置情報をまとめて送信する、
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の位置測定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−27500(P2011−27500A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172205(P2009−172205)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】