説明

光コヒーレンストモグラフィ装置

【課題】深さ方向の測定分解能の高い光コヒーレンストモグラフィ装置を提供する。
【解決手段】照射光を発する光源114、照射光を第1参照光と検査光に分割し、試料190の断層面195に向けて検査光を透過させる第1半透鏡41、照射光を第2参照光と基準光に分割する第2半透鏡42、第2半透鏡42に対向して配置された、基準光を反射する基準用反射鏡43、第1参照光と試料190の断層面195に照射されて測定光路長を進んだ検査光との第1干渉縞と、第2参照光と基準用反射鏡43で反射され基準光路長を進んだ基準光との第2干渉縞との合成干渉縞を検出する干渉縞検出素子153、合成干渉縞から、測定光路長と基準光路長との光路差に応じて変動する干渉縞成分を抽出する抽出モジュール310、及び干渉縞成分及び基準光路長の値に基づいて測定光路長の値を算出し、第1半透鏡41に対する試料190の断層面195の位置を算出する算出モジュール330を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計測技術に関し、特に光コヒーレンストモグラフィ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
筋肉、臓器、及び眼球等の生体器官の機能を解明するために、生体器官を生体内(in vivo)で観察可能なシステムの開発が進められている。近年においては、光コヒーレンストモグラフィ(OCT: Optical Coherence Tomography)装置が注目を集めている(例えば、特許文献1参照。)。OCT装置においては、半透鏡が試料に対向して配置される。半透鏡に向けて光を照射すると、光の一部が参照光として半透鏡で反射され、一部が検査光として半透鏡を透過する。検査光は試料で反射された後、再び半透鏡を透過し、参照光と干渉する。半透鏡と試料との間を往復した検査光の光路長をFPとすると、干渉強度SP(ν)は下記(1)式で与えられる。
【0003】
SP(ν) = Y + Z ×cos{(2πν/c)×FP} …(1)
YはDC成分、Zは定数、νは光の周波数、cは光速を表す。従来のOCT装置では、(1)式で与えられる干渉強度を有する干渉縞のフォトダイオードによる実測波形から光路長FPの値を求め、試料の表面形状を算出していた。しかし光路長FPが長くなると干渉縞のピークとピークの間隔が狭くなり、干渉縞から光路長FPの値を求めるのが困難であった。そのため光路長FPの値を高い分解能で得るために、OCT装置の波長分解能を高めることが検討された。波長分解能を高めるには、例えば一波長成分に割り当てるフォトダイオードの数を増やす、フォトダイオードの素子サイズを小さくする、ビーム径を広げる、あるいは絞りを大きくする等の手段がある。しかし波長分解能を高める手段を採用すると、一つのフォトダイオードからの光出力電圧が低くなるため、暗電流等のノイズに対するSN比が低くなるという問題があった。
【特許文献1】特開2004-340581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、深さ方向の測定分解能の高い光コヒーレンストモグラフィ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、(イ)照射光を発する光源と、(ロ)照射光を第1参照光と検査光に分割し、試料の断層面に向けて検査光を透過させる第1半透鏡と、(ハ)照射光を第2参照光と基準光に分割する第2半透鏡と、(ニ)第2半透鏡に対向して配置された、基準光を反射する基準用反射鏡と、(ホ)第1参照光と試料の断層面に照射されて測定光路長を進んだ検査光との第1干渉縞と、第2参照光と基準用反射鏡で反射され基準光路長を進んだ基準光との第2干渉縞との合成干渉縞を検出する干渉縞検出素子と、(ヘ)合成干渉縞から、測定光路長と基準光路長との光路差に応じて変動する干渉縞成分を抽出する抽出モジュールと、(ト)干渉縞成分及び基準光路長の値に基づいて測定光路長の値を算出し、第1半透鏡に対する試料の断層面の位置を算出する算出モジュールとを備える光コヒーレンストモグラフィ装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、深さ方向の測定分解能の高い光コヒーレンストモグラフィ装置を提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0008】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置は、図1に示すように、照射光を発する光源114、照射光を第1参照光と検査光に分割し、試料190の断層面195に向けて検査光を透過させる第1半透鏡41、照射光を第2参照光と基準光に分割する第2半透鏡42、第2半透鏡42に対向して配置された、基準光を反射する基準用反射鏡43、及び第1参照光と試料190の断層面195に照射されて測定光路長を進んだ検査光との第1干渉縞と、第2参照光と基準用反射鏡43で反射され基準光路長を進んだ基準光との第2干渉縞との合成干渉縞を検出する干渉縞検出素子153を備える。また光コヒーレンストモグラフィ装置は、試料190が配置され水平方向に移動可能なステージ400を備える。
【0009】
光コヒーレンストモグラフィ装置はさらに中央演算処理装置(CPU)300を備える。CPU300は、合成干渉縞から測定光路長と基準光路長との光路差に応じて変動する干渉縞成分を抽出する抽出モジュール310、及び干渉縞成分及び基準光路長の値に基づいて測定光路長の値を算出し、第1半透鏡41に対する試料190の断層面195の位置を算出する算出モジュール330を備える。
【0010】
光源114には紫外域から赤外域まで(185nm〜2,000nm)の連続スペクトルに対応可能なキセノンランプ、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、あるいはマルチモードレーザダイオード等の多波長光源が使用可能である。照射光の光強度である照射光強度S0(λ)は、例えば下記(2)式で表される。:
S0(λ) = D×exp{-(λ-λCS / ΔλS)2} …(2)
(2)式においてDは定数を表し、λCSは光源114から照射される照射光の照射光中心波長を表し、ΔλSは光源114の発光帯域幅を表す。
【0011】
光源114の下方には、コリメートレンズ44が配置されている。コリメートレンズ44は、光源114が発した照射光を平行光にする。コリメートレンズ44の表面には、例えば反射防止処理がされている。コリメートレンズ44の下方には、波長可変フィルタ23がコリメートレンズ44の光軸上に配置されている。波長可変フィルタ23は例えば複屈折性の結晶を備える。波長可変フィルタ23には発振器24が接続されている。発振器24は波長可変フィルタ23に超音波を与える。与えられた超音波に応じて、波長可変フィルタ23は照射光の任意の波長成分を透過させる。波長可変フィルタ23及び発振器24は、分光器3を構成する。図2に示すように、発振器24は照射光の透過可能な波長成分の波長λを時間tに応じて走査する。分光器3の波長分解能をΔλRとすると、分光器3の周波数分解能Δνは下記(3)式で与えられる。
【0012】
Δν = cΔλR / λCS2 …(3)
(3)式においてcは光速を表す。照射光のコヒーレンス長LCは、下記(4)式で与えられる。
LC = c / Δν …(4)
図1に示す波長可変フィルタ23の下方には、照射光を2方向に分割するスプリッタ21がコリメートレンズ44の光軸上に配置されている。スプリッタ21には、ハーフミラー等が使用可能である。スプリッタ21によって、照射光はコリメートレンズ44の光軸方向と、光軸方向に対して垂直な方向に分割される。
【0013】
スプリッタ21の下方には、第1半透鏡41がコリメートレンズ44の光軸上に配置されている。ここで、スプリッタ21と第1半透鏡41との間の光路長をLR1とする。照射光の一部は第1半透鏡41で第1参照光として反射され、照射光の他の一部は第1半透鏡41を検査光として透過する。
【0014】
スプリッタ21の横方向には、第2半透鏡42が配置されている。ここで、スプリッタ21と第2半透鏡42との間の光路長をLR2とする。光路長LR2は、コヒーレンス長LCの半分よりも長い下記(5)式で与えられる迂回光路長LFだけ光路長LR1よりも長くなるよう設定されている。
【0015】
LF ≫ (LC / 2) …(5)
第1半透鏡41の下方には、集光レンズ45がコリメートレンズ44の光軸上に配置されている。集光レンズ45は、第1半透鏡41を透過した検査光を集光して検査光の密度を高め、焦点に結ぶ。集光レンズ45の表面には、例えば反射防止処理がされている。
【0016】
第1半透鏡41は、試料190の内部の断層面195に対して垂直方向に測定距離LT1をおいて配置される。第1半透鏡を透過した検査光は、試料190の内部の断層面195で反射され第1半透鏡41に戻ってくる。したがって検査光は、第1半透鏡41と断層面195との間で、測定距離LT1の2倍の長さである下記(6)式で与えられる測定光路長F1を進む。下記(6)式及び(7)式に示すように、測定距離LT1はコヒーレンス長LCの半分よりも短くなるよう設定されているため、測定光路長F1はコヒーレンス長LCよりも短い。:
F1 = 2LT1 …(6)
2LT1 < LC …(7)
第1半透鏡41に戻った検査光の一部は第1半透鏡41を透過し、スプリッタ21に向かって進行する。他に、第1半透鏡41に戻った検査光の一部は第1半透鏡41で反射され、再び試料190の内部の断層面195に向かって進行する。このとき、試料190の内部の断層面195から第1半透鏡41に進行する検査光の波長成分と、第1半透鏡41から試料190の内部の断層面195に進行する検査光の波長成分との位相が揃う場合、波長成分の光強度は減衰しない。しかし、 試料190の内部の断層面195から第1半透鏡41に進行する検査光の波長成分と、第1半透鏡41から試料190の内部の断層面195に進行する検査光の波長成分との位相が揃わない場合、波長成分の光強度は減衰する。したがって検査光において、第1半透鏡41と試料190の内部の断層面195との間の多重反射の時に位相が揃わない波長帯域の光強度は減衰する。
【0017】
上記(6)式及び(7)式で示したように、測定光路長F1はコヒーレンス長LCよりも短い。そのため測定光路長F1に相当する光路差により、第1半透鏡41で反射された第1参照光は、試料190の内部の断層面195で反射され再び第1半透鏡41を透過した検査光と干渉する。第1半透鏡41に向かって進行する照射光の光強度に対する、スプリッタ21に向かって進行する第1参照光と検査光の干渉強度の比である第1の光強度比RS1は、下記(8)式で与えられる。:
RS1={R1RaaR2Ra-2(ηaR1RaR2Ra)1/2cos2φa}/{1+ηaR1RaR2Ra-2(ηaR1RaR2Ra)1/2cos2φa} …(8)
ここで、R1Raは第1半透鏡41の反射率、R2Raは試料190の内部の断層面195の反射率を表す。ηaは第1半透鏡41と試料190の内部の断層面195の間での光損失を表し、下記(9)式で与えられる。またφaは位相を表し、下記(10)式で与えられる。(9)式においてqは照射光のビーム径を表す。:
ηa= 1 / {1 + (λ×F1) / (2πq2)}2 …(9)
φa= πF1 / λ …(10)
以下において簡略化のため、Aを第1半透鏡41と試料190の内部の断層面195との間の可干渉度を表す定数として、第1の光強度比RS1を下記(11)式で与える。
【0018】
RS1 = 1 + A cos {2π×F1 / λ} …(11)
第1参照光及び検査光は、第2半透鏡42が配置された方向と反対の方向に向けてスプリッタ21によって反射される。
【0019】
また、スプリッタ21で横方向に反射された照射光の一部は第2半透鏡42で第2参照光として反射され、照射光の他の一部は第2半透鏡42を基準光として透過する。基準用反射鏡43は、第2半透鏡42に対して基準距離LT2をおいて配置されている。第2半透鏡42から放射された基準光の光軸は、基準用反射鏡43に対して垂直である。基準光は基準用反射鏡43で反射されて、第2半透鏡42に戻ってくる。したがって基準光は、第2半透鏡42と基準用反射鏡43との間で、基準距離LT2の2倍の長さである下記(12)式で与えられる基準光路長F2を進む。下記(12)式及び(13)式に示すように、基準距離LT2はコヒーレンス長LCの半分よりも短くなるよう設定されているため、基準光路長F2はコヒーレンス長LCよりも短い。:
F2 = 2LT2 …(12)
2LT2 < LC …(13)
基準光路長F2に相当する光路差によって、第2半透鏡42で反射された第2参照光は、基準用反射鏡43で反射され再び第2半透鏡42を透過した基準光と干渉する。第2半透鏡42に向かって進行する照射光の光強度に対する、スプリッタ21に向かって進行する第2参照光と基準光の干渉強度の比である第2の光強度比RS2は、下記(14)式で与えられる。:
RS2={R1RbbR2Rb-2(ηbR1RbR2Rb)1/2cos2φb}/{1+ηbR1RbR2Rb-2(ηbR1RbR2Rb)1/2cos2φb} …(14)
ここでR1Rbは第2半透鏡42の反射率、R2Rbは基準用反射鏡43の反射率を表す。ηbは第2半透鏡42と基準用反射鏡43の間での光損失を表し、下記(15)式で与えられる。またφbは位相を表し、下記(16)式で与えられる。:
ηb= 1 / {1 + (λ×F2) / (2πq2)}2 …(15)
φb= πF2 / λ …(16)
以下において簡略化のため、Bを第2半透鏡42と基準用反射鏡43との間の可干渉度を表す定数として、第2の光強度比RS2を下記(17)式で与える。
【0020】
RS2 = 1 + B cos {2π×F2 / λ} …(17)
第2参照光及び基準光は、スプリッタ21を透過する。スプリッタ21を挟んで、第2半透鏡42と対向して干渉縞検出素子153が配置されている。第1参照光、検査光、第2参照光、及び基準光は、干渉縞検出素子153に向かって進行する。
【0021】
ここでスプリッタ21と第2半透鏡42との間の光路長LR2は、(5)式で与えられる迂回光路長LFだけスプリッタ21と第1半透鏡41との間の光路長LR1より長い。したがってスプリッタ21と第1半透鏡41との間を往復した光の光路と、スプリッタ21と第2半透鏡42との間を往復した光の光路との光路差は、迂回光路長LFの2倍以上となる。そのため光路差はコヒーレンス長LCより長くなるため、第1参照光と第2参照光は干渉しない。
【0022】
またスプリッタ21と第1半透鏡41との間の光路長LR1の2倍及び測定光路長F1の和と、スプリッタ21と第2半透鏡42との間の光路長LR2の2倍及び基準光路長F2の和との差の絶対値は、下記(18)式に示すようにコヒーレンス長LCよりも長くなるよう設定される。したがって、検査光と基準光は干渉しない。
【0023】
|2LR1 + F1 - (2LR2 + F2)| ≫ LC …(18)
またスプリッタ21と第1半透鏡41との間の光路長LR1の2倍及び測定光路長F1の和と、スプリッタ21と第2半透鏡42との間の光路長LR2の2倍との差の絶対値は、下記(19)式に示すようにコヒーレンス長LCよりも長くなるよう設定される。したがって、検査光と第2参照光は干渉しない。
【0024】
|2LR1 + F1 - 2LR2| ≫ LC …(19)
またスプリッタ21と第1半透鏡41との間の光路長LR1の2倍と、スプリッタ21と第2半透鏡42との間の光路長LR2の2倍及び基準光路長F2の和との差の絶対値は、下記(20)式に示すようにコヒーレンス長LCよりも長くなるよう設定される。したがって、第1参照光と基準光は干渉しない。
【0025】
|2LR1 - (2LR2 + F2)| ≫ LC …(20)
干渉縞検出素子153は、第1参照光、検査光、第2参照光、及び基準光を受光する。干渉縞検出素子153には、エリアイメージセンサ等のCCDイメージセンサが使用可能であり、複数のフォトダイオードを備える。ここで、干渉縞検出素子153が受光する第1参照光及び検査光が形成する第1干渉縞の光強度である検査光強度S1(λ)は下記(21)式で与えられる。
【0026】
S1(λ) = (1/4) × S0(λ) ×TL1(λ) ×RS1 …(21)
(21)式において照射光強度S0(λ)に係る1/4は、照射光がスプリッタ21を合計2回経由することによる光強度の損失を示している。TL1(λ)は、照射光、第1参照光及び検査光が干渉縞検出素子153に到着するまでに経由する光路の透過率を示している。
【0027】
また干渉縞検出素子153が受光する第2参照光及び基準光が形成する第2干渉縞の光強度である基準光強度S2(λ)は下記(22)式で与えられる。
【0028】
S2(λ) = (1/4) × S0(λ) ×TL2(λ) ×RS2 …(22)
(22)式においてTL2(λ)は、照射光、第2参照光及び基準光が干渉縞検出素子153に到着するまでに経由する光路の透過率を示している。(21)式及び(22)式より、第1干渉縞と第2干渉縞の合成干渉縞の光強度である出力光強度SOUT(λ)は、下記(23)式で与えられる。図3は、中心波長λCSが880nm、波長分解能ΔλRが3.6nm、迂回光路長LFが7.2m、コヒーレンス長LCが200μmの場合の出力光強度SOUT(λ)のスペクトルの一例である。
【0029】
SOUT(λ) = S1(λ) + S2(λ)
= (1/4) × S0(λ) ×{TL1(λ) ×RS1 + TL2(λ) ×RS2}
= (1/4)×S0(λ) [{TL1(λ)+TL2(λ)}+TL1(λ)×A cos{2π×F1 /λ}
+ TL2(λ)×B cos {2π×F2 /λ}] …(23)
ここで下記(24)式及び(25)式で与えられる変数α, βを定義すると、(23)式で与えられた出力光強度SOUT(λ)は下記(26)式に変形される。
【0030】
α= TL1(λ)×A …(24)
β= TL2(λ)×B …(25)
SOUT(λ)=(1/4)×S0(λ) [{TL1(λ)+TL2(λ)}+
2αcos{(π/λ)(F1 - F2)}cos{(π/λ)(F1+F2)}
+(β-α)cos{(2π/λ)×F2}] …(26)
(26)式の第2項のcos{(π/λ)(F1 - F2)}は、出力光強度SOUT(λ)のスペクトルの低周波成分として現れる。低周波成分は、図4に示すように、出力光強度SOUT(λ)のスペクトルの包絡線で表現される。ここで低周波成分の極大点又は極小点は2πの周期ごとに現れる。そこでnを2以上の整数として、n番目の極大点を与える波長をλnとし、n-1番目の極大点を与える波長をλn-1とすると、下記(27)式が成立する。
【0031】
(π/λn)(F1 - F2) - (π/λn-1)(F1 - F2) = 2π …(27)
(27)式より、出力光強度SOUT(λ)の低周波成分の極大点どうしの間隔、又は極小点どうしの間隔であるピーク間隔Pは下記(28)式で与えられる。
【0032】
P = 1/λn - 1/λn-1
= 2 / (F1 - F2) …(28)
第1半透鏡41、第2半透鏡42、及び基準用反射鏡43の位置が固定されていれば、試料190の内部の断層面195の高さのみに依存して、測定光路長と基準光路長との光路差(F1 - F2)は変動し、結果として合成干渉縞の低周波成分のピーク間隔Pが変動する。なお低周波成分のピーク間隔Pの変動は、検査光の光強度と基準光の光強度との差に影響されない。
【0033】
図1に示す干渉縞検出素子153が備える複数のフォトダイオードのそれぞれは、合成干渉縞の出力光強度SOUT(λ)をCPU300に伝送する。CPU300は駆動モジュール305を備える。駆動モジュール305はx-y平面内でステージ400を移動させ、ステージ400が配置される(x, y)座標を制御する。CPU300の補正モジュール306は、合成干渉縞の出力光強度SOUT(λ)を常時受信する。補正モジュール306は、移動平均法により合成干渉縞の出力光強度SOUT(λ)を補正する。ここで「移動平均法」について説明する。図4に示すように出力光強度SOUT(λ)のスペクトルが得られた場合、図1に示す補正モジュール306は、上記(26)式の第2項に含まれる低周波成分cos{(π/λ)(F1 - F2)}の1周期以上で照射光強度S0(λ)のスペクトル分布の1周期未満の幅の区間を定義する。さらに補正モジュール306は、定義された区間における出力光強度SOUT(λ)の平均値を算出し、区間の中心にプロットする。次に補正モジュール306は区間を波長方向に移動させ、移動された区間における出力光強度SOUT(λ)の平均値を算出し、区間の中心にプロットする。以後、補正モジュール306は区間の移動と出力光強度SOUT(λ)の平均値の算出を繰り返し、算出された出力光強度SOUT(λ)の平均値の集合である図5に示す移動平均線を算出する。
【0034】
図4に例示する出力光強度SOUT(λ)のスペクトル分布には、照射光強度S0(λ)のスペクトル分布、上記(26)式の第2項に含まれる低周波成分cos{(π/λ)(F1 - F2)}のスペクトル分布、(26)式の第2項に含まれる高周波成分cos{(π/λ)(F1 + F2)}のスペクトル分布、及び(26)式の第3項で与えられる反射光成分(β-α)cos{(2π/λ)×F2}のスペクトル分布が重畳している。ここで低周波成分cos{(π/λ)(F1 - F2)}の周期以上で、照射光強度S0(λ)のスペクトル分布の周期よりも短い区間を設定して出力光強度SOUT(λ)の移動平均線を算出すると、低周波成分cos{(π/λ)(F1 - F2)}のスペクトル分布、高周波成分cos{(π/λ)(F1 + F2)}のスペクトル分布、及び反射光成分(β-α)cos{(2π/λ)×F2}のスペクトル分布が平均化される。そのため図5に示す移動平均線は、照射光強度S0(λ)のスペクトル分布のみを反映する。
【0035】
図1に示す補正モジュール306は、下記(29)式に示すように、出力光強度SOUT(λ)を移動平均線で近似された照射光強度S0(λ)で割って、出力光強度SOUT(λ)のスペクトル分布から照射光強度S0(λ)のスペクトル分布を除去し、図6に示す補正された出力光強度SOUT_C(λ)のスペクトル分布を算出する。
【0036】
SOUT_C(λ) = SOUT(λ) / S0(λ)
= (1/4)[{TL1(λ)+TL2(λ)}+
2αcos{(π/λ)(F1 - F2)}cos{(π/λ)(F1 + F2)}
+(β-α)cos{(2π/λ)×F2}] …(29)
ここで光の周波数νと、光速cと、波長λの関係は、下記(30)式で与えられる。
【0037】
ν= c /λ …(30)
図1に示す変換モジュール307は(30)式を用いて、波長λの関数である(29)式を図7に示す周波数νの関数に変換する。周波数νの関数で表される補正された出力光強度SOUT_C(ν)は、下記(31)式で与えられる。
【0038】
SOUT_C(ν) = (1/4)[{TL1(c /ν)+ TL2(c /ν)}+
2αcos{(πν/ c)(F1 - F2)}cos{(πν/ c)(F1 + F2)}
+(β-α)cos{(2πν/ c)×F2}] …(31)
(31)式で与えられる出力光強度SOUT_C(ν)の低周波成分のn番目の極大点を与える周波数をνnとし、n-1番目の極大点を与える波長をνn-1とすると、下記(32)式が成立する。
【0039】
(πνn / c)(F1 - F2) - (πνn-1 / c)(F1 - F2) = 2π …(32)
(32)式より、出力光強度SOUT_C(ν)の低周波成分のピーク間隔Pは下記(33)式で与えられる。
【0040】
P = (νn - νn-1) / c
= 2 / (F1 - F2) …(33)
よって出力光強度SOUT_C(ν)の低周波成分のピーク間隔Pも、測定光路長と基準光路長との光路差(F1 - F2)のみに依存して変動する。例えば図8は、測定光路長と基準光路長との光路差(F1 - F2)の初期からの増加量Δ(F1 - F2)が0μm、9.12μm、15.78μm、22.08μmの時の出力光強度SOUT_C(ν)のスペクトルである。測定光路長と基準光路長との光路差(F1 - F2)が大きくなるにつれて、合成干渉縞の低周波成分のピーク間隔Pが狭くなる。図1に示す抽出モジュール310は出力光強度SOUT_C(ν)から、低周波成分のピーク間隔Pを抽出する。
【0041】
算出モジュール330は、例えば図9に示す予め取得された測定光路長と基準光路長との光路差(F1 - F2)の初期からの増加量Δ(F1 - F2)と低周波成分のピーク間隔Pとの関係を用いて、図1に示す抽出モジュール310が抽出した低周波成分のピーク間隔Pから測定光路長と基準光路長との光路差(F1 - F2)を算出する。基準光路長F2は既知であるため、算出モジュール330は算出された光路差から測定距離LT1を算出する。CPU300は画像生成モジュール331をさらに備える。画像生成モジュール331は、干渉縞検出素子153の複数のフォトダイオードのそれぞれの出力に基づいて算出モジュール330が算出した測定距離LT1に基づいて、試料190の断層面195の画像を生成する。
【0042】
CPU300にはデータ記憶装置200が接続されている。データ記憶装置200は干渉縞成分記憶モジュール201、関係記憶モジュール202、及び結果記憶モジュール203を備える。干渉縞成分記憶モジュール201は、抽出モジュール310で抽出された合成干渉縞の低周波成分のピーク間隔Pを保存する。関係記憶モジュール202は、予め取得された測定光路長と基準光路長との光路差(F1 - F2)と低周波成分のピーク間隔Pとの関係を保存する。結果記憶モジュール203は、算出モジュール330で算出された測定距離LT1、及び画像生成モジュール331が生成した試料190の断層面195の画像を保存する。
【0043】
次に図10を用いて、第1の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法について説明する。
【0044】
(a) ステップS101で図1に示す光源114は、(2)式で与えられる照射光強度S0(λ)のスペクトルを有する照射光を発する。照射光はコリメートレンズ44で平行光にされ、分光器3に向かって進行する。ステップS102で分光器3は、図2に示すように、時間tに応じて照射光の波長成分を選択的に透過させる。図1に示す分光器3を透過した照射光はスプリッタ21に向かって進行する。ステップS103で照射光は、スプリッタ21で2方向に分割される。コリメートレンズ44の光軸に沿ってスプリッタ21を透過した照射光は、第1半透鏡41に向かって進行する。スプリッタ21でコリメートレンズ44の光軸と垂直に反射された照射光は、スプリッタ21と第1半透鏡41との間の光路長LR1よりも迂回光路長LFだけ長い光路長LR2を進み、第2半透鏡42に到達する。
【0045】
(b) ステップS201で、第1半透鏡41に到達した照射光は、一部が第1参照光として反射され、一部が検査光として第1半透鏡41を透過する。ステップS202で検査光は集光レンズ45で集光され、試料190の内部の断層面195に向かって進行し、試料190の内部の断層面195で反射される。試料190の内部の断層面195で反射された検査光は、第1半透鏡41を再び透過する。第1半透鏡41と試料190の内部の断層面195との間を往復する時に、検査光は測定光路長F1を進む。ステップS203で、第1半透鏡41で反射された第1参照光は、測定光路長F1を進んだ検査光と干渉する。その後、第1参照光及び検査光はスプリッタ21で反射され、干渉縞検出素子153に向かって進行する。
【0046】
(c) ステップS301で、第2半透鏡42に到達した照射光は、一部が第2参照光として反射され、一部が基準光として第2半透鏡42を透過する。ステップS302で基準光は基準用反射鏡43に向かって進行し、基準用反射鏡43で反射される。基準用反射鏡43で反射された基準光は、第2半透鏡42を再び透過する。第2半透鏡42と基準用反射鏡43との間を往復する時に、基準光は基準光路長F2を進む。
【0047】
(d) ステップS303で、第2半透鏡42で反射された第2参照光は、基準光路長F2を進んだ基準光と干渉する。その後、第2参照光及び基準光はスプリッタ21を透過し、干渉縞検出素子153に向かって進行する。なお、ステップS301乃至ステップS303の進行は、ステップS201乃至ステップS203の進行と並行する。また、ステップS103、ステップS201乃至ステップS203、ステップS301乃至ステップS303は、ステップS102で時間tに応じて選択的に透過される照射光の波長成分のそれぞれについて連続的に実施される。
【0048】
(e) ステップS401で干渉縞検出素子153は、検査光及び第1参照光による第1干渉縞、及び基準光及び第2参照光による第2干渉縞の合成干渉縞を検出する。干渉縞検出素子153が備える複数のフォトダイオードのそれぞれは、検出した合成干渉縞の上記(26)式で与えられる出力光強度SOUT(λ)をCPU300に伝送する。ステップS402でCPU300の補正モジュール306は、合成干渉縞の出力光強度SOUT(λ)を受信する。次に補正モジュール306は、出力光強度SOUT(λ)のスペクトル分布の移動平均線を算出する。その後、補正モジュール306は出力光強度SOUT(λ)のスペクトル分布を移動平均線で近似された照射光強度S0(λ)のスペクトル分布で割り、(29)式で与えられる補正された出力光強度SOUT_C(λ)を算出する。補正モジュール306は、出力光強度SOUT_C(λ)を変換モジュール307に伝送する。
【0049】
(f) ステップS403で変換モジュール307は、(29)式で与えられる出力光強度SOUT_C(λ)を受信する。次に変換モジュール307は波長λの関数である(29)式を、周波数νの関数である(31)式に変換する。変換モジュール307は、(31)式で与えられる出力光強度SOUT_C(ν)を抽出モジュール310に伝送する。ステップS404で抽出モジュール310は、出力光強度SOUT_C(ν)を受信する。次に抽出モジュール310は、出力光強度SOUT_C(ν)のスペクトルに含まれる低周波成分のピーク間隔Pを抽出する。抽出モジュール310は、抽出した低周波成分のピーク間隔Pの値を干渉縞成分記憶モジュール201に保存する。
【0050】
(g) ステップS405で算出モジュール330は、例えば図9に示す予め取得された測定光路長と基準光路長との光路差(F1 - F2)と低周波成分のピーク間隔Pとの関係を、図1に示す関係記憶モジュール202から読み出す。次に算出モジュール330は、測定光路長と基準光路長との光路差(F1 - F2)とピーク間隔Pとの関係を、ピーク間隔Pを変数とする光路差(F1 - F2)の近似式で近似する。その後、算出モジュール330は、抽出モジュール310が抽出した低周波成分のピーク間隔Pの値を干渉縞成分記憶モジュール201から読み出す。算出モジュール330は、ピーク間隔Pの値を近似式に代入し、測定光路長と基準光路長との光路差(F1 - F2)を算出する。さらに算出モジュール330は、既知の基準光路長F2を用いて、光路差から測定距離LT1を算出する。算出モジュール330は干渉縞検出素子153の複数のフォトダイオードのそれぞれの出力に基づいて算出した測定距離LT1を結果記憶モジュール203に保存する。
【0051】
(h) ステップS406で画像生成モジュール331は、結果記憶モジュール203から複数のフォトダイオードのそれぞれの出力に基づいて算出された測定距離LT1を読み出す。次に画像生成モジュール331は、測定距離LT1の平面分布に基づいて試料190の断層面195の凹凸画像を生成する。画像生成モジュール331は生成した試料190の断層面195の画像を結果記憶モジュール203に保存し、第1の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法を終了する。
【0052】
従来のOCT装置は(1)式で与えられる干渉強度SP(ν)を解析していたが、干渉強度SP(ν)の式に含まれる光路長FPには係数として2が係っている。これに対し、(31)式で与えられる出力光強度SOUT_C(ν)の低周波成分cos{(πν/ c)(F1 - F2)}に含まれる測定光路長F1には係数2が係らない。また測定光路長F1から基準光路長F2が引かれている。したがって、測定光路長F1が長くなることにより生じる図8に例示するピーク間隔Pの減少が、従来のOCT装置と比較して抑制される。そのため、波長分解能を高める手段を採ることなく、測定距離LT1の測定分解能を高めることが可能となり、結果として試料190の断層面195の深さ方向の測定分解能を高めることが可能となる。また第1の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置は、集光レンズ45の焦点を変えることにより、試料190の複数の断層面の画像を撮影することも可能である。
【0053】

(第1の実施の形態の第1の変形例)
上記(26)式の第2項に含まれるcos{(π/λ)(F1 - F2)}に着目すると、出力光強度SOUT(λ)のスペクトルの低周波成分の任意の第1の波長λ1における第1の周期G1は下記(34)式で与えられ、第1の波長λ1と異なる第2の波長λ2における低周波成分の第2の周期G2は下記(35)式で与えられる。また第1の周期G1と第2の周期G2との差は、下記(36)式で与えられる。さらに(36)式から、測定光路長F1と基準光路長F2との差(F1 - F2)は下記(37)式で与えられる。
【0054】
G1 = (F1 - F2) / (2×λ1) …(34)
G2 = (F1 - F2) / (2×λ2) …(35)
G1 - G2 = (F1 - F2)×{(1 / (2×λ1)) - (1 / (2×λ2))} …(36)
F1 - F2 = (G1 - G2) / {(1 / (2×λ1)) - (1 / (2×λ2))} …(37)
ここで、第1の周期G1と第2の周期G2との差(G1 - G2)は、第1の波長λ1から第2の波長λ2までの間の低周波成分の干渉縞の数を表す。したがって第1の波長λ1から第2の波長λ2までの間における出力光強度SOUT(λ)のスペクトルの低周波成分による干渉縞の数が分かれば、上記(37)式から、測定光路長F1と基準光路長F2との差(F1 - F2)を算出可能である。
【0055】
以上示した原理を適用する第1の変形例において、図1に示す抽出モジュール310は合成干渉縞の出力光強度SOUT(λ)のスペクトルのデータから、任意の第1の波長λ1と第2の波長λ2の間の低周波成分の極大点を抽出する。なお抽出モジュール310は、合成干渉縞の出力光強度SOUT(λ)のスペクトルの包絡線を計算し、任意の第1の波長λ1と第2の波長λ2の間の包絡線の極大点を抽出してもよい。
【0056】
算出モジュール330は抽出された極大点の数を数える。また算出モジュール330は、上記(37)式に第1の波長λ1の値、第2の波長λ2の値、及び抽出された極大点の数を代入し、測定光路長F1と基準光路長F2との差(F1 - F2)を算出する。なお第1の変形例においては、干渉縞成分記憶モジュール201は抽出モジュール310で抽出された第1の波長λ1の値、第2の波長λ2の値、及び極大点を保存する。関係記憶モジュール202は、上記(37)式を保存する。
【0057】
次に図10を用いて、第1の実施の形態の第1の変形例に係る光コヒーレンストモグラフィ方法について説明する。
【0058】
(a) ステップS101乃至ステップS103、ステップS201乃至ステップS203、ステップS301乃至ステップS303、ステップS401、及びステップS402が第1の実施の形態と同様に実施される。ステップS403は省略される。次にステップS404で図1に示す抽出モジュール310は、任意の第1の波長λ1と第2の波長λ2との間における出力光強度SOUT(λ)のスペクトルの低周波成分の極大点を、測定光路長F1と基準光路長F2との光路差に応じて変動する干渉縞成分として抽出する。抽出モジュール310は、抽出した第1の波長λ1の値、第2の波長λ2の値、及び低周波成分の極大点を干渉縞成分記憶モジュール201に保存する。
【0059】
(b) ステップS405で算出モジュール330は、抽出モジュール310によって抽出された第1の波長λ1の値、第2の波長λ2の値、及び低周波成分の極大点を干渉縞成分記憶モジュール201から読み出し、極大点の数を数える。また算出モジュール330は、関係記憶モジュールから上記(37)式を読み出す。次に算出モジュール330は、第1の波長λ1の値、第2の波長λ2の値、及び極大点の数を(37)式に代入することにより、測定光路長F1と基準光路長F2との差(F1 - F2)を算出し、その後、第1の実施の形態と同様にステップS406を実施して、第1の実施の形態の第1の変形例に係る光コヒーレンストモグラフィ方法を終了する。
【0060】
以上説明した第1の実施の形態の第1の変形例に係る光コヒーレンストモグラフィ装置及び光コヒーレンストモグラフィ方法によっても、高い精度で測定光路長F1を測定することが可能となる。なお抽出モジュール310は、任意の第1の波長λ1と第2の波長λ2との間における出力光強度SOUT(λ)のスペクトルの低周波成分の極小点の数、あるいは出力光強度SOUT(λ)のスペクトルの包絡線における極小点の数を、測定光路長F1と基準光路長F2との差(F1 - F2)に応じて変動する干渉縞成分として抽出してもよい。
【0061】

(第1の実施の形態の第2の変形例)
図11に示す第1の実施の形態の第2の変形例に係る光コヒーレンストモグラフィ装置においては、光源114と波長可変フィルタ23の間に光導波路29が配置されている。光導波路29は光源114から照射された照射光を波長可変フィルタ23に伝搬する。波長可変フィルタ23と光ファイバカプラ等のスプリッタ121の間には、波長可変フィルタ23を透過した照射光を伝搬する光導波路30が配置されている。
【0062】
スプリッタ121には、分割された一方の照射光を伝搬する光導波路31と、分割された他方の照射光を伝搬する光導波路32が接続されている。光導波路31の末端に対向して、コリメートレンズ47が配置されている。コリメートレンズ47は、光導波路31の末端から放射された照射光を平行光にする。平行光にされた照射光は、一部が第1参照光として第1半透鏡41で反射され、一部が検査光として第1半透鏡41を透過する。第1参照光及び断層面195で反射された検査光は、コリメートレンズ47を再び透過し、光導波路31でスプリッタ121に向けて伝搬される。
【0063】
光導波路32の光路長は、(5)式で与えられる迂回光路長LFだけ光導波路31の光路長より長く設定されている。光導波路32の末端に対向して、コリメートレンズ46が配置されている。コリメートレンズ46は、光導波路32の末端から放射された照射光を平行光にする。平行光にされた照射光は、一部が第2参照光として第2半透鏡42で反射され、一部が基準光として第2半透鏡42を透過する。第2参照光及び基準用反射鏡43で反射された基準光は、コリメートレンズ46を再び透過し、光導波路32でスプリッタ121に向けて伝搬される。
【0064】
スプリッタ121には、光導波路33がさらに接続されている。光導波路33は、検査光、基準光、第1参照光、及び第2参照光を伝搬する。光導波路33の末端に対向して、コリメートレンズ48が配置されている。コリメートレンズ48は、光導波路33の末端から放射された検査光、基準光、第1参照光、及び第2参照光を平行光にする。干渉縞検出素子153は、平行光にされた検査光、基準光、第1参照光、及び第2参照光を受光する。光導波路29, 30, 31, 32, 33のそれぞれには、シングルモード光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及びステップインデックス型光ファイバ等が使用可能である。
【0065】
図11に示す光コヒーレンストモグラフィ装置のその他の構成要素は、図1と同様であるので、説明は省略する。光導波路29〜33を用いることにより、光源114、試料190、及び干渉縞検出素子153等の配置位置を柔軟に設定することが可能となる。
【0066】

(第2の実施の形態)
図1に示す光コヒーレンストモグラフィ装置においては、光源114とスプリッタ21の間に、コリメートレンズ44及び波長可変フィルタ23が配置されている。これに対し第2の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置においては、図12に示すように、光源114とスプリッタ21の間には、コリメートレンズ44のみが配置されている。但しスプリッタ21と干渉縞検出素子153の間に、分光器93が配置されている。分光器93は例えば図13に示すように、回折格子54を備える。回折格子54は、検査光、第1参照光、基準光、及び第2参照光を干渉縞検出素子153に向けて反射する。ここで回折格子54は、検査光、第1参照光、基準光、及び第2参照光のそれぞれの波長成分を、波長毎に異なる方角に反射する。そのため干渉縞検出素子153の複数のフォトダイオードのそれぞれに、異なる波長成分が入射される。第2の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置のその他の構成要素は、図1と同様であるので説明は省略する。
【0067】
次に図14を用いて、第2の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法について説明する。
【0068】
(a) ステップS111で図12に示す光源114は、照射光強度S0(λ)のスペクトルを有する照射光を発し、照射光はスプリッタ21に向かって進行する。その後、ステップS113、ステップS211、ステップS212、ステップS311、及びステップS312が、それぞれ図10のステップS103、ステップS201、ステップS202、ステップS301、及びステップS302と同様に実施される。
【0069】
(b) 図14のステップS213で、互いに干渉しあう第1参照光及び検査光は、図12に示すスプリッタ21で分光器93に向かって反射される。またステップS313で、互いに干渉しあう第2参照光及び基準光は、スプリッタ21を透過し、分光器93に向かって進行する。
【0070】
(c) ステップS410で分光器93は、第1参照光、検査光、第2参照光、及び基準光のそれぞれの波長成分を干渉縞検出素子153に向けて波長に応じた角度で反射する。その後、図14のステップS411乃至ステップS416が図10のステップS401乃至ステップS406と同様に実施された後、第2の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法を終了する。
【0071】
以上説明した第2の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置及び光コヒーレンストモグラフィ方法によれば、図12に示す分光器93をCPU300の近くに配置することが可能となる。そのため、分光器93の設定等を容易に変更可能となる。
【0072】

(第2の実施の形態の変形例)
図15に示す第2の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置においては、光源114とスプリッタ121の間に、光源114から照射された照射光を伝搬する光導波路34が配置されている。またコリメートレンズ48に対向して、回折格子54が配置されている。図11に示す光コヒーレンストモグラフィ装置のその他の構成要素は、図11と同様であるので、説明は省略する。
【0073】

(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置は図1に示す光コヒーレンストモグラフィ装置と異なり、図16に示す変調駆動回路115を備える。変調駆動回路115は、図17に示すように、時間tに応じて変動する駆動電流を図16に示す光源114に供給する。時間tに応じて変動する駆動電流が供給されることにより、半導体レーザ共振器等の光源114は、図2に示すように時間tに応じて照射光の波長を変化させる。光源114が照射光の波長を変化させるため、図16に示す光コヒーレンストモグラフィ装置は分光器が不要である。図16に示す光コヒーレンストモグラフィ装置のその他の構成要素は、図1に示す光コヒーレンストモグラフィ装置と同様であるので説明は省略する。
【0074】
次に図18を用いて第3の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法について説明する。
【0075】
ステップS101で図16に示す変調駆動回路115は、時間tに応じて変動する駆動電流を光源114に供給する。駆動電流を供給された光源114は、時間tに応じて波長が変化する照射光を発する。照射光はスプリッタ21に向かって進行する。ステップS103、ステップS201、ステップS202、ステップS301、及びステップS302が図10と同様に実施された後、図18のステップS203で、干渉しあう第1参照光及び検査光は、スプリッタ21で干渉縞検出素子153に向かって反射される。またステップS303で、干渉しあう第2参照光及び基準光はスプリッタ21を透過し、干渉縞検出素子153に向かって進行する。その後、ステップS401乃至ステップS406が図10と同様に実施された後、第3の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法を終了する。
【0076】
以上説明した第3の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置及び光コヒーレンストモグラフィ方法によれば、分光器による照射光の光強度損失がなくなる。そのため、出力光強度SOUT(λ)の低減を防止することが可能となる。なお変調駆動回路115は、時間tに応じて鋸刃状に駆動電流を変動させてもよい。また照射光、検査光、基準光、第1参照光、及び第2参照光のそれぞれを光導波路で伝搬してもよい。
【0077】

(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置は、図11に示す光コヒーレンストモグラフィ装置と異なり、図19に示すように光源114に光導波路34aが接続され、光導波路34aにスプリッタ20が接続されている。スプリッタ20には、照射光導波路80aと光導波路34bとが接続されている。照射光導波路80aには波長フィルタ85が接続されている。波長フィルタ85は、照射光導波路80aで伝搬された照射光の一部の波長成分を選択的に透過させる。波長フィルタ85は、多層膜干渉フィルタ、ファブリペロフィルタ、あるいはファイバブラッググレーティング等が使用可能である。波長フィルタ85には、波長フィルタ85を透過した照射光を伝搬する照射光導波路80bが接続されている。照射光導波路80bには、照射光を受光する照射光受光素子154が接続されている。波長フィルタ85が配置されているため、光源114から発せられた照射光の波長が波長フィルタ85の透過波長帯域の中心と一致した場合に、照射光受光素子154は最も強い光強度で照射光を受光する。以下、照射光の波長が透過波長帯域の中心と一致するときの駆動電流を、設定駆動電流と呼ぶことにする。
【0078】
光源114に半導体レーザ共振器等を用いると、変調駆動回路115で駆動電流を管理しても、周囲の温度変化により照射光の波長が変化する場合がある。また光源114がファブリペロ構造を有する場合、図20に示すように、温度変化によりモードホッピング(波長跳び)が生じる場合がある。光源114に面発光レーザ(VCSEL : Vertical Cavity Surface Emitting Laser)光源を用いた場合、照射光の波長は駆動電流にほぼ比例して変化する。しかし周囲の温度が変化すれば、駆動電流が同一であっても、図21に示すように照射光の波長が変化してしまう場合がある。
【0079】
そこで図19に示す変調駆動回路115及び照射光受光素子154には、フィードバック回路116が接続されている。フィードバック回路116は、変調駆動回路115が光源114に供給した駆動電流と、照射光受光素子154が受光する照射光の光強度を監視する。またフィードバック回路116は、図22に示すように、初期状態における透過波長帯域の中心波長と設定駆動電流とを記憶している。ここで図23に示すように、照射光受光素子154が中心波長の照射光を受光した時の駆動電流が温度変化により設定駆動電流より弱まった場合、フィードバック回路116は変調駆動回路115が光源114に供給する駆動電流の走査範囲をマイナス方向にシフトさせ、光源114が初期状態と同じ波長範囲の照射光を発するよう設定する。また照射光受光素子154が中心波長の照射光を受光した時の駆動電流が温度変化により設定駆動電流から強まった場合、フィードバック回路116は変調駆動回路115が光源114に供給する駆動電流の走査範囲をプラス方向にシフトさせ、光源114が初期状態と同じ波長範囲の照射光を発するよう設定する。
【0080】
図19に示す光コヒーレンストモグラフィ装置のその他の構成要素は図11と同様であるので、説明は省略する。次に図24を用いて、第4の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法を説明する。
【0081】
(a) ステップS51で図19に示す変調駆動回路115は、初期設定で定められた走査範囲で駆動電流を光源114に供給する。またフィードバック回路116は、駆動電流を監視する。ステップS52で光源114は、駆動電流に応じた波長の照射光を発する。照射光は光導波路34aで伝搬され、スプリッタ20で照射光導波路80a方向と光導波路34b方向に分割される。照射光導波路80a方向に分割された照射光は、照射光導波路80aで波長フィルタ85に伝搬される。
【0082】
(b) ステップS53で、波長フィルタ85の透過波長帯域と等しい帯域の照射光の波長成分が、波長フィルタ85を透過する。波長フィルタ85を透過した照射光は照射光導波路80bで伝搬され、ステップS54で照射光受光素子154によって受光される。照射光受光素子154は、受光した照射光の光強度をフィードバック回路116に伝送する。ステップS55でフィードバック回路116は、照射光受光素子154が受光した照射光の光強度が設定駆動電流で最大となっているか否かを監視する。設定駆動電流で最大となっていない場合、ステップS56に進む。設定駆動電流で最大となっている場合、ステップS60に進む。
【0083】
(c) 照射光受光素子154が受光した照射光の光強度が設定駆動電流よりも弱い駆動電流で最大となっている場合、ステップS56でフィードバック回路116は、変調駆動回路115の駆動電流の走査範囲をマイナス方向にシフトさせる。照射光受光素子154が受光した照射光の光強度が設定駆動電流よりも強い駆動電流で最大となっている場合、フィードバック回路116は、変調駆動回路115の駆動電流の走査範囲をプラス方向にシフトさせる。ステップS60で、第3の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法と同様に測定光路長F1を算出し、第4の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法を終了する。
【0084】
温度変化に伴い照射光の波長が変調すると、上記(26)式より測定光路長F1と基準光路長F2との差(F1 - F2)を算出する際に誤差が生じる。これに対し、第4の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置及び光コヒーレンストモグラフィ方法によれば、フィードバック回路116が温度変化に伴う照射光の波長変調を防止する。そのため、高い精度で測定光路長F1と基準光路長F2との差(F1 - F2)を算出することが可能となる。
【0085】

(その他の実施の形態)
上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば図1に示す干渉縞検出素子153がリニアイメージセンサである場合、ステージ400を駆動モジュール305で移動させながら測定距離LT1を算出することにより、試料190の断層面195の2次元画像を生成してもよい。この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置の模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る分光器による時間毎の選択波長を示すグラフである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る合成干渉縞の第1のスペクトルである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る合成干渉縞の第2のスペクトルである。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る移動平均線を示すグラフである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る補正された合成干渉縞のスペクトルの第1の例である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る補正された合成干渉縞のスペクトルの第2の例である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る補正された合成干渉縞のスペクトルの第3の例である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る光路差とピーク間隔との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係る光コヒーレンストモグラフィ装置の模式図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置の模式図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る分光器を示す模式図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光コヒーレンストモグラフィ装置の模式図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置の模式図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係る変調駆動回路による時間毎の駆動電流を示すグラフである。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第4の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置の模式図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態に係る照射光の波長の温度依存性を示す第1のグラフである。
【図21】本発明の第4の実施の形態に係る照射光の波長の温度依存性を示す第2のグラフである。
【図22】本発明の第4の実施の形態に係る照射光の波長と駆動電流との関係を示す第1のグラフである。
【図23】本発明の第4の実施の形態に係る照射光の波長と駆動電流との関係を示す第2のグラフである。
【図24】本発明の第4の実施の形態に係る光コヒーレンストモグラフィ方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
3, 93…分光器
20, 21, 121…スプリッタ
23…波長可変フィルタ
24…発振器
29, 30, 31, 32, 33, 34, 34a, 34b…光導波路
41…第1半透鏡
42…第2半透鏡
43…基準用反射鏡
44, 46, 47, 48…コリメートレンズ
45…集光レンズ
54…回折格子
80a, 80b…照射光導波路
85…波長フィルタ
114…光源
115…変調駆動回路
116…フィードバック回路
153…干渉縞検出素子
154…照射光受光素子
190…試料
195…断層面
200…データ記憶装置
201…干渉縞成分記憶モジュール
202…関係記憶モジュール
203…結果記憶モジュール
300…CPU
305…駆動モジュール
306…補正モジュール
307…変換モジュール
310…抽出モジュール
330…算出モジュール
331…画像生成モジュール
400…ステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射光を発する光源と、
前記照射光を第1参照光と検査光に分割し、試料の断層面に向けて前記検査光を透過させる第1半透鏡と、
前記照射光を第2参照光と基準光に分割する第2半透鏡と、
前記第2半透鏡に対向して配置された、前記基準光を反射する基準用反射鏡と、
前記第1参照光と前記試料の断層面に照射されて測定光路長を進んだ前記検査光との第1干渉縞と、前記第2参照光と前記基準用反射鏡で反射され基準光路長を進んだ前記基準光との第2干渉縞との合成干渉縞を検出する干渉縞検出素子と、
前記合成干渉縞から、前記測定光路長と前記基準光路長との光路差に応じて変動する干渉縞成分を抽出する抽出モジュールと、
前記干渉縞成分及び前記基準光路長の値に基づいて前記測定光路長の値を算出し、前記第1半透鏡に対する前記試料の断層面の位置を算出する算出モジュール
とを備えることを特徴とする光コヒーレンストモグラフィ装置。
【請求項2】
前記第1半透鏡が、前記試料の断層面に対して前記照射光のコヒーレンス長の半分よりも短い測定距離をおいて配置されることを特徴とする請求項1に記載の光コヒーレンストモグラフィ装置。
【請求項3】
前記基準用反射鏡が、前記第2半透鏡に対して前記照射光のコヒーレンス長の半分よりも短い基準距離をおいて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光コヒーレンストモグラフィ装置。
【請求項4】
前記第1半透鏡及び第2半透鏡は、前記検査光と前記基準光の干渉、前記検査光と前記第2参照光の干渉、前記第1参照光と前記基準光の干渉、及び前記第1参照光と前記第2参照光の干渉を妨げる位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光コヒーレンストモグラフィ装置。
【請求項5】
前記抽出モジュールが、前記合成干渉縞のスペクトルの包絡線を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光コヒーレンストモグラフィ装置。
【請求項6】
前記抽出モジュールが、前記包絡線の極値点の間隔を抽出することを特徴とする請求項5に記載の光コヒーレンストモグラフィ装置。
【請求項7】
前記照射光の波長成分を選択的に透過させる分光器を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光コヒーレンストモグラフィ装置。
【請求項8】
前記検査光、前記第1参照光、前記基準光、及び前記第2参照光のそれぞれの波長成分を選択的に透過させる分光器を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光コヒーレンストモグラフィ装置。
【請求項9】
前記光源が、前記照射光の波長を変化させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光コヒーレンストモグラフィ装置。
【請求項10】
前記合成干渉縞のスペクトル分布から前記照射光のスペクトル分布を除去する補正モジュールを更に備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光コヒーレンストモグラフィ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−304314(P2008−304314A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151644(P2007−151644)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】