説明

光偏向装置および光偏向装置の製造方法

【課題】ミラーを揺動させ、光ビームを偏向させる光偏向装置において、ミラー密着力とフィルファクターとを同時に高めることが可能なミラーを提供すること。
【解決手段】光偏向装置は、基板と可動部とコア部と表面部材を備えている。可動部は、基板に対して揺動可能に支持されている。コア部は、可動部の一部から反基板側に伸びている。表面部材は、コア部の頂面を覆う部分と、可動部から立設しているとともにコア部を一巡するループに沿って伸びている側面部分と、その側面部分の上端から外側に向けて可動部の上面と平行に伸びている展開部を備えている。その表面部材は、コア部を形成するコア部形成材料と異なるとともに光を反射する材料で形成されている。その表面部材の少なくとも一部が、可動部を垂直方向から見たときに、可動部の輪郭の外側に至っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ミラーを揺動させることによって光ビームの反射方向を変化させる光偏向装置および光偏向装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ビームを偏向させる光偏向装置をMEMS技術を利用して製造する技術が開発されている。この種の光偏向装置は、基板と可撓梁と可動部を備えており、可撓梁によって可動部を基板から離反した位置に支持するとともに、可撓梁が可動部を基板に対して揺動可能に支持している。可動部の上面に可動部を覆い隠すようにミラーが設置されており、可動部を基板に対して揺動させることによって、ミラーを所定の角度に傾ける。
【0003】
特許文献1に開示されている光偏向装置500を、図9および図10に示す。図9は、光偏向装置500の斜視図である(ただし、ミラー542と可動部536を分離した状態を示している)。また図10は、光偏向装置500の中心線における断面図である。光偏向装置500では、ミラー542と、ミラー542を可動部536に固定する支柱538とが、金属層で一体成型されている。支柱538は内部が空洞の構造を有しており、支柱538の底面が可動部536の上部の範囲536aに接触して固定されている。またミラー542の表面において、支柱538が形成されている領域には、穴部550が形成されている。ミラー542は、可動部536の輪郭外に伸びており、ミラー542の反射面積が大きく確保されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許5867202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のミラー542では、穴部550が光を反射しない無駄なスペースとなる。すると、ミラーとして有効に機能する面積の割合であるフィルファクターが低下する。しかし、フィルファクターの低下を防止するために支柱538の断面積を小さくして穴部550の面積を縮小すると、ミラー542と可動部536との密着力が小さくなるため、光偏向装置500の製造歩留まり低下をもたらす。よって、特許文献1の光偏向装置500では、ミラー542のフィルファクターを高めることと、ミラー542の密着力を高めることとを両立させることが困難である。
【0006】
本願は、ミラー密着力とフィルファクターとを同時に高めることが可能なミラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の光偏向装置は、光の反射方向を変化させる光偏向装置であって、基板と可動部とコア部と表面部材を備えている。可動部は、基板に対して揺動可能に支持されている。コア部は、可動部の一部から反基板側に伸びている。表面部材は、コア部の頂面を覆う部分と、可動部から立設しているとともにコア部を一巡するループに沿って伸びている側面部分と、その側面部分の上端から外側に向けて可動部の上面と平行に伸びている展開部を備えている。なお、コア部を一巡するループは、コア部の外周面に密着していてもよいし、離れていてもよい。この光偏向装置では、表面部材は、コア部を形成するコア部形成材料と異なるとともに光を反射する材料で形成されており、その表面部材の少なくとも一部が、可動部を垂直方向から見たときに、可動部の輪郭の外側に至っている。
【0008】
本願によれば、コア部を一巡するループに沿って伸びている側面部分によって、展開部を可動部に固定する支柱が形成されている。表面部材は光を反射する材料で形成されているため、展開部はミラーとして機能する。ここで、光偏向装置にコア部が備えられていない場合には、ループの内側領域にはミラーとして機能する部分が存在しない。図9の従来技術に示した穴部となってしまう。支柱を太くするためにループの大きさを大きくすると、ミラーとして機能する有効な面積の割合であるフィルファクターが低下する。しかし本願の光偏向装置では、ループの内側領域にコア部が備えられている。そして、コア部の頂面を覆う部分に表面部材が形成されているため、コア部の頂面もまたミラーとして機能する。よって、支柱を太くするためにループの大きさを大きくする場合においても、フィルファクターの低下を防止することができる。これにより、ミラー密着力とフィルファクターとを同時に高めることが可能となる。
【0009】
上記の光偏向装置では、表面部材の側面部分とコア部の外周面とが密着していてもよい。これにより、コア部の頂面を覆う部分と展開部とが隙間なく接している形状とすることができる。よって、ループの内側領域の全領域をミラーとして機能させることができるため、フィルファクターを最大とすることが可能となる。例えば、表面部材を厚く成膜することで、ループの内側領域の全部をミラーとすることができる。
【0010】
上記の光偏向装置では、コア部形成材料がシリコンであることが好ましい。シリコンは半導体プロセスにおいて一般的な材料であるため、加工性や取り扱い性を高めることができる。
【0011】
上記の光偏向装置では、表面部材形成材料が金属であることが好ましい。これにより、表面部材形成材料に光を反射する特性を十分に与えることができる。
【0012】
この光偏向装置は、可動部の上面にコア部形成材料で犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、その犠牲層に、コア部の外周面を内側側面とするとともに、底面に可動部が露出するトレンチを形成する第1パターニング工程と、パターニング後の犠牲層の表面に、表面部材形成材料で膜を成膜する成膜工程と、その膜のうちの展開部の輪郭外に位置する部分を除去する第2パターニング工程と、犠牲層を除去する除去工程と、を備える製造方法によって製造することができる。これにより、コア部が備えられていない光偏向装置を作成する場合と同一のプロセスによって、本願の光偏向装置を作成することができる。よって、マスク数およびプロセス数が増加することがないため、製造コストの増加を防止することが可能となる。
【0013】
上記の光偏向装置の製造方法では、成膜工程で成膜する膜の厚さを、第1パターニング工程で形成されるトレンチの幅を半分にした値以上にしてもよい。これにより、成膜工程で成膜される膜によって、トレンチを完全に埋め込むことができる。よって、ループの内側領域の全領域をミラーとして機能させることができるため、フィルファクターを最大とすることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本願によれば、ミラー密着力とフィルファクターとを同時に高めることが可能なミラーを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施例の光偏向装置の斜視図(その1)である。
【図2】本実施例の光偏向装置の斜視図(その2)である。
【図3】本実施例の光偏向装置の断面図である。
【図4】本実施例の光偏向装置の製造工程を説明する図である。
【図5】本実施例の光偏向装置の製造工程を説明する図である。
【図6】本実施例の光偏向装置の製造工程を説明する図である。
【図7】本実施例の光偏向装置の製造工程を説明する図である。
【図8】本実施例の光偏向装置の製造工程を説明する図である。
【図9】従来技術の光偏向装置の斜視図である。
【図10】従来技術の光偏向装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る好ましい実施形態は、例えば、下記に列挙する特徴を備えた実施例によって具現化される。
(特徴1)頂面部111と展開部113とは同一平面内に形成されている。
(特徴2)ミラー105は、金属層で一体に形成されている。ミラー105は、頂面部111、側面部112、展開部113にさらに区分することができる。
【実施例】
【0017】
図1ないし図3に、本実施例の光偏向装置100を示す。図1は、光偏向装置100の斜視図である。図2は、図1からミラー105を除去した状態の斜視図である。図3は、図1のIII−III線断面図である。図3の断面図には、基板101、固定電極122aおよび122b、可動部107、コア部110、ミラー105が示されている。なお、図3の断面図では、可撓梁104a、104bは観測されない。
【0018】
図1ないし図3に示すように、光偏向装置100は、基板101と、基板101上に形成されており、基板101上に固定されている1対の支持体102a、102bと、1対の支持体102a、102bから伸びている1対の可撓梁104a、104bと、1対の可撓梁104a、104bによって支持されている可動部107とを備えている。また、可動部107の上面には、ミラー105とコア部110とが備えられている。また、可動部107に対向する位置の基板101上に、1対の固定電極122a、122bが備えられている。
【0019】
図3を用いて、ミラー105およびコア部110の構成について説明する。コア部110は、多結晶シリコンにより形成されている。ミラー105は、光を反射する材料であるアルミニウムで形成されている。コア部110は、可動部107の中央部から基板101の反対側(上方側)に伸びた柱状形状を有する。ミラー105は、コア部110を覆うように、可動部107の上面に形成されている。ミラー105は、アルミニウムで一体に形成されており、頂面部111、側面部112、展開部113にさらに区分することができる。
【0020】
頂面部111は、コア部110の頂面を覆う部分である。頂面部111はミラーとして機能する。側面部112は、可動部107から立設している部分である。また側面部112は、コア部110を一巡するループに沿って形成されている。よって、側面部112により、矩形形状の断面を有する中空の支柱が形成される。そして、中空の支柱内にコア部110が形成されている形状とされる。
【0021】
展開部113は、側面部112の上端から外側に向けて、可動部107の上面と平行に伸びた形状を有する。そして展開部113は、側面部112によって、可動部107上に支持される。また、展開部113の外周部は、光偏向装置100を垂直上方から見たときに、可動部107の輪郭の外側を越えてはみ出している。よって展開部113は、可動部107よりも広い面積を有するミラーとして機能する。
【0022】
次に、可動部107を基板101に対して揺動可能に支持する構成について説明する。1対の可撓梁104a、104bは、1対の支持体102a、102bの上端と可動部107とを接続している。1対の可撓梁104a、104bと、可動部107は、基板101から離反した高さに支持されている。図2に示すように、1対の可撓梁104a、104bは、多数回に亘って折り返されており、その全長が長く形成されている。よって剛性が低くされるため、捩れやすい可動梁とされている。
【0023】
図1において、支持体102aと可撓梁104aとの接続点と、支持体102bと可撓梁104bとの接続点とを結ぶ線を揺動軸A1と定義する。また、揺動軸A1の軸方向をx方向、基板101に平行な面内でx軸に直交する方向をy方向とし、xy平面に直交する方向をz方向と定義する。この場合、可動部107の一部にz軸方向の力を作用させると、可動部107は揺動軸A1を中心として基板101に対して揺動する。尚、図2、図3においては、上記と同様にx、y、z方向が設定されるが、その記載を省略する。また、ミラー105の側面部112は、可撓梁104a、104bに比して著しく剛性が高い。よって、可撓梁104a、104bが捩れることによって可動部107が傾斜すれば、ミラー105も同一角度だけ傾斜する。
【0024】
次に、光偏向装置100の駆動方法について説明する。光偏向装置100は、静電駆動式であり、可動部107自体が導体であって可動電極として機能する。また、固定電極122aおよび122bは、可動部107の揺動軸A1に沿って観察した場合に、揺動軸A1に対して対称となる位置に形成されている。
【0025】
例えば、可動電極を接地し、駆動信号生成器(図示しない)を用いて、固定電極122aに駆動電圧を印加すると、接地されている可動電極と固定電極122aとの間に静電引力が発生し、固定電極122aに対向する位置の可動部107が基板101側に吸引される。一方、固定電極122bに駆動電圧を印加すると、接地されている可動電極と固定電極122bとの間に静電引力が発生し、固定電極122bに対向する位置の可動部107が基板101側に吸引される。可撓梁104a、104bは剛性が低く、低い駆動電圧で、可動部107を揺動軸A1の周りに揺動させることができる。これによって、可動部107ひいてはミラー105を、図1に示す揺動軸A1を中心に揺動させることができる。
【0026】
次に、図3に示すミラー105およびコア部110の製造方法について、図4〜図8を用いて説明する。図4〜図8は、光偏向装置100を図1のIII−III線で切断した断面図である。本実施例では、可動部107が形成されている段階から、ミラー105とコア部110との形成を開始する工程について説明する。なお、可動部107を作成するまでの工程の詳細については、従来公知の方法を用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0027】
図4に示す積層体では、単結晶シリコン基板の材料基板701と、酸化膜から成る絶縁層702によって、基板101が形成されている。また、多結晶シリコン層703と絶縁層704によって、固定電極122aおよび122bが形成されている。また、多結晶シリコン層705によって、第1犠牲層が形成されている。また、絶縁層706、多結晶シリコン層707、絶縁層708によって、可動部107が形成されている。よって図4に示す積層体では、可動部107まで形成できている状態である。
【0028】
図5に示すように、図4の状態の積層体の表面に多結晶シリコン層709が形成され、CMP等によって多結晶シリコン層709の表面が平坦化される。多結晶シリコン層709は、第2犠牲層として機能するとともに、その一部分がコア部110の形成に用いられる。多結晶シリコン層709の厚さは、0.5μm〜3.0μmの範囲内の値が用いられる。好ましくは約2.0μmとされる。
【0029】
次に、図6に示すように、多結晶シリコン層709に対してフォトエッチングを行い、多結晶シリコン層709をパターニングし、トレンチ720を形成する。トレンチ720は、幅W1を有しており、コア部110の周囲を一巡するように形成される。周囲にトレンチ720が形成されることによって、トレンチ720の中央部には柱状のコア部110が形成される。またトレンチ720は、可動部107の絶縁層708に到達するように形成されるため、トレンチ720の底面には絶縁層708が露出する。なお、フォトエッチングとは、フォトリソグラフィからRIE等のエッチングまでの一連の処理を意味する。フォトエッチングでは従来公知の方法を用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0030】
次に、図7に示すように、多結晶シリコン層709および絶縁層708の表面に金属層721を形成する。金属層721の形成は、アルミニウムをスパッタ法で所定の厚みに被着することで行なわれる。金属層721の厚さは、0.1μm〜2.0μmの範囲内の値が用いられる。好ましくは約1.0μmとされる。スパッタでは、金属層721はトレンチ720内壁にも被着するとともに、トレンチ720の底部にて絶縁層708に被着する。なお金属層721の材料はアルミニウムに限られず、金、銀、チタン、およびその他の金属、ならびに複数の金属の合金の何れであってもよい。また、金属層721を形成する方法は、スパッタ法に限られず、化学液相析出(chemical fluid deposition)や電気めっき等の他の金属析出方法を用いることもできる。
【0031】
次に、図8に示すようにフォトエッチングを行い、ミラー105の展開部113の輪郭外に位置する金属層721を除去する。これにより、金属層721がミラー105の形状および大きさにパターニングされる。また、多結晶シリコン層709の一部が露出する。
【0032】
次に、第1犠牲層である多結晶シリコン層705と、第2犠牲層である多結晶シリコン層709を除去する。具体的には、図8の積層体に対して、XeF2ガスによる等方性エッチング等を行うことで、多結晶シリコン層705および709のうち絶縁層に囲まれていない部分が除去される。これによって、図3に示すように、可動部107およびミラー105が、基板101上に自立したものとして開放される。これにより、ミラー105およびコア部110の形成が完了する。
【0033】
本実施例に係る光偏向装置の効果を説明する。ミラーと、ミラーを可動部に固定する支柱とが、金属層で一体成型される構成では、ミラー表面の支柱に対応する領域に、穴部が形成される。ここで、穴部の内部にコア部が備えられない場合には、穴部が光を反射しない無駄なスペースとなる。よって、ミラーと可動部との密着力を強くするために支柱を太くすると、穴部の面積も増加するため、ミラーとして機能する有効な面積の割合であるフィルファクターが低下する。
【0034】
しかし、本願の光偏向装置では、穴部の内部にコア部110が備えられている。そして、コア部110の頂面を覆う部分に、アルミニウムを材料とする頂面部111が形成されているため、コア部110がミラーとして機能する。よって、穴部が光を反射しない無駄なスペースとなることがないため、支柱を太くして穴部の面積が増加する場合においても、フィルファクターの低下を防止することができる。これにより、ミラー105のフィルファクターと、ミラー105の可動部107への密着力とを同時に高めることが可能となる。
【0035】
また、本実施例に係る光偏向装置の製造方法では、コア部110が備えられていないミラーを作成する場合と同一のプロセスによって、ミラー105およびコア部110を作成することができる。よって、マスク数およびプロセス数が増加することがないため、製造コストの増加を防止することが可能となる。
【0036】
以上、本願の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0037】
上記の光偏向装置の製造方法では、図7に示す工程で形成される金属層721の厚さは、トレンチ720の幅W1を半分にした値以上としてもよい。トレンチ720内に金属層721を形成する場合には、トレンチ720の両方の側壁に金属層721が同等に成膜される。よって、金属層721の厚さを、トレンチ720の幅W1の半分以上とすれば、トレンチ720を金属層721で完全に埋め込むことができる。これにより、コア部の頂面を覆う頂面部111と側面部112とが、金属層721によって隙間なく接している形状とすることができる。よって、ミラー105表面の全領域をミラーとして機能させることができるため、フィルファクターを最大とすることが可能となる。なおこの場合、ミラー105の側面部112とコア部110の外周面とは、金属層721を介して密着する構造となる。よって、コア部110をループ状に一巡する側面部112は、コア部110の外周面に密着する形状となる。
【0038】
また本実施例では、第1犠牲層および第2犠牲層の材料として、多結晶シリコン層を用いる場合を説明したが、この形態に限られない。構造体と犠牲層との間の選択比が十分に得られる材料であれば、何れの材料を用いてもよく、PSGや様々な種類のポリマーなどであってもよい。
【0039】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0040】
100 光偏向装置
101 基板
105 ミラー
107 可動部
110 コア部
111 頂面部
112 側面部
113 展開部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の反射方向を変化させる光偏向装置であって、
基板と可動部とコア部と表面部材を備えており、
可動部は、基板に対して揺動可能に支持されており、
コア部は、可動部の一部から反基板側に伸びており、
表面部材は、コア部の頂面を覆う部分と、可動部から立設しているとともにコア部を一巡するループに沿って伸びている側面部分と、その側面部分の上端から外側に向けて可動部の上面と平行に伸びている展開部を備えており、
その表面部材は、コア部を形成するコア部形成材料と異なるとともに光を反射する材料で形成されており、
その表面部材の少なくとも一部が、可動部を垂直方向から見たときに、可動部の輪郭の外側に至っている
ことを特徴とする光偏向装置。
【請求項2】
表面部材の側面部分と前記コア部の外周面とが密着していることを特徴とする請求項1に記載の光偏向装置。
【請求項3】
コア部形成材料が、シリコンであることを特徴とする請求項1または2に記載の光偏向装置。
【請求項4】
表面部材形成材料が、金属であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の光偏向装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1項に記載の光偏向装置の製造方法であって、
可動部の上面にコア部形成材料で犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、
その犠牲層に、コア部の外周面を内側側面とするとともに、底面に可動部が露出するトレンチを形成する第1パターニング工程と、
パターニング後の犠牲層の表面に、表面部材形成材料で膜を成膜する成膜工程と、
その膜のうちの展開部の輪郭外に位置する部分を除去する第2パターニング工程と、
犠牲層を除去する除去工程と
を備えることを特徴とする光偏向装置の製造方法。
【請求項6】
成膜工程で成膜する膜の厚さが、第1パターニング工程で形成されるトレンチの幅を半分にした値以上である
ことを特徴とする請求項5に記載の光偏向装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−123363(P2011−123363A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281844(P2009−281844)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】