説明

光半導体装置用パッケージ

【課題】射出成形金型内で最終的に樹脂流同士が合わさるウェルド部での機械強度の低下とウェルドラインの発生を抑えることを可能とした光半導体装置用パッケージを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂からなる射出成形体2にリードフレーム3を包含してなり、射出成形体2の一外側面にリードフレーム3が露出する開口4を有し、一外側面と表裏反対の他外側面にリードフレーム3と対向するゲート2aを有するものであって、ゲート2aを複数個所に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光半導体装置用パッケージに係り、より特定的には側面発光型LEDパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器はその小型化が進み、中でも特に携帯電話やノートPC(携帯型パーソナルコンピュータ)に代表される携帯機器の小型化がめざましく、それに伴って携帯機器に内蔵される電子部品にもその小型化がますます求められている。
【0003】
例えば、携帯電話やノートPCにおける液晶画面のバックライトに用いられる光半導体装置は、実装面に対して平行な方向へ光を照射する側面発光型が採用されている。しかしながら、電子部品の小型化を実現するためにパッケージ自体の低背化と薄肉化を行うと、その影響を受けてパッケージを形成する際の樹脂充填性が損なわれる傾向がある。
【0004】
すなわち、この種のパッケージの形成は、一般に熱可塑性樹脂を用いた射出成形にて行っており、金型へ金属フレームをインサートし、金型内へ樹脂を充填して金属フレームを伴う射出成形体をインサート成形する際に、樹脂充填性が損なわれる傾向がある。
【0005】
従来の射出成形方法としては、例えば、特許文献1に記載するものがある。これは射出成形用金型において、スプルーと成形品キャビティとを接続するゲートに、ピンゲートあるいはピンポイントゲートといわれる断面積の小さなゲートを採用するものである。ピンゲートは射出成形用金型のゲートのうちで断面積を極めて小さくしたもので、主として3枚型構造の金型に使用されており、特許文献1ではピンゲートの先端を元来の円形状から楕円形状へ変更している。このピンゲートを備えた射出成形用金型では、成形品と、スプルーもしくはランナーとがゲートで切断されて、金型から取り出されるので、ゲート切断の手間が省ける利点がある。
【0006】
このピンゲートを備えた射出成形用金型による従来の射出成形方法で形成した側面発光型LEDパッケージを図2から図4に示す。
図2は側面発光型LEDパッケージを示し、(a)はゲート側から見た斜視図、(b)は開口側から見た斜視図、図3は側面発光型LEDパッケージを示し、(a)は開口側から見た正面図、(b)は外部端子の側から見た平面図、(c)はゲート側から見た背面図、(d)は(a)のA−A線に沿った断面図、図4は側面発光型LEDパッケージを示し、(a)はゲートの拡大図、(b)は樹脂流の流れを示す模式図であり、図中において、101は側面発光型LEDパッケージ、102は射出成形体、102aはゲート、103はリードフレーム、103aは外部端子、104は開口、105はLED素子固着予定部、106は反射面を各々示している。
【0007】
図2から図4において、側面発光型LEDパッケージ101は熱可塑性樹脂にて射出成形したものであり、熱可塑性樹脂からなる射出成形体102がリードフレーム103を包含している。射出成形体102は略方形体を成して一外側面(正面)に開口104が形成してあり、この開口104を有する一外側面と隣接する面にはリードフレーム103の一部をなす実装用の外部端子103aが突出している。
【0008】
開口104の底面にはLED素子固着予定部105を含むリードフレーム103の一部が露出しており、開口104の側壁はLED素子が発する光を反射する反射面106として機能する。
【0009】
開口104を有する一外側面と表裏をなす反対側の他外側面(背面)にはゲート102a、つまり射出成形の際に熱可塑性樹脂を注入した部位を有しており、ゲート102aを配置する位置は射出成形の金型内における樹脂の流動バランスの観点から決定し、射出成形体102の形状において実質的に中心部に配置している。
【0010】
一般に、ゲート102aの断面積を小さくすると射出成形後のゲートの切断が容易となるが、射出成形時に樹脂を充填する樹脂圧力の損失をまねくので充填性が悪くなる。また、ゲート102aの断面積を大きくすると射出成形時の樹脂圧力の損失は減少して充填性が改善されるが、射出成形後のゲートの切断が困難となる。従って、ゲート断面積の最適化において、射出成形時の樹脂充填性と射出成形後のゲート切断性とはトレードオフの関係にある。
【0011】
ここでは、ピンゲートの先端に相当する上述のゲート102aの断面形状は、元来の円形から楕円形状に変形してあり、これによれば、図4(a)に示すように、射出成形後のゲート切断で残るゲート102aの高さhを低く抑える効果を奏した。また、側面発光型LEDパッケージ101の場合、パッケージ自体の全高を低く抑える薄型化が求められているので、図3(c)に示すように、ゲート102aを有する面での高さbに大きな制約を受けるが、高さbの寸法内で樹脂注入のゲート断面積を広くする効果も奏した。
【特許文献1】特開平8−197583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、パッケージ自体の全高を低く抑える薄型化は、開口104の形状にも制約を与えており、開口104に所定の断面積を確保するために、開口104の開口上部縁および開口下部縁における射出成形体102の肉厚は、図3(a)中に寸法bとして示すように、極めて薄く形成してあり、この開口縁が薄肉であることは射出成形時の樹脂充填性に影響を及ぼす。
【0013】
図4(b)を用いて、射出成形時の樹脂充填のプロセスを説明する。射出成形金型において、側面発光型LEDパッケージ101の射出成形体102に相応するキャビティには、開口104を有する一外側面と表裏反対の他外側面の中央に位置するゲート102aより熱可塑性樹脂が流入し、樹脂流Yは射出成形用金型にインサートしたリードフレーム103に対して垂直方向に流れ込む。
【0014】
樹脂流Yの大半の樹脂はリードフレーム103に遮られて射出成形体102の長手方向へ分散して樹脂流Yとなり、いったん開口104の長手方向外側へ回り込んだ後に、開口104の開口上部縁および開口下部縁を成す薄肉の部分へ流れ込み、分散していた樹脂流Y同士が合わさってウェルド部Bを形成して樹脂の充填が終了する。
【0015】
ところで、元来、射出成形は熔融した熱可塑性樹脂を比較的高圧(例えば、100MPa)の元圧で圧送するので、ゲート部には集中的に樹脂圧力が作用する。このため、ゲート102aより流入する樹脂流Yの一部は、リードフレーム103の長手方向へ迂回することなく、リードフレーム103の上部辺を乗り越えてショートパスする樹脂流Yとして分流する場合がある。
【0016】
この樹脂流Yは直接的に開口104の開口上部縁および開口下部縁を成す薄肉の部分へ流れ込み、ウェルド部Bには樹脂流Yよりも先に達する。図3(a)に示すように、ウェルド部Bは樹脂の肉厚が薄いので、この部分に達した樹脂は短時間で固化する。このため、先にウェルド部Bに達した樹脂流Yが固化した後に、樹脂流Yがウェルド部Bに達することになり、ウェルド部Bでは固化した樹脂流Yに対して流動状態の樹脂流Yが接合する傾向がある。
【0017】
このように、固化した樹脂に流動状態の樹脂が接合してなるウェルド部Bは接合強度が低く、また目視でもウェルド部Bが確認できるほどにウェルドラインが発生する。従って、ウェルド部Bは樹脂強度が低くて割れやすく、外観上も好ましくなくて、最悪の場合はウェルド部Bでショートショットと称する樹脂の未充填部が発生する恐れがあり、技術的課題とするところであった。
【0018】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、射出成形金型内で最終的に樹脂流同士が合わさるウェルド部での機械強度の低下とウェルドラインの発生を抑えることを可能とした光半導体装置用パッケージとその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の課題を解決するために、本発明の光半導体装置用パッケージは、熱可塑性樹脂からなる射出成形体にリードフレームを包含してなり、前記射出成形体の一外側面にリードフレームが露出する開口を有し、前記一外側面と表裏反対の他外側面に前記リードフレームと対向するゲートを有するものであって、前記ゲートを複数個所に設けたことを特徴とする。
【0020】
また、前記ゲートは、それぞれが前記リードフレームの主面に対して垂直方向に対向し、かつ前記リードフレームの主面まで等距離に位置することを特徴とする。
また、前記ゲートは、その対向する前記リードフレームの主面までの距離が短いゲートの断面積に比べて、その対向する前記リードフレームの主面までの距離が長いゲートの断面積が大きいことを特徴とする。
【0021】
また、前記ゲートは、それぞれが主として対応する前記射出成形体の各領域の樹脂体積によって断面積が異なり、樹脂体積の小さい領域に対応するゲートの断面積に比べて、樹脂体積の大きい領域に対応するゲートの断面積が大きいことを特徴とする。
【0022】
また、前記ゲートは、前記射出成形体の形状における実質的な中心から相反する方向へ等距離の位置にある少なくとも二箇所に設けることを特徴とする。
また、前記ゲートは、前記射出成形体の形状における実質的な中心の位置にある箇所を含む複数箇所に設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
上記した構成により、射出成形金型により射出成形体を射出成形する際に、一箇所のゲートに集中的に樹脂圧力が作用することがなく、熔融した熱可塑性樹脂は複数箇所のゲートから分散して射出成形体のキャビティに流入し、キャビティを満たす。
【0024】
このため、熔融した熱可塑性樹脂を射出成形金型へ圧送するのに際して、各ゲートにおける樹脂圧力を減少させても、熱可塑性樹脂の樹脂流はキャビティ内で各ゲートに対向するリードフレームを左右に迂回して射出成形体の開口側へ円滑に流入し、薄い肉厚の開口上部縁および開口下部縁を形成する狭い流路を満たす。
【0025】
この際に、各ゲートにおける樹脂圧力の減少により、樹脂流はゲートに対向して流れを遮るリードフレームの上部を越えて直接的に開口上部縁および開口下部縁をなす狭い流路へ流れることがなく、リードフレームを左右に迂回した樹脂流よりも先に開口上部縁および開口下部縁に達して固化することもない。
【0026】
よって、薄い肉厚の開口上部縁および開口下部縁では、リードフレームを左右に迂回した樹脂流のみが未固化のままで合わさって後に固化してウェルド部を形成するので、未充填部が発生することなく、均質なウェルド部を形成して十分な樹脂接合強度を確保でき、射出成形体の強度確保とウェルドラインの発生を防止することができる。
【0027】
ゲートは、射出成形体の形状における実質的な中心から相反する方向へ等距離の位置、あるいは射出成形体の形状における実質的な中心から点対称の位置、さらには射出成形体の形状における実質的な中心の位置にある箇所を含む複数箇所に設けることにより、射出成形時の樹脂流のバランスを確実に取ることができ、樹脂充填の最後に未固化の樹脂が合わさってるウェルド部を形成するので、ウェルド部に十分な樹脂接合強度を確保するとともにウェルドラインの発生を防止することがより確実となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態における側面発光型LEDパッケージを示すものであり、(a)は開口側から見た正面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図、(c)はゲート側から見た背面図、(d)はゲートの拡大図であり、図中において、1は側面発光型LEDパッケージ、2は射出成形体、2aはゲート、3はリードフレーム、3aは外部端子、4は開口、5はLED素子固着予定部、6は反射面を各々示している。
【0029】
図1において、側面発光型LEDパッケージ1は熱可塑性樹脂にて射出成形したものであり、熱可塑性樹脂からなる射出成形体2がリードフレーム3を包含している。射出成形体2は略方形体を成して一外側面(正面)に開口4が形成してあり、この開口4を有する一外側面と隣接する面にはリードフレーム3の一部をなす実装用の外部端子3aが突出している。
【0030】
開口4の底面にはLED素子固着予定部5を含むリードフレーム3の一部が露出しており、開口4の側壁はLED素子が発する光を反射する反射面6として機能する。
開口4を有する一外側面と表裏をなす反対側の他外側面(背面)にはゲート2a、つまり射出成形の際に熱可塑性樹脂を注入した部位を有している。
【0031】
本実施の形態において、側面発光型LEDパッケージ1には二箇所のゲート2aを設けている。ゲート2aは、それぞれがリードフレーム3の主面に対して垂直方向に対向し、かつリードフレーム3の主面まで等距離に位置し、その断面積が等しいものである。ゲート2aを配置する位置は射出成形の金型内における樹脂の流動バランスの観点から決定し、射出成形体2の形状における実質的な中心から相反する方向へ等距離の位置にある少なくとも二箇所に設けている。さらに、ゲート2aは、射出成形体2の形状における実質的な中心の位置にある箇所を含む複数箇所に設けることも可能である。
【0032】
上記した構成により、図1(b)に示すように、射出成形金型において射出成形体2を射出成形する際には、熔融した熱可塑性樹脂を射出成形金型へ所定の元圧で圧送する。射出成形金型内では、一箇所のゲート2aに集中的に樹脂圧力が作用することがなく、熔融した熱可塑性樹脂の樹脂流Zは複数箇所の各ゲート2aから分散して射出成形体2のキャビティに流入し、キャビティを満たす。
【0033】
すなわち、熱可塑性樹脂の樹脂流Zはキャビティ内で各々のゲート2aからリードフレーム3に対して垂直方向に流れ込み、その後樹脂流Zはリードフレーム3に遮られて射出成形体2の長手方向へ分散し、リードフレーム3を左右に迂回し、夫々が一旦開口4の長手方向外側へ回り込んだ後に、射出成形体2の開口側へ円滑に流入し、薄い肉厚の開口上部縁2bおよび開口下部縁2cを形成する狭い流路を満たし、分散していた樹脂流Zが合わさってウェルド部Aを形成して樹脂の充填が終了する。
【0034】
このため、複数のゲート2aの断面積の和である総合断面積が、図2から図4に示した従来の構成におけるゲート102aの断面積と等しいとする条件下にあって、熱可塑性樹脂を射出成形金型へ圧送するのに際して、従来の一箇所のゲート102aから充填する場合に比べて、各ゲート2aにおける樹脂圧力を減少させることができ、各ゲート2aにおける樹脂圧力の減少により、樹脂流Zはゲート2aに対向して流れを遮るリードフレーム3の上部を越えて直接的に開口上部縁2bおよび開口下部縁2cをなす狭い流路へ流れることがなく、リードフレーム3を左右に迂回した樹脂流Zよりも先に開口上部縁2bおよび開口下部縁2cに達して固化することもない。つまり先に図4(b)に示したように、ゲート102aからリードフレーム103の上部を越えてウェルド部Bに達する樹脂流Yが発生することを抑制できる。
【0035】
よって、薄い肉厚の開口上部縁2bおよび開口下部縁2cでは、リードフレーム3を左右に迂回した流動状態にある樹脂流Zのみが未固化のままで合わさって後に固化してウェルド部Aを形成するので、未充填部が発生することなく、均質なウェルド部Aを形成してウェルド部Aで接合される樹脂同士の機械強度を向上させて十分な樹脂接合強度を確保でき、ウェルドラインの発生を防止することができる。
【0036】
ゲート2aは、射出成形体2の形状における実質的な中心から相反する方向へ等距離の位置に設けることにより、射出成形時の樹脂流Zのバランスを確実に取ることができ、樹脂充填の最後に未固化の樹脂が合わさっているウェルド部Aを形成するので、ウェルド部Aに十分な樹脂接合強度を確保するとともにウェルド部Aがウェルドラインとして現れることを確実に防止することができる。
【0037】
また、各々のゲート2aの断面積は、従来のゲート102aに比べて半減するのでゲート切断が容易であり、図1(d)に示すように、ゲート高さh´も従来のものよりも低くできる。
【0038】
また、図1(c)に示すように、ゲート2aの外径の寸法も小さくなるので、側面発光型LEDパッケージ1においてゲート2aを配置する面の寸法bを抑制して低背化を実現できる。
【0039】
なお、本実施の形態においては、光半導体装置用パッケージとして側面発光型LEDパッケージを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のLEDパッケージにも採用が可能である。
【0040】
また、二箇所のゲート2aを設けて説明したが、これに限定されるものでは無く、射出成形体2の形状における実質的な中心の位置にゲート2aを増設して三箇所としても良く、更に複数個所に設けても良い。
【0041】
また、従来の構成において一箇所のみに設けたゲート102aの断面積と本発明の二箇所のゲート2aの総合断面積が等しいものとして説明したが、これに限定されるものでは無く、ゲート2aの断面積は射出成形における樹脂充填性とゲート切断性とを勘案して決定すれば良い。
【0042】
また、本実施の形態では、射出成形体2が略方形体を成し、ゲート2aは、それぞれがリードフレーム3の主面に対して垂直方向に対向し、かつリードフレーム3の主面まで等距離に位置し、その断面積が等しいことを前提に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、ゲート2aの数や断面積の大きさや樹脂圧力、あるいはゲート2aの相互の位置関係は、射出成形体2の形状、リードフレーム3の形状等の相違を配慮して設定することも可能である。
【0043】
例えば、射出成形体2がその形状における実質的な中心に対して非対称な形状をなし、各ゲート2aとその対向するリードフレーム3の主面までの距離が異なる場合にあっては、リードフレーム3の主面までの距離が短いゲート2aの断面積に比べて、リードフレーム3の主面までの距離が長いゲート2aの断面積を大きく設定する。
【0044】
あるいは、各ゲート2aとその対向するリードフレーム3の主面までの距離が異なる場合にあっては、リードフレーム3の主面までの距離が短いゲート2aにおける樹脂圧力に比べて、リードフレーム3の主面までの距離が長いゲート2aにおける樹脂圧力を大きく設定する。さらに、ゲート2aの断面積および樹脂圧力をともに大きく設定することも可能である。
【0045】
また、射出成形体2がその形状における実質的な中心に対して非対称な形状をなす場合には、各ゲート2aはその主として対応する射出成形体2の各領域の樹脂体積によって断面積が異なり、言い換えると射出成形体2の各領域に対する熱可塑性樹脂の充填を主として担うゲート2aの断面積は当該領域の樹脂体積によって異なる。すなわち、樹脂体積の小さい領域に対応するゲート2aの断面積に比べて、樹脂体積の大きい領域に対応するゲート2aの断面積を大きく設定する。
【0046】
あるいは、各ゲート2aが主として対応する射出成形体2の各領域の樹脂体積が異なる場合に、樹脂体積の小さい領域に対応するゲート2aにおける樹脂圧力に比べて、樹脂体積の大きい領域に対応するゲート2aにおける樹脂圧力を大きく設定する。さらに、ゲート2aの断面積および樹脂圧力をともに大きく設定することも可能である。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、均質なウェルド部を形成して十分な樹脂接合強度を確保でき、射出成形体の強度確保とウェルドラインの発生を防止することができるので、光半導体装置用パッケージとして有用であり、特に小型で薄型の側面発光型LEDパッケージに適している。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態における側面発光型LEDパッケージを示し、(a)は開口側から見た正面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図、(c)はゲート側から見た背面図、(d)はゲートの拡大図
【図2】従来の側面発光型LEDパッケージを示し、(a)はゲート側から見た斜視図、(b)は開口側から見た斜視図
【図3】従来の側面発光型LEDパッケージを示し、(a)は開口側から見た正面図、(b)は外部端子の側から見た平面図、(c)はゲート側から見た背面図、(d)は(a)のA−A線に沿った断面図
【図4】従来の側面発光型LEDパッケージを示し、(a)はゲートの拡大図、(b)は樹脂流の流れを示す模式図
【符号の説明】
【0049】
1、101 側面発光型LEDパッケージ
2、102 射出成形体
2a、102a ゲート
2b 開口上部縁
2c 開口下部縁
3、103 リードフレーム
3a、103a 外部端子
4、104 開口
5、105 LED素子固着予定部
6、106 反射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂からなる射出成形体にリードフレームを包含してなり、前記射出成形体の一外側面にリードフレームが露出する開口を有し、前記一外側面と表裏反対の他外側面に前記リードフレームと対向するゲートを有するものであって、前記ゲートを複数個所に設けたことを特徴とする光半導体装置用パッケージ。
【請求項2】
前記ゲートは、それぞれが前記リードフレームの主面に対して垂直方向に対向し、かつ前記リードフレームの主面まで等距離に位置することを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置用パッケージ。
【請求項3】
前記ゲートは、その対向する前記リードフレームの主面までの距離が短いゲートの断面積に比べて、その対向する前記リードフレームの主面までの距離が長いゲートの断面積が大きいことを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置用パッケージ。
【請求項4】
前記ゲートは、それぞれが主として対応する前記射出成形体の各領域の樹脂体積によって断面積が異なり、樹脂体積の小さい領域に対応するゲートの断面積に比べて、樹脂体積の大きい領域に対応するゲートの断面積が大きいことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光半導体装置用パッケージ。
【請求項5】
前記ゲートは、前記射出成形体の形状における実質的な中心から相反する方向へ等距離の位置にある少なくとも二箇所に設けることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の光半導体装置用パッケージ。
【請求項6】
前記ゲートは、前記射出成形体の形状における実質的な中心の位置にある箇所を含む複数箇所に設けることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の光半導体装置用パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−21452(P2010−21452A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182148(P2008−182148)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】