光照射装置及び調光方法
【課題】ラインセンサカメラのライン周期と比べてPWM周期が十分に短くなくても、所望の光量を各ライン周期に供給することができ、撮像された画像における明暗差が出るのを防ぐことができる光照射装置を提供する。
【解決手段】検査対象Wに光を照射する光照射機構1と、所定のPWM周期で点灯期間及び消灯期間を交互に繰り返すPWM制御により、前記光照射機構を所定の明るさに制御するPWM制御部2と、を備え、ラインセンサカメラの各ライン周期に含まれる前記点灯期間が、1期間分又は数期間分であり、前記PWM周期が、前記ライン周期と同期しているとともに、受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスペクト比が大きくなるほど、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数が多くなるように設定した。
【解決手段】検査対象Wに光を照射する光照射機構1と、所定のPWM周期で点灯期間及び消灯期間を交互に繰り返すPWM制御により、前記光照射機構を所定の明るさに制御するPWM制御部2と、を備え、ラインセンサカメラの各ライン周期に含まれる前記点灯期間が、1期間分又は数期間分であり、前記PWM周期が、前記ライン周期と同期しているとともに、受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスペクト比が大きくなるほど、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数が多くなるように設定した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばライン状の光を照射してワーク(製品)における傷の有無やマーク読み取り等の検査用として好適に用いられるものに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、検査対象(ワーク)であるWEB(連続物:例えば、フィルム・紙・金属板等)やBATCH(枚葉品、個別品:例えば、カットフィルム・カット硝子・ドラム等)のインライン高速検査を行う場合、ラインセンサカメラを用い、流れていくワークの表面を次々と連続的に画像情報として取り込み、画像情報処理装置において明るさの違う部位を検出するなどして表面欠陥等を検出するようにしている。そしてその際に用いる照明装置として、代表的には、ハロゲンランプや蛍光灯を利用したものが知られているが、近時では、特許文献1に示すように、速応性や光度安定性、寿命等に優れたLEDを複数、列状に並べたLED照明装置も開発されてきている。このようなLED照明装置は、PWM制御により所定のPWM周期における点灯期間と消灯期間の比を変更することにより調光されている。
【0003】
ところで、上述したような産業用の検査において用いられるラインセンサカメラは、一枚の画像を撮像する場合に、図9に示すように図面の上部から下部へ向けて1ラインごとにシャッタを切って連続で撮像し、それらの連続で撮像された画像をつなげることによって1フレーム分の画像としている。このため、ラインセンサカメラで撮像する場合、通常のカメラにおいては、1枚分の画像を撮像するために1回だけシャッタを開放すればよいのと比較すると、ラインセンサカメラにおけるシャッタが切られる周期であるライン周期は非常に短い時間となっている。さらに、近年流されるワークの速度をより速くし、検査時間を短縮する事が求められており、分解能を保つためにはライン周期をより短くしていく必要がある。このため、よりシャッタスピードの速いラインセンサカメラが開発され続けており、ワークからの光を受光するためのライン周期もより短い時間になってきている。
【0004】
このようにライン周期が短くなっているのに対して、従来と同じように1ライン周期当たりに取り込まれる光量を任意に制御することができ、欠陥検査等に適した画像をラインセンサカメラで撮像できるようにするために、LEDを調光制御するためのPWM周期をより短くして調光することが行われている。これは、各ライン周期に撮像された画像間で明暗差を発生させず、しかも任意の調光を行えるようにするには、図10(a)に示すようにライン周期に対してPWM周期は100分の1程度の長さである必要があると考えられているからである。
【0005】
ところが、LEDをPWM制御により調光する場合において、ラインセンサカメラのライン周期の短時間化に比べるとPWM周期の短時間化は遅れており、近年、ラインセンサで撮像するときに所望の明るさに調光した上で撮像する事が難しくなってきている。PWM周期を短くする、すなわち、LEDの点灯期間を非常に短くすることができていない理由の一つとしては、点灯期間を短くし過ぎると、図10(b)に示すように指令電圧に対して実際の光量に大きな1次遅れが発生し、追従しなくなってしまう事が挙げられる。このようなLED自体が有する応答性の限界により、PWM周期を短くし過ぎると、所望の光量で検査対象を照明することができなくなり、欠陥等を検出することができる画像をラインセンサカメラで撮像することができなくなってしまう。
【0006】
そこで、PWM周期を短くして高速でオンオフの切り替えを行うのではなく、例えばストロボ発光のように1ライン周期に対して1回だけ所定の時間LEDを点灯させ、所定時間経過後は消灯しているようにすることで各ライン周期に含まれる光量を同じにすることも考えられる。
【0007】
しかしながら、超高速で製造される製品の検査においてはアスペクト比を1:1にすることができない場合が多々ある。その場合、1ライン周期に対して1回だけのLED点灯では欠陥等の見逃しが生じる可能性がある。このことについて図11を参照しながら説明する。
【0008】
図11は図9の点線部分の拡大図であり、1ラインの画像はラインセンサカメラを構成する受光素子が1回のシャッタで撮像する1画素が横一列に並んだ形で構成されていることを示している。受光素子は正方形状の場合、1ライン周期と製造ライン速度が適切な場合はアスペクト比が1:1の正方形状の画素となるが、1ライン周期に比べて製造ライン速度が非常に高速の場合には動いている方向に延びたアスペクト比が1:nといった長方形状の画素となる。
【0009】
図11に示すように例えばシャッタが開放されたときにのみ所定時間の間1回だけLEDを点灯させる場合を考える。この場合、長方形状の画素のうち先にカメラを通過している側は照明されるものの、所定時間経過後の消灯している間はワークが照明されておらず、後の残りの部分は暗く撮像されることになる。もし、照明されていない領域に傷や欠陥等があった場合には、その情報が画素に寄与しないため見逃しが生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−215115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上述したような問題を一挙に解決するためになされたものであり、従来のようにラインセンサのライン周期が短くなるのに併せて、調光用のPWM周期もより短くしなくてはならないという固定観念から脱却し、検査対象を撮像するラインセンサカメラのライン周期と比べてPWM周期が十分に短くなくても、所望の光量を各ライン周期に供給することができ、ライン周期ごとの画像内において明暗差が生じるのを防ぎ、後の画像検査等において傷や欠陥等の見落としを防ぐことができ、精度よく検査を行うことができるようにする光照射装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明の光照射装置は、1ラインの撮像が行われる間隔である所定のライン周期を有するとともに、複数の受光素子を一列に並べて構成されたラインセンサカメラに対して相対移動する検査対象を所定の明るさで撮像するために用いられる光照射装置であって、前記検査対象に光を照射する光照射機構と、所定のPWM周期で点灯期間及び消灯期間を交互に繰り返すPWM制御により、前記光照射機構を所定の明るさに制御するPWM制御部と、を備え、各ライン周期に含まれる前記点灯期間が、1期間分又は数期間分であり、前記PWM周期が、前記ライン周期と同期しているとともに、前記受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスペクト比が大きくなるほど、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数が多くなるように設定されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の調光方法は、1ラインの撮像が行われる間隔である所定のライン周期を有するとともに、複数の受光素子を一列に並べて構成されたラインセンサカメラにより検査対象を所定の明るさで撮像するために用いられる光照射装置であり、前記検査対象に光を照射する光照射機構と、所定のPWM周期で点灯期間及び消灯期間を交互に繰り返すPWM制御により、前記光照射機構を所定の明るさに制御するPWM制御部と、を備えた光照射装置の調光方法であって、各ライン周期に含まれる前記点灯期間を、1期間分又は数期間分とし、前記PWM周期が、前記ライン周期と同期するとともに、前記受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスペクト比が大きくなるほど、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数が多くなるように設定される設定ステップを備えたことを特徴とする。
【0014】
このようなものであれば、前記ライン周期と前記PWM周期が同期しているので、各ライン周期に含まれる点灯期間は同じ数となり、各ライン周期における受光した光量を同じにすることができる。さらに、各ライン周期に含まれる点灯期間の数が1期間分又は数期間分となるようにライン周期に対してPWM周期が設定されているので、PWM周期をライン周期と略同じ、又は数分の1程度だけ短い周期にしておくことができ、それほど速いPWM制御を調光に用いなくてもよくなり、例えば、LED等で1次遅れが発生を防ぐことができ、点灯期間中の光量も所望のものに制御することができる。
【0015】
つまり、PWM制御を高速化することによりライン周期の短時間化に対応しようとしていた場合には、LEDの応答性により定まっていた限界により、シャッタ速度が非常に速いラインセンサカメラを用いている場合には、各ライン周期で受光する光量をうまく一定にすることができていなかったのを解決することができる。また、仮にラインセンサカメラの性能向上が引き続きあり、LEDを調光するためのPWM周期をそれほど短くできなかったとしても、各ライン周期において所望の光量を十分に供給し、ライン周期ごとの1ラインの画像において明るさのブレの無くすことができる。
【0016】
従って、高速で検査対象を撮像するとともに、その画像も検査ごとに適した光量で微視的にも巨視的にも均一に撮像することができるので、高速かつ精度のよい検査を行うことができるようになる。
【0017】
前記ライン周期と、前記PWM周期を同期させるための具体的な実施の態様としては、前記点灯期間が開始されるタイミングと、前記ラインセンサカメラが撮像を開始するタイミングと、が揃えられているものが挙げられる。このようなものであれば、それぞれの開始点を一致させるので、ライン周期とPWM周期の同期を取りやすい。
【0018】
具体的な点灯期間の数の設定としては、前記受光素子が正方形状のものであり、当該受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスクペクト比が1:nである場合に、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数がnの少数点以下を切り上げた数となるように前記PWM周期が設定されるものが挙げられる。このようなものであれば、点灯回数をできる限り少なくしつつ、漏れなく全体に光を照射することができるので、PWM周期をむやみに短くすることなく明暗差のない画像とすることができる。
【0019】
1回のシャッタでラインセンサカメラに入る光の総量を同じにし、点灯期間の数に関わらず同じ明るさの画像にするには、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の長さの合計が一定値となるように設定されていればよい。
【発明の効果】
【0020】
このように本発明の検査装置及び検査方法によれば、前記ライン周期と前記PWM周期を同期させ、かつ、各ライン周期に含まれる点灯期間が1期間分又は数期間分となるようにPWM周期がライン周期に対して設定されているので、PWM周期をライン周期に対して極端に短くする必要が無く、光照射機構において1次遅れなどが発生することなく確実に所望の光量で発生させることができ、しかも、各ライン周期での点灯期間の数を同じにすることができる。1ライン周期で撮像される1画素のアスペクト比が大きいほど点灯期間の数が多くなるので、欠陥の見逃しを防ぐことができる。また、各ライン周期に含まれる点灯期間の数は同じであるので、各ライン周期で受光する光量を所望の値で同じにすることができ、精度の良い画像検査を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光照射装置を用いた検査装置の模式的斜視図。
【図2】第1実施形態における検査装置の機能ブロック図。
【図3】第1実施形態におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図4】本発明の第1実施形態の変形実施例におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図5】本発明の第1実施形態の更に別の変形実施例におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図6】本発明の第1実施形態の異なる変形実施例におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図7】本発明の第2実施形態に係る光照射装置を用いた検査装置の模式図。
【図8】第2実施形態におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図9】ラインセンサカメラによる撮像方法について説明する模式図。
【図10】従来の検査装置におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図11】受光素子が撮像する画素の形状及び照明される範囲について示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
本実施形態における光照射装置100は、例えば、検査対象W(ワーク)であるWEBと呼ばれる連続物であるフィルムの表面の欠陥等をインライン高速検査するための検査装置Sに用いられるものである。
【0024】
この検査装置Sは、図1に示すように検査対象Wである透光性のフィルムや紙を一方向に一定速度で流しながらその表面を撮像するものであって、前記検査対象Wを上側から撮像するラインセンサカメラ群Cと、前記ラインセンサカメラ群Cで撮像する検査領域を所定の明るさで照明するための前記光照射機構1と、前記光照射機構1及び前記ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4の制御を行う制御機構2と、を備えたものである。ここで、前記光照射機構1と、前記制御機構2の一部が本願請求項での光照射装置100に相当する。
【0025】
前記ラインセンサカメラ群Cは、複数のラインセンサカメラC1、C2、C3、C4を正方形状の受光素子の並んでいる方向が揃うように一列に並べて設けてあるものであり、前記検査対象Wを横断して撮像できるように配置してある。従って、ラインセンサカメラ群Cの撮像範囲は、図1に示されるようにライン状に構成されることになる。前記ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4は、1ラインの撮像が行われる間隔である所定のライン周期で前記検査対象Wの検査対象W領域を撮像するものである。より具体的には、前記ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4は、高速でシャッタが切られて、連続で1ラインごとの撮像を行うものであり、前記ライン周期において受光素子に受光された光量に基づいて1ライン分の画像が生成され、その1ラインごとの画像を複数つなげることで、1フレーム周期分の画像とするように構成されている。このラインセンサカメラC1、C2、C3、C4で撮像された画像から検査対象Wの表面に傷等の欠陥がないかどうかが図示しない欠陥判断部により判断するように構成してある。
【0026】
前記光照射機構1は、前記検査対象Wの下側から前記ラインカメラ側へ向かって当該検査対象Wに光を照射するものである。図1に示すように、前記光照射機構1の先端にはLEDが一列に並べて設けてあり、そのLEDの光射出側に設けられた図示しないレンズによって集光され、検査対象Wにライン光を照射するように構成してある。
【0027】
前記制御機構2は、CPUやメモリ、I/Oインタフェース、通信インタフェース等を備えたメインボードと、光照射部11にそれぞれ対応させて設けた複数の駆動ボードと、それらボードを収容するケーシングと、ケーシングに取り付けたスイッチやボリューム、コネクタ等からなるものである。駆動ボードは、例えばラッチ回路、D/Aコンバータ、電流出力回路等を備えている。そして、前記メモリの所定領域に設定したプログラムにしたがってCPUや他の各部が協働することにより、図2に示すように、受付部23、ライン周期制御部22、同期部24、点灯期間設定部25、PWM制御部21、等としての機能を発揮する。
【0028】
各部について説明する。
【0029】
前記受付部23は、ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4をどのようなライン周期で検査対象Wを撮像するのにかについて指示するライン周期指示信号、照明機構をどのような明るさに調光するのかについて調光指示信号を受け付けるものである。
【0030】
前記ライン周期制御部22は、前記受付部23で受け付けられたライン周期指示信号で指示されるライン周期で前記検査対象Wを撮像するように前記ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4を制御するものである。
【0031】
前記PWM制御部21は、後述する同期部24により設定されるPWM周期、後述する点灯期間設定部25により設定される1ライン周期あたりの点灯期間で、前記光照射機構1を調光制御するものである。
【0032】
前記同期部24は、前記ライン周期制御部22からライン周期を取得し、そのライン周期に同期する長さであるとともに、前記受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスクペクト比が1:nである場合に、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数がnの少数点以下を切り上げた数となるようにPWM周期を前記PWM制御部21に設定するものである。ここで、前記同期部24が前記PWM制御部21に設定するPWM周期は、点灯期間が1又は数期間の内で適宜設定されるものであり、本実施形態では、撮像される画素のアスペクト比が1:a(aは1以下の値)であるので、ライン周期が1周期分に対して、1期間分だけ点灯期間があるように設定される。従って、1ライン周期に含まれるPWM周期も1周期分となるので、ライン周期とPWM周期が同じ長さに設定されることになる。また、この同期部24は、前記ライン周期制御部22と前記PWM制御部21とを同時に制御を開始させ、それぞれの制御周期が同期させるように構成してある。
【0033】
前記点灯期間設定部25は、前記PWM制御部21のPWM周期の1周期における点灯期間の長さを設定するものである。具体的には、前記点灯期間設定部25は、ライン周期の長さと、同期部24で設定されるPWM周期の1周期分の長さと、前記受付部23で受け付けられた調光信号と、をそれぞれから取得し、前記光照射機構1の放射出力と1ライン周期における点灯期間の合計の長さとの積である1ライン周期における光量が予め定めた値となるように点灯期間の長さを設定するものである。つまり、撮像される画像の明るさが所望の明るさとなるように、ライン周期に対して点灯期間を決めていることになる。なお、画素のアスペクト比が異なる値となり、1ライン周期に含まれる点灯期間の数が変化したとしても、点灯期間の合計の長さは同じとなるようにしてあり、それぞれの点灯期間は等分されるようにしてある。また、1ライン周期の終了時点では消灯期間が来るようにPWM周期及び点灯期間の長さが設定されるようにしてある。
【0034】
このように構成された光照射装置100を用いた検査装置Sにおいて検査対象Wを撮像した場合のライン周期とPWM周期との関係を図3に示すグラフを参照しながら、本実施形態の効果について説明する。
【0035】
図3には、上から4段には各ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4のライン周期が、最下段には、PWM周期が示してある。各ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4のライン周期は開始点を揃えて完全に同期させてある。すなわち、検査対象Wの撮像される列が同じ場所になるようにタイミングが揃えてあることになる。また、ライン周期が1周期に対して、PWM周期も1周期に設定してあるとともに、ライン周期とPWM周期が同期していることがわかる。このため、各ライン周期には、同じ数の点灯期間が含まれているため、確実に各ライン周期の明るさを同じものとすることができる。また、従来であれば、ライン周期に対して100分の1程度のPWM周期に設定されており、非常に高速のPWM制御が必要であったが、本実施形態では、ライン周期とPWM周期の長さが同じにしてあるので、それほど高速のPWM制御を行わなくてもよくなっている。つまり、ライン周期がより短くなっていくとしても、PWM制御を高速にして、PWM周期を短くしなくてもよいため、LEDが応答速度の限界により調光信号に追従できなり、所望の明るさに調光できず、各ライン周期の画像の明るさを制御できなくなるという問題を防ぐことができる。
【0036】
従って、検査対象Wをより高速で流しながら、ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4をより短いライン周期で撮像して検査を行ったとしても、1ラインごとの画像の明るさを所望の値にすることができるので、検査の速度と精度をより向上させていくことが可能となる。
【0037】
さらに、画素のアスペクト比が略1:1の場合において点灯期間を1個だけ入ることになるので、画素全体を略均一に照明することができ、欠陥等の見逃しを防ぐことができる。
【0038】
第1実施形態についての変形実施形態について説明する。
【0039】
前記実施形態では図3に示すように、ライン周期の開始点とPWM周期の開始点を揃えていたが、同期しているのであれば、それぞれの開始点が図4(a)に示すように待ち時間が設定してあることにより開始点がずれていても構わない。この場合、シャッタの開閉タイミングであるライン周期の開始点、終了点では点灯期間がないようにしておけば常にライン周期ごとに取り込まれる光量を一定にすることができる。さらに図4(b)に示すように、1ライン周期に対して2つの点灯期間が含まれるようにしても構わない。このように、ライン周期とPWM周期を開始点を揃えて同期させるのではなく、PWM周期について待ち時間を設定し、開始点をずらして同期させても構わない。
【0040】
また、画素のアスペクト比が1:1であったとしても、LEDの応答性が指令に対して追従できるのであれば図5に示すように1ライン周期に対して、PWM周期が2周期分であっても構わない。要するに1ライン周期に対して、数周期分のPWM周期が含まれるものであればよい。加えて、ライン周期とPWM周期が同期しているとは、完全に周期が一致しているものだけに限られるものではなく、図5等に示しているようにライン周期とPWM周期が一定の関係、例えば、定数倍等の関係を有しているものであればよい。つまり、各ライン周期に含まれる点灯期間の数が常に同じ数となるような関係に設定してあればよい。この場合、画素のアスペクト比が1:2である場合には1ライン周期に対して4期間分の点灯期間が存在するように前記同期部を構成すればよい。
【0041】
前記第1実施形態では、制御機構により、PWM制御部のPWM周期、点灯期間の長さが設定されるように構成されていたが、例えば、オペレータによりPWM周期、点灯期間の長さがライン周期に対して上述したような関係を有するように設定されるものであっても構わない。
【0042】
また、前記第1実施形態ではライン周期を基準としてPWM周期を決定するようにしていたが、ライン周期とPWM周期の両方を変更、設定して各ライン周期で受光される光量を同じにして、各ラインの画像の明るさが同じになるように調整をしても構わない。
【0043】
本明細書におけるPWM制御とは、繰り返される制御周期が常に一定のもの、及び、制御周期が変更されるものも含む概念である。より具体的には、図6(a)に示すように、ライン周期に対して常にPWM周期が一定であるように構成してもよいし、図6(b)に示すようにライン周期ごとにPWM周期が変更されるようなものであっても構わない。図6(b)のようにPWM周期が変更される場合でも、各ライン周期とPWM周期が同期しているとともに、各ライン周期に含まれる点灯期間のトータルの長さが同じであれば、ラインごとの画像の明るさを同じ明るさにすることができる。
【0044】
前記第1実施形態では前記光照射機構は検査対象の下側から光を照射し、その透過光を用いて検査していたが、例えば検査対象の上方から光を照射しその時の反射光を撮像するようにしても構わない。ラインセンサカメラが受光素子を複数列にわたって設けてあるものであり、ラインごとに受光、撮像を交互に行うものである場合にも前記実施形態と同じ方法によって撮像される画像ごとの明るさを均一にすることができる。また、撮像するラインごとにおいて1ライン周期に含まれる点灯期間の期間数が同じであり、しかもその数が1個又は数個であっても構わない。
【0045】
前記第1実施形態では、複数のラインセンサカメラを受光素子が並んでいる方向に揃えて一列に設けていたが、単独のラインセンサカメラで検査対象領域を撮像するようにしても構わない。
【0046】
次に第2実施形態について説明する。以下の説明では前記第1実施形態における各部材に対応するものには同じ符号を付すこととする。
【0047】
第2実施形態の検査装置Sは、図7(a)に示すように前記第1実施形態に用いたのと略同じ光照射装置100と、検査対象Wを搬送するための搬送機構3とを備え、前記搬送機構3から検査対象Wの移動距離又は速度を取得し、それらに基づいてラインセンサカメラのシャッタを切るタイミングを制御するようにしたものである。
【0048】
具体的には、前記搬送機構3は、検査対象Wが載置されるテーブル31が、サーボモータ33とボールねじ32からなる駆動系により所定の方向に往復動できるように構成してあるものであり、前記サーボモータ33に設けられたロータリーエンコーダ34から信号を取得してライン周期が決定されるように構成してあるものである。
【0049】
第2実施形態のライン周期制御部22は、ロータリーエンコーダ34が所定角度回転するのにかかる時間をライン周期とするものである。具体的には、例えば、ロータリーエンコーダ34が所定角度回転したのが検出されるとその検出信号をトリガとして、ラインセンサカメラCのシャッタが1回切られるように構成してある。ここで、図7(b)に示すようにこのような搬送機構は定速でテーブルを移動するように指令を出していたとしても速度ムラが生じる。従って、ロータリーエンコーダが所定角度回転するのにかかる時間は定速運転中であったとしても常に一定であるとは限らない。つまり、ロータリーエンコーダのパルスをトリガとすると、各ライン周期にはばらつきが生じることになる。
【0050】
第2実施形態においては、同期部24は、各ライン周期のばらつきを考慮してPWM周期及び点灯期間数が設定されるようにしてある。具体的には、前記同期部24は、各ライン周期の平均である平均ライン周期において受光素子が撮像する画素のアスペクト比から各ライン周期に含めるべき点灯期間の数が設定するようにしてある。また、各ライン周期が開始されるごとに新たなPWM周期が開始されるようにして1ライン周期ごとにPWM周期がそれぞれ別々に同期するように構成してある点が第1実施形態とは異なる。また、各ライン周期の終了時点で消灯期間がくるようにPWM周期及び点灯期間の長さは設定してある。
【0051】
このように構成された第2実施形態の検査装置Sにおけるライン周期とPWM周期との関係について図8のグラフを用いて説明する。
【0052】
所定の送り速度でテーブルが定速運転されており、平均ライン周期で撮像される1画素のアスペクト比が略1:1である場合には、図8(a)に示すように、ライン周期のばらつきに関係なく、各ライン周期には、常に1期間分の長さがaの点灯期間が含まれるようになる。
【0053】
ロータリーエンコーダのパルス間隔が図8(a)に示した場合よりも2倍になった場合には、1ライン周期で撮像される1画素のアスペクト比は1:2となるので、図8(b)に示すように1ライン周期に含まれる点灯期間の数は2個となり、それぞれの点灯期間の長さはa/2に設定される。
【0054】
同様にロータリーエンコーダのパルス間隔が図8(a)に示した場合よりも3倍になった場合には、図8(c)に示すように各ライン周期に含まれる点灯期間の数は3個となり、その長さはa/3に設定されることになる。
【0055】
このように画素のアスペクト比に応じて1ライン周期に含まれる点灯期間の数を変更することにより、図8(d)に示すように、画素全体を明るくすることができ、欠陥の見逃しを防ぐことができる。
【0056】
第2実施形態の変形実施例について説明する。
【0057】
第2実施形態では、各ライン周期の長さがばらつきがあったとしても常に同じ個数だけ点灯期間が含まれるように構成していたが、ライン周期の長さごとに点灯期間数を変更するものであっても構わない。例えば、搬送機構を所定の速度で定速で動かした時の速度ムラを予め取得しておき、ライン周期のばらつきを予測して、それぞれのライン周期における画素のアスペクト比に適した点灯期間数を予め設定しておくようにしても構わない。
【0058】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、様々な変形や実施形態の組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0059】
100・・・光照射装置
1・・・光照射機構
21・・・PWM制御部
C1、C2、C3、C4・・・ラインセンサカメラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばライン状の光を照射してワーク(製品)における傷の有無やマーク読み取り等の検査用として好適に用いられるものに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、検査対象(ワーク)であるWEB(連続物:例えば、フィルム・紙・金属板等)やBATCH(枚葉品、個別品:例えば、カットフィルム・カット硝子・ドラム等)のインライン高速検査を行う場合、ラインセンサカメラを用い、流れていくワークの表面を次々と連続的に画像情報として取り込み、画像情報処理装置において明るさの違う部位を検出するなどして表面欠陥等を検出するようにしている。そしてその際に用いる照明装置として、代表的には、ハロゲンランプや蛍光灯を利用したものが知られているが、近時では、特許文献1に示すように、速応性や光度安定性、寿命等に優れたLEDを複数、列状に並べたLED照明装置も開発されてきている。このようなLED照明装置は、PWM制御により所定のPWM周期における点灯期間と消灯期間の比を変更することにより調光されている。
【0003】
ところで、上述したような産業用の検査において用いられるラインセンサカメラは、一枚の画像を撮像する場合に、図9に示すように図面の上部から下部へ向けて1ラインごとにシャッタを切って連続で撮像し、それらの連続で撮像された画像をつなげることによって1フレーム分の画像としている。このため、ラインセンサカメラで撮像する場合、通常のカメラにおいては、1枚分の画像を撮像するために1回だけシャッタを開放すればよいのと比較すると、ラインセンサカメラにおけるシャッタが切られる周期であるライン周期は非常に短い時間となっている。さらに、近年流されるワークの速度をより速くし、検査時間を短縮する事が求められており、分解能を保つためにはライン周期をより短くしていく必要がある。このため、よりシャッタスピードの速いラインセンサカメラが開発され続けており、ワークからの光を受光するためのライン周期もより短い時間になってきている。
【0004】
このようにライン周期が短くなっているのに対して、従来と同じように1ライン周期当たりに取り込まれる光量を任意に制御することができ、欠陥検査等に適した画像をラインセンサカメラで撮像できるようにするために、LEDを調光制御するためのPWM周期をより短くして調光することが行われている。これは、各ライン周期に撮像された画像間で明暗差を発生させず、しかも任意の調光を行えるようにするには、図10(a)に示すようにライン周期に対してPWM周期は100分の1程度の長さである必要があると考えられているからである。
【0005】
ところが、LEDをPWM制御により調光する場合において、ラインセンサカメラのライン周期の短時間化に比べるとPWM周期の短時間化は遅れており、近年、ラインセンサで撮像するときに所望の明るさに調光した上で撮像する事が難しくなってきている。PWM周期を短くする、すなわち、LEDの点灯期間を非常に短くすることができていない理由の一つとしては、点灯期間を短くし過ぎると、図10(b)に示すように指令電圧に対して実際の光量に大きな1次遅れが発生し、追従しなくなってしまう事が挙げられる。このようなLED自体が有する応答性の限界により、PWM周期を短くし過ぎると、所望の光量で検査対象を照明することができなくなり、欠陥等を検出することができる画像をラインセンサカメラで撮像することができなくなってしまう。
【0006】
そこで、PWM周期を短くして高速でオンオフの切り替えを行うのではなく、例えばストロボ発光のように1ライン周期に対して1回だけ所定の時間LEDを点灯させ、所定時間経過後は消灯しているようにすることで各ライン周期に含まれる光量を同じにすることも考えられる。
【0007】
しかしながら、超高速で製造される製品の検査においてはアスペクト比を1:1にすることができない場合が多々ある。その場合、1ライン周期に対して1回だけのLED点灯では欠陥等の見逃しが生じる可能性がある。このことについて図11を参照しながら説明する。
【0008】
図11は図9の点線部分の拡大図であり、1ラインの画像はラインセンサカメラを構成する受光素子が1回のシャッタで撮像する1画素が横一列に並んだ形で構成されていることを示している。受光素子は正方形状の場合、1ライン周期と製造ライン速度が適切な場合はアスペクト比が1:1の正方形状の画素となるが、1ライン周期に比べて製造ライン速度が非常に高速の場合には動いている方向に延びたアスペクト比が1:nといった長方形状の画素となる。
【0009】
図11に示すように例えばシャッタが開放されたときにのみ所定時間の間1回だけLEDを点灯させる場合を考える。この場合、長方形状の画素のうち先にカメラを通過している側は照明されるものの、所定時間経過後の消灯している間はワークが照明されておらず、後の残りの部分は暗く撮像されることになる。もし、照明されていない領域に傷や欠陥等があった場合には、その情報が画素に寄与しないため見逃しが生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−215115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上述したような問題を一挙に解決するためになされたものであり、従来のようにラインセンサのライン周期が短くなるのに併せて、調光用のPWM周期もより短くしなくてはならないという固定観念から脱却し、検査対象を撮像するラインセンサカメラのライン周期と比べてPWM周期が十分に短くなくても、所望の光量を各ライン周期に供給することができ、ライン周期ごとの画像内において明暗差が生じるのを防ぎ、後の画像検査等において傷や欠陥等の見落としを防ぐことができ、精度よく検査を行うことができるようにする光照射装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明の光照射装置は、1ラインの撮像が行われる間隔である所定のライン周期を有するとともに、複数の受光素子を一列に並べて構成されたラインセンサカメラに対して相対移動する検査対象を所定の明るさで撮像するために用いられる光照射装置であって、前記検査対象に光を照射する光照射機構と、所定のPWM周期で点灯期間及び消灯期間を交互に繰り返すPWM制御により、前記光照射機構を所定の明るさに制御するPWM制御部と、を備え、各ライン周期に含まれる前記点灯期間が、1期間分又は数期間分であり、前記PWM周期が、前記ライン周期と同期しているとともに、前記受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスペクト比が大きくなるほど、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数が多くなるように設定されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の調光方法は、1ラインの撮像が行われる間隔である所定のライン周期を有するとともに、複数の受光素子を一列に並べて構成されたラインセンサカメラにより検査対象を所定の明るさで撮像するために用いられる光照射装置であり、前記検査対象に光を照射する光照射機構と、所定のPWM周期で点灯期間及び消灯期間を交互に繰り返すPWM制御により、前記光照射機構を所定の明るさに制御するPWM制御部と、を備えた光照射装置の調光方法であって、各ライン周期に含まれる前記点灯期間を、1期間分又は数期間分とし、前記PWM周期が、前記ライン周期と同期するとともに、前記受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスペクト比が大きくなるほど、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数が多くなるように設定される設定ステップを備えたことを特徴とする。
【0014】
このようなものであれば、前記ライン周期と前記PWM周期が同期しているので、各ライン周期に含まれる点灯期間は同じ数となり、各ライン周期における受光した光量を同じにすることができる。さらに、各ライン周期に含まれる点灯期間の数が1期間分又は数期間分となるようにライン周期に対してPWM周期が設定されているので、PWM周期をライン周期と略同じ、又は数分の1程度だけ短い周期にしておくことができ、それほど速いPWM制御を調光に用いなくてもよくなり、例えば、LED等で1次遅れが発生を防ぐことができ、点灯期間中の光量も所望のものに制御することができる。
【0015】
つまり、PWM制御を高速化することによりライン周期の短時間化に対応しようとしていた場合には、LEDの応答性により定まっていた限界により、シャッタ速度が非常に速いラインセンサカメラを用いている場合には、各ライン周期で受光する光量をうまく一定にすることができていなかったのを解決することができる。また、仮にラインセンサカメラの性能向上が引き続きあり、LEDを調光するためのPWM周期をそれほど短くできなかったとしても、各ライン周期において所望の光量を十分に供給し、ライン周期ごとの1ラインの画像において明るさのブレの無くすことができる。
【0016】
従って、高速で検査対象を撮像するとともに、その画像も検査ごとに適した光量で微視的にも巨視的にも均一に撮像することができるので、高速かつ精度のよい検査を行うことができるようになる。
【0017】
前記ライン周期と、前記PWM周期を同期させるための具体的な実施の態様としては、前記点灯期間が開始されるタイミングと、前記ラインセンサカメラが撮像を開始するタイミングと、が揃えられているものが挙げられる。このようなものであれば、それぞれの開始点を一致させるので、ライン周期とPWM周期の同期を取りやすい。
【0018】
具体的な点灯期間の数の設定としては、前記受光素子が正方形状のものであり、当該受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスクペクト比が1:nである場合に、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数がnの少数点以下を切り上げた数となるように前記PWM周期が設定されるものが挙げられる。このようなものであれば、点灯回数をできる限り少なくしつつ、漏れなく全体に光を照射することができるので、PWM周期をむやみに短くすることなく明暗差のない画像とすることができる。
【0019】
1回のシャッタでラインセンサカメラに入る光の総量を同じにし、点灯期間の数に関わらず同じ明るさの画像にするには、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の長さの合計が一定値となるように設定されていればよい。
【発明の効果】
【0020】
このように本発明の検査装置及び検査方法によれば、前記ライン周期と前記PWM周期を同期させ、かつ、各ライン周期に含まれる点灯期間が1期間分又は数期間分となるようにPWM周期がライン周期に対して設定されているので、PWM周期をライン周期に対して極端に短くする必要が無く、光照射機構において1次遅れなどが発生することなく確実に所望の光量で発生させることができ、しかも、各ライン周期での点灯期間の数を同じにすることができる。1ライン周期で撮像される1画素のアスペクト比が大きいほど点灯期間の数が多くなるので、欠陥の見逃しを防ぐことができる。また、各ライン周期に含まれる点灯期間の数は同じであるので、各ライン周期で受光する光量を所望の値で同じにすることができ、精度の良い画像検査を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光照射装置を用いた検査装置の模式的斜視図。
【図2】第1実施形態における検査装置の機能ブロック図。
【図3】第1実施形態におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図4】本発明の第1実施形態の変形実施例におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図5】本発明の第1実施形態の更に別の変形実施例におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図6】本発明の第1実施形態の異なる変形実施例におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図7】本発明の第2実施形態に係る光照射装置を用いた検査装置の模式図。
【図8】第2実施形態におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図9】ラインセンサカメラによる撮像方法について説明する模式図。
【図10】従来の検査装置におけるライン周期とPWM周期の関係を示す模式的グラフ。
【図11】受光素子が撮像する画素の形状及び照明される範囲について示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
本実施形態における光照射装置100は、例えば、検査対象W(ワーク)であるWEBと呼ばれる連続物であるフィルムの表面の欠陥等をインライン高速検査するための検査装置Sに用いられるものである。
【0024】
この検査装置Sは、図1に示すように検査対象Wである透光性のフィルムや紙を一方向に一定速度で流しながらその表面を撮像するものであって、前記検査対象Wを上側から撮像するラインセンサカメラ群Cと、前記ラインセンサカメラ群Cで撮像する検査領域を所定の明るさで照明するための前記光照射機構1と、前記光照射機構1及び前記ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4の制御を行う制御機構2と、を備えたものである。ここで、前記光照射機構1と、前記制御機構2の一部が本願請求項での光照射装置100に相当する。
【0025】
前記ラインセンサカメラ群Cは、複数のラインセンサカメラC1、C2、C3、C4を正方形状の受光素子の並んでいる方向が揃うように一列に並べて設けてあるものであり、前記検査対象Wを横断して撮像できるように配置してある。従って、ラインセンサカメラ群Cの撮像範囲は、図1に示されるようにライン状に構成されることになる。前記ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4は、1ラインの撮像が行われる間隔である所定のライン周期で前記検査対象Wの検査対象W領域を撮像するものである。より具体的には、前記ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4は、高速でシャッタが切られて、連続で1ラインごとの撮像を行うものであり、前記ライン周期において受光素子に受光された光量に基づいて1ライン分の画像が生成され、その1ラインごとの画像を複数つなげることで、1フレーム周期分の画像とするように構成されている。このラインセンサカメラC1、C2、C3、C4で撮像された画像から検査対象Wの表面に傷等の欠陥がないかどうかが図示しない欠陥判断部により判断するように構成してある。
【0026】
前記光照射機構1は、前記検査対象Wの下側から前記ラインカメラ側へ向かって当該検査対象Wに光を照射するものである。図1に示すように、前記光照射機構1の先端にはLEDが一列に並べて設けてあり、そのLEDの光射出側に設けられた図示しないレンズによって集光され、検査対象Wにライン光を照射するように構成してある。
【0027】
前記制御機構2は、CPUやメモリ、I/Oインタフェース、通信インタフェース等を備えたメインボードと、光照射部11にそれぞれ対応させて設けた複数の駆動ボードと、それらボードを収容するケーシングと、ケーシングに取り付けたスイッチやボリューム、コネクタ等からなるものである。駆動ボードは、例えばラッチ回路、D/Aコンバータ、電流出力回路等を備えている。そして、前記メモリの所定領域に設定したプログラムにしたがってCPUや他の各部が協働することにより、図2に示すように、受付部23、ライン周期制御部22、同期部24、点灯期間設定部25、PWM制御部21、等としての機能を発揮する。
【0028】
各部について説明する。
【0029】
前記受付部23は、ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4をどのようなライン周期で検査対象Wを撮像するのにかについて指示するライン周期指示信号、照明機構をどのような明るさに調光するのかについて調光指示信号を受け付けるものである。
【0030】
前記ライン周期制御部22は、前記受付部23で受け付けられたライン周期指示信号で指示されるライン周期で前記検査対象Wを撮像するように前記ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4を制御するものである。
【0031】
前記PWM制御部21は、後述する同期部24により設定されるPWM周期、後述する点灯期間設定部25により設定される1ライン周期あたりの点灯期間で、前記光照射機構1を調光制御するものである。
【0032】
前記同期部24は、前記ライン周期制御部22からライン周期を取得し、そのライン周期に同期する長さであるとともに、前記受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスクペクト比が1:nである場合に、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数がnの少数点以下を切り上げた数となるようにPWM周期を前記PWM制御部21に設定するものである。ここで、前記同期部24が前記PWM制御部21に設定するPWM周期は、点灯期間が1又は数期間の内で適宜設定されるものであり、本実施形態では、撮像される画素のアスペクト比が1:a(aは1以下の値)であるので、ライン周期が1周期分に対して、1期間分だけ点灯期間があるように設定される。従って、1ライン周期に含まれるPWM周期も1周期分となるので、ライン周期とPWM周期が同じ長さに設定されることになる。また、この同期部24は、前記ライン周期制御部22と前記PWM制御部21とを同時に制御を開始させ、それぞれの制御周期が同期させるように構成してある。
【0033】
前記点灯期間設定部25は、前記PWM制御部21のPWM周期の1周期における点灯期間の長さを設定するものである。具体的には、前記点灯期間設定部25は、ライン周期の長さと、同期部24で設定されるPWM周期の1周期分の長さと、前記受付部23で受け付けられた調光信号と、をそれぞれから取得し、前記光照射機構1の放射出力と1ライン周期における点灯期間の合計の長さとの積である1ライン周期における光量が予め定めた値となるように点灯期間の長さを設定するものである。つまり、撮像される画像の明るさが所望の明るさとなるように、ライン周期に対して点灯期間を決めていることになる。なお、画素のアスペクト比が異なる値となり、1ライン周期に含まれる点灯期間の数が変化したとしても、点灯期間の合計の長さは同じとなるようにしてあり、それぞれの点灯期間は等分されるようにしてある。また、1ライン周期の終了時点では消灯期間が来るようにPWM周期及び点灯期間の長さが設定されるようにしてある。
【0034】
このように構成された光照射装置100を用いた検査装置Sにおいて検査対象Wを撮像した場合のライン周期とPWM周期との関係を図3に示すグラフを参照しながら、本実施形態の効果について説明する。
【0035】
図3には、上から4段には各ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4のライン周期が、最下段には、PWM周期が示してある。各ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4のライン周期は開始点を揃えて完全に同期させてある。すなわち、検査対象Wの撮像される列が同じ場所になるようにタイミングが揃えてあることになる。また、ライン周期が1周期に対して、PWM周期も1周期に設定してあるとともに、ライン周期とPWM周期が同期していることがわかる。このため、各ライン周期には、同じ数の点灯期間が含まれているため、確実に各ライン周期の明るさを同じものとすることができる。また、従来であれば、ライン周期に対して100分の1程度のPWM周期に設定されており、非常に高速のPWM制御が必要であったが、本実施形態では、ライン周期とPWM周期の長さが同じにしてあるので、それほど高速のPWM制御を行わなくてもよくなっている。つまり、ライン周期がより短くなっていくとしても、PWM制御を高速にして、PWM周期を短くしなくてもよいため、LEDが応答速度の限界により調光信号に追従できなり、所望の明るさに調光できず、各ライン周期の画像の明るさを制御できなくなるという問題を防ぐことができる。
【0036】
従って、検査対象Wをより高速で流しながら、ラインセンサカメラC1、C2、C3、C4をより短いライン周期で撮像して検査を行ったとしても、1ラインごとの画像の明るさを所望の値にすることができるので、検査の速度と精度をより向上させていくことが可能となる。
【0037】
さらに、画素のアスペクト比が略1:1の場合において点灯期間を1個だけ入ることになるので、画素全体を略均一に照明することができ、欠陥等の見逃しを防ぐことができる。
【0038】
第1実施形態についての変形実施形態について説明する。
【0039】
前記実施形態では図3に示すように、ライン周期の開始点とPWM周期の開始点を揃えていたが、同期しているのであれば、それぞれの開始点が図4(a)に示すように待ち時間が設定してあることにより開始点がずれていても構わない。この場合、シャッタの開閉タイミングであるライン周期の開始点、終了点では点灯期間がないようにしておけば常にライン周期ごとに取り込まれる光量を一定にすることができる。さらに図4(b)に示すように、1ライン周期に対して2つの点灯期間が含まれるようにしても構わない。このように、ライン周期とPWM周期を開始点を揃えて同期させるのではなく、PWM周期について待ち時間を設定し、開始点をずらして同期させても構わない。
【0040】
また、画素のアスペクト比が1:1であったとしても、LEDの応答性が指令に対して追従できるのであれば図5に示すように1ライン周期に対して、PWM周期が2周期分であっても構わない。要するに1ライン周期に対して、数周期分のPWM周期が含まれるものであればよい。加えて、ライン周期とPWM周期が同期しているとは、完全に周期が一致しているものだけに限られるものではなく、図5等に示しているようにライン周期とPWM周期が一定の関係、例えば、定数倍等の関係を有しているものであればよい。つまり、各ライン周期に含まれる点灯期間の数が常に同じ数となるような関係に設定してあればよい。この場合、画素のアスペクト比が1:2である場合には1ライン周期に対して4期間分の点灯期間が存在するように前記同期部を構成すればよい。
【0041】
前記第1実施形態では、制御機構により、PWM制御部のPWM周期、点灯期間の長さが設定されるように構成されていたが、例えば、オペレータによりPWM周期、点灯期間の長さがライン周期に対して上述したような関係を有するように設定されるものであっても構わない。
【0042】
また、前記第1実施形態ではライン周期を基準としてPWM周期を決定するようにしていたが、ライン周期とPWM周期の両方を変更、設定して各ライン周期で受光される光量を同じにして、各ラインの画像の明るさが同じになるように調整をしても構わない。
【0043】
本明細書におけるPWM制御とは、繰り返される制御周期が常に一定のもの、及び、制御周期が変更されるものも含む概念である。より具体的には、図6(a)に示すように、ライン周期に対して常にPWM周期が一定であるように構成してもよいし、図6(b)に示すようにライン周期ごとにPWM周期が変更されるようなものであっても構わない。図6(b)のようにPWM周期が変更される場合でも、各ライン周期とPWM周期が同期しているとともに、各ライン周期に含まれる点灯期間のトータルの長さが同じであれば、ラインごとの画像の明るさを同じ明るさにすることができる。
【0044】
前記第1実施形態では前記光照射機構は検査対象の下側から光を照射し、その透過光を用いて検査していたが、例えば検査対象の上方から光を照射しその時の反射光を撮像するようにしても構わない。ラインセンサカメラが受光素子を複数列にわたって設けてあるものであり、ラインごとに受光、撮像を交互に行うものである場合にも前記実施形態と同じ方法によって撮像される画像ごとの明るさを均一にすることができる。また、撮像するラインごとにおいて1ライン周期に含まれる点灯期間の期間数が同じであり、しかもその数が1個又は数個であっても構わない。
【0045】
前記第1実施形態では、複数のラインセンサカメラを受光素子が並んでいる方向に揃えて一列に設けていたが、単独のラインセンサカメラで検査対象領域を撮像するようにしても構わない。
【0046】
次に第2実施形態について説明する。以下の説明では前記第1実施形態における各部材に対応するものには同じ符号を付すこととする。
【0047】
第2実施形態の検査装置Sは、図7(a)に示すように前記第1実施形態に用いたのと略同じ光照射装置100と、検査対象Wを搬送するための搬送機構3とを備え、前記搬送機構3から検査対象Wの移動距離又は速度を取得し、それらに基づいてラインセンサカメラのシャッタを切るタイミングを制御するようにしたものである。
【0048】
具体的には、前記搬送機構3は、検査対象Wが載置されるテーブル31が、サーボモータ33とボールねじ32からなる駆動系により所定の方向に往復動できるように構成してあるものであり、前記サーボモータ33に設けられたロータリーエンコーダ34から信号を取得してライン周期が決定されるように構成してあるものである。
【0049】
第2実施形態のライン周期制御部22は、ロータリーエンコーダ34が所定角度回転するのにかかる時間をライン周期とするものである。具体的には、例えば、ロータリーエンコーダ34が所定角度回転したのが検出されるとその検出信号をトリガとして、ラインセンサカメラCのシャッタが1回切られるように構成してある。ここで、図7(b)に示すようにこのような搬送機構は定速でテーブルを移動するように指令を出していたとしても速度ムラが生じる。従って、ロータリーエンコーダが所定角度回転するのにかかる時間は定速運転中であったとしても常に一定であるとは限らない。つまり、ロータリーエンコーダのパルスをトリガとすると、各ライン周期にはばらつきが生じることになる。
【0050】
第2実施形態においては、同期部24は、各ライン周期のばらつきを考慮してPWM周期及び点灯期間数が設定されるようにしてある。具体的には、前記同期部24は、各ライン周期の平均である平均ライン周期において受光素子が撮像する画素のアスペクト比から各ライン周期に含めるべき点灯期間の数が設定するようにしてある。また、各ライン周期が開始されるごとに新たなPWM周期が開始されるようにして1ライン周期ごとにPWM周期がそれぞれ別々に同期するように構成してある点が第1実施形態とは異なる。また、各ライン周期の終了時点で消灯期間がくるようにPWM周期及び点灯期間の長さは設定してある。
【0051】
このように構成された第2実施形態の検査装置Sにおけるライン周期とPWM周期との関係について図8のグラフを用いて説明する。
【0052】
所定の送り速度でテーブルが定速運転されており、平均ライン周期で撮像される1画素のアスペクト比が略1:1である場合には、図8(a)に示すように、ライン周期のばらつきに関係なく、各ライン周期には、常に1期間分の長さがaの点灯期間が含まれるようになる。
【0053】
ロータリーエンコーダのパルス間隔が図8(a)に示した場合よりも2倍になった場合には、1ライン周期で撮像される1画素のアスペクト比は1:2となるので、図8(b)に示すように1ライン周期に含まれる点灯期間の数は2個となり、それぞれの点灯期間の長さはa/2に設定される。
【0054】
同様にロータリーエンコーダのパルス間隔が図8(a)に示した場合よりも3倍になった場合には、図8(c)に示すように各ライン周期に含まれる点灯期間の数は3個となり、その長さはa/3に設定されることになる。
【0055】
このように画素のアスペクト比に応じて1ライン周期に含まれる点灯期間の数を変更することにより、図8(d)に示すように、画素全体を明るくすることができ、欠陥の見逃しを防ぐことができる。
【0056】
第2実施形態の変形実施例について説明する。
【0057】
第2実施形態では、各ライン周期の長さがばらつきがあったとしても常に同じ個数だけ点灯期間が含まれるように構成していたが、ライン周期の長さごとに点灯期間数を変更するものであっても構わない。例えば、搬送機構を所定の速度で定速で動かした時の速度ムラを予め取得しておき、ライン周期のばらつきを予測して、それぞれのライン周期における画素のアスペクト比に適した点灯期間数を予め設定しておくようにしても構わない。
【0058】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、様々な変形や実施形態の組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0059】
100・・・光照射装置
1・・・光照射機構
21・・・PWM制御部
C1、C2、C3、C4・・・ラインセンサカメラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ラインの撮像が行われる間隔である所定のライン周期を有するとともに、複数の受光素子を一列に並べて構成されたラインセンサカメラに対して相対移動する検査対象を所定の明るさで撮像するために用いられる光照射装置であって、
前記検査対象に光を照射する光照射機構と、
所定のPWM周期で点灯期間及び消灯期間を交互に繰り返すPWM制御により、前記光照射機構を所定の明るさに制御するPWM制御部と、を備え、
各ライン周期に含まれる前記点灯期間が、1期間分又は数期間分であり、
前記PWM周期が、前記ライン周期と同期しているとともに、前記受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスペクト比が大きくなるほど、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数が多くなるように設定されていることを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記点灯期間が開始されるタイミングと、前記ラインセンサカメラが撮像を開始するタイミングと、が揃えられている請求項1記載の光照射装置。
【請求項3】
前記受光素子が正方形状のものであり、当該受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスクペクト比が1:nである場合に、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数がnの少数点以下を切り上げた数となるように前記PWM周期が設定される請求項1又は2記載の光照射装置。
【請求項4】
1ライン周期に含まれる前記点灯期間の長さの合計が一定値となるように設定されている請求項1、2又は3記載の光照射装置。
【請求項5】
1ラインの撮像が行われる間隔である所定のライン周期を有するとともに、複数の受光素子を一列に並べて構成されたラインセンサカメラに対して相対移動する検査対象を所定の明るさで撮像するために用いられる光照射装置であり、前記検査対象に光を照射する光照射機構と、所定のPWM周期で点灯期間及び消灯期間を交互に繰り返すPWM制御により、前記光照射機構を所定の明るさに制御するPWM制御部と、を備えた光照射装置の調光方法であって、
各ライン周期に含まれる前記点灯期間を、1期間分又は数期間分とし、
前記PWM周期が、前記ライン周期と同期するとともに、前記受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスペクト比が大きくなるほど、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数が多くなるように設定される設定ステップを備えたことを特徴とする調光方法。
【請求項1】
1ラインの撮像が行われる間隔である所定のライン周期を有するとともに、複数の受光素子を一列に並べて構成されたラインセンサカメラに対して相対移動する検査対象を所定の明るさで撮像するために用いられる光照射装置であって、
前記検査対象に光を照射する光照射機構と、
所定のPWM周期で点灯期間及び消灯期間を交互に繰り返すPWM制御により、前記光照射機構を所定の明るさに制御するPWM制御部と、を備え、
各ライン周期に含まれる前記点灯期間が、1期間分又は数期間分であり、
前記PWM周期が、前記ライン周期と同期しているとともに、前記受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスペクト比が大きくなるほど、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数が多くなるように設定されていることを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記点灯期間が開始されるタイミングと、前記ラインセンサカメラが撮像を開始するタイミングと、が揃えられている請求項1記載の光照射装置。
【請求項3】
前記受光素子が正方形状のものであり、当該受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスクペクト比が1:nである場合に、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数がnの少数点以下を切り上げた数となるように前記PWM周期が設定される請求項1又は2記載の光照射装置。
【請求項4】
1ライン周期に含まれる前記点灯期間の長さの合計が一定値となるように設定されている請求項1、2又は3記載の光照射装置。
【請求項5】
1ラインの撮像が行われる間隔である所定のライン周期を有するとともに、複数の受光素子を一列に並べて構成されたラインセンサカメラに対して相対移動する検査対象を所定の明るさで撮像するために用いられる光照射装置であり、前記検査対象に光を照射する光照射機構と、所定のPWM周期で点灯期間及び消灯期間を交互に繰り返すPWM制御により、前記光照射機構を所定の明るさに制御するPWM制御部と、を備えた光照射装置の調光方法であって、
各ライン周期に含まれる前記点灯期間を、1期間分又は数期間分とし、
前記PWM周期が、前記ライン周期と同期するとともに、前記受光素子が1ライン周期に撮像する1画素のアスペクト比が大きくなるほど、1ライン周期に含まれる前記点灯期間の数が多くなるように設定される設定ステップを備えたことを特徴とする調光方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−21889(P2012−21889A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160107(P2010−160107)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(596099446)シーシーエス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(596099446)シーシーエス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
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