説明

出力回路

【課題】貫通電流を防止する。
【解決手段】ローサイドオフ検出回路10は、ローサイドトランジスタM2のゲート信号SGを所定の第1レベルTHと比較することによって、ローサイドトランジスタM2がオフしたことを示すローサイドオフ検出信号S1を生成する。ローサイド検出トランジスタMSは、ローサイドトランジスタM2と同型であり、そのソースが接地端子108に接続され、そのゲートにローサイドトランジスタM2のゲート信号SGを受ける。第1抵抗R11は、ローサイド検出トランジスタMSのドレインと電源端子106の間に設けられる。第1バイパス回路12は、第1抵抗R11と並列に設けられ、制御信号SINがローサイドトランジスタM2のオフを指示するレベルをとるときに導通し、オンを指示するレベルをとるとき遮断する。ローサイド検出トランジスタMSのドレインの信号が、ローサイドオフ検出信号S1として出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路において、パワートランジスタを用いたハーフブリッジ回路、Hブリッジ回路(以下、ブリッジ出力回路と総称する)が多用されている。ブリッジ出力回路は、電源端子と接地端子の間に直列に設けられたハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタを含む。そして、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタを交互にオン、オフすることにより、2つのトランジスタの接続点から、電源電圧または接地電圧を出力する。
【0003】
かかるブリッジ出力回路において、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタが同時にオンすると、電源端子から接地端子に貫通電流が流れてしまう。貫通電流を防止するため、ハイサイドトランジスタがオンした状態とローサイドトランジスタがオンした状態の間に、両方のトランジスタがオフする区間(デッドタイムともいう)が設けられる(特許文献1参照)。
【0004】
デッドタイムを長くすると、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタが動じオンするリスクを低減できる反面、エネルギー効率が低下するという問題がある。またデッドタイムによって、ブリッジ回路の応答速度、つまりスイッチング速度が低下するという問題が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−119022号公報
【特許文献2】特開2005−304226号公報
【特許文献3】特開2001−160615号公報
【特許文献4】特開2007−209054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1. 特許文献2は、貫通電流の防止のための、デッドタイムとは別の方式を開示する。特許文献2の技術は、ローサイドトランジスタのゲート信号とハイサイドトランジスタのゲート信号がクロスカップリングされる。具体的には、ハイサイドトランジスタへの制御信号とローサイドトランジスタのゲート信号を論理演算して、ハイサイドトランジスタのゲート信号を生成する。同様にローサイドトランジスタへの制御信号とハイサイドトランジスタのゲート信号を論理演算して、ローサイドトランジスタのゲート信号を生成する。
【0007】
この方式では、ハイサイドトランジスタのゲート信号を監視し、それが確実にオフしたことを検出した後に、ローサイドトランジスタをオンする。同様に、ローサイドトランジスタのゲート信号を監視し、それが確実にオフしたことを検出した後に、ハイサイドトランジスタをオンする。この方式によれば、貫通電流を防止できるとともに、両方のトランジスタが同時オフする時間を短くできるため、エネルギー効率的にも有利である。
さらなる高速化、高効率化のためには、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタそれぞれのゲート信号を監視し、それぞれのトランジスタがオフするタイミングを、高速かつ確実に検出することが望まれる。
【0008】
本発明のある態様は係る状況に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的のひとつは、ハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタのオフするタイミングを高速に検出することができるブリッジ出力回路の提供にある。
【0009】
2. また電子回路の分野において、ハーフブリッジ回路、Hブリッジ回路、ソースフォロア回路が多用されている。図7は、一般的なハーフブリッジ回路200の構成を示す回路図である。ハーフブリッジ回路200は、出力端子POUTから、電源電圧Vddまたは接地電圧(0V)のいずれか、あるいはそれらの中間的な電圧を出力する。
【0010】
ハーフブリッジ回路200は、パワートランジスタとしてのハイサイドトランジスタM1H、ローサイドトランジスタM1Lと、それらを駆動するプリドライバ202、204を含む。ハイサイドトランジスタM1HおよびローサイドトランジスタM1Lは、電源端子PVDDと接地ラインPGNDの間に直列に接続されている。ハイサイドトランジスタM1Hは、NチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、ローサイドトランジスタM1Lは、PチャンネルMOSFETである。
【0011】
プリドライバ202、204は、制御信号S11にもとづいて、ハイサイドトランジスタM1H、ローサイドトランジスタM1Lを相補的にオンさせる。ハイサイドトランジスタM1Hがオンのとき、出力電圧Voutは電源電圧Vddとなり、ローサイドトランジスタM1Lがオンのとき、出力電圧Voutは接地電圧0[V]となる。
【0012】
ハイサイド側のプリドライバ202はハイサイドトランジスタM1Hの制御端子(ゲート)に、制御信号S11に応じて、ハイレベル(Vdd)またはローレベル(VL)のゲート電圧Vg1を与える。同様にローサイド側のプリドライバ204は、制御信号S11にもとづいて、ローサイドトランジスタM1Lのゲートに、制御信号S11に応じて、ハイレベル(VH)またはローレベル(0V)のゲート電圧Vg2を与える。
【0013】
ゲート電圧Vg1のローレベルの電位VLは、ハイサイドトランジスタM1Hのゲートソース間耐圧を考慮して決定する必要がある。具体的には、ゲートソース間電圧(Vdd−VL)が、その耐圧を超えないよう設計される。
【0014】
一般に、プリドライバ202、204はそれぞれ、CMOS型のインバータを含む。図7において、プリドライバ202は、電源電圧Vddとローレベル電圧VLの間に直列に設けられた2つのトランジスタM12、M13を含む。ローレベル電圧VLは、図示しないレギュレータなどの定電圧回路により生成された電圧であってもよいし、接地電圧であってもよい。
【0015】
かかる構成において、ハイサイドトランジスタM1Hをオフからオンに切りかえる動作について検討する。
ハイサイドトランジスタM1Hをオフする際に、プリドライバ202はハイサイドトランジスタM1Hのゲート電圧Vg1をハイレベル(Vdd)からローレベル(VL)に遷移させる。プリドライバ202の内部に着目すると、トランジスタM12がオン、トランジスタM13がオフの状態から、トランジスタM12がオフ、トランジスタM13がオンの状態に遷移する。
【0016】
この遷移にともなって、ハイサイドトランジスタM1Hのゲート容量から、トランジスタM13を介して急峻な電流IM3が流れる。このとき定電圧回路のフィードバックが遅れると、ローレベル電圧VLが瞬時的に上昇する。ローレベル電圧VLが上昇すると、ゲート電圧Vg1が上昇するため、ハイサイドトランジスタM1Hのゲートソース間電圧がしきい値電圧Vtより低くなり、意図せずしてオフするという誤動作が発生する。
【0017】
この問題を解決するアプローチは、能力の低いプリドライバ202を用いることである。つまりトランジスタM13としてオン抵抗の大きなデバイス(サイズの小さなMOSFETや、バイポーラトランジスタ)を選択し、トランジスタM13を介して定電圧回路に流れ込む電流を制限することにより、ローレベル電圧VLの上昇を抑制できる。しかしながらこのアプローチを採ると、ハイサイドトランジスタM1Hのスイッチング速度が低下するという問題がある。
【0018】
かかる問題は、ローサイドトランジスタM1Lにおいても発生しうるし、Hブリッジ回路やソースフォロア回路においても発生しうる。
【0019】
本発明のある態様は係る課題に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的のひとつは、高速にオン、オフをスイッチング可能な出力回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
1. 本発明のある態様は、出力端子から制御信号に応じた電圧レベルを有する出力信号を出力するブリッジ出力回路に関する。ブリッジ出力回路は、第1固定電圧端子と出力端子の間に設けられたハイサイドトランジスタと、出力端子と第2固定電圧端子の間に設けられたローサイドトランジスタと、ローサイドトランジスタのゲート信号を所定の第1レベルと比較することによってローサイドトランジスタがオフしたことを検出し、ローサイドトランジスタのオフを検出するとアサートされるローサイドオフ検出信号を生成するローサイドオフ検出回路と、ハイサイドトランジスタのゲート信号を所定の第2レベルと比較することによってハイサイドトランジスタがオフしたことを検出し、ハイサイドトランジスタのオフを検出するとアサートされるハイサイドオフ検出信号を生成するハイサイドオフ検出回路と、制御信号とローサイドオフ検出信号にもとづき、ハイサイドトランジスタのゲート信号を生成するハイサイドドライバと、制御信号とハイサイドオフ検出信号にもとづき、ローサイドトランジスタのゲート信号を生成するローサイドドライバと、を備える。ローサイドオフ検出回路は、ローサイドトランジスタと同型であり、その第1端子が第2固定電圧端子に接続され、そのゲートにローサイドトランジスタのゲート信号を受けるローサイド検出トランジスタと、ローサイド検出トランジスタの第2端子と第3固定電圧端子の間に設けられた第1抵抗と、第1抵抗と並列に設けられ、制御信号がローサイドトランジスタのオフを指示するレベルをとるときに導通し、オンを指示するレベルをとるとき遮断する第1バイパス回路と、を含む。ローサイドオフ検出回路は、ローサイド検出トランジスタの第2端子の信号を、ローサイドオフ検出信号として出力する。
【0021】
第1ローサイドオフ検出回路において、ローサイドトランジスタのゲート信号がオンを指示するレベルからオフを指示するレベルに遷移するタイミングに先立ち、第1バイパス回路が導通し、ローサイド検出トランジスタに接続される合成抵抗が低下し、応答性を高めることができる。また、ローサイドトランジスタおよび第1ローサイド検出トランジスタがオンした状態においては、第1バイパス回路が遮断するため、第2端子からローサイド検出トランジスタを介して流れる電流を低減できる。
【0022】
ハイサイドオフ検出回路は、ハイサイドトランジスタと同型であり、その第1端子が第1固定電圧端子に接続され、そのゲートにハイサイドトランジスタのゲート信号を受けるハイサイド検出トランジスタと、ハイサイド検出トランジスタの第2端子と第4固定電圧端子の間に設けられた第2抵抗と、第2抵抗と並列に設けられ、制御信号がハイサイドトランジスタのオフを指示するレベルをとるときに導通し、オンを指示するレベルをとるとき遮断する第2バイパス回路と、を含んでもよい。ハイサイドオフ検出回路は、ハイサイド検出トランジスタの第2端子の信号を、ローサイドオフ検出信号として出力してもよい。
この態様によれば、第1ローサイドオフ検出回路により、ローサイドトランジスタがオフしたことを高速に検出できる。また、第1ローサイドオフ検出回路の消費電流を低減できる。
【0023】
第1バイパス回路は、第1抵抗よりも抵抗値の小さい第1バイパス抵抗と、第1バイパス抵抗と直列に設けられ、制御信号に応じてオン、オフが切りかえられる第1スイッチと、を含んでもよい。
【0024】
第2バイパス回路は、第2抵抗よりも抵抗値の小さい第2バイパス抵抗と、第2バイパス抵抗と直列に設けられ、制御信号に応じてオン、オフが切りかえられる第2スイッチと、を含んでもよい。
【0025】
2. 本発明のある態様は、出力端子から制御信号に応じた電圧を出力する出力回路に関する。この出力回路は、出力端子と電位の固定された第1端子の間に設けられた出力トランジスタと、出力トランジスタのゲートと第1端子の間に設けられた第1抵抗と、出力トランジスタのゲートと、電位の固定された第2端子の間に設けられた第1オントランジスタを含む第1オン回路と、出力トランジスタのゲートと、電位の固定された第3端子の間に設けられた第2オントランジスタを含む第2オン回路と、を備える。出力トランジスタのオンを指示するオン制御信号がアサートされると、第1、第2オントランジスタをともにオン状態とした後、第1オントランジスタをオフする。
【0026】
この態様によると、第1抵抗には、第1オントランジスタと第2オントランジスタそれぞれに流れる電流の合成電流が流れる。したがって、オン制御信号がアサートされた後は、第1抵抗の電圧降下が一時的に大きくなり、出力トランジスタのオンの速度を速めることができる。その後、第1オントランジスタがオフすると、第1抵抗に流れる電流が小さくなるため、消費電流を低減することができる。
【0027】
第1オン回路は、出力トランジスタのゲートと第1端子の電位差を監視し、当該電位差が所定値に達するとアサートされる第1オントランジスタをオフするためのオフ信号を生成するゲート電圧監視部を含み、オン制御信号とオフ信号にもとづき、第1オントランジスタを制御してもよい。
【0028】
第1オン回路は、オン制御信号がアサートされた後、所定時間経過後にアサートされるオフ信号を生成する遅延回路を含み、オン制御信号とオフ信号にもとづき、第1オントランジスタを制御してもよい。
【0029】
第1オン回路は、第1オントランジスタと直列に設けられた第2抵抗を含んでもよい。
【0030】
第2オントランジスタは、オン制御信号がアサートされるとき、所定の定電流を発生させてもよい。この場合、第1オントランジスタがオフし、第2オントランジスタがオンする期間において、出力トランジスタのゲート電圧を、
Vdd−R1×Ic
に安定化することができる。ここでVddは第1端子の電位、R1は第1抵抗の抵抗値、Icは定電流の値である。
【0031】
ある態様の出力回路は、出力トランジスタのゲートと第1端子の電位差を所定値にクランプするクランプ回路をさらに備えてもよい。
クランプ回路を設けることにより、出力トランジスタを保護できる。
【0032】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0033】
本発明のある態様によれば、ハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタのオフするタイミングを高速に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施の形態に係るブリッジ出力回路の構成を示す回路図である。
【図2】図2(a)、(b)は、図1のローサイドオフ検出回路、ハイサイドオフ検出回路の構成を示す回路図である。
【図3】図1のブリッジ出力回路の動作を示すタイムチャートである。
【図4】変形例に係るローサイドオフ検出回路の構成を示す回路図である。
【図5】変形例に係るブリッジ出力回路の構成を示す回路図である。
【図6】図5のハイサイドオフ検出回路の構成例を示す回路図である。
【図7】一般的なハーフブリッジ回路の構成を示す回路図である。
【図8】第2の実施の形態に係る出力回路の構成を示す回路図である。
【図9】図8の出力回路の動作を示すタイムチャートである。
【図10】変形例に係る出力回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0036】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0037】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係るブリッジ出力回路100の構成を示す回路図である。ブリッジ出力回路100は、入力端子102に制御信号SINを受け、そのレベルに応じた電圧レベルを有する出力信号SOUTを出力端子104から出力する。本実施の形態では、制御信号SINがハイレベルのとき、出力信号SOUTは電源電圧Vddをとり、制御信号SINがローレベルのとき、出力信号SOUTは接地電圧(0V)をとる。
【0038】
ブリッジ出力回路100は、ハイサイドトランジスタM1、ローサイドトランジスタM2、ローサイドオフ検出回路10、ハイサイドオフ検出回路20、ハイサイドドライバ30、ローサイドドライバ40を備える。
【0039】
ハイサイドトランジスタM1は、第1固定電圧端子(電源端子106)と出力端子104の間に設けられる。ローサイドトランジスタM2は、出力端子104と第2固定電圧端子(接地端子108)の間に設けられる。ハイサイドトランジスタM1およびローサイドトランジスタM2はいわゆるハーフブリッジ回路を形成している。
【0040】
出力端子104の出力信号SOUTは、ハイサイドトランジスタM1がオン、ローサイドトランジスタM2がオフした状態において電源電圧Vddをとる。出力信号SOUTは、ハイサイドトランジスタM1がオフ、ローサイドトランジスタM2がオンした状態において、接地電圧(0V)をとる。
【0041】
ローサイドオフ検出回路10は、ローサイドトランジスタM2のゲート信号SGの電圧レベルを所定の第1レベルTHと比較することによって、ローサイドトランジスタM2がオフしたことを検出する。ローサイドオフ検出回路10は、ローサイドトランジスタM2のオフを検出するとアサート(ハイレベル)されるローサイドオフ検出信号S1を生成する。
【0042】
ハイサイドオフ検出回路20は、ハイサイドトランジスタM1のゲート信号SGの電圧レベルを所定の第2レベルTHと比較することによってハイサイドトランジスタM1がオフしたことを検出する。ハイサイドオフ検出回路20は、ハイサイドトランジスタM1のオフを検出するとアサート(ローレベル)されるハイサイドオフ検出信号S2を生成する。インバータ24は、ハイサイドオフ検出信号S2を反転する。反転されたハイサイドオフ検出信号#(#は論理反転を示す)S2は、ハイサイドトランジスタM1のオフとともにハイレベルとなる。
【0043】
ハイサイドドライバ30は、制御信号SINとローサイドオフ検出信号S1にもとづき、ハイサイドトランジスタM1のゲート信号SGを生成する。
制御信号SINがハイレベルであり、かつローサイドオフ検出信号S1がアサート(ハイレベル)されるとき、ゲート信号SGはハイサイドトランジスタM1をオンするレベル(ローレベル)をとる。それ以外のとき、ゲート信号SGはハイサイドトランジスタM1をオフするレベル(ハイレベル)をとる。
【0044】
ハイサイドドライバ30は、NANDゲート32、インバータ36、38、トランジスタM3、M9を含む。
【0045】
NANDゲート32は、制御信号SINとローサイドオフ検出信号S1の否定論理積SG’を生成する。インバータ36、38は直列に接続され、NANDゲート32の出力信号SG’を順に反転増幅する。ゲート信号SGは、NANDゲート32の出力信号SG’と同じ論理レベルをとる。インバータ36、インバータ38はそれぞれ、トランジスタM11、M12のペア、トランジスタM5、M6のペアを含む一般的な構成である。
【0046】
トランジスタM3は、ハイサイドトランジスタM1を高速にオフするために、ハイサイドトランジスタM1のゲートソース間に設けられる。トランジスタM3がオンすると、ハイサイドトランジスタM1のゲートソース間電圧が0Vとなるため、ハイサイドトランジスタM1は直ちにオフする。
トランジスタM9はインバータ36と38の間に設けられ、2つのインバータの接続ノードの電位を急速にローレベルに変化させるために設けられる。つまり、トランジスタM3と同様に、ハイサイドトランジスタM1を高速にオフ方向に作用する。
【0047】
ローサイドドライバ40は、制御信号SINとハイサイドオフ検出信号S2にもとづき、ローサイドトランジスタM2のゲート信号SGを生成する。
制御信号SINがローレベルであり、かつハイサイドオフ検出信号S2がアサート(ローレベル)されるとき、ゲート信号SGはローサイドトランジスタM2をオンするレベル(ハイレベル)をとる。それ以外のとき、ゲート信号SGはローサイドトランジスタM2をオフするレベル(ローレベル)をとる。
【0048】
ローサイドドライバ40は、インバータ42、ANDゲート44、インバータ46、48、トランジスタM4、M10を含む。
【0049】
インバータ42は、制御信号SINを反転する。ANDゲート44は、反転された制御信号#SINと、反転されたハイサイドオフ検出信号#S2の論理積SG’を生成する。インバータ46、48は直列に接続され、ANDゲート44の出力信号SG’を順に反転増幅する。ゲート信号SGは、ANDゲート44の出力信号SG’と同じ論理レベルをとる。インバータ46、インバータ48はそれぞれ、トランジスタM13、M14のペア、トランジスタM7、M8のペアを含む一般的な構成である。
【0050】
トランジスタM4は、ローサイドトランジスタM2を高速にオフするために、ローサイドトランジスタM2のゲートソース間に設けられる。トランジスタM4がオンすると、ローサイドトランジスタM2のゲートソース間電圧が0Vとなるため、ローサイドトランジスタM2は直ちにオフする。
トランジスタM10はインバータ46と48の間に設けられ、2つのインバータの接続ノードの電位を急速にハイレベルに変化させるために設けられる。つまり、トランジスタM4と同様に、ローサイドトランジスタM2を高速にオフする方向に作用する。
【0051】
図2(a)、(b)は、図1のローサイドオフ検出回路10、ハイサイドオフ検出回路20の構成を示す回路図である。
【0052】
図2(a)のローサイドオフ検出回路10は、ローサイド検出トランジスタMs、第1抵抗R11、第1バイパス回路12を含む。ローサイド検出トランジスタMsはローサイドトランジスタM2と同型のNチャンネルMOSFETであり、その第1端子(ソース)が第2固定電圧端子(接地端子108)に接続され、そのゲートにローサイドトランジスタM2のゲート信号SGを受ける。
【0053】
第1抵抗R11は、ローサイド検出トランジスタMsの第2端子(ドレイン)と第3固定電圧端子(電源端子106)の間に設けられる。ローサイド検出トランジスタMsのゲートソース間のしきい値電圧は、上述の第1レベルTHに対応し、ローサイドトランジスタM2のゲートソース間しきい値電圧Vtnと等しいことが望ましい。つまりローサイド検出トランジスタMsのオン、オフ状態は、ローサイドトランジスタM2のオン、オフ状態に追従する。
【0054】
第1バイパス回路12は、第1抵抗R11と並列に設けられる。第1バイパス回路12は、制御信号SINがローサイドトランジスタM2のオフを指示するレベル(ローレベル)をとるときに導通し、オンを指示するレベル(ハイレベル)をとるとき遮断する。第1バイパス回路12は、その経路に、第1抵抗R11より小さな抵抗成分を有する。
【0055】
第1バイパス回路12は、第1抵抗R11よりも抵抗値の小さい第1バイパス抵抗R12と、第1バイパス抵抗R12と直列に設けられ、制御信号#SINに応じてオン、オフが切りかえられる第1スイッチMsw1と、を含む。
【0056】
ローサイドオフ検出回路10は、ローサイド検出トランジスタMsの第2端子(ドレイン)の信号を、ローサイドオフ検出信号S1として出力する。
図2(a)のローサイドオフ検出回路10によれば、ゲート信号SGの電圧レベルを、第1レベルTH(=Vtn)と比較することによって、ローサイドトランジスタM2のオン、オフ状態を検出することができる。
【0057】
図2(b)のハイサイドオフ検出回路20は、ハイサイド検出トランジスタMs、第2抵抗R21、第2バイパス回路22を含む。
ハイサイド検出トランジスタMsは、ハイサイドトランジスタM1と同型のPチャンネルMOSFETであり、その第1端子(ソース)が第1固定電圧端子(電源端子106)に接続され、そのゲートにハイサイドトランジスタM1のゲート信号SGを受ける。
第2抵抗R21は、ハイサイド検出トランジスタMsの第2端子(ドレイン)と第4固定電圧端子(接地端子108)の間に設けられる。
ハイサイド検出トランジスタMsのゲートソース間のしきい値電圧は、上述の第2レベルTHに対応し、ハイサイドトランジスタM1のゲートソース間しきい値電圧Vtpと等しいことが望ましい。つまりハイサイド検出トランジスタMsのオン、オフ状態は、ハイサイドトランジスタM1のオン、オフ状態に追従する。
【0058】
第2バイパス回路22は、第2抵抗R21と並列に設けられ、制御信号SINがハイサイドトランジスタM1のオフを指示するレベル(ハイレベル)をとるときに導通し、オンを指示するレベル(ローレベル)をとるとき遮断する。第2バイパス回路22は、その経路に、第2抵抗R21より小さな抵抗成分を有する。
【0059】
第2バイパス回路22は、第2抵抗R21よりも抵抗値の小さい第2バイパス抵抗R22と、第2バイパス抵抗R22と直列に設けられ、制御信号SINに応じてオン、オフが切りかえられる第2スイッチMsw2と、を含む。
【0060】
ハイサイドオフ検出回路20は、ハイサイド検出トランジスタMsの第2端子(ドレイン)の信号を、ハイサイドオフ検出信号S2として出力する。図2(b)のハイサイドオフ検出回路20によれば、ゲート信号SGの電圧レベルを、第2レベルTH(=Vdd−Vtp)と比較することによって、ハイサイドトランジスタM1のオン、オフ状態を検出することができる。
【0061】
続いて、ブリッジ出力回路100の動作を説明する。図3は、図1のブリッジ出力回路100の動作を示すタイムチャートである。時刻t0より前、制御信号SINはローレベルであり、ハイサイドトランジスタM1がオフ、ローサイドトランジスタM2がオンしている。
【0062】
時刻t0に、制御信号SINがローレベルからハイレベルへと遷移し、ハイサイドトランジスタM1のオン、ローサイドトランジスタM2のオフが指示される。
制御信号SINがハイレベルとなり、ローサイドトランジスタM2のゲート信号SGがハイレベル(Vdd)からローレベル(0V)へと変化する。時刻t1に、ゲート信号SGの電圧レベルがしきい値電圧Vtnより低くなると、ローサイドトランジスタM2がオフするとともに、ローサイドオフ検出回路10によってローサイドオフ検出信号S1がアサートされる。
【0063】
ローサイドオフ検出信号S1がアサートされると、ハイサイドトランジスタM1のゲート信号SGがハイレベル(Vdd)からローレベル(0V)へと変化し始める。時刻t2にゲート信号SGの電圧レベルが、第2しきい値TH(=Vdd−Vtp)より低くなると、ハイサイドトランジスタM1がオンする。
【0064】
時刻t3に、制御信号SINがハイレベルからローレベルに遷移し、ハイサイドトランジスタM1のオフ、ローサイドトランジスタM2のオンが指示される。時刻t3〜t5においてハイサイドオフ検出回路20により時刻t0〜t2と同様の処理が実行される。
【0065】
以上がブリッジ出力回路100の動作である。
ブリッジ出力回路100によれば、時刻t1〜t2の区間および時刻t4〜t5の区間が、ハイサイドトランジスタM1とローサイドトランジスタM2が同時にオフするデッドタイムとなる。
【0066】
図2(a)、(b)に示すローサイドオフ検出回路10、ハイサイドオフ検出回路20によれば、ローサイドトランジスタM2、ハイサイドトランジスタM1それぞれのオンからオフへの遷移を高速に検出することができるため、デッドタイムを短くすることができ、回路の効率を高めることができる。
【0067】
また、ローサイドオフ検出回路10は、ローサイドトランジスタM2のオンからオフへの切りかえを検出する回路であるから、以下の特性を有することが望ましい。
(特性1)ローサイドトランジスタM2がオンしている期間に、高速動作する。
(特性2)ローサイドトランジスタM2がオフしている期間は動作している必要はなく、その間の消費電力は小さいことが望ましい。
【0068】
図2(a)のローサイドオフ検出回路10によれば、制御信号#SINがハイレベル(SINがローレベル)の期間、つまりローサイドトランジスタM2がオフしている期間は、第1スイッチMsw1がオフしているため、ローサイドオフ検出回路10の、電源端子106から接地端子108に流れる電流を低減することができる。つまり、上記(特性2)が実現されている。
また制御信号#SINがローレベル(SINがハイレベル)の期間、つまりローサイドトランジスタM2がオンしている期間は、第1スイッチMsw1もオンしているため、ローサイド検出トランジスタMsのドレインに接続される負荷のインピーダンスが低くなるため、ローサイドオフ検出回路10の応答速度を高めることができる。つまり、上記の(特性1)が実現されている。
【0069】
また、ハイサイドオフ検出回路20は、ハイサイドトランジスタM1のオンからオフへの切りかえを検出する回路であるから、以下の特性を有することが望ましい。
(特性3)ハイサイドトランジスタM1がオンしている期間に、高速動作する。
(特性4)ハイサイドトランジスタM1がオフしている期間は動作している必要はなく、その間の消費電力は小さいことが望ましい。
【0070】
図2(b)のハイサイドオフ検出回路20によれば、(特性3)、(特性4)が実現できる。
【0071】
また、図1において、各トランジスタの出力インピーダンス(オン抵抗R)は以下の関係を満たすことが望ましい。添え字はトランジスタの番号を示す。
M3<RM6
M9<RM11
M4<RM7
M10<RM14
この関係を満たすように各トランジスタのサイズを決定することにより、ハイサイドトランジスタM1とローサイドトランジスタM2の同時オンを、より確実に防止することができる。
【0072】
(変形例)
図4は、変形例に係るローサイドオフ検出回路10aの構成を示す回路図である。
【0073】
ローサイドオフ検出回路10aは、トランジスタM20〜M23、インバータ50を含む。トランジスタM21〜M23は、ローサイドトランジスタM2と同型トランジスタ(NチャンネルMOSFET)であり、トランジスタM22はPチャンネルMOSFETである。
【0074】
トランジスタM20〜M22は、電源端子106と接地端子108の間に、順の直列に接続される。トランジスタM20〜M22のゲートには、ローサイドトランジスタM2のゲート信号SGが入力されている。インバータ50は、トランジスタM20とM21の接続点の信号を反転し、ローサイドオフ検出信号S1として出力する。トランジスタM23はトランジスタM22と並列に設けられており、そのゲートには、ローサイドオフ検出信号S1が入力される。ローサイドオフ検出回路10aは、ゲート信号SGを第1しきい値THと比較し、比較結果に応じたローサイドオフ検出信号S1を生成する。
【0075】
ローサイドオフ検出回路10aによれば、図2(a)のローサイドオフ検出回路10と同様に、デッドタイムを短くし、エネルギー効率を高めることができる。またローサイドオフ検出回路10aは、各トランジスタのゲート長、ゲート幅を調節することにより、第1しきい値THを調整することができる。さらにその第1しきい値THにヒステリシス特性をもたせることができ、ノイズ耐性を高めることができる。
【0076】
図4のPチャンネルMOSFETとNチャンネルMOSFETと置換し、電源端子106と接地端子108を反転することにより、変形例に係るハイサイドオフ検出回路20を構成できることが当業者には理解できる。
【0077】
図5は、変形例に係るブリッジ出力回路100bの構成を示す回路図である。図5のブリッジ出力回路100bについて、図1のブリッジ出力回路100との相違点を中心に説明する。
【0078】
図1においてハイサイドトランジスタM1がPチャンネルMOSFETであったのに対して、図5のハイサイドトランジスタM1はNチャンネルMOSFETである。
ブリッジ出力回路100bには、2つの電源端子106、107が設けられ、それぞれに、電源電圧VCC1、VCC2が供給されている。ただしVCC1>VCC2である。
【0079】
ローサイドの構成は、図1のローサイド側と同様である。
【0080】
NチャンネルMOSFETのハイサイドトランジスタM1をオンするためには、そのゲートに、(VCC1+Vtn)より高い電位のゲート信号SGを印加する必要がある。Vtnは、ハイサイドトランジスタM1のゲートソース間のしきい値電圧である。ハイサイドドライバ30bは、ハイサイドトランジスタM1をオンするとき電源電圧VCC2、オフするとき接地電圧(0V)となるゲート信号SGを生成する。つまり、
VCC2>VCC1+Vtn
が成立する。
【0081】
ANDゲート33は、制御信号SINとローサイドオフ検出信号S1の論理積SG’を発生する。論理積SG’はVCC1または0Vをとる。
【0082】
レベルシフト回路LS1は、VCC1−0Vの間でスイッチングするゲート信号SG’を、VCC2−0Vの間でスイッチングするゲート信号SG’’に変換する。インバータ36、38には、電源電圧VCC2が供給され、ゲート信号SG’’を順に反転する。
【0083】
図6は、図5のハイサイドオフ検出回路20bの構成例を示す回路図である。
ハイサイドオフ検出回路20bは、ハイサイド検出トランジスタMs、第2抵抗R31、第2バイパス回路22bを含む。
ハイサイド検出トランジスタMsは、ハイサイドトランジスタM1と同型のNチャンネルMOSFETであり、その第1端子(ソース)が出力端子104と接続され、そのゲートにハイサイドトランジスタM1のゲート信号SGを受ける。
第2抵抗R31は、ハイサイド検出トランジスタMsの第2端子(ドレイン)と電源端子107の間に設けられる。ハイサイド検出トランジスタMsのオン、オフ状態は、ハイサイドトランジスタM1のオン、オフ状態に追従する。
【0084】
第2バイパス回路22bは、第2抵抗R31と並列に設けられ、制御信号SINがハイサイドトランジスタM1のオフを指示するレベル(ハイレベル)をとるときに導通し、オンを指示するレベル(ローレベル)をとるとき遮断する。第2バイパス回路22bは、その経路に、第2抵抗R31より小さな抵抗成分を有する。
【0085】
第2バイパス回路22bは、第2抵抗R31よりも抵抗値の小さい第2バイパス抵抗R32と、第2バイパス抵抗R32と直列に設けられ、反転制御信号#SINに応じてオン、オフが切りかえられる第2スイッチMsw2と、を含む。
【0086】
レベルシフト回路LS2は、反転制御信号#SINをレベルシフトして第2スイッチMsw2のゲートに印加する。レベルシフト回路LS3は、VCC2−0Vの間でスイッチングする信号S2’を、VCC1−0Vの間でスイッチングするハイサイドオフ検出信号S2にレベルシフトする。
【0087】
図6のハイサイドオフ検出回路20によれば、ゲート信号SGの電圧レベルを、第2レベルTH(=VCC1+Vtn)と比較することによって、ハイサイドトランジスタM1のオン、オフ状態を検出することができる。
【0088】
図5のブリッジ出力回路100bによれば、図1のブリッジ出力回路100と同様に、ハイサイドトランジスタM1とローサイドトランジスタM2の貫通電流を防止できるとともに、両方のトランジスタが同時オフする時間を短くできるため、エネルギー効率的を改善できる。
【0089】
以上、本発明のある態様について、第1の実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0090】
実施の形態では、ハーフブリッジ回路を例に説明したが、ハーフブリッジ回路を2対設けたフルブリッジ構成にも本発明は有効である。
【0091】
たとえば、実施の形態に係る出力回路は、モータドライバ、スイッチングレギュレータ、放電灯の点灯用インバータ、デジタルオーディオアンプなどに好適に利用できる。
【0092】
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態に係る出力回路100の構成を示す回路図である。出力回路100は、その出力端子POUTから、オン制御信号SONおよびオフ制御信号SOFFのレベルに応じて、電源電圧Vddとそれとは異なる電圧(たとえば接地電圧)のいずれか一方を出力する。出力回路100は、ハーフブリッジ回路の一部、Hブリッジ回路の一部、あるいはソースフォロア回路の一部である。
【0093】
出力回路100は、出力パワートランジスタ(以下、単に出力トランジスタという)M1、第1抵抗R1、第1オン回路110、第2オン回路120、オフ回路130、第1クランプ回路140、第2クランプ回路142を備える。ブリッジ出力回路100のうち、ハイサイドトランジスタM1を除く回路を、ハイサイドドライバ30cと称する。
【0094】
出力トランジスタM1は、出力端子POUTと電位の固定された第1端子(電源端子PVDD)の間に設けられる。出力トランジスタM1はPチャンネルMOSFETであり、そのソースは電源端子PVDDに、そのドレインは出力端子POUTに接続される。
【0095】
オフ回路130は、出力トランジスタM1をオフするために設けられる。オフ回路130は、出力トランジスタM1をオフすべき期間においてアサート(ハイレベル)されるオフ制御信号SOFFを受ける。オフ回路130は、出力トランジスタM1のゲートソース間に設けられたオフトランジスタMOFFを含む。オフ制御信号SOFFがアサートされるとオフトランジスタMOFFがオンし、出力トランジスタM1のゲートソース間電圧がMOSFETのしきい値電圧Vtより小さくなり、出力トランジスタM1はオフする。
【0096】
第1抵抗R1、第1オン回路110、第2オン回路120は、出力トランジスタM1をオンするために設けられるオン回路である。このオン回路は、出力トランジスタM1をオンすべき期間においてアサート(ハイレベル)されるオン制御信号SONを受ける。
【0097】
第1抵抗R1は、出力トランジスタM1のゲートと第1端子(電源端子PVDD)の間に設けられる。
第1オン回路110は、出力トランジスタM1のゲートと、電位の固定された第2端子P2の間に設けられた第1オントランジスタMON1を含む。第1オントランジスタMON1に流れる電流を、第1電流ION1と称する。
【0098】
第2オン回路120は、出力トランジスタM1のゲートと、電位の固定された第3端子P3の間に設けられた第2オントランジスタMON2を含む。第2端子P2と第3端子P3は、共通の電位VLに固定されてもよいし、異なる電位に固定されてもよい。たとえば第2端子P2と第3端子P3は接地端子であってもよい。第2オントランジスタMON2に流れる電流を、第2電流ION2と称する。
【0099】
出力回路100は、オン制御信号SONがアサートされると、第1オントランジスタMON1、第2オントランジスタMON2をともにオン状態とする。その後、出力回路100は、第1オントランジスタMON1をオフする。
【0100】
より具体的には、第1オン回路110は、第1オントランジスタMON1に加えて、ANDゲート112およびゲート電圧監視部114を含む。
ゲート電圧監視部114は、出力トランジスタM1のゲートと第1端子(電源端子PVDD)の電位差ΔV、すなわち出力トランジスタM1のゲートソース間電圧Vgsを監視し、監視結果に応じて、第1オントランジスタMON1のオフを指示するオフ信号S12を生成する。ゲート電圧監視部114は、電位差Vgsが所定値Vth1に達すると、それを契機としてオフ信号S12をアサート(ローレベル)する。ゲート電圧監視部114は遅延τ1を有しており、ゲートソース間電圧Vgsがしきい値Vth1に達してから遅延τ1経過後に、オフ信号S12がアサートされる。しきい値Vth1は、遅延τ1を考慮して最適化される。
【0101】
ANDゲート112は、オフ信号S12とオン制御信号SONの論理積を生成し、第1オントランジスタMON1のゲートに出力する。この構成によれば、第1オントランジスタMON1、第2オントランジスタMON2をともにオン状態とした後、第1オントランジスタMON1をオフすることができる。
【0102】
第1オン回路110はさらに電流制限用抵抗R2を含む。電流制限用抵抗R2は、第1オントランジスタMON1の経路上、つまりそのドレインと出力トランジスタM1のゲートの間に設けられる。電流制限用抵抗R2の抵抗値を最適化することにより、出力トランジスタM1に流れる電流ION1を最適化できる。
【0103】
第2オン回路120の第2オントランジスタMON2は、オン制御信号SONがアサートされるとき、所定の定電流ION2を発生することが望ましい。
【0104】
第2オン回路120は、第2オントランジスタMON2に加えて、トランジスタM34、M35、定電流源122、インバータ124を含む。定電流源122は定電流Icを生成する。トランジスタM34は第2オントランジスタMON2と同じ導電型(Nチャンネル)MOSFETであり、定電流Icの経路上に設けられる。トランジスタM34と第2オントランジスタMON2はカレントミラー回路を形成しており、定電流Icをk倍(kはミラー比)することにより第2電流ION2を発生する。
【0105】
トランジスタM35は、第2オントランジスタMON2のオン、オフを制御するために第2オントランジスタMON2のゲートソース間に設けられる。トランジスタM35のゲートには、インバータ124により反転されたオン制御信号#SON(#は論理反転を示す)が入力される。オン制御信号SONがアサート(ハイレベル)されるとトランジスタM35がオフ、第2オントランジスタMON2がオンすることにより、第2電流ION2が生成される。オン制御信号SONがネゲート(ローレベル)されるとトランジスタM35がオン、第2オントランジスタMON2がオフすることにより、第2電流ION2が遮断される。
【0106】
第1クランプ回路140は、出力トランジスタM1のゲートと第1端子PVDDの電位差、つまりゲートソース間電圧Vgsを所定の第1クランプ値VCL1にクランプする。第1クランプ回路140は、出力トランジスタM1のゲートソース間に逆接続されたダイオードD1を含む。所定値VCLはダイオードD1のツェナー電圧Vzと等しい。
【0107】
第2クランプ回路142は、出力トランジスタM1のゲートソース間に設けられたバイポーラトランジスタQ1と、トランジスタQ1のベースエミッタ間に設けられた抵抗R3と、トランジスタQ1のベースコレクタ間に逆接続されたダイオードD2を含み、ゲートソース間電圧Vgsを所定のクランプ値VCL2にクランプする。
【0108】
本実施の形態において、
CL1<VCL
が成り立つ。第1クランプ値VCL1は、出力トランジスタM1のゲートソース間電圧の最大動作電圧より小さく設定し、第2クランプ値VCL2は、出力トランジスタM1のゲートソース間電圧Vgsの絶対最大定格電圧より小さく設定することが望ましい。
【0109】
以上が出力回路100の構成である。続いてその動作を説明する。図9は、図8の出力回路100の動作を示すタイムチャートである。
【0110】
時刻t0に、オン制御信号SONがアサート(ハイレベル)され、出力トランジスタM1のオンが指示される。これを受け、第1オントランジスタMON1、第2オントランジスタMON2がともにオンする。このとき、第1抵抗R1には、電流ION=ION1+ION2が流れる。
【0111】
第1抵抗R1の電圧降下Vgsは、以下の式で与えられるため、出力トランジスタM1のゲート電圧Vgは、瞬時に低下する。
Vgs=R1×(ION1+ION2)
【0112】
時刻t1に、ゲートソース間電圧Vgsが、出力トランジスタM1のしきい値電圧Vtより大きくなり、出力トランジスタM1がオンする。
【0113】
その後、時刻t2に、ゲートソース間電圧Vgsがゲート電圧監視部114に設定されたしきい値Vth1に達し、その後、遅延τ1経過後の時刻t3に、オフ信号S12がアサート(ローレベル)となる。
【0114】
時刻t2からt3の間、ゲート電圧Vgの低下にともない、第1クランプ回路140、第2クランプ回路142が順に動作し、ゲート電圧Vgは(Vdd−VCL2)のレベルで保持される。
【0115】
時刻t3にオフ信号S12がアサートされると、第1オントランジスタMON1がオフし、第1抵抗R1に流れる電流IONは、第2電流ION2と等しくなる。その結果、第1抵抗R1の電圧降下が小さくなり、出力トランジスタM1のゲート電圧Vgは次第に高くなっていく。
【0116】
時刻t4にオン制御信号SONがネゲート(ローレベル)されると、第2オントランジスタMON2がオフし、第1抵抗R1の電圧降下が実質的にゼロとなり、出力トランジスタM1はオフする。
【0117】
以上が出力回路100の動作である。
出力回路100によれば、出力トランジスタM1をオンした直後は、2つのオン回路110、120をアクティブとすることにより、出力トランジスタM1のゲート電圧Vgを急峻に低下させて、出力トランジスタM1を高速にオンすることができる。
【0118】
また、出力トランジスタM1がオンした後に、第1オン回路110を非アクティブとすることで、消費電流を低減することができる。また、出力トランジスタM1のゲートソース間電圧Vgsを最大動作電圧より小さくすることができ、信頼性を高めることができる。
【0119】
図10は、変形例に係る出力回路の構成を示す回路図である。図10の出力回路100aは、第1オン回路110aが図8の出力回路100と異なっており、その他の構成は同様である。出力回路100aのうち、ハイサイドトランジスタM1を除く回路を、ハイサイドドライバ30dと称する。
【0120】
第1オン回路110aは、図8のゲート電圧監視部114に代えて、遅延回路116を含む。遅延回路116は、オン制御SONがアサートされた後、所定時間τ2経過後にアサート(ローレベル)されるオフ信号S12を生成する。たとえば遅延回路116は、アナログタイマあるいはデジタルタイマであってもよい。あるいは、遅延回路116およびANDゲート112を、ワンショットパルス回路で構成してもよい。ワンショットパルス回路は、入力されたパルスのエッジから、所定時間の間、ハイレベル(もしくはローレベル)となるパルスを発生する回路である。
【0121】
図10の変形例に係る出力回路100aは、図9のタイムチャートと同様に動作し、図8の出力回路100と同様の効果を得ることができる。
【0122】
以上、本発明のある態様について、第2の実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0123】
実施の形態では、ハイサイド側の出力トランジスタM1としてPチャンネルMOSFETを例に説明したが、本発明はNチャンネルMOSFETにも適用できる。また、ハーフブリッジやフルブリッジ構成におけるローサイド側のパワートランジスタの誤動作防止にも本発明は有効である。
【0124】
図8あるいは図10の構成において、第1クランプ回路140や第2クランプ回路142は必ずしも設ける必要はなく、出力トランジスタM1の耐圧が十分に高い場合、もしくは電源電圧Vddが耐圧に比べて低い場合には、いずれか一方、または両方を省略してもよい。
【0125】
たとえば、第2の実施の形態に係る出力回路100は、モータドライバ、スイッチングレギュレータ、放電灯の点灯用インバータなどに好適に利用できる。
【0126】
第1の実施の形態と第2の実施の形態の組み合わせも、本発明の態様として有効である。すなわち、図1のブリッジ出力回路100において、ハイサイドドライバ30として、図8のハイサイドドライバ30cもしくは、図10のハイサイドドライバ30dを用いても良い。当然ながら、ハイサイドドライバ30cやハイサイドドライバ30dの一部の構成(たとえば第1クランプ回路140、第2クランプ回路142)を省略することも可能である。
【0127】
この場合、図1のトランジスタM3は、図8もしくは図10のオフトランジスタMOFFに置き換えられる。そして、置き換えられたオフトランジスタMOFFのゲートにはオフ制御信号SOFFとして、ローサイドドライバ40からトランジスタM3のゲートに出力される信号と同じ信号が入力される。オン制御信号SONは、図1の入力信号SINに対応する。さらに図8や図10のインバータ124は、図1のNANDゲート32によって置き換えられる。
【0128】
この組み合わせによれば、第1の実施の形態と第2の実施の形態の両方の効果を享受することができる。
【0129】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【符号の説明】
【0130】
M1…ハイサイドトランジスタ、S1…ローサイドオフ検出信号、M2…ローサイドトランジスタ、S2…ハイサイドオフ検出信号、10…ローサイドオフ検出回路、R11…第1抵抗、12…第1バイパス回路、MsL…ローサイド検出トランジスタ、M12…第1スイッチ、R12…第1バイパス抵抗、20…ハイサイドオフ検出回路、R21…第2抵抗、22…第2バイパス回路、MsH…ハイサイド検出トランジスタ、M22…第2スイッチ、R22…第2バイパス抵抗、30…ハイサイドドライバ、32…NANDゲート、36,38…インバータ、40…ローサイドドライバ、42…インバータ、44…ANDゲート、46,48…インバータ、100…ブリッジ出力回路、102…入力端子、104…出力端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力端子から制御信号に応じた電圧レベルを有する出力信号を出力するブリッジ出力回路であって、
第1固定電圧端子と前記出力端子の間に設けられたハイサイドトランジスタと、
前記出力端子と第2固定電圧端子の間に設けられたローサイドトランジスタと、
前記ローサイドトランジスタのゲート信号を所定の第1レベルと比較することによって前記ローサイドトランジスタがオフしたことを検出し、前記ローサイドトランジスタのオフを検出するとアサートされるローサイドオフ検出信号を生成するローサイドオフ検出回路と、
前記ハイサイドトランジスタのゲート信号を所定の第2レベルと比較することによって前記ハイサイドトランジスタがオフしたことを検出し、前記ハイサイドトランジスタのオフを検出するとアサートされるハイサイドオフ検出信号を生成するハイサイドオフ検出回路と、
前記制御信号と前記ローサイドオフ検出信号にもとづき、前記ハイサイドトランジスタの前記ゲート信号を生成するハイサイドドライバと、
前記制御信号と前記ハイサイドオフ検出信号にもとづき、前記ローサイドトランジスタの前記ゲート信号を生成するローサイドドライバと、
を備え、
前記ローサイドオフ検出回路は、
前記ローサイドトランジスタと同型であり、その第1端子が前記第2固定電圧端子に接続され、そのゲートに前記ローサイドトランジスタのゲート信号を受けるローサイド検出トランジスタと、
前記ローサイド検出トランジスタの第2端子と第3固定電圧端子の間に設けられた第1抵抗と、
前記第1抵抗と並列に設けられ、前記制御信号が前記ローサイドトランジスタのオフを指示するレベルをとるときに導通し、オンを指示するレベルをとるとき遮断する第1バイパス回路と、
を含み、前記ローサイド検出トランジスタの前記第2端子の信号を、前記ローサイドオフ検出信号として出力することを特徴とするブリッジ出力回路。
【請求項2】
前記ハイサイドオフ検出回路は、
前記ハイサイドトランジスタと同型であり、その第1端子が前記第1固定電圧端子に接続され、そのゲートに前記ハイサイドトランジスタのゲート信号を受けるハイサイド検出トランジスタと、
前記ハイサイド検出トランジスタの第2端子と第4固定電圧端子の間に設けられた第2抵抗と、
前記第2抵抗と並列に設けられ、前記制御信号が前記ハイサイドトランジスタのオフを指示するレベルをとるときに導通し、オンを指示するレベルをとるとき遮断する第2バイパス回路と、
を含み、前記ハイサイド検出トランジスタの前記第2端子の信号を、前記ハイサイドオフ検出信号として出力することを特徴とする請求項1に記載のブリッジ出力回路。
【請求項3】
前記第1バイパス回路は、
前記第1抵抗よりも抵抗値の小さい第1バイパス抵抗と、
前記第1バイパス抵抗と直列に設けられ、前記制御信号に応じてオン、オフが切りかえられる第1スイッチと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のブリッジ出力回路。
【請求項4】
前記第2バイパス回路は、
前記第2抵抗よりも抵抗値の小さい第2バイパス抵抗と、
前記第2バイパス抵抗と直列に設けられ、前記制御信号に応じてオン、オフが切りかえられる第2スイッチと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のブリッジ出力回路。
【請求項5】
出力端子から制御信号に応じた電圧を出力する出力回路であって、
前記出力端子と電位の固定された第1端子の間に設けられた出力トランジスタと、
前記出力トランジスタのゲートと前記第1端子の間に設けられた第1抵抗と、
前記出力トランジスタのゲートと、電位の固定された第2端子の間に設けられた第1オントランジスタを含む第1オン回路と、
前記出力トランジスタのゲートと、電位の固定された第3端子の間に設けられた第2オントランジスタを含む第2オン回路と、
を備え、
前記出力トランジスタのオンを指示するオン制御信号がアサートされると、前記第1、第2オントランジスタをともにオン状態とした後、前記第1オントランジスタをオフすることを特徴とする出力回路。
【請求項6】
前記第1オン回路は、前記出力トランジスタのゲートと前記第1端子の電位差を監視し、当該電位差が所定値に達するとアサートされる前記第1オントランジスタをオフするためのオフ信号を生成するゲート電圧監視部を含み、前記オン制御信号と前記オフ信号にもとづき、前記第1オントランジスタを制御することを特徴とする請求項5に記載の出力回路。
【請求項7】
前記第1オン回路は、前記オン制御信号がアサートされた後、所定時間経過後にアサートされるオフ信号を生成する遅延回路を含み、前記オン制御信号と前記オフ信号にもとづき、前記第1オントランジスタを制御することを特徴とする請求項5に記載の出力回路。
【請求項8】
前記第1オン回路は、前記第1オントランジスタと直列に設けられた第2抵抗を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の出力回路。
【請求項9】
前記第2オントランジスタは、前記オン制御信号がアサートされるとき、所定の定電流を発生することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の出力回路。
【請求項10】
前記出力トランジスタのゲートと前記第1端子の電位差を所定値にクランプするクランプ回路をさらに備えることを特徴とする請求項5から9のいずれかに記載の出力回路。
【請求項11】
出力端子から制御信号に応じた電圧レベルを有する出力信号を出力するブリッジ出力回路であって、
第1固定電圧端子と前記出力端子の間に設けられたハイサイドトランジスタと、
前記出力端子と第2固定電圧端子の間に設けられたローサイドトランジスタと、
前記ローサイドトランジスタのゲート信号を所定の第1レベルと比較することによって前記ローサイドトランジスタがオフしたことを検出し、前記ローサイドトランジスタのオフを検出するとアサートされるローサイドオフ検出信号を生成するローサイドオフ検出回路と、
前記ハイサイドトランジスタのゲート信号を所定の第2レベルと比較することによって前記ハイサイドトランジスタがオフしたことを検出し、前記ハイサイドトランジスタのオフを検出するとアサートされるハイサイドオフ検出信号を生成するハイサイドオフ検出回路と、
前記制御信号と前記ローサイドオフ検出信号にもとづき、前記ハイサイドトランジスタの前記ゲート信号を生成するハイサイドドライバと、
前記制御信号と前記ハイサイドオフ検出信号にもとづき、前記ローサイドトランジスタの前記ゲート信号を生成するローサイドドライバと、
を備え、
前記ローサイドオフ検出回路は、
前記ローサイドトランジスタと同型であり、その第1端子が前記第2固定電圧端子に接続され、そのゲートに前記ローサイドトランジスタのゲート信号を受けるローサイド検出トランジスタと、
前記ローサイド検出トランジスタの第2端子と第3固定電圧端子の間に設けられた第1抵抗と、
前記第1抵抗と並列に設けられ、前記制御信号が前記ローサイドトランジスタのオフを指示するレベルをとるときに導通し、オンを指示するレベルをとるとき遮断する第1バイパス回路と、
を含み、前記ローサイド検出トランジスタの前記第2端子の信号を、前記ローサイドオフ検出信号として出力し、
前記ハイサイドドライバは、
前記出力トランジスタのゲートと、電位の固定された第4固定電圧端子の間に設けられた第1オントランジスタを含む第1オン回路と、
前記出力トランジスタのゲートと、電位の固定された第5固定電圧端子の間に設けられた第2オントランジスタを含む第2オン回路と、
を備え、
前記出力トランジスタのオンを指示するオン制御信号がアサートされると、前記第1、第2オントランジスタをともにオン状態とした後、前記第1オントランジスタをオフすることを特徴とする出力回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−55470(P2011−55470A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129960(P2010−129960)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】