説明

化学気相蒸着装置用サセプタ、化学気相蒸着装置及び化学気相蒸着装置を用いる基板の加熱方法

【課題】サセプタ及び化学気相蒸着装置に関する。
【解決手段】化学気相蒸着装置用サセプタ100は、光透過性物質からなり基板101を収容するポケットを少なくとも一つ備えるサセプタ本体部104と、サセプタ本体部の上面に形成され、光吸収性物質になって前記サセプタ本体部を通過した光を吸収する光吸収部107とを含む。ポケットは、底部と、底部から上昇した位置に基板の周囲部を載せるように形成された係止段差部とを備え、係止段差部は、サセプタ本体部に形成されるか、または、ポケットまで延長されて形成された光吸収部の端部に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サセプタ及び化学気相蒸着装置に関し、より詳細には、半導体成長用基板の不均一な加熱を防止できる化学気相蒸着装置用サセプタ及びこれを含む化学気相蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子の微細化と高効率・高出力LEDの開発などにより化学的気相蒸着(Chemical Vapor Deposition;CVD)技術のうち金属有機化学的気相蒸着法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;MOCVD)に対する関心が増えている。
【0003】
このMOCVDは化学的気相成長法(CVD)の一つであり、有機金属の熱分解反応を用いて半導体基板上に金属化合物を堆積、付着させる化合物半導体の気相成長法のことを意味するが、MOCVDは反応ガスをウェーハ上で反応物質薄膜の化学的蒸気蒸着を引き起こさせながら、加熱されたウェーハ上を通過させ、連続的な処理を行ってウェーハ上に多数の層が作られるようにする。
【0004】
このとき、ウェーハ表面の全域において薄膜が均一な厚さを有するようにすることが必要となるが、このためには、ウェーハを加熱する温度がウェーハの全域において均一になるように調節することが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、サセプタに装着された基板の加熱時、基板に反り現象が発生しても、基板を均一に加熱することで優れた品質の半導体を成長させることができるサセプタ及び化学気相蒸着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面による化学気相蒸着装置用サセプタは、基板を収容するための少なくとも一つのポケットが形成された上面と該上面に対向する下面を有し、光透過性物質からなるサセプタ本体部と、該サセプタ本体部の上面に形成された光吸収性物質からなる光吸収部とを含む。
【0007】
上記ポケットは、底部と、該底部から上昇した位置に上記基板の周囲部を載せるように形成された係止段差部とを備えることができる。
【0008】
上記係止段差部は、上記サセプタ本体部に形成されるか、または、上記ポケットまで延長されて形成された上記光吸収部の端部に形成されることができる。
【0009】
上記光透過性物質は、水晶(quartz)、サファイア及び透光性セラミックからなる群のうち少なくとも一つであることができる。
【0010】
上記光吸収性物質は、黒鉛(graphite)、炭化シリコン(SiC)及び炭化シリコンがコーティングされた黒鉛からなる群のうち少なくとも一つであることができる。
【0011】
上記光吸収性物質は、波長400nm〜100μmの光を吸収することができる。
【0012】
本発明の他の側面による化学気相蒸着装置は、チャンバと、上記チャンバの内部に備えられ、基板を収容するための少なくとも一つのポケットが形成された上面と該上面に対向する下面を有し、光透過性物質からなるサセプタ本体部、該サセプタ本体部の上面に形成された光吸収性物質からなる光吸収部を含む化学気相蒸着装置用サセプタと、上記サセプタの下面を加熱するように光を放出する加熱ランプとを含むことができる。
【0013】
上記ポケットは、底部と、該底部から上昇した位置に上記基板の周囲部を載せるように形成された係止段差部とを備えることができる。
【0014】
上記基板と上記光吸収層は、結合または分離されていることができる。
【0015】
上記ポケットは、上記基板が装着される係止段差部と底を含み、上記ポケットの底は上記係止段差部と所定の間隔をおいて離隔されることができる。
【0016】
上記係止段差部は、上記サセプタ本体部に形成されるか、または、上記ポケットまで延長されて形成された上記光吸収部の端部に形成されることができる。
【0017】
上記光吸収性物質は、波長400nm〜100μmの光を吸収することができる。
【0018】
上記光透過性物質は、水晶(quartz)、サファイア及び透光性セラミックからなる群のうち少なくとも一つであることができる。
【0019】
上記光吸収性物質は、黒鉛(graphite)、炭化シリコン(SiC)及び炭化シリコンがコーティングされた黒鉛からなる群のうち少なくとも一つであることができる。
【0020】
上記基板の下面に形成された光吸収性物質からなる光吸収層をさらに含み、上記光吸収層は、互いに異なる熱膨張係数を有する物質層が複数層積層されていることができる。
【0021】
本発明のさらに他の側面による化学気相蒸着装置を用いる基板の加熱方法は、基板を収容するための少なくとも一つのポケットが形成された上面と該上面に対向する下面を有し、光透過性物質からなるサセプタ本体部と、該サセプタ本体部の上面に形成された光吸収性物質からなる光吸収部とを含む化学気相蒸着装置用サセプタを設ける段階と、光透過性物質からなる基板の下面に光吸収性物質からなる光吸収層を形成する段階と、上記光吸収層が形成された上記基板を上記ポケットに装着する段階と、上記光吸収層が形成された上記基板を上記ポケットに装着し、化学気相蒸着装置のチャンバ内に配置する段階と、上記サセプタ本体部の下面に光を照射して加熱する段階とを含む。
【0022】
上記基板は、水晶(quartz)、サファイア及び透光性セラミックからなる群のうち少なくとも一つであることができる。
【0023】
上記基板の下面に光吸収層を蒸着またはボンディングして形成することができる。
【0024】
上記光吸収層は、互いに異なる熱膨張係数を有する物質が複数層積層されていることができる。
【0025】
本発明のさらに他の側面による化学気相蒸着装置を用いる基板の加熱方法は、基板を収容するための少なくとも一つのポケットが形成された上面と該上面に対向する下面を有し、光透過性物質からなるサセプタ本体部と、該サセプタ本体部の上面に形成された光吸収性物質からなる光吸収部とを含む化学気相蒸着装置用サセプタを設ける段階と、上記ポケットに光吸収層を装着する段階と、上記光吸収層上に基板を装着し、化学気相蒸着装置のチャンバ内に配置する段階と、上記サセプタ本体部の下面に光を照射して加熱する段階とを含む。
【0026】
上記光吸収層は、互いに異なる熱膨張係数を有する物質が複数層積層されていることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施例によると、基板の加熱時、基板に反り現象が発生しても、基板を均一に加熱することで、基板上で優れた品質の半導体を成長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来のサセプタを示した構成図である。
【図2】従来のサセプタに基板を装着し、加熱した時の状態を示す。
【図3】本発明の一側面による化学気相蒸着装置用サセプタを示す。
【図4】本発明の実施例による化学気相蒸着装置用サセプタと基板を示す。
【図5】本発明の他の実施例による化学気相蒸着装置用サセプタと基板を示す。
【図6】本発明の他の側面として、化学気相蒸着装置を概念的に示す。
【図7】本発明のさらに他の側面として、化学気相蒸着装置を用いる基板の加熱方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照し本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0030】
但し、本発明の思想は提示される実施例に限らず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内で他の構成要素を追加、変更、削除などを通して退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができ、これも本願発明の思想の範囲内に含まれる。
【0031】
また、各実施例の図面に示す同一または類似する思想の範囲内で機能が同一または類似する構成要素は同一または類似の参照符号を用いて説明する。
【0032】
図1は、従来のサセプタを示した構成図である。図1の(a)を参照すると、上記サセプタ10は、上部面に作業対象物である基板が載置されて装着されるように一定の深さで陥没形成されるポケット15を複数備えている。図1の(b)は、図1の(a)に示すサセプタ10をX−X'方向に沿って切断した断面図である。
【0033】
図2は、従来のサセプタに基板を装着し、加熱した時の状態を示す。図2を参照すると、基板11、21に熱を加えるとき、基板の反り現象(bowing effect)が発生する。
【0034】
サセプタ10の左側ポケットにおける基板11がサセプタ10の方向に膨らんで反っている。この場合、基板11の中心部がポケットの底14と接し、基板11の端部はポケットの底14から離れ、基板11の中心部の温度が基板11の端部の温度より高くなるため基板温度が不均一となる。
【0035】
サセプタ10の右側ポケットにおける基板21は、上側に膨らんで反っている。この場合、基板21の端部がポケットの底14と接し、基板21の中心部はポケットの底14から離れ、基板21の端部の温度が基板21の中心部の温度より高くなるため基板温度が不均一となる。
【0036】
図3は、本発明の一側面による化学気相蒸着装置用サセプタを示す。図3の(a)を参照すると、化学気相蒸着装置用サセプタ100はサセプタ本体部104及び光吸収部107を含んでいる。
【0037】
サセプタ本体部104は光透過性物質からなり、少なくとも1つのポケット105を備える。光透過性物質は、水晶(quartz)、サファイア及び透光性セラミックからなる群のうち少なくとも一つであることができる。
【0038】
ポケット105は、基板が装着される係止段差部105a及び底105bを含むことができる。係止段差部105aは、底105bから上昇した位置に基板の周囲部を載せるように形成されている。後述するように、係止段差部105aが底105bから上昇した位置に形成され、加熱された基板がサセプタ側に膨らんで反るようになる場合は、基板を収容できる空間を形成し、上記基板が底105bに触れないようにする。
【0039】
光吸収部107は上記サセプタ本体部104の上面に形成され、光吸収性物質からなるため上記サセプタ本体部104を通過した光を吸収することができる。光吸収部107は、ポケットの底115bの少なくとも一部を覆わないようにサセプタ本体部104の上面に形成されるとよい。光吸収性物質は、黒鉛(graphite)、炭化シリコン(SiC)及び炭化シリコン(SiC)がコーティングされた黒鉛からなる群のうち少なくとも一つであることができる。上記光吸収性物質は波長400nm〜100μmの光を吸収することができる。
【0040】
本発明の一実施例のサセプタ本体部104は光透過物質からなる。したがって光吸収部107がサセプタ本体部104の上面に形成されていない場合、加熱ランプ120で光を照射してサセプタ100及び基板101を加熱するときに、光がサセプタを透過してしまい、サセプタは加熱されずに、チャンバ内部の他の部分が加熱されたり、基板のみが加熱されることがある。この場合、サセプタと基板との間に急激な温度差が発生することがある。
【0041】
光吸収部107は、加熱ランプ120の光を遮断し、吸収することで、光がサセプタ100を透過してしまわないようにすることを目的として形成される。すなわち、光吸収部107は光を遮る機能を有する。また、光吸収部107によって光が吸収され、サセプタ100が加熱されることにより、基板101の周囲において基板101との温度差が発生せず、基板101を均一に加熱することができる。
【0042】
図3の(b)を参照すると、本発明の他の実施例による化学気相蒸着装置用サセプタ110において、係止段差部115aはポケット115まで延長されて形成された光吸収部117の端部に形成されることができる。サセプタ本体部114及びポケット115、ポケットの底115bをはじめ、それ以外の構成は図3の(a)に対する説明と殆ど同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0043】
図4は、本発明の一実施例による化学気相蒸着装置用サセプタと基板を示す。図4の(a)を参照すると、サセプタ100は基板101及び上記基板101下面に形成され、光吸収性物質からなる第1光吸収層102を備えることができる。
【0044】
基板101と第1光吸収層102は、分離されていてもよく、基板101に第1光吸収層102を蒸着したり、基板101に第1光吸収層102をボンディングして結合してもよい。
【0045】
基板101は、例えば、光透過性材質として、水晶(quartz)、サファイア及び透光性セラミックからなる群のうち少なくとも一つであることができる。基板101の上面は半導体構造が積層されることができる。
【0046】
第1光吸収層102は光吸収性物質からなり、サセプタのサセプタ本体部を通過する光を吸収して基板101に熱を伝達する。光吸収性物質は、黒鉛(graphite)、炭化シリコン(SiC)及び炭化シリコン(SiC)がコーティングされた黒鉛からなる群のうち少なくとも一つであることができる。第1光吸収層102の熱膨張係数は基板101の熱膨張係数に近いものが好ましい。そのため、基板101に反り現象が発生しても、第1光吸収層102が基板101に密着して基板101に熱を均一に伝達することが好ましい。
【0047】
図4の(b)を参照すると、サセプタ100は基板101及び上記基板101の下部に形成され、光吸収性物質からなる第2光吸収層103を備えることができる。第2光吸収層103は互いに異なる熱膨張係数を有する物質層103a、103bが積層されていることができる。互いに異なる熱膨張係数を有する物質を適切に組み合わせて基板101の熱膨張係数に近いように第2光吸収層103を構成することができる。基板101及び第2光吸収層103は結合されていてもよく、分離されていてもよい。基板101に熱を均一に加えるためには、基板101と第2光吸収層103が結合されていることが好ましい。
【0048】
図5は、本発明の他の実施例による化学気相蒸着装置用サセプタと基板を示す。図5の(a)、(b)は、図3の(b)に開示されたサセプタ110に基板を装着した様子を示す。図5の(a)、(b)は、それぞれ図4の(a)、(b)と殆ど同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0049】
図6は、本発明の他の側面として、化学気相蒸着装置を概念的に示す。図6の(a)を参照すると、基板101及びサセプタ104が充分に加熱される前の化学気相蒸着装置を示す。化学気相蒸着装置は、チャンバ(図示せず)、サセプタ104及び加熱ランプ120を含むことができる。チャンバ(図示せず)は基板101とサセプタ100を備える空間である。
【0050】
基板101は充分に加熱される前であるため、基板101の反り現象が発生せず、比較的直線形状を維持している。基板101及びサセプタ100の上側には上記基板101に蒸着される半導体の原料となるソースガスが流れている。
【0051】
加熱ランプ120は、サセプタ100の下面に光を照射し、サセプタ本体部104を経て光吸収部107まで熱を伝達する。加熱ランプ120から放出される光の波長は、例えば、約400nm〜100μmであることができる。より好ましくは、赤外線領域の波長、即ち、約700nm〜100μmである。
【0052】
図6の(b)を参照すると、サセプタ100及び基板が充分に加熱され、基板に反り現象が発生した状態を示す。サセプタ100の左側ポケットにおける基板は、第1光吸収層102方向に膨らんで反っている。係止段差部105aは、ポケットの底105bから上昇した位置に形成され、反った基板101を収容できる空間を具備している。
【0053】
サセプタ100の右側ポケットにおける基板101は、基板101方向に膨らんで反っている。本発明の実施例によると、基板101が基板101方向に膨らんでいても第1光吸収層102方向に膨らんでいても基板101と第1光吸収層102が密着しており、半導体層が形成される基板101に熱を均一に供給して均一な温度を維持できるため、優れた品質の半導体層が形成される。
【0054】
図7は、本発明のさらに他の側面による、化学気相蒸着装置を用いて基板を加熱する方法を示すフローチャートである。
【0055】
図7を参照すると、サセプタ本体部及び光吸収部を含む化学気相蒸着装置用サセプタを設ける(710)。上記化学気相蒸着装置用サセプタは、光透過性物質からなるサセプタ本体部の上面に光吸収性物質を塗布したり蒸着することで光吸収部を形成することができる。または、サセプタ本体部の上面に光吸収部をボンディングしてサセプタを設けてもよい。
【0056】
光透過性物質からなる基板の下面に、光吸収性物質からなる光吸収層を形成する(720)。一例として、上記基板の下面に光吸収層を蒸着して形成することができる。他の例としては、基板の下面に光吸収層をボンディングして形成することができる。
【0057】
上記光吸収層が形成された上記基板を上記ポケットに装着し、化学気相蒸着装置のチャンバ内に配置する(730)。上記光吸収層がポケットの係止段差部に載せられるように、上記基板を上記ポケットに装着することができる。
【0058】
基板の下面に光吸収層を形成する(720)代わりに、基板と分離された別途の光吸収層をポケットに装着し、その上に基板を装着してもよい。
【0059】
その次に、上記サセプタ本体部の下面に加熱ランプを用いて光を照射することで、上記サセプタ及び基板を加熱する(740)。
【0060】
以上、本発明の好ましい実施例について図示し説明したが、本発明は上述した特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば種々の変形実施が可能であることはもとより、かかる変形実施を、本発明の技術的思想や見込みと別に理解してはいけない。
【符号の説明】
【0061】
10、100、110 サセプタ
11、21、101 基板
14、105b、115b ポケットの底
15、105、115 ポケット
102、103 光吸収層
104、114 サセプタ本体部
105a、115a 係止段差部
107、117 光吸収部
120 加熱ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容するための少なくとも一つのポケットが形成された上面と該上面に対向する下面を有し、光透過性物質からなるサセプタ本体部と、
前記サセプタ本体部の上面に形成された光吸収性物質からなる光吸収部と
を含む化学気相蒸着装置用サセプタ。
【請求項2】
前記ポケットは、底部と、該底部から上昇した位置に前記基板の周囲部を載せるように形成された係止段差部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の化学気相蒸着装置用サセプタ。
【請求項3】
前記係止段差部は、前記サセプタ本体に形成されることを特徴とする請求項2に記載の化学気相蒸着装置用サセプタ。
【請求項4】
前記係止段差部は、前記ポケットまで延長されて形成された前記光吸収部の端部に形成されることを特徴とする請求項2に記載の化学気相蒸着装置用サセプタ。
【請求項5】
前記光透過性物質は、水晶(quartz)、サファイア及び透光性セラミックからなる群のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の化学気相蒸着装置用サセプタ。
【請求項6】
前記光吸収性物質は、黒鉛(graphite)、炭化シリコン(SiC)及び炭化シリコンがコーティングされた黒鉛からなる群のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の化学気相蒸着装置用サセプタ。
【請求項7】
前記光吸収性物質は、波長400nm〜100μmの光を吸収することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の化学気相蒸着装置用サセプタ。
【請求項8】
チャンバと、
前記チャンバの内部に備えられた請求項1から7のいずれか1項に記載の化学気相蒸着装置用サセプタと、
前記サセプタの下面を加熱するように光を放出する加熱ランプと
を含む化学気相蒸着装置。
【請求項9】
前記基板の下面に形成された光吸収性物質からなる光吸収層をさらに含み、
前記光吸収層は、互いに異なる熱膨張係数を有する物質層が複数層積層されていることを特徴とする請求項8に記載の化学気相蒸着装置。
【請求項10】
基板を収容するための少なくとも一つのポケットが形成された上面と該上面に対向する下面を有し、光透過性物質からなるサセプタ本体部と、該サセプタ本体部の上面に形成された光吸収性物質からなる光吸収部とを含む化学気相蒸着装置用サセプタを設ける段階と、
光透過性物質からなる基板の下面に光吸収性物質からなる光吸収層を形成する段階と、
前記光吸収層が形成された前記基板を前記ポケットに装着し、化学気相蒸着装置のチャンバ内に配置する段階と、
前記サセプタ本体部の下面に光を照射して加熱する段階と
を含む化学気相蒸着装置を用いる基板の加熱方法。
【請求項11】
前記基板は、水晶(quartz)、サファイア及び透光性セラミックからなる群のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項10に記載の化学気相蒸着装置を用いる基板の加熱方法。
【請求項12】
前記基板の下面に光吸収層を蒸着して形成することを特徴とする請求項10または11に記載の化学気相蒸着装置を用いる基板の加熱方法。
【請求項13】
前記基板の下面に光吸収層をボンディングして形成することを特徴とする請求項10または11に記載の化学気相蒸着装置を用いる基板の加熱方法。
【請求項14】
基板を収容するための少なくとも一つのポケットが形成された上面と該上面に対向する下面を有し、光透過性物質からなるサセプタ本体部と、該サセプタ本体部の上面に形成された光吸収性物質からなる光吸収部とを含む化学気相蒸着装置用サセプタを設ける段階と、
前記ポケットに光吸収層を装着する段階と、
前記光吸収層上に基板を装着して化学気相蒸着装置のチャンバ内に配置する段階と、
前記サセプタ本体部の下面に光を照射して加熱する段階と
を含む化学気相蒸着装置を用いる基板の加熱方法。
【請求項15】
前記光吸収層は、互いに異なる熱膨張係数を有する物質が複数層積層されていることを特徴とする請求項10から14の何れか1項に記載の化学気相蒸着装置を用いる基板の加熱方法。
【請求項16】
請求項10から15の何れか1項に記載の加熱方法によって基板を加熱する段階と、
半導体の原料となるソースガスを前記基板に蒸着させる段階と
を有する基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−134504(P2012−134504A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−281859(P2011−281859)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(511292806)サムソン エルイーディー カンパニーリミテッド. (10)
【Fターム(参考)】