説明

医薬組成物

【課題】本発明は気管支喘息、アトピー性皮膚炎等の疾患の予防・治療に有用なCCR4機能調節剤を提供する。
【解決手段】 式


(式中、環Aは複素環を、環Bは炭素環又は複素環等を、P、PはCH又はNを、q、rは0〜2を、Xは−NH−、−O−又は−CH−等を、Yは−CH−、−CO−又は−SO−等を、Zは−CO−又は−SO−等を、Rは炭素環式基、複素環式基、水酸基、アルコキシ又はアミノを示す。)
で表される化合物またはその製薬上許容しうる塩からなるCCR4機能調節剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患の予防または治療に有用なCCR4あるいはTARCおよび/またはMDCの機能調節作用を有する化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患は、炎症細胞の浸潤および活性化を伴う慢性の炎症性疾患である(非特許文献1、非特許文献2)。気管支喘息は、気道の炎症と気道過敏性亢進を伴う可逆的な気道閉塞を呈する疾患であり、症状として喘鳴、息切れ、咳などを認める。組織学的には、気道局所への好酸球、リンパ球および肥満細胞の浸潤、粘膜下の浮腫、好酸球由来の組織障害性顆粒蛋白の沈着、気道上皮損傷など、慢性炎症の所見が観察される。また、アトピー性皮膚炎は、強い掻痒を有し、増悪と寛解を繰り返す湿疹を主病変とする皮膚の慢性炎症性疾患である。その病態は皮膚の乾燥を主体とした角層バリア機能の破壊と、免疫細胞のサイトカイン産生異常の両方が関与しているとされる。したがって、これらの慢性炎症を抑制することはアレルギー性疾患の治療における一つのアプローチと考えられている。
【0003】
近年、このアレルギー性炎症の発症過程にヘルパーT(Th)細胞およびTh細胞が産生するサイトカインが重要な役割を担っていることが明らかにされてきた(非特許文献1、非特許文献3)。Th細胞は、そのサイトカイン産生パターンの違いにより、インターフェロンγ(IFN−γ)やインターロイキン2(IL−2)を産生するTh1細胞とインターロイキン4(IL−4)、インターロイキン5(IL−5)を産生するTh2細胞という2つの亜集団に分類されている(非特許文献4)。IFN−γおよびIL−2は、マクロファージやナチュラルキラー(NK)細胞を活性化することで感染防御などの細胞性免疫を調節する。一方、IL−4およびIL−5は、それぞれイムノグロブリン(Ig)E産生および好酸球の活性化に関与していることから、アレルギー性炎症の病態においてはTh2細胞が大きな役割を担っていると考えられている(非特許文献1、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7)。
【0004】
ケモカインは内因性の白血球走化性因子に分類され、白血球の組織集積に重要な役割を果たしている。ケモカインの多くは炎症性刺激などによって炎症局所にて誘導され、白血球に作用して遊走反応を惹起する。現在までに40余りのケモカインが同定され、その構造的な特徴によりCXC、CC、C、CX3Cサブファミリーに分類される。一方、ケモカイン受容体はGタンパク質が共役している7回膜貫通型受容体であり、CXCケモカイン受容体、CCケモカイン受容体、CX3Cケモカイン受容体、Cケモカイン受容体から構成されている。ケモカイン受容体の多くは複数のケモカインが結合し、また多くのケモカインが複数のケモカイン受容体に結合することが知られている。
【0005】
CCケモカイン受容体4(CCR4)遺伝子は、1995年にヒト好塩基球様細胞株KU−812からクローニングされた(非特許文献8)。その後、T細胞を特異的に遊走させるCCケモカインとしてTARC(Thymus and activation-regulated chemokine)/CCL17が、次いで単球、樹状細胞およびNK細胞に対して遊走活性を示すCCケモカインとしてMDC(Macrophage-derived chemokine)/CCL22がそれぞれクローニングされ(非特許文献9、非特許文献10)、これらのケモカインがCCR4のリガンドであることが判明した(非特許文献11、非特許文献12)。CCR4は、胸腺および末梢血リンパ球において強く発現しており(非特許文献8)、さらにリンパ球の中ではTh細胞に比較的限局して発現が認められる(非特許文献11)。CCR4がTh2細胞に選択的に発現しており、TARC/CCL17またはMDC/CCL22の刺激によりTh2細胞の遊走が誘導されることが明らかになるにつれ(非特許文献11〜15)、アレルギー性疾患の発症過程におけるCCR4の役割が注目されるようになった。
【0006】
アレルギー性疾患とCCR4およびそのリガンドであるTARC/CCL17とMDC/CCL22との関係については、(1)CCR4のmRNAを発現したT細胞が慢性気管支喘息患者の気管支粘膜に検出され、その数は抗原曝露後に増加すること(非特許文献16)、(2)アトピー性皮膚炎患者の末梢血T細胞では、CCR4mRNAの発現亢進が認められ、その程度と血中好酸球数、血清中IgE量または皮膚炎の重症度の間には相関関係が認められること(非特許文献17、非特許文献18)、(3)アトピー性皮膚炎患者では、健常人に比べて血清中のTARC/CCL17およびMDC/CCL22濃度上昇が観察されること(非特許文献19、非特許文献20)(4)実験的喘息モデルにおいては、抗TARC抗体または抗MDC抗体を処置することにより気道反応性亢進や気道あるいは肺間質への炎症細胞浸潤が抑制されること(非特許文献21、非特許文献22)等が報告されている。
【0007】
また、CCR4および/またはそのリガンドとアレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患などとの関係を示すものとして、以下の報告がある。
・皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎):非特許文献23〜25
・喘息:非特許文献16、26
・鼻炎:非特許文献27
・結膜炎:非特許文献28
・乾癬:非特許文献29
・関節リウマチ:非特許文献30
・全身性エリテマトーデス:非特許文献31〜33
・インスリン依存型糖尿病(IDDM):非特許文献34
・臓器移植時の拒絶反応:非特許文献35
・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病):非特許文献36
・糸球体腎炎:非特許文献37
・敗血症:非特許文献38
・疼痛:非特許文献39
・成人T細胞白血病(ATL):非特許文献40
・肺線維症:非特許文献41、42
・好酸球性肺炎:非特許文献43
・肺好酸球性肉芽種:非特許文献44
・皮膚T細胞リンパ腫:非特許文献20、45
・強直性脊椎炎:非特許文献46
・冠動脈疾患:非特許文献47
・類天疱瘡:非特許文献48
・ホジキン病:非特許文献49
【0008】
これらの報告は、CCR4およびそのリガンドであるTARC/CCL17およびMDC/CCL22の異常発現がアレルギー性疾患をはじめとする種々の病態の発症に大きく関与していることを示唆するとともに、CCR4およびそのリガンドの機能を制御することにより、これらの病態を治癒または改善しうる可能性を示唆している。
現在臨床で使用されている気管支喘息の治療薬としては、β2刺激薬、キサンチン、ステロイド剤、抗アレルギー薬(特にロイコトリエン拮抗薬)などがある。このうち、吸入ステロイド剤が喘息治療の第一選択薬として位置付けられ、現在治療に幅広く使用されている。しかしながら、ステロイド剤は長期投与による副作用の問題が懸念され続けており、高い服薬遵守が維持できていないのが現状である。
【0009】
また、アトピー性皮膚炎の治療には、炎症を抑制する目的でステロイド剤以外に免疫抑制作用をもつタクロリムスが外用剤として使用されている。ステロイド外用剤は皮膚科疾患においても多毛や皮膚萎縮など副作用の問題がある。一方、タクロリムス外用剤は、ステロイド剤のような副作用は認められていないが、皮膚刺激感の発現や皮膚癌発症との関連性が指摘されている。
【0010】
したがって、ステロイド剤と同等の強い治療効果を有し、新規作用機序に基づく副作用の少ないアレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患の予防または治療薬の開発が切望されている。また、CCR4拮抗作用またはCCR4機能調節作用を有する化合物は、ステロイドや免疫抑制薬と異なり、Th2細胞の炎症局所への浸潤および活性化を選択的に抑制することから、副作用が少なくかつ経口投与可能な薬剤になる可能性が期待できる。
【0011】
CCR4拮抗作用またはCCR4機能調節作用を有する化合物として、5−シアノピリミジン誘導体(特許文献1)、二環性ピリミジン誘導体(特許文献2)、5−アリールピリミジン誘導体(特許文献3)、二環性化合物(特許文献4)、三環性化合物(特許文献5、6)、縮合二環性ピリミジン誘導体(特許文献7)、置換ピリミジン誘導体(特許文献8)、スルホンアミド化合物(特許文献9〜15)、ピラゾロピリミジン誘導体(特許文献16)などが知られている。
【非特許文献1】Immunol. Today, 13, 501 (1992)
【非特許文献2】Allergy Clin. Immunol., 94, 1310 (1994)
【非特許文献3】Am. Rev. Respir. Dis., 147, 540 (1993)
【非特許文献4】J. Immunol., 1986, 136, 2348-57
【非特許文献5】Immunol. Today, 12, 256 (1991)
【非特許文献6】N. Eng. J. Med., 326, 298 (1992)
【非特許文献7】Trends. Pharmacol. Sci., 15, 324 (1994)
【非特許文献8】J. Biol. Chem., 270, 19495 (1995)
【非特許文献9】J. Biol. Chem., 271, 21514 (1996)
【非特許文献10】J. Exp. Med., 185, 1595 (1997)
【非特許文献11】J. Biol. Chem., 272, 15036 (1997)
【非特許文献12】J. Biol. Chem., 273, 1764 (1998)
【非特許文献13】J. Exp. Med., 187, 129 (1998)
【非特許文献14】J. Exp. Med., 187, 875 (1998)
【非特許文献15】Int. Immunol., 11, 81 (1999)
【非特許文献16】J. Clin. Invest., 107, 1357 (2001)
【非特許文献17】J. Allergy Clin. Immunol., 107, 353 (2001)
【非特許文献18】J. Invest. Dermatol., 117, 188 (2001)
【非特許文献19】J. Allergy Clin. Immunol., 107, 535 (2001)
【非特許文献20】Eur. J. Immunol., 30, 204 (2000)
【非特許文献21】J. Immunol., 163, 403 (1999)
【非特許文献22】J. Immunol., 166, 2055 (2001)
【非特許文献23】The Journal of Clinical Investigation, 107, 535, 2001
【非特許文献24】Journal of Investigative Dermatology, 115, 640, 2000
【非特許文献25】Journal of Investigative Dermatology, 186, 1052, 2002
【非特許文献26】Allergy, 57, 2, 173, 2002
【非特許文献27】European Journal of Immunology, 32, 7 , 1933, 2002
【非特許文献28】Br J Ophthalmol, 86, 10, 1175, 2002
【非特許文献29】Laboratory Investigation, 81, 335, 2001
【非特許文献30】Arthritis & Rheumatism, 44, 2750, 2001
【非特許文献31】Journal of Investigative Dermatology, 124, 1241, 2005
【非特許文献32】Clinical Experimental Immunology, 138, 342, 2004
【非特許文献33】Arthritis & Rheumatism, 46, 735, 2002
【非特許文献34】The Journal of Clinical Investigation, 110, 1675, 2002
【非特許文献35】European Journal of Immunology, 35, 128, 2005
【非特許文献36】Clinical & Experimental Immunology, 132, 332, 2003
【非特許文献37】American Journal of Pathology, 162, 1061, 2003
【非特許文献38】The Journal of Experimental Medicine, 191, 1755, 2000
【非特許文献39】The Journal of Neuroscience, 21, 5027, 2001
【非特許文献40】Cancer Res. 2005 Mar 15;11(6):2427-35
【非特許文献41】American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol. 173, pp.310-317 (2006)
【非特許文献42】The Journal of Immunology, 173, 4692, 2004
【非特許文献43】Clinical Immunology, 116, 83, 2005
【非特許文献44】American Journal of Pathology, 165, 1211, 2004
【非特許文献45】British Journal of Dermatology, 152, 746, 2005
【非特許文献46】Clinical Experimental Immunology, 138, 342, 2004
【非特許文献47】Journal of the American College of Cardiology, 41, 1460, 2003
【非特許文献48】British Journal of Dermatology, 148, 203, 2003
【非特許文献49】International Journal of Cancer, 98, 567, 2002
【特許文献1】WO03/082855
【特許文献2】WO03/104230
【特許文献3】WO2004/074260
【特許文献4】WO2004/020584
【特許文献5】WO2004/007472
【特許文献6】WO2005/023771
【特許文献7】WO2005/082865
【特許文献8】WO2005/085212
【特許文献9】WO2005/021513
【特許文献10】WO2004/108692
【特許文献11】WO2004/108717
【特許文献12】WO2004/108690
【特許文献13】WO03/059893
【特許文献14】WO03/051870
【特許文献15】WO02/30358
【特許文献16】特開2007−55940
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、副作用が少ない優れたCCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節作用を有し、アレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患などの予防または治療に有用な化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために本発明者等は鋭意研究の結果、下式により表される化合物が優れたCCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節作用を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
【0014】
1.式(1)
【0015】
【化1】

(式中、環Aは下式から選ばれる基を示す。
【0016】
【化2】

環Bは置換されていてもよい芳香族炭素環または置換されていてもよい複素環を示す。
およびPは、同一または異なって、それぞれCHまたはNを示す。ただし、PおよびPは同時にCHではない。
q、rはそれぞれ0、1または2を示す。
mは1または2を示す。nは1〜3の整数を示す。
wは0、1または2を示す。
Qは酸素原子、硫黄原子または−N(R)−を示す。
Xは−N(R)−、−O−または−C(R)(R)−を示す。
Yは−C(R10)(R11)−、−CO−または−SO−を示す。
Zはオキソで置換されていてもよいアルキレン、−CON(R12)−、−SON(R12)−、−N(R12)−または−SO−を示す。ただし、Zが−CON(R12)−、−SON(R12)−または−N(R12)−の時、PはCHを示す。
は水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノ、ニトロまたは置換されていてもよいウレイドを示す。
1aはカルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノ、ニトロ、フェニルまたは置換されていてもよいウレイドを示す。
1bはアルキルでモノまたはジ置換されていてもよいアミノまたは置換されていてもよいフェニルを示す。
1cはカルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイルまたは置換されていてもよいベンゾイルを示す。
1dは水酸基、アルコキシ、アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいアミノまたは置換されていてもよいフェニルを示す。
は水素、アルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシまたはオキソを示す。
は置換されていてもよい炭素環式基、置換されていてもよい複素環式基、水酸基、アルコキシまたは置換されていてもよいアミノを示す。
は水素またはアルキルを示す。
は水素、アルキルまたは置換されていてもよいアルカノイルを示す。
は水素、アルキルまたは置換されていてもよいアルカノイルを示す。
は水素またはアルキルを示す。
およびRならびにR10およびR11は、同一または異なって、それぞれ水素またはアルキルを示す。
12は水素またはアルキルを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0017】
2.環Aが下式から選ばれる基である前記1に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0018】
【化3】

(式中、各記号は前記と同義である。)
【0019】
3.Zがオキソで置換されたアルキレンである前記1または2に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0020】
4.Rが(1)オキソまたはシアノで置換されていてもよいピロリジニル、(2)アルキル、アルカノイルおよびオキソから選ばれる基で置換されていてもよいピペリジニル、(3)アルキル置換されていてもよいピペラジニル、(4)アルキル置換されていてもよいモルホリニル、(5)アルキル置換されていてもよいイミダゾリル、(6)ピリジル、(7)1〜2個のオキソで置換されていてもよいチアモルホリニル、(8)テトラヒドロピラニルまたは(9)1〜2個のオキソで置換されていてもよいテトラヒドロピリミジニルである前記1〜3のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0021】
5.Xが−NH−であり、Yが−CH−、−CH(CH)−または−C(CH−であり、環Bがハロゲン、アルキルおよびハロアルキルから選ばれる1または2個の基で置換されたベンゼンである前記1〜4のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0022】
また、本発明の化合物(I)のうち、別の好ましい実施態様として、例えば、以下の化合物があげられる。
6.式(1)
【0023】
【化4】

(式中、環Aは下式から選ばれる基を示す。
【0024】
【化5】

環Bはハロゲンおよびシアノからなる群から選ばれる同一または異なる1〜3個の基で置換されていてもよい芳香族炭素環を示す。
およびPは、同一または異なって、それぞれCHまたはNを示す。ただし、PおよびPは同時にCHではない。
q、rはそれぞれ0、1または2を示す。
mは1または2を示す。nは1〜3の整数を示す。
wは0、1または2を示す。
Qは酸素原子、硫黄原子または−N(R)−を示す。
X−Yは−NHCH−または−NHCH(CH)−を示す。
Zはオキソで置換されていてもよいアルキレン、−CON(R12)−、−SON(R12)−、−N(R12)−または−SO−を示す。ただし、Zが−CON(R12)−、−SON(R12)−または−N(R12)−の時、PはCHを示す。
は水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノ、ニトロまたは置換されていてもよいウレイドを示す。
1aはカルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノ、ニトロ、フェニルまたは置換されていてもよいウレイドを示す。
は水素、アルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシまたはオキソを示す。
は置換されていてもよい複素環式基または置換されていてもよいアミノを示す。
は水素またはアルキルを示す。
は水素、アルキルまたは置換されていてもよいアルカノイルを示す。
は水素、アルキルまたは置換されていてもよいアルカノイルを示す。
12は水素またはアルキルを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩。
7.Rが水素またはアルキルである前記6に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
8.R1aが置換されていてもよいカルバモイルまたは置換されていてもよいウレイドである前記6または7に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
9.Rが水素またはカルバモイルである前記6〜8のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
10.Rがアルキル、オキソおよびハロゲンから選ばれる同一または異なる1〜3個で置換されていてもよい複素環式基、またはアルキルでモノまたはジ置換されていてもよいアミノである前記6〜9のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
11.Rが(1)アルキル、オキソおよびハロゲンから選ばれる同一または異なる1〜3個で置換されていてもよいピロリジン、(2)アルキルで置換されていてもよいモルホリンまたは(3)アルキルで置換されていてもよいピペリジンである前記6〜10のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
12.rが1であり、qが0または1である前記6〜11のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
13.Zが−(CH−、−CHCO−または−CO−である前記6〜12のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
14.環Bがハロゲンおよびシアノからなる群から選ばれる同一または異なる1〜3個の基で置換されていてもよいベンゼンである前記6〜13のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
15.環Aが
【0025】
【化6】

(式中、各記号は前記と同義である。)
から選ばれる基である前記6〜14のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
16.前記1〜15のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩からなる医薬。
17.前記1〜15のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩を有効成分として含有するCCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節剤、あるいはそれを患者に投与することによる該機能調節方法。
18.前記1〜15のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩を有効成分として含有するアレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患もしくは癌疾患の予防または治療剤、あるいはそれを患者に投与することによる該疾患の治療方法。
19.前記1〜15のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩を有効成分として含有する喘息もしくは皮膚炎の予防または治療剤、あるいはそれを患者に投与することによる該疾患の治療方法。
【0026】
以下、本明細書における各記号で表される基について説明する。なお、本明細書において使用される略号は、それぞれ以下の意味を表す。
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMA:ジメチルアセタミド
DME:1,2−ジメトキシエタン
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
DBN:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
Me:メチル
Et:エチル
Pr:n−プロピル
iPr:イソプロピル
t−Bu:tert−ブチル
Boc:tert−ブトキシカルボニル
Bn:ベンジル
Ph:フェニル
【0027】
「芳香族炭素環」としては、例えば、6〜14員の単環式、二環式または三環式の不飽和炭素環などがあげられ、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどがあげられる。
【0028】
「複素環」としては、例えば、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する3〜15員の単環式または二環式の不飽和複素環、およびその全部または一部が飽和されている複素環などがあげられる。当該不飽和複素環およびその全部または一部が飽和されている複素環の具体例としては、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チアピラン、チエピン、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチアピラン、テトラヒドロチアピラン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チアモルホリン、ホモピペリジンなどがあげられる。
【0029】
「脂環式複素環」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5〜7員の単環式飽和複素環などがあげられ、具体的には、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チアモルホリン、ホモピペリジン、テトラヒドロオキサジンなどがあげられる。
「アルキレン」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C10アルキレンなどがあげられ、具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンなどがあげられる。
「アルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキルなどがあげられ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどがあげられる。
【0030】
「アルコキシ」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルコキシなどがあげられ、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどがあげられる。
「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。
「ハロアルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキルに1〜6個のハロゲンが置換したものなどがあげられ、具体的には、フルオロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどがあげられる。
【0031】
「アルコキシカルボニル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC2〜C7アルコキシカルボニルなどがあげられ、具体的には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなどがあげられる。
「アルカノイル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルカノイルなどがあげられ、具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイルなどがあげられる。
「アラルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキルに芳香族炭素環(好ましくはベンゼン)が置換したものがあげられ、具体的には、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピルなどがあげられる。
【0032】
「シクロアルキル」としては、例えば、C3〜C6シクロアルキルなどがあげられ、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがあげられる。
「アルキルスルホニル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキルスルホニルなどがあげられ、具体的には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどがあげられる。
「アルキレンジオキシ」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C4アルキレンジオキシなどがあげられ、具体的には、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリメチレンジオキシ、プロピレンジオキシなどがあげられる。
【0033】
「炭素環式基」としては、例えば、3〜15員の単環式、二環式または三環式の不飽和炭素環式基、およびその全部または一部が飽和されている炭素環などがあげられる。これら炭素環の具体例としては、例えば、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アンスリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、インデニル、インダニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチルなどがあげられる。
【0034】
「複素環式基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する3〜15員の単環式または二環式の不飽和複素環式基、およびその全部または一部が飽和されている複素環式基などがあげられる。当該不飽和複素環式基およびその全部または一部が飽和されている複素環式基の具体例としては、例えば、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、フリル、ピラニル、オキセピニル、チエニル、チアピラニル、チエピニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、オキサジニル、オキサジアジニル、オキサゼピニル、オキサジアゼピニル、チアジアゾリル、チアジニル、チアジアジニル、チアゼピニル、チアジアゼピニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ジヒドロピラジニル、テトラヒドロピラジニル、ジヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロアゼピニル、テトラヒドロアゼピニル、ジヒドロジアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチアピラニル、テトラヒドロチアピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、ホモピペリジルなどがあげられる。
【0035】
「芳香族複素環式基」としては、例えば、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する3〜15員の単環式または二環式の不飽和複素環式基などがあげられ、具体的には、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリルなどがあげられる。
【0036】
「脂環式複素環式基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5〜7員の単環式飽和複素環式基などがあげられ、具体的には、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、ホモピペリジル、テトラヒドロオキサジニルなどがあげられる。
環Bにおける「置換されていてもよい芳香族炭素環」および「置換されていてもよい複素環」の置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、水酸基、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ニトロなどがあげられ、これら置換基を1〜3個有していてもよい。好ましい置換基としては、ハロゲン、アルキル、ハロアルキルがあげられ、特にハロゲンが好ましい。
【0037】
Zにおける「オキソで置換されたアルキレン」としては、カルボニル、1−オキソエチレン、2−オキソエチレン、1−オキソトリメチレンなどがあげられる。
およびR1aにおける「置換されていてもよいカルバモイル」の置換基としては、例えば、アルキル、アラルキルなどがあげられ、これら同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。
およびR1aにおける「置換されていてもよいアミノ」の置換基としては、例えば、アルキル、置換されていてもよいアルカノイル、アルキルスルホニル、置換されていてもよいアルコキシカルボニル、シクロアルキルカルボニル、水酸基などがあげられ、これら同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。ここで、置換されていてもよいアルカノイルおよび置換されていてもよいアルコキシカルボニルの置換基としては、例えば、アルコキシ、水酸基などがあげられる。
【0038】
およびR1aにおける「置換されていてもよいウレイド」の置換基としては、例えば、アルキルなどがあげられ、この同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。また、2個の置換基が一緒になって、隣接する窒素原子とともに5〜7員の脂環式複素環を形成してもよい。
1bにおける「置換されていてもよいフェニル」およびR1cにおける「置換されていてもよいベンゾイル」の置換基としては、それぞれ、例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、水酸基などがあげられ、これら同一または異なる置換基を1〜3個有していてもよい。
における「置換されていてもよい炭素環式基」の置換基としては、例えば、オキソで置換されていてもよい脂環式複素環式基、置換されていてもよいアルキル、シアノ、置換されていてもよいアミノ、またはアルキレンジオキシなどがあげられる。ここで、置換されていてもよいアルキルの置換基としては、例えば、シアノなどがあげられる。置換されていてもよいアミノの置換基としては、例えば、アルキルスルホニルなどがあげられる。
【0039】
における「置換されていてもよい複素環式基」の置換基としては、例えば、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいアミノ、複素環式基、フェニルで置換されていてもよいアルキル、アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル、アルキルスルホニル、アルカノイル、アルコキシで置換されていてもよいフェニル、ハロゲン、シアノなどがあげられる。
における「置換されていてもよいアミノ」の置換基としては、例えば、アルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニルおよび置換されていてもよいフェニルなどがあげられ、これら同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。ここで、置換されていてもよいフェニルの置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、水酸基などがあげられる。
およびRにおける「置換されていてもよいアルカノイル」の置換基としては、シクロアルキルなどがあげられる。
【0040】
下式
【0041】
【化7】

により表される基の好ましい具体例としては、以下の基があげられる。
【0042】
【化8】

【0043】
【化9】

【0044】
【化10】

【0045】
【化11】

【0046】
本発明化合物の製薬上許容しうる塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。また、カルボキシ等の酸性基を有する場合には塩基との塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩等の有機塩基塩、リジン塩等のアミノ酸塩等)も挙げられる。
【0047】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩には、その分子内塩、その水和物等の溶媒和物のいずれもが含まれる。
本発明化合物(I)には不斉炭素に基づく光学異性体が存在しうるが、本発明化合物(I)は、それらいずれの異性体およびそれらの混合物をも包含する。さらに、本発明化合物(I)に二重結合あるいはシクロアルカンジイルを有する場合は、シス体、トランス体が存在し、本発明化合物(I)にはカルボニルなどの不飽和結合に基づく互変異性体が存在しうるが、本発明化合物(I)は、それらいずれの異性体およびそれらの混合物をも包含する。また、本発明化合物は、N−オキサイドを包含する。
【0048】
本発明の化合物(1)は、以下の方法により製造することができる。
方法1:PがNである化合物(1)は、以下の方法により調製される。
【0049】
【化12】

(式中、LvはハロゲンまたはCHS(O)(式中、pは0、1または2を示す。)を示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(2)を化合物(3)と溶媒(THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、DMF、DMSO、メタノール、エタノール、エチレングリコールなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)の存在下、0〜150℃で1〜24時間反応させることにより、化合物(1−A)が得られる。
【0050】
方法2:PがNであり、Zが−CO−または−SO−である化合物(1)は、以下の方法により調製される。
【0051】
【化13】

(式中、Zは−CO−または−SO−を示し、Halはハロゲンを示し、他の記号は前記と同義である。)
(1)化合物(4)を塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジンなど)の存在下、−20℃から室温で30分から24時間、化合物(5−a)と反応させることにより、化合物(1−B)が得られる。
(2)化合物(4)を必要に応じて溶媒(DMF、THF、ジオキサンなど)中、縮合剤(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、シアノリン酸ジエチルなど)の存在下、化合物(5−b)と縮合させることにより、化合物(1−B)が得られる。本反応は通常0℃から100℃で、通常30分から24時間で進行する。なお、縮合剤を用いる反応は、必要に応じて1−ヒドロキシベンズトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミドなどの存在下で行うこともできる。
(3)化合物(4)を混合酸無水物(クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチルなどとの炭酸エステルなど)に変換し、当該混合酸無水物を適当な溶媒(THF、トルエン、ニトロベンゼンあるいはこれらの混合溶媒など)中、塩基(トリエチルアミン、ピリジンなど)の存在下、室温から溶媒の還流温度で1から24時間、化合物(5−b)と縮合させることにより、化合物(1−B)が得られる。
【0052】
方法3:環Aが基(A)〜(F)または(I)〜(K)であり、Xが−N(R)−または−O−であり、Yが−C(R10)(R11)−であり、PがNである化合物(1)は、以下の方法により調製される。
【0053】
【化14】

(式中、環Aは基(A)〜(F)または(I)〜(K)を示し、Xは−N(R)−または−O−を示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(6)と化合物(7)との反応および化合物(8)と化合物(3)との反応は、それぞれ方法1と同様に実施することができる。
【0054】
方法4:環Aが基(G)であり、Xが−N(R)−または−O−であり、PがNである化合物(1)は、以下の方法により調製される。
【0055】
【化15】

(式中、pは0、1または2を示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(9)を溶媒(THF、ジエチルエーテル、ジオキサンなど)中、−78℃から氷冷下で、塩基(n−ブチルリチウム、LDAなど)と処理した後、同温度で1〜12時間二酸化炭素と反応させることにより、化合物(10)が得られる。
化合物(10)を方法1と同様に化合物(7)と反応させることにより、化合物(11)が得られる。
化合物(11)とRNHとの反応は、方法2と同様に実施することができる。なお、化合物(11)の酸ハライドは、常法により、ハロゲン化剤(塩化チオニルなど)と処理して調製される。
化合物(12)を溶媒(THF、ジエチルエーテル、ジオキサンなど)中、0℃から溶媒の還流温度で1時間〜10日間アンモニアと反応させることにより、化合物(13)が得られる。
化合物(13)をオルトギ酸トリアルキル(オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸トリプロピル、オルトギ酸トリブチルなど)と酸(酢酸、無水酢酸、塩酸、硫酸など)の存在下、室温から150℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(14)が得られる。
WO01/83460に記載の方法に準じて、化合物(14)を溶媒(DMF、DMSO、クロロホルム、塩化メチレン、THFなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなど)の存在下、化合物(3)と0〜100℃で1時間〜2日間反応させることにより、化合物(1−D)が得られる。なお、pが0である化合物(14)は、常法により、酸化剤(メタクロロ過安息香酸、過酸化水素など)と処理し、pが1または2である化合物(14)とした後、本反応に用いることができる。
【0056】
方法5:環Aが基(H)であり、Xが−N(R)−または−O−であり、Yが−C(R10)(R11)−であり、PがNである化合物(1)は、以下の方法により調製される。
【0057】
【化16】

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(15)をDMFおよびオキシ塩化リンまたはオキシ臭化リンと室温から溶媒の還流温度で1〜12時間反応させることにより、化合物(16)が得られる。
化合物(16)と化合物(7)との反応は、方法1と同様に実施することができる。
化合物(17)を化合物(18)と溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、クロロホルム、塩化メチレン、DMF、DMSO、THF、ジオキサンなど)中、必要に応じて酸(塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸など)の存在下、還元剤(水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなど)と反応させることにより、化合物(19)が得られる。本反応は室温から溶媒の還流温度で30分から2日間実施することができる。
化合物(19)を溶媒(THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、DMF、DMSOなど)中、塩基(トリエチルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシドなど)の存在下、室温から溶媒の還流温度で1〜24時間処理することにより、化合物(20)が得られる。
方法1と同様に、化合物(20)を化合物(3)と反応させることにより、化合物(1−E)が得られる。
【0058】
方法6:環Aが基(I)または(J)である化合物(6)は、以下の方法により調製される。
【0059】
【化17】

(式中、VはCHまたはNを示し、Rはアルキルを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(21)をマロン酸ジアルキルエステルと溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)中、塩基(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシドなど)の存在下、室温から溶媒の還流温度で1〜48時間反応させることにより、化合物(22)が得られる。
化合物(22)を方法3のハロゲン化反応と同様に反応させることにより化合物(6−A)が得られる。
【0060】
方法7:環Aが基(A)または(B)である化合物(6)は、以下の方法により調製される。
【0061】
【化18】

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(23−a)または化合物(23−b)を尿素と100〜250℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(24−a)または化合物(24−b)が得られる。
化合物(24−a)または化合物(24−b)を、方法3のハロゲン化反応と同様に反応させることにより、化合物(6−B)または化合物(6−C)が得られる。
【0062】
方法8:環Aが基(F)である化合物(6)は、以下の方法により調製される。
【0063】
【化19】

(式中、Gはカルボキシまたはシアノを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(26)は、Tetrahedron, 58, (2002) 3155-3158またはWO95/32205に記載の方法に準じて調整される。すなわち、(1)Gがシアノである化合物(25)を二酸化炭素と溶媒(DMF、DMSO、THFなど)中、過剰量の塩基(DBU、DBNなど)の存在下、室温から100℃で1〜48時間反応させるか、または(2)Gがカルボキシである化合物(25)を尿素と100〜250℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(26)が得られる。
化合物(26)を方法3のハロゲン化反応と同様に反応させることにより、化合物(6−D)が得られる。
【0064】
方法9:環Aが基(E)である化合物(6)は、以下の方法により調製される。
【0065】
【化20】

(式中、各記号は前記と同義である。)
本反応は特開昭58−146586に記載の方法に準じて調製される。すなわち、化合物(27)を化合物(28)またはその塩(塩酸塩、硫酸塩など)と溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、DMF、DMSOなど)中、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど)の存在下、室温から100℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(29)が得られる。
化合物(29)を溶媒(含水メタノール、含水エタノール、水など)中、酸(酢酸、塩酸、硫酸など)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)と室温から溶媒の還流温度で1時間から3日間反応させることにより、化合物(30)が得られる。
化合物(30)を方法3のハロゲン化反応と同様に反応させることにより、化合物(6−E)が得られる。
【0066】
方法10:環Aが基(E)であり、wが1または2である化合物(1)は、以下の方法により調製される。
【0067】
【化21】

(式中、w1は1または2を示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(1−F)を溶媒(酢酸、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチレンなど)中、酸化剤(メタクロロ過安息香酸、過酸化水素など)と0〜100℃で30分から24時間反応させることにより、化合物(1−G)が得られる。
【0068】
方法11:PがCHであり、Xが−N(R)−または−O−であり、Yが−C(R10)(R11)−である化合物(4)は、以下の方法により調製される。
【0069】
【化22】

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(31)と化合物(7)との反応は、方法1と同様に実施することができる。
化合物(32)を溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)中、室温から溶媒の還流温度で1〜24時間、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)と処理することにより、化合物(4−a)が得られる。
【0070】
方法12:環Aが基(I)または(J)である化合物(31)は、以下の方法により調製される。
【0071】
【化23】

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(33)を溶媒(THF、ジオキサンなど)中、カルボニルジイミダゾールと処理した後、化合物(34)と反応させることにより、化合物(35)が得られる。本反応は、室温から100℃で1〜12時間実施することができる。
化合物(35)を化合物(21)と溶媒(酢酸など)中または無溶媒で、50〜150℃で1〜48時間反応させることにより、化合物(36)が得られる。
化合物(36)を方法3のハロゲン化反応と同様に反応させることにより、化合物(31−a)が得られる。
【0072】
方法13:環Aが基(A)であり、Xが−N(R)−または−O−であり、Yが−C(R10)(R11)−であり、mが1であり、Rがアルコキシカルボニルである化合物(1)は、以下の方法により調製される。
【0073】
【化24】

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(17)を化合物(37)と溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなど)の存在下、0〜100℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(38)が得られる。
化合物(38)を化合物(3)と方法1と同様に反応させることにより、化合物(1−I)が得られる。
【0074】
方法14:Gがシアノであり、R1aがアルコキシカルボニルである化合物(25)は、以下の方法により調製される。
【0075】
【化25】

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(39)をアクリロニトリルと溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、塩化メチレンなど)中、室温から溶媒の還流温度で1〜24時間反応させることにより、化合物(40)が得られる。
化合物(40)を三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体と好ましくは還流温度で1〜12時間反応させることにより、化合物(25−a)が得られる。
【0076】
方法15:PおよびPがNであり、Zが−CO−である化合物(3)は、以下の方法により調製される。
【0077】
【化26】

(式中、Jはベンジルオキシカルボニル、Bocなどのアミノ保護基を示し、Lは、ハロゲン、アルコキシなどの脱離基を示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(41)を化合物(42)と、方法1と同様に反応させることにより、化合物(43)が得られる。
化合物(43)を、常法により、パラジウム−炭素を用いた接触還元または酸(トリフルオロ酢酸、塩酸など)で脱保護することにより、化合物(3−a)が得られる。
【0078】
方法16:環Aが基(L)であり、PがNであり、Xが−N(R)−または−O−であり、Yが−C(R10)(R11)−である化合物(1)は、以下の方法により調製される。
【0079】
【化27】

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(13−a)を化合物(44−a)または化合物(44−b)と溶媒(THF、ジオキサン、DMF、DMSO、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)中、必要に応じて塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなど)の存在下、室温から溶媒の還流温度で1〜24時間反応させることにより、化合物(45)が得られる。
化合物(45)を化合物(3)と方法1と同様に反応させることにより、化合物(1−J)が得られる。
【0080】
方法17:環Aが基(N)であり、PがNであり、Xが−N(R)−または−O−であり、Yが−C(R10)(R11)−である化合物(1)は、以下の方法により調製される。
【0081】
【化28】

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(11)を溶媒(DMF、DMSO、THF、ジオキサンなど)中、アジ化金属塩(アジ化ナトリウム、アジ化カリウムなど)と室温から100℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(46)が得られる。
化合物(46)を化合物(3)と方法1と同様に反応させることにより、化合物(1−K)が得られる。
【0082】
方法18:環Aが基(O)であり、PがNであり、Xが−N(R)−または−O−であり、Yが−C(R10)(R11)−である化合物(1)は、以下の方法により調製される。
【0083】
【化29】

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(11)を溶媒(DMF、DMSO、メタノール、エタノールなど)中、ヒドラジンと0〜50℃で1〜24時間反応させることにより、化合物(47)が得られる。
化合物(47)を化合物(48)と溶媒(THF、DMF、DMSO、メタノール、エタノールなど)中または無溶媒で、室温から溶媒の還流温度で1〜24時間反応させることにより、化合物(49)が得られる。
化合物(49)を化合物(3)と方法1と同様に反応させることにより、化合物(1−L)が得られる。
【0084】
方法19:環Aが基(M)であり、PがNであり、Xが−N(R)−または−O−であり、Yが−C(R10)(R11)−である化合物(1)は、以下の方法により調製される。
【0085】
【化30】

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(49)を溶媒(DMF、DMSO、THF、ジオキサンなど)中、加熱することにより、化合物(50)が得られる。
化合物(50)を化合物(3)と方法1と同様に反応させることにより、化合物(1−M)が得られる。
【0086】
方法20:環Aが基(P)、(Q)および(R)である化合物(1)は、WO01/83460およびEP1195378に記載の方法および上記方法に準じて調製することができる。
【0087】
方法21:環A1が基(C)であり、Lvがハロゲンである化合物(6)は、以下の方法により調製される。
【0088】
【化31】

(式中、Rは水素またはアルキルを示し、Pはハロゲンを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(51)を常法によりアンモニア水と処理して化合物(52)とした後、化合物(52)を、溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、THF、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸、キシレン、DMF、DMSOまたはそれらの混合物)中、還元することにより化合物(53)が得られる。還元反応は、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム等の還元剤を用いるか、金属(鉄、亜鉛、スズ等)を用いるか、または遷移金属(パラジウム−炭素、酸化白金、ラネーニッケル、ロジウム、ルテニウム等)を用いた接触還元などによっても行うことができる。なお、接触還元を行う場合、水素源はギ酸、ギ酸アンモニウム、1,4−シクロヘキサジエン等であってもよい。本反応は、通常−20〜150℃で、通常30分間から48時間で進行する。
化合物(53)を尿素と100〜250℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(54)が得られる。
化合物(54)を、溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、塩化メチレン、アセトニトリル、DMFなど)中または無溶媒で、必要に応じて塩基(ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリエチルアミン、コリジン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下、室温から溶媒の還流温度で1〜12時間ハロゲン化剤(オキシ塩化リン、オキシ臭化リンなど)と反応させることにより、化合物(6−F)が得られる。
【0089】
方法22:環Aが基(D)であり、Lvがハロゲンである化合物(6)は、以下の方法により調製される。
【0090】
【化32】

(式中、R4aはアルキルを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(55)を溶媒(メタノール、エタノールなど)中、強塩基(ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドなど)で処理することにより生成する3−オキソプロピオニトリル誘導体と、化合物(56)とを弱塩基(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)の存在下で反応させることにより、化合物(57)が得られる。
化合物(57)を溶媒(メタノール、エタノール、酢酸、水またはその混合物など)中、シアン酸塩(シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウムなど)と反応させることにより、化合物(58)が得られる。本反応は、0℃から100℃、好ましくは室温で、1〜12時間で好適に進行する。
化合物(58)を溶媒(水、メタノール、エタノール、DMSO、DMFなど)中、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)と処理することにより、化合物(59)が得られる。本反応は0〜150℃、好ましくは溶媒の還流温度で、1〜12時間で好適に進行する。
化合物(59)を、方法21と同様にハロゲン化剤と反応させることにより、化合物(6−G)が得られる。
【0091】
方法23:
上記方法において、本発明化合物、中間体化合物、原料化合物等に官能基(水酸基、アミノ、カルボキシ等)を有する場合は、Protective Groups in Organic Synthesis” T. W. Greene, P. M. G. Wuts, John Wiley and Sons 1991に記載の方法に準じて、有機合成化学において通常用いる保護基で保護し、反応後、当該保護基を除去することにより、目的とする化合物を得ることができる。保護基としては、同書に記載された有機合成化学において通常用いる保護基があげられ、例えば、水酸基の保護基としては、例えばテトラヒドロピラニル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、ベンジル、メトキシメチル、アセチル等が挙げられ、アミノの保護基としては、例えばtert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、tert−アミルオキシカルボニル等が挙げられ、カルボキシの保護基としては、例えばメチル、エチル等のアルキル、ベンジル等が挙げられる。
【0092】
また、上記方法に従って本発明化合物、中間体化合物を製造した後、官能基を常法に従って変換または修飾することもできる。具体的には以下の方法が挙げられる。
(1)アミノのアミドへの変換
アミノをアシルハライドと反応させるか、カルボキシを縮合剤存在下でアミンと反応させることにより、対応するアミドに変換することができる。
(2)カルボキシまたはそのエステルのカルバモイルへの変換
カルボキシをアシルハライドに変換した後アミンと反応させるか、カルボキシに縮合剤の存在下でアミンを反応させるか、あるいはエステルにアミンを反応させることにより、対応するカルバモイルに変換することができる。
(3)エステルの加水分解
エステルをアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)または酸(塩酸、硫酸など)で加水分解することにより、対応するカルボキシに変換することができる。
(4)カルバモイルのニトリルへの変換
カルバモイルをオキシ塩化リンまたは無水トリフルオロ酢酸と反応させることで、対応するニトリルに変換することができる。
(5)N−アルキル化、N−フェニル化
アミノをアルキルハライドまたはフェニルハライドと反応させることにより、対応するモノまたはジアルキル置換アミノまたはフェニル置換アミノに変換することができる。
また、アミノを還元的アミノ化反応に付すことにより、対応するモノまたはジアルキル置換アミノに変換することができる。
(6)N−スルホニル化
アミノをアルキルスルホニルハライドまたはフェニルスルホニルハライドと反応させることにより、対応するアルキルスルホニルアミノまたはフェニルスルホニルアミノに変換することができる。
(7)アミノのウレイドへの変換
アミノをアルキルイソシアネートと反応させることにより、アルキルウレイドに変換することができる。
また、アミノをカルバモイルハライドと反応させるか、あるいはアミノをイソシアネートにした後アミンと反応させることにより、ウレイドに変換することもできる。
(8)芳香族ニトロの芳香族アミンへの変換
芳香族ニトロを、常法による還元[例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム等の金属還元試薬、金属(鉄、亜鉛、スズ、塩化スズ(II)、チタン等)による還元、遷位金属(パラジウム−炭素、白金、ラネーニッケル等)を用いた接触還元]で処理することにより、芳香族アミンへ変換することができる。なお、接触還元を行う場合、水素源としてギ酸アンモニウム、ヒドラジン等を使用することもできる。
【0093】
また、上記の製造において、製造される本発明化合物および各中間体は、通常の方法、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶等で精製することができる。再結晶溶媒としては例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル溶媒、酢酸エチル等のエステル溶媒、トルエン等の芳香族溶媒、アセトン等のケトン溶媒、ヘキサン等の炭化水素溶媒、水等またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。また、本発明化合物は常法に従って製薬上許容される塩にすることができ、その後再結晶等を行うこともできる。
【発明の効果】
【0094】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩は、CCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節作用を有することから、アレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患または癌疾患〔例えば、喘息(気管支喘息など)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎など)、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、インスリン依存型糖尿病(IDDM)、臓器移植時の拒絶反応、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、間質性膀胱炎、糸球体腎炎、敗血症、疼痛、成人T細胞白血病(ATL)、悪性腫瘍、肺線維症、好酸球性肺炎、肺好酸球性肉芽種、皮膚T細胞リンパ腫、強直性脊椎炎、冠動脈疾患、類天疱瘡、ホジキン病など〕などに対する予防または治療薬として有用である。
【0095】
本発明の化合物またはその製薬上許容しうる塩は、当該化合物の治療上有効量および製薬上許容される担体からなる医薬組成物に製剤化することができる。製薬上許容される担体としては、希釈剤、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニルピロリドン)、賦形剤(乳糖、ショ糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ)、崩壊剤(バレイショデンプン)および湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム)等を挙げることができる。
【0096】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩は、経口的または非経口的に投与することができ、適当な医薬製剤として用いることができる。経口投与用の適当な医薬製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤などの固体製剤、あるいは溶液製剤、懸濁製剤または乳化製剤などが挙げられる。非経口投与用の適当な医薬製剤としては、坐剤、注射用蒸留水、生理食塩水またはブドウ糖水溶液などを用いた注射剤または点滴製剤、あるいは吸入剤等が挙げられる。
本発明化合物またはその製薬上許容し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年令、体重、状態によっても異なるが、通常、1日当り約0.003〜100mg/kg、好ましくは約0.01〜30mg/kg、とりわけ約0.05〜10mg/kg程度とするのが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0097】
以下、本発明を実施例、参考例により詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0098】
実施例1
【0099】
【化33】

(1)3−アミノピラゾール16.0g、マロン酸ジメチル26.4gのメタノール500ml溶液に室温下でナトリウムメチラートのメタノール溶液(28%)77.2gを加え、加熱還流下で18時間攪拌した。放冷後に反応液を減圧濃縮し、1時間放置し、不溶物を濾取し、乾燥した。不溶物を水500mlに溶かし、6N塩酸を滴下してpHを3にした。析出した結晶を濾取し、水、エタノール、ジエチルエーテルで洗浄した後、乾燥し、4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5,7−ジオンの無色粉末22.1gを得た。
APCI−MS(m/e):152[M+H]
【0100】
【化34】

【0101】
(2)4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5,7−ジオン1.7gにジエチルアニリン3.6ml、オキシ塩化リン9.3mlを加え、70〜75℃下で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮してトルエンで2回共沸した。残渣の半分を酢酸エチルに溶かし、氷および飽和重曹水に注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=19/1→4/1)で精製し、5,7−ジクロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの無色固体0.54gを得た。
APCI−MS(m/e):188/190[M+H]
【0102】
【化35】

【0103】
(3)5,7−ジクロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン470mgの1,4−ジオキサン5ml溶液に、2,4−ジクロロベンジルアミン440mg、トリエチルアミン0.35mlを加え、50〜60℃下で4時間攪拌した。放冷後、反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1)で精製し、(5−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミンの無色固体697mgを得た。
APCI−MS(m/e):327/329[M+H]
【0104】
【化36】

【0105】
(4)(5−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミン290mg1,4−ジオキサン3ml溶液に、2−(ピペラジン−1−カルボニル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.0g、ジイソプロピルエチルアミン0.31mlを加え、17時間還流攪拌した。放冷後、反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1→1/2)で精製し、2−{4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−ピペラジン−1−カルボニル}−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを無色アモルファス142mgとして得た。
APCI−MS(m/e):574/576[M+H]
【0106】
【化37】

【0107】
(5)2−{4−[7−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−ピペラジン−1−カルボニル}−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル142mgを塩化メチレン6mlに溶かし、氷冷下でトリフルオロ酢酸0.5mlを加え、1.5時間攪拌した。更に氷冷下でトリフルオロ酢酸0.5mlを加え、室温で4.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えた。飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、tert−ブタノールから凍結乾燥を行い、{4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−ピロリジン−2−イル−メタノンを無色アモルファス111mgとして得た。
APCI−MS(m/e):474/476[M+H]
【0108】
実施例2〜15
実施例1と同様に反応・処理することにより、以下の化合物を得た。
【0109】
【表1】

【0110】
【表2】

【0111】
実施例16
【0112】
【化38】

(1)オキシ塩化リン144.1gを0℃に冷やし、DMF28mlを滴下した。混合液を室温で30分攪拌した後、4,6−ジヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン20gを加えた。反応液を室温で1時間攪拌した後、還流下、6時間攪拌した。反応液を濃縮した後、残渣にトルエンを加え、再び濃縮した。残渣に水および酢酸エチルを加え、分液した。有機層を乾燥、溶媒を濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→80:20)で精製することにより、4,6−ジクロロ−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボアルデヒドを無色粉末11.62gとして得た。
GC−MS:222/224[M]
【0113】
【化39】

【0114】
(2)0℃に冷やした4,6−ジクロロ−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボアルデヒド2.0gのメタノール80ml溶液に、2,4−ジクロロベンジルアミン1.89gおよびトリエチルアミン1.36gのメタノール10ml溶液を滴下した。反応液を室温で1時間攪拌した後、飽和重曹水および酢酸エチルを加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテルおよびヘキサンを加え、沈殿物を濾取した後、乾燥し、4−クロロ−6−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボアルデヒドを無色粉末2.88gとして得た。
APCI−MS(m/e):362/364[M+H]
【0115】
【化40】

【0116】
(3)4−クロロ−6−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボアルデヒド1.20gのエタノール15ml溶液に、室温下でチオグリコール酸エチル0.4mlおよびトリエチルアミン0.92mlを滴下し、80℃下で2時間攪拌した。放冷後、析出した結晶を濾取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して乾燥した。粗結晶を酢酸エチルに溶かし、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた結晶をジエチルエーテルで洗浄後、乾燥することにより、4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチルを無色固形物1.13gとして得た。
APCI−MS(m/e):428/430[M+H]
【0117】
【化41】

【0118】
(4)4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチル1.13gのDMF20ml/クロロホルム4ml混液に0℃下でメタクロロ過安息香酸781mgを加え、2時間攪拌した。反応液に4−(2−(ピロリジノ)エチル)ピペリジン719mg、トリエチルアミン0.55mlを加え、室温で1日、55℃下で1日攪拌した。放冷後、反応液に2%炭酸カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→75/25)で精製し、4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペリジン−1−イル]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステルを淡黄色粉末1.14gとして得た。
APCI−MS(m/e):562/564[M+H]
【0119】
実施例17
【0120】
【化42】

(1)ジイソプロピルアミン47.7gのTHF1.4L溶液に窒素置換下、‐78℃下でn−ブチルリチウム(1.7Mヘキサン溶液)295mlを30分かけて滴下し、更に30分攪拌した。この反応液に4,6−ジクロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン40.0gのTHF200ml溶液を1時間かけて滴下し、更に1時間攪拌した。反応液をドライアイス800gにゆっくり注ぎ込み、2時間攪拌した。1N塩酸をゆっくり加え、酢酸エチルを加えて、水、飽和食塩水で洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出し、先の有機層と合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。ヘキサンを加えて固体を粉砕した後、乾燥し、4,6−ジクロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸を淡褐色固形物45.51gとして得た。
APCI−MS(m/e):237/239[M−H]
【0121】
【化43】

【0122】
(2)4,6−ジクロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸45.5g、トリエチルアミン53.1gのDMF270ml溶液に、氷冷下で2,4−ジクロロベンジルアミン33.5gのDMF270ml溶液を30分かけて滴下し、室温で4時間攪拌した。反応液にクエン酸水を加え、さらに酢酸エチル/ヘキサンを加えた。水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。酢酸エチル/ヘキサンで結晶化を行い、4−クロロ−6−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸を桃色結晶69.5gとして得た。
APCI−MS(m/e):378/380[M−H]
【0123】
【化44】

【0124】
(3)4−クロロ−6−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸80.5gに塩化チオニル136mlを加え、加熱還流下で1時間攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮した。残渣に塩化メチレン400mlを加え、氷冷下でアンモニア/1,4−ジオキサン溶液を滴下し、室温で3時間攪拌した。反応液を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。NHシリカゲルを加えて濾過し、溶媒を留去した。酢酸エチル/ヘキサンから再結晶し、4−クロロ−6−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸アミドを淡褐色結晶54.6gとして得た。
APCI−MS(m/e):377/379[M+H]
【0125】
【化45】

【0126】
(4)4−クロロ−6−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸アミド20.0gの1,4−ジオキサン250ml溶液に、攪拌下、室温でアンモニアガスをバブリングさせた。その後、110℃まで昇温し、時折アンモニアガスをバブリングさせて、1週間攪拌した。室温に放冷し、加熱還流下で1時間攪拌した。放冷後、反応液にクロロホルムを加え、不溶物を濾取し、クロロホルムで洗浄し、乾燥した。得られた不溶物を酢酸エチル/テトラヒドフランに溶かし、飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、4−アミノ−6−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸アミドを淡褐色粉末2.44gとして得た。
APCI−MS(m/e):358/360[M+H]
【0127】
【化46】

【0128】
(5)4−アミノ−6−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸アミド2.44g、オルトギ酸トリエチル3.3ml、無水酢酸19.2mlを120℃下で5時間攪拌した。反応液を放冷し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル/ヘキサンを加えて固体を粉砕した。ジイソプロピルエーテルで洗浄後、乾燥し、5−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−7−メチルスルファニル−3H−ピリミド[4,5−d]ピリミジン−4−オンを淡黄色粉末770mgとして得た。
APCI−MS(m/e):368/370[M+H]
【0129】
【化47】

【0130】
(6)化合物(1)を、実施例16(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):603/605[M+H]
【0131】
【化48】

【0132】
(7)化合物(1)を、実施例1(5)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):503/505[M+H]
【0133】
実施例18〜20
上記実施例と同様に反応・処理することにより、以下の化合物を得た。
【0134】
【表3】

【0135】
実施例21
【0136】
【化49】

4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペリジン−1−イル]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸150mgのジメチルアセトアミド1ml溶液に室温下でジフェニルリン酸アジド0.12ml、トリエチルアミン0.08mlを加え、60℃で3時間攪拌した。さらにエチルアミン水溶液(70%)0.05mlを加え、室温で1晩放置し、反応液にクロロホルムを加えた。飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。薄層シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=19/1)で精製し、1−{4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペリジン−1−イル]−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル}−3−エチル−ウレアを橙色固形物2.3mgとして得た。
APCI−MS(m/e):576/578[M+H]
【0137】
実施例22
【0138】
【化50】

(2,4−ジクロロ−ベンジル)−(5−ピペラジン−1−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)−アミン40mgのTHF1ml溶液に室温下で塩化ベンゾイル28mgを加え、30分間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルから再結晶し、{4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル−メタノンを無色結晶36mgとして得た。
APCI−MS(m/e):481/483[M+H]
【0139】
実施例23〜40
上記実施例と同様に反応・処理することにより、以下の化合物を得た。
【0140】
【表4】

【0141】
【表5】

【0142】
実施例41
【0143】
【化51】

(1)(2−クロロ−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミン199mg、4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル770mg、ジイソプロピルエチルアミン1.01mlを1,4−ジオキサン3mlに溶かし、マイクロウェーブ照射下150℃で3時間攪拌した。放冷後、反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→85/15)で精製し、1−[4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イル]−4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステルを淡黄色油状物193mgとして得た。
APCI−MS(m/e):562/564[M+H]
−4−カルボン酸
【0144】
【化52】

【0145】
(2)1−[4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イル]−4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル152mgのエタノール溶液2.7mlに2N水酸化ナトリウム水溶液1.35mlを加え、加熱還流下で終夜攪拌した。放冷後、反応液に1N塩酸を加え中和し、溶媒を留去した。クロロホルム/メタノール(4/1)混液を加え、不溶物を濾去し、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=90/10→40/60)で精製し、析出する固体をメタノールで洗浄し、乾燥させることにより、1−[4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イル]−4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペリジン−4−カルボン酸を淡黄色固形物84mgとして得た。
APCI−MS(m/e):534/536[M+H]
【0146】
実施例42
【0147】
【化53】

(1)2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル11.69gのDMF135ml溶液に室温下、DBU32.7gを加え、二酸化炭素雰囲気下で室温下、終夜攪拌した。反応液を0℃に冷やし、1N塩酸1350mlを滴下した。析出した結晶を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄後、乾燥し、6−ニトロ−1H−キナゾリン−2,4−ジオンを黄色粉末14.13gとしてを得た。
APCI−MS(m/e):206[M−H]
【0148】
【化54】

【0149】
(2)6−ニトロ−1H−キナゾリン−2,4−ジオン3.0gにオキシ塩化リン41.45gを加え、還流下、終夜攪拌した。反応液を濃縮した後、残渣にトルエンを加え、再び濃縮した。残渣にクロロホルムを加え、沈殿物を濾去し、濾液に水を加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した。残渣にアセトニトリル50mlを加え、0℃に冷やした後、2,4−ジクロロベンジルアミン1.06gのアセトニトリル20ml溶液を滴下した。0℃で15分攪拌した後、反応液にクロロホルムと水を加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテルを加え、沈殿物を濾取した後、乾燥し、(2−クロロ−6−ニトロ−キナゾリン−4−イル)−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミンを黄色粉末832mgとして得た。
APCI−MS(m/e):383/385[M+H]
【0150】
【化55】

【0151】
(3)(2−クロロ−6−ニトロキナゾリン−4−イル)−(2,4−ジクロロベンジル)アミン226.3mgおよび4−(2−ピロリジノエチル)ピペリジン161mgのイソプロピルアルコール7mlとクロロホルム1mlの懸濁液に、ジイソプロピルエチルアミン153mgを加え、還流下、2時間攪拌した。反応液を濃縮した後、残渣に飽和重曹水とクロロホルムを加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテルを加え、沈殿物を濾取した後、乾燥し、(2,4−ジクロロ−{6−ニトロ−2−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペリジン−1−イル]−キナゾリン−4−イル}−アミンを黄色粉末238mgとして得た。
APCI−MS(m/e):529/531[M+H]
【0152】
【化56】

【0153】
(4)(2,4−ジクロロベンジル)−{6−ニトロ−2−[4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)ピペリジン−1−イル]キナゾリン−4−イル}アミン2.33gのエタノール100ml溶液に塩化スズ 二水和物3.48gを加え、還流下、2時間攪拌した。反応液を濃縮した後、残渣に飽和重曹水とクロロホルムを加えた。不溶物を濾去した後、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した後、残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=99:1→95:5)で精製することにより、{4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−2−[4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)ピペリジン−1−イル]キナゾリン−6−イル}アミンを赤色粉末1.1gとして得た。
APCI−MS(m/e):499/501[M+H]
【0154】
【化57】

【0155】
(5){4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−2−[4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)ピペリジン−1−イル]キナゾリン−6−イル}アミン350mgのTHF30ml溶液に、エチルイソシアネート99.5mgを加え、室温下、終夜攪拌した。さらにエチルイソシアネート48mgを加え、室温下、終夜攪拌した。反応液を濃縮した後、残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=99:1)にて精製した後、さらに薄層NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=19:1)で精製した。残渣にジイソプロピルエーテルを加えた後、沈殿物を濾取し、乾燥して、1−{4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペリジン−1−イル]−キナゾリン−6−イル}−3−エチル−ウレアを黄色粉末125mgとして得た。
APCI−MS(m/e):570/572[M+H]
【0156】
実施例43
【0157】
【化58】

{4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−2−[4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)ピペリジン−1−イル]キナゾリン−6−イル}アミン30mgの塩化メチレン3ml溶液に、アセチルクロライド14mgおよびトリエチルアミン18.2mgを加え、室温下、二日間攪拌した。反応液に飽和重曹水とクロロホルムを加えた後、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した。残渣をメタノールに溶解した後、活性炭を加え、濾過した。濾液を薄層NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)にて精製することにより、N−{4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペリジン−1−イル]−キナゾリン−6−イル}−アセタミドをオレンジ色粉末15mgとして得た。
APCI−MS(m/e):541/543[M+H]
【0158】
実施例44〜81
上記実施例と同様に反応・処理することにより、以下の化合物を得た。
【0159】
【表6】

【0160】
【表7】

【0161】
【表8】

【0162】
【表9】

【0163】
【表10】

【0164】
実施例82
【0165】
【化59】

(1)2,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド5.0gのTHF80ml溶液を0℃に冷やし、28%アンモニア水40mlを加え、室温下で1時間攪拌した。反応液を濃縮した後、酢酸エチルと塩酸水を加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した。残渣を酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルから再結晶を行い、2,4−ジクロロベンゼンスルホンアミドを無色結晶4.23gとして得た。
APCI−MS(m/e):224/226[M−H]
【0166】
【化60】

【0167】
(2)2,4−ジクロロベンゼンスルホンアミド904mgのDMSO10ml溶液に水素化ナトリウム160mgを加え、室温下で30分攪拌した。反応液を0℃に冷やし、2,4−ジクロロキナゾリン597.1mgを加えた後、室温で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチルとリン酸バッファー(pH6)を加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した。残渣にジエチルエーテルを加え、沈殿物を濾取した後、乾燥し、2,4−ジクロロ−N−(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミドを無色粉末164mgとして得た。
APCI−MS(m/e):388/390[M+H]
【0168】
【化61】

【0169】
(3)化合物(1)を、実施例42(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):549/551[M+H]+
【0170】
実施例83
【0171】
【化62】

(1)化合物(1)を、実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):635/637[M+H]+
【0172】
【化63】

【0173】
(2)化合物(1)を、実施例1(5)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):535/537[M+H]+
【0174】
実施例84
【0175】
【化64】

(1)4−クロロ−6−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボアルデヒド600mgの塩化メチレン30ml溶液に、2−アミノエタノール111mgを加え、室温下、30分攪拌した。さらに混合液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム1.05gおよび酢酸0.284mlを加え、室温で終夜攪拌した。反応液に飽和重曹水およびクロロホルムを加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→19:1)で精製することにより、2−{[4−クロロ−6−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−イルメチル]アミノ}エタノールを無色粉末86.3mgとして得た。
APCI−MS(m/e):407/409[M+H]
【0176】
【化65】

【0177】
(2)2−{[4−クロロ−6−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−イルメチル]アミノ}エタノール86.3mgのTHF6ml溶液に、60%水素化ナトリウム10.2mgを加え、加熱還流下で3時間攪拌した。反応液に水およびクロロホルムを加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した後、残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製することにより、(2,4−ジクロロベンジル)−2−(メチルスルファニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−9−オキサ−1,3,6−トリアザベンゾシクロヘプテン−4−イル)アミンを無色粉末28.5mgとして得た。
APCI−MS(m/e):371/373[M+H]
【0178】
【化66】

【0179】
(3)(2,4−ジクロロベンジル)−2−(メチルスルファニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−9−オキサ−1,3,6−トリアザベンゾシクロヘプテン−4−イル)アミン28.5mgのTHF5ml懸濁液に、シクロプロパンカルボニルクロライド12mgおよびトリエチルアミン15.5mgを加え、室温で1時間攪拌した。反応液に飽和重曹水とクロロホルムを加えた後、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した後、残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製することにより、シクロプロピル−[4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−7,8−ジヒドロ−5H−9−オキサ−1,3,6−トリアザベンゾシクロヘプテン−6−イル]メタノンを無色粉末21.9mgとして得た。
APCI−MS(m/e):439/441[M+H]
【0180】
【化67】

【0181】
(4)シクロプロピル−[4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−7,8−ジヒドロ−5H−9−オキサ−1,3,6−トリアザベンゾシクロヘプテン−6−イル]メタノン21.9mgのクロロホルム溶液3ml溶液を0℃に冷やし、75%メタクロロ過安息香酸20mgを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮した後、残渣に1−ピペラジン−1−イル−2−ピロリジン−1−イルエタノン259mgを加え、マイクロウェーブ反応装置を用いて150℃で1時間照射した。反応液を室温まで冷却後、水とクロロホルムを加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した後、残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)にて精製し、再びNH薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=10:1)にて精製し、1−{4−[6−シクロプロパンカルボニル−4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−5,6,7,8−テトラアンヒドロ−9−オキサ−1,3,6−トリアザ−ベンゾシクロヘプタン−2−イル]−ピペラジン−1−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタノンを黄色粉末3mgとして得た。
APCI−MS(m/e):588/590[M+H]
【0182】
実施例85〜177
上記実施例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0183】
【表11】

【0184】
【表12】

【0185】
【表13】

【0186】
【表14】

【0187】
【表15】

【0188】
【表16】

【0189】
【表17】

【0190】
【表18】

【0191】
【表19】

【0192】
実施例178
【0193】
【化68】

(R)−2−{4−[4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−7,8−ジヒドロ−6H−チオピラノ[3、2−d]ピリミジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボニル}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル110.7mgのクロロホルム5ml溶液に、75%メタクロロ過安息香酸74.1mgを加え、室温下、1.5時間攪拌した。反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水および飽和重曹水を加え、10分間攪拌し、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した後、残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製することにより、2−{4−[4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−5,5−ジオキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−λ−6−チエノピリミジン[3,2−d]ピリミジン−2−イル]−ピペリジン−1−カルボニル}ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを無色粉末59.4mgとして得た。
APCI−MS(m/e):639/641[M+H]
【0194】
実施例179〜202
上記実施例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0195】
【表20】

【0196】
【表21】

【0197】
【表22】

【0198】
【表23】

【0199】
実施例203
【0200】
【化69】

(1)4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−[4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸メチルエステル566.8mgのジオキサン5ml溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液5mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液に2N塩酸水を加え、中和した後、クロロホルムおよびリン酸バッファー(pH6)を加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した後、残渣にTHFとジエチルエーテルを加えた。沈殿物を濾取した後、乾燥し、4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−[4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸を無色粉末500mgとして得た。
ESI−MS(m/e):478/480[M+H]
【0201】
【化70】

【0202】
(2)4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−[4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸140mgのDMF3mlとDMSO3mlの懸濁液にN,N’−カルボニルジイミダゾール71.3mgを加え、室温で3日間攪拌した。さらに、反応液に28%アンモニア水0.2mlを加え、室温で終夜攪拌した。反応液に水と酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水で洗浄し、乾燥後、溶媒を濃縮した。残渣を薄層NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)にて精製した。残渣に酢酸エチルとジイソプロピルエーテルを加え、沈殿物を濾取した後、乾燥し、4−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−[4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸アミドを薄黄色粉末20mgとして得た。
APCI−MS(m/e):477/479[M+H]
【0203】
実施例204
【0204】
【化71】

(1)0℃に冷やした水素化リチウムアルミニウム508mgのTHF40ml懸濁液に、5−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸エチルエステル2.5gのTHF17ml溶液を滴下し、室温で30分攪拌した。反応液を0℃に冷やし、飽和硫酸アンモニウム水溶液1.6mlを滴下した後、0℃で10分攪拌した。さらにTHF20mlを加えた後、飽和硫酸アンモニウム水溶液0.5mlを加え、室温で30分攪拌した。反応液を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=90:10)にて精製した。残渣に酢酸エチルを加え、沈殿物を濾取した後、乾燥し、5−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−6−イル]−メタノールを無色粉末500mgとして得た。
APCI−MS(m/e):331/333[M+H]
【0205】
【化72】

【0206】
(2)[5−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−6−イル]メタノール1.32gの塩化メチレン50mlとTHF50mlの溶液に85%二酸化マンガン8.18gを加え、室温で3日間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→75:25)にて精製することにより、5−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒドを薄黄色粉末520mgとして得た。
APCI−MS(m/e):329/331[M+H]
【0207】
【化73】

【0208】
(3)5−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド520mgのメタノール30ml溶液に塩化ヒドロキシルアンモニウム164.7mgおよび酢酸ナトリウム324mgを加え、室温で終夜攪拌した。反応液を濃縮後、残渣に水とクロロホルムを加え、分液した。水層をクロロホルムで2回抽出後、有機層を合わせて乾燥し、溶媒を濃縮した。残渣にジエチルエーテルを加え、沈殿物を濾取した後、乾燥し、5−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド オキシムを無色粉末445mgとして得た。
APCI−MS(m/e):344/346[M+H]
【0209】
【化74】

【0210】
(4)0℃に冷やした5−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド オキシム276mgのTHF10ml溶液に、水素化リチウムアルミニウム36.4mgを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を0℃に冷やし、水素化リチウムアルミニウム36.4mgを加え、室温で終夜攪拌した。反応液を0℃に冷やし、飽和硫酸アンモニウム水溶液0.56mlを加えた後、反応液を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=80:20)にて精製し、(6−アミノメチル−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−5−イル)−(2,4−ジクロロベンジル)アミンを赤色粘体42.6mgとして得た。
APCI−MS(m/e):330/332[M+H]
【0211】
【化75】

【0212】
(5)(6−アミノメチル−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−5−イル)−(2,4−ジクロロベンジル)アミン42.6mgのTHF5ml溶液に、シクロパンカルボニルクロライド14.6mgを加え、室温で10分攪拌した。反応液に飽和重曹水とクロロホルムを加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した後、残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)にて精製し、シクロプロパンカルボン酸[5−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル]アミドを無色粉末36.7mgとして得た。
APCI−MS(m/e):398/400[M+H]+
【0213】
【化76】

【0214】
(6)0℃に冷やした、シクロプロパンカルボン酸[5−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル]アミド36.7mgのクロロホルム5ml溶液に、75%メタクロロ過安息香酸27.6mgのクロロホルム5ml溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。反応液に、1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)ピペラジン43.8mg、トリエチルアミン0.017ml、ジオキサン20mlを加え、100℃で終夜攪拌した。反応液を濃縮後、残渣にクロロホルムと飽和炭酸カリウム水溶液を加え、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を濃縮した後、残渣をNH薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)にて精製した。残渣にジイソプロピルエーテルを加え、沈殿物を濾取した後、乾燥し、シクロプロパンカルボン酸{5−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−3−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペラジン−1−イル]−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル}−アミドを無色粉末17.4mgとして得た。
APCI−MS(m/e):533/535[M+H]
【0215】
実施例205
【0216】
【化77】

5−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸エチルエステル5.40gのクロロホルム100ml溶液に0℃でメタクロロ過安息香酸3.91gを加え、室温で0.5時間攪拌した。反応液に1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)ピペラジン700mg,トリエチルアミン708mgのクロロホルム50ml溶液を30分かけて滴下し、室温で1日攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後に溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→87/13)で精製し、橙色固形物を得た。これを酢酸エチル/ヘキサンから再結晶し、5−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−3−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)ピペラジン−1−イル]−[1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸 エチルエステルを微黄色結晶4.33gとして得た。
APCI−MS(m/e):508/510[M+H]
【0217】
実施例206〜218
上記実施例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0218】
【表24】

【0219】
【表25】

【0220】
実施例219
【0221】
【化78】

3−(4−アクリロイル−ピペラジン−1−イル)−5−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−[1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸 エチルエステル51mgの塩化メチレン5ml溶液にピロリジン15μlを加え、室温で攪拌した。ピロリジン50μlを追加し、室温で終夜攪拌した。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=90/10→30/70)で精製し、5−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−3−[4−(3−ピロリジン−1−イル−プロピオニル)−ピペラジン−1−イル]−[1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸 エチルエステルを淡黄色油状物37mgとして得た。
APCI−MS(m/e):536/538[M+H]
【0222】
実施例220〜254
上記実施例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0223】
【表26】

【0224】
【表27】

【0225】
【表28】

【0226】
【表29】

【0227】
実施例255
【0228】
【化79】

5−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−3−[4−(ピロリジン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−イル]−[1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸アミド116mg、酢酸21μl,パラホルムアルデヒド29.6mgのTHF5ml溶液に、氷冷下で水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム261mgを加え、室温で終夜攪拌した。パラホルムアルデヒド26mg、酢酸21μl、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム515mgを追加し、室温で2日攪拌した。反応液に水を加え、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→20/80)で2回、NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=100/0→90/10)で1回精製することにより、5−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−3−[4−(1−メチル−ピロリジン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−イル]−[1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸アミドを無色固体5mgとして得た。
APCI−MS(m/e):493/495[M+H]
【0229】
実施例256
上記実施例255と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0230】
【化80】

APCI−MS(m/e):493/495[M+H]
【0231】
実施例257
【0232】
【化81】

5−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−3−[4−(1−メチル−ピロリジン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−イル]−[1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸アミド27mgのTHF1.5ml溶液にヨウ化メチル10μlを加えて、室温で終夜攪拌した。溶媒を留去し、残渣をメタノール−酢酸エチルから再結晶を行い、2−{4−[6−カルバモイル−5−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−[1,2,4]トリアジン−3−イル]−ピペラジン−1−カルボニル}−1,1−ジメチル−ピロリジウム ヨウ化物塩を淡黄色結晶21mgとして得た。
APCI−MS(m/e):507/509[M+H]
【0233】
実施例258
【0234】
【化82】

2−(4−アミノメチル−ピペリジン−1−イル)−4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピリミジン−5−カルボン酸アミド95mg,2−メチルスルファニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール155mg、トリエチルアミン325μlをエタノール4mlに溶かし、60℃下で6日間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮し、薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。残渣固形物にジイソプロピルエーテルを加えて粉砕することにより、4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)2−{4−[(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピペリジン−1−イル}−ピリミジン−5−カルボン酸アミドを淡黄色固体15mgとして得た。
APCI−MS(m/e):478/480[M+H]
【0235】
実施例259〜294
上記実施例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0236】
【表30】

【0237】
【表31】

【0238】
【表32】

【0239】
【表33】

【0240】
実施例295
【0241】
【化83】

(1)4−アミノ−6−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸アミド502mgの1,4−ジオキサン70ml溶液にクロロアセトアルデヒド0.344mlを加え、100℃で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→35/65)で精製し、7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−5−メチルスルファニル−イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−8−カルボン酸アミドを黄色固形物108mgとして得た。
APCI−MS(m/e):382/384[M+H]
【0242】
【化84】

【0243】
(2)7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−5−メチルスルファニル−イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−8−カルボン酸アミド15mg、1−ピペリジン−1−イル−2−ピロリジン−1−イル−エタノン56mgをジメチルアセトアミド0.2mlに溶かし、80℃〜100℃で9時間攪拌した。更に1−ピペリジン−1−イル−2−ピロリジン−1−イル−エタノン25mgを追加し、100℃で3時間攪拌した。放冷後、重曹水を加え、酢酸エチル/ジエチルエーテルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。薄層NHシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製し、7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−アセチル)−ピペラジン−1−イル]−イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−8−カルボン酸アミドを淡黄色結晶5mgとして得た。
APCI−MS(m/e):531/533[M+H]
【0244】
実施例296
【0245】
【化85】

(1)4−アミノ−6−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸100mgのDMF2ml溶液にアジ化ナトリウム17.2mgを加えて、50℃で1時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム乾燥後、溶媒を留去した。ヘキサンで洗浄した後、乾燥し、7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−5−メチルスルファニル−テトラゾロ[1,5−c]ピリミジン−8−カルボン酸アミドを淡黄色固形物85mgとして得た。
APCI−MS(m/e):384/386[M+H]
【0246】
【化86】

【0247】
(2)7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−5−メチルスルファニル−テトラゾロ[1,5−c]ピリミジン−8−カルボン酸アミドを、実施例295(2)と同様に反応、処理することにより、)7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−アセチル)−ピペリジン−1−イル]−テトラゾロ[1,5−c]ピリミジン−8−カルボン酸アミドを得た。
APCI−MS(m/e):533/535[M+H]
【0248】
実施例297、298
上記実施例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0249】
【表34】

【0250】
実施例299
【0251】
【化87】

(1)4−アミノ−6−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸1.0gの1,4−ジオキサン20mlに抱水ヒドラジン0.66gを加え、室温で攪拌した。酢酸エチルを加え、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣にヘキサンで洗浄した後、乾燥し、4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−6−ヒドラジノ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸アミドを無色固形物1.01gとして得た。
APCI−MS(m/e):373/375[M+H]
【0252】
【化88】

【0253】
(2)4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−6−ヒドラジノ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸アミド2.66gのDMF70ml溶液にオルトギ酸メチル29.6gを加え、室温で1時間、55℃で3.5時間攪拌した。反応液を放冷し、ジイソプロピルエーテル/酢酸エチル(9/1)を加え、析出した結晶を濾取した。ジイソプロピルエーテルで洗浄後、乾燥し、7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−5−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−8−カルボン酸アミドを黄色結晶1.51gとして得た。
APCI−MS(m/e):383/385[M+H]
【0254】
【化89】

【0255】
(3)7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−5−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−8−カルボン酸アミドを、実施例295(2)と同様に反応、処理することにより、7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−アセチル)−ピペラジン−1−イル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−8−カルボン酸アミドを得た。
APCI−MS(m/e):532/534[M+H]
【0256】
実施例300〜303
上記実施例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0257】
【表35】

【0258】
【表36】

【0259】
実施例304
【0260】
【化90】

(1)4−ニトロ−3−ピラゾール(1)51.06gのメタノール515ml懸濁液に、濃硫酸10.1mlを加え、加熱還流下で終夜攪拌した。反応液を氷冷し、飽和重曹水を加えて液性を弱アルカリ性とし、溶液中のメタノールを減圧留去した。残渣から酢酸エチルで6回抽出し、有機層を合わせて乾燥後、溶媒留去した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンで粉砕し、乾燥し、化合物(2)47.61gを無色粉末として得た。
ESI−MS(m/e):170[M−H]
【0261】
【化91】

【0262】
(2)よく乾燥したメタノール830mlに金属ナトリウム6.71gを注意深くゆっくり加え、金属ナトリウム片が溶解した後に氷冷した。この溶液に化合物(1)43.61gを加え、次いでヨウ化メチル43.64mlを加えて60〜70℃で4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にクロロホルムを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄、乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製し、化合物(2)17.0gを黄色油状物として、化合物(3)26.8gを無色粉末として得た。
化合物(2)
APCI−MS(m/e):186[M+H]
HNMR(500MHZ/DMSO−d)δ(ppm):3.95(s,3H),4.00(s,3H),8.37(s,1H)
化合物(3)
APCI−MS(m/e):186[M+H]
HNMR(500MHZ/DMSO−d)δ(ppm):3.94(s,3H),4.00(s,3H),8.95(s,1H)
【0263】
【化92】

【0264】
(3)28%アンモニア水285mlに化合物(1)17.0gを加え、60℃で6時間攪拌した。反応液を放冷し、減圧濃縮し、化合物(2)16.0gを無色固体として得た。
ESI−MS(m/e):169[M−H]
【0265】
【化93】

(4)化合物(1)19.8gのメタノール350ml懸濁液に、10%パラジウム−炭素を加え、中圧還元装置を用いて、室温、水素ガス加圧下(50psi)で終夜攪拌した。4N塩酸/酢酸エチル120mlに反応液を注ぎ、セライトを用いて不溶物をろ過した。ろ液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えて粉砕、乾燥し、化合物(2)19.95gを淡橙色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):141[M+H]
【0266】
【化94】

【0267】
(5)化合物(1)17.3gとウレア32.9gを反応容器に加え、200℃に加熱下、1時間攪拌した。放冷後、温めた1N水酸化ナトリウム水溶液330mlを加え、溶解させた後に氷冷し、酢酸55mlを加えて液性をpH4とした。析出結晶をろ取し、水で3回、ジエチルエーテルで1回洗浄し、乾燥し、化合物(2)12.6gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):189[M+Na]
【0268】
【化95】

【0269】
(6)化合物(1)14.0gとオキシ塩化リン84mlの懸濁液に、ジエチルアニリン16.9mlをゆっくり加え、加熱還流下で22時間攪拌した。反応液を放冷し、減圧濃縮し、トルエンで2回共沸した。残渣を氷水中にゆっくり注ぎ、クロロホルムを加えて攪拌した。混合物を分液し、クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄、乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1→2:1)で精製し、化合物(2)15.3gを黄色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):203/205[M+H]
【0270】
【化96】

【0271】
(7)化合物(1)14.3gの1,4−ジオキサン260ml溶液に、氷冷下で化合物(2)18.6g、トリエチルアミン17.8gを順次加え、室温で4時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:2)で精製した。ジエチルエーテルで粉砕後、乾燥し、化合物(2)20.0gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):342/344[M+H]
【0272】
【化97】

【0273】
(8)化合物(1)を実施例1(4)および(5)と同様に反応・処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):489/491[M+H]
【0274】
実施例305
【0275】
【化98】

(1)イソキサゾール75gのエタノール300ml溶液に、ナトリウムエトキシド(21w%エタノール溶液)369gを8℃以下で2時間かけてゆっくり加え、そのまま45分攪拌した。反応液に4〜6℃で酢酸22.5g、2−アミノジマロン酸ジエチル塩酸塩143g、酢酸ナトリウム61.4gを順次加え、室温で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残渣にクロロホルムを加えて水洗後、乾燥した。残渣にエタノール1.14L、ナトリウムエトキシド(21w%エタノール溶液)262ml加え、終夜攪拌した。反応液に酢酸42.2gを加えて減圧濃縮した。残渣に水を加えた後、飽和重曹水を加えてpH7とし、クロロホルムを用いて抽出した後、乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステルを60.7g得た。
APCI−MS(m/e):155[M+H]
【0276】
【化99】

【0277】
(2)3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル82.6gを酢酸500mlおよび水50mlの溶液に溶かし、シアン酸カリウム130.4gの250ml水溶液を1時間かけて加え、更に室温で1時間攪拌した。溶媒濃縮し、水500ml、酢酸エチル200mlを加えた後、炭酸カリウムを加えて中和した。析出物をろ取し、水、酢酸エチルで洗浄後、乾燥し、3−ウレイド−1H−ピロロ−2−カルボン酸エチルエステルを63.8g得た。
APCI−MS(m/e):198[M+H]
【0278】
【化100】

(3)3−ウレイド−1H−ピロロ−2−カルボン酸エチルエステル69.4gに6%水酸化ナトリウム水溶液950mlを加え、加熱還流下で30分攪拌した。放冷後、反応液に濃塩酸を加えてpH6とし、攪拌後に析出物をろ取した。少量の水、メタノールで洗浄後に減圧乾燥し、トルエンで共沸し、1,5−ジヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2,4−ジオンを32g得た。
APCI−MS(m/e):152[M+H]
【0279】
【化101】

【0280】
(4)1,5−ジヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2,4−ジオン35.0gに1N水酸化ナトリウム水溶液231mlを加え、しばらく攪拌後に減圧濃縮し、残渣にトルエンを加えて共沸した。残渣にフェニルホスホニックジクロリド239gをゆっくり加え、発熱が納まってから180℃に昇温し、3時間攪拌した。更に、フェニルホスホニックジクロリド100gをゆっくり追加し、終夜攪拌した。反応液を攪拌下で氷水にゆっくり注ぎ、酢酸エチルを加えて抽出した。有機層を重曹水で洗浄後、乾燥した。残渣に酢酸エチル/ジイソプロピルエ−テルを加えて結晶化し、2,4−ジクロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを19.96g得た。
APCI−MS(m/e):188/190[M+H]
【0281】
【化102】

【0282】
(5)2,4−ジクロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン19.9gのアセトニトリル530ml溶液に氷冷下で60%水素化ナトリウム5.08gを加え、室温下で30分攪拌した。反応液に8℃でヨウ化メチル18.03gを滴下し、室温下で終夜攪拌した。不溶物をセライトでろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄し、2,4−ジクロロ−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを11.0g得た。
APCI−MS(m/e):202/204[M+H]
【0283】
【化103】

【0284】
(6)化合物(1)を、実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、(2−クロロ−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミン(2)を20.6g得た。
APCI−MS(m/e):341/343[M+H]
【0285】
【化104】

【0286】
(7)化合物(1)を、実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):391/393[M+H]
【0287】
【化105】

【0288】
(8)化合物(1)を実施例22と同様に反応・処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):502/504[M+H]
【0289】
実施例306
【0290】
【化106】

(1)化合物(1)679mg、トリエチルアミン276μlのTHF20ml懸濁液に、氷冷下でクロロアセチルクロリド224mgを滴下し、1時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、水で洗浄し、乾燥後に溶媒留去した。残渣をジエチルエーテルで粉砕後、乾燥し、化合物(2)686mgを桃色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):453/455[M+H]
【0291】
【化107】

【0292】
(2)化合物(1)100mg、(R)−3−フルオロピロリジン塩酸塩33mg、炭酸カリウム粉末76mgをアセトニトリル2mlおよび1,4−ジオキサン2mlの溶液に加え、室温下で1.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄後、乾燥、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→95:5)で精製し、化合物(2)107mgを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):506/508[M+H]
【0293】
実施例307
【0294】
【化108】

化合物(1)100mgの塩化メチレン5mlおよびDMF0.5mlの溶液に、無水フタル酸72.5mg、トリエチルアミン70μlを加え、室温下で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にクロロホルムを加えて飽和重曹水で洗浄後、乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=98:2→90:10)で精製し、化合物(2)を得た。
化合物(2)をDMFに溶かし、28%アンモニア水1.61ml、ベンゼントリアゾール−1−イロキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスホネート426mg、トリエチルアミン135μlを順次加え、終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で洗浄し、乾燥後に溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→90:10)で精製し、ヘキサン/酢酸エチルから固化し、乾燥して、化合物(3)40mgを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):555/557[M+H]
【0295】
実施例308〜325
上記実施例と同様に反応・処理することにより、以下の化合物を得た。
【0296】
【表37】

【0297】
【表38】

【0298】
【表39】

【0299】
実施例326
【0300】
【化109】

(1)化合物(1)355mg、N−(tert−ブトキシカルボニル)−(R)−プロリン(2)364mgのDMF3.4ml溶液に、ジエチルホスホロシアニデート276mg、トリエチルアミン471μlを氷冷下で順次加え、室温下で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水と水で洗浄し、乾燥後に溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製後、ジエチルエーテル/ヘキサンで結晶化し、化合物(3)267mgを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):649/645[M+H]
【0301】
【化110】

(2)反応条件を60℃にかえて、化合物(1)を実施例41(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):635/637[M+H]
【0302】
【化111】

(3)化合物(1)を参考例32(5)と同様に反応、処理し、次いで参考例32(6)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):534/536[M+H]
上記実施例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0303】
【表40】

【0304】
【表41】

【0305】
【表42】

【0306】
【表43】

【0307】
【表44】

【0308】
実施例347
【0309】
【化112】

(1)化合物(1)と化合物(2)を実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):477/479[M+H]
【0310】
【化113】

(2)化合物(1)を実施例1(5)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):377/379[M+H]
【0311】
【化114】

(3)化合物(1)68mgの塩化メチレン1.5ml溶液に、室温で1−ピロリジンカルボニルクロリド25μl、トリエチルアミン106μlを加え、室温で2時間攪拌した。反応液にTHF1.0mlを加え、室温で終夜攪拌後、50℃で2時間攪拌した。反応液を放冷し、クロロホルムを加え、飽和重曹水で洗浄し、乾燥後に溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→95:5)で精製し、酢酸エチル/ジエチルエーテルで結晶化して、化合物(2)52mgを淡橙色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):474/476[M+H]
上記実施例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0312】
【表45】

【0313】
参考例1
【0314】
【化115】

5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミンを実施例1(1)と同様に反応、処理することにより、2−メチル−4H−ピラゾロ[1,5−a]−ピリミジン−5,7−ジオンを得た。
APCI−MS(m/e):166[M+H]
【0315】
参考例2−1
【0316】
【化116】

メチル 3−アミノ−4―メチル−2−カルボキシレート25.0gおよび尿素43.9gを190℃で4時間攪拌した。放冷後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、不溶物を濾去した。濾液に塩酸を加えて中和し、氷冷下で放置し、析出した結晶を濾取し、水およびメタノールで洗浄後、乾燥し、7−メチル−1H−チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,4−ジオンを淡桃色粉末15.9gとして得た。
APCI−MS(m/e):183[M+H]
【0317】
参考例2−2
【0318】
【化117】

3−アミノ−5−メチル−チオフェン−2−カルボン酸 メチルエステルを、参考例2−1と同様に反応、処理することにより、6−メチル−1H−チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,4−ジオンを得た。
APCI−MS(m/e):183[M+H]
【0319】
参考例3
【0320】
【化118】

化合物(1)を、参考例2−1と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):183[M+H]
【0321】
参考例4
【0322】
【化119】

化合物(1)を、実施例1(1)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):151[M−H]
【0323】
参考例5−1
【0324】
【化120】

化合物(1)を、実施例1(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):202/204[M+H]
【0325】
参考例5−2
【0326】
【化121】

化合物(1)を、実施例1(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):189/191[M+H]
【0327】
参考例5−3
【0328】
【化122】

化合物(1)を、実施例1(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):219/221[M+H]
【0329】
参考例6−1
【0330】
【化123】

化合物(1)を、実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):341/343[M+H]
【0331】
参考例6−2
【0332】
【化124】

化合物(1)を、実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):328/330[M+H]
【0333】
参考例6−3
【0334】
【化125】

化合物(1)を、実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):358/360[M+H]
【0335】
参考例6−4
【0336】
【化126】

化合物(1)を、実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):338/340[M+H]
【0337】
参考例6−5
【0338】
【化127】

化合物(1)を、実施例1(2)および(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):358/360[M+H]
【0339】
参考例6−6
【0340】
【化128】

化合物(1)を、実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):358/360[M+H]
【0341】
参考例6−7
【0342】
【化129】

化合物(1)を、実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):360/362[M+H]
【0343】
参考例7
【0344】
【化130】

(1)(2−オキソ−1−ピロリジン−1−イル)−酢酸メチルエステル1.42g、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.68gを混合し、マイクロウェーブ反応装置を用いて150℃で2時間照射した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→90/10)で精製した。再度、NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=50/50→0/100)で精製し、4−[2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)アセチル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを油状物1.15gとして得た。
APCI−MS(m/e):312[M+H]
【0345】
【化131】

【0346】
(2)化合物(1)を、実施例1(5)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):212[M+H]
【0347】
参考例8
【0348】
【化132】

(1)N−エチル−エタノールアミン24.96gのトルエン85ml溶液に2−クロロアクリロニトリル22.4mlを室温下でゆっくり加え、終夜攪拌した。反応液に0℃下でカリウムtert−ブトキシド31.44gのトルエン200ml/THF160ml溶液をゆっくり加え、更に1時間攪拌した。反応液を減圧留去し、ジエチルエーテルを加え、析出した固体を濾去した。濾液を濃縮し、残渣にトルエン235mlを加え、6N塩酸380mlを加えて加熱還流下で2時間、室温で終夜攪拌した。溶媒を留去した後、乾燥し、4−エチル−モルホリン−2−カルボン酸の粗体を得た。この化合物を精製せずに次工程で用いた。
APCI−MS(m/e):160[M+H]
【0349】
【化133】

(2)4−エチル−モルホリン−2−カルボン酸の粗体に塩化チオニルを加え、加熱還流下で4時間攪拌した。溶媒を留去し、トルエンで2回共沸した。残渣を塩化メチレン100mlに溶かし、氷冷下でベンジルオキシカルボニルピペラジン59.2g、トリエチルアミン195mlを加えて、室温で終夜攪拌した。溶媒を留去した後、ジ−tert−ブチルジカルボネート30.7g、酢酸エチル120mlを加え、室温で4時間攪拌した。クエン酸水を加え、酢酸エチルで抽出し、乾燥後、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=60/40→40/60)で精製し、4−(4−エチル−モルホリン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを橙色油状物3.69gとして得た。
APCI−MS(m/e):362[M+H]
【0350】
【化134】

【0351】
(3)化合物(1)を、参考例9(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):228[M+H]
【0352】
参考例9
【0353】
【化135】

(1)クロロアセチルクロリド1.28gのTHF40ml溶液に0℃でベンジルオキシカルボニルピペラジン2.49g、トリエチルアミン1.58mlのTHF20ml溶液を滴下し、15分間攪拌した。反応液に0℃でピロリジン−2(R)−カルボン酸tert−ブチルエステル4.84gおよびトリエチルアミン1.58mlのTHF溶液5mlを加え、室温で3日間、50−65℃で1日攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1→2/1)で精製し、4−[2−(2S−tert−ブトキシカルボニル−ピロリジン−1−イル)アセチル]−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを淡黄色油状物4.32gとして得た。
APCI−MS(m/e):432[M+H]
【0354】
【化136】

【0355】
(2)4−[2−(2(S)−tert−ブトキシカルボニル−ピロリジン−1−イル)アセチル]−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル4.32gのメタノール溶液に10%パラジウム/炭素1.0gを加え、水素雰囲気下、室温で終夜攪拌した。反応液をセライトで濾過し、濾液を濃縮し、1−(2−オキソ−2−ピペラジン−1−イル−エチル)−ピロリジン−2(S)−カルボン酸tert−ブチルエステルを油状物3.09gとして得た。
APCI−MS(m/e):298[M+H]
【0356】
参考例10−1
【0357】
【化137】

化合物(1)を、実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):377/379[M+H]
【0358】
参考例10−2
【0359】
【化138】

化合物(1)を、実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):408/410[M+H]
【0360】
参考例10−3
【0361】
【化139】

化合物(1)を、実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):394/396[M+H]
【0362】
参考例11
【0363】
【化140】

(1)メチルアクリロニトリル40gに45℃下で臭素を2時間かけてゆっくり滴下し、更に2時間攪拌した。水酸化カリウム67.4gのメタノール500ml溶液に、0℃で先の反応液を30分かけてゆっくり滴下し、2時間後に室温に昇温し、1日攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水を加え、ジエチルエーテルで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、溶媒を留去した。残渣にエタノール50ml、飽水ヒドラジン35.8gを加え、80℃で1日攪拌した。ヒドラジン10gを追加し、80℃で更に1日攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣をクロロホルム/メタノール(9/1)混液に溶かし、シリカゲルを加えて放置後に濾過した。濾液を減圧濃縮し、4−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミンを暗紫色油状物46.7gとして得た。
APCI−MS(m/e):98[M+H]
【0364】
【化141】

化合物(1)を、実施例1(1)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):166[M+H]
【0365】
参考例12
【0366】
【化142】

(1)N−エトキシカルボニルイソニペコチン酸4.43gのTHF50ml溶液に氷冷下でN,N’−カルボニルジイミダゾール9.9gを加え、室温下で1時間攪拌した。反応液に室温でマロン酸モノ(4‐ニトロベンジル)エステル マグネシウム塩12.0gおよびTHF30mlを加え、50℃で10時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加え、塩酸、水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→65/35)で精製した。酢酸エチル/ヘキサンから再結晶を行い、4−[2−(4−ニトロ−ベンジルオキシカルボニル)−アセチル]−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステルを無色粉末7.82gとして得た。
APCI−MS(m/e):379[M+H]
【0367】
【化143】

【0368】
(2)4−[2−(4−ニトロ−ベンジルオキシカルボニル)−アセチル]−ピペリジン−1−カルボン酸 エチルエステル10.3gと3−アミノピラゾール2.2gを酢酸15mlに溶かし、95℃で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、析出した結晶を濾取した。酢酸エチルで洗浄後、乾燥し、4−(7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸 エチルエステルを淡褐色結晶6.9gとして得た。APCI−MS(m/e):291[M+H]
【0369】
【化144】

【0370】
(3)4−(7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸 エチルエステル500mgにジエチルアニリン1.2ml、オキシ塩化リン3.0gを順次加え、50℃で10分間攪拌した。クロロホルムに溶かし、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1→2/1)で精製し、4−(7−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸 エチルエステルを黄色油状物501mgとして得た。
APCI−MS(m/e):309/311[M+H]
【0371】
【化145】

【0372】
(4)4−(7−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸 エチルエステル490mg、2,4−ジクロロベンジルアミン419mgを1,4−ジオキサン5mlに溶かし、ジイソプロピルエチルアミン0.28mlを加え、90℃で9時間攪拌した。放冷後、反応液にクロロホルムを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒を留去した。NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン/クロロホルム=1/5/5→3/10/10)で精製し、4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステルを淡褐色油状物0.75gとして得た。
APCI−MS(m/e):448/450[M+H]
【0373】
【化146】

【0374】
(5)4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル10.4gの2−プロパノール150ml溶液に水酸化カリウム13.0gを加え、加熱還流下で終夜攪拌した。反応液を放冷し、塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。酢酸エチルから結晶化を行い、(2,4−ジクロロ−ベンジル)−(5−ピペリジン−4−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)−アミンを無色結晶7.08gとして得た。
APCI−MS(m/e):376/378[M+H]
【0375】
参考例13
【0376】
【化147】

(1)4−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−カルボン酸から常法により誘導される4−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル5.05gの塩化メチレン50ml溶液に室温でトリフェニルホスフィン7.42gおよび四臭化炭素11.69gを加え、室温で30分間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、クロロホルムで3回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル100/0→90/10)で精製し、4−ブロモメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを無色油状物7.25gとして得た。
APCI−MS(m/e):178/180[M+H]
【0377】
【化148】

化合物(1)を、実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):269[M+H]
【0378】
参考例13(4):
【0379】
4−ピロリジン−1−イルメチル−ピペリジン・2塩酸塩
【0380】
【化149】

化合物(1)を、実施例1(5)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):169[M+H]
【0381】
参考例14
【0382】
【化150】

(1)ジイソプロピルアミン4.1mlのTHF4.1ml溶液に窒素置換下、−78℃でn−ブチルリチウム(1.7Mヘキサン溶液)を加え、30分攪拌した。この反応液にN−tert−ブチルオキシカルボニル−イソニペコチン酸エチルエステル5.01gのTHF15ml溶液を滴下し、30分攪拌した。更にクロロブロモエタン4.8mlを加え、−30℃〜−20℃で5時間攪拌した。反応液に氷冷下で飽和重曹水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10→80/20)で精製し、4−(2−クロロ−エチル)−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル−4−エチルエステルを淡黄色油状物2.19gとして得た。
APCI−MS(m/e):220/222(M+2H−Boc)
【0383】
【化151】

【0384】
(2)化合物(1)を、実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):355[M+H]
【0385】
【化152】

【0386】
(3)化合物(1)を、実施例1(5)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):255[M+H]
【0387】
参考例15
【0388】
【化153】

(1)N−(1−tert−ブトキシカルボニル)−(R)−プロリン10gのDMF200ml溶液に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩10.7gおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物8.5gを加え、室温で1時間攪拌した。反応液にピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル12.3gを加え、室温で終夜攪拌した。反応液に水と酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル:メタノール=2:1:0→0:1:0→0:100:1)にて精製した。残渣にジエチルエーテルを加え、沈殿物を濾取した。ヘキサンで洗浄し、乾燥後、目的物の粉末4.02gを得た。(収率21%) APCI−MS(m/e):418[M+H]
【0389】
【化154】

【0390】
(2)化合物(1)を、参考例9(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):284[M+H]
【0391】
参考例16
【0392】
【化155】

(1)化合物(1)を、参考例9(1)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):332[M+H]
【0393】
【化156】

【0394】
(2)化合物(1)を、参考例9(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):198[M+H]
【0395】
参考例17
【0396】
【化157】

(1)化合物(1)を、参考例2(1)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):206[M−H]
【0397】
【化158】

【0398】
(2)化合物(1)を、実施例1(2)および(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):383/385[M+H]
【0399】
参考例18
【0400】
【化159】

(1)5−アミノフラン−2−カリボン酸メチルエステル12.26gのトルエン100ml溶液に、アクリロニトリル11.4mlを加え、還流下、終夜攪拌した。反応液を濃縮後、残渣にジエチルエーテルを加えた。沈殿物を濾取した後、乾燥し、化合物(2)の粉末14.87gを得た。得られた粉末14.87gにトルエン100mlを加えた後、三フッ素化ホウ素ジメチルエーテル錯体15.08gを加え、還流下、2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル200mlを加え、水100mlを滴下した後、分液した。有機層を乾燥し、溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10→70:30)にて精製することにより、化合物(3)の無色粉末2.48gを得た。
APCI−MS(m/e):177[M+H]
【0401】
【化160】

【0402】
(2)化合物(1)を、実施例42(1)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):221[M+H]
【0403】
【化161】

【0404】
(3)化合物(1)を、実施例1(2)および(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):396/398[M+H]
【0405】
参考例19
【0406】
【化162】

6−ニトロ−1H−キナゾリン−2,4−ジオン2.07gおよび2,4,6−トリメチルピリジン3.64gのアセトニトリル150mlの懸濁液に、オキシ塩化リン18.4gを加え、還流下、終夜攪拌した。反応液を濃縮した後、残渣に酢酸エチルと水を加え、分液した。有機層を水で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣にアセトニトリル100mlを加え、0℃に冷却した。この溶液に50℃にて1時間攪拌した2,4−ジクロロベンジルアルコール3.54gおよび水素化ナトリウム800mgのDMF50ml懸濁液を0℃にて滴下した。混合物を0℃で1時間攪拌後、反応液に酢酸エチルと水を加え、分液した。有機層を水で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣にクロロホルムとジエチルエーテルを加え、沈殿物を濾去した後、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→85:15)にて精製した。残渣にジエチルエーテルおよびヘキサンを加え、沈殿物を濾取した後、乾燥し、目的物の黄色粉末378mgを得た。
APCI−MS(m/e):384/386[M+H]
【0407】
参考例20
【0408】
【化163】

(1)化合物(1)を、参考例2(1)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):169[M+H]
【0409】
【化164】

【0410】
(2)化合物(1)を、実施例1(2)および(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):344/346[M+H]
【0411】
参考例21
【0412】
【化165】

化合物(1)を、実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):419/421[M+H]
【0413】
参考例22
【0414】
【化166】

(1)化合物(1)を、実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):552/554[M+H]
【0415】
【化167】

【0416】
(2)化合物(1)を、実施例1(5)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):452/454[M+H]
【0417】
参考例23
【0418】
【化168】

(1)濃硫酸68mlを−5℃〜−2℃に冷やし、濃硝酸68mlを滴下した溶液に、1H−チエノ[3、2−d]ピリミジン−2,4−ジオン24.38gを0℃で加え、2.5時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、析出する結晶を濾取した。水で洗浄した後、乾燥させ、6−ニトロチエノ[3、2−d]ピリミジン−2,4−ジオールと7−ニトロチエノ[3、2−d]ピリミジン−2,4−ジオールの混合物16.31gを得た。
APCI−MS(m/e):212[M−H]
【0419】
【化169】

(2)化合物(1)および(2)の混合物を、実施例1(2)および(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):389/391[M+H]
【0420】
参考例24
【0421】
【化170】

(1)−70℃に冷やしたジイソプロピルアミン7.81gのTHF溶液400mlに、1.6Mのn−ブチルリチウム48.25mlを滴下し、−70℃で30分間、攪拌した。さらに2,6−ジクロロピラジン5.0gのTHF溶液50mlを、−70℃で30分間かけて滴下した後、−70℃で1.5時間攪拌した。反応液にドライアイス150gを加え、さらに30分間攪拌した。反応液に6N塩酸水200mlを加えた後、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を濃縮した後、残渣に酢酸エチルおよび飽和重曹水を加え、分液した。水層に濃塩酸を加え、溶液を酸性にした後、酢酸エチルを加え、分液した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、溶媒を留去した。残渣に塩化チオニル100mlを加えた後、DMF0.5mlを加え、還流下、45分間した。反応液を濃縮後、残渣にトルエンを加え、再び濃縮した。残渣に塩化メチレン100mlを加えた溶液を0℃に冷やし、28%アンモニア水25mlを滴下した。反応液を0℃で15分間攪拌した後、分液した。有機層を乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25→45:55)にて精製した。残渣にジイソプロピルエーテルを加え、沈殿物を濾取した後、乾燥し、3,5−ジクロロ−ピラジン−2−カルボン酸アミドを無色粉末1.66gとして得た。
APCI−MS(m/e):192/194[M+H]
【0422】
【化171】

【0423】
(2)3,5−ジクロロ−ピラジン−2−カルボン酸アミドを、実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):331/333[M+H]
【0424】
参考例25
【0425】
【化172】

WO01/83460に記載の方法に準じて調製される4,6−ジクロロピリダジン−3−カルボン酸メチルエステル3.08gのトルエン100ml懸濁液に、2,4−ジクロロベンジルアミン2.81gとトリエチルアミン2.20gのトルエン20ml溶液を滴下し、終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルおよび水を加え、攪拌した後、分液した。有機層を乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20→0:100)にて精製し、6−クロロ−4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピリダジン−3−カルボン酸メチルエステルを無色粉末4.46gとして得た。
APCI−MS(m/e):346/348[M+H]
【0426】
参考例26−1
【0427】
【化173】

チオセミカルバジド49.8g、オキソマロン酸ジエチル98.3gのエタノール900ml溶液を加熱流下で5時間攪拌した。反応液を放冷し、これに室温でナトリウムエトキシド37.4gを加え、加熱還流下で2時間攪拌した。再び反応液を放冷し、0℃でヨウ化メチル113g、炭酸カリウム41.5gの水溶液300mlをゆっくり加え、0℃で4時間攪拌した。0℃でクエン酸水溶液をゆっくり滴下して反応を加え、エタノールを減圧留去した。残渣に塩化ナトリウムを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=98/2→93/7)で精製し、黄色固形物を得た。酢酸エチルから再結晶し、3−メチルスルファニル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸 エチルエステルを淡黄色結晶85.2gとして得た。
APCI−MS(m/e):216[M+H]
【0428】
参考例26−2
【0429】
【化174】

化合物(1)と化合物(2)を、参考例26−1と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):220[M+H]
【0430】
参考例26−3
【0431】
【化175】

化合物(1)と化合物(2)を、参考例26−1と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):212[M+H]
【0432】
参考例27−1
【0433】
【化176】

3−メチルスルファニル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸エチルエステル60.0gに塩化チオニル650mlを加え、加熱還流下で1日攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、トルエンで3回共沸した。残渣に塩化メチレン500mlを加えて溶かし、これに0℃で2,4−ジクロロベンジルアミン51.1g、トリエチルアミン40.5gの塩化メチレン300ml溶液をゆっくりと滴下し、室温で1時間攪拌した。反応液をクエン酸水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1→4/1)で精製し、黄色固形物を得た。酢酸エチル/イソプロピルエーテルから再結晶し、5−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−3−メチルスルファニル−[1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸エチルエステルを微黄色結晶48.2gとして得た。
APCI−MS(m/e):373/375[M+H]
参考例27−1と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0434】
参考例27−2
【0435】
【化177】

APCI−MS(m/e):373/375[M+H]
【0436】
参考例27−3
【0437】
【化178】

APCI−MS(m/e):341[M+H]
【0438】
参考例27−4
【0439】
【化179】

APCI−MS(m/e):341[M+H]
【0440】
参考例27−5
【0441】
【化180】

APCI−MS(m/e):387/389[M+H]
【0442】
参考例27−6
【0443】
【化181】

APCI−MS(m/e):387/389[M+H]
【0444】
参考例27−7
【0445】
【化182】

APCI−MS(m/e):369/371[M+H]
【0446】
参考例27−8
【0447】
【化183】

APCI−MS(m/e):377/379[M+H]
【0448】
参考例27−9
【0449】
【化184】

APCI−MS(m/e):372/374[M+H]
【0450】
参考例27−10
【0451】
【化185】

APCI−MS(m/e):373/375[M+H]
【0452】
参考例27−11
【0453】
【化186】

4−クロロ−6−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸アミド201mg、2MメチルアミンのTHF溶液0.8mlに1,4−ジオキサン5mlを加え、40〜50℃で加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1→1/0)で精製し、4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−6−メチルアミノ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルボン酸アミドを無色結晶197mgとして得た。
APCI−MS(m/e):372/374[M+H]
参考例27−11と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0454】
参考例27−12
【0455】
【化187】

APCI−MS(m/e):386/388 [M+H]
【0456】
参考例27−13
【0457】
【化188】

APCI−MS(m/e):373/375[M+H]
【0458】
参考例27−14
【0459】
【化189】

APCI−MS(m/e):428/430[M+H]
【0460】
参考例28−1
【0461】
【化190】

化合物(1)を、実施例16(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):511/513[M+H]
参考例28−1、実施例22、実施例203および実施例1(5)と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0462】
参考例28−2
【0463】
【化191】

APCI−MS(m/e):411/413[M+H]
【0464】
参考例28−3
【0465】
【化192】

APCI−MS(m/e):454/456[M+H]
【0466】
参考例28−4
【0467】
【化193】

APCI−MS(m/e):487/489[M+H]
【0468】
参考例28−5
【0469】
【化194】

APCI−MS(m/e):465/467[M+H]
【0470】
参考例28−6
【0471】
【化195】

APCI−MS(m/e):382/384[M+H]
【0472】
参考例28−7
【0473】
【化196】

APCI−MS(m/e):494/496[M+H]
【0474】
参考例28−8
【0475】
【化197】

APCI−MS(m/e):525/527[M+H]
【0476】
参考例28−9
【0477】
【化198】

APCI−MS(m/e):539/541[M+H]
【0478】
参考例28−10
【0479】
【化199】

APCI−MS(m/e):510/512[M+H]
【0480】
参考例28−11
【0481】
【化200】

APCI−MS(m/e):496/498[M+H]
【0482】
参考例28−12
【0483】
【化201】

APCI−MS(m/e):410/412[M+H]
【0484】
参考例28−13
【0485】
【化202】

APCI−MS(m/e):396/398[M+H]
【0486】
参考例28−14
【0487】
【化203】

APCI−MS(m/e):510/512[M+H]
【0488】
参考例28−15
【0489】
【化204】

APCI−MS(m/e):482/484[M+H]
【0490】
参考例28−16
【0491】
【化205】

APCI−MS(m/e):481/483[M+H]
【0492】
参考例29
【0493】
【化206】

(1)ベンズアルデヒド10.6g、S−メチルチオウレア硫酸塩13.9g、マロン酸ジエチル16.0gのエタノール200ml溶液に炭酸カリウム13.8gを加え、50〜60℃で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、塩酸、水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→70/30)で精製した。酢酸エチル/ヘキサンから再結晶し、目的物を無色結晶6.21gとして得た。
APCI−MS(m/e):293[M+H]
【0494】
【化207】

【0495】
(2)化合物(1)5.85gの2−プロパノール120ml溶液に0℃下で2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン4.52gをゆっくりと加え、0℃で1時間、室温で1日攪拌した。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン1.16gを追加し、室温で4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→93/7)で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、目的物を無色結晶4.42gとして得た。
APCI−MS(m/e):291[M+H]
【0496】
【化208】

【0497】
(3)化合物(1)を、実施例1(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):309/311[M+H]
【0498】
【化209】

【0499】
(4)化合物(1)を、実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):448/450[M+H]
【0500】
参考例30
【0501】
【化210】

(1)ジイソプロピルアミン1.32mlのTHF溶液10mlに窒素置換下、−78℃でn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.7M)5.5mlをゆっくりと加え、30分攪拌後、4−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン1.01gのTHF溶液12mlをゆっくり加え、1時間攪拌した。更にこの反応液に3−メトキシベンズアルデヒド950mgのTHF溶液12mlをゆっくり加え、−78℃で2時間、室温に昇温して2時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10→65/35)で精製した。再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→50/50)で精製し、(4−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−イル)−(3−メトキシ−フェニル)メタノールを橙色油状物878mgとして得た。
APCI−MS(m/e):296[M+H]
【0502】
【化211】

【0503】
(2)(4−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−イル)−(3−メトキシ−フェニル)メタノール824mgのクロロホルム30ml溶液に0℃下で二酸化マンガン(粉末)4.83gを加え、室温で6時間攪拌した。更に二酸化マンガン4.83gを追加し、終夜攪拌した。反応液中の不溶物をセライトで濾去し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→80/20)で精製し、(4−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−イル)−(3−メトキシ−フェニル)メタノンを無色油状物500mgとして得た。
APCI−MS(m/e):295/297[M+H]
【0504】
【化212】

【0505】
(3)(4−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−イル)−(3−メトキシ−フェニル)メタノンを、実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):434/436[M+H]
参考例31
【0506】
【化213】

(1)化合物(1)8.96g、化合物(2)19.88gのDMF120ml溶液に、氷冷下でジエチルホスホロシアニデート22.64g、トリエチルアミン19.36mlを順次ゆっくりと滴下し、室温下で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で洗浄し、乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=98:2→90:10)で精製し、化合物(3)6.80gを淡黄色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):302[M+H]
【0507】
【化214】

【0508】
(2)化合物(1)7.73gのメタノール100ml溶液に10%パラジウム−炭素1.0gを加え、水素ガス置換下(50psi)、室温下で終夜攪拌した。メンブランフィルターを用いて反応液中の不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、化合物(2)4.76gを淡黄色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):198[M+H]
【0509】
参考例32
【0510】
【化215】

(1)メタノール450mlに氷冷下で塩化チオニル30mlをゆっくり加え、化合物(1)44.9gを加えて室温下で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル500mlを加え、飽和重曹水、水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒留去し、化合物(2)57.8gを淡黄色油状物として得た。
GC−MS(m/e):184/186[M+H]
【0511】
【化216】

【0512】
(2)化合物(1)51.0gの四塩化炭素478mlにN−ブロモスクシンイミド54.3g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.2gを加え、加熱還流下で2時間攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→95:5)で精製し、化合物(2)69.3gを淡黄色油状物として得た。
HNMR(400MHZ/CDCl)δ(ppm):3.93(s,3H),4.60(s,2H),7.52(d,1H,J=7.8Hz),7.91(dd,1H,J=1.5Hz,7.8Hz),8.06(d,1H,J=1.5Hz)
【0513】
【化217】

【0514】
(3)メタノール1.5Lを氷冷し、攪拌下、アンモニアガスを溶解させた。この溶液に化合物(1)を加え、室温下で2時間攪拌し、更にアンモニア/メタノール1Lを追加し、室温下で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えて粉砕し、ろ取して乾燥し、化合物(2)34.4gを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):200/202[M+H]
【0515】
【化218】

【0516】
(4)化合物(1)34.4gに水1.2Lを加えて溶かし、これに水酸化ナトリウム10.8g、ジ−tert−ブチルジカーボネート29.4gの1,4−ジオキサン0.6L溶液を加え、室温で4時間攪拌した。更に水酸化ナトリウム5.4gの50ml水溶液を加え、終夜攪拌した。更に水酸化ナトリウム10.8gの100ml水溶液を追加し、室温で1時間攪拌後、反応液を減圧濃縮した。残渣にクエン酸70g水溶液をゆっくり加えてpH3−4とし、2−プロパノール/クロロホルム(9:1)で抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒留去し、化合物(2)33.2gを無色固形物として得た。
ESI−MS(m/e):284[M−H]
【0517】
【化219】

【0518】
(5)化合物(1)1.12gのDMF20ml溶液に、28%アンモニア水2ml、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド1.50g、1−ヒドロキシベンゼントリアゾール1.20gを加え、室温下で4日間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒留去した。残渣をイソプロピルエーテル/ヘキサンで粉砕し、乾燥し、化合物(2)1.04gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):185/187[M+H]
【0519】
【化220】

【0520】
(6)化合物(1)600mgのアセトニトリル50ml溶液に、トリフェニルホスフィン3.32g、四塩化炭素972mgを加え、室温で2日間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、飽和重曹水で洗浄し、乾燥後に溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→95:5)で精製し、化合物(2)554mgを無色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):267/269[M+H]
【0521】
【化221】

【0522】
(7)化合物(1)597mgの1,4−ジオキサン10ml溶液に、室温下で4N塩酸−ジオキサン15mlを加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えて粉砕した。ろ過後、乾燥し、化合物(2)298mgを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):167/169[M+H]
【0523】
参考例33
【0524】
【化222】

(1)化合物(1)990mgの塩化メチレン30ml溶液に、氷冷下で四臭化炭素2.02g、トリフェニルホスフィン2.0gを順次加え、室温で終夜攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、水洗し、乾燥後に溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→95:5)で精製し、化合物(2)1.39gを無色透明油状物として得た。
HNMR(400MZ/CDCl)δ(ppm):4.50(s,2H),7.26(d,1H,J=9.0HZ),7.46(d,1H,J=6.7HZ)
【0525】
【化223】

【0526】
(2)化合物(1)624mgのTHF30ml溶液に60%水素化ナトリウム145mgを加えて30分攪拌後、イミノジカルボン酸−ジ−tert−ブチルエステル788mgを加え、55℃で1時間攪拌した。イミノジカルボン酸−ジ−tert−ブチルエステル788mgを追加し、55℃で終夜攪拌した。反応液を放冷後、酢酸エチルを加え、水洗後、乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→95:5)で精製し油状物を得た。得られた油状物の酢酸エチル溶液に4N塩酸/酢酸エチル20mlを加えて、室温で1.5時間攪拌し、反応液を減圧濃縮した。残渣にジエチルエーテル/ヘキサンを加えて固形物を粉砕し、乾燥させて、化合物(2)490mgを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):194/196[M+H]
【0527】
参考例34
【0528】
【化224】

(1)化合物(1)7.8gの四塩化炭素50ml溶液にN−ブロモスクシンイミド9.26g、過酸化ベンゾイル515mgを加え、加熱還流下で終夜攪拌した。反応液を放冷し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)で精製し、化合物(2)8.87gを黄色透明油状物として得た。
HNMR(400MHZ/CDCl)δ(ppm):4.60(s,2H),7.50(d,1H,J=8.5HZ),7.57(dd,1H,J=2.3,8.5HZ),7.65(d,1H,J=2.3HZ)
【0529】
【化225】

(2)化合物(1)を参考例33(2)と同様に反応、処理し、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):167/169[M+H]
【0530】
実験例1:MDC誘発マウスT細胞遊走に対する阻害作用
マウス(雄性Balb/c)より摘出した脾臓を2%FBS含有RPMI−1640培地中にてすりつぶし、脾臓細胞懸濁液を得た。塩化アンモニウム溶血処理により脾細胞懸濁液中の赤血球を除き、さらにマウスT細胞分離カラム(R&D Systems)を用いてT細胞に精製した。精製したT細胞を,IL−2(20 ng/mL、R&D Systems)を含む10%FCS含有RPMI−1640培地に懸濁し、抗CD3抗体を固相化した6ウエルプレート内で37℃、5%COの条件下で4日間培養した。培養終了後、T細胞を0.5%ウシ血清アルブミン、25mM HEPESを含むRPMI−1640培地(アッセイバッファー)に懸濁し、T細胞懸濁液とした。
24ウエルトランスウエルプレート(コーニング)の上室に、ジメチルスホキシド(DMSO)に溶解しアッセイバッファーで希釈した被験化合物とT細胞懸濁液(5×10個/ウエル)を添加した。なお、トランスウエルは、あらかじめゼラチン(新田ゼラチン)とフィブロネクチン(シグマ)で固相化したものを用いた。下室には、上室と同一濃度になるように調製した被験化合物とアッセイバッファーに溶解したマウスMDC(最終濃度30 ng/mL)を添加した。上室を下室に重ね、37℃、5%COの条件下で90分間反応させた。反応終了後、下室に遊走した細胞数を、フローサイトメーター(ベクトン・ディッキンソン)を用いて計測した。
被験化合物の遊走反応に対する阻害率(%)は、以下の計算式より算出した。
【0531】
結合阻害率(%)={1−(A−B)/(C−B)}×100
A;被験化合物存在下でMDCを添加したウエルの細胞数
B;被験化合物非存在下でMDCを添加しなかったウエルの細胞数
C;被験化合物非存在下でMDC添加したウエルの細胞数

被験化合物の各濃度における抑制率を計算し、阻害曲線から抑制率50%を示す化合物濃度(IC50値)を求めた。その結果を表1に示す。
【0532】
【表46】

【産業上の利用可能性】
【0533】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩は、優れたCCR4あるいはTARCおよび/またはMDC機能調節作用を有し、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、炎症性疾患または自己免疫疾患等の予防または治療薬として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

(式中、環Aは下式から選ばれる基を示す。
【化2】

環Bは置換されていてもよい芳香族炭素環または置換されていてもよい複素環を示す。
およびPは、同一または異なって、それぞれCHまたはNを示す。ただし、PおよびPは同時にCHではない。
q、rはそれぞれ0、1または2を示す。
mは1または2を示す。nは1〜3の整数を示す。
wは0、1または2を示す。
Qは酸素原子、硫黄原子または−N(R)−を示す。
Xは−N(R)−、−O−または−C(R)(R)−を示す。
Yは−C(R10)(R11)−、−CO−または−SO−を示す。
Zはオキソで置換されていてもよいアルキレン、−CON(R12)−、−SON(R12)−、−N(R12)−または−SO−を示す。ただし、Zが−CON(R12)−、−SON(R12)−または−N(R12)−の時、PはCHを示す。
は水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノ、ニトロまたは置換されていてもよいウレイドを示す。
1aはカルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノ、ニトロ、フェニルまたは置換されていてもよいウレイドを示す。
1bはアルキルでモノまたはジ置換されていてもよいアミノまたは置換されていてもよいフェニルを示す。
1cはカルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイルまたは置換されていてもよいベンゾイルを示す。
1dは水酸基、アルコキシ、アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいアミノまたは置換されていてもよいフェニルを示す。
は水素、アルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシまたはオキソを示す。
は置換されていてもよい炭素環式基、置換されていてもよい複素環式基、水酸基、アルコキシまたは置換されていてもよいアミノを示す。
は水素またはアルキルを示す。
は水素、アルキルまたは置換されていてもよいアルカノイルを示す。
は水素、アルキルまたは置換されていてもよいアルカノイルを示す。
は水素またはアルキルを示す。
およびRならびにR10およびR11は、同一または異なって、それぞれ水素またはアルキルを示す。
12は水素またはアルキルを示す。)
により表される化合物またはその製薬上許容しうる塩からなる医薬。
【請求項2】
環Aが下式から選ばれる基である請求項1に記載の医薬。
【化3】

(式中、各記号は請求項1における意義と同義である。)
【請求項3】
Zがオキソで置換されたアルキレンである請求項1または2に記載の医薬。
【請求項4】
が(1)オキソまたはシアノで置換されていてもよいピロリジニル、(2)アルキル、アルカノイルおよびオキソから選ばれる基で置換されていてもよいピペリジニル、(3)アルキル置換されていてもよいピペラジニル、(4)アルキル置換されていてもよいモルホリニル、(5)アルキル置換されていてもよいイミダゾリル、(6)ピリジル、(7)1〜2個のオキソで置換されていてもよいチアモルホリニル、(8)テトラヒドロピラニルまたは(9)1〜2個のオキソで置換されていてもよいテトラヒドロピリミジニルである請求項1〜3のいずれかに記載の医薬。
【請求項5】
Xが−NH−であり、Yが−CH−、−CH(CH)−または−C(CH−であり、環Bがハロゲン、アルキルおよびハロアルキルから選ばれる1または2個の基で置換されたベンゼンである請求項1〜4のいずれかに記載の医薬。

【公開番号】特開2009−7341(P2009−7341A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138903(P2008−138903)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000002956)田辺三菱製薬株式会社 (225)
【Fターム(参考)】