説明

半導体加工用粘着フィルム、半導体ウエハ、半導体素子および半導体装置

【課題】
半導体素子に対してアンダーフィルの半導体素子裏面への回り込みを防止する機能を付与することができる半導体ウエハ加工用粘着フィルムを提供する。また、個片化された半導体素子を用いて半導体装置を作製する際、同様の機能を有するものとなる半導体ウエハを提供する。
【解決手段】
少なくとも粘着層と基材層とを有する半導体ウエハ加工用粘着フィルムであって、前記粘着層が撥脂剤を含むものである半導体加工用粘着フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体加工用粘着フィルム、半導体ウエハ、半導体素子および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を製造する工程においては、例えば半導体ウエハやパッケージ等を切断する際に半導体ウエハ加工用の粘着フィルムが用いられている。この粘着フィルムは、半導体ウエハやパッケージ等を貼り付け、ダイシング(個片化)し、さらに粘着フィルムをエキスパンティング等することによりダイシングされた半導体ウエハ等(半導体素子)をピックアップするために用いられる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
近年、半導体装置の製造方法としてフリップチップ・パッケージ、ボードへのダイレクト・チップアタッチ、スタックト・ダイ・パッケージ及び様々なBGA(BallGrid Array)アセンブリが行われている。この様な半導体装置のアセンブリにおいては、アンダーフィルが使用されている。ここでアンダーフィルとは、半導体素子と被着体との間に充填し、硬化することにより半導体素子と被着体との間を封止するための液状の熱硬化性樹脂組成物である。液状の熱硬化性樹脂組成物を半導体素子と被着体との間に注入し硬化させることにより、半導体素子と被着体とを接着し、半導体素子と被着体との間の応力緩和や半導体素子の脱落を防止することが可能となる。これは半導体装置の信頼性向上にもつながるため、半導体装置の製造方法にアンダーフィルが広く使用されるものとなっている。
【0004】
半導体素子と被着体(基板等)との間にアンダーフィルを効果的に充填させるために、アンダーフィルは常温での粘度に比べ、高温に加熱した際、粘度が大きく低下するという粘度特性を有するものとなっている。しかし、この様なアンダーフィルの粘度特性から、硬化時の加熱により一時的に更に粘度が低下した際に、液状のアンダーフィルがチップの裏面まで回り込む場合がある。アンダーフィルのチップ裏面への回り込みは、半導体装置の外観の悪化させるだけでなくチップをスタック(重ねる)する際に、厚みが不均一になるという問題を発生させる。
【0005】
この問題を解決する手段としてアンダーフィルの種類やアンダーフィルの注入条件や硬化条件の検討されている。しかしながら設備の改造によるコストアップ、アンダーフィルを均一に注入するための注入回数の増加による工程の煩雑化、樹脂粘度を抑制するための硬化工程が長時間化するなどの問題が指摘されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−257893
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、半導体素子に対してアンダーフィルの半導体素子裏面への回り込みを防止する機能を付与することができる半導体ウエハ加工用粘着フィルムを提供するものである。また、個片化された半導体素子を用いて半導体装置を作製する際、同様の機能を有するものとなる半導体ウエハ、半導体素子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムは、少なくとも粘着層と基材層とを有する半導体ウエハ加工用粘着フィルムであって、前記粘着層が撥脂剤を含むものである。
【0009】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムは、前記撥脂剤がシリコン化合物であるとすることができる。
【0010】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムは、前記シリコン化合物がジメチルシロキサン構造を有するシリコン化合物であるとすることができる。
【0011】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムは、前記粘着層の全重量に対して、撥脂剤が0.1重量%以上0.8重量%以下の割合で含まれるものとすることができる。
【0012】
本発明に係る半導体ウエハ加工用粘着フィルムは、前記粘着層に半導体ウエハを貼付し、半導体ウエハを個片化するために用いることができる。
【0013】
本発明に係る半導体素子は、前記半導体ウエハ加工用粘着フィルムの粘着層に半導体ウエハを貼付した上で、該半導体ウエハを個片化して作製されたものである。
【0014】
本発明に係る半導体ウエハは、表面に撥脂剤が付着していることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る半導体ウエハは、前記撥脂剤がシリコン化合物であるものとすることができる。
【0016】
本発明に係る半導体ウエハは、前記シリコン化合物がジメチルシロキサン構造を有するシリコン化合物であるものとすることができる。
【0017】
本発明に係る半導体素子は、前記半導体ウエハを個片化して得ることができる。
【0018】
本発明に係る半導体装置は、基板上に半導体素子を載置して得られる半導体装置であって、該半導体素子が前記半導体素子であるとすることができる。
【0019】
本発明に係る半導体装置は、前記基板と前記半導体素子との間隙が液状樹脂組成物にて封止されているものであるとすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る半導体ウエハ加工用粘着フィルムを使用し作製された半導体素子は、その表面に撥脂機能が付与されたものとなっており、当該半導体素子を用いて半導体装置を製造することにより、例えば半導体装置の製造におけるアンダーフィル注入時に半導体チップ裏面へのアンダーフィルの付着防止や半導体素子表面の清浄度の維持を図ることができる。
【0021】
また本発明に係る半導体ウエハは、その表面に撥脂剤が付着され、撥脂機能が付与されたものとなっている。よって当該半導体ウエハを個片化して得られる半導体素子を用いて半導体素子を製造することにより、例えば半導体装置の製造におけるアンダーフィル注入時に半導体チップ裏面へのアンダーフィル付着防止や半導体素子表面の清浄度の維持を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る製造方法に用いられるダイシングフィルムの一例を示す概略断面図である。
【図2】ダイシングフィルムが貼付された半導体ウエハの一例を示す概略断面図である。
【図3】半導体装置の一例を示す概略断面図である。
【図4】半導体素子裏面にアンダーフィル材が回りこんでいる半導体装置の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(半導体ウエハ加工用粘着フィルム)
本発明に係る半導体ウエハ加工用粘着フィルムは、例えば半導体ウエハを粘着層側に貼り付け、ダイシング(個片化)し、さらに粘着フィルムをエキスパンド等することにより、前記半導体素子をピックアップするために用いることができるものであり、図1に示すように少なくとも半導体ウエハを貼り付けるための粘着層1と、粘着層1を支持するための基材層2とを有するものである。以下各層について詳細に説明する。
【0024】
(粘着層)
本発明に係る半導体ウエハ加工用粘着フィルムの粘着層1は撥脂剤を含有する。これにより図2に示すように当該粘着層1側の面を貼り付けた半導体ウエハ3の表面には、撥脂剤が移行することにより撥脂機能を付与することができる。図3に示すようなアンダーフィル6により半導体素子4と基板5との間隙を封止する場合には、図4に示すようにアンダーフィル6が半導体素子4の裏面へ回り込み半導体装置20の外観を悪化させるという問題が生じる場合がある。この問題に対し、半導体素子4表面に撥脂機能が付与されている場合は、当該撥脂機能を有する面を基板と向き合わないように半導体素子4を載置することにより、上記のようなアンダーフィル材6の回りこみを抑え、半導体装置20の外観を良好な状態で維持することができる。なお、アンダーフィル材6を半導体素子4表面に付着させないという効果は、アンダーフィル材6と半導体ウエハ3表面との接触角が大きくなるということからも判断ができる。また半導体ウエハ3表面へ付与された撥脂機能は半導体ウエハ3へのゴミ付着を低減し、半導体ウエハ3および当該半導体ウエハがダイシングされて得られた半導体素子の清浄度の維持を図ることができる。
【0025】
(撥脂剤)
本発明に係る半導体ウエハ加工用粘着フィルムの粘着性樹脂組成物中に用いられる撥脂剤とは、ジメチルポリシロキサンや、アミノ、アミド、エポキシ、カルボキシル、カルビノール、アルコキシ、フェノール、ポリエーテル、アルキル、アラルキル、アルコール、フロロ、フェニル等のシリコン化合物、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、パ−フルオロポリエ−テル、パ−フルオロアルキルポリエ−テル、パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン共重合体や三フッ化エチレン重合体などのフッ素化合物などが揚げられ、それぞれ単独もしくは2種類以上併用して使用できる。これらの中でもアンダーフィルの半導体素子裏面への回り込みを効果的に防止するという観点からはシリコン化合物を用いることが好ましく、特に字メチルシロキサン構造を用いるシリコン化合物を用いることが好ましい。
【0026】
前記ジメチルシロキサン構造を用いるシリコン化合物の例としては下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
【0027】
【化1】

【0028】
また、上記一般式(1)の中でも、より具体的な例としては下記一般式(2)乃至(5)のものが挙げられる。
【0029】
【化2】

【0030】
【化3】

【0031】
【化4】

【0032】
【化5】

【0033】
なお、アンダーフィルの半導体素子裏面への回り込みを効果的に防止するという観点からは上記一般式中Rがポリエーテル基を有する有機基、カルボキシル基を有する有機基、アミノ基を有する有機基であることが好ましい。
【0034】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムの粘着層に含まれる撥脂剤の配合量は、粘着層全重量に対して、0.1重量%以上0.8重量%以下であることが好ましい。前記下限値以上とすることにより、アンダーフィルの半導体素子裏面へ回り込みを効果的に防ぐことが可能となる。また前記上限値以下とすることにより、粘着層と半導体ウエハ(被着体)との密着性および基材/粘着剤間の密着性をより好適なものとすることができる。
【0035】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムの粘着層には、従来粘着フィルム用途に用いられてきたアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の公知の粘着剤をベース樹脂として用いることができるが、耐水性や耐候性を改善の観点からはアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
【0036】
前記アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルで構成される樹脂、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルとそれらと共重合可能な不飽和単量体(例えば酢酸ビニル、スチレン、アクリルニトリル等)との共重合体等が用いられる。また、これらの樹脂を2種類以上混合しても良い。これらの中でも(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシルおよび(メタ)アクリル酸ブチルから選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび酢酸ビニルの中から選ばれる1種以上との共重合体が好ましい。これにより、被着体との密着性や粘着性の制御が容易になる。
【0037】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムの粘着層には、粘着性(接着性)を制御するためにアクリレートモノマー、官能基含有のモノマー等を添加することが好ましい。前記アクリル系モノマーとしては、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、エチルアクリレート、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらの中でもエチルアクリレート、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートの中から選ばれた1種以上が好ましい。これにより、良好な粘着性に加えて、凝集力の制御が可能となる。さらに、他成分との相溶性を調整することが可能となる。
【0038】
前記官能基含有モノマーとしては、例えばメタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸等が挙げられる。これらの中でも、より容易に粘着性の制御をするという観点からはアクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレートを用いることが好ましい。
【0039】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムには少なくとも1種以上のエネルギー線硬化性樹脂を含めることが好ましい。これにより、エネルギー線照射後の粘着力を低下させ半導体チップのピックアップを容易にすることができる。
【0040】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムの粘着層に含まれるエネルギー線硬化性樹脂としては、例えば紫外線、電子線等のエネルギー線の照射によって、三次元架橋可能な重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上分子内に有する低分子量の化合物を用いることができる。
【0041】
前記エネルギー線硬化性樹脂として、具体的にはトリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート等、芳香族系、脂肪族系等のウレタンアクリレート(オリゴマー)等を挙げることができる。これらの中でも安定した半導体素子のピックアップ性を得るという観点からは、ウレタンアクリレートを用いることが好ましい。
【0042】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムの粘着層に含まれるエネルギー線硬化性樹脂の重量平均分子量は、400以上30,000以下が好ましく、500以上、12,000以下が特に好ましい。重量平均分子量を前記下限値以上とすることにより半導体素子をピックアップする際に粘着層の割れを抑え、糊残りを防ぐことができる。また、前記上限以下とすることにより取り扱いが容易なものとなる。
【0043】
本発明に係る半導体加工用フィルムの粘着層に含まれるエネルギー線硬化性樹脂の量は、特に限定されないが、ベース樹脂100重量部に対して50重量部以上130重量部以下が好ましく、更に好ましくは80重量部以上120重量部以下である。前記下限値以上とすることにより、エネルギー線硬化後、安定した半導体素子のピックアップ性を得ることができる。また前記上限値以下とすることによりダイシング時に安定して半導体素子を保持することができる。
【0044】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムの粘着層には、更にエネルギー線硬化開始剤を含むことが好ましい。エネルギー線硬化開始剤としては例えば2−2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン等が挙げられる。
【0045】
前記エネルギー線硬化開始剤の含有量は、粘着層のベース樹脂100重量部に対して1重量部以上10重量部以下が好ましく、更に好ましくは3重量部以上7重量部以下である。前記範囲内とすることにより、エネルギー線による架橋反応が効果的に進行する。
【0046】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムの粘着層をエネルギー線硬化する際に用いられるエネルギー線としては、紫外線(UV)や電子線(EB)などが挙げられる。
反応に用いられるエネルギー量はエネルギー線硬化性樹脂が硬化する量であれば、特に限定はないが、紫外線の場合、積算光量であらわすと50mJ/cm以上800mJ/cm以下であることが好ましい。前記範囲とすることにより硬化反応が安定する。
【0047】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムの粘着層には架橋剤を含むことが好ましく、具体的にはエポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メチロール系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、多価金属キレート系架橋剤等が挙げられる。 これらの中でもベース樹脂に含まれる官能基と反応し、高分子量体を得るという観点からは
イソシアネート系架橋剤が好ましい。
【0048】
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば多価イソシアネートのポリイソシアネート化合物およびポリイソシアネート化合物の三量体、前記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート化合物の三量体または末端イソシアネートウレタンプレポリマーをフェノール、オキシム類などで封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0049】
前記多価イソシアネートの具体例としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4−4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2−4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4−4’−ジイソシアネート、ジシキウロヘキシルメタン−2−4’−ジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4−4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートの中から選ばれる1種以上が好ましい。これにより、特にイソシアネート自体の凝集と架橋のバランスを向上することができる。
【0050】
前記架橋剤の含有量は、特に限定されないが、前記ベース樹脂100重量部に対して1重量部以上50重量部以下が好ましく、特に3重量部以上20重量部以下が好ましい。前記範囲とすることにより架橋剤をベース樹脂とのみ反応させることができ、安定した高分子量体を得ることができる。
【0051】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムの粘着層は、本発明の効果を損なわない範囲で性能を改善するために帯電防止剤、粘着付与剤等の添加剤を含むものとすることができる。
【0052】
前記帯電防止剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤等の界面活性剤、温度依存しないようなものとしてはカーボンブラック、銀、ニッケル、アンチモンドープスズ酸化物、スズドープインジウム酸化物等の無機系粉体が挙げられる。また、帯電防止剤の含有量は、特に限定されないが、前記ベース樹脂100重量部に対して10重量部以上50重量部以下が好ましく、特に20重量部以上30重量部以下が好ましい。前記範囲とすることにより粘着特性と帯電防止性能とのバランスに優れ、エキスパンド時あるいはピックアップ時に発生する静電気を抑制できるため、チップの信頼性を向上することができる。
【0053】
前記粘着付与剤としては、例えばロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂等が挙げられる。これにより、凝集力を高めることができ、粘着力を向上することができる。
【0054】
また、粘着付与剤の含有量は、特に限定されないが、前記ベース樹脂100重量部に対して5重量部以上30重量部以下が好ましく、特に10重量部以上20重量部以下が好ましい。前記範囲とすることにより特にピックアップ性に悪影響を及ぼさない程度にタック性を向上することができる。
【0055】
(基材層)
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムの基材層には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポチエチレンテレフタレート系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ビニルイソプレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂およびこれらの熱可塑性樹脂の混合物を用いることができる。これらの中でも環境面や粘着力の安定性の面から可塑剤を含まないオレフィン熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。また、高エキスパンドやエキスパンド後の復元性が求められる用途では塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。
【0056】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムに用いられる基材層の厚さは、特に限定されないが、60μm以上250μm以下であることが好ましく、特に80μm以上150μm以下であることが好ましい。基材の厚さが上記範囲内であると特に作業性に優れる。
【0057】
本願発明に係る半導体加工用粘着フィルムの基材層は、紫外線及び/又は電子線に対し透過性を有するものが好ましい。紫外線及び/又は電子線に対し透過性を有するフィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢ビ共重合体、エチレンαオレフィン共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン・イソプレン共重合体、ポリスチレン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート等の一般的な熱可塑性樹脂からなるフィルムが挙げられる。また、これらの樹脂の混合物からなるフィルムあるいはこれらの樹脂の積層フィルムでもあってもよい。
【0058】
(半導体加工用粘着フィルムの製造方法)
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムは、例えば、離型処理を施したPETセパレーターの離型処理面に、グラビア方式等で粘着剤を目的の厚み塗工し、粘着剤を乾燥した後に、使用する基材と粘着剤をラミネートすることで作製される。
【0059】
(半導体ウエハ)
本発明に係る半導体ウエハは、ダイシング(個片化)されることにより半導体素子として用いられるものであり、その表面に撥脂剤が付着しているものである。ウエハの種類としては、シリコンウエハや、Ga系(GaAs、GaSb、GaNなど)、In系(InP、InAs、InSbなど)、サファイア系等化合物ウエハがある
【0060】
(撥脂剤)
本発明に係る半導体ウエハの表面に付着している撥脂剤としてはジメチルポリシロキサンや、アミノ、アミド、エポキシ、カルボキシル、カルビノール、アルコキシ、フェノール、ポリエーテル、アルキル、アラルキル、アルコール、フロロ、フェニル等のシリコン化合物、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、パ−フルオロポリエ−テル、パ−フルオロアルキルポリエ−テル、パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン共重合体や三フッ化エチレン重合体などのフッ素化合物などが揚げられ、それぞれ単独もしくは2種類以上併用して使用できる。これらの中でもアンダーフィルの半導体素子裏面への回り込みを効果的に防止するという観点からはシリコン化合物を用いることが好ましい。
【0061】
前記ジメチルシロキサン構造を用いるシリコン化合物の例としては下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
【0062】
【化1】

【0063】
また、上記一般式の中でも、より具体的な例としては下記一般式(2)乃至(5)のものが挙げられる。
【0064】
【化2】

【0065】
【化3】

【0066】
【化4】

【0067】
【化5】

【0068】
なお、アンダーフィルの半導体素子裏面への回り込みを効果的に防止するという観点からは上記一般式中Rがポリエーテル基を有する有機基、カルボキシル基を有する有機基、アミノ基を有する有機基であることが好ましい。
【0069】
半導体ウエハ表面への撥脂剤の付着の有無は、例えばXPS(X線光電子分光装置)により102eV付近に現れる撥脂剤起因のピークにより確認することができる。
【0070】
半導体ウエハ表面の撥脂機能については、半導体装置も作製する際に用いられる所定のアンダーフィルと半導体ウエハとの接触角により評価可能である。具体的には、例えば半導体ウエハ表面上に所定量のアンダーフィルを滴下し、加熱硬化の後、半導体ウエハとアンダーフィルとの接触角を測定することができる。前記接触角が10°以上30°以下となることが好ましい。前記範囲下限値以上とすることによりアンダーフィル剤の這い上がりを防止し、また前記範囲上限値以下とすることにより安定した粘着力を得ることができる。
【0071】
(半導体ウエハの製造方法)
本発明に係る半導体ウエハは、公知の半導体ウエハを、たとえば本願に係る半導体加工用粘着フィルムような粘着層に撥脂剤を含有するフィルムに貼付することにより得ることができる。
【実施例】
【0072】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0073】
(粘着層の作製)
半導体加工用粘着フィルムの粘着層を以下の方法で作製した。
(粘着層1〜5)
2−エチルヘキシルアクリレート30重量%、酢酸ビニル70重量%および2−ヒドロキシエチルメタクリレート1重量%をトルエン溶媒中にて溶液重合させ重量平均分子量150,000のベース樹脂を得た。前記ベース樹脂100重量部に対して、エネルギー線硬化性樹脂として2官能ウレタンアクリレート100重量部(三菱レイヨン社製 重量平均分子量が11,000)と、架橋剤としてトリレンジイソシアネートの多価アルコール付加体(コロネートL、日本ポリウレタン社製)15重量部と、エネルギー線硬化開始剤として2−2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン5重量部と、以下の撥脂剤1〜3を表1に示す配合量で混合し、酢酸エチルに溶解した後、剥離処理したポリエステルフィルム(厚さ38μm)に乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し粘着層1〜5を得た。
【0074】
(粘着層6)
アクリル系粘着剤(アクリルアミド系モノマー/アクリル(メタクリル)酸エステル/水酸基含有(メタ)アクリレートの共重合体 ガラス転移温度:−15℃ アミン価:115mgKOH/g 水酸基価:11mgKOH/g)100重量部に対して、エネルギー線硬化性樹脂として9官能ウレタンアクリレート (UA−32P:新中村化学工業株式会社製)を115部、架橋剤としてトリレンジイソシアネートの多価アルコール付加体(コロネートL、日本ポリウレタン社製)を10部、エネルギー線硬化開始剤として2−2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン5重量部と、下記撥脂剤1を表1に示す配合量で混合し、酢酸エチルに溶解した後、剥離処理したポリエステルフィルム(厚さ38μm)に乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し粘着層6を得た。
【0075】
上記粘着層1〜6に配合した撥脂剤は以下の通りである。
撥脂剤1:東レ・ダウコーニング株式会社製 SF8419 (ポリエーテル基を含む有機基を有するジメチルシロキサン構造のシラン化合物)
撥脂剤2:東レ・ダウコーニング株式会社製 BY16−880(カルボキシル基を含む有機基を有するジメチルシロキサン構造のシラン化合物)
撥脂剤3:東レ・ダウコーニング株式会社製 SF−8417(アミノ基を含む有機基を有するジメチルシロキサン構造のシラン化合物)
【0076】
(粘着層7)
2−エチルヘキシルアクリレート30重量%、酢酸ビニル70重量%および2−ヒドロキシエチルメタクリレート1重量%をトルエン溶媒中にて溶液重合させ重量平均分子量150,000のベース樹脂を得た。前記ベース樹脂100重量部に対して、エネルギー線硬化性樹脂として2官能ウレタンアクリレート100重量部(三菱レイヨン社製 重量平均分子量が11,000)と、架橋剤としてトリレンジイソシアネートの多価アルコール付加体(コロネートL、日本ポリウレタン社製)15重量部と、エネルギー線硬化開始剤として2−2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン5重量部とを混合し、酢酸エチルに溶解した後、剥離処理したポリエステルフィルム(厚さ38μm)に乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し粘着層を得た。撥脂剤は配合しなかった。
【0077】
(粘着層8)
アクリル系粘着剤(アクリルアミド系モノマー/アクリル(メタクリル)酸エステル/水酸基含有(メタ)アクリレートの共重合体 ガラス転移温度:−15℃ アミン価:115mgKOH/g 水酸基価:11mgKOH/g)100重量部に対して、エネルギー線硬化性樹脂として9官能ウレタンアクリレート (UA−32P:新中村化学工業株式会社製)を115部、架橋剤としてトリレンジイソシアネートの多価アルコール付加体(コロネートL、日本ポリウレタン社製)を10部、エネルギー線硬化開始剤として2−2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン5重量部とを混合し、酢酸エチルに溶解した後、剥離処理したポリエステルフィルム(厚さ38μm)に乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し粘着層を得た。撥脂剤は配合しなかった。
【0078】
(半導体ウエハ加工用粘着フィルムの作製)
上記各粘着層を30℃でラミネートロールを用いて、表2に示す粘着層を厚み100μのポリオレフィン系シート(グンゼ株式会社製 DDZ)にラミネートし実施例1〜6並びに比較例1および2の半導体ウエハ加工用粘着フィルムを得た。
【0079】
(半導体素子の作製1)
上記により作製された実施例1漢の半導体ウエハ加工用粘着フィルムを半導体ウエハ(株式会社SUMCO製 5インチ N型)に貼着し、ダイシングして半導体素子A1〜A6を得た。同様に比較例1および2の半導体ウエハ加工用粘着フィルムをもちいて半導体素子B1およびB2を得た
【0080】
(半導体装置の作製1)
上記により作製された半導体素子A1〜A6並びにB1およびB2をそれぞれ基板(銅張りポリイミド製フィルム)に載置し、アンダーフィル材(ナミックス株式会社製 品番:チップコート8462−21)により半導体素子と基板との間隙を封止することにより半導体装置を作製した。
【0081】
(半導体装置の外観評価1)
上記により作製された各半導体装置について半導体素子裏面へアンダーフィル材の回りこみの有無を目視にて評価した。結果を表2に示す。
表中の符号は下記の通りである。
○:樹脂回り込みなし
×:樹脂回り込みあり
【0082】
(半導体素子の清浄度評価)
前記各半導体素子A1〜A6並びにB1およびB2をクリーンクラス10000の環境に24時間保管した。保管後各半導体素子の半導体加工用粘着フィルムを貼付した面の側を、パーティクルカウンター(株式会社 日立製作所製 LS−5000)で測定し、半導体ウエハ表面の清浄度を評価した。結果を表2に示す。
表中の符号は下記の通りである。
○:直径5μm以上の異物の付着なし。
×:直径5μm以上の異物が付着あり。
【0083】
(撥脂剤付き半導体ウエハの作製)
上記により作製された実施例1〜6の半導体ウエハ加工用粘着フィルムそれぞれを半導体ウエハ(株式会社SUMCO製 5インチ N型 鏡面)に貼付し、25℃-50%RHの環境に1時間保管後、UV照射(65mW/cm2・200mJ/cm2)した。その後半導体ウエハから半導体ウエハ加工用粘着フィルムを剥離することにより、撥脂剤付き半導体ウエハ(実施例7〜12)を作製した。
比較用ウエハとして比較例1および2の半導体ウエハ加工用フィルムをそれぞれを半導体ウエハ(株式会社SUMCO製 5インチ N型 鏡面)に貼付し、25℃-50%RHの環境に1時間保管後、UV照射(65mW/cm2・200mJ/cm2)した。その後半導体ウエハから半導体ウエハ加工用粘着フィルムを剥離することにより、撥脂剤付き半導体ウエハ(比較例3および4)を作製した。
【0084】
(半導体ウエハ表面の撥脂剤の確認)
実施例7〜12並びに比較例3および4の半導体ウエハについて、XPS(日本電子株式会社製 JPS−9200)により半導体ウエハ表面(半導体加工用粘着フィルムが貼付されていた側の面)への撥脂剤付着の有無を確認した。結果を表3に示す。
【0085】
(半導体ウエハ表面におけるアンダーフィルの接触角)
実施例7〜12並びに比較例3および4の半導体ウエハについて、半導体加工用粘着フィルムが貼付されていた側の面に液状のアンダーフィルを3μL滴下した。滴下後のアンダーフィルを150℃/30分で硬化後、ウエハ/アンダーフィルの接触角を測定した。結果を表2に示す。
【0086】
(半導体ウエハの清浄度評価)
実施例7〜12並びに比較例3および4の半導体ウエハをクリーンクラス10000の環境に24時間保管した。24時間保管後の半導体ウエハの半導体加工用粘着フィルムを貼付した面の側を、パーティクルカウンター(株式会社 日立製作所製 LS−5000)で測定し、半導体ウエハ表面の清浄度を評価した。結果を表2に示す。
表中の符号は下記の通りである。
○:直径5μm以上の異物の付着なし。
×:直径5μm以上の異物が付着あり。
【0087】
(半導体素子の作製2)
実施例7〜12の半導体ウエハに対し、上記比較例1の半導体加工用粘着フィルム(粘着層に撥脂剤を含まない既存のダイシングフィルムに相当する)を貼付し、ダイシングして半導体素子C1〜C6を得た。同様に比較例3および4の半導体ウエハについても上記比較例1の半導体加工用粘着フィルムを貼付し、ダイシングして比較例としての半導体素子D1およびD2を得た。
【0088】
(半導体装置の作製2)
上記により得られた半導体素子C1〜C6並びにD1およびD2のそれぞれを基板(銅張りポリイミド製フィルム)に載置し、アンダーフィル材(ナミックス株式会社製 品番:チップコート8462−21)により半導体素子と基板との間隙を封止することにより半導体装置を作製した。
【0089】
(半導体装置の外観評価2)
上記により作製した各半導体装置について半導体素子裏面へアンダーフィル材の回りこみの有無を目視にて評価した。結果を表2に示す。
表中の符号は下記の通りである。
○:樹脂回り込みなし
×:樹脂回り込みあり
【0090】
【表1】

【0091】
【表2】

【0092】
【表3】

【0093】
実施例および比較例の評価結果から、本発明に係る半導体ウエハ加工用粘着フィルムに貼付し作製された半導体素子を用いた半導体装置ではアンダーフィル材を用いた場合において、半導体素子裏面へアンダーフィル材が回りこむことは無く、また清浄度の高い外観を有する半導体装置を得ることができた。また、その表面に撥脂剤が付着し、アンダーフィルとの接触角が所定の値以上になる半導体ウエハから得られた半導体素子を用いた場合も半導体装置製造において同様の効果を得ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係る半導体加工用粘着フィルムを用いることにより半導体素子に対し撥脂機能を付与することができるため、特にアンダーフィルとともに使用される半導体素子を作製する際に好適に用いられる。
【0095】
本発明に係る半導体ウエハはその表面に撥脂機能を有するため、個片化することにより半導体素子を作製し、該半導体素子をアンダーフィルとともに使用した半導体装置の作製において好適に用いられる。
【符号の説明】
【0096】
1・・・粘着層
2・・・基材層
3・・・半導体ウエハ
4・・・半導体素子
5・・・基板
6・・・アンダーフィル材
7・・・アンダーフィル材が半導体素子裏面に回りこんだ部分
10・・ダイシングフィルム
20・・半導体装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも粘着層と基材層とを有する半導体ウエハ加工用粘着フィルムであって、
前記粘着層が撥脂剤を含むものである半導体加工用粘着フィルム。
【請求項2】
前記撥脂剤がシリコン化合物である請求項1記載の半導体ウエハ加工用粘着フィルム。
【請求項3】
前記シリコン化合物がジメチルシロキサン構造を有するシリコン化合物である請求項2記載の半導体加工用粘着フィルム。
【請求項4】
前記粘着層の全重量に対して、撥脂剤が0.1重量%以上0.8重量%以下の割合で含まれる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体ウエハ加工用粘着フィルム。
【請求項5】
前記粘着層に半導体ウエハを貼付し、半導体ウエハを個片化するために用いられる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体ウエハ加工用粘着フィルム。
【請求項6】
請求項5記載の半導体ウエハ加工用粘着フィルムの粘着層に半導体ウエハを貼付した上で、該半導体ウエハを個片化して作製された半導体素子。
【請求項7】
表面に撥脂剤が付着していることを特徴とする半導体ウエハ。
【請求項8】
前記撥脂剤がシリコン化合物である請求項7記載の半導体ウエハ。
【請求項9】
前記シリコン化合物がジメチルシロキサン構造を有するシリコン化合物である請求項7記載の半導体ウエハ。
【請求項10】
請求項7乃至9記載の半導体ウエハを個片化して得られる半導体素子。
【請求項11】
基板上に半導体素子を載置して得られる半導体装置であって、前記半導体素子が請求項6および請求項10記載の半導体素子である半導体装置。
【請求項12】
更に前記基板と前記半導体素子との間隙が液状樹脂組成物にて封止されているものである請求項11記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−258408(P2010−258408A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261482(P2009−261482)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】