説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】信頼性を向上することのできる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、以下の工程を備えている。下部配線14が形成された層間絶縁膜11上に層間絶縁膜1を積層して形成する。下部配線14に達する上部孔5を層間絶縁膜1に開口する。上部孔5に連通するトレンチ6を形成する。上部孔5内をウエットエッチングすることにより、下部孔17を下部配線14内に形成する。トレンチ6の側面および底面と、上部孔5の側面と、下部孔17の底面とにバリアメタル2を形成する。下部孔17の底面に存在するバリアメタル2を物理的にエッチングすることにより、下部孔17の側面17aに導電膜15を形成する(エッチング工程)。エッチング工程の後に、Nなどの元素を含むプラズマを用いて層間絶縁膜1を形成する。トレンチ6内、上部孔5内および下部孔17内を埋めるようにCu膜4を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、より特定的には、ビアホール部分のエレクトロマイグレーションを改善することのできる半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSI(Large‐Scale Integrated circuit)の微細化、高速化に伴ない、LSIの配線材料として従来用いられていたアルミニウムに代わり、電気抵抗の低いCu(銅)が用いられている。LSIの配線材料としてCuを用いることにより、電気抵抗を低く抑えながら配線を微細化することができ、また、LSIの動作速度を向上することができる。Cu配線の形成方法としてはダマシン法が広く知られている。
【0003】
しかし、ダマシン法で加工されたCu配線には、信頼性について以下の3つ問題を有している。エレクトロマイグレーション(EM:Electromigration)の問題、ストレスマイグレーション(SIV:Stress induced voiding)の問題、および時間依存性絶縁破壊(TDDB:Time-dependent dielectric breakdown)の問題である。EMとは、金属配線中の金属原子とそこを流れる電子との相互作用によって配線の金属原子が拡散し、半断線または断線に至る現象である。SIVとは、熱的または機械的応力(ストレス)によって配線の金属原子が移動し、配線が半断線または断線に至る現象である。TDDBとは、酸化膜に継続的に大きな電界を印加すると時間とともに酸化膜が破壊されやすくなる現象である。これら3つの問題のうち特にEMの問題は、配線の許容電流密度の設定に大きく影響を及ぼすため、配線の微細化を図る際の重要な問題となっている。
【0004】
EMに対する耐性を向上するための技術として、たとえばCu配線の上部をキャップメタルで覆う技術や、Cuに他の元素を添加した合金を配線材料として用いる技術などが知られている。しかし、前者の技術では、配線の全体積に占める高抵抗の部分の割合が増加し、配線の電気抵抗が増加するという難点がある。後者の技術では、添加する元素の電子散乱によって配線の電気抵抗が増加するという難点がある。なお、ダマシン法により形成された従来の配線の構造が、たとえば特開2001−223269号公報(特許文献1)に記載されている。
【特許文献1】特開2001−223269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Cu配線に関するEMの問題のうち特にビアホール部分のEMを改善する技術(以下、改善技術と記す)が提案されている。具体的には、内部に下部配線が形成された下層の層間絶縁膜上に、拡散防止膜および層間絶縁膜を積層して形成する。次に、下部配線に達する上部孔を拡散防止膜および層間絶縁膜に開口し、上部孔内を洗浄するためにウエットエッチングする。このとき、上部孔の底部に露出した下部配線がエッチングされ、上部孔の口径よりも大きな口径を有する下部孔が下部配線内に形成される。続いて、上部孔の側面と、下部孔の底部とに沿って導電膜を形成する。そして、下部孔の底部に存在する導電膜を物理的にエッチングすることにより、下部孔の側面に導電膜を付着させる。その後、上部孔および下部孔の側面および底面に沿ってバリアメタルを形成し、上部孔内および下部孔内を埋めるようにCu膜を形成する。
【0006】
従来、上部孔(ビアホール)内を洗浄する際に下部配線もエッチングされてしまい、その結果下部配線内に下部孔が形成され、下部孔の側面においてバリアメタルが途切れていた。そしてこのバリアメタルの途切れた部分から層間絶縁膜内へCuが拡散し、ビアホール部分のEMの原因になっていた。改善技術によれば、下部孔の底部に存在する導電膜および下部配線を削り取って下部孔の側面に付着させるので、下部孔の側面においてバリアメタルが途切れにくくなり、ビアホール底部における下部配線との接触面積を増加することができる。その結果、ビアホール部分のEMを改善することができる。
【0007】
しかしながら、上部配線を有する構造の製造方法に上記改善技術を適用した場合には、半導体装置の信頼性が低下するという問題があった。
【0008】
当然のことながら、半導体装置の配線構造においては、ビアホールおよび下部配線の他に上部配線も形成されている。上部配線は、ビアホールに連通するトレンチを層間絶縁膜に形成し、このトレンチの内部にバリアメタルおよびCu膜を形成することによって形成されている。上部配線を有する構造の製造方法に上記改善技術を適用した場合には、以下の方法によって半導体装置が製造される。層間絶縁膜内に上部孔と、上部孔に連通するトレンチとを形成する。そして、上部孔内を洗浄するためにウエットエッチングし、下部配線内に下部孔が形成される。次に、トレンチの側面および底面と、上部孔の側面と、下部孔の底部に沿って、導電膜を形成する。次に、下部孔の底部に存在する導電膜を物理的にエッチングすることにより、下部孔の内壁面に導電膜を付着させる。その後、トレンチの側面および底面と、上部孔および下部孔の側面および底面とにバリアメタルを形成し、トレンチ内、上部孔内、および下部孔内を埋めるようにCu膜を形成する。
【0009】
上記の製造方法では、トレンチの側面および底面にバリアメタルが形成された状態で導電膜のエッチングが行なわれるので、特にトレンチの端部(側面と底面との境界部分)において、エッチングの成分が集中してバリアメタルのエッチングが過剰に進行し、バリアメタルが途切れやすくなる。その結果、バリアメタルの途切れた箇所から上部配線内のCuが層間絶縁膜内に拡散し、半導体装置の信頼性が低下する。
【0010】
ここで、露出したトレンチの端部がバリアメタルによって覆われるように、バリアメタルの膜厚を厚くする方法も考えられる。しかし、バリアメタルを厚くすると、ビアホール内におけるバリアメタルの占める割合が大きくなり、ビアホール内におけるCuの埋め込み不良や抵抗の増加を招く。このため、バリアメタルの膜厚を厚くすることはできなかった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、信頼性を向上することのできる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の局面に従う半導体装置は、第1絶縁膜と、第1絶縁膜内に形成された配線と、第1絶縁膜上に形成された第2絶縁膜とを備えている。配線に下部孔が開口しており、第2絶縁膜には下部孔に繋がる上部孔が開口している。下部孔の口径は上部孔の口径よりも大きくなっており、第2絶縁膜には上部孔に繋がる溝が形成されている。半導体装置はさらに、下部孔の側面に形成された下部導電膜と、溝の側面および底面と、上部孔の側面とに沿って形成された上部導電膜と、溝内、上部孔内、および下部孔内を埋めるように形成された銅を含む導電膜とを備えている。下部導電膜は上部導電膜と同じ物質を含んでおり、かつ第2絶縁膜はN(窒素)が偏在している部分を有している。
【0013】
本発明の他の局面に従う半導体装置は、第1絶縁膜と、第1絶縁膜内に形成された配線と、第1絶縁膜上に形成されたSiO2(酸化ケイ素)よりなる第2絶縁膜とを備えている。配線に下部孔が開口しており、第2絶縁膜には下部孔に繋がる上部孔が開口している。下部孔の口径は上部孔の口径よりも大きくなっており、第2絶縁膜には上部孔に繋がる溝が形成されている。半導体装置はさらに、下部孔の側面に形成された下部導電膜と、溝の側面および底面と、上部孔の側面とに沿って形成された上部導電膜と、溝内、上部孔内、および下部孔内を埋めるように形成された銅を含む導電膜とを備えている。下部導電膜は上部導電膜と同じ物質を含んでおり、かつ第2絶縁膜はH(水素)が偏在している部分を有している。
【0014】
本発明の一の局面に従う半導体装置の製造方法は、以下の工程を備えている。内部に配線が形成された第1絶縁膜上に第2絶縁膜を積層して形成する。配線に達する上部孔を第2絶縁膜に開口する。上部孔に連通する溝を第2絶縁膜に形成する。上部孔内をウエットエッチングすることにより、上部孔の口径よりも大きな口径を有する下部孔を配線内に形成する。溝の側面および底面と、上部孔の側面と、下部孔の底面とに上部導電膜を形成する。下部孔の底面に存在する上部導電膜を物理的にエッチングすることにより、下部孔の側面に下部導電膜を形成する(エッチング工程)。エッチング工程の後に、N、He(ヘリウム)、およびHからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含むプラズマを用いて第2絶縁膜を処理する。溝内、上部孔内および下部孔内を埋めるように銅を含む導電膜を形成する。
【0015】
本発明の他の局面に従う半導体装置の製造方法は、以下の工程を備えている。内部に配線が形成された第1絶縁膜上にSiOC(酸窒化シリコン)よりなる第2絶縁膜を積層して形成する。配線に達する上部孔を第2絶縁膜に開口する。上部孔に連通する溝を第2絶縁膜に形成する。上部孔内をウエットエッチングすることにより、上部孔の口径よりも大きな口径を有する下部孔を配線内に形成する。溝の側面および底面と、上部孔の側面と、下部孔の底面とに上部導電膜を形成する。下部孔の底面に存在する上部導電膜を物理的にエッチングすることにより、下部孔の側面に下部導電膜を形成する(エッチング工程)。エッチング工程の後に、第2絶縁膜をアルキルシランガス雰囲気に保持する。溝内、上部孔内および下部孔内を埋めるように銅を含む導電膜を形成する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の半導体装置およびその製造方法によれば、信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体装置の構造を示す平面図であり、図2は図1のII−II線に沿う断面図である。図3は、図2におけるIII部の拡大図である。図1〜図3を参照して、本実施の形態の半導体装置は、第1絶縁膜としての層間絶縁膜11と、配線としての下部配線14と、エッチングストッパ膜としての拡散防止膜16と、第2絶縁膜としての層間絶縁膜1とを主に備えている。
【0018】
層間絶縁膜11の上部にはトレンチ12が形成されている。トレンチ12は平面的に見て、図1中縦方向に延びる長方形の形状を有している。トレンチ12の側面および底面に沿ってバリアメタル13が形成されており、トレンチ12の内部を埋めるようにCuよりなる下部配線14が形成されている。このようにして下部配線14は層間絶縁膜11内に形成されている。層間絶縁膜11、バリアメタル13、および下部配線14の各々は同一表面を有している。
【0019】
層間絶縁膜11、バリアメタル13、および下部配線14の各々の上には拡散防止膜16を介して層間絶縁膜1が形成されている。層間絶縁膜1の上部にはトレンチ6(溝)が形成されている。トレンチ6は平面的に見て図1に示すような正方形の形状を有している。また、層間絶縁膜1および拡散防止膜16にはトレンチ6に連通する上部孔5(ビアホール)が開口している。上部孔5は平面的に見て、図1中横方向に延びる長方形の形状を有している。さらに、下部配線14には上部孔5に連通する下部孔17が開口している。上部孔5との境界部分付近の下部孔17の口径d2は、下部孔17との境界部分付近の上部孔5の口径d1よりも大きくなっている。
【0020】
また、本実施の形態の半導体装置は、下部導電膜としての導電膜15と、上部導電膜としてのバリアメタル2と、被覆導電膜としてのバリアメタル3と、Cu膜4とをさらに備えている。導電膜15は下部孔17の側面全面に形成されており、バリアメタル2と同じ物質を含んでいる。バリアメタル2は、トレンチ6の側面および底面と、上部孔5の側面とに沿って形成されている。バリアメタル2上にはバリアメタル3が形成されている。バリアメタル3はトレンチ6の側面および底面と、上部孔5の側面と、導電膜15の側面と、下部孔17の底部とに沿って形成されている。特に図3に示すように、バリアメタル2はトレンチ6の端部6a(側面と底面との境界部分)において途切れている。そして、バリアメタル3は、トレンチ6の端部6aにおいて層間絶縁膜1に接するように形成されている。Cu膜4は、トレンチ6内、上部孔5内、および下部孔17内を埋めるように形成されている。トレンチ6内のCu膜4によって上部配線が形成されている。
【0021】
図3を参照して、本実施の形態の半導体装置においては、層間絶縁膜1におけるたとえばトレンチ6の端部6a付近(図中Aに示される部分)にNまたはHが偏在していることがある。これについては後述する。
【0022】
拡散防止膜16は、下部配線14に含まれているCuが層間絶縁膜1内に拡散するのを防止する役割を果たしている。また、後述する上部孔5形成の際のエッチングストッパとしての役割を果たしている。
【0023】
なお、層間絶縁膜1および11は、たとえばSiOC、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)、またはSiO2(酸化シリコン)などの低誘電率膜よりなっている。拡散防止膜16は、たとえばSiCN、SiCO、またはSiCなどよりなっている。バリアメタル2、3、および13はたとえばTa(タンタル)窒化物、Ta珪化物、Ta炭化物、Ta,Ta/TaNの積層構造,Ti(チタン)窒化物、Ti珪化物、Ti炭化物、W(タングステン)窒化物、W珪化物、W炭化物、Ru(ルテニウム)、またはRu酸化物などよりなっている。下部配線14はたとえばCuよりなっている。
【0024】
続いて、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図4〜図19を用いて説明する。
【0025】
始めに、図4を参照して、層間絶縁膜11内にトレンチ12を形成する。次に、層間絶縁膜11上と、トレンチ12の側面および底面とに、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法などによりバリアメタル13を積層して形成する。次に、トレンチ12内を埋め、層間絶縁膜11を覆うように、たとえばCVD法やメッキ法などにより下部配線14となるCu膜を形成する。このCu膜はたとえば250nmの厚さで形成される。次に、CMP(Chemical Mechanical Polish)法により、層間絶縁膜11上の余分なバリアメタル13と、余分な導電膜とを除去する。これにより、下部配線14が層間絶縁膜11の内部に形成される。
【0026】
次に、図5を参照して、下部配線14を覆うように層間絶縁膜11上に拡散防止膜16を形成する。続いて、拡散防止膜16上に層間絶縁膜1を形成する。層間絶縁膜1はたとえば500nmの厚さで形成される。
【0027】
次に、図6を参照して、所定形状にパターニングされたレジスト51を層間絶縁膜1上に形成し、レジスト51をマスクとして層間絶縁膜1をエッチングする。このエッチングは拡散防止膜16で止まるような条件で行なわれる。これにより、層間絶縁膜1に孔5aが形成される。孔5aは上部孔5(図2)の一部である。
【0028】
次に、図6および図7を参照して、レジスト51を除去し、層間絶縁膜1上および孔5a内にレジスト52を形成する。
【0029】
次に、図8を参照して、レジスト52をエッチバックすることにより層間絶縁膜1の上面を露出させ、レジスト52を孔5a内にのみ残す。
【0030】
次に、図9を参照して、所定形状にパターニングされたレジスト53を層間絶縁膜1上に形成する。そして、レジスト53をマスクとして層間絶縁膜1およびレジスト52をエッチングすることにより、層間絶縁膜1にトレンチ6を形成する。トレンチ6は孔5aに連通するように形成される。なお、孔5a内にはレジスト52が形成されているので、トレンチ6の形成の際に孔5aの底部は保護される。
【0031】
次に、図9および図10を参照して、レジスト52および53を除去する。そして、孔5aの底部に露出した拡散防止膜16をエッチングすることにより除去する。これにより、層間絶縁膜1および拡散防止膜16に下部配線14に達する上部孔5が開口する。拡散防止膜16のエッチングの際には、上部孔5の底部に露出した下部配線14までエッチングしないようにする。
【0032】
上部孔5の開口後、上部孔5内にはレジストの残渣や、拡散防止膜16の残渣(ポリマー)が残留している。これらの残渣を除去するために、次に、上部孔5内をウエットエッチングする。また、必要に応じてウエットエッチングの他に、Ar(アルゴン)ガスや、He(ヘリウム)とArとの混合ガスなどを用いたスパッタエッチングや、H2(水素)を数%から100%含有した雰囲気でのアニール(たとえば温度100℃〜350℃、10秒〜180秒)や、(リモート)プラズマ処理などを行なってもよい。
【0033】
ここで、ウエットエッチングは物質を等方的にエッチングする性質を有している。このため、上部孔5内をウエットエッチングすると、残渣と共に下部配線14もエッチングされ、半円の断面形状の下部孔17が形成される。拡散防止膜16と下部配線14との境界部分付近の下部孔17の口径d2は、上部孔5の口径d1よりも大きくなる。すなわち、下部孔17の側面が上部孔5の側面よりも外周側(図10中横方向)に削られる。なお、図では下部孔17が実際のスケールよりも大きく示されている。
【0034】
次に、図11を参照して、たとえばスパッタ法を用いて、層間絶縁膜1の上面と、トレンチ6の側面および底面と、上部孔5の側面と、下部孔17の底部とを覆うように、バリアメタル2(図2)となる導電膜2a(上部導電膜)を形成する。バリアメタル2は配線金属が層間絶縁膜1へ拡散するのを防止する役割を果たす。ここで、上述のように、下部孔17の側面17aは上部孔5の側面よりも外周側に削られているので、下部孔17の側面17aには導電膜2aが形成されない。導電膜2aは、たとえば以下の方法により形成される。
【0035】
まず、スパッタ装置などの成膜装置内のロードロックチャンバにウエハを設置し、チャンバ内の圧力を1mTorr(=1.3×10-1Pa)程度に保ち、DCパワー30kW、バイアス300Wの条件で、Ta(厚さ10nm)/TaN(厚さ5nm)の導電膜2aを形成する。また、チャンバ内の圧力を0.1mTorr〜500mTorr(=1.3×10-2Pa〜6.7×10Pa)に保ち、DCパワー1kW〜50kW、バイアス0〜1kWの条件で導電膜2aを形成してもよい。
【0036】
次に、図12を参照して、下部孔17の底部に存在する導電膜2aをAr(アルゴン)を用いてリスパッタ(エッチング)する。これにより、導電膜2aが下部孔17の側面17aへ飛散し、下部孔17の側面17aに付着する。その結果、図14に示すように、下部孔17の側面17aの側面全面に導電膜15が形成される。導電膜15は導電膜2aと同じ物質を含んでいる。なお、このとき、上部孔5の側面や、トレンチ12の側面および底面や、層間絶縁膜1の上面にも導電膜2aを飛散させ、これらの箇所にまで導電膜15を形成してもよい。また、導電膜2aの下部に存在する下部配線14までリスパッタを進めてもよい。
【0037】
導電膜15は、たとえばチャンバ内の圧力を2mTorr(=2.6×10-1Pa)程度に保ち、DCパワー1kW、バイアス300W、20秒間の条件で導電膜2aをリスパッタすることにより形成される。また導電膜15は、チャンバ内の圧力を0.1mTorr〜500mTorrに保ち、DCパワー0.1kW〜5kW、バイアス100〜2kWの条件で導電膜2aをリスパッタすることにより形成されてもよい。
【0038】
導電膜2aのリスパッタ直後の半導体装置の構造を図13〜図15に示す。図13〜図15を参照して、導電膜2aのリスパッタの際には、下部孔17の底部に存在する導電膜2aの他に、たとえばトレンチ6の端部6aに存在する導電膜2aもリスパッタされやすくなる。これは、エッチング成分がトレンチ6の端部6aに集中しやすいためである。その結果、導電膜2aのリスパッタ直後には、特に図15に示すようにトレンチ6の端部6aにおいて導電膜2aが途切れ、層間絶縁膜1の表面が荒れた状態で露出する。
【0039】
次に、図16および図17を参照して、N、He、およびHからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含むプラズマを用いて層間絶縁膜1を処理する。これにより、層間絶縁膜1に含まれる水分(ウエットエッチング時に層間絶縁膜1に付着したエッチング液など)がガスとして除去される。したがって、後工程である導電膜3a(図18)の形成の際に露出した層間絶縁膜1からガスが噴出すことがなくなり、導電膜3aの被覆性が向上する。また、トレンチ6の端部6aに露出した層間絶縁膜1の表面が図17に示すように平坦化されるので、層間絶縁膜1の膜質が改善される。
【0040】
上記プラズマとしてたとえばNを含むプラズマを用いた場合には、上記の効果に加えて、不対電子対(ダングリングボンド)を有するN原子が層間絶縁膜1に組み込まれ、N原子のクーロンポテンシャルによってCuをトラップすることができるので、層間絶縁膜1への配線金属の拡散を防止することができる。Nを含むプラズマを用いて処理した場合、処理後の半導体装置においては、たとえば層間絶縁膜1の図3におけるA部分(トレンチ6の端部6a)にNが偏在しているのが確認される。
【0041】
Nを含むプラズマとしてはNH3(アンモニア)プラズマを用いることができる。NH3プラズマを用いる場合、チャンバ内の圧力を600Pa程度に保ち、NH3の流量200sccm、RF(Radio Frequency)電力400W、20秒間の条件で処理を行なう。また、チャンバ内の圧力を500〜1000Paに保ち、NH3の流量100〜500sccm、RF電力200〜800Wの条件で処理を行なってもよい。
【0042】
また、Nを含むプラズマとしてN2プラズマを用いてもよい。N2プラズマを用いる場合、チャンバ内の圧力を100〜600Paに保ち、N2の流量100〜200sccm、RF電力100〜400Wの条件で処理を行なってもよい。
【0043】
また、Nを含むプラズマとしてN2/H2プラズマを用いてもよい。N2/H2プラズマを用いる場合、チャンバ内の圧力を100〜600Paに保ち、N2の流量100〜200sccm、H2の流量10〜100sccm、RF電力100〜400Wの条件で処理を行なってもよい。
【0044】
さらに、Nを含むプラズマとして、アミノ酸、ジメチルアミン、トリメチルアミン、または尿素などのプラズマを用いて処理してもよい。
【0045】
上記プラズマとしてたとえばHeを含むプラズマを用いた場合、Heを含むプラズマとしてHe/H2プラズマを用いることができる。H2/Heプラズマを用いる場合、チャンバ内の圧力を100〜300Paに保ち、H2の流量10〜100sccm、Heの流量500〜1000sccm、RF電力100〜1kWの条件で処理を行なってもよい。
【0046】
また、Heを含むプラズマとしてHeプラズマを用いてもよい。Heプラズマを用いる場合、チャンバ内の圧力を300〜500Paに保ち、Heの流量100〜200sccm、RF電力100〜500Wの条件で処理を行なってもよい。
【0047】
上記プラズマとしてたとえばHを含むプラズマを用いた場合には、上記の効果に加えて、SiOCよりなる層間絶縁膜1の表面をH原子で終端させることができる。すなわち、SiOC膜の表面はHやCH3で終端されていることが知られているが、層間絶縁膜1がSiOCよりなる場合には、SiOC膜の表面を終端しているHやCH3が導電膜2aのリスパッタの際に除去されることがある。その結果、層間絶縁膜1の表面に荒れが乗じる。そこで、Hを含むプラズマを用いて層間絶縁膜1を処理することで、SiOC膜の表面にHを供給し、Hで終端させることができる。その結果、層間絶縁膜1の表面の荒れが改善される。Hを含むプラズマを用いてSiOCよりなる層間絶縁膜1を処理した場合、処理後の半導体装置においては、SiOCよりなる層間絶縁膜1のたとえば図3中に示されるA部分にHが偏在しているのが確認される。
【0048】
Hを含むプラズマとしてはH2プラズマを用いることができる。H2プラズマを用いる場合、チャンバ内の圧力を300Pa程度に保ち、H2の流量100sccm、RF電力400W、10秒間の条件で処理を行なう。また、チャンバ内の圧力を100〜300Paに保ち、H2の流量10〜100sccm、RF電力100〜500Wの条件で処理を行なってもよい。その他、Hを含むプラズマとして上記のN2/H2プラズマや、He/H2プラズマを用いてもよい。
【0049】
次に、図18を参照して、たとえばスパッタ法やCVD法などを用いて、バリアメタル3(図2)となる導電膜3aを1nm〜9nmの膜厚で導電膜2a上に形成する。導電膜3aはたとえばTaよりなっており、バリアメタル2と同じ材料であってもよい。層間絶縁膜1の膜質は改善されているので、導電膜3aはトレンチ6の端部6aにおいて途切れず、層間絶縁膜1に接するように形成される。
【0050】
次に、図19を参照して、導電膜3a上にCuのシード膜(図示なし)を形成した後、トレンチ6内、上部孔5内、および下部孔17内を埋めるようにCu膜4aを形成する。Cu膜4aは、たとえばCVD法やメッキ法などを用いて形成される。
【0051】
その後、図1を参照して、層間絶縁膜1上の余分なCu膜4a、導電膜3a、および導電膜2aをCMP法により除去する。これにより、バリアメタル2、バリアメタル3、およびCu膜4の各々が形成される。以上の工程により、本実施の形態における半導体装置が完成する。
【0052】
本実施の形態における半導体装置は、層間絶縁膜11と、層間絶縁膜11内に形成された下部配線14と、層間絶縁膜11上に形成された層間絶縁膜1とを備えている。下部配線14に下部孔17が開口しており、層間絶縁膜1には下部孔17に繋がる上部孔5が開口している。下部孔17の口径d1は上部孔5の口径d2よりも大きくなっており、層間絶縁膜1には上部孔5に繋がるトレンチ6が形成されている。半導体装置はさらに、下部孔17の側面17aに形成された導電膜15と、トレンチ6の側面および底面と、上部孔5の側面とに沿って形成されたバリアメタル2と、トレンチ6内、上部孔5内、および下部孔17内を埋めるように形成されたCu膜4とをさらに備えている。導電膜15はバリアメタル2と同じ物質を含んでおり、かつ層間絶縁膜1はNが偏在している部分を有している。
【0053】
また、本実施の形態における半導体装置は、層間絶縁膜11と、層間絶縁膜11内に形成された下部配線14と、層間絶縁膜11上に形成されたSiO2よりなる層間絶縁膜1とを備えている。下部配線14に下部孔17が開口しており、層間絶縁膜1には下部孔17に繋がる上部孔5が開口している。下部孔17の口径d1は上部孔5の口径d2よりも大きくなっており、層間絶縁膜1には上部孔5に連通するトレンチ6が形成されている。半導体装置はさらに、下部孔17の側面17aに形成された導電膜15と、トレンチ6の側面および底面と、上部孔5の側面とに沿って形成されたバリアメタル2と、トレンチ6内、上部孔5内、および下部孔17内を埋めるように形成されたCu膜4とをさらに備えている。導電膜15はバリアメタル2と同じ物質を含んでおり、かつ層間絶縁膜1はHが偏在している部分を有している。
【0054】
さらに、本実施の形態における半導体装置の製造方法は、以下の工程を備えている。内部に下部配線14が形成された層間絶縁膜11上に層間絶縁膜1を積層して形成する。下部配線14に達する上部孔5を層間絶縁膜1に開口する。上部孔5に連通するトレンチ6を層間絶縁膜1に形成する。上部孔5内をウエットエッチングすることにより、上部孔5の口径d1よりも大きな口径d2を有する下部孔17を下部配線14内に形成する。トレンチ6の側面および底面と、上部孔5の側面と、下部孔17の底面とに導電膜2aを形成する。下部孔17の底面に存在する導電膜2aを物理的にエッチングすることにより、下部孔17の側面17aに導電膜15を形成する(エッチング工程)。エッチング工程の後に、N、He、およびHからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含むプラズマを用いて層間絶縁膜1を形成する。トレンチ6内、上部孔5内および下部孔17内を埋めるようにCu膜4aを形成する。
【0055】
本実施の形態における半導体装置およびその製造方法によれば、導電膜2aのエッチングの後で、Nなどの元素を含むプラズマを用いて層間絶縁膜1が処理されるので、プラズマ処理によって層間絶縁膜1に含まれる水分がガスとして除去される。また、導電膜2aのエッチングの際に露出した層間絶縁膜1の表面が平坦化される。これにより、層間絶縁膜1の膜質が改善される。その結果、Cu原子が層間絶縁膜1へ拡散することを抑止することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0056】
ここで、図20および図21を参照して、特許文献1の技術では導電膜2aのリスパッタ後にプラズマ処理を行なわないので、トレンチ6の端部6aに露出した層間絶縁膜1の表面の膜質は改善されない。このため、トレンチ6の端部6aにおいてバリアメタル3が途切れ、トレンチ6の端部6aから層間絶縁膜1へCuが拡散する。その結果、半導体装置の信頼性が低下する。本実施の形態によればこのような問題を解決することができる。
【0057】
なお、本実施の形態の製造方法においてNを含むプラズマを用いた場合には、得られる半導体装置において、層間絶縁膜1にはNが偏在している部分が存在している。また、本実施の形態の製造方法においてHを含むプラズマを用いてSiOCよりなる層間絶縁膜1を処理した場合には、得られる半導体装置において、層間絶縁膜1にはHが偏在している部分が存在している。
【0058】
また、導電膜2aがトレンチ6の端部6aにおいて途切れている場合にNまたはHを含むプラズマ処理を行なった場合には、層間絶縁膜1におけるトレンチ6の端部6aにNまたはHが偏在している。
【0059】
また、本実施の形態の半導体装置は、トレンチ6の端部6aにおいて層間絶縁膜1に接するように形成されたバリアメタル3をさらに備えている。これにより、トレンチ6の端部6aにおいてCuの拡散を一層確実に抑止することができる。本実施の形態では、導電膜2aのエッチングの際に露出した層間絶縁膜1は、プラズマ処理によってその膜質が改善されるので、導電膜3aの形成の際に層間絶縁膜1からガスが放出されない。その結果、バリアメタル3を途切れさせることなく形成することができる。
【0060】
さらに、上記製造方法におけるエッチング工程においては、トレンチ6の端部6aに層間絶縁膜1が露出しやすい。しかし、露出した層間絶縁膜1の膜質はプラズマ処理によって改善される。その結果、トレンチ6の端部6aからCu原子が層間絶縁膜1へ拡散することを抑止することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0061】
(実施の形態2)
本実施の形態における半導体装置の製造方法は、導電膜2aのリスパッタ後における層間絶縁膜1の処理方法において実施の形態1の処理方法と異なっている。
【0062】
具体的には、始めに図4〜図15に示す実施の形態1の製造方法と同様の製造工程を経る。続いて、図16および図17を参照して、実施の形態1のプラズマ処理の代わりに、SiOCよりなる層間絶縁膜1をアルキルシランガス雰囲気(プラズマではない雰囲気)に保持する。これにより、SiOCよりなる層間絶縁膜1の表面をCH3で終端させることができる。すなわち、SiOC膜の表面はHやCH3で終端されていることが知られているが、層間絶縁膜1がSiOCよりなる場合には、SiOC膜の表面を終端しているHやCH3が導電膜2aのリスパッタの際に除去されることがある。その結果、層間絶縁膜1の表面に荒れが乗じる。そこで、Hを含むプラズマを用いて層間絶縁膜1を処理することで、SiOC膜の表面にCH3を供給し、CH3で終端させることができる。また、層間絶縁膜1の緻密化を図ることができる。その結果、層間絶縁膜1の膜質が改善される。
【0063】
アルキルシランガスとしてたとえばSiHm(CH3nガスを用いた場合には、チャンバ内の圧力を200Paに保ち、SiHm(CH3nガスを100sccmの流量で層間絶縁膜1へ10秒間導入する。また、チャンバ内の圧力を50〜500Paに保ち、SiHm(CH3nガスを10〜200sccmの流量で層間絶縁膜1へ導入してもよい。
【0064】
その後、図17〜図19に示す実施の形態1の製造方法と同様の製造工程を経て、図1〜図3に示す実施の形態1と同様の構造を有する半導体装置が完成する。
【0065】
本実施の形態における半導体装置の製造方法は、以下の工程を備えている。内部に下部配線14が形成された層間絶縁膜11上にSiOCよりなる層間絶縁膜1を積層して形成する。下部配線14に達する上部孔5を層間絶縁膜1に開口する。上部孔5に連通するトレンチ6を層間絶縁膜1に形成する。上部孔5内をウエットエッチングすることにより、上部孔5の口径d1よりも大きな口径d2を有する下部孔17を下部配線14内に形成する。トレンチ6の側面および底面と、上部孔5の側面と、下部孔17の底面とに導電膜2aを形成する。下部孔17の底面に存在する導電膜2aを物理的にエッチングすることにより、下部孔17の側面17aに導電膜15を形成する(エッチング工程)。エッチング工程の後に、層間絶縁膜1をアルキルシランガス雰囲気に保持する。トレンチ6内、上部孔5内および下部孔17内を埋めるようにCu膜4aを形成する。
【0066】
本実施の形態における半導体装置の製造方法によれば、導電膜2aのエッチングの後でSiOC膜の表面にCH3が供給されるので、層間絶縁膜1の表面をCH3で終端させることができる。また、層間絶縁膜1の緻密化を図ることができる。これにより、層間絶縁膜1の膜質が改善される。その結果、Cu原子が層間絶縁膜1へ拡散することを抑止することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0067】
(実施の形態3)
図2を参照して、実施の形態1では、上部孔5を形成してからトレンチ6を形成する製造方法(ビアファーストプロセス)について説明したが、本実施の形態においては、トレンチ6を形成してから上部孔5を形成する製造方法(トレンチファーストプロセス)について説明する。
【0068】
具体的には、始めに図4および図5に示す実施の形態1の製造方法と同様の製造工程を経る。続いて、図22を参照して、たとえばSiCよりなるハードマスク21を層間絶縁膜1上に形成する。なお、ハードマスク21としてはSiCの他にSiNやTEOSなどを用いることもできる。
【0069】
次に、図23を参照して、通常の写真製版技術およびエッチング技術により、トレンチ6(図2)を形成する部分の真上のハードマスク21を除去し、ハードマスク21に孔21aを形成する。
【0070】
次に、図24を参照して、ハードマスク21および孔21aを覆うようにレジスト53を形成する。そして、上部孔5(図2)を形成する部分の真上のレジスト53を除去し、レジスト53に孔53aを形成する。
【0071】
次に、図25を参照して、レジスト53をマスクとして層間絶縁膜1をエッチングすることにより、層間絶縁膜1に孔5aを形成する。このエッチングは拡散防止膜16で止まるような条件で行なわれる。
【0072】
次に、図25および図26を参照して、レジスト53を除去する。その結果、層間絶縁膜1上にはハードマスク21のみが残る。
【0073】
次に、図27を参照して、ハードマスク21をマスクとして層間絶縁膜1をエッチングすることにより、孔5aに連通するトレンチ6を層間絶縁膜1に形成する。その後、半導体装置の全面をエッチバックすることにより、ハードマスク21と、孔5aの底部の拡散防止膜16とを除去する。これにより、層間絶縁膜1に上部孔5が形成される。その後、上部孔5の内部をウエットエッチングし、図10に示す構造が得られる。
【0074】
その後、図11〜図19に示す実施の形態1の製造方法と同様の製造工程と同様の製造工程を経て、図1〜図3に示す実施の形態1と同様の構造を有する半導体装置が完成する。また、実施の形態2の製造方法を用いてもよい。
【0075】
本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、実施の形態1または2の製造方法と同様の効果を得ることができる。
【0076】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、デュアルダマシンのCu配線を備えた半導体集積回路およびその製造方法に適している。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体装置の構造を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図2におけるIII部の拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第1工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第2工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第3工程を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第4工程を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第5工程を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第6工程を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第7工程を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第8工程を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第9工程を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第10工程を示す平面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線に沿う断面図である。
【図15】図13のXV部の拡大図である。
【図16】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第11工程を示す平面図である。
【図17】図16のXVII部の拡大図である。
【図18】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第12工程を示す平面図である。
【図19】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第13工程を示す平面図である。
【図20】特許文献1の技術を用いた半導体装置の構造を示す断面図である。
【図21】図20のXXI部の拡大図である。
【図22】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法の第1工程を示す平面図である。
【図23】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法の第2工程を示す平面図である。
【図24】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法の第3工程を示す平面図である。
【図25】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法の第4工程を示す平面図である。
【図26】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法の第5工程を示す平面図である。
【図27】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法の第6工程を示す平面図である。
【符号の説明】
【0079】
1,11 層間絶縁膜、2,3,13 バリアメタル、2a,3a,15 導電膜、4,4a Cu膜、5 上部孔、5a,21a,53a 孔、6,12 トレンチ、6a トレンチの端部、14 下部配線、16 拡散防止膜、17 下部孔、17a 下部孔の側面、21 ハードマスク、51〜53 レジスト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜内に形成された配線と、
前記第1絶縁膜上に形成された第2絶縁膜とを備え、
前記配線に下部孔が開口しており、前記第2絶縁膜には前記下部孔に繋がる上部孔が開口しており、前記下部孔の口径は前記上部孔の口径よりも大きくなっており、前記第2絶縁膜には前記上部孔に繋がる溝が形成されており、
前記下部孔の側面に形成された下部導電膜と、
前記溝の側面および底面と、前記上部孔の側面とに沿って形成された上部導電膜と、
前記溝内、前記上部孔内、および前記下部孔内を埋めるように形成された銅を含む導電膜とをさらに備え、
前記下部導電膜は前記上部導電膜と同じ物質を含んでおり、かつ前記第2絶縁膜はNが偏在している部分を有することを特徴とする、半導体装置。
【請求項2】
第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜内に形成された配線と、
前記第1絶縁膜上に形成されたSiO2よりなる第2絶縁膜とを備え、
前記配線に下部孔が開口しており、前記第2絶縁膜には前記下部孔に繋がる上部孔が開口しており、前記下部孔の口径は前記上部孔の口径よりも大きくなっており、前記第2絶縁膜には前記上部孔に繋がる溝が形成されており、
前記下部孔の側面に形成された下部導電膜と、
前記溝の側面および底面と、前記上部孔の側面とに沿って形成された上部導電膜と、
前記溝内、前記上部孔内、および前記下部孔内を埋めるように形成された銅を含む導電膜とをさらに備え、
前記下部導電膜は前記上部導電膜と同じ物質を含んでおり、かつ前記第2絶縁膜はHが偏在している部分を有することを特徴とする、半導体装置。
【請求項3】
前記上部導電膜は前記溝の端部において途切れており、前記第2絶縁膜における前記溝の端部にNまたはHが偏在していることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記溝の端部において前記第2絶縁膜に接するように形成された被覆導電膜をさらに備える、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
内部に配線が形成された第1絶縁膜上に第2絶縁膜を積層して形成する工程と、
前記配線に達する上部孔を前記第2絶縁膜に開口する工程と、
前記上部孔に連通する溝を前記第2絶縁膜に形成する工程と、
前記上部孔内をウエットエッチングすることにより、前記上部孔の口径よりも大きな口径を有する下部孔を前記配線内に形成する工程と、
前記溝の側面および底面と、前記上部孔の側面と、前記下部孔の底面とに上部導電膜を形成する工程と、
前記下部孔の底面に存在する前記上部導電膜を物理的にエッチングすることにより、前記下部孔の側面に下部導電膜を形成するエッチング工程と、
前記エッチング工程の後に、N、He、およびHからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含むプラズマを用いて前記第2絶縁膜を処理する工程と、
前記溝内、前記上部孔内および前記下部孔内を埋めるように銅を含む導電膜を形成する工程とを備えることを特徴とする、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
内部に配線が形成された第1絶縁膜上にSiOCよりなる第2絶縁膜を積層して形成する工程と、
前記配線に達する上部孔を前記第2絶縁膜に開口する工程と、
前記上部孔に連通する溝を前記第2絶縁膜に形成する工程と、
前記上部孔内をウエットエッチングすることにより、前記上部孔の口径よりも大きな口径を有する下部孔を前記配線内に形成する工程と、
前記溝の側面および底面と、前記上部孔の側面と、前記下部孔の底面とに上部導電膜を形成する工程と、
前記下部孔の底面に存在する前記上部導電膜を物理的にエッチングすることにより、前記下部孔の側面に下部導電膜を形成するエッチング工程と、
前記エッチング工程の後に、前記第2絶縁膜をアルキルシランガス雰囲気に保持する工程と、
前記溝内、前記上部孔内および前記下部孔内を埋めるように銅を含む導電膜を形成する工程とを備えることを特徴とする、半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記エッチング工程において前記溝の端部に前記第2絶縁膜を露出させることを特徴とする、請求項5または6に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−194566(P2007−194566A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13855(P2006−13855)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】