説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】配線部間の寄生容量を小さくすることができ、その上、エアギャップに起因する短絡、および、配線間隔が小さくなることによる耐圧劣化や配線部同士の短絡の発生を防ぐことができる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】第1の絶縁膜102上には、配線部108,109の上面および側面を覆う第3の絶縁膜110が形成されている。第3の絶縁膜110は、第1アスペクト比を有する第1の領域155と、その第1アスペクト比よりも小さな第2アスペクト比を有する第2の領域156とを備え、配線部109は第2のアスペクト比を有する第2の領域156を備えている。第1の領域155にはエアギャップ111が形成され、第2の領域156にはエアギャップ111が形成されていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体集積回路などの半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体集積回路の高密度集積化に伴い、配線と他の配線との間隔が縮小され、また、配線を含む配線層の多層化がなされ、その結果、配線間の寄生容量が増加している。上記配線間の寄生容量の増加は回路動作の遅延、すなわち集積回路の高速化を阻害する。また、上記配線間のクロストークが問題となる。
【0003】
通常、半導体集積回路の層間絶縁膜としては比誘電率が4程度のSiOが用いられているが、配線間の寄生容量を小さくするために、低誘電率の層間絶縁膜を形成する方法が採用されている。例えば、微細な空孔を有する多孔質膜や、有機SOG等の低誘電率膜が実用化されているが、設備の変更が必要で、加工の難易度も高くなり、機械的強度が低いなど膜の特性上の問題も多い。
【0004】
上記配線間の寄生容量を小さくするための別の方法として、低誘電率膜を使用する代わりに、配線間にエアギャップと呼ばれる空隙を配置する方法がある。このエアギャップは閉領域からなる空隙で比誘電率がほぼ1と低く、配線間の寄生容量を低減するのに効果的である。
【0005】
上記エアギャップを形成する方法として、配線間の距離に応じてエアギャップを形成する方法が特許第2853661号公報(特許文献1)に記載されている。以下、このエアギャップの形成方法について説明する。
【0006】
上記形成方法では、まず、図16に示すように、第1の絶縁膜202が堆積された基板201上に配線金属膜203を堆積する。
【0007】
次に、上記配線金属膜203にエッチング処理を行って、図17に示すように、配線205を形成する。この配線205とこれに隣り合う他の配線205との間の距離は、設計で規定された値以上で任意に設定され、その距離が大きい箇所もあれば小さい箇所もある。なお、図17の204はエッチングマスクとなるフォトレジストである。
【0008】
次に、図18に示すように、上記配線205上に第2の絶縁膜206を堆積する。このとき、上記配線205とこれに隣り合う他の配線205との間の距離がある値以下であると、その間にエアギャップ207が形成される。
【0009】
次に、上記第2の絶縁膜206に対して公知のCMP(化学機械研磨)技術などで平坦化処理を行って、図19に示す第2の絶縁膜250を得る。
【0010】
次に、上記第2の絶縁膜250にエッチング処理を行って、図20に示すように、複数のビアホール252を有する第2の絶縁膜251を形成する。その後、上記ビアホール252内に接続プラグ208を形成し、この接続プラグ208をビアホール252内に接続する。
【0011】
以上のようにして、エアギャップ207が形成されるが、ビアホール252はアライメントずれによって所望とする位置からずれて形成される場合がある。具体的には、ビアパターンを転写するフォト工程において、アライメントずれによりビアパターンが配線205から位置がずれて転写され、エッチング処理でビアホール252が所望とする位置からずれて形成されてしまう。このため、図20のように、左端に形成されたビアホール252がエアギャップ207と連通してしまう場合がある。このときビアホール252からエアギャップ207を通じてエッチングガス、薬液などが浸入し配線205側壁が露出する。
【0012】
したがって、上記エアギャップ207と連通したビアホール252内に接続プラグ208を形成する際、接続プラグ208の材料がエアギャップ207内にも流れ込み、このエアギャップ207近傍の配線と接続プラグ208が短絡してしまうという問題が生じる。
【0013】
上記問題を解決する方法として、アライメントずれが生じてもビアホールがエアギャップと連通しない方法が特許第2948588号公報(特許文献2)に記載されている。これは、先に接続プラグを形成した後で、その接続プラグに接続する配線を形成する方法である。以下、上記方法について説明する。
【0014】
上記方法では、まず、図21に示すように、第1の絶縁膜302が堆積された基板301上に第1の配線金属膜303を堆積した後、その第1の配線金属膜303上に第2の絶縁膜304を堆積する。
【0015】
次に、上記第2の絶縁膜304にエッチング処理を行って、図22に示すように、複数のビアホール306が形成された第2の絶縁膜350を得る。上記ビアホール306は、第2の絶縁膜350の上面から第1の配線金属膜303に達し、第2の絶縁膜350を貫通している。なお、図22の305はエッチングマスクとなるフォトレジストである。
【0016】
次に、上記第1の配線金属膜303および第2の絶縁膜350上に、図23に示すように、公知のCVD技術で第2の配線金属膜307を堆積する。これにより、上記ビアホール306内には第2の配線金属膜307の一部が入る。
【0017】
次に、上記第2の配線金属膜307の一部を公知のCMP技術などにより除去して、図24に示すように、ビアホール306内に接続プラグ308を形成する。
【0018】
次に、上記第2の絶縁膜350にエッチング処理を行って、図25に示すように、第1の配線金属膜303上に接続プラグ308および第2の絶縁膜310を残す。この第2の絶縁膜310は配線パターンに加工されている。なお、図25の309はエッチングマスクとなるフォトレジストである。
【0019】
次に、上記フォトレジスト309、接続プラグ308および第2の絶縁膜310をエッチングマスクとして、第1の第1の配線金属膜303を選択的にエッチング除去して、図26に示すように、複数の配線311が得られる。
【0020】
次に、上記フォトレジスト309やエッチング残渣を除去した後、配線パターンに加工された第2の絶縁膜310、配線311および接続プラグ308を覆うように、図27に示す第3の絶縁膜312を形成する。このとき、上記配線311とこれに隣り合う他の配線311との間の距離がある値以下であると、その間にエアギャップ313が形成される。
【0021】
次に、上記第3の絶縁膜312に対して公知のCMP技術などで接続プラグ308が露出するまで平坦化処理を行って、図28に示す第3の絶縁膜351を得る。
【0022】
このように、上記接続プラグ308を先に形成してからエアギャップ313を形成するため、エアギャップ313内に金属材料が入ることによる短絡を防ぐことができる。
【0023】
しかし、上記接続プラグ308に接続される配線311は、その接続プラグ308をエッチングマスクとして形成されるので、アライメントずれが生じると接続プラグの形状に沿って接続される配線の幅が広がる。
【0024】
そのため、上記配線の幅が広がった箇所は配線間隔が設計で規定された最小配線間隔よりも小さくなってしまい、その結果、配線311とこれに隣り合う他の配線311との間の耐圧が劣化する、あるいは互いに短絡するという問題が生じる。
【特許文献1】特許第2853661号公報
【特許文献2】特許第2948588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
そこで、本発明の課題は、配線部間の寄生容量を小さくすることができ、その上、エアギャップ内に接続プラグ材料が入り込むことによる配線間の短絡や、配線間隔が小さくなることによる耐圧劣化を防ぐことができる半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記課題を解決するため、本発明の半導体装置は、
半導体基板と、
上記半導体基板上に形成された第1の絶縁膜と、
上記第1の絶縁膜上に形成された導体膜とこの導体膜の上に形成された第2の絶縁膜とを含むと共に、互いに平行に延びる複数の第1の配線部と、
上記第1の絶縁膜上に形成された導体膜のみから成ると共に、互いに平行に延びる複数の第2の配線部と、
上記第1の配線部および第2の配線部の上面および側面を覆う第3の絶縁膜と、
上記第3の絶縁膜の上面から上記第1の配線部または第2の配線部の導体膜の少なくとも1つに達するビアホールと、
上記ビアホール内に形成され、上記第1の配線部または第2の配線部の導体膜に接続された接続プラグと
を備え、
上記第3の絶縁膜は、
上記複数の第1の配線部の少なくとも1つの側面で定義されて、上記第1の配線部の延びる方向に直交する断面において第1アスペクト比を有する第1の領域と、
上記複数の第1の配線部および第2の配線部の少なくとも1つの側面で定義されて、上記第1の配線部および第2の配線部の延びる方向に直交する断面において上記第1アスペクト比よりも小さな第2アスペクト比を有する第2の領域と
を有し、
上記第1の領域内には閉じられた空間であるエアギャップがあり、かつ、上記第2の領域内には閉じられた空間であるエアギャップがなく、
上記ビアホールおよび上記接続プラグは、上記第2の領域を定義する側面を有する上記第1の配線部または第2の配線部の導体膜に接続されていることを特徴としている。
【0027】
上記構成の半導体装置によれば、上記第1の領域内には閉じられた空間であるエアギャップがあるので、第1の配線部間の寄生容量を小さくすることができる。
【0028】
また、上記接続プラグは、第2の領域を定義する側面を有する第1の配線部に接続されているが、その第2の領域内には閉じられた空間であるエアギャップがないから、接続プラグの材料がエアギャップ内に入ることによる短絡を防ぐことができる。
【0029】
一実施形態の半導体装置では、
上記第1の領域を定義する側面を有する上記第1の配線部幅が、上記複数の第1の配線部のうちの最小配線部幅よりも広い配線部の導体膜にビアホールおよび接続プラグが接続されている。
【0030】
上記実施形態の半導体装置によれば、第1の配線部の配線部幅は複数の第1の配線部のうちの最小配線部幅よりも広いので、アライメントずれを許容するマージンを確保でき、接続プラグは第1の配線部上面に接続される。
【0031】
したがって、上記第1の領域を定義する側面を有する第1の配線部近傍にはエアギャップがあるが、その第1の配線部の導体膜に接続プラグを接続しても、接続プラグの材料がエアギャップ内に入ることによる短絡を防ぐことができる。
【0032】
一実施形態の半導体装置では、
上記第1アスペクト比は1〜5の範囲内である。
【0033】
上記実施形態の半導体装置によれば、上記第1アスペクト比は1〜5の範囲内であるので、第1の領域内において、エアギャップを確実に得ることができる。
【0034】
また、上記第1アスペクト比が1未満だと、上記第3の絶縁膜中にエアギャップを形成することが困難となるので、好ましくない。
【0035】
また、上記第1アスペクト比が5を越えると、第1の配線部の加工が困難となるので、好ましくない。
【0036】
一実施形態の半導体装置では、
上記第2アスペクト比は0より大きく4以下である。
【0037】
上記実施形態の半導体装置によれば、上記第2アスペクト比は0より大きく4以下であるので、第2の領域内において、エアギャップが形成されるのを確実に防ぐことができる。
【0038】
また、上記第2アスペクト比は第1の配線部の高さと第1の配線部間の距離の比であることから0より大きい正の値である。
【0039】
また、上記第2アスペクト比が4を越えると、エアギャップを形成することなく上記第3の絶縁膜を堆積することが困難となるので、好ましくない。
【0040】
本発明の半導体装置の製造方法は、
半導体基板に堆積された第1の絶縁膜上に形成された導体膜とこの導体膜の上に形成された第2の絶縁膜とを含み、互いに平行に延びる複数の第1の配線部を上記第1の絶縁膜上に形成すると共に、上記第1の絶縁膜上に形成された導体膜のみから成り、互いに平行に延びる複数の第2の配線部を第1の絶縁膜上に形成する工程と、
上記第1の配線部および第2の配線部上に第3の絶縁膜を堆積し、上記第1の配線部および第2の配線部の側面および上面を上記第3の絶縁膜で覆う工程と、
上記第3の絶縁膜の上面から上記第1の配線部または第2の配線部の導体膜の少なくとも1つに達するビアホールを形成する工程と、
上記ビアホール内に、上記第1の配線部または第2の配線部の導体膜に接続される接続プラグを形成する工程と
を備え、
上記第3の絶縁膜は、
上記複数の第1の配線部の少なくとも1つの側面で定義されて、上記第1の配線部の延びる方向に直交する断面において第1アスペクト比を有する第1の領域と、
上記複数の第1の配線部および第2の配線部の少なくとも1つの側面で定義されて、上記第1の配線部および第2の配線部の延びる方向に直交する断面において上記第1アスペクト比よりも小さな第2アスペクト比を有する第2の領域と
を有するように形成し、
また、上記第3の絶縁膜は、上記第1の領域には閉じられた空間であるエアギャップを有するように、上記第2の領域にはエアギャップがないように形成し、
上記ビアホールおよび上記接続プラグは、上記第2の領域を定義する側面を有する上記第1の配線部または第2の配線部に接続されるように形成することを特徴としている。
【0041】
上記構成の半導体装置の製造方法によれば、上記第3の絶縁膜は、第1アスペクト比を有する第1の領域と、その第1アスペクト比よりも小さな第2アスペクト比を有する第2の領域とを有するように形成するので、閉じられた空間であるエアギャップを第3の絶縁膜の第1の領域内に形成することができる。したがって、上記第1の配線部間の寄生容量を小さくすることができる。
【0042】
また、上記第2の領域の第2アスペクト比が第1の領域の第1アスペクト比よりも小さいので、閉じられた空間であるエアギャップが第2の領域内に形成されるのを防ぐことができる。つまり、上記第2の領域を定義する側面を有する第1の配線部近傍にエアギャップが存在しないようにすることできる。したがって、上記第2の領域を定義する側面を有する第1の配線部および第2の配線部に接続プラグを接続しても、接続プラグの材料がエアギャップ内に入ることによる短絡を防ぐことができる。
【0043】
また、上記第1の配線部および第2の配線部の形成後に接続プラグを形成するので、接続プラグは第1の配線部および第2の配線部を形成するためのエッチングマスクとして使用されていない。したがって、上記接続プラグの形状に沿って第1の配線部幅および第2の配線部幅が広がり、第1の配線部間隔および第2の配線部間隔が小さくなることにより耐圧が劣化したり第1の配線部同士および第2の配線部同士の短絡が生じたりするのを防ぐことができる。
【0044】
一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記第1の領域を定義する側面を有する上記第1の配線部の配線部幅が、上記複数の第1の配線部のうちの最小配線部幅よりも広く形成した配線部に、ビアホールおよび接続プラグを接続する。
【0045】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第1の配線部の配線部幅は複数の第1の配線部のうちの最小配線部幅よりも広くなるので、アライメントずれを許容するマージンを確保でき、接続プラグは第1の配線部上面に接続される。
【0046】
したがって、上記第1の領域を定義する側面を有する第1の配線部近傍にはエアギャップがあるが、エアギャップとビアホールが連通することがないため、その第1の配線部の導体膜に接続プラグを接続してもエアギャップ内に接続プラグの材料が入ることがなく、接続プラグの材料がエアギャップ内に入ることによる短絡を防ぐことができる。
【0047】
一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記第1アスペクト比は1〜5の範囲内である。
【0048】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記第1アスペクト比は1〜5の範囲内であるので、第1の領域内において、閉じられた空間であるエアギャップを確実に得ることができる。
【0049】
また、上記第1アスペクト比が1未満では、上記第3の絶縁膜堆積時にエアギャップを形成することが困難となるので、好ましくない。
【0050】
また、上記第1アスペクト比が5を越えると、第1の配線部を加工することが困難となるので、好ましくない。
【0051】
一実施形態の半導体装置の製造方法では、
上記第2アスペクト比は0より大きく4以下である。
【0052】
上記実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記第2アスペクト比は0より大きく4以下の範囲内であるので、第2の領域内において、エアギャップが形成されるのを確実に防ぐことができる。
【0053】
また、上記第2アスペクト比は第1の配線部の高さと第1の配線部間の距離の比であることから0より大きい正の値である。
【0054】
また、上記第2アスペクト比が4を越えると、エアギャップを形成することなく上記第3の絶縁膜を堆積することが困難となるので、好ましくない。
【発明の効果】
【0055】
本発明の半導体装置は、第3の絶縁膜の第1の領域内にエアギャップがあるので、第1の配線部間の寄生容量を小さくすることができる。
【0056】
また、上記第3の絶縁膜の第2の領域内にはエアギャップがないので、その第2の領域を定義する側面を有する第1の配線部および第2の配線部に接続プラグを接続しても、接続プラグの材料がエアギャップ内に入ることによる短絡を防ぐことができる。
【0057】
本発明の半導体装置の製造方法は、第3の絶縁膜に、第1アスペクト比を有する第1の領域と、その第1アスペクト比よりも小さな第2アスペクト比を有する第2の領域とを形成するので、エアギャップを第3の絶縁膜の第1の領域内に形成することができる。したがって、上記第1の配線部間の寄生容量を小さくすることができる。
【0058】
また、上記第2の領域の第2アスペクト比が第1の領域の第1アスペクト比よりも小さいので、第2の領域を定義する側面を有する第1の配線部および第2の配線部近傍にエアギャップが形成されるのを防ぐことができる。したがって、上記第2の領域を定義する側面を有する第1の配線部および第2の配線部に接続プラグを接続しても、接続プラグの材料がエアギャップ内に入ることによる短絡を防ぐことができる。
【0059】
また、上記第1の配線部の形成後に接続プラグを形成するので、接続プラグは第1の配線部を形成するためのエッチングマスクとして使用されていない。したがって、上記接続プラグの形状に沿って第1の配線部幅および第2の配線部幅が広がり、第1の配線部間隔および第2の配線部間隔が小さくなることにより耐圧が劣化したり第1の配線部同士および第2の配線部同士の短絡が生じたりするのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明の半導体装置およびその製造方法を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0061】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態の半導体装置を上方から見た模式図である。また、図2は図1のII−II線から見た模式断面図である。なお、図1では上記半導体装置の配線層のみ示し、配線層より下の基板や素子を省略している。
【0062】
上記半導体装置は、図1,図2に示すように、半導体基板101と、この半導体基板101上に形成された第1の絶縁膜102と、この第1の絶縁膜102上に形成されて互いに平行に延びる複数の配線部108,109と、この配線部108,109の上面および側面を覆う第3の絶縁膜110と、この第3の絶縁膜110の上面から配線部108,109に達する複数のビアホール154と、この複数のビアホール154内に形成された複数の接続プラグ112とを備えている。なお、上記配線部108は第1の配線部の一例である。また、上記配線部109は第2の配線部の一例である。
【0063】
上記複数の配線部108は、それぞれ、Ti膜108aと、このTi膜108a上に形成されたTiN膜108bと、このTiN膜108b上に形成されたAlCu膜108cと、このAlCu膜108c上に形成されたTiN膜108dと、このTiN膜108d上に形成されたSiO膜108eとを含んでいる。このSiO膜108eが配線部108の上部となっている。なお、上記Ti膜108a、TiN膜108b、AlCu膜108cおよびTiN膜108dは、導体膜の一例である。また、上記SiO膜108eは第2の絶縁膜の一例である。
【0064】
上記複数の配線部109は、それぞれ、Ti膜109aと、このTi膜109a上に形成されたTiN膜109bと、このTiN膜109b上に形成されたAlCu膜109cと、このAlCu膜109c上に形成されたTiN膜109dとを含んでいる。また、上記複数の配線部109は、それぞれ、上部がTiN膜109dから成り、SiO膜等の絶縁膜を含んでいない。
【0065】
上記複数の接続プラグ112のうち、配線部108に接続された接続プラグ112は、SiO膜108eを厚さ方向に貫通して、少なくともTiN膜108dに接触している。
【0066】
上記第3の絶縁膜110には第1の領域155と第2の領域156がある。この第1の領域155は、複数の配線部108の側面で定義されて、配線部108の延びる方向に直交する断面において第1アスペクト比を有している。また、上記第2の領域156は、複数の配線部108の側面で定義されて、配線部108の延びる方向に直交する断面において上記第1アスペクト比よりも小さな第2アスペクト比を有している。
【0067】
上記第1の領域155には閉じられた空間であるエアギャップ111があるが、第2の領域156にはエアギャップはない。
【0068】
上記第1の領域155を定義する側面を有する配線部108には、ビアホール154および接続プラグ112が接続されていない。
【0069】
また、上記第2の領域156を定義する側面を有する配線部108には、ビアホール154および接続プラグ112が接続されている。なお、上記第2の領域と同様の領域は、配線部109同士の間にも形成され、ビアホール154および接続プラグ112が配線部109に接続されている。
【0070】
また、上記半導体基板101には、MOS(金属酸化膜半導体)電界効果トランジスタ150およびSTI(浅溝型素子分離)領域152が形成されている。
【0071】
また、上記第3の絶縁膜110上には、配線部115と、この配線部115の上面および側面を覆う第5の絶縁膜116と、半導体装置を収容するパッケージの電極と接続されるボンディングパッド153とが形成されている。
【0072】
上記配線部115は、Ti膜115aと、このTi膜115a上に形成されたTiN膜115bと、このTiN膜115b上に形成されたAlCu膜115cと、このAlCu膜115c上に形成されたTiN膜115dと、このTiN膜115d上に形成されたSiO膜115eとを含んでいる。なお、上記Ti膜115a、TiN膜115b、AlCu膜115cおよびTiN膜115dは、導体膜の一例である。また、上記SiO膜115eはSiO以外の絶縁膜でもよく、なくてもよい。
【0073】
以下、図3〜図9を用いて、上記半導体装置の製造方法について説明する。
【0074】
上記製造方法では、まず、図3に示すように、第1の絶縁膜102が堆積された半導体基板101上に第1の配線金属膜103を堆積し、さらに、第1の配線金属膜103上に第2の絶縁膜104を堆積する。
【0075】
より詳しくは、上記第1の絶縁膜102の一例として厚さ600nmのSiO膜が堆積された半導体基板101上に、第1の配線金属膜の一例としてTi、TiN、AlCu、TiNをこの順でそれぞれ厚さ20nm、厚さ30nm、厚さ400nm、厚さ50nmで堆積し、第2の絶縁膜104の一例として厚さ100nmのSiO膜を堆積する。このSiO膜は後に加工されて図2のSiO膜108eとなる。
【0076】
また、上記第1の配線金属膜102は、Ag、Au、Al、Cu、Ta、W、Ruなどを含む通常半導体装置に用いられる材料で形成してもよい。
【0077】
また、上記第2の絶縁膜104は、SiO膜以外に、SiOF膜、SiON膜、SiOC膜、SiN膜、SiC膜などの通常半導体装置に用いられる絶縁膜であってもよい。
【0078】
また、上記第1の配線金属膜102または第2の絶縁膜104上にSiON膜などの反射防止膜を堆積してもよい。この反射防止膜の膜厚は100nm程度であるが、上記第1,第2アスペクト比を制御するには、50nm〜400nmまたは50nm〜200nm程度または30〜100nm程度の範囲であってもよい。
【0079】
次に、上記第2の絶縁膜104の一部を選択的に公知のエッチング技術により除去して、図4に示すように、第1の配線金属膜103上に第2の絶縁膜106を形成する。この後、エッチング残渣やフォトレジスト105を除去する処理を行ってもよい。
【0080】
上記第2の絶縁膜104の一部が除去されて露出した領域には、後工程で複数の配線部109(図2参照)が形成される。一方、上記第2の絶縁膜104の一部が残された領域、つまり第2の絶縁膜106で覆われている領域には、後工程で複数の配線部108(図2参照)が形成される。
【0081】
次に、上記第1の配線金属膜103および第2の絶縁膜106の一部を選択的に公知のエッチング技術により除去して、図5に示すように、第1の絶縁膜102上に複数の配線部108,109を形成する。なお、107は配線パターンが形成されたフォトレジストである。
【0082】
より詳しくは、上記第1の配線金属膜103および第2の絶縁膜106上にフォトレジスト107を形成した後、SiOをエッチングするチャンバーで、SiOからなる第2の絶縁膜106をエッチングして、さらに、金属膜をエッチングするチャンバーで第1の配線金属膜103をエッチングする。ここでは、上記第2の絶縁膜106と第1の配線金属膜103とを異なるチャンバーでエッチングするが、同一のチャンバーでエッチングガスを変えてエッチングしてもよい。
【0083】
上記配線部109の高さは500nmであり、配線部108の高さは600nmとなっている。つまり、上記配線部108は、SiOを上部に有している分だけ、配線部109よりも高くなっている。
【0084】
次に、図6に示すように、配線108,109の上面および側面を覆う第3の絶縁膜157をCVD(化学蒸気堆積)法にて堆積する。これにより、第1の領域である上記配線部108同士の第1のアスペクト比を有する間隙155にエアギャップ111を形成することができ、また、第2の領域である配線部108同士の間にあって第1のアスペクト比より小さい第2のアスペクト比を有する間隙156を第3の絶縁膜157で完全に埋め込むことができる。なお、配線部109の近傍は第2の領域のみであり、第3の絶縁膜157で完全に埋め込まれる。
【0085】
より詳しくは、上記第3の絶縁膜157の一例として1000nmのSiO膜を高密度プラズマCVD装置で堆積する。このSiO膜の成膜条件は、高密度プラズマCVD装置内に、SiHを100sccm、Oを180sccm、Arを300sccmを導入し、周波数450kHzのプラズマ発生源の電力を2500W、周波数13.56MHzのバイアス電力を1800Wとする。これによって、上記配線部108同士の間隙においてアスペクト比が2.4以下の間隙をSiOで完全に埋め込むことができる。このとき、設計で規定される最小配線部間隔を例えば230nmとすると、配線部109の最小配線部間隔の間隙のアスペクト比は約2.2となるので、その間隙はSiOで完全に埋め込まれる。配線部108の最小配線間隔の間隙のアスペクト比は約2.6となるので、その間隙はSiOで完全に埋め込まれず、上記間隙にエアギャップ111が形成される。また、配線部108の最小配線間隔より大きい間隙を例えば280nmとすると、この間隙のアスペクト比は約2.1となるのでSiOで完全に埋め込まれる。
【0086】
ここでは、SiO膜を埋め込めるアスペクト比を2.4として成膜条件を記載したが、電力やガス流量などの成膜条件を変えることでSiO膜を埋め込めるアスペクト比の値は1から4の範囲で任意に変えることができる。
【0087】
また、上記第3の絶縁膜157は、SiO膜以外に、フッ素、炭素、窒素などを含有したシリコン酸化膜であってもよい。
【0088】
さらに、上記第3の絶縁膜157の堆積は、途中で成膜条件を変えて行ってもよい。例えば、上記アスペクト比が2.4以下を埋め込める条件で配線間を埋め込むまで堆積した後、成膜速度が速い条件で堆積して成膜時間を短縮してもよい。
【0089】
次に、上記第3の絶縁膜157に対して公知のCMP技術などで平坦化処理を行って、図7に示す第3の絶縁膜158を形成する。なお、上記第3の絶縁膜157上にプラズマTEOS膜などの絶縁膜を堆積した後、上記平坦化処理を行うようにしてもよい。
【0090】
次に、上記第3の絶縁膜158にエッチング処理を行って、図8に示すように、複数のビアホール154を有する第3の絶縁膜110を形成し、上記第3の絶縁膜110上、及びビアホール154内部に接続プラグ112の材料である金属を堆積させる。そして、上記ビアホール154外の金属を公知のCMP技術などで除去すると、ビアホール154内に接続プラグ112が得られる。この接続プラグ112は配線108,109の金属膜に接続される。
【0091】
より詳しくは、上記ビアホール154内にCVD法によりTiN、Wの順にそれぞれ厚さ10nm、厚さ300nmで堆積し、CMP法によりビアホール154外のTiN、W膜を除去する。このとき、上記ビアホール154近傍にはエアギャップ111が形成されていないから、ビアホール154がエアギャップ111と連通することがない。これにより、上記TiNおよびWがエアギャップ111内に入ることがなく、TiNおよびWがエアギャップ111内に入ることによる短絡を防ぐことがでる。
【0092】
また、上記接続プラグ112の材料はTiN、W以外に、Ag、Au、Al、Cu、Ta、Ruなどを含む通常半導体装置に用いられる材料でもよい。
【0093】
次に、図9に示すように、上記第3の絶縁膜110上に配線金属膜113および第4の絶縁膜114をこの順で堆積する。その後、所定の工程を行うと、図1,図2に示す半導体装置が得られる。
【0094】
上記配線金属膜113は、Ti膜113aと、このTi膜113a上に形成されたTiN膜113bと、このTiN膜113b上に形成されたAlCu膜113cと、このAlCu膜113c上に形成されたTiN膜113dとを含んでいる。
【0095】
このように、上記第3の絶縁膜110の第1の領域155内にエアギャップ111が形成されているので、配線部108同士の間の寄生容量を小さくすることができる。
【0096】
また、上記第2の領域156の第2アスペクト比が第1の領域の第1アスペクト比よりも小さいので、エアギャップ111が第2の領域156内に形成されるのを防ぐことができる。したがって、上記第2の領域156を定義する側面を有する配線部108,109に接続プラグ112を接続しても、接続プラグ112の材料がエアギャップ111内に入ることがない。よって、上記接続プラグ112の材料がエアギャップ111内に入ることによる短絡を防ぐことができる。
【0097】
また、上記接続プラグ112は配線部108,109を形成するためのエッチングマスクとして使用されていない。したがって、上記接続プラグ112の形状に沿って配線幅が広がり、配線部108,109同士の間隔が小さくなることにより耐圧が劣化したり短絡が生じたりするのを防ぐことができる。
【0098】
また、上記第1の領域155を定義する側面を有する配線部108(例えば図1において右側上部の配線部108が90度曲がった箇所に隣り合う配線部108)の配線部幅を設計で規定された最小配線部幅よりも広くしてもよい。この場合、上記第1の領域155を定義する側面を有する配線部108に接続プラグ112を接続しても、その接続プラグ112を収容するビアホール154のアライメントずれを許容できる幅が確保されており、ビアホール154がエアギャップ111に連通するのを防ぐことができる。よって、上記接続プラグ112の材料がエアギャップ111内に入ることによる短絡を防ぐことができる。
【0099】
また、上記第1アスペクト比は1〜5の範囲内としてもよい。この場合、第1の領域155内にエアギャップ111を確実に形成することができる。
【0100】
また、上記第2アスペクト比は0より大きく4以下の範囲内である。この場合、第2の領域156内にエアギャップ111が形成されるのを確実に防ぐことができる。
【0101】
(第2実施形態)
以下、図10〜図15を用いて、本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、上記第1実施形態の構成部と同一の構成部については、記第1実施形態の構成部の参照番号を付している。
【0102】
図10〜図15において、図3〜図5に示した第1実施形態の構成部と同一構成部は、図3〜図5における構成部と同一参照番号を付している。
【0103】
上記製造方法では、上記第1実施形態と同様に、まず、図10に示すように、第1の絶縁膜102が堆積された半導体基板101上に第1の配線金属膜103を堆積し、さらに、第1の配線金属膜103上に第2の絶縁膜104を堆積する。
【0104】
より詳しくは、上記第1の絶縁膜102の一例として600nmのSiO膜が堆積された半導体基板101上に、第1の配線金属膜としてTi、TiN、AlCu、TiNをこの順でそれぞれ厚さ20nm、厚さ30nm、厚さ400nm、厚さ50nmで堆積し、第2の絶縁膜104の一例として厚さ100nmのSiO膜を堆積する。なお、上記第2の絶縁膜104上に反射防止膜などを堆積してもよい。
【0105】
次に、上記第2の絶縁膜104の一部を選択的に公知のエッチング技術で除去して、図11に示す第2の絶縁膜106を得る。この後、エッチング残渣やフォトレジスト105を除去する処理を行ってもよい。
【0106】
次に、上記第2の絶縁膜106をエッチングマスクとして使用し、第1の金属膜103の一部を選択的に公知のエッチング技術で除去すると、図12に示すように、Ti膜108a、TiN膜108b、AlCu膜108c、TiN膜108dおよびSiO膜108eを含む配線108が第1の絶縁膜102上に形成される。この後、エッチング残渣を除去する処理を行ってもよい。
【0107】
次に、図13に示すように、第1の絶縁膜102と配線部108を覆うように反射防止膜117を堆積する。
【0108】
より詳しくは、反射防止膜117の一例として有機反射防止膜をスピンコート法により配線部108上で50nmの厚さとなるように堆積することで、第1の絶縁膜102と配線部108を有機反射防止膜で覆う。このとき、上記配線108同士の間には有機反射防止膜が配線部108上より厚く堆積される。
【0109】
次に、図14に示すように、上記反射防止膜117の一部をフォトレジスト118で覆った後、フォトレジスト118で覆われていない反射防止膜117および配線部108の上部の絶縁膜108eをエッチングにより選択的に除去する。これにより、上記Ti膜109a、TiN膜109b、AlCu膜109cおよびTiN膜109dを含む配線部109が第1の絶縁膜102上に形成される。
【0110】
次に、上記フォトレジスト118および反射防止膜117を除去すると、図15に示すような状態となる。
【0111】
より詳しくは、Oプラズマアッシング処理と薬液処理とによって、フォトレジスト118、反射防止膜117およびエッチング残渣を除去する。
【0112】
以降、上記第1実施形態と同様に図6の第3の絶縁膜157を堆積することで、配線間に選択的にエアギャップを形成することができる。
【0113】
このように、本第2実施形態の半導体装置の製造方法を行っても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0114】
上記第1,第2実施形態の半導体装置の製造方法は、高速動作可能で微細な半導体装置に係る分野に広く応用することができる。
【0115】
上記第1,第2実施形態では、配線部108の導体膜に接続プラグ112を接続し、かつ、配線部109に接続プラグ112を接続していたが、配線部108の導体膜のいずれにも接続プラグ112が接続されないようにし、かつ、配線部109に接続プラグ112を接続してもよい。あるいは、上記配線部108の導体膜に接続プラグ112を接続し、かつ、配線部109のいずれにも接続プラグ112が接続されないようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の半導体装置を上方から見た模式図である。
【図2】図2は図1のII−II線から見た模式断面図である。
【図3】図3は上記第1実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図4】図4は上記第1実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図5】図5は上記第1実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図6】図6は上記第1実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図7】図7は上記第1実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図8】図8は上記第1実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図9】図9は上記第1実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図10】図10は本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図11】図11は上記第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図12】図12は上記第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図13】図13は上記第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図14】図14は上記第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図15】図15は上記第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図16】図16は従来の特許文献1の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図17】図17は上記特許文献1の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図18】図18は上記特許文献1の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図19】図19は上記特許文献1の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図20】図20は上記特許文献1の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図21】図21は他の従来の特許文献2の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図22】図22は上記特許文献2の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図23】図23は上記特許文献2の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図24】図24は上記特許文献2の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図25】図25は上記特許文献2の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図26】図26は上記特許文献2の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図27】図27は上記特許文献2の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【図28】図28は上記特許文献2の半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。
【符号の説明】
【0117】
101 半導体基板
102 第1の絶縁膜
103 第1の配線金属膜
103a Ti膜
103b TiN膜
103c AlCu膜
103d TiN膜
104 第2の絶縁膜
105 フォトレジスト
106 第2の絶縁膜
107 フォトレジスト
108 配線部
108a Ti膜
108b TiN膜
108c AlCu膜
108d TiN膜
108e SiO
109 配線部
109a Ti膜
109b TiN膜
109c AlCu膜
109d TiN膜
110 第3の絶縁膜
111 エアギャップ
112 接続プラグ
113 第2の配線金属膜
113a Ti膜
113b TiN膜
113c AlCu膜
113d TiN膜
114 第4の絶縁膜
115 配線
115a Ti膜
115b TiN膜
115c AlCu膜
115d TiN膜
115e SiO
116 第5の絶縁膜
117 反射防止膜
118 フォトレジスト
150 MOS電界効果トランジスタ
151 コンタクトプラグ
152 STI
153 ボンディングパッド
154 ビアホール
155 第1の領域
156 第2の領域
157 第3の絶縁膜
158 第3の絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
上記半導体基板上に形成された第1の絶縁膜と、
上記第1の絶縁膜上に形成された導体膜とこの導体膜の上に形成された第2の絶縁膜とを含むと共に、互いに平行に延びる複数の第1の配線部と、
上記第1の絶縁膜上に形成された導体膜のみから成ると共に、互いに平行に延びる複数の第2の配線部と、
上記第1の配線部および第2の配線部の上面および側面を覆う第3の絶縁膜と、
上記第3の絶縁膜の上面から上記第1の配線部または第2の配線部の導体膜の少なくとも1つに達するビアホールと、
上記ビアホール内に形成され、上記第1の配線部または第2の配線部の導体膜に接続された接続プラグと
を備え、
上記第3の絶縁膜は、
上記複数の第1の配線部の少なくとも1つの側面で定義されて、上記第1の配線部の延びる方向に直交する断面において第1アスペクト比を有する第1の領域と、
上記複数の第1の配線部および第2の配線部の少なくとも1つの側面で定義されて、上記第1の配線部および第2の配線部の延びる方向に直交する断面において上記第1アスペクト比よりも小さな第2アスペクト比を有する第2の領域と
を有し、
上記第1の領域内には閉じられた空間であるエアギャップがあり、かつ、上記第2の領域内には閉じられた空間であるエアギャップがなく、
上記ビアホールおよび上記接続プラグは、上記第2の領域を定義する側面を有する上記第1の配線部または第2の配線部の導体膜に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
上記第1の領域を定義する側面を有する上記第1の配線部幅が、上記複数の第1の配線部のうちの最小配線部幅よりも広い配線部の導体膜にビアホールおよび接続プラグが接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置において、
上記第1アスペクト比は1〜5の範囲内であることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の半導体装置において、
上記第2アスペクト比は0より大きく4以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
半導体基板に堆積された第1の絶縁膜上に形成された導体膜とこの導体膜の上に形成された第2の絶縁膜とを含み、互いに平行に延びる複数の第1の配線部を上記第1の絶縁膜上に形成すると共に、上記第1の絶縁膜上に形成された導体膜のみから成り、互いに平行に延びる複数の第2の配線部を第1の絶縁膜上に形成する工程と、
上記第1の配線部および第2の配線部上に第3の絶縁膜を堆積し、上記第1の配線部および第2の配線部の側面および上面を上記第3の絶縁膜で覆う工程と、
上記第3の絶縁膜の上面から上記第1の配線部または第2の配線部の導体膜の少なくとも1つに達するビアホールを形成する工程と、
上記ビアホール内に、上記第1の配線部または第2の配線部の導体膜に接続される接続プラグを形成する工程と
を備え、
上記第3の絶縁膜は、
上記複数の第1の配線部の少なくとも1つの側面で定義されて、上記第1の配線部の延びる方向に直交する断面において第1アスペクト比を有する第1の領域と、
上記複数の第1の配線部および第2の配線部の少なくとも1つの側面で定義されて、上記第1の配線部および第2の配線部の延びる方向に直交する断面において上記第1アスペクト比よりも小さな第2アスペクト比を有する第2の領域と
を有するように形成し、
また、上記第3の絶縁膜は、上記第1の領域には閉じられた空間であるエアギャップを有するように、上記第2の領域にはエアギャップがないように形成し、
上記ビアホールおよび上記接続プラグは、上記第2の領域を定義する側面を有する上記第1の配線部または第2の配線部に接続されるように形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置の製造方法において、
上記第1の領域を定義する側面を有する上記第1の配線部の配線部幅が、上記複数の第1の配線部のうちの最小配線部幅よりも広く形成した配線部にビアホールおよび接続プラグを接続することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の半導体装置の製造方法において、
上記第1アスペクト比は1〜5の範囲内であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項5から7までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
上記第2アスペクト比は0より大きく4以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−147054(P2009−147054A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321759(P2007−321759)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】