説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】PMOS領域における素子分離膜のライナー窒化膜の除去を行う従来技術による問題を解決した半導体装置およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、基板20をエッチングして複数のトレンチを形成するステップと、複数のトレンチ内に第1絶縁膜24Aを埋め込んで第1素子分離膜を形成するステップと、一部のトレンチ(CELL又はPERI NMOS領域のトレンチ)内に埋め込まれた第1絶縁膜24Aをリセスするステップと、リセスされたトレンチの全面にライナー膜26A、27Aを形成するステップと、ライナー膜26A、27Aが形成されたトレンチ内に第2絶縁膜28を埋め込んで第2素子分離膜を形成するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関するものであり、より詳細には、素子分離膜を含む半導体装置および半導体装置の素子分離膜形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、素子間を分離するための素子分離膜を含んでおり、半導体装置の集積度が向上することによって従来のロコス(LOCOS)工程では素子分離膜を形成するのに限界が生じている。したがって、STI(Shallow Trench Isolation)工程によって素子分離膜を形成する方法が一般的に使用される。
【0003】
以下、図面を参照して従来技術に係る半導体装置の素子分離膜形成方法を検討する。
【0004】
図1Aないし図1Dは、従来技術に係る半導体装置の素子分離膜形成方法を説明するための断面図である。
【0005】
図1Aに示したように、セル領域(CELL)および周辺回路領域(PERI)を含む基板10を提供する。ここで、周辺回路領域は、後続工程によってPMOSトランジスタが形成されるPMOS領域(PERI PMOS)およびNMOSトランジスタが形成されるNMOS領域(PERI NMOS)を含む。
【0006】
次に、基板10上にパッド酸化膜11およびパッド窒化膜12を順に形成した後、パッド窒化膜12およびパッド酸化膜11をエッチングして基板10を所定の深さにエッチングし複数の素子分離用トレンチを形成する。
【0007】
次に、素子分離用トレンチ形成のためのエッチング工程での基板損傷を回復するために酸化工程を行う。これによって、複数の素子分離用トレンチの内壁および底面に露出した基板10の表面に側壁酸化膜13が形成される。
【0008】
次に、側壁酸化膜13が形成された結果物の全面に沿ってライナー窒化膜14およびライナー酸化膜15を順に形成する。ここで、ライナー窒化膜14およびライナー酸化膜15はセル領域および周辺回路領域に同時に形成される。特に、ライナー窒化膜14およびライナー酸化膜15がセル領域および周辺回路領域の素子分離用トレンチ全面に沿って形成されるため、セル領域および周辺回路領域に位置する素子分離膜がライナー窒化膜14およびライナー酸化膜15を含むことになる。
【0009】
このようにライナー酸化膜15を形成することによって、後続工程で蒸着される第1絶縁膜の蒸着力を高めることができる。また、ライナー窒化膜14を形成することによって基板10のストレスを減少させ、後続の熱工程時に素子分離膜内の不純物が基板10に広散するのを防止することができる。したがって、半導体装置のリフレッシュ特性を向上させることができる。
【0010】
しかし、PMOS領域に形成されたライナー窒化膜14は、ホット電子(hot electron)をトラップしてホール(hole)に対する引力を誘発することになる。したがって、素子分離用トレンチの内壁にホールが蓄積されてチャネル幅を減少させることになり、それに応じて、ホット電子によるパンチスルー(hot Electron Induced Punch Through;HEIP)現象を誘発することになる。すなわち、PMOSトランジスタのソース/ドレインで漏洩電流が発生することになる。
【0011】
したがって、後続ではPMOS領域に形成されたライナー窒化膜14を選択的に除去するための工程が遂行される。
【0012】
図1Bに示したように、ライナー窒化膜14およびライナー酸化膜15が形成された結果物上にフォトレジストを塗布した後、露光および現象工程によって、セル領域およびNMOS領域を覆いつつPMOS領域をオープンさせるフォトレジストパターン16を形成する。
【0013】
次に、フォトレジストパターン16をエッチングバリアとしてPMOS領域に露出したライナー酸化膜15を除去する。これで、PMOS領域のライナー窒化膜14が露出する。
【0014】
図1Cに示したように、フォトレジストパターン16を除去した後、セル領域およびNMOS領域のライナー酸化膜15をエッチングバリアとしてPMOS領域のライナー窒化膜14を除去する。これによって、PMOS領域のライナー窒化膜14を選択的に除去することができる。
【0015】
図1Dに示したように、結果物の全体構造上に絶縁膜17を形成した後、パッド窒化膜12の表面が露出するまで平坦化工程を行う。これで、セル領域および周辺回路領域に絶縁膜17を含む複数の素子分離膜が形成される。
【0016】
次に、パッド窒化膜12およびパッド酸化膜11を除去して基板10の表面を露出させることで、最終的にSTI構造が完成する。この時、パッド窒化膜12およびパッド酸化膜11を除去する過程でライナー酸化膜15、ライナー窒化膜14および絶縁膜17が一部共に除去され得る。本図面では、一部除去されたライナー酸化膜を図面符号「15A」で示し、ライナー窒化膜を図面符号「14A」で示している。
【0017】
しかし、前述したような従来技術によれば、セル領域と周辺回路領域に同時にライナー窒化膜14を形成するため、PMOS領域のライナー窒化膜14を除去する過程でいくつかの問題が発生する。
【0018】
第1に、フォトレジストの塗布および除去が容易でない。先に、図1Bで説明したように、PMOS領域をオープンするフォトレジストパターン16を形成するために、素子分離用トレンチが含まれた中間結果物上にフォトレジストを塗布する。このとき、段差がある中間結果物上にフォトレジストを塗布するため、フォトレジストが円滑に塗布されず、フォトレジストの接着力が低いという問題がある。また、フォトレジストの除去時にも段差内に形成されたフォトレジストが完璧には除去されず、残留物(residue)が残ることになる問題がある。
【0019】
第2に、製造工程が複雑で製造単価が高い。先に、図1Cで説明したように、ライナー酸化膜15を除去した後、フォトレジストパターン16を除去しなければならないが、フォトレジストパターン16の除去工程は一般的にフォトレジストストリップ(PR strip)工程によって行われる。また、ライナー窒化膜14の除去工程は一般的に燐酸を利用した湿式ディップアウト工程によって行われる。すなわち、PMOS領域に形成されたライナー窒化膜14を選択的に除去するために製造工程が複雑になって製造単価が高くなるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は上記した問題を解決するために提案されたものであり、PMOS領域を除外した領域に限り、選択的にライナー窒化膜が形成された半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するために提案された本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、基板をエッチングして複数のトレンチを形成するトレンチ形成ステップと、前記複数のトレンチ内に第1絶縁膜を埋め込んで第1素子分離膜を形成する第1素子分離膜形成ステップと、前記複数のトレンチのうち一部のトレンチ内に埋め込まれた前記第1絶縁膜を所定の深さにリセスする第1絶縁膜リセスステップと、前記第1絶縁膜が所定の深さにリセスされた前記一部のトレンチの全面にライナー膜を形成するライナー膜形成ステップと、前記ライナー膜が形成された前記一部のトレンチ内に第2絶縁膜を埋め込んで第2素子分離膜を形成する第2素子分離膜形成ステップと、を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、セル領域、NMOS領域およびPMOS領域を含む基板をエッチングして複数のトレンチを形成するトレンチ形成ステップと、前記複数のトレンチ内に第1絶縁膜を埋め込んで前記PMOS領域に位置する第1素子分離膜を形成するステップと、前記第1絶縁膜が埋め込まれた結果物上に前記PMOS領域を覆うフォトレジストパターンを形成するステップと、前記フォトレジストパターンをエッチングバリアとして前記セル領域および前記NMOS領域のトレンチ内に埋め込まれた第1絶縁膜を所定の深さにリセスするステップと、前記第1絶縁膜が所定の深さにリセスされた結果物の全面に沿ってライナー膜を形成するステップと、前記ライナー膜が形成された結果物の全体構造上に第2絶縁膜を形成するステップと、前記基板の表面が露出するまで平坦化工程を行い前記セル領域および前記NMOS領域に位置する第2素子分離膜を形成するステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る半導体装置は、セル領域またはNMOS領域、及び、PMOS領域に位置する複数の素子分離膜を含む半導体装置であって、前記複数の素子分離膜が、第1絶縁膜を含む第1素子分離膜と、第1絶縁膜、第2絶縁膜、および、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に介在したライナー膜を含む第2素子分離膜とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、PMOS領域を除外した領域に限り、選択的にライナー窒化膜を形成することができる。したがって、PMOS領域に形成されたライナー窒化膜を除去するための別途の工程を行う必要がなく、それによって製造工程を単純化して製造単価を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】従来技術に係る半導体装置の素子分離膜形成方法の工程を説明するための断面図である。
【図1B】従来技術に係る半導体装置の素子分離膜形成方法の工程を説明するための断面図である。
【図1C】従来技術に係る半導体装置の素子分離膜形成方法の工程を説明するための断面図である。
【図1D】従来技術に係る半導体装置の素子分離膜形成方法の工程を説明するための断面図である。
【図2A】本発明の一実施形態に係る半導体装置の素子分離膜形成方法の工程を説明するための断面図である。
【図2B】本発明の一実施形態に係る半導体装置の素子分離膜形成方法の工程を説明するための断面図である。
【図2C】本発明の一実施形態に係る半導体装置の素子分離膜形成方法の工程を説明するための断面図である。
【図2D】本発明の一実施形態に係る半導体装置の素子分離膜形成方法の工程を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、本発明の最も好ましい実施形態が説明される。各図において、厚さと間隔とは、説明の便宜を考慮して表現されており、実際の物理的厚さに比べて誇張されて示されている場合がある。本発明の説明において、本発明の要旨と関係がない公知の構成は省略されている場合がある。各図面に示された構成要素への参照符号の付加において、同一の構成要素に限っては、たとえ他の図面上に表示されたとしても、可能な限り同一の符号を付するようにしたことに留意されたい。
【0027】
図2Aないし図2Dは、本発明の一実施形態に係る半導体装置の素子分離膜形成方法の工程を説明するための断面図である。
【0028】
図2Aに示したように、セル領域(CELL)および周辺回路領域(PERI)を含む基板20を提供する。ここで、周辺回路領域は後続工程によってPMOSトランジスタが形成されるPMOS領域(PERI PMOS)およびNMOSトランジスタが形成されるNMOS領域(PERI NMOS)を含む。
【0029】
次に、セル領域、NMOS領域およびPMOS領域を含む基板20上にパッド酸化膜21およびパッド窒化膜22を順に形成した後、パッド窒化膜22およびパッド酸化膜21をエッチングして基板20を所定の深さにエッチングし、複数の素子分離用トレンチを形成する。ここで、素子分離用トレンチの深さは2000ないし10000Åであるのが好ましい。
【0030】
次に、素子分離用トレンチ形成のためのエッチング工程での基板損傷を回復するために酸化工程を行う。これによって複数の素子分離用トレンチの内壁および底面に露出した基板20の表面に側壁酸化膜23が形成される。ここで、側壁酸化膜23の厚さは40ないし100Åであるのが好ましい。
【0031】
次に、側壁酸化膜23が形成された結果物の全体構造上に第1絶縁膜24を形成する。ここで、第1絶縁膜24は、流動性酸化膜を含むことが好ましく、例えば、SOD(Spin On Dielectric)膜またはPSZ(perhydro−polysilazane)系の酸化膜であるのが好ましい。
【0032】
次に、パッド窒化膜22の表面が露出するまで平坦化工程を行う。これで、複数の素子分離用トレンチ内に第1絶縁膜24が埋め込まれ、PMOS領域に位置する素子分離用トレンチにも第1絶縁膜24が埋め込まれ、PMOS領域に位置する第1素子分離膜が形成される。
【0033】
図2Bに示したように、第1絶縁膜24が埋め込まれた結果物の全体構造上にフォトレジストを塗布する。このように、平坦化工程が行われた結果物上にフォトレジストを塗布する場合、結果物の表面に段差がないため、容易にフォトレジストを塗布することができ、段差によってフォトレジストの接着力が低下するなどの問題を防止することができる。
【0034】
次に、フォトレジストに対する露光および現象工程を介して、PMOS領域を覆いつつ、セル領域およびNMOS領域をオープンさせたフォトレジストパターン25を形成する。すなわち、複数のトレンチのうち、第1絶縁膜24を所定の深さにリセスしようとする一部のトレンチを除外して、残りの領域を覆うフォトレジストパターン25を形成する。例えば、素子分離用トレンチ内に後続の工程でライナー膜を形成しない領域を覆いつつ、素子分離用トレンチ内に後続の工程でライナー膜を形成しようとする領域をオープンさせたフォトレジストパターンを形成する。
【0035】
次に、フォトレジストパターン25をエッチングバリアとしてセル領域およびNMOS領域の素子分離用トレンチ内に埋め込まれた第1絶縁膜24を所定の深さにリセスする。このようにフォトレジストパターン25をエッチングバリアとして第1絶縁膜24をリセスするため、複数の素子分離用トレンチのうち一部の素子分離用トレンチ内に埋め込まれた第1絶縁膜24のみを選択的に所定の深さにリセスすることができる。本図では、上部が所定の厚さだけ除去されたリセス後の第1絶縁膜を図面符号「24A」で表している。
【0036】
ここで、第1絶縁膜24をリセスする深さ(除去する厚さ)は100ないし1200Åであるのが好ましい。もちろん、PMOS領域に形成された第1絶縁膜24は、フォトレジストパターン25により保護されるため、リセスされない。
【0037】
この時、第1絶縁膜24をリセスする過程でトレンチ内壁に形成された側壁酸化膜23が一部共に除去可能であり、本図では一部除去された側壁酸化膜を図面符号「23A」で表している。また、本図では第1絶縁膜24がリセスされた深さと同じ位置まで側壁酸化膜23Aが除去され、該当する厚さの分だけトレンチ内壁が露出したものとして示しているが、第1絶縁膜24A表面の位置より上方のトレンチ内壁に側壁酸化膜23Aが残留することもある。
【0038】
図2Cに示したように、フォトレジストパターン25を除去する。ここで、フォトレジストパターン25は段差がない平たい表面上に形成されているため、残留物を残さずに容易に除去され得る。
【0039】
次に、結果物の全面に沿ってライナー膜26、27を形成する。例えば、結果物の全面に沿ってライナー酸化膜26を形成した後、ライナー酸化膜26が形成された結果物の全面に沿ってライナー窒化膜27を形成するのが好ましい。このような場合、側壁酸化膜23Aが一部除去されて露出したトレンチの内壁上にライナー酸化膜26が形成される。
【0040】
この時、セル領域と周辺回路領域に同時にライナー膜26、27が形成される。ただし、セル領域およびNMOS領域では、第1絶縁膜24が所定の深さにリセスされて形成された第1絶縁膜24Aの上面を含むトレンチの全面に沿ってライナー膜26、27が形成される反面、PMOS領域ではパッド窒化膜22および第1絶縁膜24上にライナー膜26、27が形成される。すなわち、セル領域およびNMOS領域では素子分離用トレンチ内にライナー膜26、27が形成される反面、PMOS領域では素子分離用トレンチ内にライナー膜26、27が形成されない。ここで、PMOS領域のパッド窒化膜22および第1絶縁膜24上に形成されたライナー膜26、27は後続の平坦化工程によって除去されるものであるため、ライナー膜26、27がセル領域およびNMOS領域に限り形成されるものとみることができる。
【0041】
ここで、ライナー酸化膜26の厚さは30ないし200Åであるのが好ましく、ライナー窒化膜27の厚さは20ないし200Åであるのが好ましい。
【0042】
図2Dに示したように、ライナー膜26、27が形成された結果物の全体構造上に第2絶縁膜28を形成する。ここで、第2絶縁膜28は、第1絶縁膜24に比べて相対的に緻密度が高い絶縁膜を含むのが好ましく、例えば、HDP(High Density Plasma)酸化膜またはTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)膜を含むのが好ましい。また、第2絶縁膜28の厚さは4000ないし15000Åであるのが好ましい。
【0043】
次に、パッド窒化膜22の表面が露出するまで平坦化工程を行う。平坦化工程を行う過程でPMOS領域のパッド窒化膜22上に形成されたライナー膜26、27は、研磨される反面、セル領域およびNMOS領域の素子分離用トレンチ内に形成されたライナー膜26、27は残留することになる。すなわち、平坦化工程を行う過程でPMOS領域に形成されたライナー膜26、27はすべて除去される。本図では平坦化工程によって研磨された後に残存するライナー酸化膜を図面符号「26A」で表し、残存するライナー窒化膜を図面符号「27A」で表している。
【0044】
これで、ライナー膜26A、27Aが形成された素子分離用トレンチ内に第2絶縁膜28が埋め込まれ、セル領域およびNMOS領域に第1絶縁膜24A、第2絶縁膜28、および、第1絶縁膜24Aと第2絶縁膜28との間に介在したライナー膜26A、27Aを含む第2素子分離膜が形成される。
【0045】
次に、パッド窒化膜22およびパッド酸化膜21を除去して基板20の表面を露出させることで、最終的にSTI構造が完成される。この時、パッド窒化膜22およびパッド酸化膜21を除去する過程でライナー膜26A、27Aが一部共にエッチング可能である。
【0046】
前述したような本発明によれば、セル領域、NMOS領域およびPMOS領域に位置する複数の素子分離膜を含む半導体装置を製造する場合において、第1絶縁膜24Aを含む第1素子分離膜、並びに、第1絶縁膜24A、第2絶縁膜28、および、第1絶縁膜24Aと第2絶縁膜28との間に介在したライナー膜26A、27Aを含む第2素子分離膜、を含む半導体装置を製造することができる。特に、PMOS領域には第1素子分離膜を形成し、セル領域およびNMOS領域には第2素子分離膜を形成することができる。
【0047】
セル領域およびNMOS領域の場合、第2素子分離膜内にライナー膜26A、27Aを介在させることによって基板10のストレスを減少させ、基板10の不純物が素子分離膜内に移動することを防止することができる。もちろん、第1絶縁膜24Aを形成した後にライナー膜26A、27Aを形成するため、素子分離用トレンチの上部側壁に限りライナー膜26A、27Aが形成されるが、基板10のストレスおよび不純物移動は大部分素子分離用トレンチの上部で主に発生する問題であるため、ライナー膜26A、27Aはその役割を十分に遂行することができる。
【0048】
PMOS領域の場合、第1素子分離膜内にライナー膜26A、27Aを介在させないことによって電荷のトラップによるHEIP現象を防止することができる。また、基板10に加えられるストレスによってグリッド間の間隔が広くなり、それに応じて、ホールの移動が容易になるストレインドシリコン(strained Si)効果が誘発される。したがって、電流特性を改善することができる。
【0049】
この他にも、PMOS領域上に形成されたフォトレジストパターン25を利用してセル領域およびNMOS領域の第1絶縁膜24Aのみを選択的にリセスした後にライナー膜26A、27Aを形成することによって、セル領域およびNMOS領域の素子分離用トレンチ内に限り選択的にライナー膜26A、27Aが形成され、PMOS領域の素子分離用トレンチ内にはライナー膜26A、27Aが形成されない。したがって、PMOS領域の素子分離用トレンチ内に形成されたライナー膜を除去するための燐酸ディップアウト工程などを行う必要がなく、それに応じて、製造工程を単純化して製造単価を低くすることができる。
【0050】
それだけでなく、第1絶縁膜を形成した後にライナー膜26A、27Aを形成するため、第2素子分離膜の第2絶縁膜28の埋め込み時にトレンチの縦横比(アスペクト比)が小さくなる。したがって、ギャップフィル特性を向上可能であり、ボイド(void)の発生を防止することができる。もちろん、第2素子分離膜が二重膜で形成されるのに反して、第1素子分離膜は単一膜で構成されるが、第1素子分離膜が位置するPMOS領域の場合、セル領域またはNMOS領域に比べてコンタクトプラグなどの形成による素子分離膜の損傷が少ない。したがって、第1素子分離膜が相対的に緻密度が低い第1絶縁膜のみに構成されても特性には問題がない。
【0051】
本発明の技術思想は上記した好ましい実施形態により具体的に説明されたが、上記した実施形態は、本発明の説明のためのものであり、本発明を制限するためのものでないことに注意しなければならない。また、本発明の技術分野における通常の知識を有する者ならば、本発明の技術思想の範囲内で、上記以外の多様な実施形態が可能であることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0052】
20 基板
21 パッド酸化膜
22 パッド窒化膜
23、23A 側壁酸化膜
24、24A 第1絶縁膜
25 フォトレジストパターン
26、26A ライナー酸化膜
27、27A ライナー窒化膜
28 第2絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をエッチングして複数のトレンチを形成するトレンチ形成ステップと、
前記複数のトレンチ内に第1絶縁膜を埋め込んで第1素子分離膜を形成する第1素子分離膜形成ステップと、
前記複数のトレンチのうち一部のトレンチ内に埋め込まれた前記第1絶縁膜を所定の深さにリセスする第1絶縁膜リセスステップと、
前記第1絶縁膜が所定の深さにリセスされた前記一部のトレンチの全面にライナー膜を形成するライナー膜形成ステップと、
前記ライナー膜が形成された前記一部のトレンチ内に第2絶縁膜を埋め込んで第2素子分離膜を形成する第2素子分離膜形成ステップと、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記トレンチ形成ステップの後に、
酸化工程によって前記トレンチの内壁に側壁酸化膜を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1素子分離膜形成ステップの後に、
前記第1絶縁膜が埋め込まれた結果物上に、前記一部のトレンチを除外した領域を覆うフォトレジストパターンを形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1絶縁膜リセスステップが、
前記フォトレジストパターンをエッチングバリアとして前記一部のトレンチ内に埋め込まれた第1絶縁膜を所定の厚さだけ除去してリセスするステップであることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1絶縁膜リセスステップの後に、
前記フォトレジストパターンを除去するステップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記ライナー膜形成ステップが、
前記第1絶縁膜が所定の深さにリセスされた結果物の全面に沿ってライナー酸化膜を形成するステップと、
前記ライナー酸化膜が形成された結果物の全面に沿ってライナー窒化膜を形成するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2素子分離膜形成ステップが、
前記ライナー膜が形成された結果物の全体構造上に第2絶縁膜を形成するステップと、
前記基板の表面が露出するように平坦化工程を行うステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1素子分離膜が、前記第1絶縁膜を含みPMOS領域に位置し、
前記第2素子分離膜が、所定の深さにリセスされた第1絶縁膜、前記第2絶縁膜、および、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に介在した前記ライナー膜を含み、セル領域またはNMOS領域に位置することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
セル領域、NMOS領域およびPMOS領域を含む基板をエッチングして複数のトレンチを形成するトレンチ形成ステップと、
前記複数のトレンチ内に第1絶縁膜を埋め込んで前記PMOS領域に位置する第1素子分離膜を形成するステップと、
前記第1絶縁膜が埋め込まれた結果物上に前記PMOS領域を覆うフォトレジストパターンを形成するステップと、
前記フォトレジストパターンをエッチングバリアとして前記セル領域および前記NMOS領域のトレンチ内に埋め込まれた第1絶縁膜を所定の深さにリセスするステップと、
前記第1絶縁膜が所定の深さにリセスされた結果物の全面に沿ってライナー膜を形成するステップと、
前記ライナー膜が形成された結果物の全体構造上に第2絶縁膜を形成するステップと、
前記基板の表面が露出するまで平坦化工程を行い、前記セル領域および前記NMOS領域に位置する第2素子分離膜を形成するステップと、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記トレンチ形成ステップの後に、
酸化工程によって前記トレンチの内壁に側壁酸化膜を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
セル領域またはNMOS領域、及び、PMOS領域に位置する複数の素子分離膜を含む半導体装置であって、
前記複数の素子分離膜が、
第1絶縁膜を含む第1素子分離膜と、
第1絶縁膜、第2絶縁膜、および、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に介在したライナー膜を含む第2素子分離膜と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
前記第1素子分離膜が、前記PMOS領域に位置し、
前記第2素子分離膜が、前記セル領域または前記NMOS領域に位置することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記ライナー膜が、
ライナー酸化膜またはライナー窒化膜を含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【公開番号】特開2011−97015(P2011−97015A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145788(P2010−145788)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】