説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】コンタクト抵抗を低減する半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】実施の形態の半導体装置は、シリコンを含む半導体基板10上の層間絶縁膜11に形成されたコンタクトホール12の底部14に形成され、コンタクトホール12に形成されるコンタクトプラグ21と電気的に接続するニッケルシリサイド膜18を有する。このニッケルシリサイド膜18は、ニッケルシリサイド膜18とコンタクトプラグ21の界面18aが半導体基板10と層間絶縁膜11の界面10aより高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、シリコン膜、ポリシリコン膜またはシリサイド膜上にバリアメタルに囲まれたコンタクトプラグを有する半導体装置が知られている。この半導体装置は、バリアメタルとしてのチタンまたは窒化チタンが、シリコンと反応してシリサイドチタン(TiSi)を形成することにより、コンタクト抵抗が低減する。
【0003】
しかし、従来の半導体装置によると、微細化等に伴い、シリコン膜等の欠陥、拡散層、または拡散種等の影響により、シリサイドチタンが形成されにくく、コンタクト抵抗の低減が困難となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−246178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、コンタクト抵抗を低減する半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態の半導体装置は、シリコンを含む半導体基板上の層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールの底部に形成され、コンタクトホールに形成されるコンタクトプラグと電気的に接続するニッケルシリサイド膜を有する。このニッケルシリサイド膜は、ニッケルシリサイド膜とコンタクトプラグの界面が半導体基板と層間絶縁膜の界面より高い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】図1A(a)〜図1A(d)は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【図1B】図1B(e)〜図1B(g)は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【図3】図3は、第1の実施の形態に係る製造方法により形成されたニッケルシリサイド膜と第2の実施の形態に係る製造方法により形成されたニッケルシリサイド膜との配向性を比較したグラフである。
【図4】図4(a)は、第2の実施の形態に係る第1の試料の要部断面図であり、(b)は第2の試料の要部断面図であり、(c)は、第1の試料と第2の試料のシート抵抗(Ω)を示す表であり、(d)は、第1の試料と第2の試料のコンタクト抵抗と累積確率の関係を示すグラフである。
【図5】図5(a)〜(c)は、第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態の要約)
実施の形態の半導体装置は、シリコンを含む半導体基板上の層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールの底部に形成され、コンタクトホールに形成されるコンタクトプラグと電気的に接続するニッケルシリサイド膜を有する。このニッケルシリサイド膜は、ニッケルシリサイド膜とコンタクトプラグの界面が半導体基板と層間絶縁膜の界面より高い。
[第1の実施の形態]
(半導体装置の製造方法)
図1A(a)〜図1B(g)は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【0009】
まず、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等により、半導体基板10上に層間絶縁膜11を形成する。
【0010】
半導体基板10は、例えば、シリコン、ポリシリコンまたはシリサイドを含んで構成される。本実施の形態における半導体基板10は、例えば、シリコン基板である。以下に図示する半導体基板10は、例えば、拡散層を含む部分であり、後述するコンタクトプラグは、この拡散層と電気的に接続するものである。
【0011】
層間絶縁膜11は、例えば、酸化シリコン(SiO)である。この酸化シリコンは、例えば、CVD法等により形成される。
【0012】
次に、図1A(a)に示すように、フォトリソグラフィ法およびRIE(Reactive Ion Etching)法等により、層間絶縁膜11にコンタクトホール12を形成する。
【0013】
次に、コンタクトホール12の底部14に残存する残渣物15を除去する。この残渣物15は、例えば、エッチングしたときに形成された下地膜のダメージ層、またはエッチングのときに発生した残留物である。この残渣物15は、例えば、酸素アッシング処理により除去される。
【0014】
次に、図1A(b)に示すように、熱酸化法等により、底部14に酸化膜16を形成する。この酸化膜16は、例えば、酸化シリコンである。続いて、ウエットエッチング法等により、酸化膜16を除去する。なお、ウエットエッチング処理により、底部14の酸化膜16が完全に除去されない場合、またはウエットエッチング処理により、底部14に新たに酸化膜が形成された場合は、ドライエッチング法により、酸化膜を除去する。
【0015】
次に、図1A(c)に示すように、CVD法等により、コンタクトホール12の側面部13および底部14、および層間絶縁膜11上にニッケル膜17を形成する。このニッケル膜17の形成は、例えば、ニッケルアミド系ガス、水素ガスおよびアンモニアガスを混合した混合ガス雰囲気中にて行われる。
【0016】
また、イオン注入法等により、このニッケル膜17に不純物を注入する。この不純物は、例えば、ニッケル膜17の耐熱温度を上昇させるものである。不純物は、例えば、非磁性体またはコバルトである。本実施の形態においては、不純物としてコバルトを用いる。この不純物の注入により、ニッケル膜17は、耐熱温度が高くなる。よって、後述するニッケルシリサイド膜の耐熱温度が高くなり(例えば、700〜800℃)、後述する導電体膜を埋め込む際の温度に耐えることができる。
【0017】
次に、熱処理により、ニッケル膜17をシリサイド化する。この熱処理は、例えば、およそ300℃で行われる。この熱処理により、半導体基板10の上部とコンタクトホール12の底部14のニッケル膜17とをシリサイド反応させてコンタクトホール12の底部14にニッケルシリサイド膜18を形成する。
【0018】
次に、図1A(d)に示すように、ウエットエッチング法により、シリサイド化しなかったニッケル膜17を除去する。このウエットエッチング法により、コンタクトホール12の底部14のみにニッケルシリサイド膜18が形成される。
【0019】
次に、図1B(e)に示すように、CVD法等により、コンタクトホール12の側面部13と、層間絶縁膜11上にバリアメタル19を形成する。バリアメタル19の形成は、例えば、650℃以下で行われる。このバリアメタル19は、例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)またはチタンと窒化チタン(Ti/TiN)の積層膜である。なお、このバリアメタル19は、コンタクトホール12の底部に露出するニッケルシリサイド膜18上には、バリアメタル19とニッケルシリサイド膜18の密着性不良から形成されない。
【0020】
次に、図1B(f)に示すように、ALD(Atomic Layer Deposion)法等により、導電体膜20をコンタクトホール12に埋め込む。
【0021】
この導電体膜20は、例えば、導電性を有する導電体材料からなり、タングステン、アルミニウムまたは銅を含む。本実施の形態における導電体膜20は、例えば、タングステンである。
【0022】
次に、図1B(g)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等により、層間絶縁膜11上の余分なバリアメタル19および導電体膜20を除去してコンタクトプラグ21を形成する。続いて、周知の工程を経て所望の半導体装置を得る。
【0023】
ここで、ニッケルシリサイド膜18は、ニッケルシリサイド膜18とコンタクトプラグ21の界面18aが半導体基板10と層間絶縁膜11の界面10aより高くなっている。
【0024】
なお、ニッケル膜17およびニッケルシリサイド膜18の形成は、例えば、同一のチャンバー内にて行われるが、別のチャンバーにて行われても良い。
【0025】
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態によれば、コンタクトホール12を形成した後、その底部14にニッケルシリサイド膜18を形成するので、拡散層の欠陥、シリコンのポリシリコン化、拡散種および拡散種の濃度等の影響が小さくなり、コンタクト抵抗を低減することができる。
【0026】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、層間絶縁膜の側面部にもニッケルシリサイド膜を形成する点で第1の実施の形態と異なっている。なお、以下の各実施の形態において、第1の実施の形態と同様の機能および構成を有する部分については、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は、省略するものとする。
【0027】
以下に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0028】
(半導体装置の製造方法)
図2(a)〜(c)は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【0029】
まず、CVD法等により、半導体基板10上に層間絶縁膜11を形成する。続いて、フォトリソグラフィ法およびRIE法等により、層間絶縁膜11にコンタクトホール12を形成する。続いて、第1の実施の形態と同様に、底部14に残存する残渣物を除去する。
【0030】
次に、図2(a)に示すように、CVD法等により、コンタクトホール12の側面部13および底部14、および層間絶縁膜11上にニッケル膜17を形成する。続いて、イオン注入法等により、ニッケル膜17に不純物を注入する。
【0031】
次に、図2(b)に示すように、熱処理により、コンタクトホール12の側面部13および底部14、および層間絶縁膜11上にニッケルシリサイド膜18を形成する。
【0032】
この熱処理は、例えば、モノシラン(SiH)またはジシラン(Si)雰囲気において、200℃以上の温度で行われる。この熱処理により、雰囲気に含まれるシリコンとニッケル膜17とをシリサイド反応させて、底部14のニッケル膜17だけでなく、側面部13および層間絶縁膜11上のニッケル膜17をシリサイド化させる。なお、この熱処理は、例えば、ニッケル膜17を形成したときのチャンバー内で行われるが、別のチャンバー内で行われても良い。
【0033】
次に、ALD法等により、導電体膜をコンタクトホール12に埋め込む。なお、ニッケルシリサイド膜18の形成から導電体膜の形成は、例えば、同一のチャンバー内にて行われても良く、また、別のチャンバー内で行われても良い。
【0034】
次に、図2(c)に示すように、CMP法等により、層間絶縁膜11上の余分なニッケルシリサイド膜18および導電体膜を除去してコンタクトプラグ21を形成する。続いて、周知の工程を経て所望の半導体装置を得る。
【0035】
図3は、第1の実施の形態に係る製造方法により形成されたニッケルシリサイド膜と第2の実施の形態に係る製造方法により形成されたニッケルシリサイド膜との配向性を比較したグラフである。図3に示すグラフは、X線回折装置を用いてθ/2θ法により測定したものである。横軸はX線の散乱角(20°〜80°)であり、縦軸はカウント(0〜3000)である。
【0036】
第1の実施の形態では、ニッケル膜17を形成した後、熱処理を行うことにより、半導体基板10のシリコンと接触する部分(底部14)にのみ、ニッケルシリサイド膜18が形成された。この第1の実施の形態におけるニッケルシリサイド膜18の測定結果を図示したものが、第1の回折プロファイル1aである。
【0037】
一方、第2の実施の形態では、ニッケル膜17を形成した後、モノシランまたはジシラン雰囲気において、200℃以上の条件で熱処理することにより、コンタクトホール12の側面部13および底部14、および層間絶縁膜11上にニッケルシリサイド膜18を形成した。この第2の実施の形態におけるニッケルシリサイド膜18の測定結果を図示したものが、第2の回折プロファイル2aである。
【0038】
図3から明らかなように、第1の実施の形態に係る製造方法によって形成されたニッケルシリサイド膜と、第2の実施の形態に係る製造方法によって形成されたニッケルシリサイド膜は、ほぼ同一の配向性を示していることが分かる。つまり、第1および第2の実施の形態に係る製造方法により形成されたニッケルシリサイド膜は、同じ性質を有するものであり、同様にコンタクト抵抗を低減することが可能となる。
【0039】
(コンタクト抵抗について)
図4(a)は、第2の実施の形態に係る第1の試料の要部断面図であり、(b)は第2の試料の要部断面図であり、(c)は、第1の試料と第2の試料のシート抵抗(Ω)を示す表であり、(d)は、第1の試料と第2の試料のコンタクト抵抗と累積確率(Cumulative Probability)の関係を示すグラフである。以下に、本実施の形態の半導体装置と同様の構成を有する第1の試料3と、ニッケルシリサイド膜を形成しない第2の試料4のシート抵抗とコンタクト抵抗について説明する。
【0040】
第1の試料3は、図4(a)に示すように、シリコン基板30上に、ニッケルシリサイド膜31およびタングステン膜32が順次形成されている。
【0041】
第2の試料4は、図4(b)に示すように、シリコン基板40上に、チタン膜41、窒化チタン膜42およびタングステン膜43が順次形成されている。このチタン膜41および窒化チタン膜42は、タングステンの拡散を防止するバリアメタルである。なお、第1の試料3のシリコン基板30と第2の試料4のシリコン基板40は同じ厚さを有するものとする。また、ニッケルシリサイド膜31、タングステン膜32、43、チタン膜41および窒化チタン膜42は、同じ厚さを有するものとする。
【0042】
上記の第1の試料3および第2の試料4のシート抵抗の測定を行った。なお、第1の試料3のシート抵抗の測定結果は、第1の試料3のニッケルシリサイド膜31およびタングステン膜32が、ウエハの全域に形成されている場合の測定結果である。また、第2の試料4のシート抵抗の測定結果は、第2の試料4のチタン膜41、窒化チタン膜42およびタングステン膜43が、ウエハの全域に形成されている場合の測定結果である。この測定の結果、図4(c)に示すように、第1の試料3のシート抵抗は、0.6Ω/cmであり、第2の試料4のシート抵抗は、0.86Ω/cmであった。
【0043】
また、シリコン基板上の層間絶縁膜に複数のコンタクトホールを形成し、そのコンタクトホールの底部にニッケルシリサイド膜を形成した場合(第1のプロファイル5)のそれぞれのコンタクト抵抗を測定した。また、コンタクトホールの底部にシリサイドチタン(TiSi)膜またはチタン(Ti)膜/窒化チタン(TiN)膜からなるバリアメタルを形成した場合(第2のプロファイル6)のそれぞれのコンタクト抵抗を測定した。
【0044】
図4(d)において、横軸はコンタクト抵抗を示し、縦軸は、コンタクト抵抗の値が全体の何%のコンタクトで測定されたのか(累積確率)を示したものである。図4(d)に示すように、底部にニッケルシリサイド膜を形成した場合の方が、底部にシリサイドチタン膜またはチタン膜/窒化チタン膜からなるバリアメタルを形成した場合よりもコンタクト抵抗が1/2〜1/10程度、低減したことが分かった。
【0045】
以上の結果により、コンタクトホールの底部にシリサイドチタン膜またはチタン膜/窒化チタン膜からなるバリアメタルを形成した場合よりも底部にニッケルシリサイド膜を形成する場合の方が、コンタクト抵抗を低減することが分かった。
【0046】
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態によれば、ニッケルシリサイド膜18をコンタクトホール12の側面部13にも形成するので、ニッケルシリサイド膜18をバリアメタルとしても利用できる。第2の実施の形態によれば、ニッケルシリサイド膜18をバリアメタルとしても利用できるので、チタン/窒化チタンをバリアメタルとして用いる場合と比べて、コンタクト抵抗を低減することができる。
【0047】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、層間絶縁膜が、コンタクトプラグと側面部から電気的に接続する少なくとも1つの導電体膜が形成された積層構造を有する点で、上記の他の実施の形態と異なっている。
【0048】
以下に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0049】
(半導体装置の製造方法)
図5(a)〜(c)は、第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【0050】
まず、CVD法等により、半導体基板70上に第1の層間絶縁膜72を形成する。続いて、CVD法等により、第1の層間絶縁膜72上に導電体膜74を形成する。この導電体膜74は、例えば、導電性材料からなる配線等である。この導電性材料は、例えば、ポリシリコン、銅またはタングステン等である。本実施の形態においては、導電体膜74は、例えば、ポリシリコンである。なお、導電体膜74は、例えば、第1および第2の層間絶縁膜72、76に複数含まれ、コンタクトホール78に露出していても良い。
【0051】
次に、CVD法等により、導電体膜74上に第2の層間絶縁膜76を形成する。続いて、フォトリソグラフィ法およびRIE法等により、第2の層間絶縁膜76、導電体膜74および第1の層間絶縁膜72を貫通するコンタクトホール78を形成する。続いて、第1の実施の形態と同様に、底部82に残存する残渣物を除去する。この第1および第2の層間絶縁膜72、76は、例えば、酸化シリコンである。
【0052】
次に、図5(a)に示すように、CVD法等により、コンタクトホール78の側面部80および底部82、および第2の層間絶縁膜76上にニッケル膜84を形成する。続いて、イオン注入法等により、ニッケル膜84に不純物を注入する。
【0053】
次に、図5(b)に示すように、熱処理により、コンタクトホール78の側面部80および底部82、および第2の層間絶縁膜76上にニッケルシリサイド膜86を形成する。この熱処理は、例えば、第2の実施の形態における熱処理と同条件で行われる。
【0054】
次に、ALD法等により、導電体膜をコンタクトホール78に埋め込む。
【0055】
次に、図5(c)に示すように、CMP法等により、第2の層間絶縁膜76上の余分なニッケルシリサイド膜86および導電体膜を除去してコンタクトプラグ88を形成する。続いて、周知の工程を経て所望の半導体装置を得る。
【0056】
(第3の実施の形態の効果)
第3の実施の形態によれば、コンタクトホール78の側面部80に露出する少なくとも1つの導電体膜74と、ニッケルシリサイド膜86を介して電気的に接続するコンタクトプラグ88を形成することができる。
【0057】
(実施の形態の効果)
以上説明した実施の形態によれば、コンタクトホールを形成した後、少なくとも底部にニッケルシリサイド膜を形成するので、拡散層の欠陥、シリコンのポリシリコン化、拡散種および拡散種の濃度等の影響が小さくなり、コンタクト抵抗を低減することができる。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
10、70…半導体基板、10a、18a…界面、11…層間絶縁膜、12、78…コンタクトホール、13、80…側面部、14、82…底部、17、84…ニッケル膜、18、31、86…ニッケルシリサイド膜、21、88…コンタクトプラグ、72…第1の層間絶縁膜、74…導電体膜、76…第2の層間絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンを含む半導体基板上の層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールの底部に形成され、前記コンタクトホールに形成されるコンタクトプラグと電気的に接続するニッケルシリサイド膜を有し、
前記ニッケルシリサイド膜は、前記ニッケルシリサイド膜と前記コンタクトプラグの界面が前記半導体基板と前記層間絶縁膜の界面より高い半導体装置。
【請求項2】
前記ニッケルシリサイド膜が、さらに前記コンタクトホールの側面部に形成される請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記層間絶縁膜は、前記側面部に形成された前記ニッケルシリサイド膜と電気的に接続する少なくとも1つの導電体膜が形成された積層構造を有する請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
シリコンを含む半導体基板上の層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホールの側面部および底部にニッケル膜を形成する工程と、
熱処理により、前記半導体基板の上部と前記コンタクトホールの底部の前記ニッケル膜とをシリサイド反応させて前記コンタクトホールの前記底部にニッケルシリサイド膜を形成する工程と、
前記コンタクトホールに導電体材料を埋め込んでコンタクトプラグを形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【請求項5】
シリコンを含む半導体基板上の層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホールの側面部および底部にニッケル膜を形成する工程と、
シリコンを含むガス雰囲気中における熱処理により、前記ガスと前記ニッケル膜とをシリサイド反応させて前記コンタクトホールの前記側面部および前記底部にニッケルシリサイド膜を形成する工程と、
前記ニッケルシリサイド膜が形成された前記コンタクトホールに導電体材料を埋め込んでコンタクトプラグを形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−64882(P2012−64882A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209745(P2010−209745)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】