半導体装置の製造方法及び半導体装置
【目的】 ヴィア(ヴィアコンタクト)の加工形状を均一にすることを目的とする。
【構成】 第1の配線層と、前記第1の配線層の上方に形成された第2の配線層と、前記第1の配線層と前記第2の配線層との間のヴィア層に配置され、前記第2の配線層下面から前記第1の配線層上面まで導電性材料が堆積したヴィア20と、前記第1の配線層と前記第2の配線層との間のヴィア層に配置され、前記第2の配線層下面から前記ヴィア層の途中まで導電性材料が堆積した、前記ヴィア20より径の小さなヴィア22と、を備えたことを特徴とする。
【構成】 第1の配線層と、前記第1の配線層の上方に形成された第2の配線層と、前記第1の配線層と前記第2の配線層との間のヴィア層に配置され、前記第2の配線層下面から前記第1の配線層上面まで導電性材料が堆積したヴィア20と、前記第1の配線層と前記第2の配線層との間のヴィア層に配置され、前記第2の配線層下面から前記ヴィア層の途中まで導電性材料が堆積した、前記ヴィア20より径の小さなヴィア22と、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に係り、特に、Cu(銅)配線を用いた半導体装置の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、及び高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(ケミカル・メカニカル・ポリッシング:chemical mechanical polishing:CMP)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、或いは埋め込み工程において頻繁に利用されている技術である。
【0003】
特に、最近はLSIの高速性能化を達成するために、配線技術を従来のアルミ(Al)合金から低抵抗のCu或いはCu合金(以下、まとめてCuと称する。)に代える動きが進んでいる。Cuは、Al合金配線の形成において頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難であるので、溝加工が施された絶縁膜上にCu膜を堆積し、溝内に埋め込まれた部分以外のCu膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン(damascene)法が主に採用されている。Cu膜はスパッタ法などで薄いシード層を形成した後に電解めっき法により数100nm程度の厚さの積層膜を形成することが一般的である。
【0004】
さらに、最近は層間絶縁膜として比誘電率の低いlow−k膜を用いることが検討されている。すなわち、比誘電率kが、約4.2のシリコン酸化膜(SiO2膜)から比誘電率kが例えば3.5以下のlow−k膜を用いることにより、配線間の寄生容量を低減することが試みられている。また、比誘電率kが2.5以下のlow−k膜材料の開発も進められており、これらは材料中に空孔が入ったポーラス材料となっているものが多い。このようなlow−k膜(若しくはポーラスlow−k膜)とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法は次のようなものである。
【0005】
図9は、従来のlow−k膜とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
図9では、デバイス部分等の形成方法は省略している。
図9(a)において、シリコン基板による基体200上に化学気相成長(CVD)等の方法により第1の絶縁膜221を成膜する。
図9(b)において、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程により、Cu金属配線或いはCuコンタクトプラグを形成するための溝構造(開口部H)を第1の絶縁膜221に形成する。
図9(c)において、第1の絶縁膜221上にバリアメタル膜240、Cuシード膜及びCu膜260をかかる順序で形成して、150℃から400℃の温度で約30分間アニール処理する。
図9(d)において、Cu膜260とバリアメタル膜240をCMPにより除去することにより、溝である開口部HにCu配線を形成する。
図9(e)において、前記Cu膜260表面に還元性プラズマ処理を施した後に第2の絶縁膜281を成膜する。
さらに、多層Cu配線を形成する場合は、これらの工程を繰り返して積層していくのが一般的である。ここで、第1の絶縁膜221と第2の絶縁膜281の大半がlow−k膜となる。
【0006】
また、配線層にダミー配線層を形成し、配線層とダミー配線層とを合わせた分布の粗密を低減する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、上層配線層下部の層間絶縁膜に下層配線層まで貫通するホールと共に、上層配線層に形成されたダミー配線下部の層間絶縁膜に下層配線層まで貫通せずに途中まで開けられた、前記ホールと同径のダミーホールに金属を埋設する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−148421号公報
【特許文献2】特開2003−318179号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図10は、ダミーパターンと本パターンが形成された上層配線層と、ダミーパターンと本パターンが形成された下層配線層と、その中間層とを示した半導体装置の断面図である。
図10において、基体200上には、下層配線層となる第1の配線層として、下地膜212とp−lowk膜220とキャップ膜222とで構成された絶縁膜に下層配線となる本パターンによる配線と下層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンによる配線とが形成されている。本パターンによる配線とダミーパターンによる配線として、Cu膜260が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜240が覆っている。上層配線層となる第2の配線層として、下地膜284とp−lowk膜285とキャップ膜290とで構成された絶縁膜に上層配線となる本パターンによる配線と上層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンによる配線とが形成されている。本パターンによる配線とダミーパターンによる配線として、Cu膜264が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜244が覆っている。ヴィア層となる中間層として、下地膜275とp−lowk膜280とキャップ膜282とで構成された絶縁膜に本パターンによるヴィアとヴィア層形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンによるヴィアとが形成されている。本パターンによるヴィアとダミーパターンによるヴィアとして、Cu膜262が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜242が覆っている。キャップ膜290上には、Cu膜264の拡散を防止する拡散防止膜292が形成され、拡散防止膜292上にはその他の層295が形成されている。
ここで、上層配線層のダミーパターンによる配線と下層配線層のダミーパターンによる配線間では、配線間のショートが問題とならないため、ダミーヴィアを形成することができる。しかしながら、上層配線層の本パターンによる配線と下層配線層の本パターンによる配線との間で上下配線を接続しない箇所では、ヴィアコンタクトのパターンがない。そのため、ヴィア層となる中間層の形成において、パターンの粗密が発生し、加工形状が均一にならないといった問題があった。
【0008】
図11は、パターンの粗密によりパターン露光時に生じる不具合を説明するための図である。
図11に示すように、パターン密度が粗の領域では、パターン露光時にパターン径が小さくなってしまうといった問題があった。その結果、形成されるヴィアホール径も小さくなり、Cu堆積後のヴィア径も小さくなってしまうといった問題があった。ヴィア径が小さくなるとヴィアの断面積が小さくなるため、配線抵抗やビア抵抗が増加して、半導体装置の動作速度を低下させてしまう。さらに、配線抵抗やビア抵抗が増加することにより半導体装置の動作に高い電源電圧が必要となるため消費電力が増加してしまう。
【0009】
図12は、パターンの粗密によりCMP加工時に生じる不具合を説明するための図である。
図12(a)では、基体上の絶縁膜に形成されたパターン密度が密の開口部と粗の開口部と絶縁膜表面とにCuが堆積した様子を示している。かかる状態から絶縁膜表面に堆積するCuをCMPにより研磨除去すると、図12(b)に示すように、パターン密度が粗の領域では、開口部に堆積したCuにリセスが生じてしまうといった問題があった。ヴィアとなるCuにリセスが生じてしまうことにより上層配線との接続不良を生じさせてしまい、歩留まりが低下する。
【0010】
一方、特許文献2では、上層配線層におけるダミーパターンによる配線下に、ヴィア層のパターン粗密を解消するため、ヴィアホールと同一径のダミーヴィアホールを絶縁膜途中まで形成しているが、これを本パターンによる配線下に形成することも考えられるが、かかる場合、ダミーヴィアホールのエッチングを絶縁膜途中で止めなければならないため、本来のヴィアホール形成(リソグラフィ工程及びエッチング)とは、別工程で、ダミーヴィアホールの形成(リソグラフィ工程及びエッチング)を行なう必要があり、また、露光時に使用するマスクも新たに用意する必要があるといった問題があった。
【0011】
本発明は、上記問題点を克服し、ヴィア(ヴィアコンタクト)の加工形状を均一にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の半導体装置の製造方法は、
下層配線層上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記絶縁膜に第1の開口パターンと、前記第1の開口パターンより径若しくは幅が小さい第2の開口パターンとを露光する露光工程と、
前記第1の開口パターンに基づく開口部が前記下層配線層に形成される下層配線に達するまで前記絶縁膜をエッチングし、前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部を形成する開口部形成工程と、
前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部とに導電性材料を堆積させる堆積工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
前記第1の開口パターンに基づく開口部が前記下層配線層に形成される下層配線に達するまで前記絶縁膜をエッチングすることで、前記第1の開口パターンより径若しくは幅が小さく露光された第2の開口パターンに基づく開口部を、下層配線に達することなく絶縁膜途中までしか開口されないように形成することができる。
【0014】
さらに、前記露光工程において、前記第1の開口パターンのみが露光される場合にパターン密度が粗となる領域に前記第2の開口パターンを露光することを特徴とする。
【0015】
粗の領域に前記第2の開口パターンを露光することにより、パターン密度の粗密を解消することができる。
【0016】
さらに、前記露光工程において、前記第1の開口パターンと前記第2の開口パターンとを同一のマスクを用いて露光することを特徴とする。
【0017】
前記第1の開口パターンと前記第2の開口パターンとを同一のマスクを用いて露光することにより、工程数を増加させないようにすることができる。
【0018】
そして、前記堆積工程において、前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部と共に、前記絶縁膜上にも導電性材料を堆積させ、
前記半導体装置の製造方法は、さらに、前記絶縁膜上に堆積した導電性材料を研磨除去する研磨工程を備えたことを特徴とする。
【0019】
パターン密度が粗の領域に前記第2の開口パターンを設けたことにより、前記研磨工程において、前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部に堆積した導電性材料に対し、リセスを生じさせないようにすることができる。
【0020】
前記半導体装置の製造方法は、さらに、前記絶縁膜上に上層配線を形成する上層配線形成工程を備え、
前記露光工程において、前記第2の開口パターンは、前記上層配線下領域に相当する位置に露光されることを特徴とする。
【0021】
上層配線下領域に露光するため、上層配線層で隣りあう配線とのショートを防止することができる。また、前記第2の開口パターンに基づく開口部は、下層配線層まで貫通していないので、特に、上層配線層と下層配線層との間で貫通する孔パターンを設けることができない位置において形成することができる。
【0022】
そして、前記第2の開口パターンは、前記第1の開口パターンの径若しくは幅に対し、70%以下の径若しくは幅に露光されると特に有効である。
【0023】
本発明の半導体装置は、
第1の配線層と、
前記第1の配線層の上方に形成された第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に形成された中間層と、
を備え、
前記中間層には、
絶縁性材料を用いた絶縁膜と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層とに接続する導電性材料を用いた第1の導電性材料堆積部と、
前記第2の配線層と前記絶縁膜とにより囲まれた、導電性材料を用いた、前記第1の導電性材料堆積部より径若しくは幅の小さな第2の導電性材料堆積部と、
を備えたことを特徴とする。
【0024】
前記第2の導電性材料堆積部は、前記第2の配線層と前記絶縁膜とにより囲まれている。言い換えれば、前記第1の配線層とは、所定の距離を開けて配置されている。さらに、言い換えれば、前記第2の配線層下面から前記中間層の途中までしか導電性材料が堆積していない。よって、第1の配線層と第2の配線層との間で接続させたくない領域にも前記第2の導電性材料堆積部を形成することができる。
【0025】
特に、前記第2の導電性材料堆積部は、前記中間層において、前記第1の導電性材料堆積部が形成される場合にパターン密度が粗となる領域に形成されることを特徴とする。
【0026】
前記第2の導電性材料堆積部をパターン密度が粗となる領域に備えたことにより、寸法ばらつきを抑制し、特に、第1の導電性材料堆積部の径寸法を確保することができる。さらに、第1の導電性材料堆積部にリセスが形成されることを防止することができる。
【0027】
また、本発明における前記第2の導電性材料堆積部は、前記第2の配線層に形成される第2の配線下領域に相当する位置に形成されることを特徴とする。
【0028】
上層配線下の領域に形成されるため、同じ層で隣りあう配線とのショートを防止することができる。
【0029】
また、本発明における前記第2の導電性材料堆積部は、前記第1の配線層に形成される第1の配線と前記第2の配線層に形成される第2の配線とを非接続とする領域に形成されることを特徴とする。
【0030】
従来、回路構成上、配線同士を短絡させないために形成できなかった領域、言い換えれば、第1の配線と第2の配線とを非接続とする領域、すなわち接続しない領域に前記第2の導電性材料堆積部を形成することで、パターンの粗密を解消することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、上下配線間で接続できない位置にダミーとしてパターンを形成することができるので、パターンの粗密を解消することができる。パターンの粗密を解消することができるので、露光寸法のばらつきを抑制することができ、さらに、リセスの形成を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における半導体装置の断面図である。
図1において、基体200上には、下層配線層となる第1の配線層として、下地膜212とp−lowk膜220とキャップ膜222とで構成された絶縁膜に下層配線となる本パターンによる配線と下層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンによる配線とが形成されている。本パターンによる配線とダミーパターンによる配線として、Cu膜260が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜240が覆っている。上層配線層となる第2の配線層として、下地膜284とp−lowk膜285とキャップ膜290とで構成された絶縁膜に上層配線となる本パターンによる配線と上層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンによる配線とが形成されている。本パターンによる配線とダミーパターンによる配線として、Cu膜264が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜244が覆っている。ヴィア層となる中間層として、下地膜275とp−lowk膜280とキャップ膜282とで構成された絶縁膜にヴィアとなる上下本パターンによる配線を接続する本ヴィアパターンによるヴィア20とヴィア層形成時にパターンの粗密を低減するために上下ダミーパターン間を接続する第1のダミーヴィアパターンによるヴィア24とが形成されている。本ヴィアパターンによるヴィアと第1のダミーヴィアパターンによるヴィアとして、Cu膜262が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜242が覆っている。キャップ膜290上には、Cu膜264の拡散を防止する拡散防止膜292が形成され、拡散防止膜292上にはその他の層295が形成されている。
【0033】
上層配線層のダミーパターンによる配線と下層配線層のダミーパターンによる配線間では、配線間のショートが問題とならないため、第1のダミーヴィアパターンによるヴィア24を形成することができる。第1のダミーヴィアパターンによるヴィア24は、本ヴィアパターンによるヴィア20の径あるいは幅寸法Aと同径或いは同幅に形成されるのが望ましい。
【0034】
さらに、上層配線層の本パターンによる配線と下層配線層の本パターンによる配線との間で、回路構成上、配線間のショートが問題となる箇所、言い換えれば、上下配線を非接続とする箇所、すなわち接続しない箇所(或いは、接続できない箇所)には、第1配線層に届かない、すなわち、上層配線層と絶縁膜とにより囲まれて、下層配線層とは所定の距離離れた第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22を形成する。第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22にも、Cu膜262が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜242が覆っている。上下配線を接続しない箇所において、パターン密度が粗になっていた領域に第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22を形成することで、パターンの粗密を解消することができる。第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22は、本ヴィアパターンによるヴィア20の径あるいは幅の寸法Aより小さい径或いは幅の寸法Bに形成される。第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22の径或いは幅を本ヴィアパターンによるヴィア20の径或いは幅より小さくすることで、エッチング時のエッチング速度を、本ヴィアパターンによるヴィア20を形成するための開口部のエッチング速度より遅くさせることができる。その結果、本ヴィアパターンによるヴィア20を形成するための開口部が貫通しても第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22を形成するための開口部のエッチングを中間層の途中で停止させることができる。
【0035】
上層配線層と下層配線層とを接続させない位置では、パターン密度が他の領域と比べ粗になるため、第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22は、上層配線層と下層配線層とを接続させない位置に形成すると特に有効である。例えば、上層配線層と下層配線層との両方で本パターンが形成された領域、或いは、上層配線層と下層配線層との一方で本パターンとなる配線が形成された領域に形成することが望ましい。また、上層配線層に形成される隣り合う配線部の両方に接触しないように1つの配線下の領域に形成されることが望ましい。1つの配線下の領域に形成されることで、隣り合う配線間のショートを防止することができる。
【0036】
図2は、実施の形態1における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図2において、本実施の形態では、下層配線形成工程(S102)、下層配線層上にヴィアを形成する場合にヴィア用の層間絶縁膜形成工程として、SiC膜を形成するSiC膜形成工程(S104)、多孔質の絶縁性材料を用いたp−lowk膜を形成するp−lowk膜形成工程(S106)、p−lowk膜表面をプラズマ処理するヘリウム(He)プラズマ処理工程(S108)、SiO2膜を形成するSiO2膜形成工程(S110)と、開口パターンを露光する露光工程(s112)と、現像工程(S114)と、開口部を形成する開口部形成工程(S116)と、ヴィア形成工程となる導電性材料を堆積させる導電性材料堆積工程として、バリアメタル膜形成工程(S118)、シード膜形成工程(S120)、めっき工程(S122)と、研磨工程(S124)と、上層配線形成工程(S126)という一連の工程を実施する。
【0037】
図3は、図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図3では、図2のSiC膜形成工程(S104)からSiO2膜形成工程(S110)までを示している。それ以降の工程は後述する。
【0038】
図3(a)において、まず、下層配線形成工程として、下層配線を形成する。基体200上に、下層配線層となる第1の配線層として、下地膜212とp−lowk膜220とキャップ膜222とで構成された絶縁膜を形成する。そして、絶縁膜に下層配線となる本パターンと下層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンとなる開口部(溝部)を形成する。そして、開口部の壁面及び底面にバリアメタル膜240を形成し、残りの空間にCu膜260を堆積させる。下層配線の形成方法は、これから説明するヴィア層の形成方法と同様で構わないため説明を省略する。
次に、ヴィア層における絶縁膜を形成する。まず、SiC膜形成工程として、下層配線層が形成された基体200上に、CVD法によって、SiCを用いた膜厚50nmの下地炭化シリコン(SiC)膜を堆積し、下地膜275を形成する。ここでは、CVD法によって成膜しているが、その他の方法を用いても構わない。下地膜275は、エッチングストッパとしての機能も有する。SiC膜を生成するのは難しいためSiC膜の代わりに炭酸化シリコン(SiOC)膜を用いても構わない。或いは、炭窒化シリコン(SiCN)膜、窒化シリコン(SiN)膜を用いることができる。
【0039】
ここで、基体200として、例えば、直径300ミリのシリコンウェハ等の基板を用いる。基体200には、コンタクトプラグ、或いは、その他の層が形成されていても構わない。また、下層配線層の下地膜212の材料として、下地膜275と同様、SiC、SiOC、SiCN、或いはSiNを用いることができる。
【0040】
図3(b)において、ポーラスlow−k(p−lowk)膜形成工程として、基体200の上に形成された前記SiC絶縁膜形成工程により形成された下地膜275の上に多孔質の絶縁性材料を用いたp−lowk膜280を250nmの厚さで形成する。p−lowk膜280を形成することで、比誘電率kが3.5よりも低い層間絶縁膜を得ることができる。p−lowk膜280の材料としては、例えば、多孔質のメチルシルセスキオキサン(methyl silsequioxane:MSQ)を用いることができる。また、その形成方法としては、例えば、溶液をスピンコートし熱処理して薄膜を形成するSOD(spin on dielectic coating号と氏名又は名称、代理人の氏名、)法を用いることができる。例えば、スピナーの回転数は900min−1(900rpm)で成膜する。このウェハをホットプレート上で窒素雰囲気中250℃の温度でベークを行い、最終的にホットプレート上で窒素雰囲気中450℃の温度で10分間のキュアを行なう。MSQの材料や形成条件などを適宜調節することにより、所定の物性値を有する多孔質の絶縁膜が得られる。例えば、密度が0.7g/cm3で比誘電率kが1.8となる。low−k膜のSiとOとCの組成比は、Siが25から35%の範囲、Oが45から57%の範囲、Cが13から24%の範囲にある物性値を有するp−lowk膜280が得られる。ここで、下層配線層のp−lowk膜220も、p−lowk膜280と同様で構わない。
【0041】
そして、Heプラズマ処理工程として、このp−lowk膜280表面をヘリウム(He)プラズマ照射によって表面改質する。Heプラズマ照射によって表面が改質されることで、p−lowk膜280とp−lowk膜280上に形成する後述するキャップ膜282との接着性を改善することができる。ガス流量は、例えば、1.7Pa・m3/s(1000sccm)、ガス圧力は1000Pa、高周波パワーは500W、低周波パワーは400W、温度は400℃とする。キャップCVD膜をp−lowk膜上に成膜する際は、p−lowk膜表面にプラズマ処理を施すことがキャップCVD膜との接着性を改善する上で有効である。プラズマガスの種類としてはアンモニア(NH3)、亜酸化窒素(N2O)、水素(H2)、He、酸素(O2)、シラン(SiH4)、アルゴン(Ar)、窒素(N2)などがあり、これらの中でもHeプラズマはp−lowk膜へのダメージが少ないために特に有効である。また、プラズマガスはこれらのガスを混合したものでも良い。例えば、Heガスは他のガスと混合して用いると効果的である。
【0042】
図3(c)において、SiO2膜形成工程として、前記Heプラズマ処理を行った後、キャップ膜として、CVD法によってp−lowk膜280上にSiO2を膜厚50nm堆積することで、キャップ膜282を形成する。キャップ膜282を形成することで、直接リソグラフィを行うことができないp−lowk膜280を保護し、p−lowk膜280にパターンを形成することができる。かかるキャップCVD膜は、SiO2膜、SiC膜、SiOC膜、SiCN膜などがあるが、ダメージ低減の観点からはSiO2膜が優れ、低誘電率化の観点からはSiOC膜が、耐圧向上の観点からはSiC膜やSiCN膜が優れている。さらに、SiO2膜とSiC膜の積層膜、もしくはSiO2膜とSiCO膜の積層膜、もしくはSiO2膜とSiCN膜の積層膜を用いることができる。さらにキャップCVD膜の一部、もしくは全てが後述する平坦化工程において化学機械研磨(ケミカル・メカニカル・ポリッシング:chemical mechanical polishing:CMP)により除去されても良い。キャップ膜を除去することで誘電率をさらに低減することができる。キャップ膜の厚さとしては10nmから150nmが良く、10nmから50nmが実効的な比誘電率を低減する上で効果的である。ここで、下層配線層のキャップ膜222も、キャップ膜282と同様で構わない。
【0043】
以上の説明において、層間絶縁膜は、比誘電率が3.5以下のlow−k膜でなくても構わないが、low−k膜、特に、比誘電率kが2.5以下、空孔率が30%以上の多孔質のp−lowk膜を含む場合に特に有効である。
【0044】
図4は、図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図4では、図2の露光工程(S112)から現像工程(S114)までを示している。それ以降の工程は後述する。
【0045】
図4(a)において、まず、キャップ膜282上にレジスト材を塗布し、露光工程として、所望するパターンを露光する。例えば、レジスト材として電子線レジストを用い、電子線レジスト膜270に電子線271を照射することにより露光する。電子線レジストは、スピン塗布法等により塗布する。電子線レジストを用いることにより、微細パターンの加工が可能となる。ここでは、電子線レジストを用いて電子ビーム露光をおこなうが、紫外線等の光に対して感光性を有するレジスト膜を用いて光による露光でもよい。そして、塗布された電子線レジストを露光する。露光は、電子線描画装置を用いてレジスト膜の選択的な領域に電子ビームを照射する。
【0046】
ここで、露光に用いるマスクには、後述する上層配線との位置関係を考慮した際、上下配線層において接続をする本パターン領域である位置では、所定の径寸法Aのヴィアパターンを形成しておく。そして、上下配線層ともダミーパターン領域である位置では、上下間の導通が問題とならないため、パターン密度の粗密解消のため、同様に径寸法Aのダミーヴィアパターンを形成しておく。一方、上下配線層において接続をしない領域(接続をしてはいけない領域)には、径寸法Aよりも小さい径寸法Bのダミーヴィアパターンを形成しておく。かかるマスクを用いて、電子線レジスト膜270を電子線照射する。上下配線層において接続をしてはいけない領域では、従来、ダミーパターンを配置できなかったため、パターン密度が粗となっていたが、かかる粗となる領域に径寸法Bのダミーヴィアパターンを配置することにより、露光されるパターン密度の粗密を解消することができる。径寸法Bのダミーヴィアパターンは、後述する上層配線の位置関係を考慮し、隣り合う上層配線がショートしない位置に設けることが望ましい。例えば、径寸法Bを上層配線の幅より小さくし、1つのダミーヴィアパターンによるヴィアが1つの上層配線下に納まるように、言い換えれば、層と平行する方向にはみ出さない位置に形成するとよい。ここで、ヴィアパターンは、所定の径を有する円形に限らず、所定の幅を有する矩形であっても構わない。
【0047】
図4(b)において、現像工程として、電子線レジスト膜270を現像し、露光されたパターンの開口部を形成する。現像は、現像液に浸けることによりおこなう。現像されることにより、レジスト膜は、レジスト領域と無レジスト領域に区別されて、選択的にパターニングが行われる。かかる電子線レジストの現像工程においては、電子線レジストとしてポジレジストを適用した場合、電子ビームが照射された領域は、電子線レジストが現像液に溶解し、キャップ膜282が露出する。電子ビームが照射されない領域は、電子線レジストが現像液に溶解しないので、電子線レジストのパターンが残存する。
【0048】
図5は、図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図5では、図2の開口部形成工程(S116)からシード膜形成工程(S120)までを示している。それ以降の工程は後述する。
【0049】
図5(a)において、開口部形成工程として、残存する電子線レジスト膜270をマスクとして、露出したキャップ膜282とその下層に位置するp−lowk膜280を、下地膜275をエッチングストッパとして異方性エッチング法により除去して開口部を形成し、さらに、下地膜275をエッチングして除去すればよい。異方性エッチング法を用いることで、基体200の表面に対し、略垂直に開口部を形成することができる。例えば、一例として、反応性イオンエッチング法により開口部を形成すればよい。ここで、径寸法Aと径寸法Bのヴィアパターンでは、エッチング速度に差が生じる。すなわち、径寸法Aのヴィアパターンのエッチングの方が、径が小さい径寸法Bのヴィアパターンのエッチングより進行が速い。そこで、径寸法Aのヴィアパターンによる開口部(ヴィアホール)が、下層配線層まで貫通した時点で、エッチングを終了させることにより、径寸法Bのヴィアパターンの開口部(ヴィアホール)を絶縁膜途中で停止させることができる。残存する電子線レジスト膜270は、アッシングにより剥離すればよい。
【0050】
以上のように、径寸法Aと径寸法Bのヴィアパターンを用いることで、一方を絶縁膜途中で停止させることができるため、エッチング回数を増やすことなく、同時に、一緒に開口部を形成することができる。また、エッチングを一緒に行なうことができるので、上述した露光工程、現像工程といったリソグラフィ工程も回数を増やすことなく、同時に、一緒に行なうことができる。また、露光工程で使用するマスクレチクルも増加させないようにすることができる。工程数を増加させないことにより、スループットを低下させないようにすることができる。
【0051】
ここで、径寸法Bは、径寸法Aの70%以下とすることが望ましい。70%以下とすることで、10%の面内均一性及び10%のエッチングばらつきを考慮しても10%以上の絶縁膜を径寸法Bのヴィアパターンの開口部の下に残すことができる。10%以上の絶縁膜を確保することにより、絶縁破壊を防止することができる。
【0052】
図5(b)において、バリアメタル膜形成工程として、前記開口部形成工程により形成された開口部及びキャップ膜282表面にバリアメタル材料を用いたバリアメタル膜242を形成する。物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)法の1つであるスパッタ法を用いるスパッタリング装置内で、例えば、窒化タンタル(TaN)を膜厚10nm、タンタル(Ta)膜を膜厚15nm堆積し、バリアメタル膜240を形成する。TaN膜とTa膜とを積層することで、TaN膜によりCuのp−lowk膜280への拡散防止を図り、Ta膜によりCuの密着性向上を図ることができる。バリアメタル材料の堆積方法としては、例えば、原子層気相成長(atomic layer deposition:ALD法、あるいは、atomic layer chemical vapor deposition:ALCVD法)やCVD法などを用いることができる。PVD法を用いる場合より被覆率を良くすることができる。
【0053】
図5(c)において、シード膜形成工程として、スパッタ等の物理気相成長(PVD)法により、次の工程である電解めっき工程のカソード極となるCu薄膜をシード膜252としてバリアメタル膜242が形成された開口部内壁及び基体200表面に堆積(形成)させる。例えば、シード膜250を膜厚75nm堆積させる。
【0054】
図6は、図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図6では、図2のめっき工程(S122)から上層配線形成工程(S126)までを示している。
【0055】
図6(a)において、めっき工程として、シード膜252をカソード極として、電解めっき等の電気化学成長によりCu膜262を開口部及び基体200表面に堆積させる。例えば、膜厚500nmのCu膜262を堆積させ、堆積させた後にアニール処理を250℃の温度で30分間行なう。
【0056】
図6(b)において、研磨工程として、CMP法によってキャップ膜282の表面に堆積された導電部としての配線層となるCu膜262、シード膜252、及びバリアメタル膜242を研磨除去することにより、図6(b)に表したような埋め込み構造を形成する。これにより、本ヴィアパターンによるヴィア20とヴィア層形成時にパターンの粗密を低減するために上下ダミーパターン間を接続する第1のダミーヴィアパターンによるヴィア24とヴィア層形成時にパターンの粗密を低減するために上下配線層間を接続しない第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22とを形成する。
【0057】
図6(c)において、上層配線形成工程として、上層配線を形成する。ヴィア層上に、上層配線層となる第2の配線層として、下地膜284とp−lowk膜285とキャップ膜290とで構成された絶縁膜を形成する。そして、絶縁膜に上層配線となる本パターンと上層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンとなる開口部(溝部)を形成する。そして、開口部の壁面及び底面にバリアメタル膜244を形成し、残りの空間にCu膜264を堆積させる。上層配線の形成方法は、上述したヴィア層の形成方法と同様で構わないため説明を省略する。そして、上層配線層に、Cu膜264の拡散防止膜292を形成する。拡散防止膜292として、例えば、SiC膜を用いる。
【0058】
図7は、露光時のパターン状態を説明するための図である。
図7(a)に示すように、従来技術では、パターン密度が粗の領域で、パターン露光時にパターン径Cが本来の寸法Aより小さくなってしまった。その結果、絶縁膜に形成されるヴィアホール径も小さくなり、加工寸法が設計値に維持できなかった。一方、本実施の形態では、従来ダミーヴィアパターンを形成することができなかったパターン密度が粗の領域に、パターン径を寸法Aより小さくした寸法Bのダミーヴィアパターンをマスクに配置したので、パターン密度の粗密を解消し、パターン露光時に、本来のパターン寸法Aで露光することができる。言い換えれば、パターン密度の粗密を解消されることにより、寸法ばらつきを解消、或いは抑制することができる。パターン寸法のばらつきが小さく、或いは解消するので、その後のエッチングのばらつきも解消、或いは抑制することができる。
【0059】
図8は、CMP加工時のCu膜形状を説明するための図である。
図8(a)では、基体上の絶縁膜に形成されたパターン密度が密の開口部と、本実施の形態による径の小さなダミーヴィアパターンを形成したことによりパターン密度が粗から密へと解消した開口部と絶縁膜表面とにCuが堆積した様子を示している。かかる状態から絶縁膜表面に堆積するCuをCMPにより研磨除去すると、図8(b)に示すように、パターン密度が粗から密へと解消した領域では、開口部に堆積したCuにリセスを生じさせない、或いはパターン密度の粗密によるリセスばらつきを抑制する。よって、ヴィアとなるCuにリセスを生じさせない、或いはリセスばらつきを抑制することで上層配線との接続不良を解消し、歩留まりを向上させることができる。
【0060】
以上のように、コンタクトのパターンを従来形成できなかった位置において、上下配線を接続せずに形成するため、ヴィア層となる中間層の形成において、パターンの粗密を解消し、加工形状を均一にさせることができる。
【0061】
実施の形態2.
実施の形態1では、ヴィアと上層配線とを別々に形成するシングルダマシン法を用いているが、上層配線と共にヴィアを形成するデュアルダマシン法を用いても構わない。デュアルダマシン法を用いる場合、ヴィア用パターンを露光する際、同様に、パターン密度の粗密を解消し、露光パターンの寸法ばらつきを抑制することができる。
【0062】
ここで、上記実施の形態における配線層の材料として、Cu以外に、Cu−Sn合金、Cu−Ti合金、Cu−Al合金等の、半導体産業で用いられるCuを主成分とする材料を用いて同様の効果が得られる。
【0063】
前記実施の形態において、p−lowk膜の比誘電率kが2.6以下の場合、p−lowk膜の側壁が、20nm以下の膜厚のサイドウォールとなるCVD膜で被覆されていることが望ましい。その理由は、比誘電率が2.6以下の場合はポーラス膜であることが多く、ポアシーリングをCu配線の側壁で行うことが望ましいからである。特に、ALD法やCVD法によってバリアメタル膜を成膜する場合はサイドウォールを設けることが望ましい。ポアシーリング用のCVD膜の種類としては、SiC膜、SiCN膜、SiCO膜、SiN膜が望ましい。特に、低誘電率の観点からSiC膜が最適である。
【0064】
また、バリアメタルとして、Ta、TaNに限らず、TaCN(炭化窒化タンタル)、WN(窒化タングステン)、WCN(炭化窒化タングステン)、TiN(窒化チタン)等の高融点金属の窒化膜或いは窒化炭素膜であっても構わない。或いはチタン(Ti)、WSiN等であっても構わない。また、これらの積層膜であっても構わない。
【0065】
以上、具体例を参照しつつ各実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0066】
例えば、各実施の形態で層間絶縁膜が形成された基体200は、図示しない各種の半導体素子あるいは構造を有するものとすることができる。また、半導体基板ではなく、層間絶縁膜と配線層とを有する配線構造の上に、さらに層間絶縁膜を形成してもよい。開口部も半導体基板が露出するように形成してもよいし、配線構造の上に形成してもよい。
【0067】
さらに、層間絶縁膜の膜厚や、開口部のサイズ、形状、数などについても、半導体集積回路や各種の半導体素子において必要とされるものを適宜選択して用いることができる。
【0068】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての半導体装置の製造方法は、本発明の範囲に包含される。
【0069】
また、説明の簡便化のために、半導体産業で通常用いられる手法、例えば、フォトリソグラフィプロセス処理前後のクリーニング等は省略しているが、それらの手法が含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態1における半導体装置の断面図である。
【図2】実施の形態1における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図3】図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図4】図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図5】図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図6】図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図7】露光時のパターン状態を説明するための図である。
【図8】CMP加工時のCu膜形状を説明するための図である。
【図9】従来のLow−k膜とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図10】ダミーパターンと本パターンが形成された上層配線層と、ダミーパターンと本パターンが形成された下層配線層と、その中間層とを示した半導体装置の断面図である。
【図11】パターンの粗密によりパターン露光時に生じる不具合を説明するための図である。
【図12】パターンの粗密によりCMP加工時に生じる不具合を説明するための図である。
【符号の説明】
【0071】
20,22,24 ヴィア
200 基体
212,275,284 下地膜
220,280,285 p−lowk膜
221,281 絶縁膜
222,282,290 キャップ膜
240,242,244 バリアメタル膜
250,252 シード膜
260,262,264 Cu膜
270 電子線レジスト膜
271 電子線
292 拡散防止膜
295 その他の層
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に係り、特に、Cu(銅)配線を用いた半導体装置の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、及び高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(ケミカル・メカニカル・ポリッシング:chemical mechanical polishing:CMP)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、或いは埋め込み工程において頻繁に利用されている技術である。
【0003】
特に、最近はLSIの高速性能化を達成するために、配線技術を従来のアルミ(Al)合金から低抵抗のCu或いはCu合金(以下、まとめてCuと称する。)に代える動きが進んでいる。Cuは、Al合金配線の形成において頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難であるので、溝加工が施された絶縁膜上にCu膜を堆積し、溝内に埋め込まれた部分以外のCu膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン(damascene)法が主に採用されている。Cu膜はスパッタ法などで薄いシード層を形成した後に電解めっき法により数100nm程度の厚さの積層膜を形成することが一般的である。
【0004】
さらに、最近は層間絶縁膜として比誘電率の低いlow−k膜を用いることが検討されている。すなわち、比誘電率kが、約4.2のシリコン酸化膜(SiO2膜)から比誘電率kが例えば3.5以下のlow−k膜を用いることにより、配線間の寄生容量を低減することが試みられている。また、比誘電率kが2.5以下のlow−k膜材料の開発も進められており、これらは材料中に空孔が入ったポーラス材料となっているものが多い。このようなlow−k膜(若しくはポーラスlow−k膜)とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法は次のようなものである。
【0005】
図9は、従来のlow−k膜とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
図9では、デバイス部分等の形成方法は省略している。
図9(a)において、シリコン基板による基体200上に化学気相成長(CVD)等の方法により第1の絶縁膜221を成膜する。
図9(b)において、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程により、Cu金属配線或いはCuコンタクトプラグを形成するための溝構造(開口部H)を第1の絶縁膜221に形成する。
図9(c)において、第1の絶縁膜221上にバリアメタル膜240、Cuシード膜及びCu膜260をかかる順序で形成して、150℃から400℃の温度で約30分間アニール処理する。
図9(d)において、Cu膜260とバリアメタル膜240をCMPにより除去することにより、溝である開口部HにCu配線を形成する。
図9(e)において、前記Cu膜260表面に還元性プラズマ処理を施した後に第2の絶縁膜281を成膜する。
さらに、多層Cu配線を形成する場合は、これらの工程を繰り返して積層していくのが一般的である。ここで、第1の絶縁膜221と第2の絶縁膜281の大半がlow−k膜となる。
【0006】
また、配線層にダミー配線層を形成し、配線層とダミー配線層とを合わせた分布の粗密を低減する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、上層配線層下部の層間絶縁膜に下層配線層まで貫通するホールと共に、上層配線層に形成されたダミー配線下部の層間絶縁膜に下層配線層まで貫通せずに途中まで開けられた、前記ホールと同径のダミーホールに金属を埋設する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−148421号公報
【特許文献2】特開2003−318179号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図10は、ダミーパターンと本パターンが形成された上層配線層と、ダミーパターンと本パターンが形成された下層配線層と、その中間層とを示した半導体装置の断面図である。
図10において、基体200上には、下層配線層となる第1の配線層として、下地膜212とp−lowk膜220とキャップ膜222とで構成された絶縁膜に下層配線となる本パターンによる配線と下層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンによる配線とが形成されている。本パターンによる配線とダミーパターンによる配線として、Cu膜260が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜240が覆っている。上層配線層となる第2の配線層として、下地膜284とp−lowk膜285とキャップ膜290とで構成された絶縁膜に上層配線となる本パターンによる配線と上層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンによる配線とが形成されている。本パターンによる配線とダミーパターンによる配線として、Cu膜264が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜244が覆っている。ヴィア層となる中間層として、下地膜275とp−lowk膜280とキャップ膜282とで構成された絶縁膜に本パターンによるヴィアとヴィア層形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンによるヴィアとが形成されている。本パターンによるヴィアとダミーパターンによるヴィアとして、Cu膜262が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜242が覆っている。キャップ膜290上には、Cu膜264の拡散を防止する拡散防止膜292が形成され、拡散防止膜292上にはその他の層295が形成されている。
ここで、上層配線層のダミーパターンによる配線と下層配線層のダミーパターンによる配線間では、配線間のショートが問題とならないため、ダミーヴィアを形成することができる。しかしながら、上層配線層の本パターンによる配線と下層配線層の本パターンによる配線との間で上下配線を接続しない箇所では、ヴィアコンタクトのパターンがない。そのため、ヴィア層となる中間層の形成において、パターンの粗密が発生し、加工形状が均一にならないといった問題があった。
【0008】
図11は、パターンの粗密によりパターン露光時に生じる不具合を説明するための図である。
図11に示すように、パターン密度が粗の領域では、パターン露光時にパターン径が小さくなってしまうといった問題があった。その結果、形成されるヴィアホール径も小さくなり、Cu堆積後のヴィア径も小さくなってしまうといった問題があった。ヴィア径が小さくなるとヴィアの断面積が小さくなるため、配線抵抗やビア抵抗が増加して、半導体装置の動作速度を低下させてしまう。さらに、配線抵抗やビア抵抗が増加することにより半導体装置の動作に高い電源電圧が必要となるため消費電力が増加してしまう。
【0009】
図12は、パターンの粗密によりCMP加工時に生じる不具合を説明するための図である。
図12(a)では、基体上の絶縁膜に形成されたパターン密度が密の開口部と粗の開口部と絶縁膜表面とにCuが堆積した様子を示している。かかる状態から絶縁膜表面に堆積するCuをCMPにより研磨除去すると、図12(b)に示すように、パターン密度が粗の領域では、開口部に堆積したCuにリセスが生じてしまうといった問題があった。ヴィアとなるCuにリセスが生じてしまうことにより上層配線との接続不良を生じさせてしまい、歩留まりが低下する。
【0010】
一方、特許文献2では、上層配線層におけるダミーパターンによる配線下に、ヴィア層のパターン粗密を解消するため、ヴィアホールと同一径のダミーヴィアホールを絶縁膜途中まで形成しているが、これを本パターンによる配線下に形成することも考えられるが、かかる場合、ダミーヴィアホールのエッチングを絶縁膜途中で止めなければならないため、本来のヴィアホール形成(リソグラフィ工程及びエッチング)とは、別工程で、ダミーヴィアホールの形成(リソグラフィ工程及びエッチング)を行なう必要があり、また、露光時に使用するマスクも新たに用意する必要があるといった問題があった。
【0011】
本発明は、上記問題点を克服し、ヴィア(ヴィアコンタクト)の加工形状を均一にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の半導体装置の製造方法は、
下層配線層上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記絶縁膜に第1の開口パターンと、前記第1の開口パターンより径若しくは幅が小さい第2の開口パターンとを露光する露光工程と、
前記第1の開口パターンに基づく開口部が前記下層配線層に形成される下層配線に達するまで前記絶縁膜をエッチングし、前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部を形成する開口部形成工程と、
前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部とに導電性材料を堆積させる堆積工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
前記第1の開口パターンに基づく開口部が前記下層配線層に形成される下層配線に達するまで前記絶縁膜をエッチングすることで、前記第1の開口パターンより径若しくは幅が小さく露光された第2の開口パターンに基づく開口部を、下層配線に達することなく絶縁膜途中までしか開口されないように形成することができる。
【0014】
さらに、前記露光工程において、前記第1の開口パターンのみが露光される場合にパターン密度が粗となる領域に前記第2の開口パターンを露光することを特徴とする。
【0015】
粗の領域に前記第2の開口パターンを露光することにより、パターン密度の粗密を解消することができる。
【0016】
さらに、前記露光工程において、前記第1の開口パターンと前記第2の開口パターンとを同一のマスクを用いて露光することを特徴とする。
【0017】
前記第1の開口パターンと前記第2の開口パターンとを同一のマスクを用いて露光することにより、工程数を増加させないようにすることができる。
【0018】
そして、前記堆積工程において、前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部と共に、前記絶縁膜上にも導電性材料を堆積させ、
前記半導体装置の製造方法は、さらに、前記絶縁膜上に堆積した導電性材料を研磨除去する研磨工程を備えたことを特徴とする。
【0019】
パターン密度が粗の領域に前記第2の開口パターンを設けたことにより、前記研磨工程において、前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部に堆積した導電性材料に対し、リセスを生じさせないようにすることができる。
【0020】
前記半導体装置の製造方法は、さらに、前記絶縁膜上に上層配線を形成する上層配線形成工程を備え、
前記露光工程において、前記第2の開口パターンは、前記上層配線下領域に相当する位置に露光されることを特徴とする。
【0021】
上層配線下領域に露光するため、上層配線層で隣りあう配線とのショートを防止することができる。また、前記第2の開口パターンに基づく開口部は、下層配線層まで貫通していないので、特に、上層配線層と下層配線層との間で貫通する孔パターンを設けることができない位置において形成することができる。
【0022】
そして、前記第2の開口パターンは、前記第1の開口パターンの径若しくは幅に対し、70%以下の径若しくは幅に露光されると特に有効である。
【0023】
本発明の半導体装置は、
第1の配線層と、
前記第1の配線層の上方に形成された第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に形成された中間層と、
を備え、
前記中間層には、
絶縁性材料を用いた絶縁膜と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層とに接続する導電性材料を用いた第1の導電性材料堆積部と、
前記第2の配線層と前記絶縁膜とにより囲まれた、導電性材料を用いた、前記第1の導電性材料堆積部より径若しくは幅の小さな第2の導電性材料堆積部と、
を備えたことを特徴とする。
【0024】
前記第2の導電性材料堆積部は、前記第2の配線層と前記絶縁膜とにより囲まれている。言い換えれば、前記第1の配線層とは、所定の距離を開けて配置されている。さらに、言い換えれば、前記第2の配線層下面から前記中間層の途中までしか導電性材料が堆積していない。よって、第1の配線層と第2の配線層との間で接続させたくない領域にも前記第2の導電性材料堆積部を形成することができる。
【0025】
特に、前記第2の導電性材料堆積部は、前記中間層において、前記第1の導電性材料堆積部が形成される場合にパターン密度が粗となる領域に形成されることを特徴とする。
【0026】
前記第2の導電性材料堆積部をパターン密度が粗となる領域に備えたことにより、寸法ばらつきを抑制し、特に、第1の導電性材料堆積部の径寸法を確保することができる。さらに、第1の導電性材料堆積部にリセスが形成されることを防止することができる。
【0027】
また、本発明における前記第2の導電性材料堆積部は、前記第2の配線層に形成される第2の配線下領域に相当する位置に形成されることを特徴とする。
【0028】
上層配線下の領域に形成されるため、同じ層で隣りあう配線とのショートを防止することができる。
【0029】
また、本発明における前記第2の導電性材料堆積部は、前記第1の配線層に形成される第1の配線と前記第2の配線層に形成される第2の配線とを非接続とする領域に形成されることを特徴とする。
【0030】
従来、回路構成上、配線同士を短絡させないために形成できなかった領域、言い換えれば、第1の配線と第2の配線とを非接続とする領域、すなわち接続しない領域に前記第2の導電性材料堆積部を形成することで、パターンの粗密を解消することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、上下配線間で接続できない位置にダミーとしてパターンを形成することができるので、パターンの粗密を解消することができる。パターンの粗密を解消することができるので、露光寸法のばらつきを抑制することができ、さらに、リセスの形成を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における半導体装置の断面図である。
図1において、基体200上には、下層配線層となる第1の配線層として、下地膜212とp−lowk膜220とキャップ膜222とで構成された絶縁膜に下層配線となる本パターンによる配線と下層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンによる配線とが形成されている。本パターンによる配線とダミーパターンによる配線として、Cu膜260が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜240が覆っている。上層配線層となる第2の配線層として、下地膜284とp−lowk膜285とキャップ膜290とで構成された絶縁膜に上層配線となる本パターンによる配線と上層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンによる配線とが形成されている。本パターンによる配線とダミーパターンによる配線として、Cu膜264が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜244が覆っている。ヴィア層となる中間層として、下地膜275とp−lowk膜280とキャップ膜282とで構成された絶縁膜にヴィアとなる上下本パターンによる配線を接続する本ヴィアパターンによるヴィア20とヴィア層形成時にパターンの粗密を低減するために上下ダミーパターン間を接続する第1のダミーヴィアパターンによるヴィア24とが形成されている。本ヴィアパターンによるヴィアと第1のダミーヴィアパターンによるヴィアとして、Cu膜262が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜242が覆っている。キャップ膜290上には、Cu膜264の拡散を防止する拡散防止膜292が形成され、拡散防止膜292上にはその他の層295が形成されている。
【0033】
上層配線層のダミーパターンによる配線と下層配線層のダミーパターンによる配線間では、配線間のショートが問題とならないため、第1のダミーヴィアパターンによるヴィア24を形成することができる。第1のダミーヴィアパターンによるヴィア24は、本ヴィアパターンによるヴィア20の径あるいは幅寸法Aと同径或いは同幅に形成されるのが望ましい。
【0034】
さらに、上層配線層の本パターンによる配線と下層配線層の本パターンによる配線との間で、回路構成上、配線間のショートが問題となる箇所、言い換えれば、上下配線を非接続とする箇所、すなわち接続しない箇所(或いは、接続できない箇所)には、第1配線層に届かない、すなわち、上層配線層と絶縁膜とにより囲まれて、下層配線層とは所定の距離離れた第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22を形成する。第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22にも、Cu膜262が堆積し、壁面及び底面をバリアメタル膜242が覆っている。上下配線を接続しない箇所において、パターン密度が粗になっていた領域に第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22を形成することで、パターンの粗密を解消することができる。第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22は、本ヴィアパターンによるヴィア20の径あるいは幅の寸法Aより小さい径或いは幅の寸法Bに形成される。第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22の径或いは幅を本ヴィアパターンによるヴィア20の径或いは幅より小さくすることで、エッチング時のエッチング速度を、本ヴィアパターンによるヴィア20を形成するための開口部のエッチング速度より遅くさせることができる。その結果、本ヴィアパターンによるヴィア20を形成するための開口部が貫通しても第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22を形成するための開口部のエッチングを中間層の途中で停止させることができる。
【0035】
上層配線層と下層配線層とを接続させない位置では、パターン密度が他の領域と比べ粗になるため、第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22は、上層配線層と下層配線層とを接続させない位置に形成すると特に有効である。例えば、上層配線層と下層配線層との両方で本パターンが形成された領域、或いは、上層配線層と下層配線層との一方で本パターンとなる配線が形成された領域に形成することが望ましい。また、上層配線層に形成される隣り合う配線部の両方に接触しないように1つの配線下の領域に形成されることが望ましい。1つの配線下の領域に形成されることで、隣り合う配線間のショートを防止することができる。
【0036】
図2は、実施の形態1における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図2において、本実施の形態では、下層配線形成工程(S102)、下層配線層上にヴィアを形成する場合にヴィア用の層間絶縁膜形成工程として、SiC膜を形成するSiC膜形成工程(S104)、多孔質の絶縁性材料を用いたp−lowk膜を形成するp−lowk膜形成工程(S106)、p−lowk膜表面をプラズマ処理するヘリウム(He)プラズマ処理工程(S108)、SiO2膜を形成するSiO2膜形成工程(S110)と、開口パターンを露光する露光工程(s112)と、現像工程(S114)と、開口部を形成する開口部形成工程(S116)と、ヴィア形成工程となる導電性材料を堆積させる導電性材料堆積工程として、バリアメタル膜形成工程(S118)、シード膜形成工程(S120)、めっき工程(S122)と、研磨工程(S124)と、上層配線形成工程(S126)という一連の工程を実施する。
【0037】
図3は、図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図3では、図2のSiC膜形成工程(S104)からSiO2膜形成工程(S110)までを示している。それ以降の工程は後述する。
【0038】
図3(a)において、まず、下層配線形成工程として、下層配線を形成する。基体200上に、下層配線層となる第1の配線層として、下地膜212とp−lowk膜220とキャップ膜222とで構成された絶縁膜を形成する。そして、絶縁膜に下層配線となる本パターンと下層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンとなる開口部(溝部)を形成する。そして、開口部の壁面及び底面にバリアメタル膜240を形成し、残りの空間にCu膜260を堆積させる。下層配線の形成方法は、これから説明するヴィア層の形成方法と同様で構わないため説明を省略する。
次に、ヴィア層における絶縁膜を形成する。まず、SiC膜形成工程として、下層配線層が形成された基体200上に、CVD法によって、SiCを用いた膜厚50nmの下地炭化シリコン(SiC)膜を堆積し、下地膜275を形成する。ここでは、CVD法によって成膜しているが、その他の方法を用いても構わない。下地膜275は、エッチングストッパとしての機能も有する。SiC膜を生成するのは難しいためSiC膜の代わりに炭酸化シリコン(SiOC)膜を用いても構わない。或いは、炭窒化シリコン(SiCN)膜、窒化シリコン(SiN)膜を用いることができる。
【0039】
ここで、基体200として、例えば、直径300ミリのシリコンウェハ等の基板を用いる。基体200には、コンタクトプラグ、或いは、その他の層が形成されていても構わない。また、下層配線層の下地膜212の材料として、下地膜275と同様、SiC、SiOC、SiCN、或いはSiNを用いることができる。
【0040】
図3(b)において、ポーラスlow−k(p−lowk)膜形成工程として、基体200の上に形成された前記SiC絶縁膜形成工程により形成された下地膜275の上に多孔質の絶縁性材料を用いたp−lowk膜280を250nmの厚さで形成する。p−lowk膜280を形成することで、比誘電率kが3.5よりも低い層間絶縁膜を得ることができる。p−lowk膜280の材料としては、例えば、多孔質のメチルシルセスキオキサン(methyl silsequioxane:MSQ)を用いることができる。また、その形成方法としては、例えば、溶液をスピンコートし熱処理して薄膜を形成するSOD(spin on dielectic coating号と氏名又は名称、代理人の氏名、)法を用いることができる。例えば、スピナーの回転数は900min−1(900rpm)で成膜する。このウェハをホットプレート上で窒素雰囲気中250℃の温度でベークを行い、最終的にホットプレート上で窒素雰囲気中450℃の温度で10分間のキュアを行なう。MSQの材料や形成条件などを適宜調節することにより、所定の物性値を有する多孔質の絶縁膜が得られる。例えば、密度が0.7g/cm3で比誘電率kが1.8となる。low−k膜のSiとOとCの組成比は、Siが25から35%の範囲、Oが45から57%の範囲、Cが13から24%の範囲にある物性値を有するp−lowk膜280が得られる。ここで、下層配線層のp−lowk膜220も、p−lowk膜280と同様で構わない。
【0041】
そして、Heプラズマ処理工程として、このp−lowk膜280表面をヘリウム(He)プラズマ照射によって表面改質する。Heプラズマ照射によって表面が改質されることで、p−lowk膜280とp−lowk膜280上に形成する後述するキャップ膜282との接着性を改善することができる。ガス流量は、例えば、1.7Pa・m3/s(1000sccm)、ガス圧力は1000Pa、高周波パワーは500W、低周波パワーは400W、温度は400℃とする。キャップCVD膜をp−lowk膜上に成膜する際は、p−lowk膜表面にプラズマ処理を施すことがキャップCVD膜との接着性を改善する上で有効である。プラズマガスの種類としてはアンモニア(NH3)、亜酸化窒素(N2O)、水素(H2)、He、酸素(O2)、シラン(SiH4)、アルゴン(Ar)、窒素(N2)などがあり、これらの中でもHeプラズマはp−lowk膜へのダメージが少ないために特に有効である。また、プラズマガスはこれらのガスを混合したものでも良い。例えば、Heガスは他のガスと混合して用いると効果的である。
【0042】
図3(c)において、SiO2膜形成工程として、前記Heプラズマ処理を行った後、キャップ膜として、CVD法によってp−lowk膜280上にSiO2を膜厚50nm堆積することで、キャップ膜282を形成する。キャップ膜282を形成することで、直接リソグラフィを行うことができないp−lowk膜280を保護し、p−lowk膜280にパターンを形成することができる。かかるキャップCVD膜は、SiO2膜、SiC膜、SiOC膜、SiCN膜などがあるが、ダメージ低減の観点からはSiO2膜が優れ、低誘電率化の観点からはSiOC膜が、耐圧向上の観点からはSiC膜やSiCN膜が優れている。さらに、SiO2膜とSiC膜の積層膜、もしくはSiO2膜とSiCO膜の積層膜、もしくはSiO2膜とSiCN膜の積層膜を用いることができる。さらにキャップCVD膜の一部、もしくは全てが後述する平坦化工程において化学機械研磨(ケミカル・メカニカル・ポリッシング:chemical mechanical polishing:CMP)により除去されても良い。キャップ膜を除去することで誘電率をさらに低減することができる。キャップ膜の厚さとしては10nmから150nmが良く、10nmから50nmが実効的な比誘電率を低減する上で効果的である。ここで、下層配線層のキャップ膜222も、キャップ膜282と同様で構わない。
【0043】
以上の説明において、層間絶縁膜は、比誘電率が3.5以下のlow−k膜でなくても構わないが、low−k膜、特に、比誘電率kが2.5以下、空孔率が30%以上の多孔質のp−lowk膜を含む場合に特に有効である。
【0044】
図4は、図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図4では、図2の露光工程(S112)から現像工程(S114)までを示している。それ以降の工程は後述する。
【0045】
図4(a)において、まず、キャップ膜282上にレジスト材を塗布し、露光工程として、所望するパターンを露光する。例えば、レジスト材として電子線レジストを用い、電子線レジスト膜270に電子線271を照射することにより露光する。電子線レジストは、スピン塗布法等により塗布する。電子線レジストを用いることにより、微細パターンの加工が可能となる。ここでは、電子線レジストを用いて電子ビーム露光をおこなうが、紫外線等の光に対して感光性を有するレジスト膜を用いて光による露光でもよい。そして、塗布された電子線レジストを露光する。露光は、電子線描画装置を用いてレジスト膜の選択的な領域に電子ビームを照射する。
【0046】
ここで、露光に用いるマスクには、後述する上層配線との位置関係を考慮した際、上下配線層において接続をする本パターン領域である位置では、所定の径寸法Aのヴィアパターンを形成しておく。そして、上下配線層ともダミーパターン領域である位置では、上下間の導通が問題とならないため、パターン密度の粗密解消のため、同様に径寸法Aのダミーヴィアパターンを形成しておく。一方、上下配線層において接続をしない領域(接続をしてはいけない領域)には、径寸法Aよりも小さい径寸法Bのダミーヴィアパターンを形成しておく。かかるマスクを用いて、電子線レジスト膜270を電子線照射する。上下配線層において接続をしてはいけない領域では、従来、ダミーパターンを配置できなかったため、パターン密度が粗となっていたが、かかる粗となる領域に径寸法Bのダミーヴィアパターンを配置することにより、露光されるパターン密度の粗密を解消することができる。径寸法Bのダミーヴィアパターンは、後述する上層配線の位置関係を考慮し、隣り合う上層配線がショートしない位置に設けることが望ましい。例えば、径寸法Bを上層配線の幅より小さくし、1つのダミーヴィアパターンによるヴィアが1つの上層配線下に納まるように、言い換えれば、層と平行する方向にはみ出さない位置に形成するとよい。ここで、ヴィアパターンは、所定の径を有する円形に限らず、所定の幅を有する矩形であっても構わない。
【0047】
図4(b)において、現像工程として、電子線レジスト膜270を現像し、露光されたパターンの開口部を形成する。現像は、現像液に浸けることによりおこなう。現像されることにより、レジスト膜は、レジスト領域と無レジスト領域に区別されて、選択的にパターニングが行われる。かかる電子線レジストの現像工程においては、電子線レジストとしてポジレジストを適用した場合、電子ビームが照射された領域は、電子線レジストが現像液に溶解し、キャップ膜282が露出する。電子ビームが照射されない領域は、電子線レジストが現像液に溶解しないので、電子線レジストのパターンが残存する。
【0048】
図5は、図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図5では、図2の開口部形成工程(S116)からシード膜形成工程(S120)までを示している。それ以降の工程は後述する。
【0049】
図5(a)において、開口部形成工程として、残存する電子線レジスト膜270をマスクとして、露出したキャップ膜282とその下層に位置するp−lowk膜280を、下地膜275をエッチングストッパとして異方性エッチング法により除去して開口部を形成し、さらに、下地膜275をエッチングして除去すればよい。異方性エッチング法を用いることで、基体200の表面に対し、略垂直に開口部を形成することができる。例えば、一例として、反応性イオンエッチング法により開口部を形成すればよい。ここで、径寸法Aと径寸法Bのヴィアパターンでは、エッチング速度に差が生じる。すなわち、径寸法Aのヴィアパターンのエッチングの方が、径が小さい径寸法Bのヴィアパターンのエッチングより進行が速い。そこで、径寸法Aのヴィアパターンによる開口部(ヴィアホール)が、下層配線層まで貫通した時点で、エッチングを終了させることにより、径寸法Bのヴィアパターンの開口部(ヴィアホール)を絶縁膜途中で停止させることができる。残存する電子線レジスト膜270は、アッシングにより剥離すればよい。
【0050】
以上のように、径寸法Aと径寸法Bのヴィアパターンを用いることで、一方を絶縁膜途中で停止させることができるため、エッチング回数を増やすことなく、同時に、一緒に開口部を形成することができる。また、エッチングを一緒に行なうことができるので、上述した露光工程、現像工程といったリソグラフィ工程も回数を増やすことなく、同時に、一緒に行なうことができる。また、露光工程で使用するマスクレチクルも増加させないようにすることができる。工程数を増加させないことにより、スループットを低下させないようにすることができる。
【0051】
ここで、径寸法Bは、径寸法Aの70%以下とすることが望ましい。70%以下とすることで、10%の面内均一性及び10%のエッチングばらつきを考慮しても10%以上の絶縁膜を径寸法Bのヴィアパターンの開口部の下に残すことができる。10%以上の絶縁膜を確保することにより、絶縁破壊を防止することができる。
【0052】
図5(b)において、バリアメタル膜形成工程として、前記開口部形成工程により形成された開口部及びキャップ膜282表面にバリアメタル材料を用いたバリアメタル膜242を形成する。物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)法の1つであるスパッタ法を用いるスパッタリング装置内で、例えば、窒化タンタル(TaN)を膜厚10nm、タンタル(Ta)膜を膜厚15nm堆積し、バリアメタル膜240を形成する。TaN膜とTa膜とを積層することで、TaN膜によりCuのp−lowk膜280への拡散防止を図り、Ta膜によりCuの密着性向上を図ることができる。バリアメタル材料の堆積方法としては、例えば、原子層気相成長(atomic layer deposition:ALD法、あるいは、atomic layer chemical vapor deposition:ALCVD法)やCVD法などを用いることができる。PVD法を用いる場合より被覆率を良くすることができる。
【0053】
図5(c)において、シード膜形成工程として、スパッタ等の物理気相成長(PVD)法により、次の工程である電解めっき工程のカソード極となるCu薄膜をシード膜252としてバリアメタル膜242が形成された開口部内壁及び基体200表面に堆積(形成)させる。例えば、シード膜250を膜厚75nm堆積させる。
【0054】
図6は、図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図6では、図2のめっき工程(S122)から上層配線形成工程(S126)までを示している。
【0055】
図6(a)において、めっき工程として、シード膜252をカソード極として、電解めっき等の電気化学成長によりCu膜262を開口部及び基体200表面に堆積させる。例えば、膜厚500nmのCu膜262を堆積させ、堆積させた後にアニール処理を250℃の温度で30分間行なう。
【0056】
図6(b)において、研磨工程として、CMP法によってキャップ膜282の表面に堆積された導電部としての配線層となるCu膜262、シード膜252、及びバリアメタル膜242を研磨除去することにより、図6(b)に表したような埋め込み構造を形成する。これにより、本ヴィアパターンによるヴィア20とヴィア層形成時にパターンの粗密を低減するために上下ダミーパターン間を接続する第1のダミーヴィアパターンによるヴィア24とヴィア層形成時にパターンの粗密を低減するために上下配線層間を接続しない第2のダミーヴィアパターンによるヴィア22とを形成する。
【0057】
図6(c)において、上層配線形成工程として、上層配線を形成する。ヴィア層上に、上層配線層となる第2の配線層として、下地膜284とp−lowk膜285とキャップ膜290とで構成された絶縁膜を形成する。そして、絶縁膜に上層配線となる本パターンと上層配線形成時にパターンの粗密を低減するためのダミーパターンとなる開口部(溝部)を形成する。そして、開口部の壁面及び底面にバリアメタル膜244を形成し、残りの空間にCu膜264を堆積させる。上層配線の形成方法は、上述したヴィア層の形成方法と同様で構わないため説明を省略する。そして、上層配線層に、Cu膜264の拡散防止膜292を形成する。拡散防止膜292として、例えば、SiC膜を用いる。
【0058】
図7は、露光時のパターン状態を説明するための図である。
図7(a)に示すように、従来技術では、パターン密度が粗の領域で、パターン露光時にパターン径Cが本来の寸法Aより小さくなってしまった。その結果、絶縁膜に形成されるヴィアホール径も小さくなり、加工寸法が設計値に維持できなかった。一方、本実施の形態では、従来ダミーヴィアパターンを形成することができなかったパターン密度が粗の領域に、パターン径を寸法Aより小さくした寸法Bのダミーヴィアパターンをマスクに配置したので、パターン密度の粗密を解消し、パターン露光時に、本来のパターン寸法Aで露光することができる。言い換えれば、パターン密度の粗密を解消されることにより、寸法ばらつきを解消、或いは抑制することができる。パターン寸法のばらつきが小さく、或いは解消するので、その後のエッチングのばらつきも解消、或いは抑制することができる。
【0059】
図8は、CMP加工時のCu膜形状を説明するための図である。
図8(a)では、基体上の絶縁膜に形成されたパターン密度が密の開口部と、本実施の形態による径の小さなダミーヴィアパターンを形成したことによりパターン密度が粗から密へと解消した開口部と絶縁膜表面とにCuが堆積した様子を示している。かかる状態から絶縁膜表面に堆積するCuをCMPにより研磨除去すると、図8(b)に示すように、パターン密度が粗から密へと解消した領域では、開口部に堆積したCuにリセスを生じさせない、或いはパターン密度の粗密によるリセスばらつきを抑制する。よって、ヴィアとなるCuにリセスを生じさせない、或いはリセスばらつきを抑制することで上層配線との接続不良を解消し、歩留まりを向上させることができる。
【0060】
以上のように、コンタクトのパターンを従来形成できなかった位置において、上下配線を接続せずに形成するため、ヴィア層となる中間層の形成において、パターンの粗密を解消し、加工形状を均一にさせることができる。
【0061】
実施の形態2.
実施の形態1では、ヴィアと上層配線とを別々に形成するシングルダマシン法を用いているが、上層配線と共にヴィアを形成するデュアルダマシン法を用いても構わない。デュアルダマシン法を用いる場合、ヴィア用パターンを露光する際、同様に、パターン密度の粗密を解消し、露光パターンの寸法ばらつきを抑制することができる。
【0062】
ここで、上記実施の形態における配線層の材料として、Cu以外に、Cu−Sn合金、Cu−Ti合金、Cu−Al合金等の、半導体産業で用いられるCuを主成分とする材料を用いて同様の効果が得られる。
【0063】
前記実施の形態において、p−lowk膜の比誘電率kが2.6以下の場合、p−lowk膜の側壁が、20nm以下の膜厚のサイドウォールとなるCVD膜で被覆されていることが望ましい。その理由は、比誘電率が2.6以下の場合はポーラス膜であることが多く、ポアシーリングをCu配線の側壁で行うことが望ましいからである。特に、ALD法やCVD法によってバリアメタル膜を成膜する場合はサイドウォールを設けることが望ましい。ポアシーリング用のCVD膜の種類としては、SiC膜、SiCN膜、SiCO膜、SiN膜が望ましい。特に、低誘電率の観点からSiC膜が最適である。
【0064】
また、バリアメタルとして、Ta、TaNに限らず、TaCN(炭化窒化タンタル)、WN(窒化タングステン)、WCN(炭化窒化タングステン)、TiN(窒化チタン)等の高融点金属の窒化膜或いは窒化炭素膜であっても構わない。或いはチタン(Ti)、WSiN等であっても構わない。また、これらの積層膜であっても構わない。
【0065】
以上、具体例を参照しつつ各実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0066】
例えば、各実施の形態で層間絶縁膜が形成された基体200は、図示しない各種の半導体素子あるいは構造を有するものとすることができる。また、半導体基板ではなく、層間絶縁膜と配線層とを有する配線構造の上に、さらに層間絶縁膜を形成してもよい。開口部も半導体基板が露出するように形成してもよいし、配線構造の上に形成してもよい。
【0067】
さらに、層間絶縁膜の膜厚や、開口部のサイズ、形状、数などについても、半導体集積回路や各種の半導体素子において必要とされるものを適宜選択して用いることができる。
【0068】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての半導体装置の製造方法は、本発明の範囲に包含される。
【0069】
また、説明の簡便化のために、半導体産業で通常用いられる手法、例えば、フォトリソグラフィプロセス処理前後のクリーニング等は省略しているが、それらの手法が含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態1における半導体装置の断面図である。
【図2】実施の形態1における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図3】図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図4】図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図5】図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図6】図2のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図7】露光時のパターン状態を説明するための図である。
【図8】CMP加工時のCu膜形状を説明するための図である。
【図9】従来のLow−k膜とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図10】ダミーパターンと本パターンが形成された上層配線層と、ダミーパターンと本パターンが形成された下層配線層と、その中間層とを示した半導体装置の断面図である。
【図11】パターンの粗密によりパターン露光時に生じる不具合を説明するための図である。
【図12】パターンの粗密によりCMP加工時に生じる不具合を説明するための図である。
【符号の説明】
【0071】
20,22,24 ヴィア
200 基体
212,275,284 下地膜
220,280,285 p−lowk膜
221,281 絶縁膜
222,282,290 キャップ膜
240,242,244 バリアメタル膜
250,252 シード膜
260,262,264 Cu膜
270 電子線レジスト膜
271 電子線
292 拡散防止膜
295 その他の層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下層配線層上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記絶縁膜に第1の開口パターンと、前記第1の開口パターンより径若しくは幅が小さい第2の開口パターンとを露光する露光工程と、
前記第1の開口パターンに基づく開口部が前記下層配線層に達するまで前記絶縁膜をエッチングし、前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部を形成する開口部形成工程と、
前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部とに導電性材料を堆積させる堆積工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記露光工程において、前記第1の開口パターンのみが露光される場合にパターン密度が粗となる領域に前記第2の開口パターンを露光することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記露光工程において、前記第1の開口パターンと前記第2の開口パターンとを同一のマスクを用いて露光することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記堆積工程において、前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部と共に、前記絶縁膜上にも導電性材料を堆積させ、
前記半導体装置の製造方法は、さらに、前記絶縁膜上に堆積した導電性材料を研磨除去する研磨工程を備えたことを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記半導体装置の製造方法は、さらに、前記絶縁膜上に上層配線を形成する上層配線形成工程を備え、
前記露光工程において、前記第2の開口パターンは、前記上層配線下領域に相当する位置に露光されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の開口パターンは、前記第1の開口パターンの径若しくは幅に対し、70%以下の径若しくは幅に露光されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
第1の配線層と、
前記第1の配線層の上方に形成された第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に形成された中間層と、
を備え、
前記中間層には、
絶縁性材料を用いた絶縁膜と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層とに接続する導電性材料を用いた第1の導電性材料堆積部と、
前記第2の配線層と前記絶縁膜とにより囲まれた、導電性材料を用いた、前記第1の導電性材料堆積部より径若しくは幅の小さな第2の導電性材料堆積部と、
が形成されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
前記第2の導電性材料堆積部は、前記中間層において、前記第1の導電性材料堆積部が形成される場合にパターン密度が粗となる領域に形成されることを特徴とする請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2の導電性材料堆積部は、前記第2の配線層に形成される第2の配線下領域に相当する位置に形成されることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2の導電性材料堆積部は、前記第1の配線層に形成される第1の配線と前記第2の配線層に形成される第2の配線とを非接続とする領域に形成されることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項1】
下層配線層上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記絶縁膜に第1の開口パターンと、前記第1の開口パターンより径若しくは幅が小さい第2の開口パターンとを露光する露光工程と、
前記第1の開口パターンに基づく開口部が前記下層配線層に達するまで前記絶縁膜をエッチングし、前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部を形成する開口部形成工程と、
前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部とに導電性材料を堆積させる堆積工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記露光工程において、前記第1の開口パターンのみが露光される場合にパターン密度が粗となる領域に前記第2の開口パターンを露光することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記露光工程において、前記第1の開口パターンと前記第2の開口パターンとを同一のマスクを用いて露光することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記堆積工程において、前記第1と第2の開口パターンに基づく開口部と共に、前記絶縁膜上にも導電性材料を堆積させ、
前記半導体装置の製造方法は、さらに、前記絶縁膜上に堆積した導電性材料を研磨除去する研磨工程を備えたことを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記半導体装置の製造方法は、さらに、前記絶縁膜上に上層配線を形成する上層配線形成工程を備え、
前記露光工程において、前記第2の開口パターンは、前記上層配線下領域に相当する位置に露光されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の開口パターンは、前記第1の開口パターンの径若しくは幅に対し、70%以下の径若しくは幅に露光されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
第1の配線層と、
前記第1の配線層の上方に形成された第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に形成された中間層と、
を備え、
前記中間層には、
絶縁性材料を用いた絶縁膜と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層とに接続する導電性材料を用いた第1の導電性材料堆積部と、
前記第2の配線層と前記絶縁膜とにより囲まれた、導電性材料を用いた、前記第1の導電性材料堆積部より径若しくは幅の小さな第2の導電性材料堆積部と、
が形成されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
前記第2の導電性材料堆積部は、前記中間層において、前記第1の導電性材料堆積部が形成される場合にパターン密度が粗となる領域に形成されることを特徴とする請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2の導電性材料堆積部は、前記第2の配線層に形成される第2の配線下領域に相当する位置に形成されることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2の導電性材料堆積部は、前記第1の配線層に形成される第1の配線と前記第2の配線層に形成される第2の配線とを非接続とする領域に形成されることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−49534(P2006−49534A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227454(P2004−227454)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]